JP2012510966A - 初期段階の関節リウマチ治療用のil−3阻害剤 - Google Patents

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Abstract

関節リウマチの予防処置に、初期のもしくは悪化の初期相の間の関節リウマチの治療に、または被験者の疾患再燃または疾患進行を妨げる維持療法としてIL−3阻害剤の使用を開示する。

Description

本発明は、関節リウマチの予防処置、関節リウマチの悪化の初期相および関節リウマチの維持療法に用いられるIL−3阻害剤に関する。
関節リウマチ(RA)は、工業化社会の0.5〜1%の人口に影響を与える、慢性的な炎症性かつ破壊性の関節疾患であり、一般的に、著しい身体障害を引き起こし、結果的にクオリティオブライフを低下させる。男性よりも女性において、罹患率が2〜3倍高く、いかなる年齢層でも発症しうるが、40歳と60歳との間に発症率のピークがある。関節リウマチは、高いコストを伴い、また適切な治療がなされなければ、寿命の短縮を伴う。RAは、内膜、滑膜、関節および/または他の器官の慢性的炎症を特徴とする。RAは、手、足および膝のみならず脊椎にも生ずる、多発性関節炎である。関節外での症状を併発することも、RAの別の特徴であり、これは、リウマトイド結節から重篤な血管炎にまで及び得る。炎症細胞は、骨および軟骨に侵入して、損傷を与え得る。発症した関節においては、その形状および配列が緩くなる傾向があり、これにより可動性を失う。RAを伴う患者には、関節に、痛み、こわばり、発赤および腫れがあり、また発熱のような他の全身症状があり得る。疾患は、しばしば、悪化または再燃という形で断続的に進行する、すなわち、高い疾患活動性を伴う時期と、低度または中度の活動性を伴う時期とが交互に生じ;これらの時期の持続時間が一定しない。RAは、自己免疫反応、すなわち不適切な免疫反応の機序により生ずると推測されているものの、その病理は完全にはわかっていない。
一般的に、サイトカインは炎症性疾患に関与する。不規則および/または異常な炎症は、広範囲に渡るヒトの疾患の主要な要素であり、その1つが関節リウマチ(RA)である。
炎症性疾患に関与するサイトカインの1つの主要なサブグループが、インターロイキンファミリーである。インターロイキンは、T−細胞活性化機序、およびそれによる炎症の変化に関与する。それらは、多様な細胞応答の誘発、およびTH1またはTH2細胞のいずれかへの分化に関与する。
IL−3は、インターロイキンファミリーのメンバーの1つであり、IL−5およびGM−CSFと共に、4つの短いα−ヘリックスバンドルを有する造血性サイトカインのファミリーに属する。これらのサイトカインの各々は、特有のα−受容体サブユニット(例えば、IL−3に対するIL−3Rα)と結合する。シグナル伝達は、サイトカインのいずれに対しても結合することができない共通のβ−受容体サブユニット(β−C)により仲介される。マウスでは、IL−3Rαサブユニットと排他的に結合する、第2のβ−受容体サブユニット(βIL−3)が同定された(2)。
リウマチのプロセスで滑膜に浸潤するT細胞は、主として、IL−2およびIFN−γだけでなくIL−3をも産生するCD4メモリーT細胞である。しかしながら、T細胞からのIL−3の分泌の制御についてほとんど知られていない。IL−3は、CD34造血前駆細胞の増殖、分化および生存に寄与する。IL−3遺伝子の破損は、基礎の造血に影響しないものの、IL−3は、感染が生じた場合に、好塩基球および組織型マスト細胞の数の増加を補助するために必要である。体外試験(in vitro)で、IL−3は、骨髄細胞由来の好塩基球およびマスト細胞の分化を促進する(4−7)。IL−3は、好塩基球によるヒスタミンおよびIL−4の放出を促進し、また誘導することが報告されている(8−12)。単球/マクロファージでは、IL−3は、MHC−II発現を増加させ、かつLPS(リポ多糖)誘導性IL−1の分泌を向上させる(13、14)。IL−4またはIFN−βと共に、IL−3は、単球の樹状細胞への分化を補助する(15、16)。また、IL−3による破骨細胞様細胞の誘導も記載されている(17、18)。
今日まで、関節炎または関節リウマチにおけるIL−3の役割についてほとんど知られていなかった。初期の研究では、IL−3 mRNAは、RA患者の滑膜において検出されず(19)、線維芽細胞様滑膜細胞に対するIL−3の効果は、観察されなかった(20)。しかしながら、遺伝子分析により、IL−3プロモータにおける一塩基多型と関節リウマチとの間の関連性が見いだされた(21)。
多くのサイトカインが、炎症性マーカーまたは抗炎症性メディエーターであることは、主張されまたは既に示されている。炎症性サイトカインとしての、IL−6、IL−1βおよびTNFαに焦点が当てられてきた。国際公開第2005/069933号において、抗炎症療法で単一の炎症性サイトカインを標的とするそれらの戦略は、非常に重要な事実をないがしろにしていることが示唆された、すなわち、炎症関連疾患は、サイトカインの高度のネットワークシステムに関わっているということである。免疫系の機能は、炎症促進性および抗炎症性のメディエーターまたはサイトカインの活性により、うまく均衡が保たれていること、ならびにある特定の炎症性サイトカインをブロックするのに、複数のサイトカインの調節が好適であることがそこで述べられている。従って、国際公開第2005/069933号は、多数の炎症性サイトカインを阻害する特定の化合物を使用することを提案する。この考えはまた、米国特許出願公開第2007/0110746号明細書にも示されており、炎症性障害の治療では、MHCクラスII分子の結合をブロックすることができる少なくとも二つの物質が、接着分子とその受容体との結合を遮断するために用いられるべきであることを示す。
RAが反応を示す薬物は、そのほとんどが高い副作用のリスクをもたらすため、この疾患の治療は困難である。過去に、二つの主要な治療のアプローチがなされた:非ステロイド性抗炎症剤(NSAIDs)による対症療法および疾患修飾性抗リウマチ薬(DMARDs)である。NSAIDs、すなわち、主に抗炎症性および鎮痛性の薬が、治療または少なくとも痛みの緩和のために用いられた。それらは、炎症機序のごく一部、すなわち、シクロオキシゲナーゼ(COXs)によるプロスタグランジンの産生を妨害するのみであり、根本的な炎症現象を妨害する、または関節破壊を遅らせることはない。
対照的に、DMARDsは、疾患プロセスを修正する。近年、DMARDsのグループの中で、新しいクラスの生物学的製剤が、サイトカイン、特にTNFαおよびIL−1の、炎症プロセスにおける役割の新たな理解に基づいて開発された。DMARDsの例として、メトトレキサート、レフルノミドまたはインフリキシマブ、すなわち抗TNFα抗体が挙げられる。いくつかの薬は、抗TNFα抗体と同様に承認されている。しかしながら、TNFα−またはIL−1受容体アンタゴニストは、炎症プロセスを妨げることが示され、またこのプロセスを制御することができるにもかかわらす、これらの薬の副作用が重過ぎて、その使用が制限されることもまた見出された。
国際公開第2005/069933号 米国特許出願公開第2007/0110746号明細書
今日までに提案されたあらゆる治療は、重度の副作用という問題点を有する。従って、NSAIDsまたはDMARDsと同じくらい効果的であるが、副作用のより少ないRAの治療用の新薬を開発することが、今なお目的とされる。更に、RAの予防処置用の、初期相のRAの治療用の、および/または悪化もしくは再燃を予防するための薬物を提供することが目的である。
これらの目的は、関節リウマチの治療、特に初期治療および維持療法の新しい分類、すなわちIL−3阻害剤を提供することによって達成された。
従って、特に予防処置として、悪化初期、または低度から中程度の疾患活動性の相にあるRAの治療のために、関節リウマチに苦しむ患者のIL−3を遮断し、または不活性化することが、本発明の1つの態様である。
本願明細書および請求項では、以下の意味を有すると定義される多数の用語を参照する。
本願で用いられる「IL−3を阻害する」という用語は、このサイトカインの活性または機能を阻害すること、特にIL−3のその受容体に対する結合を阻害すること、および/またはその結合により生じるシグナル発生を阻害することを指すものとする。
本願で用いられる「IL−3阻害剤」という用語は、IL−3のその受容体に対する結合を阻害または遮断する、および/またはシグナル発生機序を妨げるあらゆる物質を指すものとする。IL−3阻害剤は、また、IL−3の生物活性を中和するまたはアンタゴナイズするあらゆる物質としてもよく;それは、また、IL−3放出を妨げる物質としてもよい。好適には、IL−3阻害剤は、IL−3を遮断する物質、またはIL−3の放出を選択的に低減する物質である。好適な実施形態では、IL−3阻害剤は、IL−3の、IL−3受容体のα受容体サブユニットに対する結合を特異的に遮断する物質である。
好適な実施形態では、IL−3阻害剤は、IL−3を特異的に阻害するもしくはIL−3のその受容体への結合を特異的に遮断する抗体、またはその誘導体もしくはその断片、またはIL−3を特異的に阻害する、もしくはIL−3のその受容体に対する結合を特異的に遮断する、もしくはIL−3の産生を特異的に遮断する薬剤、例えば、IL−3もしくはその受容体に対して結合するリガンド、IL−3またはその受容体に対して結合するポリペプチドもしくはペプチド模倣薬、IL−3またはその受容体に対して結合するアプタマーもしくはSpiegelmer(登録商標)、IL−3またはその受容体に対する結合活性を有する、もしくはこの結合を調節することができるペプチドまたはポリペプチドをコード化するDNAもしくはRNA分子、またはIL−3受容体の部分およびIgGの断片を含む可溶性の構築物から選択される。
本願で用いられる「抗体」という用語は、モノクローナル抗体およびポリクローナル抗体、ならびに遺伝子改変された抗体、キメラ抗体、単鎖抗体、またはヒト化抗体などの修飾抗体を含むものとする。更に、本願で用いられる「抗体」という用語は、断片、変異体、および多量体をも含むものとする。
「抗体断片」という用語は、とりわけ、Fab断片またはF(ab’)断片などの、当業者にとって周知であり、かつIL−3またはその受容体に対する結合親和性を有する、あらゆるタイプの断片を含む。断片は、ポリクローナルまたはモノクローナル抗体のいずれに由来してもよい。抗体または抗体断片の提供方法は、標準的な方法であり、また当業者に周知である。
本願で用いられる「リガンド」という用語は、IL−3を遮断する、または不活性化するように、特異的に相互作用する能力を有するあらゆる化合物を指す。相互作用は、IL−3またはIL−3受容体に対する結合であってもよく、その場合、IL−3はブロックされるか、もしくは不活性化される。または、相互作用は、IL−3活性化物質に対する結合であってもよい。
「ペプチド」または「ポリペプチド」という用語は、それぞれ、化学合成により、またはペプチドもしくはポリペプチドまたはその組み合わせをコード化する核酸からの発現により得られるアミノ酸配列を指す。ペプチドまたはポリペプチドは、天然アミノ酸、非天然アミノ酸、修飾アミノ酸、またはこれらの組み合わせを含みうる。更に、ペプチドまたはポリペプチドは、IL−3またはその受容体に対する結合、ポリペプチドまたはペプチドのIL−3との複合体の固相化、またはIL−3シグナリングの調節に有用な機能を誘導する官能基を有してもよい。
