JP2012511546A - Kv1.3カリウムチャンネル遮断薬としてのスピロアゼパン−オキサゾリジノン - Google Patents

Kv1.3カリウムチャンネル遮断薬としてのスピロアゼパン−オキサゾリジノン Download PDF

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Abstract

本発明は、電位依存性Kv1.3カリウムチャンネル遮断薬としてのスピロアゼパン−オキサゾリジノン、これらの化合物を含有する製薬学的組成物、これらの化合物を製造する方法、それらの合成に有用な新規中間体を製造する方法および組成物を製造する方法に関する。本発明はまた、そのような化合物および組成物の使用、特に、関節リウマチおよび多発性硬化症のようなT細胞媒介性自己免疫疾患を包含する、糖尿病、乾癬、肥満症、移植拒絶反応および炎症性ニューロパシーの処置において治療効果を得るために患者にそれらを投与することにおけるそれらの使用にも関する。これらの化合物は式(1):
【化1】

[式中、記号は明細書に示した意味を有する]
を有する。

Description

本発明は、薬化学および有機化学の分野に関する。本発明の態様は、電位依存性Kv1.3カリウムチャンネル遮断薬としてのスピロアゼパン−オキサゾリジノン(1−オキサ−3,8−ジアザスピロ−[4.6]ウンデカン−2−オン)、ならびに中間体、製剤および方法に関し、そしてそれらを提供する。
ベンズアミドメチレン−シクロヘキシル骨格に基づく電位依存性Kv1.3カリウムチャンネルの遮断薬は、特許文献1(Merck & Co.,2000)において、Schmalhofer et al.(非特許文献1)により、Baell(非特許文献2)およびHarvey(非特許文献3)により開示された。
WO 00/25786明細書
Biochemistry,41,7781−7794,2002 Expert Opin.Ther.Patents,15(9),1209−1220,2005 J.Med.Chem.,49(4),1433−1441,2006
[開示]
置換されたスピロアゼパン−オキサゾリジノン(1−オキサ−3,8−ジアザスピロ[4.6]ウンデカン−2−オン)は新規の電位依存性Kv1.3カリウムチャンネル遮断薬であることが見出された。本発明は、式(1)
[式中:
−RおよびRは独立して水素、重水素、フッ素、CFあるいは非置換のまたは1個
もしくはそれ以上のフッ素原子で置換されたアルキル(C1〜3)であり、
−nは0(ゼロ)、1もしくは2であり、
−Rはハロゲン、アルキル(C1〜3)、CF、CN、NH、NHAc、OH、OCHもしくはOCFから選択され、
−mは0(ゼロ)、1、2もしくは3であり、
−Rはハロゲン、アルキル(C1〜3)、CF、CN、NH、NHAc、OH、OCHもしくはOCFから選択されるか、または
(Rおよびそれが結合しているフェニル環はナフチル基を形成する]
の化合物、もしくは互変異性体、立体異性体、または前述のいずれかの薬理学的に許容しうる塩に関する。
本発明はまた、ある態様において、RおよびRが独立して水素もしくはメチルであり、nが0(ゼロ)もしくは1であり、Rがハロゲンであり、mが1もしくは2であり、そしてRがハロゲン、CF、CN、OCHもしくはOCFから選択されるか、または(Rおよびそれが結合しているフェニル環がナフチル基を形成する式(1)の化合物、もしくは互変異性体、立体異性体、または前述のいずれかの薬理学的に許容しうる塩にも関する。
他の態様は、RおよびRが独立して水素、重水素、フッ素、CFあるいは非置換のまたは1個もしくはそれ以上のフッ素原子で置換されたアルキル(C1〜3)であり;nが0(ゼロ)、1もしくは2であり;Rがハロゲン、アルキル(C1〜3)、CF、CN、NH、NHAc、OH、OCHもしくはOCFから選択され;mが0(ゼロ)、1、2もしくは3であり;Rがハロゲン、アルキル(C1〜3)、CF、CN、NH、NHAc、OH、OCHもしくはOCFから選択されるか、または(Rおよびそれが結合しているフェニル環がナフチル基を形成する式(1)の1つもしくはそれ以上の化合物もしくは互変異性体、立体異性体、または前述のいずれかの薬理学的に許容しうる塩を提供する。
本発明はまた、ある態様において、RおよびRが独立して水素もしくはメチルであり、nが0(ゼロ)もしくは1であり、Rがハロゲンであり、mが1もしくは2であり、そしてRがハロゲン、CF、CN、OCHもしくはOCFから選択されるか、または(Rおよびそれが結合しているフェニル環がナフチル基を形成する式(1)の化合物、もしくは互変異性体、立体異性体、または前述のいずれかの薬理学的に許容しうる塩にも関する。
さらなる態様は:
(5S)−8−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンゾイル]−3−[(1S)−1−フェニルエチル]−1−オキサ−3,8−ジアザスピロ[4.6]−ウンデカン−2−オン
(5R)−8−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンゾイル]−3−[(1S)−1−フェニルエチル]−1−オキサ−3,8−ジアザスピロ[4.6]−ウンデカン−2−オン
(5R)−8−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンゾイル]−3−[(1R)−1−フェニルエチル]−1−オキサ−3,8−ジアザスピロ[4.6]−ウンデカン−2−オン
(5S)−8−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンゾイル]−3−[(1R)−1−フェニルエチル]−1−オキサ−3,8−ジアザスピロ[4.6]−ウンデカン−2−オン
(5S)−8−[3−シアノベンゾイル]−3−[(1S)−1−フェニルエチル]−1−オキサ−3,8−ジアザスピロ[4.6]ウンデカン−2−オン
(5R)−8−[3−シアノベンゾイル]−3−[(1S)−1−フェニルエチル]−1−オキサ−3,8−ジアザスピロ[4.6]ウンデカン−2−オン
(5R)−8−[3−シアノベンゾイル]−3−[(1R)−1−フェニルエチル]−1−オキサ−3,8−ジアザスピロ[4.6]ウンデカン−2−オン
(5S)−8−[3−シアノベンゾイル]−3−[(1R)−1−フェニルエチル]−1−オキサ−3,8−ジアザスピロ[4.6]ウンデカン−2−オン
から選択される式(1)の化合物もしくは互変異性体、立体異性体、または前述のいずれかの薬理学的に許容しうる塩を提供する。
他の態様は、式(1)の1つもしくはそれ以上の化合物またはその薬理学的に許容しうる塩を提供し、該化合物は光学活性鏡像異性体もしくはジアステレオ異性体である。
本発明はまた、ある態様において、オキサゾリノン環の窒素原子に結合している炭素原子が(R)もしくは(S)鏡像異性体である式(1)の化合物もしくはその薬理学的に許容しうる塩にも関する。
本発明はまた、ある態様において、中心第四級スピロ炭素原子が(R)もしくは(S)鏡像異性体である式(1)の化合物もしくはその薬理学的に許容しうる塩にも関する。
本発明の他の態様は、式(v)、(vi)もしくは(vii)
[式中、R、R、nおよびRは上記に示した通りの意味を有する]
の化合物に関し、そのような化合物は式(1)の化合物の合成において有用である。
別の態様は、化合物:
を提供する。
別の態様は:
