JP2012255212A - 高弾性・恒弾性合金及びその製造法並びに精密機器 - Google Patents

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Abstract

【課題】高いヤング率を有し、その温度係数が小さい恒弾性合金、及びこれを使用した精密機器を提供する。
【解決手段】Co20〜40%、Ni10〜20%、Cr5〜15%と、Ca、Sr、Baのそれぞれ2%以下のIIa族元素及びIIa族元素のフッ素化合物のそれぞれ1%以下の1種以上の合計0.0001〜5%、及び副成分としてMo、Wをそれぞれ10%以下、V、Nb、Ta、Cu、Mn、Ti、Zr、Hfをそれぞれ7%以下、Au、Ag、白金族元素、Al、Si、希土類元素をそれぞれ5%以下、Be3%以下、B、Cをそれぞれ1%以下の1種以上の合計0.001〜15%を含有する合金を、900℃以上融点未満の温度で焼鈍した後冷却し、加工率50%以上の線引き加工を施して所望の太さの線材とし、550〜720℃の温度で加熱する。ヤング率190GPa以上及び0〜40℃におけるヤング率の温度係数(-5〜5)×10−5を有する。
【選択図】図7

Description

本発明は、一般にコエリンバーといわれているFe-Co-Ni-Cr系合金の改良に関するものであり、さらに詳しく述べるならば、Ca、Sr、BaのI Ia族元素及び当該I Ia族元素のフッ素化合物の1種又は2種以上を添加することにより、ヤング率の温度係数が小さいというコエリンバーの特長を保ちつつ、ヤング率自体を高めた高弾性・恒弾性合金に関するものである。さらに、本発明は、副成分として、Mo、W、V、Nb、Ta、Cu、Mn、Ti、Zr、Hf、Au、Ag、白金族元素、Al、Si、希土類元素、Be、B、Cの1種又は2種以上を含有せしめた高弾性・恒弾性合金に関するものである。加えて、本発明は、本発明合金を高い生産性で製造するとともに、その特性の再現性を高めることができる高弾性・恒弾性合金の製造方法及び当該合金を使用した精密機器に関するものである。
本出願人・財団法人の理事長であった増本 量が発明者となっている特許文献135850号(特公昭16-5622号公報)は、コエリンバーに関するものであり、その特許請求の範囲は次のとおりである。「1 〜74.9% Co,2〜 17% Cr,16〜 68%Fe,0.1〜 38%Ni,但しNi及びCoの総和25〜 75%を含む合金を常温又は高温で加工して所定形に作り、これに適当な熱処理を施し、常用範囲の温度変化に対し略々不変振動数又は不変偏倚を有する弾性作働体」である。したがって、特許文献1で開示されているコエリンバーの製造工程は、熱間又は冷間加工及びこれに続く熱処理からなるものである。
特許文献1の発表以来、コエリンバーは主として時計に使用されてきたが、特許文献1から約17年後の時点において実用されていたコエリンバーの組成及び特性に関して、本出願人・財団法人の理事であった斉藤が非特許文献1:「新時代の磁性材料」工業調査会1983年6月10日発行2刷、第258〜264頁に発表している。それは(1)43.6%Co、34.6%Fe、12.7%Cr、9.1%Ni、熱膨張係数(10〜50℃)7.4 ×10-6,横弾性係数7080kg/mm2,横弾性係数の温度係数 (20〜50℃)0.0、及び(2)27.7%Co,39.2%Fe,10.0%Cr,23.1%Ni,熱膨張係数(10〜 50℃)8.1 ×10-6,横弾性係数6610kg/mm2,横弾性係数の温度係数 (20〜50℃)-0.2×10-5である。また、非特許文献1では、コエリンバーは加工と熱処理により硬化し、高弾性となり、また合金元素の酸化が特性の再現性に影響すると解説されている。
さらに、新しいコエリンバーの組成・特性などは非特許文献2:「改訂4版金属データブック」日本金属学会編、平成16年2月29日発行、第249頁に発表されており、これを次に引用する。
従来、Fe−Co−Ni−Cr系合金(コエリンバ−)は、ヤング率の温度係数が小さい恒弾性特性を有していることから、吊り線、コイルばね、板ばね及びひげぜんまい等に用いており、さらに当該吊り線、コイルばね、板ばね及びひげぜんまいは精密機器、例えば測量機、地震計、回転計及び時計等に使用されている。
