JP2012512327A - 低いエネルギーを有している粒子によって絶縁層を形成する方法 - Google Patents

低いエネルギーを有している粒子によって絶縁層を形成する方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、保護層、封入層、配向層のような機能層を、低エネルギー粒子ビーム付着プロセスによって電子デバイスの表面に製作する方法、前記方法によって得ることができる機能層、および該機能層を備えている電子デバイスに関する。

Description

本発明は、保護層、封入層、配向層のような機能層を、低エネルギー粒子ビーム付着プロセスによって電子デバイス内に製作する方法に関し、また、前記方法によって得ることができる機能層、および該機能層を備えている電子デバイスに関する。
電子デバイス、特に有機電子(organic electronic)(OE)デバイスには保護層が必要である。主な用途は以下の2つである。
−デバイス製造中の後続のプロセスステップに備えた機能層のパッシベーション
−封入(encapsulation)、特に水および酸素から保護するための封入
優れた保護層に対する需要は大きい。保護目的のために先行技術で一般的に使用されている有機材料は通常は軟かく、また、水および酸素に対する本質的な透過性を欠点として有している。現在までのところ、先行技術において、有機電界効果トランジスタ(OFET)のようなOEデバイスの表面に頑丈な保護および/またはパッシベーション層を形成する満足のいく解決策は報告されていない。
保護層に加えて、OEデバイスの一部の構成要素、特に液晶中間相を有している構成要素向けに、配向層に対する需要も増大している。中間相の状態にある液晶材料を巨視的に非常に均一に配向させると、例えば電荷キャリア移動度のようなそれらの電子的特性を本質的に増大させることができ、それにより、液晶材料を含んでいるOEデバイスの性能を向上させることができることが知られている。
このことから、無機機能コーティングに大きな注目が集まっている。しかしながら、先行技術においてこれまで知られているCVD(化学蒸着)やPECVD(プラズマ増強CVD)のようなプラズマ化学付着法は、有機電子材料にとって有害な高温およびプラズマの腐食性成分のため、有機材料の表面に無機コーティングまたは無機層を生成する目的には適していない。例えばUS2005/0181535A1に開示されているパルスプラズマ付着は、この問題を部分的にしか解決することができない。
有機構造物の表面に無機粒子を付着させる、より「無害な(friendly)」プロセスは、粒子流束または粒子ビームに関連する。本明細書において今後使用するとき、用語「粒子」は、イオン、遊離基、中性分子および原子、またはこれらの混合物を含む。粒子付着法の最も一般的な分類を、図1に、例示的および概略的に示す。粒子ビーム付着プロセスは、以下の3つの基本的プロセスを選択することができる。
1)蒸着(VD)
2)スパッタリング付着(SD)
3)直接付着(DD)
図1aに示すプロセス1)の場合、電気加熱またはeビーム加熱によって、コーティング材料が蒸気相に送られる。蒸気流束(1)が基板(2)に到達し、基板(2)の表面で凝縮し、それによりコーティング(3)が形成される。
図1bに示すプロセス2)の場合、数keVのエネルギーを有している加速されたイオンまたはプラズマのビーム(1’)が「ターゲット」としても知られている第1の基板(4)に向けられる場合、このビームによりターゲットからの材料アブレーションが引き起こされる。抽出された粒子(1)ははるかに低いエネルギーであり、所望の第2の基板(2)の表面に付着して、膜(3)を形成することができる。このプロセスは、イオンビームスパッタリング付着として知られている。
図1cに示すプロセス3)の場合、低い(100eVよりもはるかに低い)エネルギーの粒子ビーム(1)が基板(2)に直接向けられ、粒子が凝縮して基板の表面で反応し、永続的な膜(3)が形成される。本明細書では以後、このプロセスを直接(粒子ビーム)付着と呼ぶ。
上記の付着プロセスは、物理付着プロセスと化学付着プロセスとに分けることができる。化学付着プロセスは、コーティングを形成する粒子どうしの反応を含み、そのコーティングにより共有結合が形成される。対応する前述のプロセス1)および2)は通常、化学蒸着(CVD)および反応性スパッタリングと呼ばれる。これらのプロセスは、基板を加熱することによって、または、コーティングを生成する粒子流束に反応性成分を挿入することによって、初期化される。直接プラズマ付着プロセスは当然ながら化学プロセスである。
前述の付着プロセスは、さらに、プラズマまたはイオンによって支援もしくは増強することができる。用語「プラズマ支援」は通常、付着の進行中に、付着させた膜の効果的なアブレーションに必要なエネルギーより低いエネルギーの加速粒子のビームによってコーティングが処理されることを意味する。用語「プラズマ増強」は、膜を形成する粒子がプラズマ放電にさらされることを意味する。これらの追加のプロセスは、以下のようないくつかの理由から組み込まれる。
コーティングを形成する種の反応性を増強する
基板に対するコーティングの接着性を向上させる
コーティングの密度を高める
この支援は、この支援がなければ通常は低密度のコーティングしか与えない蒸着に対して、特に有効である。
支配的粒子エネルギー(predominating particle energy)の観点から付着プロセスを考えることもできる。蒸着プロセスでは、粒子のエネルギーは、一般に、kTすなわち数ミリ電子ボルト程度である。イオンビームスパッタリング付着では粒子のエネルギーが一般に数eVまたは数十eV程度である。直接付着プロセスでは粒子のエネルギーが一般に数十eVである。これらのプロセスの異なる粒子エネルギーは、異なる形態のコーティングを与える。通常、コーティングの密度は粒子エネルギーとともに増大する。このことは、付着後の粒子が、粒子が表面を移動することを可能にするある運動エネルギーを依然として有していることを意味する。このことは、形成されたコーティング中に存在する空洞に粒子が捕獲される確率を増大させる。しかしながら同時に、粒子エネルギーは、通常は数百eVの範囲にある臨界値を超えてはならない。この臨界値を超えると、付着プロセスよりもエッチング(またはアブレーション)プロセスの方が優勢になるためである。
無機膜を有機電子層上にコーティングすることは、追加の要件を含意する。一方、粒子エネルギーは、高密度膜を形成するのに十分な大きさを有していなければならない。他方、エネルギーの増大は有機層の破壊の危険性を増大させる。そのため、通常、OE層のパッシベーションは最も低いエネルギーの粒子で機能する蒸着プロセスによって実施されている。しかしながらこの先行技術の付着法では、例えば、不十分なガスバリア特性の低密度のコーティングしか形成できない。
