JP2012516245A

JP2012516245A - プラスチックカバーおよびレンズの修復組成物および方法

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Publication number: JP2012516245A
Application number: JP2011547899A
Authority: JP
Inventors: シー．ノービルウィリアム
Original assignee: レンズセーバーズリミテッドライアビリティカンパニー
Priority date: 2009-01-30
Filing date: 2009-01-30
Publication date: 2012-07-19
Anticipated expiration: 2029-01-30
Also published as: BRPI0924223A2; CA2751158A1; KR101621580B1; RU2011135969A; WO2010087849A1; EP2401114A4; KR20110138214A; MX2011008068A; CA2751158C; EP2401114A1; CN102355983B; AU2009338803A1; AU2009338803B2; JP5571695B2; CN102355983A; ZA201106224B; RU2487792C2

Abstract

自動車のプラスチックライトカバー、またはサングラスレンズもしくは矯正用光学レンズ等の他のプラスチック表面の光透過性および光学的透明性状を効果的に回復させるプラスチック修復キットおよび方法。これらのキットおよび方法は、引っかき傷および／または紫外線誘発性酸化によって損傷されているプラスチック表面を修復する。これらのキットおよび方法は、プラスチック表面を艶出しし、光沢付与するように選択された粒子を有する研磨用組成物および光沢付与組成物、ならびに硬質の紫外線防御コーティングを形成する紫外線防御組成物を利用する。これらの艶出し組成物および／または光沢付与組成物は、艶出しまたは光沢付与するステップの間に酸素および機械的圧力に曝される場合、次第に砕解し小さい粒度になる、液状またはゲル状担体内に分散された、凝集された研磨材粒子を含むことができる。

Description

本発明は、プラスチックカバーおよびレンズから、引っかき傷および酸化損傷を除去する組成物および方法を対象とする。特に、本発明は、プラスチックヘッドライトカバー、光学レンズ、他のプラスチック表面に透明性および光沢を回復し、また引っかき傷および酸化による将来の損傷を防止することを対象とする。

プラスチック材料は、自動車ヘッドライト用の光学的に透明な被覆物としてガラスを殆ど代替するものとなっている。典型的なプラスチックヘッドライトカバーは、成形されたポリカーボネートプラスチックで構成され、自動車の前面の輪郭に適合する空気力学的形状に成形されている。

プラスチックは、いくつかの点で、ガラスよりも優れている。プラスチックは、ガラスと同様な透明性を有しながら、ガラスよりも軽く、より可撓性であり、かつ小さな衝撃を吸収することができ、また大きな衝撃に応答して粉々になる可能性が極めて少ない。その上、プラスチックは、現代の自動車デザインとより調和できる様々な空気力学的形状に容易に成形することができる。

しかし、プラスチックは、いくつかの不利な点を有している。例えば、プラスチックは引っかき傷および紫外線誘発性の酸化損傷を受け易い。またプラスチックヘッドライトカバーは、通常、引っかき傷および紫外線損傷に対する保護コーティングを備えているが、このようなコーティングは、時間が経っても１００％保護をもたらすものではない。例えば、道路粒子および他の硬い摩擦性物質が保護コーティングを貫通すると、プラスチックの光学的性質を劣化させる引っかき傷の原因になる。カバーの光学的性質を物理的に劣化させるほかに、引っかき傷は、プラスチックを損傷させるいくつかの他の過程につながる。例えば、保護コーティングを貫通する引っかき傷（表面を洗浄および清浄化することから）により、排気物質（ｅｘｈａｕｓｔｅｍｉｓｓｉｏｎｓ）や酸性雨中の化学物質が、プラスチック基質に到達することが可能となり得る。ＵＶコーティングを貫通する引っかき傷は、紫外線および／または酸素がプラスチック基質に到達し、プラスチックの酸化損傷を招くことをも可能にする。さらに、高輝度のヘッドライトがもたらすカバーの加熱により、引っかき傷が伸び縮みして、紫外線および／または酸素がより多くプラスチック基質に到達することが可能になる。時間が経って、これらの過程が点検されないままになると、プラスチックヘッドライトカバーは殆ど光を通さなくなり、ルーメンまたは光出力が低下する恐れがある。このため、当然、ヘッドライト輝度および効果の低下による安全性の問題を生じる。

引っかき傷および／または酸化により相当損傷しているヘッドライトカバーについて、車の所有者にとっては、交換が１つの選択肢である。しかし、多くの消費者にとって、プラスチックカバー交換は、法外に高い出費である。例えば、典型的なヘッドライトカバー交換費用は、取付け費を含まないで、ヘッドライト１基当り２００ドルと５００ドルの間にある可能性がある。

ヘッドライトカバーを修復することができるとした利用可能な製品が存在する。しかし、大部分のそれら製品は、他の用途向けに意図されていて、がさつな洗剤や方法、安価なワックスおよび金属艶出し材（ｐｏｌｉｓｈ）を使用するものである。これらの製品は、脆性のプラスチック製レンズを著しく傷つける恐れがある。また、やはりこれらの製品に由来するいかなる利点についても、再び環境の下に曝されると、コーティングのないレンズが速やかにひびを生ずるようになるので、しばしば長続きしないものである。

プラスチックから引っかき傷を除去するのに使用されている製品の一例としては、Ｍｉｃｒｏ−Ｍｅｓｈ（商標）と呼ばれるシステムがある。他には、Ｐｅｒｍａｔｅｘであり、サンドペーパーを使用している。Ｍｉｃｒｏ−Ｍｅｓｈ（商標）システムは、種々の粒度のグリットを有する一連のゴムで裏打ちされたサンディング布を使用して、プラスチックから引っかき傷を除去するものである。第１のステップは、２，４００番（ｇａｕｇｅ）グリットを有するサンディング布を使用する。その後のステップでは、１２，０００番グリットまでの、より微細な等級の研磨布が使用される。ゴムサンディングブロックの使用に加えて、艶出しが終了した後、少量の帯電防止クリームが塗布されている。

しかし、Ｍｉｃｒｏ−Ｍｅｓｈ（商標）システムは、多くのマイナス面を有する。Ｍｉｃｒｏ−Ｍｅｓｈ（商標）システムを使用する１つのマイナス面は、最も小さな引っかき傷を除去するためでさえも、大量のプラスチックをサンディング除去しなければならない点である。すなわち、少なくとも引っかき傷の深さに等しくなるまで十分にプラスチック表面を除去する必要がある。さらに、引っかき傷を除去した領域の周囲にプラスチックの光学的歪みをもたらすことを避けるために、かなり大きい面積のプラスチックを除去しなければならない。光学的歪みを避けるために、使用者は、高度の熟練および根気を有しなければならず、それには高度の訓練を要する。その上、このシステムを使用して、繰り返し引っかき傷を除去すると、プラスチックの厚さが大きく減少し、その所望される保護特性が損なわれるであろう。Ｍｉｃｒｏ−Ｍｅｓｈ（商標）サンディングシステムの他のマイナス面は、それぞれの型のグリットについてのそれぞれの一連のサンディングを行うのに大量の時間を要する点である。Ｍｉｃｒｏ−Ｍｅｓｈ（商標）サンディングシステムのさらに他のマイナス面は、広範なサンディングにより、プラスチックから、引っかき傷と一緒に紫外線防御コーティングが除去されてしまう点である。

他の製品では、アクリルスパーワニスなどのワニスを使用して、本質的にプラスチックヘッドライトカバーにおける引っかき傷を充填しそれらを被覆する。これら製品は、使用するのに容易で迅速であるが、それらは究極的にはプラスチックを修復するものではない。ワニスのコーティングは、引っかき傷および酸化部を単に被覆しており、その下にあるプラスチックへの損傷を補修することは全くない。ワニスおよびペイントは、一般に、プラスチックに極めて良好に接着されず、ワニスは短期間に、薄片としてはく離し除去される可能性がある。その上、ワニスコーティングの屈折率が、その下にあるプラスチックの屈折率と異なる場合、充填された引っかき傷のそれぞれが、ヘッドライトからの光を散乱させるマイクロレンズとして作用するであろう。ワニスのコーティングを施した後、ヘッドライトはより良好に見えるかも知れないが、実際には、ワニスがカバーの光学的性質を回復させることはないであろう。

ＤＩＮ５８−１９６−Ｇ１０ＡＳＴＭＤ３３６３−９２ａ

本発明は、引っかき傷および紫外線誘発性酸化によって損傷されているプラスチック表面の透明性および光透過性状を回復させるように構成された新規な組成物およびそれを用いた方法を包含する。

プラスチックの表面におけるこのような欠陥または傷は、そのプラスチック表面に、本明細書において記述される再生組成物を適用することにより除去できる。該組成物には、例えば、引っかき傷および紫外線誘発性酸化によって損傷されているプラスチック表面の透明性および光透過性状を回復させるための１種または複数の艶出し組成物、艶出しされたプラスチック表面をさらに平滑にし光沢を回復するための１種または複数の光沢付与（ｌｕｓｔｅｒｉｚｉｎｇ）組成物、およびプラスチック表面に紫外線防御性を回復させるための１種または複数の紫外線防御組成物が含まれる。本発明によりプラスチック表面を修復することにより、長持ちする透明性、光透過性および紫外線防御仕上げがもたらされる。

