本発明の実施形態について、図面に基づいて説明すれば以下のとおりである。なお、以下の説明においては、出力装置としてモニタを例示するが、本発明はこれに限定されるものではない。すなわち、出力装置として、モニタの代わりに、PDA、スマートフォン、タブレットPC、携帯型ゲーム機などのように、ディスプレイ部を備え、表示装置として機能する他の装置を採用してもよい。
以下、本実施形態に係るコンテンツ表示システムの全体的な構成および動作について説明するが、最初に、本実施形態に係るコンテンツ表示システムの構成について図1を参照しながら説明する。図1は、本実施形態に係るコンテンツ表示システム1の全体構成を示す図である。コンテンツ表示システム1は、複数のコンテンツソースから提供される映像コンテンツを受信するシステムであり、モニタ10(出力装置、通信装置)、セットトップボックス(STB)20(送信装置)およびルータ30(送信装置)を備えている。
STB20(モニタ10のディスプレイには「チューナ部」と表示される)とモニタ10(モニタ10のディスプレイには「ディスプレイ部」と表示される)は、それぞれの機器を特定する識別コード、例えばMACアドレス等により、特定の識別コードを持った機器間でのみ無線接続できるように設定されている。これは、本実施形態がSTB20とモニタ10の組み合わせで一つの商品を構成する形態を想定しているためであり、STB20とモニタ10が一つの商品として組み合わせが固定されていることから、両者を無線接続するために初期設定で必要となる操作を省略し、ユーザに無用な負担をかけないための設定である。
また、STB20およびルータ30(モニタ10のディスプレイには「無線アクセスポイント」と表示される)は、コンテンツソースを中継するアクセスポイントとして機能する。アクセスポイントとは、ある端末から別の端末やサーバに無線で接続するための電波中継機能を有する端末を意味する。
モニタ10は、STB20およびルータ30から無線により映像信号を受信する映像再生装置である。モニタ10は、接続先として、STB20およびルータ30を選択的に切り替えることが可能である。モニタ10とSTB20とを接続する無線の周波数帯域は、2.4GHz帯および5GHz帯のいずれかに設定することができる。モニタ10とルータ30とを接続する無線の周波数帯域は、2.4GHzである。STB20とルータ30とは、有線で接続されてもよい。モニタ10とルータ30とを接続する無線の周波数帯域は、5GHz帯に固定されていてもよいし、2.4GHz帯と5GHz帯との間で切り替え可能になっていてもよい。
設定可能な5GHz帯は、より具体的には、W52の帯域(36ch、40ch、44ch、48chの計4つのチャンネルからなる5.15〜5.25GHz帯の帯域)と、W53の帯域(52ch、56ch、60ch、64chの計4チャンネルからなる5.25〜5.35GHz帯の帯域)と、W56の帯域(100ch、104ch、108ch、112ch、116ch、120ch、124ch、128ch、132ch、136ch、140chの計11チャンネルからなる5.47〜5.725GHz帯の帯域)と、から構成される。さらに、具体的には、計19チャンネルの中から前記3つの帯域のうちいずれか1つの帯域に属する1チャンネルまたは連続する2チャンネルが無線通信に使用するチャンネルとして設定されることになる。
本実施形態では、前記複数のコンテンツソースとして、例えば、HDMI対応機器であるBDレコーダ40a・40b、DTV/BS放送、DLNA対応機器であるメディアサーバ60、およびWeb70が設けられている。
(コンテンツ選択画面)
図2は、モニタ10に表示されるコンテンツ選択画面SCの一例を示す図である。コンテンツ選択画面SCには、中央部分にテレビ放送画面SC1が表示され、テレビ放送画面SC1の周囲に、視聴可能なコンテンツを示す7つのアイコンI1〜I7が表示される。
例えば、アイコンI1は、図1に示すWeb70から提供されるIPTV放送を視聴するためのアイコンである。アイコンI2は、メディアサーバ60(DLNA対応機器)から提供されるコンテンツを視聴するためのアイコンである。アイコンI3は、STB20に接続されたHDMI対応機器であるBDレコーダ40a(外部機器)から提供されるコンテンツを視聴するためのアイコンである。アイコンI4は、モニタ10に接続されたHDMI対応機器であるBDレコーダ40bから提供されるコンテンツを視聴するためのアイコンである。アイコンI5は、DTV/BSアンテナ50からのTV放送を視聴するためのアイコンである。アイコンI6は、USB端子を介して接続可能なハードディスク装置80から提供されるコンテンツを視聴するためのアイコンである。アイコンI7は、モニタ10が備えているカレンダ表示機能によりカレンダを表示されるためのアイコンである。
(映像信号のフォーマットおよびDRM)
図3(a)は、コンテンツソースが行うDRM暗号化動作と、アクセスポイントが行うDRM暗号化動作と、を表した表であり、図3(b)は、コンテンツソースとアクセスポイントとの間における暗号化形式と、アクセスポイントとモニタ10との間における暗号化形式と、を示した模式図である。
図3(a)および図3(b)からわかるように、例えば、USB―HDD80からの映像信号は、固有のDRM形式で暗号化されており、アクセスポイント(STB20)において復号された後、DTCP−IP形式で暗号化され、モニタ10に送信される。また、Web70(インターネット上のIPTV/VODサーバ)からのビデオオンデマンドもしくはIPTV(マルチキャストでの放送)の映像信号はMarlin形式で暗号化され、アクセスポイント(ルータ30)で形式が変換されることなくモニタ10に送信される。また、ホームネットワークのDLNAであるメディアサーバ60からの映像信号は、メディアサーバ60においてDTCP−IPの著作権保護技術が用いられる。
(モニタの構成)
図4は、モニタ10の構成を示すブロック図である。モニタ10は、STB20またはルータ30からWi−Fi通信により送信された映像信号をデコードし、当該映像を表示するものであり、基本システムは、STB20や通常のテレビと同様である。具体的には、モニタ10は、CPU11、無線LANモジュール12a、HDMI受信部12b、スイッチ(SW)13、DRM復号部14、DEMUX15、映像復号部16、ルックアップテーブル(LUT)17、映像処理部18aおよびディスプレイ19(出力部、表示部)を備えている。
CPU11は、UI表示部11a(表示制御手段)、コンテンツ選択部11b、映像受信選択部11c、コンテンツ切替指示部11d、チャンネル切替指示部11e(第1実行手段、第2実行手段)、受信バッファ量確認部11f(判定手段)および信号強度計測部11g(信号強度測定手段)を備えており、無線LANモジュール12a、SW13、DRM復号部14、DEMUX15、映像復号部16および映像処理部18aを制御する。
無線LANモジュール12aは、STB20およびルータ30に無線接続されており、STB20およびルータ30から映像信号を受信する。HDMI受信部12bは、BDレコーダ40bに接続されている。
無線LANモジュール12aは、具体的には、受信バッファ120aを内部に備えており、受信した映像信号(映像データ)を順次受信バッファ120aに記憶し、受信バッファ120a内の映像信号(映像データ)を順次SW13に出力する。したがって、映像信号がある程度の送信レートでモニタ10に送信されている間は受信バッファ120aにおいてバッファアンダーランが発生することはないが、送信レートが大きく低下すると、受信バッファ120aにおいてバッファアンダーランが発生する。
SW13は、2つの入力端子IN1・IN2および1つの出力端子OUT1を備えている。入力端子IN1は、無線LANモジュール12aに接続され、入力端子IN2は、HDMI受信部12bに接続されている。SW13は、CPU11からの指示に基づき、入力端子IN1・IN2への入力信号のいずれかを選択して、出力端子OUT1から出力する。
UI画面表示部11aは、ユーザの操作に応じて、図2に示すコンテンツ選択画面や図19に示す接続状態確認画面、図20に示す接続設定画面等の各種画面をディスプレイ19に表示させるものである。また、コンテンツ選択部11bは、コンテンツ選択画面に対するユーザの操作に応じて、コンテンツソースを選択するものである。
映像受信選択部11cは、無線LANモジュール12aおよびSW13を制御するものである。具体的には、映像受信選択部11cは、コンテンツ選択部11bによって選択されたコンテンツソース(以下、「対象コンテンツソース」とも称する)がアクセスポイント(STB20またはルータ30)を介して提供されるものか、またはHDMI受信部12bを介して提供されるものかを、予め設定されたコンテンツソースとDRM暗号化形式と映像信号の圧縮形式との対応関係を表すLUT17によって判断する。
具体的には、映像受信選択部11cは、LUT17において、対象コンテンツソースに映像信号の圧縮形式が対応付けられている場合にアクセスポイントを介して提供されるものと判定する。一方、映像受信選択部11cは、LUT17において、対象コンテンツソースに映像信号の圧縮形式が対応付けられていない場合にHDMI受信部12bを介して提供されるものと判定する。
そして、映像受信選択部11cは、対象コンテンツソースがアクセスポイントを介して提供されるものである場合、対象コンテンツソースからの映像信号を受信するために使用するアクセスポイントを特定する。そして、映像受信選択部11cは、特定されたアクセスポイントからの映像信号を無線LANモジュール12aに受信させるとともに、SW13に対し、無線LANモジュール12aに接続されている入力端子IN1を選択させる。
コンテンツ切替指示部11dは、映像受信選択部11cによって特定されたアクセスポイントに対する指示信号であって対象コンテンツソースからの映像信号をモニタ10に向けて送信させるための指示信号を無線LANモジュール12aに供給する。例えば、コンテンツソースとしてBDレコーダ40aが選択された場合、コンテンツ切替指示部11dは、予め設定されたSTB20の制御コマンドを無線LANモジュール12aに供給する。これにより、無線LANモジュール12aは、STB20に向けて送信した制御コマンドに対する応答として、BDレコーダ40aが送信した映像信号をSTB20から受信する。
チャンネル切替指示部11eは、無線LANモジュール12aが無線通信に使用すべきチャンネルを無線LANモジュール12aに対して指定する。例えば、チャンネル切替指示部11eは、無線通信に使用すべきチャンネルとしてW52の36chを無線LANモジュール12aに対して指示する。
受信バッファ量確認部11fは、無線LANモジュール12aの受信バッファ120aにバッファリングされているデータのデータ量を確認する。
信号強度計測部11gは、モニタ10の周辺にある各アクセスポイントが発信しているWi−Fiの電波のRSSI(受信信号強度)を計測する。
DRM復号部14は、SW13から出力される映像信号のDRM暗号化形式に応じて、DRMの復号を行う。図5に示すように、DRM復号部14は、2つのSW14a・14b、DTCP−IP復号部14c、HDCP復号部14dおよびMarlin復号部14eを備えている。
SW14aは、1つの入力端子IN11および3つの出力端子OUT11〜OUT13を備えている。SW14bは、3つの入力端子IN21〜IN23および1つの出力端子OUT21を備えている。これらのSW14a・14bの切り替え制御は、CPU11によって行われる。
DTCP−IP復号部14cは、DTCP−IP形式で暗号化された映像信号を復号するものであり、SW14aの出力端子OUT11とSW14bの入力端子IN21との間に設けられている。HDCP復号部14dは、HDCP形式で暗号化された映像信号を復号するものであり、SW14aの出力端子OUT12とSW14bの入力端子IN22との間に設けられている。Marlin復号部14eは、Marlin形式で暗号化された映像信号を復号するものであり、SW14aの出力端子OUT13とSW14bの入力端子IN23との間に設けられている。
CPU11は、図示しないメモリに記憶されているLUT17を参照して、SW14aおよびSW14bの一方から他方への切り替え制御を行う。図6は、LUT17の内容の一例を示している。同図に示すように、LUT17は、各コンテンツソースと、DRM暗号化形式と、映像信号の圧縮形式との対応関係を示している。
これにより、CPU11は、選択されたコンテンツソースからの映像信号のDRM暗号化形式に対応する復号部が復号処理を行うようにDRM復号部14を制御する。例えば、受信された映像信号がWeb70からの映像信号である場合、CPU11は、DRM復号部14においてMarlin復号部14eが復号処理を行うようにDRM復号部14を制御する。すなわち、CPU11は、SW14aが出力端子OUT14を選択し、SW14bが入力端子IN24を選択するようにDRM復号部14を制御する。同様に、受信された映像信号が、DTV/BSアンテナ50、メディアサーバ60およびUSB−HDD80からの映像信号である場合、CPU11は、DTCP−IP復号部14cが復号処理を行うようにDRM復号部14を制御する。また、受信された映像信号がBDレコーダ40aまたはBDレコーダ40bからの映像信号である場合、CPU11は、HDCP復号部14dが復号処理を行うようにDRM復号部14を制御する。
DEMUX15は、DRM復号部14から出力された映像信号のうち、主にWeb70からのIPTVの映像信号等の多重化を分離するものである。DEMUX15から出力された映像信号は、映像復号部16に入力される。
映像復号部16は、映像信号を、その圧縮形式に応じて復号する。図7に示すように、映像復号部16は、2つのSW16a・16b、MPEG2復号部16cおよびH.264復号部16dを備えている。
SW16aは、1つの入力端子IN31および3つの出力端子OUT31〜OUT33を備えている。SW16bは、3つの入力端子IN41〜IN43および1つの出力端子OUT41を備えている。これらのSW16aおよびSW16bの一方から他方への切り替え制御は、CPU11によって行われる。
MPEG2復号部16cは、MPEG2形式で圧縮された映像信号を復号化するものであり、SW16aの出力端子OUT31とSW16bの入力端子IN41との間に設けられている。H.264復号部16dは、H.264形式で圧縮された映像信号を復号するものであり、SW16aの出力端子OUT32とSW16bの入力端子IN42との間に設けられている。また、SW16aの出力端子OUT33とSW16bの入力端子IN43とは、直接接続されている。
CPU11は、LUT17を参照して、SW16aおよびSW16bの一方から他方への切り替え制御を行う。具体的には、CPU11は、図6に示すLUT17における、コンテンツソースと圧縮形式との対応関係を参照して、選択されたコンテンツソースからの映像信号の圧縮形式に対応する復号部が復号処理を行うように映像復号部16を制御する。例えば、受信された映像信号が、BDレコーダ40aおよびWeb70からの映像信号である場合、CPU11は、映像復号部16においてH.264復号部16dが復号処理を行うように映像復号部16を制御する。すなわち、CPU11は、SW16aが出力端子OUT32を選択し、SW16bが入力端子IN42を選択するように映像復号部16を制御する。同様に、受信された映像信号が、DTV/BSアンテナ50、メディアサーバ60またはUSB−HDD80からの映像信号である場合、CPU11は、映像信号に施されている圧縮の方式に応じた、MPEG2復号部16cおよびH.264復号部16dのいずれかの復号部が復号処理を行うように映像復号部16を制御する。なお、BDレコーダ40bからの映像信号は、ベースバンド信号であるため、CPU11は、SW16aが出力端子OUT33を選択し、SW16bが入力端子IN43を選択するように映像復号部16を制御する。