非特許文献1で提案されたコエリンバーのCrをMo、W、V又はMnで置き換えた各種恒弾性合金が提案されている。一方で、コエリンバーの基本成分であるFe−Co−Ni−Cr合金成分をそのまま維持しつつ特性の改良を試みた発表は、上記非特許文献では示されていない。本出願人は特許文献1の特許成立当時から現在までコエリンバーを製造しているので、非特許文献1、2で公表された組成以外について良好な特性を達成することは困難であったと評価できる。
さらに、本発明者らは、非特許文献2の特性を再現するために製造上条件を変えてコエリンバーを製造したところ、後述の表6の条件により当該特性を得ることができ、一方、線引き加工率などさらに高めるとヤング率の温度係数は悪化するので、表6の条件が最良であることを確認した。したがって、非特許文献2の特性は現時点におけるコエリンバーのチャンピオンデータであるといえる。
また製造方法については、コエリンバーは、Fe-Ni系合金と比べると健全な鋳塊、特に大型鋳塊を得ることが困難である。さらに、Co系合金特有の加工性不良の問題がある。これらの問題は小型鋳塊を多くの工程を経て加工すると対応は可能であるが、生産性が著しく低下する。さらに、非特許文献2においては、特性の再現性を高めるためには製造中の酸化を防止することが有効であると解説されており、実際に真空溶解などが行われているが、十分な成果は挙げられていなかった。
特公昭16−5622号公報
「新時代の磁性材料」工業調査会1983年6月10に発行2刷、第258〜264頁 「改訂4版金属データブック」日本金属学会編、平成16年2月29日発行、第249頁
上述のように、従来のコエリンバーは、ヤング率の温度係数を本来の低い値に保ちつつ同時にヤング率自体を高くすることができず、また、恒弾性特性を有する組成範囲が狭いという問題があった。
さらに、特許文献1で開示されたコエリンバーの製造方法は、甚だ簡略であり、実際にコエリンバーを製造するには適していない。上述のようにコエリンバーは酸化などにより再現性が劣る特質があるので、再現性良く、かつ大量に生産する方法を提供することが強く要望されている。
本発明は、このような現状に鑑み、Fe−Co−Ni−Cr合金のコエリンバーに、Ca、Sr、BaのI Ia族元素及び当該I Ia族元素のフッ素化合物を添加して、ヤング率、ヤング率の温度係数等について鋭意研究した結果、見出されたものである。その結果、質量比にて、Co20〜40%、Ni10〜20%、Cr5〜15%とCa、Sr、Baのそれぞれ2%以下のI Ia族元素及び当該I Ia族元素のフッ素化合物のそれぞれ1%以下の1種又は2種以上の合計0.0001〜5%、及び残部Feからなる合金、或いは必要ならば、これに副成分としてMo、Wをそれぞれ10%以下、V、Nb、Ta、Cu、Mn、Ti、Zr、Hfをそれぞれ7%以下、Au、Ag、白金族元素、Al、Si、希土類元素をそれぞれ5%以下、Be3%以下,B、Cをそれぞれ1%以下の1種又は2種以上の合計0.001〜15%を添加した合金が見出された。
さらに、コエリンバーの製造に際して、溶解、熱間鍛造及び圧延、焼鈍、線引き加工及び熱処理からなる工程条件を設定するに際して、前記のI Ia族元素及び当該I Ia族元素のフッ素化合物を所定量添加した改良コエリンバーは、上記製造条件を、ヤング率の温度係数及びヤング率の両方が良好になるように、有利に設定できることを見出した。また、製造中の酸化などに対する再現性不良が抑えられることを見出した。
本発明の特徴とする処は次の通りである。
(1)第1発明は、質量比にて、Co20〜40%,Ni10〜20%、Cr5〜15%とCa,Sr,Baのそれぞれ2%以下のI Ia族元素及び当該I Ia族元素のフッ素化合物のそれぞれ1%以下の1種又は2種以上の合計0.0001〜5%、及び残部Feと不可避的不純物からなり、ヤング率190GPa以上及び0〜40℃におけるヤング率の温度係数(-5〜5)x10−5を有することを特徴とする高弾性・恒弾性合金に関する。
