JP2012255102A - タイヤ用ゴム組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】天然ゴム及び/又はイソプレンゴムを含みながら高温加硫時のリバージョンを抑制すると共に、耐疲労性を改良するようにしたタイヤ用ゴム組成物を提供する。
【解決手段】天然ゴム及び/又はイソプレンゴムを含むジエン系ゴム100重量部に対し、シリカを3〜5重量部、(メタ)アクリレートを0.3〜10重量部配合したゴム組成物であって、前記(メタ)アクリレートが1分子中に(メタ)アクロイル基を3以上有し、この(メタ)アクロイル基の数(n)と(メタ)アクリレートの重量平均分子量(Mw)の比(n/Mw)が0.004〜0.008であることを特徴とする。
【選択図】なし

Description

本発明は、タイヤ用ゴム組成物に関し、更に詳しくは天然ゴム及び/又はイソプレンゴムを含みながら高温加硫時のリバージョンを抑制すると共に耐疲労性を改良するようにしたタイヤ用ゴム組成物に関する。
一般に空気入りタイヤの構造部材には、天然ゴムやイソプレンゴムを含むゴム組成物が使用されている。天然ゴム及びイソプレンゴムは高温で加硫すると、チオフェン、メルカプタン等の架橋に関与しない結合へ変化するリバージョン(加硫戻り)が起きる。このため天然ゴム及びイソプレンゴムを含むゴム組成物のモジュラス、硬度、強度が低下する問題があった。
このため特許文献1は、加硫戻り防止剤としてビスマレイミド系化合物を添加することを提案している。しかし、ビスマレイミド系化合物を添加すると、ゴム組成物の耐疲労性が悪化するという問題がある。
また特許文献2は、ゴム組成物の耐熱性を改良するため、1分子中にアクリレート基またはメタクリレート基を6個以上有する化合物を配合することを提案している。この特許文献2に記載された化合物を配合したゴム組成物は、高温での動的弾性率の低下を抑制する効果が認められるものの、ゴム組成物の耐疲労性が悪化するという問題は解決されていなかった。
特開2005−42076号公報 特許第4553274号公報
本発明の目的は、天然ゴム及び/又はイソプレンゴムを含みながら高温加硫時のリバージョンを抑制すると共に耐疲労性を改良するようにしたタイヤ用ゴム組成物を提供することにある。
上記目的を達成する本発明のタイヤ用ゴム組成物は、天然ゴム及び/又はイソプレンゴムを含むジエン系ゴム100重量部に対し、シリカを3〜5重量部、(メタ)アクリレートを0.3〜10重量部配合したゴム組成物であって、前記(メタ)アクリレートが1分子中に(メタ)アクロイル基を3以上有し、この(メタ)アクロイル基の数(n)と(メタ)アクリレートの重量平均分子量(Mw)の比(n/Mw)が0.004〜0.008であることを特徴とする。
本発明のタイヤ用ゴム組成物は、天然ゴム及び/又はイソプレンゴムを含むジエン系ゴム100重量部に対し、シリカを3〜5重量部、(メタ)アクリレートを0.3〜10重量部配合すると共に、(メタ)アクリレート1分子中に(メタ)アクロイル基を3以上有し、この(メタ)アクロイル基の数(n)と(メタ)アクリレートの重量平均分子量(Mw)の比(n/Mw)を0.004〜0.008にしたので、高温加硫時のリバージョンを抑制すると共に、ゴム組成物の耐疲労性を向上することができる。
(メタ)アクリレートとしては、(メタ)アクリル酸と、ポリエチレングリコール、トリメチロールプロパン及びペンタエリスルトールからなる群から選ばれる少なくとも1種のポリオールとの多価エステルで、このポリオールを構成する炭素原子及び酸素原子の合計数が20以上であるものが好ましい。このような(メタ)アクリレートを使用することにより、ゴム組成物のリバージョンの抑制及び耐疲労性の改良を確実にすることができる。また(メタ)アクリレートは、アクリレートであることが好ましい。
ジエン系ゴム100重量%中の天然ゴム及び/又はイソプレンゴムの含有量は50重量%以上であることが好ましく、タイヤ用ゴム組成物のモジュラス、強度、硬度などの機械的特性をより高くすることができる。
このタイヤ用ゴム組成物を使用した空気入りタイヤは、優れた生産性を有すると共に、タイヤ耐久性が優れる。