艶出し組成物には、約５０ミクロンから約４００ミクロンの範囲にある、好ましくは約６０ミクロンから約３００ミクロンの範囲にある、またより好ましくは約７０ミクロンから約２００ミクロンの範囲にある、また最も好ましくは約７５ミクロンから約１５０ミクロンの範囲にある初期グリット粒度を有する研磨材料が含まれる。中間質グリット艶出し組成物は、約５０〜１００ミクロン、好ましくは約６０〜９０ミクロンの初期グリット粒度を有することが好ましく、また重質グリット艶出し組成物は、約８０〜２００ミクロン、好ましくは約１００〜１５０ミクロンの初期グリット粒度を有することが好ましい。研磨材料は、艶出し組成物の製造において使用するのに適した適正な担体内に分散される。一実施形態によれば、艶出し組成物中の研磨材料は、艶出し過程の間に機械的圧力および酸素に曝される場合、より小さい粒度（例えば、約１０〜５０ミクロン、好ましくは約１５〜４５ミクロン、より好ましくは約２０〜４０ミクロン、また最も好ましくは約２５〜３５ミクロン）の粒子に砕解する（ｂｒｅａｋｄｏｗｎ）研磨材粒子を含む。使用前に、艶出し組成物は製造され、かつ実質的に酸素のない環境下（例えば、不活性な窒素下）に貯蔵されるのが有利である。

光沢付与組成物には、約１０ミクロンから約６０ミクロンの範囲にある、好ましくは約１５ミクロンから約５０ミクロンの範囲にある、より好ましくは約２０ミクロンから約４５ミクロンの範囲にある、また最も好ましくは約２５ミクロンから約４０ミクロンの範囲にある初期グリット粒度を有する研磨材料が含まれる。軽質研磨材の光沢付与組成物は、約２０〜６０ミクロン、好ましくは約２５〜５５ミクロンの初期グリット粒度を有する。仕上げ用光沢付与組成物は、約１０〜５０ミクロン、好ましくは約１５〜４０ミクロンの初期グリット粒度を有する。研磨材料は、微細な艶出し組成物の製造において使用するのに適した適正な担体内に分散される。一実施形態によれば、この研磨材料は、光沢回復過程の間に機械的圧力および酸素に曝される場合、より小さい粒度（例えば、約１〜２０ミクロン、好ましくは約２〜１５ミクロン、より好ましくは約２．５〜１０ミクロン、また最も好ましくは約３〜８ミクロン）の粒子に砕解する研磨材粒子を含む。使用前に、光沢付与組成物は製造され、かつ実質的に酸素のない環境下（例えば、不活性な窒素下）に貯蔵されるのが有利である。

艶出し組成物および光沢付与組成物の研磨材は、艶出し材料の製造向けに当技術分野において知られる適正な液状またはゲル状担体内に有利に分散される。例示的担体には、水および／または有機溶媒などの溶媒、増粘剤、乳化剤、着色剤などが含まれ得る。

一実施形態によれば、艶出し組成物および／または光沢付与組成物中の研磨材粒子は、実質的に酸素のない環境中に貯蔵される場合、初期粒度を有するが、艶出しおよび／または光沢付与過程の間に酸素および機械的圧力に曝される場合、より小さい最終粒度を有する、より小さい粒子まで次第に砕解する集塊物（ａｇｇｌｏｍｅｒａｔｅｓ）の形態にある。この集塊物は有利に砕解して、初期粒度の約７５％未満である最終粒度を有する、より小さな粒子となる。この集塊物は砕解して、初期粒度の約５０％未満、より好ましくは初期粒度の約３３％未満、また最も好ましくは初期粒度の約２０％未満である最終粒度を有する粒子となることが好ましい。

紫外線防御組成物には、バフ研磨によってこの組成物をプラスチック表面内に入り込ませる場合に、この紫外線防御組成物を効果的にアニールまたは融解させて、有利にプラスチック表面内に入らせる溶媒を有する担体中に、分散された紫外線防御材料が含まれる。その結果は、光学的に透明かつ平滑である、プラスチック表面上の硬化した紫外線防御コーティングとなる。この紫外線防御コーティングは場合によって、このコーティングが、調製されたプラスチック表面に結合することを助ける重合性材料を含むことができる。艶出し組成物および光沢付与組成物は、紫外線防御コーティングとのより強い結合を受け入れかつ形成するように、プラスチック表面を調整する点で助けになることができると想定される。

本発明の艶出し組成物および光沢付与組成物は、従来の艶出し組成物と同じ方法で適用することができ、しかしそれらの結果は、従来の組成物よりもはるかに優れたものである。本発明の艶出し組成物および光沢付与組成物を適用するための例示的な装置には、手持ち式バフ研磨（ｂｕｆｆｉｎｇ）もしくは艶出し機、例えば回転式、揺動式、コードレスドリル、もしくは振動式艶出し機など、またはガラス繊維を含浸させた開放セルポリウレタンバフ研磨パッドが含まれる。より軽度の引っかき傷については、開放セルポリウレタンバフ研磨パッドによって、または柔らかな綿布によって、これらの組成物を手作業で適用することが有利であろう。本発明の組成物は、現在使用されている既存の艶出しシステムに適合できる（ｃｏｍｐａｔｉｂｌｅ）が、より良好かつより長持ちする結果をもたらすものである。

前述の開放セルポリウレタン材料および綿パッドを含む、ほとんどいかなる型のバフ研磨布も、本発明の組成物と合う。フリースウール、麻、剛性ポリウレタン、ガラスウール、ならびに大抵の他の天然および合成材料が、よく合う。制約される点は、バフ研磨パッドまたは布に、バフ研磨過程の機械的力に耐える十分な耐久性があること、その剛性が、問題の仕事の困難さに釣り合うものであること、また、その成分材料が、プラスチック表面に引っかき傷を作るほど、またはプラスチック表面が熱くなって焼けもしくは融ける原因となるほど、硬質ではないことだけである。

一実施形態によれば、本発明には、引っかき傷のあるおよび／または酸化されたプラスチック表面に光透過性および透明性を回復させるキットが含まれる。このキットには、プラスチック表面から引っかき傷、酸化損傷および損傷した紫外線防御コーティングを除去するための少なくとも１種の艶出し組成物、艶出し組成物の使用に続いて、プラスチック表面に光沢および光学的透明性を回復させるための少なくとも１種の光沢付与組成物、ならびに光沢付与組成物の使用に続いて、プラスチック表面に適用するための少なくとも１種の紫外線防御組成物が入っている。このキットには、場合によって他の構成要素、例えば１種または複数の清浄用布および／または、紫外線防御組成物を適用する前に、艶出し組成物および光沢付与組成物からの残渣を除去するのに使用する組成物、ならびに１種または複数の艶出しもしくはバフ研磨パッドまたは布（例えば、ガラス繊維を含浸した網目状開放セルポリウレタンで構成される２本のバフ研磨パッド）などを入れることができる。

一実施形態において、本発明には、引っかき傷のあるおよび／または酸化されたプラスチック表面への光透過性および透明性の回復方法が含まれる。この方法は、従業者が、本質的に、これらに限られないが、プラスチックヘッドライトカバー、他のプラスチック自動車ライトカバー、プラスチックサングラスレンズ、およびプラスチック矯正用眼鏡レンズを含む任意のプラスチック表面を修復することが可能であるように設計されている。

本発明による例示的方法には、（１）バフ研磨パッドまたは布に艶出し組成物を適用し、その艶出し組成物およびバフ研磨パッドまたは布を使用して、プラスチック表面を艶出ししその表面から引っかき傷および酸化損傷を除去するステップと、（２）同一のまたは異なったバフ研磨パッドもしくは布に光沢付与組成物を適用し、その光沢付与組成物およびバフ研磨パッドもしくは布を使用して、ヘッドライトに光沢および光学的透明性を回復させるステップと、（３）このプラスチック表面を清浄にして、艶出し組成物および光沢付与組成物からいかなる残渣をも除去するステップと、（４）このプラスチック表面に、紫外線防御組成物を適用するステップとが含まれる。

本発明のこれらおよび他の利点および特徴は、下記の記述および添付される特許請求範囲から、より完全に明らかになるであろう。また、本明細書において以後示される本発明の実施により教示されるであろう。

本発明の上記および他の利点ならびに特徴をさらに明らかにするため、本発明のより特定的な記述が、添付される図面において例示されるそれらの特定の実施形態を参照して、なされるであろう。これらの図面は、本発明の典型的な実施形態だけを示しており、したがって、本発明の範囲を限定するものとみなすべきではないと理解される。本発明は、添付する図面の使用によって、さらなる特異性および細部について記述され、説明されるであろう。

例示的プラスチックヘッドライトカバーのプロフィロメトリー走査（ｐｒｏｆｉｌｏｍｅｔｒｉｃｓｃａｎ）を図示し、損傷のない領域および引っかき傷のある領域、ならびに本発明の一実施形態により修復された領域を示すグラフである。本発明の一実施形態による方法のフロー図である。