映像復号部16から出力された映像信号は、映像処理部18aに入力される。映像処理部18aは、映像信号に対し、画質補正などの所定の画像処理を施し、パネルコントローラ18bを介してディスプレイ19に出力する。これにより、選択されたコンテンツソースが送信した映像コンテンツの映像がディスプレイ19に表示される。
なお、本実施形態のモニタ10がサポートするDRM暗号化方式はMarlin暗号化、DTCP−IP暗号化およびHDCP暗号化であるが、本発明はこれに限定されない。すなわち、表示装置がサポートするDRM暗号化形式の種類に応じて、表示装置のDRM復号部内に設ける復号部の種類を適宜変更してもよいし、表示装置がDRMをサポートしない場合には、表示装置内にDRM復号部を設けなくともよい。
同様に、本実施形態のモニタ10がサポートする映像圧縮方式はMPEG2およびH264であるが、本発明はこれに限定されない。すなわち、表示装置がサポートする映像圧縮形式の種類に応じて、表示装置の映像復号部内に設ける復号部の種類を適宜変更してもよい。
(STBの構成)
続いて、STB20の構成について説明する。図1に示すように、STB20には、コンテンツソースとしてBDレコーダ40aおよびメディアサーバ60が接続され、コンテンツソースであるDTV/BS放送を受信するDTV/BSアンテナ50が接続されている。さらに、図6に示すように、STB20は、著作権保護のため、各コンテンツソースからの映像信号に対し暗号化を行っている。具体的には、BDレコーダ40aからの映像信号に対し、HDCPによる暗号化を行っている。また、STB20は、DTV/BSアンテナ50からの映像信号に対し、DTCP−IPによる暗号化を行っている。また、USB−HDD80からの映像信号に対し、固有DRMによる復号を行い、さらに、DTCP−IPによる暗号化を行っている。
このように、STB20は、コンテンツソースに応じて、暗号化の形式を切り替えることができる。そのための構成について、説明する。
図8は、STB20の構成を示すブロック図である。STB20は、通常のテレビでパネル出力に該当する部分に、無線伝送システムを取り付け、Wi−Fi通信により映像信号をモニタ10に出力している。具体的には、STB20は、CPU21、チューナ22a、復調部22b、Multi2復号部22c、DEMUX22d、USBインターフェース(USB/IF、映像入力手段)23a、固有DRM復号部23b、HDMI受信部24a、HDCP復号部24b、H.264符号化部24c、有線LANモジュール25、スイッチ(SW)26、DRM暗号化部27、無線LANモジュール28およびTSバッファ283を備えている。また、STB20は、メモリ(図示せず)内にTCP/IPバッファ282を備えている。
TCP/IPバッファ282は、映像コンテンツをTCP/IPプロトコルに従ってモニタ10に送信するために使用するバッファであり、映像コンテンツのSYNパケットを送信してから対応するACKパケットを受信するまで、再送用に当該SYNパケットが保持されるバッファである。TSバッファ283は、映像信号のSPTSがバッファリングされるバッファである。
チューナ22a、USB/IF23a、およびHDMI受信部24aは、それぞれDTV/BSアンテナ50、USB−HDD80、およびBDレコーダ40aに接続されている。また、有線LANモジュール25は、ルータ30およびメディアサーバ60と同一のローカルネットワークに接続されている。また、無線LANモジュール28は、モニタ10と無線接続されている。
チューナ22aが受信した映像信号は、復調部22bによって復調され、Multi2復号部22cによってDRM復号処理が施される。その後、DEMUX22dによって映像信号のMPTSが複数のSPTSに多重化分離され、複数のSPTSはTSバッファ283にバッファリングされる。TSバッファ283内のSPTSは、TCP/IPバッファ282のバッファに空きがある限り、順次、SW26に入力される。
USB/IF23aが受信した映像信号は、固有DRM復号部23bによってDRM復号処理が施され、SW26に入力される。
HDMI受信部24aが受信した映像信号は、HDCP復号部24bによってDRM復号処理が施され、H.264符号化部24cによって圧縮されて、SW26に入力される。なお、HDCP復号部24bの復号処理により得られた映像信号をそのままSW26に入力してもよいが、無線区間では送信速度が低下しやすいため、H.264などによって圧縮することが望ましい。
SW26は、4つの入力端子IN51〜IN54および1つの出力端子OUT51を備えている。入力端子IN51は、DEMUX22dに接続され、入力端子IN52は、固有DRM復号部23bに接続され、入力端子IN53は、H.264符号化部24cに接続され、入力端子IN54は、有線LANモジュール25に接続されている。SW26は、CPU21からの指示に基づき、入力端子IN51〜IN54への入力信号のいずれかを選択して、出力端子OUT51から出力する。
上述のように、モニタ10の無線LANモジュール12aは、コンテンツ切替指示部11dから供給された指示信号をSTB20に送信するが、指示信号は、CPU21に入力される。CPU21は、指示信号に基づき、SW26およびDRM暗号化部27を制御する。これにより、STB20は、選択されたコンテンツソースからの映像信号を、当該映像信号に対応したDRM暗号化形式で暗号化して、モニタ10に送信する。
例えば、選択されたコンテンツソースがBDレコーダ40aである場合(第2のモード)、CPU21は、入力端子IN53から入力された信号のみが出力端子OUT51から出力されるようにSW26を制御する。その結果、HDMI受信部24aが受信した映像信号のみがDRM暗号化部27に出力される。同様に、選択されたコンテンツソースがDTV/BS放送の場合(第1のモード)、CPU21は、入力端子IN51から入力された信号のみが出力端子OUT51から出力されるようにSW26を制御し、選択されたコンテンツソースがUSB−HDD80の場合(第2のモード)、CPU21は、入力端子IN52から入力された信号のみが出力端子OUT51から出力されるようにSW26を制御し、選択されたコンテンツソースがWeb70である場合(第1のモード)、CPU21は、入力端子IN54から入力された信号のみが出力端子OUT51から出力されるようにSW26を制御する。
SW26から出力された映像信号に対して、DRM暗号化部27は、コンテンツソースに応じたDRM暗号化を行う。図9に示すように、DRM暗号化部27は、2つのSW27a・27b、DTCP−IP暗号化部27cおよびHDCP暗号化部27dを備えている。
SW27aは、1つの入力端子IN61および3つの出力端子OUT61〜OUT63を備えている。SW27bは、3つの入力端子IN71〜IN73および1つの出力端子OUT71を備えている。これらのSW27a・27bの切り替え制御は、CPU21によって行われる。
DTCP−IP暗号化部27cは、映像信号をDTCP−IP形式で暗号化するものであり、SW27aの出力端子OUT61とSW27bの入力端子IN71との間に設けられている。HDCP暗号化部27dは、映像信号をHDCP形式で暗号化するものであり、SW27aの出力端子OUT62とSW27bの入力端子IN72との間に設けられている。また、SW27aの出力端子OUT63とSW27bの入力端子IN73とは、直接接続されている。
CPU21は、SW27aおよびSW27bを制御することにより、選択されたコンテンツソースに対応する暗号化形式で映像信号を暗号化する。例えば、選択されたコンテンツソースがDTV/BS放送である場合、CPU21は、DRM暗号化部27においてDTCP−IP暗号化部27cが暗号化を行うようにSW27aおよびSW27bを制御する。すなわち、CPU21は、SW27aが出力端子OUT61を選択し、SW27bが入力端子IN71を選択するようにDRM暗号化部27を制御する。同様に、選択されたコンテンツソースがBDレコーダ40aである場合、CPU21は、DRM暗号化部27においてHDCP暗号化部27dが選択されるようにSW27aおよびSW27bを制御する。
なお、選択されたコンテンツソースの映像信号を有線LANモジュール25から受信する場合、映像信号は、既に暗号化されているため、DRM暗号化部27は、当該映像信号に対して暗号化を行わない。このとき、CPU21は、SW27aが出力端子OUT63を選択し、SW27bが入力端子IN73を選択するように制御する。
これにより、選択されたコンテンツソースに応じて適切に暗号化された映像信号が無線LANモジュール28からモニタ10に送信される。具体的には、暗号化された映像信号(映像データ)が、TCP/IPバッファ282、無線LANモジュール28の送信バッファ281の順に順次バッファリングされ、送信バッファ281内の映像信号(映像データ)が順次モニタ10に送信される。したがって、映像信号がある程度の送信レートでモニタ10に送信されている間は送信バッファ281、TCP/IPバッファ282においてバッファオーバーフローが発生することはないが、送信レートが大きく低下すると、送信バッファ281、TCP/IPバッファ282においてバッファオーバーフローが発生することになる。特に、選択されたコンテンツソースがDTV/BS放送である場合、さらに、TCP/IPバッファ282よりも前段に配置されているTSバッファ283においてもバッファオーバーフローが発生することになる。
また、CPU21は、送信バッファ量確認部21a、レーダー波検出部21b、信号強度計測部21cおよびチャンネル切替指示部21dを備えている。
送信バッファ量確認部21aは、無線LANモジュール28の送信バッファ281内にバッファリングされているデータのデータ量を確認する。
レーダー波検出部21bは、無線LANモジュール28がWi−Fi通信に使用しているチャンネルがW53またはW56のチャンネル(すなわち、公的機関による利用が優先されるチャンネル)である場合に動作し、気象レーダーや軍事レーダー等といった公的機関からのレーダー波を検出する。
信号強度計測部21cは、STB20の周辺にあるモニタ10等の各端末が発信しているWi−Fiの電波のRSSI(受信信号強度)を計測する。
チャンネル切替指示部21dは、無線LANモジュール28が無線通信に使用すべきチャンネルを無線LANモジュール28に対して指定する。
以上、本実施形態に係るコンテンツ表示システム1の全体的な構成について説明した。次に、本実施形態に係るコンテンツ表示システム1の全体的な動作について図10〜図22を参照しながら説明する。
(コンテンツ表示システムの動作)
図10は、モニタ10が映像信号の受信を開始する手順を示すフローチャートである。
コンテンツ選択画面が表示され(S1)、ユーザの操作によってコンテンツが選択されると(S2)、映像受信選択部11cは、選択されたコンテンツソースがアクセスポイントを介して提供されるものか、またはHDMI受信部12bを介して提供されるものかを判断する(S3)。
選択されたコンテンツソースがHDMI受信部12bを介して提供されるものである場合(S3においてYES)、HDMI受信部12bは、BDレコーダ40bからHDCP暗号化された映像信号を受信し(S20)、受信した映像信号に対してDRM復号部14がDRM復号処理を施し(S21)、復号により得られた映像信号に対して後段の各部(映像復号部16、映像処理部18a)による処理が施された映像がディスプレイ19に表示される(S22)。
一方、選択されたコンテンツソースがアクセスポイントを介して提供されるものである場合(S3においてNO)、映像受信選択部11cは、選択されたコンテンツソースからの映像信号を受信するために使用するアクセスポイントがSTB20であるかルータ30であるかを特定する(S4)。
特定されたアクセスポイントがSTB20である場合(S4においてSTB)、映像受信選択部11cは、無線LANモジュール12aに、STB20からの映像信号を受信させるとともに、SW13に対し、無線LANモジュール12aに接続されている入力端子IN1を選択させる(S5)。また、無線LANモジュール12aは、コンテンツ切替指示部11dから供給されたSTB20に対する指示信号(選択されたコンテンツソースからの映像信号をモニタ10に送信するよう指示する指示信号)をSTB20に送信する(S6)。
指示信号を受信したSTB20では、送信バッファ量確認部21aが送信バッファ281のバッファ量を監視し、無線LANモジュール28が選択されたコンテンツソースからの映像信号をモニタ10に送信する(S7)。
これにより、STB20を介して選択されたコンテンツソースからの映像信号の受信(S8)、当該映像信号のDRM復号処理(S9)、映像復号処理(S10)および映像出力(S11)が行われる。
具体的には、無線LANモジュール12aは、STB20から映像信号(映像データ)を受信して受信バッファ120aにバッファリングする。そして、受信バッファ120a内の映像信号(映像データ)のDRM暗号化形式に応じてDRM復号部14内のいずれかの復号部が、供給される映像信号に対してDRM復号処理を施す。さらに、映像復号部16は、DRM復号処理により得られた映像信号に対して適宜多重化の分離を行った後、映像復号部16の2つの復号部16c・16dのいずれかが、供給される映像信号に対してその圧縮形式に応じた復号処理を施す。復号処理により得られた映像信号には映像処理部18aにより所定の映像処理が施され、パネルコントローラ18bがディスプレイ19に映像を出力する。
その後、CPU11の受信バッファ量確認部11fは、選択されたコンテンツソースがSTBに接続されている外部機器(BDレコーダ40aまたはUSB・HDD80)であるか否かを判定し(S12)、STBに接続されている外部機器である場合(S12においてYES、第2のモード)には、受信バッファ120aにおけるバッファアンダーラン発生の監視を開始する(S13)。受信バッファ120aのバッファアンダーラン発生の監視とは、具体的には、受信バッファ120a内の映像データのデータ量が所定の閾値以下になっていないかを繰り返し確認する処理のことを指す。
一方、特定されたアクセスポイントがルータ30である場合(S4においてSTB)、映像受信選択部11cは、無線LANモジュール12aに、ルータ30からの映像信号を受信させるとともに、SW13に対し、無線LANモジュール12aに接続されている入力端子IN1を選択させる(S14)。また、無線LANモジュール12aは、コンテンツ切替指示部11dから供給されたルータ30に対する指示信号(選択されたコンテンツソースからの映像信号をモニタ10に送信するよう指示する指示信号)をルータ30に送信する(S15)。
これにより、ルータ30を介して選択されたコンテンツソースからの映像信号の受信(S16)、当該映像信号のDRM復号処理(S17)、映像復号処理(S18)および映像出力(S19)が行われる。
なお、S9およびS17の復号処理は、具体的には、図11のフローチャート図により表される。すなわち、DRM復号部14は、選択されたコンテンツソースがどのコンテンツであるかを判定する(S31)。そして、選択されたコンテンツソースがWeb70である場合に、DTCP−IP復号部14cがDTCP−IP復号処理を施し(S32)、選択されたコンテンツソースがBDレコーダ40aである場合に、HDCP復号部14dがHDCP復号処理を施し(S34)、選択されたコンテンツソースがそれ以外である場合に、Marlin復号部14eがMarlin復号処理を施す(S33)。