したがって、先行技術においては、蒸着膜の密度を増大させるために、プラズマ増強蒸着プロセスおよび粒子ビーム支援蒸着プロセスが提案されている。例えばUS7,163,721は、材料が加熱され蒸発させられるプラズマ増強熱化学蒸着(PECVD)法を請求している。この蒸気は、粒子の反応性と粒子エネルギーの両方を増強するプラズマ放電にさらされる。粒子の反応性の増強は温度を低くすることを可能にし、粒子エネルギーの増強はコーティングされる膜をより高密度にする。US7,163,721では2ステッププロセスが使用される。すなわち、最初に、CVD技法によって非常に細孔が多い保護層を付着させ、次いでプラズマ支援プロセスを使用してより高密度の層を付着させる。最初の保護層は、有機電子部品を破壊するプラズマの作用から有機コーティングを保護するために必要であり、より高密度の2番目の層は、第1の層の細孔を覆って、有機層をより十分に分離するために必要である。このプロセスの変更としてUS7,163,721では、穏やかなプラズマ支援、次いで強力なプラズマ支援を伴う蒸着を使用して、高密度層を生成することが提案されている(プラズマ増強原子層付着(PEALD))。
US2007/0172696A1はイオン支援蒸着プロセスを請求している。イオンビームは、粒子の反応性を増強し、コーティングを圧縮するために使用される。
しかしながら、先行技術のこれらの増強および支援VDプロセスは、OE構造を損傷するかなり高レベルの危険性がある、高エネルギーおよび高反応性の粒子によるOE層の衝撃を完全には排除していない。さらに、これらのプロセスは、いくつかの各種粒子源およびいくつかの付着ステップを含むため、かなり複雑である。このことは生産性を制限し、生産コストを増大させる。
したがって、OEデバイスの有機層の表面に、保護層または配向層のような高密度の機能膜を付着させる方法であって、有機層を傷つけず、または、デバイス性能に対する負の影響を全く持たないかもしくはわずかにしか持たない方法が依然として求められている。
したがって、本発明の目的は、電子デバイス(好ましくは例えば、OFETまたは有機光起電力(OPV)デバイスのようなOEデバイス)の表面に、機能層(特に保護層または配向層)を設ける方法を提供することにあり、その方法は、有機層を傷つけず、デバイス性能に対する負の影響を全く持たないかもしくわわずかにしか持たず、時間効率および費用効率が良く、大量生産に適し、前述の先行技術の方法の欠点を持たない、上記方法を提供することにある。本発明の他の目的は、当業者が以下の詳細な説明を読めば直ちに明らかになる。
これらの目的は、付着層を形成する粒子の支配的運動エネルギーが徹底的に最適化された付着方法を使用することで達成できることが分かった。本発明の方法におけるOE層に対する最適化されたエネルギー範囲は、0.1から80eV、最も好ましくは0.5から30eVの範囲であることが確立された。このエネルギー範囲の上限は、OE構造にとって依然として耐えうるものであり、下限は、許容可能な均一性、密度、接着性および耐久性を備えているコーティングを依然として与える。粒子エネルギーのこの最適化された範囲は、粒子源および処理条件を適当に選択することで達成可能である。さらに、本発明において請求する方法は、付着ステップが1つだけですみ、標準粒子ビーム源を使用することができるため、非常に単純で、有効であり、特に大規模生産に対して有効であるという利点を有している。
用語および定義
用語「粒子ビーム」は、中性分子および原子、イオン、遊離基(フリーラジカル)、またはプラズマなどのこれらの混合物のビームを意味する。
先行技術における用語「加速された粒子ビーム」は通常、粒子源によって生成され、粒子源を出る前または出た後に(通常は静電力によって)加速度を獲得した粒子のビームを意味する。先行技術には、加速された粒子ビームに対する確立された専門用語がない。粒子ビームのうちイオン成分だけが加速度を獲得するため、通常、それらはすべてイオンビームを表している。しかしながら、プラズマ放電エリアからの粒子ビームの抽出の違いを考慮したより正確な定義を以下に示す。
用語「プラズマビーム」または「加速されたプラズマビーム」は、グロー放電内においてじかに形成され、電場、通常は高いアノード電位によって放電エリアから押し出された粒子ビームを意味する。
用語「イオンビーム」は、グロー放電から、一般的には格子システムによって抽出されたイオン流束を意味する。この場合、グロー放電エリアと形成されたビームとは空間的に分離される。
用語「粒子エネルギー」は、個々の粒子の運動エネルギーを意味する。粒子源に応じて、粒子は、幅の狭いまたは幅の広いエネルギー分布を有している。エネルギー分布の最大に対応する粒子エネルギーを「支配的粒子エネルギー」と呼ぶ。
用語「弱く加速された粒子」または「低い支配的粒子エネルギーを有している粒子」は、>0.01eV、好ましくは>0.05eV、より好ましくは>0.1eV、最も好ましくは>0.5eVであって、かつ、<150eV、より好ましくは<80eV、最も好ましくは<40eVまたは<30eVの低い支配的エネルギーを有している粒子を意味する。
用語「中程度に加速された粒子」は、>100eV、好ましくは>1000eV、最も好ましくは>2000eVであって、かつ、<10000eV、より好ましくは<5000eV、最も好ましくは<4000eVの中程度の支配的エネルギーを有している粒子を意味する。
用語「アノード層源」は、ホール(Hall)源の一種である粒子ビーム源であって、そのホール源は、粒子エネルギー分布の幅が広く、最大粒子エネルギーが10,000eVよりもかなり低く、かつ、最大エネルギーの2/3のところにエネルギー分布の最大を有している中程度に加速されたプラズマの流束を生成するものである、粒子ビーム源を意味する。この源は通常、粒子ビームエッチングおよび粒子ビームスパッタリング付着に対して使用される。スパッタリング付着の場合、中程度に加速されたプラズマのビーム(1次ビーム)はターゲットの表面に導かれる。ターゲットから抽出された数eVのエネルギーを有している粒子が、2次粒子ビームを形成して基板の表面へと向けられる。アノード層源は、エッチング様式とスパッタリング様式の両方で、非反応性ガス、反応性ガス、またはこれらの混合物とともに動作することができる。この源の構造、動作原理および動作パラメータの詳細は、V.Zhurin、H.Kaufman、R.Robinson、Plasma Sources Sci.Technol.、第8巻、1ページ、1999年に出ている。
用語「エンドホール(end Hall)源」は、ホール源の一種である粒子ビーム源をであって、そのホール源は、粒子エネルギー分布の幅が広く、最大粒子エネルギーが150eVよりも小さく、最大のエネルギーの2/3のところにエネルギー分布の最大を有している弱く加速されたプラズマの流束を生成するものである、粒子ビーム源を意味する。この源のフィードガスは必然的に反応性成分を含んでいる。この源は通常、直接付着、膜付着における粒子ビーム支援、および表面洗浄に対して使用される。付着を実現するため、この源のフィードガスは必然的に反応性成分を含んでいる。通常、支援機能および洗浄機能は非反応性ガスのプラズマによって実現される。この源の構造、動作原理および動作パラメータの詳細は例えば、US4,862,032に出ている。
