JP2012515079A - 単結晶ダイヤモンドを製造するための高圧高温(hpht)方法 - Google Patents

単結晶ダイヤモンドを製造するための高圧高温(hpht)方法 Download PDF

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Abstract

単結晶ダイヤモンドを合成するための高圧高温(HPHT)方法であって、アスペスト比が少なくとも1であり、成長表面が{110}結晶面と実質的に平行である単結晶ダイヤモンド種子を利用することが記載される。1280℃から1390℃の温度範囲で成長する。
【選択図】図2(a)

Description

本発明は、ダイヤモンド材料の生成方法に関する。特に、本発明は、切断用途で使用される、大型単結晶ダイヤモンドを生成するためのHPHT方法に関する。
温度勾配HPHT方法によるダイヤモンドの合成は当該技術分野において知られており、最初に米国特許第4,034,066号に記載された。
ダイヤモンド合成の従来の方法では、数カラット(約8mmの最大横寸法)までの単結晶ダイヤモンドを生成できる。いくつかの例外的に大型のストーンがR.C.Burns et al, Diamond and Related Materials,8(1999)、1433〜1437に報告されたが、これは製造が非常に複雑なために日常的には利用できない。
各結晶の総体積の、最終製品に使用できる割合を最大化することは、ダイヤモンド合成では重要な課題である。合成宝石からホモエピタキシャル成長の基板に及ぶ範囲の製品では、目標用途での使用に好ましい結晶面にアクセスするために、最小労力で加工できる、成長ダイヤモンドの最終的な形状を有するダイヤモンド材料を製造する傾向がある。さらに、これらの製品の多くには、特定のサイズしきい値を超える結晶にとって、該形状が達成されることを有利にするサイズ要件がある。
さらに、いくつかの用途では、最終製品のダイヤモンド材料が均一な光学特性を持つこと重要である。ダイヤモンドの光学特性(たとえば光吸収)は、その窒素含有量に強く影響されること、および、同様に成長した結晶の成長セクターに感受性があることがよく知られている。たとえば、{111}成長セクター中の単置換型窒素の溶解度は、{110}成長セクター中よりも100倍大きい係数よりも大きい。それ故に、いくつかの機械用途を含むいくつかの用途では、1つ、または主に1つの成長セクターから成る材料によって、性能の改良がもたらされる。
成長温度を変化させることによって、HPHT合成ダイヤモンド結晶の形態をある程度までは調整できる。しかしながら、形態を調整するために温度だけを使用して、極端に立方体または八面体に結晶を製造するには限界がある。
再構成または温度勾配方法による大型ダイヤモンド結晶の成長では、温度勾配の下端で種晶の位置を維持することが重要である。このために、ダイヤモンド結晶が成長する種子(seeds)は、一般にセラミック担体の中に保持される。担体の存在は、結晶が一般に完全立体角の半分にだけ成長できることを意味する。成長後種晶は成長した大型結晶の種子(seed)面上に露出したままである。さらに成長する結晶は、典型的には{100}面、{111}面および{110}面の組み合わせを示すが、典型的には「立方体」形状の異なる型を表し、立方体面の1つが種子面と平行な、または立方体面を横切る対角面に続いて種子面がある半立方体である。
産業用ダイヤモンド市場では、アクリル製品、望遠鏡鏡面、樹脂成形の機械加工、および最近ではLCDパネル表示ユニットの機械加工を含めたさまざまな用途のために、エッジ長さが1mm以上の合成ダイヤモンドプレートが継続して要望されている。さらに、プロファイルカッターは、貴金属の切断から光学製品まで、さまざまな用途で使用される。供給市場での主な問題点は、入手性の制限と品質である。しばしば特定の結晶方位が望まれ({111},{110},{100}面の順に耐摩耗性が減少することを示す)、研磨性がより良いので、工具制作者は<100>の上に<110>エッジがある製品を好む。さらに、1つの長いエッジ長を有する工具部品が要求され、これらの製品の多くはアスペスト比が大きく、等軸面近傍から非効率的に切除される。
特に工具用途での使用のために、少なくとも1つの長い寸法を有する高品質合成ダイヤモンドを製造することに関連していくつかの問題点がある。
適切な大きさの材料を製造するためには、一般に、ハードウェア制御の失敗と成長のばらつきの危険性が高まる、長い合成サイクル時間が必要である。さらに、成長空間を確保するために種子数が大きく減らされる。この併用効果によって、産業用合成能力のかなり集中的な使用をもたらし、市場での入手性を著しく低減させる。
大型ダイヤモンドの成長に関連する第2の問題点は、形状、サイズのばらつき、および包含物の取り込みの両方で結晶品質を制御することであり、一般にストーンが大きくなるほど、1つまたは複数のこれらの品質の問題点が発生する可能性が高くなる。
第3の問題点は、所望の工具を製造する前に発生する必要がある、前準備または材料除去の量である。合成したままの材料が、所望の工具部品の正味の形状に近い形状で提供されれば、合成ダイヤモンドのバルクから工具部品に変換するよりも、処理コストが低減される。これによって材料の利用を増し、合成能力を増加でき、正味の形状要件近くに合致するように材料をより効率的に合成できるので、結果として種子の密度を高くし、サイクル時間を短縮し、それ故に合成サイクル当たりの適切なダイヤモンドの数を増大させる。
米国特許第4,836,881号は、従来技術で報告された2つの問題に取り組み、特に過剰な包含物の形成を最小化しながら高品質を維持する、大型単結晶ダイヤモンドを合成する方法を記述する。本文書では、3mmより大きい直径を有する大型種子からダイヤモンドを合成することが記述される。
米国特許第4,836,881号の方法では、過剰な包含物の形成を避けながら、高品質な単結晶ダイヤモンドを製造するためには、プロセスの初期段階中に、エッチングおよびその後に種子表面から損傷を除去することにつながる、種子の真上に溶解層を与えることが必要であることを教示している。第2の段階は、溶媒スラッグの形状と寸法をあつらえることによって、表面への炭素の流れを制御することである。
国際特許出願公開番号WO2008/107860号では、アスペスト比が少なくとも1.5を有する成長表面を持つ種子が選択された、単結晶ダイヤモンドを製造するためのHPHT方法が記述されている。ここでは、金属包含物含有量を低減する合成単結晶ダイヤモンド材料を製造することが報告されている。
長いエッジ長を有し、それが用いられる用途に対してあつらえられた結晶方位特性を有する、高品質単結晶ダイヤモンド材料を製造することができる簡単な方法に対する需要がある。