以上のように、モニタ10は、STB20に接続されている外部機器からの映像信号をSTB20からワイヤレス通信により受信している間、受信バッファ量確認部11fが受信バッファ120a内にバッファリングされている映像データのデータ量を確認する。受信バッファ量確認部11fは、確認したデータ量が所定の閾値以下であると1回または複数回(所定の回数)判定した場合に、バッファアンダーランが発生したことを検知する。
なお、誤認識を防ぐために、受信バッファ量確認部11fは、一定期間内において単位時間当たり所定の回数(Q≧1)以上(例えば、1分間に10回以上)、バッファリングされている映像データのデータ量が所定の閾値以下であると判定した場合に、バッファアンダーランが発生したと認識するように動作してもよい。
以上、モニタ10の動作について説明したが、使用するアクセスポイントがSTB20であるかルータ30であるかをS4において特定するために、図13および図14に示されているような接続先設定画面における現在の設定が「チューナ部」である場合には使用するアクセスポイントとしてSTB20を特定し、現在の設定が「無線アクセスポイント」である場合には使用するアクセスポイントとしてルータ30を特定してもよい。あるいは、図12のフローチャートのS4’に示すように、選択されたコンテンツソースがWeb70である場合には使用するアクセスポイントとしてルータ30を特定し、それ以外の場合にはSTB20を特定してもよい。なお、接続先設定画面の詳細については後述することにする。
以上のような動作により映像信号の受信が開始され、受信バッファ120aにおいてバッファアンダーランの発生が検知された場合には、モニタ10のCPU11は、モニタ10とSTB20との間のワイヤレス通信におけるスループットが低下した場合に行うべき所定のエラー回避処理を実行してもよい。
前記所定のエラー回避処理の一例として、STB20から送出されている電波の受信信号強度を計測し、受信信号強度が所定の閾値以上である場合(すなわち、スループットの低下が受信信号強度の低下に起因するものではなく電波干渉に起因するものであることを検出した場合(以下、「電波干渉を検出した場合」とも称する)に、STB20との間のワイヤレス通信に使用するチャンネルを別のチャンルに切り替える処理が挙げられる。ここで、前記所定の閾値は、例えば、映像信号の送信が十分可能であるレベルである基準レベルの10分の1(基準レベルより20dB低い値)に設定すればよい。
この処理について図15〜図17を参照しながら以下に説明する。図15は、モニタ10のチャンネル切替指示部11eがワイヤレス通信に使用するチャンネルを切り替える動作を示すフローチャート図である。
最初に、チャンネル切替指示部11eは、「CH変更しない」フラグが“1”であるか否かを判定する(S41)。ここで、「CH変更しない」フラグは、電波干渉を検出した際にチャンネルを変更しない旨の指示をユーザから受け付けた場合には“1”が設定されるフラグであるが、チャンネルが変更される度にデフォルト値である“0”に設定される。
「CH変更しない」フラグが“1”であると判定された場合(S41においてYES)、何も行わずに、処理を終了する。
一方、「CH変更しない」フラグが“0”であると判定された場合(S41においてYES)には、UI画面表示部11aは、図16(a)に示すような「CH変更確認」コーションUI1をディスプレイ19に表示する(S42)。その後、チャンネル切替指示部11eは、「CH変更確認」コーションUI1においてユーザが「はい」を選択したか「いいえ」を選択したかを判定する(S43)。
ユーザが「いいえ」を選択したと判定された場合には(S43においてNO)、「CH変更しない」フラグを“1”に設定し(S44)、処理を終了する。
一方、ユーザが「はい」を選択したと判定された場合には(S43においてYES)、チャンネル切替指示部11eは図17にフローチャート図が示されている全チャンネルAFSの処理をSTB20に実行させる指示コマンドを無線LANモジュール12aに供給し、無線LANモジュール12aは、その指示コマンドをSTB20に送信する(S45)。全チャンネルAFSの処理の詳細については後述する。
その後、UI画面表示部11aは、全チャンネルAFSの処理により新しいチャンネルでSTB20から接続されるまで、図16(b)に示す「CH変更中」コーションUI2をディスプレイ19に表示する(S46)。
そして、無線LANモジュール12aは、STB20から新たなチャンネルで接続されたか否かを定期的に判定する(S47)。接続されていないと判定された場合(S47においてNO)、S45において指示コマンドを送信した時点から2分が経過したか否かを判定する(S49)。2分経過していないと判定された場合(S49においてNO)、S47の処理に戻る一方、2分経過したと判定された場合(S49においてYES)、UI画面表示部11aが図16(c)に示す「チャンネル接続不可」コーションUI3をディスプレイ19に表示して(S50)、処理を終了する。
一方、STB20から新たなチャンネルで接続されたと判定された場合(S47においてYES)、図16(b)に示す「CH変更中」コーションUI2をディスプレイ19から消去し(S48)、処理を終了する。
以上、所定のエラー回避処理の一例として、モニタ10が電波干渉を検出した場合に、STB20との間のワイヤレス通信に使用するチャンネルを切り替えることについて説明した。本実施形態では、STB20も同様に、電波干渉を検出した場合に、モニタ10との間のワイヤレス通信に使用するチャンネルを切り替えるための処理を行う。
すなわち、STB20の送信バッファ量確認部21aは、DTV/BSアンテナ50を介してコンテンツ表示システム1の外部から放送波を介して受信した映像信号をWi−Fi通信によりモニタ10に送信中に送信バッファ281のバッファオーバーフローを検出するための動作を行う(第1のモード)。具体的には、送信バッファ量確認部21aは、送信バッファ281内にバッファリングされている映像データのデータ量が所定の閾値以上であるか否かを繰り返し判定する動作を行う。送信バッファ量確認部21aは、所定の閾値以上であると1回または複数回(所定の回数)判定したことをもって、バッファオーバーフローが発生したと認識する。
なお、誤認識を防ぐために、送信バッファ量確認部21aは、一定期間内において単位時間当たり所定の回数(P≧1)以上(例えば、1分間に3回以上)、バッファリングされている映像データのデータ量が所定の閾値以上であると判定した場合に、バッファオーバーフローが発生したと認識するように動作してもよい。
また、信号強度計測部21cは、モニタ10からの搬送波の受信信号強度を定期的に計測する。
送信バッファ量確認部21aがバッファオーバーフローを検出するのと同時期に信号強度計測部21cが所定の閾値以上の受信信号強度を検出すると、STB20は使用中のチャンネルにおいて電波干渉が生じたと認識し、映像信号の送受信に使用するチャンネルを変更するために、例えば、後述のS92の処理を実行する(S92の処理の後、モニタ10が後述のS93〜S95の処理を実行する)。なお、バッファオーバーフローの検出時刻と所定の閾値以上の信号強度の検出時刻との時間差が1分以内であることをもって前記同時期としてもよいし、バッファオーバーフローの検出時刻と所定の閾値以上の信号強度の検出時刻とが分単位に丸めた場合に同一であることをもって前記同時期としてもよいし、前記同時期として2つの前記検出時刻の時間差が所定の範囲内にあるようなその他の定義を与えてもよい。
以上のように、本実施形態に係るコンテンツ表示システム1は、モニタ10が電波干渉を検出した場合だけでなく、STB20が電波干渉を検出した場合にも、STB20からモニタ10に映像信号を送信するのに使用するWi−Fi通信のチャンネルを変更することができる。
なお、電波干渉を検出し、チャンネルを切り替えるための処理を行うのはモニタ10およびSTB20のいずれか一方であってもよい。
(全チャンネルAFSの処理について)
次に、STB20が実行する全チャンネルAFSの処理について図17を参照しながら説明する。図17は、全チャンネルAFSの処理を示すフローチャート図である。
図17に示すように、STB20のチャンネル切替指示部21dは、無線LANモジュール28を制御してAPサーチを実行する(S61)。チャンネル切替指示部21dは、APサーチの結果に基づいて、W52の連続した2つのチャンネル(36chと40ch、または、44chと48ch)が空いているか否かを判定する(S62)。
W52の連続した2つのチャンネルが空いていると判定された場合(S62においてYES)、無線LANモジュール28は、その空いているW52の連続した2チャンネルを使用するHT40モード(デュアルチャンネルモードおよび40MHzモードと等価)でモニタ10に接続し(S63)、処理を終了する。
一方、W52の連続した2つのチャンネルが空いていないと判定された場合(S62においてNO)、チャンネル切替指示部21dは、W52のいずれかのチャンネルが空いているか否かを判定する(S64)。
W52の連続したいずれかのチャンネルが空いていると判定された場合(S62においてYES)、無線LANモジュール28は、その空いているW52のいずれかのチャンネルを使用するHT20モード(シングルチャンネルモードおよび20MHzモードと等価)でモニタ10に接続し(S65)、処理を終了する。
一方、W52のいずれかのチャンネルも空いていないと判定された場合(S62においてNO)、チャンネル切替指示部21dは、APサーチの結果に基づいて、W56の連続した2つのチャンネル(100chと104ch、108chと112ch、・・・)が空いているか否かを判定する(S66)。
W56の連続した2つのチャンネルが空いていないと判定された場合(S66においてNO)、S70の処理に進む。
W56の連続した2つのチャンネルが空いていると判定された場合(S66においてYES)、レーダー波検出部21bは、その空いている連続した2チャンネルについて各チャンネルに属する周波数のレーダー波を検出するための動作を1分間行う(S67)。
S67の動作によりレーダー波検出部21bがいずれかのチャンネルに属するレーダー波を検出した場合(S68においてYES)、S70の処理に進む。一方、S67の動作によりレーダー波検出部21bがレーダー波を検出しなかった場合(S68においてNO)、無線LANモジュール28は、レーダー波が検出されなかったW56の連続した2つのチャンネルを使用するHT40モードでモニタ10に接続し(S65)、処理を終了する。
S70において、チャンネル切替指示部21dは、APサーチの結果に基づいて、W53の連続した2つのチャンネル(52chと56ch、60chと64ch、・・・)が空いているか否かを判定する。
W53の連続した2つのチャンネルが空いていないと判定された場合(S70においてNO)、S74の処理に進む。
W53の連続した2つのチャンネルが空いていると判定された場合(S70においてYES)、レーダー波検出部21bは、その空いている連続した2チャンネルについて各チャンネルに属する周波数のレーダー波を検出するための動作を1分間行う(S71)。
S71の動作によりレーダー波検出部21bがいずれかのチャンネルに属するレーダー波を検出した場合(S72においてYES)、S74の処理に進む。一方、S71の動作によりレーダー波検出部21bがレーダー波を検出しなかった場合(S72においてNO)、無線LANモジュール28は、レーダー波が検出されなかったW53の連続した2つのチャンネルを使用するHT40モードでモニタ10に接続し(S73)、処理を終了する。
S74において、チャンネル切替指示部21dは、APサーチの結果に基づいて、W56のいずれかのチャンネルが空いているか否かを判定する。
W56のいずれのチャンネルも空いていないと判定された場合(S74においてNO)、S78の処理に進む。
W56のいずれかのチャンネルが空いていると判定された場合(S74においてYES)、レーダー波検出部21bは、その空いているいずれかのチャンネルについて当該チャンネルに属する周波数のレーダー波を検出するための動作を1分間行う(S75)。
S75の動作によりレーダー波検出部21bがレーダー波を検出した場合(S76においてYES)、S78の処理に進む。一方、S75の動作によりレーダー波検出部21bがレーダー波を検出しなかった場合(S76においてNO)、無線LANモジュール28は、レーダー波が検出されなかったW56のチャンネルを使用するHT20モードでモニタ10に接続し(S77)、処理を終了する。
S78において、チャンネル切替指示部21dは、APサーチの結果に基づいて、W53のいずれかのチャンネルが空いているか否かを判定する。
W53のいずれのチャンネルも空いていないと判定された場合(S78においてNO)、S82の処理に進む。
W53のいずれかのチャンネルが空いていると判定された場合(S78においてYES)、レーダー波検出部21bは、その空いているいずれかのチャンネルについて当該チャンネルに属する周波数のレーダー波を検出するための動作を1分間行う(S79)。
S79の動作によりレーダー波検出部21bがレーダー波を検出した場合(S80においてYES)、S82の処理に進む。一方、S79の動作によりレーダー波検出部21bがレーダー波を検出しなかった場合(S80においてNO)、無線LANモジュール28は、レーダー波が検出されなかったW53のチャンネルを使用するHT20モードでモニタ10に接続し(S81)、処理を終了する。
S82において、信号強度計測部21cは、W52の各チャンネルについて該チャンネルの搬送波の受信信号強度を測定し、無線LANモジュール28は、最小の受信信号強度が測定されたチャンネルを使用するHT20モードでモニタ10に接続し、全チャンネルAFSの処理を終了する。
なお、図17のフローチャート図から明らかなように、全チャンネルAFSは、優先順位の高い順にW52、W56、W53の優先順位で新たに使用するチャンネルを選択するアルゴリズムとなっているが、優先順位の高い順にW52、W53、W56の優先順位としてもよい。また、いずれの優先順位を採用するかを、STB20の仕向け地に応じて変更してもよい。例えば、軍事レーダーの使用頻度が気象レーダーの使用頻度よりも低いと想定される国(例えば日本)または地域を仕向け地とするSTB20は、W52、W56、W53の優先順位で新たに使用するチャンネルを選択するように全チャンネルAFSが実装されていてもよい。また、軍事レーダーの使用頻度が気象レーダーの使用頻度よりも高いと想定される国(軍事国家等)または地域を仕向け地とするSTB20は、W52、W53、W56の優先順位で新たに使用するチャンネルを選択するように全チャンネルAFSが実装されていてもよい。
また、STB20は、S67の動作によってレーダー波を検出した場合(S68においてYES)、そのレーダー波の検出をトリガとしてS82の処理を行ってもよい。同様に、S71の動作によってレーダー波を検出した場合(S72においてYES)およびS75の動作によってレーダー波を検出した場合(S76においてYES)に、レーダー波の検出をトリガとしてS82の処理を行ってもよい。このように実装した場合のSTB20には、レーダー波を検出するための処理時間が最大4分間になる図17のフローチャートに従った動作を行う場合に比べて、モニタ10への接続を完了するための最大所要時間が短くなるという利点がある。
(全チャンネルAFSの処理のさらに望ましい実施例について)
