JP2012519192A - アシルベンゼンの調製方法 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、リスベラトロールの多段階製造方法に関する。特に、本発明は、構造的に式
(式中、Rは1〜10個の炭素原子を有する低級アルキル基を表す)で表される3,5−ジアセトキシアシルベンゼンの製造方法と、リスベラトロールの調製における中間体としてのその使用とに関する。
3,4’,5−トリヒドロキシスチルベンという系統名を有するリスベラトロールは、価値のあるその生物学的特性および薬理学的効果のために、この数年間大きな関心を持たれている天然に存在する既知の化合物である。リスベラトロールは、いわゆる「フレンチパラドックス(French Paradox)」の理由であると考えられていることを含め、多くの治療効果および疾患予防効果を示すことが報告されている。フレンチパラドックスは、高レベルの脂肪およびアルコールを含む地中海料理を食べて暮らしている人々において、予想される癌および心疾患の増大が観察されないという事実である。例えば、皮膚腫瘍および白血病だけでなく血小板凝集および凝固も阻害するリスベラトロールの効果は、種々の細胞および動物アッセイにおいて示されている。さらに、リスベラトロールは、血管弛緩薬、抗菌および殺真菌薬であることが示されている。近年、リスベラトロールが高脂肪食を与えられたマウスの寿命を延ばすことができることを実証するデータが公開された。
従って、膨大な研究および調査に基づいて、そして実験データから証明されるように、本発明の発明者らは、3,5−ジアセトキシアセトフェノンおよびその類似体の新規の製造方法の開発に成功した。従って、本発明の目的は、(1)ピリジンの触媒作用下で酸無水物による3,5−ジヒドロキシ安息香酸のアシル化を行い、3,5−ジアシルオキシ安息香酸を得るステップ、好ましくは無水酢酸により3,5−ジアセトキシ安息香酸を形成するステップと、(2)塩化メチレン中で塩化チオニルにより3,5−ジアシルオキシ安息香酸(好ましくは、3,5−ジアセトキシ安息香酸)を塩素化して、ジアシルオキシベンゾイルクロリド(好ましくは、ジアセトキシベンゾイルクロリド)を得るステップと、(3)鉄含有触媒の存在下で、ジアシルオキシベンゾイルクロリド(好ましくは、ジアセトキシベンゾイルクロリド)をグリニャール試薬と反応させて、3,5−ジアセトキシ−アセトフェノンおよびその類似体を得るステップとを含む、3,5−ジアセトキシアセトフェノンおよびその類似体の調製方法を提供することである。
(式中、Rは、1〜10個の炭素原子を有する低級アルキル基を表す)で表される3,5−ジアセトキシアシルベンゼンの調製方法を提供する。好ましくは、鉄含有触媒は、Fe(AcAc)3、塩化フタロシアニン鉄(iron phthalocyanine chloride)、トリス(ジベンゾイルメタナト)鉄、トリス(ヘキサフルオロアセチルアセトナト)鉄、無水塩化第二鉄、フェロセン、トリフルオロアセチルアセトン酸鉄および塩化テトラフェニルポルフィン鉄(iron tetraphenylporphine chloride)からなる群から選択される。
本発明は以下の実施例によって説明される。当業者は、以下の実施例が説明のためだけのものであって、本発明の範囲が本出願の特許請求の範囲によって定義されることが分かるであろう。
[ステップ1:アセトキシ安息香酸]
マグネチックスターラ、温度計および冷却器を有する100mlの3つ口フラスコに、30g(0.195mol)の3,5−ジヒドロキシ安息香酸、47ml(0.497mol)の無水酢酸および2.4ml(29.8mmol)のピリジンを入れた。混合物を100℃に加熱し、攪拌下で3〜4時間保持した後冷却し、400mlの氷水中に注ぎ、ろ過した。ろ過ケーキを氷水で洗浄し、1mbarの真空下45℃で乾燥させた。41gの3,5−ジアセトキシ安息香酸を白色固体として得た。収率は88.4%であった。