「IL−3を阻害するかまたは遮断するかまたは調整する、ペプチドまたはポリペプチドをコード化する核酸」という用語は、あらゆる生物のまたは合成のソースから選択され得る、または核酸ライブラリーまたはデータベースに包含され得る核酸を指す。それは、DNAおよびRNAを含み、また、修飾されたヌクレオチドを備えた核酸を含む。核酸は、環状の、直鎖状の、および/または単鎖の、二重鎖の、または部分二重鎖の核酸分子といった、あらゆるタイプのものを使用し得る。
「アプタマー」という用語は、特定の分子、本願ではIL−3またはその受容体に対する結合能力を有するDNAまたはRNA配列を指す。アプタマーは、IL−3またはIL−3受容体に対する結合能力に基づいて、ランダムプールから標準的な方法により検出できる。アプタマーに関する更なる情報は、(36)および(37)に示される。アプタマーは、立体構造に基づいて、特定の標的に対して結合する強い結合性のオリゴヌクレオチドである。アプタマーは、巨大なコンビナトリアルの核酸ライブラリーから同定することができ、PCRにより増幅可能である。ライブラリーからのスクリーニングおよび配列の増幅方法は、標準的な方法であり、当業者に周知である。
「Spiegelmer」または「鏡像RNA」は、結合親和性および機能性に関して、アプタマーと類似するが、天然のD−オリゴヌクレオチドの代わりにL−オリゴヌクレオチドを用いることによって酵素分解を防ぐ構造を有する核酸を指す。Spiegelmersのスクリーニングおよび増幅方法は、例えば、(38)により、当業者に知られている。本願において、IL−3またはIL−3受容体に結合するSpiegelmersが用いられる。
本願において用いられる「構築物」という用語は、IL−3受容体の特異的結合部分が、免疫グロブリンのFc部位と結合する分子を指す。好適な実施形態は、少なくとも1つのα受容体サブユニットおよび/またはβ受容体サブユニット、または、同様な結合能を有するその誘導体を含む、可溶性の構築物である。
「予防処置」という用語は、疾患の徴候を進行させていないが、疾患を進行させる素因を有する患者の処置を指す。
「関節リウマチの悪化の初期相」という用語は、疾患が進行中であり、疾患活動性がまだ中度または低度である、ならびに/または、関節および/もしくは血漿中のIL−3量が検出可能および/もしくは標準と比較して増大した、疾患段階を指す。ここで標準とは、健常者の関節における平均のIL−3量である。疾患活動性の決定方法、および関節、組織、または他のあらゆる試料中のIL−3量の決定方法は、当業者にとって公知である。
「維持療法」という用語は、疾患が活性でない、または疾患活動性が低い相における、関節リウマチの処置を指す。維持療法の目的は、疾患の悪化または疾患の進行を防ぐことである。
「増大した」または「低減した」という用語は、標準、すなわち健常者と比較して、増大したかまたは低減したパーセンテージまたは量に従う。
「疾患活動性」という用語、または疾患活動性のレベルは、関節リウマチの段階および重症度を指し、異なる疾患スコアを用いて評価されてよい。一般的に用いられる1つの疾患スコアは、「疾患活動性スコア」(DAS−28)である。このスコアは、腫れた関節の数、痛みを伴う関節の数、赤血球沈降速度および他の因子に基づいて算出できる。本願では、疾患活動性スコアを指すときには、DAS28のことを言う。0〜3.2のDAS28値は、疾患がないかまたは低度の疾患活動性を示し;3.2〜5.1のDAS28値は、中度の疾患活動性に相当し、そして5.1超の値は高度の疾患活動性に相当する。本発明のIL−3阻害剤は、5.1までのDAS28スコア、特に、3.2までのDAS28スコアを伴う疾患の相に有用である。
本発明はまた、以下の図を参照して説明される。
コラーゲン関節炎におけるIL−3および好塩基球を示す。パネルAは、コラーゲンを用いた再刺激後の脾細胞によるIL−3産生を示す。パネルBは、滑膜組織のサイトカイン量の測定結果を示す。パネルCは、好塩基球の活性化および生存に対するIL−3の影響を示す。パネルDは、炎症を生じた足の滑膜組織中の、好塩基球およびマスト細胞の、フローサイトメトリーによる検出を示す。 関節炎の発症の間の、IL−3の遮断を示す。パネルAは、両グループの関節炎スコアおよび発症率を示す。パネルBは、コラーゲンによる初回免疫後37日目の前足の分析を示す。パネルCは、初回免疫後37日目の、コラーゲン特異的な総Igの血漿力価(血漿希釈 1:100,000)、コラーゲン特異的なIgG1(血漿希釈 1:5,000)、および末梢血白血球サブセット(中央および右パネル)の分析を提供する。 関節炎の発症の間の、IL−3の遮断を示す。パネルAは、H&E染色したマウスの足根中足関節の組織部分を示す。パネルBは、組織学的変化の概要を示す。 関節炎の発症後の、IL−3の遮断を示す。 IL−3の投与が関節炎を悪化させることを示す。パネルAは、両グループの関節炎スコアに関するデータおよび発症率を示す。パネルBは、コラーゲン特異的なIgG1およびコラーゲン特異的なIgG2a(中央のパネル)の血漿力価およびIL−6(右のパネル)の血漿濃度と同様に、IgEおよびCD45に対する抗体を用いた細胞染色により、全白血球のパーセンテージ(左のパネル)として決定される、末梢血中の好塩基球の頻度を示す。 CD4T細胞からのIL−3分泌の制御を示す。パネルAは、様々な細胞についてのIL−3濃度を示す。パネルBは、CD4T細胞中の細胞内IL−3のフローサイトメトリーによる検出を示す。パネルCは、CD19B細胞に作用することによって、LPSがCD4T細胞のIL−3の発現を上方制御することを示す。パネルD−Fは、IL−4およびIL−6が、活性化されたCD4T細胞からのIL−3の放出を抑制することを示す。 関節炎患者中のIL−3の検出を示す。活性なRAを伴う患者8人中6人で、IL−3が検出可能であり、非活動性RAまたは他のタイプの関節炎を伴う患者では検出できないということがわかる。
本発明の発明者らは、驚くべきことに、IL−3こそが、関節リウマチの発達、特にこの疾患の初期相において関与していることを見出した。IL−3の有効性が、疾患限定因子であるようである。更に、発明者らは、IL−3を阻害することによって、関節リウマチのプロセスが停止される可能性があり、悪化または再燃が妨げられるか、少なくとも軽減される可能性があることを見出した。この発見に基づいて、発明者らは、有害な疾患であるRAと闘うための新規な戦略を開発した。発明者らは、RAの選択的な治療と、より少ない副作用とを合わせ持つ薬剤を提供することに成功した。
1つの機構として、発明者らは、好塩基球がリウマチのプロセスに関わる重要な細胞成分であることを見出した。IgEに対する抗体による好塩基球の活性化により、コラーゲン関節炎の顕著な悪化が生じることが観察された。しかしながら、好塩基球は、IgE表面の架橋だけでなく、他の因子、特に、IL−3によっても活性化される。IL−3により活性化された好塩基球は、IL−4のみならず、同様に有害な作用を有する関節炎促進性サイトカインであるIL−6をも放出する。更に、発明者らは、好塩基球が免疫記憶応答の重要な細胞成分であること、および好塩基球の活性化が関節リウマチの悪化を生ずることを見出した。好塩基球の潜在的な誘導因子および活性化因子としてのIL−3は、重要な役割を演じ、そして、関節炎の発症中に、IL−3が滑膜組織中に存在することが見出された。驚くべきことに、炎症が進行し、多量のIL−6などの炎症促進性サイトカインが存在すると、IL−3の量は抑えられる。従って、関節炎の発症の間、関節炎の初期段階または悪化の初期相において、IL−3が遮断された場合、これにより、末梢血中の好塩基球数の低減、および滑膜白血球浸潤の低減ならびに滑膜のIL−6量の低減を伴う関節炎の臨床学的および組織学的な徴候の顕著な向上が生じるであろう。関節炎の後期相においてIL−3を遮断する薬剤の使用はほとんど効果的でないことが見出された。
発明者らは、IL−3を阻害することによって、更なる進行機序、つまり、関節リウマチを特徴付ける炎症プロセスの進行を停止させることができると結論付けた。更に、発明者らは、培養物において、非常に低い濃度のIL−3であっても、好塩基球からのIL−6の顕著な放出を誘導するだけでなく、好塩基球の生存を長期化させることを見出した。好塩基球が炎症促進性サイトカインを放出するので、好塩基球の活性化を阻害することによって、また、好塩基球のより長期の生存を阻害することによって、RAの進行は停止させることができる。従って、IL−3放出の選択的な低減またはIL−3の遮断によって効果を奏することができる。IL−3の遮断は深刻な副作用(例えば、(3))を引き起こさないことが見出されている。つまり、発明者らは、IL−3が、末梢血中の好塩基球数を増大させて、血漿中のIL−6濃度をより高くし、そして、関節炎の顕著な悪化を誘導することを示した。
従って、発明者らは、関節リウマチが、関節リウマチのプロセスの停止を引き起こすIL−3の遮断により治療される可能性があり、好塩基球および他のIL−3応答性細胞がもはや活性化されず、そして炎症が減少すると結論付けた。
従って、本発明は、関節リウマチの予防処置用、関節リウマチの初期段階、関節リウマチの悪化の初期相における治療、および関節リウマチの維持治療のIL−3阻害剤を提供する。
本発明の1つの実施形態では、IL−3阻害剤、特に上記で定義したIL−3阻害剤が、疾患の発症を妨げるために、関節リウマチの発達に関する素因を有する患者の予防処置に用いられる。
本発明の更なる実施形態では、IL−3阻害剤が、上記で定義した、初期段階の関節リウマチの治療に用いられる。初期相の関節リウマチの症状が患者に見られた場合、IL−3阻害剤をできるだけ早期に投薬するべきである。患者の初期相の診断は、疾患活動性スコアを使用するか、または関節リウマチの一般的な決定因子によりなされる。初期相の関節リウマチの存在は、損傷した関節におけるIL−3量の測定により決定されてもよい。IL−3の測定は、当業者に周知の分析方法を用いてなされ得る。患者が初期段階のRAを患っているかどうかを判断するために、上述の疾患活動性スコアを測定することが有用であるDAS28の値が5.1以下、好適には3.2以下である場合、これは、低度から中度のRAの活性があるという示唆であり、IL−3阻害剤での治療に適しているといえる。
RAの状態を決定するための、およびIL−3阻害剤での治療の効能を追跡するための別のツールは、患者の血清中の抗CCP抗体などのバイオマーカーの量の測定である。CCP抗体を測定する有用な方法は、当業者に知られており、文献に記載されている。抗CCP抗体などのバイオマーカーの測定方法は、例えば、欧州特許出願公開第1980855号明細書に記載され、かかる方法は本発明についても有用である。