図17に示す全チャンネルAFSの処理では、空いているチャンネルを周波数が小さい帯域から探索し、発見できなければRSSIが最も小さいチャンネルを選択していた。しかしながら、一般に、隣接チャンネルの干渉は同一のチャンネルの干渉よりも影響が大きく、RSSIよりも重複する干渉源(AP)の数のほうが干渉への影響が大きい。そこで以下では、隣接チャンネルの干渉を考慮した全チャンネルAFSの処理を行う構成について、図35〜図37を参照しながら説明する。
図35は、セットトップボックスの変形例に係るSTB20’の構成を示すブロック図である。STB20’は、図8に示すSTB20において、ランク付け部21eをさらに備える構成である。STB20’では、全チャンネルAFSの処理において、ランク付け部21eが電波干渉の生じにくさを示すランクを各チャンネルに付与し、当該ランクに基づいて、チャンネル切替指示部21dがチャンネルを選択する。
図36は、全チャンネルAFSの処理を示すフローチャート図である。
図36に示すように、STB20のチャンネル切替指示部21dは、無線LANモジュール28を制御してAPサーチを実行する(S121)。このサーチ結果により、ランク付け部21eは、電波干渉の生じにくさを示すランクを各チャンネルに付与する(S122)。ランク付け部21eによるランク付けの詳細は後述する。
続いて、チャンネル切替指示部21dは、W52のチャンネルの中で最もランクの高いチャンネル(ベストチャンネル)を検索し(S123)、W52のベストチャンネルのランクがランク3以上であり、かつ現在使用中のチャンネルのランク以上であるか否かを判定する(S124)。
W52のベストチャンネルのランクがランク3以上であり、かつ現在使用中のチャンネルのランク以上である場合(S124においてYES)、無線LANモジュール28は、そのW52のベストチャンネルを使用するHT20モードでモニタ10に接続し(S125)、処理を終了する。
一方、W52のベストチャンネルのランクがランク4以下であるか、または現在使用中のチャンネルのランクよりも低い場合(S124においてNO)、チャンネル切替指示部21dは、W53のチャンネルの中でベストチャンネルを検索し(S126)、W53にランク1のチャンネルが存在するか否かを判定する(S127)。
W53にランク1のチャンネルが存在しないと判定された場合(S127においてNO)、チャンネル切替指示部21dは、W56のチャンネルの中でベストチャンネルを検索する(S128)。一方、W53にランク1のチャンネルが存在すると判定された場合(S127においてYES)、レーダー波検出部21bは、そのランク1のチャンネルに属する周波数のレーダー波を検出するための動作を1分間行う(S129)。
S129の動作によりレーダー波検出部21bがW53のランク1のチャンネルに属するレーダー波を検出した場合(S130においてYES)、S125の処理に進む。一方、S129の動作によりレーダー波検出部21bがレーダー波を検出しなかった場合(S130においてNO)、無線LANモジュール28は、レーダー波が検出されなかったW53のランク1のチャンネルを使用するHT20モードでモニタ10に接続し(S131)、処理を終了する。なお、S130においてレーダー波検出部21bがレーダー波を検出した場合、S128に遷移してもよい。
S128において、チャンネル切替指示部21dは、W56のチャンネルの中でベストチャンネルを検索し、W56にランク1のチャンネルが存在しないと判定された場合(S132においてNO)、無線LANモジュール28は、S123で検索されたW52のベストチャンネルを使用するHT20モードでモニタ10に接続し(S125)、処理を終了する。一方、W56にランク1のチャンネルが存在すると判定された場合(S132においてYES)、レーダー波検出部21bは、そのランク1のチャンネルに属する周波数のレーダー波を検出するための動作を1分間行う(S133)。
S133の動作によりレーダー波検出部21bがW56のランク1のチャンネルに属するレーダー波を検出した場合(S134においてYES)、無線LANモジュール28は、S123で検索されたW52のベストチャンネルを使用するHT20モードでモニタ10に接続し(S125)、処理を終了する。一方、S133の動作によりレーダー波検出部21bがレーダー波を検出しなかった場合(S134においてNO)、無線LANモジュール28は、レーダー波が検出されなかったW56のランク1のチャンネルを使用するHT20モードでモニタ10に接続し(S135)、処理を終了する。
続いて、各チャンネルのランク付けの詳細について説明する。図35に示すランク付け部21eは、電波干渉の生じにくさを示すランクを、以下のように決定する。なお、数字が小さいほどランクが高い(電波干渉が生じにくい)ことを示す。
・ランク1:空いているチャンネルであって、その隣接チャンネルが使用されていないチャンネル
・ランク2:1つの既存のAPが使用しているチャンネルであって、その隣接チャンネルが使用されていないチャンネル
・ランク3:1つ以下の既存のAPが使用しているチャンネルであって、その隣接チャンネルが使用されているチャンネル
・ランク4:2つの既存のAPが使用しているチャンネルであって、その隣接チャンネルが使用されているチャンネル
その隣接チャンネルが使用されているチャンネルのランクは、当該チャンネルを使用している既存のAPの数が増えるほど低くなる。
なお、HT40モード(デュアルチャンネルモード)で使用されているチャンネルは、使用されているそれぞれのチャンネルのランクを合計することによりランク付けを行う。また、端のチャンネル(36ch、64ch、100ch、140ch)については、隣接する1つのチャンネルのみをランク付けに使用する。
図37は、各チャンネルにおける、当該チャンネルを使用している既存のAPの数および当該チャンネルのランクの一例を示す表である。隣接チャンネルの干渉を考慮しているため、既存のAPの数が0であっても、隣接チャンネルが使用されている場合はランクが低くなる。
このように、ランク付け部21eは、隣接チャンネルの干渉を優先的に考慮して各チャンネルのランクを決定している。すなわち、その隣接チャンネルが使用されているチャンネルよりも、その隣接チャンネルが使用されていないチャンネルに、高いランクを付与し、その隣接チャンネルが使用されているチャンネルについては、当該チャンネルを使用している通信装置の数が少ないほど、高いランクを付与する。これにより、チャンネル切替指示部21dは、最も影響が大きい隣接チャンネルの干渉を回避できるチャンネルを選択しやすくなる。また、チャンネル切替指示部21dは、隣接チャンネルが使用されているチャンネルを選択する場合であっても、当該チャンネルを使用する既存のAPの数が最も少ないチャンネルを選択することができる。
例えば、図36のフローチャートにおけるS124およびS125に示すように、チャンネル切替指示部21dは、W52のチャンネルの中で最も高いランクのチャンネルを優先的に選択する。これにより、W52のチャンネルであって、隣接チャンネルが使用されていないチャンネルが最も優先的に選択され、W52のチャンネルに、隣接チャンネルが使用されていないチャンネルが存在しない場合であっても、当該チャンネルを使用しているAPの数が最も少ないチャンネルが選択される。隣接チャンネルの干渉は同一のチャンネルの干渉よりも影響が大きく、また、RSSIよりも重複するAPの数のほうが干渉への影響が大きいため、チャンネル切替指示部21dは、できるだけ電波干渉の生じないチャンネルを選択することができる。
また、W53およびW56のチャンネルは、それ以外のチャンネルが利用不可能でない限り、選択されないことになる。
以上のことから、チャンネル切替指示部21dは、遅延時間が生じにくく、かつ、電波干渉の生じにくいWi-Fi通信のチャンネルを選択することができる。
また、図36のフローチャートにおけるS124、S126〜S135に示すように、チャンネル切替指示部21dは、W52の最も高いランクのチャンネルのランクが、現在前記使用中のチャンネルのランクよりも低い場合、W53またはW56の使用されていないチャンネルであって、その隣接チャンネルが使用されていないチャンネルを優先的に選択する。同様に、チャンネル切替指示部21dは、W52の最も高いランクのチャンネルのランクが、その隣接チャンネルが使用されており、かつ、1つ以下の他のAPによって使用されているチャンネルのランクよりも低い場合、W53またはW56の使用されていないチャンネルであって、その隣接チャンネルが使用されていないチャンネルを優先的に選択する。これにより、チャンネル切替指示部21dは、W52のチャンネルを選択する場合に比べ、より電波干渉の生じにくいチャンネルを選択することができる。
また、チャンネル切替指示部21dは、W53およびW56のチャンネルに、使用されていないチャンネルであって、その隣接チャンネルが使用されていないチャンネルが存在しない場合、W52の最も高いランクのチャンネルを優先的に選択する。すなわち、図36に示す全チャンネルAFSの処理では、S127およびS132のように、S53およびS56では、ランク2以下のチャンネルは選択対象とせず、S53およびS56では、空いているチャンネルであって、その隣接チャンネルが使用されていないチャンネルのみ選択対象となる。これは、S53およびS56では、レーダー波検出部21bが、同一チャンネルのAPおよび隣接チャンネルのAPの電波を誤ってレーダー波として検出するおそれがあるためである。
また、チャンネル切替指示部21dは、W52のチャンネル以外を選択する場合は、W56のチャンネルよりもW53のチャンネルを優先して選択する。これは、W53のチャンネルのほうが、レーダー波検出部21bがレーダーを誤検出する確率が低いためである。
また、図36に示す全チャンネルAFSの処理では、無線LANモジュール28は、1つのチャンネルを使用するHT20モードでモニタ10に接続する。これにより、HT20モードは、2つのチャンネルを使用するHT40モードに比べて使用するチャンネルが少ないので、隣接チャンネルおよび同一チャンネルの干渉の影響が少ないチャンネルを選択しやすくなる。また、STB20’とモニタ10とが比較的離れている場合は、HT20モードのほうが、HT40モードに比べ、干渉の影響を受けにくくなるという利点がある。
以上、モニタ10がSTB20からWi−Fi通信により映像信号を受信中に電波干渉を検出した場合におけるモニタ10とSTB20との動作を説明した。
次に、STB20が、Wi−Fi通信により映像信号をモニタ10に送信中の動作にレーダー波を検出した場合におけるモニタ10とSTB20との動作について図18〜図20を参照しながら説明する。なお、この動作の前提として、STB20は、モニタ10との間でW53またはW56のチャンネルでWi−Fi通信を行っているものとし、当該チャンネルのレーダー波を検出するための動作を行っているものとする。
図18は前記動作を示すフローチャート図であり、図19は前記動作中にモニタ10が表示するコーションを示す図であり、図20は、STB20がレーダー波を検出した場合においてチャンネルを変更する際に参照するレーダー波検出履歴データを示している。
最初に、STB20のレーダー波検出部21bが、モニタ10とのWi−Fi通信に使用しているW53またはW56のチャンネルに属する周波数のレーダー波を検出する(S91)。
次に、チャンネル切替指示部21dは、図20のレーダー波検出履歴データに基づいて、無線LANモジュール28がモニタ10とのWi−Fi通信に使用するチャンネルを変更し、無線LANモジュール28は、変更後のチャンネルを用いてモニタ10との接続処理を開始する(S92)。ここで、図20のレーダー波検出履歴データは、具体的には、W52、W53またはW56に属する各チャンネルについて、該チャンネルとレーダー波検出フラグとが対応づけられているデータ構造となっている。レーダー波検出フラグ「あり」は、最後にレーダー波検出履歴データがリセットされた時点以降に対応するチャンネルにおいてレーダー波を検出したことを示し、レーダー波検出フラグ「なし」は、リセットされた時点以降に対応するチャンネルにおいてレーダー波が検出されていないことを示している。例えば、図20(a)のレーダー波検出履歴データは、リセットされた時点以降に、52chにおいてレーダー波が検出されたことを示しており、56chにおいてレーダー波が検出されていないことを示している。なお、図20(b)は、リセットされた状態のレーダー波検出履歴データを示している。また、レーダー波検出履歴データは、STB20の図示しないFLASHメモリ等の不揮発性メモリ(記憶部)に記録される。
S92のチャンネル変更処理を具体的に説明すると、チャンネル切替指示部21dは、レーダー波検出履歴データにおいてレーダー波検出フラグ「なし」と関連づけられているチャンネル群の中からランダムに選択したチャンネルを新しく使用するチャンネルとして決定する。チャンネル切替指示部21dは、そのチャンネルと対応付けられているレーダー波検出フラグを「あり」に更新する。なお、チャンネル切替指示部21dは、すべてのレーダー波検出フラグが「あり」となった時点、あるいは、STB20の起動後もしくは最後にレーダー波が検出されてから(レーダー波検出フラグをセットしてから)30分経過した時点で、レーダー波検出履歴データをリセットする。これは、法令上、一度レーダー波が検出されたチャンネルであっても、検出時点から30分経過すれば使用することが可能になるためである。
なお、S92のチャンネル変更処理において、レーダー波検出履歴データにおいてレーダー波検出フラグ「なし」と関連づけられているチャンネルがただ1チャンネルである場合には、チャンネル切替指示部21dは、そのチャンネルを新しく使用するチャンネルとして選択するが、対応するレーダー波検出フラグを更新せずにレーダー波検出履歴データをリセットしてもよい。
S92の処理によって新たなチャンネルでの再接続要求をSTB20から受け付けたモニタ10では、UI画面表示部11aが今まで使用していたチャンネルでの接続が切断された旨を示す「接続切断」コーションUI4をディスプレイ19に表示する(S93)。
S93の後、無線LANモジュール12aがSTB20との新たなチャンネルでの再接続処理を継続するようにチャンネル切替指示部11eが無線LANモジュール12aを制御し、モニタ10とSTB20との間における新たなチャンネルでの接続が成功すると(S94においてYES)、S96の処理に進み、前記接続が失敗すると、UI画面表示部11aは、「チューナ接続不可」コーションUI3をディスプレイに表示して(S95)、処理を終了する。
S96において、STB20のチャンネル切替指示部21dは、チャンネルの変更がDFS(動的周波数選択)に因るものであることを、無線LANモジュール28を介してモニタ10に通知する。モニタ10の無線LANモジュール12aが前記通知をS97にて受信すると、S98にて、UI画面表示部11aは、「DFS CH変更」コーションUI5をディスプレイ19に表示し(S98)、処理を終了する。
以上のように、STB20は、使用中のチャンネルにおいてレーダー波を検出した場合に、S92において、レーダー波検出履歴データを参照することにより、最近レーダー波を検出していないチャンネルを新たなチャンネルとして使用する。したがって、前記新たなチャンネルの使用中に再度レーダー波を検出してしまう可能性は、全く無作為に新たなチャンネルを決定する場合に比べて小さくなる。したがって、DFSにより前記新たなチャンネルでの映像通信が遮断されるために、モニタ10において、ディスプレイ19の映像が停止したり、表示されなくなったりするリスクが減ることになる。