(2)第2発明は、 質量比にて、Co20〜40%,Ni10〜20%、Cr5〜15%とCa,Sr,Baのそれぞれ2%以下のI Ia族元素及び当該I Ia族元素のフッ素化合物のそれぞれ1%以下の1種又は2種以上の合計0.0001〜5%、及び副成分としてMo、Wをそれぞれ10%以下、V,Nb、Ta、Cu、Mn,Ti、Zr、Hfをそれぞれ7%以下、Au,Ag,白金族元素、Al、Si、希土類元素をそれぞれ5%以下、Be3%以下,B、Cをそれぞれ1%以下の1種又は2種以上の合計0.001〜15%、及び残部Feと不可避的不純物とからなり,ヤング率190GPa以上及び0〜40℃におけるヤング率の温度係数(-5〜5)x10−5 を有することを特徴とする高弾性・恒弾性合金に関する。
(3)第3発明は、線材、細線、板材もしくは薄板に加工された上記(1)又は(2)項記載の高弾性・恒弾性合金を用いた精密機器に関する。
(4)第4発明は、上記(1)又は(2)項記載の組成を有する合金を、熱間鍛造及び熱間加工にて適当な形状に加工し、900℃以上融点未満の温度で焼鈍した後冷却し、ついで加工率50%以上の線引き加工を施して所望の太さの線材又は細線になした後、当該線材又は細線を550〜720℃の温度で加熱することにより、ヤング率190GPa以上及び0〜40℃におけるヤング率の温度係数(-5〜5)x10−5を有する高弾性・恒弾性合金の製造法に関する。
(5)第5発明は、上記(1)又は(2)項記載の組成を有する合金を、熱間鍛造及び熱間加工にて適当な形状に加工し、900℃以上融点未満の温度で焼鈍した後冷却し、ついで圧下率50%以上の圧延加工を施して所望の厚さの板又は薄板になした後、当該板又は薄板を550〜720℃の温度で加熱することにより、ヤング率190GPa以上及び0〜40℃におけるヤング率の温度係数(-5〜5)x10−5を有する高弾性・恒弾性合金の製造法に関する。
(6)第6発明は、上記(1)又は(2)項記載の組成を有する合金を,熱間鍛造及び熱間加工にて適当な形状に加工し、900℃以上融点未満の温度で焼鈍した後冷却し、ついで加工率50%以上の線引き加工を施して所望の太さの線材又は細線になした後,さらに当該線材又は細線に圧下率30%以上の圧延加工を施して所望の厚さの板又は薄板になした後、当該板又は薄板を550〜720℃の温度で加熱することにより、ヤング率190GPa以上及び0〜40℃におけるヤング率の温度係数(-5〜5)x10−5を有する高弾性・恒弾性合金の製造法に関する。
次に、本発明を、高弾性・恒弾性合金の組成、特性及び製造方法の順に説明する。
組成
本発明合金の成分組成系は、Co20〜40%、Ni10〜20%、Cr5〜15%、下記の特定のIIa族元素及びそのフッ素化合物、及び残部Feと不可避的不純物からなる。本発明者らは、非特許文献1の組成(2)及び非特許文献2の組成を中心にCo、Ni、Cr量を増減させ、かつ下記の特定のIIa族元素及びそのフッ素化合物を添加して、ヤング率及びその温度係数を測定した。即ち、Ca、Sr、Baのそれぞれ2%以下のI Ia族元素及び当該I Ia族元素のフッ素化合物、例えばCaF2、SrF2及びBaF2のそれぞれ1%以下の1種又は2種以上の合計0.0001〜5%を添加した。その結果、上記した組成範囲ではヤング率が190GPa以上で、0〜40℃におけるヤング率の温度係数が(-5〜5)×10−5となることを見出した。即ち、非特許文献1の組成(2)及び非特許文献2の組成よりも組成範囲を拡張することができるが、この組成範囲をはずれると、ヤング率が190GPa以下で、0〜40℃におけるヤング率の温度係数が-5×10−5以下又は5×10−5以上となり、高弾性・恒弾性合金が得られない。
Fe−Co20〜40%、Ni10〜20%、Cr5〜15%合金は、均質な面心立方格子の単一相(γ相)の多結晶からなり、鋳塊を熱間及び冷間加工を施し、かつ加熱処理を施すと、鋳造組織はほとんど残らず、塑性加工組織が再結晶化された状態となっている。上記したFe−Co−Ni−Cr系合金に添加されたCa、Sr、Baのそれぞれ2%以下のI Ia族元素及び当該I Ia族元素のフッ素化合物のそれぞれ1%以下の何れか1種又は2種以上(以下「Caなど」ということもある)は、γ相の母相中に分散析出することにより基地を強固にすると共に、さらには、結晶粒界に偏析することにより、粒界を強固にして、粒界における転位の移動を妨害する効果により、ヤング率及び強度を高める。また、恒弾性特性は磁性と緊密な関係にあるので、非磁性元素であるCaなどの適当量を添加することにより、飽和磁束密度及び磁気変態点が低下し、恒弾性特性が得られる。
