他で定義されていない限り、本明細書で用いられる全ての技術および科学用語は、本願が属する技術分野の当業者によって一般的に理解される意味と同一の意味を有する。本明細書で用いられ、添付の特許請求の範囲において、単数形「a」、「and」、および「the」は、その内容が明らかに別のことを示していない限り複数の対象を含むことに留意すべきである。それゆえ、例えば、「化合物」の対象は、複数のかかる化合物を含み、「アッセイ」の対象は、1つまたはそれ以上のアッセイおよび当業者にとって知られるその同等の方法に対する対象を含む。また、二価「アルキル」基、二価「アリール」基などの二価基はまた、それぞれ、「アルキレン」基または「アルキレニル(alkylenyl)」基、「アリーレン」基または「アレニル」基と称されてもよい。
「アルキル」は、親アルカンの単一炭素原子から1つの水素原子を除去することにより生じた、飽和した分枝または直鎖の炭化水素基を意味する。アルキル基には、メチル;エチル;プロパン−1−イル、プロパン−2−イル(イソ−プロピル)、シクロプロパン−1−イルなどのプロピル;ブタン−1−イル、ブタン−2−イルブチル(sec−ブチル)、2−メチル−プロパン−1−イル(イソ−ブチル)、2−メチル−プロパン−2−イル(t−ブチル)、シクロブタン−1−イルなどのブチル;ペンチル;ヘキシル;オクチル;ドデシル;オクタデシルなどが含まれるが、これらだけに限定されない。アルキル基は、1から約22個の炭素原子、例えば、1から22個の炭素原子、例えば、1から12個の炭素原子、または例えば、1から6個の炭素原子を含む。
「アルキルシクロアルキル」は、シクロアルキル基に結合するアルキル基を意味する。アルキルシクロアルキル基には、メチルシクロペンチル、メチルシクロブチル、エチルシクロヘキシルなどが含まれる。アルキルシクロアルキル基は、4から約32個の炭素原子を含み、すなわち、アルキル基は、1から約22個の炭素原子を含むことができ、シクロアルキル基は、3から約10個の炭素原子を含むことができる。
「アシル」は、基C(=O)R(ここで、Rは、本明細書で定義される水素、アルキル、シクロアルキル、シクロヘテロアルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアルキル、ヘテロアリール、またはヘテロアリールアルキルであり、これらの各々は、本明細書で定義されるように適宜置換されてもよい)を意味する。代表的な例には、ホルミル、アセチル、シクロヘキシルカルボニル、シクロヘキシルメチルカルボニル、ベンゾイル、ベンジル、ベンジルカルボニルなどが含まれる。
「アシルアミノ(あるいは「アシルアミド」)」は、基NR’C(=O)R(ここで、R’およびRは、各々独立して、本明細書で定義される水素、アルキル、シクロアルキル、シクロへテロアルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアルキル、ヘテロアリール、またはヘテロアリールアルキルであり、それらの各々は、本明細書で定義されるように適宜置換されてもよい)を意味する。代表的な例には、ホルミルアミノ、アセチルアミノ(すなわち、アセトアミド)、シクロヘキシルカルボニルアミノ、シクロヘキシルメチルカルボニルアミノ、ベンゾイルアミノ(すなわち、ベンズアミド)、ベンジルカルボニルアミノなどが含まれるが、これらだけに限定されない。
「アシルオキシ」は、基−OC(=O)R(式中、Rは、本明細書で定義される水素、アルキル、シクロアルキル、シクロへテロアルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアルキル、ヘテロアリールまたはヘテロアリールアルキルである)を意味する。代表的な例には、アセチルオキシ(またはアセトキシ)、ブタノイルオキシ、ベンゾイルオキシなどが含まれるが、これらだけに限定されない。
「アルコキシ」は、基−OR(ここで、Rは、本明細書で定義されるアルキルまたはシクロアルキル基を表し、これらの各々は、本明細書で定義されるように適宜置換されてもよい)を意味する。代表的な例には、メトキシ、エトキシ、ブトキシ、シクロヘキシルオキシなどが含まれる。
「アリール」は、芳香族炭化水素基を意味し、単一の芳香環であってもよく、あるいは一緒に縮合し、共有結合し、またはメチレンもしくはエチレン部分などの共通の基に連結している複数の芳香環であってもよい。アリール基には、アセナフチレン、アントラセン、アズレン、ベンゼン、ビフェニル、クリセン、シクロペンタジエン、ジフェニルメチル、フルオランテン、フルオレン、インダン、インデン、ナフタレン、ペンタレン、ペリレン、フェナレン、フェナントレン、ピレン、トリフェニレンなどから派生した基が含まれる。アリール基は、5から約20個の炭素原子、例えば6から20個の炭素原子、例えば、5から10個の炭素原子を含む。
「アリールアルキル」は、アルキル基に結合したアリール基を意味する。アリールアルキル基には、ベンジル、2−フェニルエタン−l−イル、2−フェニルエテン−l−イル、ナフチルメチル、2−ナフチルエタン−l−イル、2−ナフチルエテン−l−イル、ナフトベンジル、2−ナフトフェニルエタン−l−イルなどが含まれるが、これらだけに限定されない。特定のアルキル部分を対象とする場合、アリールアルカニル、アリールアルケニルおよび/またはアリールアルキニルという用語が用いられてもよい。アリールアルキル基は、7から約42個の炭素原子を含み、例えば、アルキル基は、1から約22個の炭素原子を含むことができ、アリール基は、6から約20個の炭素原子を含むことができる。
本明細書で用いられる「化合物」は、本明細書で開示される式Iに包含されるいずれかの化合物を意味する。化合物は、中性、荷電性(例えば、カチオンまたはアニオン性)、または塩形態であってもよい。化合物は、構造により、または名前により同定されてもよい。化学構造および化学名が矛盾する場合、化学構造が化合物の同定を決定する。化合物は、1つまたはそれ以上のキラル中心および/または二重結合を含んでいてもよく、それにより、二重結合異性体(すなわち、幾何異性体)、エナンチオマーまたはジアステレオマーなどの立体異性体として存在してもよい。したがって、キラル中心における立体化学が特定されていない場合、本明細書で表される化学構造は、立体異性体の純粋な形態(例えば、幾何異性体として純粋、エナンチオマーとして純粋またはジアステレオマーとして純粋な形態)ならびにエナンチオマーおよび立体異性体の混合物を含む、キラル中心における全ての可能性のある配置を含む。エナンチオマーおよび立体異性体の混合物は、当業者によく知られる分離技術またはキラル合成技術を用いて、それらの構成エナンチオマーまたは立体異性体に分割することができる。化合物はまた、エノール型、ケト型およびそれらの混合型を含む、いくつかの互変性型で存在していてもよい。したがって、本明細書で記載される化学構造は、表示化合物の全ての可能性のある互変異性型を含む。本化合物には、1つまたはそれ以上の原子が従来天然で見出された原子量とは異なる原子量を有する同位体で標識された化合物も含まれる。化合物に取り込まれ得る同位体の例には、2H、3H、13C、14C、15N、17O、18O、18F、31P、32P、35Sおよび36Clが含まれるが、これらに限定されない。化合物は、水和形態を含む非溶媒和形態ならびに溶媒和形態で、およびN−オキシドとして存在してもよい。一般に、中性、荷電性、プロトン化、塩、水和、溶媒和、およびN−オキシドの形態は、本開示の範囲内である。
「シクロアルキル」は、飽和もしくは不飽和環状アルキル基である。典型的なシクロアルキル基には、シクロプロパン、シクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘキセン、1,3−シクロヘキサジエンなどから派生した基が含まれるが、これらだけに限定されない。シクロアルキル基は、3から約10個の炭素原子、例えば、3から10個の炭素原子、または、例えば、3から6個の炭素原子を含む。
「有効な量」は、微生物感染または混入を治療または予防するために対象、表面または部位に投与された場合に、かかる治療または予防の効果をもたらすのに十分である化合物の量を意味する。「有効な量」は、化合物、微生物感染を引き起こす症状の重症度ならびに治療される対象の年齢、体重などによって変動する。
「電子求引性基」は、共鳴効果または誘起効果のいずれかにより電気陰性である原子または官能基を意味する。かかる原子および官能基の例には、本明細書で定義される−CO2R0、−CO−、−NO2、−SO3R0、−PO3R0R00、シアノ、ハロゲン(F、Cl、Br、I)、およびハロアルキル(例えば、−CF3)(ここで、R0およびR00は、独立して、H、アルキル、アリール、シクロアルキル、ヘテロアルキル、ヘテロアリールまたはシクロへテロアルキル基であるが、これらの各々は、適宜および独立して置換されていてもよい)が含まれるが、これらだけに限定されない。
「ヘテロアルキル」は、1つまたはそれ以上の炭素原子(およびいずれかのそれらに結合する水素原子)が、各々独立して、同一のまたは異なるヘテロ原子基で置換されるアルキル基を意味する。ヘテロ原子基には、NR0−、−O−、−S−、−PH−、−P(O)2−、−S(O)−、−S(O)2−(ここで、R0は上記に定義される)などが含まれる。ヘテロアルキル基には、−O−CH3、−CH2−O−CH3、−S−CH3、−CH2−S−CH3、−NR0−CH3、−CH2−NR00−CH3(ここで、R0およびR00は、上記に定義される)などが含まれる。ヘテロアルキル基は、1から約22個の炭素およびヘテロ原子、例えば、1から22個の炭素およびヘテロ原子、例えば、1から12個の炭素およびヘテロ原子、例えば、1から6個の炭素およびヘテロ原子を含むことができる。
「ヘテロアリール」は、1つまたはそれ以上の炭素原子(いずれかのそれらに結合する水素原子)が、各々独立して、同一のまたは異なるヘテロ原子基で置換されるアリール基を意味する。典型的なヘテロ原子基には、−N−、−O−、−S−および−NR0−(ここで、R0は上記で定義される)が含まれるが、これらだけに限定されない。典型的なヘテロアリール基には、アクリジン、カルバゾール、カルボリン、シンノリン、フラン、イミダゾール、インダゾール、インドール、インドリン、インドリジン、イソベンゾフラン、イソクロメン、イソインドール、イソインドリン、イソキノリン、イソチアゾール、イソオキサゾール、ナフチリジン、オキサジアゾール、オキサゾール、ペリミジン、フェナントリジン、フェナントロリン、フェナジン、フタラジン、プテリジン、プリン、ピラン、ピラジン、ピラゾール、ピリダジン、ピリジン、ピリミジン、ピロール、ピロリジン、キナゾリン、キノリン、キノリジン、キノキサリン、テトラゾール、チアジアゾール、チアゾール、チオフェン、トリアゾール、キサンテンから派生した基が含まれるが、これらだけに限定されない。ヘテロアリール基は、5から約20個の原子、例えば、5から20個の原子、例えば、5から10個の原子を含む。
「ヘテロシクロアルキル」は、1つまたはそれ以上の炭素原子(およびいずれかの結合した水素原子)が、独立して、同一のおよび異なるヘテロ原子で置換されている飽和または不飽和シクロアルキル基を意味する。炭素原子を置換するための典型的なヘテロ原子には、N、P、O、Sなどが含まれるが、これらだけに限定されない。ヘテロシクロアルキル基はまた、荷電したヘテロ原子または基、例えば、−N+(R)2−(ここで、Rは、アルキル、例えば、メチル、エチルなどである)などの四級化アンモニウム基を含んでもよい。ヘテロシクロアルキル基には、エポキシド、イミダゾリジン、モルホリン、ピペラジン、ピペリジン、ピラゾリジン、ピペリジン、ピロリジン、キヌクリジン、N−ブロモピロリジン、N−ブロモピペリジン、N−クロロピロリジン、N−クロロピペリジン、N,N−ジメチルピロリジニウムなどのN,N−ジアルキルピロリジニウム、N,N−ジメチルピペリジウムのようなN,N−ジアルキルピペリジニウムなどから派生した基が含まれるが、これらだけに限定されない。ヘテロシクロアルキル基は、環中に3から約10個の炭素およびヘテロ原子を含む。
「医薬的に許容される」は、一般に安全で毒性がなく、生物学的にまたはその他に所望されていないものではない医薬組成物を調製する際に有用であることを意味し、獣医ならびにヒトの医薬用途に許容されることを含む。
「医薬的に許容される塩」は、医薬的に許容され、親化合物の所望される薬理学的活性を有する(または有する形態に変換することができる)化合物の塩を意味する。かかる塩には、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸などの無機酸と一緒に形成されるか;あるいは、酢酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、ショウノウスルホン酸、クエン酸、エタンスルホン酸、フマル酸、グルコヘプトン酸、グルコン酸、乳酸、マレイン酸、マロン酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、2−ナフタレンスルホン酸、オレイン酸、パルミチン酸、プロピオン酸、ステアリン酸、コハク酸、酒石酸、p−トルエンスルホン酸、トリメチル酢酸などの有機酸と一緒に形成される酸付加塩、親化合物中に存在する酸性プロトンが、金属イオン、例えば、アルカリ金属イオン、アルカリ土類イオン、またはアルミニウムイオンのいずれかにより置換される時に形成される塩;あるいはジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N−メチルグルカミンなどの有機塩基と配位した塩(coordinates)が含まれる。アンモニウムおよび置換もしくは四級化アンモニウム塩もまた、この定義に含まれる。医薬的に許容される塩の代表的な非限定的なリストは、S.M. Berge et al, J. Pharma ScL, 66(1), 1-19 (1977)、およびRemington: The Science and Practice of Pharmacy, R. Hendrickson, ed., 21st edition, Lippincott, Williams & Wilkins, Philadelphia, PA, (2005), at p. 732, Table 38-5中に見出すことができ、これらの両文献は、出典明示により本明細書に取り込まれる。
「医薬的に許容される担体」は、化合物と組み合わされ、および/または投与される、医薬的に許容される希釈剤、アジュバント、賦形剤またはビヒクルなどを意味する。
微生物感染の「予防する」、「予防(preventing)」および「予防(prevention)」は、微生物感染が発達することから対象のリスクを減らすこと、あるいは対象における微生物感染の頻度または重症度を軽減することを意味する。
「保護基」は、分子中の反応性官能基に結合した場合に、官能基の反応性をマスクし、減少させ、または妨げる一群の原子を意味する。保護基の例は、P.G.M. Wuts and T.W. Greene, Greene's Protective Groups in Organic Synthesis (4th Ed.), Wiley-Interscience, (2006)、およびHarrison et al, Compendium of Synthetic Organic Methods, VoIs. 1-8 (John Wiley and Sons, 1971-1996)中に見出すことができる。例えば、代表的なアミノ保護基には、ホルミル、アセチル、トリフルオロアセチル、ベンジル、ベンジルオキシカルボニル(「CBZ」、「Cbz」)、tert−ブトキシカルボニル(「Boc」)、トリメチルシリル(「TMS」)、2−トリメチルシリル−エタンスルホニル(「SES」)、トリチルおよび置換トリチル基、アリルオキシカルボニル、9−フルオレニルメチルオキシカルボニル(「FMOC」)、ニトロ−ベラトリルオキシカルボニル(「NVOC」)などが含まれるが、これらだけに限定されない。代表的なヒドロキシ保護基には、ヒドロキシ基がアシル化またはアルキル化されたもののいずれか、例えば、アルキルエーテル、テトラヒドロピラニルエーテル、トリアルキルシリルエーテルおよびアリルエーテルが含まれるが、これらだけに限定されない。
「塩」は、溶液中または固体としてのいずれかで、アニオンとカップリングしているカチオンを意味する。塩には、医薬的に許容される塩、ならびに同じ塩の溶媒付加形態(溶媒和物)が含まれる。
「置換」は、1つまたはそれ以上(例えば、1から5個、例えば、1から3個)の水素が、アシルアミノ、アルコキシ、アルキル、アミノ、アミジノ、アリール、カルボキシル、カルバモイル、シアノ、シクロアルキル、グアニジノ、ハロ、ヘテロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル、ヒドロキシル、イミジノ、イミノ、ニトロ、オキサミジノ、オキソ、メトキサミジノ、スルホンアミド、チオ、チオアミド、いずれかの電子求引性基、またはこれらの組み合わせを含むが、これらだけに限られない1つまたはそれ以上の置換基で置換された基を意味する。
微生物感染または混入の「治療する(treat)」、「治療する(treating)」および「治療」は、微生物感染の頻度または症状の重症度を減少させるか(それらを取り除くことを含む)、あるいは微生物感染の発生の機会を回避するか、または減少させるか、あるいは細菌、真菌またはウイルスを殺すか、または増殖を阻害することを意味する。
式Iの化合物は、1つまたはそれ以上の対イオンをさらに含んでもよい。対イオンは、炭酸塩、カルボン酸塩、ハロゲン化物(例えば、塩化物)、水酸化物塩、硫酸塩、スルホン酸塩、酢酸塩、コハク酸塩、ギ酸塩、メチルスルホン酸塩またはリン酸塩を含むが、これらだけに限定されないいずれかの塩(例えば、医薬的に許容される塩)のものであってもよい。特定の式Iの化合物において、Qは、対イオンである。その他の式Iの化合物において、Qは、非存在であり;すなわち、特定の式Iの化合物は、双性イオンであってもよい。
式IAの化合物は、上記のように、1つまたはそれ以上の対イオンをさらに含んでもよい。特定の式IAの化合物において、Qは、対イオンである。その他の式IAの化合物において、Qは、非存在であり;すなわち、特定の式IAの化合物は、双性イオンであってもよい。
式IBの化合物は、上記のように、1つまたはそれ以上の対イオンをさらに含んでもよい。特定の式IBの化合物において、Qは、対イオンである。その他の式IAの化合物において、Qは、非存在であり;すなわち、特定の式IBの化合物は、双性イオンであってもよい。
式ICの化合物は、上記のように、1つまたはそれ以上の対イオンをさらに含んでもよい。特定の式ICの化合物において、Qは、対イオンである。その他の式ICの化合物において、Qは、非存在であり;すなわち、特定の式Iの化合物は、双性イオンであってもよい。
これらの化合物を調製する際に用いられる出発物質および試薬は、Sigma−Aldrich Chemical Company(米国、ウィスコンシン州のミルウォーキー)、TCI America(米国、オレゴン州のポートランド)、Matrix Scientific(米国、サウスカロライナ州、コロンビア)、VWR International(米国、カリフォルニア州、パサディナ)、Fisher Scientific(米国、イリノイ州、シカゴ)、Alfa Aesar(米国、マサチューセッツ州、ウッドヒル)、Advanced Chem Tech(米国、ケンタッキー州、ルイスビル)、Chem Impex(米国、イリノイ州、シカゴ)、およびAdvanced Asymmetrics(米国、イリノイ州、ベルヴィル)などの商業的供給源から入手できるか、あるいはProtective Groups in Organic Synthesis(John Wiley & Sons, 3rd Edition)、Protective Groups, Foundation of Organic Chemistry (Thieme & Sons Inc.)、Fieser and Fieser's Reagents for Organic Synthesis, Volumes 1-15(John Wiley and Sons, 1991)、Rodd's Chemistry of Carbon Compounds, Volumes 1-15 and Supplemental Materials(Elsevier Science Publishers, 1989)、Organic Reactions, Volume 1-40(John Wiley & Sons, 1991)、March's Advanced Organic Chemistry(John Wiley & Sons, 4th Edition)、およびLarock's Comprehensive Organic Transformation(VCH Publishers Inc., 1989)などの文献および参考文献で利用できる方法に従って当該技術分野で知られている方法により調製することができる。
工程1−1:酸化合物1のエステル化は、当該技術分野で周知な条件下において、好ましくは、カップリング剤および有機塩基の存在下における不活性有機溶媒中において、適宜置換されたアミノアルコール化合物との縮合によって達成されて、化合物2を供し得る。広範囲のアミン化合物、例えば、第一級N−アルキルアミン、置換N−アルキルアミン、第二級アミンなどが用いられ得る。この反応は、一般的に用いられるアミドカップリング剤、例えば、O−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(HATU)、1−ヒドロキシベンゾトリアゾールヒドレート(HOBT)、N,N’−カルボニルジイミダゾール(CDI)などのカルボジイミド、ジフェニルホスホリルアジド(DPPA)などを用いて行うことができる。好適な有機塩基には、ジイソプロピルエチルアミン(DIEA)、トリエチルアミン(TEA)、ピリジン、N−メチルモルホリンなどが含まれる。用いることができる好適な不活性有機溶媒には、例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、アセトニトリル、ジクロロメタンなどが含まれる。この反応は、典型的に、約0℃から約80℃の範囲の温度で行われる。この反応は、完了するまで継続され、典型的に、約2から24時間行われる
工程1−2:化合物2の第三級アミンの四級化は、当該技術分野で公知の方法を用いて、塩基の存在または非存在下のいずれかにおけるアルキル化剤で行われて、化合物3を供することができる。好適なアルキル化剤には、ヨウ化メチルなどのアルキルハライドが含まれる。アルキル化は、過剰なアルキル化剤を用いて、または、例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、アセトニトリル、ジクロロメタン、アルコールおよびN−メチルピリドンのような不活性有機溶媒中で行われてもよい。好適な塩基には、N,N−ジイソプロピルエチルアミン、トリエチルアミン、炭酸セシウムなどが含まれる。この反応は、典型的に、室温から100℃で、約16から約48時間行われる。
工程1−3:次いで、化合物3は、保護基の除去、例えば、水素化によりN−ベンジルオキシカルボニル保護基(Cbz)を除去することによって、あるいは酸による処理によりtert−ブチルオキシカルボニル(Boc)保護基を除去することによって、化合物4に変換され得る。脱保護は、典型的に、エタノールまたはメタノールなどの極性有機溶媒中で行われる。水素化は、典型的に、水素雰囲気下で、触媒量のパラジウム(II)またはパラジウム(0)、例えば、パラジウム(0)炭素の存在下で行われる。水素化は、周囲温度で約1から24時間行われてもよい。
工程2−1:化合物6は、好適な反応条件下において、例えば、不活性有機溶媒中の有機塩基の存在下において、α,β−不飽和エステル化合物7とカップリングして、エステル化合物8を供し得る。好適な有機塩基には、水酸化ベンジルトリメチルアンモニウム、DIEA、TEA、ピリジン、N−メチルホルホリンなどが含まれる。用いることができる好適な不活性有機溶媒には、例えば、水、ジオキサン、N,N−ジメチルホルムアミド、アセトニトリル、ジクロロメタンなどが含まれる。この反応は、典型的に、約0℃から100℃の範囲の温度で行われる。この反応は完了するまで継続され、典型的に、約2から24時間で起こる。
工程3−1:アミノ酸化合物11のアミド化は、好適な反応条件下で、好ましくは、アミドカップリング剤および有機塩基の存在下における不活性有機溶媒中で、適宜置換されたジアミン化合物(式中、Raは、H、アルキル、アリール、シクロアルキル、ヘテロアルキル、ヘテロアリールまたはヘテロシクロアルキルであり、それらの各々は、適宜置換されていてもよい)を反応させることにより行われて、アミド化合物12を供することができる。アミド化反応条件は、当該技術分野でよく知られている。広範囲のアミン化合物、例えば、第一級アミン、置換第一級アミン、第二級アミンなどが用いられ得る。この反応は、O−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(HATU)、1−ヒドロキシベンゾトリアゾールヒドレート(HOBT)、N,N’−カルボニルジイミダゾール(CDI)のようなカルボジイミド、ジフェニルホスホリルアジド(DPPA)などの様々な公知のカップリング剤を用いて行うことができる。好適な有機塩基には、ジイソプロピルエチルアミン(DIEA)、TEA、ピリジン、N−メチルモルホリンなどが含まれる。用いることができる好適な不活性有機溶媒には、例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、アセトニトリル、ジクロロメタンなどが含まれる。この反応は、典型的に、約0℃から約80℃の範囲の温度で行われる。この反応は、完了するまで継続され、典型的に、約2から24時間で起こる。
工程4−1:N−保護チオール化合物17は、化合物16を、テトラヒドロフラン、塩化メチレンなどの好適な溶媒中でチオ酢酸、ホスフィンおよびジイソプロピルアゾジカルボキシレート(DIAD)と反応させ、続いてMeOH中でLiOHのような好適なアルカリ試薬で脱アシル化することにより調製することができる。この変換は、典型的に、低温で、例えば、0℃で行われ、添加後、反応物は、周囲温度、例えば、約25℃に温められる。
工程4−2:チオール化合物17を、塩基の存在下におけるDMF、THF、水などの極性溶媒中でトリメチルアンモニウムアルキルハロゲン化合物と反応させることにより、化合物18を得る。この反応は、一般に、低温、例えば、0℃で行われ、添加後、反応物は約100℃に温められる。
工程4−3:化合物18のスルホン化合物19への酸化は、市販されている酸化剤、例えば、3−クロロ過安息香酸(MCPBA)、オキソンを用いて、アセトン、塩化メチレン、メタノールのような溶媒中の行うことができる。この反応は、典型的に、低温、例えば、0℃から周囲温度、例えば、約25℃で約2から24時間行われる。
工程5−1:N−保護チオアセチル化合物23は、化合物22を、テトラヒドロフラン、塩化メチレンなどの好適な溶媒中でチオ酢酸、ホスフィンおよびジイソプロピルアゾジカルボキシレート(DIAD)と反応させることにより調製することができる。この反応は、典型的に、0℃から室温の範囲の温度で約8から約24時間行われる。
工程5−2:化合物23は、塩素水溶液または次亜塩素酸水溶液を用いて、対応する塩化スルホニル化合物24に酸化することができ、前記水溶液は、塩化メチレンなどの有機溶媒中の次亜塩素酸ナトリウムを酸性化することにより調製することができる。この反応は、典型的に、0℃から室温で約2から約24時間行われる。
工程5−3:塩化スルホニル化合物24は、無機塩基の存在下における有機溶媒および水の混合液中で適宜置換されたN,N−ジアルキルアミノアルカンアミン化合物と反応して、スルホンアミド化合物25を供することができる。好適な無機塩基には、水酸化ナトリウム、重炭酸ナトリウムなどが含まれる。好適な不活性有機溶媒には、ジクロロメタン、THFなどが含まれる。この反応は、周囲温度で約2から24時間行われ得る。
工程6−1:化合物29は、好適な反応条件下において、好ましくは、アミドアップリング剤および有機塩基の存在下での不活性有機溶媒中において、適宜置換されたアミン化合物と縮合されて、アミド化合物30を供することができる。広範囲のアミン化合物、例えば、第一級アミン、置換第一級アミン、第二級アミンなどが用いられ得る。この反応は、O−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(HATU)、1−ヒドロキシベンゾトリアゾールヒドレート(HOBT)、N,N’−カルボニルジイミダゾール(CDI)のようなカルボジイミド、ジフェニルホスホリルアジド(DPPA)などの一般的なアミドカップリング剤を用いて行うことができる。好適な有機塩基には、ジイソプロピエチルアミン(DIEA)、TEA、ピリジン、N−メチルモルホリンなどが含まれる。用いることができる好適な不活性有機溶媒には、例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、アセトニトリル、ジクロロメタンなどが含まれる。この反応は、典型的に、約0℃から約80℃の範囲の温度で行われる。この反応は、完了するまで継続され、典型的に、2から24時間で起こる。
工程6−2:化合物30は、還元剤を用いることにより化合物31に変換され得る。例えば、この変換は、テトラヒドロフラン、エチルアルコールおよびメチルアルコールのような好適な溶媒中で、BH3−Me2S錯体またはBH3/THFのようなボランと反応させることによって達成することができる。その他の好適な還元剤は、室温で乾燥エーテル中のLiAlH4である。
工程8−1:ニトロ化合物39は、塩基性反応条件下において、好ましくは、有機塩基の存在下での不活性有機溶媒中において、アルキルハライド化合物40(ここで、Xは、例えば、Cl、Br、I、−OSO2CH3または−OSO2CF3である)と反応して、ニトロ化合物41を供することができる。好適な有機塩基には、ベンジルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、リチウムジイソプロピルアミン、N,N−ジイソプロピルエチルアミン、トリエチルアミン、ピリジン、N−メチルモルホリンなどが含まれる。用いることができる好適な不活性有機溶媒には、N.N−ジメチルホルムアミド、アセトニトリル、ジクロロメタンなどが含まれる。この反応は、典型的に、約0℃から100℃の範囲の温度で行われる。この反応は、完了するまで、典型的に、約2から24時間続けられる。
工程8−2:ニトロ化合物41は、ラネーニッケル、Pd炭素などのような水素化触媒の存在下における水素化により、あるいは、例えば、鉄、スズなどの金属の存在下における酸性溶液による処理により、対応するアミン化合物42に変換され得る。N−脱保護は、エタノールまたはメタノールなどの極性有機溶媒中で行われる。パラジウム水素化は、典型的に、水素雰囲気下において、周囲温度で15psiから500psiの圧力にて約1から24時間行われる。
工程9−1:アルコール化合物44は、脱離基Xを含有する化合物45に変換され得る。例えば、化合物Xは、塩化物であって、アルコール化合物44と、塩基の存在下における塩化アルカンスルホニル化合物との反応、続いて塩素供給源のようなハロゲン化剤を用いる反応により生成されてもよい。好適な不活性有機溶媒には、ジクロロメタン、テトラヒドロフランなどが含まれる。この反応は、典型的に、約0℃から50℃の範囲の温度で行われる。この反応は、完了するまで、典型的には、約2から24時間続けられる。別の例において、化合物Xは、トリフルオロメタンスルホネート、置換アリールスルホネートなどであってもよい。
工程9−2:化合物45は、N,N−ジメチルホルムアミド、アセトニトリル、塩化メチレン、テトラヒドロフランのような好適な有機溶媒中におけるナトリウムチオアルコキシド化合物との反応により、チオアルキル化合物46に変換され得る。この反応は、典型的に、周囲温度から100℃で約2から24時間行われる。
工程9−3:次いで、化合物46は、アミン化合物のアンモニウム化合物へのアルキル化に関して工程1−3に記載される条件と同様の反応条件下において、アルキルライドのようなアルキル化剤で処理されて、スルホニウム化合物47を供することができる。
工程10−1:化合物51は、N−保護アミン化合物50を、好適な塩基の存在下において塩化アルカンスルホニル化合物と反応させ、続いて工程9−1に記載されるようなハロゲン化剤と反応させることにより調製することができる。好適な不活性有機溶媒には、塩化メチレン、テトラヒドロフランなどが含まれる。この反応は、典型的に、約0℃から100℃の範囲の温度で行われる。この反応は、完了するまで、典型的に、約2から24時間続けられる。
工程10−2:化合物51は、2−ブタノン、エチルメチルケトン、エタノールなどのような極性有機溶媒中におけるトリアルキルホスフィン化合物との反応により、対応するトリアルキルホスホニウム誘導体52に変換され得る。この反応は、典型的に、約25℃から130℃の範囲で、200psiから500psiの範囲の圧力下にて約12から24時間行われる。
工程11−1:化合物55は、N−ベンジルオキシカルボニル(Cbz)またはtert−ブチルオキシカルボニル(Boc)のようなアミン保護基で適宜保護され得る。Boc保護基は、アミン化合物55を、テトラヒドロフランのような不活性有機溶媒中で二炭酸ジ−tert−ブチルと周囲温度で約1から24時間反応させることにより付加され得る。Cbz保護基は、アミン化合物55を、ジクロロメタンまたはテトラヒドロフランのような不活性有機溶媒中においてクロロギ酸ベンジルで、0℃から周囲温度で約5分から2時間処理することにより付加され得る。
工程11−3:化合物56および58は、銅触媒の反応条件下で、例えば、ヨウ化銅または硫酸銅を用い、水、メタノール、エタノール、テトラヒドロフランなどのような極性溶媒中、N,N−ジイソプロピルエチルアミンまたはアスコルビン酸ナトリウムのような有機塩基を用いて、トリアゾール化合物59に変換され得る。この反応は、典型的に、室温で8から48時間行われる。
工程12−1:化合物62(ここで、Xは、例えば、Cl、BrまたはIであり;T、U、VおよびWは、独立して、N、O、SまたはCHであり;ならびに、pは、0または1である)におけるアミンの四級化は、塩基の存在または非存在下において工程1−3に記載されるアルキル化剤を用いて行われて、化合物63を供することができる。好適なアルキル化剤には、ヨウ化メチルなどのようなアルキルハライド化合物が含まれる。アルキル化は、過剰のアルキル化剤を用いて無溶媒で、あるいは、例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、アセトニトリル、ジクロロメタン、アルコールおよびN−メチルピリドンのような不活性有機溶媒中で行われてもよい。好適な塩基には、N,N−ジイソプロピルエチルアミン、トリエチルアミン、炭酸セシウムなどが含まれる。この反応は、典型的に、室温から100℃で約16から約48時間行われる。
工程12−2:アミン化合物64は、tert−ブチルオキシカルボニル(Boc)のような好適な保護基で保護され得る。Boc保護基は、アミン化合物64を、テトラヒドロフランのような不活性有機溶媒中で二炭酸ジ−tert−ブチルと周囲温度で約1から24時間反応させることにより付加され得る。
工程12−3:アリールハライド化合物63およびアセチレン化合物65は、通常のソノガシラカップリング条件[例えば、Chem. Rev., 107, 874-922 (2007)を参照のこと]下でカップリングされて、化合物66を生成し得る。
工程12−4:次いで、アセチレン化合物66は、Pd炭素のような水素化触媒の存在下における水素化により、化合物67に変換され得る。水素化は、典型的に、水素雰囲気下において、周囲温度および15psiから100psiの圧力で約1から24時間行われる。
工程13−1:化合物71は、アルコール化合物70を、好適な塩基の存在下で塩化メタンスルホニルと反応させ、続いて工程9−1に記載されるハロゲン化剤と反応させることによって調製することができる。好適な不活性有機溶媒には、塩化メチレン、テトラヒドロフランなどが含まれる。好適な塩基には、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミンなどが含まれる。この反応は、典型的に、約0℃から100℃の範囲の温度で行われる。この反応は、完了するまで、典型的に、約1から24時間続けられる。
工程13−2:ヨウ化物72は、化合物71を、不活性有機溶媒中でヨウ化ナトリウム、ヨウ化カリウムなどのようなヨウ化物イオンと反応させることにより調製することができる。好適な不活性有機溶媒には、N,N−ジメチルホルムアミド、アセトンなどが含まれる。この反応は、典型的に、0℃から100℃の間の範囲の温度で行われる。この反応は、完了するまで、典型的に、約1から24時間続けられる。
工程13−3:化合物73は、ヨウ化物72を、不活性有機溶媒の存在下でヘテロアリール試薬と反応させることにより調製することができる。好適な不活性有機溶媒には、塩化メチレン、テトラヒドロフラン、メタノールなどが含まれる。この反応は、典型的に、室温から180℃の範囲の温度で約4から48時間行われる。
