JP3756740B2 - 車両ランプにおけるレンズの傷補修方法 - Google Patents

車両ランプにおけるレンズの傷補修方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両ランプのレンズに生じた傷を補修する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、車両のヘッドランプ等のレンズの材料としては、透明性、耐衝撃性、耐候性等に優れるという理由から、ポリカーボネート(PC)が多用されている。しかし、ポリカーボネートの表面硬度は、鉛筆硬度でB程度とされ、傷を受けやすい硬さである。そのため、一般的には、傷に対する耐性及び耐候性をさらに向上させるために、ポリカーボネートの素地の上にさらに5μm程度の表面コーティングが施されている。そのような表面コーティングとしては、UV硬化型アクリル樹脂等がよく用いられる。
【0003】
上述の車両ランプのレンズは、例えば、事故による擦過傷や、高速道路・砂利道等を頻繁に走行することにより細かい傷を生じた場合、あるいは傷でなくとも、長年使用した結果、表面コーティングが劣化して黄変した場合には補修を行う。その際、傷の深さが表面コーティング層に止まる程度の軽微な傷ならば、研磨することにより元の状態に修復可能であるが、素地であるポリカーボネートまで達するような傷を生じた場合には、研磨すると表面コーティングの膜切れを起こし、膜が存在する箇所と存在しない箇所との境界線(エッジ)が目立ってしまうという問題があった。また、膜切れを起こすことによりポリカーボネートの素地が露出して傷付き易くなるという問題もあった。それゆえ、従来、研磨を施した箇所に対して、フッ素系クリヤー、ウレタン系クリヤー、アクリルシリコーン系クリヤー等を再コーティングする等して元の状態を回復しようとする試みがなされてきた。
【0004】
しかし、上記各種クリヤーを再コーティングした場合、元のコーティングが再溶解することにより膨潤し、エッジに沿って白い線となって残る所謂チヂミ現象の問題があった。なお、この際に、チヂミ防止剤(シーラー)を介在させて再コーティングすればチヂミ現象の発生を防止することはできるが、クリヤーの密着性が悪く、すぐに剥がれてしまうという欠点があった。また、最大の問題として、ポリカーボネートは非晶性であるため有機溶剤に侵され易く、そのため変形や、ソルベントクラッキングと呼ばれる、素地(ポリカーボネート)の割れや微小クラックによる失透等の欠陥を生じるという問題があった。さらには、再コーティングすることにより元のコーティングと同等以上の表面硬度を維持することも望まれていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来の状況に鑑み、本発明は、車両ランプにおける、特にポリカーボネート製のレンズに生じた傷を容易に補修でき、その際に、チヂミ現象の発生を防止して美しく仕上げることができ、また、素地との高い密着性を確保しつつソルベントクラッキングの発生を防ぎ、さらに、十分に高い表面硬度が得られる、車両ランプにおけるレンズの傷補修方法を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明の傷補修方法は、請求項1として、車両ランプにおけるポリカーボネート製のレンズに生じた傷を補修する方法であって、レンズ面を研磨して前記傷の痕跡を消すと共にレンズ表面の旧塗膜を除去する工程と、前記旧塗膜を除去した部位に対して、シリコーン系樹脂5〜10重量部、グリコール系溶剤1〜5重量部、アルコール系溶剤16〜35重量部、芳香族炭化水素系溶剤1〜5重量部、ケトン系溶剤10〜20重量部、エステル系溶剤10〜20重量部、を含有するプライマーをスプレー塗りし乾燥させる工程と、前記プライマーを塗布した部位に対して、アクリルシリコン系樹脂を塗膜形成要素とする上塗り剤をスプレー塗りし乾燥させる工程と、前記上塗り剤を塗布した部位を研磨する工程と、から構成したことを特徴とする。
【0007】
上記手段によれば、車両ランプのレンズに生じた傷が、容易にかつ美しい仕上がり状態で補修可能とされる。また、プライマーにおける溶剤の種類・配合割合が最適化され、そのためプライマーを塗布した際に、溶剤がレンズの素地を侵し難く、また同時に素地への高い密着性が得られる。
