以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
<インプリントシステムの装置構成>
図1に示すように、本実施形態に係るインプリントシステム1は、複数の基板を収納する基板収納部2と、基板収納部2に収納された基板に対し所定のインプリント用モールドを用いて1回のインプリント処理を施すことのできるインプリント装置3と、基板収納部2に収納された基板をインプリント装置3に搬送する基板搬送装置4と、基板収納部2に収納された複数の基板の中からインプリント装置3におけるインプリント処理に適した基板を選択し、当該基板をインプリント装置3に搬送するために基板搬送装置4を制御するとともに、インプリント装置3におけるインプリント処理を制御する制御装置5とを備える。
基板収納部2としては、少なくとも各基板を識別可能に収納し得るものであればよく、多段状に基板を収納可能なストッカー、管理番号を付与した基板ケース等が挙げられる。なお、基板収納部2に収納される基板としては、インプリント処理に用いられ得る基板であれば特に限定されるものではなく、例えば、シリコン基板、石英基板、ガラス基板、SOI基板等が挙げられ、ノッチやオリフラ等が形成された基板であってもよいし、それらが形成されていない基板であってもよく、基板の両面(表面及び裏面)が研磨加工されているものであってもよいし、基板の両面が研磨加工されているが一方の面(表面)のみに表面処理が施され、他方の面(裏面)における樹脂の塗布特性が良好でないようなものであってもよい。また、一方の面(表面)のみ研磨加工されているものであってもよい。
インプリント装置3としては、基板を載置するステージと、インプリント用モールドを保持した状態でステージ上の基板に対して押し付けるための保持部とを少なくとも有するものを例示することができ、ステージ及び/又は保持部を回転させたり、XY方向に移動させたりすることのできる機構を有するものであってもよいし、当該機構を有しないものであってもよい。
基板搬送装置4としては、基板収納部2に収納されている基板を保持し、インプリント装置3に搬送する搬送機構を有するものを例示することができ、保持した基板を表裏反対にした状態でインプリント装置3に搬送し得る機構、保持した基板を回転させ、インプリント装置3に搬送し得る機構等を有するものであってもよいし、それらの機構を有しないものであってもよい。
図2に示すように、制御装置5は、CPU51と、各種プログラム等を記憶する主記憶部52と、CPU51により生成されたデータ等を一時的に記憶する補助記憶部53と、基板搬送装置4及びインプリント装置3との間でデータ等の送受信を行うための通信部54と、基板収納部2に収納されている基板に関するデータを格納する基板データベース55と、インプリント装置3におけるインプリント処理に用いられるインプリント用モールドに関するデータを格納するモールドデータベース56と、インプリント用基板選択処理により被転写基板として選択された基板に関するデータを格納する被転写基板データベース57と、インプリント用基板選択処理において基板の平坦度不良領域とインプリント用モールドの転写領域とが重なっていると判定された基板に対し優先順位が付与されたデータを格納する被転写候補基板データベース58と、インプリントシステム1を構成する各装置(基板収納部2、インプリント装置3、基板搬送装置4)の機能等に基づくインプリント処理条件に関するデータを格納するインプリントシステムデータベース59とを備える。
CPU51は、基板データベース55、モールドデータベース56、被転写基板データベース57、被転写候補基板データベース58、インプリントシステムデータベース59等に格納された各種データや、補助記憶部53に記憶された各種データ等を読み出し、主記憶部52に記憶された各種プログラムの指示に従って、種々の演算処理等を行う。
主記憶部52には、基板収納部2に収納された複数の基板の中からインプリント装置3におけるインプリント処理に適した一の基板を選択するためのインプリント用基板選択プログラム、基板搬送装置4による基板の搬送処理を制御するための搬送制御プログラム、インプリント装置3によるインプリント処理を制御するためのインプリント制御プログラム等が記憶されている。
補助記憶部53には、ユーザからの入力情報、ユーザからの入力情報に基づいてCPU51により生成されたインプリント条件データ、各データベース55〜59から取得したデータ等の各種データが一時的に記憶される。
なお、補助記憶部53に記憶されるユーザからの入力情報としては、例えば、インプリントシステム1におけるインプリント処理に付される基板の枚数に関する情報;インプリントシステム1におけるインプリント処理に使用されるインプリント用モールドの識別情報;インプリントシステム1において基板とインプリント用モールドの転写領域とを相対的に回転させた状態でのインプリント処理を許容するか否かに関する情報;インプリントシステム1において基板における転写位置をずらした状態でのインプリント処理を許容するか否かに関する情報;インプリントシステム1において基板の裏面側を用いたインプリント処理を許容するか否かに関する情報;ユーザが希望する基板上の転写位置に関する情報(初期転写位置情報(例えば、ユーザが基板の中心から所定の距離ずらした位置に転写することを希望する場合にユーザにより入力される、当該希望転写位置におけるインプリント用モールドの中心の、基板上における位置に関する情報等));インプリント処理を許容する基板上の領域に関する情報;基板選択処理において基板における転写位置をずらした状態でのインプリント処理による重なり判定処理(図15,16,19,20参照)を行う際の転写領域のX方向及びY方向への移動距離(Xpitch,Ypitch)に関する情報;転写領域と平坦度不良領域とが重なっていたとしてもインプリント処理を許容し得る、当該重なり面積の範囲(許容範囲)に関する情報等が挙げられる。