Ｉ．序説および定義
本発明は、プラスチックヘッドライトカバーに透明性および光透過性状を回復させるように構成された組成物および方法にわたるものである。特に、本発明は、引っかき傷および紫外線誘発性酸化によって損傷されている表面の透明性および光透過性状を回復させるように構成された新規な組成物および方法を包含する。プラスチック表面におけるこのような欠陥または傷は、そのプラスチック表面に、本明細書において記述される再生組成物を適用することにより除去できることが見出されている。これらの組成物には、例えば、プラスチックの表面から引っかき傷および酸化部を除去する組成物、ならびに、そのプラスチック表面を艶出しし、光沢付与し、かつ紫外線防御コーティングを再び適用する組成物が含まれる。本明細書において開示される組成物および方法は、研磨材および艶出し材の使用により、損傷されたプラスチック表面の修復を提供する。本明細書において開示される組成物および方法には、さらに、紫外線防御コーティングを再適用する組成物が含まれる。本発明によりプラスチック表面を修復することにより、長持ちする透明性、光透過性および仕上りがもたらされる。

本明細書において使用される用語「プラスチックヘッドライトカバー」は、新型モデルの自動車上のプライマリライトを被覆する成形されたプラスチックヘッドライトカバーを指す。これらのプラスチックヘッドライトカバーは、通例ポリカーボネート製であり、一般にガラスよりも耐久性があり、またプラスチックは、自動車の前端部として、継ぎ目なしに適合する、様々な空気力学的形状に容易に成形できるので、今日の車ではいたるところに見られるものである。

しかし、本明細書において記述される組成物および方法により修復することができる、多くのプラスチック表面が存在することは、理解されるであろう。本明細書において開示される方法およびキットは、使用者が、引っかき傷および／または紫外線誘発性酸化によって損傷されている任意のプラスチック表面を効率的に修復することを可能とするように構成されている。

図１は、例示的プラスチック表面のプロフィロメトリー走査を図示し、損傷のない領域および引っかき傷のある領域、ならびに本発明の一実施形態により修復された領域を示している。プロフィロメトリーは、プローブが表面を端から端に走査する場合、表面における不規則性を検出する技術である。図１に示したように、典型的なプロフィロメトリー走査のｘ軸は、表面を端から端にプローブが移動した直線距離を示している。この場合、図１のｘ軸は、プローブが、約１０，０００ミクロンまたは約１ｃｍの直線距離の端から端にわたるデータを収集したことを示している。プロフィロメトリー走査のｙ軸は、一般に、プローブが表面に直線的に交差して移動する場合、検出された任意の不規則性の大きさを記録している。この場合、表面における不規則性は、プラスチックにおける引っかき傷である。

図１に図示したプラスチックヘッドライトカバーの表面を準備するために、いくつかの部分を、テープでマスキングして除外して、損傷のない表面を保存する一方、他の領域には引っかき傷を作り、次いで修復した。マスキングしない領域には、粗いサンドペーパー（８０番）で完全に引っかき傷を作って、典型的なプラスチックヘッドライトカバーに時間が経つと生じる引っかき傷および紫外線損傷をそっくり模倣した。次いで、引っかき傷のある表面のいくつかの部分をマスキングして除いて、損傷した表面の一例を保存した。次いで、本明細書において開示したシステムおよび方法を使用して、マスキングされない、損傷した領域を修復した。

図１において図示される走査は、これらの損傷のない領域１０、損傷した領域１２、および修復された領域１４を示している。ｘ軸上で約０ミクロンから約１０００ミクロンの範囲にある、損傷のない領域１０は、点線によりＹ＝０ミクロンと図示される実質的に平坦な表面を示す。これと異なり、ｘ軸上で約１，０００ミクロンから約７，５００ミクロンの範囲にある、損傷した領域１２は、多くの深い引っかき傷を示す波打ったプロファイルを示す。これと異なり、ｘ軸上で約７，５００ミクロンから約１０，０００ミクロンの範囲にある、修復された領域１４は、本発明の方法により修復されたものである。修復された領域１４は、損傷した領域１２に対して実質的により規則正しいプロファイルを有する。また修復された領域１４の表面は完全ではないが、引っかき傷のある領域１２で観察される引っかき傷のレベルに優り、大きく改良されている。

図１において損傷のない領域１０を修復された領域１４と比較することによって、この修復方法では、プラスチックの表面から僅か約３０ミクロン、または約１００分の３ミリメートルの厚さの材料しか除去しない傾向があることが理解されるであろう。これは、特に、典型的なヘッドライトカバーが数ミリメートルの厚さである点を考慮すると、極めて少量の材料である。本発明の組成物は、順次より微細な研磨材により除去しなければならない、さらなる引っかき傷を作り出さずに、プラスチック表面から引っかき傷および／または酸化部を除去するので、本発明により、このような少量の材料を除去することによってプラスチック表面が修復される。本発明の組成物は、より大きな引っかき傷に浸透して、それらの引っかき傷を、深いｖ形の切り口が浅いｕ形の窪みに作り直されるように、作り直すことができるとも考えられる。

本発明の艶出し組成物および光沢付与組成物は、いかなる艶出しコンパウンドとも同じ方法で適用することができ、しかしそれらの結果は、現在入手可能ないかなる従来技術のコンパウンドよりもはるかに優れたものである。プラスチックヘッドライトカバーおよび他のプラスチック表面から引っかき傷を除去するための、現在好ましい適用方法は、ガラス繊維を含浸させた開放セルポリウレタンバフ研磨パッドを使用して、従来の手持ち式バフ研磨または艶出し機、例えば回転式、揺動式もしくは振動式艶出し機などによって艶出しコンパウンドを適用することである。より浅い引っかき傷については、開放セルポリウレタンバフ研磨パッドによって、または柔らかな綿布によって、これらのコンパウンドを手作業で適用することが好ましいであろう。最後に、本発明の組成物は、現在使用されている既存の艶出しシステムに適合できるが、より良好な結果をもたらすものである。

前述の開放セルポリウレタン材料および綿パッドを含む、ほとんどいかなる型のバフ研磨布も、本発明のコンパウンドと合うであろうことを理解されたい。フリースウール、麻、剛性ポリウレタン、ガラスウール、ならびに大抵の他の天然および合成材料が、よく合う。制約される点は、バフ研磨パッドまたは布に、バフ研磨過程の機械的力に耐える十分な耐久性があること、その剛性が、問題の仕事の困難さに釣り合うものであること、また、その成分材料が、プラスチック表面に引っかき傷を作るほど、またはプラスチック表面が熱くなって焼けもしくは融ける原因となるほど、硬質ではないことだけである。

ＩＩ．プラスチック表面修復のための例示的キット
一実施形態において、本発明には、引っかき傷および／または紫外線誘発性酸化により損傷したプラスチック表面に光学的透明性および光透過性状を回復させるためのキットが含まれ、以下のものを備えている。このキットには、プラスチック表面から引っかき傷および酸化部を容易に除去するために配合された少なくとも１種の艶出し組成物、場合によって、プラスチック表面を仕上げるための少なくとも１種の光沢付与組成物、ならびに少なくとも１種の紫外線防御組成物が入っている。

艶出し組成物は、約５０ミクロンから約４００ミクロンの範囲にある、好ましくは約６０ミクロンから約３００ミクロンの範囲にある、より好ましくは約７０ミクロンから約２００ミクロンの範囲にある、また最も好ましくは約７５ミクロンから約１５０ミクロンの範囲にある初期グリット粒度を有する研磨材料を含む。艶出し研磨材は、「重質グリット」または「中間質グリット」とすることができる。重質グリット艶出し研磨材は、約８０〜２００ミクロン、好ましくは約１００〜１５０ミクロンの初期グリット粒度を有する。中間質グリット艶出し研磨材は、約５０〜１００ミクロン、好ましくは約６０〜９０ミクロンの初期グリット粒度を有する。

艶出し研磨材は、艶出し組成物の製造において使用するのに適した適正な液状またはゲル状担体内に有利に分散される。例示的担体には、水および／または有機溶媒などの溶媒、増粘剤、乳化剤、着色剤などが含まれ得る。

一実施形態において、この研磨材料は、艶出し過程の間に酸素および機械的圧力に曝される場合、次第により小さい粒度の粒子に砕解する研磨材粒子を含む。一実施形態によれば、艶出し研磨材は、艶出し過程の間に機械的圧力および酸素に曝される場合、約１０〜５０ミクロン、好ましくは約１５〜４５ミクロン、より好ましくは約２０〜４０ミクロン、また最も好ましくは約２５〜３５ミクロンの粒度に砕解する。使用前に、艶出し組成物は製造され、実質的に酸素のない環境中（例えば、不活性な窒素下）に貯蔵されるのが有利である。

