JP2012513875A - 緩衝系を用いた経眼イオントフォレシスの装置および方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】治療用物質の経眼送達の効率および安全性を向上させると同時に、それを行うあいだ治療用物質のpHを所望の範囲内に維持することのできる緩衝系を備えた装置、および緩衝方法を提供する。
【解決手段】本発明の治療用物質送達装置は、治療用物質を眼球の表面を介しておよび/または眼球の表面内に送達する送達装置であり、治療用物質を貯蔵するイオントフォレシスチャンバと、起電力によってイオントフォレシスチャンバ内に貯蔵された治療用物質の少なくとも一部を眼球の表面を介しておよび/または眼球の表面内に送達する電極と、イオントフォレシスで治療用物質が送達されるあいだ前記眼球の表面付近のpHを約3〜約8の範囲内に維持する緩衝系とを備える。
【選択図】図2A

Description

関連出願
本願は、2008年12月31日付出願の米国仮特許出願第61/141,994号の利益、および2009年5月22日付出願の米国仮特許出願第61/180,602号の利益を主張するものであり、各米国仮特許出願の全教示内容は、参照をもって本願に取り入れたものとする。
本明細書で説明する技術は、概して、イオントフォレシスによる眼球の表面を介した治療用物質の経眼送達のシステムおよび方法に関する。一部の実施形態において、当該技術は、イオントフォレシスが行われるあいだ治療用物質のpHを制限する緩衝系および緩衝方法に関する。
経眼イオントフォレシスは、電気的な力を利用して、荷電分子および/または活性分子を、リザーバ(充填空間)から、ヒト及び動物を含む哺乳類の眼内組織に送り込むものである。正に荷電したイオンは、アノードでの電気反発によって眼内組織に送り込まれることができ、負に荷電したイオンは、カソードからの反発を受ける。イオントフォレシスは、簡便かつ安全に適用できるだけでなく、例えば、ターゲットに対して目標の化合物を送達する能力が、他の方法に比べて優れている。また、有害な副作用も少ないことから、イオントフォレシスは、ラボや臨床研究においても、さらには、商用としても、広範囲にわたって利用されている。イオントフォレシスは、眼注射(硝子体内注射、眼球後注射、眼周囲注射など)とは異なり、目標の化合物を前眼部および/または後眼部に送達できる非侵襲的技術である。イオントフォレシスによる送達では、点眼、軟膏、ゲル塗布などの従来の療法と同等またはそれ以上の眼内濃度および滞留時間を達成することができる。
イオントフォレシスは、経皮用途で広く利用されており、電流によって治療用化合物を対象者の皮膚を横断して送達するものである。皮膚は比較的高いインピーダンスを有するので、一般に電流は比較的小さくなる。そのため、投与(投薬)時間は比較的長くなる傾向にあり、例えば、1時間を超える場合もある。また、経皮用途のイオントフォレシスは、活性薬剤を含ませたパッチを対象者の皮膚に貼着した状態で適用してもよい。
典型的な経眼イオントフォレシス装置は、2つの電極(それぞれ、「能動」電極、「受動」電極と称される)に接続した直流(DC)電界源で構成される。能動電極では、エネルギーが供給された際に生成する起電力が、少なくとも1つの治療用組成物を含有する電解液に作用することにより、当該少なくとも1種の治療用物質を眼球の表面を介して送達する。一方、受動電極は、対象者の体内に電気の閉回路を形成する帰還回路の役割を果たす。これらの電極に対し、組織内を流れるような電流が印加されると、能動電極により、目標の化合物が組織を介して送達される。化合物の送達は、電界の直接的な作用(例えば、電気泳動など)、アノードからカソードへの溶液バルク部分の流れに起因する、電界の間接的な作用(例えば、電気浸透など)、電気的に誘導された孔形成もしくは経路形成(例えば、電気穿孔など)、またはこれらの作用の任意の組合せによって達成される。現在知られているイオントフォレシス装置や薬剤経眼送達方法の例は、特許文献1;特許文献2;特許文献3;特許文献4;特許文献5;特許文献6;特許文献7;特許文献8などに見受けられる。これら各特許文献の教示内容は、参照をもって本願に取り入れたものとする。
しかしながら、経眼イオントフォレシスには、固有の課題が幾つか存在する。例えば、アプリケータの形状は眼球の球形状に合致するものでなければならない。すなわち、アプリケータにおいて眼の表面に接する部分は、治療用物質の損失が抑えられるように、かつ、不快感が軽減されるように特別に形成される必要がある。さらに、眼の電気インピーダンスは皮膚の表皮の電気インピーダンスに比べて比較的小さいので、皮膚の表皮にとっては低い電流密度であっても、目に対しては高い電流密度になる。そのため、投与時間が比較的短くなる傾向にあり、時には、1時間に満たない場合もある。
米国特許第7164943号明細書 米国特許第6697668号明細書 米国特許第6319240号明細書 米国特許第6539251号明細書 米国特許第6579276号明細書 米国特許第6697668号明細書 国際公開第03/030989号パンフレット 国際公開第03/043689号パンフレット
イオントフォレシスによる治療用物質の送達は、pHの望ましくない変化を引き起こす場合があり、対象者に不快感を与えたり、場合によっては、組織を損傷することがある。したがって、イオントフォレシスを行なう間、治療用調製物のpHを生理学的に許容可能な範囲内に制限しながら、最適な送達ができるよう、その治療用物質を最大のイオン化状態に維持することが求められる。また、経眼イオントフォレシスの利用を制約しかねない損傷のリスク(例えば、組織への刺激、火傷など)を抑えながら、治療用物質の送達効率を向上させることが求められる。本発明の技術は、イオントフォレシスの送達効率および安全性を向上させると同時に、それを行うあいだ治療用物質のpHを制限することのできる緩衝系および緩衝方法に関する。
一実施形態として、治療用物質を眼球の表面を介しておよび/または眼球の表面内に(すなわち、表面内を通り抜けて内部に)送達する送達装置が挙げられる。この送達装置は、前記治療用物質を貯蔵する少なくとも1つのイオントフォレシスチャンバを備える。この送達装置は、さらに、前記少なくとも1つのイオントフォレシスチャンバに対して配置された電極を備える。当該電極は、エネルギーが供給された際に生成する起電力によって前記イオントフォレシスチャンバ内に貯蔵された前記治療用物質の少なくとも一部を前記眼球の表面を介して送達する。前記送達装置は、さらに、少なくとも一部が前記少なくとも1つのイオントフォレシスチャンバ内に配された緩衝系を備える。当該緩衝系は、前記治療用物質のpHを制限し、イオントフォレシスによって前記治療用物質が送達されるあいだ前記眼球の表面付近のpHを約3〜約8の範囲内に維持する。
一実施形態において、前記緩衝系は、眼組織の損傷のリスクを軽減する緩衝剤を含む。前記緩衝剤は、イオン交換樹脂、ポリマー粒子、不溶性の緩衝作用を有する粒子、カチオン性粒子、アニオン性粒子、および両性イオン性粒子のうちの少なくとも1つであってもよい。前記イオン交換樹脂は、強酸、強塩基、弱酸、および弱塩基のうちの少なくとも1つの特性を有する少なくとも1種のイオン交換材料であってもよい。一実施形態において、前記緩衝系は、さらに、治療用物質を含む。
一実施形態において、前記pHは、前記治療用物質の最も高いイオン化レベル(ionization level)と実質的に同じ水準に維持されてもよく、これにより、当該治療用物質の送達効率が向上する。他の実施形態において、前記緩衝系は、前記電極からの電界を伝搬させることが可能な導電性を有する。
一実施形態において、前記緩衝系は、多孔質物質、溶液、ゲル、樹脂充填床、ヒドロゲルフィルム、および膜体のうちの少なくとも1つであってもよい。前記多孔質物質は、発泡体、布帛、不織体、および焼結体のうちの少なくとも1つであってもよい。前記ゲルは、ヒドロゲルのマトリックス、およびエアロゲルのマトリックスのうちの少なくとも1つであってもよい。前記膜体は、単層の膜、多層の膜、疎水性の膜(半透膜)、および不透膜/中実膜(孔無しの膜)のうちの少なくとも1つであってもよい。