(i)ヘキサヒドロ(1H)−アゼピン−4−オン1のアミノ基を保護基で保護し、式2のケトンを生成せしめる段階:
(ii)式2のケトンを式3のスピロ−エポキシドにエポキシド化する段階:
(iii)Rが部分:
[ここで、RおよびRは独立して水素、重水素、フッ素、CFあるいは非置換のまたは1個もしくはそれ以上のフッ素原子で置換されたアルキル(C1〜3)であり;nは0(ゼロ)、1もしくは2であり;Rはハロゲン、アルキル(C1〜3)、CF、CN、NH、NHAc、OH、OCHもしくはOCFから選択され;mは0(ゼロ)、1、2もしくは3である]
を表す、式RNHのアミン4で式3のスピロ−エポキシドをアミノ分解して、式5のアミノアルコールを生成せしめる段階:
(iv)スピロ−オキサゾリジノン誘導体6への、DMAPにより触媒される、カルボニル化剤の存在下でのアミノアルコール5の閉環の段階、
(v)式6のスピロ−オキサゾリジノンを脱保護し、式7の化合物を生成せしめる段階を含んでなる式(1)の化合物を製造する方法を提供する。
特定の態様は、該保護基がベンジルオキシカルボニル(Cbz)もしくはtert−ブトキシカルボニル(t−Boc)基から選択される上記に示した方法を提供する。
他の態様は、式(1)の化合物もしくはその薬理学的に許容しうる塩を含んでなる薬剤を提供する。
さらなる態様は、関節リウマチおよび多発性硬化症のようなT細胞媒介性自己免疫疾患を包含する、糖尿病、乾癬、肥満症、移植拒絶反応および炎症性ニューロパシーを処置することにおける使用のための式(1)の化合物を提供する。
本発明はまた、ある態様において、少なくとも1つの製薬学的に許容しうる担体、もしくは少なくとも1つの製薬学的に許容しうる補助物質、またはその2つもしくはそれ以上の組み合わせ;および式(1)の少なくとも1つの化合物もしくはその薬理学的に許容しうる塩の薬理活性量を含んでなる製薬学的組成物にも関する。
さらなる態様は、関節リウマチおよび多発性硬化症のようなT細胞媒介性自己免疫疾患を包含する、糖尿病、乾癬、肥満症、移植拒絶反応および炎症性ニューロパシーを処置するための製薬学的組成物を製造するための式(1)の化合物の使用を提供する。
本発明の他の態様には:
関節リウマチおよび多発性硬化症のようなT細胞媒介性自己免疫疾患を包含する、糖尿病、乾癬、肥満症、移植拒絶反応および炎症性ニューロパシーを処置する方法、該方法は式(1)の化合物をそのような処置を必要とする患者に投与すること含んでなる、
式(1)の化合物の製薬学的に有効な量を遮断を必要とする患者に投与することを含ん
でなるKv1.3カリウムチャンネルを遮断する方法
が包含される。
本発明はさらに、上記の症状の1つもしくはそれ以上を処置するために、式(1)の化合物または式(1)の化合物を含んでなる製薬学的組成物もしくは製剤が別の治療薬もしくは複数の治療薬と同時にもしくは逐次もしくは組み合わされた製剤として投与されることを含んでなる併用療法に関する。そのような他の治療薬(1つもしくは複数)は、本発明の化合物の投与の前に、それと同時にもしくは後に投与することができる。
本発明はまた、関節リウマチおよび多発性硬化症のようなT細胞媒介性自己免疫疾患を包含する、糖尿病、乾癬、肥満症、移植拒絶反応および炎症性ニューロパシーを処置するための化合物、製薬学的組成物、キットおよび方法も提供し、該方法は式(1)の化合物をそのような処置を必要とする患者に投与することを含んでなる。
本発明の化合物は、Kv1.3カリウムチャンネル遮断活性を保有する。本発明の化合物の阻害活性は、例えば、本明細書に記述されるかもしくは当該技術分野において既知であるアッセイの1つもしくはそれ以上を用いて、容易に示すことができる。
本発明はまた、本発明の化合物を製造する方法およびそれらの方法において使用する中間体も提供する。
本明細書に記載の化合物および中間体の単離および精製は、所望に応じて、例えば、濾過、抽出、結晶化、カラムクロマトグラフィー、薄層クロマトグラフィー、厚層(thick−layer)クロマトグラフィー、分取低圧もしくは高圧液体クロマトグラフィー、またはこれらの方法の組み合わせのような任意の適当な分離もしくは精製方法によりもたらすことができる。適当な分離および単離方法の特定の実例は、製造および実施例から得ることができる。しかしながら、他の同等な分離もしくは単離方法もまたもちろん用いることができる。
本発明の化合物は1つもしくはそれ以上の不斉中心を含有する可能性があり、従って、ラセミ化合物およびラセミ混合物、単一の鏡像異性体、ジアステレオマー混合物および個々のジアステレオマーとして存在することができる。本発明の全ての化合物は、それらの第四級スピロ炭素原子で少なくとも1つのキラル中心を含有する。未知の絶対キラリティーを有するキラルは「conf1」もしくは「立体配置1」と、そしてもう一方の鏡像異性体は「conf2」もしくは「立体配置2」と称する。「conf(絶対配置)1」および「conf(絶対配置)2」はそれぞれ(R)もしくは(S)指定と、または逆に(S)もしくは(R)と相関し得る。
様々な置換基の性質にsより、分子は追加の不斉中心を有することができる。各々のそのような不斉中心は独立して2つの光学異性体をもたらす。可能な光学異性体、鏡像異性体およびジアステレオマーは全て、混合物においてそして純粋なもしくは部分的に精製された化合物として、本発明に属する。本発明は、これらの化合物の全てのそのような異性体を包含する。式(I)は、好ましい立体化学なしに化合物のクラスの構造を示す。これらの光学異性体の独立した合成もしくはそれらのクロマトグラフィー分離は、本明細書に開示される方法論の適切な改変により当該技術分野において既知であるように行うことができる。それらの絶対立体化学は、必要に応じて、既知の絶対立体配置の不斉中心を含有する試薬で誘導体化される、結晶生成物もしくは結晶中間体のX線結晶学により決定することができる。化合物のラセミ混合物は、ジアステレオマー混合物を生成せしめるための鏡像異性的に純粋な化合物への化合物のラセミ混合物のカップリング、続いて分別結晶もしくはクロマトグラフィーのような標準的な方法による個々のジアステレオマーの分離の
ような、当該技術分野において周知である方法により個々の鏡像異性体に分離することができる。化合物のラセミ混合物はまた、当該技術分野において周知である、キラル固定相を利用して クロマトグラフィー方法により直接分離することもできる。あるいはまた、化合物の任意の鏡像異性体は当該技術分野において周知である方法により既知の立体配置の光学的に純粋な出発材料もしくは試薬を用いて立体選択的合成により得ることができる。
式(I)の化合物のシスおよびトランス異性体、もしくはその製薬学的に許容しうる塩もまた本発明に属し、そしてこれはまた式(I)の化合物の互変異性体にも当てはまる。
化合物の結晶形態のあるものは多形体として存在することができ、そしてそのようなものとして本発明に包含されるものとする。PETもしくはSPECTにより検出可能であるように同位体で標識された式(I)の化合物もまた、本発明の範囲内に入る。同じことが、受容体結合もしくは代謝研究に適当な、[13C]−、[14C]−、[H]−、[18F]−、[125I]−もしくは他の同位体濃縮原子で標識された式(I)の化合物に当てはまる。
本発明の化合物はまた、神経学的機能、機能不全および疾患の生化学研究における試薬もしくは標準として使用することもできる。
[定義]