【0008】
また、請求項2は、請求項1記載の傷補修方法において、上塗り剤が、アクリル系樹脂20〜30重量部、グリコール系溶剤5〜10重量部、アルコール系溶剤10〜20重量部、芳香族炭化水素系溶剤40〜60重量部、エステル系溶剤6〜15重量部、を含有する主剤と、シラン化合物10〜20重量部、グリコール系溶剤10〜20重量部、アルコール系溶剤20〜30重量部、芳香族炭化水素系溶剤21〜35重量部、エステル系溶剤10〜20重量部、を含有する硬化剤とからなり、主剤100重量部に対して、硬化剤45〜55重量部の割合で配合したものであることを特徴とする。
【0009】
上記手段によれば、上塗り剤における溶剤の種類・配合割合が最適化され、そのため上塗り剤を塗布した際に、レンズの素地もしくはプライマー層を侵し難く、高い密着性で均一な塗膜が形成されると共に、高い表面硬度が付与される。
【0010】
さらに、請求項3は、請求項1又は2記載の傷補修方法において、レンズ面を研磨して旧塗膜を除去する範囲が、レンズ面の全体であることを特徴とする。
【0011】
上記手段によれば、レンズ面全体の旧塗膜が除去されるため、プライマーもしくは上塗り剤を塗布した際に、旧塗膜との境界線が形成されず、チヂミ現象の発生が防止される。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、実施の形態に基づき、本発明の補修方法を詳細に説明する。
まず、本発明の傷補修方法の適用対象は、ヘッドランプ等の車両ランプにおけるレンズである。特にポリカーボネートからなる素地の表面に、UV硬化型アクリル樹脂、シリコンアクリル系樹脂等のコーティングを施したレンズにおいて、事故による擦過傷や、高速道路・砂利道等を頻繁に走行することによる細かい傷を生じた場合、あるいは表面コーティングが劣化して黄変した場合等に、これらの欠陥を補修して元の状態を回復するために用いられる。補修可能な傷の深さは、特に限定されるものではないが、一般には、レンズの裏面まで亀裂が入った場合、あるいは素地の深くまで切削されたような場合は含まず、傷がレンズの表面近傍に止まる場合を適用対象とする。具体的には、表面コーティング層を含めたレンズ表面からの深さが100μm以下程度の傷に対して好適に用いられる。
【0013】
本発明の傷補修方法は、まず、上述のような傷等を生じたレンズ表面の研磨を行う。研磨に際しては、従来知られたシングルサンダー、ダブルアクションサンダー等の各種サンダーや、ポリッシャー等の器具を適宜採用して行われる。レンズ表面を研磨することにより、傷の痕跡を消すととともに、UV硬化型アクリル樹脂等の元々存する表面コーティング(以下、旧塗膜という)を剥離除去して、素地を露出させる。具体的な研磨作業は、実際の傷の状態等によって異なり特に限定されるものではないが、一般には、サンダーによる研磨と、ポリッシャーによるコンパウンド研磨とを組み合わせた方法が好適に採用される。例えば、最初にサンダーを用い#320前後の比較的粗い番手の研磨材により研磨してレンズの傷を消し、続いて#400前後の研磨材により研磨して旧塗膜を剥離除去し、さらに研磨材の番手を#600→#800→#1000→#1200→#1500→#2000のように徐々に細かくしつつ研磨を行った後、ポリッシャーにて研磨剤の粒度を徐々に細かくしながら、上記サンダーの研磨材により生じたペーパー傷が消えるまで研磨を行う、等の作業工程を経て適宜実施される。
【0014】
上記研磨工程によりレンズ表面の旧塗膜を剥離除去するにあたっては、損傷箇所のみならず、レンズ面の全体(レンズを車体に組み込んだ際に外から見える面の全体)の旧塗膜を除去することが好ましい。このようにすれば、後述するプライマー、及び上塗り剤を塗布した時に、レンズ面に旧塗膜が存在しないので境界線ができず、旧塗膜の膨潤によるチヂミ現象の発生を防止することができ、美しい仕上がり状態を得ることができる。なお、上記レンズ面の全体に加えて、レンズの側面(車体に組み込んだときに隠れる面)も足付け研磨して旧塗膜を剥離除去しておけば、新旧コーティングの境界線を、より確実に外から見えない場所へ隠すことができる。