一実施形態において、前記イオントフォレシスチャンバは、少なくとも1つの第一の層、および少なくとも1つの第二の層を有していてもよく、前記第一の層は前記緩衝系を含み、前記第二の層は治療用物質を含んでいてもよい。前記第一の層は、前記電極と前記第二の層との間に設けられていてもよい。他の実施形態において、前記イオントフォレシスチャンバは、さらに、前記第一の層と前記第二の層との間に設けられた膜体を有していてもよい。前記膜体は、各層の含水量を維持することができる程度に低い透湿度を有するものであってもよい。さらなる他の実施形態において、前記層は互いに同心であってもよい。前記膜体は、前記第一の層と前記第二の層との間に設けられていてもよい。他の実施形態において、前記第一の層の緩衝能力は前記第二の層よりも高くてもよい。
一実施形態において、前記イオントフォレシスチャンバは、第一の層、第二の層、および第三の層を有していてもよく、前記第一の層および第二の層は前記緩衝系を含んでいてもよく、前記第三の層は治療用物質を含んでいてもよい。前記第一の層は前記電極に最も近い側であってもよく、前記第二の層は前記第一の層と前記第三の層との間に設けられてもよい。他の実施形態において、前記イオントフォレシスチャンバは、前記第一の層と前記第二の層との間に設けられた膜体を有していてもよく、前記第二の層と前記第三の層との間に設けられた膜体を有していてもよい。前記膜体は、各層の含水量を維持することができる程度に低い透湿度を有するものであってもよい。さらなる他の実施形態において、前記層は互いに同心状に設けられていてもよい。前記膜体は、前記第一の層と前記第二の層との間に設けられていても、前記第二の層と前記第三の層との間に設けられていてもよい。他の実施形態において、前記第三の層は、前記治療用物質を含んでいてもよく、また、前記イオントフォレシスチャンバに着脱可能に連結されてよい。さらに、前記第一の層の緩衝能力は前記第二の層よりも高くてもよいし、および/または前記第二の層は前記第三の層の前記治療用物質の電気的送達を最適化するイオン性組成物を含んでいてもよい。
他の実施形態において、前記緩衝系は、緩衝作用を有する表面コーティング(被覆物)として設けられてもよい。前記緩衝系は、再水和剤(rehydrating agent)を含んでいてもよい。前記緩衝系は、前記電極の近傍に配されていてもよい。
他の実施形態として、治療用物質を眼球の表面を介して送達する方法が挙げられる。この送達方法は、送達装置を眼球の表面に直接位置決めすることを含む。送達装置は、少なくとも1種の治療用物質を貯蔵する少なくとも1つのイオントフォレシスチャンバを備える。イオントフォレシスチャンバに対して配置された能動電極に電圧が印加されることにより、前記少なくとも1種の治療用物質の一部が、近接した前記眼球の表面を介して、イオントフォレシスによって送達される。緩衝系は、治療用物質のpHを制限し、イオントフォレシスによって前記治療用物質が送達されるあいだ前記眼球の表面付近のpHを約3〜約8の範囲内に維持する。
他の実施形態として、所定量の治療用物質を眼球の表面を介しておよび/または眼球の表面内に送達する送達装置が挙げられる。この送達装置は、眼球の表面に位置決めされる開口端部を有するイオントフォレシスチャンバを備える。イオントフォレシスチャンバ内には、治療用物質を保持するリザーバ媒体(充填媒体)が配されている。送達装置は、さらに、前記イオントフォレシスチャンバに対して配置される、エネルギーが供給された際に生成する起電力によって前記所定量の治療用物質を前記眼球の表面を介して送達する電極を備える。前記イオントフォレシスチャンバ内には、さらに、イオントフォレシスによって前記所定量の治療用物質が送達されるあいだpHの変化を約3〜約8の範囲内に制限する少なくとも1種の緩衝要素を含む緩衝系が配されている。
他の実施形態として、経眼イオントフォレシス装置を製造する方法が挙げられる。この製造方法は、眼球の表面に位置決めされる開口端部を有するイオントフォレシスチャンバを用意する工程を含んでいる。イオントフォレシスチャンバ内には、リザーバ媒体(充填媒体)が配される。リザーバ媒体は、眼球に対して送達可能な治療用物質を含む。イオントフォレシスチャンバの前記開口端部とは反対の側に、電極が配置される。電極は、エネルギーが供給された際に生成する起電力によって前記所定量の治療用物質を前記眼球の表面を介して送達できるように、前記イオントフォレシスチャンバに対して配される。緩衝系は、イオントフォレシスチャンバ内に配される。緩衝系が、治療用物質のpHを制限し、イオントフォレシスによって当該治療用物質が送達される間、前記眼球の表面付近のpHが約3〜約8の範囲内に維持される。
さらなる他の実施形態として、所定量の治療用物質を眼球の表面を介しておよび/または眼球の表面内に送達する方法が挙げられる。この送達方法は、治療用物質を含むイオントフォレシスチャンバの開口端部を眼球の表面に位置決めすることを含む。イオントフォレシスチャンバに電圧を印加することにより、前記眼球の表面を介して、前記所定量の治療用物質を送達することができる。前記所定量の治療用物質が送達される長い時間にわたって、当該治療用物質のpHの変化を約3〜約8の範囲内に制限する。pHの変化の制限は、緩衝系を用いることで達成される。
単層リザーバを備えた、緩衝系を用いる経眼イオントフォレシス装置を示す縦断面図である。 図1Aの経眼イオントフォレシス装置をその遠位端部からみた図である。 二層リザーバを備えた、緩衝系を用いる経眼イオントフォレシス装置を示す縦断面図である。 図2Aの経眼イオントフォレシス装置をその遠位端部からみた図である。 三層リザーバを備えた、緩衝系を用いる経眼イオントフォレシス装置を示す縦断面図である。 図3Aの経眼イオントフォレシス装置をその遠位端部からみた図である。 二層リザーバおよび膜体を備えた、緩衝系を用いる経眼イオントフォレシス装置を示す縦断面図である。 図4Aの経眼イオントフォレシス装置をその遠位端部からみた図である。 三層リザーバおよび膜体を備えた、緩衝系を用いる経眼イオントフォレシス装置を示す縦断面図である。 図5Aの経眼イオントフォレシス装置をその遠位端部からみた図である。 同心状二層リザーバを備えた、緩衝系を用いる経眼イオントフォレシス装置を示す縦断面図である。 図6Aの経眼イオントフォレシス装置をその遠位端部からみた図である。 同心状二層リザーバおよび膜体を備えた、緩衝系を用いる経眼イオントフォレシス装置を示す縦断面図である。 薬剤が充填されたリング状部(環状部)を含む三層リザーバを備えた、緩衝系を用いる経眼イオントフォレシス装置を示す縦断面図である。
前述した本発明の目的、特徴および利点、さらに、それ以外の目的、特徴および利点は、添付の図面に示された本発明の好ましい実施形態についての以下の詳細な説明から明らかになる。
図面において、同一または同様の符号は、互いに類似した構成要素または行為を示す。図中の装置の構成要素の形状、寸法、および構成要素間の相対位置は、必ずしも厳密に縮尺どおりではない。例えば、構成要素の形状および寸法が縮尺どおりでなかったり、および/または図面を読み易くするために少なくとも1つの構成要素が適宜拡大されていたり適宜位置決めされていたりし得る。また、図示の構成要素の形状は、その構成要素の実際の形状についての情報を提供するものではなく、単に、図中で識別し易いように選択された形状に過ぎない。
「治療用物質」および「活性医薬成分(API)」という用語は、明細書をとおして同義的に使用され、定義としては、眼の疾患の診断、治癒、緩和、治療、または予防に使用される物質を指す。このような物質は、薬物の一成分として使用されたり、さらに、本発明の一部の実施形態では、イオントフォレシス装置の一構成品、一部、または一付属物として使用される。
「治療用調製物」、「治療用組成物」および「薬剤調製物」という用語は、明細書をとおして同義的に使用され、定義としては、種々の薬学的に許容可能な活性要素および不活性要素または活性成分および不活性成分の混合物または組合せを指す。
本明細書において、イオントフォレシスによって治療用物質を眼球の表面を介して経眼送達するための組成物、装置、組成物または装置の使用方法、および組成物または装置の製造方法の各種実施形態は、イオントフォレシス処置のあいだ治療用物質を生物学的に許容可能なpH範囲に緩衝するという少なくとも1つの目的(例えば、第1の目的)を達成するものである。これら各種実施形態のうちの少なくとも一部は、治療用物質のイオン化レベルが最大となるpHを維持することによって当該治療用物質の電気的送達を最大限にまで引き出すことを、さらなる目的としている。治療用物質のpHを維持することによる利点として、他にも、送達量が一定/予測可能である点が挙げられる。前記各種実施形態のうちの少なくとも一部は、その他にも、競合イオンの量を減少させることによって眼への少なくとも1種の治療用物質の送達量を増加させること、また、イオントフォレシス処置中および保管時の当該少なくとも1種の治療用物質の安定性を維持することを、さらなる目的としている。