工程13−4:アミン化合物74は、水素ガス下においてパラジウム触媒を用いた極性溶媒中での化合物73の水素化により調製することができる。好適なパラジウム触媒には、10%のパラジウム炭素、5%のパラジウム炭素、5%のパラジウム硫酸バリウムなどが含まれる。好適な不活性有機溶媒には、エタノール、メタノールなどが含まれる。この反応は、典型的に、水素ガス下において、1から10気圧の圧力にて室温から80℃の間の範囲の温度で約4から48時間行われる。
本願の化合物の塩(医薬的に許容される塩を含む)は、存在する場合、これらの化合物の遊離酸または塩基部分を、水中もしくは有機溶媒中において、またはこれら2つの混合液中において、一般的に、例えば、エーテル、酢酸エチル、エタノール、イソプロパノールなどの非水性媒体中で、化学量論量またはそれ以上の適当な塩基または酸と反応させることにより調製され得る。本願の塩はまた、イオン交換により調製されてもよい。
式Iの化合物は、固形物として製剤化され得る。例えば、かかる固形物は、式Iの化合物を塩としての主成分としてなる。1つまたはそれ以上の式Iの化合物および1つまたはそれ以上のその他の物質を含む組成物が生成されてもよく、この有効成分のエアロゾル、クリーム剤、乳濁剤、ゲル、ローション、軟膏、ペースト、粉末、溶液、懸濁液の形態およびその他の形態であってもよい。
組成物は、複数(例えば、2つまたはそれ以上)の式Iの化合物を含んでもよい。前記組成物は、さらに、HOClまたはその他の抗菌剤のようなその他の有効成分を含んでもよい。
組成物または製剤には、上記で定義されるような、医薬的に許容される担体が含まれてもよい。例として、本願の組成物には、以下の医薬的に許容される担体:等張性を獲得するための塩化ナトリウム、緩衝液、安定化剤、溶媒、芳香剤(経口もしくは鼻咽頭投与または食品産業の場合)、保存剤、希釈剤、増量剤およびその他の補助物質もしくは賦形剤が含まれてもよい。用いられ得る医薬的に許容される担体および賦形剤の例は、Remington: The Science and Practice of Pharmacy, R. Hendrickson, ed., 21st edition, Lippincott, Williams & Wilkins, Philadelphia, PA, (2005)の317〜318頁に記載されており、出典明示によりその全体が本明細書に取り込まれる。一般に、水、生理食塩水、油、アルコール(例えば、2−プロパノール、1−ブタノールなど)、ポリオール(例えば、1,2−プロパンジオール、2,3−ブタンジオールなど)、およびグリコール(例えば、プロピレングリコール、ポリエチレングリコールなど)は、溶液のための適当な担体であり得る。1の態様において、溶液は、有効成分を、適当な安定化剤、必要であれば、緩衝物質と共に、水溶性または水性媒体可溶形態中で、例えば、塩として含有する。
例えば、式Iの化合物は、シクロデキストリンスルホブチルエーテル(米国、カンザス州、オーバーランドパークのCydexのCapisol(登録商標))を含むシクロデキストリンまたはシクロデキストリン誘導体と共に製剤化されてもよい。これらの他の担体は、本明細書に記載される化合物を含む組成物の溶解性、浸透性、取り込みおよびその他の特性を向上させるか、または調節するために用いられてもよい。
クリームは、水中油または油中水のいずれかの粘性液体または半固形乳濁剤である。クリーム基剤は、水洗性であり、油層、乳濁剤および水層を含有する。「内」層とも呼ばれる油層は、一般に、ワセリンおよびセチルアルコールもしくはステアリルアルコールのような脂肪アルコールからなる。水層は、通常、必ずではないが、油層の体積を超え、一般に保湿剤を含有する。クリーム製剤中の乳化剤は、一般に、非イオン性、アニオン性、カチオン性または両性の界面活性剤である。
乳濁剤は、2種類の混合しない液体を組み合わせることにより調製された二相系であり、これは、そのうちの1種類の液体の小球がもう1種類の液体全体に均一に分散されているものである。乳濁剤は、水中油または油中水型乳濁剤とされていてもよい。特定の乳濁剤は、ローション、クリームなどのような別のカテゴリーにより記載されるため、それ自体が分類分けされていなくてもよい。
ゲルは、半固形の懸濁型系(suspension-type systems)である。単相ゲルは、担体液体全体に実質的に均一に分布された有機巨大分子を含有し、該担体液体は、典型的に水性であるが、例えば、エタノールまたはイソプロパノールなどのアルコール、必要に応じて、油を含有する。典型的なゲル化剤には、ポリマーの「カルボマー」種のような架橋アクリル酸ポリマー、例えば、Carbopol(登録商標)の商品名(米国、オハイオ州、ウィクリフのLubrizol社)下で入手され得るカルボキシポリアルキレンなどが含まれる。ポリエチレンオキシド、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンコポリマーおよびポリビニルアルコールのような親水性ポリマー;ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、およびメチルセルロースのようなセルロースポリマー;トラガカントおよびキサンタンガムのようなガム;アルギン酸ナトリウム;ならびにゼラチンも有用である。均一のゲルを調製するために、アルコールまたはグリセリンのような分散剤が添加され得るか、あるいはゲル化剤がトリチュレーション、機械的な混合もしくは撹拌、またはこれらの組み合わせにより分散され得る。
ローションは、一般に、高摩擦を回避するために皮膚表面に適用される調製物であり、典型的に、活性薬剤を含む固形粒子が水またはアルコール基剤中に含まれる液体または半液体の調製物である。ローションは、通常、固形の懸濁物であり、例えば、水中油型の液体油性乳濁剤を含む。ローションは、一般的な液体組成物を適用しやすいことから、体の広範囲に用いることができる。一般に、ローション中の不溶性物質が微粉化されていることを必要とする。ローションは、典型的に、懸濁化剤を含有することにより、皮膚と接触する活性薬剤を局部にとどめ、保持するために有用なより良好な分散剤ならびに化合物、例えば、メチルセルロース、カルボキシメチル−セルロースナトリウムなどを生成する。
軟膏は、典型的に、ワセリンまたはその他のワセリン誘導体を基にした半固形調製物である。用いられる具体的な軟膏基剤は、最適な有効成分の送達、およびその他の所望の特性、例えば、柔軟性(emolliency)を提供するものである。その他の担体またはビヒクルと同様に、軟膏基剤は、不活性で、安定で、刺激性がなく、未感作でなければならない。軟膏基剤は、4つのクラス:脂肪性基剤、乳剤化基剤(emulsifiable base)、乳濁剤基剤および水溶性基剤にグループ化され得る。脂肪性軟膏基剤には、例えば、植物油、動物から得られた脂肪、および石油から得られた半固形の炭化水素物が含まれる。乳剤化軟膏基剤は、吸収性軟膏基剤としても知られ、ほとんどもしくは全く水を含有せず、例えば、ヒドロキシステアリンサルフェート(hydroxystearin sulfate)、脱水ラノリンおよび親水性ワセリンが含まれる。乳濁剤軟膏基剤は、油中水型(W/O)または水中油型(O/W)のいずれかの乳濁剤であり、例えば、セチルアルコール、モノステアリン酸グリセリン、ラノリンおよびステアリン酸が含まれる。例えば、水溶性軟膏基剤は、様々な分子量のポリエチレングリコールから調製される。
ペーストは、有効成分が好適な基剤中に懸濁されている半固形製剤である。ペーストは、基剤の特徴に応じて、脂肪ペーストまたは単相水性ゲルから調製されたペーストに分けられる。脂肪ペースト中の基剤は、一般に、ワセリンまたは親水性ワセリンなどである。単相水性ゲルから調製されたペーストには、一般に、カルボキシメチルセルロースなどが基剤として含まれる。
様々な添加剤もまた、例えば、有効成分を可溶化するために、製剤中に含まれてもよい。その他の任意の添加剤には、乳白剤、抗酸化剤、香料、着色剤、ゲル化剤、増粘剤、安定化剤、界面活性剤などが含まれる。
式I、IA、IBおよびICの化合物を運搬し、送達するのに好適なこれらおよびその他の組成物または製剤は、上記のRemingtonのチャプター22、39、43、45、50および55に記載され、これは出典明示によりその全体が本明細書に取り込まれる。
組成物、剤形、および製剤中の式Iの化合物またはそれらの塩の濃度は、式I、IA、IBもしくはICの化合物またはそれらの塩の飽和濃度まで、例えば、約1M(モル)まで、約500mM(ミリモル)まで、または約150mMまでであり得る。例えば、本願の組成物は、式I、IA、IBもしくはICの化合物またはそれらの塩の濃度が、約0.001mMから約1M、約0.01mMから約500mM、約0.05mMから約150mM、約0.1mMから約10mM、および約0.5mMから約2mMの範囲である組成物を含む。本願の組成物はまた、式I、IA、IBおよびICの化合物またはそれらの塩の濃度が、約0.1μg/mlから約300g/L、約1μg/mlから約150g/L、約5μg/mlから約45g/L、約10μg/mlから約3000μg/mlおよび約50μg/mlから約600μg/mlの範囲であり得る。さらなる態様において、本願の組成物には、式I、IA、IBおよびICの化合物またはそれらの塩の等張性を有し、生理学的に平衡である溶液が含まれる。
特定の具体例において、溶液形態中の組成物は、浸透圧が平衡化されている。さらなる具体例において、本明細書に記載される組成物は、約10から約10000、例えば、約100から約1000の範囲である治療指数を有する。
式I、IA、IBおよびICの化合物またはそれらの塩は、微生物(例えば、細菌、ウイルス、または真菌)の感染または混入を予防または治療する方法において有用である。本明細書に記載される化合物はまた、細菌、真菌、ウイルス、または関連するバイオフィルム(biofilm)により引き起こされる疾患、障害、病気、またはその他の病変を予防または治療するために投与され得る。本明細書に記載される化合物または塩はまた、患者における微生物の感染、混入または作用の予防または治療のための薬剤の製造のために用いられ得る。かかる方法は、有効な量の化合物またはその塩を、目的の部位またはその付近、例えば、組織もしくは器官またはその付近、医療装置の表面、保存容器の内部などに投与または適用することを特徴とする。微生物の病気の治療のための治療剤の製造における本明細書に記載される化合物の使用もまた、提供される。皮膚、爪、毛または粘膜の治療のための治療剤の製造における化合物の使用もまた、提供される。上気道の治療のための治療剤の製造における化合物の使用もまた、提供される。有効な量の化合物を表面に適用することを特徴とする、表面を治療または殺菌するための方法もまた、提供される。1の態様において、表面は、医療装置の表面である。
本願の組成物は、抗菌特性が望まれる広範囲の適用に有用である。かかる適用には、創傷、手術部位などを含む、皮膚、爪および毛、または粘膜を含む外皮系上もしくは内の病原の治療または軽減が含まれるが、これらだけに限られない。目的の適用および部位には、皮膚、眼、耳、鼻腔、洞、気管支肺系、膣、直腸およびその他の粘膜または関連する組織の創傷、火傷、潰瘍、炎症または損傷が含まれる。適用には、ヘルペス、イボ、および伝染性軟属腫などのウイルス性疾患;座瘡、膿痂疹、蜂巣炎、丹毒、皮膚の膿瘍、毛包炎、せつ(おでき)、および爪囲炎感染などの皮膚の細菌性疾患の治療;爪甲真菌症(真菌の手足の指の爪感染)などの様々な真菌感染症の治療;急性もしくは慢性副鼻腔炎またはその他の感染症、例えば、耳炎、皮膚炎、気管支炎、ニューモシスチス・カリニなどの肺炎、泌尿器、生殖器官もしくは生殖器の真菌感染症、例えば、外陰部カンジダ症、膣炎、子宮内膜炎、亀頭炎;消化管の感染症、例えば、口内炎、食道炎、腸炎、または尿道の真菌感染症、例えば、腎盂腎炎、尿管炎、膀胱炎、または尿道炎(例えば、カテーテル関連尿路感染(「CAUTI」)などの尿路感染症を含む);洗浄時の使用、移植のための器官における感染性負荷の軽減;自己のまたは人工的な組織移植における細菌性負荷の軽減;組織部位の洗浄(例えば、手術前および後の手術準備);眼科用(例えば、ウイルス性もしくは細菌性結膜炎の治療、洗浄溶液または眼の潅水、ならびに、例えば、眼科手術前、中、もしくは後の組織の治療);ウイルス、細菌もしくは真菌性感染症により引き起こされる副鼻腔炎または鼻炎の治療を含むが、これだけに限定されない鼻もしくは鼻咽頭への適用;口腔内消毒、歯肉炎または歯周炎の治療を含む歯科用;肺感染症における病原の減少;(例えば、嚢胞性線維症またはバイオフィルムを産生するその他の疾患のための)バイオフィルムの治療;ならびに動物の健康用(例えば、乳腺炎の治療)が含まれる。これらの適用のための組成物の投与は、局所的であり、例えば、皮膚または粘膜(例えば、口、鼻、眼、耳、膣、直腸)に対する局所適用であってもよい。
適用には、HIV、A型肝炎、呼吸器合胞体ウイルス、ライノウイルス、アデノウイルス、西ナイルウイルス、HSV−1、HSV−2、SARS、インフルエンザおよびパラ−インフルエンザウイルス、ピコルナウイルス、および(ポックスウイルスのためのモデルとしての)ワクシニアウイルスを含むDNAおよびRNAの両クラスのウイルスのウイルス不活性化のための(保存剤および可能性のあるアジュバントとしての)ワクチン製剤における使用もまた含まれる。
さらに、本明細書に記載される組成物は、Hemophilus influenzae、Escherichia coli、Enterococcus faecium、Enterococcus faecalis、Listeria monocytogenes、Staphylococcus aureus、メチシリン耐性S.aureus(MRSA)、Staphylococcus epidermidis、Streptococcus pneumoniae、Pseudomonas aeruginosa、Proteus mirabilis、Klebsiella pneumoniae、Lactobacillus、Acinetobacter junii、Candida albicansを含む酵母、バンコマイシン耐性enterococcus、カビ、ならびに炭疽菌の胞子およびアカントアメーバの嚢胞を含む胞子を含む、多くのその他の微生物に対する抗菌活性を有する。バンコマイシン耐性enterococcusおよびStaphylococcus、MRSA、およびその他のものは、本願の組成物により破壊することができる。歯周病に関連し、本願の組成物により破壊される細菌の例は、Bacteroides gingivalis、Bacillus intermedius、Actinomyces actinomycetemcomitansおよびBacteroides forsythusである。乳腺炎(ウシ乳房の感染)に関連し、本組成物により殺菌される細菌の例は、Streptococcus agalactiaeおよびStreptococcus infantariusである。本組成物は、バイオフィルムを破壊し、それゆえに、プランクトン形態およびバイオフィルムの両方で増殖する微生物に対して有効である。
式I、IA、IBおよびICのN−ハロゲン化およびN,N−ジハロゲン化された化合物が固有の抗菌活性を有し得る一方で、対応するプロトン化された(すなわち、ハロゲン化されていない)類似物質もまた、抗菌活性を有し得るか、またはハロゲンの供給源により抗菌状態に活性化(または抗菌状態に上昇)され得る。例えば、次亜塩素酸塩および/または次亜塩素酸は、好中球、好酸球、単核食細胞、およびBリンパ球により生成されることがよく知られている(例えば、L. Wang et al., J. Burns Wounds, 6, 65-79 (2007)およびM. Nagl et al., Antimicrob. Agents Chemother. 44(9) 2507-13 (2000)を参照のこと)。N−クロロタウリンを含む特定の有機クロラミンは、活性化した顆粒球の上澄み液中で検出されており、酸化バーストの間にこれらの細胞の酸化能を持続させ、細胞をHOCl/OCl-による損傷から保護すると考えられている。タウリンと同様の方法で、式I、IA、IBおよびICのN−プロトン化およびN,N−ジプロトン化された化合物は、これらの細胞またはその付近で、酸化バーストの間に塩素化され、同様の殺菌および/または保護効果を供給し得る。それゆえ、式I、IA、IBおよびICの化合物は、生体内で抗菌活性を作り出し、酸化バーストの間に細胞の酸化能を持続させ、もしくは調節し、または関連する細胞毒性を減少させるための方法に用いられ得る。
本明細書に記載される化合物はまた、細菌、真菌もしくはウイルスを殺し、もしくは減らし、または増殖を阻害することを含む、表面もしくは部位を治療、殺菌、または浄化するための方法であって、前記表面等に、有効な量の化合物もしくはその塩を投与することを特徴とする方法に有用であり得る。適用には、細菌バイオフィルムの除去または軽減を含む、医療装置(外科、歯科、眼科、およびその他を含む)、装置および器具(例えば、呼吸管、カテーテル、コンタクトレンズ、歯科プラントおよび器具、臓器保存に用いられる器具、補聴器、人工関節、ステントなど)、器具、食品(例えば、肉、魚、果物、野菜、実など)および食品接触面(例えば、切削工具、貯蔵室もしくは容器など)上もしくは中における病原の除去または軽減、ならびに種子保存の保護を含む農業用途が含まれる。
一例として、本願の組成物は、塗布器(applicator)、エアロゾルまたはスプレーにより皮膚のような組織に直接適用されるか、あるいは包帯または創傷被覆材(wound dressings)に含まれていてもよい。本組成物は、溶液、ペースト、クリーム、ゲルまたはローションの形態であってもよく、創傷処置プロトコルで特別に設計された包帯と組み合わせて用いられてもよい。例えば、包帯には、ガーゼ、ゲル、軟膏、または前記抗菌組成物を目的の部位、例えば、創傷もしくは感染に接触させるための同様の手段が含まれていてもよい(あるいは、染み込まされていてもよい)。包帯には、本願の溶液のような局所処置物質が適用され、再適用され、循環され得る開口部(opening)または「ウィンドウ(window)」が含まれていてもよい。本組成物はまた、包帯を妨げることなく、湿潤性の滅菌された環境を維持することが望まれる適用(例えば、火傷の治療)に用いられてもよい。1のかかる例において、包帯と、外側の帯具もしくはラップの間に貫通管(perforated tube)が設置される。定期的に、本組成物がこの管に通され、それにより包帯に新鮮な抗菌溶液が注入される。
別の例において、本願の化合物および組成物は、医療器具内もしくは上、例えば、カテーテル(例えば、尿、中心静脈、血液透析カテーテルなど)、ステント、呼吸管などの内腔内における細菌およびバイオフィルムなどの限定されない細菌(バイオフィルム中の細菌を含む)の根絶のために用いられ得る。かかる方法には、医療器具から細菌負荷を除去するための対応するバイオフィルムマトリックスの破壊、例えば、カテーテル、ステント、もしくは呼吸管の内腔内の開存性を向上もしくは維持することなどが含まれ得る。バイオフィルムは、基質(subtrate)に結合した微生物の一群であり、多くの場合、細胞外の多量体物質の排出に関連する[R. M. Donlan et al., Clin. Microbiol. Rev., 4, 167-193 (2002)]。バイオフィルムの抗菌剤に対する証明された耐性は、ヒトの健康問題を引き起こし、医療インプラント、例えば、カテーテルの成功に大きな影響を与えた[J. W. Costerton et al., Science, 284(5418), 1318-22 (1999)]。一旦カテーテルに定着すると、バイオフィルムは、その表面の外側および内側で発生し、感染症を引き起こす。バイオフィルムの形成の予防[J. F. Williams and S. D. Worley, J. Endourology, 14(5), 395-400 (2000); K. Lewis and A.M. Klibanov, Trends in Biotech., 23, 7, 343-348 (2005)]、存在しているバイオフィルムの破壊[P. Wood et al., Appl. Env. Microb. 62(7), 2598-2602 (1996)]、バイオフィルム中の細菌の殺菌[P. Gilbert and A. J. McBain, Am. J. Infect. Control, 29, 252-255 (2001)]による細菌負荷の軽減は、尿および中心静脈カテーテル、移植した人工関節、移植した人工心臓、経胃栄養チューブ(gastric feeding tube)、および人工肛門チューブなどに限られないカテーテルおよびシャントに由来する微生物負荷を低下させ、バイオフィルム関連の感染症を軽減させる戦略である。
本明細書に記載される化合物は、グラム陽性球菌、グラム陰性桿菌、P.aeruginosa、C.albicans、S.aureus、B.cepacia、E.coli、S.epidermidis、A.hydrophila、H.influenzae、S.liquifaciens、P.mirabilis、K.pneumoniae、およびP.vulgarisが含まれるが、これらだけに限定されない様々な細菌および真菌により形成されたバイオフィルムの形成を治療、根絶、または予防するために用いられ得る。これらのバイオフィルム形成種属の考察、およびその他の例は、例えば、S. Kjelleberg, and S. Molin, Curr Opin Microbiol., Jun, 5(3):254-8 (2002);J.W. Consterton et al., Science, 284, May 21, 1318-11 (1999);およびD.J. Stickler et al., Methods in Enzymology, 310: 494-501 (1999)で見出され得る。
医療器具を処理し、殺菌し、除去し、または浄化する別の適用において、本願の化合物の溶液は、コンタクトレンズを洗浄するために用いられ得る。かかる溶液はまた、さらなる保存剤および殺菌剤、ならびに洗浄およびその他の薬剤を含有してもよい。これらの溶液は、コンタクトレンズを保存し(例えば、包装時、使用の間、持ち運びケース中など)、眼に挿入前に湿らすか、再度湿らし、あるいはレンズを洗浄し、殺菌し、またはすすぐために用いられ得る。コンタクトレンズの殺菌は、微生物により引き起こされる眼の感染症の予防に重要である。微生物は、レンズを取り扱うことにより、まず眼に取り込まれる。例えば、E.coliが取り込まれると、細菌性角膜炎などの様々な眼の構造の感染症が引き起こされ得る。フザリウムのような真菌性病原はまた、感染したコンタクトレンズから移された時に眼に感染し得る。[例えば、J.K. Suchecki et al., Ophthalmol. Clin. North Am.., 16(3), 471-84 (2003)を参照のこと。]
実施例
以下の実施例は、例示を示すものであって、限定されるもではない。
本明細書に記載される化合物を調製する時に用いられる出発物質および試薬は、Aldrich−Sigma Chemical Co.(米国、ウィスコンシン州、ミルウォーキー)、Bachem(米国、カリフォルニア州、トランス)、Torento Research Chemicals(カナダ、オンタリオ州、ノースヨーク)、Anaspec(米国、カリフォルニア州、サンノゼ)、Chem−Impex International(米国、イリノイ州、ウッドデール)、Spectrum(米国、カリフォルニア州、ガーデナ)、PharmaCore(米国、ノースカロライナ州、ハイポイント)などの商業的供給源から入手でき、あるいはFieser's Reagents for Organic Synthesis, Volumes 1-12 (Wiley-Interscience, 1999)、March's Advanced Organic Chemistry, (Wiley-Interscience, 6th Edition, 2007)、およびM. C. Pirrung, The Synthetic Organic Chemist's Companion (John Wiley & Sons, Inc., 2007)などの文献および参考文献で示される手順に従って当業者に公知の方法により調製される。
実施例1
2−(3−(ジクロロアミノ)−N,3−ジメチルブタンアミド)−N,N,N−トリメチルエタンアミニウムクロリド(化合物21−14)
4−((2−(ジメチルアミノ)エチル)(メチル)アミノ)−2−メチル−4−オキソブタン−2−イルカルバミン酸ベンジル
N,N−ジメチルホルムアミド(150ml)中の3−(ベンジルオキシカルボニルアミノ)−3−メチルブタン酸(国際公開番号WO 2008/083347 A1に記載される)(5.74g,22.9mmol)の溶液に、N,N−カルボニルジイミダゾール(4.45g,27.4mmol)を加えた。反応混合液を室温で1時間撹拌した。N,N−ジイソプロイルエチルアミン(11.2ml,68.8mmol)およびN,N,N−トリメチルエチレンジアミン(3.6ml,27.8mmol)を反応混合液に加えた。混合液を室温でさらに18時間撹拌した。反応混合液を水に注ぎ入れ、酢酸エチルで抽出した。有機層を2回以上洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させた。乾燥させた有機層を濾過し、減圧下で濃縮した。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン中の0から10%のメタノール)で精製して2.08g(27%の収率)の4−((2−(ジメチルアミノ)エチル)(メチル)アミノ)−2−メチル−4−オキソブタン−2−イルカルバミン酸ベンジルを得た。
1H NMR (CDCl
3) δ 7.34-7.26 (m, 5 H), 6.14 (s, 1 H), 5.04 (s, 2 H), 3.47 (t, J = 5.3 Hz, 2 H), 3.02 (s, 3 H), 2.60 (s, 2 H), 2.59 (t, J = 5.3 Hz, 2 H), 2.24 (s, 6 H), 1.46 (s, 6 H); C
18H
30N
3O
3について算出したMS(ESI+): 335.23, 実測値: 336.2 (M+H+).
2−(3−(ベンジルオキシカルボニルアミノ)−N,3−ジメチルブタンアミド)−N,N,N−トリメチルエタンアミニウムヨージド
4−((2−(ジメチルアミノ)エチル)(メチル)アミノ)−2−メチル−4−オキソブタン−2−イルカルバミン酸ベンジル(2.08g,6.2mmol)を、エタノール(4ml)およびヨウ化メチル(30ml)の溶液中に溶解させた。反応液を50℃で18時間撹拌した。反応混合液を減圧下で濃縮し、水に溶解させた。混合水溶液を酢酸エチルで洗浄した。洗浄した混合水溶液を減圧下で濃縮して2.19g(74%)の2−(3−(ベンジルオキシカルボニルアミノ)−N,3−ジメチルブタンアミド)−N,N,N−トリメチルエタンアミニウムヨージドを得た。C
19H
32N
3O
3 +に関して算出したMS(ESI+): 350.24, 実測値: 350.2 (M+).
2−(3−アミノ−N,3−ジメチルブタンアミド)−N,N,N−トリメチルエタンアミニウムヒドロクロリド
2−(3−(ベンジルオキシカルボニルアミノ)−N,3−ジメチルブタンアミド)−N,N,N−トリメチルエタンアミニウムヨージド(2.19g,4.6mmol)を臭化水素(酢酸中で33%,30ml)中に溶解させ、室温で3時間撹拌した。反応混合液にエーテルを加え、白色沈殿物を濾過により取り除いた。固形物質を水(100ml)中に溶解させ、酸化銀(6.00g)を加えた。懸濁液を30分間撹拌し、溶液をCelite(登録商標)に通して濾過した。水溶液を濃塩酸(6ml)で酸性化し、混合液をCelite(登録商標)に通して濾過した。水溶液を濃縮し、prep−HPLCにより精製して511mg(44%)の2−(3−アミノ−N,3−ジメチルブタンアミド)−N,N,N−トリメチルエタンアミニウムヒドロクロリドを得た。
1H NMR (D
2O) δ 3.87 (t, J = 5.7 Hz, 2 H), 3.53 (t, J = 5.7 Hz, 2 H), 3.19 (s, 9 H), 3.11 (s, 3 H), 2.81 (s, 2 H), 1.42 (s, 6 H); C
11H
26N
3O
+に関する計算値: 216.21, 実測値: 216.2 (M+).
2−(3−(ジクロロアミノ)−N,3−ジメチルブタンアミド)−N,N,N−トリメチルエタンアミニウムクロリド
メタノール(40ml)中の2−(3−アミノ−N,3−ジメチルブタンアミド)−N,N,N−トリメチルエタンアミニウムヒドロクロリド(511mg,2.0mmol)の溶液に、次亜塩素酸tert−ブチル(0.77g,7.1mmol)を加えた。混合液を室温で1時間撹拌した。反応混合液を減圧下で濃縮し、prep−HPLCにより精製して253mg(39%)の2−(3−(ジクロロアミノ)−N,3−ジメチルブタンアミド)−N,N,N−トリメチルエタンアミニウムクロリドを得た。
1H NMR (D
2O) δ 3.88 (t, J = 5.4 Hz, 2 H), 3.53 (t, J = 5.4, 2 H), 3.26 (s, 3 H),3.21 (s, 9 H), 2.98 (s, 2 H), 1.51 (s, 6 H); C
11H
24C
l2N
3O
+に関する計算値: 284.13, 実測値: 284.1 (M+).
実施例2
2−(ジクロロアミノ)−N,N,N−2−テトラメチルプロパン−1−アンモニウムクロリド(化合物21−30)
N,N−2−トリメチル−2−ニトロプロパン−1−アミン
T. Ueda and T. Tsuji, Chem. Pharm. Bull., 12, 946-950 (1964);H. G. Johnson, J. Am. Chem. Soc., 68, p.12 (1946);M. Senkus, J. Am. Chem. Soc., 68, p.10 (1946);およびM. Senkusの米国特許第2,419,506号に記載される方法に従って、2−ニトロプロパン(27.0mL,0.3mol)および40%のジメチルアミン水溶液(33.8mL,1当量,0.3mol)の撹拌した氷冷溶液を、ホルムアルデヒド(24.3mL,1当量,0.3mol)の37%溶液に1時間かけて滴下した。フラスコを氷浴から取り出し、室温で1時間撹拌した。次いで、反応液を50℃で1時間加熱した。冷ました溶液を分液漏斗に注ぎ入れ、エーテル(3x150mL)で抽出した。有機層を水(2x100mL)およびブライン(100mL)で洗浄した。有機層を無水MgSO
4で乾燥させ、濾過し、濃縮して黄色油状物にした。油状物をショートパス減圧蒸留装置により減圧蒸留した。先に流した物質(30〜61℃,9mbar)を捨て、主要なフラクション(61〜65℃,9mbar)を、淡黄色の液体(26.8g,61.1%)として収集した。
1H NMR (CDCl
3, 400 MHz): δ 1.56 (s, 6H), 2.27 (s, 6H), 2.79 (s, 2 H). C
6H
14N
2O
2に関するLRMS (ESI+) (146.1); 実測値: 147 (MH+).
N 1 ,N 1 ,2−トリメチルプロパン−1,2−ジアミン
N,N−2−トリメチル−2−ニトロプロパン−1−アミン(11.00g,77.7mmol)を、無水THF(50mL,0.2M)中に溶解させ、無水THF中のLAH(5.89g,2.0当量)の氷冷懸濁液中に1時間かけて滴下した。反応液を0℃で30分間撹拌し続けた。フラスコをコンデンサーに取り付け、反応液を70℃の油浴中で17時間加熱した。反応混合液を氷浴で冷まし、水(5.9mL)を20分かけて滴下した。次いで、15%のNaOH溶液(5.9mL)を10分かけて滴下した。懸濁液をさらに10分間撹拌し、水(12.0mL)を一度に入れ、混合液を30分間撹拌して微細な白色懸濁物を得た。懸濁液をCelite(登録商標)パッドに通して濾過し、固形物をTHF(3x100mL)で洗浄した。濾液を合わせ、浴温を20℃に設定してロータリーエバポレーターで慎重に濃縮して淡黄色の液体(5.68g,収率:62.9%)を得た。粗アミン物をさらに精製することなく用いた。
1H NMR (CDCl
3, 400 MHz): δ 1.41 (s, 6H), 2.51 (s, 2H), 2.98 (s, 2 H). C
6H
16N
2に関するLRMS (ESI+) (116.1); 実測値: 117 (MH+).
1−(ジメチルアミノ)−2−メチルプロパン−2−イルカルバミン酸ベンジル
N
1,N
1,2−トリメチルプロパン−1,2−ジアミン(5.68g,48.8mmol)をイソプロパノール/水(1:1,150mL)中に溶解させた。この溶液に、CbzOSu(12.2g,1当量,48.8mmol)を一度に加えた。反応液を室温で終夜17時間撹拌し続けた。溶媒を除去し、残渣を酢酸エチル(300mL)および水(100mL)の混合液に入れた。層を分離させ、有機層を水(2x100mL)で抽出した、有機層を無水MgSO
4で乾燥させ、濾過し、濃縮して油状物とした。粗油状物を、DCM中の2%メタノールからDCM中の30%メタノールの勾配溶出を用いてISCO精製系で精製した。所望のフラクションを収集し、濃縮して無色の油状物(8.95g,収率:73.2%)を得た。
1H NMR (CDCl
3, 400 MHz): δ 1.41 (s, 6H), 2.51 (s, 2H), 2.98 (s, 2 H). C
14H
22N
2O
2に関するLRMS (ESI+) (250.2); 実測値: 251 (MH+).
2−(ベンジルオキシカルボニルアミノ)−N,N,N−2−テトラメチルプロパン−1−アンモニウムクロリド
1−(ジメチルアミノ)−2−メチルプロパン−2−イルカルバミン酸ベンジル(4.0g,16.0mmol)を15mLの圧力管に入れた。反応液に、メタノール(2.4mL,6.8M)およびヨウ化メチル(2.0mL,2当量,32.0mmol)を加えた。スターラーバーを加え、圧力管を密封した。反応液を17時間撹拌し続けた。濃厚な懸濁液を濾過し、少量のメタノールですすぎ、高真空下で乾燥させて白色固形物(5.48g,87.3%)を得た。固形物を水(100mL)中に溶解させ、Ag
2O(2.41g,0.65当量,10.04mmol)を一度に加えた。黒色の懸濁物はすぐにクリーム色の懸濁液に変化した。反応物を室温で3時間撹拌し、固形物をCelite(登録商標)に通して濾過した。固形物を水(50mL)で洗浄し、濾液を、6MのHClでpH2まで酸性化した。濾液をロータリーエバポレーターにより濃縮して白色粉末を得た。白色粉末をP
2O
5で乾燥させて(4.10g,ヨウ化物由来の量および85.2%)を得た。
1H NMR (CDCl
3, 400 MHz): δ 1.41 (s, 6H), 2.51 (s, 2H), 2.98 (s, 2 H). C
15H
25N
2O
2 +に関するLRMS (ESI+) (265.2); 実測値: 265 (M+).
2−アミノ−N,N,N−2−テトラメチルプロパン−1−アンモニウムクロリドヒドロクロリド
2−(ベンジルオキシカルボニルアミノ)−N,N,N−2−テトラメチルプロパン−1−アンモニウムクロリド(3.14g,10.4mmol)をメタノールおよび水(1:1,100mL)中に溶解させた。フラスコに窒素を5分間流し入れ、反応液に10%のPd/Cを一度に加えた。フラスコを密封し、減圧下で脱気し、水素をバルーンから流し入れた(3x)。反応液を室温で17時間撹拌した。懸濁液をCelite(登録商標)パッドに通して濾過し、固形物をメタノール水(1:1,50mL)で洗浄した。濾液を濃縮して粘性の油状物とした。油状物を、P
2O
5で高真空下にて乾燥させて吸湿性の白色泡状物(1.52g,87.6%)を得た。
1H NMR (CDCl
3, 400 MHz): δ 1.41 (s, 6H), 2.51 (s, 2H), 2.98 (s, 2 H). LRMS (ESI+) for C
7H
19N
2 + (131.2); 実測値: 131 (M+).
2−(ジクロロアミノ)−N,N,N−2−テトラメチルプロパン−1−アンモニウムクロリド
メタノール(20mL)および水(10mL)の混合液中の2−アミノ−N,N,N−2−テトラメチルプロパン−1−アンモニウムクロリドヒドロクロリド(5.0g,24.6mmol)の溶液を、氷浴中で15分間冷却した。t−BuOCl(2.57mL,2.5当量,22.8mmol)を、無色の溶液にシリンジにより一度に加えて濃い黄色の溶液を得た。反応混合液を0℃で30分間撹拌し、次いで減圧下で濃縮して白色固形物を得た。この固形物を水に溶解させ、水/アセトニトリルおよび0.05%の酢酸を移動相として用いて島津Prep−LCで逆相クロマトグラフィーにより精製した。UV吸光度を254nmでモニターしてフラクションを収集した。フラクションをプールし、水浴を25℃に設定したロータリーエバポレーターにより濃縮して白色固形物(3.99g,68.8%)を得た。
1H NMR (CDCl
3, 400 MHz): δ 1.41 (s, 6H), 2.51 (s, 2H), 2.98 (s, 2 H). C
7H
17Cl
2N
2 +に関するLRMS (ESI+) (199.1); 実測値: 199, 201 (M+, M2H+).