マグネチックスターラ、温度計および冷却器を有する250mlの3つ口フラスコに、15.4g(64.7mmol)の3,5−ジアセトキシ安息香酸、10mlの塩化チオニルおよび80mlのCH2Cl2を入れた。混合物を3〜5時間還流させた。次に、溶媒および残存塩化チオニルを留去した。新たなCH2Cl2を添加し、もう一度留去した。粗固体を120mlのトルエン中に溶解し、溶液をろ過した。溶媒を蒸発させ、1mbarにおいて室温で生成物を乾燥させた。16.3gの3,5−ジアセトキシベンゾイルクロリドを白色固体として得た。収率は98.2%であった。
窒素雰囲気下で、マグネチックスターラ、温度計、滴下漏斗および冷却器を有する100mlの3つ口フラスコに、2g(7.8mmol)のジアセトキシ−ベンゾイルクロリド、および15mlの乾燥THFを入れた。2.6mlの塩化メチルマグネシウム(THF中3M)を20分間にわたって液滴で溶液に添加した。反応混合物を攪拌下、室温でさらに10分間保持した。次に、混合物を塩化アンモニウム水で失活させた。混合物を酢酸エチルで抽出した後、抽出物をMgSO4上で乾燥させ、濃縮した。残渣をGCにより分析した。収率は27%であった。
ステップ1および2は、実施例1と同じ条件下で実行した。
窒素雰囲気下で、マグネチックスターラ、温度計、滴下漏斗および冷却器を有する100mlの3つ口フラスコに、2g(7.8mmol)のジアセトキシ−ベンゾイルクロリド、83mg(酸クロリドに基づいて3mol%)のFe(AcAc)3および15mlの乾燥THFを入れた。2.6mlの塩化メチルマグネシウム(THF中3M)を20分間にわたって液滴で溶液に添加した。反応混合物を攪拌下、表1に示される温度でさらに10分間保持した。次に、混合物を塩化アンモニウム水で失活させた。混合物を酢酸エチルで抽出した後、抽出物をMgSO4上で乾燥させ、濃縮した。残渣をGCにより分析した。結果は表1に記載される。
ステップ1および2は、実施例1と同一の条件下で実行した。
窒素雰囲気下で、マグネチックスターラ、温度計、滴下漏斗および冷却器を有する100mlの3つ口フラスコに、2g(7.8mmol)のジアセトキシベンゾイルクロリド、141mg(酸クロリドに基づいて3mol%)の塩化フタロシアニン鉄および15mlの乾燥THFを入れた。2.6mlの塩化メチルマグネシウム(THF中3M)を20分間にわたって液滴で溶液に添加した。反応混合物を攪拌下、−15℃でさらに10分間保持した。次に、混合物を塩化アンモニウム水で失活させた。混合物を酢酸エチルで抽出した後、抽出物をMgSO4上で乾燥させ、濃縮した。残渣をGCにより分析した。収率は82.1%であった。
ステップ1および2は、実施例1と同一の条件下で実行した。
窒素雰囲気下で、マグネチックスターラ、温度計、滴下漏斗および冷却器を有する100mlの3つ口フラスコに、2g(7.8mmol)のジアセトキシベンゾイルクロリド、169mg(酸クロリドに基づいて3mol%)のトリス(ジベンゾイルメタナト)鉄および15mlの乾燥THFを入れた。2.6mlの塩化メチルマグネシウム(THF中3M)を20分間にわたって液滴で溶液に添加した。反応混合物を攪拌下、−15℃でさらに10分間保持した。次に、混合物を塩化アンモニウム水で失活させた。混合物を酢酸エチルで抽出した後、抽出物をMgSO4上で乾燥させ、濃縮した。残渣をGCにより分析した。収率は87.0%であった。
ステップ1および2は、実施例1と同一の条件下で実行した。
