JP2012255414A - 内燃機関 - Google Patents

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Abstract

【課題】圧縮比可変機構を備え、クランクシャフトを支持する支持部に潤滑油を十分に供給し、更に、圧縮比可変機構の動作を安定化させることができる内燃機関を提供する。
【解決手段】圧縮比可変機構は、モータ89に接続されている回転軸90と、ウォーム91,92と、ウォームホイール93,94と、ウォームホイール93,94に接続され、クランクケース79に対してシリンダブロック2を相対移動させるカムシャフト84,85とを含む。クランクケース79の挿入穴63の内部には隙間部70が形成されている。クランクケース79内の油路72は、隙間部70を通じてクランクシャフト61の支持部60に潤滑油を供給するように形成されている。挿入穴63の端面にはシール部材64が配置され、シール部材64とウォーム91とを互いに離す方向に付勢するコイルスプリングが配置されている。
【選択図】図3

Description

本発明は、内燃機関に関する。
内燃機関の燃焼室においては、空気および燃料の混合気が圧縮された状態で点火される。混合気を圧縮するときの圧縮比は、出力されるトルクおよび燃料消費量に影響を与えることが知られている。圧縮比を高くすることにより出力されるトルクを大きくしたり、燃料消費量を少なくしたりすることができる。一方で、圧縮比を高くしすぎると、ノッキング等の異常燃焼が生じることが知られている。従来の技術においては、運転期間中に圧縮比を変更することができる圧縮比可変機構を備える内燃機関が知られている。また、内燃機関の所定の部位には潤滑油が供給されることが知られている。
特開2010−138774号公報においては、シリンダブロックとクランクケースとの間に配置される2本のカム軸を、互いに同期させつつ同一方向に回転することにより、クランクケースに対してシリンダブロックを相対移動させる可変圧縮比の内燃機関が開示されている。この内燃機関においては、カム軸に偏心した円柱状のカム部を含み、カム軸の軸方向に垂直に延びる揺動部を設け、揺動部を駆動することにより、クランクケースに対するシリンダブロックの位置を定めることが開示されている。
特開2009−097449号公報においては、ウォームホイールおよびこれと噛み合うウォームを介して電動モータに接続されているシャフトの回転力を、偏心軸を含む制御シャフトに伝達することにより、クランクケースに対してシリンダブロックの位置を定める可変圧縮比の内燃機関が開示されている。この公報においては、電動モータに接続されているシャフトの一端と反対側の端には、抗力ばねが配置されることが開示されている。抗力ばねは、燃焼室における燃焼行程および膨張行程においてシャフトが受ける力に抗する方向に、シャフトを付勢することが開示されている。これにより、電動モータに接続されているシャフトの軸方向における荷重が効果的に低減されると開示されている。
特開2009−062866号公報においては、圧縮比可変機構のモータと、シャフトとの間に断熱接続プレートが配置されている内燃機関が開示されている。また、クランクケースからモータへの伝熱を抑制する断熱性モータ支持プレートを配置することが開示されている。この公報の内燃機関においては、モータの温度上昇を抑制することができて、モータのオーバーヒートの発生などを抑制することができることが開示されている。
特開2010−138774号公報 特開2009−097449号公報 特開2009−062866号公報
特開2009−062866号公報に開示されているように、クランクケースに対してシリンダブロックを支持するシャフトとして、偏心軸を有するシャフトを採用することにより、クランクケースに対してシリンダブロックを相対的に移動させることができる。偏心軸を有するシャフトを回転させるためのモータおよびモータに接続されている回転軸は、クランクケースの内部に配置することができる。クランクケースの内部に回転軸を挿入する挿入穴を設けて、この挿入穴に回転軸を配置することができる。