実施例3
3−(ジクロロアミノ)−N,N,N−3−テトラメチルブタン−1−アンモニウムクロリド(化合物21−32)
3−アジド−3−メチルブタン酸
S. Nagarajan and B. Ganem, J. Org. Chem., 51, 4856, (1986)の方法に従って、水(100mL)中のアジ化ナトリウム(52g,0.8mol)を、氷酢酸(50mL)中の3,3−ジメチルアクリル酸(20g,0.2mol)の撹拌した溶液に一度に加えた。透明な黄色溶液を室温で1時間撹拌し、次いで油浴にて95℃で2日間加熱した。冷ましたオレンジ色溶液に水(50mL)を加えた。この溶液を分液漏斗に注ぎ入れ、エーテル(5x200mL)で抽出した。有機抽出物を合わせ、無水MgSO
4で乾燥させ、濃縮してオレンジ色の油状物とした。この油状物をさらに精製することなく用いた。
3−アジド−3−メチルブタノイルクロリド
無水ジクロロエタン(50mL)中の3−アジド−3−メチルブタン酸(10g,69.8mmol)の撹拌溶液に、塩化チオニル(10.0mL,2当量,0.14mol)を一度に加えた。フラスコをコンデンサーに取り付け、反応液を50℃の油浴で2時間加熱した。反応液を濃縮して茶色−黒色の懸濁液とした。残渣を、ショートパス蒸留装置により減圧蒸留した。前ラン物(forerun)を捨て、主なフラクションを18mbarにて66℃で蒸留し、淡黄色の液体(9.66g,85.6%)とした。
1H NMR (CDCl
3, 400 MHz): δ 1.41 (s, 6H), 2.51 (s, 2H), 2.98 (s, 2 H).
3−アジド−N,N−3−トリメチルブタンアミド
無水DCM(150mL)中の3−アジド−3−メチルブタノイルクロリド(9.66g,59.8mmol)の撹拌した氷冷溶液に、40%のジメチルアミン水溶液(23.7mL,3当量,0.18mol)を一度に加えた。すぐに白色固形物が形成し、懸濁物を、透明な二相混合液が形成するまで激しく撹拌した。撹拌の速度を下げ、反応物を0℃で1時間そのままにした。反応混合物にDCM(200mL)を加え、内容物を分液漏斗に注ぎ入れた。有機層を分離させ、水(3x50mL)およびブライン(50mL)で洗浄した。無水MgSO
4で乾燥させ、濾過し、濃縮し、高真空下で乾燥させて粗油状物(10.16g,定量的)を得た。この物質をさらに精製することなく用いた。
N 1 ,N 1 −3−トリメチルブタン−1,3−ジアミン
無水THF(100mL,0.2M)中の3−アジド−N,N−3−トリメチルブタンアミド(10.2g,59.7mmol)の溶液を、無水THF(150mL)中のLAH(4.50g,2.0当量,0.12mol)の氷冷懸濁物に1時間かけて滴下した。滴下完了後、フラスコをコンデンサーに取り付け、反応液を70℃の油浴で4時間加熱した。反応混合液を槽から取り出し、室温で17時間撹拌した。反応混合液を氷浴で冷まし、水(3.5mL)を20分かけて滴下した。次に、15%のNaOH溶液(3.5mL)を10分かけて滴下した。懸濁物をさらに10分間撹拌し、水(7.0mL)を一度に加え、混合物を30分間撹拌して微細な白色懸濁物を得た。懸濁物をCelite(登録商標)パッドに通して濾過し、白色のケーキをジエチルエーテル(200mL)中で再懸濁して白色の顆粒固形物を得た。懸濁物を濾過し、ケーキをジエチルエーテル(2x100mL)で洗浄し、濾液を合わせ、浴温を20℃に設定してロータリーエバポレーターで注意深く濃縮して淡黄色の液体を得、高真空下で軽く乾燥させて8.15g(収率:105%)を得た。粗アミン物は、その低いb.p.による生成物の喪失を最小限にするために完全に乾燥させず、さらに精製することなく用いた。
4−(ジメチルアミノ)−2−メチルブタン−2−イルカルバミン酸ベンジル
固形CbzOSu(15.6g,1当量,48.8mmol)を、THF(100mL)中のN
1,N
1−3−トリメチルブタン−1,3−ジアミン(8.15g,62.6mmol)の溶液に一度に加えた。反応物を室温で17時間撹拌し続けた。溶媒を除去し、残渣を酢酸エチル(500mL)および水(100mL)の混合液に入れた。層を分離させ、有機層を飽和重炭酸ナトリウム(2x100mL)、水(100mL)およびブライン(100mL)で洗浄した。有機層を無水MgSO
4で乾燥させ、濾過し、濃縮して淡黄色の油状物とした。粗油状物を、DCM中の1から5%メタノールの勾配溶出を用いてISCO精製系で精製した。所望のフラクションを収集し、濃縮して無色油状物(11.49g,収率:69.6%)を得た。
1H NMR (CDCl
3, 400 MHz): δ1.35 (s, 6H), 1.67-1.72 (t, J = 6.6, 2H), 2.23 (s, 6H), 2.36-2.40 (t, J = 7.2, 2H), 6.46 (s,1H), 7.27-7.36 (m, 5H), C
15H
24N
2O
2に関するLRMS (ESI+) (264.2); 実測値: 265 (MH+).
3−(ベンジルオキシカルボニルアミノ)−N,N,N−3−テトラメチルブタン−1−アンモニウムヨージド
4−(ジメチルアミノ)−2−メチルブタン−2−イルカルバミン酸ベンジル(4.0g,15.2mmol)を15mLの圧力管に入れた。反応物に、メタノール(2.2mL,6.8M)およびヨウ化メチル(1.89mL,2当量,32.0mmol)を加えた。スターラーバーを加え、圧力管を密封した。反応物を室温で17時間撹拌し続けた。溶液は固形ケーキになった。固形物を濾過し、少量のメタノールですすぎ、高減圧下で乾燥させて白色の結晶性固形物(6.03g,97.0%)を得た。
1H NMR (CD
3OD, 400 MHz): δ 1.31 (s, 6H), 2.20-2.27 (m, 2H), 3.04 (s, 9H), 3.28-3.33 (m, 6H), 5.04 (s, 2H), 7.30-7.39 (m, 5H). C1
6H
27N
2O
2 +に関するLRMS (ESI -ve) (279.2); 実測値: 279 (M+).
3−アミノ−N,N,N−3−テトラメチルブタン−1−アンモニウムクロリドヒドロクロリド
3−(ベンジルオキシカルボニルアミノ)−N,N,N−3−テトラメチルブタン−1−アンモニウムヨージド(6.03g,15.2mmol)を水(150mL)に溶解させ、Ag
2O(2.28g,0.65当量,9.88mmol)を一度に加えた。黒色の懸濁物はすぐにクリーム色の懸濁物に変化した。反応物を室温で17時間撹拌した。赤−黒色の固形物をCelite(登録商標)パッドに通して濾過し、固形物を水(50mL)で洗浄した。濾液を濃縮して粗生成物(6.0g)を得、メタノール−水混合液(1:1,80mL)中に溶解させた。フラスコに窒素を5分間流し入れ、反応液に10%のPd/C(200mg)を一度に加えた。フラスコを密封し、減圧下で脱気し、水素をバルーンから流し入れた(3x)。反応液を室温で17時間撹拌した。懸濁液をCelite(登録商標)パッドに通して濾過し、固形物をメタノール−水(1:1,50mL)で洗浄した。濾液を6MのHClでpH2まで酸性化し、続いて濃縮して粘性油状物とした。油状物をP
2O
5で高真空下にて乾燥させて吸湿性の白色泡状物(1.65g,50%)を得た。
1H NMR (D
2O, 400 MHz): δ 1.43 (s, 6H), 2.18-2.22 (m, 2H), 3.19 (s, 9H), 3.50-3.56 (m, 2H). C
8H
21N
2 +に関するLRMS (ESI+) (145.2); 実測値: 145 (M+).
3−(ジクロロアミノ)−N,N,N−3−テトラメチルブタン−1−アンモニウムクロリド
メタノール(10mL)中の3−アミノ−N,N,N−3−テトラメチルブタン−1−アンモニウムクロリドヒドロクロリド(0.7289g,3.35mmol)の溶液を、氷浴で15分間冷ました。t−BuOCl(2.57mL,2.5当量,22.8mmol)を該無色溶液にシリンジにより一度に加えて濃い黄色の溶液を得た。反応混合液を0℃で30分間撹拌し、次いで減圧下で濃縮して白色固形物を得た。この固形物を水に溶解させ、水/アセトニトリルおよび0.05%の酢酸を移動相として用いて島津Prep−LCで逆相クロマトグラフィーにより精製した。UV吸光度を254nmでモニターしてフラクションを収集した。フラクションをプールし、水浴を25℃に設定したロータリーエバポレーターにより濃縮して白色固形物(0.60g,71.7%)を得た。
1H NMR (D
2O, 400 MHz): δ 1.45 (s, 6H), 2.25-2.30 (m, 2H), 3.15 (s, 9H), 3.45-3.50 (m, 2H). C
8H
19Cl
2N
2 +に関するLRMS (ESI+) (213.1); 実測値: 213 (M+).
実施例4
4−(2−(ジクロロアミノ)−2−メチルプロピル)−4−メチルモルホリン−4−イウムクロリド
(化合物21−74)
tert−ブチル2−メチル−1−モルホリノプロパン−2−イルカルバメート
2−メチル−1−モルホリノプロパン−2−アミン(430mg,2.7mmol)および二炭酸ジ−tert−ブチル(593mg,2.7mmol)を、テトラヒドロフラン(25ml)中に溶解させた。反応混合液を室温で18時間撹拌した。反応混合液を減圧下で濃縮し、粗物質を酢酸エチルに溶解させた。該溶液を重炭酸ナトリウム水溶液で洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮して640mg(91%)のtert−ブチル2−メチル−1−モルホリノプロパン−2−イルカルバメートを得た。
1H NMR (CDCl
3) δ 4.62 (s, 1 H), 3.70-3.67 (m, 4 H), 2.57-2.54 (m, 4 H), 2.45 (s, 2 H), 1.43 (s, 9 H), 1.26 (s, 6 H); C
13H
27N
2O
3について算出したMS(ESI+): 258.20, 実測値: 259 (M+H).
4−(2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−2−メチルプロピル)−4−メチルモルホリン−4−イウムヨージド
tert−ブチル2−メチル−1−モルホリノプロパン−2−イルカルバメート(640mg,2.5mmol)をヨウ化メチル(20ml)中に溶解させ、封管に入れた。反応物を50℃で18時間撹拌した。反応混合液を濃縮し、水と酢酸エチルに分けた。水層を分離させ、濃縮して840mg(85%)の4−(2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−2−メチルプロピル)−4−メチルモルホリン−4−イウムヨージドを得た。
1H NMR (D
2O): δ (m, 4 H), 3.83 (s, 2 H), 3.72-3.54 (m, 4 H), 3.37 (s, 3 H), 1.50 (s, 6 H), 1.45 (s, 9 H); C
14H
29N
2O
3 +について算出したMS(ESI+): 273.22, 実測値: 273 (M
+).
4−(2−アミノ−2−メチルプロピル)−4−メチルモルホリン−4−イウムクロリド
4−(2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−2−メチルプロピル)−4−メチルモルホリン−4−イウムヨージド(840mg,2.1mmol)を、メタノール(5ml)中に溶解させた。該溶液に、ジオキサン(25ml)中の4Mの塩化水素を加え、室温で4時間撹拌した。反応混合液を濃縮し、水に溶解させた。該水溶液に、酸化銀(1.0g)を加え、混合液を室温で30分間撹拌した。溶液をCelite(登録商標)に通して濾過し、該溶液に、濃塩酸(0.5ml)を加えた。溶液をCelite(登録商標)に通して2回濾過し、水溶液を減圧下で濃縮して380mg(87%)の4−(2−アミノ−2−メチルプロピル)−4−メチルモルホリン−4−イウムクロリドを得た。C
9H
21N
2O
+について算出したMS(ESI+): 173.16, 実測値: 173 (M
+).
4−(2−(ジクロロアミノ)−2−メチルプロピル)−4−メチルモルホリン−4−イウムクロリド
次亜塩素酸tert−ブチル(0.49mg,4.5mmol)を、メタノール(25ml)中の4−(2−アミノ−2−メチルプロピル)−4−メチルモルホリン−4−イウムクロリド(380mg,1.8mmol)の撹拌した溶液に加え、室温で1時間撹拌した。反応混合液を減圧下で濃縮し、prep−HPLCにより精製して64mg(13%の収率)の4−(2−(ジクロロアミノ)−2−メチルプロピル)−4−メチルモルホリン−4−イウムクロリドを得た。
1H NMR (D
2O) δ 4.16-3.98 (m, 4 H), 3.86 (s, 2 H), 3.78-3.58 (m, 4 H), 3.43 (s, 3 H), 1.66 (s, 6 H); C
9H
19Cl
2N
2O
+について算出したMS(ESI+): 241.09, 実測値: 241 (M
+).
実施例5
2−(4−(2−(ジクロロアミノ)プロパン−2−イル)−1H−1,2,3−トリアゾール−1−イル)−N,N,N−トリメチルエタンアミニウムクロリド(化合物21−92)
tert−ブチル−メチルブタ−3−イン−2−イルカルバメート
2−メチルブタ−3−イン−2−アミン(5.11g,61.5mmol)および二炭酸ジ−t−ブチル(13.4g,61.5mmol)をテトラヒドロフラン(100ml)中に溶解させた。反応混合液を室温で18時間撹拌した。反応混合液を減圧下で濃縮し、粗物質を酢酸エチル中に溶解させた。該溶液を重炭酸ナトリウム水溶液で洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮して10.4g(92%)のtert−ブチル2−メチルブタ−3−イン−2−イルカルバメートを白色の固形物として得た。
1H NMR (CDCl
3) δ4.69 (s, 1 H), 2.30 (s, 1 H), 1.58 (s, 6 H), 1.46 (s, 9 H); C
10H
18NO
2: 183.13. 実測値: 184.1 (M+H).
2−アジド−N,N,N−トリメチルエタンアミニウムブロミド
(2−ブロモエチル)トリメチルアンモニウムブロミド(6.60g,26.7mmole)およびアジ化ナトリウム(1.73g,26.6mmole)を水(150ml)に溶解させた。混合液を90℃で2時間撹拌した。反応混合液を濃縮して8.20gの粗2−アジド−N,N,N−トリメチルエタンアミニウムブロミドを得、これは少量の出発物質および臭化ナトリウムを含有した。生成物をさらに精製することなく次の工程に用いた。
1H NMR (D
2O) δ3.97-3.95 (m, 2 H), 3.61-3.58 (m, 2 H), 3.21 (s, 9 H); C
5H
13N
4 +について算出したMS(ESI+): 166.02, 168.02. 実測値: 166.0, 168.0 (M+, M2H+).
2−(4−(2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)プロパン−2−イル)−1H−1,2,3−トリアゾール−1−イル)−N,N,N−トリメチルエタンアミニウムブロミド
粗2−アジド−N,N,N−トリメチルエタンアミニウムブロミド(8.20g)、tert−ブチル2−メチルブタ−3−イン−2−イルカルバメート(3.78g,20.63mmol)、およびN,N−ジイソプロピルエチルアミン(5.7ml,35.0mmol)を、メタノール(300ml)中に溶解させた。該溶液に、ヨウ化銅(330mg,1.72mmol)を加え、反応混合液を合わせ、室温で18時間撹拌した。反応混合液を濃縮し、粗物質をprep−HPLC(0.05%の酢酸を含有する水/メタノールの5〜95%勾配)により精製して6.20g(2工程で59%)の2−(4−(2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)プロパン−2−イル)−1H−1,2,3−トリアゾール−1−イル)−N,N,N−トリメチルエタンアミニウムブロミドを得た。
1H NMR (D
2O) δ 8.06 (s, 1 H), 5.04 (t, J = 4.8 Hz, 2 H), 4.03 (t, J = 5.0 Hz, 2 H), 3.19 (s, 9 H), 1.62 (s, 6 H), 1.37-1.30 (m, 9 H); C
15H
30N
5O
2 +について算出したMS(ESI+): 312.24. 実測値: 312.3 (M+).
2−(4−(2−アミノプロパン−2−イル)−1H−1,2,3−トリアゾール−1−イル)−N,N,N−トリメチルエタンアミニウムヒドロクロリド
2−(4−(2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)プロパン−2−イル)−1H−1,2,3−トリアゾール−1−イル)−N,N,N−トリメチルエタンアミニウムブロミド(6.20g,15.8mmol)をメタノール(15ml)中に溶解させた。該溶液に、ジオキサン(150ml)中の4Mの塩化水素を加え、反応混合液を合わせ、室温で4時間撹拌した。反応混合液を濃縮し、水に溶解させた。該水溶液に、酸化銀(6.0g)を加え、混合液を室温で30分間撹拌した。溶液をCelite(登録商標)に通して濾過し、濃塩酸(2ml)を該溶液に加えた。溶液をCelite(登録商標)に通して2回濾過し、水溶液を減圧下で濃縮した。粗物質をprep−HPLC(0.05%の酢酸を含有する水/メタノールの5〜95%勾配)により精製して3.29g(84%)の2−(4−(2−アミノプロパン−2−イル)−1H−1,2,3−トリアゾール−1−イル)−N,N,N−トリメチルエタンアミニウムヒドロクロリドを得た。
1H NMR (D
2O) δ 8.27 (s, 1H), 5.07 (t, J = 5.0 Hz, 2 H), 4.03 (t, J = 5.1 Hz, 2 H), 3.21 (s, 9 H), 1.78 (s, 6 H); C
10H
22N
5 +について算出したMS(ESI+): 212.19. 実測値: 212.2 (M+).
2−(4−(2−(ジクロロアミノ)プロパン−2−イル)−1H−1,2,3−トリアゾール−1−イル)−N,N,N−トリメチルエタンアミニウムクロリド
メタノール(100ml)中の2−(4−(2−アミノプロパン−2−イル)−1H−1,2,3−トリアゾール−1−イル)−N,N,N−トリメチルエタンアミニウムヒドロクロリド(1.45g,5.8mmol)を室温で撹拌した。混合液に、次亜塩素酸t−ブチル(1.90g,17.5mmol)を加え、混合液を合わせ、室温で1時間撹拌した。反応混合液を減圧下で濃縮し、prep−HPLCにより精製して769mg(42%の収率)の2−(4−(2−(ジクロロアミノ)プロパン−2−イル)−1H−1,2,3−トリアゾール−1−イル)−N,N,N−トリメチルエタンアミニウムクロリドを得た。
1H NMR (D
2O) δ 8.41 (s, 1 H), 5.10 (t, J = 4.7, 2 H), 4.06 (t, J = 4.7, 2 H), 3.18 (s, 9 H), 1.83 (s, 6 H); C
10H
20Cl
2N
5 +について算出したMS(ESI+): 280.11. 実測値: 280.1 (M+).
実施例6
1−(2−(3−(ジクロロアミノ)−3−メチルブタノイルオキシ)エチル)−1−メチルピペリジニウムクロリド
(化合物21−93)
2−(ピペリジン−1−イル)エチル3−(ベンジルオキシカルボニルアミノ)−3−メチルブタノエート
N,N−ジメチルホルムアミド(200ml)中の(国際公開番号WO 2008/083347 A1で報告された)3−(ベンジルオキシカルボニルアミノ)−3−メチルブタン酸(9.18g,36.5mmol)の溶液に、N,N−カルボニルジイミダゾール(6.52g,40.2mmol)を加えた。反応混合液を室温で1時間撹拌し、反応混合液に1−(2−ヒドロキシエチル)ピペリジン(36.3ml,47.4mmol)を加えた。混合液を室温でさらに18時間撹拌した。反応混合液を水に注ぎ入れ、酢酸エチルで抽出した。有機層を水で2回以上洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させた。乾燥させた有機層を濾過し、減圧下で濃縮した。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン中で0から10%のメタノール)で精製して9.45g(71%の収率)の2−(ピペリジン−1−イル)エチル3−(ベンジルオキシカルボニルアミノ)−3−メチルブタノエートを得た。
1H NMR (CDCl
3) δ 7.44-7.26 (m, 5 H), 5.47 (s, 1 H), 5.06 (s, 2 H), 4.19 (t, J = 6.0 Hz, 2 H), 2.69 (s, 2 H), 2.50 (t, J = 6.0 Hz, 2 H), 2.40-2.32 (m, 4 H), 1.60-1.48 (m, 4 H) 1.46-1.36 (m, 8 H); C
20H
31N
2O
4について算出したMS(ESI+): 362.23, 実測値: 363.2 (M+H
+).
1−(2−(3−(ベンジルオキシカルボニルアミノ)−3−メチルブタノイルオキシ)エチル)−1−メチルピペリジニウムヨージド
2−(ピペリジン−1−イル)エチル3−(ベンジルオキシカルボニルアミノ)−3−メチルブタノエート(9.45g,26.1mmol)を、ジクロロメタン(40ml)およびヨウ化メチル(16.3ml,262mmole)の溶液に溶解させた。混合物を室温で18時間撹拌した。反応混合液を減圧下で濃縮し、粗物質をpre−HPLCにより精製して8.74g(66%)の1−(2−(3−(ベンジルオキシカルボニルアミノ)−3−メチルブタノイルオキシ)エチル)−1−メチルピペリジニウムヨージドを得た。
1H NMR (CD
3OD) δ 7.39-7.27 (m, 5 H), 5.05 (s, 2 H), 4.52-4.47 (m, 2 H), 3.70-3.64 (m, 2 H), 3.44-3.37 (m, 4 H), 3.09 (s, 3 H), 2.84 (s, 2 H), 1.92-1.86 (m, 4 H), 1.73-1.59 (m, 2 H), 1.39 (s, 6 H). C
21H
33N
2O
4 +について算出したMS(ESI+): 377.24, 実測値: 377.2 (M
+).
1−(2−(3−アミノ−3−メチルブタノイルオキシ)エチル)−1−メチルピペリジニウムヒドロクロリド
1−(2−(3−(ベンジルオキシカルボニルアミノ)−3−メチルブタノイルオキシ)エチル)−1−メチルピペリジニウムヨージド(2.00g,4.0mmol)を、臭化水素(酢酸で33%,30ml)中に溶解し、室温で3時間撹拌した。反応混合液を濃縮し、油状物を水(100ml)中に溶解した。酸化銀(II)(10.00g)を加えた。懸濁液を30分間撹拌し、溶液をCelite(登録商標)に通して濾過した。水溶液を濃塩酸(6ml)で酸性化し、混合液をCelite(登録商標)に通して再度濾過した。水溶液を濃縮して1.01g(91%)の1−(2−(3−アミノ−3−メチルブタノイルオキシ)エチル)−1−メチルピペリジニウムヒドロクロリドを得た。
1H NMR (D
2O) δ 4.67-4.60 (m, 2 H), 3.81-3.74 m, 2 H), 3.54-3.37 (m, 4 H), 3.14 (s, 3 H), 2.85 (s, 2 H), 1.96-1.85 (m, 4 H), 1.75-1.59 (m, 2 H), 1.44 (s, 6 H); C
11H
26N
3O
+に関する計算値: 243.21, 実測値: 243.1 (M
+).
1−(2−(3−(ジクロロアミノ)−3−メチルブタノイルオキシ)エチル)−1−メチルピペリジニウムクロリド
メタノール(40ml)中の1−(2−(3−アミノ−3−メチルブタノイルオキシ)エチル)−1−メチルピペリジニウムヒドロクロリド(1.01g,3.6mmol)の溶液に、次亜塩素酸tert−ブチル(1.00g,9.2mmol)を加えた。混合液を室温で1時間撹拌した。反応混合液を減圧下で濃縮し、prep−HPLCにより精製して560mg(45%)の1−(2−(3−(ジクロロアミノ)−3−メチルブタノイルオキシ)エチル)−1−メチルピペリジニウムクロリドを得た。
1H NMR (CD
3OD) δ 4.62-4.54 (m, 2 H), 3.81-3.75 m, 2 H), 3.55-3.46 (m, 4 H), 3.18 (s, 3 H), 2.89 (s, 2 H), 2.02-1.89 (m, 4 H), 1.80-1.64 (m, 2 H), 1.51 (s, 6 H); C
13H
25Cl
2N
2O
2 +に関する計算値: 311.13, 実測値: 311.0 (M
+).
実施例7
2−(ジクロロアミノ)−N,N−2−トリメチル−N−(2−スルホエチル)プロパン−1−アンモニウムクロリド
(化合物21−90)
2−(メチル(2−メチル−2−ニトロプロピル)アミノ)エタノール
イソプロパノール(34mL)および水(3.4mL)の混合液中の2−ニトロプロパン(20.0g,0.22mol)、2−(メチルアミノ)エタノール(19.7mL,1.1当量,0.24mol)および5NのNaOH(0.24mL,0.005当量,1.2mmol)の撹拌溶液に、37%のホルムアルデヒド(18.2mL,1.1当量,0.24mol)溶液を15分かけて滴下した。反応液を17時間撹拌し続け、次いで溶媒を減圧下で除去した。ジオキサン(66mL,0.26mol)中の4MのHClを残渣に加え、溶媒を減圧下で除去して油性残渣を得た。油状物をイソプロパノールおよび無水ジエチルエーテルの混合液でトリチュレートして吸湿性白色粉末を得た。白色粉末を水(100mL)中に溶解し、5NのNaOH(35mL)を加えて淡い黄緑色油状物を得た。油状物をDCM(150mL)で抽出し、有機層を水(2x100mL)で洗浄し、無水MgSO
4で乾燥させ、濾過し、濃縮して淡い黄緑色油状物(28.0g,71.6%)とした。
1H NMR (CDCl
3, 400 MHz): δ 1.59 (s, 6H), 2.30 (s, 3H), 2.35-2.38 (t, J = 11.2, 1H), 2.63-2.65 (t, J = 5.6, 2H), 2.93 (s, 2H), 3.53-3.57 (q, J = 5.3, 2H). C
7H
16N
2O
3に関するLRMS (ESI+) (176.1); 実測値: 177 (MH+).
2−(メチル(2−メチル−2−ニトロプロピル)アミノ)エチルメタンスルホネート
無水DCE(50mL)中の塩化メタンスルホニル(4.40mL,56.7mmol,1.0当量)の溶液を、無水DCE(140mL,0.14M)中に溶解させた2−(メチル(2−メチル−2−ニトロプロピル)アミノ)エタノール(10.0g,56.7mmol)およびTEA(8.0mL,56.7mmol,1.0当量)の氷冷溶液に5分かけて滴下した。氷浴を取り外し、反応液を室温で30分間撹拌した。懸濁液を濾過し、濾液を水(3x50mL)で洗浄し、無水MgSO
4で乾燥させ、濾過し、濃縮して粘性の黄色油状物(12.5g,86.7%)とした。この物質をさらに精製することなく用いた。C
8H
18N
2O
5Sに関するLRMS (ESI+) (254.1); 実測値: 255 (MH+).
S−2−(メチル(2−メチル−2−ニトロプロピル)アミノ)エチルエタンチオエート
2−(メチル(2−メチル−2−ニトロプロピル)アミノ)エチルメタンスルホネート(12.0g,47.2mmol)を、無水アセトニトリル(200mL)中に溶解させ、固形のチオ酢酸カリウム(5.93g,1.1当量,51.9mmol)をフラスコに一度に加えた。混濁液を50℃で4時間加熱した。赤色のスラリーを濾過し、固形物を酢酸エチル(3x150mL)で洗浄した。濾液を濃縮して赤褐色の油状物とし、120gのSiO
2カラムおよび下記の勾配:一定組成のヘキサン中の20%のEA(5分)、およびヘキサン中の60%のEA(15分)に対する勾配を用いてISCO精製系で精製した。所望のフラクションを収集し、濃縮して赤色油状物(6.83g,61.8%)を得た。
1H NMR (CDCl
3, 400 MHz): δ 1.56 (s, 6H), 2.32 (s, 3H), 2.33 (s, 3H), 2.61-2.65 (m, 2H), 2.89-2.93 (m, 4H). C
9H
18N
2O
3Sに関するLRMS (ESI+) (234.1); 実測値: 235 (MH+).
N−(2−(アセチルチオ)エチル)−N,N−2−トリメチル−2−ニトロプロパン−1−アンモニウムヨージド
S−2−(メチル(2−メチル−2−ニトロプロピル)アミノ)エチルエタンチオエート(6.83g,29.2mmol)、無水エタノール(4.3mL,6.8M)およびヨウ化メチル(9.1mL,5当量,0.15mol)を、48mLの圧力管に加えた。反応物を油浴で45℃に17時間加熱した。反応混合液を室温に冷まし、懸濁液を濾過し、固形物を少量のエタノール(20mL)およびDCM(50mL)ですすいで白色固形物を得た(3.72g,34.0%)。
N,N−2−トリメチル−2−ニトロ−N−(2−スルホエチル)プロパン−1−アンモニウムクロリド
N−(2−(アセチルチオ)エチル)−N,N−2−トリメチル−2−ニトロプロパン−1−アンモニウムヨージド(3.72g,9.89mmol)を88%のギ酸(10mL)に溶解し、88%のギ酸(20mL)および30%の過酸化水素(10mL)の前もって混合した溶液に一度に加えた。反応液が発熱し、温度が60℃に上昇した。水浴を加えて反応液を室温に冷ました。反応の間にヨウ素が形成された。反応混合液を5分間静置させ、上澄み液を別のフラスコに移してヨウ素を残した。さらなるギ酸(5mL)を反応フラスコに注ぎ入れ、室温で17時間撹拌した。ヨウ素をチオ硫酸ナトリウムで失活させた。清澄な無色溶液を濃縮して淡黄色のガム状物(gum)とした。ガム状物を水(100mL)に溶解し、Ag
2O(1.48g,0.65当量,6.42mmol)と反応させて赤黒色の懸濁物を得た。懸濁物をCelite(登録商標)に通して濾過し、水(50mL)ですすぎ、濾液を6NのHCl(15mL)で酸性化して白色沈殿物を得た。固形物をCelite(登録商標)に通して濾過し、固形物を水(2x50mL)ですすいだ。濾液を濃縮して無色油状物とし、0.05%の酢酸を含有するアセトニトリルおよび水を移動相として用いて島津prep−LCで精製した。所望のフラクションをプールし、濃縮してガム状物とし、メタノールでトリチュレートして白色固形物を得た。固形物を収集し、高真空下で乾燥させて所望の生成物(1.17g,40.8%)を得た。
1H NMR (D
2O, 400 MHz): δ 1.88 (s, 6H), 3.23 (s, 6H), 3.49-3.53 (m, 2H), 3.81-3.85 (m, 2H), 4.27 (s, 2H). C
8H
19N
2O
5S
+に関するLRMS (ESI+) (255.1); 実測値: 255 (M+).
2−アミノ−N,N−2−トリメチル−N−(2−スルホエチル)プロパン−1−アンモニウムクロリド
100mLの広口ガラスボトルに、N,N−2−トリメチル−2−ニトロ−N−(2−スルホエチル)プロパン−1−アンモニウムクロリド(1.07g,4.0mmol)、水(10mL)、マグネティックスターラーバーおよびラネーニッケル(50%の懸濁水溶液,0.5mL)を加えた。ボトルを鋼製圧力容器内に設置し、密封し、水素で加圧した(100psi)。懸濁液を5分間撹拌し、圧力が0psiを少し超えるまで水素を放出させた。これを1回以上繰り返し、最終的に、容器を500psiまで加圧した。反応液を室温で17時間撹拌した。水素を放出させ、懸濁液をCelite(登録商標)に通して濾過した。固形物を少量の水(2x50mL)で洗浄し、濾液を合わせ、減圧下で濃縮して白色固形物を生成した。該固形物を高真空下にてP
2O
5で乾燥させて最終生成物を白色粉末として得た(0.95g,定量的)。
1H NMR (D
2O, 400 MHz): δ 1.38 (s, 6H), 3.29 (s, 6H), 3.43 (s, 2H), 3.47-3.52 (m, 2H), 3.84-3.88 (m, 2H). C
8H
21N
2O
3S
+に関するLRMS (ESI+) (225.1); 実測値: 225 (M+).
2−(ジクロロアミノ)−N,N−2−トリメチル−N−(2−スルホエチル)プロパン−1−アンモニウムクロリド
メタノール(10mL)および水(5mL)の混合液中の2−アミノ−N,N−2−トリメチル−N−(2−スルホエチル)プロパン−1−アンモニウムクロリド(0.31g,1.2mmol)溶液を氷浴で冷ました。反応混合液に、t−BuOCl(0.34mL,2.5当量,22.8mmol)をシリンジにより一度に加えて濃い黄色溶液を得た。0℃で1時間撹拌し、次いで減圧下で濃縮して白色固形物を得た。この固形物をDCM(30mL)中で懸濁し、濾過した。これを2回以上繰り返し、固形物を高真空下で乾燥させて淡黄色固形物を得た(0.32g,82%)。
1H NMR (D
2O, 400 MHz): δ 1.67 (s, 6H), 3.34 (s, 6H), 3.49-3.53 (m, 2H), 3.81 (s, 2H), 3.87-3.91 (m, 2H). C
8H
19Cl
2N
2O
3S
+に関するLRMS (ESI+) (293.1); 実測値: 293, 295 (M+, M2H+).
実施例8
N,N−ジブチル−3−(ジクロロアミノ)−N−3−ジメチルブタン−1−アミニウムクロリド
化合物(21−48)
3−アジド−N,N−ジブチル−3−メチルブタンアミド
無水DCE(150mL)中の3−アジド−3−メチルブタノイルクロリド(10.0g,61.8mmol)の撹拌した氷冷溶液に、ジブチルアミン(21.5mL,2当量,0.123mol)を一度に加えた。白色固形物がすぐに形成し、懸濁物を室温で3時間激しく撹拌した。DCE(200mL)および水(200mL)を反応混合液に加え、内容物を分液漏斗に注ぎ入れた。有機層を分離させ、水(2x200mL)およびブライン(200mL)で洗浄した。無水MgSO
4で乾燥させ、濾過し、濃縮し、高真空下で乾燥させて粗油状物を得た(15.7g,定量的)。この物質をさらに精製することなく用いた。
1H NMR (CDCl
3, 400 MHz): δ 0.91-0.97 (dt, J = 7.2, 7.4, 12H), 1.21-1.38 (m, 4H), 1.46 (s, 6H), 1.47-1.57 (m, 4H), 2.47 (s, 4H), 3.25-3.32 (m, 4H). C
13H
26N
4Oに関するLRMS (ESI+) (254.2); 実測値: 255 (MH+)
N 1 ,N 1 −ジブチル−3−メチルブタン−1,3−ジアミン
3−アジド−N,N−ジブチル−3−メチルブタンアミド(16.0g,61.8mmol)を無水THF(100mL,0.2M)中に溶解させ、無水THF(150mL)中のLAH(4.60g,2.0当量,0.124mol)の懸濁液に25分かけて滴下した。滴下完了後、フラスコをコンデンサーに取り付け、反応液を70℃の油浴で8時間加熱した。反応混合液を槽から取り外し、室温で17時間撹拌した。反応混合液を氷浴で冷まし、水(4.6mL)を20分かけて滴下した。次いで、15%のNaOH溶液(4.6mL)を10分かけて滴下した。懸濁液をさらに10分間撹拌し、水(9.0mL)を一度に加え、混合液を30分間撹拌して微細な白色懸濁液を得た。懸濁物をCelite(登録商標)パッドに通して濾過し、白色ケーキをイソプロパノール(3x150mL)で洗浄し、濾液を合わせ、ロータリーエバポレーターで濃縮し、高真空下で軽く乾燥させ、淡黄色液体を得た(10.2g,76.9%)。粗生成物をさらに精製することなく用いた。C
13H
30N
2に関するLRMS (ESI+) (214.2); 実測値: 215 (MH+).