本明細書において、(メタ)アクリレートはアクリレート又はメタクリレートを、(メタ)アクリロイル基はアクリロイル基又はメタクリロイル基を、(メタ)アクリル酸はアクリル酸又はメタクリル酸を、それぞれ意味する。
本発明のタイヤ用ゴム組成物は、天然ゴム及び/又はイソプレンゴムを含むジエン系ゴムをゴム成分にする。好ましくは天然ゴム及び/又はイソプレンゴムを主成分にするとよく、ゴム組成物のモジュラス、強度、硬度などの機械的特性を高くすることができる。
天然ゴム及び/又はイソプレンゴムの含有量は、ジエン系ゴム100重量%中、好ましくは50重量%以上、より好ましくは70〜100重量%、更に好ましくは90〜100重量%にする。天然ゴム及びイソプレンゴムの含有量が50重量%未満であると、ゴム組成物のモジュラス、強度、硬度などの機械的特性を十分に高くすることができない。
天然ゴム及びイソプレンゴム以外のジエン系ゴムとしては、例えばブタジエンゴム、スチレンブタジエンゴム、アクリロニトリルブタジエンゴム、ブチルゴム等を例示することができる。なかでもブタジエンゴム、スチレンブタジエンゴムが好ましい。これら天然ゴム及びイソプレンゴム以外のジエン系ゴムは、1種又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
本発明のタイヤ用ゴム組成物は、特定の(メタ)アクリレートを配合することにより、高温加硫したときのリバージョンを抑制すると共に、耐疲労性を向上する。高温加硫時のリバージョン抑制効果は、ゴム組成物を低温(例えば150℃以下)で加硫したときのモジュラスに対する、ゴム組成物を高温(例えば170℃以上)で加硫したときのモジュラスの低下率を小さくすることで確認することができる。なおシリカを含まないゴム組成物に(メタ)アクリレートを配合すると、そのゴム組成物のモジュラスが低下する。また一般に、シリカは、カーボンブラックに比べてゴム補強性が小さいため、シリカを配合したゴム組成物のモジュラスは、カーボンブラックを配合したゴム組成物に比べ低くなる。このように(メタ)アクリレート及びシリカをそれぞれ単独で配合したゴム組成物はモジュラスが低下する。しかし、(メタ)アクリレート及びシリカを共に配合することにより、意外にも、ゴム組成物のモジュラスを、カーボンブラックを配合したゴム組成物に比べ維持・向上することができる。更に低温で加硫したゴム組成物のモジュラスに対する高温で加硫したゴム組成物のモジュラスの低下率を一層小さくすることができる。
本発明で使用する(メタ)アクリレートは、1分子中の(メタ)アクロイル基の数が3以上、この(メタ)アクロイル基の数(n)と重量平均分子量(Mw)の比(n/Mw)が0.004〜0.008である。(メタ)アクロイル基の数は3以上、好ましくは3〜5、より好ましくは3〜4にする。(メタ)アクリレート1分子中の(メタ)アクロイル基の数が3未満であると、高温加硫時のリバージョンを抑制する効果が十分に得られない。また(メタ)アクロイル基の数が6以上であると、ゴム組成物の耐疲労性を改良することができず好ましくない。
また(メタ)アクリレート1分子中の(メタ)アクロイル基の数(n)と(メタ)アクリレートの重量平均分子量(Mw)の比(n/Mw)は0.004〜0.008、好ましくは0.005〜0.007である。この比(n/Mw)が0.004未満であるとゴム組成物のモジュラスが低下する。また比(n/Mw)が0.008を超えると、耐疲労性が悪化する。なお、本発明において、(メタ)アクリレートの重量平均分子量(Mw)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により標準ポリスチレン換算により測定するものとする。
本発明で使用する(メタ)アクリレートは、上述した特定の(メタ)アクロイル基の数(n)及びこれと重量平均分子量の比(n/Mw)を満たすものであれば特に制限されるものではない。好ましくは(メタ)アクリル酸と、ポリエチレングリコール、トリメチロールプロパン及びペンタエリスルトールからなる群から選ばれる少なくとも1種のポリオールとの多価エステルであるとよい。また(メタ)アクリレート1分子中、ポリオールに由来する炭素原子及び酸素原子の合計数が好ましくは20以上、より好ましくは24〜40であるとよい。このような(メタ)アクリレートを使用することにより、ゴム組成物のリバージョンの抑制及び耐疲労性の改良を確実にすることができる。
