JP2012255129A - フルフリルアルコール−ホルムアルデヒド共重合体の製造方法 - Google Patents

フルフリルアルコール−ホルムアルデヒド共重合体の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】水、有機溶媒等の溶媒を用いることなく、ホルムアルデヒド源としてパラホルムアルデヒドを用い、フルフリルアルコール−ホルムアルデヒド共重合体を製造する方法、また、さらに加えて、残存ホルムアルデヒドが少ない、フルフリルアルコール−ホルムアルデヒド共重合体を製造する方法を提供する。
【解決手段】上記製造方法を、パラホルムアルデヒドをフルフリルアルコールに加え、アルカリ性条件下、100℃を超えない加熱温度で撹拌してパラホルムアルデヒドをフルフリルアルコールに溶解させた後、得られた溶液に酸触媒を加えて重合させるもの、また、このような重合後ホルムアルデヒド捕捉剤を添加することで残存ホルムアルデヒドの含有量を低減させるものとする。
【選択図】なし

Description

本発明は、フルフリルアルコール−ホルムアルデヒド共重合体の製造方法に関する。
フルフリルアルコール−ホルムアルデヒド共重合体の製法において、ホルムアルデヒド源としてパラホルムアルデヒドを用いる方法としては、パラホルムアルデヒドを水に溶解させホルムアルデヒド水溶液にした後、酸触媒下でフルフリルアルコールと共重合させる方法(例えば非特許文献1参照)や、トルエン、キシレン等有機溶媒中でパラホルムアルデヒドとフルフリルアルコールを共重合させる方法(例えば非特許文献2参照)が知られている。
しかしながら、これらの方法では、重合後の樹脂は、水に溶解させる場合は多量の水を、有機溶媒を用いる場合は有機溶媒を含んだ状態であり、水や有機溶媒を除去する必要があるという問題があった。また、所望の粘度範囲に重合条件を設定すると、重合後の樹脂中に、原料モノマーが残存してしまうのを免れず、特に有害なホルムアルデヒドの残存が問題となっていた。
Laszlo−Hedvig Z, Szesztay N, Faix F, Tudos F: Die Angewandte Makromolekulare Chemie 107(1982) p.61−73 Zmihorska−Gottfryd A, Szlenzyngier W:Plaste und Kautschuk, Vol 31(1984), No.2, p.53−55
本発明の課題は、このような事情の下、水、有機溶媒等の溶媒を用いることなく、ホルムアルデヒド源としてパラホルムアルデヒドを用い、フルフリルアルコール−ホルムアルデヒド共重合体を製造する方法を提供すること、また、さらに加えて残存モノマーの少ないフルフリルアルコール−ホルムアルデヒド共重合体を製造する方法を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究した結果、従来の一段変換を多段変換に変え、さらに各段に至適条件を設けるのが課題解決に資することを見出し、この知見に基いて本発明をなすに至った。
すなわち、本発明の第1の発明によれば、パラホルムアルデヒドをフルフリルアルコールに加え、アルカリ性条件下、100℃を超えない加熱温度で撹拌してパラホルムアルデヒドをフルフリルアルコールに溶解させた後、得られた溶液に酸触媒を加えて重合させることを特徴とするフルフリルアルコール−ホルムアルデヒド共重合体の製造方法が提供される。
また、本発明の第2の発明によれば、第1の発明において、アルカリ性化合物やその水溶液等のアルカリを加えることによりアルカリ性条件下とすることを特徴とするフルフリルアルコール−ホルムアルデヒド共重合体の製造方法が提供される。
また、本発明の第3の発明によれば、第1又は2の発明において、アルカリ性化合物が、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニアであることを特徴とするフルフリルアルコール−ホルムアルデヒド共重合体の製造方法が提供される。