本明細書に開示される化合物の記述において使用する一般用語は、それらの通常の意味を有する。アルキルという用語は、本明細書において用いる場合、1価の飽和した、分枝状もしくは直線状炭化水素鎖を意味する。他に記載されない限り、そのような鎖は1〜18個の炭素原子を含有することができる。そのようなアルキル基の代表は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、ヘキシル、イソヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル、テトラデシル、ペンタデシル、ヘキサデシル、ヘプタデシル、オクタデシルなどである。「低級」と修飾される場合、アルキル基は1〜6個の炭素原子を含有する。同じ炭素含量は親用語「アルカン」に、そして「アルコキシ」のような派生用語に当てはまる。様々な炭化水素含有部分の炭素含量は、該部分における炭素原子の最小および最大数を指定する接頭辞により示され、すなわち、接頭辞Cx〜yは、包括的に整数「x」から整数「y」まで存在する炭素原子の数を定義する。例えば、「アルキル(C1〜3)」にはメチル、エチル、n−プロピルもしくはイソプロピルが包含され、そしてアルキル(C1〜4)」には「メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、2−ブチル、イソブチルもしくはtert−ブチル」が包含される。
「ハロ」もしくは「ハロゲン」は、クロロ、フルオロ、ブロモもしくはヨードをさし;「ヘテロアルキル、ヘテロ芳香族」などにおける場合の「ヘテロ」には、1個もしくはそれ以上のN、OもしくはS原子を含有することが包含される。「ヘテロアルキル」は任意の位置にヘテロ原子を有するアルキル基が包含され、従って、N−結合、O−結合もしくはS−結合アルキル基が包含される。
「置換された」という用語は、特定の基もしくは部分が1個もしくはそれ以上の置換基を保有することを意味する。任意の基が多数の置換基を保有することができ、そして様々な可能な置換基が提供され得る場合、それらの置換基は独立して選択され、そして同じである必要はない。「非置換の」という用語は、特定の基が置換基を保有しないことを意味する。
置換基に関して、「独立して」という用語は、1個より多くのそのような置換基が可能である場合に、それらが同じであるかもしくは相互に異なり得ることを意味する。
「オキシ」、「チオ」および「カルボ」という用語は、それぞれ別の基の一部として本明細書において用いる場合、例えばヒドロキシル、オキシアルキル、チオアルキル、カルボキシアルキルなどのような、2つの基の間のリンカーとして働く、酸素原子、硫黄原子およびカルボニル(C=O)基をさす。「アミノ」という用語は、単独でもしくは別の基の一部として本明細書において用いる場合、末端のもしくは2つの他の基の間のリンカーのいずれかであり得る窒素原子をさし、ここで、該基は第一級、第二級もしくは第三級(それぞれ、2個の水素原子が窒素原子に結合している、1個の水素原子が窒素原子に結合している、そして窒素原子に結合している水素原子がない)アミンであることができる。より簡潔な記述を提供するために、「化合物」もしくは「複数の化合物」という用語には、明白に記載されない場合にも、互変異性体、立体異性体もしくは薬理学的に許容しうる塩が包含される。
「形態」は、全ての固体:多形体、溶媒和物、非晶形を包含する用語である。「結晶形態」は、同じ化合物の様々な固体形態、例えば多形体、溶媒和物および非晶形をさす。「共結晶」は固有の格子を有する多成分結晶:中性化合物で作られる新規化学種である。「非晶形」は長距離秩序を有さない非結晶物質であり、そして一般に特徴的な粉末X線回折パターンを与えない。結晶形態は一般にByrn(Pharmaceutical Research,12(7),945−954,1995)およびMartin(“Remington:The Science and Practice of Pharmacy”,Mack Publishing Company,19th Edition,Easton,Pa,Vol 2.,Chapter 83,1447−1462,1995)により記述されている。「多形体」は、その全てが同じ元素組成を有する、異なる結晶充填配置において化合物が結晶化することができる結晶構造である。多形は温度、過飽和のレベル、不純物の存在、溶媒の極性、冷却の速度のようないくつかの結晶化条件により影響を受ける、頻繁に起こる現象である。異なる多形体は、通常、異なるX線回折パターン、固体状態NMRスペクトル、赤外もしくはラマンスペクトル、融点、密度、硬度、結晶形状、光学および電気特性、安定性および溶解性を有する。再結晶化溶媒、結晶化の速度、貯蔵温度および他の因子は、1つの結晶形態を優位にさせ得る。
より簡潔な記述を提供するために、本明細書に示される量的表現のあるものは「約」という用語で修飾されない。「約」という用語が明白に用いられるかもしくはそうでないにしても、本明細書に示されるあらゆる量は実際の規定値をさすものとし、そしてまたそのような既定値の実験もしくは測定条件に起因する近似を包含する、当該技術分野における通常の技量に基づいて合理的に推定されるそのような既定値への近似もさすものとすることが理解される。
本明細書の記述および請求項を通して、「含んでなる(comprise)」という用語ならびに「含んでなる(comprising)」および「含んでなる(comprises)」のような該用語のバリエーションは、他の添加剤、成分、整数もしくは段階を排除するものではない。
式(I)の化合物を純化学物質(raw chemical)として投与することは可能であり得るが、「製薬学的組成物」としてそれらを与えることが好ましい。さらなる態様によれば、本発明は、その1つもしくはそれ以上の製薬学的に許容しうる担体と一緒に、そして1つもしくはそれ以上の他の治療成分と共にもしくはそれなしに、式(I)の少なくとも1つの化合物、その少なくとも1つの製薬学的に許容しうる塩、もしくは前述のいずれかの混合物を含んでなる製薬学的組成物を提供する。担体(1つもしくは複数)は
、製剤の他の成分と適合しそしてそのレシピエントに有害でないという意味において「許容可能」でなければならない。「組成物」という用語には、本明細書において用いる場合、既定の量もしくは割合の特定成分を含んでなる生成物、ならびに特定量の特定成分を組み合わせることにより直接的にもしくは間接的にもたらされる任意の生成物が包含される。製薬学的組成物に関連して、この用語には、1つもしくはそれ以上の有効成分、および不活性成分を含んでなる任意の担体を含んでなる生成物、ならびに成分の任意の2つもしくはそれ以上の組み合わせ、複合体形成もしくは凝集によって、または成分の1つもしくはそれ以上の解離によって、または成分の1つもしくはそれ以上の他のタイプの反応もしくは相互作用によって直接的にもしくは間接的にもたらされる任意の生成物が包含される。一般に、製薬学的組成物は、有効成分を液状担体もしくは微粉化固形担体もしくは両方と均一にそして密接に会合させ、そして次に、必要に応じて、生成物を所望の製剤に成形することにより製造される。製薬学的組成物は、疾患の進行もしくは症状への所望の効果をもたらすための活性目的化合物の十分な量を含む。従って、本発明の製薬学的組成物には、本発明の化合物および製薬学的に許容しうる担体を混合することにより製造される任意の組成物が包含される。「製薬学的に許容しうる」により、担体、希釈剤もしくは賦形剤は製剤の他の成分と適合しなければならずそしてそのレシピエントに有害であってはならないものとする。