図1A〜図1Bに、単層リザーバを備えた、緩衝系を用いる経眼イオントフォレシス装置100の例を示す。この経眼イオントフォレシス装置100は、イオントフォレシス処置時に処置される眼球の表面における治療用物質を、生物学的に許容可能なpH範囲に緩衝する。経眼イオントフォレシス装置100は、遠位端部(眼から遠い側の端部)110および近位端部(眼に近付けられる側の端部)120を有する。遠位端部110は、治療用物質を収容する収容空間112を形成している。近位端部120は、治療用物質を眼球の表面の眼領域に送達するための環状のリザーバ(充填空間)122(イオントフォレシスチャンバ)を形成している。この眼領域とは、典型的には、眼球の強膜の一部である。遠位端部110と近位端部120との間には、能動電極130が設けられている。典型的には、能動電極130は、環状のリザーバ122の開始部(端部付近)に位置している。一実施形態において、環状のリザーバ122内には、緩衝剤および/または治療用物質を含む緩衝系160が配される。一実施形態において、治療用物質は、活性医薬成分(API)である。
緩衝系160をイオントフォレシスチャンバ122に配することにより、イオントフォレシス装置は自己緩衝能を獲得する。自己緩衝作用を有するイオントフォレシス装置は、緩衝作用を有さない系でのpHの劇的な変化によって生じるような、眼組織の損傷のリスクを軽減することができる。
緩衝系160は、投薬量(用量)を送達するあいだ処置面170の近傍のpHを生物学的に許容可能な範囲内に維持する緩衝作用を提供する。処置面170とは、環状のリザーバにおいて眼球の表面に直接接触するかまたは近接する部分のことを指す。経眼送達を行うにあたって生物学的に許容可能なpHの範囲は、個人ごとに異なるが、一般的には、約3〜約8の範囲内である。好ましい一実施形態において、生物学的に許容可能なpHの範囲は、送達が続く間約3〜約7の範囲内に維持される。さらに好ましくは、pHは、治療用物質の最も高いイオン化レベルと同じ水準に維持され、これにより、当該治療用物質の送達効率が向上する。
ある実施形態において、緩衝系160は、能動電極130からの電界を伝搬させることが可能な導電性の媒体であり、これにより、治療用物質を送達することができる。他の実施形態において、緩衝系160は、導電性の媒体に設けられてもよい。緩衝系160のさらなる例示的な実施形態である、多孔質物質、緩衝作用を有するゲル(リキッドゲルまたはソリッドゲル)、樹脂充填床(イオン交換樹脂)、ヒドロゲルフィルム、膜体、またはこれらの構成要素の任意の組合せについては、後述のとおりである。
一実施形態では、前述したように、環状のリザーバ、すなわち、イオントフォレシスチャンバ122が緩衝系160を含む。緩衝系160は、少なくとも1種の緩衝剤(緩衝作用を有する組成物:緩衝性組成物)と活性医薬成分(API)などの治療用物質とを有する緩衝媒体を含む。ある実施形態において、緩衝媒体は、調製物(例えば、API,不活性成分、緩衝作用を有する物質など)を含有(担持)するための少なくとも1種の多孔質物質を有する。API調製物は、溶液の形態の調製物であってもよい。この溶液の形態の調製物は、少なくとも1種の治療用物質と、緩衝性組成物とを含むものであってもよい。そのうちの治療用物質の少なくとも1種は、溶液の形態の調製物に溶解していてもよい。同様に、緩衝性組成物は、緩衝作用を有する可溶性の組成物を含むものであってもよい。多孔質物質は、溶液の形態の調製物によって飽和されていてもよい。このような実施形態では、イオントフォレシスチャンバ122は、それぞれ同じ多孔質物質内に含有(担持)された緩衝媒体とAPIとを含んでいてもよい。この多孔質物質は、例えば、発泡体などであり、緩衝作用を有する物質と少なくとも1種の治療用物質との溶液の形態の調製物を含んでいてもよい。
ある実施形態において、API媒体は、それ自体で、装置100と眼との接触点付近のpHを好ましい範囲(本明細書に開示されている任意のpH範囲)内に維持するのに十分な緩衝作用を有する。緩衝剤としてのAPIの能力は、その酸−塩基解離定数(pKa、pKaなど)に由来する。ある薬剤のpKa分布は、医薬物質に一般的に見られる官能基が、その薬剤にどれほど存在しているか、それらの官能基がどのような性質を有するか、及びそれらの官能基の典型的なpKa数値の範囲によって影響される。例えば、三塩基酸の形態のリン酸デキサメタゾンは、1.9および6.4の2つのpKa数値を示す。したがって、この化合物を投与濃度:40mg/mLの水溶液にしたもの(pH5.7)は、カソードからのイオントフォレシスに使用した場合、そこで生じるpH変動に対して強い耐性を示す。
図2A〜図2Bに、緩衝系を用いる二層型の経眼イオントフォレシス装置200を示す。この経眼イオントフォレシス装置200は、イオントフォレシス処置時に処置される眼球の表面における治療用物質を、生物学的に許容可能なpH範囲に緩衝する。一実施形態において、少なくとも2つの層210,220が、環状のリザーバ、すなわち、イオントフォレシスチャンバ222に設けられており、これら2つの層のうちの少なくとも一方は、緩衝系160を有する。緩衝系160は、緩衝媒体を含み、この緩衝媒体は、第一の層210の第一の多孔質物質であってもよい。第二の層220は、API媒体を含んでいてもよく、このAPI媒体は、治療用物質を含有(担持)するための第二の多孔質物質であってもよい。ある実施形態において、緩衝媒体は第二の層220に設けられてもよく、API媒体は第一の層210に設けられてもよい。
ある実施形態において、第一の層210の第一の多孔質物質は、第二の層220の第二の多孔質物質と能動電極130との間に配置されてもよい。前述したように、第一の層210の第一の多孔質物質は、緩衝性組成物を含む調製物(例えば、溶液の形態の調製物および/またはコロイド液の形態の調製物)、または緩衝性組成物と少なくとも1種の治療用物質とを含む調製物(例えば、溶液の形態の調製物および/またはコロイド液の形態の調製物)によって飽和されていてもよい。第二の層220の第二の多孔質物質は、少なくとも1種の治療用物質を含む調製物(例えば、溶液の形態の調製物および/またはコロイド液の形態の調製物)によって飽和されていてもよい。ある実施形態において、イオントフォレシスチャンバ222は、(i)少なくとも1種の緩衝要素を含有(担持)する第一の多孔質物質(例えば、連続気泡発泡体)(任意で、治療用物質を含んでいてもよい)で構成される緩衝媒体と、(ii)第二の多孔質物質(例えば、連続気泡発泡体など)で構成され、少なくとも1種の治療用物質を含むAPI媒体と、を含む。
ある実施形態において、調製物は、経眼送達のための薬学的に許容可能な不活性成分を含んでいてもよい。ある実施形態において、第一の多孔質物質および第二の多孔質物質のうちの少なくとも一方は、緩衝作用を有する可溶性の組成物を含む。他の実施形態において、第一の多孔質物質および第二の多孔質物質は、互いに同様の組成物または異なる組成物で構成されている。例えば、第一の多孔質物質および第二の多孔質物質は、互いに異なる多孔質物質で構成され、および/または互いに異なる調製物(組成および/または濃度が異なる)によって飽和されている。互いに異なる調製物とは、互いに異なる要素を含むものであってもよいし、あるいは、同一の要素を互いに異なる濃度で含むものであってもよい。
図3A〜図3Bに、緩衝系を用いる三層型の経眼イオントフォレシス装置300を示す。この経眼イオントフォレシス装置300は、イオントフォレシス処置時に処置される眼球の表面における治療用物質を、生物学的に許容可能なpH範囲に緩衝する。一実施形態において、少なくとも3つの層310,320,330は、環状のリザーバ、すなわち、イオントフォレシスチャンバ322に設けられており、これら3つの層のうちの少なくとも1つは第一の緩衝系160を有し、これら3つの層のうちの他の層は第二の緩衝系160’を有する。第一の緩衝系160は、緩衝媒体を含み、この緩衝媒体は、第一の層310の第一の多孔質物質であってもよい。第二の緩衝系160’は、緩衝媒体を含み、この緩衝媒体は、第二の層320の第二の多孔質物質を含んでいてもよい。第三の層330は、API媒体を含んでいてもよく、このAPI媒体は、治療用物質を含有(担持)するための第三の多孔質物質であってもよい。ある実施形態において、緩衝媒体およびAPI媒体は、どのような形態および/または形状で配されてもよい。