この現象が、使用する間に次第により微細になる艶出し組成物をもたらすことは、もちろん正しく認識されるであろう。このことは、典型的な艶出し技術が、一連の順次微細になる研磨材を使用して、以前の研磨材により残された引っかき傷を除去するステップを伴う点を考慮すると、有利なことである。本発明の艶出し組成物は、艶出し過程が継続するにつれ、研磨材粒子が次第により微細になるという事実のために、この艶出し組成物が単一ステップの中に多くの艶出しステップを包含するという点で、いくつかの艶出し組成物を使用して、最終の艶出し面を達成しなければならないことを避けるように、有利に配合されているのである。

このキットには、艶出し組成物の使用に続いて、プラスチック表面に光学的透明性および光透過性状を容易に回復させるために配合された、少なくとも１種の光沢付与組成物を入れることができる。この光沢付与組成物は、約１０ミクロンから約６０ミクロンの範囲にある、好ましくは約１５ミクロンから約５０ミクロンの範囲にある、より好ましくは約２０ミクロンから約４５ミクロンの範囲にある、また最も好ましくは約２５ミクロンから約４０ミクロンの範囲にある初期グリット粒度を有する研磨材料を含む。光沢付与研磨材は、「軽質グリット」または「微細グリット」とすることができる。軽質グリット艶出し研磨材は、約２０〜６０ミクロン、好ましくは約２５〜５５ミクロンの初期グリット粒度を有する。微細グリット艶出し研磨材は、約１０〜５０ミクロン、好ましくは約１５〜４０ミクロンの初期グリット粒度を有する。

光沢付与研磨材は、艶出し組成物および／または仕上げ組成物の製造において使用するのに適した適正な液状またはゲル状担体内に有利に分散される。例示的担体には、水および／または有機溶媒などの溶媒、増粘剤、乳化剤、着色剤などが含まれ得る。

一実施形態において、光沢付与組成物は、光沢付与過程の間に酸素および機械的圧力に曝される場合、次第により小さい粒度の粒子に砕解する研磨材粒子を含む。一実施形態によれば、光沢付与研磨材は、光沢付与過程の間に機械的圧力および酸素に曝される場合、約１〜２０ミクロン、好ましくは約２〜１５ミクロン、より好ましくは約２．５〜１０ミクロン、また最も好ましくは約３〜８ミクロンの粒度に砕解する。使用前に、光沢付与組成物は製造され、実質的に酸素のない環境中（例えば、不活性な窒素下）に貯蔵されるのが有利である。

この現象が、使用する間に次第により微細になる光沢付与組成物をもたらすことは、もちろん正しく認識されるであろう。このことは、典型的な仕上げ技術が、一連の順次微細になる研磨材を使用して、以前の研磨材により残された引っかき傷を除去するステップを伴う点を考慮すると、大いに有利なことである。本発明の光沢付与組成物は、光沢付与過程が継続すると、研磨材粒子が次第により微細になるという事実のために、この光沢付与組成物が単一ステップの中に多くの光沢付与ステップを包含するという点で、いくつかの光沢付与組成物を使用して、最終的な光沢のある表面を達成しなければならないことを避けるように、有利に配合されているのである。

一実施形態によれば、艶出し組成物および／または光沢付与組成物中の研磨材粒子は、実質的に酸素のない環境中に貯蔵される場合、初期粒度を有するが、艶出しおよび／または光沢付与過程の間に酸素および機械的圧力に曝される場合、より小さい最終粒度を有する、より小さい粒子まで次第に砕解する集塊物の形態にある。この集塊物は有利に砕解して、初期粒度の約７５％未満である最終粒度を有する、より小さな粒子となる。この集塊物は砕解して、初期粒度の約５０％未満、より好ましくは初期粒度の約３３％未満、また最も好ましくは初期粒度の約２０％未満である最終粒度を有する粒子となることが好ましい。

このキットには、艶出し組成物および光沢付与組成物の適用に続いて、プラスチック表面に紫外線防御コーティングを施すための、少なくとも１種の組成物が入っている。残念なことに、上述のキットによりプラスチック表面を修復する方法では、通例、プラスチック表面から工場で施された紫外線防御コーティングを除去する。防御コーティングがないと、この表面は、引っかき傷および紫外線誘発性酸化によって急速に劣化するであろう。紫外線防御組成物には、バフ研磨過程の間に、この紫外線防御組成物を、効果的にアニールまたは融解させて、有利にプラスチック表面に入り込ませる溶媒を有する担体中に分散された紫外線防御材料が含まれる。その結果は、光学的に透明かつ平滑である、プラスチック表面上の硬化した紫外線防御コーティングとなる。この紫外線防御コーティングは場合によって、このコーティングが、調整されたプラスチック表面に結合することを助ける重合性材料を含むことができる。艶出し組成物および光沢付与組成物は、プラスチック表面を活性化し、かつ紫外線防御組成物がこの表面に物理的および化学的結合を形成することができる結合部位を作り出すことによって、紫外線防御コーティングとのより強い結合を受け入れかつ形成するように、プラスチック表面を調整する点で助けになることができると想定される。

過去において、スピンコーティングおよび浸し塗りにより、続いて焼き付けによって紫外線防御のための光学的高品質の透明な防御コーティングが、プラスチック基質上に得られている。本発明の紫外線防御組成物は、低温適用（Ｔ＜１３０°Ｆ）が可能であり、それは紫外線防御コーティングの溶媒担体内への化学的分散によって達成され、この溶媒担体が、コーティングをヘッドライトレンズにそれ自体アニールさせるが、それは、元々の製造工程で行われる方法と同様な方法である。コーティング中の固形分は、結晶性の紫外線防御ナノ粒子で作られ、それが、重合性材料によってより大きい粒子として融合されると考えられる。これが、厚い単一層（＞４００ｎｍ）としての紫外線防御粒子の堆積をもたらす。可視領域における透明度は高く（Ｔ≒８７％）、耐摩耗性は、例えば非特許文献１に合致し、また硬度は、例えば非特許文献２により、１Ｈである。この適用方法により、６０から８０ＧＵの調整可能な光沢、および光学的分解能＞線８本／ｍｍを有する防眩コーティングが可能になる。

このキットには、プラスチック表面に艶出し組成物および光沢付与組成物を適用するための、少なくとも１種のバフ研磨パッドまたはバフ研磨布を入れることができる。バフ研磨パッドもしくはバフ研磨布は、手作業でも使用でき、またはドリルもしくは機械的艶出し機に取り付けることもできる。一実施形態において、バフ研磨パッドまたはバフ研磨布にガラス繊維を含浸して、艶出しコンパウンドおよび光沢付与コンパウンドの作用を強化する。ガラス繊維は、深い引っかき傷が、深いｖ形の溝から浅いｕ形の窪みに作り直されるように深い引っかき傷中に貫入または「到達」することにより、艶出しコンパウンドおよび光沢付与コンパウンドの作用を強化すると考えられる。表面を作り直すことによって、ガラス繊維は、プラスチック表面からプラスチックの層を除去しなければならないことがなく、最も深い引っかき傷の深さに等しいプラスチックの層を除去しなければならないことがなくて、いくつかの引っかき傷を修復することを可能にする。

ＩＩＩ．プラスチック表面修復のための例示的方法
一実施形態において、本発明には、引っかき傷のあるかつ／または酸化されたプラスチック表面への光透過性および透明性の回復方法が含まれる。この方法は、従業者が、本質的にいかなるプラスチック表面も修復することが可能であるように構成される。本発明により修復することができるプラスチック表面の例には、プラスチックヘッドライトカバー、他のプラスチック自動車ライトカバー、ならびにサングラスレンズおよびプラスチック矯正用レンズを含むプラスチック眼鏡レンズが含まれる。

本発明による例示的方法には、（１）バフ研磨パッドまたは布に艶出し組成物を適用し、その艶出し組成物およびバフ研磨パッドまたは布を使用して、プラスチック表面を艶出ししその表面から引っかき傷および酸化損傷を除去するステップと、（２）同一のまたは異なるバフ研磨パッドもしくは布に光沢付与組成物を適用し、その光沢付与組成物およびバフ研磨パッドまたは布を使用して、ヘッドライトに光沢および光学的透明性を回復させるステップと、（３）このプラスチック表面を清浄にして、艶出し組成物および光沢付与組成物からの何らかの残渣を除去するステップと、（４）このプラスチック表面に、紫外線防御組成物を適用するステップとが含まれる。一実施形態において、開放セルポリウレタンバフ研磨パッドに、ガラス繊維を含浸させる。

図２は、引っかき傷および／または紫外線誘発性酸化によって損傷されている本質的にいかなる型のプラスチック表面をも修復する方法の一実施形態のフロー図２を図示している。フロー図２は、２２から開始し、４０で終了する。一実施形態において、この方法には、開放セルポリウレタンバフ研磨パッドに、艶出し組成物を適用するステップ２４が含まれる。艶出し組成物およびバフ研磨パッドは、プラスチック表面を艶出ししその表面から引っかき傷および酸化損傷を研磨および除去するために使用される：ステップ２６。一実施形態において、開放セルポリウレタンバフ研磨パッドに、ガラス繊維を含浸させることができる。艶出し組成物およびガラス繊維は、プラスチック表面内のより大きい引っかき傷中に貫入または到達し、この引っかき傷を、深いｖ形の溝（ｇｏｕｇｅ）からｕ形の窪みに作り直すことができると考えられる。最も深い引っかき傷の深さに等しいプラスチックの層を除去しなければならないことがなくて、より大きい引っかき傷が除去されるのを可能にするのは、本艶出しシステムのこの特質である。