本願の文脈内で、「組み合わせ製剤」という用語は、錠剤もしくは注入液のような1つの製剤において物理的に組み合わされた式(I)の化合物および1つもしくはそれ以上の他の薬剤を意味する真の組み合わせ、ならびに使用説明書と一緒に、成分化合物の投与の順守を容易にするためのさらなる手段、例えばラベルもしくは図面と共にもしくはそれなしに、別個の投与形態物において式(I)の化合物および1つもしくはそれ以上の他の薬剤を含んでなる「部品のキット(kit−of−parts)」の両方を含んでなる。真の組み合わせでは、薬物療法は定義によれば同時である。「部品のキット」の中身は、同時にもしくは異なる時間間隔のいずれかで投与することができる。同時もしくは逐次のいずれかである治療は、使用する他の薬剤の特性、作用の発現および期間、血漿レベル、クリアランスなどのような特性により、ならびに個々の患者の疾患、その段階および特性により決まる。
用量.電位依存性Kv1.3チャンネルの阻害剤としての本発明の化合物の効能は、下記の通り決定した。式(I)の既定化合物について測定される効能から、理論的最小有効用量を概算することができる。測定される阻害定数の2倍に等しい化合物の濃度で、Kv1.3チャンネルのほぼ100%が該化合物により遮断される。理想的な生物学的利用能を仮定して、その濃度を患者のkg当たりの化合物のmgに転化することにより理論的最小有効用量が得られる。薬物動態学、薬力学および他の考慮事項により、実際に投与する用量はより高いもしくはより低い値に改変され得る。有効成分の典型的な毎日用量は広い範囲内で異なり、そして関連適応症、投与の経路、患者の年齢、体重および性別のような様々な因子より決まり、そして医師により決定され得る。一般に、単回もしくは個々の投与における患者への総毎日用量投与は、例えば毎日0.001〜10mg/kg体重、そしてより通常は1日当たり0.01〜1,000mgの総有効成分の量においてであることができる。そのような投薬量は、処置を必要とする患者に毎日1〜3回、もしくは効能に必要とされる頻度で、そして少なくとも2カ月の期間にわたって、より典型的には少なくとも6カ月間、もしくは慢性的に投与される。
「治療的に有効な量」という用語は、本明細書において用いる場合、本発明の組成物を投与することにより処置することができる症状を処置するための治療薬の量をさす。その量は、組織系、動物もしくはヒトにおいて検出可能な治療もしくは改善反応を示すために十分な量を含む。効果には、例えば、本明細書に記載される症状を処置することを包含することができる。患者の正確な製薬学的に有効な量は、患者のサイズおよび健康、処置す
る症状の性質および程度、処置する医師(研究者、獣医、医師もしくは他の臨床医)の推奨、ならびに投与に選択される治療もしくは治療の組み合わせにより決まる。従って、前もって正確な製薬学的に有効な量を特定することは有用でない。「製薬学的塩」は、同じ結晶構造において追加の無毒の分子種と一緒に医薬品有効成分(API)を含有する酸:塩基複合体をさす。「製薬学的に許容しうる塩」という用語は、適切な医学的判断の範囲内で、過度の毒性、刺激、アレルギー反応などなしにヒトおよび下等動物の組織と接触した使用に適当であり、そして妥当な利益/危険比に相応する塩をさす。製薬学的に許容しうる塩は当該技術分野において周知である。それらは、本発明の化合物を最終的に単離しそして精製する場合にインサイチューで、または無機もしくは有機塩基および無機もしくは有機酸を包含する製薬学的に許容しうる無毒の塩基もしくは酸とそれらを反応させることにより別個に製造することができる(Berge,S.M.:“Pharmaceutical salts”,J.Pharmaceutical Science,66,1−19(1977))。製薬学的に許容しうる塩において使用される一般的な陰イオンには:クロリド、ブロミド、サルフェート、ナイトレート、ホスフェート、バイカーボネート、メシレート、エシレート、イソチアネート(isothianate)、トシレート、ナプシレート、ベシレート、アセテート、プロピオネート、マレエート、ベンゾエート、サリチレート、フマレート、シトレート、ラクテート、マレエート、タルトレート、パモエート、スクシネート、グリコレート、ヘキサノエート、オクタノエート、デカノエート、ステアレート、オレエート、アスパルテートおよびグルタメートが包含される。製薬学的に許容しうる塩における対イオンとして使用される一般的な陽イオンには:ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、リチウム、亜鉛、アルミニウム、アルギニン、リシン、ヒスチジン、トリエチルアミン、エタノールアミン、トリエタノールアミン、エチレンジアミン、メグルミン、プロカインおよびベンザチンが包含される。
「遊離塩基」形態は、塩を塩基もしくは酸と接触させ、そして常法(conventional matter)において親化合物を単離することにより再生することができる。化合物の親形態は極性溶媒における溶解性のようなある種の物理的性質において様々な塩形態と異なるが、その他の点では塩は本発明の目的のために化合物の親形態と同等である。
「処置」という用語は、本明細書において用いる場合、ヒト症状もしくは疾患の任意の処置をさし、そして:(1)疾患もしくは症状を抑制すること、すなわち、その発症を止めること、(2)疾患もしくは症状を軽減すること、すなわち、症状を後退させること、または(3)疾患の症候を止めることが包含される。「抑制する」という用語には、進行、重症度もしくは結果として起こる症候を抑えること、軽減すること、改善すること、および遅らせること、止めることもしくは回復させることを含むその一般に認められる意味が包含される。本明細書において用いる場合、「医学的治療」という用語には、ヒトに対してインビボでもしくはエクスビボで実施される診断および治療処方計画が包含されるものとする。
分析方法
核磁気共鳴スペクトル(H NMRおよび13C NMR,APT)は、他に示されない限り、300KでBruker ARX 400(H:400MHz、13C:100MHz)を用いて示される溶媒中で決定した。19F NMRおよび13C NMR実験は、5mm SWプローブを用いて11.74T(Hでは499.9MHz;13Cでは125.7MHz;19Fでは50.7Mhz、470.4MHz)で作動するVarian Inova 500分光計上で実施した。スペクトルは、Cambridge Isotope Laboratories Ltdから入手した重水素化クロロホルムもしくはジクロロメタン中で決定した。化学シフト(δ)は、テトラメチルシラン(
H,13C)もしくはCClF(19F)からのダウンフィールドでppm単位で(in ppm downfield)示される。カップリング定数Jは、Hz単位で示される。NMRスペクトルにおけるピーク形状は、記号「q」(カルテット)、「dq」(ダブルカルテット)、「t」(トリプレット)、「dt」(ダブルトリプレット)、「d」(ダブレット)、「dd」(ダブルダブレット)、「s」(シングレット)、「bs」(ブロードなシングレット)および「m」(マルチプレット)で示される。NHおよびOHシグナルは、1滴のDOとサンプルを混合した後に同定した。