この点に関して、本発明は単結晶ダイヤモンドを合成する方法を提供し、該方法は、
(a)2つの直交する寸法がa*とb*である成長表面を有する単結晶ダイヤモンド種子を選択する工程であって、ここで、a*は前記成長表面の平面内の<100>方向または<110>方向に沿って実質的に配列する、前記成長表面の最長寸法であり、b*は、前記成長表面の平面内にあるa*に直交する方向の、前記成長表面の最長寸法であり、a*/b*で定義される前記成長表面のアスペスト比は少なくとも1であり、前記成長表面は{110}結晶方位を有する工程と、
(b)種子の成長表面が露出され、種子の成長表面が実質的に基板の表面と平行になるように、基板の表面上または中に種子を取り付ける工程と、
(c)単結晶ダイヤモンドが少なくとも種子の成長表面の上で生成される条件下で、1280℃から1390℃の温度範囲の高圧高温環境で結晶成長を生じさせる工程であって、合成された単結晶ダイヤモンドの最長寸法である<100>または<110>方向に沿って配列するa#は、少なくとも2mmを超える工程と、を含む。
本発明の発明者らは、驚いたことに、制御された温度範囲内のHPHT条件下で、結晶を成長させることと組み合わせて、{110}成長表面を有する種子の使用を選択することによって、少なくとも1つの寸法が大きなサイズを有する、合成したままの形態の高品質単結晶ダイヤモンドを製造することができ、たとえあったとしても、高耐摩耗性{110}結晶面を露出するための最小限の処理だけが必要とされることを見出した。これは、本発明の方法によって製造された単結晶ダイヤモンドは、耐摩耗性が要件であり、長いエッジであることが望ましい工具用途で特に有用であることを示す。さらに、単結晶ダイヤモンドは多くの異なる用途に適切である形状および寸法を有するので、大量のダイヤモンド材料を浪費することになり時間がかかる、合成後の切断工程は減少する。
本発明の発明者らは、合成単結晶ダイヤモンド材料によって表される形態、すなわち立方体面または八面体面の組み合わせは、種子の結晶方位の選択によって影響を及ぼすことができることを見出した。たとえば、結果的に立方体成長を維持する成長環境で、立方体種子(すなわち{001}成長表面を有する種子)から成長したダイヤモンドは、最終的な形状として正方形面ブロックを生成し、その一方で{110}配向面から成長したダイヤモンドは、その6つの面の1つの対角からスライスされた{100}面半立方体と等価である最終的な形状を生成できる。
好都合にも、本発明の1280℃から1320℃の温度範囲で結晶成長を生じさせることによって、合成したままの単結晶ダイヤモンド材料は「コールド(cold)」形態を有する。これは合成したままの材料が「立方体」形態であることを示す。これは、半立方体に近いことで、一方の<100>エッジよりも高耐摩耗性である長い<110>エッジを有するので、ノミの目直し用途に役立つことが利点である。
または、結晶成長中に1350℃から1390℃の範囲に温度を制御することによって、生成された単結晶ダイヤモンド材料は「ホット(hot)」形態を有する。これは、合成したままの材料は「八面体」形態を有することを示す。これは、八面体に近いので、単一ポイントの目直し用途に役立つことが利点である。該工具は、一般にピラミッド形状の先端を有し、このピラミッド形状の先端の端部に小さな平面が形成される。本発明の方法によって生成された、合成したままの材料の八面体形態は、該用途で通常見られる低耐摩耗性{100}表面とは対照的に、先端端部に{110}面が形成されることを意味する。
単結晶成長の所定期間に本発明の方法を使用すると、従来技術に開示された方法によって得られた生成物と比べると、大きな寸法で合成された単結晶ダイヤモンドが得られる、というさらなる利点が観察された。
合成したままのストーンの形態を、その「結晶形態指標」または「CMI」で表すことができる。これは、ここ数年間本発明の分野において使用されたきた尺度である。本質的に、CMIは、0から8までの尺度のマッチング{111}面によって作られる平面で見られる、各立方角の小部分のカットバック(cut back)である。完全な立方体(6個の{100}ファセットを含む)のCMIは0であり、完全な八面体(8つの{111}ファセットを含む)のCMIは8である。完全な立方八面体(6つの{100}ファセットと8つの{111}ファセットを含む)のCMIは4である。{100}型面と{111}型面の混合面で囲まれる結晶のCMI値は、0より大きく8未満である。
本明細書で使用される場合に「立方体」という用語は、その6つの面の1つの対角で切断された半立方体と等価な形態を表す。該形態は、半立方体の底面を形成する{110}を有する、{100}ファセット(当業者は、しばしば「4ポイント面」と称する)によって主に囲まれている。メジャーファセットの交点には、{110}、{111}、{113}、{115}等の他のマイナーファセットが存在してもよい。
本明細書で使用される場合に「八面体」という用語は、<100>エッジおよび<110>エッジを有する{110}結晶方位を持つ成長表面の種子から成長し、{100}面、{110}面および{111}面を組み合わせた表面であるピラミッド形状を含む、単結晶ダイヤモンド材料を表す。特に、底面は{110}面と平行で、<100>方向と平行に底面と交差する錐面は{100}面であり、<110>方向と交差する錐面は{111}面である。ピラミッドの頂点には、底面と平行な小さな{110}ファセットがしばしば存在する。メジャーファセット交点に、{110}、{113}、{115}等の他のマイナーファセットが存在してもよい。
この形態は、理想的な場合には、外側表面のすべての8表面が、{111}を形成する天然の八面体ストーンとは、同一ではないことに留意されたい。
当業者は、{110}面を「2ポイント面」と、<110>方向を「2ポイント方向」と、{111}面を「3ポイント面」と、<111>方向を「3ポイント方向」と、{100}面を「4ポイント面」と、<100>方向を「4ポイント方向」と言う場合がある。該使用法は、特にダイヤモンド工具製造産業および宝石研磨産業で多い。
本明細書で使用される場合に「最長寸法」という用語は、結晶方位などの所定の追加条件を満たす、最大または最も大きい寸法をいう。
本発明の方法の第1のステップは、成長表面が{110}結晶方位であり、アスペスト比が少なくとも約1である単結晶ダイヤモンド種子を選択することである。
種子は単結晶ダイヤモンドであり、好ましくは合成単結晶ダイヤモンドである。合成単結晶ダイヤモンド種子は、高圧高温(HPHT)ダイヤモンド、または化学蒸着(CVD)ダイヤモンドのいずれかであり得るが、好ましくはHPHTダイヤモンドである。HPHTダイヤモンドが使用される場合には、タイプIb若しくはタイプIIaまたはタイプIIb合成ダイヤモンドであってもよいが、好ましくはタイプIb合成ダイヤモンドである。