ところで、この公報に記載の内燃機関において、クランクシャフトは、クランクケースに支持されている。クランクケースの内部には潤滑油の油路が形成されている。クランクシャフトの支持部にも潤滑油が供給される。潤滑油の供給は、例えば、クランクケース内に形成されている油路をクランクシャフトの支持部まで延ばすことにより行うことができる。
ところが、上記の圧縮比可変機構においては、クランクシャフトの支持部の近傍に、モータに接続された回転軸が配置されている。クランクシャフトの支持部の真上にモータに接続されている回転軸が配置されており、クランクシャフトの支持部に潤滑油を供給する油路を形成することが難しい問題がある。十分な量の潤滑油をクランクシャフトの支持部に供給できない場合には、クランクシャフトの支持部が焼付く虞が生じる。
また、一方で、上記の公報に記載の内燃機関においては、偏心軸を有するシャフトにモータの回転力を伝達するためのウォームおよびウォームホイールには、摩耗や変形などの経年劣化が生じる場合がある。経年劣化等により、ウォームとウォームホイールとの間に隙間(バックラッシュ)が生じると、燃焼室の両側に配置された2つの偏心軸同士に位相のずれが生じる虞がある。この結果、圧縮比可変機構の動作が不安定になり、圧縮比の制御に悪影響を及ぼす虞がある。
本発明は、クランクケースとシリンダブロックとが相対的に移動する圧縮比可変機構を備え、クランクシャフトを支持する支持部に潤滑油を十分に供給し、更に、圧縮比可変機構の動作を安定化させることができる内燃機関を提供することを目的とする。
本発明の内燃機関は、クランクシャフトを支持し、内部に潤滑油の油路を有するクランクケースと、ピストンが配置される穴部を有するシリンダブロックと、クランクケースに対してシリンダブロックが相対移動するように形成され、クランクケースに対してシリンダブロックが離れる向きに移動することにより、燃焼室の容積が大きくなって圧縮比が小さくなる圧縮比可変機構とを備える。圧縮比可変機構は、電動機と、電動機に接続されている回転軸と、回転軸に固定されている第1歯車と、第1歯車に係合する第2歯車と、第2歯車に接続され、クランクケースに対してシリンダブロックを相対移動させる駆動軸とを含む。回転軸は、クランクケースの内部の挿入穴に支持されており、回転軸の表面と挿入穴の内面との間には隙間部が形成されている。クランクケースの油路は、隙間部を通じてクランクシャフトの支持部に潤滑油を供給するように形成されている。挿入穴の端面には、挿入穴と回転軸との間の領域からの潤滑油の流出を抑制するシール部材が配置され、シール部材と第1歯車との間には、シール部材と第1歯車とを互いに離す方向に付勢する付勢部材が配置されている。付勢部材の付勢力によりシール部材が挿入穴の端面に向かって押圧されるとともに、第1歯車の歯部が第2歯車の歯部に向かって押圧される。
上記発明においては、クランクケースの挿入穴の内径が回転軸の外径よりも大きく形成されて隙間部が形成されており、挿入穴と回転軸との間の領域において、回転軸の軸方向の両側の端部には筒状部材が配置され、回転軸は筒状部材を介して挿入穴に支持されることができる。
本発明によれば、クランクシャフトを支持する支持部に潤滑油を十分に供給し、更に、圧縮比可変機構の動作を安定化させることができる内燃機関を提供することができる。
実施の形態における内燃機関の概略図である。 実施の形態における内燃機関の圧縮比可変機構の概略分解斜視図である。 実施の形態における内燃機関の圧縮比可変機構のモータ、回転軸、ウォーム、およびウォームホイールの部分の拡大概略断面図である。 実施の形態における内燃機関が高圧縮比になった時のシリンダブロックおよびクランクケースの部分の概略断面図である。 実施の形態における内燃機関が低圧縮比になった時のシリンダブロックおよびクランクケースの部分の概略断面図である。 実施の形態における圧縮比可変機構の回転軸に取り付けられている2つのウォームのうち一方の側のウォームの拡大概略断面図である。