Caなどは、Fe−Co−Ni−Cr系合金が微量に含有している燐、酸素、硫黄及び窒素等の不純物元素に良く反応して、脱燐・脱酸・脱硫・脱窒素の作用が顕著に現出し、これらの不純物元素を除去する。したがって、Fe−Co−Ni−Cr系合金を溶解炉から取鍋を経て鋳型に注入する際に湯流れが良好になり、鋳型を完全に充満した状態で凝固が起こり、鋳塊での介在物や不純物の偏析などが少なくなる。さらに、鋳塊や中間素材が介在物などを多く含有していると、熱間加工性若しくは冷間加工性が損なわれるが、これらの加工性が著しく改善される。なお、表2は、通常Fe−Co−Ni−Cr系合金に含有される不純物を示すものであり、それぞれ後述の実施例に相当している。
図1は、コエリンバ−にCa、Sr、Ba、CaF2、SrF2又はBaF2をそれぞれ添加した合金について、加工率99%の線引き加工を施した後630℃で1時間加熱した場合の、添加量とヤング率及びその温度係数との関係を示したものである。
図1の横軸は、Ca、Ba、 Sr、CaF2、SrF2又はBaF2(即ち、「Caなど」)の添加量を示している。横軸の10−4%は、原子吸光分析法による分析限界を示している。この図1において、Caなどの添加量とともにヤング率Eが単調に増加しているのは、Caなどによる不純物除去及び粒界強化に関連していると考えられる。ヤング率の温度係数eは、図1の範囲内では恒弾性特性を示している。但し、10−1%以上の添加量においてヤング率の温度係数が小さくなり、望ましい恒弾性特性となる。これはCaなどが非磁性元素であるので飽和磁束密度及び磁気変態点が低下するためと考えられる。
そして、さらに副成分としてMo,Wをそれぞれ10%以下、V、Nb、Ta、Cu、Mn、Ti、Zr、Hfをそれぞれ7%以下、Au、Ag,白金族元素、Al、Si、希土類元素をそれぞれ5%以下、Be3%以下,B、Cをそれぞれ1%以下の1種又は2種以上の合計0.001〜15%を添加すると、図2、3、及び4に示されるように、これら元素の添加はヤング率及び強度を高める効果とともに、これ等の添加元素は非磁性であるので、適当量を添加すると飽和磁束密度及び磁気変態点を低下させ、ヤング率の温度係数を小さくする効果がある。さらに、これらの内Mn、Al、Si、Ti,希土類元素を添加すると脱酸・脱硫の効果が特に大きい。
図2は、合金番号30に副成分のMo、W、V、Nb又はTaをそれぞれ添加した合金について、図3は同じく合金番号30にCu、Mn、Ti、Zr又はHfをそれぞれ添加した合金について、図4は同じく合金番号30にAu、Ag、Pt、Al、Si、La、Be、Y、B又はCをそれぞれ添加した合金について、加工率99%の線引き加工を施した後650℃で2時間加熱した場合の、添加量とヤング率及びその温度係数との関係を示したものである。
なお、希土類元素はSc、Y及びランタン系元素からなるものであるが、その効果は均等であり、また白金族元素はPt、Ir、Ru、Rh、Pd、Osからなるが、その効果も均等であり、同効成分と見做し得る。
特性
(1)ヤング率
本発明のヤング率は、190GPa以上の高弾性であるが、線材及び板の場合は自由共振法で、細線及び薄板の場合は動的粘弾性法で測定した。
(2)ヤング率の温度係数
本発明のヤング率の温度係数は、0〜40℃の温度範囲で(-5〜5)×10−5で小さく、優れた恒弾性特性を有している。測定法は、ヤング率の測定と同様である。
製造法
(1)溶解
本発明の合金を造るには、原料である金属コバルト、金属ニッケル、金属クロム及び電解鉄ならびに金属Ca、Sr、BaのI Ia族元素及び当該I Ia族元素のフッ素化合物を適当に混合して、質量比にてCo20〜40%、Ni10〜20%、Cr5〜15%とCa、Sr、Baのそれぞれ2%以下のI Ia族元素及び当該I Ia族元素のフッ素化合物のそれぞれ1%以下の1種又は2種以上の合計0.0001〜5%、及び残部Feの組成となるようにする。これらの原料はFe−Niプレアロイ、あるいはFeとCaなどとのプレアロイとすることができる。
原料は空気中、好ましくは非酸化性雰囲気(水素、アルゴンなどのガス)又は真空中において、適当な溶解炉、例えば高周波溶解炉等を用いて溶解する。副成分元素を含有する場合は、Mo、Wをそれぞれ10%以下、V、Nb、Ta、Cu、Mn、Ti、Zr、Hfをそれぞれ7%以下、Au,Ag,白金族元素、Al、Si、希土類元素をそれぞれ5%以下、Be3%以下,B、Cをそれぞれ1%以下の1種又は2種以上の合計0.001〜15%の所定量を添加して充分に撹拌して組成的に均一な溶融合金を造る。