なお、S92の処理において、レーダー波検出履歴データを参照せずにランダムで新しく選択するチャンネルを決定してもよい。あるいは、S92の処理を、図17のフローチャートが示すような全チャンネルAFS処理としてもよい。S92の処理を全チャンネルAFS処理とした場合にも、新たなチャンネルとしてW52のチャンネルが使用される可能性が高まるので、DFSにより前記新たなチャンネルでの映像通信が遮断されるために、モニタ10において、ディスプレイ19の映像が停止したり、表示されなくなったりするリスクが減ることになる。
あるいは、S92の処理において、レーダー波検出履歴データを参照せずにW52の4チャンネルの中からランダムで新しく選択するチャンネルを決定してもよい。この場合、DFSにより前記新たなチャンネルでの映像通信が遮断されるために、モニタ10において、ディスプレイ19の映像が停止したり、表示されなくなったりするリスクがなくなる。
また、前述したように、STB20が使用中のチャンネルにおいてレーダー波を検出した場合に限らず、STB20が使用中のチャンネルにおいて電波干渉を検出した場合に、S92〜S95の処理が実行されてもよい。
一方、モニタ10側では、S92の処理によってSTB20から再接続要求を受けたときに、UI画面表示部11aは、新たなチャンネルで再接続するか否かをユーザに問い合わせるダイアログをディスプレイ19に表示してもよい。ダイアログには、再接続に要する最長時間が示されていてもよい。そして、ユーザが図示しないリモコンによって、新たなチャンネルで再接続する旨の指示を行った場合に限り、チャンネル切替指示部11eは、モニタ10とSTB20との再接続処理を継続するよう無線LANモジュール12aを制御してもよい。
以下、モニタ10およびSTB20が行うその他の動作について説明する。
(STB20の起動時のWi―Fi接続動作)
STB20の起動時のWi―Fi接続動作について図21および図22を参照して説明する。
図21は、STB20の起動時のWi―Fi接続動作を示すフローチャートであり、図22は、前記フローチャートの一工程であるW52−AFSの詳細を示すフローチャートである。
図21に示すように、最初に、STB20のチャンネル切替指示部21dは、CPU内の情報からチャンネル設定データを取得する(S101)。ここで、チャンネル設定データとは、モニタ10の接続設定画面でユーザが設定した接続設定を反映したデータであり、Wi−Fi通信に使用するチャンネルとしてSTB20に自動的に選択させるか(自動設定)、ユーザが接続設定画面で設定したチャンネルを選択させるか(手動設定)を示す情報が含まれている。
S101において取得したチャンネル設定データに自動設定を示す情報が含まれている場合(S102において自動設定)、無線LANモジュール28はW52−AFSによりモニタ10に接続する(S103)。一方、S101において取得したチャンネル設定データに手動設定を示す情報が含まれている場合(S102において手動設定)、無線LANモジュール28は、チャンネル設定データに含まれている、ユーザが接続設定画面で設定したチャンネルを使用してモニタ10に接続する(S104)。
以下、S103におけるW52−AFSの詳細について図22を参照しながら説明する。
図22に示すように、STB20のチャンネル切替指示部21dは、無線LANモジュール28を制御してAPサーチを実行する(S105)。チャンネル切替指示部21dは、APサーチの結果に基づいて、W52の連続した2つのチャンネルが空いているか否かを判定する(S106)。
W52の連続した2つのチャンネルが空いていると判定された場合(S106においてYES)、無線LANモジュール28は、その空いているW52の連続した2チャンネルを使用するHT40モードでモニタ10に接続し(S109)、処理を終了する。
一方、W52の連続した2つのチャンネルが空いていないと判定された場合(S106においてNO)、チャンネル切替指示部21dは、W52のいずれかのチャンネルが空いているか否かを判定する(S107)。
W52の連続したいずれかのチャンネルが空いていると判定された場合(S107においてYES)、無線LANモジュール28は、その空いているW52のいずれかのチャンネルを使用するHT20モードでモニタ10に接続し(S110)、処理を終了する。
一方、W52のいずれかのチャンネルも空いていないと判定された場合(S107においてNO)、信号強度計測部21cは、W52の各チャンネルについて該チャンネルの搬送波の受信信号強度を測定し、無線LANモジュール28は、最小の受信信号強度が測定されたチャンネルを使用するHT20モードでモニタ10に接続し(S108)、処理を終了する。
(モニタ10の接続設定画面でユーザによるチャンネル設定が行われた場合のWi―Fi接続動作)
チャンネル設定が行われた場合にモニタ10がWi―Fi通信によりSTB20に再接続する動作について図23を参照して説明する。
図23は、前記動作を示すフローチャートである。
図23に示すように、最初に、チャンネル切替指示部11eは接続設定画面で設定されたチャンネルでモニタ10に再接続すべき旨の指示コマンドを無線LANモジュール12aに供給し、無線LANモジュール12aは、その指示コマンドをSTB20に送信する(S111)。
次に、モニタ10のUI画面表示部11aは、「CH変更中」コーションUI2をディスプレイ19に表示し(S112)、S113に進む。
S113において、チャンネル切替指示部11eは、STB20が接続設定画面で設定されたチャンネルを通じてモニタ10に再接続したか否かを判定する。再接続されていないと判定された場合(S113においてNO)、S111にて指示コマンドが送信された時点から2分が経過したか否かを判定する(S115)。2分経過していないと判定された場合(S115においてNO)、S113の処理に戻る。一方、2分経過したと判定された場合(S115においてYES)、UI画面表示部11aは、「チューナ接続不可」コーションUI3をディスプレイ19に表示して(S116)、処理を終了する。
一方、S113において再接続されたと判定された場合(S113においてYES)、UI画面表示部11aは、図示しない接続完了画面をディスプレイ19に表示して(S114)、処理を終了する。
以上、モニタ10およびSTB20の各種動作について説明したが、以下では、モニタ10のディスプレイに表示される各種画面について説明する。
(UI画面表示部11aが表示する接続先設定画面)
ユーザが図示しない操作部を用いて接続先設定メニューを選択すると、UI画面表示部11aは、図13または図14に示すような接続先設定画面をディスプレイ19に表示する。
図13は、モニタ10の現在の接続先がSTB20である場合にユーザの操作に従って順次表示される接続先設定画面群を示している。また、図14は、モニタ10の現在の接続先がルータ30である場合にユーザの操作に従って順次表示される接続先設定画面群を示している。
図13に示すように、モニタ10の現在の接続先がSTB20である場合にユーザが接続先設定メニューを選択すると、UI画面表示部11aは、接続先設定画面SC11を表示する。この状態で、ユーザが図示しないリモコンの移動ボタンおよび決定ボタンを用いて項目「チューナ部」を選択すると、UI画面表示部11aは、現在チューナ部に接続されている旨を示す接続先設定画面SC13を表示する。この状態で、ユーザが決定ボタンを押下すると、UI画面表示部11aは、再び接続先設定画面SC11を表示する。
接続先設定画面SC11が表示されている状態で項目「無線アクセスポイント」を選択すると、UI画面表示部11aは、アクセスポイント情報の登録方法を選択するための接続先設定画面SC12を表示する。
接続先設定画面SC12を表示されている状態で項目「WPS」を選択すると、略同時にプッシュボタンが押下されたWPS対応の接続先アクセスポイントのアクセスポイント情報を自動的に取得し、取得したアクセスポイント情報を用いて該接続先アクセスポイントへの接続を開始する。UI画面表示部11aは、接続が成功した場合には接続先設定画面SC14を表示し、接続が失敗した場合には接続先設定画面SC15を表示する。
なお、接続先設定画面SC12を表示されている状態でユーザが項目「アクセスポイント選択」または「アクセスポイント登録」を選択した場合にも、UI画面表示部11aは、アクセスポイント情報の入力画面(図示せず)を表示した後に、接続の成否に応じて接続先設定画面SC14または接続先設定画面SC15を表示する。
一方、図14に示すように、モニタ10の現在の接続先がルータ30である場合にユーザが接続先設定メニューを選択すると、UI画面表示部11aは、接続先設定画面SC16を表示する。この状態で、ユーザが項目「チューナ部」を選択すると、UI画面表示部11aは、チューナ部に接続先を変更する旨を示す接続先設定画面SC17を表示する。この状態で、ユーザが決定ボタンを押下すると、UI画面表示部11aは、図13の接続先設定画面SC11を表示する。
接続先設定画面SC11が表示されている状態で、ユーザが項目「無線アクセスポイント」を選択すると、UI画面表示部11aは、接続先のアクセスポイントを変更するか否かをユーザに選択させるための接続先設定画面SC18を表示する。この状態で、ユーザが移動ボタンで項目「いいえ」を選択すると、UI画面表示部11aは、再び接続先設定画面SC16を表示する。
一方、接続先設定画面SC18が表示されている状態で項目「はい」を選択すると、UI画面表示部11aは、接続先設定画面SC12を表示する。
その後、接続先設定画面SC12が表示されている状態で3つの項目のうちいずれかの項目を選択すると、モニタ10は、取得したアクセスポイント情報を用いて接続先アクセスポイントへの接続を開始する。UI画面表示部11aは、接続が成功した場合には接続先設定画面SC20を表示し、接続が失敗した場合には接続先設定画面SC19を表示する。
(UI画面表示部11aが表示する接続状態確認画面)
ユーザが図示しない操作部を用いて接続状態確認メニューを選択すると、UI画面表示部11aは、図24に示すような現在のSTB20との接続状態を示す接続状態確認画面をディスプレイ19に表示する。
具体的には、UI画面表示部11aは、モニタ10がSTB20と無線接続されている場合には、図24(a)の接続状態確認画面SC21や図24(b)の接続状態確認画面SC21に例示されているように、STB20からの搬送波の受信信号強度に応じた電波強度アイコン、帯域モード(40MHzモードまたは20MHzモード)および無線接続中のチャンネルを表示する。
一方、UI画面表示部11aは、モニタ10がSTB20と無線接続されていない場合には、図24(c)の接続状態確認画面SC23のように、STB20と無線接続されていない旨を表示する。
(UI画面表示部11aが表示する接続設定画面)
ユーザが図示しないリモコンを用いて接続設定メニューを選択すると、UI画面表示部11aは、自動設定および手動設定のいずれかをユーザに選択させるための接続設定画面がディスプレイ19を表示する。
以下、ユーザが接続設定として自動設定を選択する場合に順次表示される接続設定画面群について図25を参照しながら説明する。
接続設定メニューが選択されると、UI画面表示部11aは接続設定画面SC24を表示する。この状態でユーザが決定ボタンを用いて項目「自動」を選択すると、UI画面表示部11aは、チャンネルの自動設定を行うか否かをユーザに選択させるための接続設定画面SC25を表示する。
接続設定画面SC25を表示されている状態でユーザが項目「はい」を選択すると、STB20が自動的に選択した帯域モードおよびチャンネルを使用してモニタ10への再接続を開始する。UI画面表示部11aは、再接続に成功するか2分が経過するまで、接続設定画面SC26を表示する。
2分が経過し再接続が失敗すると、UI画面表示部11aは、接続設定画面SC28を表示する。ユーザが「決定」ボタンを押下すると、UI画面表示部11aは、再度、接続設定画面SC24を表示する。
一方、再接続が成功すると、UI画面表示部11aは、接続が完了した旨、帯域モードおよび使用中のチャンネルを示す接続設定画面SC27を表示する。ユーザが「決定」ボタンを押下すると、UI画面表示部11aは、再度、接続設定画面SC24を表示する。
次に、ユーザが接続設定として連続する2チャンネルを手動設定で選択する場合に順次表示される接続設定画面群について図26を参照しながら説明する。
接続設定メニューが選択されると、UI画面表示部11aは接続設定画面SC29を表示する。この状態でユーザが決定ボタンを用いて項目「手動」を選択すると、UI画面表示部11aは、帯域モードとして40MHzモードまたは20MHzモードをユーザに選択させるための接続設定画面SC30を表示する。
接続設定画面SC30が表示されている状態でユーザが項目「40MHz」を選択すると、UI画面表示部11aは、使用する2つのチャンネルをユーザに選択させるための接続設定画面SC31を表示する。
接続設定画面SC31が表示されている状態でユーザが項目「36ch・40ch」または「44ch・48ch」を選択すると、ユーザが選択した40MHzモードでユーザが選択した2チャンネルを使用してモニタ10への再接続を開始する。UI画面表示部11aは、再接続に成功するか2分が経過するまで、接続設定画面SC26を表示する。
2分が経過し再接続が失敗すると、UI画面表示部11aは、接続設定画面SC28を表示する。一方、再接続が成功すると、UI画面表示部11aは、接続が完了した旨、帯域モードおよび使用中のチャンネルを示す接続設定画面SC34を表示する。ユーザが「決定」ボタンを押下すると、UI画面表示部11aは、再度、接続設定画面SC29を表示する。
最後に、ユーザが接続設定として1チャンネルを手動設定で選択する場合に順次表示される接続設定画面群について図27を参照しながら説明する。
接続設定メニューが選択されると、UI画面表示部11aは接続設定画面SC29を表示する。この状態でユーザが決定ボタンを用いて項目「手動」を選択すると、UI画面表示部11aは、帯域モードとして40MHzモードまたは20MHzモードをユーザに選択させるための接続設定画面SC33を表示する。
接続設定画面SC33が表示されている状態でユーザが項目「20MHz」を選択すると、UI画面表示部11aは、使用する1つのチャンネルをユーザに選択させるための接続設定画面SC34を表示する。
接続設定画面SC34が表示されている状態でユーザが項目「36ch」「40ch」「44ch」および「48ch」のいずれかを選択すると、ユーザが選択した20MHzモードでユーザが選択したチャンネルを使用してモニタ10への再接続を開始する。UI画面表示部11aは、再接続に成功するか2分が経過するまで、接続設定画面SC26を表示する。
2分が経過し再接続が失敗すると、UI画面表示部11aは、接続設定画面SC28を表示する。一方、再接続が成功すると、UI画面表示部11aは、接続が完了した旨、帯域モードおよび使用中のチャンネルを示す接続設定画面SC36を表示する。ユーザが「決定」ボタンを押下すると、UI画面表示部11aは、再度、接続設定画面SC29を表示する。
なお、モニタ10がSTB20と無線接続されていない状態で、ユーザが接続設定メニューを選択すると、UI画面表示部11aは、図28に示すような現在接続設定できないことを示す接続設定画面SC37を表示する。
(UI画面表示部11aが表示するリンク設定画面)
以上のように、ユーザは、接続先設定画面でモニタ10の無線接続先をSTB20に設定し、接続設定画面でモニタ10とSTB20との無線接続に使用する帯域モードおよびチャンネルを設定することにより、モニタ10をSTB20に接続することができる。
ただし、接続先設定画面および接続設定画面の操作は初心者にとっては複雑である。これを考慮して、モニタ10には、STB20との無線接続を簡単に行うためのリンク設定メニューが設けられている。なお、この無線接続はWPSを利用して行われる。