更なる実施形態では、本発明のIL−3阻害剤は、RAの進行中の、悪化もしくは再燃の初期相の治療に、またはIL−3量が増大したときに使用する。再燃の間のRAの進行段階においても、IL−3量は上昇し得ることが見出された。これらの場合、再燃は、IL−3阻害剤の投薬により、防止できるか、または少なくとも軽減できる。患者が、悪化または再燃の初期相にあるかどうかを判断するための有用なツールが、DAS28である。DAS28の値が、痛みのより少ない期間の後に上昇し始める場合、これは、悪化であるため、本発明のIL−3阻害剤による即時の治療が有用であるといえる。。
関節リウマチの初期段階または進行/活性段階において、IL−3は疾患限定因子であること、およびこれらの段階は検出可能なおよび/または増大した関節中のIL−3量と関連することが見出された。この点について、「増大したIL−3量」は、通常のIL−3量と比較して30%超増大したIL−3量を指す。
活動性の関節リウマチを患う患者では、IL−3量を検出することができるものの、健常者、もしくは活動性の関節リウマチもしくは他のタイプの関節炎を伴っていない患者においては、滑液中もしくは血漿中には、IL−3は、存在しないか、または検出可能なごく少量のみがあるということが見出された。従って、活動性のRAを有しない個体ではIL−3量を検出可能できない、標準的な個体群においては、関節リウマチの悪化の初期相または関節リウマチの活性状態は、血漿中または滑液中のIL−3量が、血漿または滑液中で3pg/mL超、好適には5pg/mL超、より好適には7.5pg/mL超、更により好適には血漿または滑液中で9.5pg/mLである患者について診断される。
RAの治療に有用な、IL−3を阻害する様々な方法存在する。IL−3の生物活性が、好塩基球および他の因子の活性化を回避するために中和されることが必要不可欠である。
1つのアプローチでは、IL−3の結合部位またはその受容体が遮断される、例えば、立体的に妨害されるように、IL−3の阻害は、IL−3に対して、またはその受容体、または両方に対して結合する抗体により達成されてよい。別のアプローチでは、IL−3受容体よりもIL−3に対してより高い親和性を有する物質を用いて阻害を起こしてもよく、この場合、IL−3を遮断するか、IL−3を受容体から置換することができる。IL−3の受容体に対する親和性と比較して、ある物質の親和性は、当業者に周知の方法、例えばリガンドバインディングアッセイにより測定することができる。
IL−3阻害剤として抗体を用いる場合、あらゆるタイプの抗体を使用することができ、モノクローナルおよびポリクローナル抗体、またはその断片またはそれらをコードするDNAを用いることができる。従って、「抗体(antibody)」または「抗体(antibodies)」は、広い意味で用いられ、ポリクローナルおよびモノクローナル抗体の両方を含み、免疫グロブリン分子の、断片、および二重特異性ならびに三重特異性の抗体などの多量体、標準的な分子生物学的技術を用いて生産される抗体もしくは抗体断片を包含する融合タンパク質、一本鎖抗体、およびヒトもしくはヒト化免疫グロブリン分子もしくはその断片をも含む。IL−3のその受容体に対する結合を遮断するのに十分な程度に、IL−3もしくはIL−3受容体に対して物理的に結合するあらゆる抗体もしくはその断片を、本発明に用いることができる。
抗体は、IL−3のその受容体に対する結合が妨げられる限り、IL−3またはIL−3受容体のどの部位に対して結合してもよい。抗体は、β−受容体サブユニットに結合することによって、α−受容体サブユニットに結合するか、またはシグナル伝達を遮断することができる。阻害は可能な限り特異的とし、好適には、抗IL−3抗体はα受容体サブユニットに対して結合するか、または遮断するべきである。抗IL−3抗体は、他のサイトカインと結合しないか、または極めて低い程度にのみ結合することが必要不可欠である。「選択的に」IL−3に結合する抗体は、他のサイトカイン、すなわちIL−5との交差反応性が低い抗体である。結合を遮断する抗IL−3抗体は、市販されており、文献、例えば、J. Immunol. 1988, 140 (1:131−137)および下記の32から35に記載される。
本発明に有用な抗体として、市販のものを購入することができる。それらは、当業者に周知の方法を用いて作製され得る。当業者は、IL−3またはIL−3受容体または完全IL−3または完全IL−3受容体を発現する細胞、またはその一部のどの部分が、本発明において有用な抗体を作成するための抗原として有用かを知っている。本発明について有用な抗体を作製するために用いるポリペプチドは、部分的にまたは全部、天然資源から精製されてよく、または、当業者に周知の組み換えDNA技術もしくはペプチド合成技術を用いて合成してもよい。例えば、IL−3、IL−3受容体またはその断片をコード化するDNAは、原核細胞もしくは真核細胞中で発現させることができ、その後、組み換えタンパク質を、精製し、そしてモノクローナルまたはポリクローナル抗体を生産する動物中での免疫反応の惹起に用いてもよい。当業者は、動物中で免疫反応を引き起こすための、または抗体断片を包含するファージライブラリをスクリーニングするための、ポリペプチドの最も適した部分を選択する方法を知っている。当業者に周知の通り、必要に応じて、抗体を産生するために、アジュバンドを用いてもよい。一例として、市販のエピトープおよびペプチド抗体パッケージを含む、少なくとも12以上のアミノ酸からなるペプチドを使用してもよい。更に、2以上のタイプのモノクローナル抗体または2価以上のポリクローナル抗体は、あらゆる組み合わせで作製し、され、また使用してよく、すなわち、異なるタイプのモノクローナル抗体を組み合わせてもよく、また異なる価数のポリクローナル抗体またはモノクローナル抗体およびポリクローナル抗体を、IL−3の阻害に必要とされる最適な特異性および親和性を有する調製物を得るために組み合わせてもよい。
抗体の活性および親和性の試験は、当業者にとって周知である。適用できる方法としては、例えば、ELISAおよび免疫細胞化学、リガンドバインディングアッセイ、IL−3依存的細胞増殖、細胞活性化、およびフローサイトメトリーが挙げられる。指導は、Harlow and Lane, Antibodies: A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor, NY, 1988 などの教科書中に見つけられ得る。
モノクローナル抗体は、実質的に同種の個体群の抗体または抗体断片から取得する。すなわち、個体群内の個体の抗体はその特異性および親和性において同一である。モノクローナル抗体は、それらが所望の阻害活性を示す限り、重鎖および/または軽鎖の部分が、特定の種に由来するか、または特定の抗体クラスもしくはサプクラスに属する抗体における対応する配列と、同一であるかまたは同種であるが、残りの鎖は別の種に由来するか、または別の抗体クラスもしくはサプクラスに属する抗体における対応する配列と、同一であるかまたは同種であるキメラ抗体、およびかかる抗体の断片を含む。
本発明に有用なモノクローナル抗体は、Kohler and Milstein, Nature, 256:495 (1975)に記載される、周知のハイブリドーマ技術を用いて調製されてよい。ハイブリドーマを作製するため、マウスまたは他の適当な宿主動物は、完全なIL−3もしくはIL−3の抗原性部位またはIL−3受容体またはそれらの断片により免疫され、IL−3またはIL−3受容体に対して特異的に結合する抗体を、産生するかまたは産生することができる白血球を誘発する。当業者に周知の方法で、免疫反応を高めるアジュバンドを用いてもよい。適したリンパ球を選別し、ミエローマ細胞との融合させることにより不死化させ、ハイブリドーマを得る。
モノクローナル抗体を、当業者に周知の組み換えDNA技術によっても作製することができる。モノクローナル抗体をコードするDNAを、従来の方法を用いて、単離し、シーケンスする。抗体または活性抗体断片のライブラリーを、当業者に周知のファージディスプレイ技術を用いて作製し、選別することができる。組換え抗体、抗体断片、それらの融合物およびポリマーは、生体外で(in vitro)、または原核細胞、例えばバクテリア、または真核細胞、例えば酵母、昆虫または哺乳類細胞で発現させてもよく、かつ周知の方法を用いて更に精製してもよい。
一価抗体を生体外(in vitro)で調製する方法を採用してもよい。抗体の断片の作製方法は、当業者に周知である。すなわち、Fab断片は、パパインを用いて作製でき、一方、(Fab)’断片はペプシンを用いて作製できる。
特異的に結合する抗ヒトIL−3抗体は、例えば、R&Dシステム社、クローン4806 and 4815 (カタログNo. MAB203 and No. MAB603)、およびBDバイオサイエンス社、クローン BVD3−1 F9 and BVD8−3G11 (カタログNo. 554674 ビオチン ラット 抗ヒト IL−3 0.5 mg; No. 554671 精製 NA/LE マウス 抗ヒト IL−3 0.5 mg)から市販されているか、または発表されている(F14−570, F14−746, J Immunol. 1991, 146:893−898)。好適な実施形態では、これらの抗体の1つまたはその断片を、IL−3に対する特異性および親和性についての対照として用い;好適には、少なくともこれらの市販のもののうちの1つと同様の、特異性および親和性を伴ってIL−3に対して結合している抗体を用いる。他の抗IL−3抗体を用いてもよい。公知の抗体と比較した抗体の親和性は、当業者に周知の方法、例えば競合ELISA法により測定してもよい。
1つの抗体が、他の抗体と同様の中和活性または同様のエピトープ特異性を有するかどうかを検出する試験は、当業者にとってありふれたものであり、有用なアッセイ法も公知の方法である。更に、モノクローナル抗体が認識するエピトープの、特異的に結合する抗体による同定は、以下のように行われる。まず、モノクローナル抗体が認識する、分子の様々な部分構造を準備する。部分構造は、分子の様々な部分ペプチドが、公知のオリゴペプチド合成技術により合成的に調整されることを特徴とする方法により、また所望のポリペプチド部分をコード化するDNAが、適した発現プラスミド中に導入され、そして適したホスト、例えばE.coli中で発現されることを特徴とする方法により調整され、そのペプチドを生産する。一般的に、上記目的のために、両方法はよく、組み合わせて用いられる。例えば、適当に低減した長さを有し、抗原タンパク質のC−またはN−末端から働く一連のポリペプチドは、確立された遺伝子工学的技術により調整されてよい。エピトープ部位についての大まかな考えは、どの断片が抗体と反応するか立証することによって得られる。エピトープは、確立されたオリゴペプチド合成技術を用いて、それに対応する様々な小分子オリゴペプチド、またはそのペプチドの変異体を合成することによってより詳細に同定され、本発明に関して有用な更なる抗体の調製の基盤となる、そのペプチドの抗IL−3モノクローナル抗体に対する結合特性、および抗原に対するペプチドの結合の、モノクローナル抗体を用いた競合阻害が決定される。市販のキットは、広く様々なオリゴペプチドを得るために便利に用いられ得る。
「抗体」という用語は、ヒト抗体および/またはヒト化抗体をも指すものとしてよい。非ヒト抗体は、ヒトに投与されると、望ましくない免疫反応を生じるため、当技術分野で周知の方法を用いてヒト化されるべきである。