(2)鍛造及び熱間加工
次に、溶融合金を、1450〜1550℃で適当な形及び大きさの鋳型に注入して鋳塊を得る。鋳塊の大きさは1〜10kg程度が好ましい。さらに当該鋳塊を900℃以上融点未満、好ましくは1000〜1300℃に加熱して、鋳塊を熱間鍛造により適当な形状にする。その後、鍛造された素材に熱間圧延、丸棒用熱間ロ−ルなどの熱間加工を施して適当な形状の中間素材にする。
(3)均質化熱処理
恒弾性合金の用途である精密部品は、1個の重量が非常に小さく、かつ多量に使用されるので、小さい部品のそれぞれが一定した特性をもっていることが重要であるので、均質化熱処理が行われる。
上記した中間素材を、均質化熱処理する。即ち、熱間の鍛造加工及びその後の熱間加工により、ある程度鋳造組織は破壊されているが、まだ鋳造組織は残っているので、これを均質化する必要がある。さらに、中間素材に熱処理を施すことにより、均質化を促進することができる。均質化においては、900℃以上融点未満の温度、好ましくは950〜1300℃において適当時間、好ましくは0.5〜5時間加熱して焼鈍した後冷却する。均質化熱処理が900℃未満であると、凝固中に生じた組成的に不均質な組織を、均質な組織にできない。
(4)線引き加工又は圧延加工
精密部品にするためには、中間素材の寸法をさらに小さくする必要があり、さらに、図5,6及び7に示すように、線引き加工又は圧延加工により、組織は硬化し、ヤング率を高めることができる。したがって、加工率50%以上の線引き加工又は圧延加工が望ましいが、加工率50%以上の線引き加工を施した後圧延加工を施す場合は、圧延加工の圧下率は30%以上が望ましい。
(5)加工後の加熱処理
線引き又は圧延加工後、550〜720℃、好ましくは580〜700℃の温度範囲で適当時間、好ましくは0.5〜20時間加熱処理すると、図5,6,及び7に示すように、ヤング率は190GPa以上と大きく保たれ、その温度係数も(-5〜5)×10−5で小さく恒弾性特性が得られる。しかし、550℃以下の温度における加熱では、加工による硬化が除去されず機械的柔軟性が失われ、また恒弾性特性も得られない。また、720℃以上の温度で加熱すると組織が軟化し、ヤング率が低下すると共に、その温度係数が大きくなり恒弾性特性が失われる。
本発明の高弾性・恒弾性合金、その製造方法及び用途を効果の面からさらに説明する。
(1)ヤング率
本発明合金の基本成分系であるFe−Co−Ni−Cr系合金にCaなどを所定量添加するとともに、圧延・線引き加工及び加工後の熱処理条件を調整することにより、190GPa以上という高いヤング率を得ることができる。すなわち、Caなどは上記基本成分系の合金を強化し、また、従来のコエリンバーよりも圧延・線引き加工を、ヤング率が高くなるような条件に設定することができるので、高いヤング率を得ることができる。これに対して、従来のコエリンバーはこのような加工条件を設定しようとすると、ヤング率の温度係数が低下して、恒弾性特性が失れる。
(2)耐衝撃性
本発明の合金は上述のように高加工度の加工が可能であるから硬化が大きく、このため精密機器が使用される条件における耐衝撃性に優れている。
(3)ヤング率の温度係数
本発明の合金は、ヤング率の温度係数が(-5〜5)×10−5であり、小さくて優れた恒弾性特性を有する。
(4)製造方法
非特許文献1,2で示すように従来コエリンバーとして具体的に発表された組成は数例にしか過ぎなかったが、本発明によると後述の実施例で示すように組成を広範囲に変えたFe−Co−Ni−Cr系合金について所望の特性を得ることができる。これはCaなどを添加することにより加工が格段に容易になったためである。
(5)用途
吊り線、コイルばね、板ばね及びひげぜんまい等に好適であり、さらに吊り線を使用する測量機、コイルばねを使用する地震計、板ばねを使用する回転計及びひげぜんまいを使用する時計等の高弾性・恒弾性合金としても好適であるばかりでなく、高弾性及び恒弾性特性並びに耐衝撃性を必要とする一般の精密機器に使用する弾性材料としても好適である。
次に本発明の実施例について説明する。
実施例1
合金番号30(組成Co=28.8%、Ni=16.0%,Cr=9.5%,Sr=0.8%,BaF=0.10%、Fe=残部)の合金の製造。