窒素雰囲気下で、マグネチックスターラ、温度計、滴下漏斗および冷却器を有する100mlの3つ口フラスコに、2g(7.8mmol)のジアセトキシベンゾイルクロリド、158mg(酸クロリドに基づいて3mol%)のトリス(ヘキサフルオロアセチルアセトナト)鉄および15mlの乾燥THFを入れた。2.6mlの塩化メチルマグネシウム(THF中3M)を20分間にわたって液滴で溶液に添加した。反応混合物を攪拌下、−15℃でさらに10分間保持した。次に、混合物を塩化アンモニウム水で失活させた。混合物を酢酸エチルで抽出した後、抽出物をMgSO4上で乾燥させ、濃縮した。残渣をGCにより分析した。収率は77.5%であった。
ステップ1および2は、実施例1と同一の条件下で実行した。
窒素雰囲気下で、マグネチックスターラ、温度計、滴下漏斗および冷却器を有する100mlの3つ口フラスコに、2g(7.8mmol)のジアセトキシベンゾイルクロリド、38mg(酸クロリドに基づいて3mol%)の無水塩化第二鉄および15mlの乾燥THFを入れた。2.6mlの塩化メチルマグネシウム(THF中3M)を20分間にわたって液滴で溶液に添加した。反応混合物を攪拌下、−15℃でさらに10分間保持した。次に、混合物を塩化アンモニウム水で失活させた。混合物を酢酸エチルで抽出した後、抽出物をMgSO4上で乾燥させ、濃縮した。残渣をGCにより分析した。収率は83.6%であった。
ステップ1および2は、実施例1と同一の条件下で実行した。
窒素雰囲気下で、マグネチックスターラ、温度計、滴下漏斗および冷却器を有する100mlの3つ口フラスコに、2g(7.8mmol)のジアセトキシベンゾイルクロリド、44mg(酸クロリドに基づいて3mol%)のフェロセンおよび15mlの乾燥THFを入れた。2.6mlの塩化メチルマグネシウム(THF中3M)を20分間にわたって液滴で溶液に添加した。反応混合物を攪拌下、−15℃でさらに10分間保持した。次に、混合物を塩化アンモニウム水で失活させた。混合物を酢酸エチルで抽出した後、抽出物をMgSO4上で乾燥させ、濃縮した。残渣をGCにより分析した。収率は67.5%であった。
ステップ1および2は、実施例1と同一の条件下で実行した。
窒素雰囲気下で、マグネチックスターラ、温度計、滴下漏斗および冷却器を有する100mlの3つ口フラスコに、2g(7.8mmol)のジアセトキシベンゾイルクロリド、120.5mg(酸クロリドに基づいて3mol%)のトリフルオロアセチルアセトン酸鉄および15mlの乾燥THFを入れた。2.6mlの塩化メチルマグネシウム(THF中3M)を20分間にわたって液滴で溶液に添加した。反応混合物を攪拌下、−15℃でさらに10分間保持した。次に、混合物を塩化アンモニウム水で失活させた。混合物を酢酸エチルで抽出した後、抽出物をMgSO4上で乾燥させ、濃縮した。残渣をGCにより分析した。収率は87%であった。
Claims (6)
- 前記鉄含有触媒が、Fe(AcAc)3、塩化フタロシアニン鉄、トリス(ジベンゾイルメタナト)鉄、トリス(ヘキサフルオロアセチルアセトナト)鉄、無水塩化第二鉄、フェロセン、トリフルオロアセチルアセトン酸鉄および塩化テトラフェニルポルフィン鉄からなる群から選択される請求項1に記載の方法。
- 前記グリニャール試薬が、式X−Mg−R(式中、XはCl、BrまたはIであり、Rは、1〜10個の炭素原子を有する低級アルキル基、好ましくはメチルである)で表される請求項1または2に記載の方法。
- 前記反応が、約−70℃〜約40℃の温度で実行される請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
- 前記グリニャール試薬対前記酸クロリドのモル比が、約1:10〜約2:1である請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
- 前記鉄含有触媒対前記酸クロリドのモル比が、約0.5%〜約10%である請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
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