以下、ユーザがリンク設定メニューを選択する場合に順次表示されるメッセージ群について図29を参照しながら説明する。
ユーザがリンク設定メニューを選択すると、UI画面表示部11aは、STB20の電源を入れるようユーザに促すダイアログUI6をディスプレイ19に表示する。この状態でユーザが決定ボタンを押下すると、UI画面表示部11aは、STB20のLINKボタン(図示せず)を電源ランプ(図示せず)が点滅する(すなわち、LINKモードになる)まで押下するようユーザに促すメッセージUI7を表示し、次いで、接続中である旨のメッセージUI8を表示する。
接続が成功すると、UI画面表示部11aは、無線接続が完了した旨のダイアログUI9を表示してリンク設定処理を終了する。
一方、接続が失敗すると、UI画面表示部11aは、無線接続が失敗した旨のダイアログを表示する。具体的には、UI画面表示部11aは、無線接続が失敗した原因に応じて異なるメッセージが記載されたダイアログを表示する。
例えば、STB20の電源がオフであったり、LINKモードになっていなかったりする場合や、接続が開始されてから2分が経過した場合には、UI画面表示部11aは、ダイアログUI10を表示する。
あるいは、無線接続中に電波状態が悪化した場合(受信信号強度が低下した場合や電波干渉を検出した場合等)に、UI画面表示部11aは、ダイアログUI11を表示する。また、モニタ10がWPS接続中のWPS対応アクセスポイントを2台以上検出した場合には、UI画面表示部11aは、ダイアログUI12を表示する。
無線接続が失敗した旨のダイアログが表示された後、ユーザが決定ボタンを押下すると、UI画面表示部11aは、再びダイアログUI6を表示する。
(電波強度アイコンについて)
図30(a)に示すように、UI画面表示部11aは、テレビ放送の映像やカレンダ画面がディスプレイ19に表示されている間、接続先アクセスポイントからの電波の受信信号強度を表す電波強度アイコンをディスプレイ19の右上隅に表示する。なお、電波強度アイコンを表示するか否かを図示しない設定メニューを通じてユーザは設定可能である。ただし、コンテンツ選択画面SC1や接続設定画面等の特定の画面をディスプレイに表示している間は、前記設定メニューでの設定に関わらず、常に電波強度アイコンを表示する。
なお、モニタ10においては、受信信号強度に応じて6段階の信号強度レベル0〜5が規定されており、UI画面表示部11aは、信号強度レベルが1以上である場合には、信号強度レベルと同じ本数のアンテナを模した電波強度アイコンを表示するように構成されている。なお、受信信号強度と表示される電波強度アイコンとの関係が、図18のグラフで模式的に示されている。
図18からわかるように、モニタ10では、−50dB以上の受信信号強度は信号強度レベル5と規定され、−60dB以上−50dB未満の受信信号強度は信号強度レベル4と規定され、−70dB以上−60dB未満の受信信号強度は信号強度レベル3と規定されている。
また、モニタ10では、−80dB以上−70dB未満の受信信号強度は信号強度レベル2と規定され、−80dB未満の受信信号強度は信号強度レベル1と規定され、信号が受信されない場合には信号強度レベル0と規定されている。
(コンテンツ表示システム1の利点)
以上のように、本実施形態に係るコンテンツ表示システム1(出力システム)は、STB20(送信装置)が第1のモードではコンテンツ表示システムの外部(Web70等)から映像コンテンツを受信してワイヤレスでモニタ10に転送し、第2のモードではBDレコーダ40aに装填されているBDやUSB・HDD80といった記録媒体内の映像コンテンツをワイヤレスでモニタ10に送信し、モニタ10が、コンテンツを受信して映像を表示する。
STB20は、映像コンテンツの一部である映像データが順次バッファリングされる送信バッファ281と、送信バッファ281内のデータをモニタ10に送信する無線LANモジュール28(送信手段)と、送信バッファ281へのバッファリング中に送信バッファ281がオーバーフロー状態になったか否かを繰り返し判定する送信バッファ量確認部21aと、を備えている。無線LANモジュール28(通知手段)は、第1のモードにおいて前記オーバーフロー状態になったと所定の回数以上判定された場合に、新たなチャンネルによるモニタ10への再接続要求を通知する(所定の通知を行う)。
モニタ10は、映像コンテンツの一部として受信した映像データが順次バッファリングされる受信バッファ120aと、受信バッファ120a内の映像データが表す映像を表示するディスプレイ19(出力部)と、受信バッファ120aへのバッファリング中に受信バッファ120aにおいてバッファアンダーランが発生したか否かを繰り返し判定する受信バッファ量確認部11f(判定手段)と、無線LANモジュール12aが再接続要求に応じたSTB20との間の再接続処理を継続するよう制御する(前記通知に応じた所定のエラー回避処理を実行する)チャンネル切替指示部11e(第1実行手段)と、を備えている。チャンネル切替指示部11e(第2実行手段)は、第2のモードにおいて受信バッファ量確認部11fによってバッファアンダーランが発生したと所定の回数以上判定された場合に、新たなチャンネルによるモニタ10への再接続をSTB20に行わせるための指示コマンドを無線LANモジュール12aに供給する(所定のエラー回避処理を実行する)。
前記の構成によれば、本実施形態に係るコンテンツ表示システムでは、第1のモードでは、STB20はバッファオーバーフローが発生したと所定の回数以上判定した場合に新たなチャンネルによるモニタ10への再接続要求をモニタ10に通知するが、モニタ10は、バッファアンダーランが発生したと所定の回数以上判定しても、新たなチャンネルによるモニタ10への再接続をSTB20に行わせるための指示コマンドを無線LANモジュール12aに供給しない。
すなわち、本実施形態に係るコンテンツ表示システム1では、放送の停波等によってテレビ局からSTB20にコンテンツが送られなくなった場合に、モニタ10が、ワイヤレス送信におけるスループット不足であると誤検知して、STB20に新たなチャンネルによるモニタ10への再接続を指示してしまうことがない。
一方、本実施形態に係るコンテンツ表示システム1では、第2のモードにおいてBDレコーダ40aに装填されているBDやUSB・HDD80内のコンテンツをSTB20がモニタ10に送信中に、スループット不足によって受信バッファ120aにおいてバッファアンダーランが発生すると、モニタ10は、新たなチャンネルによるモニタ10への再接続をSTB20に指示する。モニタ10は、自身でスループット不足を検出するので、スループット不足に伴って行うべき再接続をSTB20に逸早く指示することができる。
以上のように、本実施形態に係るコンテンツ表示システム1は、映像コンテンツのワイヤレス送信におけるスループット不足を正確に検出し、映像コンテンツのワイヤレス送信に使用するチャンネルを切り替えるための処理をモニタ10が逸早く実行できるという効果を奏する。
(コンテンツ表示システムのその他のシステム構成)
本発明に係る出力システムは、図1のコンテンツ表示システム1に限られない。例えば、本発明に係る出力システムを図31〜図34に示したコンテンツ表示システム1a〜1dとして実現してもよい。
すなわち、図31のコンテンツ表示システム1bのように、各手段を備える出力装置として、携帯型ゲーム機10f、PDA10e、またはタブレット端末10d等を用いてもよい。また、コンテンツ表示システム1bのように、前記出力システム内に前記出力装置を複数台(図31では、モニタ10a〜10c、携帯型ゲーム機10f、PDA10e、およびタブレット端末10d)設けてもよい。
また、図32のコンテンツ表示システム1cのように、前記送信装置としてSTB20の代わりに据え置き型のメインTV20aを用い、前記出力装置としてサブモニタ10gを用いてもよい。
あるいは、図33のコンテンツ表示システム1dのように、前記出力装置としてスマートフォン10hを用いてもよい。また、スマートフォン10hとSTB20との間の接続(無線R1)、および、スマートフォン10hとルータ30との間の接続(無線R2)だけでなく、STB20とルータ30との間の接続も無線接続(無線R3)であってもよい。
なお、図34のコンテンツ表示システム1aのように、前記送信装置としてCPU21および送信バッファ281を備えたルータ30を用い、前記出力装置としてモニタ10を用いてもよい。また、コンテンツ表示システム1aは、ルータ30のCPUとしてCPU21を用い、ルータ30の無線LANモジュールとして無線LANモジュール28を用い、ルータ30を5GHz帯のWi−Fi通信をサポートするルータとすることによって、後述する課題1〜課題3を解決することができる。
(付記事項1)
本実施形態に係るコンテンツ表示システムでは、各手段を備える出力装置としてモニタ10を用いたが、本発明では前記出力装置としてモニタ10ではなくオーディオ機器(図示せず)を用いてもよい。すなわち、STB20からワイヤレス送信された音声信号に基づいて音声を前記オーディオ機器がスピーカ(図示せず)から出力するような音声コンテンツ出力システムとして本発明を実現してもよい。
相当のネットワーク帯域幅を必要とする非圧縮でビットレートおよびサンプリング周波数の大きい音声データをSTB20から前記オーディオ機器にワイヤレス送信するときにはスループット不足が生じやすいが、前記音声コンテンツ出力システムは、スループット不足を正確に検出し、前記オーディオ機器はスループット不足に伴って行うべき処理を逸早く実行できる。
(付記事項2)
また、上述した実施形態では、STBおよびルータの2台のアクセスポイントを設ける構成としたが、アクセスポイントの個数はこれに限定されず、3台以上であってもよい。また、各アクセスポイントに接続されるコンテンツソースの数も、上述した実施形態に開示された内容に限定されない。
(付記事項3)
また、STB20自身をコンテンツソースとしてもよい。すなわち、STB20にはコンテンツを格納する記憶媒体を内蔵し、モニタ10は、コンテンツ選択画面を表示する場合には、STB20に記録されている録画映像を見るためのアイコンをコンテンツ選択画面内に表示してもよい。そして、当該アイコンが選択された場合、STB20は、内蔵の記憶媒体から読み出した映像コンテンツをモニタ10にワイヤレス送信してもよい。あるいは、内蔵の記憶媒体の代わりに外部メディアを装填するスロットを設けてもよい。そして、前記アイコンが選択された場合、STB20は、スロットに装填されている外部メディアから読み出した映像コンテンツをモニタ10にワイヤレス送信してもよい。
(付記事項4)
コンテンツ表示システム1では、第1のモードでは、STB20はバッファオーバーフローが発生したと所定の回数以上判定した場合に新たなチャンネルによるモニタ10への再接続要求をモニタ10に通知するものとしたが、第2のモード(コンテンツソースがSTB20自身またはSTB20に接続されている外部機器(USB―HDD等)であるモード)でも、同様の通知を行っても良い。また、コンテンツ表示システム1では、第1のモードにおいて、モニタ10は、バッファアンダーランが発生したと所定の回数以上判定した場合にも、新たなチャンネルによるモニタ10への再接続をSTB20に行わせるための指示コマンドを無線LANモジュール12aに供給してもよい。このような場合においても、コンテンツ表示システム1は、コンテンツにノイズが多く混入していても検出精度を落とすことなくワイヤレス送信中のスループット不足を検出し、スループット不足に伴って行うべき処理をモニタ10が逸早く実行できる。
(付記事項5)
前記実施形態では、コンテンツソースに関係なくモニタ10およびSTB20の双方が、電波干渉を検出した場合にワイヤレス通信に使用するチャンネルを切り替えるための動作(STB20の場合にはAFS処理であり、モニタ10の場合にはSTB20に対するAFS処理の実行指示)を実行可能であるものとしたが、本発明はこれに限定されない。
すなわち、前記動作をコンテンツソースに応じてモニタ10およびSTB20のいずれか一方が実行可能となっていても良い。例えば、以下の表に示されているように、コンテンツソースがDTV/BS放送である場合には(すなわち、STB20が地上デジタル、BS放送、またはCS放送の映像信号をモニタ10に転送している間は)、送信バッファ281のバッファオーバーフロー発生を監視することによりモニタ10ではなくSTB20が前記動作を行うようにしてもよい。
DTV/BSアンテナ50の受信感度が低下したり、DTV/BSアンテナ50とSTB20とを結ぶアンテナケーブルが抜けたりした場合にデータストリームが停止し、そのことが原因で受信バッファ120aにおいてバッファアンダーランが発生することになる。前述の構成をとることによって、前記原因でバッファアンダーランが発生した場合にモニタ10が伝送スループット低下と誤判定してしまうような不具合が生じなくなる。
また、前記表に示されているように、コンテンツソースがメディアサーバ60である場合には、メディアサーバ60からの映像信号をモニタ10に転送している場合に限り、受信バッファ120cのバッファアンダーラン発生を監視することによりSTB20ではなくモニタ10が前記動作を行うようにしてもよい。さらに、コンテンツソースがWeb70である場合(すなわち、STB29がビデオオンデマンドもしくはIPTVの映像信号をモニタ10に転送している間)やコンテンツソースがメディアサーバ60であって映像信号ではなく音声信号をモニタ10に転送している場合等には、モニタ10およびSTB20の双方とも、前記動作を行わないようにしてもよい。
(付記事項6)
前記実施形態では、送信バッファ量確認部21aは、無線LANモジュール28の送信バッファ281内にバッファリングされているデータのデータ量を確認することにより、バッファオーバーフローを認識するものとしたが、送信バッファ量確認部21aは、TCP/IPバッファ282内のデータ量を確認することでバッファオーバーフローを認識してもよい。
あるいは、コンテンツソースがDTV/BS放送である場合には、TSバッファ283内のデータ量を確認することでバッファオーバーフローを認識してもよい。すなわち、前記コンテンツを他の装置またはシステムからモニタ10のような出力装置に転送中である場合には、他の装置またはシステムから前記コンテンツを受信するのに使用するTSバッファ283のような受信バッファのデータ量を確認することでバッファオーバーフローを認識してもよい。
なお、送信バッファ281、TCP/IPバッファ282およびTSバッファ283のうち任意の2つ以上のバッファのデータ量を並列的に確認し、各バッファにおけるバッファオーバーフローを認識してもよい。
(付記事項7)
なお、STB20は、信号強度計測部21cを備えていなくともよい。この場合、STB20では、送信バッファ量確認部21aは、バッファオーバーフローを認識した場合に、バッファオーバーフローが発生した旨をモニタ10に通知してもよい。そして、通知を受けたモニタ10では、信号強度計測部11gがSTB20から発信される搬送波のRSSI値を計測し、得られたRSSI値をSTB20に送信してもよい。
そして、STB20は、モニタ10から受けとったRSSI値が所定の閾値以下であり、且つ、所定の期間内に送信バッファ量確認部21aが所定の回数バッファオーバーフローを認識した場合に、再接続要求をモニタ10に送信してもよい。
(付記事項8)