用語「反応性粒子」は、それらの粒子が基板表面の他の粒子と化学的に反応し、膜の付着がもたらされることが可能なものを意味する。そのプラズマが反応性粒子を生成するガスを「反応性ガス」と呼ぶ。これらのガスの例は、炭化水素ガス(CH、C、Cなど)、SiH、NおよびOである。
用語「非反応性粒子」は、他の粒子と反応しない(またはあまり反応しない)粒子を意味する。十分な加速度を与えると、これらの粒子は、膜付着ではなく基板の物理的なエッチングを引き起こす。非反応性粒子を生成するガスを「非反応性」ガスと呼ぶ。これらのガスの例はAr、Xe、Krなどの希ガスである。
用語「SiO」、「SiO」、「SiN」、「AlO」、「a−C:H」などは、酸化シリコン、酸窒化シリコン、窒化シリコン、酸化アルミニウム、非晶質水素化炭素など、またはこれらの膜もしくはコーティングを意味する。
用語「薄膜」は、厚さが数nmから数μmの膜、OE機能層の場合には厚さが通常1nmから2μm、好ましくは10nmから1μmの膜を意味する。
用語「膜」および「層」は、機械的安定性を有している剛性または可撓性の自立または独立膜、および支持基板上または2枚の基板間のコーティングまたは層を含む。
用語「パッシベーション層(または膜)」は、OEデバイスまたはその構成要素の表面の層であって、そのOEデバイスまたは構成要素を、環境の影響に関して不活性(パッシブ)にする層を指す。
用語「封入層(または膜)」は、OEデバイスまたはその構成要素を、湿気や酸素のような攻撃性の外部因子から保護する層を指す。この用語の同義語は「バリア層」または「パッケージング層」である。
本明細書のこれよりも前および後で使用される用語「保護層(または膜)」は、パッシベーション層と封入層との両方を含み、例えば水、酸素などの気体または機械的応力のような環境影響に対するバリアまたは保護の役目を果たす層を意味する。
用語「配向層(または膜)」は、OEデバイスの構成要素の分子、またはLCデバイスもしくはOEデバイス中の液晶(LC)分子を配向させるための層を意味する。
用語「機能層(または膜)」は、例えば保護、パッシベーション、封入および/または配向機能のような1つまたは複数の特定の機能を有しているOEデバイス内の膜または層を意味する。
本発明は、電子デバイス、好ましくは有機電子(OE)デバイス、またはその構成要素(部品)の表面に層を形成する方法であって好ましくは0.01から150eV、より好ましくは0.05から80eV、最も好ましくは0.1から40eVの低い支配的粒子エネルギーを有している、中性粒子、遊離基、イオンまたはこれらの混合物などの粒子のビームに、上記デバイスまたは構成要素を直接にまたはマスクを通して当てるステップを含む方法に関する。
本明細書のこれよりも前および後に記載した、層を形成する方法は、
蒸着、イオン支援蒸着(IAD)、プラズマ増強化学蒸着(PECVD)、プラズマ増強原子層付着(PEALD)およびプラズマ増強ナノ層付着(PENLD)を含むがそれに限定されることはない、
蒸着(VD)、プラズマ(またはイオン)増強付着およびプラズマ(またはイオン)支援付着から選択されたプロセスまたはプロセスステップ、
を含まない。
本発明に基づく付着方法は、限定はされないが、イオンビームまたはプラズマビームスパッタリング付着、および、弱く加速された粒子の直接イオンビームまたはプラズマビーム付着を含むことが好ましい。
本発明に従ってデバイスの表面にスパッタリング付着を実施するための好ましい源は、限定されるものではないが、ホール源の一種であるアノード層源を含む。ただしこれに限定されるわけではない。本発明に従ってデバイス構造の表面に直接付着を実施する好ましい源は、限定されるものではないが、エンドホール源を含む。
本発明に基づく方法によって付着させた層は、電子デバイスの機能層であることが好ましく、この層が、パッシベーション層、保護層、封入層または配向層であると非常に好ましい。
本発明はさらに、同時に液晶材料に対する配向層としても使用されるOEデバイスの、保護層、封入層またはパッシベーション層に関する。
本発明はさらに、同時にOEまたはLCDデバイスの他の構成要素、好ましくは液晶構成要素に対する配向層としても使用されるOEデバイスの保護層、封入層またはパッシベーション層に関する。
本発明はさらに、本明細書のこれよりも前および後に記載した方法であって、1つまたは複数の追加の配向膜を製作する1つまたは複数の追加の粒子付着ステップを含み、これらの追加の付着ステップ(1つまたは複数)における粒子ビームが、最初の付着ステップにおける粒子ビームと同じかまたは異なっており、そして、粒子ビームが最初の付着ステップにおける方向と同じ方向または異なる方向から(好ましくは基板平面に対して斜めの角度から)基板へ導かれる方法に関する。
本発明はさらに、OEデバイスまたはその構成要素を、本明細書のこれよりも前および後に記載した付着方法にかけることによって、そのOEデバイスまたはその構成要素を封入する方法に関する。
本発明はさらに、本明細書のこれよりも前および後に記載した方法によって得ることができる、またはその方法によって得られたパッシベーション層、保護層、封入層または配向層に関する。
本発明はさらに、本明細書のこれよりも前および後に記載した方法によって得ることができる、またはその方法によって得られた1つまたは複数の機能層を含むOEデバイスまたはその構成要素に関する。
本発明はさらに、本明細書のこれよりも前および後に記載した方法によって封入されたOEデバイスまたはその構成要素に関する。
前記OEデバイスおよび構成要素には、電気光学ディスプレイ、液晶ディスプレイ(LCD)、光学情報記憶デバイス、電子デバイス、有機半導体、有機電界効果トランジスタ(OFET)、集積回路(IC)、有機薄膜トランジスタ(OTFT)、無線周波数識別(RFID)タグ、有機発光ダイオード(OLED)、有機発光トランジスタ(OLET)、エレクトロルミネセントディスプレイ、有機光起電力(OPV)デバイス、有機太陽電池(O−SC)、有機レーザダイオード(O−レーザ)、有機集積回路(O−IC)、照明デバイス、センサデバイス、電極材料、光導電体、光検出器、電子写真記録デバイス、キャパシタ、電荷注入層、ショットキダイオード、平坦化層、静電気防止膜、導電性基板および導電性パターンが含まれる。ただしこれらに限定されるわけではない。
蒸着プロセスを概略的に示している図である。 スパッタリング付着プロセスを概略的に示している図である。 粒子ビームを使用した直接付着プロセスを概略的に示している図である。 本発明に基づくプロセスの付着幾何配置を概略的に示している図である。 本発明に基づくプロセスの付着幾何配置を概略的に示している図である。 本発明に基づくプロセスの付着幾何配置を概略的に示している図である。 アノード層源の構造および動作原理(a)、ならびにこの源の付着原理(b)を例示的に示している図である。 エンドホール源の構造および動作原理(a)、ならびにこの源の付着原理(b)を例示的に示している図である。 プラズマ付着による処理の前と後の実施例1に基づくボトムゲート型トランジスタの伝達曲線を示している図である。 プラズマ付着による処理の前と後の実施例1に基づくボトムゲート型トランジスタの伝達曲線を示している図である。