また、CPU51により生成され、補助記憶部53に記憶されるインプリント条件データには、インプリントシステム1において基板とインプリント用モールドの転写領域とを相対的に回転させた状態でのインプリント処理が可能であるか否かに関する情報(回転可情報又は回転不可情報を含む回転関連情報)、インプリントシステム1において基板における転写位置をずらした状態でのインプリント処理が可能であるか否かに関する情報(移動可情報又は移動不可情報を含む移動関連情報)、インプリントシステム1において基板の裏面側を用いたインプリント処理が可能であるか否かに関する情報(裏面使用可情報又は裏面使用不可情報を含む裏面関連情報)が含まれる。例えば、インプリントシステム1を構成する装置上の条件(インプリント装置3における基板の載置方向に対するインプリント用モールドの保持方向が一方向のみであって基板と凹凸パターン形成領域とを相対的に回転させた状態でのインプリント処理が不可能;インプリント装置3において基板を載置するためのステージやインプリント用モールドの保持部をXY方向に移動することができず基板に対して凹凸パターン形成領域をずらした状態でのインプリント処理が不可能;基板搬送装置4において表裏を反対にして基板をインプリント装置3に搬送するのが不可能;基板収納部2における基板の保管環境等により基板の裏面側に異物等が付着しやすく基板の裏面側に対するインプリント処理が不可能等)や凹凸パターンが転写された基板の用途上の条件等に応じて、インプリント条件データが生成され得る。
図3に示すように、基板データベース55には、基板収納部2に収納されている各基板の識別情報と、各基板の収納場所情報と、予め測定された基板の表面の平坦度情報と、各基板に固有の情報(基板固有情報)とが関連付けられて格納される。また、基板データベース55に格納されている基板の全枚数に関する情報(基板枚数情報)も格納される。
基板データベース55に格納される基板の表面の平坦度情報は、基板の表面の平坦度の悪い領域(平坦度不良領域)を示す座標データである。基板の表面の平坦度不良領域は、例えば、平坦度測定装置(例えば、ラムダエースシリーズ,大日本スクリーン株式会社製等)を用いて基板の表面の平坦度を測定・解析したときにおける所定の平坦度(例えば、10nm以上)の領域を少なくとも囲む矩形の枠を設定し、基板の表面の中心を原点としたときにおける当該矩形枠の対角に位置する二点(矩形枠の左下角の点A及び右上角の点B)の座標データとして表される(図4参照)。なお、本明細書において、平坦度不良領域とは、基板自体の平坦度の悪い領域の他、基板上に微細なキズがついている領域、基板上に微細な異物が付着している領域等も含まれるものとする。
基板データベース55に格納される基板固有情報は、基板の形状(ノッチやオリフラ等が形成されているなど)や樹脂が均一に塗布され得ない基板上の領域等に応じて設定されるインプリント処理を許可する基板表面上の領域(ノッチやオリフラ等を含まない円形又は矩形にて設定される領域、表面側転写許可領域;図4参照)に関する情報、基板の裏面側にインプリント処理を行うことが可能であるか否かに関する情報(裏面使用可情報又は裏面使用不可情報を含む裏面関連情報)等である。例えば、基板の表面にのみ研磨加工が施されているようなもの、基板の両面に研磨加工が施されていたとしても表面のみに表面処理が施され、裏面における樹脂の塗布特性が良好でないようなものであれば、基板データベース55に裏面使用不可情報が格納される。なお、基板データベース55に裏面使用可情報が格納される基板に関しては、予め測定された裏面の平坦度不良領域に関する情報(裏面平坦度情報)、裏面側転写許可領域に関する情報もあわせて格納される。
図5に示すように、モールドデータベース56には、インプリント装置3においてインプリント処理に使用されるインプリント用モールドの識別情報と、各インプリント用モールドに形成されている凹凸パターンの領域(凹凸パターン形成領域)に関する情報と、当該凹凸パターン形成領域を含む転写領域情報とが関連付けられて格納される。なお、第1の実施形態においては、凹凸パターン形成領域が矩形状(正方形又は長方形)であるものとして説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
インプリント用モールドにおける凹凸パターン形成領域情報は、凹凸パターンの形成されている領域を示す座標データであり、例えば、凹凸パターン形成領域が矩形状である場合、凹凸パターン形成領域は、インプリント用モールドの中心を原点としたときにおける当該凹凸パターン形成領域の対角に位置する二点(凹凸パターン形成領域の左下角の点α’及び右上角の点β’)の座標データとして表される(図6参照)。また、転写領域情報は、インプリント用モールドの中心を原点としたときにおける、所定の裕度Wをもって凹凸パターン形成領域をX軸方向及びY軸方向のそれぞれに広げた領域を示す座標データ(転写領域の左下角の点α及び右上角の点βの座標データ)である(図6参照)。
図7に示すように、被転写基板データベース57には、インプリント用基板選択処理により被転写基板として選択された基板の識別情報と、基板の収納場所に関する情報と、インプリント処理条件情報(例えば、基板の回転角度に関する情報、基板に対する転写位置の移動距離に関する情報、基板の裏面側の使用に関する情報等)とが関連付けられて格納される。
図8に示すように、被転写候補基板データベース58には、インプリント用基板選択処理により基板の平坦度不良領域とインプリント用モールドの転写領域とが重なっていると判断された基板の識別情報と、基板の収納場所に関する情報と、当該基板の平坦度不良領域とインプリント用モールドの転写領域とが重なっている面積に関する情報と、当該基板に付与された優先順位に関する情報とが関連付けられて格納されている。