本発明の方法に使用される単結晶ダイヤモンド種子は、未加工のダイヤモンド材料から、{110}面に近い表面を有するダイヤモンド片を切断することによって製造されてもよい。たとえば機械式ブレードまたは適切なレーザーを使用して、ダイヤモンドの{110}面から、最終的には{110}面と平行な、対向する<110>エッジおよび<100>エッジ対によって囲まれる成長表面を形成する表面を有する正方形または長方形「ブロック」に種子が切断されてもよい。または、異なる面およびエッジで囲まれる種子を使用することもできる。または、さらに、通常の晶癖を有し、{110}面を溶質に曝し、セラミック種子担体表面と平行に配置することによって、{110}面の成長を促進する指向性を有する合成または天然のダイヤモンドグリットから、種子が供給されてもよい。
本明細書中で使用される用語「成長表面」は、本発明の方法によって成長が生じ、従って新材料が成長する種子の表面を表す。典型的には、種子の成長表面は、一般に種子が取り付けられる、基板の表面とおおよそ平行であり、HPHTプロセス中に存在する溶媒触媒および炭素成長種に提示される表面である。特定方向の成長速度は、成長する成長セクターと成長条件に依存するが、基板の表面上のすべての方向で、種子の成長表面から離れるように成長が発生する。成長表面は種子の主面であることが好都合であるが、これは本発明の要件ではない。
選択された単結晶ダイヤモンド種子は、{110}面に近い成長表面を有する。これは、製造された単結晶ダイヤモンドが、成長したままの{100}面、{111}面および{110}面を有することを示す。この点に関して、好ましくは単結晶ダイヤモンド種子の成長表面の法線は、<110>方向からおよそ20°以内である。一層好ましくは、単結晶ダイヤモンド種子の成長表面の法線は、<110>方向からおよそ15°以内である。一層好ましくは単結晶ダイヤモンド種子の成長表面の法線は、<110>方向からおよそ10°以内である。一層好ましくは、単結晶ダイヤモンド種子の成長表面の法線は、<110>方向からおよそ5°以内である。単結晶ダイヤモンド種子の成長表面の法線は、<110>方向方向から0°以内であってもよい。成長表面のエッジは、<100>方向または<110>方向の何れか、若しくは<100>と<110>の混合方向から、約20°以内であり、好ましくは約15°以内、好ましくは約10°以内、好ましくは約5°以内、またはさらに0°であってもよい。好ましくは、種子の2つの対向するエッジは、<100>方向に対して約20°以内、好ましくは約15°以内、好ましくは約10°以内、好ましくは約5°以内またはさらに0°であり、さらに種子の2つの対向する他のエッジは、<110>方向に対して約20°以内であり、好ましくは約15°以内、好ましくは約10°以内、好ましくは約5°以内またはさらに0°であるので、種子は略正方形または略長方形である。単結晶ダイヤモンド種子の側面ファセットは、成長表面に対する法線から約20°以内であり、好ましくは約15°以内、好ましくは約10°以内、好ましくは約5°以内またはさらに0°である。
種子は、アスペスト比が1またはそれ以上を有するように選択される。本明細書で使用される場合に「アスペスト比」という用語は、種子の成長表面の最長または最大の長さまたは寸法のa*/b*比を意味し、実質的に<100>または<110>方向に沿って配列する成長表面の面a*と、成長表面の面にあって直交または垂直方向にあるb*との比である。本明細書で使用する場合に用語「実質的に配列する」は、参照される方向に対する平行方向からおよそ20°以内、好ましくはおよそ15°以内、好ましくはおよそ10°以内、好ましくはおよそ5°以内、またはさらに0°の寸法が要求される。
単結晶ダイヤモンド種子の成長表面のアスペスト比、a*/b*は、少なくとも約1、好ましくは少なくとも約1.5、好ましくは少なくとも約2.0、好ましくは少なくとも約2.5、好ましくは少なくとも約3、好ましくは少なくとも約4、好ましくは少なくとも約5、好ましくは少なくとも約10である。単結晶ダイヤモンド種子のアスペスト比の選択は、目標となる単結晶ダイヤモンド生成物の寸法アスペスト比に依存する。
一実施形態では、単結晶ダイヤモンド種子の成長表面のアスペスト比、a*/b*は、約1から約1.5未満の範囲であってもよい。この点に関しては、単結晶ダイヤモンド種子のアスペスト比、a*/b*は、約1から約1.4の範囲、約1から約1.3の範囲、約1から約1.2の範囲であってもよい。
いくつかの実施形態では、高アスペスト比の種子を選択することによって、種子の成長表面のエッジ長を最大化し、種子の成長表面の表面積を最小化してもよい。エッジ長の最大化によって、たとえば、単一ポイントの旋削工具として使用することに適切な、合成単結晶ダイヤモンドに望ましい目的物が得られる。表面積の最小化によって、従来技術で報告されている、大型基板の使用に関連して一般的に遭遇する問題である、合成の初期段階での多重核形成および金属溶媒の包含物の問題が、実質的に低減、または取り除かれる。これは、特に単結晶ダイヤモンド種子の成長表面の寸法b*が特別に小さい場合である。
好都合にも、本発明の単結晶ダイヤモンド種子の成長表面の寸法b*が約2mm未満、好ましくは約1.5mm未満、好ましくは約1mm未満、一層好ましくは約0.5mm未満の場合に、金属包含物の含有量を低減できることが見出された。どのような特定の理論にも拘泥するわけではないが、これは多重核形成の発生の可能性を低減させる結果と考えられる。
種子のアスペスト比が非常に大きい場合には、非静水圧応力が種子にかかり、特に合成温度および圧力の傾斜中に、曲げ、またはクラッキングの何れか、または両方が種子にできる。この効果は、種子の深さ(すなわち、合成中に成長表面となることが意図される表面に対して、垂直方向の種子の寸法)を増すことによって部分的に緩和できる。そうであっても、成長表面のアスペスト比に対する実質的な上限が存在する。成長表面のアスペスト比は、好ましくは約30未満、好ましくは約20未満である。
種子の成長面の形状は制限されない。しかしながら、典型的にかつ好ましくは、種子の成長面は、実質的に<100>または<110>に沿って配列するエッジを有する正方形または長方形であり、この場合にはb*は種子の成長面の最小寸法である。種子は面取りされたコーナー、すなわち種子成長面が完全矩形ではないことを意味する他の特徴を使用してもよい。好ましくは、面取りされたコーナーはない。以降の議論は、簡単にするために正方形および長方形種子に焦点を合わせて論じるが、これによって本発明の普遍性は損なわれない。