本明細書では以後、機能層を付着させる電子デバイスまたはその構成要素を短く「基板」とも呼ぶ。
前述のとおり、先行技術で使用されているVDの場合、粒子エネルギーは非常に低く一般に0.001から0.01eVの範囲である。そのため、VDによって得られる先行技術のコーティングは、通常、非常に細孔が多く機械的に不安定である。したがって、この理由およびその他の理由から、VDプロセスでは、粒子に追加のエネルギーを与えるためのプラズマ支援が必要である。一方、PECVDのようなプラズマプロセスの場合には、粒子が高いエネルギーおよび高い反応性を有しており、これらは有機電子部品にとって有害である。
本発明は、追加的増強や支援プロセスを使用することなく、高密度でかつ良好なガス/水分バリア特性を有し、また高い機械的耐久性を有するコーティングを有機層表面に形成する単純な付着原理を提供する。
本発明の方法は、他のOEデバイス層の表面にコーティングを形成する粒子の運動エネルギーを徹底的に最適化することに基づく。このエネルギーは、一方で、水分および腐食性ガスに対する良好なバリア特性を有する高密度で均一な膜の形成を保証するのに十分な強度を持っていなければならない。他方、この粒子エネルギーは、粒子の破壊作用を最小化するため、できるだけ低くなければならない。本発明の発明者らは、支配的粒子エネルギーの最適化された範囲が、0.01から150eV、好ましくは0.05から80eV、最も好ましくは0.1から40eV、よりいっそう好ましくは0.1から30eVであることを見出した。最適化されたエネルギー値は、粒子のタイプ、粒子の反応性などに依存する。
この範囲の粒子エネルギーは、付着プロセスおよび粒子源を綿密に選択することによって達成できる。最も適当なプロセスおよび源については後で論じる。粒子エネルギーのさらなる最適化は、例えば粒子源と基板との間の距離を変更することで、言い換えれば、粒子エネルギーの散逸が起こる加速粒子と気体原子との衝突の平均回数を変化させることで実現することが可能である。このプロセスによって、粒子エネルギーの2桁の低減を達成することができる[K.Mayer、I.SchullerおよびC.Falco、Termalization of Sputtered Atoms、J.Appl.Phys.52(9)、5803(1981)を参照されたい]。
図2は、典型的な付着の幾何配置を概略的および例示的に示している。この図において、(1)は粒子ビーム、(2)は基板、(3)はコーティングされる膜、(4)および(4’)は粒子ビームおよび基板の平行移動方向をそれぞれ示している。OE層の表面にパッシベーションコーティングまたは封入コーティングを生成するために、前記粒子のビームは、図2aに示すように垂直に、または、図2bおよび2cに示すように斜めに有機層へ導くことが好ましい。平面配向もしくは傾斜配向を引き起こす、有機分子の配向層を生成するためには、粒子ビームを斜めに導くことが好ましい。この斜め付着は2つの方式で実現することができる。図2bに示されている第1の幾何配置では、源の対称軸を垂直方向に向け、基板および移動プラットホームを、水平面に対して斜めにセットする。図2cに示されている第2の幾何配置では、基板を、移動プラットホームと一緒に水平方向に平行移動させ、源を斜め位置にセットする。付着角度α(粒子ビームと基板表面に対する垂線とによって形成される角度)は0°から85°であることが好ましい。これらの付着は、静的様式または動的様式で実施することができる。動的様式は、図2に示されているように、試料の平行移動もしくは粒子ビームの操作によって実現可能である。パッシベーションコーティングを、同時に、OEデバイスのある構成要素に対する配向コーティング(内部パッシベーションコーティング)として、またはLCデバイスの液晶に対する配向層(外部パッシベーションコーティングまたは封入コーティング)として使用する場合、前述のとおり、そのパッシベーションコーティングは配向コーティングとして付着させられる。
基板としては、主に、OEデバイスの構成要素または機能層として使用することができ、またはそのように使用されている任意の有機層を使用することができる。それらの有機層には、正孔輸送材料、電子輸送材料、燐光材料、小分子材料、ポリマー材料などとして知られている材料の層が含まれる。ただしこれらに限定されるわけではない。
前述の範囲の粒子エネルギーは、背景技術の項で説明したプラズマまたはイオンによって支援された蒸着(VD)とは全く異なるいくつかのプロセスによって達成することができる。
本発明の好ましい一実施形態では、付着プロセスは図1bに概略的に示したイオンビームまたはプラズマビームスパッタリング付着である。この方法では、中程度に加速された粒子のビーム(1’)(1次ビーム)によって、ターゲット(4)からの材料アブレーションが引き起こされる。ターゲットから抽出された粒子(1)は2次粒子ビームを形成し、この2次粒子ビームは基板(2)の表面に導かれる。1次ビーム(低い発散性およびやや高い支配的粒子エネルギー(通常は数keV)を有しているビーム)とは対照的に、2次ビームの発散性はそれよりもはるかに高く、支配的粒子エネルギーは数eVまたは数十eVである。これらの粒子は、基板(2)の表面で効果的に凝縮して、コーティング(3)を形成する。
1次粒子ビームの源は、ターゲットから粒子をはじき出す能力を有する中程度に加速された粒子を生成する任意のイオンビームまたはプラズマビーム源とすることができる。このような源の適当な好ましい例は、カウフマン(Kaufman)型の源、アノード層源、ホローカソード源およびマグネトロンである。非反応性スパッタリングの場合、源のフィードガスは希ガス、通常はArである。反応性スパッタリングの場合には、N、O、CH、CFのような反応性ガスが利用され、より一般的には希ガスと反応性ガスの混合物が利用される。フィードガスが純粋な希ガスの場合、コーティングは、ターゲット材料だけから形成される。それに対して、フィードガスが反応性成分を有している場合、コーティングは、ターゲットの原子と反応性ガスの原子を、反応性ガスの濃度および処理条件に応じた割合で含む。
スパッタリング付着法によって生成することができるパッシベーション膜、封入膜、配向膜および他の機能膜のタイプには、金属(Al、Zn、Cu、Ta、Tiなど)、シリコンに基づく材料(Si、SiO、SiN、SiOなど)、金属酸化物(Al、ZnO、Ta、TiOなど)、金属窒化物(ZnN、ZrNなど)、金属酸窒化物(AlO、TiO、ZrO)が含まれる。ただしこれらに限定されるわけではない。無機ターゲットのスパッタリングに加えて、スパッタリング付着技法を効果的に使用して、いくつかの有機ターゲットをスパッタリングすることもできる。このことは、伝統的な湿式コーティング技法を使用して付着させることができない有機材料に対して特に有益である。このような材料の例はTeflonである。得られたコーティングの構造はまだよく調べられない。
