JP2012520412A - スケーラブルなすくい角を有する軸流遠心圧縮機 - Google Patents

Abstract

本発明は、複数のベーン（３）がそれらの脚部（６）に取り付けられかつ前縁（８）と後縁（９）との間に延在する基部（２）を備え、前記後縁が、圧縮機（１）の回転方向にその基部を通して延在する中間面に対して傾斜角度αだけベーン（３）の基部（６）において傾斜される、タービンエンジンのための遠心または軸流遠心圧縮機用の可動ホイールであって、後縁（９）が、ベーン（３）の頂部（７）においてベーン基部での傾斜角度αよりも小さい傾斜角度βを有することを特徴とする、可動ホイールに関する。

Description

本発明の分野は、ターボ機械の分野、およびより詳細には、少なくとも１つの遠心または混合（軸流遠心）圧縮段を備えるターボ機械の圧縮機の分野である。

航空タービンエンジン、および特にヘリコプタ用のタービンエンジンは、通常、ガス発生器の圧縮段として遠心または混合型の圧縮機を備えている。これらの圧縮機は、実質的に軸方向の空気入口、およびより半径方向の出口を有する可動ホイールまたはインペラによって形成され、ブレードが、空気流のための案内として役立ちかつ入口方向から出口方向に向かって空気流を方向転換するベルの形の基部に固定される。したがって、流れは、この基部と圧縮機ケーシングとの間を循環し、これは、インペラのさまざまなブレードによって圧縮され、推進される。

翼配列の頂部は、自由であり、空気ダクトを閉鎖するケーシング、またはカバーと向かい合って配置される。後縁は、先行技術では直線からなり、ブレードの脚部を通過するインペラの子午面に対して傾斜され得る。それがこの子午面と作る角度は、用語、すくい角、または後縁の傾斜角度によって表され、遠心インペラ翼配列を説明するための関連する幾何学的パラメータのうちの１つを構成する。

遠心インペラの後縁で（たとえば、２０°程度の）有意な傾斜角度を選択することは、特に遠心力を受けた翼配列の曲げによるブレード脚部での応力を低減する、知られている手段である。したがって、これにより、圧縮機のより高性能の設計が可能になり、特に：
等しい回転速度において、翼配列の厚さ、およびしたがって基部のシェルの厚さを減少させ、およびしたがってロータの質量および慣性を著しく減少させ、
でなければ、インペラの等しい質量および慣性において、回転速度を増加させることができる。

たとえば、ターボ機械の圧縮機用の遠心インペラを説明している米国特許第５７３０５８２号明細書が知られている。円筒体に刻設（ｉｎｓｃｒｉｂｅｄ）される螺旋の形状を有するこのインペラでは、傾斜角度は、後縁の端から端まで一定である。

米国特許第５７３０５８２号明細書 米国特許第４８１９８８４号明細書

直線からなる後縁によって有意な傾斜角度の選択の結果として、翼配列の頂部がこの子午面に関して脚部と同じ角度で傾斜される。翼配列とカバーとの間の偶発的な接触の場合は、後縁がインペラの回転方向に傾斜される場合、ブレードの頂部は、金属に自動係合する傾向を有し、その危険によって、重大な劣化が生じる。

また、傾斜角度がブレードの脚部からそれらの頂部に向かって連続的に増加し、頂部がプレートに保持され、したがって、装置のケーシングにブレードが係合するいかなる危険も回避されるインペラを備える、通気装置に関する米国特許第４８１９８８４号明細書も知られている。

本発明の目的は、先行技術の欠点のうちのいくつかを有さない、かつ特に、ブレードの頂部がカバーと接触する場合にブレードの頂部が自動係合する現象を発生することなく、その脚部で有意な傾斜角度を備える後縁を有する、遠心または混合軸流遠心圧縮機を提供することによってこれらの欠点を克服することである。

したがって、本発明の主題は、前縁と後縁との間に延在する複数のブレードがこれらの脚部によって固定される基部を備え、前記後縁が、圧縮機の回転方向にその脚部でこれを通過する子午面に関して傾斜角度だけブレードの脚部で傾斜される、ターボ機械の遠心または混合軸流遠心圧縮機用の可動ホイールであって、後縁が、ブレードの頂部においてブレード脚部でのその傾斜角度αよりも小さい傾斜角度βを有することを特徴とする、可動ホイールである。

頂部での傾斜角度はより小さいので、ブレードの後縁および頂部によって形成されるコーナーは、ケーシングに関してより接線方向に移動し、したがって、偶発的な接触の場合にその中にそれほど貫入することはできない。

ブレード頂部での後縁の傾斜角度βは、ゼロに近いか、またはまさにゼロであることが好ましい。さらに、ブレード頂部での後縁の傾斜角度βは、負であることがより好ましい。これらの形状構成は、偶発的な接触の場合に、後縁の頂部のコーナーがケーシングに埋め込まれることになり得ないというより大きな保証を与える。

１つの特定の実施形態では、後縁の曲率は、前記後縁の脚部と頂部との間で一定である。したがって、後縁は、円の円弧の形状を有する。

他の実施形態では、後縁の曲率は、前記後縁の脚部と頂部との間で連続的に変化している。したがって、後縁は、螺旋の形状を有する。

本発明はまた、上述した特徴のうちの１つを有する圧縮機を備えるターボ機械にも関する。最後に、本発明は、このようなターボ機械を備えた航空機に関する。

添付の概略的な図面を参照して、単に説明のかつ非限定的な例示として述べられる本発明の実施形態についての次の詳細な説明記述の中で、本発明はよりよく理解され、本発明の他の目的、詳細、特徴および利点が、よりはっきりと現れる。