ポリオールは、単独又は複数の種類を組み合わせることができる。例えばトリメチロールプロパン及びポリエチレングリコールの組み合わせ、ペンタエリスルトール及びポリエチレングリコールの組み合わせを好適に例示することができる。
本発明において、(メタ)アクリレートとしては、下記の式(1)〜(4)のいずれかで表わされる化合物を使用することが好ましい。式(1)のアクリレートは、アクリル酸とトリメチロールプロパン及びポリエチレングリコールとの多価エステル、式(2)のアクリレートは、アクリル酸とペンタエリスルトール及びポリエチレングリコールとの多価エステル、式(3)のメタクリレートは、メタクリル酸とトリメチロールプロパン及びポリエチレングリコールとの多価エステル、式(4)のメタクリレートは、メタクリル酸とペンタエリスルトール及びポリエチレングリコールとの多価エステルである。
Figure 2012255102
(式中、l,m,nは整数で、その合計(l+m+n)は3以上である。)
Figure 2012255102
(式中、p,q,r,sは整数で、その合計(p+q+r+s)は3以上である。)
Figure 2012255102
(式中、l,m,nは整数で、その合計(l+m+n)は3以上である。)
Figure 2012255102
(式中、p,q,r,sは整数で、その合計(p+q+r+s)は3以上である。)
上記式(1)及び(3)において、整数l,m,nの合計(l+m+n)は3以上、好ましくは6以上、より好ましくは6〜10であるとよい。また上記式(2)及び(4)において、整数p,q,r,sの合計(p+q+r+s)は3以上、好ましくは6以上、より好ましくは6〜15であるとよい。これら式(1)〜(4)で表わされる(メタ)アクリレートは、いずれも(メタ)アクリレート1分子中、ポリオールに由来する炭素原子及び酸素原子の合計数が20以上である。(メタ)アクリレートとしては、上記式(1)又は(3)で表わされるアクリレートが好ましく、ゴム組成物のリバージョンの抑制効果と耐疲労性を高いレベルで両立することができる。
これら(メタ)アクリレートは、通常の方法で製造し使用することができる。また市販された製品の中から適宜選択し使用することができる。
(メタ)アクリレートの配合量は、ジエン系ゴム100重量部に対し、0.3〜10重量部、好ましくは0.5〜5重量部にする。(メタ)アクリレートの配合量が0.3重量部未満であると、リバージョンを抑制し耐疲労性を改良する効果が十分に得られない。また高温加硫時のモジュラスが劣る。(メタ)アクリレートの配合量が10重量部を超えると、ゴム組成物の耐疲労性が却って低下する。
本発明において、(メタ)アクリレートと共にシリカを配合することにより、リバージョンを一層抑制し、ゴム組成物の耐疲労性を改良することができる。また上述した通り(メタ)アクリレートを配合せずにシリカを配合したゴム組成物は、カーボンブラックを配合したゴム組成物に比べモジュラスが低くなる。しかし、(メタ)アクリレート及びシリカを共に配合したゴム組成物は、意外にも、そのモジュラスを、カーボンブラックを配合したゴム組成物に比べ維持・向上することができる。
シリカの配合量はジエン系ゴム100重量部に対し3〜50重量部、好ましくは5〜30重量部にする。シリカの配合量が3重量部未満であると、リバージョンを抑制し耐疲労性を改良する効果が十分に得られない。シリカの配合量が50重量部を超えると、ゴム組成物の混合・加工性が悪化する。
本発明で使用するシリカは、特に制限されるものではなく、タイヤ用ゴム組成物に通常用いられるものを使用することができる。例えば湿式法シリカ、乾式法シリカ、表面処理シリカのいずれの種類でもよい。またシリカの窒素吸着比表面積は、好ましくは100〜280m2/g、より好ましくは150〜200m2/gにするとよい。シリカの窒素吸着比表面積をこのような範囲内にすることにより、ゴム組成物の破断物性、硬度、低発熱を両立することができる。なおシリカの窒素吸着比表面積は、ASTM D3037に基づき測定するものとする。