好適な実施形態では、本発明にしたがって、ヒト化抗体を使用する。抗体ヒト化技術は、一般的に、抗体分子の1つまたは複数のポリペプチド鎖をコード化するDNA配列を操作する組換えDNA技術の使用を含む。従って、非ヒト抗体のヒト化型またはその断片は、キメラ抗体、または抗体鎖、または、Fv、Fab、Fab’などの断片、またはヒト抗体のフレームワークに組み込まれた非ヒト抗体由来の抗原結合部位の一部を包含する、抗体の他の抗原結合部分である。好適な実施形態では、クローン4806、4815、BVD3.1F9、BVD8−3G11、F14−570またはF14−746のうちの1つのクローンにより産生された抗体をヒト化型として用いた。
ヒト化抗体を生成するために、レシピエントの抗体分子の1つまたは複数の相補鎖決定領域(CDRs)由来の残基が、所望のIL−3またはIL−3受容体結合特性を有することが知られている、ドナーの抗体分子、例えば、上記のクローン4806、4815、BVD3.1F9、BVD8−3G11、F14−570、F14−746のうちの1つにより産生される抗体の、1つまたは複数のCDRs由来の残基により置き換えられる。ときに、ヒト抗体のFvフレームワークの残基は、相当する非ヒトの残基により置き換えられ得る。また、ヒト化抗体は、所望の特性を誘導するために他の残基を包含してもよい。従って、本発明については、いくつかのCDRの残基および場合によっていくつかのフレームワークの残基が、クローン4806、4815、BVD3.1F9、BVD8−3G11、F14−570、F14−746のうちの1つにより産生される抗体中の類似した部位に由来する残基により置換される。非ヒト抗体のヒト化方法は、当業者にとって周知である。例えば、ヒト化抗体は、齧歯類のCDRsまたはCDR配列を、ヒト抗体の相当する配列で置換することによって生成することができる。
更に、ヒト抗体は、当技術分野で記載されるヒトモノクローナル抗体作製技術を用いて調製することもできる。例えば、ヒト抗体を、ファージディスプレイライブラリを用いて作製してもよい。
ヒト抗体は、トランスジェニック動物から得てもよい。例えば、免疫に応答してあらゆるレパートリーのヒト抗体を産生することができるトランスジェニックおよび変異体のマウスは、当技術分野で既知の技術である。具体的には、これらのキメラおよび生殖系列の変異体マウスにおける抗体重鎖連結領域(J(H))遺伝子のホモ接合型欠失により、内在性の抗体産生が阻害され、かつヒト生殖系列の抗体遺伝子アレイの、かかる生殖系列変異体マウスへの転移がなされることにより、抗原攻撃のときにヒト抗体が産生される。所望の活性を有する抗体は、免疫組織化学、ELISA、ウェスタンブロットまたはフローサイトメトリーなどの周知の技術を用いて選別することができる。
抗体または抗体断片は、特異的性質を達成するために、挿入、削除、置換、または特定の領域もしくは特定のアミノ酸残基の他に選択された修飾を含んでもよい。更に、抗体または抗体断片は、特異的性質を提供するために、他の配列または特定の官能基に結合させてもよい。例えば、ジスルフィド結合することが可能なアミノ酸を除去または付加する修飾を行い、生体内寿命を増大させ、分泌特性等を変化させてもよい。これらのあらゆる変更を、抗原の特異性および親和性を実質的に変えない条件下で行うことができる。抗体または抗体断片の機能および活性領域は、当業者に周知のように、タンパク質の特定領域の変異導入、それに続く発現および発現されたポリペプチドの試験を行うことで同定および/または向上することができる。例えば、抗体または抗体断片のアミノ酸配列改変体を生成してもよく、IL−3またはIL−3受容体に対する、同等のまたは向上した親和性を示すものについては標準的な技術を用いて同定してもよい。抗体または抗体断片をコード化する核酸の部位特異的変異導入またはランダム変異導入も、適用可能であり、また当業者に周知である。天然のおよび非天然のアミノ酸は、抗体および抗体断片のアミノ酸配列改変体を生成させるために用いることができる。
これらの全てのタイプの抗体および抗体断片は、本発明において有用である。
本発明において有用な抗体を選択するために、IL−3の生物学的活性の中和能が用いることができる。天然型と同様に、組換え型のヒトIL−3またはヒトIL−3受容体に結合する抗体は、当業者に周知のように、固相化されたヒトIL−3またはヒトIL−3受容体を用いて捕捉できる。
IL−3の測定用の試験は、市販されており、例えば、BDバイオサイエンス社製のELISAキットが挙げられる(32〜34参照)。
被験者のIL−3活性を中和するために必要とされる抗体の濃度は、サイトカイン濃度、細胞型、生育条件および活性のタイプに依存する。ガイドラインを提供するために、抗体の中和用量は、特定の条件設定の下で決定することができる。中和用量(ND50)とは、抗体について、IL−3が最大応答を引き起こすのに十分に高い濃度で存在するときに、応答性細胞株における、IL−3活性またはIL−3受容体の最大阻害の半分を得るために必要とされる抗体濃度として定義される。具体的な濃度は、TF−1細胞株の増殖試験を用いて、0.001〜1μg/mLの範囲内である。この分析は、Kitamura T. et al., 1989, J. Cell Physiol. 140 (2): 323−334に記載される。この分析では、ヒトIL−3は、用量依存的に、ヒトTF−1細胞によるH−チミジンのを促進する。この効果に関するED50は、一般的に0.1〜0.4ng/mLである。ヒトTF−1細胞に対するIL−3の生物活性を中和するための抗体の能力を測定するために、IL−3を、様々な濃度の抗体とともに、96ウェルプレート中で、37℃で1時間インキュベートする。このプレインキュベートの後、TF−1細胞が加えられる。0.001〜10μg/mLの間の様々な濃度の抗体、1.25ng/mLのIL−3、および1×10細胞/mLの細胞を含有する総量100μLの分析混合物を、加湿CO培養器中で、37℃で48時間インキュベートする。H−チミジンを、インキュベーションの終了4時間前に添加する。細胞を、ガラス繊維フィルター上に回収し、DNAに導入されたH−チミジンを測定する。これらの条件下で、抗体のND50を、測定することができる。
このように、抗ヒトIL−3抗体または抗ヒトIL−3受容体抗体を用い、この試験を実施して、IL−3を中和するために最適な抗体の濃度を測定することができる。
抗体の用量は、かかる中和試験を用いて選択することができる。本発明によるIL−3阻害剤を用いると、ID50を、治療開始時および長期治療の間の適切な期間内に測定することができる。
更なる実施形態では、IL−3を特異的に阻害するか、またはIL−3のその受容体に対する結合を特異的に遮断するか、IL−3の産生を特異的に遮断する薬剤を用いることができる。実施例は、IL−3またはその受容体に対して結合するリガンド、IL−3もしくはその受容体に対して結合するポリペプチドもしくはペプチド模倣薬、IL−3もしくはその受容体に対して結合するアプタマーもしくはSpiegelmer、IL−3もしくはその受容体に対する結合能を有するもしくはその結合を変性することができるペプチドもしくはポリペプチドをコードするDNAもしくはRNA分子、またはIL−3受容体およびIgG断片の部分を含む可溶性構築物である。
1つの実施形態では、リガンドは、IL−3を阻害または遮断または変性する、ペプチドもしくはポリペプチドまたはペプチドもしくはポリペプチドをコード化する核酸である。
IL−3阻害剤の別の有用なグループは、上記のアプタマーおよびSpiegelmersを含む。IL−3阻害剤として特に有用であるアプタマーおよびSpiegelmersは、IL−3またはその受容体に対する結合活性を有するものである。それらのアプタマーおよびSpiegelmersは、IL−3またはIL−3受容体への結合能に基づいて、標準的な方法によりランダムプールから検出することができる。好適には、抗体と同様の1pM〜1nMの範囲内のKds(平衡定数)を有する、IL−3またはその受容体に対して結合するアプタマーまたはSpiegelmersが用いられる。
本発明の別の好適な実施形態では、免疫グロブリンのFc部位と抱合された、IL−3受容体の特異的結合部分を含む構築物が用いられる。かかる構築物の好適な実施形態は、可溶性であり、少なくとも1つのα‐受容体サブユニットおよび/またはβ‐受容体サブユニット、または同様の結合能力を有するその誘導体を含む。
別のアプローチでは、可溶性のIL−3受容体またはその断片を使用し、IL−3の結合部位を占有することでIL−3の結合及び活性化を妨害することによって、IL−3のその受容体に対する結合を妨害する。
更なるアプローチでは、IL−3の産生を阻害するか、または減少させてもよい。従って、本発明において、例えば、単球、励起されたB−細胞由来の、IL−3産生を妨げるいかなる物質も、本発明について用いることができる。
更に、IL−6およびIL−4の組み合わせが、IL−3放出に対する相乗効果を有し、IL−3産生を極めて顕著に遮断することが見出された。このことは、図6d、eに示される。IL−6およびIL−4の組み合わせは、また、CD4T細胞からのIL−3分泌を低減させることもできる。従って、本発明の更なる実施形態では、IL−3産生の阻害およびそれによるRAの治療のための、IL−4などの因子を提供する。
IL−3が増加する限り、関節リウマチは更に進行すること、そして関節リウマチの進行は、本発明の使用、すなわち関節リウマチの治療用薬剤の調製にIL−3阻害剤を用いることによって阻害されるか、または低減され得ることが見出された。
IL−3阻害剤を、IL−3量を減少させるか、またはそれを通常に戻すだけの量用いると、RAの進行を、遅延するかまたは停止させることができ、軟骨破壊を回避するか、少なくとも低減することができ、滑膜組織の細胞浸潤を低減することができ、そして好塩基球の産生および好塩基球からのIL−6の放出を低減することができる。
別のアプローチでは、IL−3結合物質、特にIL−3抗体を固相化した形態で用いることによって、IL−3を除去することができる。その場合、1つまたは複数のタイプのIL−3結合分子を、固相化用の官能基を用いて固相に対して結合させる。固相は、例えば、担体、支持体、マトリックスまたはビーズであってよい。本発明に従って用いることのできる固相上に固相化するための官能基は、当業者に周知であり、化合物を固相化するために通常用いられるものをここで用いてもよい。
上述のように、あらゆるIL−3阻害剤、言い換えれば、IL−3もしくはIL−3のその受容体に対する結合を阻害するか、または遮断するあらゆる物質を、治療に用いることができる。IL−3阻害剤は、特に、IL−3量の増加が観察された被験者で、初期段階の関節リウマチの治療を可能とする。更に、IL−3阻害剤は、RAに罹患しやすい被験者におけるRAの進行妨げるための予防処置に用いることができる。別の実施形態では、IL−3阻害剤は、RAが重篤化することを妨げるために、進行したRAを伴うが、疾患活動性がないかまたは低度である被験者に対する維持治療に用いることができる。IL−3阻害剤は、IL−3の生物活性を中和して、これにより関節リウマチの進行を妨げるか、または遅延させる。更に、それは、軟骨破壊、滑膜組織での細胞浸潤、および好塩基球数の減少を、妨げるかまたは回避する。
