JP2012512237A5 - - Google Patents

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JP2012512237A5
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【書類名】明細書
【発明の名称】アナグレリドおよび類似化合物の製造法
【技術分野】
【0001】
本発明は、治療において有用なキナゾリン化合物を製造する新規な方法に関する。更に詳しくは、前記化合物は、多くの循環器病の治療において有用である。更に詳しくは、本発明は、より一般的にはアナグレリドとして知られている6,7−ジクロロである−1,5−ジヒドロイミダゾ[2,1−b]キナゾリン2(3H)−オンおよびその類似体を、クリーンに且つ効率良く製造する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
下記にその塩酸塩として示されているアナグレリド(6,7−ジクロロ−1,5−ジヒドロイミダゾ[2,1−b]キナゾリン−2(3H)−オンは、強力な血小板減少剤である。
Figure 2012512237
【化1】
【0003】
アナグレリドおよびその製造法について、Nos.3,932,407;4,146,718;4,208,521;4,357,330;Re 31,617;および5,801,245を含む多くの米国特許が発行された。公開欧州特許出願EP 1373268,EP 1700840,EP 1700841,EP 1700842,EP 1700843およびEP 170859も、アナグレリドを製造する方法を開示してきた
【0004】
商業的には、米国特許第5,801,245号で検討されているように、また、図1に示してあるように、アナグレリドは、熱アルコール溶液中で臭化シアンと反応させることによって、または、優先的には、トルエンのような非プロトン性溶媒中で臭化シアンと反応させることによって、中間体エチル−N−(6−アミノ−2,3−ジクロロベンジル)グリシン(化合物I)から、イミノキナゾリン中間体(化合物II)を生成させ、そして、それを単離し、次いで熱アルコール性溶液中で塩基と反応させ、アナグレリド塩基(化合物III)を生成させることによって、塩酸塩一水和物(化合物IV)として製造されてきた。
図1
【化2】
Figure 2012512237

【0005】
塩酸塩一水和物アナグレリド塩(化合物IV)は、塩酸を、アナグレリド塩基(化合物III)のメタノールスラリーに加え、そして加熱し還流することによって製造される。
次いで、その塩酸塩を、高湿度室で水和させる。しかしながら、これら2つの工程は、時間がかかり、且つ、塩酸塩の収率は、ラクタム環の酸加水分解およびメチルエステル生成との競争により、低下し得る。還流して15分後、単離収率は62%であり、これが2時間後には40%まで低下する。
【0006】
通常は、塩は、遊離塩基が望ましくない特性を有するとき、例えば難溶性または非固体物理状態を有するときに、製造される。この場合、アナグレリド塩基(化合物III)と塩酸塩(化合物IV)の両方は、低い水溶解度を有する固体である。更に、結晶水は、ラクタム環を加水分解することによって親分子の分解を促進し得るので、それによって、薬学的アナグレリド処方物には長期安定性に問題が生じる。
【0007】
放射性標識されたアナグレリド塩基は、ヒトおよびサルにおける薬物動態学的研究で用いられており、その結果は、前記塩基が血漿中へ完全に吸収されていることを示していて、生物学的に利用可能であることを証明している。遊離塩基は、胃で塩酸塩に変換され、吸収が増強される。前記の塩と塩基は両方とも同等な薬理効果を示し、活性医薬品として塩酸塩一水和物塩(hydrochloride monohydrate salt)を使用する固有の利点はない。
【0008】
アナグレリドの合成の重要な中間体として、図2に示してあるように、エチル−N−(6−アミノ−2,3−ジクロロベンジル)グリシン(化合物I)を、2,3−ジクロロ−6−ニトロベンジルアミン(化合物V)から製造する。しかしながら、この材料は、その前駆体である2,3−ジクロロ−ニトロベンゾニトリルが極めて毒性が強く且つ皮膚刺激性であるので、もはや市場では容易に入手できない。
図2
【化3】
Figure 2012512237
【0009】
1,2,3−トリクロロベンゼンからエチル−N−(6−アミノ−2,3−ジクロロベンジル)グリシン(化合物I)を生成させる従来の方法は、米国特許第4,146,718号で示されている。
【0010】
中間体2,3−ジクロロ−6−ニトロベンジルハリド(化合物VIII)(式中、ハリドは、ヨウ化物、塩化物または臭化物である)を用いてエチル−N−(6−アミノ−2,3−ジクロロベンジル)グリシン(化合物I)を生成させるための改良方法が、環境的に許容可能な代替方法として開発された(図3)。2,3−ジクロロ−6−ニトロ−トルエン(化合物VII)からの製造経路は、米国特許第5,801,245号に記載されていて、トルエン基のラジカルハロゲン化を含む。しかしながら、ラジカル条件は、非選択的であり得るので、大規模な商業生産で効果的に実施するのは困難であろう。
図3
【化4】