フラッシュクロマトグラフィーは、示される溶離剤およびシリカゲル(Acros:0.030〜0.075mmもしくはMerckシリカゲル60:0.040〜0.063mmのいずれか)を用いる精製をさす。
カラムクロマトグラフィーは、シリカゲル60(0.063〜0.200mm、Merck)を用いて行った。
融点は、Buechi B−545融点装置上で記録した。
反応は、示される溶離剤でシリカ被覆プラスチックシート(Merckプレコートシリカゲル60 F254)上で薄層クロマトグラフィー(TLC)を用いることによりモニターした。スポットは、UV光(254nm)もしくはIにより視覚化した。
質量スペクトルおよび正確な質量は、高速原子衝撃(FAB)を用いてJEOL JMS−SX/SX 102 Aタンデム質量分析計で測定した。高分解能FAB質量分析のための10,000(10%谷定義)の分解能を使用した。
分析HPLCは、以下の溶出勾配:5分にわたって0.04%のHCOHを含有する5%〜95%の水性CHCNの直線勾配、次に0.04%のHCOHを含有する95%の水性CHCNを2分間2.0ml min−1で用いてC18カラム(Inertsil ODS−3、粒径3mm;4.6mm 50mm)上で行った。
液体クロマトグラフィー−質量分析(LC−MS):「方法W」
LC−MSシステムは、Waters 2777オートサンプラーに連結した、Waters 1525μポンプからなった。LC方式は下記の通りであった:
オートサンプラーは10μlの注入ループを有し、注入容量は10μlであった。2.5um粒子を有するWaters Sunfire C18 304.6mmカラムにオートサンプラーを連結した。カラムを室温(約23℃)で温度自動調節した。カラムをWaters 2996 PDAに連結した。波長は、240〜320nmを走査した。分解能は1.2nmであり、そしてサンプリング速度は20Hzであった。PDAの後に、フローを1:1に分割し、そして以下のパラメーター:ガス圧:40psi;データ速度20ポイント/秒;ゲイン500;時間定数0.2秒;ネブライザーモード冷却;ドリフト管50℃を有する、Waters 2424 ELSDに連結した。
サンプルはまた、Waters ZQ質量検出器でも測定した。質量分析計は以下のパラメーターを有した:走査範囲:117〜900a.m.u.;極性:ポジティブ;データフォーマット:セントロイド;走査当たりの時間:0.500秒;走査間時間:0.05秒;キャピラリー2.5kV;コーン25V;エキストラクタ2V;RFレンズ0.5V;ソース温度125℃;脱溶媒和温度400℃;コーンガス100L/Hr;脱溶媒和ガス800L/Hr;LM1分解能15;HM1分解能15;イオンエネルギー0.5;マルチプライヤー500V。全システムをMasslynx 4.1により制御した。
薬理学的方法
Kv1.3カリウムチャンネルのインビトロ阻害:細胞膜において発現したカリウムイオンチャンネルの透過性を決定するためにアッセイを用いた。細胞培養において、匹敵す
る物理化学的特性のためにカリウムの代わりとしてルビジウム(Rb)を使用することができる。電位依存性カリウムチャンネルKv1.3を過剰発現する接着性CHO細胞にRbを負荷した。細胞の脱分極はカリウムチャンネルの開口をそしてカリウムチャンネルを通したRbの流出をもたらす。従って、上清中のRb濃度はカリウムイオンチャンネル透過性に比例する。カリウムチャンネル遮断薬を同定するために、脱分極の前に細胞を化合物とインキュベーションした。上清中のRbの減少は、カリウムイオンチャンネル遮断薬の存在を示唆した。上清中のRb濃度は、原子吸光光度計を用いて測定した。
Kv1.3、Kv1.5もしくはhERGイオンチャンネルのいずれかを発現するCHO細胞を37℃/5%COで培養した。実験の前に、細胞を96ウェルプレート(Corning,New York,USA)にまき、そして24h培養した。培地を捨て、そしてウェル当たり100μlのRbバッファー(10mM HEPES pH7.4、5mMグルコース、5mM RbCl、140mM NaCl、2mM CaCl、1mM MgSO)で置き換えた。4hのインキュベーション後に、細胞を低カリウムバッファー(10mM HEPES pH7.4、5mMグルコース、5mM KCl、140mM NaCl、2mM CaCl、1mM MgSO)で3回洗浄した。化合物を75μlの低カリウムバッファーに溶解し、そして細胞に加えた。12分後に、75μM高カリウムバッファー(10mM HEPES pH7.4、5mMグルコース、145mM KCl、2mM CaCl、1mM MgSO)を加えることにより細胞を脱分極させ、その後にさらに15分のインキュベーションを続けた。上清を96ウェルプレート中に移し、そしてZEEnit原子吸光光度計(Analytik Jena、Germany)を用いてRb濃度を測定した。コントロール対脱分極w/o化合物を比較することにより、イオンチャンネル阻害を決定した。測定は三重反復で行った。
実験データ(10−5Mでの%Kv1.3阻害)は「実施例5」(以下)における表に示される。
合成の一般的態様
ヘキサヒドロ−(1H)−アゼピン−4−オン1は、記載の通り(Roglans,A.et al.,Synth.Commun.22,1249−1258,1992;Ashwood,M.S.et al.,J.Chem.Soc.Perkin Trans.I,641−644,1995)市販されているピペリジン−4−オンから合成することができる。1におけるアミノ基をtert−ブチルオキシカルボニル(t−Boc)もしくはベンジルオキシカルボニル(Cbz)基のような保護基で保護して式2の化合物を生成せしめることができる。好ましくは、そのような保護は、ジクロロメタンもしくはメタノールのような不活性有機溶媒中で水性水酸化ナトリウムもしくはトリエチルアミンのような塩基の存在下で実施される。化合物2におけるカルボニル部分は、水素化ナトリウムのような塩基の存在下でヨウ化トリメチルスルホキソニウムを適用して、エポキシド化してエポキシド3を生成せしめることができる。このようにして、いかなるクロマトグラフィー精製段階も必要とせずに4−ピペリドンから4段階で純粋なエポキシド3を得ることができる。
表題化合物は、一般式4のアミンでスピロ−エポキシド3をアミノ分解し、続いて形成されるアミノアルコール5をカルボニルジイミダゾール(CDI)のようなカルボニル化剤を用いて閉環することにより製造することができる。少量のDMAP(例えば5mol%)の存在は、一般式6のスピロオキサゾリジノン誘導体への転化を触媒するためにこの特定の反応において好ましい。[4,6]ジアザスピロ−ウンデカンスピロ環が形成されるこの閉環反応は、一般に、[4.5]ジアザスピロデカンの形成のための同様の反応と比較してより緩慢に進む(Caroon,J.M.et al.,J.Med.Chem.1981,24,1320−1328)。好ましくは、6への5の転化の収率を上げるために微量の残留する出発材料4をアミノアルコール5から除く。得られるスピロオキサゾリジノン6は、t−ブチルオキシカルボニル基の酸加水分解により脱保護され、一般式7の化合物を生成せしめることができる。一般式7の化合物を一般式8の酸塩化物誘導体のようなアセチル化剤と反応させて一般式9の化合物を生成せしめることができる。その
ような反応は、好ましくは、遊離した塩酸を除去するためにDIPEAもしくはトリエチルアミンのような塩基の存在下でアセトニトリルのような不活性有機溶媒中で実施される。