治療の有効な用量は、一般的に当業者に公知であるように、主治医により決定することができる。阻害剤の有効な用量は、RAの徴候を緩和するか、または疾患の悪化を妨げる量である。疾患の進行を、IL−3量および/または疾患スコア(例えば、DAS28)を定期的にモニタリングすることより、追跡することができる。スコアが維持されるか、0.6超減少している場合には、治療は有効であるとされる。治療成功についての別の示唆は、IL−3量が減少していること、または血漿および/もしくは滑液中にIL−3が検出されないことである。治療に用いられる用量は、通常、最も好ましい治療指数を有する、すなわち、最低の用量および最低の副作用で最高の効果を奏する用量である。この用量は、当業者に周知のように、用量反応曲線を用いて決定することができる。
IL−3抗体が用いられる場合、用量は、活性および抗体の半減期によって決定される。約1〜2週間の半減期を有する抗体については、用量は、好適には投与回あたり1〜1000mg、より好適には10〜100mgの範囲内である。抗体は、1日1回から1月1回、好適には1週間に1回または隔週に1回投与されるが、その頻度は、被験者中の抗体の半減期に依存する。
最適な用量は、好適には、DAS28値または他のパラメータのような、パラメータの定期的な診断を用いることによって、主治医により決定し、また疾患の経過に基づいて適応させる。
他の実施形態では、治療用の用量は、IL−3放出、IL−3に応じて放出されるサイトカインである、インターロイキン−6(IL−6)および/またはインターロイキン4(IL−4)量の定期的なモニタリングによって、決定することができる。
一般的に、IL−3阻害剤の有用な用量は、被験者の体重kg当たり、一週間につき、0.01;0.02;0.03;0.05;0.07;1.0;1.5;2.0;2.5;または30mgのIL−3阻害剤から、被験者の体重kg当たり、一週間につき、1.0;1.5;2.0;2.5;3.0;4.0;5.0;7.0;10;12;14;17;または20gのIL−3阻害剤までの用量である。
本発明は、更に、IL−3阻害剤および製薬学的に許容可能な担体を含む、RA、特に初期段階の治療用の製薬学的組成物を提供する。
担体は、製薬学的組成物を調製するのに有用なあらゆる添加剤、賦形剤またはビヒクルとしてよい。
本発明のIL−3阻害剤は、動物、すなわち恒温脊椎動物、例えば、ヒト、ウマ、ブタ、子ウシ、マウス、イヌまたはネコ科動物などの関節リウマチの治療に用いることができる。特に、本発明のIL−3阻害剤はヒトについて用いられる。
RAの治療のために、IL−3阻害剤を、液体または固形状などの、あらゆる製薬学的に許容可能な形態で用いることができる。好適には、阻害剤は、特に、静脈内、皮下、筋肉内、関節内注射により、非経口的に投与することができる液体として処方される。好適な実施形態では、IL−3阻害剤は、全身または局所投与向けの使用のために提供される。1つの実施形態では、IL−3のその受容体に対する結合を阻害する薬剤は、罹患している関節に対して直接的に投与使用するために提供される。
投薬計画は、疾患の重症度、治療される被験者の年齢および体重、用いられる阻害剤、特にその生理学的条件下での半減期、および他の周知の因子によって決定する。適切な投薬計画は、少なくとも1月に1度の、より好適には3〜15日以内に1度の、および必要ならばより頻繁な、静脈内または皮下投与による投薬を行うことである。
加えて、更に治療を向上させ、かつ効能を増大させるために、好適な実施形態では、IL−3抗体の使用と併用して、共刺激細胞を変容させる物質を用いることができる。
更に、本発明の阻害剤は、標準的なRA治療に加えて、例えば、NSAIDsおよび/またはDMARDs(生物製剤を含む)と組み合わせて用いることができる。
故に、本発明の更なる実施形態は、NSAIDsおよびDMARDs(生物製剤を含む)から選択されるRAの治療に対して有効な薬剤と組み合わせた、IL−3阻害剤を含む組成物である。
従って、本発明によれば、診断および有用な治療のための有用なツールが提供される。関節リウマチと診断され、IL−3量の増大が測定される場合には、本発明によるIL−3阻害剤の使用が大いに勧められる。
以下の図面は、本発明の例示に過ぎないが、本発明の特定の実施形態を更に詳細に記載する。しかしながら、これらの図面は本発明の対象を限定することを意図しない。
(図1、コラーゲン関節炎におけるIL−3および好塩基球)
A、コラーゲンによる再刺激後の脾細胞によるIL−3産生。コラーゲンによる初回免疫後31日目に、総脾細胞、またはx軸上に示されるように特定の白血球サブセットを除去した脾細胞を、コラーゲンII型と共に3日間インキュベートした。コラーゲン特異的なIL−3の産生は、コラーゲン不存在下でのIL−3の放出を差し引いて決定した。B、滑膜組織でのサイトカイン量の測定。関節炎の誘発後36日目に、マウスの後足を評価し、0−2(n=14)の臨床上の関節炎を伴う1つのグループ、および3−4(n=12)のスコアを有する他のグループを備える二つのグループに階層化した。各々の足の滑膜組織を、1mLのPBS中に調製し、サイトカイン量をELISAで測定した。高い炎症性の足は、有意に、より多量のTNF−α、IL−6およびIL−1βを含んでいたが、より少量のIL−3を含んでいた。IL−17、GM−CSFおよびIFN−γβの滑膜組織レベルは、炎症の程度と相関しなかった。C、好塩基球の活性化および生存に対するIL−3の影響。好塩基球は、マウスの骨髄から濃縮され、図示するように、様々な濃度のIL−3の存在下で、3つに分けて、4日目まで培養した。IL−3の不存在下では、IL−6およびIL−4の放出は検出できず、好塩基球の急速な細胞死が起こった。サイトカインの放出および好塩基球の生存は、低量のIL−3の添加により顕著に増加した。D、フローサイトメトリーによる炎症性の足の滑膜組織中の好塩基球およびマスト細胞の検出。単細胞浮遊液を、コラゲナーゼによる消化により、炎症性の足の滑膜組織から調製した。細胞を、CD45、c−kitおよびIgEの発現について分析し、好塩基球(IgE、c−kit)およびマスト細胞(IgE、c−kit)の頻度を、CD45陽性浸潤白血球の総量のパーセントとして与える。
(図2、関節炎の発症の間のIL−3の遮断)
コラーゲンによる初回免疫の後21−36日目の、35μgのα−IL−3(n=15)またはラットIgG(n=15)の連日注射により、マウスを処置した。A、関節炎スコアおよび発症率を、両方のグループにおいて決定した。B、コラーゲンによる初回免疫後37日目の前足の分析。滑膜組織から回収した細胞を、IgE、CD11b、CD45およびGR−1に対する抗体で染色し、単球(CD11b、GR−1−/low)、好中球(CD11b、GR−1)および好塩基球(IgE、GR−1)を識別した。前足ごとの回収された細胞の絶対数を、左および中央パネルに示す。滑膜組織に存在するIL−6およびTNF−αの量を、ELISAにより定量化した(右パネル)。C、コラーゲンによる初回免疫後37日目の、コラーゲン特異的な総Ig(血漿希釈 1:100,000)およびコラーゲン特異的なIgG1(血漿希釈 1:5,000)(左パネル)の血漿力価ならびに末梢血白血球サブセット(中央および右パネル)の分析。図2bに記載するように、末梢血細胞を染色して識別し、白血球サブセットを総白血球のパーセントとして算出した。
(図3、関節炎の発症の間のIL−3の遮断)
マウス(グループにつきn=15)を、図2に記載するように処置し、下部の足根中足関節の組織学的変化をコラーゲンによる初回免疫後37日目に決定した。A、マウスの足根中足関節のH&E−染色した組織部分。抗IL−3で処置したマウス(左)では、軟骨または骨破壊のない低度の滑膜の過形成が見られた。コントロールマウスでは、顕著な滑膜の過形成を伴う、重度の骨破壊および穏やかな軟骨破壊が見られた。B、組織学的変化の概要。滑膜の過形成(増殖)、白血球浸潤(浸潤)、軟骨浸食(軟骨)および骨破壊(骨)を、0−2のスケールで評価した。
(図4、関節炎の発症後のIL−3の遮断)
関節炎の誘導後、マウスの関節炎出現について毎日評価した。関節炎スコアが、少なくとも2となったとき、各マウスをランダムに、抗IL−3(n=10)またはラットIgG(n=10)による1日ごとの腹腔内処置に供した。抗IL−3またはラットIgGの初回投与の日を0日目として、処置を6日目まで続けた。IL−3の遮断は、既に確立された関節炎の進行を低減しなかった。
(図5、IL−3の投与による関節炎の悪化)
マウスを、コラーゲンによる初回免疫後20日目から日30日目まで、毎日2回の、100ngのIL−3(n=21)またはPBS(n=18)の腹腔内注射による処置を施した。A、関節炎スコアおよび発症率を、両方のグループで観察、計測した。B、末梢血中の好塩基球の数は、IgEおよびCD45に対する抗体を用いた細胞染色により測定し、総白血球のパーセンテージとして算出した(左パネル)。コラーゲン特異的なIgG1(血漿希釈 1:1,000)およびコラーゲン特異的なIgG2a(血漿希釈 1:2,000)(中央パネル)の血漿力価ならびにIL−6の血漿濃度(右パネル)を、コラーゲンによる初回免疫後31日目にELISAにより測定した。
(図6、CD4T細胞からのIL−3分泌の制御)
A、x軸に示すように、CD4T細胞を、CD11細胞およびα−CD3と共に、CD19B細胞およびα−CD3と共に、またはα−CD3/28ビーズと共に、3日間培養した。図中の凡例に示されるように、LPS(10μg/mL)、CpG DNA(1μM)またはα−CD3/28ビーズ(1ウェル当たり50,000)も加えた。上澄み中のIL−3の濃度を、ELISAにより測定した。B、CD11b細胞、α−CD3およびLPSと共に(上パネル)、またはB細胞、α−CD3およびLPS(下パネル)と共に3日間培養された、CD4T細胞における細胞内IL−3のフローサイトメトリー検出。IL−3は、CD4T細胞内のみで検出可能である。C、LPSは、CD19B細胞に対して作用することによって、CD4T細胞のIL−3発現を増加させる。x軸に示すように、野生型マウス(WT)由来、またはTLR4−欠損C3Hマウス(C3H)由来のCD4T細胞を、野生型マウス由来のB細胞の存在下、またはC3Hマウス由来のB細胞の存在下、α−CD3およびLPSで刺激した。IL−3の濃度を、ELISAにより上澄み中で測定した。D−F、IL−4およびIL−6は、活性化されたCD4T細胞からのIL−3の放出を抑制する。CD4T細胞を、CD11b細胞およびα−CD3と共に、またはCD11b細胞、α−CD3およびLPS(パネルD)と共に、またはCD19B細胞およびα−CD3と共に、またはCD19B細胞、α−CD3およびLPS(パネルE)と共に、または励起なしで、またはα−CD3/28ビーズ(パネルF)と共に3日間培養した。IL−4、IL−6または両方を、x軸に示されるように、それぞれ10ng/mLの濃度で加えた。IL−3の濃度を、ELISAにより上澄み中で測定した。
(図7、関節炎を伴う被験者でのIL−3の検出)
IL−3は、活動性RAを伴う8人の患者中6人で検出可能であったが、非活動性RAまたは他のタイプの関節炎を伴う患者では検出可能でなかったことが分かる。
(結果)