Figure 2012512237
【0011】
図2および図3に示してある両方の反応では、エチル−N−(2,3−ジクロロ−6−ニトロベンジル)グリシン(化合物VI)は、塩化第一スズ還元剤(SnCl/HCl)によって、6−アミノ−2,3−ジクロロベンジルグリシン(化合物I)へと還元される。
この経路の短所は、大量のスズ含有廃棄物の生成である。更に、強酸性反応条件は、芳香環の塩素化を促進し得るので、次工程で除去し難いトリクロロ不純物の混合物が生成する。
【0012】
従来方法に関する更なる問題点は、開示されている方法でキナゾリン化合物を製造するには多くの合成工程が必要であり、そして、その各合成工程により、収率が低下し且つ競争副反応の可能性も増大するという二点である。而して、従来の経路では、中間体と最終生成物を精製する労力が必要であり、最適収率を得ることができない。而して、1つ以上の介在工程(intervening step)の後、処理および精製が必要な場合があり、また、最終精製は常に必要である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
従来技術の問題と欠点を考慮すると、塩基または塩の形態にかかわらず、アナグレリドを製造する改良された合成法を提供することは、本発明の目的である。
【0014】
また、従来の方法の問題を回避する、キナゾリン誘導体を製造する効率的な合成方法を提供することは本発明の目的である。また、集中性(すなわち、合成フラグメントをまとめる)を最大にする方法を提供することも本発明の目的である。また、精製および処理する必要性を確実に最小限にすることも本発明の更なる目的である。中間工程および最終精製工程の必要性を最小限に抑える方法を提供することは、本発明の特有の目的である。而して、既存の経路に比べて、改良された収率を提供する、式(I)の化合物への経路を提供することは、本発明の目的である。また、可能であれば、スズ化合物は危険で問題の多い副産物であるので、スズ化合物の使用を回避することも本発明方法の更なる目的である。
【0015】
また更に、容易に利用可能な出発原料から適当な中間体を製造することも、本発明の追加の目的である。理想的には、これは、環境的に許容可能な方法によって達成される。
【0016】
本発明のなお更なる目的および利点は、本明細書で提供される詳細な説明から明らかとなる。
【課題を解決するための手段】
【0017】
我々は、特定の新規な中間体を経由する上記式(I)のキナゾリン誘導体への改良された経路を見出した。而して、本発明は、上記目的の一部もしくは全部を満たす。それは、中間体としてニトロベンジルスルホネートを含む方法を用いることによって達成される。
【発明の効果】
【0018】
本発明の第一の態様によれば、下式(IX):
【化5】
Figure 2012512237
(式中、RおよびRは、独立に、水素を表すか、または、置換の3−位における代謝反応を直接または間接的に防止するように機能する保護基を表しており;
およびRは、水素であり;
V、W、XおよびYは:H、F、Cl、I、Br、CN、C1−6アルキル、C1−6ハロアルキル、C1−6アルコキシ、C1−6ハロアルコキシおよびC1−6アルカノイルを含む群から独立に選択され;そして
は、H、C1−6アルキルまたはOHである)の化合物を製造する方法が提供され;
また、前記方法は、以下の工程:すなわち、
(a)下式(X):
【化6】
Figure 2012512237
の化合物をニトロ化して、下式(XI):
【化7】
Figure 2012512237
の化合物を生成させる工程;
(b)還元条件下で式(XI)の化合物を反応させて、下式(XII):
【化8】
Figure 2012512237
の化合物を生成させる工程;
(c)式(XII)の化合物を、式R 6 SO Tのアルキルまたはアリールのスルホニルハロゲン化物および有機塩基と反応させて、下式(XIII):
【化9】
Figure 2012512237
(式中、Rは任意に置換されるC1−6アルキル基または任意に置換されるアリール基であり、そしてそのそれぞれは、化学的に可能である場合、C1−6アルキル、C1−6ハロアルキル、−SR、−OR、−NR、−NO、SCF、ハロゲン、−C(O)R、−CN、および−CF(式中、RおよびRは独立にHまたはC1−6アルキルである、およびTはハロである)を含む群から独立に選択される1〜3個の置換基によって任意に置換することができ、Tはハロである)の化合物を生成させる工程:
(d)式(XIII)の化合物を、有機塩基および下式(XIV)
【化10】
Figure 2012512237
(式中、Rは、任意に置換されるC1−6アルキル基またはアリール基であり、そしてそのそれぞれは:C1−6アルキル、C1−6ハロアルキル、−SR、−OR、−NR、−NO、SCF、ハロゲン、−C(O)R、−CN、および−CF(式中、RおよびR9は独立にHまたはC1−6アルキルである)を含む群から独立に選択される1〜3個の置換基によって任意に置換することができる)のグリシン誘導体と反応させて、下式(XV)
【化11】
Figure 2012512237
の化合物を生成させる工程;
(e)還元条件下で式(XV)の化合物を反応させて、下式(XVI): 【化12】