このスパッタリング付着は、例えば基板に対する付着コーティングの高い接着性、および付着コーティングの高い密度といったいくつかの利点を提供する。その結果、本発明に基づく方法は、先行技術の方法のようなプラズマ支援を必要としない。本発明の方法の他の利点は、この方法の高い可制御性、高い再現性、およびコーティングの高均一性である。
好ましい一実施形態では、この方法は、1次粒子ビーム源がアノード層源であるスパッタリング付着を利用する。
図3は、アノード層源の構造および動作原理(a)、ならびにこの源に基づく付着原理(b)を例示的に示している。この図において、(1)、(2)、(3)および(4)はそれぞれ、源における、内側カソード、外側カソード、アノード、および磁石システムを示しており、(5)は1次粒子ビーム、(6)は2次粒子ビーム、(7)はターゲット、(8)は、コーティングされた層を有した基板をそれぞれ示している。
この源は、内側カソードおよび外側カソード(1、2)上に永久磁石(4)を含んでいる。アノード(3)はこれらのカソードとカソードの間にある。これらの電極は一緒に、放電チャネルのサイズおよび形状を画定している。動作原理は簡潔には以下のとおりである。カソードからの電子は、(主に半径方向の)磁場と軸方向電場の交差の結果として、放電チャネルに沿ってドリフトする。閉じたドリフト中の電子は、室に注入された中性粒子とイオン化衝突する。この磁場は、ドリフト中の電子を閉じた放電チャネル内に閉じ込めるのに十分な程強く、しかし、軸方向電場によって本質的に加速されたイオンの軌道に影響を及ぼすほどの強くはない。放出されたイオンは、中性粒子および電子を巻き込んでいる。実際、形成される流束は、放電エリアにおいて生成されたd.c.プラズマの部分である。そのため、このビームはしばしば、イオンビームではなく、加速されたプラズマビームと呼ばれる。
アノード層源は、構造が非常に単純であるという利点を有している。この源の他の大きな利点、特にOE層に対して使用されるときの大きな利点は、熱カソードのような加熱される要素が存在しないことである。さらに、金属ターゲットのスパッタリングの場合には、加速されたプラズマのビーム中に電子を注入する熱フィラメントも必要ない。このことは、OE構造の熱破壊の危険性を大幅に低減させる。その上、源のアノード電位を調整することができ、それにより、1次粒子のエネルギー、したがって2次粒子のエネルギーを、さまざまなOE層に対して容易に最適化することができる。アノード層源のスパッタリング付着速度は、マグネトロンのそれよりも小さい。しかしながら、アノード層源のスパッタリング様式は、マグネトロンのそれよりもかなり寛容(tolerant)である。さらに、アノード層源に基づくスパッタリングシステムによって生成されたコーティングは、特に良好な均一性および高い密度が特徴である。大面積の基板をスキャニング様式で処理するために、この源は細長い構造を有していることが好ましい。ターゲットは、この源のボディ上に取り付けることができ、または、図3に示されているように源とは別に配置することもできる。
この源は一般に真空室内に取り付けられる。基本の真空は<3×10−5トルである。非反応性スパッタリング様式では通常、使用ガスはアルゴンである。この様式における使用圧力PAr、アノード電位Uおよび放電電流Iは、PAr=1.0〜1.3×10−3トル、U=2000〜4000V、I=20〜100mAであることが好ましい。反応性ガスおよびArと反応性ガスの混合物の場合には、それらのガスおよびコーティングの所望の構造に応じて使用パラメータが決定される。下の表1は、さまざまな種類のコーティングを付着させるために一般的に使用されるフィードガスの内容および源の他のパラメータを示している。
Figure 2012512327
本発明の好ましい他の実施形態では、ある範囲のエネルギーを有している粒子のビームを使用するこのプロセスが、直接イオンビーム付着かまたは直接プラズマビーム付着である。この付着プロセスでは、粒子ビームは、必然的に、コーティング層への結合を形成する能力を有している反応性粒子を含んでいる。このような粒子のビームを発生させる源には、前述のアノード層源、および反応性ガスフィードとともに機能するホローカソード源(例えば[V.DudnikovおよびA.Westner、「Ion source with closed drift anode layer plasma acceleration」、Review of Scientific Instruments、73(2)、729(2002)]参照)が含まれる。ただしこれらに限定されるわけではない。この直接付着プロセスでの支配的粒子エネルギーは通常、粒子源、ガスフィードの種類、コーティング要件などによって、10eVおよび300eV以内である。
スパッタリング付着法によって生成することができる、パッシベーション膜、封入膜、配向膜および他の機能膜のタイプには、SiO、SiO、SiN、SiC、a−CH、a−CHN、a−CHFが含まれる。ただしこれらに限定されるわけではない。
直接粒子ビーム付着には、他の付着法に比べて有利な点がいくつかある。直接粒子ビーム付着は技術的に非常に単純なプロセスである。したがって、例えばターゲットが必要ない。また、低電圧動作によって、粒子を発生させることによって使用エリアを「汚す」寄生放電の量が減る。直接付着法は、スパッタリング付着の場合に比べて一般的により均一な非晶質コーティングを与える。プラズマ/イオンビーム源によって形成される粒子ビームは、ターゲットからスパッタリングされた粒子流束よりも平行である。これにより、付着膜のより良好な微細パターニングが可能となる。そして、付着膜の内容は、フィードガス混合物を形成しているガスの相対的な含有量を変更することで、連続的に変化可能である。これにより、層の組成および構造を連続的に変化させることを可能にする。
さらに、本発明で説明した直接プラズマビーム付着または直接イオンビーム付着を使用してOEデバイスに対する無機層を製作することで、通常の先行技術の方法に基づくプラズマ処理を使用したときに生じうる問題を回避できる。
例えば、SprokelおよびGibson、J.Electrochem.Soc.、124(4)、557(1977)ならびにUS4,261,650に開示されている先行技術のプラズマ発生法は、冷r.f.(cold r.f.)(無線周波発生)プラズマの流束だけを生成し、この流束は、数meV(ミリeV)の粒子エネルギーしか有しておらず、ガス流によって基板へ運ばれる。これらの条件のため、形成されるコーティングは基板にあまりよく付着せず、細孔が多く、もろく、機械的耐久性に劣る。一方、直接付着プロセスは、穏やかな粒子エネルギーおよび反応性のために、先行技術において広範囲に使用されている「増強」プラズマプロセスほどにはOE層を腐食しない。
直接粒子付着の好ましい実施形態では、ホール源の一種であるエンドホールプラズマビーム源として知られている、例えばUS4,862,032に開示されている源が、図4に概略的および例示的に示されているように使用される。図4aでは、(1)、(2)、(3)および(4)がそれぞれ、アノード、カソード、電磁石システムおよびガス入口を示している。図4bでは、(1)、(2)および(3)がそれぞれ、源、プラズマビームおよび基板を指している。