図1から図6を参照して、実施の形態における内燃機関について説明する。本実施の形態においては、車両に配置されている内燃機関を例に取り上げて説明する。
図1は、本実施の形態における内燃機関の概略図である。本実施の形態における内燃機関は、火花点火式である。内燃機関は、機関本体1を備える。機関本体1は、シリンダブロック2とシリンダヘッド4とを含む。シリンダブロック2の内部には穴部が形成されており、穴部にはピストン3が配置されている。ピストン3は、シリンダブロック2の内部で往復運動する。
燃焼室5は、それぞれの気筒ごとに形成されている。燃焼室5には、機関吸気通路および機関排気通路が接続されている。機関吸気通路は、燃焼室5に空気または燃料と空気との混合気を供給するための通路である。機関排気通路は、燃料の燃焼により生じた排気を燃焼室5から排出するための通路である。
シリンダヘッド4には、吸気ポート7および排気ポート9が形成されている。吸気弁6は吸気ポート7の端部に配置され、燃焼室5に連通する機関吸気通路を開閉可能に形成されている。排気弁8は、排気ポート9の端部に配置され、燃焼室5に連通する機関排気通路を開閉可能に形成されている。シリンダヘッド4には、点火装置としての点火プラグ10が固定されている。点火プラグ10は、燃焼室5にて燃料を点火するように形成されている。
本実施の形態における内燃機関は、燃焼室5に燃料を供給するための燃料噴射弁11を備える。本実施の形態における燃料噴射弁11は、吸気ポート7に燃料を噴射するように配置されている。燃料噴射弁11は、この形態に限られず、燃焼室5に燃料を供給できるように配置されていれば構わない。たとえば、燃料噴射弁は、燃焼室に直接的に燃料を噴射するように配置されていても構わない。
燃料噴射弁11は、電子制御式の吐出量可変な燃料ポンプ29を介して燃料タンク28に接続されている。燃料タンク28内に貯蔵されている燃料は、燃料ポンプ29によって燃料噴射弁11に供給される。
各気筒の吸気ポート7は、対応する吸気枝管13を介してサージタンク14に連結されている。サージタンク14は、吸気ダクト15を介してエアクリーナ(図示せず)に連結されている。吸気ダクト15の内部には、吸入空気量を検出するエアフローメータ16が配置されている。吸気ダクト15の内部には、ステップモータ17によって駆動されるスロットル弁18が配置されている。一方、各気筒の排気ポート9は、対応する排気枝管19に連結されている。排気枝管19は、排気処理装置21に連結されている。本実施の形態における排気処理装置21は、三元触媒20を含む。排気処理装置21は、排気管22に接続されている。
本実施の形態における内燃機関は、電子制御ユニット31を備える。本実施の形態における電子制御ユニット31は、デジタルコンピュータを含む。電子制御ユニット31は、双方向バス32を介して相互に接続されたRAM(ランダムアクセスメモリ)33、ROM(リードオンリメモリ)34、CPU(マイクロプロセッサ)35、入力ポート36および出力ポート37を含む。
エアフローメータ16の出力信号は、対応するAD変換器38を介して入力ポート36に入力される。アクセルペダル40には、負荷センサ41が接続されている。負荷センサ41は、アクセルペダル40の踏込量に比例した出力電圧を発生する。この出力電圧は、対応するAD変換器38を介して入力ポート36に入力される。
クランク角センサ42は、クランクシャフトが、例えば所定の角度を回転する毎に出力パルスを発生し、この出力パルスは入力ポート36に入力される。クランク角センサ42の出力により、機関回転数を検出することができる。また、クランク角センサ42の出力により、クランク角度を検出することができる。機関排気通路において、排気処理装置21の下流には、排気処理装置21の温度を検出する温度検出器としての温度センサ43が配置されている。温度センサ43の出力は、対応するAD変換器38を介して入力ポート36に入力される。