IL−3は、脾臓中のコラーゲン特異的なCD4T細胞により多量に産生され、関節炎の発症の間滑膜組織に存在するが、重度の炎症を伴う足では少量に抑えられる。関節炎の発症の間のIL−3の遮断は、滑液白血球、滑液サイトカイン、コラーゲンに対する抗体価、および末梢血の好塩基球の減少を伴う、関節炎の顕著な向上を生ずる。関節炎の後期相におけるIL−3の遮断は、有益な効果を有しない。関節炎の発症の間の、組換えIL−3の投与は、末梢血の好塩基球の増加、血漿IL−6の増加、およびコラーゲンに対する抗体価の増加を伴って、関節炎の顕著な悪化を誘発する。加えて、我々は、LPSおよびCpG−DNAが、活性化されたCD4T細胞からのIL−3の分泌を、共刺激細胞に対して作用することによって増加させる一方で、どのように、IL−3の発現が、CD4T細胞中で制御され、IL−6およびIL−4が、活性化されたCD4T細胞によりIL−3の放出を抑制するのかを調査した。
本発明の好適な実施形態は、以下の実施例に説明されるが、これは本発明の範囲と思考を限定しないものと解されたい。
(実施例1)
(導入)
関節炎におけるIL−3の役割を分析した。最近、IgEに対する抗体による好塩基球の活性化によるコラーゲン関節炎の顕著な悪化が観察された。好塩基球は、表層IgEの架橋構造だけでなく、他の因子、特にIL−3によっても活性化され得る。好塩基球は、IL−4だけでなく、関節炎促進性のサイトカインIL−6をも放出する(下記参照)。培養物において、IL−3濃度が極めて低くても、マウスの好塩基球からのIL−6の顕著な放出を誘導し、好塩基球の生存を長期化させる(下記参照)。DBA/1マウスでのコラーゲン関節炎モデルにおいて、疾患の様々な段階での足におけるIL−3の発現を分析し、滑膜組織における好塩基球およびマスト細胞の数を定量し、かつ、IL−3の遮断または投与が疾患の発症率および活動性に与える影響を調査した。加えて、関節炎における疾患段階に特異的なIL−3の放出の理解を深めるために、生体外(in vitro)でのT細胞からのIL−3の放出の制御を調査した。
(材料および方法)
(コラーゲン関節炎の誘発−マウスの処置)
以下の方法でオスDBA/1マウスに関節炎を発症させた。0日目の検体に、完全フロイントアジュバンド条件下、100−200μgのウシコラーゲンII型(シグマ社、C1188)を、尾基部に回の皮内/皮下注射、21日目の検体に、アジュバンドなしでの、100−200μgのコラーゲンII型の腹腔内注射による再投与。臨床上の関節炎スコアを、盲検方式で以下のように評価した:0、通常;1、1つの関節での腫脹;2、複数の関節での腫脹;3、足全体の腫脹;4、変形および/または強直。図2および3に示す実験のために、検体動物を、35μgのブロッキング抗IL−3抗体(クローン MP2−8F8、バイオゾル社、ドイツ)、または精製ラットIgG(シグマ−アルドリッチ社)を1日ごとに腹腔内注射による処置を施した。検体のマウスは、37日目に屠殺した。図4に示す実験のために、個々のマウスの関節炎スコアが少なくとも2となったときに、50μgの抗IL−3抗体または精製ラットIgGを用いた毎日の腹腔内処置を開始した。処置は7日間継続した。図5に示す実験のために、20−30日目のマウスに、100ngのIL−3(ペプロテック社)またはPBSの、1日2回の腹腔内注射の処置を施した。臨床上の関節炎スコアを、盲検方式で以下のように評価した:0、通常;1、1つの関節での腫脹;2、複数の関節での腫脹;3、足全体の腫脹;4、変形および/または強直。動物実験は、バイエルン政府の法規(Az.55.2−1−54−2531−109−05)に従って行った。
(滑膜組織の調製−サイトカインおよび浸潤細胞の定量)
足首関節から足を切断し、炎症を生じた足から皮膚を除去し、残りの組織を、500μL/1000μLの量のPBS中に、外科用メスを用いて注意深く取り出した。遅滞なく、試料を400×gで10分間遠心分離した。上澄みを直ちに凍結させ、サイトカインのELISAに用いた。滑膜組織を、コラゲナーゼI(シグマ社)により37℃、20分間で消化し、単細胞浮遊液を得て、FACS分析に用いた。
(組織学的分析)
後足を、3.7%ホルマリンで24時間固定し、RDO高速脱灰器(メディツ ゲーエムベーハー、ドイツ)を用いて脱灰し、パラフィンに包埋した。少なくとも10個の、足根中足関節の5μmの厚さの部分をHEで染色し、全ての分類:滑膜炎(1、限局的な炎症性浸潤;2、細胞組織学的に支配的な炎症性浸潤)、滑膜の過形成(1、連続的であり、1つの関節に少なくとも三層の厚い滑膜表層;2、連続的であり、複数の関節に少なくとも三層の厚い滑膜表層)、パンヌス形成および軟骨喪失(1、パンヌスにより部分的に覆われた軟骨、軟骨喪失なし;2、軟骨喪失あり)、および骨破壊(1、小範囲の骨破壊;2、広範囲の骨破壊)について、0(通常)から2までのスケールで、盲検方式で評価した。
(フローサイトメトリー、ELISA、サイトカイン)
フローサイトメトリーまたは磁気細胞分離のために、以下の抗体を使用した:フルオレセインイソチオシアネート−抗CD45(LCA;30−F11)、アロフィコシアニン−抗CD45(LCA;30−F11)、フルオレセインイソチオシアネート−抗CD11b(M1/70)、フィコエリトリン−抗CD11b(M1/70)、Fc−ブロック(2.4G2)、フィコエリトリン−抗CD19(1D3)、アロフィコシアニン−抗GR−1(RB6−8C5)、アロフィコシアニン−抗CD4(RM4−5)、フィコエリトリン−抗c−kit(2B8)、フルオレセインイソチオシアネート−抗IgE(R35−72)、フィコエリトリン−抗IL−3(MP2−8F8)、フルオレセインイソチオシアネート−およびフィコエリトリン−標識アイソトープコントロール(全てBDバイオサイエンス社)、アロフィコシアニン−抗CD49b(DX5;ミルテニー社)。未固定の細胞を、Fc−ブロック(5μg/mL)と共に15分間氷冷し、その後、直接標識化された抗体と組み合わせて45分間氷冷した。3回洗浄した後、赤血球をFACS−溶解液(BDバイオサイエンス社)で溶解させ、試料をFACSCalibur(BDバイオサイエンス社)で分析した。細胞内IL−3の定量化のために、細胞をまずアロフィコシアニン−抗CD4で、その後、製造業者の指示に従ってFix−PermおよびPerm−洗浄溶液(BDバイオサイエンス社)を用いて処理し、そしてIL−3に対するPE−標識化抗体で染色した。
IL−3、IL−4およびIL−6を、BDバイオサイエンス社から市販されているELISAキットを用いて測定した。IL−1β、IFN−γ、TNF−α、GM−CSFおよびIL−17を、R&D−システムズ社からのELISAキット(Quantikine)を用いて測定した。コラーゲンに対する抗体をELISAにより定量化した。コラーゲン(20μg/mL)をELISAプレート上に終夜でコートした。図中の凡例に示すように、血漿試料をPBS/3%BSA中に希釈した。
コラーゲンに結合した免疫グロブリンを、HRP標識化ポリクローナルウサギ−抗マウス抗体(P260、ダコ社)、またはマウスIgGI(クローン LO−MG1−2、セロテック)またはマウスIgG2a(クローン R19−15、BDファーミンゲン社)に対して特異的なHRP−標識化モノクローナル抗体を用いて検出した。
マウスのサイトカインIL−3、IL−4およびIL−6をプロテック社から得た。
(細胞の単離および培養)
コラーゲン関節炎に罹患したマウス由来の脾細胞から、B細胞およびCD4T細胞を、CD19およびCD4を標的とする磁気ビーズ(ミルテニー社)を用いて取り除いた。好塩基球、単球または好中球を、脾細胞のIgE、CD11bもしくはGR−1に対するフルオロクロム標識化抗体とのインキュベーション、およびその後のフルオロクロムを標的とする磁気ビーズとのインキュベーションにより、取り除いた。全脾細胞または特定の白血球サブセットを除去した脾細胞を、ウシコラーゲンII型を用いて、または用いることなく、96−ウェル平底プレート(2Mio細胞/200μL培地)中で3日間培養した。細胞培養の上清をELISAに用い、コラーゲン特異的なIL−3の放出を以下の通りに測定した:コラーゲンによるIL−3の放出−コラーゲンによらないIL−3の放出。
CD4T細胞、B細胞および単球を、CD4、CD19およびCD11b(ミルテニー社)を標的とする磁気ビーズを用いて、C57BL/6またはTLR−4欠損型C3Hマウス(チャールス・リバー社)の脾細胞から単離した。単離した細胞の純度は、常時95%超であった。細胞を、96ウェル丸底プレートで、総量200μL培地/ウェル(RPMI−1640、10%ウシ胎児血清および1%ペニシリン/ストレプトマイシン添加)で、3日間培養した。ウェル当たりの細胞数は、各々の細胞タイプについて50,000とした。CD3およびCD28に対する抗体でコートされたビーズ(T細胞エキスパンダ・ビーズ、Dynal/インビトロジェン社)を、50,000ビーズ/ウェルの濃度で用いた。図示のように、以下の試薬が加えられる:CD3(0.5μg/mL、クローン2C11)、LPS(10μg/mL、シグマ社)、CpG−DNA(1μM、PG1668=TCCATGACGTTCCTGATGCT、TIBMolBiol社)、IL−4(10ng/mL)、IL−6(10ng/mL)に対する抗体。IL−3の濃度は、3日後の培養上清中でELISAにより測定した。IL−3の細胞内染色のために、CD4T細胞を、B細胞または単球の存在下で、α−CD3およびLPSにより3日間活性化した。PMA(10ng/mL)およびイオノマイシン(1μg/mL)を、培養の最後の4時間の間加え、ブレフェルジンA(5μg/mL)を、培養の最後の2.5時間の間加えた。
好塩基球を、DX−5を標的とした磁気マイクロビーズおよびLS−カラム(ミルテニー社)を用いて、C57BL/6マウスの骨髄から濃縮した。好塩基球は、CD45の低発現およびDX−5の高発現により同定され、濃縮された細胞の約10%を構成した。好塩基球(1,100細胞/ウェル)を、様々な時間、96ウェル丸底プレート中で、総量200μLの培地/ウェル(RPMI−1640、10%ウシ胎児血清および1%ペニシリン/ストレプトマイシン添加)で、様々な濃度の組換えIL−3と共に培養した。IL−4およびIL−6の濃度を、細胞培養の上清中でELISAにより測定した。CD45およびDX−5に対する抗体を、ヨウ化プロピジウム(10μg/mL)およびビーズ計数(コールター社)と組み合わせることで、全ての細胞を染色した後、ウェル当たりの生存の好塩基球数を、各時点で、フローサイトメトリーにより定量化した。
(統計)
エラーバーは、全図における平均値の標準誤差を示す。細胞培養実験は、三回行った。有意性を示すP値を、片側t−検定を用いて算出し、1つの星印(p<0.05)または2つの星印(p<0.01)を用いて示した。
(結果)
(コラーゲン関節炎におけるIL−3および好塩基球)