図3A〜図3Bに示されているように、一実施形態において、第一の層310の第一の多孔質物質は能動電極130に最も近い側に配置されてもよいし、第三の層330の第三の多孔質物質は装置300の使用時に眼球(図示せず)の表面に最も近い側に配置されてもよいし、第二の層320の第二の多孔質物質は第一の多孔質物質と第三の多孔質物質との間に配置されてもよい。
ある実施形態において、第一の多孔質物質および第二の多孔質物質は、それぞれ、少なくとも1種の緩衝要素を含む緩衝性組成物を含んでいてもよい。例えば、前述したように、第一の多孔質物質(すなわち、能動電極130に最も近い側の多孔質物質)および第二の多孔質物質には、それぞれ、図1A〜図2Bを参照しながら説明したような、緩衝性組成物が充填されていてもよい。ある実施形態において、緩衝系160,160’は、(i)第一の多孔質物質(例えば、発泡体など)および第二の多孔質物質を含む緩衝媒体と、(ii)第三の多孔質物質(例えば、発泡体など)を含むリザーバ媒体と、を含み、前記第一の多孔質物質および前記第二の多孔質物質は、少なくとも1種の緩衝要素をそれぞれ有し(任意で、さらに、少なくとも1種の治療用物質を有し)、前記第三の多孔質物質は、少なくとも1種の治療用物質を含む溶液の形態の調製物を含有(担持)する。
ある実施形態において、第一の多孔質物質および第二の多孔質物質は、異なる緩衝性組成物であってもよく、および/または緩衝作用を有する物質の濃度が異なっていてもよい。第一の多孔質物質および第二の多孔質物質は、互いに異なる多孔質物質で構成されていてもよい。さらなる実施形態において、第三の多孔質物質は、第一の多孔質物質の緩衝性組成物および第二の多孔質物質の緩衝性組成物よりも弱い緩衝性組成物を含んでいてもよい。ある実施形態において、第一の多孔質物質、第二の多孔質物質、および第三の多孔質物質は、互いに類似した組成物および/または互いに異なる組成物で構成されてもよい。なお、緩衝系に含まれる多孔質物質の数は幾つでもよい。
ある実施形態において、第一の多孔質物質は緩衝性組成物を含んでいてもよく、第二の多孔質物質は、第三の多孔質物質に含まれる治療用物質の電気的送達を最適化するイオン性組成物を含有(担持)していてもよい。
図4A〜図4Bに、膜体を備えた、緩衝系を用いる二層型の経眼イオントフォレシス装置400を示す。この経眼イオントフォレシス装置400は、イオントフォレシス処置時に処置される眼球の表面における治療用物質を、生物学的に許容可能なpH範囲に緩衝する。膜体は、各層の含水量を維持することができる程度に低い透湿度を示すものであってもよい。一実施形態において、少なくとも2つの層410,420は、環状のリザーバ、すなわち、イオントフォレシスチャンバ422に設けられており、これら2つの層のうちの少なくとも一方は、緩衝系160を有する。緩衝系160は、緩衝媒体を含み、この緩衝媒体は、第一の層410の第一の多孔質物質であってもよい。第二の層420は、API媒体を含んでいてもよく、このAPI媒体は、治療用物質を含有(担持)するための第二の多孔質物質であってもよい。緩衝作用を有する膜体(例えば、イオン交換膜など)430が、系をより安定させるために、第一の層410と第二の層420との間に配置されてもよい。ある実施形態において、緩衝媒体は第二の層420に配されてもよく、API媒体は第一の層410に配されてもよい。一方、緩衝作用を有する膜体430は、どの層の前後に配置されてもよい。
第一の多孔質物質および第二の多孔質物質のうちの少なくとも一方は、本明細書に開示されているような治療用物質を含む調製物によって飽和されていてもよい。たとえば、調製物は、液状の調製物であってもよい。このような液状の調製物は、少なくとも1種の治療用物質を含んでいてもよい。これらのうちの治療用物質の少なくとも1種は、液状の調製物に溶解していてもよい。第一の多孔質物質および第二の多孔質物質のうちの少なくとも一方は、液状の調製物によって飽和されていてもよい。ある実施形態において、液状の調製物は、経眼送達のための薬学的に許容可能な不活性成分を含んでいてもよい。第一の多孔質物質および/または第二の多孔質物質は、本明細書で説明するように、緩衝作用を有するものであってもよい。他の実施形態において、第一の多孔質物質および/または第二の多孔質物質は、緩衝作用を有さないものでもよい。ある実施形態において、液状の調製物は、大量の水を含むものであってもよい。この場合、緩衝作用を有する膜体430の性質は、第一の層410の含水量を安定に保持する、単層の膜、多層の膜、または疎水性の膜(半透膜)であってもよい。
ある実施形態において、単層のイオン交換膜もしくは膜体、または多層のイオン交換膜または膜体が、能動電極130に直接接するようにまたは能動電極130の実質上近傍に位置するようにイオントフォレシスチャンバ422に配置されてもよい。さらなる実施形態において、膜体は、ロール状であってもよいし、イオントフォレシスチャンバ422の環状空間内に一体品としてまたは複数の小片として設けられてもよい。ある実施形態において、イオントフォレシスチャンバ422は、膜体の複数の小片によって充填されていてもよい。さらなる実施形態において、膜体は、多孔質物質のマトリックスに沿って積層されたものであってもよい。
図5A〜図5Bに、膜体を備えた、緩衝系を用いる三層型の経眼イオントフォレシス装置500を示す。この経眼イオントフォレシス装置500は、イオントフォレシス処置時に処置される眼球の表面における治療用物質を、生物学的に許容可能なpH範囲に緩衝する。一実施形態において、少なくとも3つの層510,520,530は、環状のリザーバ、すなわち、イオントフォレシスチャンバ522に設けられており、これら3つの層のうちの少なくとも1つは第一の緩衝系160を有し、これら3つの層のうちの他の層は第二の緩衝系160’を有する。第一の緩衝系160は、緩衝媒体を含み、この緩衝媒体は、第一の層510の第一の多孔質物質であってもよい。第二の緩衝系160’は、緩衝媒体を含み、この緩衝媒体は、第二の層520の第二の多孔質物質を含んでいてもよい。第三の層530は、API媒体を含んでいてもよく、このAPI媒体は、治療用物質を含有(担持)するための第三の多孔質物質であってもよい。ある実施形態において、緩衝媒体およびAPI媒体は、どのような形態および/または形状で配されてもよい。緩衝作用を有する膜体(例えば、イオン交換膜など)540が、系をより安定させるために、第二の層520と第三の層530との間に配置されてもよい。緩衝作用を有するさらなる膜体(図示せず)が、第一の層510と第二の層520との間に配置されてもよい。ある実施形態において、緩衝媒体は第一の層510に配されてもよく、API媒体は第二の層520に配されてもよい。一方、緩衝作用を有する膜体540は、どの層の前後に配置されてもよい。ある実施形態において、第一の層510は緩衝性組成物を含んでいてもよく、第二の層520は、第三の多孔質物質に含まれる治療用物質の電気的送達を最適化するイオン性組成物を含有(担持)していてもよい。
図6A〜図6Bに、緩衝系を用いる同心状二層型の経眼イオントフォレシス装置600を示す。この経眼イオントフォレシス装置600は、イオントフォレシス処置時に処置される眼球の表面における治療用物質を、生物学的に許容可能なpH範囲に緩衝する。一実施形態において、少なくとも2つの層610,620は、環状のリザーバ、すなわち、イオントフォレシスチャンバ622内に、互いに同心状のリング(環状部)として設けられており、これらの2つの層のうちの少なくとも一方は、緩衝系160を含む。緩衝系160は、緩衝媒体を含み、この緩衝媒体は、第一の層610の第一の多孔質物質であってもよい。第二の層620は、API媒体を含んでいてもよく、このAPI媒体は、治療用物質を含有(担持)するための第二の多孔質物質であってもよい。ある実施形態において、緩衝媒体は第二の層620に配されてもよく、API媒体は第一の層610に配されてもよい。ある実施形態において、環状のリザーバ、すなわち、イオントフォレシスチャンバ622に設けられる同心状のリング(環状部)の形態の複数の層は、どのような形態の媒体(例えば、緩衝作用を有する媒体および/またはAPI媒体)を含んでいてもよい。