特定の合成方法の選択は、使用する試薬と官能基との適合性、保護基、触媒、活性化およびカップリング試薬を使用する可能性ならびに製造している最終化合物に存在する最終的な構造特性のような当業者に既知である因子により決まる。
製薬学的に許容しうる塩は、当該技術分野において周知である方法を用いて、例えば適当な酸、例えば無機酸もしくは有機酸と本発明の化合物を混合することにより得ることができる。
中間体の合成
ヘキサヒドロ−4−オキソ−(4H)−アゼピン−1−カルボン酸t−ブチル(2):ヘキサヒドロ−(4H)−アゼピン−4−オン1塩酸塩(30g、200mmol)をメタノール(200mL)に懸濁し、そして0℃に冷却した。水(20ml)に溶解した水酸化ナトリウム(8.02g、200mmol)を滴下して加えた。二炭酸ジ−tert−ブチル(Boc無水物)(43.76g、200mmol)を少しずつ加え、そして得られる溶液を16時間攪拌した。メタノールを蒸発させ、そして残留物をジエチルエーテル(400ml)および水(200ml)に溶解した。有機層を水で洗浄し、乾燥させ(MgSO)、濾過し、そして真空中で濃縮し、粗物質(crude)2を褐色の油として生成せしめた。次のフラッシュクロマトグラフィー精製(酢酸エチル/石油エーテル)により純粋な2(42グラム、93%)を淡黄色の油として生成せしめた。1H−NMR(400MHz,CDCl3):δ1.45(s,9H,tBu);1.70−1.82(m,2H),2.54−2.66(m,4H),3.55−3.65(m,4H)。
1−オキサ−6−アザスピロ[2.6]ノナン−6−カルボン酸t−ブチル(3):無水DMSO(150ml)中のヨウ化トリメチルスルホキソニウム(56.1g、255mmol)の攪拌溶液に窒素雰囲気下でNaH(18.5グラム 1.5当量、鉱油中60%)の混合物を加えた。混合物を65℃で1時間攪拌し、その後で化合物2(32g、150mmol)をDMSO(10ml)中の溶液として加えた。混合物を窒素雰囲気下で一晩還流させた。溶液を室温に到達させ、水を加え、そして混合物をジエチルエーテル(3x200ml)で抽出した。合わせた有機層をHOで、ブラインで洗浄し、そしてNaSO上で乾燥させた。EtOを蒸発させて82.1グラム(32g、95%)の化合物3を生成せしめた。H−NMR(300MHz,CDCl):δ(ppm)=1.45(s,9H,BOC);1.50−2.10(m,6H),2.60−2.70(m,2H),3.5−3.60(m,2H)。
4−ヒドロキシ−4−[(R−1−フェニルエチルアミノ)メチル]−1−アゼパンカルボン酸t−ブチル(5a):スピロ−エポキシド3(51.5グラム、226mmol)および(R)−(+)−1−フェニルエチルアミン(4a、57.68ml、453mmol)を300mLのMeOH/MeCN、1/1 v/vに溶解した。溶液を60℃で48hr攪拌した。反応をTLC(CHCl/EtOH 9/1;Rf 5a 0.4)によりモニターした。反応混合物をシリカ上で真空中で濃縮し、そしてシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離剤:CHCl/EtOH 95/5)により精製して純粋な化合物5a(72g、90%)を油として生成せしめた。
3[(R)−1−フェニル−エチル]−2−オキサ−3,8−ジアザスピロ[4.6]ウンデカン−8−カルボン酸t−ブチル(6a):1400mLの無水MeCN中の5a
(72g、206mmol)の溶液を50.25グラム(1.5当量)のカルボニルジイミダゾール(CDI)で処理し、そして窒素雰囲気下で70℃で40hr攪拌した。溶液を周囲温度まで冷却させ、そして反応混合物をシリカゲル上で真空中で濃縮した。残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(CHCl/EtOH 98/2)により精製した。これにより66.0グラム(85.9%)の化合物6aを生成せしめた。
3−[(R)−1−フェニル−エチル]−1−オキサ−3,8−ジアザスピロ[4.6]ウンデカン−2−オン(7a):水(10ml)中の化合物6a(21.1g、56mmol)の懸濁液にジオキサン(70ml)中の塩酸の4M溶液を加えた。混合物を40℃で、そして次に室温で16hr攪拌した。混合物にジクロロメタン(200ml)を加え、そして溶液をNaHCO3溶液(5%、100ml)で洗浄した。水層をDCM/MeOH、9/1(6x100ml)で抽出し、そして合わせた有機層を水で洗浄した。有機層を蒸発乾固させて化合物7a−HCl(12.2g、76%)を白色の固体として生成せしめ、さらに精製せずに次の段階において使用した。H−NMR(300MHz,(CDCl):δ(ppm)=1.55(d,3H),1.6−2.3(m,6H),2.9−3.25(m,6H),5.25(m,1H,CH),7.2−7.4(m,5H,H−原子)。
3−[(S)−1−フェニル−エチル]−1−オキサ−3,8−ジアザスピロ[4.6]ウンデカン−2−オン7bは:スピロエポキシド3および(S)−(−)−1−フェニルエチルアミン4bから出発して7aと同様にして製造した。
7aおよび7bの光学的に純粋なジアステレオ異性体の製造
化合物6aおよび6bは2つのジアステレオ異性体の混合物であり、これらはキラルカラムクロマトグラフィーにより分離された。R−混合物6aのためのプロトコル(「方法A」)は、S−混合物6bに使用したプロトコル(「方法B」)と異なった。
混合物6aのための方法A
分取HPLCシステムを用いて、アセトニトリル中の化合物6aの33g/L溶液をジアステレオマー6a(R、conf1)および6a(R、conf2)に分離した。分取HPLCカラム(250110mm)に固定相としてChiralpak T504(登録商標)、20μmを充填し、室温で平衡化し、そして移動相としてアセトニトリルを用いて溶出した(570ml/分)。PrepHPLC−カラムの充填は0.07%m/m、そして実行時間は約10分であった。検出は220nmのλでUVを用いて行った。分離は、室温でChiralpak IC(登録商標)、5μ(2504.6mm)およびメチル−t−ブチル−エーテル/エタノール混合物(95/5 %V/V、1ml/分)に基づくキラル分析システムにより調べた。検出:UV、λ210nm)。分析システムからの保持時間は、それぞれ9.7および11.8分であった。
混合物6bのための方法B
分取HPLCシステムを用いて、ヘプタン/エタノール混合物(70/30 %V/V)中の6bの37g/L溶液をジアステレオマー6b(S、conf1)および6b(S
、conf2)に分離した。分取HPLCカラム(25076mm)に固定相としてChiralpak AD(登録商標)、20μmを充填し、平衡化し、そして移動相ヘプタン/エタノール(70/30 %V/V、270ml/分)を用いて室温で溶出した。PrepHPLC−カラムの充填は0.2%m/m、そして実行時間は約12分であった。検出は、220nmのλでUVを用いて行った。分離は、1ml/分および室温でChiralpak AD−H(登録商標)、5μ(2504.6mm)および同じ移動相に基づくキラル分析システムにより調べた(検出UV、λ210nm)。分析システムからの保持時間は、それぞれ5.2および8.2分であった。