我々はまず、IL−3が関節炎マウスの脾臓および滑膜組織中で産生されるかどうかを調査した。コラーゲンによる初回免疫後31日目に、我々は、全脾細胞または特定の白血球サブセットを除去した脾細胞を、コラーゲンにより再刺激し、コラーゲン不存在下でのIL−3の放出を差し引くことによってコラーゲン特異的なIL−3の放出を測定した。全脾細胞、またはCD19細胞(B細胞)、IgE細胞(好塩基球)もしくはGR−1細胞(主に好中球)を除去した脾細胞は、コラーゲンによる刺激の後、大量のIL−3を産生した。対照的に、CD4T細胞またはCD11b細胞(主に単球)の除去は、コラーゲン特異的なIL−3の放出を完全に停止させ、IL−3の産生が、CD4T細胞およびCD11b共刺激細胞(図1a)の存在を両方とも必要とすることを示した。B細胞は、CD4T細胞によるIL−3の産生を補助するために必要とされず、単独では十分な効果を奏しない。B細胞不存在下でのIL−3の放出の増加は、分析に用いた多数のT細胞および単球により生じる。T細胞及び単球の数は、ウェル当たりの総白血球数を一定に保った上で、B細胞が脾臓中の白血球の50%超となるようにするために、多くしたものである。後足の滑膜組織中のサイトカインの産生を、コラーゲンによる初回免疫後36日目に測定した(図1b)。このため、足を足首関節で切断し、皮膚を除去し、そして軟部組織を1mLのPBS中に全部取り出した。400×gで10分間遠心分離した後、上澄み中のサイトカインをELISAにより測定した。0−2のスコアを有する14の足および3−4のスコアを有する12の足を用いて、臨床上明らかな関節炎の程度に従って、試料とした足を、2つのグループに階層化した。予想したように、顕著な炎症を伴う足は、多量のIL−6およびIL−1β(それぞれ、683および619pg/mL)を有し、炎症を伴わないまたは低度の炎症を伴う足は、数倍低いIL−6およびIL−1β量(それぞれ、144および72pg/mL)を有した。TNF−αは、極めて少量でのみ検出可能であったが、3−4のスコアを有する足では増加した。対照的に、IL−3は、0−2のスコアの足では容易に検出可能だったが(66pg/mL)、重度の炎症を伴う足では大いに有意に減少した(14pg/mL)。IL−17、GM−CSFまたはIFN−γの局所レベルは、足の炎症の程度と相関しなかった(図1b)。
IL−3が、好塩基球からのヒスタミンおよびIL−4の放出を誘発し、促進することは公知である。我々は、IL−3それ自体も、培養中において、マウスの好塩基球からIL−6の高い放出を誘発して、単離した好塩基球の生存を顕著に長期化することを示す(図1c)。IL−6の放出は、極めて低いIL−3濃度であっても観察される(約0.3ng/mLのIL−3で、最大半量の放出)。IL−3はまた、好塩基球からIL−4の放出を誘発し、ここで、IL−3の放出はIL−6の放出(データに示さず)より約3倍低かった。IL−3の不存在下では、培地中で4日間生存したのは、好塩基球の6%だけであったが、その一方で、IL−3の添加により好塩基球の生存が約60%に増加した(図1c)。
我々は、コラーゲン関節炎マウスの炎症を生じた足に、好塩基球およびマスト細胞が存在するかどうかをフローサイトメトリーにより分析した。炎症を生じた足由来の滑膜組織を、単細胞浮遊液を得るために、コラゲナーゼにより消化した。細胞を、IgE、c−kitおよびCD45に対する抗体で染色して、好塩基球(IgE、c−kit、CD45low)およびマスト細胞(IgE、c−kit、CD45)を同定した。好塩基球は、炎症を生じた全ての足で、全ての浸潤したCD45白血球の約0.4%の頻度で明確に検出された一方で、マスト細胞は、いくつかの炎症を生じた足で、好塩基球より20倍低い頻度でわずかにしか見られなかった。大多数の浸潤細胞は、単球および好中球であり、それらはIL−3に対して応答性があることも公知である。
(コラーゲン関節炎におけるIL−3の機能分析)
コラーゲン関節炎の初期型におけるIL−3の存在、およびIL−6またはIL−1などの炎症性サイトカインを放出することによってIL−3に対して応答することができる細胞(例えば、好塩基球および単球)の存在は、IL−3が関節炎の発症に関わっている可能性があることを示唆する。
そのため、我々は、モノクローナル抗体によるIL−3の遮断が、200μgのコラーゲンII型を0および21日目に注射されたマウスにおいて、関節炎の発症率および重症度を向上させるかどうかを調べた。21−36日目の1つのグループのマウス(n=15)に、抗IL−3抗体(35μg/日)を腹腔内注射で1日ごとに投与し、その一方で、コントロールグループに、同じ用量および時間間隔でラットIgGを注射した。疾患発症の間のIL−3の遮断は、臨床上明らかな関節炎の重症度を、際立って有意に低減させた。37日目に、コントロール群の関節炎スコアの平均値は5.3であるが、投与群の関節炎スコアは1.9であった(図2a)。また、関節炎の発症率は、37日目において約50%と大幅に低減された(図2a)。37日目に、我々は、前足を用いて、滑膜組織に浸潤する細胞の分析、および回収した滑膜組織の上澄み(500μL/足)中のIL−6およびTNF−αの測定を行った。後足を組織学的評価のために用いた。前足の1試料あたりの、回収される単球の数、好塩基球の数およびCD11b細胞(単球および好中球を含む)の総数は、抗IL−3による処置を施したマウスにおいて、有意に低減された。また、回収した滑膜組織において測定したIL−6の量は、抗IL−3で処置したマウスにおいて有意に低減された(図2b)。後足の組織学的分析は、滑膜増殖および骨破壊の程度が抗IL−3で処置したマウスにおいて有意に低減したことを示した。浸潤細胞の程度は、有意に低下し、抗IL−3で処置したマウスにおける軟骨破壊の低減(p=0.06)の傾向が見られた(図3)。コラーゲンに対する抗体(IgG1およびIgG2a)の血漿力価は、37日目の抗IL−3で処置したマウスにおいて低減した(図2c)。37日目の末梢血のFACS分析において、好中球および単球の頻度(図2c)に有意な変化がみられず、好塩基球の頻度に軽度ではあるが有意な低減が見られた。
これらのデータは、IL−3が、コラーゲン関節炎の誘発および初期増殖について重要な役割を果たすことを示す。
我々は、IL−3の遮断により既に確立された関節炎の進行が低減するかを次に分析した。マウスを、200μgのコラーゲンII型で2回免疫し、関節炎の進行について毎日検査した。個々のマウスの関節炎スコアが少なくとも2になったときに、抗IL−3抗体(n=10、処置前の関節炎スコア2.6)またはコントロールIgG(n=10、処置前の関節炎スコア2.7)のいずれかを用いて、処置(50μgの抗体の毎日の腹腔内投与)を開始した。図4に示すように、IL−3の遮断は、既に確立した関節炎の進行を低減させない。これらのデータは、IL−3が関節炎の進行後期には関与しないことを示す。これらのデータは、重度の炎症を伴う足における、IL−3の発現の低下と相関する(図1参照)。
我々はまた、疾患発症の間のIL−3の投与が関節炎の発症率および重症度を増大させ得るかどうかも調査した。マウスを、0日目および21日目に100μgのコラーゲンII型により免疫した。1つの群のマウス(n=21)を、20−30日目に、100ngのIL−3を1日2回の腹腔内注射により投与し、一方で、コントロール群(n=18)に、同量のPBSを注射した。疾患発症の間のIL−3の注射は、コラーゲン関節炎の発症率および重症度を有意に増大させた(図5)。31日目(IL−3の最終接種の1日後)、IL−3で処置したマウスにおいて、コラーゲンに対する抗体の血漿力価が有意に増加し、末梢血好塩基球の数が2倍に増加し、IL−6の血漿濃度がほぼ5倍に増加することが示された。IL−3処置マウス群およびPBS処置マウス群の有意差は、37日目(IL−3の最終接種の7日後)に検出できなかったことから、好塩基球の増加およびIL−6の血漿濃度の増加は一時的であったといえる。これらのデータは、IL−3の有効性が、コラーゲンII型で免疫されたDBA/1マウスにおける疾患の発症および進行を制限することを示唆する。
(CD4T細胞によるIL−3産生の制御)
活性化されたCD4T細胞は、IL−3の主要な発生源細胞であるとみられる。しかしながら、T細胞によるIL−3の分泌がどのように制御されるかは、ほとんど知られていない。したがって、我々はどの因子がIL−3産生を増加または減少させるのかを、生体外(in vitro)で調査した。CD3に対する可溶性抗体および補助細胞としてのB細胞による、精製CD4T細胞のポリクローナルな活性化は、IL−3の産生をほとんど生じない。CD11b単球が補助細胞として用いられた場合、可溶性のα−CD3により活性化されたCD4T細胞によるIL−3産生が、3倍超増加した(図6a)。TLRのリガンドLPSおよびCpG−DNAの添加は、補助細胞であるB細胞または単球の存在下における、ポリクローナルに活性化されたCD4T細胞によるIL−3分泌を顕著に増加させた(図6a)。α−CD3の不存在下におけるLPSまたはCpG DNAによるCD4T細胞および補助細胞の刺激は、検出可能なIL−3放出を生じなかった(図示せず)。ビーズに固定されたCD3およびCD28に対する抗体の組み合わせによるCD4T細胞の活性化は、補助細胞の存在またはLPSまたはCpG DNAによる刺激によらず、非常に多量のIL−3の放出を生じさせた(図6a)。IL−3の産生は、CD4T細胞によるものでであって、B細胞または単球によるものでないということを実証するために、我々は、細胞内のIL−3量をフローサイトメトリーにより測定した(図6b)。CD4T細胞を、LPSで刺激したB細胞またはLPSで刺激した単球の存在下、α−CD3と共に3日間培養した。IL−3の細胞内染色は、CD4T細胞においてのみ検出可能であり、CD4陰性のB細胞または単球においては検出できなかった。TLR−4欠損マウス(C3Hマウス)を用いて、我々は、どのようにLPSがIL−3の放出を向上させるかを更に詳細に分析した(図6c)。補助細胞であるB細胞がLPSに応答することができない場合、CD4T細胞によるIL−3の放出の向上は検出できなかった。TLR−4欠損のCD4T細胞が用いられた場合、IL−3産生は減少するよりむしろ増加した。これらのデータは、LPSが補助細胞を刺激することによってCD4T細胞によるIL−3放出を増大させ、かつ、CD4T細胞に対して提供される共刺激のレベルがIL−3の発現に決定的に影響することを示す。
IL−3の量が重度の関節炎を伴う足で低く抑えられるという我々の発見に基づいて、我々は、炎症を生じた関節中に高濃度で存在するサイトカインが、活性化されたCD4T細胞によるIL−3発現を低減させることができるかどうか調査した。この目的のために、CD4T細胞を、様々なサイトカイン(IL−6、IL−4、IL−1β、TNF−α、MIP−2)の存在下で活性化した。IL−1β、TNF−αまたはMIP−2の添加は、IL−3の放出に、影響を及ぼさなかった(図示せず)。しかしながら、IL−6またはIL−4の添加は、T細胞活性化のために用いられる共刺激因子(非刺激の単球、LPSで刺激したB細胞または単球、および抗CD3/28被覆ビーズ)によらず、活性化されたCD4T細胞によるIL−3の放出を有意に低減させた(図6d−e)。IL−6およびIL−4の組み合わせは、相乗的であり、IL−3産生(図6d、e)を極めて顕著に遮断した。IL−6およびIL−4はまた、抗CD3/28被覆ビーズのみにより活性化されたCD4T細胞からのIL−3の分泌を低減し、IL−6およびIL−4が、CD4T細胞に対して作用し、補助細胞に作用しないことを示唆した。
(考察)