ある実施形態において、第一の多孔質物質は、緩衝性組成物および治療用物質を含む調製物(例えば、溶液の形態の調製物および/またはコロイド液の形態の調製物)によって飽和されていてもよい。ある実施形態において、緩衝系160は、(i)少なくとも1種の緩衝要素を有すると共に任意で少なくとも1種の治療用物質を有する第一の多孔質物質(例えば、発泡体など)で構成される緩衝媒体と、(ii)少なくとも1種の治療用物質を含む溶液またはコロイド液の形態の調製物を含有(担持)する第二の多孔質物質(例えば、発泡体など)で構成される治療用物質のリザーバ媒体と、を含み、かつ、前記緩衝媒体は、API媒体内に同心状に配置される。
ある実施形態において、少なくとも1種の治療用調製物および少なくとも1種の緩衝作用を有する調製物は、経眼送達のための薬学的に許容可能な不活性成分を含んでいてもよい。ある実施形態において、第一の多孔質物質および第二の多孔質物質のうちの少なくとも一方が、緩衝作用を有する可溶性の組成物を含んでいてもよい。様々な実施形態において、第一の多孔質物質および第二の多孔質物質は、互いに類似した組成物または互いに異なる組成物で構成されてもよい。さらなる実施形態において、第二の多孔質物質は、緩衝作用の弱い組成物を含んでいてもよく、例えば、第一の多孔質物質の緩衝性組成物よりも緩衝作用の弱い組成物を含んでいてもよい。
様々な実施形態において、緩衝媒体およびAPI媒体(それぞれ、様々な多孔質物質を有する)を含む層610,620は、適宜な配置構成であってもよいし、適宜な形状をしていてもよいし、それ以外の適宜な構成を有していてもよく、例えば、互いに相補的な半円状の緩衝媒体および半円状のAPI媒体の構成や、API媒体の層と緩衝媒体の層とが交互に連続する構成であってもよいが、必ずしもこれらに限定されない。
図7に、緩衝系を用いる同心状二層型の経眼イオントフォレシス装置700を示す。この経眼イオントフォレシス装置700は、イオントフォレシス処置時に処置される眼球の表面における治療用物質を、生物学的に許容可能なpH範囲に緩衝する。一実施形態において、少なくとも2つの層710,720は、環状のリザーバ、すなわち、イオントフォレシスチャンバ722内に、互いに同心状のリング(環状部)として設けられており、これらの2つの層のうちの少なくとも一方は、緩衝系160を含む。緩衝系160は、緩衝媒体を含み、この緩衝媒体は、第一の層710の第一の多孔質物質であってもよい。第二の層720は、API媒体を含んでいてもよく、このAPI媒体は、治療用物質を含有(担持)するための第二の多孔質物質であってもよい。第一の層710と第二の層720との間には、系をより安定させるために、膜体730が配置されてもよい。ある実施形態において、膜体730は、緩衝作用を有する膜体(例えば、イオン交換膜など)である。他の実施形態において、膜体730は、中実な仕切り体(孔無しの仕切り体)であってもよい。ある実施形態において、緩衝媒体は第二の層720に配されてもよく、API媒体は第一の層710に配されてもよい。一方、緩衝作用を有する膜体730は、どの層の前後に配置されてもよい。ある実施形態において、環状のリザーバ、すなわち、イオントフォレシスチャンバ622に設けられる同心状のリング(環状部)の形態の複数の層は、どのような形態の媒体(例えば、緩衝作用を有する物質および/またはAPI媒体)を含んでいてもよく、また、緩衝作用を有する任意の形態の膜体を含んでいてもよい。
図8に、緩衝系を用いる三層型の経眼イオントフォレシス装置800を示す。この経眼イオントフォレシス装置800は、イオントフォレシス処置時に処置される眼球の表面における治療用物質を、生物学的に許容可能なpH範囲に緩衝する。一実施形態において、少なくとも3つの層810,820,830は、環状のリザーバ、すなわち、イオントフォレシスチャンバ822に設けられており、これら3つの層のうちの少なくとも1つは第一の緩衝系160を有し、任意で、他の層が第二の緩衝系160’を有する。第一の緩衝系160は、緩衝媒体を含み、この緩衝媒体は、第一の層810の第一の多孔質物質であってもよい。第二の緩衝系160’は、緩衝媒体を含み、この緩衝媒体は、第二の層820の第二の多孔質物質を含んでいてもよい。第三の層830は、API媒体を含んでいてもよく、このAPI媒体は、治療用物質を含有(担持)するための第三の多孔質物質であってもよい。
ある実施形態において、API媒体を含む第三の層830は、イオントフォレシス装置800とは別体で供給される。この場合、エンドユーザは、使用直前に、第三の層830をイオントフォレシス装置800と組み合わせる。
ある実施形態において、イオントフォレシスチャンバ122〜822は、再水和剤を含んでいてもよく、この再水和剤は、膜/膜体の均一な水和を促すために、緩衝媒体および/またはAPI媒体のうちの少なくとも1つに添加されてもよい。
なお、これまでに説明した実施形態(図1A〜図8)における少なくとも1つの緩衝媒体は、そのうちの単数(単体)または複数(複数体)が、多孔質物質(溶液またはコロイドの分散を含んでいてもよいし、含んでいなくてもよい)、および/またはゲル(例えば、リキッドゲル、ソリッドゲルなど)、および/または緩衝作用を有する樹脂(例えば、樹脂充填床など)であってもよい。
ゲルは、少なくとも1種の緩衝要素を含んでいてもよい。ある実施形態において、緩衝媒体は、緩衝性組成物と共に、少なくとも1種の治療用物質を含む。その治療用物質の少なくとも1種は、ゲル内に溶解していてもよい。ある実施形態において、緩衝系は、少なくとも1種の治療用物質および緩衝作用を有する物質を含むゲルで構成された、治療用物質のリザーバ媒体を含む。ある実施形態において、ゲルは、経眼送達を行うための薬学的に許容可能な不活性成分を含んでいてもよい。
ある実施形態において、緩衝系は、緩衝作用を有する可溶性の組成物を含むゲルを有する緩衝媒体を含んでいてもよい。他の実施形態において、例えば、治療用物質が「自己緩衝」能力を有する薬剤である場合、ゲルは、緩衝性組成物を当該治療用物質とは別に用意しなくてもよい。
他の実施形態において、その治療用物質の少なくとも1種は、ゲルに不溶なものであってもよい。すなわち、このような治療用物質は、例えば、ナノメータサイズの粒子として存在していてもよい。さらなる他の実施形態において、前記治療用物質の少なくとも1種は、例えば、ナノメータサイズの粒子に内包されていてもよい。
ある実施形態において、緩衝性組成物は、イオン交換樹脂の粒子を含んでいてもよく、このイオン交換樹脂の粒子は、カチオン交換樹脂および/またはアニオン交換樹脂を含んでいてもよい。ある実施形態において、緩衝性組成物は、ポリマー粒子を含んでおり、このポリマー粒子は、カチオン性粒子および/またはアニオン性粒子を含んでいてもよい。ある実施形態において、緩衝性組成物は、ポリマー性または非ポリマー性の緩衝物質の不溶性の粒子を含む。粒子の形状は、規則的な形状(例えば、円状、球状、キューブ状、円柱状、繊維状、円錐状、針状など)、不規則な形状、または規則的な形状と不規則な形状との組合せであってもよい。
ある実施形態において、治療用調製物は、コロイド液の形態の調製物であってもよい。コロイド液の形態の調製物は、少なくとも1種の治療用物質を含んでいてもよい。ある実施形態において、コロイド液の形態の調製物は、経眼送達のための薬学的に許容可能な不活性成分を含んでいてもよい。その治療用物質の少なくとも1種は、コロイド液の形態の調製物に不溶なものであってもよい。すなわち、このような治療用物質は、例えば、ナノメータサイズの粒子として存在していてもよい。さらなる他の実施形態において、前記治療用物質の少なくとも1種は、例えば、ナノメータサイズの粒子に内包されていてもよい。他の実施形態において、媒体は、治療用物質を含有(担持)するゲルであってもよい。
ある実施形態において、緩衝作用を有する治療用調製物は、コロイド液の形態の調製物であってもよい。コロイド液の形態の調製物は、少なくとも1種の治療用物質と緩衝性組成物とを含んでいてもよい。ある実施形態において、コロイド液の形態の調製物は、経眼送達のための薬学的に許容可能な不活性成分を含んでいてもよい。前記治療用物質の少なくとも1種は、コロイド液の形態の調製物に不溶なものであってもよい。すなわち、このような治療用物質は、例えば、ナノメータサイズの粒子として存在していてもよい。さらなる他の実施形態において、前記治療用物質の少なくとも1種は、例えば、ナノメータサイズの粒子に内包されていてもよい。他の実施形態において、API媒体は、治療用物質を含有(担持)するためのゲルであってもよい。