さらなる態様では、本発明は、ダイヤモンドの高圧高温合成方法を使用した、成長表面に{110}結晶方位を有し、アスペスト比が少なくとも約1.0である単結晶ダイヤモンド種子の使用に関する。
単結晶ダイヤモンド種子の成長表面は、大きな最長寸法a*を有することがさらにより望ましく、a*は<100>方向または<110>方向に沿って実質的に配列する成長表面の最長寸法である。好ましくは、単結晶ダイヤモンド種子の成長表面のa*寸法は、少なくとも約0.25mm、好ましくは少なくとも約0.5mm、好ましくは少なくとも約1mm、好ましくは少なくとも約2mm、好ましくは少なくとも約3mm、好ましくは少なくとも約4mm、好ましくは少なくとも約5mm、好ましくは少なくとも約6mmである。
種子から種子上に成長した材料に欠陥が伝搬する傾向があるので、選択された種子が含む欠陥は、最小数であることが好ましい。さらに詳しくは、総合倍率が10倍の光学顕微鏡を使用して観察する場合に、種子の成長表面である表面の、包含物による表面欠陥の平均個数は、1mm2当たり約300個未満であることが好ましく、好ましくは1mm2当たり約100個未満、好ましくは1mm2当たり約80個未満、好ましくは1mm2当たり約60個未満、好ましくは1mm2当たり約30個未満、好ましくは1mm2当たり約10個未満、好ましくは1mm2当たり約5個未満、好ましくは1mm2当たり約2個未満、好ましくは1mm2当たり約1個未満、好ましくは1mm2当たり0個である。
好都合にも、単結晶ダイヤモンド種子は、合成が開始されると、成長表面となる種子の表面の面積の少なくとも約30%、一層好ましくは少なくとも約50%、一層好ましくは少なくとも約75%、一層好ましくは少なくとも約80%、一層好ましくは少なくとも約85%、一層好ましくは少なくとも約90%、一層好ましくは少なくとも約95%が単一の成長セクターとなるように選択される。拡張欠陥は典型的には種子の高歪み領域、特に種子中の成長セクター境界に隣接する領域から伝搬するので、種子の上に成長した単結晶ダイヤモンドは、より少ない拡張欠陥を含むことを意味するので有利である。
好都合にも、選択された単結晶ダイヤモンド種子の歪みレベルは小さい。これによって多重核形成の発生可能性を低減し、従って種子上に成長させることによって生成される、単結晶ダイヤモンド材料中の金属包含物の含有量を低減するので有利である。ダイヤモンド中の歪みは、最も簡単には、偏光顕微鏡または類似の技術(たとえば、広い領域にわたって結晶の光遅延を決定できる、「Metripol」(Oxford Cyrosystems,オックスフォード,英国)などの機器を使用する)を使用して評価される。完全に歪みの無いダイヤモンドは立方体なので、一対の交差極線間を通過すると黒く見える。不均一歪みを加えると、結晶の立体的対称性が失われ、試料は複屈折を持つようになる。複屈折のレベルは定量化できる。さらに、記録される複屈折のレベルは、材料の中に存在する金属包含物の数に関連している。金属包含物の含有量が多くなるほど、記録される複屈折が大きくなる。従って低複屈折レベルは、包含物の含有量が少ないことを示す。
好ましくは、種子は、種子の成長表面の面積の少なくとも約50%、一層好ましくは種子の成長表面の面積の少なくとも約60%、一層好ましくは少なくとも種子の成長表面の面積の約70%、一層好ましくは少なくとも種子の成長表面の面積の約80%を超える領域の複屈折が、種子の成長表面に対して垂直方向で観察する場合に、約5×10-3未満、一層好ましくは約1×10-3未満、一層好ましくは約5×10-4未満、一層好ましくは約1×10-4未満である。
本発明の方法の工程(a)で選択された単結晶ダイヤモンド種子は、その成長したままの状態で使用されてもよい。または、種子は、本発明の方法にそれを使用する前に、処理工程を経てもよい。該工程が含まれると、種子の表面およびエッジの品質の改良が達成される。たとえば、エッジ欠けを低減するために、1つまたは複数の工程が含まれてもよい。
好ましくは、該方法の工程(a)で選択された単結晶ダイヤモンド種子のエッジには、小さいエッジ欠けがある。さらに詳しくは、総合倍率が10倍の光学顕微鏡を使用して観察した場合に、種子の成長表面のエッジの目に見えるエッジ欠け、または欠陥の平均個数は、1mm当たり約30個未満、好ましくは1mm当たり約10個未満、好ましくは1mm当たり約5個未満、好ましくは1mm当たり約3個未満、好ましくは1mm当たり約2個未満、好ましくは1mm当たり約1個未満、好ましくは1mm当たり0個である。
本発明の方法で使用される前に種子が処理されるべき場合には、該処理工程には、1つまたは複数の以下の工程を含んでもよい:スケイフ研磨工程、および、他の機械処理工程、例えばラップ仕上げ、プラズマ処理、反応性イオンエッチング、高圧高温アニーリング(2500℃までの温度)、高真空条件(それは、約10-4ミリバール未満の圧力で)での高温アニーリング、保護用の、非酸化性大気(たとえばアルゴンまたは1%の水素を含むアルゴン)での高温アニーリング。
好ましくは本発明の単結晶ダイヤモンド種子の成長表面の表面粗さRaは、約1000nm未満、好ましくは約500nm未満、好ましくは約100nm未満、好ましくは約80nm未満、好ましくは約60nm未満、好ましくは約50nm未満、好ましくは約30nm未満、好ましくは約20nm未満、好ましくは約10nm未満である。必要があれば、種子を研磨することによって、該表面粗さを達成できる。
用語「表面粗さ、Ra」(時々「中心線平均」または「c.l.a.」と称する)とは、スタイラス表面形状測定装置によって、0.08mm長にわたって、英国工業規格BS1134パート1およびパート2に従って測定された平均線からの表面プロファイルの絶対偏差の算術平均を示す。Raの数学的記述(「Tribology」,I.M. Hutchings,Edward Arnold(ロンドン)発行,1992年、8〜9頁によると)は、以下の式である。
Figure 2012515079
種子の選択後に、本発明の方法は、種子を洗浄する追加の工程を含んでもよい。この工程を含める場合には、この工程では、たとえば、約150℃を超える温度での、濃硫酸と硝酸カリウムの混合物などの熱酸化酸混合物が使用されてもよい。
本発明の方法は、工程(a)の後であって工程(c)の前に、種子の成長表面が露出され、種子の成長表面が基板の表面と実質的に平行になるように、基板の表面上または中に種子を取り付ける第2の工程(b)を含む。当該技術分野において、基板はしばしば「種子パッド」と称される。
単結晶ダイヤモンド材料の高圧高温(HPHT)合成では、基板は一般に種子パッドであり、種子の成長表面を形成する面が、種子パッドの表面の平面内におおよそ横たわるようなやり方で、その中に種子を圧入する。