本発明の実施形態による遠心圧縮機インペラの透視図である。 先行技術による遠心圧縮機ブレードの後縁の正面図である。 本発明の実施形態による遠心圧縮機ブレードの後縁の正面図である。

図１を参照して、基部２の周囲にわたって一様に分配された圧縮機ブレード３が固定される、ベルの形の基部２を備える遠心圧縮機１を見ることができる。基部２は、圧縮されるべき空気の入口面に対応するその上部において圧縮機のためのハブ４を形成する円筒体になって、およびその下部において前記圧縮機の回転軸に対して半径方向に方向付けられるディスク５になって終端する。ブレード３は、ブレードの脚部６で基部２によって保持され、これらのブレードの頂部７は、自由であり、圧縮機ケーシング（図示せず）の内側で回転する。空気流の流れの方向に、ブレードは、ハブ４に位置している前縁８とディスク５に位置している後縁９との間に延在する。

次いで、図２を参照して、先行技術による圧縮機ブレード３の後縁９を見ることができる。この後縁は、その脚部において、傾斜角度αだけ回転方向にこれを通過する子午面に関して傾斜される。この後縁９は、直線からなり、すなわち、これは後縁９の脚部から頂部までその高さ全体にわたって、ブレード脚部でその値αに等しい同じ傾斜を有する。

対照してみると、図３では、後縁９は、その高さに沿って変化している形状を有する。これは、ブレード３の脚部６において回転方向に傾斜角度αで傾斜され、このことは、先行技術の場合のように画定されるが、この角度は、αよりも小さい、ブレード３の頂部７で値βに達するように、後縁に沿って上向き方向に徐々により小さくなる。この値βは、ゼロ、またはまさに負であることができ、すなわち、この場合はブレードの頂部は、インペラの回転方向の反対方向に傾斜される。

したがって、提案された本発明は、後縁９においてブレード脚部６で大きな傾斜角度αを選択し、次いで、翼配列の頂部においてより小さい、またはまさにゼロもしくは負の傾斜角度を見出すように翼配列３の曲率を適用することからなる。ブレード脚部６での大きな傾斜角度αの存在により、脚部での曲げ応力を低減することができ、他方では、頂部７での小さな傾斜角度βにより、後縁９でのブレードの頂部７とケーシングとの間の偶発的な接触の場合、ケーシングにブレード３が自動係合する危険が低減される。

後縁９でのこのような輪郭の製作は、３Ｄ翼配列幾何学的形状を可能にするポイント加工方法を基礎としており、対照してみると、以前に使用されたフランク加工は、ブレードの輪郭を設計する場合に、線織面（すなわち、直線の積重ねから構成される）を強いることによって可能性を制限した。

輪郭の幾何学的形状のこの変更は、有意な空気力学的影響によって明らかにされていない。本発明によるブレード３の使用は、驚くべき方式で、後縁９の高さに沿って傾斜角度の減少から生じる、圧縮機の性能の増大にむしろ寄与するものである。

本発明の適用によるブレードの応力、およびブレードの頂部が自動係合する性質の二重の低減は、実際の翼配列についての計算によって実証されている。

したがって、本発明は、質量および慣性の節減、または等しい質量および等しい慣性によって、ブレード３とケーシングとの間の接触の場合に挙動を低下させることなく回転速度の増加を可能にする。

ブレードの脚部６と頂部７との間の後縁９のブレード３の曲率の変化について、さまざまな変形が予想され得る。たとえば、曲率は、一定であることができ、後縁は、円弧の形状を有し、でなければ連続的に変化して、この場合は後縁の輪郭は、螺旋の形状を有する。ブレードの脚部と頂部との間の曲率は、圧縮機の空力性能に対してそれが有する影響によって選択される。

本発明は、特定の実施形態に関して説明されたが、それに何ら限定されないこと、ならびに説明された手段の技術的均等物および本発明の範囲に属するそれの組合せのすべてを包含することは、明らかに自明である。

１つの特定の実施形態では、後縁の曲率は、前記後縁の脚部と頂部との間で一定である。

ブレードの脚部６と頂部７との間の後縁９のブレード３の曲率の変化について、さまざまな変形が予想され得る。たとえば、曲率は、一定であることができ、後縁は、円弧の形状を有し、でなければ連続的に変化している。ブレードの脚部と頂部との間の曲率は、圧縮機の空力性能に対してそれが有する影響によって選択される。

Claims (8)

1. 前縁（８）と後縁（９）との間に延在する複数のブレード（３）がこれらの脚部（６）によって固定される基部（２）を備え、前記後縁が、圧縮機（１）の回転方向にその脚部でこれを通過する子午面に関して傾斜角度αだけブレード（３）の脚部（６）において傾斜される、ターボ機械の遠心または混合軸流遠心圧縮機用の可動ホイールであって、後縁（９）が、ブレード（３）の頂部（７）においてブレード脚部でのその傾斜角度αよりも小さい傾斜角度βを有することを特徴とする、可動ホイール。
2. ブレード頂部での後縁（９）の傾斜角度βが、ゼロに近いか、またはまさにゼロである、請求項１に記載の可動ホイール。
3. ブレード頂部での後縁（９）の傾斜角度βが、負である、請求項１に記載の可動ホイール。
4. 後縁（９）の曲率が、前記後縁の脚部（６）と頂部（７）との間で一定である、請求項１から３の一項に記載の可動ホイール。
5. 後縁（９）の曲率が、前記後縁の脚部（６）と頂部（７）との間で連続的に変化している、請求項１から３の一項に記載の可動ホイール。
6. 請求項１から５の一項に記載の可動ホイールを備える圧縮機。
7. 請求項６に記載の圧縮機を備えるターボ機械。
8. 請求項７に記載のターボ機械を備えた航空機。

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