様々な実施形態において、治療用物質は、遊離の薬剤の形態(すなわち、内包されていない形態、または溶解していない形態)であってもよい。他の実施形態において、治療用物質は、ナノ粒子の形態であってもよいし、ナノメータサイズの粒子に内包されていてもよい。
様々な実施形態において、治療用物質は、イオントフォレシスチャンバに水溶液として存在していてもよいし、リキッドゲルまたはソリッドゲルに分散または溶解していてもよい。
様々な実施形態において、薬剤を内包したナノ粒子は、ナノスフィア、ナノカプセル、コーティング(修飾)されたナノスフィア、およびコーティング(修飾)されたナノカプセルのうちの少なくとも1つを含んでいてもよい。本明細書において「ナノメータサイズの粒子」、「ナノ粒子」、「ナノカプセル」、「ナノスフィア」などといった用語は、サブミクロン(10分の1メートル)単位の寸法を有する構造を指す。例えば、ナノメータサイズの構造は、100nm以下、あるいは、10nm以下の寸法である。
様々な実施形態における多孔質物質、例えば、これまでに説明した実施形態における多孔質物質は、連続気泡多孔質体を含んでいてもよい。このような連続気泡多孔質体として、少なくともその一成分として緩衝作用を有する物質を含む、発泡体および/または布帛および/または不織体および/または焼結体が挙げられるが、必ずしもこれらに限定されない。他の実施形態において、多孔質物質は、ポリエチレン、ポリウレタン、ポリプロピレン、PTFE、PVDF、EVA、ナイロン、セラミックスなどで構成されるものであってもよいが、必ずしもこれらに限定されない。
様々な実施形態におけるゲル、例えば、これまでに説明した実施形態におけるゲルには、少なくともその一成分として緩衝作用を有する物質を含有する、ソリッドゲルやリキッドゲルなども含めソリッドゲルやリキッドゲルも含め、任意の種類のゲルが含まれる。ゲルは、カルボマーホモポリマー(タイプA、タイプB、およびタイプC)、ポリエチレングリコール、ポリビニルアルコール(PVA)、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース(CMC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、アルジネート、ジェランガム、キサンタンガム、アガロースなどで構成されたものであってもよいが、必ずしもこれらに限定されない。
ある実施形態において、樹脂、例えば、樹脂充填床などは、イオントフォレシスチャンバ内に層として充填された任意の種類のイオン交換樹脂である。イオン交換樹脂は、緩衝能力を有するものであってもよいし、例えば、多孔質物質に含まれた層として設けられてもよい。樹脂は、アニオン交換樹脂、カチオン交換樹脂などで構成されたものであってもよいが、必ずしもこれらに限定されない。アニオン交換樹脂およびカチオン交換樹脂には、強酸、強塩基、弱酸、弱塩基などの特性を有するものが挙げられる。
ある実施形態において、緩衝性組成物は、イオン交換樹脂の粒子を含み、このイオン交換樹脂の粒子は、カチオン交換樹脂および/またはアニオン交換樹脂を含んでいてもよい。ある実施形態において、緩衝性組成物は、ポリマー粒子を含んでいてもよく、このポリマー粒子は、カチオン性粒子および/またはアニオン性粒子を含んでいてもよい。ある実施形態において、緩衝性組成物は、ポリマー性または非ポリマー性の緩衝物質の不溶性の粒子を複数含んでいてもよい。粒子の形状は、規則的な形状(例えば、円状、球状、キューブ状、円柱状、繊維状、円錐状、針状など)、不規則な形状、または規則的な形状と不規則な形状との組合せであってもよい。
ある実施形態において、膜体は、緩衝能力を有する任意の材料で構成される。膜体は、例えば、アミノメタクリレートコポリマー、メタクリル酸コポリマー(タイプAおよびタイプB)、HPMCAS(ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートスクシネート)、CAP(セルロースアセテートフタレート)などで構成されてもよいが、必ずしもこれらに限定されない。膜体は、アニオン交換樹脂、カチオン交換樹脂などで構成されたものであってもよいが、必ずしもこれらに限定されない。アニオン交換樹脂およびカチオン交換樹脂には、強酸、強塩基、弱酸、弱塩基などの特性を有するものが挙げられる。ある実施形態において、膜体は、本明細書に記載されているような、治療用物質を選択的に通過させるが他の不活性成分は通過させない半透膜であってもよい。
ある実施形態において、膜体に含まれる緩衝性組成物は、イオン交換樹脂の粒子を含み、このイオン交換樹脂の粒子は、カチオン交換樹脂および/またはアニオン交換樹脂を含んでいてもよい。ある実施形態において、膜体に含まれる緩衝性組成物は、ポリマー粒子を含んでいてもよく、このポリマー粒子は、カチオン性粒子および/またはアニオン性粒子を含んでいてもよい。ある実施形態において、膜体に含まれる緩衝性組成物は、ポリマー性または非ポリマー性の緩衝物質の不溶性の粒子を複数含んでいてもよい。粒子の形状は、規則的な形状(例えば、円状、球状、キューブ状、円柱状、繊維状、円錐状、針状など)、不規則な形状、または規則的な形状と不規則な形状との組合せであってもよい。
ある実施形態において、緩衝媒体は、緩衝要素または緩衝剤(あるいは、緩衝剤を含む組成物)を含んでいてもよく、例えば、緩衝剤として、ポリマー系の緩衝剤が挙げられるが、必ずしもこれに限定されない。ポリマー系の緩衝剤は、イオントフォレシスのあいだ、治療用物質を含む調製物(すなわち、薬剤調製物)のpHをある範囲内に制限するのに好適であるだろう。ポリマー系の緩衝剤は、あるpHで水素イオンまたは水酸化物イオンを取り込むことによってイオン化してイオントフォレシスチャンバ内の調製物のpHを所望の範囲内に維持する、任意のポリマーであってもよい。
ある実施形態において、緩衝剤は、ポリマー系の緩衝作用を有する物質であってもよく、このようなポリマー系の緩衝性物質は、装置の緩衝媒体を通過することができず、イオントフォレシスチャンバ内に配された治療用物質を含有する治療用物質媒体に到達することができない。ポリマー系の緩衝性物質は、分子サイズが大きいので、イオン化してもイオン移動度が低く、治療用物質を含む調製物や、電荷を運ぶ流体イオン(fluid ion)と全く競合できない。したがって、ポリマー系の緩衝剤は、化合物の送達効率を減少させない。
ある実施形態において、ポリマー系の緩衝剤は、眼球の表面を通過しない程度の高い分子量を有する。ポリマー系の緩衝剤は、水溶性であってもよいし、水に不溶であってもよい。例えば、一実施形態において、ポリマー系の緩衝剤は、水に不溶なポリマー系の緩衝性物質であってもよく、表面積が最大になるように微粒子の形態とされてもよい。また、緩衝媒体は、ヒドロゲルの膜体に捕捉された、ポリマー系の緩衝剤の微小な粒子であってもよい。他の実施形態において、水に不溶なポリマー系の緩衝剤は、ポリマー系の多孔質の膜体に成形されてもよく、この膜体は、イオントフォレシスチャンバの内壁および/または能動電極および/または多孔質物質を覆うものであってもよい。ポリマー系の多孔質の膜体は、半透過性の膜体として使用され得る。
ある実施形態において、ポリマー系の緩衝剤は、イオン交換樹脂であってもよく、このイオン交換樹脂は、メタクリル酸/ジビニルベンゼンコポリマー、スチレン/ジビニルベンゼンコポリマーなどの群から選択されてもよいが、必ずしもこれらに限定されない。メタクリル酸/ジビニルベンゼンポリマーは、弱酸(カルボキシ基)の官能性を有し、水素型またはカリウム型の形態で存在する。スチレン/ジビニルベンゼンポリマーは、強酸(スルホネート基)または強塩基(第四級アミン基)の官能性を有する。強酸のスチレン/ジビニルベンゼンポリマーは、水素型、ナトリウム型、またはカルシウム型の形態で存在し、強塩基のスチレン/ジビニルベンゼンポリマーは、塩素型の形態で存在し得る。イオン交換樹脂は、粉体、顆粒、もしくは繊維の形態、または膜体の形態などで上市されている。