Figure 2012512237
の化合物を生成させる工程;
(f)ブロモシアノ化条件下で式(XVI)の化合物を反応させて、下式(XVII):【化13】
Figure 2012512237
の化合物を生成させる工程;
(g)シクロアルキル化条件下で式(XVII)の化合物を反応させて、下式(IX) 【化14】
Figure 2012512237
の化合物を生成させる工程を含む。
【0019】
本発明の第二の態様によれば、下式(XII): 【化15】
Figure 2012512237
の化合物を、式 6 SO Tのアルキルまたはアリールのスルホニルハロゲン化物および有機塩基と反応させることによって、下式(XIII):
【化16】
Figure 2012512237
の化合物を製造する方法が提供され、前記式中:
V、W、X、およびYは:H、F、Cl、I、Br、CN、C1−6アルキル、C1−6ハロアルキル、C1−6アルコキシ、C1−6ハロアルコキシおよびC1−6アルカノイルを含む群から独立に選択され;そして
は、任意に置換されるC1−6アルキル基または任意に置換されるアリール基であり、そのそれぞれは、化学的に可能である場合、C1−6アルキル、C1−6ハロアルキル、−SR、−OR、−NR、−NO、SCF、ハロゲン、−C(O)R、−CN、および−CF(式中、RおよびRは独立にHまたはC1−6アルキルである)を含む群から独立に選択される1〜3個の置換基によって任意に置換することができる;そしてTはハロである。
【0020】
一つの実施態様では、アルキルまたはアリールのスルホニルハロゲン化物が塩化物である。しかしながら、例えばスルホニルフッ化物のような代替ハロ誘導体を使用することができる。
【0021】
別の実施態様において、R 6 SO Tの無水物に相当する式(R 6 SO 2 )20の化合物を、ニトロベンジルスルホネート(XIII)を準備する代わりに使用することができる。酸無水物は、各R 6 が異なっている対称酸無水物または混合酸無水物とすることができる。
【0022】
本発明の第三の態様によれば、下式(XIII): 【化17】
Figure 2012512237
の化合物を、有機塩基および下式(XIV): 【化18】
Figure 2012512237
のグリシン誘導体と反応させて、下式(XV) 【化19】
Figure 2012512237
の化合物を生成させることによって、式(XV)の化合物を製造する方法が提供され、前記式中、
V、W、X、およびYは:H、F、Cl、I、Br、CN、C1−6アルキル、C1−6ハロアルキル、C1−6アルコキシ、C1−6ハロアルコキシおよびC1−6アルカノイルを含む群から独立に選択され;そして
およびRは、H;シアノ;C1−6アルキル、SC1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、C3−8シクロアルキルを含む群から独立に選択され、その場合、前記のアルキル、アルケニル、アルキニルまたはシクロアルキル基は:ハロ、ヒドロキシル、シアノ、ニトロ、C1−4アルキルスルホニルおよびCOOH;C1−6ヒドロキシアルキル;C1−6カルボキシアルキル;およびスルフィドを含む群から独立に選択される1〜5個の基によって任意に置換することができ;
または、RおよびRは、それらが結合されている炭素と一緒になって:ハロ、ヒドロキシル、シアノ、ニトロ、C1−4ハロアルキル、C1−4アルキルスルホニルおよびCOOHを含む群から独立に選択される1〜5個の基によって任意に置換することができるC3−8炭素環を形成するか;
または、RおよびRは、それらが結合されている炭素原子と一緒になって、結合されている環に対して二重結合によって結合されていて、且つ、ハロ、ヒドロキシル、シアノ、C1−4ハロアルキルおよびCOOHを含む群から独立に選択される1〜3個の基によって任意に置換することができるC2−6アルケニル基またはC2−6アルキニル基を表しており;そして
は、任意に置換されるC1−6アルキル基またはアリール基であり、そしてそのそれぞれは:C1−6アルキル、C1−6ハロアルキル、−SR、−OR、−NR、−NO、SCF、ハロゲン、−C(O)R、−CN、および−CF(式中、RおよびRは独立にHまたはC1−6アルキルである)を含む群から独立に選択される1〜3個の置換基によって任意に置換することができる。
【0023】
本発明の第四の態様によれば、下式(XIII):
【化20】
Figure 2012512237
(式中、V、W、X、Y、およびRは、上記と同じ意味を表す)の化合物が提供される。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下は、本発明の第一、第二、第三および第四の態様のそれぞれに関連のある本発明の実施態様である。
【0025】
一つの実施態様では、Yは、好ましくはハロであり、より好ましくはクロロである。
【0026】
一つの実施態様では、Xは、好ましくはハロであり、より好ましくはクロロである。
【0027】
一つの実施態様では、VはHである。
【0028】
一つの実施態様では、WはHである。
【0029】
一つの実施態様では、Rは、H、または任意に置換されるC1−4アルキル基もしくはC3−8シクロアルキル基である。
【0030】