インプリントシステムデータベース59には、インプリントシステム1を構成する各装置(基板収納部2、インプリント装置3、基板搬送装置4)の機能等に基づき、基板とインプリント用モールドの転写領域とを相対的に回転させた状態でのインプリント処理が可能であるか否かに関するデータ(回転関連データ)、基板における転写位置をずらした状態でのインプリント処理が可能であるか否かに関するデータ(移動関連データ)、基板の裏面側を用いたインプリント処理が可能であるか否かに関するデータ(裏面関連データ)、基板における転写位置をずらすことが許容される領域(移動許容領域)に関するデータ等が格納されている。例えば、インプリント装置3における基板の載置方向に対するインプリント用モールドの保持方向が一方向のみであって基板と凹凸パターン形成領域とを相対的に回転させた状態でのインプリント処理が不可能なインプリント装置3であれば、回転不可とのデータが格納される。また、インプリント装置3において基板を載置するためのステージやインプリント用モールドの保持部をXY方向に移動することができず基板に対して凹凸パターン形成領域をずらした状態でのインプリント処理が不可能であれば、移動不可とのデータが格納される。さらに、基板搬送装置4において表裏を反対にして基板をインプリント装置3に搬送するのが不可能であれば、裏面使用不可とのデータが格納される。さらにまた、基板収納部2における基板の保管環境等により基板の裏面側に異物等が付着しやすく基板の裏面側に対するインプリント処理が不可能であれば、裏面使用不可とのデータが格納される。一方、インプリントシステム1を構成する各装置(基板収納部2、インプリント装置3、基板搬送装置4)の機能等に基づき、基板とインプリント用モールドの転写領域とを相対的に回転させた状態でのインプリント処理が可能である場合には「回転可」とのデータが、基板における転写位置をずらした状態でのインプリント処理が可能である場合には「移動可」とのデータが、基板の裏面側を用いたインプリント処理が可能である場合には「裏面使用可」とのデータが、インプリントシステムデータベース59に格納される。なお、「移動可」とのデータが格納される場合であっても、インプリント用モールドを保持する保持部を移動させることのできない領域がある等により、インプリント装置3におけるインプリント処理を許容し得る領域が制限される場合には、当該インプリント処理を許容し得る領域(移動許容領域)に関するデータが格納される。
<インプリントシステムにおける処理動作>
このような構成を有するインプリントシステム1における処理動作を説明する。図9〜12は、インプリント条件データ生成処理を示すフローチャートであり、図13〜21は、インプリント用基板選択処理を示すフローチャートであり、図22は、インプリント用基板選択処理により選択された基板を用いたインプリントシステム1における一括転写方式でのインプリント処理を示すフローチャートである。
<インプリント条件データ生成処理>
まず、所定のインプリント用モールドを用いて所定の枚数(N枚)の基板に対してインプリント処理を行うにあたり、予めインプリント条件設定処理を行う。最初に、ユーザにより許容されるインプリント条件に関する情報、ユーザが希望する基板上の転写位置に関する情報(初期転写位置情報)、インプリント処理を行う予定の基板枚数(N枚)に関する情報及びインプリント処理に使用されるインプリント用モールドの識別情報がユーザにより入力され、入力された各情報は、補助記憶部53に記憶される。CPU51は、ユーザにより入力され、補助記憶部53に記憶された情報等に基づき、後述するようにしてインプリント条件データを生成する処理を行う。
図9に示すように、まず、CPU51は、移動に関連するインプリント条件データを生成する処理を行う(S01)。
かかるインプリント条件データ生成処理においては、図10に示すように、補助記憶部53に記憶されているインプリント条件に関する情報が「移動許可」との情報を含むか否かを判断する(S011)。インプリント条件に関する情報が「移動許可」との情報を含むものでない場合(S011,No)、CPU51は「移動不可」との情報を含むインプリント条件データを生成し、補助記憶部53に記憶する(S012)。
インプリント条件に関する情報が「移動許可」との情報を含むものである場合(S011,Yes)、CPU51は、インプリントシステムデータベース59から移動関連データを取得し(S013)、移動関連データが「移動可」とのデータを含むものであるか否かを判断する(S014)。
移動関連データが「移動可」とのデータを含むものでない場合(S014,No)、CPU51は「移動不可」との情報を含むインプリント条件データを生成し、補助記憶部53に記憶する(S012)。移動関連データが「移動可」との情報を含むものである場合(S014,Yes)、CPU51は「移動可」との情報を含むインプリント条件データを生成し、補助記憶部53に記憶する(S015)。このようにして移動に関連するインプリント条件データを生成した後、インプリント条件データ生成処理(図9)に戻る。
次に、CPU51は、図9に示すように、回転に関連するインプリント条件データを生成する処理を行う(S02)。
かかるインプリント条件データ生成処理においては、図11に示すように、CPU51は、補助記憶部53に記憶されているインプリント条件に関する情報が「回転許可」との情報を含むものであるか否かを判断する(S021)。
インプリント条件に関する情報が「回転許可」との情報を含むものでない場合(S021,No)、CPU51は「回転不可」との情報を含むインプリント条件データを生成し、補助記憶部53に記憶する(S022)。
インプリント条件に関する情報が「回転許可」との情報を含むものである場合(S021,Yes)、CPU51は、インプリントシステムデータベース59から回転関連データを取得し(S023)、回転関連データが「回転可」とのデータを含むものであるか否かを判断する(S024)。
回転関連データが「回転可」とのデータを含むものでない場合(S024,No)、CPU51は「回転不可」との情報を含むインプリント条件データを生成し、補助記憶部53に記憶する(S022)。