電子制御ユニット31の出力ポート37は、それぞれの対応する駆動回路39を介して燃料噴射弁11および点火プラグ10に接続されている。本実施の形態における電子制御ユニット31は、燃料噴射制御や点火制御を行うように形成されている。すなわち、燃料を噴射する時期および燃料の噴射量が電子制御ユニット31により制御される。更に点火プラグ10の点火時期が電子制御ユニット31により制御されている。また、出力ポート37は、対応する駆動回路39を介して、スロットル弁18を駆動するステップモータ17および燃料ポンプ29に接続されている。これらの機器は、電子制御ユニット31により制御されている。
吸気弁6は、吸気カム51が回転することにより開閉するように形成されている。排気弁8は、排気カム52が回転するようことにより開閉するように形成されている。本実施の形態における内燃機関は、可変動弁機構を備える。可変動弁機構は、吸気弁6の開閉時期を変更する可変バルブタイミング装置53を含む。本実施の形態における可変バルブタイミング装置53は、吸気カム51の回転軸に接続されている。可変バルブタイミング装置53は、電子制御ユニット31により制御されている。
本実施の形態における内燃機関は、圧縮比可変機構を備える。本発明においては、ピストンが圧縮上死点に達したときにピストンの冠面とシリンダヘッドとに囲まれる気筒内の空間を燃焼室と称する。内燃機関の圧縮比は、燃焼室の容積等に依存して定まる。本実施の形態における圧縮比可変機構は、燃焼室の容積を変更することにより圧縮比を変更するように形成されている。燃焼室における実際の圧縮比である実圧縮比は、(実圧縮比)=(燃焼室の容積+吸気弁が閉じている期間のピストンの行程容積)/(燃焼室の容積)で示すことができる。
図2は、本実施の形態における内燃機関の圧縮比可変機構の分解斜視図である。図2に示すシリンダブロックは、複数の気筒が並ぶ方向の略中央において破断して記載されている。図3は、圧縮比可変機構のカムシャフトを駆動するウォームおよびウォームホイールの部分の概略断面図である。図4は、内燃機関の燃焼室の部分の第1の概略断面図である。本実施の形態における内燃機関は、クランクケースを含む下部構造物と、下部構造物の上側に配置されているシリンダブロックとが互いに相対移動する。本実施の形態における下部構造物は、圧縮比可変機構を介してシリンダブロックを支持している。また、本実施の形態における下部構造物は、クランクシャフトを支持している。
図2から図4を参照して、シリンダブロック2の両側の側壁の下方には複数個の突出部80が形成されている。突出部80には、断面形状が円形のカム挿入孔81が形成されている。クランクケース79の上部には、複数個の突出部82が形成されている。突出部82には、断面形状が円形のカム挿入孔83が形成されている。クランクケース79の突出部82は、シリンダブロック2の突出部80同士の間に嵌合する。
本実施の形態における圧縮比可変機構は、クランクケース79に対してシリンダブロック2を相対移動させる駆動軸としてのカムシャフト84,85を含む。カムシャフト84,85には、それぞれのカム挿入孔83内に回転可能に挿入される円形カム88が配置されている。円形カム88は各カムシャフト84,85の回転軸線と同軸状に配置されている。一方で、それぞれの円形カム88の両側には、カムシャフト84,85の回転軸線に対して偏心して配置された偏心軸87が延びている。この偏心軸87上には、別の円形カム86が偏心して回転可能に取付けられている。これらの円形カム86は円形カム88の両側に配置されている。円形カム86は対応するカム挿入孔81内に回転可能に挿入されている。
圧縮比可変機構は、電動機としてのモータ89を含む。モータ89は、回転軸90に接続されている。回転軸90には、第1歯車としてのウォーム91,92が固定されている。2つのウォーム91,92は、螺旋方向が互いに逆向きに形成されている。それぞれのカムシャフト84,85には、第2歯車としてのウォームホイール93,94が固定されている。ウォームホイール93,94は、ウォーム91,92と噛み合うように配置されている。モータ89が回転軸90を回転させることにより、ウォーム91,92が回転する。ウォーム91,92の回転力は、ウォームホイール93,94に伝達され、カムシャフト84,85を、互いに反対方向に回転させることができる。