一つの実施態様では、Rは、H、または任意に置換されるC1−4アルキル基もしくはC3−8シクロアルキル基である。
【0031】
一つの実施態様では、RおよびRは、両方ともメチルであるか、または一緒になってシクロプロピル基を形成する。
【0032】
およびRに関する上記実施態様のそれぞれにおいて、1個以上の水素原子を、重水素で置換することができる。同様に、1個以上の炭素原子を、13Cで置換することができる。
【0033】
一つの実施態様では、Rは、水素または重水素である。好ましくは、Rは、水素である。
【0034】
一つの実施態様では、Rは、水素または重水素である。好ましくは、Rは、水素である。
【0035】
一つの実施態様では、Rは、水素または重水素である。好ましくは、Rは、水素である。
【0036】
一つの実施態様では、Rは、任意に置換されるC1−6アルキル基または任意に置換されるアリール基である。R がアリールである時、それは好ましくはフェニルである。より好ましくはR メチルまたはトリルである。最も好ましくは、Rはメチルである。
【0037】
一つの実施態様では、Rは、任意に置換されるC1−6アルキル基であり、より好ましくはメチルまたはエリルである。
【0038】
一つの実施態様では、Tはクロロ、フルオロ、またはブロモである。好ましくはTはクロノである。
【0039】
化合物(XI)の化合物(XII)への還元は、錯金属水素化物を用いて達成できる。
適当な還元剤は、水素化ホウ素ナトリウムである。
【0040】
一つの実施態様では、式(XIII)の化合物を製造するために用いられる有機塩基は、脂肪族または芳香族のアミンである。好ましくは、塩基は脂肪族アミンである。より好ましくは、塩基は第三脂肪族アミンである。特に適当な塩基は、トリ(C1−10アルキル)アミン、例えばトリエチルアミンである。
【0041】
一つの実施態様では、式(XIII)の化合物の製造で用いられる溶媒は、極性非プロトン性溶媒である。適当な極性非プロトン性溶媒としては:ジクロロメタン、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ジアルキルエーテル、例えばジメチルエーテル、ジエチルエーテル、およびグリコール、例えばエチレングリコールが挙げられる。好ましくは、溶媒はジクロロメタンである。
【0042】
一つの実施態様では、式(XIII)の化合物を生成させる方法は、室温(25℃)未満で行う。より好ましくは、前記方法は、−10℃〜+15℃の温度で、最も好ましくは0℃〜+10℃で行う。反応は、好ましくは、10分から60分間にわたり、好ましくは約30分間にわたり行う。
【0043】
更なる実施態様では、反応から得られた生成物(式(XIII)の化合物である)を単離する。好ましくは、それを次の工程で用いて、クロマトグラフィー精製または再結晶を要せずに、式(XV)の化合物を生成させる。
【0044】
別の実施態様では、式(XV)の化合物を生成させるための方法で用いられる有機塩基は、脂肪族または芳香族のアミンである。塩基は、式(XIII)の化合物を生成させるために用いられる塩基と同じかまたは異なっていてもよい。好ましくは、塩基は、第三脂肪族アミンである。特に適当な塩基は、トリ(C1−10アルキル)アミン、例えばトリエチルアミンである。
【0045】
式(XV)の化合物を生成させる方法は、好ましくは、極性非プロトン性溶媒を用いる。
70℃未満の沸点を有する溶媒を除いて、式(XIII)の化合物の生成に関連して説明したものと同じ溶媒を用いてもよい。溶媒は、より高い沸点、すなわち70℃を超える沸点を有することが好ましい。ジメチルホルムアミドは、特に好ましい溶媒である。
【0046】
反応を完了させて式(XV)の化合物を生成させるために、有機塩基を加えた後、その反応混合物にHBrを加える。而して、得られる生成物は、臭化水素塩である。同様に、HClを用いることができる。スルホン酸のような他の酸、例えばメタンスルホン酸を用いることもできる。
【0047】
一つの実施態様では、反応は、高温で、すなわち室温を超える温度(25℃)で行う。
更に好ましくは、反応は、70℃〜130℃の温度で、最も好ましくは80℃〜100℃の温度で行う。
【0048】
一つの実施態様では、接触水素化法を用いて、式(XV)の化合物を、式(XVI)の化合物へと還元する。触媒は、遷移金属であることができる。反応は、均一または不均一な条件下で行うことができる。相間移動触媒も用いることができる。好ましい触媒は、Pd/Cである。
【0049】
本発明は、薬学的に許容可能な式(IX)〜(XVII)の同位元素標識化合物の合成を含む、その場合、前記式中、同じ原子番号を有するが、自然で通常認められる原子質量または質量数と異なる原子質量または質量数を有する原子によって、1個以上の原子が置換される。
【0050】
本発明の化合物中に含有させるのに適する同位元素としては、例えば、水素の同位元素、 Hおよび H)、炭素、( 11 C、 13 Cおよび 14 C)、塩素、( 36 Cl)、フッ素、( 18 F)、ヨウ素、( 123 Iおよび 125 I)、窒素、( 13 Nおよび 15 N)、酸素、( 15 O、 17 Oおよび 18 O)、リン、( 32 P)、そして硫黄、( 35 S)が挙げられる。