バフ研磨パッドおよび艶出し組成物は、従来の手持ち式艶出しまたはバフ研磨機にバフ研磨パッドを取り付けることによって、プラスチック表面を艶出ししその表面から引っかき傷および酸化損傷を除去するために使用できる。あるいは、バフ研磨パッドは、プラスチック表面を艶出ししその表面から引っかき傷および酸化損傷を除去するために、第１の研磨材組成物により手作業で使用することができる。ほこりおよび／またはプラスチック残渣を洗い流して、プラスチック表面とバフ研磨パッドおよび艶出し組成物との間の潤滑性を提供するため、必要に応じて、プラスチック表面をすすぐことができる：ステップ２８。

この現象が、使用する間に次第により微細になる艶出し組成物をもたらすことは、もちろん正しく認識されるであろう。このことは、典型的な艶出し技術が、一連の順次微細になる研磨材を使用して、以前の研磨材により残された引っかき傷を除去するステップを伴う点を考慮すると、大いに有利なことである。本発明の艶出し組成物は、艶出し過程が継続するにつれ、研磨材粒子が次第により微細になるという事実のために、この艶出し組成物が単一ステップの中に多くの艶出しステップを包含するという点で、いくつかの艶出し組成物を使用して、最終の艶出し面を達成しなければならないことを避けるように、有利に配合されているのである。

一実施形態において、この方法には、開放セルポリウレタンバフ研磨パッドに、光沢付与組成物を適用するステップ３０が含まれる。プラスチック表面に発光出力および光沢を回復させるため、光沢付与組成物およびバフ研磨パッドが使用される：ステップ３２。従来のコードレスドリルまたは空気および電気式手持ち式艶出し機もしくはバフ研磨機にバフ研磨パッドを取り付けることによって、プラスチック表面に光沢を回復させるために、バフ研磨パッドおよび光沢付与組成物を使用することができる。あるいは、バフ研磨パッドは、プラスチック表面に光沢を回復させるために、光沢付与組成物により手作業で使用することができる。ほこりおよび／またはプラスチック残渣を洗い流して、プラスチック表面とバフ研磨パッドおよび光沢付与組成物との間の潤滑性をもたらすため、必要に応じて、プラスチック表面をすすぐことができる：ステップ３４。

この現象が、使用する間に次第により微細になる光沢付与組成物をもたらすことは、もちろん正しく認識されるであろう。このことは、典型的な光沢付与技術が、一連の順次微細になる研磨材を使用して、以前の研磨材により残された引っかき傷を除去するステップを伴う点を考慮すると、大いに有利なことである。本発明の光沢付与組成物は、光沢付与過程が継続すると、研磨材粒子が次第により微細になるという事実のために、この光沢付与組成物が単一ステップ内に多くの光沢付与ステップを包含するという点で、いくつかの光沢付与組成物を使用して最終的な光沢のある表面を達成しなければならないことを避けるように、有利に配合されているのである。

一実施形態において、この方法には、プラスチック表面を清浄にして、艶出しするステップおよび光沢を回復するステップからの残渣を除去するステップ３６が含まれる。清浄化は、水の噴霧によって、または湿った布によって達成することができる。一般に、清浄にするステップは、プラスチック表面に再び引っかき傷を付けることを避けるよう注意して実行されるべきである。その上、清浄にするステップは、紫外線防御コーティングを施す前に、艶出しするステップおよび光沢を回復するステップからの全ての残渣を除去するよう最大限の注意を払って実行されるべきである。

一実施形態において、この方法には、プラスチック表面に紫外線防御組成物を適用するステップ３８が含まれる。一般に、プラスチック表面を艶出しし、光沢を回復する過程で、工場で施された紫外線防御コーティングが除去される。新たな紫外線防御コーティングが施されないと、風雨に曝されることにより、急速にプラスチック表面が劣化し、修復の利益が失われるであろう。

一実施形態において、紫外線防御組成物は、そのコーティングをプラスチック表面にアニールさせる少なくとも１種の溶媒、プラスチック表面に硬質の、透明なコーティングを形成する少なくとも１種のポリマーまたは重合性化合物、およびプラスチック表面を将来の紫外線誘発性損傷から保護する少なくとも１種の紫外線防御化合物を含む。

一実施形態において、紫外線防御組成物中の溶媒には、少なくとも１種のエーテル化合物が含まれる。代替的実施形態において、この溶媒はアルコールである。エーテルが主溶媒である場合、エーテル化合物は、重量／重量基準で計算して、この紫外線防御組成物の約１％から約２０％を構成することが好ましい。エーテル化合物は、約５％から約１５％を構成することがより好ましく、約８〜１２％が最も好ましい。アルコールが主溶媒である場合、このアルコールは、重量／重量基準で計算して、この紫外線防御組成物の約７０％から約９８％を構成することが好ましい。このアルコールは、この紫外線防御組成物の約８０％から約９５％を構成することがより好ましい。このアルコールは、約８７％から約９３％を構成することが最も好ましい。例示的なエーテル化合物には、ジプロピレングリコールｎ−ブチルエーテルおよびエチレングリコールモノブチルエーテルが含まれる。例示的なアルコールには、イソプロピルアルコールが含まれる。この溶媒は、本発明の精神から逸脱せずに、アルコールとエーテル化合物とのブレンドからなることもできる。

一実施形態において、プラスチック表面上で硬質の、透明なコーティングを形成するポリマーまたは重合性化合物には、少なくとも１種のアクリル−ウレタンハイブリッドポリマーディスパージョンが含まれる。例示的なアクリル−ウレタンハイブリッドポリマーディスパージョンには、Ｈｙｂｒｉｄｕｒ５７０（商標）およびＨｙｂｒｉｄｕｒ５８０（商標）が含まれ、これらは、ＡｉｒＰｒｏｄｕｃｔｓａｎｄＣｈｅｍｉｃａｌ，Ｉｎｃ．から入手可能である。Ｈｙｂｒｉｄｕｒ５７０（商標）およびＨｙｂｒｉｄｕｒ５８０（商標）は、単独で、または組み合わせて使用できる。Ｈｙｂｒｉｄｕｒ５７０（商標）は、重量／重量基準で計算して、この紫外線防御組成物の約４０％から約６５％を構成することが好ましい。Ｈｙｂｒｉｄｕｒ５７０（商標）は、重量／重量基準で計算して、この紫外線防御組成物の約４５％から約６０％を構成することがより好ましい。Ｈｙｂｒｉｄｕｒ５７０（商標）は、重量／重量基準で計算して、この紫外線防御組成物の約５０％から約５５％を構成することが最も好ましい。Ｈｙｂｒｉｄｕｒ５８０（商標）は、重量／重量基準で計算して、この紫外線防御組成物の約１０％から約３５％を構成することが好ましい。Ｈｙｂｒｉｄｕｒ５８０（商標）は、重量／重量基準で計算して、この紫外線防御組成物の約１５％から約３０％を構成することがより好ましい。Ｈｙｂｒｉｄｕｒ５８０（商標）は、重量／重量基準で計算して、この紫外線防御組成物の約２０％から約２５％を構成することが最も好ましい。

他の実施形態において、プラスチック表面上で硬質の、透明なコーティングを形成するポリマーまたは重合性化合物には、少なくとも１種のアクリルポリマーが含まれる。例示的なアクリルポリマーは、Ｅｌｖａｃｉｔｅ２７７６（商標）であり、ＬｕｃｉｔｅＩｎｔｅｒｎａｔｉｏｎａｌから入手可能である。Ｅｌｖａｃｉｔｅ２７７６（商標）は、重量／重量基準で計算して、この紫外線防御組成物の約０．５％から約１０％を構成することが好ましい。Ｅｌｖａｃｉｔｅ２７７６（商標）は、重量／重量基準で計算して、この紫外線防御組成物の約１％から約８％を構成することがより好ましい。Ｅｌｖａｃｉｔｅ２７７６（商標）は、重量／重量基準で計算して、この紫外線防御組成物の約２％から約５％を構成することが最も好ましい。

紫外線防御コーティングには、プラスチック表面を紫外線誘発性損傷から保護する少なくとも１種の紫外線防御化合物が含まれる。例示的な紫外線防御化合物は、ヒンダードアミン化合物、例えば、Ｃｉｂａから入手可能であるＴｉｎｕｖｉｎ３８４（商標）およびＴｉｎｕｖｉｎ２９２（商標）など、ベンゾフェノン、ベンゾトリアゾール、ヒドロキシフェニルトリアジン、ならびにヒドロキシフェニルベンゾトリアゾールである。１種または複数の紫外線防御化合物は、重量／重量基準で計算して、この紫外線防御コーティングの約０．０１％から約１％を構成することが好ましい。１種または複数の紫外線防御化合物は、重量／重量基準で計算して、この紫外線防御コーティングの約０．０５％から約０．５％を構成することがより好ましい。１種または複数の紫外線防御化合物は、重量／重量基準で計算して、この紫外線防御コーティングの約０．１％から約０．３％を構成することが最も好ましい。