回転関連データが「回転可」との情報を含むものである場合(S024,Yes)、CPU51は、補助記憶部53に記憶されているインプリント用モールドの識別情報に基づいて、モールドデータベース56から凹凸パターン領域情報を取得し(S025)、凹凸パターン形成領域の中心とインプリント用モールドの中心とが一致しているか否かを判断する(S026)。
具体的には、凹凸パターン形成領域の点α’のX座標値と点β’のX座標値との和、及び凹凸パターン形成領域の点α’のY座標値と点β’のY座標値との和のいずれもが0であれば、CPU51は凹凸パターン形成領域の中心とインプリント用モールドの中心とが一致していると判断し、当該和のいずれか又は両方が0でない場合、CPU51は、凹凸パターン形成領域の中心とインプリント用モールドの中心とが一致していないと判断する。
凹凸パターン形成領域の中心とインプリント用モールどの中心とが一致していないと判断した場合(S026,No)、CPU51は、補助記憶部53に記憶されているインプリント条件データが「移動可」との情報を含むものであるか否かを判断する(S027)。
インプリント条件データが「移動可」との情報を含むものでない場合(S027,No)、CPU51は「回転不可」との情報を含むインプリント条件データを生成し、補助記憶部53に記憶する(S022)。
インプリント条件データが「移動可」との情報を含むものである場合(S027,Yes)、CPU51は「回転可」との情報を含むインプリント条件データを生成し、補助記憶部53に記憶する(S029)。
凹凸パターン形成領域の中心とインプリント用モールドの中心とが一致していると判断した場合(S026,Yes)、CPU51は、凹凸パターン領域情報に基づいて、凹凸パターン形成領域の回転対称数を判定し、当該凹凸パターン形成領域が4回対称形状であるか否かを判断する(S028)。
凹凸パターン形成領域が4回対称形状であると判断した場合(S028,Yes)、CPU51は、「回転不可」との情報を含むインプリント条件データを生成し、補助記憶部53に記憶する(S022)。
凹凸パターン形成領域が4回対称形状ではないと判断した場合(S028,No)、CPU51は、「回転可」との情報を含むインプリント条件データを生成し、補助記憶部53に記憶する(S029)。このようにして回転に関連するインプリント条件データを生成した後、インプリント条件データ生成処理(図9)に戻る。
続いて、CPU51は、図9に示すように、裏面に関連するインプリント条件データを生成する処理を行う(S03)。
かかるインプリント条件データ生成処理においては、図12に示すように、CPU51は、補助記憶部53に記憶されているインプリント条件に関する情報が「裏面許可」との情報を含むか否かを判断する(S031)。
インプリント条件に関する情報が「裏面許可」との情報を含むものでない場合(S031,No)、CPU51は「裏面不可」との情報を含むインプリント条件データを生成し、補助記憶部53に記憶する(S032)。
インプリント条件に関する情報が「裏面許可」との情報を含むものである場合(S031,Yes)、CPU51は、インプリントシステムデータベース59から裏面関連データを取得し(S033)、裏面関連データが「裏面可」とのデータを含むものであるか否かを判断する(S034)。
裏面関連データが「裏面可」とのデータを含むものでない場合(S034,No)、CPU51は「裏面不可」との情報を含むインプリント条件データを生成し、補助記憶部53に記憶する(S032)。
裏面関連データが「裏面可」との情報を含むものである場合(S034,Yes)、CPU51は「裏面可」との情報を含むインプリント条件データを生成し、補助記憶部53に記憶する(S035)。このようにして裏面に関連するインプリント条件データを生成した後、インプリント条件データ生成処理(図9)を終了する。
<インプリント用基板選択処理−初期転写位置>
続いて、インプリント用基板選択処理を行う。図13に示すように、CPU51は、補助記憶部53に記憶されているインプリント用モールドの識別情報に基づいてモールドデータベース56に格納されている転写領域情報を取得して補助記憶部53に記憶し(S101)、基板データベース55に格納されている一の基板の識別情報、収納場所情報及び平坦度情報を取得して補助記憶部53に記憶し(S102)、補助記憶部53に記憶された平坦度情報に平坦度不良領域に関する情報が含まれているか否かを判断する(S103)。具体的には、平坦度情報に平坦度不良領域の座標データが含まれているか否かを判断する。
平坦度情報に平坦度不良領域に関する情報が含まれていないと判断した場合(S103,No)、後述するS111の処理に移行する。
平坦度情報に平坦度不良領域に関する情報が含まれていると判断した場合(S103,Yes)、補助記憶部53に記憶されている初期転写位置情報及び転写領域情報に基づいて、重なり判定用転写領域情報を生成し、補助記憶部53に記憶する。具体的には、初期転写位置情報に含まれるモールドの中心の、基板上における位置(座標データ)に基づいて、転写領域の点α及び点βのX座標値及びY座標値を基板の中心を原点としたときにおける各座標値を算出し、算出された各座標データを重なり判定用転写領域情報として補助記憶部53に記憶する。
次に、補助記憶部53に記憶された平坦度情報及び重なり判定用転写領域情報に基づいて、平坦度不良領域の点AのX座標値及び重なり判定用の転写領域の点αのX座標値、平坦度不良領域の点AのY座標値及び重なり判定用の転写領域の点αのY座標値、平坦度不良領域の点BのX座標値及び重なり判定用の転写領域の点βのX座標値、並びに平坦度不良領域の点BのY座標値及び重なり判定用の転写領域の点βのY座標値をそれぞれ対比し、点A及び点αの各座標値のうちの大きい値をそれぞれXleft及びYlowと定義し、点B及び点βの各座標値のうちの小さい値をそれぞれXright及びYupと定義する(S104)。