【0051】
ある種の同位元素標識化合物、例えば、放射性同位元素を組み込んでいる化合物は、薬物および/または基質の組織分布研究において有用である。放射性同位元素トリチウム、すなわちHおよび炭素14、すなわち14Cは、それらの組み込み易さ、そして迅速な検出手段の観点から、本目的に特に有用である。
【0052】
重水素、すなわちHのようなより重い同位元素で置換すると、より大きな代謝安定性、例えば、in vivo半減期の延長または投薬要求条件の緩和から生じるある種の治療上の利点を提供することができ、またそれ故に、いくつかの状況においては好ましい場合がある。
【0053】
陽電子放出同位元素、例えば11C、18F、15Oおよび13Nによる置換は、基質受容体占有率を調べる陽電子放射断層撮影(PET)研究において有用であり得る。
【0054】
同位元素標識化合物は、当業者に公知の従来の技術によって、または、これまで用いられている非標識試薬の代わりに適当な同位元素標識試薬を用いて、説明した方法と類似の方法によって、一般的に製造できる。
【0055】
図4は、前記方法が、どのようにしてアナグレリド自体に適用されるかを概略的に示している。驚くべきことに、2,3−ジクロロベンズアルデヒド(化合物XVIII)を、6位で優先的にニトロ化して、2,3−ジクロロ−6−ニトロベンズアルデヒド(化合物XIX)を生成させ、その異性体から分離し、そして、標準的な還元条件下で2,3−ジクロロ−6−ニトロベンジルアルコール(化合物XX)へと還元する。6位の優先的ニトロ化は、既存の置換基の既知の配向性効果の観点から、当初の予想に反していた。ベンズアルデヒドは、約72%の収率の大多数の異性体としてメタ(3−ニトロ)生成物と、わずか19%を占めるオルト異性体を生産することが知られている。ニトロ化剤は、濃硫酸内の発煙硝酸である。そのアルコールをアルキルまたはアリールのスルホニルハロゲン化物で処理して、2,3−ジクロロ−6ニトロベンジルスルホニル誘導体(化合物XXI)を得る。
図4
【化21】
Figure 2012512237
【0056】
アナグレリドまたはアナグレリド誘導体を製造する本発明方法の別の有用な特徴は、5,6−ジクロロ−3,4−ジヒドロ−2(1H)イミノキナゾリン−3−アセテートHBR(化合物II)から、6,7−ジクロロ−1,5−ジヒドロイミダゾ[2,1−b]キナゾリン−2(3H)オン(化合物III)を生成させるための例えば図1に示してある最終的な環化反応は、有機塩基、例えばトリエチルアミン(TEA)、ピリジンまたはトリメチルアミン、好ましくはTEAを、水中出発原料懸濁液に対して加えることによって室温で達成でき、そしてアナグレリド塩基が、HPLCによって純度約99.8%で得られるという発見である。臭化水素酸塩(化合物II)形態のエチル5,6−ジクロロである−3,4−ジヒドロ−2(1H)イミノキナゾリン−3−アセテートからのアナグレリド塩基の製造は、従来通り、臭化水素と一緒にアナグレリド塩基を処理した後で、塩基の存在下で有機アルコールを還流する際の環化によって達成される。
【0057】
これは、最終生成物における残留溶媒または有機不純物の吸蔵の原因となる。ほとんどの有機溶媒中においてアナグレリド遊離塩基は溶解性が低いので、この段階での更なる精製は制限される。イミノキナゾリン中間体である5,6−ジクロロ−3,4−ジヒドロ−2(1H)イミノキナゾリン−3−アセテート臭化水素酸塩(化合物II)は、室温で水に不溶性であるので、この溶媒が、より多くの純粋なアナグレリド塩基(化合物III)を提供するという発見は驚くべきことである。
【0058】
この発見は、初期のプロセス利点、例えば、改良された純度および多くの精製手順の必要性の回避も保持する。そしてその利点は、合成の初期段階で新規のスルホネート中間体を用いることによって得られる。
【0059】
メタノール/塩酸を還流する際のアナグレリド塩酸塩の生成は、強力な精製効果を示し、有機不純物および溶媒不純物を容易に除去する。しかしながら、還流条件下では、酸加水分解が速く、塩酸塩の収率は時間とともに急速に減少する。
【0060】
商業生産のために必要とされるより大量のバッチサイズと共に、反応混合物を還流する時間は、重要である。而して、塩酸塩の生成は、本発明の方法を用いる高い純度のアナグレリド塩基(化合物Ill)を製造することに比べて、より効率の低い精製手段である。
【0061】
図5は、本発明の方法がどのようにして3,3−ジメチルアナグレリドの合成に適用できるかについて概略的に示している。個々の工程のそれぞれで説明してある条件は、類似した置換または未置換のアナグレリドの製造における他の類似の変換に対して一般的に適用できる。
図5
【化22】
Figure 2012512237
【0062】
当業者は、本明細書で説明される方法の適応および/または当業において公知の方法の適応が本発明の方法に適用できることを認めるだろう。
【0063】