紫外線防御組成物中に含まれてよい、さらなる成分には、コーティングの均一性を向上させる湿潤剤、コーティングの耐久性を高める可塑剤、および、プラスチック表面に施されるとき、紫外線防御コーティング中の気泡の形成を防止する消泡剤が含まれる。例示的な湿潤剤には、ポリエーテル変性シロキサン、例えば、ＢＹＫ−Ｃｈｅｍｉｅ，Ｉｎｃから入手可能であるＢＹＫ−３４５（商標）、ＢＹＫ−３４６（商標）、ＢＹＫ−３４７（商標）、ＢＹＫ−３４８（商標）、ＢＹＫ−３４９（商標）など、およびＣｙｔｅｃから入手可能であるジオクチルスルホコハク酸ナトリウムが含まれる。例示的な可塑剤には、クエン酸トリエチル、クエン酸アセチルトリエチル、クエン酸トリブチル、クエン酸アセチルトリブチルおよびクエン酸トリ−（２−エチルヘキシル）などのクエン酸の誘導体が含まれる。例示的な消泡剤には、ＡｉｒＰｒｏｄｕｃｔｓａｎｄＣｈｅｍｉｃａｌ，Ｉｎｃ．から入手可能であるＳｕｒｆｙｎｏｌ（商標）系統の薬品が含まれる。
特定の処方の実施例
以下のものは、本発明により作り出されている組成物および方法の特定の実施例である。

本発明に従って中間質研磨材の艶出し組成物を、下記の配合により調製した：

十分な脱イオン水を添加して、合計体積を１００パーセント（重量／重量）とした。

組成物を調製し、包装し、かつ実質的に酸素のない環境中に貯蔵する。例えば、乾いた材料を、混合装置に添加する。その後、乾いた材料および混合機は、乾燥成分から本質的に全ての酸素が排出されるよう真空に曝される。元の混合装置に、窒素などの不活性ガスを添加し、液体成分を添加し、組成物を混合する。その後、実質的に酸素のない環境中で組成物を包装する。

酸素のない条件下で、組成物を調製および包装することにより、研磨材粒子を凝集させて、より大きな粒子とすることが可能になると考えられる。この凝集は、酸素の不足が研磨材粒子の表面電荷性状を変化させるために、実質的に酸素のない環境で起こると想定される。艶出し過程の間に、研磨材粒子が酸素および機械的圧力に曝される場合、この凝集が次第に逆行されることを当業者は認識するであろう。

この配合物は、クリーム状の粘稠なローションの稠度を呈し、クリーム色であった。本実施例および他の実施例では、審美的な目的だけのためにココナツ香料を添加したが、研磨用組成物の効率を変化させずに、香料の省略または取替えができることを理解されたい。この配合物は、プラスチック表面から引っかき傷を除去することについての、広く様々な用途を有する。この配合物は、プラスチックヘッドライトカバーを艶出ししそのカバーから引っかき傷および酸化損傷を除去するための最初の処理向けに、現在好ましい組成物である。

本実施例に従う重質から中間質の研磨材処方物は、プラスチック窓、プラスチックまたはアクリル家具、顔マスクのプラスチック防護具、警察車両上の警光灯（ｌｉｇｈｔｂａｒ）、スキートラムまたはゴンドラ、広告用看板の表板、および多くの他の用途などのプラスチック材料の修復および修理における、最初の処理向けにも有用であろう。

上記に示した配合は、現在好ましい配合であるが、本発明のより広い教示から逸脱せずに、種々の変更を行うことができることを理解されたい。本実施例において、固体艶出し材料は、カオリナイト質石英、二酸化ケイ素および仮焼アルミナのブレンドを含むことができる。この艶出し材料の粒度は、約５０ミクロンから約４００ミクロンの範囲にあった。合計研磨材含量は約２３％であることが好ましいが、研磨材含量のより広い範囲は約１５％から約３５％であり、より好ましい範囲は約２０％から約３０％である。本実施例に示した型の重質から中間質研磨材配合物を配合する場合、それらの機能を維持するため必要に応じて、残りの成分の量の比率における変動が行われ得ることは理解されるべきである。

本発明に従って軽質研磨材の光沢付与組成物を、下記の配合により調製した：

十分な脱イオン水を添加して、合計体積を１００パーセント（重量／重量）とし、それによりローション様の稠度を有する粘稠なクリーム状の流体が得られた。本実施例および他の実施例では、審美的な目的だけのためにココナツ香料を添加したが、艶出し組成物の効率を変化させずに、香料の省略または取替えができることを理解されたい。

この軽質研磨材配合物は様々な用途を有するが、実施例１の艶出し組成物で最初に処理したプラスチックのための、光沢付与処理として特に好ましいものである。この軽質研磨材配合物は、プラスチックヘッドライトカバー、プラスチック窓、プラスチックまたはアクリル家具、顔マスクのプラスチック防護具、警察車両上の警光灯、スキートラムまたはゴンドラ、広告用看板の表板、および多くの他の用途に使用するのが好ましい。この軽質研磨材配合物は、他のプラスチックからの小さい引っかき傷、曇りおよび変色をバフ研磨または除去するのにも、特に眼鏡レンズ（例えば、サングラスレンズおよび／または矯正用レンズ）から引っかき傷を除去するのにも有用であろう。

上記に示した配合は、現在好ましい配合であるが、本発明のより広い教示から逸脱せずに、種々の変更を行うことができることを理解されたい。本実施例において、固体艶出し材料は、カオリナイト質石英、二酸化ケイ素および仮焼アルミナのブレンドを含んでいた。この艶出し材料の粒度は、約１ミクロンから約５０ミクロンの範囲にあった。合計研磨材含量は約２３％であることが好ましいが、研磨材含量のより広い範囲は約１５％から約３５％であり、より好ましい範囲は約２０％から約３０％である。本実施例に示した型の軽質研磨材配合物を配合する場合、それらの機能を維持するため必要に応じて、残りの成分の量の比率における変動が行われ得ることは理解されるべきである。

本発明に従って重質研磨材の艶出し組成物を、下記の配合により調製した：

この重質配合物は、コンパクトディスクなどに使用される見込みはないが、実施例１に掲げたプラスチック材料の大部分から引っかき傷を速やかに除去するのに有用である。この重質配合物で初期処理した後に、修復を完了させるために、実施例１に示したものなどの中間質配合物、および／または実施例２に示した軽質配合物が使用できるであろう。

この配合物は、実施例１に記述されているものなどの多くの用途に適している。ベーマイトアルミナは、比較的柔らかであるという利点を有する。ベーマイトアルミナは、使用される間により小さな断片に砕かれて、修復の過程の間に存在する、ますます小さくなる引っかき傷を修復するのに助けになる。

本発明に従って微細研磨材の光沢付与組成物を、下記の配合により調製した：

この微細研磨材配合物は、実施例２に類似しているが、より微細な研磨材を有する。実施例２についてのように、この光沢付与組成物は、様々な用途を有するが、実施例１および／または実施例３の組成物で最初に処理したプラスチック表面向けの最終処理として特に好ましいものである。

軽質研磨材の艶出し組成物は、下記の配合を有する：

本実施例には、研磨材としてジルコニア（酸化ジルコニウム）が含まれる。これは硬質材料であり、注意して使用されるべきである。

本発明に従って紫外線防御コーティングを、下記の配合により調製した：

このコーティング組成物は、均一な流動性液体の外観を有していた。この軽質紫外線防御コーティングは様々な用途を有するが、１種または複数の実施例１〜６の組成物で処理したプラスチック表面に紫外線防御層を回復させるコーティングとして特に好ましいものである。この軽質紫外線防御コーティングは、プラスチックヘッドライトカバー、プラスチック窓、プラスチックまたはアクリル家具、顔マスクのプラスチック防護具、警察車両上の警光灯、スキートラムまたはゴンドラ、広告用看板の表板、および多くの他の用途について使用することが好ましい。この軽質紫外線防御コーティングは、他のプラスチック、特に眼鏡レンズ（例えば、サングラスレンズおよび／または矯正用レンズ）に紫外線防御コーティングを施すのにも有用であろう。

上記に示した配合は、現在好ましい配合であるが、本発明のより広い教示から逸脱せずに、種々の変更を行うことができることを理解されたい。本実施例に示した型の紫外線防御コーティング配合物を配合する場合、それらの機能を維持するため必要に応じて、残りの成分の量の比率における変動が行われ得ることは理解されるべきである。

このコーティング組成物は、均一な流動性液体の外観を有し、およそ３０分で硬質の透明な表面に乾燥された。

本発明は、本発明の精神または本質的な特性から逸脱せずに、他の特定の形態中に具現化することができる。記述された実施形態は、全ての点で例示的のものに過ぎず、制約的なものではないと見なされるべきである。したがって、本発明の範囲は、前述の記述によるよりも、むしろ添付した特許請求範囲によって示される。特許請求範囲と等価の意味および範囲内にある全ての変更は、特許請求範囲内に含まれるべきである。