また、本発明の第4の発明によれば、第1〜3のいずれかの発明において、酸触媒が、無機酸であることを特徴とするフルフリルアルコール−ホルムアルデヒド共重合体の製造方法が提供される。
また、本発明の第5の発明によれば、第4の発明において、無機酸が、リン酸であることを特徴とするフルフリルアルコール−ホルムアルデヒド共重合体の製造方法が提供される。
また、本発明の第6の発明によれば、第1〜5のいずれかの発明において、pHを4以下の条件下で重合させることを特徴とするフルフリルアルコール−ホルムアルデヒド共重合体の製造方法が提供される。
また、本発明の第7の発明によれば、第1〜6のいずれかの発明において、樹脂粘度が400〜2000mPa・s、フルフリルアルコールに対するホルムアルデヒドのモル比が0.6以上2.0以下であることを特徴とするフルフリルアルコール−ホルムアルデヒド共重合体の製造方法が提供される。
また、本発明の第8の発明によれば、第1〜7のいずれかの発明において、重合後、ホルムアルデヒド捕捉剤を添加することを特徴とするフルフリルアルコール−ホルムアルデヒド共重合体の製造方法が提供される。
また、本発明の第9の発明によれば、第8の発明において、重合後、さらにpHを7以上に調整したのち、ホルムアルデヒド捕捉剤を添加することを特徴とするフルフリルアルコール−ホルムアルデヒド共重合体の製造方法が提供される。
また、本発明の第10の発明によれば、第8又は9の発明において、ホルムアルデヒド捕捉剤が、尿素、アセトアミド、メチルアセトアミド、ジメチル尿素、トルエンスルホンアミドであることを特徴とするフルフリルアルコール−ホルムアルデヒド共重合体の製造方法が提供される。
本発明方法によれば、水、有機溶媒等の溶媒を用いることなく、ホルムアルデヒド源としてパラホルムアルデヒドを用い、フルフリルアルコール−ホルムアルデヒド共重合体を製造することができる。また、さらに加えて、残存ホルムアルデヒドが少ない、フルフリルアルコール−ホルムアルデヒド共重合体を製造することができる。
本発明方法においては、先ず、パラホルムアルデヒドをフルフリルアルコールに溶解させる。
そのためには、パラホルムアルデヒドをフルフリルアルコールに加え、アルカリ性条件下、100℃を超えない加熱温度で撹拌することが肝要である。アルカリ性条件下とするには、アルカリ性化合物やその水溶液等のアルカリを加えればよい。アルカリ性化合物としては、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニアなどが挙げられる。
アルカリの添加量としては、フルフリルアルコール1モルに対し例えばアルカリ性化合物では0.001〜0.01モルの範囲であるのが好ましい。アルカリの添加量が少なすぎるとパラホルムアルデヒドを容易に溶解させにくくなるし、また、多すぎても重合時により多量の酸を加える必要があるため好ましくない。短時間で溶解させるためには60℃以上に加熱することが好ましい。
本発明方法においては、次いで、上記のようにして得られた溶液に酸触媒を加え重合させる。
酸触媒は、リン酸、硫酸、塩酸などの無機酸、あるいは酢酸、乳酸、アジピン酸などの有機酸のいずれでもかまわないが、好ましくは無機酸が用いられ、とりわけリン酸が、比較的弱酸であって、酸触媒を加えた際の急激な反応防止に資するので、推奨される。
また、同様に酸触媒を加えた際急激に反応することを防止するため、酸触媒添加時の溶液温度は100℃以下であることが好ましい。
重合条件としては、pHを4以下に調整するのが、重合時のpHが4を超えると反応速度が遅すぎるので、好ましい。重合はアルカリを加え中和することで反応を停止させることにより終了させてもかまわない。この場合、反応停止はpH4超、より好ましくはpH5以上にすることで容易に行える。