送信装置と出力装置とを含む出力システムであって、前記送信装置がコンテンツをワイヤレスで前記出力装置に送信し、前記出力装置が前記コンテンツを受信して出力する出力システムにおいて、前記送信装置は、送信中の前記コンテンツがバッファリングされる第1のバッファと、前記第1のバッファにおいてバッファオーバーフローが発生したか否かを繰り返し判定する判定手段と、前記コンテンツの送信中にバッファオーバーフローが発生したと判定された場合に、前記出力装置に向けて所定の通知を行う通知手段と、を備え、前記出力装置は、受信中の前記コンテンツがバッファリングされる第2のバッファと、前記コンテンツの受信中に第2のバッファにおいてバッファアンダーランが発生したか否かを繰り返し判定する判定手段と、前記所定の通知に応じた所定のエラー回避処理を実行する第1実行手段と、バッファアンダーランが発生したと判定された場合に、所定のエラー回避処理を実行する第2実行手段と、を備えていることを特徴とする出力システム。
本発明に係る出力システムは、前記送信装置が前記出力システムの外部からコンテンツを受信してワイヤレスで前記出力装置に転送する第1のモードと、前記送信装置が記録媒体内のコンテンツをワイヤレスで前記出力装置に送信する第2のモードとを有し、前記送信装置の判定手段は、第2のモードでは判定を行わないように構成されており、前記出力装置の判定手段は、第1のモードでは判定を行わないように構成されており、前記通知手段は、第1のモードにおいてバッファオーバーフローが発生したと所定の回数以上判定された場合に、前記出力装置に向けて所定の通知を行うように構成されており、前記第2実行手段が、第2のモードにおいてバッファアンダーランが発生したと所定の回数以上判定された場合に、所定のエラー回避処理を実行するように構成されている、ことが望ましい。
前記構成によれば、バッファアンダーランが発生したと所定の回数以上判定された場合に所定のエラー回避処理を実行するのは、第2のモードである場合に限られる。すなわち、第1のモードでは、バッファオーバーフローが発生したと送信装置が所定の回数以上判定した場合に、スループット不足に伴って行うべき所定のエラー回避処理が実行されるが、バッファアンダーランが発生した場合に、スループット不足に伴って行うべき所定のエラー回避処理がバッファアンダーランの発生をトリガとして実行されることはない。
第1のモードでは送信装置が出力システムの外部からコンテンツを受信するため、例えば、送信装置に向けてコンテンツが送信されなくなる等といった出力システム外での問題が生じ得る。本発明に係る出力システムでは、出力システム外で問題が生じてバッファアンダーランが発生した場合に、送信装置から出力装置へのワイヤレス送信におけるスループット不足であると誤検知して、スループット不足に伴って行うべき所定のエラー回避処理を誤って実行してしまうことがない。
したがって、本発明に係る出力システムは、スループット不足の誤検出によりスループット不足に伴って行うべき所定のエラー回避処理を誤って実行してしまう問題が生じにくいというさらなる効果を奏する。
なお、前記記録媒体は、送信装置に内蔵されている記録媒体であってもよいが、これに限られない。送信装置が外部の記録媒体を着脱可能に構成されている場合には、前記記録媒体は、外部の記録媒体であってもよいし、送信装置が外部機器を接続可能に構成されている場合には、前記記録媒体は、外部機器の記録媒体であってもよい。また、前記第1のモードは、前記送信装置が、前記出力システムの外部から放送波を受信することにより得られるコンテンツをワイヤレスで前記出力装置に転送するモードとすることができる。
本発明に係る出力システムは、前記出力装置が、さらに、前記コンテンツの前記送信に用いられているチャンネルの搬送波であって前記送信装置から送出されている搬送波の受信信号強度を繰り返し測定する信号強度測定手段と、第2のモードにおいてバッファアンダーランが発生したと判定された回数が前記所定の回数になったのと同時期に前記信号強度測定手段が所定の閾値以上の前記受信信号強度を測定した場合に、前記チャンネルにおいて電波干渉が生じたと判定する電波干渉判定手段と、を備えていることが望ましい。ここで、バッファアンダーランが発生したと判定された回数が前記所定の回数になった時刻と所定の閾値以上の前記受信信号強度を測定した時刻とが分単位に丸めた場合に同一であることをもって前記同時期としてもよいし、前記同時期として2つの前記時刻の時間差が所定の範囲内にあるようなその他の定義を与えてもよい。
また、本発明に係る出力システムは、前記送信装置が、さらに、前記コンテンツの前記送信に用いられているチャンネルの搬送波であって前記出力装置から送出されている搬送波の受信信号強度を繰り返し測定する信号強度測定手段と、バッファオーバーフローが発生したと判定された回数が前記所定の回数になったのと同時期に前記信号強度測定手段が所定の閾値以上の前記受信信号強度を測定した場合に、前記チャンネルにおいて電波干渉が生じたと判定する電波干渉判定手段と、を備えていることが望ましい。ここで、バッファオーバーフローが発生したと判定された回数が前記所定の回数になった時刻と所定の閾値以上の前記受信信号強度を測定した時刻とが分単位に丸めた場合に同一であることをもって前記同時期としてもよいし、前記同時期として2つの前記時刻の時間差が所定の範囲内にあるようなその他の定義を与えてもよい。
ワイヤレス通信のスループット不足が発生する原因には、送信側と受信側との間の距離が離れることによる受信信号強度の低下と、ワイヤレス通信に使用しているチャンネルにおいて発生する電波干渉と、が挙げられる。前記各構成によれば、前記出力システムは、後者の電波干渉を正確に判定できるというさらなる効果を奏する。
本発明に係る出力システムは、前記通知手段が、第1のモードにおいて、単位時間あたりにP回(P:P≧1である任意の整数)以上バッファオーバーフローが発生したと判定された場合に、前記所定の通知を行うことが望ましい。
また、本発明に係る出力システムは、前記第2実行手段が、第2のモードにおいて、単位時間あたりにQ回(Q:Q≧1である任意の整数)以上バッファアンダーランが発生したと判定された場合に、前記所定のエラー回避処理を実行することが望ましい。
前記各構成によれば、前記出力システムは、一時的なスループット不足ではなくスループット不足が定常的に発生する場合に限り、スループット不足に伴って行うべき処理を出力装置に実行させることができるというさらなる効果を奏する。
(プログラム等)
本実施形態に係るモニタ10およびSTB20は、ハードウェアロジックによって構成してもよいし、モニタ10およびSTB20の少なくとも一部の機能を、次のようにCPUを用いてソフトウェアによって実現してもよい。
すなわち、モニタ10およびSTB20は、各機能を実現する制御プログラムの命令を実行するCPU(central processing unit)、前記プログラムを格納したROM(read only memory)、前記プログラムを展開するRAM(random access memory)、前記プログラムおよび各種データを格納するメモリ等の記憶装置(記録媒体)などを備えている。そして、本発明の目的は、上述した機能を実現するソフトウェアであるモニタ10およびSTB20のプログラムのプログラムコード(実行形式プログラム、中間コードプログラム、ソースプログラム)をコンピュータで読み取り可能に記録した記録媒体を、モニタ10およびSTB20に供給し、そのコンピュータ(またはCPUやMPU)が記録媒体に記録されているプログラムコードを読み出して実行することによっても、達成可能である。
前記記録媒体としては、例えば、磁気テープやカセットテープ等のテープ系、フロッピー(登録商標)ディスク/ハードディスク等の磁気ディスクやCD−ROM/CD−R/MO/MD/BD/DVD等の光ディスクを含むディスク系、ICカード(メモリカードを含む)/光カード等のカード系、あるいはマスクROM/EPROM/EEPROM(登録商標)/フラッシュROM等の半導体メモリ系などを用いることができる。
また、モニタ10およびSTB20を通信ネットワークと接続可能に構成し、前記プログラムコードを、通信ネットワークを介して供給してもよい。この通信ネットワークとしては、特に限定されず、例えば、インターネット、イントラネット、エキストラネット、LAN、ISDN、VAN、CATV通信網、仮想専用網(virtual private network)、電話回線網、移動体通信網、衛星通信網等が利用可能である。また、通信ネットワークを構成する伝送媒体としては、特に限定されず、例えば、IEEE1394、USB、電力線搬送、ケーブルTV回線、電話線、ADSL回線等の有線でも、IrDAやリモコンのような赤外線、Bluetooth(登録商標)、802.11無線、HDR、携帯電話網、衛星回線、地上波デジタル網等の無線でも利用可能である。なお、本発明は、前記プログラムコードが電子的な伝送で具現化された、搬送波に埋め込まれたコンピュータデータ信号の形態でも実現され得る。
〔発明が解決する他の課題〕
本実施形態に係る表示システムが解決するその他の課題について以下に記しておく。
無線LANの規格には、IEEE802.11a/b/g/n等の様々な規格が存在するが、そのうち、IEEE802.11aは、現在、W52、W53およびW56のうちのいずれかの帯域のチャンネルを利用して通信を行う規格となっている。
具体的には、W53は、52ch、56ch、60ch、64chの計4チャンネルからなる5.25〜5.35GHz帯の帯域であり、この帯域には、気象レーダーが発信するレーダー波の周波数が含まれている。また、W56は、100ch、104ch、108ch、112ch、116ch、120ch、124ch、128ch、132ch、136ch、140chの計11チャンネルからなる5.47〜5.725GHz帯の帯域であり、この帯域には、軍事レーダーが発信するレーダー波の周波数が含まれている。
このため、W53またはW56の帯域を使用してWi-Fi通信を行う無線LAN機器は、その帯域内のチャンネルでの通信を開始する前に、そのチャンネルと干渉する周波数のレーダー波がレーダーから送出されているか否かを確認する動作を1分間行うことが法令上義務付けられている。さらに、前記無線LAN機器は、前記帯域内のチャンネルでの通信中に前記レーダー波を検知すると、DFS(動的周波数選択)により、通信に使用するチャンネルを前記レーダー波と干渉しないチャンネルに即座に切り替えることが法令上義務付けられている。
一方、W52は、36ch、40ch、44ch、48chの計4つのチャンネルからなる5.15〜5.25GHz帯の帯域であり、この帯域を使用するレーダー波はレーダーから送出されていない。したがって、無線LAN機器は、W52の帯域を使用して通信を行う場合には、上述のような動作を行うことは法令上義務付けられていない。
〔課題1〕
しかしながら、無線LAN機器がW52のチャンネルを使用してWi-Fi通信を行う場合にも、同じチャンネルを使用して別のWi-Fi通信を行う他の無線LAN機器が周囲に存在する場合、電波干渉が生じることになる。
電波干渉が生じている場合にはWi-Fi通信のスループットが低下し易くなるため、一般的な無線LAN機器は、電波干渉を検出すると、Wi-Fi通信に使用するチャンネルを自動的に切り替えるようになっている。また、特開2011−19195号公報(2011年1月27日公開)に記載の端末機器のように、電波干渉を検出すると、Wi-Fi通信に使用するアクセスポイント(AP)を、システム内の全APのうち干渉レベルが最小となるようなAPに自動的に切り替える機器もある。
しかしながら、前記従来の構成では、Wi-Fi通信に使用するチャンネルまたはAPを、切り替えが不要な状況においても自動的に切り替えてしまう。そのため、切り替えに起因する通信の一時的な遮断が無駄に生じてしまうという課題がある。
なお、切り替えが不要な状況とは、例えば、以下の例1および例2のような状況が挙げられる。
例1)テレビにおいて、Wi-Fi通信で受信中のストリーミング映像コンテンツの再生がほとんど完了しているとき(残りの再生時間が少ないことから再生完了までにスループットの低下による再生の不具合が生じる可能性が低いため、チャンネルの切り替えを行う必要はない)
例2)電波干渉の原因となっている他の無線LAN機器をユーザが特定しているとき(ユーザが他の無線LAN機器のWi-Fi通信を停止させることができれば電波干渉が解消するためチャンネルの切り替えを行う必要はない)
本実施形態に係るモニタ(より一般的には表示装置)は、前記課題に鑑みて実施されるものでもあり、無駄なチャンネル切り替えにより通信が一時的に遮断されて映像が一時的に表示されなくなるという問題を生ずることなく、映像を表示することを目的のひとつとしている。
前記課題を解決するための表示装置の構成は、送信装置からワイヤレス通信により送信されている映像コンテンツを受信して映像を表示部に表示する表示装置において、前記ワイヤレス通信に使用すべきチャンネルを切り替える切替手段と、前記ワイヤレス通信に使用中のチャンネルにおける電波干渉の発生を検出する電波干渉検出手段と、前記映像の表示中に前記電波干渉検出手段が電波干渉を検出した場合に、前記切替手段に前記使用すべきチャンネルを切り替えさせるか否かの指示をユーザから受け付ける指示受付手段と、前記指示をユーザから受け付けるためのUI(ユーザインタフェース)を前記表示部に表示する表示制御手段と、を備え、前記UIには、前記指示受付手段が前記使用すべきチャンネルを切り替えさせる旨の指示を受け付けてから前記映像コンテンツの送信が再開されるまでに要する時間に関する情報が含まれている、構成となっている。
前記の構成によれば、前記表示装置は、映像を表示中に電波干渉を検出した場合に、映像コンテンツの送信に使用するチャンネルを変更しないか他のチャンネルに変更するかをユーザに選択させることができる。例えば、ユーザがあと少ししたら映像の視聴を終了しようと考えているときに、表示装置が電波干渉を検出し、異なるチャンネルで映像コンテンツの転送を再開するのに1分を要する旨のUIを表示した場合、ユーザは、映像コンテンツの転送に使用するチャンネルを変更しないという選択が可能である。この場合、チャンネルを変更しないため、当然ながら、チャンネル切り替えに起因する通信の一時的な遮断も生じないことになる。また、表示装置が残り少々の映像を問題なく表示するために必要な転送量はそれほど大きくないため、電波干渉によりスループットが低下しても、残り少しの映像を問題なく表示できる可能性が高い。
一方、電波干渉を検出すると自動的に映像コンテンツの転送に使用するチャンネルを切り替えてしまうという、前記の構成とは異なる構成の表示装置は、ユーザがあと少ししたら映像の視聴を終了しようと考えているときに電波干渉が検出すると、チャンネル切り替えに起因する通信の一時的な遮断を無駄に生じさせてしまうことになる。
以上のことから、前記の構成によれば、前記表示装置は、ワイヤレス通信のチャンネル切り替えに起因する通信の一時的な遮断を無駄に生じさせないようにすることができる。
なお、前記表示装置は、前記表示制御手段が、前記切替手段が前記使用すべきチャンネルを切り替える処理を開始してから切り替えが完了するまでの間にチャンネル切替中である旨のメッセージを表示することが望ましい。
前記の構成によれば、ワイヤレス通信について技術的にある程度の理解がある視聴者であれば、映像コンテンツの送信が再開されるまでの間に表示装置が一時的に映像を表示しなくなった場合に、表示装置の故障ではなくチャンネル切替中であるために映像が表示されなくなったことを理解することができるという効果を奏する。
また、前記の場合において、ワイヤレス通信について技術的な理解がない視聴者が、表示装置が故障したかもしれないと考え、表示装置のメーカーのサポートセンターに問い合わせるケースがある。前記の構成によれば、このような場合に、サポートセンターの担当者は、「チャンネル切替中である旨のメッセージ」が表示されていたかを視聴者に確認することにより、一時的に映像が表示されなくなった原因がチャンネル切替にあるか他に原因があるかの切り分けを容易に行うことができる。