例えば、当業者には、標準的な教科書、例えば“Comprehensive Organic Transformations − A Guide to Functional Group Transformations” , RC Larock, Wiley−VCH (1999年以降の版), “March’s Advanced Organic Chemistry − Reactions, Mechanisms and Structure”, MB Smith, J. March, Wiley, (第6版(2007)以降) “Advanced Organic Chemistry, Part B, Reactions and Synthesis”, FA Carey, RJ Sundberg, Kluwer Academic/Plenum Publications, (2001年以降の版), “Organic Synthesis − The Disconnection Approach”, S Warren (Wiley), (1982年以降の版), “Designing Organic Syntheses”S Warren (Wiley) (1983年以降の版),“Guidebook To Organic Synthesis” RK Mackie and DM Smith(Longman)(1982年以降の版)など、およびガイドとしてその中に記載されている参考文献は公知であろう。合成変換を行うための標準的な手順は、www.orgsyn.orgでも見つけることができる。
【0064】
図4を参照すると、驚くべきことに、2,3−ジクロロベンズアルデヒド(化合物XVIII)を、6位で優先的にニトロ化して、前述したように2,3−ジクロロ−6−ニトロベンズアルデヒド(化合物XIX)を生成させ、その異性体から分離し、そして、標準的な還元条件下で2,3−ジクロロ−6−ニトロベンジルアルコール(化合物XX)へと還元する。ニトロ異性体の分離は、所望の6−ニトロ誘導体を優先的に形成するため、結晶化によって都合よく行うことができる。これは、重要な処理の優位性を表している。
【0065】
2,3−ジクロロ−6−ニトロベンズアルデヒド(化合物XIX)を生成させるための2,3−ジクロロベンズアルデヒド(化合物XVIII)のニトロ化は、好ましくは、反応温度を約−10〜40℃、好ましくは20〜25℃に保つために氷浴を用いて、硫酸中化合物(XVIII)溶液に濃硝酸を加えることによって行う。
【0066】
その反応混合物を、一般的に、その温度で、1時間以上撹拌し、次いで、好ましくは、水中に懸濁させ、濾過する。濾過ケーキは、好ましくは、水で洗浄して、化合物XIXと、その異性体5−ニトロベンズアルデヒドとの混合物を生成させる。異性体は、5−ニトロ異性体が除去されるまで、例えばヘキサンのような有機溶媒を用いて、分離することができる。
【0067】
2,3−ジクロロ−6ニトロベンズアルデヒド(化合物XIX)から2,3−ジクロロ−6−ニトロベンジルアルコール(化合物XX)を生成させるために、化合物XIXを、好ましくは、溶媒または溶媒混合物中で、例えばトルエンとメタノール中で可溶化させる。
化合物XIXの溶液を、約40℃未満の反応温度、好ましくは25℃の反応温度を維持しながら、有機溶媒中水素化ホウ素ナトリウムのような還元性溶液に加える。反応を、好ましくは窒素下で室温において24時間撹拌し、次いで、水で洗浄する。その水層を除去した後、有機層を共沸的に乾燥させ濃縮させて、2,3−ジクロロ−6−ニトロベンジルアルコール(化合物XX)を生成させる。
【0068】
有機塩基を有する溶液中アルコールを、アルキルまたはアリールのスルホニルハロゲン化物または酸無水物と、例えばメタンスルホニルクロライドと反応させることによって、スルホン酸誘導体を生成させる。スルホニルクロライド誘導体は、室温未満に、例えば好ましくは0〜10℃に維持しながら前記溶液に加える。
【0069】
而して、反応は、窒素のような不活性気体の存在下、適当な溶媒中で、2,3−ジクロロ−6−ニトロベンジルアルコール(化合物XX)とトリエチルアミンのような塩基を、メタンスルホニルクロライドのようなアルキルまたはアリールのスルホニルハロゲン化物、もしくはメタンスルホン酸無水物などの酸無水物と最初に反応させることによって行う。
【0070】
本発明の一部分でもある次の工程では、得られたスルホン酸塩誘導体を適当な溶媒中に取り、トリエチルアミンおよび関連のグリシン誘導体で処理する。スルホン酸塩誘導体は、単離してもよいか、または、単離せずに、次の工程へと繰り越してもよい。3,3−ジメチルアナグレリドを製造する場合、例えば、得られるグリシン誘導体は、1,1−ジメチルエチルN−(2,3−ジクロロ−6−ニトロベンジル)グリシン誘導体(化合物XXII)である:
【化23】
Figure 2012512237
【0071】
本発明の一つの利点は、1,1−ジメチルエチルN−(2,3−ジクロロ−6−ニトロベンジル)グリシン誘導体(化合物XXII)およびその1−非置換または置換の類似体を、従来技術で説明したような中間体ハロ誘導体を生成させる必要もなく、対応する2,3−ジクロロ−6−ニトロベンジルアルコール(化合物XX)から直接に生成させることができる点である。この事実は、この特有の工程において、そして、合成全体においての両方で、多くの予期外の利点をもたらす。
【0072】
次いで、従来の還元剤、例えば塩化第一スズと塩酸との混合物または、以下で述べるその他の還元剤によって、グリシン誘導体上の芳香族ニトロ基を還元する。本発明による一手順では、グリシン(化合物XXII)溶液を、塩化スズ溶液にゆっくり加え、そして、得られた反応混合物を、約2時間、約40〜50℃の高温で加熱する。