【0015】
研磨を行ったレンズ表面は、後述するプライマー等の密着性を向上させるため、脱脂処理を施すことが好ましい。脱脂処理は、一般に、レンズ表面を中性洗剤で洗浄し、さらにアルコール系溶剤等の脱脂剤で処理する等の方法にて行われる。なお、脱脂剤は、レンズの素地を侵し難いものを選択し、侵す可能性がある場合には、素地自体に実質上影響がない程度に処理を留めることは無論である。
【0016】
次に、上記のごとく研磨により旧塗膜を除去し、必要に応じて脱脂処理を施したレンズ表面に対して、プライマーをスプレー塗りする。プライマー層の塗膜厚は、素地を隠蔽可能な厚さであれば足りるが、逆に厚すぎると塗膜の平滑性がなくなるので、これらのバランスを考慮して適宜設定される。具体的には、乾燥させた状態で3〜10μm程度の塗膜厚になるように調節することが好ましい。また、膜質を良好にするため複数回に分けて塗布することができる。なお、車両ランプのレンズは、気密性を確保するため、そのレンズを取り付けるポリプロピレン製等のハウジング(ボディー部)から分離できない場合があるので、その場合は、ボディー部を布・紙等で覆った上でレンズ面に塗布することが望ましい。
【0017】
上記プライマーは、レンズの素地を侵して変性・変形等を引き起こすことなく、また同時に素地に対して適度な親和性を有し高い密着性を確保することが要求される。このような観点から、本発明におけるプライマーは、塗膜形成要素としてシリコーン系樹脂を5〜20重量部、溶剤としてグリコール系溶剤1〜5重量部、アルコール系溶剤16〜35重量部、芳香族炭化水素系溶剤1〜5重量部、ケトン系溶剤10〜20重量部、エステル系溶剤10〜20重量部を含有して構成される。上記シリコーン系樹脂としては、分子量1万〜5万程度のシリコーン系樹脂が好適に用いられる。また、上記グリコール系溶剤の例としては、ブチルグリコールエーテル、プロピレングリコール等が挙げられる。また、上記アルコール系溶剤の例としては、N−ブタノール、イソプロピルアルコール、メトキシプロパノール、シクロヘキサノール等が挙げられる。また、上記芳香族炭化水素系溶剤の例としては、トルエン、キシレン等が挙げられる。また、上記ケトン系溶剤の例としては、メチルイソブチルケトン、ジアセトンアルコール、シクロヘキサノン等が挙げられる。さらに、上記エステル系溶剤の例としては、酢酸イソブチル、酢酸エチル等を挙げることができる。
【0018】
続いて、塗布したプライマーを乾燥させる。乾燥させる際の温度、時間は、プライマーの塗布量や溶剤の種類・配合割合等によって異なり特に限定されるものではないが、一般には、5〜60℃で30〜10分間程度とすることが好ましい。
【0019】
次に、上記プライマーを塗布した部位に対して、アクリルシリコン系樹脂を塗膜形成要素とする上塗り剤をスプレー塗りする。上塗り層の塗膜厚は、プライマー層を隠蔽し、レンズの表面硬度を向上させるに十分な厚さとする。具体的には、乾燥させた状態で10〜30μm程度の塗膜厚になるように調節することが好ましい。また、膜質を良好にするため複数回に分けて塗布することができる。
【0020】
上記上塗り剤は、アクリル系樹脂を含む主剤と、シラン化合物を含む硬化剤とから構成され、アクリル系樹脂とシラン化合物とを反応させることによりアクリルシリコン系樹脂の塗膜を形成させるものである。また、レンズの素地もしくはプライマー層を侵すことなく塗膜の高い密着性を得るために、以下の原料・配合割合を採用する。すなわち、主剤は、アクリル系樹脂20〜30重量部、グリコール系溶剤5〜10重量部、アルコール系溶剤10〜20重量部、芳香族炭化水素系溶剤40〜60重量部、エステル系溶剤6〜15重量部を含有して構成し、他方の硬化剤は、シラン化合物10〜20重量部、グリコール系溶剤10〜20重量部、アルコール系溶剤20〜30重量部、芳香族炭化水素系溶剤21〜35重量部、エステル系溶剤10〜20重量部を含有して構成する。また、主剤と硬化剤の配合割合は、硬化剤が少ないと塗膜の十分な硬度が得られず、逆に硬化剤が多過ぎると塗膜のワレ等を生じ不適であるので、これらのバランスを考慮して適宜設定される。具体的には、主剤100重量部に対して、硬化剤45〜55重量部の割合で配合することが好ましい。