図4を参照して、それぞれのカムシャフト84,85上に配置された円形カム88を、矢印97に示すように互いに反対方向に回転させると、偏心軸87が円形カム88の上端に向けて移動する。円形カム86は、カム挿入孔81内において、矢印96に示すように円形カム88と反対方向に回転する。
図5に、本実施の形態における内燃機関の燃焼室の部分の第2の概略断面図を示す。図5は、圧縮比可変機構により低圧縮比になったときの概略図である。図5に示されるように偏心軸87が円形カム88の上端まで移動すると、円形カム88の中心軸が偏心軸87よりも下方に移動する。図4および図5を参照して、クランクケース79とシリンダブロック2との相対位置は、円形カム86の中心軸と円形カム88の中心軸との距離によって定まる。円形カム86の中心軸と円形カム88の中心軸との距離が大きくなるほどシリンダブロック2はクランクケース79から離れる。矢印98に示すようにシリンダブロック2がクランクケース79から離れるほど、ピストン3が圧縮上死点に達したときの燃焼室5の容積が大きくなる。
このように、本実施の形態における圧縮比可変機構は、クランクケースに対してシリンダブロックが相対的に移動することにより、燃焼室の容積が可変に形成されている。下死点から上死点までのピストンの行程容積と燃焼室の容積のみから定まる圧縮比を機械圧縮比と称すると、図4ではピストン3が圧縮上死点に到達しており、燃焼室5の容積が小さくなっている。吸入空気量が常時一定の場合には圧縮比が高くなる。この状態は、機械圧縮比が高い状態である。これに対して、図5ではピストン3が圧縮上死点に到達しており、燃焼室5の容積が大きくなっている。吸入空気量が常時一定の場合には圧縮比が低くなる。この状態は、機械圧縮比が低い状態である。本実施の形態における内燃機関は、運転期間中に圧縮比を変更することができる。たとえば、内燃機関の運転状態に応じて、圧縮比可変機構により圧縮比を変更することができる。
内燃機関は、一般的に機関負荷が低いほど熱効率が悪くなる。従って、内燃機関の運転時における熱効率を向上させるためには、負荷が低いときの熱効率を向上させることが好ましい。本実施の形態における圧縮比可変機構にて圧縮比を高くすることにより熱効率を向上させることができる。特に、圧縮比を高くすると、ピストンが上死点から下死点に向かうときの膨張比が大きくなるために熱効率が向上する。ところが、圧縮比可変機構により圧縮比を上昇させると、所定の圧縮比でノッキング等の異常燃焼が発現する。
本実施の形態における内燃機関は、可変動弁機構としての可変バルブタイミング装置を備え、吸気弁の開閉時期が可変に形成されている。吸気弁を閉じる時期を遅くすることにより、燃焼室に流入する空気量を少なくすることができる。すなわち、吸気弁を閉じる時期を遅くすることにより、燃焼室において混合気が圧縮される時の実圧縮比を小さくすることができる。たとえば、機械圧縮比を大きくした状態で、吸気弁の閉じる時期を遅くすることにより、実圧縮比を略一定に保つことができる。吸気弁の閉じる時期を遅くしても機械圧縮比が大きいために膨張比は大きな状態である。このために負荷が小さい時の熱効率の向上を図ることができる。
図3を参照して、本実施の形態における内燃機関は、機関本体1の各部位に潤滑油を供給する潤滑油供給装置を備える。本実施の形態における下部構造物は、クランクケース79に加えて、クランクケース79に固定されているオイルパンを含む。オイルパンの底部には潤滑油が貯留されている。ピストン3は、コネクティングロッドを介してクランクシャフト61に支持されている。
本実施の形態における潤滑油供給装置は、オイルパンに貯留する潤滑油をオイルポンプが吸い上げて加圧する。潤滑油供給装置は、オイルフィルタ等により潤滑油に含まれる異物を除去する。異物が除去された潤滑油は、クランクケース79の内部に形成された主油路としてのメインオイルギャラリ71に供給される。本実施の形態の潤滑油供給装置では、メインオイルギャラリ71から機関本体1の各部位に潤滑油が供給される。メインオイルギャラリ71は、クランクケース79の内部に形成されている油路の一部を構成している。メインオイルギャラリ71には、油路72が接続されている。