固体を濾過し、その濾過ケーキを、水と有機溶媒、例えば塩化メチレンに溶かす。その溶液のpHを水酸化ナトリウムで約12.5に調整し、有機相を分離させ、水相を塩化メチレンで抽出する。組み合わせた有機相を、水で洗浄し、共沸的に乾燥させ、その溶液を濃縮し、有機溶媒を加え、溶液を−20〜−30℃まで冷却する。沈殿した固体を、濾過によって捕集し、その粗生成物を、ヘプタンまたは別の有機溶媒から再結晶させる。
【0073】
可能であれば、本発明では還元に影響を与えるとスズ試薬の使用を避けるように努める。
従って、本発明の別の手順では、1,1−ジメチルエチルN−(2,3−ジクロロ−6−ニトロベンジル)グリシン(化合物XXII)を、水素圧力下で、炭素担持の白金、酸化白金、ロジウム、およびパラジウムのような金属または金属系触媒を用いて、接触水素化することもできる。次いで、濾過することによって触媒を除去し、得られた濾液を、濃縮し、水および有機溶媒で希釈し、そしてアルカリを用いてpH約9〜10まで塩基性化する。有機相を分離し、濃縮し、そしてその粗原料(crude material)を、低温再結晶によって精製して、1,1−ジメチルエチル−(6−アミノ−2,3−ジクロロベンジル)グリシンを生成させる。
【0074】
式(I)のグリシン誘導体からの化合物(II)の製造は、熱アルコール溶液中で臭化シアン(cyanogen bromide)用いて、または、非プロトン性溶媒中における臭化シアンの反応によって、達成される。
【0075】
6,7−ジクロロ−1,5−ジヒドロイミダゾ[2、1−b]キナゾリン−2(3H)オン(化合物III)は、水中に5,6−ジクロロ−3,4−ジヒドロ2(1H)イミノキナゾリン−3−アセテートHB(化合物(II))を懸濁させ、TEAのような有機塩基を加えることによって、化合物(II)から製造できる。その溶液を濾過した後に、濾過ケーキを水中で洗浄し、固体をアルコール中に懸濁させる。濾過後に、固体をアルコール中ですすぎ、乾燥させて、化合物に(III)を得る。
【0076】
而して、特に3,3−ジメチルアナグレリドの場合、本発明の合成手順は、以下の図6のように概略的に例示できる:
図6
【化24】
Figure 2012512237

【0077】
実施例
【0078】
2,3−ジクロロ−6−ニトロベンズアルデヒド
【化25】
Figure 2012512237
【0079】
濃硫酸(100mL)中2,3−ジクロロベンズアルデヒド(20g、114mmol)に対して、発煙硝酸(5.4mL、8.16g、130mmol)を慎重に加えた。得られた溶液を、1時間撹拌し、次に氷/水スラリー上へと注ぎ、沈殿を濾過して捕集した。その沈殿をジエチルエーテル(400mL)中に溶かし、そしてその溶液を水と飽和炭酸ナトリウムで洗浄し、次いで、乾燥させ(MgSO)、濃縮させた。残留物は、最小限の熱ジエチルエーテル中に再溶解させ、次いで、激しく撹拌したガソリン(1L)中に迅速に注いだ。10分間更に撹拌した後に、吸引濾過によって沈殿を捕集し、真空下で乾燥させて、実質的に異性体の無い2,3−ジクロロ−6−ニトロベンズアルデヒド9.98g(40%)を得た。
【0080】
0.32(ガソリン−ジエチルエーテル,8:2v/v)
H NMR(CDCl,300MHz):δ10.34(s,1H,CHO),8.01(d,J=8.7Hz,1H,ArH),7.76(d,J=8.7Hz,1H,ArH).
【0081】
2,3−ジクロロ−6−ニトロベンジルアルコール
【化26】
Figure 2012512237
【0082】
テトラヒドロフラン(75mL)中2,3−ジクロロ−6−ニトロベンズアルデヒド(7.62g、34.9mmol)溶液に対して、水素化ホウ素ナトリウム(1.31g、34.9mmol)を加え、次にエタノール(1.75mL)を加え、そしてその混合物を1.5時間撹拌した。飽和水性塩化アンモニウム(75mL)を加え、そしてその溶液を、EtOAcで3回抽出した。その組み合わせた有機層を、乾燥させ(MgSO)、次いで濃縮し、結晶化した油状物として2,3−ジクロロ−6−ニトロベンジルアルコール7.62g(98%)を得た。
【0083】
0.37(ガソリン−ジエチルエーテル,8:2v/v) H NMR(CDCl,300MHz):δ7.78(d,J=8.9Hz,1H,ArH),7.60(d,J=8.9Hz,1H,ArH),4.96(s,2H,ベンジリックCH),2.77(幅の広いs,1H,OH).
【0084】
メチル2−アミノイソブチレート塩酸塩
【化27】
Figure 2012512237
【0085】
メタノール(300mL)中2−アミノイソ酪酸(25.0g、243mmol)懸濁液に対して、塩化チオニル(27.0mL、43.0g、365mmol)を加え、その反応を12時間還流して加熱した。得られた溶液を濃縮し、ジエチルエーテル・テトラヒドロフランと一緒に完全に粉砕して、白色粉体として生成物29.8g(80%)を得た。
【0086】
H NMR(DMSO−d,300MHz):δ8.80(幅の広いs,3H,NH ),3.74(s,3H,CHO),1.48(s,6H,2×CH).