本発明のフルフリルアルコール−ホルムアルデヒド共重合体は、それを既設管更生用ライニング材などの用途にガラス繊維強化樹脂のベース樹脂として用いる場合、粘度が高すぎるとガラス繊維に浸透せず、粘度が低すぎると樹脂が下側に偏在して上部に未含浸の部分を生じるため、粘度が400mPa・s以上2000mPa・s以下であるのが望ましい。
フルフリルアルコール−ホルムアルデヒド共重合は縮合反応であるので、反応が進むに従って縮合水を生じる。一方フルフリルアルコール−ホルムアルデヒド共重合はホルムアルデヒドの分率が高いと分子鎖の末端のOH基が多くなり親水性となり、逆にホルムアルデヒドの分率が低いと疎水性になる。また分子量の高い高粘度のものは末端が少なくなるため疎水性となる。このため、フルフリルアルコールに対するホルムアルデヒドのモル比は0.6以上であるのが、0.6未満では粘度が400mPa・s以上であると長期保存下で水分が樹脂から分離するなど不均質になるので、好ましい。
またホルムアルデヒドの分率が高いと、硬化反応の際未反応のホルムアルデヒドが気体となってより多く放出されるため、樹脂中の残存ホルムアルデヒド濃度は好ましくは2%以下、より好ましくは1%以下であるのがよい。このため、フルフリルアルコールに対するホルムアルデヒドのモル比は2.0以下であるのが好ましい。より好ましくは、0.9以下である。これはホルムアルデヒド残存量を極力抑制するためである。
また、重合後の樹脂は、ホルムアルデヒドが残存していない方が望ましい。ホルムアルデヒドは、刺激が強く、毒性があるため、濃度は1%未満であることが望ましい。
しかし、残存するホルムアルデヒドを1%未満となるように重合を進めると粘度が上昇しすぎ、適正な粘度範囲、400mPa・s以上2000mPa・s以下を維持することが困難となる。そこで、添加剤としてホルムアルデヒド捕捉剤を加えることで、重合条件は変えず、残存ホルムアルデヒドを減少させることが可能となる。
ホルムアルデヒド捕捉剤は、ホルムアルデヒドを捕捉することができるものであればよく、特に制限されないが、好ましくは尿素、尿素誘導体、カルボン酸アミド、スルホンアミド等が挙げられる。尿素誘導体としては、例えば、メチル尿素、エチル尿素、ジメチル尿素、ジエチル尿素等のアルキル尿素が、カルボン酸アミドとしては、例えばアセトアミド、メチルアセトアミド等の脂肪族カルボン酸アミドや、安息香酸アミド、トルイル酸アミド、フェニル酢酸アミド等の芳香族カルボン酸アミドが、スルホンアミドとしては、例えばメチルスルホンアミド、エチルスルホンアミド等の脂肪族スルホンアミドや、ベンゼンスルホンアミド、トルエンスルホンアミド等の芳香族スルホンアミドが挙げられる。特に好ましいホルムアルデヒド捕捉剤は、コストを鑑みて、尿素である。
また、ホルムアルデヒドを効率的に捕捉するには、pHを7以上とするが好ましい。
ホルムアルデヒド捕捉剤の添加量は、ホルムアルデヒド捕捉能を有する官能基の数や、分子量の大きさに依存するが、残存するホルムアルデヒドのモル数に対し、該官能基の数を考慮したホルムアルデヒド捕捉剤のモル数が等しいか或いは過剰となるようにするのがよい。具体的には該官能基モル数/残存ホルムアルデヒドモル数=1〜3とするのが好ましく、該官能基モル数/残存ホルムアルデヒドモル数=1〜2とするのがより好ましい。
以下、実施例により本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの例によりなんら限定されるものではない。
実施例1
四つ口フラスコ中に1000gのフルフリルアルコール、166gのパラホルムアルデヒド、1.6gの50%NaOH水溶液を入れ、フラスコを95℃のオイルバスに浸漬して加熱、攪拌し、パラホルムアルデヒドをフルフリルアルコールに完全に溶解させた。
このようにして調製された溶液に7.6gのリン酸を加え、そのまま100分間反応させた。冷却後50%NaOH水溶液でpH6まで中和し、粘度が約200mPa・sのフルフリルアルコール−ホルムアルデヒド共重合体を得た。
実施例2