本発明は、本発明の精神または本質的な特性から逸脱せずに、他の特定の形態中に具現化することができる。記述された実施形態は、全ての点で例示的のものに過ぎず、制約的なものではないと見なされるべきである。したがって、本発明の範囲は、前述の記述によるよりも、むしろ添付した特許請求範囲によって示される。特許請求範囲と等価の意味および範囲内にある全ての変更は、特許請求範囲内に含まれるべきである。
本発明は以下の実施の態様を含むものである。
１．引っかき傷および／または紫外線誘発性酸化によって損傷したプラスチック表面に、光学的透明性および光透過性状を回復させるためのキットであって、
少なくとも１種の艶出し組成物であり、液状またはゲル状担体内に分散された、約５０ミクロンから約４００ミクロンの範囲にあるグリット粒度を有する艶出し研磨材を有する組成物と、
少なくとも１種の光沢付与組成物であり、液状またはゲル状担体内に分散された、約１０ミクロンから約６０ミクロンの範囲にあるグリット粒度を有する光沢付与研磨材を有する組成物と、
少なくとも１種の紫外線防御組成物であり、前記艶出し組成物および光沢付与組成物を使用して処理したプラスチック表面に、紫外線防御コーティングを施すための組成物と、を備えることを特徴とするキット。
２．前記艶出し研磨材は、約６０ミクロンから約３００ミクロンの範囲にあるグリット粒度を有し、また前記光沢付与研磨材は約１５ミクロンから約５０ミクロンの範囲にあるグリット粒度を有する、ことを特徴とする前記１に記載のキット。
３．前記艶出し研磨材は、約７０ミクロンから約２００ミクロンの範囲にあるグリット粒度を有し、また前記光沢付与研磨材は約２０ミクロンから約４５ミクロンの範囲にあるグリット粒度を有する、ことを特徴とする前記１に記載のキット。
４．前記艶出し研磨材は、約７５ミクロンから約１５０ミクロンの範囲にあるグリット粒度を有し、また前記光沢付与研磨材は約２５ミクロンから約４０ミクロンの範囲にあるグリット粒度を有する、ことを特徴とする前記１に記載のキット。
５．前記艶出し研磨材は、艶出しする間に酸素および機械的圧力に曝される場合に、約１０ミクロンから約５０ミクロンの範囲にあるグリット粒度を有する、より小さい粒子まで砕解する集塊物を含み、前記光沢付与研磨材は、光沢付与する間に酸素および機械的圧力に曝される場合に、約１ミクロンから約２０ミクロンの範囲にあるグリット粒度を有する、より小さい粒子まで砕解する集塊物を含む、ことを特徴とする前記１に記載のキット。
６．前記艶出し研磨材は、艶出しする間に酸素および機械的圧力に曝される場合に、約１５ミクロンから約４５ミクロンの範囲にあるグリット粒度を有する、より小さい粒子まで砕解する集塊物を含み、前記光沢付与研磨材は、光沢付与する間に酸素および機械的圧力に曝される場合に、約２ミクロンから約１５ミクロンの範囲にあるグリット粒度を有する、より小さい粒子まで砕解する集塊物を含む、ことを特徴とする前記１に記載のキット。
７．前記艶出し研磨材は、艶出しする間に酸素および機械的圧力に曝される場合に、約２０ミクロンから約４０ミクロンの範囲にあるグリット粒度を有する、より小さい粒子まで砕解する集塊物を含み、前記光沢付与研磨材は、光沢付与する間に酸素および機械的圧力に曝される場合に、約２．５ミクロンから約１０ミクロンの範囲にあるグリット粒度を有する、より小さい粒子まで砕解する集塊物を含む、ことを特徴とする前記１に記載のキット。
８．前記艶出し組成物および／または光沢付与組成物をプラスチック表面に適用するために少なくとも１種のバフ研磨パッドまたはバフ研磨布をさらに備え、前記艶出し組成物の艶出し効果および／または前記光沢付与組成物の光沢付与効果を高めるために、前記少なくとも１種のバフ研磨パッドまたはバフ研磨布に、ガラス繊維が含浸される、ことを特徴とする前記１に記載のキット。
９．前記紫外線防御組成物は、紫外線防御材料と、重合性材料と、少なくとも１種の溶媒であり、プラスチック表面上に前記紫外線防御組成物がバフ研磨されるとき、前記プラスチック表面内に前記紫外線防御コーティングをアニールさせる溶媒とを含む、ことを特徴とする前記１に記載のキット。
１０．前記重合性材料は、前記プラスチック表面上に適用後に重合し、硬質の防御コーティングを形成するアクリル−ウレタンディスパージョンを含む、ことを特徴とする前記９に記載のキット。
１１．引っかき傷および／または紫外線誘発性酸化によって損傷したプラスチック表面への、光学的透明性および光透過性状の回復方法であって、
少なくとも１種のバフ研磨パッドまたはバフ研磨布を使用して、プラスチック表面に適用した艶出し組成物により前記プラスチック表面を艶出しするステップであり、前記艶出し組成物には、約５０ミクロンから約４００ミクロンの範囲にあるグリット粒度を有する艶出し研磨材が含まれるステップと、
少なくとも１種のバフ研磨パッドまたはバフ研磨布を使用して、前記プラスチック表面に適用した光沢付与組成物により前記プラスチック表面に光沢付与するステップであり、前記光沢付与組成物は、約１０ミクロンから約６０ミクロンの範囲にあるグリット粒度を有する光沢付与研磨材を含むステップと、
前記プラスチック表面を艶出しするステップおよび光沢付与するステップに続いて、紫外線防御コーティングを、前記プラスチック表面に施すステップであり、前記紫外線防御コーティングは、前記プラスチック表面に前記紫外線防御コーティングをアニールさせる少なくとも１種の溶媒、紫外線誘発性損傷から前記プラスチック表面を防御する少なくとも１種の紫外線防御材料、および、前記プラスチック表面上に適用後に重合し、硬質の防御コーティングを形成する少なくとも１種の重合性材料を含むステップと、
を含むことを特徴とする方法。
１２．前記バフ研磨パッドは、バフ研磨布に、ガラス繊維を含浸して、艶出しするステップおよび光沢付与するステップを強化する、ことを特徴とする前記１１に記載の方法。
１３．前記プラスチック表面は、自動車プラスチックライトカバー、プラスチックサングラスレンズ、またはプラスチック矯正用眼鏡レンズを含む、ことを特徴とする前記１１に記載の方法。
１４．引っかき傷および／または紫外線誘発性酸化によって損傷したプラスチック表面に、光学的透明性および光透過性状を回復させるためのキットであって、
液状またはゲル状担体内に分散された研磨材粒子から構成される、少なくとも１種の研磨材組成物であり、前記研磨材粒子が最初、実質的に酸素のない環境中に貯蔵される場合に初期粒度を有する集塊物を含み、前記集塊物は、艶出しするステップの間に酸素および機械的圧力に曝される場合、次第に砕解して、前記初期粒度よりも実質的に小さい最終粒度を有する、より小さい粒子になり、この場合、前記艶出し組成物がプラスチック表面から引っかき傷および酸化部を容易に除去するように、前記初期粒度および最終粒度が選択される組成物と、
少なくとも１種の紫外線防御組成物であり、艶出し組成物および光沢付与組成物を使用して処理したプラスチック表面に、紫外線防御コーティングを施すための組成物と、
を備える、ことを特徴とするキット。
１５．前記集塊物は、前記初期粒度の約７５％未満である最終粒度を有する、より小さい粒子まで砕解するように配合される、ことを特徴とする前記１４に記載のキット。
１６．前記集塊物は、前記初期粒度の約５０％未満である最終粒度を有する、より小さい粒子まで砕解するように配合されることを特徴とする前記１４に記載のキット。
１７．前記集塊物は、前記初期粒度の約３３％未満である最終粒度を有する、より小さい粒子まで砕解するように配合される、ことを特徴とする前記１４に記載のキット。
１８．前記集塊物は、前記初期粒度の約２０％未満である最終粒度を有する、より小さい粒子まで砕解するように配合される、ことを特徴とする前記１４に記載のキット。
１９．引っかき傷および／または紫外線誘発性酸化によって損傷したプラスチック表面への、光学的透明性および光透過性状の回復方法であって、
プラスチック表面に対し、液状またはゲル状担体内に分散された研磨材粒子から構成される、少なくとも１種の研磨材組成物で、プラスチック表面を研磨するステップであり、前記研磨材粒子が最初、実質的に酸素のない環境中に貯蔵される場合に初期粒度を有する集塊物を含み、前記集塊物は、研磨するステップの間に酸素および機械的圧力に曝される場合、次第に砕解して、前記初期粒度よりも実質的に小さい最終粒度を有する、より小さい粒子になるステップであり、前記艶出し組成物がプラスチック表面から引っかき傷および酸化部を容易に除去するように前記初期粒度および最終粒度が選択されるステップと、
前記プラスチック表面にアニールされた硬質の紫外線防御コーティングを形成するような形で、前記研磨されたプラスチック表面に、紫外線防御組成物を適用するステップと、
を含むことを特徴とする方法。
２０．前記プラスチック表面は、自動車プラスチックライトカバー、プラスチックサングラスレンズ、またはプラスチック矯正用眼鏡レンズを含む、ことを特徴とする前記１９に記載の方法。