またシリカのCTAB吸着比表面積は、好ましくは80〜250m2/g、より好ましくは120〜200m2/gにするとよい。シリカのCTAB吸着比表面積をこのような範囲内にすることにより、ゴム組成物の破断物性、硬度、低発熱、加工を両立することができる。なおシリカのCTAB吸着比表面積は、JIS K6217−3に基づき測定するものとする。
本発明において、シリカと共にシランカップリング剤を配合することにより、ジエン系ゴムに対するシリカの分散性を改良することができる。シランカップリング剤としては、例えばビス−(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルファイド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルファイド、3−トリメトキシシリルプロピルベンゾチアゾールテトラサルファイド、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、3−オクタノイルチオプロピルトリエトキシシラン等の硫黄含有シランカップリング剤を例示することができる。
シランカップリング剤の配合量は、シリカ重量に対し好ましくは1〜20重量%、より好ましくは4〜12重量%にするとよい。シランカップリング剤が、シリカ配合量の1重量%より少ないと、シリカの分散性を改良する効果が十分に得られない虞がある。また、シランカップリング剤が、シリカ配合量の20量%を超えると、破断伸びが低下する。
本発明では、シリカ以外の補強性充填剤を配合することができる。シリカ以外の補強性充填剤としては、例えばカーボンブラック、クレイ、タルク、アルミナ、二酸化チタン、シリケート等を例示することができる。なかでもカーボンブラック、クレイが好ましい。カーボンブラックを配合することにより、ゴム組成物の補強性を高くすることができる。
カーボンブラックのコロイダル特性は、特に限定されるものではないが、DBP吸収量が好ましくは80〜110cm3/100g、より好ましくは85〜100cm3/100g、窒素吸着比表面積が好ましくは30〜1100m2/g、より好ましくは50〜100m2/g、CTAB吸着比表面積が好ましくは30〜100m2/g、より好ましくは40〜90m2/gにするとよい。カーボンブラックのコロイダル特性をこのような範囲にすることにより、ゴム組成物の破断物性、硬度、加工を両立することができる。なお、カーボンブラックのDBP吸収量はJIS K6217−4、窒素吸着比表面積はJIS K6217−2、CTAB吸着比表面積はJIS K6217−3に基づき測定するものとする。
タイヤ用ゴム組成物には、加硫又は架橋剤、加硫促進剤、各種オイル、老化防止剤、可塑剤などのタイヤ用ゴム組成物に一般的に使用される各種添加剤を配合することができ、かかる添加剤は一般的な方法で混練してゴム組成物とし、加硫又は架橋するのに使用することができる。これらの添加剤の配合量は本発明の目的に反しない限り、従来の一般的な配合量とすることができる。本発明のタイヤ用ゴム組成物は、通常のゴム用混練機械、例えば、バンバリーミキサー、ニーダー、ロール等を使用して、上記各成分を混合することによって製造することができる。
本発明のタイヤ用ゴム組成物は、空気入りタイヤのキャップトレッド部、アンダートレッド部、サイドウォール部、ビード部、ビードフィラー、リムクッション、カーカス層、ベルト層、ベルトカバー層などのコード用被覆ゴム、タイゴム、ガーニッシュ、ランフラットタイヤにおける断面三日月型のサイド補強ゴム層などのタイヤケーシング材料として好適に使用することができる。特にビードフィラー、リムクッション、サイド補強ゴム層に本発明のタイヤ用ゴム組成物を使用すると耐久性を向上することができる。本発明のゴム組成物をこれらの部材に使用した空気入りタイヤは、生産性に優れ、高い品質の製品を安定的に生産することができる。同時に、耐疲労性、耐摩耗性及びタイヤ耐久性が優れる。