この工程では、種子が上に取り付けられる基板は、HPHT合成分野で、基板を製造するために、常用されるいかなる材料から製造されてもよい。たとえば、基板は、ケイ酸アルミニウム、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウムまたは酸化マグネシウムなどのセラミック材料から製造されてもよい。さらに適切な材料は、アルカリ金属ハロゲン化物(塩化ナトリウムはその例である)などの塩を含む。
本発明の方法の効率を改良するために、2つ以上の単結晶ダイヤモンド種子を基板に取り付けることが好ましく、従って多くの単結晶ダイヤモンドの同時成長ができるようになる。
基板に2つ以上の種子が取り付けられる場合には、基板上に種子を配向させることができる、多くの方法が存在する。より再現性があることから、種子を規則的に配列させることが好ましい。種子の可能な配置の実施例を図1(a)から図1(f)に示す。種子は、他の列と互い違いであっても、互い違いでなくともよい、直線状の列に配置することができ、或いは放射状に、または放射状と直線状の列の組み合わせの配置であってもよい。好ましい配置は、図1(b)に図示する、互い違いの列の配置を使用することである。
種子の間隔は、同一の列にある2つの隣接する種子の間の距離が、種子の隣接した列間の間隔の約25%以内であることが好ましい。間隔の絶対値は、種子のサイズおよびストーンの所望の最終的なサイズによって決定される。当然のことながら、成長後のストーンは相互に衝突するべきではない。ストーン側面への炭素の流れが影響を受け、望ましくない程度にまで形状が不規則になることがないように、成長するストーンを近づけすぎないことがさらに重要である。
最初の種子の寸法がa*×b*であって、隣接する種子と距離dだけ離れ、最終的なストーンの寸法がA×B(AおよびBが測定される方向は、それぞれa*およびb*と同一の方向)であって、良好な成長を保証するためには少なくともDと等しい距離だけ離れなけらばならない場合には、以下の式になる。
d≧D−(A−a*)かつd≧D−(B−b*
本発明の方法の工程(c)は、単結晶ダイヤモンドが生成されるような条件下で、高圧高温(HPHT)環境で結晶を成長させる工程を含む。
一般にHPHTプロセスでは、種子を上に取り付ける基板は、炭素源、好ましくは高純度黒鉛またはダイヤモンド、および溶媒触媒金属合金を用いて、合成カプセルに組み立てられる。ダイヤモンドが炭素源として使用される場合には、ダイヤモンドは一般に微細に粉砕されたダイヤモンドである。炭素源としてダイヤモンドを使用すると、いくつかの利点を伴う。第1に、炭素源として黒鉛が使用される場合には、HPHTプロセス中に体積が有意に変化する。対照的に、炭素源としてダイヤモンドを使用することによってこれが避けられ、HPHTプロセス中に正味の体積変化が生じない。第2に、炭素源としてダイヤモンドが使用される場合には、合成された単結晶ダイヤモンド材料の不純物が低減する。
当業者であれば、種子パッド、炭素源および溶媒触媒の正確な配置は、使用される特定の高圧高温装置に特異的であることが分かるであろう。
溶媒触媒は、当該技術分野において知られているいずれのものでもよいが、好ましくは、マンガン、コバルト、鉄およびニッケルを含有する。さらに、コバルト、ニッケルおよび鉄の2種以上を主に含有する合金が使用されてもよい。一層好ましくは、溶媒触媒は、鉄およびニッケルを含有する合金である。一層好ましくは、溶媒触媒は、ニッケル、鉄およびコバルトを含有する合金である。一層好ましくは、溶媒触媒は、ニッケル、鉄およびコバルトから成る合金である。好ましくは溶媒触媒成分は、当業者に知られた方法で調製され、精製され、および予備合金されるので、特に金属包含物を排除するという意味で、十分な透明度のダイヤモンド結晶の成長を保証する。
工程(c)のHPHTプロセスは、好ましくは最長寸法が少なくとも約2mmの種子の成長表面と、実質的に平行な平面内にある面を有する単結晶ダイヤモンドが生成される条件で、実施される。HPHT方法は、温度駆動型であっても、または再構成手段によってもよい(当該技術分野においては「再構成方法」としても知られている)。
または、HPHTプロセスは相平衡などの圧力駆動型、または当業者によく知られている黒鉛変換プロセスであってもよい。
本発明の工程(c)のHPHTプロセスは、1280℃から1390℃の温度範囲で実施される。
本発明の一実施形態では、HPHTプロセスは、1280℃から1320℃の温度範囲、または、1290℃から1310℃の温度範囲で実施される。これによって、合成したままの「コールド」形態を有する単結晶ダイヤモンド材料を生成する。該材料は、特に、高耐摩耗性が要求されるノミの目直し用途に適切である。
代替の実施形態では、HPHTプロセスは、1350℃から1390℃の温度範囲、または、1360℃から1380℃の温度範囲で実施される。これによって、合成したままの「ホット」形態を有する単結晶ダイヤモンド材料を生成する。該材料は、特に、先端に高耐摩耗性が要求される単一ポイントの目直し用途に適切である。
好都合にも、HPHTプロセスは、約5GPaから約6GPaの圧力で、プロセス中の圧力と温度の安定化に適したシステムを使用して実施される。成長時間は、所望の結晶のサイズによって決まる数十時間から数百時間まで延長してもよいが、典型的には約50時間から約200時間である。
当業者には当然のことであるが、上述して特定された尺度の中で、正確な操作条件は、合成されるべきダイヤモンドの種類によって異なる。たとえば、上記の条件はタイプIbダイヤモンドの合成に適切であるが、タイプIIaおよびIIbダイヤモンドの合成のためのプロセスウィンドウは、ウィンドウの位置およびウィンドウのサイズの両方の面から異なるであろう。
本発明の方法の工程(c)の結晶成長の完了後、合成された単結晶ダイヤモンドは、一般に基板から簡単に取り除くことができる。または、本発明の方法は、必要に応じて、工程(c)の後に基板から単結晶ダイヤモンドを分離する追加の任意の工程を含んでもよい。
さらに、本発明の方法は、工程(c)の後に残存溶媒触媒を除去する追加の工程を含んでもよい。この工程は、たとえば、熱王水に溶解、または当該技術分野において知られているいずれかの他の技術によって達成されてもよい。
本発明の方法によって、合成したままのアスペスト比A#/B#が少なくとも約1である合成単結晶ダイヤモンド材料であって、最長寸法が少なくとも約2mmである単結晶ダイヤモンド材料を生成することができる。
好ましくは合成したままの単結晶ダイヤモンド材料は、種子の成長表面と実質的に平行な主面を有し、主面の平面内の<100>方向または<110>方向に沿って実質的に配列する最長寸法は、少なくとも約2mmを超える。