最後に、中間体6a(R、conf1)および(R、conf2)ならびに6b(S、conf1)および(S、conf2)の脱保護は、ジアステレオ異性体混合物6aおよび6bの合成について上に記述したのと同様に確立して化合物7a(R、conf1)および(R、conf2)ならびに7b(S、conf1)および(S、conf2)を生成せしめた。この段階において、7,5縮合環系の絶対立体配置は明らかにされなかった。従って、キラリティーはconf1もしくはconf2のいずれかと称した。
特定の化合物の合成
以下にその合成を記述する特定の化合物は、より詳細に本発明をさらに説明するものであり、決して本発明の範囲を限定するものではない。本発明の他の態様は、本明細書の検討および本明細書に開示される本発明の実施から当業者に明らかである。本明細書および実施例は、実例にすぎないと考えられるべきである。1つの具体例の合成が全詳細において記述される。化合物9の全ての他の製造は、適切な試薬8(酸塩化物)および対応する中間体7から出発して同様に行われる。
8−(3,5−トリフルオロメチル−ベンゾイル)−3−[(R)−1−フェニル−エチル]−1−オキサ−3,8−ジアザスピロ[4.6]ウンデカン−2−オン31(1R、conf1)).酢酸エチル(80ml)中の化合物7a(1R、conf1)(4.5g、15.9mmol)およびトリエチルアミン(3.3ml、23.9mmol)の溶液に3,5−(ビストリフルオロメチル)ベンゾイルクロリド(3,44ml、19.01mmol)をゆっくりと加えた。混合物を室温で16hr攪拌し、この期間の後にTLC分析により1つの生成物への完全な反応が示された(TLC溶離剤:DCM/MeOH、99/1、v/v)。水を加え(50ml)、そして水層をDCM(2x100ml)で抽出した。合わせた有機層を水(100m)で洗浄し、MgSO上で乾燥させ、そして蒸発乾固させた。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離剤:DCM/MeOH、99/1、v/v)により精製して化合物31を油(7.7g、91%)として生成せしめた。LC−MS:室温 2.2分、[M+H]515.1
絶対キラリティーの決定
化合物29〜32および37〜40の絶対キラリティーを振動円二色性により決定した。VCDは、左および右円偏光赤外線放射の分子の吸光度の違いに依存する振動分光法の一種である。該技術はIR分光法の構造特異性を立体化学的感度と組み合わせる。鏡像異性体は同一のIRスペクトルしかし反対符号のVCDスペクトルをもたらす。化合物のVCDスペクトルは、密度汎関数理論、DFTを用いて計算した。実験および計算スペクトルを比較することにより、絶対立体配置を指定することができる(Chemical and Engineering News,July 18,2005,32−33)。
製薬学的製剤
臨床用途のために、式(1)の化合物は製薬学的組成物に調合され、それらは化合物、さらに特に本明細書に開示される特定の化合物を含有するので本発明の新規の態様である。使用することができる製薬学的組成物のタイプには:錠剤、チュアブル錠、カプセル剤(マイクロカプセルを包含する)、液剤、非経口液剤、軟膏(クリームおよびゲル)、座薬、懸濁剤、および本明細書に開示される他のタイプが包含され、もしくは本明細書および当該技術分野における一般的知識から当業者に明らかである。例えば有効成分はまた、シクロデキストリン、それらのエーテルもしくはそれらのエステルにおける包接錯体の形態においてであることもできる。組成物は経口、静脈内、皮下、気管、気管支、鼻腔内、肺、経皮、口腔、直腸、非経口もしくは投与するための他の方法に使用される。製薬学的製剤は、少なくとも1つの製薬学的に許容しうる添加剤、希釈剤および/もしくは担体と混合した式(I)の少なくとも1つの化合物を含有する。本発明の態様において、有効成分の総量は製剤の約0.1%(w/w)〜約95%(w/w)、例えば0.5%〜50%(w/w)そして好ましくは1%〜25%(w/w)の範囲においてであることができる。ある態様において、有効成分の量は約95%(w/w)より多いかもしくは約0.1%(w/w)未満であることができる。
本発明の化合物は、製薬学的に慣例の液体もしくは固体充填剤および増量剤、溶媒、乳化剤、潤滑剤、香料、着色剤および/もしくは緩衝物質のような、液体もしくは固体、粉末成分のような補助物質を用いて通常の方法によって投与に適当な形態にすることができる。よく使用される補助物質には、炭酸マグネシウム、二酸化チタン、ラクトース、サッカロース、ソルビトール、マンニトールおよび他の糖もしくは糖アルコール、タルク、乳タンパク質、ゼラチン、澱粉、アミロペクチン、セルロースおよびその誘導体、動物および植物油、例えば魚肝油、ヒマワリ、ラッカセイもしくはゴマ油、ポリエチレングリコールならびに例えば滅菌水および1価もしくは多価アルコール、例えばグリセロールのような溶媒、ならびに崩壊剤および潤滑剤、例えばステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリルフマル酸ナトリウムおよびポリエチレングリコールワックスが包含される。次に、混合物を顆粒に加工するかもしくは錠剤に圧縮することができる。錠剤は、以下の成分を用いて製造することができる:
成分を混合し、そして圧縮して各々230mgの重さの錠剤を生成せしめる。
有効成分を他の非有効成分と別個に前もって混合し、その後で混合して製剤を生成せしめることができる。有効成分はまた相互に混合し、その後で非有効成分と混合して製剤を生成せしめることもできる。
ソフトゼラチンカプセル剤は、本発明の有効成分、植物油、脂肪、もしくはソフトゼラチンカプセル剤用の他の適当な賦形剤の混合物を含有するカプセルで製造することができる。ハードゼラチンカプセル剤は、有効成分の顆粒を含有することができる。ハードゼラチンカプセル剤はまた、ラクトース、サッカロース、ソルビトール、マンニトール、ジャガイモ澱粉、コーンスターチ、アミロペクチン、セルロース誘導体もしくはゼラチンのような固形粉末成分と一緒に有効成分を含有することもできる。
直腸投与用の投与単位は、(i)中性脂肪ベースと混合した活性物質を含有する座薬の形態において;(ii)植物油、パラフィン油もしくはゼラチン直腸カプセル剤用の他の適当な賦形剤との混合物において活性物質を含有するゼラチン直腸カプセル剤の形態において;(iii)既製の微小浣腸剤(micro enema)の形態において;または(iv)投与の直前に適当な溶媒において再構成される乾燥微小浣腸製剤の形態において製造することができる。
液状製剤はシロップ剤、エリキシル剤、濃縮ドロップもしくは懸濁液、例えば有効成分ならびに例えば糖もしくは糖アルコールならびにエタノール、水、グリセロール、プロピレングリコールおよびポリエチレングリコールの混合物からなる残りを含有する液剤もしくは懸濁剤の形態において製造することができる。所望に応じて、そのような液状製剤は着色剤、香料、防腐剤、サッカリンおよびカルボキシメチルセルロースもしくは他の増粘剤を含有することができる。液状製剤はまた、使用前に適当な溶媒で再構成される乾燥粉末の形態において製造することもできる。非経口投与用の液剤は、製薬学的に許容しうる溶媒における本発明の製剤の液剤として製造することができる。これらの液剤はまた安定化成分、防腐剤および/もしくは緩衝成分を含有することもできる。非経口投与用の液剤はまた、使用前に適当な溶媒で再構成される乾燥製剤として製造することもできる。