続いて、CPU51は、Xleft及びXrightを対比し、XleftがXrightよりも小さいか否かを判断し(S105)、XleftがXrightよりも大きいと判断した場合(S105,No)、平坦度不良領域と転写領域とが重なっていないと判定し、平坦度不良領域と転写領域との重なり面積に関する情報(面積=0)及び初期転写位置情報を補助記憶部53に記憶する(S106)。
一方、XleftがXrightよりも小さいと判断した場合(S105,Yes)、CPU51は、Ylow及びYupを対比し、YlowがYupよりも小さいか否かを判断する(S107)。
YlowがYupよりも大きいと判断した場合(S107,No)、平坦度不良領域と転写領域とが重なっていないと判定し、平坦度不良領域と転写領域との重なり面積に関する情報(面積=0)及び初期転写位置情報を補助記憶部53に記憶する(S106)。
一方、YlowがYupよりも小さいと判断した場合(S107,Yes)、CPU51は、平坦度不良領域と転写領域とが重なっていると判定し、平坦度不良領域と、転写領域のうちの凹凸パターン形成領域及びそれ以外の領域(裕度として設定した領域,裕度領域)とのそれぞれが重なっている面積を算出するとともに、平坦度不良領域と裕度領域との重なっている面積の合計、平坦度不良領域と凹凸パターン形成領域との重なっている面積の合計及び算出した全面積値の合計を算出し、補助記憶部53に記憶する(S108)。
具体的には、平坦度不良領域と凹凸パターン形成領域とが重なっている面積は、以下のようにして算出することができる。
まず、補助記憶部53に記憶されているインプリント用モールドの識別情報に基づいてインプリント用モールドデータベース56から凹凸パターン形成領域情報を取得し、補助記憶部53に記憶されている初期転写位置情報に含まれるモールドの中心の、基板上における位置(座標データ)及び凹凸パターン形成領域情報に基づいて、凹凸パターン形成領域の点α’及び点β’のX座標値及びY座標値を基板の中心を原点としたときにおける各座標値(面積算出用凹凸パターン形成領域の各座標値)を算出し、面積算出用凹凸パターン形成領域情報として補助記憶部53に記憶する。次に、平坦度不良領域の点AのX座標値及び面積算出用凹凸パターン形成領域の点α’のX座標値、平坦度不良領域の点AのY座標値及び面積算出用凹凸パターン形成領域の点α’のY座標値、平坦度不良領域の点BのX座標値及び面積算出用凹凸パターン形成領域の点β’のX座標値、並びに平坦度不良領域の点BのY座標値及び面積算出用凹凸パターン形成領域の点β’のY座標値をそれぞれ対比し、点A及び点α’の各座標値のうちの大きい値をそれぞれXleft及びYlowと定義し、点B及び点βの各座標値のうちの小さい値をそれぞれXright及びYupと定義する。そして、当該定義されたXleft、Xright、Ylow及びYupの値から、次式により平坦度不良領域と凹凸パターン形成領域とが重なっている面積を算出する。
面積=(Xright−Xleft)×(Yup−Ylow)
一方、平坦度不良領域と裕度領域とが重なっている面積は、上記S104において定義されたXleft、Xright、Ylow及びYupの値を用いて平坦度不良領域と転写領域とが重なっている面積を次式より算出し、算出された当該面積値から、平坦度不良領域と凹凸パターン形成領域とが重なっている面積値を減算することにより算出することができる。
面積=(Xright−Xleft)×(Yup−Ylow)
次に、CPU51は、転写領域との重なりの有無を判定していない他の平坦度不良領域情報が補助記憶部53に記憶されているか否かを判断し(S109)、他の平坦度不良領域情報が記憶されていると判断した場合には(S109,Yes)、上記S104〜S108の処理を再度行い、他の平坦度不良領域情報が記憶されていないと判断した場合には(S109,No)、補助記憶部53に記憶されているすべての面積値(平坦度不良領域と凹凸パターン形成領域との重なり面積、平坦度不良領域と裕度領域との重なり面積、S106において記憶された面積(=0))の合計値を算出し、当該合計面積値が0であるか否かを判断する(S110)。
合計面積値が0であると判断した場合(S110,Yes)、CPU51は、基板の識別情報と収納場所情報と初期転写位置情報とを関連付けて被転写基板データベース57に格納する(S111)。
一方、合計面積値が0でないと判断した場合(S110,No)、CPU51は、基板の識別情報と、収納場所情報と、初期転写位置情報と、補助記憶部53に記憶されている各面積値とを関連付けて被転写候補基板データベース58に格納する(S112)。
<インプリント用基板選択処理−回転>
上記S112にて各種情報を関連付けて被転写候補基板データベース58に格納した後、図14に示すように、補助記憶部53に記憶されているインプリント条件データを取得し、当該インプリント条件データに基づいて基板と転写領域とを相対的に回転させた状態でのインプリント処理が可能であるか否かを判断する(S113)。
回転不可と判断した場合(S113,No)、次の重なり判定処理(図15参照)に移行する。一方、回転可能と判断した場合(S113,Yes)、CPU51は、補助記憶部53に記憶されている平坦度情報に基づいて、基板の中心を軸としてその軸周りに90度回転させたときの平坦度不良領域の点A及び点Bの座標データを算出し、当該基板の回転後の座標データの算出処理の回数に関する情報とともに補助記憶部53に記憶する(S114)。
次に、CPU51は、補助記憶部53に記憶されている重なり判定用転写領域情報及び基板回転後の平坦度不良領域の座標データに基づいて、平坦度不良領域の点AのX座標値及び重なり判定用転写領域の点αのX座標値、平坦度不良領域の点AのY座標値及び重なり判定用転写領域の点αのY座標値、平坦度不良領域の点BのX座標値及び重なり判定用転写領域の点βのX座標値、並びに平坦度不良領域の点BのY座標値及び重なり判定用転写領域の点βのY座標値をそれぞれ対比し、点A及び点αの各座標値のうちの大きい値をそれぞれXleft及びYlowと定義し、点B及び点βの各座標値のうちの小さい値をそれぞれXright及びYupと定義する(S115)。