従って、本発明は、主面を有し、合成したままのアスペスト比がA#/B#が少なくとも約1であって、主面のエッジの最長寸法が少なくとも約2mmである合成単結晶ダイヤモンド材料を提供する。
HPHT方法によって合成した結果、本発明の単結晶ダイヤモンド材料は、典型的には、フーリエ変換赤外分光法スペクトル(FTIRスペクトル)または二次イオン質量スペクトル(SIMS)のいずれかによって測定される少なくとも約5ppmの窒素を含有する。これは、単結晶ダイヤモンド材料が黄色であることを示す。
HPHT方法によって製造された合成ダイヤモンドは、フォトルミネッセンス(PL)スペクトルによって同定できる固有の特徴を有する。これらは、溶媒金属触媒から個々の金属原子をダイヤモンド格子の中に取り込むことに関連する。該固有の特徴は、本発明の材料中で観察される。
たとえば文献では、325nm励起下で、Coと関連していると考えられるPL特徴が523.8nm,544.5nm,561.7nm,580.7nmで観察されると報告されている。632.8nmの励起では、657.7nm,669.2nm,720.8nm,722.8nm,793.2nm,807.6nm,863.9nm,868.8nm,882.6nm,884.7nm,887.4nmおよび992.3nmでのさらなるピークもCoと関連していると考えられる。
ニッケル含有溶媒触媒を使用して合成されたダイヤモンドの632.8nmでの励起は、657.7nm,722.8nm,793.2nm,807.6nm,868.8nm,882.6nmおよび884.7nmでニッケル関連の特徴を示す。さらにニッケル関連の特徴は、532nm励起で728nm,707nm,751nmで観察される。881nmで格子間位置のNi+によると考えられる特徴がある。HPHT合成ダイヤモンドのFTIRスペクトルでは、1332cm-1でN+(イオン化された単置換型窒素)による吸収特徴を有することがあり;これは、N+およびNi-を生成するNiとNとの間の電荷移動によって形成されると考えられる。2者の間に関係があるので、1332cm-1での吸収係数は、Ni-の濃度を決定することに使用できる。ある従来技術では、特定のストーンで局所的なNi濃度が100ppmより高いと報告されている。
好都合にも、本発明の単結晶ダイヤモンド材料は、主に立方体の外的形態を有し、すなわち成長したままのストーンの表面積の少なくとも約35%、好ましくは少なくとも約45%、好ましくは少なくとも約50%は、{100}型面を含む。残余の表面は、{110}型面、{111}型面、{113}型面および{115}型面の混合面を含む。{100}型面ではない領域であって、{110}ではない割合は表面積の約20%未満が好ましく、好ましくは約15%未満、好ましくは約10%未満である。
または、本発明の単結晶ダイヤモンド材料の外的形態は主に八面体であり、すなわち成長したままのストーンの表面積の少なくとも約10%、好ましくは少なくとも約15%、好ましくは少なくとも約20%は、{111}型面を含む。成長したままのストーンの表面積の好ましくは約15%、好ましくは少なくとも約20%、好ましくは少なくとも約25%は、{100}型面を含む。残余の表面は、{110}型面、{113}型面および{115}型面の混合面を含む。{100}型面または{111}型面ではない領域であって、{110}ではない割合は表面積の約20%未満が好ましく、好ましくは約15%未満、好ましくは約10%未満である。
主に立方体または主に八面体の外的形態を有する単結晶ダイヤモンドを生成することによって、ダイヤモンド材料を、関心のある用途で使用できる形態に加工するために要求される工程の数が最小化される。
本発明の単結晶ダイヤモンド材料の合成したままのアスペスト比は約10以下、または、約5以下、または、約4以下、または、約3以下、または、約2.5以下、または、約2以下、または、約1.5、または、約1.2以下である。用語「合成したままのアスペスト比」が使用される場合には、アスペスト比、A#/B#を示し、A#およびB#は単結晶ダイヤモンド材料の概念的表面S#を定義し、合成したままの単結晶ダイヤモンド材料の種子面と実質的に平行な{110}面と実質的に平行であり、A#は実質的に<100>または<110>方向に沿って配列する、表面S#内の合成したままの単結晶ダイヤモンド材料の最長寸法であり、B#は実質的に<100>または<110>方向に沿って配列する表面S#内でA#に対して直交する合成したままの単結晶ダイヤモンド材料の最長寸法である。概念的表面S#は現実の外側表面または概念上の内側表面であってもよい。
一実施形態では、合成したままのアスペスト比A#/B#は約1から約1.5未満の範囲である。この点に関しては、本発明の単結晶ダイヤモンド材料のアスペスト比、A#/B#は、約1から約1.4の範囲、約1から約1.3の範囲、約1から約1.2の範囲であってよい。
本明細書で使用する場合の用語「実質的に平行」は、その方向または面が、参照される方向または面に対して平行から、およそ20°以内、好ましくはおよそ15°以内、好ましくはおよそ10°以内、好ましくはおよそ5°以内または0°であることを要する。
本明細書で使用する場合の用語「実質的に垂直」は、その方向または面が、参照される方向または面に対して垂直から、およそ20°以内、好ましくはおよそ15°以内、好ましくはおよそ10°以内、好ましくはおよそ5°以内または0°であることを要する。
技術用語「合成したままの」は、単結晶ダイヤモンド材料がこの成長したままのアスペスト比を有し、かつ言及されたアスペスト比を得るためにさらに処理工程を要しないことを要する。
合成したままの単結晶ダイヤモンド材料の最長寸法a#は、実質的に<100>または<110>方向に沿って配列し、実質的に表面S#と平行であり、少なくとも約2mm、好ましくは少なくとも約3mm、好ましくは約少なくとも4mm、好ましくは少なくとも約5mm、好ましくは少なくとも約6mm、好ましくは少なくとも約7mm、好ましくは少なくとも約8mm、好ましくは少なくとも約10mm、好ましくは少なくとも約12mmである。好ましくはこの最長寸法は概念的表面S#上にあり、A#はa#であり、B#はa#に対して直交するダイヤモンド材料の最長寸法である。好ましくはこの最長寸法は主面と平行であり、一層好ましくは主面内にある。本明細書で使用する場合の用語「主面」は、最大表面積を有するその材料の面をいう。材料の主面は、一般に最長寸法を含み、ダイヤモンドが上に合成される種子の成長表面と実質的に平行な平面内にある。
一実施形態では、合成したままの単結晶ダイヤモンド材料の最長寸法a#は、実質的に<100>または<110>方向に沿って配列し、実質的に表面S#と平行であり、約8mm未満、または、約7mm未満、または、約6mm未満、または、約5mm未満である。