原料としては、何れも市販の99.9%純度の電解鉄、電解ニッケル、電解コバルト、電解クロム、金属ストロンチウム及びバリウムフッ素化合物(BaF)を用いた。原料の全重量 800gをアルミナ坩堝に入れ、真空中で高周波誘導電気炉によって溶かした後、よく撹拌して均質な溶融合金とした。ついで、これを1500℃で直径25mm、高さ170mmの孔をもつ金型鋳型に注入し、完全に凝固後鋳塊を鋳型から分離した。その後鋳塊を約1200℃に加熱して鍛造して直径20mmの角棒とした。さらに、この角棒を約1200℃に再加熱した後、直径10mmまで丸棒用熱間ロ−ル機を用いて丸棒に熱間加工して、放冷した。その後、当該丸棒を1150℃で1時間加熱し、焼鈍した。ついで、常温で冷間線引き加工を施して5mmの線材となした後、当該線材を1050℃の真空中で2時間加熱して焼鈍し、さらに種々な加工率で適当な径の線材になした後、適当な温度及び時間で熱処理を施して,種々な特性の測定を行い,表3のような特性値を得た。
さらに、図5(A)は、合金番号30について、種々な加工率で線引き加工を施した後、630℃で1時間加熱した場合の、線引き加工率とヤング率E及びその温度係数eとの関係を示したものである。図5(B)は、加工率99%の線引き加工を施した後、種々な温度で加熱した場合の、加熱温度とヤング率E及びその温度係数eとの関係を示したものである。
実施例2
合金番号43(組成Co=31.0%、Ni=15.0%、Cr=10.0%、Ca=0.6%、SrF=0.05%、Mo=7.0%、Fe=残部)の合金の製造。
原料として,何れも市販の99.9%純度の電解鉄、電解ニッケル、電解コバルト、電解クロム、金属カルシウム、ストロンチウムフッ素化合物(SrF)及びモリブデンを用いた。続いて、溶解、造塊及び鍛造を実施例1と同様に行い得られた20mmの角棒を、約1150℃で厚さ10mmまで熱間圧延機を用いて板にした後、当該板を1100℃で2時間加熱し、焼鈍した。ついで、常温で冷間圧延機を用いて圧延加工を施して3mmの板材となした後、当該板材を1100℃の真空中で2時間加熱して焼鈍し、さらに種々な圧下率で適当な厚さの薄板になした後、適当な温度及び時間で熱処理を施して,種々な特性の測定を行い,表4のような特性値を得た。
さらに、図6(A)は、合金番号43について、種々な圧下率で圧延加工を施した後、650℃で2時間加熱した場合の、圧下率とヤング率E及びその温度係数eとの関係を示したものである。図6(B)は、圧下率98%の圧延加工を施した後、種々な温度で加熱した場合の、加熱温度とヤング率E及びその温度係数eとの関係を示したものである。
実施例3
合金番号126(組成Co=28.0%、Ni=14.7%、Cr=8.8%、Ba=0.8%,CaF=0.12%、W=6.5%、Nb=3.5%、Fe=残部)の合金の製造。
原料として、何れも市販の99.9%純度の電解鉄、電解ニッケル、電解コバルト、電解クロム、バリュウム、カルシュウムフッ素化合物、タングステン及びニオブを用いた。溶解、造塊を実施例1と同様に行い、これを約1200℃で鍛造して直径20mmの丸棒を得る方法で分塊を行った。鍛造丸棒を約1150℃に加熱した後、直径10mmまで丸棒用熱間ロ−ル機を用いて熱間加工した後放冷し、当該丸棒を1200℃で1時間加熱し、焼鈍した。ついで、常温で冷間線引き加工を施して5mmの線材となした後、当該線材を1200℃の真空中で1時間加熱して焼鈍し、さらに冷間線引機を用いて種々な加工率で適当な径の線材になした後、さらに当該線材を冷間圧延機を用いて適当な厚さまで圧延加工して薄板になした。ついで、当該薄板を適当な温度及び時間で熱処理を施して,種々な特性の測定を行い,表5のような特性値を得た。
さらに、図7(A)は、合金番号126について、加工率95%の線引き加工を施して細線になした後、当該細線を種々な圧下率で圧延加工を施して薄板になし、さらに当該薄板を670℃で2時間加熱した場合の、圧延加工率(圧下率)とヤング率E及びその温度係数eとの関係を示したものである。図7(B)は、加工率95%の線引き加工を施した細線を、さらに圧下率60%の圧延加工を施した後、種々な温度で2時間加熱した場合の、加熱温度とヤング率E及びその温度係数eとの関係を示したものである。
実施例4