本実施の形態におけるモータ89および回転軸90は、クランクケース79に支持されている。クランクケース79には、回転軸90を挿入するための挿入穴63が形成されている。本実施の形態における挿入穴63は、複数の気筒が並ぶ方向のほぼ中央に配置されている。本実施の形態におけるクランクケース79の挿入穴63の内径は、回転軸90の外径よりも大きく形成されている。挿入穴63と回転軸90との間には、クランクケース79の油路として機能する隙間部70が形成されている。回転軸90の延びる方向の両側の端部には、筒状部材としてのブッシュ69が配置されている。回転軸90は、ブッシュ69を介して挿入穴63に支持されている。このように、回転軸90は、クランクケース79に回転可能に支持されている。
本実施の形態におけるクランクケース79は、クランクシャフト支持部材62を含む。クランクケース79は、凹部79aを有する。クランクシャフト支持部材62と凹部79aとにより、クランクシャフト61の支持部60が形成されている。
本実施の形態における支持部60は、回転軸90を挿通するための挿入穴63の近傍に配置されている。また、本実施の形態における挿入穴63は、支持部60の真上に配置されている。ウォーム91は、固定部材67により、回転軸90の一方の側に固定されている。また、ウォーム92は、固定部材68により、回転軸90の他方の側に固定されている。
図6に、本実施の形態における回転軸の一方の側に配置されているウォームの部分の拡大概略断面図を示す。本実施の形態におけるウォーム91は、クランクケース70の内部に配置されている。クランクケース70の挿入穴63の端面には、シール部材64が配置されている。シール部材64は、挿入穴63と回転軸90との間の領域から潤滑油が流出することを抑制する。シール部材64は、回転軸90とブッシュ69との摺動部分を覆うように配置されている。本実施の形態におけるシール部材64は、リング状に形成されている。
本実施の形態における圧縮比可変機構は、シール部材64とウォーム91との間に配置されている付勢部材を含む。本実施の形態における付勢部材は、コイルスプリング66を含む。コイルスプリング66は、矢印100に示すように、シール部材64とウォーム91とを互いに離す方向に付勢する。
図3を参照して、本実施の形態における回転軸90の他方の側に配置されているウォーム92と挿入穴63の端面との間にはシール部材65が配置されている。シール部材65は、シール部材64と同様に、挿入穴63に配置されているブッシュ69と回転軸90との摺動部分を覆うように配置されている。
本実施の形態におけるメインオイルギャラリ71に接続されている油路72は、回転軸90と挿入穴63との間の隙間部70に接続されている。さらに、隙間部70から延びる油路72は、クランクシャフト61の支持部60に接続されている。このように、本実施の形態におけるクランクケース79の油路72は、隙間部70を通じてクランクシャフト61の支持部60に接続されている。
メインオイルギャラリ71に供給された潤滑油は、油路72を通って隙間部70に供給される。隙間部70に潤滑油が供給されることにより、回転軸90が支持される部分に潤滑油を供給することができる。本実施の形態においては、回転軸90とブッシュ69との摺動面に潤滑油を供給することができる。更に、隙間部70の潤滑油を油路72を通してクランクシャフト61の支持部60に供給することができる。
図3および図6を参照して、回転軸90の一方の側においてはコイルスプリング66により、シール部材64が挿入穴63と回転軸90との間の領域に押圧される。このために、挿入穴63と回転軸90との間の領域から潤滑油が漏れることを抑制することができる。回転軸90の他方の側においても、回転軸90が矢印101に示す方向に付勢されているために、ウォーム92によりシール部材65を押圧することができる。ウォーム92と挿入穴63の端面との間にシール部材65が配置されていることにより、挿入穴63と回転軸90との間の領域から潤滑油が漏れることを抑制できる。