源は、アノード(1)からなっており、それを越えてカソード(2)が間隔を置いて配置される。アノード上には電磁石巻線(3)が置かれている。この図では、中性粒子(原子、分子)、電子およびイオンがそれぞれ、「0」、「−」および「+」によって示されている。入口(4)を通じて使用ガスの中性粒子がイオン源に導入される。
このエンドホール源はまた十分な変更が可能である。例えば、電磁石システムの代わりに永久磁石を使用することができる。さらに、アノード層源と同じく、線状源を形成するように、エンドホール源を配置することもできる[J.Madocks、Proceeding of 45th Annual Technical Conference of Society of Vacuum Coaters、Orlando、米国、202ページ(2002)を参照されたい]。これにより、開示した方法を大面積基板に拡張し、プラスチックストリップのロール・トゥ・ロール(roll−to−roll)処理を実現することが可能になる。
エンドホール源は以下のように機能する。熱カソードによって放出された電子が、電位Uのもと、アノードによって引き寄せられる。アノードに接近するとき、電子はほぼ磁力線をたどる。加速された電子が中性粒子に衝突し、それらをイオンにする。大部分のイオン化衝突はアノードの近くで起こる。生成されたイオンはカソードに向かって加速する。これらのイオンは、幅広いエネルギー分布を有し、2/3(eU)のところに最大値を有している。源を出ると、イオンは、いくつかの電子を巻き込んで、中和されたビームを形成する。そのビームはグロー放電の中でじかに形成されるため、それは、アノード電位によって抽出され加速されたプラズマの一部と考えることができる。
エンドホール源の重要な利点は、付着に加えて、前洗浄様式においても作動できる点である。生成されたコーティングが基板に良好に接着することを保証するため、通常、前洗浄は付着前に実施される。
源は、一般に、真空室内に取り付けられる。基本的な真空は<3×10−5トルである。前洗浄様式においては、通常、使用ガスはアルゴンである。この様式における使用圧力PAr、アノード電位Uおよび放電電流Iは、PAr=6〜8×10−4トル、U=110〜150V、I=1.0〜2.0Aであることが好ましい。付着様式では、反応性ガスの混合物または反応性ガスと希ガスの混合物がガスフィードとして使用される。この様式における使用圧力PはP=0.8×10−3トルであることが好ましく、アノード電位Uおよび放電電流Iは、U=50〜100V、I=1〜5Aであることが好ましい。付着時間は一般に、材料、電流、および水晶式コントローラによって測定されるコーティングの厚さに依存して1〜5分である。
付着は、図2に示されているように、垂直幾何配置および斜め幾何配置で実施する。膜は、静止様式または移動様式で付着させる。
いくつかのタイプのコーティングに対応する典型的な処理パラメータが、表2に要約されている。
Figure 2012512327
本発明に基づく方法を使用することによってさらに、パッシベーション/封入/配向層を、ロール・トゥ・ロールで平行移動している巻取り可能なプラスチック基板の表面に付着させることができる。これは、可撓性OEデバイスを製造するときの重要な利点である。このケースでは、粒子ビーム処理は、プラスチックストリップのロール・トゥ・ロール再巻取りの間に実施される。必要ならば、続いて、このロールを追加の処理ステップにかけることもできる。
本発明において使用されることが好ましいホール源類の源をパルス様式で動作させることができる。これによって、処理条件をさらに穏やかにすることができ、それにより、OE層が損傷する危険性、および、OEデバイスが構築されたプラスチック基板が損傷する危険性が低減する。
さらに、マスクと、複数の付着ステップまたは付着ステップとエッチングステップとを使用することによって、パターン形成された層(すなわち異なる構造または組成を有している複数の領域からなるパターン)を実現することができる。
本発明に基づく方法はさらに、限定はされないが、蒸着、TFTコーティングなどを含む、OE業界において使用されている他の真空プロセスと両立する。有利には、この方法を、OEデバイス生産の専ら真空の技術ラインで使用することができ、それにより、塵、湿気、空気イオンなどに関係したよく知られている問題を大幅に低減させることができる。
本発明の特に好ましい実施形態を以下に示す。
−付着層が、SiO、SiN、SiO、SiN、Al、Al:N(Nは少量)、TiO、TiO:N(Nは少量)、ZrO、ZrO:N(Nは少量)、Ta、Ta:N(Nは少量)、a−C:H、a−C:H:Nからなる群から選択された材料を含み、またはそのような材料からなる。
−付着ステップにおける支配的粒子エネルギーが、>0.005eV、好ましくは>0.01eV、非常に好ましくは>0.05eV、最も好ましくは>0.1eVである。
−付着ステップにおける支配的粒子エネルギーが、<150eV、好ましくは<100eV、より好ましくは<80eV、非常に好ましくは<50eV、最も好ましくは<30eVである。
−付着が1つのステップで実施され、ここでは、機能層を付着させている間、処理パラメータ(特に粒子エネルギー)は不変である。
−このプロセスが2つの付着ステップを含む。すなわち、(OE構造に対してより無害な)低いエネルギーの粒子、好ましくはエネルギーが<1eVの粒子を使用する第1の付着ステップを適用し、次いで、(より良好なバリア特性を有しているより高密度のコーティングを形成する)より高いエネルギーの粒子、好ましくはエネルギーが1から50eVの粒子を使用する第2の付着ステップを適用する。粒子エネルギーは、源の加速電位および源と基板の間の距離を変更することによって制御することができる。
−付着プロセスが、アノード層源に基づくスパッタリング付着である。このプロセスの好ましい条件は以下のとおりである。
−平行移動様式において剛体基板を処理しロール・トゥ・ロール移動様式において可撓性プラスチック基板を処理するのに適した細長いアノード層源を使用する。
−SiO、AlOなどのような酸化物コーティングの場合には、誘電体ターゲットおよび非反応性ガス(1種または数種)を使用する。このことは、励起された反応性酸素とOE構造との反応を最小化するために好ましい。
−SiO、SiN、Al:Nなどのような窒化物コーティングの場合には、誘電体ターゲット、および非反応性ガス(1種または数種)と窒素の混合物、好ましくはArと窒素の混合物を使用する。
−使用圧力は、ガス混合物に応じて、0.8〜1.5×10−3トルにセットする。
−基板は、アノード層源の放電エリアから>10cm、ターゲットから10から100cmの距離のところにセットする。2ステップ付着プロセスでは、機能コーティングを形成する粒子のエネルギーおよび密度を変更するために、ターゲットからの距離を変えることができる。
−10から100nmの好ましい厚さのコーティングを得るため、付着時間は0.5から5分である。
−付着プロセスが、エンドホール源に基づく直接付着である。このプロセスの好ましい条件は以下のとおりである。