ある実施形態において、緩衝性組成物は、緩衝作用を有するアミノ酸、またはカチオン特性を有する複数のアミノ酸の組合せを含んでいてもよい。カチオン特性を有するアミノ酸は、正に荷電しており、カソードからのイオントフォレシスに利用されてもよい。このような実施形態では、緩衝作用を有するカチオンの眼内への電気的送達を減少または根絶することができる。緩衝作用を有する物質の乏しい送達は、イオントフォレシスチャンバからの緩衝性組成物の消耗の防止、および緩衝作用を有するカチオンが眼組織内に送達されることに起因する刺激の防止に貢献し得る。他の実施形態において、カソードからのイオントフォレシスは、アニオン性の緩衝作用を有する物質、または負に荷電した緩衝作用を有する酸によって緩衝が行われてもよい。さらなる実施形態において、緩衝作用を有するカチオン性のアミノ酸と緩衝作用を有するアニオン性の酸との混合物が使用されてもよい。
カソードのリザーバ(充填空間)に必要とされる、緩衝性組成物の濃度は、例えば、緩衝作用を有する具体的な選択物質の特性に依存する。カチオン性のアミノ酸は、アルギニン、アスパラギン酸、システイン、グルタミン酸、ヒスチジン、リシン、およびチロシンから選択されてもよい(が、必ずしもこれらに限定されない)。アニオン性の酸は、酢酸、アジピン酸、アスパラギン酸、安息香酸、クエン酸、エチレンジアミン四酢酸、ギ酸、フマル酸、グルタミン酸、グルタル酸、マレイン酸、リンゴ酸、マロン酸、リン酸、およびコハク酸から選択されてもよい(が、必ずしもこれらに限定されない)。
ある実施形態において、緩衝性組成物は、緩衝作用を有するアミノ酸、またはアニオン特性を有する複数のアミノ酸の組合せを含んでいてもよい。アニオン特性を有するアミノ酸は、負に荷電しており、アノードからのイオントフォレシスに利用されてもよい。ある実施形態において、緩衝作用を有する物質は、両性イオンを含む。ある実施形態において、アノードからのイオントフォレシスは、アニオン酸を用いて緩衝が行われてもよい。このような実施形態では、眼球に送達される治療用物質(すなわち、薬剤処方物)とアノードにおける緩衝性物質との間の競合を減少または根絶することができる。他の実施形態において、アノードからのイオントフォレシスは、緩衝作用を有するカチオン性の物質、緩衝作用を有する正に荷電した塩基、またはリザーバのpHでカチオン特性を示すアミノ酸によって緩衝が行われてもよい。さらなる実施形態において、緩衝作用を有するアニオン性の酸と緩衝作用を有するカチオン性の塩基との混合物、または緩衝作用を有するアニオン性の酸と緩衝作用を有するカチオン性のアミノ酸との混合物が使用されてもよい。
アノードのリザーバ(充填空間)に必要とされる、緩衝性組成物の濃度は、例えば、緩衝作用を有する具体的な選択物質の特性に依存する。アニオン性のアミノ酸は、システイン、ヒスチジン、およびチロシンから選択されてもよい(が、必ずしもこれらに限定されない)。両性イオンは、N−2(2−アセトアミド)−2−アミノエタンスルホン酸[ACES]、N−2−アセトアミドイミノ二酢酸[ADA]、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−2−アミノエタンスルホン酸[BES]、2−[ビス−(2−ヒドロキシエチル)−アミノ]−2−ヒドロキシメチル−プロパン−1,3−ジオール[Bis−Tris]、3−シクロヘキシルアミノ−1−プロパンスルホン酸[CAPS]、2−シクロヘキシルアミノ−1−エタンスルホン酸[CHES]、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−3−アミノ−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸[DIPSO]、4−(2−ヒドロキシエチル)−1−ピペラジンプロパンスルホン酸[EPPS]、N−2−ヒドロキシエチルピペラジン−N’−2−エタンスルホン酸[HEPES]、2−(N−モルホリノ)−エタンスルホン酸[MES]、4−(N−モルホリノ)−ブタンスルホン酸[MOBS]、2−(N−モルホリノ)−プロパンスルホン酸[MOPS]、3−モルホリノ−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸[MOPSO]、1,4−ピペラジン−ビス(エタンスルホン酸)[PIPES]、ピペラジン−N,N’−ビス(2−ヒドロキシプロパンスルホン酸)[POPSO]、N−トリス(ヒドロキシメチル)メチル−2−アミノプロパンスルホン酸[TAPS]、N−[トリス(ヒドロキシメチル)メチル]−3−アミノ−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸[TAPSO]、N−トリス(ヒドロキシメチル)メチル−2−アミノエタンスルホン酸[TES]、および2−アミノ−2−ヒドロキシメチル−プロパン−1,3−ジオール[Tris]から選択されてもよい(が、必ずしもこれらに限定されない)。緩衝作用を有するアニオン性の酸は、酢酸、アジピン酸、安息香酸、炭酸、クエン酸、エチレンジアミン四酢酸、フマル酸、グルタミン酸、乳酸、マレイン酸、リンゴ酸、マロン酸、リン酸、酒石酸、およびコハク酸から選択されてもよい(が、必ずしもこれらに限定されない)。カチオン性の塩基およびアミノ酸は、アルギニン、ヒスチジン、イミダゾール、リシン、トリエタノールアミン、およびトロメタミンから選択されてもよい(が、必ずしもこれらに限定されない)。
ある実施形態において、緩衝性組成物は、架橋ポリマー、またはアニオン特性もしくはカチオン特性を有する複数のポリマーの組合せであってもよい。カソードからのイオントフォレシスに利用される、緩衝作用を有するポリマーは、アニオン特性を示すポリマーであってもよいが、必ずしもこれに限定されない。一方、アノードからのイオントフォレシスに利用される、緩衝作用を有するポリマーは、カチオン特性を示すポリマーであってもよいが、必ずしもこれに限定されない。緩衝作用を有するポリマーを使用することにより、緩衝作用を有するイオンおよび/または対イオンが、例えば、眼球に送達される治療用物質と競合するのを、減少または根絶することができる。
ある実施形態において、緩衝性組成物は、ポリマー、またはアニオン特性もしくはカチオン特性を有する複数のポリマーの組合せであってもよい。カソードからのイオントフォレシスに利用される、緩衝作用を有するポリマーは、アニオン特性を示すポリマーであってもよいが、必ずしもこれに限定されない。一方、アノードからのイオントフォレシスに利用される、緩衝作用を有するポリマーは、カチオン特性を示すポリマーであってもよいが、必ずしもこれに限定されない。緩衝作用を有するポリマーを使用することにより、緩衝作用を有するイオンおよび/または対イオンが、例えば、眼球に送達される治療用物質と競合するのを、減少または根絶することができる。
アニオン性のポリマーは、ポリ(アクリル酸)、ポリアルケニルエーテルまたはジビニルグリコールと架橋したポリ(アクリル酸)、ポリ(メタクリル酸)、スチレン/無水マレイン酸コポリマー、メチルビニルエーテル/無水マレイン酸コポリマー、ポリ(ビニルアセテートフタレート)、セルロースアセテートフタレート、セルロースアセテートトリメリテート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートスクシネート、エチルアクリレート/メタクリル酸コポリマー、メチルメタクリレート/メタクリル酸コポリマー、アルギン酸などから選択されてもよい(が、必ずしもこれらに限定されない)。カチオン性ポリマーは、ポリビニルピリジン、メチルメタクリレート/ブチルメタクリレート/ジメチルアミノエチルメタクリレートターポリマー、ビニルピロリドン/ジメチルアミノエチルメタクリレエート共重合体四級化物、ビニルカプロラクタム/ビニルピロリドン/ジメチルアミノエチルメタクリレートターポリマー、キトサンなどから選択されてもよい(が、必ずしもこれらに限定されない)。
ある実施形態において、緩衝性組成物は、アニオン特性またはカチオン特性を有する低分子量化合物であってもよい。カソードからのイオントフォレシスに利用される、緩衝作用を有する物質は、アニオン特性を示す物質であってもよいが、必ずしもこれに限定されない。一方、アノードからのイオントフォレシスに利用される、緩衝作用を有する物質は、カチオン特性を示す物質であってもよいが、必ずしもこれに限定されない。この種の緩衝作用を有する物質の例には、酢酸ナトリウム/酢酸カリウム、および/またはクエン酸ナトリウム/クエン酸カリウム、および/または全ての「グッド緩衝剤」が含まれ得るが、必ずしもこれらに限定されない。「グッド緩衝剤」には、MES、ADA、PIPES、ACES、BES、TES、HEPES、コラミンクロリド、アセトアミドグリシン、トリシン、グリシンアミド、ビシンなどが含まれ得る。