4−(ジブチルアミノ)−2−メチルブタン−2−イルカルバミン酸ベンジル
粗N
1,N
1−ジブチル−3−メチルブタン−1,3−ジアミン(10.18g,47.4mmol)をTHF(237mL,0.2M)中に溶解した。この溶液に、CbzOSu(11.8g,1当量,47.4mmol)を一度に加えた。反応液を室温で17時間撹拌し続けた。溶媒を除去し、残渣を酢酸エチル(600mL)および水(200mL)の混合液に入れた。層を分離させ、有機層を水(2x300mL)およびブライン(100mL)で洗浄した。有機層を無水MgSO
4で乾燥させ、濾過し、濃縮して淡黄色の油状物とした。粗油状物を、ヘキサン中の60〜80%の酢酸エチルの勾配溶媒を用いてISCO精製系で精製した。所望のフラクションを収集し、濃縮して無色油状物(12.6g,76.3%)を得た。C
21H
36N
2O
2についてのLRMS (ESI+) (348.3); 実測値: 349 (MH+).
3−(ベンジルオキシカルボニルアミノ)−N,N−ジブチル−N−3−ジメチルブタン−1−アンモニウムヨージド
4−(ジブチルアミノ)−2−メチルブタン−2−イルカルバミン酸ベンジル(6.0g,17.2mmol)を15mLの圧力管に入れた。反応物に、メタノール(2.5mL,6.8M)およびヨウ化メチル(5.4mL,5当量,86.0mmol)を加えた。スターラーバーを加え、圧力管を密封した。反応物を油浴にて45℃で17時間加熱した。溶液を濃縮し、高真空下で乾燥させて濃い赤色のシロップ状物(8.2g,定量的)を得た。該物質をさらに精製することなく使用した。C
22H
39N
2O
2 +に関するLRMS (ESI+) (363.3); 実測値: 363 (M+).
3−アミノ−N,N−ジブチル−N−3−ジメチルブタン−1−アンモニウムクロリドヒドロクロリド
3−(ベンジルオキシカルボニルアミノ)−N,N−ジブチル−N−3−ジメチルブタン−1−アンモニウムヨージド(8.2g,16.7mmol)をメタノール(75mL)および水(75mL)の混合液に溶解させた。Ag
2O(2.51g,0.65当量,10.1mmol)を一度に加えた。黒色の懸濁液はすぐにクリーム色の懸濁液に変化した。反応液を室温で1時間撹拌した。赤−黒色固形物をCelite(登録商標)パッドに通して濾過し、固形物を水(50mL)およびメタノール(50mL)で洗浄した。濾液を6NのHClでpH2まで酸性化し、白色懸濁液を形成させた。懸濁液をCelite(登録商標)に通して濾過し、固形物をメタノール(100mL)ですすいだ。濾液を合わせ、濃縮し、高真空下で乾燥させて淡黄色の油状物を得た(6.80g,定量的)。油状物をフラスコに入れ、メタノール(50mL)および水(50mL)の混合液に溶解した。フラスコに窒素を5分間流し入れ、該反応液に10%のPd/C(350mg)を一度に加えた。フラスコを密封し、減圧下で脱気し、水素をバルーンから流し入れた(3回)。反応液を室温で17時間撹拌した。懸濁液をCelite(登録商標)パッドに通して濾過し、固形物をメタノール(50mL)で洗浄した。濾液を濃縮し、高真空下にてP
2O
5で乾燥させて淡黄色の粘性油状物(5.14g,定量的)を得た。
1H NMR (CDCl
3, 400 MHz): δ 0.79-0.87 (m, 6 H), 1.2-1.32 (m, 10 H), 1.56-1.62 (m, 4H), 1.94-1.98 (m, 2H), 2.93 (s, 3H), 3.17-3.21 (m, 4H), 3.27-3.32 (m, 2H). C
14H
33N
2 +に関するLRMS (ESI+) (229.3); 実測値: 229 (M+).
N,N−ジブチル−3−(ジクロロアミノ)−N−3−ジメチルブタン−1−アンモニウムクロリド
水(10mL)中の3−アミノ−N,N−ジブチル−N,3−ジメチルブタン−1−アンモニウムクロリドヒドロクロリド(1.15g,3.81mmol)の溶液を氷浴で15分間冷ました。5%の漂白剤(Bleach)(14.0mL,2.5当量,9.52mmol)を1NのHClでpH5まで酸性化し、無色溶液に一度に加えて濃い黄色溶液を得た。反応混合液を室温で1時間撹拌し、次いで減圧下で濃縮して白色固形物を得た。この固形物を2−プロパノール(10mL)中に懸濁させ、固形物を濾過し、2−プロパノール(2x10mL)ですすいだ。濾液を合わせ、減圧下で濃縮して白色のガム状固形物を得、水/メタノールおよび0.05%の酢酸を移動相として用いて島津Prep−LCで逆相クロマトグラフィーにより精製した。UV吸光度を215nmでモニターしてフラクションを収集した。フラクションをプールし、凍結乾燥させて黄色半固形物(0.61g,47.8%)を得た。
1H NMR (D
2O, 400 MHz): δ 0.94-0.98 (t, J =7.2, 6H), 1.34-1.43 (m, 4H), 1.461 (s, 6H), 1.68-1.77 (m, 4H), 2.18-2.22 (m, 2 H), 3.03 (s, 3H), 2.25-3.31 (m, 4H), 3.33-3.43 (m, 2H). C
14H
31Cl
2N
2 +に関するLRMS (ESI+) (297.2); 実測値: 297, 299 (M+, M2H+).
実施例9
1−(2−(ジクロロアミノ)−2−メチルプロピル)−1−メチルピペリジニウムクロリド(化合物21−78)
1−(2−メチル−2−ニトロプロピル)ピペリジン
2−ニトロプロパン(10.0g,0.11mol)およびピペリジン(11.1mL,1当量,0.11mol)の撹拌した氷冷溶液に、水酸化ナトリウム(0.5mL,5N,2モル%)および37%のホルムアルデヒド水溶液(8.4mLg,1当量,0.11mol)の前もって混合した溶液を、内部温度を10〜15℃の間に保ちながら15分かけて滴下した。フラスコを氷浴から取り外し、室温で1時間撹拌した。次いで、反応液を50℃で1時間加熱した。二相混合液を室温に冷まし、分液漏斗に注ぎ入れ、酢酸エチル(150mL)および水(50mL)で希釈した。層を分離させ、有機層を水(2x50mL)およびブライン(50mL)で洗浄した。有機層を無水MgSO
4で乾燥させ、濾過し、濃縮して黄色液体(20.0g)とした。この物質をさらに精製することなく用いた。
1H NMR (CDCl
3, 400 MHz): δ 1.35-1.38 (m, 2H), 1.46-1.51 (m, 4H), 1.53 (s, 6H), 2.43-2.46 (t, J = 5.2, 4H), 3.10 (s, 3 H), 3.42-3.51 (m, 4H), 4.20 (s, 2H).
1−メチル−1−(2−メチル−2−ニトロプロピル)ピペリジニウムヨージド
1−(2−メチル−2−ニトロプロピル)ピペリジン(10.8g,57.9mmol)を48mLの圧力管に入れた。無水エタノール(8.5mL,6.8M)およびヨウ化メチル(18.0mL,5当量,0.29mol)を圧力管に添加した。スターラーバーを加え、圧力管を密封した。反応物を室温で3日間撹拌し続けた。濃厚な黄色の懸濁物が形成した。懸濁物を濾過し、固形物をDCMで洗浄して白色の粉末状固形物を得た。母液を濃縮して濃厚な黄色の泥状固形物とした。この固形物をDCMで洗浄して白色の粉末状固形物を得た。2つの固形物を合わせ、高真空下で乾燥させて白色粉末を得た(10.4g,60%)。
1H NMR (D
2O, 400 MHz): δ 1.54-1.64 (m, 1H), 1.72-1.78 (m, 1H), 1.87 (s, 6H), 1.86-2.01 (m, 4H), 3.10 (s, 3 H), 3.42-3.51 (m, 4H), 4.20 (s, 2H). C
10H
21N
2O
2 +に関するLRMS (ESI+) (201.2); 実測値: 201 (M+).
1−(2−アミノ−2−メチルプロピル)−1−メチルピペリジニウムクロリドヒドロクロリド
メタノールおよび水の混合液(25:75mL)中の1−メチル−1−(2−メチル−2−ニトロプロピル)ピペリジニウムヨージド(5.68g,48.8mmol)の溶液を、マグネットスターラーバーを備えた鋼製圧力容器に添加した。該容器に窒素を流し入れながら、ラニーニッケル(50%の懸濁水溶液,2.0mL)を一度に加えた。該容器を密封し、水素(100psi)で加圧した。懸濁物を5分間撹拌し、圧力が0psiを少し超えるまで水素を放出させた。これを1回以上繰り返し、最終的に、容器を500psiに加圧した。反応物を室温で17時間撹拌した。水素を放出させ、懸濁液をCelite(登録商標)に通して濾過した。固形物を少量の水(5x40mL)で洗浄して無色の濾液を得た。濾液を減圧下で濃縮して黄色油状物とした。油状物をイソプロピルアルコール(20mL)、アセトニトリル(200mL)およびジエチルエーテル(100mL)と共に終夜激しく撹拌して粘着性白色固形物を得た。固形物を水に再度溶解させ、Ag
2O(0.65当量,18.8mmol,4.35g)を一度に加えた。黒色の懸濁液を室温で30分間撹拌した。固形物の色は、黒から白に除々に変化し、続いて灰色に戻る。懸濁液をCelite(登録商標)に通して濾過し、水(100mL)で洗浄した。濾液(〜pH10〜11)を6NのHClで〜pH2に酸性化した。形成された懸濁物をCelite(登録商標)に通して濾過し、水(100mL)で洗浄した。濾液を減圧下で濃縮して油状物とし、イソプロパノールアルコールからの溶解と濃縮を繰り返し、白色の吸湿性固形物が形成された(6.32g,90%)。粗固形物をさらに精製することなく用いた。
1H NMR (D
2O, 400 MHz): δ 1.60-1.65 (m, 1H), 1.74-1.7 (m, 1H), 1.69 (s, 6H), 1.89-2.00 (m, 4H), 3.29 (s, 3 H), 3.49-3.60 (m, 4H), 3.71 (s, 2H). C
10H
23N
2 +に関するLRMS (ESI+) 171.2); 実測値: 171 (M+).
1−(2−(ジクロロアミノ)−2−メチルプロピル)−1−メチルピペリジニウムクロリド
メタノール(12mL)および水(6mL)の混合液中の2−アミノ−N,N,N−2−テトラメチルプロパン−1−アンモニウムクロリドヒドロクロリド(1.00g,4.11mmol)の溶液を冷浴で15分間冷ました。無色の溶液に、t−BuOCl(1.45mL,3.0当量,12.3mmol)を一度に加えて濃い黄色溶液を得た。反応混合液を0℃で30分間、続いて室温で1時間撹拌した。淡黄色溶液を減圧下で濃縮して淡黄色の泡状物を得た。この固形物を水中に溶解し、水/メタノールおよび0.05%の酢酸を移動相として用いて島津Prep−LCで逆相クロマトグラフィーにより精製した。UV吸光度を215nmでモニターしてフラクションを収集した。フラクションをプールし、凍結乾燥させて白色固形物を得た(0.98g,86.5%)。
1H NMR (D
2O, 400 MHz): δ 1.52-1.63 (m, 1H), 1.71-1.79 (m, 1H), 1.66 (s, 6H), 1.86-2.01 (m, 4H), 3.2 (s, 3 H), 3.52-3.56 (m, 4H), 3.75 (s, 2H). C
10H
21Cl
2N
2 +に関するLRMS (ESI+) (239.10); 実測値: 239, 241 (M+, M2H+).
実施例10
3−(ジクロロアミノ)−N,N,N−3−テトラメチルブタン−1−アンモニウムクロリド(化合物21−80)
2−メチル−4−オキソ−4−(ピペリジン−1−イル)ブタン−2−イルカルバミン酸ベンジル
DMF(100mL)中の3−(ベンジルオキシカルボニルアミノ)−3−メチルブタン酸(11.8g,46.8mmol)の撹拌した溶液に、CDI(7.60g,1当量,46.8mmol)を一度に加え、室温で2時間撹拌した。ピペリジン(9.27mL,2当量,93.6mmol)を加え、反応液を17時間撹拌し続けた。溶媒をロータリーエバポレーターで除去し、残渣を酢酸エチル(300mL)および水(100mL)の混合液に溶解させた。有機層を分離させ、飽和NaHCO
3溶液(2x150mL)、1NのHCl溶液(150mL)およびブライン(150mL)で洗浄した。無水MgSO
4で乾燥させ、濾過し、濃縮して油状物とした。粗物質を、220gのカラムならびに酢酸エチルおよびヘキサンを溶出液として用いてISCO系で精製した。所望のフラクションを収集し、濃縮して無色油状物とした(8.84g,60%)。
1H NMR (CDCl
3, 400 MHz): δ 1.45 (s, 6H), 1.48-1.57 (m, 4H), 1.60-1.66 (m, 2H), 3.40-3.44 (m, 2H), 3.52-3.58 (m, 2H), 5.04 (s, 2 H), 6.15 (s, 1H), 7.27-7.37 (m, 5H). C
18H
26N
2O
3に関するLRMS (ESI+) (318.2); 実測値: 319 (MH+).
3−アミノ−3−メチル−1−(ピペリジン−1−イル)ブタン−1−オン
メタノール(100mL)中の2−メチル−4−オキソ−4−(ピペリジン−1−イル)ブタン−2−イルカルバミン酸ベンジル(8.84g,27.7mmol)の溶液に、窒素を5分間流し入れ、反応液に10%のPd/C(500mg)を一度に加えた。フラスコを密封し、減圧下で脱気し、水素をバルーンから流し入れた(3x)。反応液を室温で17時間撹拌した。懸濁液をCelite(登録商標)パッドに通して濾過し、固形物をメタノール(100mL)で洗浄した。濾液を濃縮して油状物とし、減圧下で乾燥させて無色の油状物を得た(5.11g,定量的)。粗物質をさらに精製することなく用いた。
1H NMR (CDCl
3, 400 MHz): δ 1.22 (s, 6H), 1.50-1.52 (m, 4H), 1.20-1.35 (m, 2H), 2.38 (s, 2H), 3.40-3.43 (m, 2H), 3.53-3.58 (m, 2H). C
10H
20N
2Oに関するLRMS (ESI+) (184.2); 実測値: 185 (MH+).
2−メチル−4−(ピペリジン−1−イル)ブタン−2−イルカルバミン酸ベンジル
等圧滴下漏斗およびコンデンサーを取り付けた1Lの三頚フラスコ内の無水THF(200mL)中のLAH(2.50g,2.0当量,65.1mmol)懸濁液に、不活性雰囲気下において無水THF(100mL,0.28M)中の3−アミノ−3−メチル−1−(ピペリジン−1−イル)ブタン−1−オン(5.11g,27.7mmol)の溶液を滴下した。次いで、反応液を70℃の油浴で9時間加熱した。続いて、反応液を室温にし、撹拌することなく8時間置いた。反応混合液を氷浴で冷却し、水(2.5mL)を20分かけて滴下した。続いて、15%のNaOH溶液(2.5mL)を10分かけて滴下した。懸濁液をさらに10分間撹拌し、水(5.0mL)、続いて無水MgSO4(50g)を一度に加え、混合液を1時間撹拌して微細な白色懸濁液を得た。懸濁液をCelite(登録商標)パッドに通して濾過し、白色ケーキをジエチルエーテル(200mL)中に再度懸濁して白色顆粒固形物を得た。懸濁液を濾過し、該ケーキをイソプロピルアルコール(3x200mL)で洗浄し、濾液を合わせ、浴温を20℃に設定して減圧下で濃縮し、淡黄色液体を得て、高真空下で軽く乾燥させて粗化合物(5.56g,定量的)を得た。
THF(100mL)中の粗2−メチル−4−(ピペリジン−1−イル)ブタン−2−アミンの溶液に、CbzOSu(8.10g,1.2当量,33.2mmol)を一度に加えた、反応混合液を室温で17時間撹拌し続けた。溶媒を減圧下で除去し、残渣を酢酸エチル(300mL)および水(100mL)の混合液に入れた。層を分離させ、有機層を飽和重炭酸ナトリウム(2x100mL)、水(100mL)およびブライン(100mL)で洗浄した。有機層を無水MgSO
4で乾燥させ、濾過し、濃縮して淡黄色油状物とした。粗油状物を、ヘキサン中の5%酢酸エチルから100%酢酸エチルの勾配溶出を用いてISCO精製系で精製した。所望のフラクションを収集し、濃縮して淡黄色油状物を得た(4.91g,49.6%)。
1H NMR (CDCl
3, 400 MHz): δ 1.36 (s, 6H), 1.37-1.45 (m, 2H), 1.51-1.53 (m, 6H), 2.30-2.45 (m, 6H), 2.38 (s, 2H), 5.05 (s, 2H), 7.27-7.36 (m, 5H). C
18H
28N
2O
2に関するLRMS (ESI+) (304.2); 実測値: 305 (MH+).
1−(3−(ベンジルオキシカルボニルアミノ)−3−メチルブチル)−1−メチルピペリジニウムヨージド
15mLの圧力管中で、ヨウ化メチル(2.0mL,5当量,31.3mmol)を、エタノール(2.0mL,3.1M)中の2−メチル−4−(ピペリジン−1−イル)ブタン−2−イルカルバミン酸ベンジル(1.91g,6.27mmol)の撹拌した溶液に加えた。圧力管を密封し、反応物を3日間撹拌し続けた。黄色溶液を丸底フラスコに注ぎ入れ、管をエタノールですすいだ。反応混合液を減圧下で濃縮してシロップ状物とした。フラスコからのイソプロピルアルコール(3x10mL)、続いてアセトニトリル(50mL)の添加および蒸発を繰り返して白色固形物を得た。この固形物をイソプロピルアルコールから再結晶化させた。この結晶物を濾過し、少量の冷イソプロピルアルコールですすぎ、高真空下で乾燥させて白色結晶物を得た(2.51g,89.6%)。
1H NMR (D
2O, 400 MHz): δ 1.30 (s, 6H), 1.43-1.82 (m, 6H), 2.04-2.10 (m, 2H), 2.84 (s, 3H), 3.04-3.24 (m, 6H), 5.08 (s, 2H), 7.38-7.50 (m, 5H). C
19H
31N
2O
2 +に関するLRMS (ESI+) (319.2); 実測値: 319 (M+).
1−(3−アミノ−3−メチルブチル)−1−メチルピペリジニウムクロリド
10%のPd/C(500mg)を、水(50mL)中の1−(3−(ベンジルオキシカルボニルアミノ)−3−メチルブチル)−1−メチルピペリジニウムヨージド(2.00g,4.48mmol)溶液に一度に加えた。フラスコに窒素を流し入れ、メタノール(50mL)を一度に加えた。フラスコを密封し、減圧下で脱気し、水素をバルーンから流し入れた(3x)。反応液を室温で20時間撹拌した。懸濁液をCelite(登録商標)パッドに通して濾過し、固形物を水(2x50mL)およびメタノール(2x50mL)で洗浄した。溶液を濃縮して黄色油状物とした。粗物質を水(50mL)中に再度溶解し、Ag
2O(0.67g,0.65当量,2.91mmol)を一度に加えた。黒色の懸濁液はすぐにクリーム色の懸濁液に変化し、30分間撹拌した。赤−黒色の固形物をCelite(登録商標)パッドに通して濾過し、固形物を水(50mL)で洗浄した。濾液を6NのHClで〜pH2まで酸性化して白色の懸濁液を得た。懸濁液をCelite(登録商標)パッドに通して濾過し、固形物を水(50mL)で洗浄した。濾液を減圧下で濃縮して黄色油状物を得た(1.15g,定量的)。
1H NMR (D
2O, 400 MHz): δ 1.44 (s, 6H), 1.60-1.77 (m, 2H), 1.89-2.02 (m, 4H), 2.16-2.20 (m, 2H), 3.09 (s, 3H), 3.34-3.42 (m, 4H), 3.48-3.52 (2H). C
11H
25Cl
2N
2 +に関するLRMS (ESI+) (185.1); 実測値: 185 (M+).
1−(3−(ジクロロアミノ)−3−メチルブチル)−1−メチルピペリジニウムクロリド
メタノール(6mL)および水(6mL)の混合液中の1−(3−アミノ−3−メチルブチル)−1−メチルピペリジニウムクロリド(1.00g,3.80mmol)の溶液を、氷浴で15分間冷却した。無色溶液にt−BuOCl(1.3mL,3.0当量,11.4mmol)をシリンジにより一度に加えて濃い黄色溶液を得た。反応混合液を0℃で30分間撹拌した。次いで、メタノールを減圧下で除去し、粗固形物を、水/メタノールおよび0.05%の酢酸を移動相として用いて島津Prep−LCでの逆相クロマトグラフィーにより精製した。UV吸光度を215nmでモニターしてフラクションを収集した。フラクションをプールし、減圧下にて25℃で濃縮して白色固形物を得た(0.92g,83%)。
1H NMR (D
2O, 400 MHz): δ 1.46 (s, 6H), 1.52-1.55 (m, 2H), 1.70-1.95 (m, 4H), 2.20-2.28 (m, 2H), 3.05 (s, 3H), 3.35-3.48 (m, 6H). C
11H
23Cl
2N
2 +に関するLRMS (ESI+) (253.1); 実測値: 253, 255 (M+, M2H+).
実施例11
(2−(ジクロロアミノ)−2−メチルプロピル)ジメチルスルホニウムクロリド(化合物21−86)
2−メチル−1−(メチルチオ)プロパン−2−イルカルバミン酸ベンジル
メタノール(35mL)中のS−2−(ベンジルオキシカルボニルアミノ)−2−メチルプロピルエタンチオエート(4.75g,16.9mmol)溶液を、5Nの水酸化ナトリウム溶液(3当量,50mL,50.7mmol)と混合させ、室温で15分間撹拌した。反応混合液のTLC(ヘキサン中の20%の酢酸エチル)分析は、全ての出発物質が消費されたことを示した。有機溶媒を減圧下で除去し、得られた水溶液を、氷浴で冷却しながら6NのHCl(9mL)で酸性にした(〜pH3)。懸濁水溶液を酢酸エチルで抽出し(3x100mL)、有機層を合わせ、無水MgSO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して1−メルカプト−2−メチルプロパン−2−イルカルバミン酸ベンジル、4.6gを淡黄色の油状物として得た。この物質をさらに精製することなく用いた。
圧力管に、メタノール(5mL)、TEA(2.35mL,1当量)およびヨウ化メチル(1.05mL,1当量)中の1−メルカプト−2−メチルプロパン−2−イルカルバミン酸ベンジルの溶液を加えた。管を密封し、反応物を17時間撹拌した。溶媒を減圧下で除去し、粗物質をISCO精製系で精製した。所望のフラクションをプールし、減圧下で濃縮して淡黄色油状物を得た(2.78g,65%)。
1H NMR (CDCl
3, 400 MHz): δ 1.41 (s, 6H), 2.51 (s, 2H), 2.98 (s, 2 H). C
13H
19NO
2Sに関するLRMS (ESI+) (253.1); 実測値: 254 (MH+).
(2−(ベンジルオキシカルボニルアミノ)−2−メチルプロピル)ジメチルスルホニウムヨージド
15mLの圧力管に、無水エタノール(0.5mL,6.8M)(1.00g,3.9mmol)およびヨウ化メチル(1.23mL,5当量,19.7mmol)中の2−メチル−1−(メチルチオ)プロパン−2−イルカルバミン酸ベンジル溶液を加えた。反応混合液をアルミホイルで覆い、3日間撹拌し続けた。薄い黄色溶液を濾過し、ジエチルエーテル(20mL)で洗浄した。母液を濃縮して濃い黄色の固形物とした。この固形物をイソプロピルアルコールおよびジエチルエーテルから再結晶化させ、最初の生成物と合わせた。1.29g(83.6%)。
1H NMR (D
2O, 400 MHz): δ 1.41 (s, 6H), 2.51 (s, 2H), 2.98 (s, 2 H). C
14H
22NO
2S
+に関するLRMS (ESI-) (268.1); 実測値: 268 (M+).
(2−アミノ−2−メチルプロピル)ジメチルスルホニウムクロリドヒドロクロリド
水(25mL)、メタノール(10mL)および酢酸(0.4ml,2当量,6.06mmol)の混合液中の(2−(ベンジルオキシカルボニルアミノ)−2−メチルプロピル)ジメチル−スルホニウムヨージド(1.20g,3.03mmol)溶液を氷浴で5分間冷却し、Ag
2O(0.46g,0.65当量,1.97mmol)を一度に加えた。黒色の懸濁物はすぐにクリーム色の懸濁物に変化し、30分間撹拌した。この懸濁物をCelite(登録商標)パッドに通して濾過し、固形物を水(30mL)で洗浄した。濾液を6NのHClで〜pH2まで酸性化し、Celite(登録商標)に通して濾過し、残渣を水(50mL)で洗浄した。濾液をロータリーエバポレーターで濃縮して黄色油状物を得た。粗塩酸塩を水(20mL)に溶解し、反応物に、10%のPd/C(300mg)を一度に加え、続いて6NのHCl(1mL,2当量)を加えた。フラスコを密封し、減圧下で脱気し、水素をバルーンから流し入れた(3x)。反応物を室温で20時間撹拌した。懸濁物をCelite(登録商標)パッドに通して濾過し、固形物を水(2x50mL)で洗浄した。溶液を減圧下で薄い黄色油状物に濃縮し、イソプロピルアルコール(3x10mL)の添加および蒸発を繰り返し、所望の化合物を得た(0.62g,定量的)。
1H NMR (D
2O, 400 MHz): δ 1.41 (s, 6H), 2.51 (s, 2H), 2.98 (s, 2 H). C
6H
16NS
+に関するLRMS (ESI-) (134.1); 実測値: 134 (M+).
(2−(ジクロロアミノ)−2−メチルプロピル)ジメチルスルホニウムクロリド
メタノール(10mL)および水(10mL)の混合液中の(2−アミノ−2−メチルプロピル)ジメチルスルホニウムクロリドヒドロクロリド(0.42g,2.0mmol)の溶液を氷浴で15分間冷却した。無色溶液に、t−BuOCl(0.72mL,3.0当量,6.1mmol)をシリンジにより一度に加えて濃い黄色溶液を得た。反応混合液を0℃で30分間、続いて室温で30分間撹拌した。メタノールを減圧下で除去し、粗固形物を、水/メタノールおよび0.05%の酢酸を移動相として用いて島津Prep−LCにおける逆相クロマトグラフィーにより精製した。UV吸光度を215nmでモニターしながらフラクションを収集した。フラクションを凍結してプールし、凍結乾燥させて白色固形物(0.26g,53.5%)を得た。
1H NMR (D
2O, 400 MHz): δ 1.41 (s, 6H), 2.51 (s, 2H), 2.98 (s, 2 H). C
6H
14Cl
2NS
+に関するLRMS (ESI-) (202.0); 実測値: 203, 204 (M+, M2H+).
実施例12
(4−(ジクロロアミノ)−4−メチルペンチル)トリメチルホスホニウムクロリド(化合物21−106)
4−メチル−4−ニトロペンタン酸メチル
R. B. Moffett, Organic Syntheses, Coll. Vol. 4, p.652 (1963)の方法に従い、250mLの三頚フラスコに滴下漏斗を取り付け、バルブがフラスコの底付近で位置するように温度計を設置した。フラスコに、ジオキサン(25mL)中の2−ニトロプロパン(45.5mL,0.5mol)溶液および40%の水酸化ベンジルトリメチルアンモニウム(トリトンB,5mL,0.013mmol)水溶液を加えた。フラスコを油浴で70℃に加熱し、アクリル酸メチル(45mL,0.5mol)を滴下漏斗により15分かけて加えた。添加の間、温度は約100℃まで上昇し、次いで〜85℃に下がった。次いで、混合液を100℃で4時間加熱した。反応混合液を室温に冷まし、1Nの塩酸(10mL)で酸性にした。水(200mL)およびジエチルエーテル(400mL)を反応フラスコに加えた。混合液を分液漏斗に注ぎ入れ、有機層を水(2x200mL)、ブライン(200mL)で洗浄し、無水MgSO
4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して黄色液体を得た。生成物をショートパス蒸留装置により蒸留して薄い黄色液体を得た(62.3g,71.1%)。
1H NMR (CDCl
3, 400 MHz): δ 1.60 (s, 6H), 2.22-2.38 (m, 4H), 3.70 (s, 3H).
4−メチル−4−ニトロペンタノール
4−メチル−4−ニトロペンタン酸メチル(15.5g,96.1mmol)を1Lの丸底フラスコに加え、変性エタノール(300ml)に溶解させ、氷浴で15分間冷却した。水素化ホウ素ナトリウム(7.27g,2当量,190mmol)を一度に加えた。水素を放出させ、ゆっくり減少させた(subsided)。反応液を0℃で1時間撹拌し、続いて70℃の水浴に3時間置いた。水(150ml)をフラスコに注ぎ入れ、氷浴で冷却しながら、6NのHCl(25mL)を滴下してpHを〜3に調整した。エタノールを減圧下で除去して懸濁液を得た。水(150mL)およびEA(300mL)をフラスコに加え、混合液を分液漏斗に注ぎ入れた。層を分離させ、有機層をブライン(100mL)で洗浄し、無水MgSO
4で乾燥させ、濾過し、ロータリーエバポレーターで濃縮して淡黄色油状物を得た(12.0g,85.1%)。
1H NMR (CDCl
3, 400 MHz): δ 1.5 (m, 2H), 1.61 (s, 6H), 1.95-2.05 (m, 2H), 3.65 (t, 2H). C
6H
13NO
3に関するLRMS (ESI+) (147.1); 実測値: 148 (MH+).
4−メチル−4−ニトロペンチルメタンスルホネート
4−メチル−4−ニトロペンタノール(12.0g,81.8mmol)を含有するフラスコに、無水DCM(200mL)を窒素雰囲気下でカニューレにより加えた。溶液を氷浴で15分間冷却し、トリエチルアミン(17.1mL,1.5当量,123mmol)を加え、続いてシリンジにより塩化メタンスルホニル(8.23mL,1.3当量,106mmol)を1分かけて加えた。混合液を0℃で1時間撹拌した。次いで、水(100mL)を加え、層を分離させた。有機層を1MのHCl(100mL)、飽和NaHCO
3溶液(100mL)およびブライン(100ml)で洗浄した。有機層を無水MgSO
4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して液体を得て、これは、ヘキサン中の20%のEA混合液(50mL)の添加により結晶化させた。この固形物を濾過し、高真空下で乾燥させて白色固形物を得た(14.3g,78%)。
1H NMR (CDCl
3, 400 MHz): δ 1.61 (s, 6H), 1.73-1.77 (m, 2H), 2.02-206 (m, 2H), 3.02 (s, 3H), 4.23 (t, 2H). C
7H
15NO
5Sに関するLRMS (ESI+) (225.1); 実測値: 226 (MH+).
4−メチル−4−ニトロペンチルヨージド
アセトン(100mL,0.3M)中のヨウ化ナトリウム(17.41g,3.9当量,116.6mmol)溶液を、4−メチル−4−ニトロペンチルメタンスルホネート(6.73g,29.9mmol)を含有したフラスコに加えた。フラスコをセプタムで密封し、アルミホイルで覆い、17時間撹拌させた。水(20ml)を懸濁物に加え、アセトンを減圧下でロータリーエバポレーターにより除去した。水溶液を酢酸エチル(150mL)で抽出し、5%のチオ硫酸ナトリウム水溶液(40ml)およびブライン(40ml)で洗浄した。有機層を無水MgSO
4で乾燥させ、濾過し、濃縮して黄色油状物を得た(7.46g,収率92.0%)。
1H NMR (CDCl
3, 400 MHz): δ 1.60 (s, 6H), 1.78-1.82 (m, 2H), 2.01-2.04 (m, 2H), 3.14-3.18 (t, 2H). C
6H
12INO
2に関するLRMS (ESI+) (257.0); 実測値: 258 (MH+).
トリメチル(4−メチル−4−ニトロペンチル)ホスホニウムヨージド
100mLの丸底フラスコに、4−メチル−4−ニトロペンチルヨージド(2.0g,7.78mmol)、2−ブタノン(20mL)およびTHF(15.5mL,2当量,15.5mmol)中のトリメチルホスフィンの1M溶液を加えた。このフラスコをステンレス鋼圧力容器内に置き、密封し、100℃で4日間加熱した。容器を冷まし、ドラフト内で開封した。フラスコを取り出し、白色の固形物を含有した。鋼溶液は溶媒を含有した。白色固形物を酢酸エチル(100mL)中で懸濁させ、濾過し、EA(2x50mL)ですすぎ、高真空下で乾燥させて淡黄色固形物を得た(2.39g,93%)。
1H NMR (D
2O, 400 MHz): δ 1.62 (s, 6H), 1.84-1.88 (d, J = 14.4, 9H), 2.10-2.14 (m, 2H), 2.20-2.28 (m, 2H). C
9H
21NO
2P
+に関するLRMS (ESI+) (206.1); 実測値: 206 (M+).
(4−アミノ−4−メチルペンチル)トリメチルホスホニウムクロリドヒドロクロリド
100mLの広口ボトルに、トリメチル(4−メチル−4−ニトロペンチル)ホスホニウムヨージド(2.00g,6.0mmol)、水(30mL)、マグネティックスターラーバーおよびラネーニッケル(50%の懸濁水溶液,1.5mL)を加えた。ボトルを鋼圧力容器内に置き、密封し、水素(100psi)で加圧した。懸濁液を5分間撹拌し、0psiを少し超えるまで水素を放出させた。これを1回以上繰り返し、最終的に、容器を500psiまで加圧した。反応物を室温で17時間撹拌した。水素を放出させ、懸濁液をCelite(登録商標)に通して濾過した。固形物を少量の水(2x50mL)で洗浄して無色濾液を得た。濾液に、Ag
2O(0.65当量,3.9mmol,0.94g)を一度に加えた。黒色の懸濁液を室温で30分間撹拌した。固形物の色は黒色から白色に除々に変化し、続いて灰色に戻る。懸濁液をCelite(登録商標)に通して濾過し、水(2x50mL)で洗浄した。濾液(〜pH10〜11)を6NのHClでpH〜2まで酸性化して白色懸濁液を得た。白色懸濁液をCelite(登録商標)に通して濾過し、水(2x50mL)で洗浄した。濾液を減圧下で濃縮して油状物とし、イソプロピルアルコールからの溶解および濃縮を繰り返し、白色の吸湿性固形物を形成させた(1.48g,定量的)。粗固形物をさらに精製することなく用いた。
1H NMR (D
2O, 400 MHz): δ 1.57 (s, 6H), 1.66-1.84 (m, 4H), 1.86-1.89 (d, J = 14.4, 9H), 2.22-2.29 (m, 2H). C
9H
23NP
+に関するLRMS (ESI+) (176.2); 実測値: 176 (M+).