−この付着ステップの粒子ビームは、反応性ガスまたは2種類以上の反応性ガスの混合物から発生させる。反応性ガスは、SiH、N、O、Hからなる群から選択されることが好ましい。使用ガス混合物はさらに、Ar、Kr、Xeなどの希ガスを含んでいてもよく、これらの希ガスは主に、反応性成分のガスキャリアの役目を果たし、反応性成分の付着を支援する。
−この付着ステップの使用圧力は、ガス混合物に応じて0.5×10−3から3×10−3トルである。
−粒子による破壊の可能性を最小化するため、この付着ステップのアノード電位は50から100Vである。
−この付着ステップの放電電流は1から4Aである。
−基板は、アノード層源の放電エリアから>10cm、ターゲットから10から100cmの距離のところにセットする。2ステップ付着プロセスでは、機能コーティングを形成する粒子のエネルギーおよび密度を変更するために、ターゲットからの距離を変えることができる。
−10から100nmの好ましい厚さのコーティングを得るため、付着時間は0.25から3分である。
−機能層の付着が、垂直幾何配置または斜め幾何配置、すなわち付着角度αがそれぞれ0°または0°以外である幾何配置で実施される。機能層が配向層として(または同時に配向層としても)使用される場合には、その使用層を斜めに、すなわち付着角度α≠0°から付着させることが好ましい。インプレーン(in−plane)配向機能を提供するためには、付着角度αが60°から85°であることが好ましい(αは、膜の垂線に対する角度である)。
−このプロセスがさらに、例えば、マスクを利用して、プラズマビームを当てる前またはプラズマビームを当てている最中に基板にマスクをかぶせることによって、プラズマビームが基板の所定の部分に到達することを防ぐステップを含む。
−機能層が、連続プロセスまたはロール・トゥ・ロールプロセスにおいてロールから供給され、またはロールからほどかれた連続的に移動している基板、好ましくは可撓性プラスチック基板の表面への、スパッタリング付着または直接粒子ビーム付着によって製作される。
本明細書のこれよりも前および後において、本発明を、好ましい実施形態を特に参照して説明した。本発明の趣旨および範囲から逸脱することなく、それらの実施形態にさまざまな変更および改変を加えることができることを理解すべきである。具体的には、スパッタリング付着および直接付着は、他の源を使用しても前述のように実現することができる。
下記の実施例において例示のために使用する保護層は、膜の多様性を制限するものではなく、この膜は、スパッタリング付着法および直接付着法によって付着させることができ、パッシベーション目的に使用することができる。コーティングの他の多くの例は上に示されている。また、低エネルギー流束の下で製作されたいわゆるプラズマポリマーコーティングをこの目的のために使用することもできる[例えばH.Biederman他、Surf.And Coat.Technol.、125、371(2000)を参照されたい]。
本発明は、単一の保護層に加えて、本発明に開示された技法と同じ技法もしくは異なる技法を使用し、または本発明の少なくとも1つの技法を他のコーティング技法と組み合わせて使用して、複数の保護層を生成することができることを想定している。
パッシベーション層コーティングを付着させるために使用される基板は、前述の好ましい実施形態で使用した種類の基板だけに限定されない。例えば、結晶板、金属コーティングまたは箔、さまざまなポリマーの等方性および異方性ストリップをこの目的に使用することができる。
本発明の上記の実施形態に対する変更であって、本発明の範囲に依然として含まれる変更を実施することができることが理解される。そうすることはできないと明示されていない限り、本明細書に開示したそれぞれの特徴の代わりに、同じ目的、等価の目的または同様の目的を達成する代替の特徴を使用することができる。したがって、そうではないと明示されていない限り、開示したそれぞれの特徴は、包括的な一連の等価の特徴または同様の特徴の一例に過ぎない。
本明細書に開示した特徴はすべて、当該特徴および/またはステップのうちの少なくともいくつかの特徴および/またはステップが互いに両立しない組合せを除く任意の組合せで、組み合わせることができる。具体的には、本発明の好ましい特徴は、本発明のすべての態様に対して適用可能であり、任意の組合せで使用することができる。同様に、必須ではない組合せにおいて説明した特徴は、(組み合わせることなく)別々に使用することができる。
前述の特徴の多く、特に好ましい実施形態の特徴の多くは、本発明の実施形態の一部分としてだけではなく、それら自体だけで、発明を構成することが理解される。本明細書で請求している任意の発明に加えて、または本明細書で請求している任意の発明に代えて、これらの特徴に対して独立した保護を求めることができる。
次に、以下の実施例を参照することによって本発明をより詳細に説明する。以下の実施例は単なる例であり、本発明の範囲を限定しない。
(実施例1)
ポリ[(2,4−ジメチルフェニル)−ジフェニルアミン](PTAA)を半導体として含んでいる2つのボトムゲート型有機薄膜トランジスタ(OTFT)を、フォトリソグラフィによって画定した金ソース/ドレイン電極を備えたOTS処理したSi/SiO基板上に、このポリマーの4%テトラリン溶液をスピンコーティングすることによって製造する。得られた膜を100℃で10分間乾燥し、その後放置して室温まで冷却する。
準備後、これらのトランジスタの伝達曲線を測定する。2つのデバイスについて測定した曲線は事実上同一である。図5aに、さらにパッシベーションにかけられるこの試験試料の曲線を示す。
7日以内に、この試験試料を封入のために処理し、第2の参照用試料を周囲条件で保管する。このパッシベーションは、アノード層源に基づくスパッタリング付着技法によって実施する。真空室内の基本的な真空は3.5×10−5トルである。フィードガスはアルゴンである。Arの使用圧力は1.1×10−3トルである。源のアノード電位は2.5kV、放電電流は80mAである。ターゲット材料は溶融石英である。アノード層源からの加速されたプラズマ流束を、源から約12cmの距離のところに置かれたターゲット板へ導く。ターゲット原子から形成された2次粒子ビームは、有機デバイスを有している基板の表面に斜めに衝突した。入射角は約60°である。基板とターゲットの間の距離は約60cmである。付着時間は8分であり、その結果、厚さ約50nmのSiOコーティングが得られる。付着中、o−TFTの接点を、マスクによって付着粒子から保護する。
付着後、試験試料に対する伝達曲線を再び測定する。その曲線を図5bに示す。プラズマ付着プロセス前の曲線とプラズマ付着プロセス後の曲線は非常によく似ていることが分かる。どちらの場合も、デバイスは良好に機能するデバイスである。移動度を下表2に示す。
Figure 2012512327