以下、実施例によって本発明を更に説明するが、本発明の範囲はこれらの実施例に限定されるものではない。
共通配合として表1に示す添加剤を含む表2〜5の配合からなる17種類のゴム組成物(実施例1〜5、比較例1〜12)を、それぞれ硫黄及び加硫促進剤を除く配合成分を秤量し、1.7リットル密閉式バンバリーミキサーで5分間混練し、温度150℃でマスターバッチを放出し室温冷却した。このマスターバッチを1.7リットル密閉式バンバリーミキサーで、硫黄及び加硫促進剤を加え混合し、タイヤ用ゴム組成物を調製した。なお、表1に示す共通配合は、表2〜5に記載されたジエン系ゴム100重量部に対する配合量(重量部)を意味する。
得られた17種類のゴム組成物のリバージョン抑制効果(高温加硫時のモジュラス、モジュラス保持率)及び耐疲労性を以下の方法で評価した。
リバージョン抑制効果(高温加硫時のモジュラス、モジュラス保持率)
得られた17種類のゴム組成物を所定形状の金型を使用して、170℃で10分間プレス加硫した高温加硫ゴム試験片と、148℃で20分間プレス加硫した低温加硫ゴム試験片を作成した。この高温加硫ゴム試験片及び低温加硫ゴム試験片のモジュラスとして、JIS K6251に準拠して高温加硫時の100%モジュラス及び低温加硫時の100%モジュラスをそれぞれ測定した。得られた高温加硫時の100%モジュラスは、比較例1の値を100にする指数にして表2〜5の「モジュラス」の欄に示した。この指数が大きいほど高温加硫時の100%モジュラスが高いことを意味する。
また、得られた17種類のゴム組成物について、低温加硫時の100%モジュラスに対する高温加硫時の100%モジュラスの比を算出し、高温加硫時のモジュラス保持率を求めた。得られた高温加硫時のモジュラス保持率は、比較例1の値を100にする指数にして表2〜5の「モジュラス保持率」の欄に示した。この指数が大きいほど高温加硫時のモジュラス保持率が高く、リバージョンが抑制されたことを意味する。なお比較例1のゴム組成物の高温加硫時の100%モジュラスは1.60MPa、低温加硫時の100%モジュラスは1.36MPaであった。
耐疲労性
得られた17種類のゴム組成物を所定形状の金型を使用して、170℃で10分間プレス加硫して高温加硫ゴム試験片を作成した。得られたゴム試験片をJIS K6260に準拠して、屈曲亀裂成長試験を行った。予め試験片の中央に長さ2mmの傷を付け、23℃にてストローク10mmで、毎分300回、合計10万回屈曲させ、亀裂(クラック)長さを測定し、亀裂長さを測定した。測定結果は、亀裂長さの逆数を求め、表2,3では比較例1を100、表4では比較例11、表5では比較例12を100にした指数「として、表2〜5の「耐疲労性」の欄に示した。この指数が大きいほど耐疲労性が優れていることを意味する。
Figure 2012255102
表1において使用した原材料を下記に示す。
・酸化亜鉛:正同化学工業社製酸化亜鉛3種
・ステアリン酸:日油社製ビーズステアリン酸
・アロマオイル:昭和シェル石油社製エキストラクト4号S
・硫黄:鶴見化学工業社製金華印油入微粉硫黄
・加硫促進剤:大内新興化学工業社製ノクセラーCZ−G
Figure 2012255102
Figure 2012255102
Figure 2012255102
Figure 2012255102
表2〜5において使用した原材料を下記に示す。
・NR:天然ゴム、RSS#3
・BR:ブタジエンゴム、日本ゼオン社製Nipol BR1220
・CB:カーボンブラック、N550、東海カーボン社製シーストSOP
・シリカ:日本シリカ工業社製ニップシールVN3
・カップリング剤:硫黄含有シランカップリング剤、エボニックデグサ社製Si69
・アクリレート1:ペンタエリスリトールポリエチレングリコール付加物のテトラアクリレート、前記式(2)で表わされるp+q+r+s=8のアクリレート、1分子中のアクロイル基の数n=4、重量平均分子量Mw=721、比n/Mw=0.0055、ダイセル・サイテック社製EBECRYL40