(4−(ジクロロアミノ)−4−メチルペンチル)トリメチルホスホニウムクロリド
メタノール(20mL)および水(10mL)の混合液中の(4−アミノ−4−メチルペンチル)トリメチルホスホニウムクロリドヒドロクロリド(0.70g,2.82mmol)溶液を氷浴で15分間冷却した。無色溶液に、t−BuOCl(1.0mL,3.0当量,8.5mmol)をシリンジにより一度に加えて濃い黄色溶液を得た。反応混合液を0℃で30分間撹拌し、次いで室温で30分間撹拌した。メタノールを減圧下で除去し、水溶液を、水/メタノールおよび0.05%の酢酸を移動相として用いて島津Prep−LCでの逆相クロマトグラフィーにより精製した。215nmでのUV吸光度を用いてフラクションを収集した。フラクションを凍結してプールし、凍結乾燥させて淡黄色固形物を得た(0.654g,82.6%)。
1H NMR (D
2O, 400 MHz): δ 1.40 (s, 6H), 1.65-1.69 (m, 2H), 1.85-1.89 (d, J = 14.4, 9H), 1.89-1.92 (m, 2H), 2.19-2.27 (m, 2H). C
9H
21Cl
2NP
+に関するLRMS (ESI+) (244.1); 実測値: 244, 246 (M+, M2H+).
実施例13
(4−(ジクロロアミノ)−N,N,N−4−テトラメチルペンタン−1−アンモニウムクロリド(化合物21−108)
N,N−4−トリメチル−4−ニトロペンタンアミド
A. Studer et al., Macromolecules, 37, 27-34 (2004)に記載される方法に従って、1,4−ジオキサン(100mL)中の2−ニトロプロパン(15.2mL,168mmol)の溶液を油浴で70℃に加熱した。撹拌した溶液に、トリトンB(2.3mL,13mmol)およびN,N−ジメチルアクリルアミド(14.8mL,143mmol)を各々、3回に分けて滴下した。反応混合液を70℃で3時間撹拌し、次いで室温に冷ました。1NのHCl(200mL)を反応混合液に加え、水層をCH
2Cl
2(3x200mL)で抽出した。有機層を合わせ、ブライン(100mL)で洗浄し、MgSO
4で乾燥させ、濾過し、濃縮して淡い緑色の液体(20.6g,76.3%)とした。この物質をさらに精製することなく用いた。
1H NMR (CDCl
3, 400 MHz): δ 1.61 (s, 6 H), 2.29 (s, 4 H), 2.95 (s, 3 H), 2.98 (s, 3 H).
N,N,N−4−テトラメチル−4−ニトロペンタン−1−アンモニウムヨージド
BH3−THF(1M,200mL,0.2mmol)を、THF(206mL,0.5M)中のN,N−4−トリメチル−4−ニトロペンタンアミド(19.5g,0.10mol)溶液に室温でカニューレによりゆっくり加え、70℃で4時間加熱した。これを冷まし、反応混合液に、メタノール(200mL)、続いてジオキサン(100mL)中の4NのHClを注意深く加えた。混合液を3時間撹拌し、次いで溶媒を減圧下で除去した。残渣を飽和K2CO3(200mL)と混合させ、DCM(4x200mL)で抽出した。有機抽出液を合わせ、無水MgSO4で乾燥させ、濃縮して油性残渣とした(14.4,80.2%)。この物質をさらに精製することなく用いた。
ヨウ化メチル(8.0mL,5当量,0.13mol)を、15mLの圧力管内でN,N−4−トリメチル−4−ニトロペンタン−1−アミン(4.5g,25.8mmol)中の撹拌したエタノール(3.8mL,6.8M)溶液に加えた。温度を40℃より上昇させなかった。圧力管を密封し、反応液を室温で3日間撹拌し続けた。溶液を丸底フラスコに注ぎ入れ、濃縮して油状物とした。終夜放置し、油状物を黄色の油性固形物に凝固させた(8.16g,定量的)。この物質をさらに精製することなく用いた。
1H NMR (D
2O, 400 MHz): δ 1.64 (s, 6H), 1.78-1.84 (m, 2H), 1.99-2.03 (m, 2H), 3.13 (s, 9H), 3.33-3.38 (m, 2H). C
9H
21N
2O
2 +に関するLRMS (ESI +ve) (189.2); 実測値: (M+) 189.
4−アミノ−N,N,N−4−テトラメチルペンタン−1−アンモニウムクロリド
100mLの広口ナルゲンボトルに、N,N,N−4−テトラメチル−4−ニトロペンタン−1−アンモニウムヨージド(3.16g,10.0mmol)、水(20mL)、マグネティックスターラーバーおよびラネーニッケル(50%の懸濁水溶液,2.0mL)を加えた。ボトルを鋼圧力容器内に置き、密封し、水素で加圧した(200psi)。懸濁液を5分間撹拌し、圧力が0psiを少し超えるまで水素を放出させた。これを1回以上繰り返し、容器を最終的に400psiまで加圧した。反応液を室温で17時間撹拌した。水素を放出させ、懸濁液をCelite(登録商標)に通して濾過した。固形物を少量の水(2x50mL)で洗浄して無色の濾液を得た。濾液に、Ag
2O(1.50g,3.9mmol,0.65当量)を一度に加えた。黒色の懸濁液を室温で30分間撹拌した。固形物の色は、黒色から白色に除々に変化し、続いて灰色に戻る。懸濁液をCelite(登録商標)に通して濾過し、水(2x50mL)で洗浄した。濾液(pH〜10〜11)を6NのHClでpH〜2に酸性化して白色懸濁液を得た。白色懸濁液をCelite(登録商標)に通して濾過し、水(2x50mL)で洗浄した。濾液を減圧下で濃縮して油状物にし、イソプロピルアルコールからの溶解および濃縮を繰り返して白色吸湿性固形物を生成した(2.31g,定量的)。粗固形物をさらに精製することなく用いた。
1H NMR (D
2O, 400 MHz): δ 1.40 (s, 6 H), 1.69 (t, 2 H, J = 8.4 Hz), 1.90 (m, 2H), 3.16 (s, 9H), 3.38 (t, 2 H, J = 8.4 Hz). C
9H
23N
2 +に関するLRMS (ESI+) (159.2); 実測値: (M+) 159.
4−(ジクロロアミノ)−N,N,N−4−テトラメチルペンタン−1−アンモニウムクロリド
メタノール(20mL)中の4−アミノ−N,N,N−4−テトラメチルペンタン−1−アンモニウムクロリド(1.00g,4.33mmol)溶液を氷浴で15分間冷却した。無色溶液に、t−BuOCl(1.50mL,3.0当量,13.0mmol)をシリンジにより一度に加えて濃い黄色溶液を得た。反応混合液を0℃で30分間撹拌し、続いて室温で30分間撹拌した。メタノールを減圧下で除去して淡黄色固形物を得た。この固形物をDCM(20mL)中に懸濁し、濾過した。これを2回以上繰り返し、固形物を高真空下で乾燥させて淡黄色固形物を得た(1.12g,98%)。
1H NMR (D
2O, 400 MHz): δ 1.41 (s, 6 H), 1.76-1.87 (m, 4 H), 3.14 (s, 9 H), 3.34 (t, 2H, J = 8.2 Hz). C
9H
21Cl
2N
2+に関するLRMS (ESI+) (227.1); 実測値: (M+) 227.
実施例14
4−アセチル−1−(2−(ジクロロアミノ)−2−メチルプロピル)−1−メチルピペラジン−1−イウムクロリド(化合物21−110)
1−(4−(2−メチル−2−ニトロプロピル)ピペラジン−1−イル)エタノン
2−ニトロプロパン(3.5mL,38.9mmol)およびN−アセチルピペラジン(5.0g,1当量,39.6mmol)の撹拌した氷冷溶液に、水酸化ナトリウム(156μL,5N,2モル%)および37%のホルムアルデヒド水溶液(2.9mL,1当量,38.9mmol)の前もって混合した溶液を、内部温度を10〜15℃に保ちながら15分かけて加えた。フラスコを氷浴から取り出し、室温で1時間撹拌した。次いで、反応液を50℃で1時間加熱した。二相混合液を室温に冷まし、分液漏斗に注ぎ入れ、酢酸エチル(150mL)および水(50mL)で希釈した。層を分離させ、有機層を水(2x50mL)およびブライン(50mL)で希釈した。有機層を無水MgSO
4で乾燥させ、濾過し、濃縮して黄色液体とした(7.20g,81%)。この物質をさらに精製することなく用いた。
1H NMR (CDCl
3, 400 MHz): δ 1.57 (s, 6H), 2.06 (s, 3H), 2.50-2.55 (dt, J = 5.6, 4H), 2.85 (s, 2H), 3.37-3.40 (t, J = 5.0, 2H), 3.54-3.40 (t, J = 4.8, 2H).
1−(4−(2−アミノ−2−メチルプロピル)ピペラジン−1−イル)エタノンジヒドロクロリド
メタノールおよび水(50:10mL)の混合液中の1−(4−(2−メチル−2−ニトロプロピル)ピペラジン−1−イル)エタノン(7.2g,19.4mmol)溶液を、マグネティックスターラーバーを備えた鋼圧力容器に添加した。容器に窒素を流し入れ、ラネーニッケル(50%の懸濁水溶液,1.0mL)を一度に加えた。容器を密封し、水素で加圧した(100psi)。懸濁液を5分間撹拌し、圧力が0psiを少し超えるまで水素を放出させた。これを1回以上繰り返し、最終的に、容器を500psiに加圧した。反応液を室温で17時間撹拌した。水素を放出させ、懸濁液をCelite(登録商標)により濾過した。固形物を少量の水(5x40mL)で洗浄して無色の濾液を得た。濾液を6NのHClでpH2にした。濾液を減圧下で濃縮して黄色油状物にした。油状物を、0.05%の酢酸を含有するメタノールおよび水の勾配を移動相として用いてPrep−LCにより精製した。フラクションをプールし、濃縮して泡状固形物を得た(6.91g,81%)。
1H NMR (CDCl
3, 400 MHz): δ 1.33 (s, 6H), 2.12 (s, 3H), 2.58 (s, 2H), 2.63-2.72 (dt, J = 4.8, 4H), 3.57-3.60 (m, 4H). C
10H
21N
3Oに関するLRMS (ESI+) (199.1); 実測値: 200 (MH+).
1−(4−アセチルピペラジン−1−イル)−2−メチルプロパン−2−イルカルバミン酸ベンジル(3)
CbzOSu(4.92g,1当量,19.7mmol)および5NのNaOH(11.8mL)を、イソプロパノール/水(150:100mL)の混合液中の1−(4−(2−ミノ−2−メチルプロピル)ピペラジン−1−イル)エタノンジヒドロクロリド(5.37g,19.7mmol)に加えた。混合物を室温で17時間撹拌し続けた。溶媒を除去し、残渣を酢酸エチル(300mL)および水(100mL)の混合液中に入れた。層を分離させ、有機層を水(2x100mL)で抽出した。有機層を無水MgSO
4で乾燥させ、濾過し、濃縮して油状物にした。粗油状物を、DCM中の2%メタノールからDCM中の30%メタノールの勾配溶出を用いてISCO精製系で精製した。所望のフラクションを収集し、濃縮して無色油状物を得た(2.69g,収率:41%)。
1H NMR (CDCl
3, 400 MHz): δ 1.30 (s, 6H), 2.06 (s, 3H), 2.47-2.52 (m, 6H), 3.35-3.38 (m, 2H), 3.52-3.57 (m, 2H), 5.05 (s, 2H), 7.30-7.37 (m, 5H). C
18H
27N
3O
3に関するLRMS (ESI+) (333.2); 実測値: 334 (MH+).
4−アセチル−1−(2−(ベンジルオキシカルボニルアミノ)−2−メチルプロピル)−1−メチルピペラジン−1−イウムヨージド
1−(4−アセチルピペラジン−1−イル)−2−メチルプロパン−2−イルカルバミン酸ベンジル(2.62g,7.86mmol)を15mLの圧力管に入れた。無水エタノール(1.1mL,7.1M)およびヨウ化メチル(2.45mL,5当量,39.3mmol)を圧力管に加えた。スターラーバーを加え、圧力管を密封した。反応液を室温で7日間撹拌し続けた。暗赤色溶液を濃縮して赤色油状物にし、高真空下で乾燥させ、泡状物となった。泡状物を、5分間の定組成95%水および5%メタノール、続いて95%メタノールおよび5%水を16分にわたり用いるPrep−LCにより精製した。フラクションをプールして回収した出発物質(0.68g,20%)および生成物(1.69g,45%)を黄色泡状物として得た。
1H NMR (D
2O, 400 MHz): δ 1.51 (s, 6H), 2.12 (s, 3H), 3.23 (s, 3H), 3.35-3.60 (m, 5H), 3.68-3.85 (m, 4H), 3.92-4.02 (m, 1H), 5.11 (s, 2H), 7.38-7.48 (m, 5H). C
19H
30N
3O
3 +に関するLRMS (ESI+) (348.2); 実測値: 348 (M+).
4−アセチル−1−(2−(ジクロロアミノ)−2−メチルプロピル)−1−メチルピペラジン−1−イウムクロリド
4−アセチル−1−(2−(ベンジルオキシカルボニルアミノ)−2−メチルプロピル)−1−メチルピペラジン−1−イウムヨージド(1.69g,3.6mmol)を、AcOH中の33%のHBrに溶解させ、室温で5時間撹拌し続けた。溶液を濃縮して油状赤色残渣にした。残渣をジエチルエーテル(50mL)でトリチュレートし、固形物を濾過により収集し、ジエチルエーテル(2x50mL)ですすいだ。固形物を水(50mL)に溶解し、Ag2O(0.84g,1当量)と30分間反応させた。懸濁物をCelite(登録商標)に通して濾過し、固形物を水(2x50mL)で洗浄した。濾液を6NのHClで酸性(pH2)にして白色懸濁物を得た。懸濁物をCelite(登録商標)に通して濾過し、水(2x50mL)ですすいだ。濾液を濃縮して黄色残渣にした(1.03,定量的)。
メタノール(15mL)中の4−アセチル−1−(2−アミノ−2−メチルプロピル)−1−メチルピペラジン−1−イウムクロリドヒドロクロリド(0.68g,2.38mmol)溶液を氷浴で15分間冷却した。無色の溶液に、t−BuOCl(0.84mL,3.0当量,7.13mmol)を一度に加えて濃い黄色の溶液を得た。反応混合液を0℃で30分間、次いで室温で1時間撹拌した。淡い黄色溶液を減圧下で濃縮して淡い黄色固形物を得た。この固形物を水に溶解させ、水/メタノールおよび0.05%酢酸を移動相として用いて島津Prep−LCでの逆相クロマトグラフィーにより精製した。UV吸光度を215nmでモニターしてフラクションを収集した。フラクションをプールし、凍結し、凍結乾燥させて白色固形物を得た(248mg,33%)。
1H NMR (D
2O, 400 MHz): δ 1.68 (s, 6H), 2.18 (s, 3H), 3.42 (s, 3H), 3.54-3.78 (m, 5H), 3.86 (s, 2H), 3.88-3.93 (m, 2H), 4.05-4.11 (m, 1H), 4.27-4.35 (m, 1H). C
11H
22Cl
2N
3O
+に関するLRMS (ESI+) (282.1); 実測値: 282 (M+).
実施例15
S−3−(3−(ジクロロアミノ)−3−メチルブチルスルホニル)−N,N,N−トリメチルプロパン−1−アンモニウムクロリド(化合物21−112)
3−(3−(ベンジルオキシカルボニルアミノ)−3−メチルブチルチオ)−N,N,N−トリメチルプロパン−1−アンモニウムブロミド
3−(ベンジルオキシカルボニルアミノ)−3−メチルブチルエタンチオエート(5.00g,16.9mmol,WO 2008/083347に記載されるように調製した)を、脱酸素化させたメタノール(50mL)中に溶解させ、この溶液に、5Nの水酸化ナトリウム溶液(3当量,10.1mL,50.8mmol)を一度に加えてわずかに発熱した反応液を得た。反応液を15分間撹拌し、反応混合液のTLC(ヘキサン中の40%酢酸エチル)分析は、全ての出発物質が消費されたことを示した。反応液を6NのHCl(15mL)で酸性にし、有機溶媒を減圧下で除去し、得られた懸濁水溶液をDCM(3x50mL)で抽出した。有機層を合わせ、無水MgSO4で乾燥させ、濾過し、濃縮して淡黄色油状物にした(4.3g,定量的)。この物質をさらに精製することなく用いた。
前記反応からの粗4−メルカプト−2−メチルブタン−2−イルカルバミン酸ベンジル(4.3g,13.4mmol)をDMF(100mL)に溶解させた。この溶液に、炭酸セシウム(8.25g,1.5当量,25.3mmol)および3−ブロモ−N,N,N−トリメチルプロパン−1−アンモニウムブロミド(4.82g,1.1当量,18.6mmol)を一度に添加して懸濁液を得た。この懸濁液を水(20mL)に溶解させた。フラスコをセプタムで密封し、窒素雰囲気下にて油浴で70℃において16時間激しく撹拌した。反応液を濃縮して油性固形物にし、メタノール(100mL)中に懸濁した。懸濁液を濾過し、固形物をメタノール(50mL)ですすいだ。濾液を濃縮して油性残渣にした。この物質を、DCM中の5%MeOH(定組成)を溶出液として用いるシリカゲル(120g)によるISCO系で精製した。フラクションをプールし、濃縮して粘着性泡状物(2.33g,32%)を得た。
1H NMR (D
2O, 400 MHz): δ 1.26 (s, 6H), 1.92-1.98 (m, 4H), 2.47-2.52 (m, 4H), 3.07 (s, 9 H), 3.31-3.35 (m, 2H), 5.07 (s, 2H), 7.35-7.48 (m, 5H). C
19H
33N
2O
2S
+に関するLRMS (ESI+) (353.2); 実測値: 353 (M+).
3−(3−(ベンジルオキシカルボニルアミノ)−3−メチルブチルスルホニル)−N,N,N−トリメチルプロパン−1−アンモニウムホルメート
88%のギ酸(11mL)中の3−(3−(ベンジルオキシカルボニルアミノ)−3−メチルブチルチオ)−N,N,N−トリメチルプロパン−1−アンモニウムブロミド(2.33g,5.37mmol)溶液を室温の水浴に置き、88%のギ酸(5mL)および30%の過酸化水素(5mL)の前もって混合した溶液を一度に加えた。反応液を5分間撹拌し、内部温度は85℃に上昇した。溶液の色は、酸化剤を添加すると淡い黄色から暗いオレンジ色に変化した。温度が85℃に上昇した後、色は淡い黄色に戻った。前記臭化物の酸化から生成した臭素は、反応中に蒸発してなくなる。反応物を冷ました後、LCMS分析により、生成物への変換の完了が示された。溶媒を除去して濃厚な薄茶色の油状物を得た(2.27g,定量的)。
1H NMR (D
2O, 400 MHz): δ 1.30 (s, 6H), 2.16-2.22 (m, 2H), 2.25-2.30 (m, 2H), 2.47-2.52 (m, 4H), 3.15 (s, 9 H), 3.16-3.24 (m, 2H), 3.42-3.47 (m, 2H), 5.08 (s, 2H), 7.38-7.48 (m, 5H), 8.44 (s, 1H). C
19H
33N
2O
4S
+に関するLRMS (ESI+) (385.2); 実測値: 385 (M+).
3−(3−アミノ−3−メチルブチルスルホニル)−N,N,N−トリメチルプロパン−1−アンモニウムクロリドヒドロクロリド
3−(3−(ベンジルオキシカルボニルアミノ)−3−メチルブチルスルホニル)−N,N,N−トリメチルプロパン−1−アンモニウムホルメート(1.41g,3.5mmol)をメタノール(50mL)中に溶解した。フラスコに窒素を5分間流し入れ、次いでこの溶液に10%のPd/C(500mg)を一度に加えた。反応混合液を減圧下で脱気し、水素を流し入れた(3X)。続いて、反応物を、水素を充填したバルーンで常圧下にて3時間撹拌した。懸濁液を、メタノールで湿らせたCelite(登録商標)パッドに通して濾過し、固形物をメタノールですすいだ(2x50mL)。濾液を濃縮して無色の油状物を得た。油状物をジオキサン(4mL)中の4MのHClと反応させた。溶媒を除去して油状物を得、−20℃のフリーザー内で静置して凝固させた。固形物をDCM(3x20mL)中に懸濁し、蒸発させた。黄色固形物を高真空下で乾燥させて黄色粉末を得た(1.04g,定量的)。この物質をさらに精製することなく用いた。
1H NMR (D
2O, 400 MHz): δ 1.41 (s, 6H), 2.17-2.21 (m, 2H), 2.34-2.42 (m, 2H), 3.15 (s, 9 H), 3.93-3.48 (m, 4H), 3.52-3.56 (m, 2H). C
11H
27N
2O
2S
+に関するLRMS (ESI+) (251.2); 実測値: 251 (M+).
3−(3−(ジクロロアミノ)−3−メチルブチルスルホニル)−N,N,N−トリメチルプロパン−1−アンモニウムクロリド
メタノール(15mL)および水(5mL)の混合液中の3−(3−アミノ−3−メチルブチルスルホニル)−N,N,N−トリメチルプロパン−1−アンモニウムクロリドヒドロクロリド(0.50g,1.56mmol)溶液を、氷浴で15分間冷却した。無色溶液に、t−BuOCl(0.55mL,3当量,4.64mmol)をシリンジにより一度に加えて濃い黄色の溶液を得た。反応混合液を0℃で30分間撹拌し、次いで減圧下で濃縮して淡い黄色の泡状物を得た。この固形物を水(3x20mL)中に繰り返し溶解させ、濃縮して油状物にした。油状物を水(4mL)に溶解させ、バイアルに移し入れ、溶液を淡い黄色固形物に凍結乾燥させた(0.51g,定量的)。
1H NMR (D
2O, 400 MHz): δ 1.44 (s, 6H), 2.23-2.28 (m, 2H), 2.33-2.42 (m, 2H), 3.19 (s, 9 H), 3.36-3.4 (m, 4H), 3.50-3.55 (m, 2H). C
11H
25Cl
2N
2O
2S
+に関するLRMS (ESI+) (319.1); 実測値: 319 (M+).
実施例16
3−(3−(ジクロロアミノ)−3−メチルブチルスルホニル)−N,N,N−トリメチルプロパン−1−アンモニウムクロリド(化合物21−02)
2−(3−(ベンジルオキシカルボニルアミノ)−3−メチルブチルチオ)−N,N,N−トリメチルエタンアンモニウムブロミド
S−3−(ベンジルオキシカルボニルアミノ)−3−メチルブチルエタンチオエート(2.00g,6.8mmol)(R.NajafiらのWO 2008/083347に記載されるように調製した)を、脱酸素化させたメタノール(32mL)中に溶解し、該溶液に、5Nの水酸化ナトリウム溶液(3当量,4.1mL,20.3mmol)を一度に加えてわずかに発熱した反応液を得た。反応液を15分間撹拌し、反応混合液のTLC(ヘキサン中の40%酢酸エチル)分析は、全ての出発物質が消費されたことを示した。反応液を6NのHCl(15mL)で酸性にし、次いで有機溶媒を減圧下で除去し、得られた懸濁水溶液をDCM(3x50mL)で抽出した。有機層を合わせ、無水MgSO4で乾燥させ、濾過し、濃縮して淡黄色油状物にした。この物質をさらに精製することなく用いた。
前記反応に由来する粗4−メルカプト−2−メチルブタン−2−イルカルバミン酸ベンジルをDMF(32mL)に溶解させた。この溶液に、DIEA(1.20,1.0当量,6.8mmol)および3−ブロモ−N,N,N−トリメチルプロパン−1−アンモニウムブロミド(2.0g,1.2当量,8.04mmol)を一度に加えて懸濁液を得た。懸濁液を水(4mL)で溶解させた。フラスコをセプタムで密封し、窒素雰囲気下にて油浴で70℃において2時間激しく撹拌した。反応液を濃縮して油性残渣にした。この物質を、水/アセトニトリルおよび0.05%酢酸を移動相として用いて島津Prep−LC逆相クロマトグラフィーにより精製した。UV吸光度を215nmで用いてフラクションを収集した。フラクションをプールし、ロータリーエバポレーターにより濃縮して淡い黄色固形物(2.14g,75.6%)を得た。
1H NMR (D
2O, 400 MHz): δ 1.27 (s, 6H), 1.94-1.99 (m, 2H), 2.52-2.57 (m, 2H), 2.83-2.87 (m, 2H), 3.08 (s, 9 H), 3.42-3.46 (m, 2H), 5.08 (s, 2H), 7.40-7.50 (m, 5H). C
18H
31N
2O
2S
+に関するLRMS (ESI+) (339.2); 実測値: 339 (M+).
2−(3−(ベンジルオキシカルボニルアミノ)−3−メチルブチルスルホニル)−N,N,N−トリメチルエタンアンモニウムホルメート
88%のギ酸(11mL)中の2−(3−(ベンジルオキシカルボニルアミノ)−3−メチルブチルチオ)−N,N,N−トリメチルエタンアンモニウムブロミド(2.14g,5.10mmol)溶液を、室温の水浴に置いた。この無色溶液に、酸化銀(I)(Ag
2O,0.77g,0.65当量,3.32mmol)を一度に加えて白色懸濁液を得、該懸濁液は除々に濃くなり、30分後に黒色になった。この懸濁液に、88%のギ酸(5mL)および30%の過酸化水素(5mL)の前もって混合した溶液を2分かけて滴下した。反応物を室温で2時間撹拌した。LCMS分析は、全ての出発物質が生成物に変換したことを示した。懸濁液をCelite(登録商標)に通して濾過し、濃縮して灰色の油性固形物にした。粗物質をメタノール中に懸濁させ、0.45μmのテフロンカートリッジに通して濾過し、濃縮して無色油状物にした。
1H NMR (D
2O, 400 MHz): δ 1.31 (s, 6H), 2.21-2.25 (m, 2H), 3.19 (s, 9 H), 3.28-3.32 (m, 2H), 3.77-3.84 (m, 4H), 5.10 (s, 2H), 7.38-7.49 (m, 5H). C
18H
31N
2O
4S
+に関するLRMS (ESI+) (371.2); 実測値: 371 (M+).
2−(3−アミノ−3−メチルブチルスルホニル)−N,N,N−トリメチルエタンアンモニウムクロリドヒドロクロリド
2−(3−(ベンジルオキシカルボニルアミノ)−3−メチルブチルスルホニル)−N,N,N−トリメチルエタンアンモニウムホルメート(前記反応からの粗生成物)を、33%のHBr/AcOH(15mL)と混合させ、17時間撹拌した。反応液をロータリーエバポレーターにより濃縮して粘性油状物にした。油状物をEt
2Oでトリチュレートして濃い黄色固形物を得た。固形物を88%のギ酸(40mL)中に溶解させ、この溶液に、Ag
2O(1.20g,5.10mmol)を一度に添加し、30分間撹拌した。懸濁液をCelite(登録商標)に通して濾過し、固形物を88%のギ酸(10mL)ですすいだ。濾液を6NのHCl(5mL)と混合させ、沈殿物が形成された。この懸濁物を30分間撹拌し、0.45μmのテフロンカートリッジに通して濾過した。濾液を濃縮して淡い黄色固形物にした(1.10g,70%)。
1H NMR (D
2O, 400 MHz): δ 1.42 (s, 6H), 2.20-2.25 (m, 2H), 3.25 (s, 9 H), 3.50-3.55 (m, 2H), 3.96 (s, 4H). C
10H
25N
2O
2S
+に関するLRMS (ESI+) (237.2); 実測値: 237 (M+).
2−(3−(ジクロロアミノ)−3−メチルブチルスルホニル)−N,N,N−トリメチルエタンアンモニウムクロリド
メタノール(20mL)中の2−(3−アミノ−3−メチルブチルスルホニル)−N,N,N−トリメチルエタンアンモニウムクロリドヒドロクロリド(0.612g,2.0mmol)溶液を、氷浴で15分間冷ました。この無色溶液に、t−BuOCl(0.55mL,3当量,4.64mmol)をシリンジにより一度に加えて濃い黄色溶液を得た。反応混合液を0℃で30分間撹拌し、減圧下で濃縮して淡い黄色油状物を得た。この油状物を水中に溶解させ、水/アセトニトリルおよび0.05%酢酸を移動相として用いて島津Prep−LCでの逆相クロマトグラフィーにより精製した。UV吸光度を215nmで用いてフラクションを収集した。フラクションを凍結してプールし、凍結乾燥させて淡黄色固形物を得た(0.59g,87%)。
1H NMR (D
2O, 400 MHz): δ 1.45 (s, 6H), 2.26-2.30 (m, 2H), 3.24 (s, 9 H), 3.43-3.48 (m, 2H), 3.93 (s, 4H). C
10H
23Cl
2N
2O
2S
+に関するLRMS (ESI+) (305.1); 実測値: 305 (M+).
実施例16
3−(ジクロロアミノ)−N,N−ジエチル−N−3−ジメチルブタン−1−アンモニウムクロリド
(化合物21−114)
3−アジド−N,N−ジエチル−3−メチルブタンアミド
無水DCE(160mL)中の3−アジド−3−メチルブタノイルクロリド(8.00g,49.5mmol)の撹拌した氷冷溶液に、ジエチルアミン(15.4mL,3当量,0.148mol)を一度に加えた。反応液を0℃で1時間撹拌し続けた。水(200mL)を反応混合液に加え、内容物を分液漏斗に注ぎ入れた。有機層を分離させ、水(3x100mL)およびブライン(100mL)で洗浄した。無水MgSO
4で乾燥させ、濾過し、濃縮し、高真空下で乾燥させて粗油状物(9.80g,定量的)を得た。この物質をさらに精製することなく用いた。
4−(ジエチルアミノ)−2−メチルブタン−2−イルカルバミン酸ベンジル
3−アジド−N,N−ジエチル−3−メチルブタンアミド(12.0g,60.5mmol)を無水THF(100mL,0.2M)中に溶解させ、無水THF(200mL)中のLAH(4.60g,2.0当量,0.12mol)の氷冷懸濁液に30分かけて滴下した。滴下完了後、フラスコをコンデンサーに取り付け、反応物を70℃の油浴で6時間加熱した。反応混合液を氷浴で冷まし、水(4.5mL)を20分かけて滴下した。次いで、15%のNaOH溶液(4.5mL)を10分かけて滴下した。懸濁物をさらに10分間撹拌し、水(4.5mL)を一度に加え、混合物を30分間撹拌して微細な白色懸濁物を得た。懸濁物をCelite(登録商標)パッドに通して濾過し、ジエチルエーテル(3x200mL)で洗浄した。濾液を合わせ、浴温を20℃に設定してロータリーエバポレーターで慎重に濃縮して淡い黄色液体を得て、これを高真空下で軽く乾燥させて7.0gを得た(収率:73%)。粗アミン物は、その低いb.p.による生成物の喪失を最小限にするために、完全に乾燥させず、さらに精製することなく用いた。
粗N
1,N
1−ジエチル−3−メチルブタン−1,3−ジアミン(7.00g,44.2mmol)をTHF(100mL)に溶解させた。この溶液に、CbzOSu(11.0g,1当量,44.2mmol)を一度に加えた。反応物を室温で2日間撹拌し続けた。溶媒を除去し、残渣を酢酸エチル(150mL)および水(100mL)の混合液に入れた。層を分離させ、有機層を飽和重炭酸ナトリウム(2x100mL)、水(100mL)およびブライン(100mL)で洗浄した。有機層を無水MgSO
4で乾燥させ、濾過し、濃縮して淡い黄色油状物にした。粗油状物を、DCM中の1〜5%のメタノールの勾配溶出を用いてISCO精製系で精製した。所望のフラクションを収集し、濃縮して無色油状物(6.7g,収率:37.8%)を得た。
1H NMR (CDCl
3, 400 MHz): δ 1.00-1.04 (t, J = 7.0, 6H),1.37 (s, 6H), 1.57-1.61 (t, J = 6.2, 2H), 2.45-2.51 (q, J = 7.0, 4H), 2.52-2.56 (t, J = 6.0, 2 H), 5.04 (s, 2H), 7.27-7.36 (m, 5H), 7.57 (bs, 1H). C
17H
28N
2O
2に関するLRMS (ESI+) (292.2); 実測値: 293 (MH+).
3−(ベンジルオキシカルボニルアミノ)−N,N−ジエチル−N−3−ジメチルブタン−1−アンモニウムヨージド
4−(ジエチルアミノ)−2−メチルブタン−2−イルカルバミン酸ベンジル(2.0g,6.8mmol)を15mLの圧力管に入れた。ヨウ化メチル(6.0mL,14.6当量,96.8mmol)を一度に反応物に入れた。熱が発生し、管を水浴で冷ました。スターラーバーを加え、圧力管を密封した。反応物を50℃で3日間撹拌し続けた。水溶液は固形ケーキになった。固形物を濾過し、少量のイソプロパノール(5x10mL)ですすぎ、高真空下で乾燥させて白色の結晶性固形物を得た(1.65g,55%)。
1H NMR (D
2O, 400 MHz): δ 1.16-1.20 (t, J = 7.4, 6H),1.29 (s, 3H), 1.30 (s, 3H), 2.05-2.12 (m, 2H), 2.79 (s, 3H), 3.00-3.14 (m, 4H), 3.16-3.22 (q, J = 7.2, 2 H), 5.08 (s, 2H), 7.38-7.48 (m, 5H), 7.57 (bs, 1H). C
18H
31N
2O
2 +に関するLRMS (ESI+) (307.2); 実測値: 307 (M+).
3−アミノ−N,N−ジエチル−N−3−ジメチルブタン−1−アンモニウムクロリドヒドロクロリド
3−(ベンジルオキシカルボニルアミノ)−N,N−ジエチル−N−3−ジメチルブタン−1−アンモニウムヨージド(1.65g,3.78mmol)を水(100mL)に溶解させ、Ag
2O(0.57g,0.65当量,2.46mmol)を一度に加えた。黒色の懸濁物はすぐにクリーム色の懸濁物に変化した。反応物を室温で30分間撹拌した。フラスコに6NのHCl水溶液(5mL)を一度に加えて白色の濁った懸濁物を得た。懸濁物を15分間撹拌し、続いてCelite(登録商標)パッドに通して濾過し、固形物を水(2x30mL)で洗浄した。濾液を合わせ、10%のPd/C(300mg)を加え、フラスコを密封し、減圧下で脱気し、水素をバルーンから流し入れた(3x)。反応物を室温で17時間撹拌した。反応物を室温で17時間撹拌した。懸濁物をCelite(登録商標)パッドに通して濾過し、固形物を水(2x50mL)で洗浄した。濾液を濃縮して淡い青色の粘性油状物にし、高真空下で乾燥させた後、薄い青色の泡状物となった(0.97g,定量的).