この試験において、我々は、IL−3が後期相ではなく初期相のコラーゲン関節炎の発達に寄与する重要な因子であることを明らかにする。関節炎の発症の間の、モノクローナル抗体によるIL−3の遮断は、臨床上および組織学上の関節炎の徴候および浸潤細胞数を顕著に低減させたが、確立した関節炎を伴うマウスにおけるIL−3の遮断は全く効果がなかった。IL−3の投与が関節炎の重症度および発症率を顕著に増大させたため、関節炎の初期相では、IL−3の有効性が疾患限定因子と見られる。IL−3は、脾臓中のCD4T細胞により全身的に、かつ滑膜組織中の細胞により局所的に産生され、全身的に、かつ関節内で局所的に作用することによって、初期の関節炎を悪化させ得る。IL−3の遮断は、α−IL−3治療の終了時に測定される、末梢血中の好塩基球数の有意な低減、およびコラーゲンに対する抗体の血漿力価の低減を生じた。我々は最近、活性化された好塩基球が、液性記憶免疫応答の発達に大いに寄与することを明らかにした。活性化された好塩基球は、可溶性因子(主にIL−6)を放出し、B細胞の増殖およびその生体外および生体内における血漿細胞への分化を促進する細胞間接着依存性因子を供給する(22)。IL−3は、末梢血中の好塩基球数を増大させること、好塩基球を活性化させること、およびコラーゲンに対する抗体の血漿力価を増大させることによって、初期の関節炎を悪化させると推測される。我々は、IL−3が非常に強力な好塩基球の活性化因子であり、生体外での好塩基球の生存を顕著に長期化すること、および生体内のIL−3の投与が、コラーゲンに対する抗体の血漿レベルを高め、末梢血中の好塩基球数を2倍に高め、血漿中のIL−6量を5倍に高めることを明らかにする。しかしながら、IL−3は、関節炎の発達に寄与し得るいくつかの他の標的細胞(例えば、導入で詳述した単球および樹状細胞)も有していることに留意されたい。全身的効果とは別に、IL−3は関節中の局所的な効果を有し得る。IL−3は、軽度の炎症が生じた関節(スコア0−2)で容易に検出可能であるが、重度の炎症が生じた関節(スコア3−4)では低量に抑えられる。関節中には、やはり、IL−3についてのいくつかの潜在的な標的細胞が存在する。IL−3は、単球からのIL−1の放出を増大させることができ、破骨細胞の発達を誘発させることができる(14、17)。我々は、コラーゲン関節炎マウスの関節中の好塩基球およびマスト細胞の存在をより詳細に分析し、関節炎マウスの炎症が生じた滑膜組織中の好塩基球数の増加(約0.4%の総浸潤白血球)を見出したが、一方でマスト細胞をほとんど検出しなかった。様々な関節炎モデル、および異なった種のマスト細胞欠損マウスにおける矛盾した結果のため、関節炎の発達に対するマスト細胞の役割は、現在のところ明らかでない(23−25)。我々のデータは、IL−3の関節炎促進性の効果が、好塩基球の活性化により部分的に仲介され、いずれも好塩基球を活性化することが知られている、抗IgEまたは抗CCR2抗体の投与による関節炎の悪化を示す以前のデータと一致することを示唆する(26、27)。
滑膜組織中のIL−3の発現が、関節炎の重症度と負に相関する理由、およびIL−3の発現が制御される機序について理解を深めるために、我々は、IL−3の主要な細胞性の源と考えられているCD4T細胞を用いた生体外(in vitro)の分析を行った。プロモータ解析およびシクロスポリンAによる抑制は別として、T細胞によるIL−3産生の制御について入手可能なデータが非常に限られている(28)。IL−3の発現は、TH1およびTH2細胞の両方で見られる(29)。我々は、CD4T細胞によるIL−3産生が、CD4T細胞に提供される共刺激レベルに依存することを示す。新たに単離されたB細胞の存在下では、α−CD3によるCD4T細胞の活性化は、IL−3の発現をほとんど生じさせないが、単球またはB細胞、およびTLR−4またはTLR−9に対するリガンドにより活性化した単球の存在は、CD4T細胞によるIL−3産生を顕著に増加させた。細胞内サイトカイン染色およびTLR−4欠損C3Hマウス由来の細胞を用いて、我々は、LPSが、T細胞に対して直接的にではなくB細胞に対して作用することによって、CD4T細胞中のIL−3産生を増加させることを示す。LPSがコラーゲン関節炎を悪化させるのに対して、TLR−4の遮断はコラーゲン関節炎を改善することは公知である(30、31)。我々はまた、炎症が生じた関節中に存在する炎症促進性サイトカインが、ポリクローナルに活性化されたCD4T細胞によるIL−3の分泌をどのように変容させるかを分析し、IL−1β、TNF−αまたはMIP−2ではなく、IL−6およびIL−4が、CD4T細胞によるIL−3発現を減少させることを見出した。IL−4およびIL−6の組み合わせにより、単球、またはLPS刺激したB細胞および単球により誘発されるIL−3産生がほぼ完全に妨げられた。好塩基球は、大量のIL−4およびIL−6を産生するため、好塩基球の活性化とT細胞によるIL−3産生との間に負のフィードバックの関係を想定できる。全脾細胞および特定の白血球サブセットを除去した脾細胞のコラーゲンII型による再刺激は、IL−3がほぼ専らCD4T細胞により産生され、抗原を提示するCD11b単球の存在を必要とすることを裏付けた。B細胞は、単球の不存在下では、CD4T細胞によるIL−3産生を補助しない。
要約すると、我々のデータは、IL−3がコラーゲン関節炎の発達に関わっており、関節リウマチの初期型について、または維持療法における再燃の防止についての新規な治療標的であることを証明した。
(実施例2)
滑液中または血漿中のIL−3の存在は、関節リウマチの活性化型についての指標であることが見いだされた。このことは、以下の試験で示される。IL−3が関節炎患者の滑液または血漿中で検出可能かどうかを分析するために、関節炎の症状を伴いリウマチ専門家の元を訪れた、21人の患者を試験した。これらの患者から、標準的な方法により血漿を入手した。更に、関節穿刺により滑液を入手して、遠心分離の後、試験のために用いた。
血漿および滑液の両方におけるIL−3の測定のために、ELISA試験を用いた。結果を図7に示す。図示のように、活動性関節リウマチと診断された8人の患者中6人において、IL−3が血漿または滑液中で見られた。非活動性RAと診断された患者においても、他のタイプの関節炎を伴う患者においても、IL−3を検出することができなかった。
患者は、以下の試験により、関節リウマチ、または他のタイプの関節炎、すなわち、シェーグレン症候群、骨関節症、スチル病または脊椎関節炎と診断された。血漿中のC反応性蛋白(CRP)量および滑液中の白血球数を、活動性および非活動性関節炎について定めた。活動性RAの指標を、CRP>20mg/l、または滑液中の白血球数>10000/μLと定義した。従って、14人の患者が関節リウマチと診断され、そのうち8人は、活動性関節リウマチを伴うことが見いだされ、かつ7人の患者は、他のタイプの関節炎と診断された。活動性関節リウマチを伴うその患者では、血漿または滑液中のIL−3量は、平均9.5pg/mL、標準偏差±3.3であった。
これらのデータは、IL−3が活動型の関節リウマチに苦しむ患者にのみ存在することを示す。これらの場合、患者を、疾患を軽減するかまたは治療する、IL−3の遮断により治療することができる。検出可能なIL−3量を呈しない患者は、本発明のIL−3阻害剤により治療することができない。
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Claims (20)

  1. 関節リウマチの予防処置に、初期のもしくは悪化の初期相の間の関節リウマチの治療に、または被験者の疾患再燃または疾患進行を妨げる維持療法として、使用されるIL−3阻害剤。
  2. 1つまたは複数の関節におけるIL−3量の増加が検出される、被験者の関節リウマチの治療に使用されるIL−3阻害剤。
  3. 進行したRAを罹患しているが、疾患活動性がないかまたは低度である被験者の関節リウマチの治療に使用される、請求項1または請求項2に記載の維持療法に使用されるIL−3阻害剤。
  4. 被験者における疾患活動性スコア28(DAS28)の値が5.1までである、請求項1〜3のいずれか1項に記載のIL−3阻害剤。
  5. 被験者における疾患活動性スコア28(DAS28)の値が3.2までである請求項1〜4のいずれか1項に記載のIL−3阻害剤。
  6. IL−6の血漿濃度を低減させるために使用される、請求項1〜5の1項に記載のIL−3阻害剤。
  7. 関節リウマチの進行を阻害する、または低減させるために使用される、請求項1〜6のいずれか1項に記載のIL−3阻害剤。
  8. 軟骨破壊を回避する、または低減させるために使用される、請求項1〜7の1項に記載のIL−3阻害剤。
  9. 滑膜組織の細胞浸潤を低減させるために使用される、請求項1〜8のいずれか1項に記載のIL−3阻害剤。
  10. 好塩基球数を減少させるために使用される、請求項1〜9のいずれか1項に記載のIL−3阻害剤。
  11. 被験者が、哺乳動物、特にヒトである、請求項1〜10のいずれか1項に記載のIL−3阻害剤。
  12. 前記IL−3阻害剤が抗IL−3抗体である、前記請求項のいずれか1項に記載のIL−3阻害剤。
  13. 前記抗IL−3抗体が、モノクローナル抗体、ポリクローナル抗体、キメラ抗体、またはこれらの断片もしくは変異体である、前記請求項12に記載のIL−3阻害剤。
  14. 前記抗IL−3抗体がヒト抗体またはヒト化抗体である、前記請求項12または13に記載のIL−3阻害剤。
  15. 前記IL−3阻害剤が、IL−3を遮断する、またはIL−3のその受容体に対する結合を遮断する、またはIL−3の産生を遮断する薬剤である、請求項1〜14のいずれか1項に記載のIL−3阻害剤。
  16. IL−3阻害剤が、IL−3を特異的に阻害する、または、
    IL−3のその受容体への結合を特異的に遮断する、または、
    IL−3の産生を特異的に遮断する薬剤であり、
    IL−3もしくはその受容体に結合するリガンド、IL−3もしくはその受容体に結合するポリペプチドもしくはペプチド模倣薬、IL−3もしくはその受容体に結合するアプタマーもしくはSpiegelmer、IL−3もしくはその受容体への結合活性を有するか、その結合を変容させることができるペプチドもしくはポリペプチドをコードするDNAもしくはRNA分子、もしくはIL−3受容体の一部およびIgGの断片を含む可溶性構築物からなる群から選択される、
    請求項1〜15のいずれか1項に記載のIL−3阻害剤。
  17. ヒトIL−3の生物活性を中和する濃度のIL−3阻害剤、および製薬学的に許容可能な担体を含む、請求項1〜16のいずれか1項に記載のIL−3阻害剤。
  18. 関節リウマチを治療する薬剤を調製するための、請求項1〜17のいずれか1項に記載のIL−3阻害剤の使用。
  19. 中和用量(ND50)のIL−3が用いられる、請求項18に記載の使用。
  20. 例えば、併用薬として、NSAIDsおよびDMARDs等から選択されるRAの治療に有効な薬剤と組み合わせた、IL−3阻害剤を含む、関節リウマチの治療のための組成物。
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