【0087】
メチル1−[(2、3−ジクロロ−6−ニトロベンジル)アミノ]イソブチレート
【化28】
Figure 2012512237
【0088】
無水ジクロロメタン(200mL)中2,3−ジクロロ−6−ニトロベンジルアルコール(9.00g、40.5mmol)とトリエチルアミン(8.35mL、6.06g、60.0mmol)との溶液に対して、5℃で、窒素の存在下で、メタンスルホニルクロライド(3.48mL、5.15g、45.0mmol)を滴下して加えた。その溶液を1時間撹拌し、次いで、分液漏斗へと移し、氷冷1M塩酸、飽和水性炭酸ナトリウムおよび水で順次洗浄し、乾燥させ(MgSO4)、濃縮して、ワックス状の固体としてメシレートを得た。
【0089】
メシレートを無水DMF(200mL)中に取り、トリエチルアミン(13.9mL、10.1g、100mmol)およびメチル−2−アミノイソブチレート塩酸塩(7.68g、50mmol)で処理し、そしてその混合物を撹拌し、90℃で一晩加熱した。冷却後、その混合物を、水(500mL)とジエチルエーテル(500mL)と間に分配し、層を分離させた。水層をジエチルエーテルで再抽出し(2×200mL)、その組み合わせた有機層を、水(5×200mL)で洗浄し、乾燥させ(MgSO)、シリカのショートパッド(short pad)を通して濾過し、そして濃縮して、更なる精製を行わなくても使用される油状物(10.78g(83%))を得た。
【0090】
0.49(ガソリン−ジエチルエーテル,8:2v/v) H NMR(CDCl,300MHz):δ7.65(d,J=9.0 Hz,1H, ArH),7.51(d,J=9.0Hz,1H,ArH),3.98(s,2H,ベンジリックCH),3.75(s,3H,CHO),1.36(s,6H,2×CH).
【0091】
メチル1−[(6−アミノ−2,3−ジクロロベンジル)アミノ]イソブチレート
【化29】
Figure 2012512237
【0092】
エタノール(350mL)中メチル1−[(2,3−ジクロロ−6−ニトロベンジル)アミノ]イソブチレート(10.70g、33.3mmol)溶液に対して、SnCl・2HO(30.1g、133mmol)を加え、そしてその得られた溶液を55℃で3時間加熱した。冷却後、その溶液を、飽和水性炭酸ナトリウム(200mL)とEtOAc(200mL)との急速撹拌されている混合物中に注いだ。5分後、セライトを加え、そしてその得られたスラリーを真空下でセライトの別のスラリーを通して濾過した。その層を分離し、そして、その水層を、更なるEtOAcで再抽出した。その組み合わせた有機層を、乾燥させ(MgSO)、シリカのパッドを通して濾過し、濃縮して、更なる精製をせずとも使用される油状物を定量的収率で得た。
【0093】
H NMR(DMSO−d,300MHz):δ7.18(d,J=8.7Hz,1H,ArH),6.63(d,J=8.7Hz,1H,ArH),3.69(s,2H, ベンジリックCH),3.66(s,3H,CHO),1.29(s,6H,2×CH).
【0094】
3,3−ジメチルアナグレリド臭化水素酸塩
【化30】
Figure 2012512237
【0095】
トルエン(120mL)中メチル1−[(6−アミノ−2,3−ジクロロベンジル)アミノ]イソブチレート(8.73g、30.0mmol)溶液に対して、トルエン(30mL)中臭化シアン(3.44g、32.0mmol)溶液を滴下して加えた。その得られた溶液を、室温で1.5時間、次いで100℃で1時間撹拌し、そして最後に室温で一晩撹拌した。溶媒を蒸発させ、残留物をメタノール(100mL)中に懸濁させた。そこにトリエチルアミン(7.0mL、5.05g、50mmol)を加え、得られた懸濁液を1時間撹拌した。その混合物を分けて遠心分離して、微細沈殿物を単離し、そしてその沈殿物を、デカンテーションおよび遠心分離によって、メタノールで二度洗浄した。得られた濃厚なスラリーをフラスコに移し、そしてその溶媒を蒸発させて3,3−ジメチルアナグレリド遊離塩基を得た。次いで、それを、新鮮なメタノール(50mL)中に懸濁させ、48重量%の臭化水素酸(2.0mL、3.0g、18mmol)で処理し、そして、その溶液を短時間に加熱して還流させた。なお還流温度に近い温度である間に、チャコール(およそ1g)を加え、そしてその溶液をセライトを通して濾過した。冷却後、メタノールを蒸発させ、残留物を、還流エタノール(50mL)から再結晶させて、白い結晶質固体として3,3−ジメチルアナグレリド臭化水素酸塩を生成させ、そしてそれを吸引濾過によって捕集し、ジエチルエーテルで洗浄し、そして、70℃で真空下一晩乾燥させた。得られた収率(母液からの更なる生成物を含む)は全体で60%であった。
【0096】
H NMR(DMSO−d,300MHz):δ7.62(d,J=9Hz,1H, ArH),7.09(d,J=9Hz,1H,ArH),4.64(s,2H,ベンジリックCH),1.43(s,6H,2×CH).
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