四つ口フラスコ中に1000gのフルフリルアルコール、199gのパラホルムアルデヒド、1.6gの50%NaOH水溶液を入れ、フラスコを100℃のオイルバスに浸漬して加熱、攪拌し、パラホルムアルデヒドをフルフリルアルコールに完全に溶解させた。
このようにして調製された溶液に7.1gのリン酸を加え、そのまま90分間反応させた。冷却後50%NaOH水溶液でpH6まで中和し、粘度が約800mPa・sのフルフリルアルコール−ホルムアルデヒド共重合体を得た。
実施例3
四つ口フラスコ中に1000gのフルフリルアルコール、233gのパラホルムアルデヒド、1.6gの50%NaOH水溶液を入れ、フラスコを100℃のオイルバスに浸漬して加熱、攪拌し、パラホルムアルデヒドをフルフリルアルコールに完全に溶解させた。
このようにして調製された溶液に7.1gのリン酸を加え、そのまま82分間反応させた。冷却後50%NaOH水溶液でpH6まで中和し、粘度が約400mPa・sのフルフリルアルコール−ホルムアルデヒド共重合体を得た。
実施例4
四つ口フラスコ中に1000gのフルフリルアルコール、233gのパラホルムアルデヒド、1.6gの50%NaOH水溶液を入れ、フラスコを100℃のオイルバスに浸漬して加熱、攪拌し、パラホルムアルデヒドをフルフリルアルコールに完全に溶解させた。
このようにして調製された溶液に7.1gのリン酸を加え、そのまま84分間反応させた。冷却後50%NaOH水溶液でpH6まで中和し、粘度が約800mPa・sのフルフリルアルコール−ホルムアルデヒド共重合体を得た。
実施例5
四つ口フラスコ中に1000gのフルフリルアルコール、233gのパラホルムアルデヒド、1.6gの50%NaOH水溶液を入れ、フラスコを100℃のオイルバスに浸漬して加熱、攪拌し、パラホルムアルデヒドをフルフリルアルコールに完全に溶解させた。
このようにして調製された溶液に7.1gのリン酸を加え、そのまま90分間反応させた。冷却後50%NaOH水溶液でpH6まで中和し、粘度が約2000mPa・sのフルフリルアルコール−ホルムアルデヒド共重合体を得た。
実施例6
四つ口フラスコ中に1000gのフルフリルアルコール、266gのパラホルムアルデヒド、1.6gの50%NaOH水溶液を入れ、フラスコを100℃のオイルバスに浸漬して加熱、攪拌し、パラホルムアルデヒドをフルフリルアルコールに完全に溶解させた。
このようにして調製された溶液に7.1gのリン酸を加え、そのまま80分間反応させた。冷却後50%NaOH水溶液でpH6まで中和し、粘度が約800mPa・sのフルフリルアルコール−ホルムアルデヒド共重合体を得た。
実施例7
四つ口フラスコ中に1000gのフルフリルアルコール、233gのパラホルムアルデヒド、1.6gの50%NaOH水溶液を入れ、フラスコを100℃のオイルバスに浸漬して加熱、攪拌し、パラホルムアルデヒドをフルフリルアルコールに完全に溶解させた。
このようにして調製された溶液に7.1gのリン酸を加え、そのまま70分間反応させた。冷却後50%NaOH水溶液でpH6まで中和し、粘度が約200mPa・sのフルフリルアルコール−ホルムアルデヒド共重合体を得た。
実施例8
四つ口フラスコ中に1000gのフルフリルアルコール、333gのパラホルムアルデヒド、1.6gの50%NaOH水溶液を入れ、フラスコを100℃のオイルバスに浸漬して加熱、攪拌し、パラホルムアルデヒドをフルフリルアルコールに完全に溶解させた。
このようにして調製された溶液に7.1gのリン酸を加え、そのまま75分間反応させた。冷却後50%NaOH水溶液でpH6まで中和し、粘度が約800mPa・sのフルフリルアルコール−ホルムアルデヒド共重合体を得た。
実施例9
四つ口フラスコ中に1000gのフルフリルアルコール、166gのパラホルムアルデヒド、1.6gの50%NaOH水溶液を入れ、フラスコを100℃のオイルバスに浸漬して加熱、攪拌し、パラホルムアルデヒドをフルフリルアルコールに完全に溶解させた。