上記主剤中、アクリル系樹脂としては、分子量1万〜2万程度のものが好適に用いられる。また、上記主剤中、グリコール系溶剤の例としては、ブチルグリコールエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル等を挙げることができ、アルコール系溶剤の例としては、N−ブタノール、イソプロピルアルコール、メトキシプロパノール、イソブチルアルコール等を挙げることができ、芳香族炭化水素系溶剤の例としては、キシレン、トルエン等を挙げることができ、エステル系溶剤の例としては、酢酸エチル、酢酸ブチル等を挙げることができる。
また、上記硬化剤中、シラン化合物としては、シラノール、アルコキシ基等を有する化合物が適用可能であり、具体例として、メトキシシラン、エトキシシラン等を挙げることができる。また、上記硬化剤中、グリコール系溶剤の例としては、ブチルアルコールエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル等を挙げることができ、アルコール系溶剤の例としては、N−ブタノール、イソプロピルアルコール等を挙げることができ、芳香族炭化水素系溶剤の例としては、トルエン、キシレン等を挙げることができ、エステル系溶剤の例としては、酢酸エチル、酢酸ブチル等を挙げることができる。
なお、上記の主剤及び硬化剤は、レンズ面に塗布するにあたって予め、もしくは塗布する直前に混合し攪拌した上でスプレー塗布を行う。
【0021】
続いて、塗布した上記上塗り剤を乾燥させる。乾燥させる際の温度、時間は、上塗り剤の塗布量や溶剤の種類・配合割合等によって異なり特に限定されるものではないが、一般には、5〜60℃で48時間〜30分間程度が適当である。
【0022】
最後に、上記のごとく上塗り剤を塗布し乾燥させたレンズ表面を、研磨により平滑化し、本発明のレンズの傷補修を完了する。研磨するに際しては、従来知られたシングルサンダー、ダブルアクションサンダー等の各種サンダーや、ポリッシャー等の器具を用いて、あるいは手作業により研磨を行う。また、レンズ表面にブツ等が付着した場合には、研磨紙で研磨するとレンズ表面を傷付ける恐れがあるので、バフ等を用いることが望ましい。なお、研磨の最終段階では、一般に、ポリッシャーを用い、研磨剤の粒度を徐々に細かくしつつ、サンダー等によるペーパー傷が消えるまで研磨を行うことが望ましい。
【0023】
【実施例】
以下、実施例を示して本発明をさらに詳細に説明するが、これらに限定されるものではない。
(実施例)
ポリカーボネートの素地に、UV硬化型アクリル樹脂が5μmコーティングされたヘッドランプのレンズに対し、最大深さ100μmの擦過傷を形成し、補修対象とした。
次に、ダブルアクションサンダーを用いて、上記補修対象のレンズ面全体を均一に研磨した。その際、サンダーに装着する研磨材の番手を、#320→#400→#600→#800→#1000→#1200→#1500→#2000のように徐々に細かくしつつ研磨を行い、擦過傷の痕跡を消すと共に、レンズ面全体の旧塗膜を完全に除去した。続いて、レンズ面の全体をポリッシャーにて、ペーパー傷が消えるまでコンパウンド研磨を行った。また、レンズ側面を#1500相当の研磨材を用いて手作業により研磨を行った。
続いて、レンズ面の全体を中性洗剤で洗浄した後、アルコール系溶剤からなる脱脂剤を用いて脱脂処理を行った。また、プライマー等の塗布に備えて、ヘッドランプのレンズ面以外の部分(ボディー部)を布で被覆した。
次に、レンズ面の全体にプライマーをスプレー塗布した。塗布作業は2回に分けて行った。プライマーの組成は以下の通りである。
シリコーン樹脂(分子量約1〜5万) 8重量部
ブチルグリコールエーテル 4重量部
N−ブタノール 4重量部
イソプロピルアルコール 20重量部
プロピレングリコールモノメチルエーテル 20重量部
トルエン 4重量部
メチルイソブチルケトン 20重量部
酢酸イソブチル 20重量部
塗布したプライマーは、20℃で10〜20分間乾燥させ、塗膜化した。塗膜の厚さは6μmであった。