該寸法を有する単結晶ダイヤモンドは特に切断用途で望ましい。
本発明の方法によって製造された合成したままの単結晶ダイヤモンド材料は、さらに1つまたは2つの支配的な成長セクターを含むことによって特徴付けられる。好都合にも、合成したままの単結晶ダイヤモンド材料の最長寸法は概念的表面S#上にあり、表面S#が、実質的に種子面と平行である、単結晶ダイヤモンド材料の合成したままの外側表面と少なくとも1つのポイントで接触する。
好ましい成長セクターの割合は、たとえば、Diamond Trading Company(メイデンデッド、英国)から入手されるDiamondViewTM機器などの紫外線ルミネッセンス顕微鏡を使用して決定できる。本質的に同一の成長環境にさらされた場合に、異なる成長セクターは窒素関連欠陥を異なる割合で取り込むので、窒素関連欠陥によってルミネッセンス強度は成長セクター間で異なる。したがって異なる成長セクターはルミネッセンス画像によって同定できる。成長表面に対する法線にほぼ(すなわち、約20°以内)沿って観察し、画像中の成長セクターの面積を画像中のストーンの総面積と比較することによって得られるルミネッセンス画像から、支配的成長セクターの割合が決定される。
本発明の合成したままの単結晶ダイヤモンドは、{100}成長セクターおよび/または{111}成長セクターの少なくとも約50体積%、好ましくは少なくとも約60体積%、好ましくは少なくとも約70体積%、好ましくは少なくとも約80体積%、好ましくは少なくとも約85体積%、好ましくは少なくとも約90体積%、好ましくは少なくとも約95体積%、好ましくは少なくとも約98体積%を含む。
本発明の合成したままの単結晶ダイヤモンドから調製される生成物は、好ましくは、{100}成長セクターおよび/または{111}成長セクターの少なくとも約60体積%、好ましくは少なくとも約70体積%、好ましくは少なくとも約80体積%、好ましくは少なくとも約85体積%、好ましくは少なくとも約90体積%、好ましくは少なくとも約95体積%、好ましくは少なくとも約98体積%を含む。
上述したように、本発明の方法によって製造された合成単結晶ダイヤモンド材料の利点は、多くの用途でさらなる処理をしないで直接使用することに適切であることを意味する、合成したままのサイズおよび形状を有することである。長い、耐摩耗性エッジが必要とされる工具用途で特に適切である。
または、使用されることが意図されている用途で必要とされる場合には、本発明の単結晶ダイヤモンド材料は、面状に切断、または鋸引きされてもよい。ダイヤモンドが切断される場合には、当該技術分野において知られている方法が使用されてもよい。たとえば、従来のダイヤモンドソーヤーブレード(微細なダイヤモンド粒子を含浸させたリン青銅ディスク)を使用して、および/または、典型的には1.06μmの波長で動作するNd:YAGレーザーを使用するレーザー鋸引きシステムによって切断される。典型的に成長したままのストーンを鋸引きして、種子面(すなわち種子の成長表面に平行かつ近接して鋸引きする)を除去する。
従って、さらなる態様では、本明細書で定義される合成単結晶ダイヤモンド材料から切断される、合成された単結晶ダイヤモンド生成物が提供される。
本発明の合成単結晶ダイヤモンド材料は、液晶ディスプレイスクリーン機械加工、貴金属部品(宝石類、「美術品(objets d’art)」等)機械加工、鏡およびビームスプリッターなどの光学部品などの、必要なワークピースの表面仕上げを達成するために、単一の長い切断エッジが必要な機械加工用途の使用に特に適切である。
本発明の合成単結晶ダイヤモンド材料は、さらに単一ポイントの目直し用途およびノミの目直し用途に特に有用である。
この点に関しては、さらなる態様では、本明細書で定義される合成単結晶ダイヤモンド材料を含む切断工具が提供される。
本発明の合成単結晶ダイヤモンド材料は、化学蒸着プロセスによる、ホモエピタキシャルダイヤモンドの合成用の基板として使用されることにさらに好都合である。
本発明を以下の図および実施例を参照して以下に記載するが、いかなる場合にも特許請求の範囲に記載した保護の範囲を制限するものではない。
図1(a)〜図1(f)は、基板上に取り付けられた種子の異なる配置を示す。 図2(a)および図2(b)は、本発明の方法によって製造された八面体および立方体単結晶ダイヤモンド材料の概略図である。 図2(c)は、本発明のプロセスによって製造された研磨面の概略図である。 図3(a)および図3(b)は、本発明の方法によって製造された単結晶ダイヤモンド材料の参照面および種子面のフォトルミネッセンス画像であり、DiamondViewTM機器を使用して得られた。 図4(a)および図4(b)は、それぞれ本発明の方法によって製造された立方体単結晶ダイヤモンド材料の側面および平面図画像である。
上述したように、図1(a)〜図1(f)は基板(3)上の種子(2)の異なる配置を示す。これらの実施例のすべてでは、基板(「種子パッド」)は、2つの平坦な面の1つに種子が配置されている、略円筒形状である。これらの実施例では、種子は碁盤目模様(種子間と種子の列間は適切な間隔である)で、本質的に基板の全表面を覆う。図1(a)では、種子は列になって配列され、所定の列の種子は、隣接した列の種子と位置を合わせて整列する。
図1(b)では、種子は列になって配列され、ある列の種子は隣接した列の種子に対して位置がずれている。
図1(c)では、種子は基板上の中心点から放射状に外側に広がるように配列される。
図1(d)では、種子は基板(3)上に4つの別々のブロック(4)で配列される。1つのブロックでは、種子は列(6)に配列され、ブロック内の所定の列の種子は該ブロック内の隣接した列の種子とは位置を合わせて整列する。所定のブロックのすべての種子は、隣接するブロックの種子に対して90°の方向に位置する。
図1(e)では、種子(2)は基板(3)上に列になって配列される。それぞれの列の種子は、他の2つの列の種子と隣接している。所定の列(8)のすべての種子は隣の列(12)の種子と位置を合わせて整列し、他の列(10)の種子との関係では位置がずれて配列される配置となる。
図1(f)では、種子(2)は円形の基板(3)の周りに円周方向に配列される。
図2(a)では、本発明の方法によって成長したホット(主に八面体)単結晶ダイヤモンド材料の形態を示す。単結晶ダイヤモンドは{110}面、{100}面および{111}面(それぞれ14、16および18)を有する。
図2(b)は、本発明の方法によって成長したコールド(主に立方体)単結晶ダイヤモンド材料の形態を示す。単結晶ダイヤモンドは{110}面、{100}面および{111}面(それぞれ14、16および18)を有する。