表6及び7に組成を示す合金(但し、合金組成の残部はFeである)につき線材及び細線又は板及び薄板を製造した。即ち、表6において加工率が「−」となっている合金は実施例2の製造方法により、圧下率が「−」となっている合金は実施例1の製造方法により、それ以外は実施例3の製造方法により、線材及び細線又は板材及び薄板を製造した。
本発明合金は、ヤング率が190GPa以上で高く、0〜40℃におけるヤング率の温度係数は(-5〜5)×10−5で小さく、優れた恒弾性特性を有しており、測量機、地震計、回転計、及び時計ばかりでなく、高弾性及び恒弾性特性を必要とする,一般の精密機器の弾性材料としても好適であるので、産業上多大な貢献をなすものである。
コエリンバ−に、Ca、Sr、Ba、CaF2、SrF2又はBaF2をそれぞれ添加した合金の添加量と、ヤング率及びその温度係数との関係を示す特性図である。 合金番号30に、Mo、W、V、Nb又はTaをそれぞれ添加した合金の添加量と、ヤング率及びその温度係数との関係を示す特性図である。 合金番号30に、Cu、Mn、Ti、Zr又はHfをそれぞれ添加した合金の添加量と、ヤング率及びその温度係数との関係を示す特性図である。 合金番号30に、Au、Ag、Pt、Al、Si、La、Be、Y、B又はCをそれぞれ添加した合金の添加量と、ヤング率及びその温度係数との関係を示す特性図である。 (A)合金番号30に、線引き加工を施した後630℃で1時間加熱した場合の、線引き加工率と、ヤング率及びその温度係数との関係を示す特性図である。 (B)合金番号30に、加工率99%の線引き加工を施した後種々な加熱温度で1時間加熱した場合の、加熱温度とヤング率及びその温度係数との関係を示す特性図である。 (A)合金番号43に、圧延加工を施した後650℃で2時間加熱した場合の、圧下率と、ヤング率及びその温度係数との関係を示す特性図である。 (B)合金番号43に、圧下率98%の圧延加工を施した後種々な加熱温度で2時間加熱した場合の、加熱温度とヤング率及びその温度係数との関係を示す特性図である。 (A)合金番号126に、加工率95%の線引き加工を施した後種々な圧下率で圧延加工し、さらに670℃で2時間加熱した場合の、圧下率とヤング率及びその温度係数との関係を示す特性図である。 (B)合金番号126に、加工率95%の線引き加工を施した後圧下率60%の圧延加工し、さらに種々な加熱温度で2時間加熱した場合の、加熱温度とヤング率及びその温度係数との関係を示す特性図である。
本発明の特徴とするところは次の通りである。
(1)第1発明は、質量比にて、Co20〜40%、Ni10〜20%、Cr5〜15%と、Ca、Sr、Baのそれぞれ2%以下のIIa族元素及び当該IIa族元素のフッ素化合物のそれぞれ1%以下の1種又は2種以上(但し、IIa族元素のフッ素化合物のみの添加は除く)の合計0.0001〜5%、及び副成分としてMo、Wをそれぞれ10%以下、V、Nb、Ta,Cu、Mn、Ti、Zr、Hfをそれぞれ7%以下、Au、Ag、白金族元素、Al、Si、希土類元素をそれぞれ5%以下、Be3%以下、B、Cをそれぞれ1%以下の1種又は2種以上の合計0.001〜15%、及び残部Feと不可避的不純物とからなり、熱間及び冷間加工が施されるとともに、熱間及び冷間塑性加工組織が再結晶化しており、かつ前記Co、Ni、Cr及びFeは面心立方格子の単一相を構成し、かつヤング率190GPa以上及び0〜40℃におけるヤング率の温度係数(−5〜5)×10−5を有することを特徴とする高弾性・恒弾性合金に関する。なお、以下の説明において、「IIa族元素及び当該IIa族元素フッ素の化合物のそれぞれ1%以下の1種又は2種以上」とはIIa族元素のフッ素化合物のみの添加は除くものとする。
(2)第2発明は、(1)項記載の組成を有する合金の鋳塊を、熱間鍛造及び熱間加工にて適当な形状に加工し、900℃以上融点未満の温度で焼鈍した後冷却し、ついで加工率50%以上の線引き加工を施して所望の太さの線材又は細線になした後、当該線材又は細線を550〜720℃の温度で加熱することを特徴とする、ヤング率190GPa以上及び0〜40℃におけるヤング率の温度係数(−5〜5)×10 −5 を有する高弾性・恒弾性合金の製造法に関する。