様々な実施形態において、少なくとも1種の緩衝要素または緩衝剤は、緩衝媒体に対して、以下の結合等:(i)化学的結合(例えば、緩衝剤は、緩衝媒体と共有結合していてもよい);(ii)物理的結合(例えば、緩衝作用を有する物質は、その静電気によって緩衝媒体に結合していてもよい);(iii)機械的結合(例えば、緩衝作用を有する物質のサイズが緩衝媒体の孔径よりも大きく、これにより、当該物質がリザーバ内で補足されてもよい);(iv)コーティング(例えば、緩衝媒体は、緩衝作用を有する物質によって被覆されていてもよい);(v)乳化(例えば、緩衝液は、液体リザーバ内で懸濁していてもよい);および(vi)固体懸濁(例えば、緩衝作用を有する物質は、固体リザーバ内で懸濁していてもよい)によって組み込まれていてもよい。
様々な実施形態において、上述したさまざまな緩衝媒体および/または緩衝性組成物のうち、その多くでは、調製物を含有(担持)する治療用物質(または活性医薬成分(API))を収容するための治療用物質のリザーバ媒体(therapeutic reservoir medium)に求められる空間を減らすことができる。つまり、API媒体を充填するのに必要とされる体積空間の全体量を減らすことができる。例えば、約3mmの厚さのゲル/膜体の緩衝系を使用することにより、API含有溶液の必要量を全体で少なくとも半分は減らすことができる。イオントフォレシスチャンバにおいて多孔質物質を、1mmずつゲル/膜体の緩衝系に置き換えると、API媒体を満たすのに必要とされるAPI含有溶液の量を16%減少させることができる。他の例として、約1〜2mmのフォームインサート(発泡体のインサート)(API媒体)を有するイオントフォレシスチャンバの場合、API含有溶液の量は100〜300μLで済む。緩衝媒体を使用することによる二次的な効果として、能動電極と眼球の表面との間の距離が増え、安全性を確保・向上できる点が挙げられる。
本明細書に開示された実施形態は、全ての構成が例示に過ぎず、本発明を限定するものではない。本発明にかかる技術は、上述した実施形態に限定されない。これらの実施形態には、本発明の精神および範囲を逸脱することなく、様々な変更や変形を施すことができる。なお、本発明の範囲は、実施形態によって表されるのではなく、添付の特許請求の範囲によって表されることに留意されたい。請求項の均等物の意味および範囲内の種々の変更および変形は、本発明の範囲に含まれるものとする。
100,200,300,400,500,600,700,800
治療用物質送達装置
122,222,322,422,522,622,722,822
イオントフォレシスチャンバ
130 電極
160,160’ 緩衝系

Claims (30)

  1. 治療用物質を眼球の表面を介しておよび/または眼球の表面内に送達する送達装置であって、
    前記治療用物質を貯蔵するイオントフォレシスチャンバと、
    前記少なくとも1つのイオントフォレシスチャンバに対して配置され、エネルギーが供給された際に生成する起電力によって前記イオントフォレシスチャンバ内に貯蔵された前記治療用物質の少なくとも一部を前記眼球の表面を介しておよび/または前記眼球の表面内に送達する電極と、
    少なくとも一部が前記少なくとも1つのイオントフォレシスチャンバ内に配されており、イオントフォレシスによって前記治療用物質が送達されるあいだ前記眼球の表面付近のpHを約3〜約8の範囲内に維持する緩衝系と、
    を備える、治療用物質送達装置。
  2. 請求項1において、前記緩衝系が、眼組織の損傷のリスクを軽減する緩衝剤を含む、治療用物質送達装置。
  3. 請求項2において、前記緩衝剤が、イオン交換樹脂、ポリマー粒子、不溶性の緩衝作用を有する粒子、カチオン性粒子、アニオン性粒子、および両性イオン性粒子のうちの少なくとも1つを含む、治療用物質送達装置。
  4. 請求項3において、前記イオン交換樹脂が、強酸、強塩基、弱酸、および弱塩基のうちの少なくとも1つの特性を有する少なくとも1種のイオン交換材料を有する、治療用物質送達装置。
  5. 請求項2において、前記緩衝系が、さらに、治療用物質を含む、治療用物質送達装置。
  6. 請求項1において、前記pHが前記治療用物質の最大のイオン化レベルと実質的に同じ水準に維持されることにより、当該治療用物質の送達効率が向上する、治療用物質送達装置。
  7. 請求項1において、前記緩衝系が、前記電極からの電界を伝搬させることが可能な導電性を有する、治療用物質送達装置。
  8. 請求項1において、前記緩衝系が、多孔質物質、溶液、ゲル、樹脂充填床、ヒドロゲルフィルム、および膜体のうちの少なくとも1つを含む、治療用物質送達装置。
  9. 請求項8において、前記多孔質物質が、発泡体、布帛、不織体、および焼結体のうちの少なくとも1つを有する、治療用物質送達装置。
  10. 請求項8において、前記ゲルが、ヒドロゲルのマトリックス、およびエアロゲルのマトリックスのうちの少なくとも1つを有する、治療用物質送達装置。
  11. 請求項8において、前記膜体が、単層の膜、多層の膜、疎水性の膜(半透膜)、および不透膜/中実膜のうちの少なくとも1つを有する、治療用物質送達装置。
  12. 請求項1において、前記イオントフォレシスチャンバが、少なくとも1つの第一の層、および少なくとも1つの第二の層を有しており、前記第一の層は前記緩衝系を含み、前記第二の層は治療用物質を含む、治療用物質送達装置。
  13. 請求項12において、前記第一の層が、前記電極と前記第二の層との間に位置している、治療用物質送達装置。
  14. 請求項12において、さらに、
    前記第一の層と前記第二の層との間に設けられた膜体、
    を備える、治療用物質送達装置。
  15. 請求項14において、前記膜体が、各層の含水量を維持することができる程度に低い透湿度を有する、治療用物質送達装置。
  16. 請求項12において、前記層が互いに同心状に位置している、治療用物質送達装置。
  17. 請求項16において、さらに、
    前記第一の層と前記第二の層との間に設けられた膜体、
    を備える、治療用物質送達装置。
  18. 請求項12において、前記第一の層の緩衝能力が前記第二の層よりも高い、治療用物質送達装置。
  19. 請求項1において、前記イオントフォレシスチャンバが、第一の層、第二の層、および第三の層を有しており、前記第一の層および第二の層は前記緩衝系を含み、前記第三の層は治療用物質を含む、治療用物質送達装置。
  20. 請求項19において、前記第一の層が前記電極に最も近く、前記第二の層が前記第一の層と前記第三の層との間に位置している、治療用物質送達装置。
  21. 請求項20において、さらに、
    前記第一の層と前記第二の層との間に設けられた膜体、または前記第二の層と前記第三の層との間に設けられた膜体、
    を備える、治療用物質送達装置。
  22. 請求項21において、前記膜体が、各層の含水量を維持することができる程度に低い透湿度を有する、治療用物質送達装置。
  23. 請求項19において、前記層が互いに同心状に位置している、治療用物質送達装置。
  24. 請求項23において、さらに、
    前記第一の層と前記第二の層との間に設けられた膜体、または前記第二の層と前記第三の層との間に設けられた膜体、
    を備える、治療用物質送達装置。
  25. 請求項19において、前記治療用物質を含む前記第三の層が、前記イオントフォレシスチャンバに着脱可能に連結される、治療用物質送達装置。
  26. 請求項19において、前記第一の層の緩衝能力が前記第二の層よりも高い、治療用物質送達装置。
  27. 請求項19において、前記第二の層が、前記第三の層の前記治療用物質の電気的送達を最適化するイオン性組成物を含む、治療用物質送達装置。
  28. 請求項1において、前記緩衝系が、緩衝作用を有する表面コーティングとして設けられている、治療用物質送達装置。
  29. 請求項1において、前記緩衝系が、再水和剤を含む、治療用物質送達装置。
  30. 請求項1において、前記緩衝系が、前記電極の近傍に位置している、治療用物質送達装置。
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