このように、本実施の形態においては、クランクシャフト61の支持部60に潤滑油を供給する油路が、回転軸90と挿入穴63との間の隙間部70を含む。この構成により、回転軸90の摺動面に潤滑油を供給することができる。また、潤滑油を回転軸90の挿入穴63を介してメインオイルギャラリ71からクランクシャフト61の支持部60に供給することができる。隙間部70を形成することにより、クランクケース79の内部の油路において、潤滑油が挿入穴63との間を通るときの圧損を抑制することができる。潤滑油の油路が細くなることを抑制することができて、十分な量の潤滑油をクランクシャフト61の支持部60に供給することができる。
また、挿入穴63の端面にシール部材64を配置することにより、隙間部70から多量の潤滑油が漏出して、クランクシャフト61の支持部60に供給する潤滑油の量が少なくなることを抑制できる。本実施の形態の圧縮機可変機構においては、メインオイルギャラリ71からクランクシャフト61の支持部60に十分な量の潤滑油を供給することができるため、支持部60が焼き付くことを抑制することができる。
本実施の形態における隙間部は、挿入穴の内径が回転軸の外径よりも大きく形成され、さらに、回転軸の両側の端部にブッシュが配置されることにより形成されているが、この形態に限られず、回転軸と挿入穴との間に油路として機能する隙間部が形成されていれば構わない。たとえば、回転軸の表面に凹部が形成され、凹部と挿入穴との間の空間によって油路が形成されていても構わない。または、回転軸の表面および挿入穴の内面のうち少なくとも一方に凹部を形成することにより、潤滑油の油路として機能する隙間部を形成することができる。
ところで、圧縮比可変機構では、複数の気筒が並ぶ方向に垂直な方向の両側に配置されているカムシャフト84,85の偏心軸の位相を同期させることが好ましい。すなわち、一方の側の駆動軸と他方の側の駆動軸とで、クランクケース79に対するシリンダブロック2の相対位置を同一にすることが好ましい。ところが、第1歯車のとしてのウォーム91,92と、第2歯車としてのウォームホイール93,94との間に、バックラッシュ(隙間)が生じると、左右の偏心軸の位相にずれが生じる場合がある。
例えば、製造時にバックラッシュがほぼ零になるように圧縮比可変機構を形成することができる。ところが、圧縮比可変機構を長期間にわたって使用すると、摩耗や変形が生じる場合がある。このような摩耗や変形により、ウォーム91,92とウォームホイール93,94との間にバックラッシュが生じる場合がある。
図3および図6を参照して、本実施の形態における圧縮比可変機構では、コイルスプリング66により、回転軸90を矢印101に示す向きに付勢している。このために、ウォーム91の歯部91aを、ウォームホイール93の歯部93aに向かって押圧することができる。ウォーム91の歯部91aをウォームホイール93の歯部93aに接触させることができる。このために、歯部91a,93aが変形したり摩耗したりしても、バックラッシュが生じることを抑制できる。
同様に、図3を参照して、他方の側に配置されているウォーム92およびウォームホイール94においても、回転軸90が矢印101に示す方向に付勢されるために、ウォーム92の歯部とウォームホイール94の歯部とを接触させることができて、バックラッシュが生じることを抑制することができる。このため、両側の偏心軸の位相のずれを抑制することができて、圧縮比可変機構の動作を安定化させることができる。
また、本実施の形態の圧縮比可変機構においては、回転軸90の駆動を滑らかにするために、挿入穴63の端面とウォーム91,92との間には間隙が設けられている。このような間隙は、例えば、温度が上昇すると大きくなったりする場合がある。回転軸90が間隙の範囲内にてスラスト方向(回転軸の軸方向)に自由に移動可能な場合には、回転軸90がスラスト方向に移動することにより、打音が生じる場合がある。たとえば、ウォーム91,92の歯部とウォームホイール93,94の歯部とが衝突して発生する打音、またはウォーム91,92と挿入穴63の端面とが衝突して発生する打音が生じる場合がある。本実施の形態の圧縮機可変機構においては、コイルスプリング66の弾性力により、回転軸90のスラスト方向の動きが抑制される。このために、回転軸90のスラスト方向の移動に伴うスラスト打音の発生を抑制することができる。