また、本発明に従って提供されるのは、医学的治療における使用のための、製剤および本発明の製薬学的組成物の成分の1つもしくはそれ以上を詰めた1つもしくはそれ以上の容器を含んでなる「部品のキット」である。そのような容器(1つもしくは複数)に付随するのは、使用説明書、または製薬学的製品の製造、使用もしくは販売を規制する政府機関により指示される形態における通知のような様々な資料であることができ、この通知はヒトもしくは動物投与のための製造、使用もしくは販売の機関による承認を示す。電位依存性Kv1.3カリウムチャンネルの遮断が必要とされるかもしくは所望される症状を処
置することにおける使用のための薬剤の製造における本発明の製剤の使用、および医学的処置の方法は、電位依存性Kv1.3カリウムチャンネルの遮断が必要とされるかもしくは所望される症状を患っているかもしくは起こしやすい患者への式(I)の少なくとも1つの化合物の治療的に有効な総量の投与を含んでなる。

Claims (15)

  1. 式(1)
    [式中:
    −RおよびRは独立して水素、重水素、フッ素、CFあるいは非置換のまたは1個もしくはそれ以上のフッ素原子で置換されたアルキル(C1〜3)であり、
    −nは0(ゼロ)、1もしくは2であり、
    −Rはハロゲン、アルキル(C1〜3)、CF、CN、NH、NHAc、OH、OCHもしくはOCFから選択され、
    −mは0(ゼロ)、1、2もしくは3であり、
    −Rはハロゲン、アルキル(C1〜3)、CF、CN、NH、NHAc、OH、OCHもしくはOCFから選択されるか、または
    (Rおよびそれが結合しているフェニル環はナフチル基を形成する]
    の化合物、もしくは互変異性体、立体異性体、または前述のいずれかの薬理学的に許容しうる塩。
  2. およびRが独立して水素もしくはメチルであり、nが0(ゼロ)もしくは1であり、Rがハロゲンであり、mが1もしくは2であり、そしてRがハロゲン、CF、CN、OCHもしくはOCFから選択されるか、または(Rおよびそれが結合しているフェニル環がナフチル基を形成する請求項1に記載の化合物、もしくは互変異性体,立体異性体,または前述のいずれかの薬理学的に許容しうる塩。
  3. (5S)−8−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンゾイル]−3−[(1S)−1−フェニルエチル]−1−オキサ−3,8−ジアザスピロ[4.6]−ウンデカン−2−オン
    (5R)−8−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンゾイル]−3−[(1S)−1−フェニルエチル]−1−オキサ−3,8−ジアザスピロ[4.6]−ウンデカン−2−オン
    (5R)−8−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンゾイル]−3−[(1R)−1−フェニルエチル]−1−オキサ−3,8−ジアザスピロ[4.6]−ウンデカン−2−オン
    (5S)−8−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンゾイル]−3−[(1R)−1−フェニルエチル]−1−オキサ−3,8−ジアザスピロ[4.6]−ウンデカン−2−オン
    (5S)−8−[3−シアノベンゾイル]−3−[(1S)−1−フェニルエチル]−1−オキサ−3,8−ジアザスピロ[4.6]ウンデカン−2−オン
    (5R)−8−[3−シアノベンゾイル]−3−[(1S)−1−フェニルエチル]−1−オキサ−3,8−ジアザスピロ[4.6]ウンデカン−2−オン
    (5R)−8−[3−シアノベンゾイル]−3−[(1R)−1−フェニルエチル]−1−オキサ−3,8−ジアザスピロ[4.6]ウンデカン−2−オン
    (5S)−8−[3−シアノベンゾイル]−3−[(1R)−1−フェニルエチル]−1−オキサ−3,8−ジアザスピロ[4.6]ウンデカン−2−オン
    から選択される請求項1に記載の化合物もしくは互変異性体、立体異性体、または前述のいずれかの薬理学的に許容しうる塩。
  4. 該化合物が光学活性鏡像異性体もしくはジアステレオ異性体である請求項1もしくは請求項2に記載の化合物、またはその薬理学的に許容しうる塩。
  5. オキサゾリノン環の窒素原子に結合している炭素原子が(R)もしくは(S)鏡像異性体である請求項1もしくは請求項2に記載の化合物、またはその薬理学的に許容しうる塩。
  6. 中心第四級スピロ炭素原子が(R)もしくは(S)鏡像異性体である請求項1もしくは請求項2に記載の化合物、またはその薬理学的に許容しうる塩。
  7. 式(1)の化合物の合成において有用である、式(v)
    [式中、R、R、nおよびRは請求項1に示した通りの意味を有する]
    の化合物。
  8. 式(1)の化合物の合成において有用である、式(vi)
    [式中、R、R、nおよびRは請求項1に示した通りの意味を有する]
    の化合物。
  9. 式(1)の化合物の合成において有用である、式(vii)
    [式中、R、R、nおよびRは請求項1に示した通りの意味を有する]
    の化合物。
  10. である請求項9に記載の化合物。
  11. (i)ヘキサヒドロ(1H)−アゼピン−4−オン1のアミノ基を保護基で保護し、式2のケトンを生成せしめる段階:
    (ii)式2のケトンを式3のスピロ−エポキシドにエポキシド化する段階:
    (iii)Rが部分:
    [ここで、RおよびRは独立して水素、重水素、フッ素、CFあるいは非置換のまたは1個もしくはそれ以上のフッ素原子で置換されたアルキル(C1〜3)であり;nは0(ゼロ)、1もしくは2であり;Rはハロゲン、アルキル(C1〜3)、CF、CN、NH、NHAc、OH、OCHもしくはOCFから選択され;mは0(ゼロ)、1、2もしくは3である]
    を表す、式RNHのアミン4で式3のスピロ−エポキシドをアミノ分解して、式5のアミノアルコールを生成せしめる段階:
    (iv)スピロ−オキサゾリジノン誘導体6への、DMAPにより触媒される、カルボニル化剤の存在下でのアミノアルコール5の閉環の段階、
    (v)式6のスピロ−オキサゾリジノンを脱保護し、式7の化合物を生成せしめる段階を含んでなる請求項1に記載の化合物を製造する方法。
  12. 該保護基がベンジルオキシカルボニル(Cbz)もしくはtert−ブトキシカルボニル(t−Boc)基から選択される請求項11に記載の方法。
  13. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の化合物もしくはその薬理学的に許容しうる塩を含んでなる薬剤。
  14. 関節リウマチおよび多発性硬化症のようなT細胞媒介性自己免疫疾患を包含する、糖尿病、乾癬、肥満症、移植拒絶反応および炎症性ニューロパシーを処置するための製薬学的組成物を製造するための請求項1〜11のいずれか1項に記載の化合物の使用。
  15. 少なくとも1つの製薬学的に許容しうる担体、もしくは少なくとも1つの製薬学的に許容しうる補助物質、またはその2つもしくはそれ以上の組み合わせ;および請求項1〜11のいずれか1項の少なくとも1つの化合物もしくはその薬理学的に許容しうる塩の薬理活性量を含んでなる製薬学的組成物。
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