このようにして調製された溶液に7.1gのリン酸を加え、そのまま96分間反応させた。冷却後50%NaOH水溶液でpH6まで中和し、粘度が約800mPa・sのフルフリルアルコール−ホルムアルデヒド共重合体を得た。
実施例10
四つ口フラスコ中に1000gのフルフリルアルコール、233gのパラホルムアルデヒド、1.6gの50%NaOH水溶液を入れ、フラスコを100℃のオイルバスに浸漬して加熱、攪拌し、パラホルムアルデヒドをフルフリルアルコールに完全に溶解させた。
このようにして調製された溶液に7.1gのリン酸を加え、そのまま95分間反応させた。冷却後50%NaOH水溶液でpH6まで中和し、粘度が約3000mPa・sのフルフリルアルコール−ホルムアルデヒド共重合体を得た。
実施例11
四つ口フラスコ中に1000gのフルフリルアルコール、532gのパラホルムアルデヒド、1.6gの50%NaOH水溶液を入れ、フラスコを100℃のオイルバスに浸漬して加熱、攪拌し、パラホルムアルデヒドをフルフリルアルコールに完全に溶解させた。
このようにして調製された溶液に7.1gのリン酸を加え、そのまま80分間反応させた。冷却後50%NaOH水溶液でpH6まで中和し、粘度が約800mPa・sのフルフリルアルコール−ホルムアルデヒド共重合体を得た。
実施例1〜11の樹脂について、粘度、ホルムアルデヒド濃度、ガラス繊維に対する含浸性、保管時の安定性を以下のようにして求め、或いは評価し、以下の表1のとおりの結果を得た。
<粘度>
樹脂を容量100mlのポリエチレン製ビーカーに取り、ビーカーを25℃の恒温水槽に浸漬して樹脂を加熱し、Fungilab製ViscoStar Plus回転粘度計を用いて粘度を測定した。
<ホルムアルデヒド濃度>
サンプル管に樹脂を10mg取り、30mlのイオン交換水と共にスターラーで1時間攪拌し、樹脂中のホルムアルデヒドを完全に水中に溶出させた後、水中のホルムアルデヒド濃度をMerck Reflectoquantシステムを用いて測定した。
<ガラス繊維に対する含浸性>
200mm角に切断した日東紡製ガラスマット1枚を、同じく200mm角に切断した1mm厚のPET不織布に挟んでポリエチレンの袋中に入れた。ポリエチレン袋の底辺中央にビニールチューブが差し込めるように穴を開け、底辺中央と開口部の中央にチューブを差し入れて、気密性が得られるように開口部及び底辺を粘着テープで閉じた。硬化剤としてp−トルエンスルホン酸65%水溶液を2.5%添加した樹脂をポリエチレン製のビーカーに取り、一方のチューブを樹脂中に差し入れ、もう一方のチューブを真空ポンプにつないで減圧して、樹脂をガラスマットおよび不織布に含浸させた。これを220mm角の開口部のある3mmのアルミ製スペーサーの開口部にいれ、鉄板で挟んでクランプで固定し、90℃に加熱したオーブン中に2時間置いて硬化させた。冷却後中央でカットした、断面中央をマイクロスコープで観察してガラスマット中に樹脂が浸透しているかどうかを判定した。
<保管時の安定性>
樹脂をビンに入れ、室温で1週間静置した後、二層に分離しているかどうかを目視で確認し、分離無しを○、分離有りを×と判定した。
Figure 2012255129
次に、実施例7、8及び11のフルフリルアルコール−ホルムアルデヒド共重合体に、50%NaOH水溶液を更に加え、pHを7となるように調整した。
実施例12
実施例7、8及び11のフルフリルアルコール−ホルムアルデヒド共重合体について、上記のようにpH7に調整したものに関して、常温にて尿素粉末をそれぞれ16.0g、14.7g及び41.4g加え、30分間攪拌した後、再び粘度及びホルムアルデヒド濃度の測定を行ったところ、ホルムアルデヒド濃度はそれぞれ1.1%、0.9%及び2.1%に低下した。また、粘度はそれぞれ230、850及び900mPa・sであった。
さらに、それぞれに対して尿素粉末を8.0g、7.4g及び20.7g追加することで、ホルムアルデヒド濃度はそれぞれ0.6%、0.5%及び1.2%に低下した。また、粘度はそれぞれ240、870及び950mPa・sであった。