・アクリレート2:トリメチロールプロパンポリエチレングリコール付加物ドのトリアクリレート、前記式(1)で表わされるl+m+n=6のアクリレート、1分子中のアクロイル基の数n=3、重量平均分子量Mw=565、比n/Mw=0.0053、ダイセル・サイテック社製TMPEOTA
・アクリレート3:PEG400ジアクリレート、1分子中のアクロイル基の数n=2、重量平均分子量Mw=539、比n/Mw=0.0037、ダイセル・サイテック社製PEG400DA−D
・アクリレート4:トリメチロールプロパントリアクリレート、1分子中のアクロイル基の数n=4、重量平均分子量Mw=467、比n/Mw=0.0086、サートマー社製SR354
・アクリレート5:ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、1分子中のアクロイル基の数n=3、重量平均分子量Mw=298、比n/Mw=0.0101、ダイセル・サイテック社製DPHA
・アクリレート6:ジメチロールプロパンテトラアクリレート、1分子中のアクロイル基の数n=6、重量平均分子量Mw=579、比n/Mw=0.0104、サートマー社製SR355
・アクリレート7:ペンタエリスリトールテトラアクリレート、1分子中のアクロイル基の数n=4、重量平均分子量Mw=336、比n/Mw=0.0119、ダイセル・サイテック社製PETA
表2〜5の結果から明らかなように、実施例1〜5のタイヤ用ゴム組成物は、高温加硫時の100%モジュラス及びモジュラス保持率を従来レベル以上に改良すると共に、耐疲労性を向上することが認められた。
表2の比較例2及び3は、シリカ又はアクリレート1の一方だけを配合したので、高温加硫時の100%モジュラスが劣る。比較例4はアクリレート1の配合量が0.3重量部未満であるので高温加硫時の100%モジュラスが劣る。比較例5はアクリレート1の配合量が10重量部を超えるので耐疲労性が劣る。
表3の比較例6はアクリレート3が1分子中のアクロイル基の数が3未満であり、比n/Mwが0.004未満であるので、高温加硫時の100%モジュラスが劣る。また低温加硫時の100%モジュラスも低い値であった。比較例7,8,9及び10はアクリレート4,5,6及び7のアクロイル基の数nと重量平均分子量Mwとの比n/Mwがいずれも0.008を超えるので、耐疲労性が悪化する。
表4の比較例11及び表5の比較例12は、比較例2に対し天然ゴムの含有量を増やしたので、モジュラスは維持・向上するが、高温加硫時のモジュラス保持率が悪化する。

Claims (5)

  1. 天然ゴム及び/又はイソプレンゴムを含むジエン系ゴム100重量部に対し、シリカを3〜5重量部、(メタ)アクリレートを0.3〜10重量部配合したゴム組成物であって、前記(メタ)アクリレートが1分子中に(メタ)アクロイル基を3以上有し、この(メタ)アクロイル基の数(n)と(メタ)アクリレートの重量平均分子量(Mw)の比(n/Mw)が0.004〜0.008であることを特徴とするタイヤ用ゴム組成物。
  2. 前記(メタ)アクリレートがアクリレートであることを特徴とする請求項1に記載のタイヤ用ゴム組成物。
  3. 前記(メタ)アクリレートが、(メタ)アクリル酸と、ポリエチレングリコール、トリメチロールプロパン及びペンタエリスルトールからなる群から選ばれる少なくとも1種のポリオールとの多価エステルであり、前記ポリオールを構成する炭素原子及び酸素原子の合計数が20以上であることを特徴とする請求項1又は2に記載のタイヤ用ゴム組成物。
  4. 前記天然ゴム及び/又はイソプレンゴムを、前記ジエン系ゴム100重量%中50重量%以上含む請求項1〜3のいずれかに記載のタイヤ用ゴム組成物。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載のタイヤ用ゴム組成物を使用した空気入りタイヤ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN111094023A (zh) * 2017-09-12 2020-05-01 住友橡胶工业株式会社 充气轮胎

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