図2(c)は、本発明の方法を使用して生成された単結晶ダイヤモンド材料の研磨面の概略図である。合成中は種子と実質的に平行な面(20)は、{110}結晶方位を有する。
図3(a)および図3(b)は、本発明の方法によって製造された単結晶ダイヤモンド材料の参照面および種子面のフォトルミネッセンス画像(DiamondViewTM機器を使用して得られる)であり、存在する異なる成長セクターを参照することができる。中央の鮮やかな青の成長セクター(22)は{110}であり、強く緑色で発光する{111}成長セクター(24)と暗い{100}セクター(26)で囲まれる。
図4(a)は、本発明の実施例1によって製造された立方体単結晶材料の側面図である。
図4(b)は、本発明の実施例2によって製造された立方体単結晶材料の平面図である。
(実施例1)
HPHT合成ダイヤモンドから製造された89個の種子の組が選択された。種子は研磨された上端(成長)表面(スタイラス表面形状測定装置を使用して測定されたRaは100nm未満である)を有し、大きな<110>配向面からNd:YAGレーザーを使用してレーザー切断された。種子は寸法が約0.5mm×0.5mm×0.5mmであるほぼ等軸であるので、アスペスト比は1に近い。種子形状は、成長表面が{110}結晶面から10°以内であり、成長表面のエッジの2つが<110>方向から10°以内である一方、成長表面のエッジの2つが<100>方向から10°以内であった。
種子の間の間隔がおよそ6.4mmであり、列の間の間隔がおよそ6.4mmである正方形配置を使用して、種子を種子パッドに配列した。
種子を搭載した種子パッドを、Ni、FeおよびCo(Ni69重量%、Fe26重量%、Co5重量%)から成る溶媒金属触媒とともにHPHTプレスカプセルの中に組み込んだ。
組み立てられたカプセルをHPHTプレスの中にロードして、合成圧力5.5GPaおよび温度1380℃に徐々に上げて「ホット」形態の目標合成ダイヤモンドを生成した。
89個のストーンを合成運転から回収した。回収したストーンのサイズは3.5×4.0×2.8mmから4.5×5.5×3.5mmの範囲であり、「ホット」形態を有した。
(実施例2)
HPHT合成ダイヤモンドから製造された160個の種子の組が選択された。種子は研磨された上端(成長)表面(スタイラス表面形状測定装置を使用して測定されたRaは100nm未満である)を有し、大きな<110>配向面からNd:YAGレーザーを使用してレーザー切断された。種子は寸法が約0.5mm×0.5mm×0.5mmであるほぼ等軸であるので、アスペスト比は1に近い。種子形状は、成長表面が{110}結晶面から10°以内であり、成長表面のエッジの2つが<110>方向から10°以内である一方、成長表面のエッジの2つが<100>方向から10°以内であった。
隣接する種子の間の間隔がおよそ5.0mmである三角形配置を使用して、種子を種子パッドに配列した。
種子を搭載した種子パッドを、Ni、FeおよびCo(Ni69重量%、Fe26重量%、Co5重量%)から成る溶媒金属触媒と共にHPHTプレスカプセルの中に組み込んだ。
組み立てられたカプセルをHPHTプレスの中にロードして、合成圧力5.5GPaおよび温度1310℃に徐々に上げて「コールド」形態の目標合成ダイヤモンドを生成した。
160個のストーンを合成運転から回収した。回収したストーンのサイズは、2.5×2.9×2.0mmから3.3×3.8×2.6mmの範囲であり、図4(a)および図4(b)に図示する「コールド」形態であった。

Claims (11)

  1. 単結晶ダイヤモンドを合成する方法であって、
    (a)2つの直交する寸法がa*とb*である成長表面を有する単結晶ダイヤモンド種子を選択する工程であって、ここで、a*は前記成長表面の平面内の<100>方向または<110>方向に沿って実質的に配列する、前記成長表面の最長寸法であり、b*は、前記成長表面の平面内にあるa*に直交する方向の、前記成長表面の最長寸法であり、a*/b*で定義される前記成長表面のアスペスト比は少なくとも1であり、前記成長表面は{110}結晶面と実質的に平行である工程と、
    (b)前記種子の成長表面が露出され、前記種子の成長表面が実質的に基板の前記表面と平行になるように、前記基板の表面上または中に前記種子を取り付ける工程と、
    (c)単結晶ダイヤモンドが少なくとも前記種子の成長表面上で生成される条件下で、1280℃から1390℃の温度範囲の高圧高温環境で結晶成長を生じさせる工程と、を含み、
    合成された単結晶ダイヤモンドは、<100>または<110>方向に沿って配列する、少なくとも2mmを超える最長寸法a#を有する方法。
  2. 請求項1に記載の方法であって、
    前記単結晶ダイヤモンド種子の前記成長表面のエッジは、<100>方向または<110>方向のいずれか、若しくは<100>方向と<110>方向の混合方向から約20°以内である方法。
  3. 請求項1または請求項2に記載の方法であって、
    工程(c)では、1280℃から1320℃の温度範囲で結晶成長させる方法。
  4. 請求項1または請求項2に記載の方法であって、
    工程(c)では、1350℃から1390℃の範囲温度で結晶成長させる方法。
  5. 請求項1乃至4のいずれかに記載の方法であって、
    前記単結晶ダイヤモンド種子の前記成長表面の寸法a*が、少なくとも0.25mmである方法。
  6. 請求項1乃至5のいずれかに記載の方法であって、
    前記単結晶ダイヤモンド種子の前記成長表面に対する法線が<110>方向から20°以内にある方法。
  7. 請求項1乃至6のいずれかに記載の方法であって、
    工程(c)では、5GPaから6GPaの圧力範囲で結晶成長させる方法。
  8. 請求項1乃至7のいずれかに記載の方法であって、
    選択された前記ダイヤモンド種子は、前記種子の成長表面の面積の少なくとも約30%が単一成長セクターである方法。
  9. 請求項1乃至8のいずれかに記載の方法であって、
    選択された前記ダイヤモンド種子の表面粗さRaは約100nm未満である方法。
  10. 請求項1乃至9のいずれかに記載の方法であって、
    選択された前記ダイヤモンド種子の歪みレベルは小さく、前記種子の成長表面の少なくとも50%の領域の複屈折は5×10-3未満である方法。
  11. 請求項1乃至10のいずれかに記載の方法であって、
    前記単結晶ダイヤモンド種子の前記成長表面のa*/b*で定義される前記アスペスト比は1.5未満である方法。
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