また、本発明は、前記表示装置と前記送信装置とを含む表示システムであって、
前記送信装置は、前記使用中のチャンネルが公的機関による利用が優先されるチャンネルである場合に、公的機関が該チャンネルの電波を送出しているか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段が前記電波を送出していると判定した場合に、前記使用すべきチャンネルを切り替える旨を前記表示装置に通知する通知手段と、を備え、
前記切替手段は、前記通知手段からの通知をトリガとして、前記使用すべきチャンネルを切り替えるように構成されており、前記トリガによって前記切替手段が前記使用すべきチャンネルを切り替える場合に、切り替えの完了後に、前記表示制御手段が、所定のメッセージを前記表示部に表示することが望ましい。所定のメッセージとは、公的機関からの電波の検出に伴いチャンネルを変更した旨を示すメッセージであればよい。
前記の構成によれば、例えばDFSにより強制的にチャンネルが切り替えられて予告なく映像が表示されなくなった場合であっても、ワイヤレス通信について技術的にある程度の理解がある視聴者であれば、映像が表示されなくなった原因を容易に理解することができるというさらなる効果を奏する。
〔課題2〕
ところで、一般的な無線LAN機器は、Wi-Fi通信に使用するチャンネルを自動的に選択することが可能になっている。例えば、W52、W53、およびW56での通信をサポートする無線LAN機器は、IEEE802.11aに規定される通信を行う場合、19のチャンネルの中から実際に使用するチャンネルを自動的に選択することができる。
前記無線LAN機器は、一般的には、19のチャンネルの中から実際に使用するチャンネルをランダムに選択するようになっている。したがって、前記無線LAN機器は、W53またはW56のチャンネルを選択することもあるが、この場合、前述したように、チャンネルの選択から1分間はWi-Fi通信を開始することができない。
無線通信を開始するまでの遅延時間を減らすための技術が、特開2011−29952号公報(2011年2月10日)および特開2009−278368号公報(2009年11月26日公開)に開示されている。
しかしながら、前記従来の技術は、無線LAN機器がアンテナ等の無線通信部を複数備えていることを前提とした技術であり、無線通信部を1つしか備えていない無線LAN機器には適用することができない。
本実施形態に係るモニタ(より一般的には通信装置)は、前記課題に鑑みて実施されるものでもあり、できるだけ遅延時間が生じないように、Wi-Fi通信のチャンネルを切り替えることを目的のひとつとしている。
前記課題を解決するための通信装置の構成は、ワイヤレス通信により別の通信装置との間で通信を行う通信装置において、前記ワイヤレス通信に使用すべきチャンネルを所定のチャンネル群の中から選択する選択手段と、前記ワイヤレス通信に使用中のチャンネルにおける電波干渉の発生を検出する電波干渉検出手段と、を備え、前記電波干渉検出手段が前記電波干渉を検出した場合に、前記選択手段は、前記使用中のチャンネルとは異なるチャンネルを自動的に選択するようになっており、前記選択手段は、前記異なるチャンネルとして、前記チャンネル群のうち、公的機関による利用が優先されるチャンネルよりも該チャンネル以外のチャンネルを優先的に選択する、構成となっている。
前記の構成によれば、前記通信装置は、電波干渉を検出した場合に使用中のチャンネルとは異なるチャンネルを前記ワイヤレス通信に使用するが、電波干渉を検出したときに、公的機関による利用が優先されるチャンネルと該チャンネル以外のチャンネルとの双方が利用可能である場合には、公的機関による利用が優先されるチャンネル以外のチャンネルを選択する。前記通信装置は、例えば、電波干渉を検出したときにW52のチャンネルとW56のチャンネルとが利用が可能である場合には、W52のチャンネルを選択する。
したがって、前記通信装置では、公的機関による利用が優先されるチャンネル(すなわち、公的機関が利用していないことを確認した後(遅延時間後)でなければ、通信装置が利用できないチャンネル)は、それ以外のチャンネルが利用不可能でない限り、選択されないことになる。
以上のことから、前記通信装置は、できるだけ遅延時間が生じないように、ワイヤレス通信に使用するチャンネルを切り替えることができる。
公的機関による利用が優先されるチャンネルは、W53またはW56に属するチャンネルであり、公的機関による利用が優先されるチャンネル以外のチャンネルは、W52に属するチャンネルであり、前記選択手段がチャンネルを選択する優先順位は、優先順位の高い順にW52に属するチャンネル、W56に属するチャンネル、W53に属するチャンネルの順であることが望ましい。
また、前記通信装置は、前記使用中のチャンネルがW56またはW53に属するチャンネルである場合に、公的機関が該チャンネルの電波を送出しているか否かを判定する判定手段をさらに備え、公的機関が該チャンネルの電波を送出していると前記判定手段が判定した場合に、前記選択手段がW52に属するチャンネルを自動的に選択することが望ましい。
また、公的機関による利用が優先されるチャンネルは、W53またはW56に属するチャンネルであり、公的機関による利用が優先されるチャンネル以外のチャンネルは、W52に属するチャンネルであり、前記選択手段がチャンネルを選択する優先順位は、前記通信装置の仕向け地に応じて、優先順位の高い順にW52に属するチャンネル、W56に属するチャンネル、W53に属するチャンネルの順、または、優先順位の高い順にW52に属するチャンネル、W53に属するチャンネル、W56に属するチャンネルの順のいずれかに設定されていることが望ましい。
なお、隣接チャンネルの干渉は同一のチャンネルの干渉よりも影響が大きく、RSSIよりも重複する干渉源(AP)の数のほうが干渉への影響が大きい。
そのため、前記通信装置は、電波干渉の生じにくさを示すランクを各チャンネルに付与するランク付け手段をさらに備え、前記ランク付け手段は、その隣接チャンネルが使用されているチャンネルよりも、その隣接チャンネルが使用されていないチャンネルに、電波干渉が生じにくい高いランクを付与し、その隣接チャンネルが使用されているチャンネルについては、当該チャンネルを使用している通信装置の数が少ないほど、高いランクを付与し、前記選択手段は、前記異なるチャンネルとして、公的機関による利用が優先されるチャンネル以外のチャンネルの中で最も高いランクのチャンネルを優先的に選択することが望ましい。
前記の構成によれば、公的機関による利用が優先されるチャンネル以外のチャンネルであって、隣接チャンネルが使用されていないチャンネルが最も優先的に選択され、公的機関による利用が優先されるチャンネル以外のチャンネルに、隣接チャンネルが使用されていないチャンネルが存在しない場合であっても、当該チャンネルを使用している通信装置の数が最も少ないチャンネルが選択される。隣接チャンネルの干渉は同一のチャンネルの干渉よりも影響が大きく、また、RSSIよりも重複する干渉源(AP)の数のほうが干渉への影響が大きいため、前記選択手段は、できるだけ電波干渉の生じないチャンネルを選択することができる。
また、前記通信装置では、公的機関による利用が優先されるチャンネルは、それ以外のチャンネルが利用不可能でない限り、選択されないことになる。
以上のことから、前記通信装置は、遅延時間が生じにくく、かつ、電波干渉の生じにくいWi-Fi通信のチャンネルを選択することができる。
前記選択手段は、公的機関による利用が優先されるチャンネル以外の最も高いランクのチャンネルのランクが、現在前記使用中のチャンネルのランクよりも低い場合、前記異なるチャンネルとして、公的機関による利用が優先される使用されていないチャンネルであって、その隣接チャンネルが使用されていないチャンネルを優先的に選択することが望ましい。
前記の構成によれば、公的機関による利用が優先されるチャンネル以外のチャンネルを選択する場合に比べ、より電波干渉の生じにくいチャンネルを選択することができる。
前記選択手段は、公的機関による利用が優先されるチャンネル以外の最も高いランクのチャンネルのランクが、その隣接チャンネルが使用されており、かつ、1つ以下の他の通信装置によって使用されているチャンネルのランクよりも低い場合、前記異なるチャンネルとして、公的機関による利用が優先される使用されていないチャンネルであって、その隣接チャンネルが使用されていないチャンネルを優先的に選択することが望ましい。
前記の構成によれば、公的機関による利用が優先されるチャンネル以外のチャンネルを選択する場合に比べ、より電波干渉の生じにくいチャンネルを選択することができる。
前記選択手段は、公的機関による利用が優先される使用されていないチャンネルであって、その隣接チャンネルが使用されていないチャンネルが存在しない場合、公的機関による利用が優先されるチャンネル以外の最も高いランクのチャンネルを優先的に選択することが望ましい。
前記の構成によれば、空いているチャンネルであって、その隣接チャンネルが使用されていないチャンネルのみ選択対象となるため、同一チャンネルおよび隣接チャンネルの干渉源の電波を誤って公的機関からの電波(レーダー波)として検出してしまう不都合を回避できる。
また、前記通信装置は、前記選択手段が選択したチャンネルが公的機関による利用が優先されるチャンネルである場合に、公的機関が該チャンネルの電波を送出しているか否かを判定する判定手段をさらに備え、公的機関が該チャンネルの電波を送出していると前記判定手段が判定した場合に、前記選択手段が公的機関による利用が優先されるチャンネル以外の最も高いランクのチャンネルを優先的に選択することが望ましい。
公的機関からの電波(レーダー波)が検出された場合、そのチャンネルは30分間使用することができない。前記の構成によれば、公的機関が該チャンネルの電波を送出していると前記判定手段が判定した場合に、前記選択手段が公的機関による利用が優先されるチャンネル以外の最も高いランクのチャンネルを優先的に選択するので、チャンネル切り替えの遅延時間を短縮することができる。
公的機関による利用が優先されるチャンネルは、W53またはW56に属するチャンネルであり、公的機関による利用が優先されるチャンネル以外のチャンネルは、W52に属するチャンネルであり、前記選択手段は、W56に属するチャンネルよりもW53に属するチャンネルを優先的に選択することが望ましい。
前記の構成によれば、W53のチャンネルのほうが、レーダーが誤検出される確率が低いため、レーダーの誤検出によって不必要にチャンネルを切り替える事態を回避することができる。
また、前記通信装置は、選択されたチャンネルを使用するHT20モードで前記別の通信装置との間で通信を行うことが望ましい。
前記の構成によれば、HT20モードは、2つのチャンネルを使用するHT40モードに比べて使用するチャンネルが少ないので、隣接チャンネルおよび同一チャンネルの干渉の影響が少ないチャンネルを選択しやすくなる。
〔課題3〕
ところで、一般的な無線LAN機器は、Wi-Fi通信に使用するチャンネルを自動的に選択することが可能になっている。例えば、W52、W53、およびW56での通信をサポートする無線LAN機器は、IEEE802.11aに規定される通信を行う場合、19のチャンネルの中から実際に使用するチャンネルを自動的に選択することができる。
前記無線LAN機器は、一般的には、19のチャンネルの中から実際に使用するチャンネルをランダムに選択するようになっている。したがって、前記無線LAN機器は、W53またはW56のチャンネルで通信を行うこともある。この場合、前記無線LAN機器は、前述したように、Wi−Fi通信と干渉するようなレーダー波を検知すると、DFS(動的周波数選択)により、チャンネルを切り替えざるを得ない。DFSによりチャンネルを切り替わると前述したように通信の一時的な遮断が生じてしまう。
ところで、レーダーは、周波数を変更する特段の理由がない限り、ある程度の期間、レーダー波を発信する際には決まった周波数のレーダー波を発信するものと想定される。
前記従来の構成では、Wi−Fi通信に使用するチャンネルをランダムに選択するため、選択したチャンネルに前記レーダー波の周波数が属する場合には、当該チャンネルを使用したWi−Fi通信の開始後に、すぐに、DFSを実行せざるを得なくなることがあった。特開2009−246874号(2009年10月22日公開)は、ネットワークから蓄積した情報に基づいてWi-Fiの接続先APを切り替える通信端末が開示されているが、この通信端末でも同様である。
本実施形態に係るモニタ(より一般的には通信装置)は、前記課題に鑑みて実施されるものでもあり、W53またはW56のチャンネル(より一般的には公的機関による利用が優先されるチャンネル)を選択した後にDFS(より一般的には公的機関のチャンネル利用開始に伴う強制的なチャンネル切替)により通信の一時的な遮断が生じてしまう可能性を従来よりも減らすことを目的のひとつとしている。
前記課題を解決するための通信装置の構成は、ワイヤレス通信により別の通信装置との間で通信を行う通信装置において、前記ワイヤレス通信に使用すべきチャンネルを、公的機関による利用が優先されるチャンネル群を含む所定のチャンネル群の中から選択する選択手段と、前記選択手段が選択したチャンネルが公的機関による利用が優先されるチャンネルである場合に、公的機関が該チャンネルの電波を送出しているか否かを判定する判定手段と、公的機関が前記チャンネルの電波を送出していると前記判定手段が判定した場合に該チャンネルにおいて過去に電波が送出された旨を示す情報を記憶部に記録する記録手段と、を備え、前記選択手段が、前記記憶部に前記情報が記録されていないチャンネルを前記記憶部に前記情報が記録されているチャンネルよりも優先的に選択する、構成となっている。
前記の構成によれば、前記通信装置は、公的機関が継続して使用しているチャンネルを避け、公的機関が最近使用していないチャンネルをワイヤレス通信に使用することができる。したがって、前記通信装置は、公的機関による利用が優先されるチャンネルを選択した後に強制的なチャンネル切替により通信の一時的な遮断が生じてしまう可能性を、従来よりも減らすことができる。
前記記録手段が公的機関による利用が優先されるチャンネル群の全チャンネルについて前記情報を記録した場合に、前記記録手段は、前記記憶部に記録されている各情報を消去することが望ましい。前記の構成によれば、前記表示装置は、公的機関の利用が優先されるチャンネル群の全チャンネルについて公的機関が該チャンネルの電波を送出していると判定した後においても、強制的なチャンネル切替により通信の一時的な遮断が生じてしまう可能性を減らすことができるというさらなる効果を奏する。
また、前記記録手段が公的機関による利用が優先されるチャンネル群のうちただ1つのチャンネルを除く全チャンネルについて前記情報が記録されている状態で、前記判定手段が、公的機関が前記ただ1つのチャンネルの電波を送出していると判定した場合に、前記記録手段は、該チャンネルにおいて過去に電波が送出された旨を示す情報を前記記憶部に記録せずに、前記記憶部に記録されている各情報を消去してもよい。
なお、前記記憶部は、不揮発性メモリであることが望ましい。
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能である。すなわち、請求項に示した範囲で適宜変更した技術的されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の手段を組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。