1H NMR (D
2O, 400 MHz): δ 1.31-1.35 (t, J = 7.2, 3H), 1.43 (s, 6H), 2.11-2.15 (m, 2H), 3.02 (s, 3 H), 3.37-3.43 (dt, J = 7.2, 4H). C
10H
25N
2 +に関するLRMS (ESI+) (173.2); 実測値: 173 (M+).
3−(ジクロロアミノ)−N,N−ジエチル−N−3−ジメチルブタン−1−アンモニウムクロリド
メタノール(15mL)中の3−アミノ−N,N−ジエチル−N−3−ジメチルブタン−1−アンモニウムクロリドヒドロクロリド(0.49g,2.0mmol)溶液を氷浴で15分間冷却した。無色の溶液に、t−BuOCl(0.72mL,3当量,6.0mmol)をシリンジにより一度に加えて濃い黄色溶液を得た。反応混合液を0℃で30分間撹拌し、次いで減圧下で濃縮して無色の油状物を得た。この油状物を水に溶解させ、水/アセトニトリルおよび0.05%酢酸を移動相として用いて島津Prep−LCでの逆相クロマトグラフィーにより精製した。UV吸光度を215nmでモニターしてフラクションを収集した。フラクションをプールし、水浴を25℃に設定したロータリーエバポレーターにより濃縮して白色固形物を得た(0.44g,80.2%)。
1H NMR (D
2O, 400 MHz): δ 1.31-1.35 (t, J = 7.2, 3H), 1.46 (s, 6H), 2.18-2.22 (m, 2H), 2.99 (s, 3 H), 3.33-3.40 (m, 6H). C
10H
23Cl
2N
2 +に関するLRMS (ESI+) (241.1); 実測値: 241 (M+).
実施例17
1−(3−(ジクロロアミノ)−3−メチルブチル)−4,4−ジフルオロ−1−メチルピペリジニウムクロリド
(化合物21−116)
4−(4,4−ジフルオロピペリジン−1−イル)−2−メチルブタン−2−イルカルバミン酸ベンジル
無水DCE(150mL)中の4,4−ジフルオロピペリジン(5.85g,1当量,37.1mmol)およびDIEA(19.9mL,3.0当量,0.11mol)の撹拌した氷冷溶液に、3−アジド−3−メチルブタノイルクロリド(6.00g,37.1mmol)を少しずつ加えた。反応物を0℃で1時間撹拌し続けた。反応混合物に、1MのHCl(100mL)を加え、内容物を分液漏斗に注ぎ入れた。有機層を分離させ、1MのNaHCO3(2x100mL)およびブライン(100mL)で洗浄した。無水MgSO4で乾燥させ、濾過し、濃縮し、高真空下で乾燥させて粗油状物を得た(9.10g,定量的)。この物質をさらに精製することなく次の工程に用いた。
3−アジド−1−(4,4−ジフルオロピペリジン−1−イル)−3−メチルブタン−1−オン(9.10g,36.9mmol)を無水THF(50mL)中に溶解させ、無水THF(50mL)中のLAH(2.82g,2.0当量,73.9mmol)懸濁液に滴下してこの反応液を還流状態に保った(30分)。滴下完了後、フラスコをコンデンサーに取り付け、反応液を70℃の油浴で6時間加熱した。反応混合液を氷浴で冷まし、水(3.0mL)を20分かけて滴下した。反応混合液を氷浴で冷まし、水(3.0mL)を20分かけて滴下した。次いで、15%のNaOH溶液(3.0mL)を10分かけて滴下した。懸濁液をさらに10分間撹拌し、水(3.0mL)を一度に加え、混合液を30分間撹拌して微細な白色懸濁液を得た。混合液をCelite(登録商標)パッドに通して濾過し、ジエチルエーテル(3x200mL)で洗浄した。濾液を合わせ、氷温を20℃に設定したロータリーエバポレーターで慎重に濃縮して淡い黄色液体を得、高真空下で軽く乾燥させて液体(6.56g,86.1%)を得た。粗アミン物は、その低いb.p.による生成物の喪失を最小にするために完全に乾燥させず、さらに精製することなく用いた。
粗4−(4,4−ジフルオロピペリジン−1−イル)−2−メチルブタン−2−アミン(6.56g,31.8mmol)をTHF(100mL)中に溶解させた。この溶液に、CbzOSu(7.93g,1当量,31.8mmol)を一度に加えた。反応液を室温で1日撹拌し続けた。溶媒を除去し、残渣を、酢酸エチル(150mL)および水(100mL)の混合液中に入れた。層を分離させ、有機層を1Mの炭酸ナトリウム(2x50mL)、1MのHCl(50mL)、およびブライン(100mL)中に入れた。有機層を無水MgSO
4で乾燥させ、濾過し、無色油状物に濃縮し、そのまま凝固させた。粗固形物を、0から6%のメタノールの勾配溶出を用いてISCO精製系で精製した。所望のフラクションを収集し、濃縮して白色固形物を得た(7.54g,69.7%)。
1H NMR (CDCl
3, 400 MHz): δ 1.35 (s, 6H), 1.68-1.72 (t, J = 6.8, 4H), 1.92-2.05 (m, 4H), 2.16-2.20 (m, 2H), 2.48-2.52 (t, J = 6.8, 4H), 2.53-2.58 (m, 4H), 5.04 (s, 2H), 6.70 (s, 1H), 7.27-7.40 (m, 5H). C
18H
26F
2N
2O
2に関するLRMS (ESI+) (340.1); 実測値: 341 (MH+).
1−(3−(ベンジルオキシカルボニルアミノ)−3−メチルブチル)−4,4−ジフルオロ−1−メチルピペリジニウムクロリド
4−(4,4−ジフルオロピペリジン−1−イル)−2−メチルブタン−2−イルカルバミン酸ベンジル(2.04g,5.87mmol)を15mLの圧力管に入れた。ヨウ化メチル(1.1mL,3.0当量,17.6mmol)を反応物に一度に加えた。熱が発生し、管を水浴で冷ました。反応物を50℃で16時間撹拌し続けた。溶液は固形ケーキになった。固形物を濾過し、少量のジエチルエーテル(4x15mL)ですすぎ、高真空下で乾燥させて白色の結晶性固形物を得た。この固形物をすぐに水(80mL)、続いて酢酸(0.5mL)およびAg
2O(1.40g,1当量,6.0mmol)に溶かした。懸濁物を30分間撹拌し続け、次いでCelite(登録商標)パッドに通して濾過し、固形物を水(2x30mL)で洗浄した。濾液を6NのHClでpHが2になるまで酸性化した。形成された懸濁物を30分間撹拌し、続いてCelite(登録商標)に通して濾過し、水(2x30mL)で洗浄した。濾液を濃縮して油状物とした(1.76g,76.7%)。
1H NMR (D
2O, 400 MHz): δ 1.30 (s, 6H), 2.16-2.25 (m, 2H), 1.92-2.05 (m, 4H), 2.25-2.50 (m, 4H), 2.97 (s, 3H), 3.30-3.38 (m, 2H), 3.40-3.50 (m, 4H), 5.08 (s, 2H), 7.38-7.48 (m, 5H). C
19H
29F
2N
2O
2 +に関するLRMS (ESI+) (355.2); 実測値: 355 (M+).
1−(3−アミノ−3−メチルブチル)−4,4−ジフルオロ−1−メチルピペリジニウムクロリドヒドロクロリド
1−(3−(ベンジルオキシカルボニルアミノ)−3−メチルブチル)−4,4−ジフルオロ−1−メチルピペリジニウムクロリド(1.78g,4.49mmol)を水(100mL)に溶解させ、フラスコに、10%のPd/C(300mg)を加えた。それを密封し、減圧下で脱気し、水素をバルーンから流し入れた(3回)。反応物を室温で17時間撹拌した。懸濁物をCelite(登録商標)パッドに通して濾過し、固形物を水で洗浄した(2x50mL)。濾液を濃縮して粘性油状物にし、高真空下で乾燥させた後、白色泡状物になった(1.30g,定量的)。C
11H
23F
2N
2 +に関するLRMS (ESI+) (221.1); 実測値: 221 (M+).
1−(3−(ジクロロアミノ)−3−メチルブチル)−4,4−ジフルオロ−1−メチルピペリジニウムクロリド
メタノール(15mL)中の1−(3−アミノ−3−メチルブチル)−4,4−ジフルオロ−1−メチルピペリジニウムクロリドヒドロクロリド(0.57g,1.94mmol)溶液を、氷浴で15分間冷却した。無色溶液に、t−BuOCl(0.69mL,3当量,5.82mmol)をシリンジにより一度に加えて濃い黄色溶液を得た。反応混合液を0℃で30分間撹拌し、続いて減圧下で濃縮して無色油状物を得た。この油状物を水に溶解させ、水/アセトニトリルおよび0.05%酢酸を移動相として用いて島津Prep−LCでの逆相クロマトグラフィーにより精製した。UV吸光度を215nmでモニターしてフラクションを収集した。フラクションをプールし、水浴を25℃に設定したロータリーエバポレーターにより濃縮して白色固形物を得た(0.52g,83.1%)。
1H NMR (D
2O, 400 MHz): δ 1.47 (s, 6H), 2.27-2.32 (m, 2H), 2.422-2.56 (m, 4H), 3.10 (s, 3H), 3.55-3.61 (m, 2H), 3.65-3.69 (m, 4H). C
11H
21Cl
2F
2N2
+に関するLRMS (ESI+) (289.1); 実測値: 289 (M+).
実施例18
1−(3−(ジクロロアミノ)−3−メチルブチル)−1−メチルアゼパニウムクロリド
(化合物21−118)
1−(アゼパン−1−イル)−3−アジド−3−メチルブタン−1−オン
無水DCE(160mL)中の3−アジド−3−メチルブタノイルクロリド(8.00g,49.5mmol)の撹拌した氷冷溶液に、アゼパン(12.6mL,3当量,0.11mol)を一度に加えた。反応物を、0℃で15分間、続いて室温で45分間撹拌し続けた。反応混合液に1MのHCl(100mL)を加え、内容物を分液漏斗に注ぎ入れた。有機層を分離させ、1MのHCl(100mL)および飽和NaHCO
3(150mL)で洗浄した。それをMgSO
4で乾燥させ、濾過し、濃縮し、高真空下で乾燥させて粗油状物を得た(8.24g,定量的)。この物質をさらに精製することなく用いた。C
11H
20N
4Oに関するLRMS (ESI+) (224.1); 実測値: 225 (MH+).
4−(アゼパン−1−イル)−2−メチルブタン−2−イルカルバミン酸ベンジル
1−(アゼパン−1−イル)−3−アジド−3−メチルブタン−1−オン(6.76g,36.7mmol)を無水THF(50mL)中に溶解させ、無水THF(50mL)中のLAH(2.82g,2.0当量,73.4mmol)の懸濁液に滴下して反応液を還流状態に保った(30分)。滴下完了後、フラスコをコンデンサーに取り付け、反応液を70℃の油浴で6時間加熱した。反応混合液を氷浴で冷まし、水(2.80mL)を20分かけて滴下した。反応混合液を氷浴で冷却し、水(2.80mL)を20分かけて滴下した。次いで、15%のNaOH溶液(2.80mL)を10分かけて滴下した。懸濁液をさらに10分間撹拌し、水(3.5mL)を一度に加え、混合液を30分間撹拌して微細な白色懸濁液を得た。懸濁液をCelite(登録商標)パッドに通して濾過し、ジエチルエーテル(3x200mL)で洗浄した。濾液を合わせ、浴温を20℃に設定したロータリーエバポレーターで慎重に濃縮して淡い黄色液体を得て、高真空下で軽く乾燥させて液体を得た(4.54g,67.0%)。粗アミン物は、その低いb.p.による生成物の喪失を最小限にするために完全に乾燥させず、さらに精製することなく用いた。
粗4−(アゼパン−1−イル)−2−メチルブタン−2−アミン(4.54g,24.6mmol)をDCM(120mL)中に溶解させた。この溶液に、CbzOSu(6.13g,1当量,24.6mmol)を一度に加えた。反応液を室温で2日間撹拌し続けた。溶媒を除去し、残渣を酢酸エチル(150mL)および水(100mL)の混合液中に入れた。層を分離させ、有機層を、飽和重炭酸ナトリウム(2x100mL)、水(100mL)およびブライン(100mL)で洗浄した。有機層を無水MgSO
4で乾燥させ、濾過し、濃縮して淡い黄色油状物(8.33g)にした。粗油状物を、DCM中の1〜5%のメタノールの勾配溶媒を用いてISCO精製系で精製した。所望のフラクションを収集し、濃縮して無色油状物を得た(3.69g,収率:47.1%)。C
19H
30N
2O
2に関するLRMS (ESI+) (318.2); 実測値: 319 (MH+).
1−(3−(ベンジルオキシカルボニルアミノ)−3−メチルブチル)−1−メチルアゼパニウムクロリド
4−(アゼパン−1−イル)−2−メチルブタン−2−イルカルバミン酸ベンジル(1.99g,6.23mmol)を15mLの圧力管に入れた。反応物に、ヨウ化メチル(2.0mL,5当量,31.3mmol)を一度に加えた。熱が発生し、管を水浴で冷ました。スターラーバーを加え、圧力管を密封した。反応液を50℃で3日間撹拌し続けた。溶液は固形ケーキになった。固形物を濾過し、少量のジエチルエーテル(4x15mL)ですすぎ、高真空下で乾燥させて白色の結晶性固形物(1.65g,55%)を得た。この固形物をすぐに水(80mL)、続いて酢酸(0.5mL)およびAg
2O(1.40g,1当量,6.0mmol)に溶解させた。懸濁液を30分間撹拌し、次いでCelite(登録商標)パッドに通して濾過し、固形物を水(2x30mL)で洗浄した。濾液を6NのHClでpHが2になるまで酸性化させた。形成された懸濁液を30分間撹拌し、続いてCelite(登録商標)に通して濾過し、水(2x30mL)で洗浄した。濾液を濃縮して油状物にした(1.21g,52.6%)。
1H NMR (D
2O, 400 MHz): δ 1.29 (s, 6H), 1.53-1.80 (m, 8H), 2.12-2.20 (m, 2H), 2.83 (s, 3H), 3.15-3.35 m, 6H), 5.08 (s, 2H), 7.40-7.48 (m, 5H). C
20H
33N
2O
2 +に関するLRMS (ESI+) (333.2); 実測値: 333 (M+).
1−(3−アミノ−3−メチルブチル)−1−メチルアゼパニウムクロリドヒドロクロリド
1−(3−(ベンジルオキシカルボニルアミノ)−3−メチルブチル)−1−メチルアゼパニウムクロリド(1.21g,3.28mmol)を水(100mL)に溶解させ、フラスコに、10%のPd/C(300mg)を加えた。それを密封し、減圧下で脱気し、水素をバルーンから流し入れた(3x)。反応物を室温で17時間撹拌した。懸濁物をCelite(登録商標)パッドに通して濾過し、固形物を水(2x50mL)で洗浄した。濾液を濃縮して粘性油状物にし、高真空下で乾燥させた後、白色泡状物になった(0.55g,62.2%)。
1H NMR (D
2O, 400 MHz): δ 1.43 (s, 6H), 1.67-1.72 (m, 4H), 1.87-1.95 (m, 4H), 2.16-2.20 (m, 2H), 3.06 (s, 3H), 3.41-3.55 (m, 6H). C
12H
27N
2 +に関するLRMS (ESI+) (199.2); 実測値: 199 (M+).
1−(3−(ジクロロアミノ)−3−メチルブチル)−1−メチルアゼパニウムクロリド
メタノール(20mL)中の1−(3−アミノ−3−メチルブチル)−1−メチルアゼパニウムクロリドヒドロクロリド(0.35g,1.48mmol)溶液を、氷浴で15分間冷却した。無色溶液に、t−BuOCl(0.52mL,3当量,4.42mmol)をシリンジにより一度に加えて濃い黄色溶液を得た。反応混合液を0℃で30分間撹拌し、続いて減圧下で濃縮して無色油状物を得た。この油状物を水に溶解させ、水/アセトニトリルおよび0.05%の酢酸を移動相として用いて島津Prep−LCでの逆相クロマトグラフィーにより精製した。UV吸光度を215nmでモニターしてフラクションを収集した。フラクションをプールし、水浴を25℃で設定したロータリーエバポレーターにより濃縮して白色固形物を得た(0.32g,80.0%)。
1H NMR (D
2O, 400 MHz): δ 1.45 (s, 6H), 1.66-1.74 (m, 4H), 1.85-1.95 (m, 4H), 2.22-2.28 (m, 2H), 3.03 (s, 3H), 3.38-3.53 (m, 6H). C
12H
25Cl
2N
2 +に関するLRMS (ESI+) (267.1); 実測値: 267 (M+).
実施例19
1−(3−(ジクロロアミノ)−3−メチルブチル)−1−アゾニアビシクロ[2.2.2]オクタンメタンスルホネート
(化合物21−120)
3−アジド−3−メチルブタン−1−オール
ボラン−ジメチルスルフィド錯体(2M,15mL,30mmol)を、THF(15mL)中の3−アジド−3−メチルブタン酸(4.25g,30mmol)に室温で20分かけて加えた。反応液を16時間撹拌した。反応混合液を氷浴で冷却し、溶液にメタノール(50mL)を15分かけて滴下した。次いで、反応混合液に、ジオキサン(7.5mL,30mmol)中の4MのHClを加え、30分間撹拌した。無色液体に、反応混合液をロータリーエバポレーターで濃縮した(3.33g,91%)。この物質をさらに精製することなく用いた。
1H NMR (CDCl
3, 400 MHz): δ 1.35 (s, 6H), 1.74-1.78 (t, J = 6.4, 2H), 3.75-3.80 (t, J = 6.4, 2H). C
5H
11N
3Oに関するLRMS (ESI+) (129.1); 実測値: イオン化しなかった
3−アジド−3−メチルブチルメタンスルホネート
無水DCM(200mL)中の3−アジド−3−メチルブタン−1−オール(3.33g,25.8mmol)およびDIEA(9.0mL,2当量,51.6mmol)の撹拌した氷冷溶液に、塩化メタンスルホニル(2.99mL,1.5当量,38.7mmol)を5分かけて加えた。反応液を0℃で1.5時間撹拌し続けた。反応混合液を、1NのHCl(2x200mL)、飽和NaHCO
3(2x200mL)およびブライン(200mL)で抽出した。有機層を無水MgSO
4で乾燥させ、濾過し、濃縮して無色液体を得た。粗油状物を、ヘキサン中の5〜40%の酢酸エチルの勾配溶出を用いてISCO精製系で精製した。所望のフラクションを収集し、濃縮して無色液体を得た(4.45g,83.4)。
1H NMR (CDCl
3, 400 MHz): δ 1.36 (s, 6H), 1.93-1.98 (t, J = 6.8, 2H), 3.32-4.36 (t, J = 6.8, 2H).
1−(3−アジド−3−メチルブチル)−1−アゾニアビシクロ[2.2.2]オクタンメタンスルホネート
1ドラムバイアル内において、2−ペンタノン(2.0mL)中の3−アジド−3−メチルブチルメタンスルホネート(0.45g,2.19mmol)およびキヌクリジン(0.21g,1.9mmol)の溶液を、加熱ブロック(heat block)上にて110℃で16時間加熱した。懸濁物を冷却し、濾過し、ジエチルエーテル(50mL)ですすいだ。濾液を捨て、固形物を高真空下で乾燥させて白色固形物を得た(0.52g,74.7%)。
1H NMR (D
2O, 400 MHz): δ 1.35 (s, 6H), 1.95-2.05 (m, 8H), 2.18-2.22 (pent, J = 3.6, 1H), 2.82 (s, 3H), 3.24-3.30 (m, 2H), 3.38-3.45 (m, 6H). C
12H
23N
4 +に関するLRMS (ESI+) (223.2); 実測値: 223 (M+).
1−(3−アミノ−3−メチルブチル)−1−アゾニアビシクロ[2.2.2]オクタンメタンスルホネートヒドロクロリド
1−(3−アジド−3−メチルブチル)−1−アゾニアビシクロ[2.2.2]オクタンメタンスルホネート(0.52g,1.48mml)をメタノール(10mL)および水(10mL)の混合液中に溶解させた。フラスコに窒素を5分間流し入れ、続いてフラスコに10%のPd/C(100mg)を加えて密封し、減圧下で脱気し、水素をバルーンから流し入れた(3回)。反応液を室温で17時間撹拌した。懸濁液をCelite(登録商標)パッドに通して濾過し、固形物を水(2x50mL)で洗浄した。濾液を濃縮して粘性油状物にし、高真空下で乾燥させた後、白色泡状物になった(0.63g,定量的)。
1H NMR (D
2O, 400 MHz): δ 1.39 (s, 6H), 1.97-2.02 (m, 6H), 2.09-2.13 (m, 2H), 2.18-2.21 (pent, J = 3.2, 1H), 2.80 (s, 3H), 3.26-3.31 (m, 2H), 3.40-3.46 (m, 6H). C
12H
25N
2 +に関するLRMS (ESI+) (197.2); 実測値: 197 (M+).
1−(3−(ジクロロアミノ)−3−メチルブチル)−1−アゾニアビシクロ[2.2.2]オクタンメタンスルホネート
メタノール(4.5mL)中の1−(3−アミノ−3−メチルブチル)−1−アゾニアビシクロ[2.2.2]オクタンメタンスルホネートヒドロクロリド(0.31g,1.2mmol)溶液を、氷浴で15分間冷却した。無色溶液に、t−BuOCl(0.41mL,3当量,3.48mmol)をシリンジにより一度に加えて濃い黄色溶液を得た。反応混合液を0℃で30分間撹拌し、続いて減圧下で濃縮して無色油状物を得た。この油状物を水に溶解させ、水/アセトニトリルおよび0.05%酢酸を移動相として用いて島津Prep−LCでの逆相クロマトグラフィーにより精製した。UV吸光度を215nmでモニターしてフラクションを収集した。フラクションをプールし、水浴を25℃に設定したロータリーエバポレーターにより濃縮して白色固形物を得た(0.21g,58.9%)。
1H NMR (D
2O, 400 MHz): δ 1.43 (s, 6H), 1.96-2.03 (m,, 6H), 2.16-2.25 (m, 3H), 2.82 (s, 3 H), 3.21-3.29 (m, 2H), 3.40-3.46 (m, 6H). C
12H
23Cl
2N
2 +に関するLRMS (ESI+) (265.1); 実測値: 265, 267 (M+, M2H+).
実施例20
1−(3−(ジクロロアミノ)−3−メチルブチル)−1,4,4−トリメチルピペリジニウムクロリド
(化合物21−122)
3−アジド−1−(4,4−ジメチルピペリジン−1−イル)−3−メチルブタン−1−オン
無水DCE(65mL)中の4,4−ジメチルピペリジン(4.21g,1当量,37.2mmol)およびDIEA(9.73mL,1.5当量,55.9mmol)の撹拌した氷冷溶液に、3−アジド−3−メチルブタノイルクロリド(6.02g,37.2mmol)を少しずつ加えた。反応液を0℃で1時間撹拌し続けた。1MのHCl水溶液(100mL)を反応混合液に加え、内容液を分液漏斗に注ぎ入れた。有機層を分離させ、1MのHCl(100mL)で洗浄した。それを無水MgSO
4で乾燥させ、濾過し、濃縮し、高真空下で乾燥させて粗油状物(7.72g,87.1%)を得た。粗油状物を、ヘキサン中の20〜50%酢酸エチルの勾配溶出を用いてISCO精製系で精製した。所望のフラクションを収集し、濃縮して無色油状物を得た(6.00g,収率:67.7%)。
1H NMR (CDCl
3, 400 MHz): δ 0.98 (s, 6H), 1.32-1.39 (m, 4H), 1.45 (s, 6H), 2.52 (s, 2H), 3.42-3.47 (m, 2H), 3.55-3.60 (m, 2H). C
12H
22N
4Oに関するLRMS (ESI+) (238.2); 実測値: 239 (M+).
4−(4,4−ジメチルピペリジン−1−イル)−2−メチルブタン−2−イルカルバミン酸ベンジル
3−アジド−1−(4,4−ジメチルピペリジン−1−イル)−3−メチルブタン−1−オン(5.5g,23.1mmol)を無水THF(50mL)中に溶解させ、無水THF(100mL)中のLAH(1.75g,2.0当量,46.2mmol)懸濁液に滴下して反応物を還流状態に保った(30分)。滴下完了後、フラスコをコンデンサーに取り付け、反応物を70℃の油浴で8時間加熱した。反応混合物を氷浴で冷まし、水(3.5mL)を20分かけて滴下した。続いて15%のNaOH溶液(1.75mL)を10分かけて滴下した。懸濁物をさらに10分間撹拌し、水(3.5mL)を一度に加え、混合物を30分間撹拌して微細な白色懸濁物を得た。懸濁物をCelite(登録商標)パッドに通して濾過し、イソプロパノール(2x75mL)で洗浄した。濾液を合わせ、浴温を20℃に設定したロータリーエバポレーターで慎重に濃縮して淡い黄色液体を得て、高真空下で軽く乾燥させて液体を得た(5.86g,定量的)。粗アミン物は、その低いb.p.による生成物の喪失を最小限にするために完全に乾燥させず、さらに精製することなく用いた。
粗4−(4,4−ジメチルピペリジン−1−イル)−2−メチルブタン−2−アミン(5.80g,29.2mmol)をTHF(100mL)中に溶解させた。この溶液に、CbzOSu(7.29g,1当量,29.2mmol)を一度に加えた。反応物を室温で3日間撹拌し続けた。溶媒を除去し、残渣をジエチルエーテル(150mL)および水(50mL)の混合液に入れた。層を分離させ、有機層を1Mの炭酸ナトリウム(2x50mL)、1MのHCl(50mL)、およびブライン(100mL)で洗浄した。有機層を無水MgSO
4で乾燥させ、濾過し、濃縮して淡い黄色油状物にした。粗油状物を、ヘキサン中の10〜80%の酢酸エチルの勾配溶出を用いてISCO精製系で精製した。所望のフラクションを収集し、濃縮して白色固形物を得た(4.75g,収率:49.0%)。
1H NMR (CDCl
3, 400 MHz): δ 0.92 (s, 6H), 1.35-1.40 (bm, 10H), 1.58-1.63 (t, J =10.8, 2 H), 2.40 (bs, 4H), 2.44-2.52 (t, J = 10.8, 2H), 5.03 (s, 2H), 7.27-38 (m, 5H). C
20H
32N
2O
2に関するLRMS (ESI+) (332.2); 実測値: 333 (MH+).
1−(3−(ベンジルオキシカルボニルアミノ)−3−メチルブチル)−1,4,4−トリメチルピペリジニウムヨージド
4−(4,4−ジメチルピペリジン−1−イル)−2−メチルブタン−2−イルカルバミン酸ベンジル(2.25g,6.76mmol)を15mLの圧力管に入れた。無水エタノール(2mL)およびヨウ化メチル(5.0mL,11.8当量,80.1mmol)を一度に加えた。スターラーバーを加え、圧力管を密封した。反応物を50℃で16時間撹拌し続けた。溶液を濃縮して淡い黄色固形物にした。粗固形物をイソプロパノール(5mL)および酢酸エチル(25mL)中に溶解させ、溶液を氷浴で冷ましてゲル状物を得た。生成物を濾過し、新鮮な酢酸エチルで洗浄し、高真空下で乾燥させて白色固形物を得た(2.06g,64.0%)。
1H NMR (D
2O, 400 MHz): δ 0.98 (s, 3H), 1.03 (s, 3H),1.30 (s, 6H), 1.50-1.70 (m, 4 H), 2.10-2.18 (m, 2H), 2.85 (s, 3H), 3.15-3.28 (m, 6 H), 5.09 (s, 2H), 7.38-7.50 (m, 5H). C
21H
35N
2O
2 +に関するLRMS (ESI+) (347.3); 実測値: 347 (M+).
1−(3−アミノ−3−メチルブチル)−1,4,4−トリメチルピペリジニウムクロリドヒドロクロリド
メタノール(100mL)、水(200mL)および酢酸(0.68mL)の混合液中の1−(3−(ベンジルオキシカルボニルアミノ)−3−メチルブチル)−1,4,4−トリメチルピペリジニウムヨージド(1.81g,3.81mmol)溶液に、Ag
2O(0.57g,0.65当量,2.46mmol)を一度に加えた。黒色の懸濁液はすぐにクリーム色の懸濁液に変化した。反応物を室温で30分間撹拌した。フラスコに、6NのHCl水溶液(2.5mL)を一度に加えて白色の濁った懸濁液を得た。懸濁液を15分間撹拌し、次いでCelite(登録商標)に通して濾過し、固形物を水(2x30mL)で洗浄した。濾液を合わせ、そこに10%のPd/C(300mg)を加えた。フラスコを密封し、減圧下で脱気し、水素をバルーンから流し入れた(3x)。反応物を室温で17時間撹拌した。懸濁物をCelite(登録商標)パッドに通して濾過し、固形物を水(2x50mL)で洗浄した。濾液を濃縮して油状物にし、メタノール(25mL)中に溶解させ、0.45ミクロンのPTFEフリットに通して濾過した。濾液を濃縮して油状物にし、高真空下で乾燥させて泡状物を得た(1.12g,定量的)。
1H NMR (D
2O, 400 MHz): δ 1.05 (s, 3H), 1.06 (s, 3H), 1.42 (s, 6H), 1.63-1.83 (m, 4H), 2.15-2.21 (m, 2H), 3.07 (s, 3 H), 3.38-3.43 (m, 4H), 3.46-3.52 (m, 2H). C
13H
29N
2 +に関するLRMS (ESI+) (213.2); 実測値: 213 (M+).
1−(3−(ジクロロアミノ)−3−メチルブチル)−1,4,4−トリメチルピペリジニウムクロリド
メタノール(10mL)および水(8mL)の混合液中の1−(3−アミノ−3−メチルブチル)−1,4,4−トリメチルピペリジニウムクロリドヒドロクロリド(0.50g,1.73mmol)溶液を氷浴で15分間冷却した。無色溶液に、t−BuOCl(0.62mL,3当量,5.21mmol)をシリンジにより一度に加えて濃い黄色溶液を得た。反応混合液を0℃で30分間撹拌し、続いて減圧下で濃縮して無色油状物を得た。この油状物を水に溶解させ、水/アセトニトリルおよび0.05%の酢酸を移動相として用いて島津Prep−LCでの逆相クロマトグラフィーにより精製した。UV吸光度を215nmでモニターしてフラクションを収集した。フラクションをプールし、水浴を25℃に設定したロータリーエバポレーターにより濃縮して淡い黄色泡状物を得た(0.373g,67.8%)。
1H NMR (D
2O, 400 MHz): δ 1.06 (s, 3H), 1.07.(s, 3H), 1.46 (s, 6H), 1.64-1.80 (m, 4H), 2.21-2.27 (m, 2H), 3.05 (s, 3 H), 3.35-3.45 (m, 6H). C
13H
27Cl
2N
2 +に関するLRMS (ESI+) (281.1); 実測値: 281, 283 (M+, M2H+).
実施例21
N−ブチル−3−(ジクロロアミノ)−N,N,3−トリメチルブタン−1−アンモニウムクロリド(化合物21−124)
3−アジド−N−ブチル−N,3−ジメチルブタンアミド
無水DCE(65mL)中のN−メチルブタン−1−アミン(8.88mL,2当量,74.4mmol)の撹拌した氷冷溶液に、3−アジド−3−メチルブタノイルクロリド(6.02g,37.2mmol)を5分かけて少しずつ加えた。反応液を氷浴から取り出し、室温で1時間撹拌した。反応混合液を分液漏斗に注ぎ入れ、1MのHCl(2x100mL)で洗浄した。有機層を分離させ、無水MgSO
4で乾燥させ、濾過し、濃縮し、高真空下で濃縮して黄色油状物を得た(7.11g,90.1%)。この物質をさらに精製することなく用いた。
1H NMR (CDCl
3, 400 MHz): δ 0.91-0.98 (m, 3H), 1.27-1.37 (m, 2H), 1.46 (s, 6H), 1.47-1.57 (m, 2H), 2.49 (s, 2H), 2.92 (s, 1.35H), 3.02 (s, 1.48H) methyl rotamers, 3.28-3.39 (m, 2H). C
10H
20N
4Oに関するLRMS (ESI+) (212.2); 実測値: 213 (MH+).
4−(ブチル(メチル)アミノ)−2−メチルブタン−2−イルカルバミン酸ベンジル
3−アジド−N−ブチル−N,3−ジメチルブタンアミド(6.5g,30.6mmol)を無水THF(50mL)中に溶解させ、無水THF(100mL)中のLAH(2.32g,2.0当量,61.2mmol)の懸濁液に滴下して反応液を還流状態に保った(30分)。滴下完了後、フラスコをコンデンサーに取り付け、反応液を70℃の油浴で8時間加熱した。反応混合液を氷浴で冷まし、水(1.75mL)を20分かけて滴下した。次いで、15%のNaOH溶液(1.75mL)を10分かけて滴下した。懸濁液をさらに10分間撹拌し、水(3.5mL)を一度に加え、混合物を30分間撹拌して微細な白色懸濁物を得た。懸濁物をCelite(登録商標)パッドに通して濾過し、イソプロパノール(2x75mL)で洗浄した。濾液を合わせ、浴温を20℃に設定したロータリーエバポレーターで慎重に濃縮して淡黄色液体を得て、高真空下で軽く乾燥させて液体を得た(5.12g,定量的)。粗アミン物は、その低いb.p.による生成物の喪失を最小限にするために完全に乾燥させず、さらに精製することなく用いた。
粗N
1−ブチル−N
1,3−ジメチルブタン−1,3−ジアミン(5.00g,29.0mmol)をTHF(100mL)中に溶解させた。この溶液に、CbzOSu(7.23g,1当量,29.0mmol)を一度に加えた。反応物を室温で3日間撹拌し続けた。溶媒を除去し、残渣をジエチルエーテル(150mL)および水(50mL)の混合液中に入れた。層を分離させ、有機層を1Mの炭酸ナトリウム(2x50mL)、1MのHCl(50mL)、続いてブライン(100mL)で洗浄した。有機層を無水MgSO
4で乾燥させ、濾過し、濃縮して淡黄色油状物にした。粗油状物を、ヘキサン中の10〜80%の酢酸エチルの勾配溶出を用いてISCO精製系で精製した。所望のフラクションを収集し、濃縮して白色固形物を得た(3.55g,収率:40.0%)。
1H NMR (CDCl
3, 400 MHz): δ 0.83-0.87 (t, J = 7.2, 3H), 1.25-1.35 (m, 2H), 1.40 (s, 6H), 1.41-1.45 (m, 2H), 1.59-1.62 (t, J = 6.4, 2H), 2.18 (s, 3H), 2.28-2.32 (t, J = 6.4, 2H), 2.43-2.47 (t, J = 6.4, 2H), 5.04 (s, 2H), 7.27-7.37 (m, 5H). C
18H
30N
2O
2 (306.2)に関するLRMS (ESI+); 実測値: 307 (MH+).