(3)第3発明は、(1)項記載の組成を有する合金の鋳塊を、熱間鍛造及び熱間加工にて適当な形状に加工し、900℃以上融点未満の温度で焼鈍した後冷却し、ついで圧下率50%以上の圧延加工を施して所望の厚さの板又は薄板になした後、当該板又は薄板を550〜720℃の温度で加熱することを特徴とする、ヤング率190GPa以上及び0〜40℃におけるヤング率の温度係数(−5〜5)×10 −5 を有する高弾性・恒弾性合金の製造法に関する。
(4)第4発明は、(1)項記載の組成を有する合金の鋳塊を、熱間鍛造及び熱間加工にて適当な形状に加工し、900℃以上融点未満の温度で焼鈍した後冷却し、ついで加工率50%以上の線引き加工を施して所望の太さの線材又は細線になした後、さらに当該線材又は細線を圧下率30%以上の圧延加工を施して所望の厚さの板又は薄板になした後、当該板又は薄板を550〜720℃の温度で加熱することを特徴とする、ヤング率190GPa以上及び0〜40℃におけるヤング率の温度係数(−5〜5)×10 −5 を有する弾性・恒弾性合金の製造法に関する。
(5)第5発明は、(2)項の方法で製造された線材もしくは細線を用いた精密機器
に関する。(6)第6発明は、(3)項の方法で製造された板もしくは薄板を用いた精密機器に関する。(7)第7発明は、(4)の方法で製造された板もしくは薄板を用いた精密機器に関する。
次に、本発明を、高弾性・恒弾性合金の組成、特性及び製造方法の順に説明する。
実施例4
表6及び7に組成を示す合金(但し、合金組成の残部はFeである)につき線材及び細線又は板及び薄板を製造した。即ち、表6において加工率が「−」となっている合金は実施例2の製造方法により、圧下率が「−」となっている合金は実施例1の製造方法により、それ以外は実施例3の製造方法により、線材及び細線又は板材及び薄板を製造した。なお、合金番号19、23、27、57、70、78、82、105、141はフッ素化合物単独添加の参考例である。

Claims (5)

  1. 質量比にて、Co20〜40%、Ni10〜20%、Cr5〜15%と、Ca、Sr、Baのそれぞれ2%以下のI Ia族元素及び当該I Ia族元素のフッ素化合物のそれぞれ1%以下の1種又は2種以上の合計0.0001〜5%、及び副成分としてMo、Wをそれぞれ10%以下、V、Nb、Ta、Cu、Mn、Ti、Zr、Hfをそれぞれ7%以下、Au、Ag、白金族元素、Al、Si、希土類元素をそれぞれ5%以下、Be3%以下、B、Cをそれぞれ1%以下の1種又は2種以上の合計0.001〜15%、及び残部Feと不可避的不純物とからなり、ヤング率190GPa以上及び0〜40℃におけるヤング率の温度係数(−5〜5)×10−5を有することを特徴とする高弾性・恒弾性合金。
  2. 細線、板材もしくは薄板に加工された請求項1記載の高弾性・恒弾性合金を用いた精密機器。
  3. 請求項1記載の組成を有する合金の鋳塊を、熱間鍛造及び熱間加工にて適当な形状に加工し、900℃以上融点未満の温度で焼鈍した後冷却し、ついで加工率50%以上の線引き加工を施して所望の太さの線材又は細線になした後、当該線材又は細線を550〜720℃の温度で加熱することを特徴とする、ヤング率190GPa以上及び0〜40℃におけるヤング率の温度係数(−5〜5)×10−5を有する高弾性・恒弾性合金の製造法。
  4. 請求項1記載の組成を有する合金の鋳塊を、熱間鍛造及び熱間加工にて適当な形状に加工し、900℃以上融点未満の温度で焼鈍した後冷却し、ついで圧下率50%以上の圧延加工を施して所望の厚さの板又は薄板になした後、当該板又は薄板を550〜720℃の温度で加熱することを特徴とする、ヤング率190GPa以上及び0〜40℃におけるヤング率の温度係数(−5〜5)×10−5を有する高弾性・恒弾性合金の製造法。
  5. 請求項1記載の組成を有する合金を、熱間鍛造及び熱間加工にて適当な形状に加工し、900℃以上融点未満の温度で焼鈍した後冷却し、ついで加工率50%以上の線引き加工を施して所望の太さの線材又は細線になした後、さらに当該線材又は細線を圧下率30%以上の圧延加工を施して所望の厚さの板又は薄板になした後、当該板又は薄板を550〜720℃の温度で加熱することを特徴とする、ヤング率190GPa以上及び0〜40℃におけるヤング率の温度係数(−5〜5)×10−5を有する恒弾性・恒弾性合金の製造法。

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