CPU51は、Xleft及びXrightを対比し、XleftがXrightよりも小さいか否かを判断する(S116)。XleftがXrightよりも大きいと判断した場合(S116,No)、平坦度不良領域と転写領域とが重なっていないと判定し、平坦度不良領域と転写領域との重なり面積に関する情報(面積=0)及びインプリント処理条件情報としての基板の回転角度に関する情報を補助記憶部53に記憶する(S117)。
一方、XleftがXrightよりも小さいと判断した場合(S116,Yes)、CPU51は、Ylow及びYupを対比し、YlowがYupよりも小さいか否かを判断する(S118)。
YlowがYupよりも大きいと判断した場合(S118,No)、平坦度不良領域と転写領域とが重なっていないと判定し、平坦度不良領域と転写領域との重なり面積に関する情報(面積=0)及びインプリント処理条件情報としての基板の回転角度に関する情報を補助記憶部53に記憶する(S117)。
一方、YlowがYupよりも小さいと判断した場合(S118,Yes)、CPU51は、平坦度不良領域と転写領域とが重なっていると判定し、平坦度不良領域と、転写領域のうちの凹凸パターン形成領域及び裕度領域とのそれぞれが重なっている面積を算出するとともに、平坦度不良領域と裕度領域との重なっている面積の合計、平坦度不良領域と凹凸パターン形成領域との面積の合計及びすべての面積の合計を算出し、算出した面積及び回転角度に関する情報を補助記憶部53に記憶する(S119)。
具体的には、平坦度不良領域と凹凸パターン形成領域とが重なっている面積は、以下のようにして算出することができる。
まず、補助記憶部53に記憶されている面積算出用凹凸パターン形成領域情報に基づいて、平坦度不良領域の点AのX座標値及び面積算出用凹凸パターン形成領域の点α’のX座標値、平坦度不良領域の点AのY座標値及び面積算出用凹凸パターン形成領域の点α’のY座標値、平坦度不良領域の点BのX座標値及び面積算出用凹凸パターン形成領域の点β’のX座標値、並びに平坦度不良領域の点BのY座標値及び面積算出用凹凸パターン形成領域の点β’のY座標値をそれぞれ対比し、点A及び点α’の各座標値のうちの大きい値をそれぞれXleft及びYlowと定義し、点B及び点βの各座標値のうちの小さい値をそれぞれXright及びYupと定義する。そして、当該定義されたXleft、Xright、Ylow及びYupの値から、次式により平坦度不良領域と凹凸パターン形成領域とが重なっている面積を算出する。
面積=(Xright−Xleft)×(Yup−Ylow)
一方、平坦度不良領域と裕度領域とが重なっている面積は、上記S115において定義されたXleft、Xright、Ylow及びYupの値を用いて平坦度不良領域と転写領域とが重なっている面積を次式より算出し、算出された当該面積値から、平坦度不良領域と凹凸パターン形成領域とが重なっている面積値を減算することにより算出することができる。
面積=(Xright−Xleft)×(Yup−Ylow)
次に、CPU51は、転写領域との重なりの有無を判定していない他の平坦度不良領域情報が補助記憶部53に記憶されているか否かを判断し(S120)、他の平坦度不良領域情報が記憶されていると判断した場合には(S120,Yes)、上記S115〜S119の処理を再度行い、他の平坦度不良領域情報が記憶されていないと判断した場合には(S120,No)、基板の中心とインプリント用モールドの中心とが一致しているか否かを判断する(S121)。
基板の中心とインプリント用モールドの中心とが一致していないと判断した場合には(S121,No)、回転後の座標データの算出処理の回数に関する情報に基づいて、上記S114における座標データの算出処理を3回行ったか否かを判断する(S123)。一方、基板の中心とインプリント用モールドの中心とが一致していると判断した場合には(S121,Yes)、凹凸パターン形成領域の中心とインプリント用モールドの中心とが一致しているか否かを判断する(S122)。
凹凸パターン形成領域の中心とインプリント用モールドの中心とが一致していないと判断した場合(S122,No)、回転後の座標データの算出処理の回数に関する情報に基づいて、上記S114における座標データの算出処理を3回行ったか否かを判断する(S123)。
座標データ算出処理を3回行っていないと判断した場合(S123,No)、上記S114〜S122の処理を再度行う。一方、凹凸パターン形成領域の中心とインプリント用モールドの中心とが一致していると判断した場合(S122,Yes)、又は座標データ算出処理を3回行ったと判断した場合(S123,Yes)、補助記憶部53に記憶されているすべての面積値(平坦度不良領域と凹凸パターン形成領域との重なり面積、平坦度不良領域と裕度領域との重なり面積、S117において記憶された面積(=0))の合計値を算出し、当該合計面積値が0であるか否かを判断する(S124)。
当該合計面積値が0であると判断した場合(S124,Yes)、CPU51は、基板の識別情報と、収納場所情報と、初期転写位置情報と、インプリント処理条件情報とを関連付けて被転写基板データベース57に格納する(S125)。
一方、当該合計面積値が0でないと判断した場合(S124,No)、CPU51は、基板の識別情報と、収納場所情報と、初期転写位置情報と、補助記憶部53に記憶されている各面積値と、インプリント処理条件情報とを関連付けて被転写候補基板データベース58に格納する(S126)。
<インプリント用基板選択処理−移動>
上記S126にて各種情報を関連付けて被転写候補基板データベース58に格納した後、図15に示すように、補助記憶部53に記憶されているインプリント条件データを取得し、当該インプリント条件データに基づいて、基板に対する転写位置をずらした状態でのインプリント処理が可能であるか否かを判断する(S127)。