試験試料(封入された)の伝達曲線および(封入されていない)参照用試料の伝達曲線を、製造後6カ月にわたって定期的に測定した。封入されたデバイスのパラメータは全監視時間にわたって持続し(6カ月間に10%の劣化)、一方、参照用試料の性能は徐々に劣化した。製造から2カ月後、このデバイスのスイッチングコントラスト(switchng contrast)は、製造直後に比べて400分の1に劣化した。このことはこの封入の高い有効性を示している。
(実施例2)
ボトムゲート型OTFTを実施例1のとおりに製造し、その伝達特性を測定する。実施例1と同様に、アノード層源に基づくスパッタリング付着法によって、OTFTを封入する。実施例1の付着とは異なり、ターゲットはシリコンウェーハであり、フィードガスはAr(分圧6.5×10−4トル)とO(分圧5×10−4トル)の混合物である。アノード電位は3.2kV、放電電流は85mAである。付着時間は15分であり、この時間は、OTFT上に厚さ約100nmのSiO層が形成される時間に相当する。付着後、デバイスの伝達関数を再び測定する。付着後のスイッチングコントラストは、付着前に比べて1/4に劣化した。この封入されたデバイスは、パッシベーションを実施した実施例1のデバイスのそれに匹敵する老化安定性(aging stability)を示す。
(実施例3)
実施例1と同様に製造したOTFTを有しているガラス基板を、実施例1と同様に封入する。ITO電極を有している第2のガラス基板を、OTFTを有している基板と同様にSiO層でコーティングする。これらの2枚の基板およびそれらの間の9μmスペーサを使用して、対向する基板上での付着方向が逆平行(アンチパラレル)となるように、セルを組み立てる。このセルをエポキシ接着剤で接着し、室温のネマティックLC混合物MLC−6608(Merck KGaA製)を充填する。このLC分子は、プレチルト角89.2°の傾斜垂直配向を示す。このように、この封入層はさらに、液晶材料に対する配向層の役目を果たすことができる。有機電子デバイスの半導体として液晶材料が使用される場合、液晶材料のこの均一な配向の増強は、その電荷キャリア特性を増強することができ、それによってトランジスタ性能を向上させることができる。

Claims (18)

  1. 電子デバイスまたはその構成要素の表面に層を形成する方法であって、
    前記電子デバイスまたは前記構成要素を低エネルギーの粒子のビームに当て、それにより、前記粒子の層を前記電子デバイスまたは構成要素の表面に付着させるステップを含む方法。
  2. 前記層を形成する前記方法が、
    蒸着(VD)、イオン支援蒸着(IAD)、プラズマ増強CVD(PECVD)、プラズマ増強原子層付着(PEALD)およびプラズマ増強ナノ層付着(PENLD)を含むがそれに限定されない、蒸着プロセス、プラズマ増強もしくはイオン増強付着プロセス、またはプラズマ支援もしくはイオン支援付着プロセス、
    からなる群から選択されたプロセスもしくはプロセスステップを含まない、
    ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
  3. 前記デバイスまたは構成要素が、直接にまたはマスクを介して前記粒子のビームに当てられることを特徴とする、請求項1または2に記載の方法。
  4. 前記付着ステップがスパッタリング付着であり、
    前記粒子のビームが、ターゲットからスパッタリングされた粒子ビームである、
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
  5. 前記スパッタリングがアノード層源によって提供されることを特徴とする、請求項4に記載の方法。
  6. 前記付着ステップが直接付着であり、
    前記粒子のビームは、弱く加速されたプラズマまたはイオンのビームである、
    ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
  7. 前記粒子のビームがエンドホール源によって提供されることを特徴とする、請求項6に記載の方法。
  8. 前記層が、SiO、SiN、SiO、SiN、Al、Al:N(Nは少量)、TiO、TiO:N(Nは少量)、ZrO、ZrO:N(Nは少量)、Ta、Ta:N(Nは少量)、a−C:H、a−C:H:Nからなる群から選択された材料を含んでいるかまたはそのような材料からなる、
    ことを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法。
  9. 支配的粒子エネルギーが0.1から30eVであることを特徴とする、請求項1〜8のいずれか1項に記載の方法。
  10. 付着した前記層が機能層であることを特徴とする、請求項1〜9のいずれか1項に記載の方法。
  11. 粒子エネルギーが不変の1つのステップで前記層を付着させることを特徴とする、請求項1〜10のいずれか1項に記載の方法。
  12. 前記層が2つのステップで付着させられ、
    最初のステップでは支配的粒子エネルギーが<10eVであり、
    2番目のステップでは支配的粒子エネルギーが>10eVである、
    ことを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の方法。
  13. 前記層が、保護層、パッシベーション層、封入層、および配向層からなる群から選択される、ことを特徴とする請求項1〜12のいずれか1項に記載の方法。
  14. 有機電子デバイスまたはその構成要素を請求項1〜13のいずれか1項に記載の方法にかけることによって、前記デバイスまたは構成要素を封入する方法。
  15. 請求項1〜14のいずれか1項に記載の方法によって得ることができる、保護層、パッシベーション層、封入層または配向層。
  16. 請求項1〜13のいずれか1項に記載の方法で得ることができる機能層を有しているか、または、請求項14に記載の方法によって封入された、電子デバイスまたはその構成要素。
  17. 請求項1〜16のいずれか1項に記載の方法、電子デバイスまたは構成要素であって、前記電子デバイスまたは構成要素が有機電子デバイスまたはその構成要素である、ことを特徴とする方法、電子デバイスまたは構成要素。
  18. 請求項1〜17のいずれか1項に記載の方法、電子デバイスまたは構成要素であって、
    前記電子デバイスまたは構成要素が、
    電気光学ディスプレイ、液晶ディスプレイ(LCD)、光学情報記憶デバイス、電子デバイス、有機半導体、有機電界効果トランジスタ(OFET)、集積回路(IC)、有機薄膜トランジスタ(OTFT)、無線周波数識別(RFID)タグ、有機発光ダイオード(OLED)、有機発光トランジスタ(OLET)、エレクトロルミネセントディスプレイ、有機光起電力(OPV)デバイス、有機太陽電池(O−SC)、有機レーザダイオード(O−レーザ)、有機集積回路(O−IC)、照明デバイス、センサデバイス、電極材料、光導電体、光検出器、電子写真記録デバイス、キャパシタ、電荷注入層、ショットキダイオード、平坦化層、静電気防止膜、導電性基板および導電性パターンからなる群から選択される、
    ことを特徴とする方法、電子デバイスまたは構成要素。
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