本実施の形態においては、付勢部材としてコイルスプリングが配置されているが、この形態に限られず、ウォームおよびシール部材を付勢する任意の付勢部材を採用することができる。例えば、付勢部材としては、ゴムや樹脂で形成されている弾性部材を採用することができる。
本実施の形態におけるモータに接続されている回転軸と共に回転する第1歯車はウォームを含み、シリンダブロックを駆動する駆動軸と共に回転する第2歯車はウォームホイールを含むが、この形態に限られず、第1歯車と第2歯車とは互いに係合する任意の歯車を採用することができる。
本実施の形態においては、クランクシャフトの支持部の真上に回転軸を挿入する挿入穴が形成されているが、この形態に限られず、回転軸を挿入する挿入穴がクランクシャフトの支持部の近傍に配置されている内燃機関に本発明を適用することができる。
本実施の形態における内燃機関は、ピストンが圧縮上死点に到達したときの燃焼室の容積を変更する圧縮比可変機構に加えて、吸気弁の閉弁時期を変更する可変動弁機構を備えるが、この形態に限られず、可変動弁機構を備えていない内燃機関にも本発明を適用することができる。
上述のそれぞれの図において、同一または相当する部分には同一の符号を付している。なお、上記の実施の形態は例示であり発明を限定するものではない。また、実施の形態においては、特許請求の範囲に示される変更が含まれている。
1 機関本体
2 シリンダブロック
3 ピストン
4 シリンダヘッド
5 燃焼室
31 電子制御ユニット
60 支持部
61 クランクシャフト
63 挿入穴
64,65 シール部材
66 コイルスプリング
69 ブッシュ
70 隙間部
71 メインオイルギャラリ
72 油路
79 クランクケース
84,85 カムシャフト
86 円形カム
87 偏心軸
88 円形カム
89 モータ
90 回転軸
91,92 ウォーム
93,94 ウォームホイール

Claims (2)

  1. クランクシャフトを支持し、内部に潤滑油の油路を有するクランクケースと、
    ピストンが配置される穴部を有するシリンダブロックと、
    クランクケースに対してシリンダブロックが相対移動するように形成され、クランクケースに対してシリンダブロックが離れる向きに移動することにより、燃焼室の容積が大きくなって圧縮比が小さくなる圧縮比可変機構とを備え、
    圧縮比可変機構は、電動機と、電動機に接続されている回転軸と、回転軸に固定されている第1歯車と、第1歯車に係合する第2歯車と、第2歯車に接続され、クランクケースに対してシリンダブロックを相対移動させる駆動軸とを含み、
    回転軸は、クランクケースの内部の挿入穴に支持されており、回転軸の表面と挿入穴の内面との間には隙間部が形成されており、
    クランクケースの油路は、隙間部を通じてクランクシャフトの支持部に潤滑油を供給するように形成されており、
    挿入穴の端面には、挿入穴と回転軸との間の領域からの潤滑油の流出を抑制するシール部材が配置され、シール部材と第1歯車との間には、シール部材と第1歯車とを互いに離す方向に付勢する付勢部材が配置されており、
    付勢部材の付勢力によりシール部材が挿入穴の端面に向かって押圧されるとともに、第1歯車の歯部が第2歯車の歯部に向かって押圧されることを特徴とする、内燃機関。
  2. クランクケースの挿入穴の内径が回転軸の外径よりも大きく形成されて隙間部が形成されており、挿入穴と回転軸との間の領域において、回転軸の軸方向の両側の端部には筒状部材が配置され、回転軸は筒状部材を介して挿入穴に支持されていることを特徴とする、請求項1に記載の内燃機関。
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