移動不可と判断した場合(S127,No)、後述の裏面使用に関する重なり判定処理(図17参照)に移行する。一方、移動可能と判断した場合(S127,Yes)、CPU51は、基板の識別情報に基づいて基板データベース55から当該基板の表面側の転写許可領域に関する情報を取得するとともに、インプリントシステムデータベース59から移動許容領域に関するデータを取得し(S128)、当該転写許可領域と移動許容領域との重なる領域を移動可能領域として設定する(S129)。
CPU51は、移動可能領域の最外周上のすべての位置にインプリント用モールドの転写領域の中心をあわせたときに、インプリント用モールドの転写領域が転写許可領域内に位置するか否かを判断する(S130)。具体的には、インプリント用モールドの転写領域の中心を移動可能領域の最外周に沿って一周移動させたときの当該転写領域の軌跡の最外周により構成される領域が、転写許可領域よりも大きければ、転写領域の少なくとも一部が転写許可領域外に位置すると判断することができ、当該転写領域の軌跡の最外周により構成される領域が、転写許可領域よりも小さければ、転写領域が転写許可領域内に位置すると判断することができる。
インプリント用モールドの転写領域の少なくとも一部が転写許可領域外に位置すると判断した場合(S130,No)、上記S129にて設定された移動可能領域を、インプリント用モールドの転写領域の対角長さの半分の長さ分狭めた領域を移動領域として設定し(S131)、インプリント用モールドの転写領域が転写許可領域内に位置すると判断した場合(S130,Yes)、上記S129にて設定された移動可能領域を移動領域として設定する(S132)。
続いて、CPU51は、補助記憶部53に記憶されている初期転写位置情報に基づいて、当該初期転写位置に基板とインプリント用モールドとを対向配置させたときにおける、当該インプリント用モールドの転写領域の中心を通るX軸及びY軸のそれぞれに平行な補助線を移動領域内に引き、補助記憶部53に記憶されている移動距離に関する情報(Xpitch,Ypitch)に基づいて、各補助線に平行、かつ当該移動距離ごとに離間した補助線を引き、それらの補助線の各交点及び各補助線と移動領域の最外周との交点の座標を算出して、補助記憶部53に記憶する(S133)。
次に、インプリント用モールドの転写領域の中心を任意の一の交点に移動させたときにおける重なり判定用転写領域の座標データ(点α及び点βの座標値)を算出し、補助記憶部53に記憶する(S134)。
続いて、CPU51は、補助記憶部53に記憶された平坦度情報及び移動後の重なり判定用転写領域の座標データに基づいて、平坦度不良領域の点AのX座標値及び重なり判定用転写領域の点αのX座標値、平坦度不良領域の点AのY座標値及び重なり判定用転写領域の点αのY座標値、平坦度不良領域の点BのX座標値及び重なり判定用転写領域の点βのX座標値、並びに平坦度不良領域の点BのY座標値及び重なり判定用転写領域の点βのY座標値をそれぞれ対比し、点A及び点αの各座標値のうちの大きい値をそれぞれXleft及びYlowと定義し、点B及び点βの各座標値のうちの小さい値をそれぞれXright及びYupと定義する(S135)。
CPU51は、Xleft及びXrightを対比し、XleftがXrightよりも小さいか否かを判断する(S136)。XleftがXrightよりも大きいと判断した場合(S136,No)、平坦度不良領域と転写領域とが重なっていないと判定し、平坦度不良領域と転写領域との重なり面積に関する情報(面積=0)及びインプリント処理条件情報としての基板に対する転写位置に関する情報(初期転写位置からのX軸方向及びY軸方向への移動距離に関する情報)を補助記憶部53に記憶する(S137)。
一方、XleftがXrightよりも小さいと判断した場合(S136,Yes)、CPU51は、Ylow及びYupを対比し、YlowがYupよりも小さいか否かを判断する(S138)。YlowがYupよりも大きいと判断した場合(S138,No)、平坦度不良領域と転写領域とが重なっていないと判定し、平坦度不良領域と転写領域との重なり面積に関する情報(面積=0)及びインプリント処理条件情報としての基板に対する転写位置に関する情報を補助記憶部53に記憶する(S137)。
一方、YlowがYupよりも小さいと判断した場合(S138,Yes)、CPU51は、平坦度不良領域と転写領域とが重なっていると判定し、平坦度不良領域と、転写領域のうちの凹凸パターン形成領域及び裕度領域とのそれぞれが重なっている面積を算出するとともに、平坦度不良領域と裕度領域との重なっている面積の合計、平坦度不良領域と凹凸パターン形成領域との面積の合計及びすべての面積の合計を算出し、算出した面積及び転写位置に関する情報を補助記憶部53に記憶する(S139)。
具体的には、平坦度不良領域と凹凸パターン形成領域とが重なっている面積は、以下のようにして算出することができる。
まず、補助記憶部53に記憶されている面積算出用凹凸パターン形成領域情報に基づいて、平坦度不良領域の点AのX座標値及び移動後の面積算出用凹凸パターン形成領域の点α’のX座標値、平坦度不良領域の点AのY座標値及び移動後の面積算出用凹凸パターン形成領域の点α’のY座標値、平坦度不良領域の点BのX座標値及び移動後の面積算出用凹凸パターン形成領域の点β’のX座標値、並びに平坦度不良領域の点BのY座標値及び移動後の面積算出用凹凸パターン形成領域の点β’のY座標値をそれぞれ対比し、点A及び点α’の各座標値のうちの大きい値をそれぞれXleft及びYlowと定義し、点B及び点βの各座標値のうちの小さい値をそれぞれXright及びYupと定義する。そして、当該定義されたXleft、Xright、Ylow及びYupの値から、次式により平坦度不良領域と凹凸パターン形成領域とが重なっている面積を算出する。
面積=(Xright−Xleft)×(Yup−Ylow)