Claims

引っかき傷および／または紫外線誘発性酸化によって損傷したプラスチック表面に、光学的透明性および光透過性状を回復させるためのキットであって、
少なくとも１種の艶出し組成物であり、液状またはゲル状担体内に分散された、約５０ミクロンから約４００ミクロンの範囲にあるグリット粒度を有する艶出し研磨材を有する組成物と、
少なくとも１種の光沢付与組成物であり、液状またはゲル状担体内に分散された、約１０ミクロンから約６０ミクロンの範囲にあるグリット粒度を有する光沢付与研磨材を有する組成物と、
少なくとも１種の紫外線防御組成物であり、前記艶出し組成物および光沢付与組成物を使用して処理したプラスチック表面に、紫外線防御コーティングを施すための組成物と、
を備えることを特徴とするキット。
前記艶出し研磨材は、約６０ミクロンから約３００ミクロンの範囲にあるグリット粒度を有し、また前記光沢付与研磨材は約１５ミクロンから約５０ミクロンの範囲にあるグリット粒度を有することを特徴とする請求項１に記載のキット。
前記艶出し研磨材は、約７０ミクロンから約２００ミクロンの範囲にあるグリット粒度を有し、また前記光沢付与研磨材は約２０ミクロンから約４５ミクロンの範囲にあるグリット粒度を有することを特徴とする請求項１に記載のキット。
前記艶出し研磨材は、約７５ミクロンから約１５０ミクロンの範囲にあるグリット粒度を有し、また前記光沢付与研磨材は約２５ミクロンから約４０ミクロンの範囲にあるグリット粒度を有することを特徴とする請求項１に記載のキット。
前記艶出し研磨材は、艶出しする間に酸素および機械的圧力に曝される場合に、約１０ミクロンから約５０ミクロンの範囲にあるグリット粒度を有する、より小さい粒子まで砕解する集塊物を含み、前記光沢付与研磨材は、光沢付与する間に酸素および機械的圧力に曝される場合に、約１ミクロンから約２０ミクロンの範囲にあるグリット粒度を有する、より小さい粒子まで砕解する集塊物を含むことを特徴とする請求項１に記載のキット。
前記艶出し研磨材は、艶出しする間に酸素および機械的圧力に曝される場合に、約１５ミクロンから約４５ミクロンの範囲にあるグリット粒度を有する、より小さい粒子まで砕解する集塊物を含み、前記光沢付与研磨材は、光沢付与する間に酸素および機械的圧力に曝される場合に、約２ミクロンから約１５ミクロンの範囲にあるグリット粒度を有する、より小さい粒子まで砕解する集塊物を含むことを特徴とする請求項１に記載のキット。
前記艶出し研磨材は、艶出しする間に酸素および機械的圧力に曝される場合に、約２０ミクロンから約４０ミクロンの範囲にあるグリット粒度を有する、より小さい粒子まで砕解する集塊物を含み、前記光沢付与研磨材は、光沢付与する間に酸素および機械的圧力に曝される場合に、約２．５ミクロンから約１０ミクロンの範囲にあるグリット粒度を有する、より小さい粒子まで砕解する集塊物を含むことを特徴とする請求項１に記載のキット。
前記艶出し組成物および／または光沢付与組成物をプラスチック表面に適用するために少なくとも１種のバフ研磨パッドまたはバフ研磨布をさらに備え、前記艶出し組成物の艶出し効果および／または前記光沢付与組成物の光沢付与効果を高めるために、前記少なくとも１種のバフ研磨パッドまたはバフ研磨布に、ガラス繊維が含浸されることを特徴とする請求項１に記載のキット。
前記紫外線防御組成物は、紫外線防御材料と、重合性材料と、少なくとも１種の溶媒であり、プラスチック表面上に前記紫外線防御組成物がバフ研磨されるとき、前記プラスチック表面内に前記紫外線防御コーティングをアニールさせる溶媒とを含むことを特徴とする請求項１に記載のキット。
前記重合性材料は、前記プラスチック表面上に適用後に重合し、硬質の防御コーティングを形成するアクリル−ウレタンディスパージョンを含むことを特徴とする請求項９に記載のキット。
引っかき傷および／または紫外線誘発性酸化によって損傷したプラスチック表面への、光学的透明性および光透過性状の回復方法であって、
少なくとも１種のバフ研磨パッドまたはバフ研磨布を使用して、プラスチック表面に適用した艶出し組成物により前記プラスチック表面を艶出しするステップであり、前記艶出し組成物には、約５０ミクロンから約４００ミクロンの範囲にあるグリット粒度を有する艶出し研磨材が含まれるステップと、
少なくとも１種のバフ研磨パッドまたはバフ研磨布を使用して、前記プラスチック表面に適用した光沢付与組成物により前記プラスチック表面に光沢付与するステップであり、前記光沢付与組成物は、約１０ミクロンから約６０ミクロンの範囲にあるグリット粒度を有する光沢付与研磨材を含むステップと、
前記プラスチック表面を艶出しするステップおよび光沢付与するステップに続いて、紫外線防御コーティングを、前記プラスチック表面に施すステップであり、前記紫外線防御コーティングは、前記プラスチック表面に前記紫外線防御コーティングをアニールさせる少なくとも１種の溶媒、紫外線誘発性損傷から前記プラスチック表面を防御する少なくとも１種の紫外線防御材料、および、前記プラスチック表面上に適用後に重合し、硬質の防御コーティングを形成する少なくとも１種の重合性材料を含むステップと、
を含むことを特徴とする方法。
前記バフ研磨パッドは、バフ研磨布に、ガラス繊維を含浸して、艶出しするステップおよび光沢付与するステップを強化することを特徴とする請求項１１に記載の方法。
前記プラスチック表面は、自動車プラスチックライトカバー、プラスチックサングラスレンズ、またはプラスチック矯正用眼鏡レンズを含むことを特徴とする請求項１１に記載の方法。
引っかき傷および／または紫外線誘発性酸化によって損傷したプラスチック表面に、光学的透明性および光透過性状を回復させるためのキットであって、
液状またはゲル状担体内に分散された研磨材粒子から構成される、少なくとも１種の研磨材組成物であり、前記研磨材粒子が最初、実質的に酸素のない環境中に貯蔵される場合に初期粒度を有する集塊物を含み、前記集塊物は、艶出しするステップの間に酸素および機械的圧力に曝される場合、次第に砕解して、前記初期粒度よりも実質的に小さい最終粒度を有する、より小さい粒子になり、この場合、前記艶出し組成物がプラスチック表面から引っかき傷および酸化部を容易に除去するように、前記初期粒度および最終粒度が選択される組成物と、
少なくとも１種の紫外線防御組成物であり、艶出し組成物および光沢付与組成物を使用して処理したプラスチック表面に、紫外線防御コーティングを施すための組成物と、
を備えることを特徴とするキット。
前記集塊物は、前記初期粒度の約７５％未満である最終粒度を有する、より小さい粒子まで砕解するように配合されることを特徴とする請求項１４に記載のキット。
前記集塊物は、前記初期粒度の約５０％未満である最終粒度を有する、より小さい粒子まで砕解するように配合されることを特徴とする請求項１４に記載のキット。
前記集塊物は、前記初期粒度の約３３％未満である最終粒度を有する、より小さい粒子まで砕解するように配合されることを特徴とする請求項１４に記載のキット。
前記集塊物は、前記初期粒度の約２０％未満である最終粒度を有する、より小さい粒子まで砕解するように配合されることを特徴とする請求項１４に記載のキット。
引っかき傷および／または紫外線誘発性酸化によって損傷したプラスチック表面への、光学的透明性および光透過性状の回復方法であって、
プラスチック表面に対し、液状またはゲル状担体内に分散された研磨材粒子から構成される、少なくとも１種の研磨材組成物で、プラスチック表面を研磨するステップであり、前記研磨材粒子が最初、実質的に酸素のない環境中に貯蔵される場合に初期粒度を有する集塊物を含み、前記集塊物は、研磨するステップの間に酸素および機械的圧力に曝される場合、次第に砕解して、前記初期粒度よりも実質的に小さい最終粒度を有する、より小さい粒子になるステップであり、前記艶出し組成物がプラスチック表面から引っかき傷および酸化部を容易に除去するように前記初期粒度および最終粒度が選択されるステップと、
前記プラスチック表面にアニールされた硬質の紫外線防御コーティングを形成するような形で、前記研磨されたプラスチック表面に、紫外線防御組成物を適用するステップと、
を含むことを特徴とする方法。
前記プラスチック表面は、自動車プラスチックライトカバー、プラスチックサングラスレンズ、またはプラスチック矯正用眼鏡レンズを含むことを特徴とする請求項１９に記載の方法。