3−(ベンジルオキシカルボニルアミノ)−N−ブチル−N,N,3−トリメチルブタン−1−アンモニウムヨージド
4−(ブチル(メチル)アミノ)−2−メチルブタン−2−イルカルバミン酸ベンジル(2.25g,6.76mmol)を15mLの圧力管に入れた。無水エタノール(2mL)を管に加えて溶液を得た。反応液にヨウ化エチル(5.0mL,10.7当量,80.1mmol)を一度に加えた。スターラーバーを加え、圧力管を密封した。反応液を50℃で16時間撹拌し続けた。濃厚な懸濁液を濾過し、ジエチルエーテル(3x100mL)で洗浄して淡黄色粉末を得て、高真空下で乾燥させた(2.47g,73.6%)。
1H NMR (D
2O, 400 MHz): δ 0.90-0.95 (t, J = 7.2, 3H), 1.30 (s, 6H), 1.30-1.38 (m, 2H), 1.54-1.62 (m, 2H), 2.10-2.18 (m, 2H), 2.89 (s, 6H), 3.11-3.21 (m, 4H), 5.09 (s, 2H), 7.38-7.50 (m, 5H). C
19H
33N
2O
2 +に関するLRMS (ESI+) (321.3); 実測値: 321 (M+).
3−アミノ−N−ブチル−N,N,3−トリメチルブタン−1−アンモニウムクロリドヒドロクロリド
Ag
2O(1.18g,1.0当量,5.06mmol)を、メタノール(150mL)、水(100mL)および酢酸(0.87mL)の混合液中の3−(ベンジルオキシカルボニルアミノ)−N−ブチル−N,N,3−トリメチルブタン−1−アンモニウムヨージド(2.27g,5.06mmol)溶液に一度に加えた。黒色の懸濁液はすぐにクリーム色の懸濁液に変化した。反応物を室温で30分間撹拌した。6NのHCl水溶液(5mL)をフラスコに一度に加えて白色の濁った懸濁液を得た。懸濁液を15分間撹拌し、次いでCelite(登録商標)パッドに通して濾過し、固形物を水(2x30mL)で洗浄した。濾液を合わせ、10%のPd/C(300mg)を加え、フラスコを密封し、減圧下で脱気し、水素をバルーンから流し入れた(3x)。反応物を室温で17時間撹拌した。懸濁液をCelite(登録商標)パッドに通して濾過し、固形物を水で洗浄した(2x50mL)。濾液を濃縮して油状物にし、メタノール(25mL)に溶解させ、0.45ミクロンのPTFEフリットに通して濾過した。濾液を濃縮して油状物にし、高真空下で乾燥させて泡状物を得た(1.35g,定量的)。
1H NMR (D
2O, 400 MHz): δ 0.94-0.99 (t, J = 7.6, 3H), 1.35-1.43 (s, 8H), 1.71-1.80 (m, 2H), 2.12-2.19 (m, 2H), 3.11 (s, 3 H), 3.32-3.38 (m, 2H), 3.44-3.49 (2 H). C
11H
27N
2 +に関するLRMS (ESI+) (187.2); 実測値: 187 (M+).
N−ブチル−3−(ジクロロアミノ)−N,N,3−トリメチルブタン−1−アンモニウムクロリド
メタノール(10mL)および水(8mL)の混合液中の3−アミノ−N−ブチル−N,N,3−トリメチルブタン−1−アンモニウムクロリドヒドロクロリド(0.51g,1.96mmol)溶液を、氷浴で15分間冷却した。無色溶液に、t−BuOCl(0.70mL,3当量,5.89mmol)をシリンジにより一度に加えて濃い黄色溶液を得た。反応混合液を0℃で30分間撹拌し、続いて減圧下で濃縮して無色油状物を得た。この油状物を水に溶解させ、水/アセトニトリルおよび0.05%の酢酸を移動相として用いて島津Prep−LCでの逆相クロマトグラフィーにより精製した。UV吸光度を215nmでモニターしてフラクションを収集した。フラクションをプールし、水浴を25℃に設定したロータリーエバポレーターにより濃縮して淡黄色泡状物を得た(0.468g,82.0%)。
1H NMR (D
2O, 400 MHz): δ 0.93-0.98 (t, J = 7.6, 3H), 1.34-1.44 (sext, J = 7.6, 2H), 1.46 (s, 6H), 1.71-1.81 (m, 2H), 2.20-2.60 (m, 2H), 3.09 (s, 3 H), 3.29-3.34 (m, 2H), 3.40-3.45 (2 H). C
11H
25Cl
2N
2 +に関するLRMS (ESI+) (255.1); 実測値: 255, 257 (M+, M+2).
実施例22
N−(3−(ジクロロアミノ)−3−メチルブチル)−N,N−ジメチルシクロヘキサンアンモニウムクロリド
(化合物21−126)
c)3−アジド−N−シクロヘキシル−N−3−ジメチルブタンアミド(3)
無水DCE(250mL)中のN−メチルシクロヘキシルアミン(5.59g,1当量,49.4mmol)およびDIEA(12.9mL,1.5当量,74.4mmol)の撹拌した氷冷溶液に、3−アジド−3−メチルブタノイルクロリド(7.98g,49.4mmol)を少しずつ加えた。反応液を0℃で11時間撹拌した。水(200mL)を反応混合液に加え、内容液を分液漏斗に注ぎ入れた。有機層を分離させ、1MのHCl(2x150mL)、続いて1MのNaOH(2x150mL)で洗浄した。これを無水MgSO
4で乾燥させ、濾過し、濃縮し、続いて高真空下で乾燥させて粗油状物を得た(12.3g,定量的)。この物質をさらに精製することなく用いた。
4−(シクロヘキシル(メチル)アミノ)−2−メチルブタン−2−イルカルバミン酸ベンジル
3−アジド−N−シクロヘキシル−N−3−ジメチルブタンアミド(11.0g,46.1mmol)を無水THF(100mL)に溶解させ、無水THF(200mL)中のLAH(3.50g,2.0当量,92.2mmol)懸濁液に滴下して反応液を還流状態に保った(30分)。滴下完了後、フラスコをコンデンサーに取り付け、反応液を70℃の油浴で8時間加熱した。反応混合液を氷浴で冷まし、水(3.5mL)を20分かけて滴下した。続いて15%のNaOH溶液(3.5mL)を10分かけて滴下した。懸濁液をさらに10分間撹拌し、水(7mL)を一度に加え、混合物を30分間撹拌して微細な白色の懸濁液を得た。懸濁液をCelite(登録商標)パッドに通して濾過し、イソプロピルアルコール(2x100mL)で洗浄した。濾液を合わせ、浴温を20℃に設定したロータリーエバポレーターで慎重に濃縮して淡黄色液体を得た。酸性水溶液(6NのHCl,17.0mL)を液体に加え、濃縮して半固形物にし、高真空下で乾燥させて14.0g(収率:定量的)を得た。
水(200mL)中に溶解させた炭酸水素ナトリウム(15.0g,0.18mol)を、粗N
1−シクロヘキシル−N
1,3−ジメチルブタン−1,3−ジアミン(14.0g,46.1mmol)を含有する反応液に加え、THF(200mL)に溶解させた。反応液に、CbzOSu(11.0g,1当量,44.2mmol)を一度に加え、室温で16時間撹拌し続けた。有機溶媒を除去し、残渣溶液をDCM(3x150mL)で抽出した。有機層を無水MgSO
4で乾燥させ、濾過し、次いで濃縮して淡黄色油状物にした(12.7g)。粗油状物を、20〜100%の酢酸エチル、続いて酢酸エチル中の1〜10%のメタノールを用いてISCO精製系で精製した。所望のフラクションを収集し、濃縮して無色油状物を得た(5.27g,収率:34.4%)。
1H NMR (CDCl
3, 400 MHz): δ 1.0-1.49 (m, 5H),1.37 (s, 6H), 1.55 (t, 2H), 1.6-1.64 (m, 1H), 1.76 (bs, 4H), 2.21 (s, 3H), 2.32-2.4 (m, 1H), 2.60 (t, 2H), 5.03 (s, 2H), 7.2-7.4 (m, 5H), 7.96 (s, 1H). C
20H
32N
2O
2に関するLRMS (ESI+) (332.3); 実測値: 333 (MH+).
N−(3−(ベンジルオキシカルボニルアミノ)−3−メチルブチル)−N,N−ジメチルシクロヘキサン−アンモニウムヨージド
4−(シクロヘキシル(メチル)アミノ)−2−メチルブタン−2−イルカルバミン酸ベンジル(2.69g,8.08mmol)を15mLの圧力管に入れた。ヨウ化メチル(5.0mL,10当量,80.8mmol)および無水エタノール(2.0mL)を反応液に加えた。熱が発生し、管を水浴で冷ました。スターラーバーを加え、圧力管を密封した。反応液を50℃で16時間撹拌し続けた。溶液を丸底フラスコに移し入れ、濃縮して暗い赤色油状物とした。油状物をそのまま部分的に凝固させた。粗生成物を、エーテル(20mL)およびヘキサン(20mL)の混合液から再結晶化させた。形成された固形物を終夜そのままにし、ブッフナー漏斗で収集し、少量のヘキサン中の10%エーテル(5x20mL)ですすぎ、高真空下で乾燥させて黄色固形物を得た(1.84g,48%)。
1H NMR (D
2O, 400 MHz): δ 1.1-1.2 (m, 1H), 1.30 (s, 6H), 1.25-1.43 (m, 4H), 1.60-1.68 (m, 1H), 1.87-2.00 (dt, 4H), 2.10-2.15 (m, 2 H), 2.83 (s, 6H), 3.15-3.25 (m, 2H), 5.08 (s, 2H), 7.41-7.46 (m, 5H), C
21H
35N
2O
2 +に関するLRMS (ESI+) (347.3); 実測値: 347 (M+).
N−(3−アミノ−3−メチルブチル)−N,N−ジメチルシクロヘキサンアンモニウムクロリドヒドロクロリド
Ag
2O(0.78g,1.0当量,3.34mmol)を、メタノール(20mL)、水(40mL)および酢酸(0.2,mL,1.0当量)の混合液中のN−(3−(ベンジルオキシカルボニルアミノ)−3−メチルブチル)−N,N−ジメチルシクロヘキサン−アンモニウムヨージド(1.63g,mmol)溶液に加えた。黒色の懸濁液はすぐにクリーム色の懸濁液に変化した。反応液を室温で30分間撹拌した。6NのHCl水溶液(2.3mL)を一度に懸濁液に加えた。反応液を15分間撹拌し、続いてCelite(登録商標)パッドに通して濾過し、固形物を水(2x30mL)で洗浄した。濾液を合わせ、そこに10%のPd/C(200mg)を加え、フラスコを密封し、減圧下で脱気し、水素をバルーンから流し入れた(3x)。反応物を室温で17時間撹拌した。懸濁液をCelite(登録商標)に通して濾過し、固形物を水(2x50mL)で洗浄した。濾液を濃縮して無色の粘性油状物にし、高真空下で乾燥させた後、無色の泡状物になった(0.98g,定量的)。
1H NMR (D
2O, 400 MHz): δ 1.30-1.40 (m, 2H)1.43 (s, 6H), 1.50-1.63 (dq, 2H), 1.64-1.72 (m, 1H), 1.95-2.02 (bd, 2H), 2.10-2.20 (m, 4H), 3.06 (s, 6H), 3.35-3.44 (tt, 1H), 3.45-3.50 (m, 2H). C
13H
29N
2 +に関するLRMS (ESI+) (213.2); 実測値: 213 (M+).
N−(3−(ジクロロアミノ)−3−メチルブチル)−N,N−ジメチルシクロヘキサンアンモニウムクロリド
メタノール(20mL)中のN−(3−アミノ−3−メチルブチル)−N,N−ジメチルシクロヘキサンアンモニウムクロリドヒドロクロリド(0.542g,1.90mmol)溶液を氷浴で15分間冷却した。無色溶液に、t−BuOCl(0.67mL,3当量,5.7mmol)をシリンジにより一度に加えて濃い黄色溶液を得た。反応混合液を0℃で30分間撹拌し、続いて減圧下で濃縮して無色油状物を得た。この油状物を水に溶解させ、水/アセトニトリルおよび0.05%の酢酸を移動相として用いて島津Prep−LCでの逆相クロマトグラフィーにより精製した。UV吸光度を215nmでモニターしてフラクションを収集した。フラクションをプールし、凍結乾燥させて淡黄色固形物を得た(0.216g,35.0%)。
1H NMR (D
2O, 400 MHz): δ 1.10-1.23. (tq, 1H), 1.42 (s, 6H), 1.48-1.60 (dq, 2H), 1.63-1.70 (m, 1H), 1.90-2.00 (bd, 2H), 2.12-2.19 (2H), 2.19-2.25 (m, 2 H), 3.02 (s, 6H), 3.30-3.40 (tt, 1H), 3.40-3.48 (m, 2H). C
13H
27Cl
2N
2 +に関するLRMS (ESI+) (281.2); 実測値: 281, 283 (M+, M2H+).
実施例23
N
1−(3−(ジクロロアミノ)−3−メチルブチル)−N
1,N
1,N
3,N
3,N
3−ペンタメチルプロパン−1,3−ジアンモンミウムクロリド(化合物21−128)
3−アジド−N−(3−(ジメチルアミノ)プロピル)−N,3−ジメチルブタンアミド
無水DCE(200mL)中のN
1,N
1,N
3−トリメチルプロパン−1,3−ジアミン(5.0g,1当量,43.0mmol)およびDIEA(11.2mL,1.5当量,64.5mmol)の撹拌した氷冷溶液に、3−アジド−3−メチルブタノイルクロリド(6.95g,43.0mmol)を少しずつ加えた。反応物を0℃で1時間撹拌し続けた。NaOH水溶液(5N,4当量,34.5mmol)を反応混合液に加えた。溶媒およびDIEAをロータリーエバポレーターにより除去して油性混合溶液(oily aqueous mixture)を得た。フラスコの内容物を分液漏斗に注ぎ入れ、DCM(2x100mL)で抽出した。有機層を無水MgSO
4で乾燥させ、濾過し、濃縮し、高真空下で乾燥させて粗油状物を得た(8.71g,84.0%)。この物質をさらに精製することなく用いた。
1H NMR (D
2O, 400 MHz): δ 1.34 (t, J = 7.2, 3H), 1.43 (s, 6H), 2.11-2.15 (m, 2H), 3.09 (s, 3 H), 3.35 (s, 2H), 3.41 (dt, J = 7.2, 4H). C
11H
23N
5Oに関するLRMS (ESI+) (241.2); 実測値: 241 (M+).
4−((3−(ジメチルアミノ)プロピル)(メチル)アミノ)−2−メチルブタン−2−イルカルバミン酸ベンジル
3−アジド−N−(3−(ジメチルアミノ)プロピル)−N,3−ジメチルブタンアミド(7.71g,39.1mmol)を無水THF(100mL)に溶解させ、無水THF(200mL)中のLAH(2.42g,2.0当量,63.8mmol)懸濁液に滴下して反応液を還流状態に保った(30分)。滴下完了後、フラスコをコンデンサーに取り付け、反応液を70℃の油浴で8時間加熱した。反応混合液を氷浴で冷まし、水(2.5mL)を20分かけて滴下した。次いで15%のNaOH溶液(2.5mL)を10分かけて滴下した。懸濁液をさらに10分間撹拌し、水(5mL)を一度に加え、混合液を30分間撹拌して微細な白色懸濁液を得た。懸濁液をCelite(登録商標)パッドに通して濾過し、イソプロピルアルコール(2x100mL)で洗浄した。濾液を合わせ、酸性溶液(6NのHCl,17.0mL)で酸性化し、液体に添加し、続いてロータリーエバポレーターで濃縮して半固形物にし、さらに高真空下で乾燥させて18.0gを得た。
粗N
1−(3−(ジメチルアミノ)プロピル)−N
1,3−ジメチルブタン−1,3−ジアミン(18.0g,31.9mmol)をTHF(200mL)中に溶解させた。反応液に、水(200mL)に溶解させた炭酸水素ナトリウム(14.0g,0.167mol)を加えて溶液を得た。反応液に、CbzOSu(7.95g,1当量,31.9mmol)を一度に加え、室温で16時間撹拌し続けた。有機溶媒をロータリーエバポレーターにより除去し、水溶液を濃縮して〜100mLにした。水溶液をDCM(2x200mL)で抽出した。有機層を無水MgSO
4で乾燥させ、濾過し、濃縮して淡い黄色油状物にした。粗油状物を、水/アセトニトリルおよび0.05%の酢酸を移動相として用いて島津Prep−LCで精製した。UV吸光度を215nmでモニターしてフラクションを収集した。所望のフラクションを収集し、凍結乾燥させて無色油状物を得た(5.57g,収率:52.1%)。C
19H
33N
3O
2に関するLRMS (ESI+) (335.3); 実測値: 336 (MH+).
N 1 −(3−(ベンジルオキシカルボニルアミノ)−3−メチルブチル)−N 1 ,N 1 ,N 3 ,N 3 ,N 3 −ペンタメチルプロパン−1,3−ジアンモニウムクロリド
4−((3−(ジメチルアミノ)プロピル)(メチル)アミノ)−2−メチルブタン−2−イルカルバミン酸ベンジル(2.75g,8.2mmol)を75mLの圧力管に入れた。ヨウ化メチル(15.0mL,5.6当量,46.4mmol)を反応液に一度に加えた。熱は発生せず、無水EtOH(15mL)を管に加えた。反応液を50℃で16時間撹拌し続けた。溶液を丸底フラスコに移し入れ、濃縮して暗い赤色油状物にした。油状物を水(100mL)に溶解させ、酢酸(0.49mL)およびAg
2O(1.90g,1.0当量,8.2mmol)を赤色溶液に加えて黒色懸濁液を得た。黒色懸濁液はすぐにクリーム色の懸濁液に変化した。反応液を室温で30分間撹拌した。6NのHCl水溶液(4当量,5.5mL)をフラスコに一度に加え、30分間撹拌した。懸濁液をCelite(登録商標)に通して濾過し、固形物を水で洗浄した。濾液を濃縮して少量にし、0.45ミクロンのPTFEフリットに通して濾過した。濾液を濃縮して少量にし、水/アセトニトリルおよび0.05%の酢酸を移動相として用いて島津Prep−LCで精製した。UV吸光度を215nmでモニターしてフラクションを収集した。フラクションをプールし、凍結乾燥させて白色泡状物を得た(1.68g,46.9%)。
1H NMR (D
2O, 400 MHz): δ 1.31 (s, 6H), 2.15-2.25 (m, 4H), 3.03 (s, 6H), 3.14 (s, 9 H), 3.25-3.35 (m, 6H), 5.09 (s, 2H), 7.40-7.47 (m, 5H). C
21H
39N
3O
2 2+に関するLRMS (ESI+) (365.3); 実測値: 183 (M
2+/2).
N 1 −(3−アミノ−3−メチルブチル)−N 1 ,N 1 ,N 3 ,N 3 ,N 3 −ペンタメチルプロパン−1,3−ジアンモニウムクロリドヒドロクロリド
N
1−(3−(ベンジルオキシカルボニルアミノ)−3−メチルブチル)−N
1,N
1,N
3,N
3,N
3−ペンタメチルプロパン−1,3−ジアンモニウムクロリド(1.60g,3.67mmol)を水(50mL)に溶解させ、10%のPd/C(200mg)を溶液に加え、フラスコを密封し、減圧下で脱気し、水素をバルーンから流し入れた(3x)。反応物を室温で17時間撹拌した。懸濁物をCelite(登録商標)パッドに通して濾過し、固形物を水(2x50mL)で洗浄した。濾液をロータリーエバポレーターにより濃縮して粘性油状物にし、バイアルに移し入れ、凍結乾燥させて白色固形物を得た(1.25g,定量的)。
1H NMR (D
2O, 400 MHz): δ 1.44 (s, 6H), 2.20-2.27 (m, 2H), 2.32-2.43 (m, 2H), 3.20 (s, 6H), 3.21 (s, 9H), 3.42-3.51 (q, 4H), 3.55-3.63 (m, 2H). C
13H
33N
3 +2に関するLRMS (ESI+) (231.3); 実測値: 116 (M
2+/2).
N 1 −(3−(ジクロロアミノ)−3−メチルブチル)−N 1 ,N 1 ,N 3 ,N 3 ,N 3 −ペンタメチルプロパン−1,3−ジアンモニウムクロリド
メタノール(15mL)および水(15mL)の混合液中のN
1−(3−アミノ−3−メチルブチル)−N
1,N
1,N
3,N
3,N
3−ペンタメチルプロパン−1,3−ジアンモニウムクロリドヒドロクロリド(0.634g,1.87mmol)を、氷浴で15分間冷却した。無色溶液に、t−BuOCl(0.66mL,3当量,5.62mmol)をシリンジにより一度に加えて濃い黄色溶液を得た。反応混合液を0℃で30分間撹拌し、次いで減圧下で濃縮して無色油状物を得た。この油状物を水に溶解させ、水/アセトニトリルおよび0.05%の酢酸を移動相として用いて島津Prep−LCにおける逆相クロマトグラフィーにより精製した。UV吸光度を215nmでモニターしてフラクションを収集した。フラクションをプールし、凍結乾燥させて黄色固形物を得た(0.44g,62.7%)。
1H NMR (D
2O, 400 MHz): δ 1.46 (s, 6H), 2.24-2.29 (m, 2H), 2.30-2.41 (m, 2H), 3.17 (s, 6H), 3.21 (s, 9H), 3.40-3.48 (m, 2H), 3.50-3.55 (m, 2H).1.46 (s, 6H), 2.18-2.22 (m, 2H), 2.99 (s, 3 H), 3.33-3.40 (m, 6H). C
13H
31Cl
2N
3 2+に関するLRMS (ESI+) (299.2); 実測値: 149 (M
2+/2).
実施例24
1−(3−(ジクロロアミノ)−3−メチルブチル)−1−メチルピロリジニウムクロリドの合成
化合物(21−130)
3−アジド−3−メチル−1−(ピロリジン−1−イル)ブタン−1−オン
無水DCE(100mL)中の3−アジド−3−メチルブタノイルクロリド(6.00g,37.1mmol)の撹拌した氷冷溶液に、ピロリジン(6.19mL,2当量,74.2mmol)を一度に加えた。反応液を0℃で1時間撹拌し続けた。水(100mL)を反応混合液に加え、内容物を分液漏斗に注ぎ入れた。有機層を分離させ、水(3x100mL)およびブライン(100mL)で洗浄した。これを無水MgSO
4で乾燥させ、濾過し、濃縮し、高真空下で乾燥させて粗油状物を得た(6.23g,85.6%)。この物質をさらに精製することなく用いた。
1H NMR (CDCl
3, 400 MHz): δ 1.47 (s, 6H), 1.82-1.90 (q, J = 6.8, 2H), 1.92-2.00 (q, J = 6.8, 2H), 2.45 (s, 2H), 3.44-3.50 (t, J = 6.8, 4H).1.43 (s, 6H), 2.11-2.15 (m, 2H), 3.09 (s, 3 H), 3.35 (s, 2H), 3.41 (dt, J = 7.2, 4H). C
9H
16N
4Oに関するLRMS (ESI+) (196.1) ; 実測値: 197 (MH+).
2−メチル−4−(ピロリジン−1−イル)ブタン−2−アミン
3−アジド−3−メチル−1−(ピロリジン−1−イル)ブタン−1−オン(6.23g,31.7mmol)を、氷で冷ました500mLの丸底フラスコに入れた。フラスコに、BH
3−THF(200mL,6.3当量,0.2mol)溶液を30分かけて滴下した。フラスコを氷浴から取り出し、室温で30分間撹拌した。フラスコをコンデンサーに取り付け、反応液を70℃の油浴で8時間加熱した。反応混合液を氷浴で冷却し、メタノール(50mL)を20分かけて滴下した。次いで、ジオキサン(50mL)中の4MのHClを一度に滴下した。溶液を室温で1時間撹拌し、次いで濃縮して油性残渣にした。残渣をDCM(150mL)中に溶解させ、2.5NのNaOH溶液(50mL,4当量)を一度に加え、混合液を30分間撹拌した。混合液を分液漏斗に注ぎ入れ、層を分離させた。有機層を無水MgSO
4で乾燥させ、濾過し、濃縮して淡い黄色液体にした(5.7g,定量的)。粗アミン物は、その低いb.p.による生成物の喪失を最小限にするために完全に乾燥させず、さらに精製することなく用いた。C
9H
20N
2に関するLRMS (ESI+) (156.2); 実測値: 157 (MH+).
2−メチル−4−(ピロリジン−1−イル)ブタン−2−イルカルバミン酸ベンジル
粗2−メチル−4−(ピロリジン−1−イル)ブタン−2−アミン(5.70g,31.7mmol)をTHF(200mL)に溶解させた。この溶液に、CbzOSu(7.92g,1当量,31.7mmol)を一度に加えた。反応物を室温で16時間撹拌し続けた。溶媒を除去し、残渣を酢酸エチル(150mL)および水(50mL)の混合液に入れた。層を分離させ、有機層を1Mの炭酸ナトリウム(2x50mL)、1MのHCl(50mL)およびブライン(50mL)で洗浄した。有機層を無水MgSO
4で乾燥させ、濾過し、濃縮して淡い黄色油状物にした(9.0g)。粗油状物を、ヘキサン中の5〜90%の酢酸エチルの勾配溶出を用いてISCO精製系で精製した。所望のフラクションを収集し、濃縮して淡い黄色油状物にした(5.76g,収率:62.5%)。
1H NMR (CDCl
3, 400 MHz): δ 1.34 (s, 6H), 1.76-1.84 (m, 6H), 2.58-2.66 (m, 6H), 5.04 (s, 2H), 6.36 (bs, 1H), 7.27-7.39 (m, 5H). C
17H
26N
2O
2に関するLRMS (ESI+) (290.2); 実測値: 291 (MH+).
1−(3−(ベンジルオキシカルボニルアミノ)−3−メチルブチル)−1−メチルピロリジニウムヨージド
2−メチル−4−(ピロリジン−1−イル)ブタン−2−イルカルバミン酸ベンジル(4.81g,16.6mmol)を、48mLの圧力管に入れた。反応液に、ヨウ化メチル(10mL,10当量,0.16mol)を一度に加えた。添加の間、熱は発生せず、無水エタノール(5mL)を管に加え、次いで密封した。反応液を50℃で16時間撹拌し続けた。濃い赤色の溶液を濃縮して暗い赤色の油状物にした。粗生成物を少量の水に溶解させ、0.45ミクロンのPTFEフリットに通して濾過し、次いで、この溶液を、水/アセトニトリルおよび0.05%の酢酸を移動相として用いて島津Prep−LCで精製した。UV吸光度を215nmでモニターしてフラクションを収集した。フラクションをプールし、凍結乾燥させて無色油状物を得た(5.24g,73.2%)。
1H NMR (CDCl
3, 400 MHz): δ 1.29 (s, 6H), 2.02-2.25 (m, 6H), 2.88 (s, 3H), 3.15-3.30 (m, 4H), 3.32-3.45 (m, 2H), 5.08 (s, 2H), 7.38-7.50 (m, 5H). C
18H
29N
2O
2 +に関するLRMS (ESI+) (305.2); 実測値: 305 (M+).
1−(3−アミノ−3−メチルブチル)−1−メチルピロリジニウムクロリドヒドロクロリド
1−(3−(ベンジルオキシカルボニルアミノ)−3−メチルブチル)−1−メチルピロリジニウムヨージド(5.24g,12.1mmol)を、メタノール(100mL)および水(200mL)の混合液中に溶解させ、Ag
2O(1.82g,0.65当量,7.86mmol)を一度に加えた。黒色の懸濁物はすぐにクリーム色の懸濁物に変化した。反応液を室温で30分間撹拌した。6NのHCl水溶液(5.25mL,2.6当量,31.4mmol)をフラスコに一度に加えて白色の濁った懸濁液を得た。懸濁液を15分間撹拌し、次いでCelite(登録商標)パッドに通して濾過し、固形物を水(2x30mL)で洗浄した。濾液を合わせ、10%のPd/C(300mg)を加え、フラスコを密封し、減圧下で脱気し、水素をバルーンから流し入れた(3x)。反応液を室温で17時間撹拌した。懸濁液をCelite(登録商標)パッドに通して濾過し、固形物を水(2x50mL)で洗浄した。濾液を、ロータリーエバポレーターにより濃縮して淡い黄色の泡状物にした(2.61g,88.6%)。
1H NMR (D
2O, 400 MHz): δ 1.42 (s, 6H), 2.19-2.38 (m, 6H), 3.09 (s, 3H), 3.48-3.75 (m, 4H), 3.75-3.65 (m, 2H). C
10H
23N
2 +に関するLRMS (ESI+) (171.2); 実測値: 171 (M+).
1−(3−(ジクロロアミノ)−3−メチルブチル)−1−メチルピロリジニウムクロリド
メタノール(15mL)および水(10mL)の混合液中の1−(3−アミノ−3−メチルブチル)−1−メチルピロリジニウムクロリドヒドロクロリド(1.07g,4.4mmol)を、氷浴で15分間冷却した。無色溶液に、t−BuOCl(1.56mL,3当量,13.2mmol)をシリンジにより一度に加えて濃い黄色溶液を得た。反応混合液を0℃で30分間撹拌し、次いで減圧下で濃縮して無色油状物を得た。この油状物を水に溶解させ、水/アセトニトリルおよび0.05%の酢酸を移動相として用いて島津Prep−LCにおける逆相クロマトグラフィーにより精製した。UV吸光度を215nmでモニターしてフラクションを収集した。フラクションをプールし、凍結乾燥させて淡い黄色泡状物を得た(0.94g,77.6%)。
1H NMR (D
2O, 400 MHz): δ 1.44 (s, 6H), 2.17 (m, 4H), 2.17-2.32 (m, 2H), 3.06 (s, 3 H), 3.45-3.60 (m, 6H). C
10H
21Cl
2N
2 +に関するLRMS (ESI+) (239.1); 実測値: 239, 241 (M+, M2H+).
実施例25
3−(ジクロロアミノ)−N,N,3−トリメチル−N−(2,2,2−トリフルオロエチル)ブタン−1−アンモニウムクロリド
(化合物21−132)
3−アジド−3−メチル−N−(2,2,2−トリフルオロエチル)ブタンアミド
無水DCE(150mL)中の2,2,2−トリフルオロエタンアミンヒドロクロリド(7.10g,1当量,52.4mmol)およびDIEA(18.0mL,2.0当量,0.103mol)の撹拌した氷冷溶液に、3−アジド−3−メチルブタノイルクロリド(8.46g,52.4mmol)を少しずつ加えた。氷浴を取り外し、反応物を室温で3時間撹拌し続けた。反応物を室温で3時間撹拌し続けた。水(150mL)を反応混合液に加え、内容物を分液漏斗に注ぎ入れた。有機層を分離させ、1MのHCl(2x150mL)およびブライン(150mL)で洗浄した。それを無水MgSO
4で乾燥させ、濾過し、濃縮し、減圧下で乾燥させて粗油状物を得た(10.9g,94.4)。この物質をさらに精製することなく用いた。
1H NMR (CDCl
3, 400 MHz): δ 1.42 (s, 6H), 2.40 (s, 2H), (dq, J = 2.4 & 8.8, 2H). C
7H
11F
3N
4Oに関するLRMS (ESI+) (224.1); 実測値: 225 (MH+).
3−メチル−N 1 −(2,2,2−トリフルオロエチル)ブタン−1,3−ジアミン
3−アジド−3−メチル−N−(2,2,2−トリフルオロエチル)ブタンアミド(10.9g,48.4mmol)を無水THF(50mL)中に溶解させ、無水THF(200mL)中のLAH(3.67g,2.0当量,96.8mmol)懸濁液に滴下して反応物を還流状態に保った(30分)。滴下完了後、フラスコをコンデンサーに取り付け、反応物を70℃の油浴で8時間加熱した。反応混合液を氷浴で冷まし、水(4mL)を20分かけて滴下した。次いで、15%のNaOH溶液(4mL)を10分かけて滴下した。懸濁液をさらに10分間撹拌し、水(4mL)を一度に加え、混合液を30分間撹拌して微細な白色懸濁液を得た。懸濁液をCelite(登録商標)パッドに通して濾過し、イソプロピルアルコール(2x200mL)で洗浄した。濾液を合わせ、酸性溶液(6NのHCl,10.0mL)を加え、ロータリーエバポレーターで濃縮して油性残渣にした。残渣をDCM(100mL)および水(100mL)で分離させた。水層をpH〜14に調整し、有機層を分離させ、水層をDCM(2x50mL)で抽出した。有機層を合わせ、無水MgSO
4で乾燥させ、濾過し、10〜13℃の浴温で濃縮してオレンジ色の液体にした(8.84g,定量的)。
1H NMR (CDCl
3, 400 MHz): δ 1.15 (s, 6H), 1.55-1.62 (t, J = 7.2, 2H), 2.81-2.86 (t, J = 7.2, 2H) 3.15-3.22 (q, J = 9.6, 2H). C
7H
15F
3N
2に関するLRMS (ESI+) (184.1); 実測値: 185 (MH+).
2−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエチルアミノ)ブタン−2−イルカルバミン酸ベンジル
粗3−メチル−N
1−(2,2,2−トリフルオロエチル)ブタン−1,3−ジアミン(3.86g,21.0mmol)をTHF(200mL)に溶解させ、氷浴で冷却した。CbzOSu(5.22g,1当量,21.0mmol)のTHF(50mL)溶液を反応液に5分かけて滴下した。反応液をアイスボックス中で16時間放置し続けた。溶媒を除去し、残渣を酢酸エチル(150mL)および水(50mL)の混合液に入れた。層を分離させ、有機層を1Mの炭酸ナトリウム(2x50mL)、1MのHCl(50mL)およびブライン(50mL)で洗浄した。有機層を無水MgSO
4で乾燥させ、濾過し、濃縮して淡い黄色油状物にした(6.15g)。粗油状物を、DCM中の0〜6%のメタノールの勾配溶出を用いてISCO精製系で精製した。所望のフラクションを収集し、濃縮して淡い黄色油状物を得た(4.57g,収率:68.5%)。
1H NMR (CDCl
3, 400 MHz): δ 1.33 (s, 6H), 1.75-1.83 (t, J = 7.2, 2H), 2.74-2.85 (t, J = 7.2, 2H) 3.10-3.18 (q, J = 9.4, 2H), 5.04 (s, 2H), 7.27-7.38 (m, 5H). C
15H
21F
3N
2O
2に関するLRMS (ESI+) (318.2); 実測値: 319 (MH+).
3−(ベンジルオキシカルボニルアミノ)−N,N,3−トリメチル−N−(2,2,2−トリフルオロエチル)ブタン−1−アンモニウムヨージド
2−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエチルアミノ)ブタン−2−イルカルバミン酸ベンジル(4.0g,12.6mmol)を500mLの丸底フラスコに加え、DMF(150mL)に溶解させた。炭酸セシウム(4.10g,1当量,12.6mmol)およびヨウ化メチル(7.8mL,10当量,0.13mol)を反応液に加え、フラスコをコンデンサーに取り付けた。系を密封し、バブラーにより通気させた(vented)。反応液を48℃で16時間撹拌し続けた。懸濁液を焼結型ガラス漏斗(sintered glass funnel)により濾過した。固形物を酢酸エチル(50mL)で洗浄し、濾液を濃縮して暗い赤色の半固形物にした。粗生成物をDCM(50mL)中に溶解させ、0.45ミクロンのPTFEフリットに通して濾過した。溶液を濃縮し、水(15mL)中に再度溶解させた。この溶液を、水/アセトニトリルおよび0.05%の酢酸を移動相として用いて島津Prep−LCで精製した。UV吸光度を215nmでモニターしてフラクションを収集した。フラクションをプールし、凍結乾燥させて淡黄色油状物を得た(4.67g,78.0%)。
1H NMR (D
2O, 400 MHz): δ 1.31 (s, 6H), 2.22-2.30 (m, 2H), 3.20 (s, 6H), 3.48-3.55 (m, 2H), 4.20-4.28 (q, J = 8.4, 2H), 5.08 (s, 2H), 7.40-7.49 (m, 5H). C
17H
26F
3N
2O
2 +に関するLRMS (ESI+) (347.2); 実測値: 347 (M+).