実施例13
実施例8のフルフリルアルコール−ホルムアルデヒド共重合体について、上記のようにpH7に調整したものに関して、尿素粉末に代えて、アセトアミド29.2g、またはメチルアセトアミド35.1gを用いたこと以外は上記と同様にして粘度及びホルムアルデヒド濃度を測定した。各測定結果は、以下のとおりである。
アセトアミド 900mPa・s、1.5%
メチルアセトアミド 930mPa・s、1.4%
実施例14
実施例7のフルフリルアルコール−ホルムアルデヒド共重合体をpH6のまま使用して、尿素粉末の効果を確認した。尿素粉末を16.0g常温にて加え、30分間攪拌した後、再び粘度及びホルムアルデヒド濃度の測定を行った。その結果 ホルムアルデヒド濃度は1.5%で、粘度も400mPa・sになった。
実施例12〜14についてまとめて表示すると、以下の表2のとおりである。
Figure 2012255129
本発明方法は、水、有機溶媒等の溶媒を用いることなく、ホルムアルデヒド源としてパラホルムアルデヒドを用い、フルフリルアルコール−ホルムアルデヒド共重合体を製造することができ、また、重合後ホルムアルデヒド捕捉剤を添加することにより、残存ホルムアルデヒドが少ない、フルフリルアルコール−ホルムアルデヒド共重合体を製造することができるので、産業上大いに有用である。

Claims (10)

  1. パラホルムアルデヒドをフルフリルアルコールに加え、アルカリ性条件下、100℃を超えない加熱温度で撹拌してパラホルムアルデヒドをフルフリルアルコールに溶解させた後、得られた溶液に酸触媒を加えて重合させることを特徴とするフルフリルアルコール−ホルムアルデヒド共重合体の製造方法。
  2. アルカリ性化合物やその水溶液等のアルカリを加えることによりアルカリ性条件下とすることを特徴とする請求項1記載のフルフリルアルコール−ホルムアルデヒド共重合体の製造方法。
  3. アルカリ性化合物が、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニアであることを特徴とする請求項1又は2記載のフルフリルアルコール−ホルムアルデヒド共重合体の製造方法。
  4. 酸触媒が、無機酸であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のフルフリルアルコール−ホルムアルデヒド共重合体の製造方法。
  5. 無機酸が、リン酸であることを特徴とする請求項4記載のフルフリルアルコール−ホルムアルデヒド共重合体の製造方法。
  6. pHを4以下の条件下で重合させることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のフルフリルアルコール−ホルムアルデヒド共重合体の製造方法。
  7. 樹脂粘度が400〜2000mPa・s、フルフリルアルコールに対するホルムアルデヒドのモル比が0.6以上2.0以下であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のフルフリルアルコール−ホルムアルデヒド共重合体の製造法。
  8. 重合後、ホルムアルデヒド捕捉剤を添加することを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載のフルフリルアルコール−ホルムアルデヒド共重合体の製造方法。
  9. 重合後、さらにpHを7以上に調整したのち、ホルムアルデヒド捕捉剤を添加することを特徴とする請求項8記載のフルフリルアルコール−ホルムアルデヒド共重合体の製造方法。
  10. ホルムアルデヒド捕捉剤が、尿素、アセトアミド、メチルアセトアミド、ジメチル尿素、トルエンスルホンアミドであることを特徴とする請求項8又は9記載のフルフリルアルコール−ホルムアルデヒド共重合体の製造方法。
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