次に、プライマー層の上に、上塗り剤をスプレー塗りした。塗布作業は2回に分けて行った。上塗り剤は、塗布する直前に、主剤100重量部に対し硬化剤を50重量部配合し攪拌させた。主剤、及び硬化剤の組成はそれぞれ以下の通りである。
主剤;
アクリル樹脂(分子量約2万) 21重量部
ブチルグリコールエーテル 8重量部
イソブタノール 8重量部
N−ブタノール 14重量部
キシレン 4重量部
トルエン 33重量部
酢酸エチル 8重量部
酢酸ブチル 4重量部
硬化剤;
シラン化合物 20重量部
ブチルグリコールエーテル 15重量部
N−ブタノール 23重量部
キシレン 4重量部
トルエン 23重量部
酢酸エチル 15重量部
塗布した上塗り剤は、60℃で30分間乾燥させ、塗膜化した。塗膜の厚さは21μmであった。
最後に、レンズ表面を研磨紙を用いて手作業により研磨した後、ポリッシャーにてペーパー傷が消えるまでコンパウンド研磨を行い、補修作業を完了した。
【0024】
(比較例1〜3)
上記プライマー及び上塗り剤に替えて、市販のストレートアクリル塗料(比較例1)、アクリルウレタン塗料(比較例2)、フッ素樹脂塗料(比較例3)をそれぞれレンズ面にスプレー塗りした以外は、上記実施例と同様にして、レンズの傷補修を試みた。
そして、上記実施例、及び比較例1〜3により補修したレンズを、50℃、湿度95%の環境下において3日間保存した後、塗膜の状態を観察し、また、表面の鉛筆硬度を調べた。その結果を表1に示す。
【0025】
【表1】
Figure 0003756740
【0026】
表1に示すように、実施例は、塗膜の密着性に優れると共に、ソルベントクラッキング等の欠陥を防止できることが明らかとなった。また、実施例の表面硬度は4例中最も優れていた。それに対し、比較例1は、ソルベントクラッキングが発生し、塗膜にワレが観察された。また、比較例2及び3では、塗膜の密着性が悪く、一部塗膜の剥離が見られた。
【0027】
【発明の効果】
以上、本発明の傷補修方法により、車両ランプのレンズに生じた傷、黄変等を再コーティングにより容易に補修することができる。その際に、チヂミ現象の発生を防いで美しい仕上がり状態を得ることができ、また、ソルベントクラッキング等の欠陥を生じることなく、素地に対するコーティング層の高い密着性が確保され、さらに、高い表面硬度を得ることができる。

Claims (3)

  1. 車両ランプにおけるポリカーボネート製のレンズに生じた傷を補修する方法であって、レンズ面を研磨して前記傷の痕跡を消すと共にレンズ表面の旧塗膜を除去する工程と、前記旧塗膜を除去した部位に対して、
    シリコーン系樹脂 5〜10重量部
    グリコール系溶剤 1〜 5重量部
    アルコール系溶剤 16〜35重量部
    芳香族炭化水素系溶剤 1〜 5重量部
    ケトン系溶剤 10〜20重量部
    エステル系溶剤 10〜20重量部
    を含有するプライマーをスプレー塗りし乾燥させる工程と、前記プライマーを塗布した部位に対して、アクリルシリコン系樹脂を塗膜形成要素とする上塗り剤をスプレー塗りし乾燥させる工程と、前記上塗り剤を塗布した部位を研磨する工程と、からなる車両ランプにおけるレンズの傷補修方法。
  2. 請求項1記載の傷補修方法において、上塗り剤が、
    アクリル系樹脂 20〜30重量部
    グリコール系溶剤 5〜10重量部
    アルコール系溶剤 10〜20重量部
    芳香族炭化水素系溶剤 40〜60重量部
    エステル系溶剤 6〜15重量部
    を含有する主剤と、
    シラン化合物 10〜20重量部
    グリコール系溶剤 10〜20重量部
    アルコール系溶剤 20〜30重量部
    芳香族炭化水素系溶剤 21〜35重量部
    エステル系溶剤 10〜20重量部
    を含有する硬化剤と、
    からなり、主剤100重量部に対して、硬化剤45〜55重量部の割合で配合したものであることを特徴とする車両ランプにおけるレンズの傷補修方法。
  3. 請求項1又は2記載の傷補修方法において、レンズ面を研磨して旧塗膜を除去する範囲が、レンズ面の全体であることを特徴とする車両ランプにおけるレンズの傷補修方法。
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