3−アミノ−N,N,3−トリメチル−N−(2,2,2−トリフルオロエチル)ブタン−1−アンモニウムクロリドヒドロクロリド
3−(ベンジルオキシカルボニルアミノ)−N,N,3−トリメチル−N−(2,2,2−トリフルオロエチル)ブタン−1−アンモニウムヨージド(4.46g,9.4mmol)を、500mLの丸底フラスコに入れ、酢酸(20mL)中の33%のHBr中に溶解させた。フラスコをラテックスセプタムで密封し、反応の間18ゲージのニードルにより通気した。反応液を30分間激しく撹拌し、さらに10mLの酢酸中の33%のHBrを反応液に加え、さらに1時間撹拌した。反応液をロータリーエバポレーターで濃縮して暗い黄色の残渣を得た。残渣を水(3x15mL)で繰り返し溶解させ、濃縮して黄色油状物を得た。油状物を水(50mL)に再溶解させ、次いで、酢酸(3.4mL,6.0当量,56.4mmol)およびAg
2O(6.54g,3.0当量,28.2mmol)を順次加えた。黒色の懸濁物はすぐにクリーム色の懸濁物に変化した。反応液を室温で30分間撹拌した。6NのHCl水溶液(3.0当量,4.7mL)をフラスコに一度に加えて白色の濁った懸濁液を得た。懸濁液を15分間撹拌し、次いでCelite(登録商標)パッドに通して濾過し、固形物を水(2x30mL)で洗浄した。濾液をロータリーエバポレーターにより濃縮して白色泡状物にした。泡状物をバイアルに移し入れ、凍結乾燥機で白色泡状物まで乾燥させた(2.61g,97.3)。
1H NMR (D
2O, 400 MHz): δ 1.43 (s, 6H), 2.22-2.30 (m, 2H), 3.42 (s, 6H), 3.73-3.80 (m, 2H), 4.40-4.50 (q, J = 8.4, 2H). C
9H
20F
3N
2 +に関するLRMS (ESI+) (213.2); 実測値: 213 (M+).
3−(ジクロロアミノ)−N,N,3−トリメチル−N−(2,2,2−トリフルオロエチル)ブタン−1−アンモニウムクロリド
メタノール(20mL)および水(15mL)の混合液中の3−アミノ−N,N,3−トリメチル−N−(2,2,2−トリフルオロエチル)ブタン−1−アンモニウムクロリドヒドロクロリド(1.30g,4.55mmol)溶液を、氷浴で15分間冷却した。無色溶液に、t−BuOCl(1.61mL,3当量,13.7mmol)をシリンジにより一度に加えて濃い黄色溶液を得た。反応混合液を0℃で30分間撹拌し、減圧下で濃縮して無色油状物を得た。この油状物を水に溶解させ、水/アセトニトリルおよび0.05%の酢酸を移動相として用いて島津Prep−LCでの逆相クロマトグラフィーで精製した。UV吸光度を215nmでモニターしてフラクションを収集した。フラクションをプールし、水浴を25℃に設定したロータリーエバポレーターにより濃縮して淡い黄色固形物を得た(1.24g,85.3%)。
1H NMR (D
2O, 400 MHz): δ 1.47 (s, 6H), 2.30-2.40 (m, 2H), 3.39 (s, 6H), 3.70-3.80 (m, 2H), 4.35-4.50 (q, J = 8.4, 2H). C
9H
18F
3Cl
2N
2 +に関するLRMS (ESI+) (281.1); 実測値: 281, 283 (M+, M2H+).
実施例26
3−(ジクロロアミノ)−N−エチル−N,N,3−トリメチルブタン−1−アンモニウムクロリド化合物(21−134)
3−アジド−N−エチル−N,3−ジメチルブタンアミド
無水DCM(150mL)中のN−メチルエタンアミン(2.65mL,1当量,30.9mmol)およびDIEA(7.0mL,1.3当量,40.2mmol)の撹拌した氷冷溶液に、3−アジド−3−メチルブタノイルクロリド(5.0g,30.9mmol)を少しずつ加えた。氷浴を取り外し、反応液を室温で3時間撹拌し続けた。反応液の内容物を分液漏斗に注ぎ入れた。有機層を1MのHCl(3x100mL)および飽和NaHCO
3(2x100mL)で洗浄した。それを無水MgSO
4で乾燥させ、濾過し、濃縮し、減圧下で乾燥させて粗油状物を得た(7.14g,96.1%)。この物質を、酢酸エチルおよびヘキサンを溶出液として用いてISCOフラッシュクロマトグラフィー系で精製した。所望のフラクションを収集し、濃縮して淡黄色油状物を得た(5.09g,89.4%)。
1H NMR (CDCl
3, 400 MHz): δ 1.42 (s, 6H), 2.40 (s, 2H), (dq, J = 2.4 & 8.8, 2H). C
8H
16N
4Oに関するLRMS (ESI+) (184.1); 実測値: 185 (MH+).
N 1 −エチル−N 1 ,3−ジメチルブタン−1,3−ジアミン
3−アジド−N−エチル−N,3−ジメチルブタンアミド(5.09g,27.6mmol)を無水THF(50mL)中に溶解させ、無水THF(100mL)中のLAH(2.10g,2.0当量,55.2mmol)懸濁液に滴下して反応液を還流状態に保った(30分)。滴下完了後、フラスコをコンデンサーに取り付け、反応液を70℃の油浴で8時間加熱した。反応混合液を氷浴で冷まし、水(2.1mL)を20分間滴下した。次いで、15%のNaOH溶液(2.1mL)を10分かけて滴下した。懸濁液をさらに10分間撹拌し、水(2.1mL)を一度に加え、混合液を30分間撹拌して微細な白色懸濁液を得た。懸濁液をCelite(登録商標)パッドに通して濾過し、ジエチルエーテル(2x100mL)で洗浄した。濾液を合わせ、浴温10〜13℃で濃縮してオレンジ色の液体とした(1.87g,47%)。C
8H
20N
2に関するLRMS (ESI+) (144.1); 実測値: 145 (MH+).
4−(エチル(メチル)アミノ)−2−メチルブタン−2−イルカルバミン酸ベンジル
粗N
1−エチル−N
1,3−ジメチルブタン−1,3−ジアミン(1.87g,12.9mmol)をTHF(100mL)中に溶解させ、氷浴で冷却した。固形CbzOSu(3.23g,1当量,12.9mmol)を一度に反応液に加えた。反応液を室温で16時間撹拌し続けた。溶媒を除去し、残渣を酢酸エチル(150mL)および水(50mL)の混合液に入れた。層を分離させ、有機層を1Mの炭酸ナトリウム(2x50mL)およびブライン(50mL)で洗浄した。有機層を無水MgSO
4で乾燥させ、濾過し、濃縮して淡い黄色油状物にした(3.29g)。粗油状物を、ヘキサン中の15から100%の酢酸エチルの勾配溶出を用いてISCO精製系で精製した。所望のフラクションを収集し、濃縮して淡い黄色油状物を得た(1.81g,収率:55.5%)。
1H NMR (CDCl
3, 400 MHz): δ 1.05-1.09 (t, J = 8, 3H), 1.38 (s, 6H), 1.64-1.67 (t, J = 6, 2H), 2.22 (s, 3H), 2.39-2.44 (q, J = 6.6, 2H), 2.46-2.49 (t, J = 6, 2H), 5.07 (s, 2H), 7.16 (bs, 1H), 7.28-7.41 (m, 5H). C
16H
26N
2O
2に関するLRMS (ESI+) (278.2); 実測値: 279 (MH+).
3−(ベンジルオキシカルボニルアミノ)−N−エチル−N,N,3−トリメチルブタン−1−アンモニウムヨージド
4−(エチル(メチル)アミノ)−2−メチルブタン−2−イルカルバミン酸ベンジル(1.7g,6.11mmol)を、50mLの丸底フラスコに入れた。ヨウ化メチル(5.7mL,10当量,92.7mmol)を反応液に一度に加えた。スターラーバーを加え、フラスコを、針金で固定した(wired down)セプタムで密封した。反応液を50℃で16時間撹拌し続けた。濃厚な懸濁液を濾過し、ジエチルエーテル(3x100mL)で洗浄し、高真空下で乾燥させて淡い黄色粉末を得た(2.40g,93.8%)。
1H NMR (D
2O, 400 MHz): δ 1.07-1.18 (t, J = 7.2, 3H), 1.19, (s, 6H), 2.00-2.04 (m, 2H), 2.77 (s, 6H), 3.04-3.13 (m, 4H), 4.97 (s, 2H), 7.30-7.37 (m, 5H). C
17H
29N
2O
2 +に関するLRMS (ESI+) (293.2); 実測値: 293 (M+).
3−アミノ−N−エチル−N,N,3−トリメチルブタン−1−アンモニウムクロリドヒドロクロリド
Ag
2O(1.21g,1.0当量,5.39mmol)を、メタノール(35mL)、水(80mL)および酢酸(1.0mL)の混合液中の3−(ベンジルオキシカルボニルアミノ)−N−エチル−N,N,3−トリメチルブタン−1−アンモニウムヨージド(2.20g,5.23mmol)溶液に一度に加えた。黒色の懸濁物はすぐにクリーム色の懸濁物に変化した。反応液を室温で30分間撹拌した。6NのHCl水溶液(5mL)をフラスコに一度に加えて白色の濁った懸濁液を得た。懸濁液を15分間撹拌し、次いでCelite(登録商標)パッドに通して濾過し、固形物を水(2x30mL)で洗浄し、濾液を合わせ、10%のPd/C(300mg)を加え、フラスコを密封し、減圧下で脱気し、水素をバルーンから流し入れた(3X)。反応液を室温で17時間撹拌した。懸濁液をCelite(登録商標)パッドに通して濾過し、固形物を水で洗浄した(2x50mL)。濾液を油状物まで濃縮し、メタノール(25mL)中に溶解させ、0.45ミクロンのPTFEフリットに通して濾過した。濾液を濃縮して油状物にし、高真空下で乾燥させて黄色油状物を得た(1.70g,140%)。
1H NMR (D
2O, 400 MHz): δ 1.24-1.28 (t, J = 8, 3H), 1.32 (s, 6H), 2.04-2.08 (m, 2H), 2.99 (s, 6H), 3.30-3.36 (m, 4H). C
9H
23N
2 +に関するLRMS (ESI+) (159.2); 実測値: 159 (M+).
3−(ジクロロアミノ)−N−エチル−N,N,3−トリメチルブタン−1−アンモニウムクロリド
メタノール(30mL)および水(15mL)の混合液中の3−アミノ−N−エチル−N,N,3−トリメチルブタン−1−アンモニウムクロリドヒドロクロリド(1.70g,7.35mmol)溶液を氷浴で15分間冷却した。無色溶液に、t−BuOCl(2.60mL,3当量,22.1mmol)をシリンジにより一度に加えて濃い黄色溶液を得た。反応混合液を0℃で30分間撹拌し、続いて減圧下で濃縮して無色油状物を得た。この油状物を水に溶解させ、水/アセトニトリルおよび0.05%の酢酸を移動相として用いて島津Prep−LCでの逆相クロマトグラフィーにより精製した。UV吸光度を215nmでモニターしてフラクションを収集した。フラクションをプールし、水浴を25℃に設定したロータリーエバポレーターにより濃縮して淡黄色固形物を得た(0.79g,40.8%)。
1H NMR (D
2O, 400 MHz): δ 1.25-1.28 (t, J = 8, 3H), 1.36 (s, 6H), 2.12-2.16 (m, 2H), 2.97 (s, 6H), 3.28-3.34 (m, 4H). C
9H
21Cl
2N
2 +に関するLRMS (ESI+) (227.1); 実測値: 227, 229 (M+, M2H+).
実施例27
N−ヘキシル−3−(ジクロロアミノ)−N,N,3−トリメチルブタン−1−アンモニウムクロリド
化合物(21−136)
3−アジド−N−ヘキシル−N,3−ジメチルブタンアミド
無水DCE(150mL)中のN−メチルヘキサン−1−アミン(4.69mL,1.0当量,30.9mmol)およびDIEA(7.0mL,1.3当量,40.2mmol)の撹拌した氷冷溶液に、3−アジド−3−メチルブタノイルクロリド(5.0g,30.9mmol)を5分かけて少しずつ加えた。反応液を氷浴から取り出し、室温で1時間撹拌した。反応混合液を分液漏斗に注ぎ入れ、1MのHCl(3x100mL)および飽和炭酸水素ナトリウム(2x100mL)で洗浄した。有機層を分離させ、有機層を分離させ、無水MgSO
4で乾燥させ、濾過し、濃縮し、高真空下で乾燥させ、黄色油状物を得た(5.14g,72.0%)。この物質をさらに精製することなく用いた。
1H NMR (CDCl
3, 400 MHz): δ 0.88-0.94 (m, 3H), 1.2-1.35 (m, 6H), 1.47 (d, 6H), 1.47-1.66 (m, 2H), 2.51 (s, 2H), 2.94-3.04 (d, J = 40 Hz, 3 H), 3.30-3.40 (m, 2H). C
12H
24N
4Oに関するLRMS (ESI+) (240.2); 実測値: 241 (MH+).
4−(ヘキシル(メチル)アミノ)−2−メチルブタン−2−イルカルバミン酸ベンジル
3−アジド−N−ヘキシル−N,3−ジメチルブタンアミド(5.0g,20.8mmol)を無水THF(50mL)中に溶解させ、無水THF(100mL)中のLAH(1.57g,2.0当量,41.6mmol)懸濁液に滴下して反応液を還流状態に保った(30分)。滴下完了後、フラスコをコンデンサーに取り付け、反応液を70℃の油浴で8時間加熱した。反応混合液を氷浴で冷まし、水(3.5mL)を20分かけて滴下した。次いで、15%のNaOH溶液(1.75mL)を10分かけて滴下した。懸濁液をさらに10分間撹拌し、水(3.5mL)を一度に加え、混合液を30分間撹拌して微細な白色懸濁液を得た。懸濁液をCelite(登録商標)パッドに通して濾過し、イソプロパノール(2x75mL)で洗浄した。濾液を合わせ、浴温を20℃に設定したロータリーエバポレーターで慎重に濃縮して淡黄色液体を得て、高真空下で乾燥させて液体を得た(2.48g,60%)。
粗N
1−ヘキシル−N
1−3−ジメチルブタン−1,3−ジアミン(2.48g,12.3mmol)をTHF(100mL)中に溶解させた。この溶液に、CbzOSu(3.08g,1当量,12.3mmol)を一度に加えた。反応物を室温で3日間撹拌し続けた。溶媒を除去し、残渣をジエチルエーテル(150mL)および水(50mL)の混合液に入れた。層を分離させ、有機層を1Mの炭酸ナトリウム(2x50mL)、1MのHCl(50mL)、およびブライン(100mL)で洗浄した。有機層を無水MgSO
4で乾燥させ、濾過し、濃縮して淡黄色油状物にした。粗油状物を、ヘキサン中の10〜80%酢酸エチルの勾配溶出を用いてISCO精製系で精製した。所望のフラクションを収集し、濃縮して白色固形物を得た(3.23g,収率:78.5%)。
1H NMR (CDCl
3, 400 MHz): δ 0.87-0.90 (t, J = 6, 3H), 1.26-1.35 (m, 6H), 1.39 (s, 6H), 1.43-1.47 (m, 2H), 1.62-1.68 (m, 4H), 2.21 (s, 3H), 2.30-2.34 (t, J = 8, 2H), 2.46-2.49 (t, J = 6, 2H), 5.06 (s, 2H), 7.29-7.36 (m, 5H). C
20H
34N
2O
2に関するLRMS (ESI+) (334.3); 実測値: 335 (MH+).
3−(ベンジルオキシカルボニルアミノ)−N−ヘキシル−N,N,3−トリメチルブタン−1−アンモニウムヨージド
4−(ヘキシル(メチル)アミノ)−2−メチルブタン−2−イルカルバミン酸ベンジル(3.10g,9.27mmol)を50mLの丸底フラスコに入れた。ヨウ化メチル(5.7mL,10当量,92.7mmol)を一度に反応液に加えた。スターラーバーを加え、フラスコを針金で固定した(wired down)セプタムで密封した。反応液を50℃で16時間撹拌し続けた。濃厚な懸濁液を濾過し、ジエチルエーテル(3x100mL)で洗浄し、高真空下で乾燥させて淡黄色粉末を得た(4.23g,95.6%)。
1H NMR (D
2O, 400 MHz): δ 0.90-0.95 (t, J = 7.2, 3H), 1.30 (s, 6H), 1.30-1.38 (m, 2H), 1.54-1.62 (m, 2H), 2.10-2.18 (m, 2H), 2.89 (s, 6H), 3.11-3.21 (m, 4H), 5.09 (s, 2H), 7.38-7.50 (m, 5H). C
21H
37N
2O
2 +に関するLRMS (ESI+) (349.3); 実測値: 349 (M+).
3−アミノ−N−ヘキシル−N,N,3−トリメチルブタン−1−アンモニウムクロリドヒドロクロリド
Ag
2O(1.94g,1.0当量,8.39mmol)を、メタノール(75mL)、水(125mL)および酢酸(1.0mL)の混合液中の3−(ベンジルオキシカルボニルアミノ)−N−ヘキシル−N,N,3−トリメチルブタン−1−アンモニウムヨージド(4.0g,8.39mmol)の溶液に一度に加えた。黒色の懸濁物はすぐにクリーム色の懸濁物に変化した。反応液を室温で30分間撹拌した。6NのHCl水溶液(5mL)をフラスコに一度に加えて白色の濁った懸濁液を得た。懸濁液を15分間撹拌し、次いで、Celite(登録商標)パッドに通して濾過し、固形物を水(2x30mL)で洗浄した。濾液を合わせ、10%のPd/C(300mg)を加え、フラスコを密封し、減圧下で脱気し、水素をバルーンから流し入れた(3X)。反応液を室温で17時間撹拌した。懸濁液をCelite(登録商標)パッドに通して濾過し、固形物を水(2x50mL)で洗浄した。濾液を濃縮して油状物にし、メタノール(25mL)に溶解させ、0.45ミクロンのPTFEフリットに通して濾過した。濾液を濃縮して油状物にし、高真空下で乾燥させて黄色油状物を得た(2.54g,105%)。
1H NMR (D
2O, 400 MHz): δ 0.75-0.79 (t, J = 8, 3H), 1.21-1.27 (m, 6H), 1.32 (s, 6H), 1.62-1.70 (m, 2H), 2.03-2.08 (m, 2 H), 3.01 (s, 6H), 3.21-3.25 (m, 2H), 3.34-3.39 (m, 2 H). C
13H
31N
2 +に関するLRMS (ESI+) (215.2); 実測値: 215 (M+).
N−ヘキシル−3−(ジクロロアミノ)−N,N,3−トリメチルブタン−1−アンモニウムクロリド
メタノール(75mL)および水(40mL)の混合液中の3−アミノ−N−ヘキシル−N,N,3−トリメチルブタン−1−アンモニウムクロリドヒドロクロリド(1.19g,4.15mmol)を、氷浴で15分間冷却した。無色溶液に、t−BuOCl(1.47mL,3当量,12.5mmol)をシリンジにより一度に加えて濃い黄色溶液を得た。反応混合液を0℃で30分間撹拌し、次いで減圧下で濃縮して無色油状物を得た。この油状物を水に溶解させ、水/アセトニトリルおよび0.05%の酢酸を移動相として用いて島津Prep−LCでの逆相クロマトグラフィーにより精製した。UV吸光度を215nmでモニターしてフラクションを収集した。フラクションをプールし、水浴を25℃に設定したロータリーエバポレーターにより濃縮して淡黄色固形物を得た(1.25g,94.3%)。
1H NMR (D
2O, 400 MHz): δ 0.76-0.8 (t, J = 8, 3H), 1.20-1.30 (m, 6H), 1.35 (s, 6H), 1.62-1.72 (m, 2H), 2.10-2.15 (m, 2 H), 2.99 (s, 6H), 3.19-3.23 (m, 2H), 3.30-3.34 (m, 2 H). C
13H
29N
2 +に関するLRMS (ESI+) (283.2); 実測値: 283, 285 (M+, M2H+).
実施例28
N−(3−(ジクロロアミノ)−3−メチルブチル)−N,N−ジメチルドデカン−1−アンモニウムクロリド
化合物(21−138)
3−アジド−N−ドデシル−N,3−ジメチルブタンアミド
無水DCM(150mL)中のN−メチルドデカンアミン(5.0g,25.1mmol)およびDIEA(5.70mL,1.3当量,32.6mmol)の撹拌した氷冷溶液に、3−アジド−3−メチルブタノイルクロリド(4.05g,1当量,25.1mmol)を少しずつ加えた。氷浴を取り外し、反応液を室温で3時間撹拌し続けた。反応内容物を分液漏斗に注ぎ入れた。有機層を1MのHCl(3x100mL)および飽和NaHCO
3(2x100mL)で洗浄した。それを無水MgSO
4で乾燥させ、濾過し、濃縮し、高真空下で乾燥させて粗油状物を得た(8.08g,定量的)。この物質を、溶出液として10〜40%の酢酸エチルおよびヘキサンの勾配を用いてISCOフラッシュクロマトグラフィー系で精製した。所望のフラクションを収集し、濃縮して淡黄色油状物を得た(7.28g,89.3%)。
1H NMR (CDCl
3, 400 MHz): δ 0.88-0.94 (m, 3H), 1.26-1.35 (m, 6H), 1.47-1.48 (d, J = 4, 6H), 1.50-1.59 (m, 2H), 2.51 (s, 2H), 2.94-3.04 (d, J = 40, 3H), 3.30-3.40 (m, 2H). C
18H
36N
4Oに関するLRMS (ESI+) (324.3); 実測値: 325 (MH+).
N 1 −ドデシル−N 1 ,3−ジメチルブタン−1,3−ジアミン
3−アジド−N−ドデシル−N,3−ジメチルブタンアミド(7.28g,22.4mmol)を無水THF(50mL)中に溶解させ、無水THF(100mL)中のLAH(1.70g,2.0当量,44.8mmol)懸濁液に滴下して反応液を還流状態に保った(30分)。滴下完了後、フラスコをコンデンサーに取り付け、反応液を70℃の油浴で8時間加熱した。反応混合液を氷浴で冷まし、水(1.7mL)を20分かけて滴下した。次いで、15%のNaOH溶液(1.7mL)を10分かけて滴下した。懸濁液をさらに10分間撹拌し、水(1.7mL)を一度に加え、混合液を30分間撹拌して微細な白色懸濁液を得た。懸濁液をCelite(登録商標)パッドに通して濾過し、ジエチルエーテル(2x100mL)で洗浄した。濾液を合わせ、浴温を10〜13℃に設定して濃縮してオレンジ色の液体にした(5.61g,88.0%)。C
18H
40N
2に関するLRMS (ESI+) (284.3); 実測値: 285 (MH+).
4−(ドデシル(メチル)アミノ)−2−メチルブタン−2−イルカルバミン酸ベンジル
粗N
1−ドデシル−N
1,3−ジメチルブタン−1,3−ジアミン(5.61g,19.7mmol)をTHF(100mL)中に溶解させ、氷浴で冷却した。固形CbzOSu(4.91g,1当量,19.7mmol)を反応液に一度に加えた。反応液を室温で16時間撹拌し続けた。溶媒を除去し、残渣を酢酸エチル(150mL)および水(50mL)の混合液中に入れた。層を分離させ、有機層を1Mの炭酸ナトリウム(2x50mL)およびブライン(50mL)で洗浄した。有機層を無水MgSO
4で乾燥させ、濾過し、濃縮して淡黄色油状物にした(8.08g)。粗油状物を、ヘキサン中の25〜100%の酢酸エチルの勾配溶出を用いてISCO精製系で精製した。所望のフラクションを収集し、濃縮して淡黄色油状物を得た(5.71g,収率:69.2%)。
1H NMR (CDCl
3, 400 MHz): δ 0.89-0.92 (t, J = 6, 3H), 1.21-1.36 (m, 17H), 1.39 (s, 6H), 1.56-1.66 (m, 4H), 2.21 (s, 3H), 2.30-2.34 (t, J = 8, 2H), 2.46-2.49 (t, J = 6, 2H), 5.06 (s, 2H), 7.28-7.41 (m, 5H). C
26H
46N
2O
2に関するLRMS (ESI+) (418.4); 実測値: 419 (MH+).
N−(3−(ベンジルオキシカルボニルアミノ)−3−メチルブチル)−N,N−ジメチルドデカン−1−アンモニウムヨージド
4−(ドデシル(メチル)アミノ)−2−メチルブタン−2−イルカルバミン酸ベンジル(4.70g,11.2mmol)を50mLの丸底フラスコに入れた。ヨウ化メチル(7.0mL,10当量,0.112mol)を、反応液に一度に加えた。スターラーバーを加え、フラスコを、針金で固定したセプタムで密封した。反応液を50℃で16時間撹拌し続けた。濃厚な懸濁液を濾過し、ジエチルエーテル(3x100mL)で洗浄し、高真空下で乾燥させて淡黄色粉末を得た(5.71g,90.8%)。
1H NMR (DMSO-d6, 400 MHz): δ 0.84-0.87(t, J = 7, 3H), 1.15-1.30 (m, 24H), 1.53-1.61 (m, 2H), 2.03-2.07 (m, 2H), 2.97 (s, 6H), 3.17-3.21 (m, 4H), 3.33 (s, 3H), 5.00 (s, 2H), 7.16 (bs, 1H), 7.30-7.40 (m, 5H). C
27H
49N
2O
2 +に関するLRMS (ESI+) (433.4); 実測値: 433 (M+).
N−(3−アミノ−3−メチルブチル)−N,N−ジメチルドデカン−1−アンモニウムクロリドヒドロクロリド
メタノール(75mL)、水(125mL)および酢酸(2.0mL)の混合液中のN−(3−(ベンジルオキシカルボニルアミノ)−3−メチルブチル)−N,N−ジメチルドデカン−1−アンモニウムヨージド(5.50g,1.0当量,9.81mmol)溶液に、Ag
2O(2.25g,9.81mmol)を一度に加えた。黒色の懸濁物はすぐにクリーム色の懸濁物に変化した。反応液を室温で30分間撹拌した。6NのHCl水溶液(5mL)をフラスコに一度に加えて白色の濁った懸濁液を得た。懸濁液を15分間撹拌し、続いてCelite(登録商標)パッドに通して濾過し、固形物を水(2x30mL)で洗浄した。濾液を合わせ、10%のPd/C(300mg)を加え、フラスコを密封し、減圧下で脱気し、水素をバルーンから流し入れた(3X)。反応液を室温で17時間撹拌した。懸濁液をCelite(登録商標)パッドに通して濾過し、固形物を水(2x50mL)で洗浄した。濾液を濃縮して油状物にし、メタノール(25mL)に溶解させ、0.45ミクロンのPTFEフリットに通して濾過した。濾液を濃縮して油状物にし、高真空下で乾燥させて黄色油状物を得た(3.00g,82.4%)。
1H NMR (D
2O, 400 MHz): δ 0.74-0.77 (t, J = 7, 3H), 1.20-1.30 (m, 18H), 1.32 (s, 6H), 1.60-1.70 (bs, 2H), 2.04-2.08 (m, 2H), 3.00 (s, 6H), 3.21-3.25 (m, 2H), 3.34-3.39 (m, 2H). C
19H
43N
2 +に関するLRMS (ESI+) (299.2); 実測値: 299 (M+).
N−(3−(ジクロロアミノ)−3−メチルブチル)−N,N−ジメチルドデカン−1−アンモニウムクロリド
メタノール(100mL)中のN−(3−アミノ−3−メチルブチル)−N,N−ジメチルドデカン−1−アンモニウムクロリドヒドロクロリド(1.80g,4.8mmol)の溶液を、氷浴で15分間冷却した。無色溶液に、t−BuOCl(1.75mL,3当量,14.5mmol)をシリンジにより一度に加えて濃い黄色溶液を得た。反応混合液を0℃で30分間撹拌し、続いて減圧下で濃縮して無色油状物を得た。この油状物を水に溶解させ、水/アセトニトリルおよび0.05%の酢酸を移動相として用いて島津Prep−LCでの逆相クロマトグラフィーにより精製した。UV吸光度を215nmでモニターしてフラクションを収集した。フラクションをプールし、水浴を25℃で設定したロータリーエバポレーターにより濃縮して淡黄色固形物を得た(0.579g,29.8%)。1H NMR (D2O, 400 MHz): δ 0.79-0.82 (t, J = 6, 3H), 1.15-1.38 (m, 19H), 1.42 (s, 6H), 1.60-1.70 (m, 2H), 2.13-2.17 (m, 2H), 3.08 (s, 6H), 3.25-3.29 (m, 2H), 3.32-3.36 (t, 2H), C19H41Cl2N2 +に関するLRMS (ESI+) (367.1); 実測値: 367, 369 (M+, M2H+).
実施例29
抗菌活性
抗菌活性を調べるために、Escherichia coli(ATCC 25922)、Staphylococcus aureus(ATCC 29213)、Pseudomonas aeruginosa(ATCC 27853)、およびCandida albicans(ATCC 10231)を最初のスクリーニングで用いた。さらに、テキサス州、フォートワースのAlcon Laboratoriesにより提供されるEscherichia coli(MCC 80392)、Staphylococcus aureus(MCC 91731)、Pseudomonas aeruginosa(MCC 4438)、およびCandida albicans(MCC 50319)を用いた。微生物の培養物を滅菌食塩水pH4で希釈して接種菌液を調製した。試験化合物を、ステップワイズ二倍希釈法(stepwise two-fold dilutions)により滅菌食塩水pH4で滴定した。合計1.0x105から1.0x106のコロニー形成単位(CFU)/mLの微生物を各チューブに加え、緩やかなボルテックスにより混合し、次いで室温で1時間インキュベートした。デイ−エングレイ培地(Dey-Engley Broth)中での試験対象物の希釈物を中和した後の所定の曝露直後に、ペトリ皿(トリプティックソイ寒天またはサブローデキストロース寒天)上での微生物のプレーティングを行った。プレートを37℃でインキュベートし、微生物の数を直接コロニーカウント法によりカウントして生存する微生物をCFU/mLとして定量化した。陽性増殖コントロールを、滅菌した0.9%の生理食塩水で調製した。化合物を、(必要に応じてHClおよび/またはNaOHを用いて)pH4またはpH7にて、緩衝化されていない等張性生理食塩水(SAL)またはリン酸緩衝生理食塩水(PBS)中に溶解させた。全ての化合物を3回試験した。その結果を表にして化合物の抗菌有効性範囲の比較を示した。
表2および3は、選択した化合物に関して上述される方法に従って得られたデータを示す。データは、最小殺菌濃度(MBC)または最小殺真菌濃度(MFC)(
≧99.9%殺菌)をμg/mLで示す。
実施例30
細胞毒性
細胞毒性を、2−(2−メトキシ−4−ニトロフェニル)−3−(4−ニトロフェニル)−5−(2,4−ジスルホフェニル)−2h−テトラゾリウム,一ナトリウム塩(WST−8)を含有するDOJINDO(商標)細胞カウンティングキット(WST−8)を用いて比色アッセイ系によりアッセイした。このアッセイでは、WST−8試薬は細胞中の脱水素酵素により生体還元されて、組織培養培地中で極めて水溶性の高いホルマザン生成物を生成した。オレンジ色のホルマザンは、生きている細胞でのみ生成され、細胞生存性を直接測定し、分光測定で読み取ることができる。(例えば、ヒトおよびその他の腫瘍細胞株を用いる培養における細胞増殖および薬剤感受性に関する可溶性テトラゾリウム/ホルマザンの評価法は、D. A. Scudiero et al.,Cancer Res., 48(17), 4827-33 (1988)により記載される。細胞生存性を調べるための同様のアプローチは当該技術分野で公知である。
標準的なアッセイにおいて、マウス線維芽細胞(ATCC CCL−1,L929)を、熱で不活性化させた10%のウシ胎児血清、L−グルタミン、ペニシリンおよびストレプトマイシンを補充した最小必須培地であるα培地で培養した。細胞をトリプシン処理し、顕微鏡下でカウントし、37℃で終夜インキュベーションした後に〜80%のコンフルエンスを達成するために、平底の96ウェルプレートの1ウェルあたり100μLにおいて1.5X104個の総細胞数で撒種した。アッセイ日には、組織培養の培地を除去し、30μLの新鮮な培地と交換した。
試験対象物を二倍連続希釈物として調製し、170μLの各希釈物を4ウェル各々に加えた(1ウェルあたりの総体積=200μL)。次いで、試験プレートを37℃のインキュベーターに60分間戻した。曝露させた直後に、各ウェルからの試験対象物を200μLの新鮮な培地と交換した。プレートを37℃で18〜20時間インキュベートした。翌日、増殖培地を100μL/ウェルの10μLのWST−8試薬を含有する新鮮な培地と交換した。細胞を、増殖条件下で光から保護しながら、発色が達成されるまで(通常、1〜4時間)インキュベートした(37℃の加湿インキュベーターで5%のCO2)。吸光度を、Molecular Device SpectraMax M5プレートリーダーを用いて、750nmの波長を対照にして450nmで読み取った。WST−8試薬を受けた未処理細胞またはビヒクルのみで処理した細胞を陽性細胞増殖とした。
表4は、選択された化合物について上記の方法により得られたデータ(CT
50,mM)を示す。各化合物に関するCT
50値を吸光度の値(A
450/750)から算出し、処理後の細胞の50%の生存率を生じる試験対象物の濃度として定義した。未処理細胞の各ウェルおよび希釈系列内の各ウェルからの吸光度A
450/750を測定した。各化合物に関するCT
50を算出するために、まず、全ての化合物濃度を、GraphPad Prism4(ver4.03)ソフトウェアを用いて対数変換した。次に、未処理コントロール細胞のウェルから得た吸光度データを含む、希釈系列から測定した全ての吸光度データにおいて、非線形回帰(曲線適合)分析を行った。希釈系列中の各希釈物について、平均A
450/750を4つの複製ウェルから算出した。x軸上の対数変換した化合物の濃度に対して、平均A
450/750データをy軸上にプロットし、CT
50値を、得られた最適曲線から算出した。
前記明細書は具体的な実施形態を記載するが、当業者は、様々な改変および変形が生じ得ることを理解する。従って、上記の具体的な実施態様は、例示のみを示すものであり、発明の範囲の限定を意味するものではなく、添付の特許請求の範囲の全ての範囲、ならびにそのいずれもの全ての均等の範囲のものが付与されるべきである。