一方、平坦度不良領域と裕度領域とが重なっている面積は、上記S135において定義されたXleft、Xright、Ylow及びYupの値を用いて平坦度不良領域と転写領域とが重なっている面積を次式より算出し、算出された当該面積値から、平坦度不良領域と凹凸パターン形成領域とが重なっている面積値を減算することにより算出することができる。
面積=(Xright−Xleft)×(Yup−Ylow)
次に、CPU51は、転写領域との重なりの有無を判定していない他の平坦度不良領域情報が補助記憶部53に記憶されているか否かを判断し(S140)、他の平坦度不良領域情報が記憶されていると判断した場合には(S140,Yes)、上記S135〜S139の処理を再度行い、他の平坦度不良領域情報が記憶されていないと判断した場合には(S140,No)、補助記憶部53に記憶されているすべての面積値(平坦度不良領域と凹凸パターン形成領域との重なり面積、平坦度不良領域と裕度領域との重なり面積、S137において記憶された面積(=0))の合計値を算出し、当該合計面積値が0であるか否かを判断する(S141)。
当該合計面積値が0であると判断した場合(S141,Yes)、CPU51は、基板の識別情報と、収納場所情報と、初期転写位置情報と、インプリント処理条件情報とを関連付けて被転写基板データベース57に格納する(S142)。
一方、当該合計面積値が0でないと判断した場合(S141,No)、CPU51は、補助記憶部53に他の合計面積値が記憶されているか否かを判断し(S143)、他の合計面積値が記憶されていないと判断した場合(S143,No)、上記S141にて算出した合計面積値及びインプリント処理条件情報としての基板に対する転写位置に関する情報を補助記憶部53に記憶する(S144)。
他の合計面積値が記憶されていると判断した場合(S143,Yes)、補助記憶部53に記憶されている他の合計面積値が、上記S141にて算出した合計面積値よりも大きいか否かを判断する(S145)。
他の合計面積値が大きいと判断した場合(S145,Yes)、上記S141にて算出した合計面積値及びインプリント処理条件情報としての基板に対する転写位置に関する情報に、補助記憶部53に記憶された情報を更新し(S146)、他の合計面積値が、上記S141にて算出した合計面積値以下であると判断した場合(S145,No)、補助記憶部53に記憶された情報を更新することなく、S147以降の処理に移行する。
その後、CPU51は、すべての交点における重なり判定処理を行ったか否かを判断し(S147)、すべての交点における重なり判定処理を行っていないと判断した場合(S147,No)、上記S134〜S146の処理を再度行う。
一方、すべての交点における重なり判定処理を行ったと判断した場合(S147,Yes)、基板の識別情報と、収納場所情報と、初期転写位置情報と、補助記憶部53に記憶されている各面積値と、インプリント処理条件情報とを関連付けて被転写候補基板データベース58に格納する(S148)。
<インプリント用基板選択処理−回転・移動>
上記S148にて各種情報を関連付けて被転写候補基板データベース58に格納した後、図16に示すように、CPU51は、補助記憶部53に記憶されているインプリント条件データを取得し、当該インプリント条件データに基づいて基板と転写領域とを相対的に回転させた状態でのインプリント処理が可能であるか否かを判断する(S149)。
回転不可と判断した場合(S149,No)、次の重なり判定処理(図17参照)に移行する。一方、回転可能と判断した場合(S149,Yes)、CPU51は、補助記憶部53に記憶されている平坦度情報に基づいて、基板の中心を軸としてその軸周りに90度回転させたときの平坦度不良領域の点A及び点Bの座標データを算出し、当該基板の回転後の座標データの算出処理の回数に関する情報とともに補助記憶部53に記憶する(S150)。
次に、CPU51は、補助記憶部53に記憶されている初期転写位置情報に基づいて、当該初期転写位置に基板とインプリント用モールドとを対向配置させたときにおける、当該インプリント用モールドの転写領域の中心を通るX軸及びY軸のそれぞれに平行な補助線を引き、補助記憶部53に記憶されている移動距離に関する情報(Xpitch,Ypitch)に基づいて、各補助線に平行、かつ当該移動距離ごとに離間した補助線を、基板上の移動領域(上記S131又はS132にて設定された移動領域(図15参照)を基板の中心を軸としてその軸周りに90度回転させた領域)内に引き、それらの補助線の各交点及び各補助線と移動領域の最外周との交点の座標を算出して、補助記憶部53に記憶する(S151)。
そして、インプリント用モールドの転写領域の中心を任意の一の交点に移動させたときにおける重なり判定用転写領域の座標データ(点α及び点βの座標値)を算出し、補助記憶部53に記憶する(S152)。
続いて、CPU51は、補助記憶部53に記憶された回転後の平坦度不良領域の座標データ及び移動後の重なり判定用転写領域の座標データに基づいて、平坦度不良領域の点AのX座標値及び重なり判定用転写領域の点αのX座標値、平坦度不良領域の点AのY座標値及び重なり判定用転写領域の点αのY座標値、平坦度不良領域の点BのX座標値及び重なり判定用転写領域の点βのX座標値、並びに平坦度不良領域の点BのY座標値及び重なり判定用転写領域の点βのY座標値をそれぞれ対比し、点A及び点αの各座標値のうちの大きい値をそれぞれXleft及びYlowと定義し、点B及び点βの各座標値のうちの小さい値をそれぞれXright及びYupと定義する(S153)。
CPU51は、Xleft及びXrightを対比し、XleftがXrightよりも小さいか否かを判断する(S154)。XleftがXrightよりも大きいと判断した場合(S154,No)、平坦度不良領域と転写領域とが重なっていないと判定し、平坦度不良領域と転写領域との重なり面積に関する情報(面積=0)、並びにインプリント処理条件情報としての基板の回転角度に関する情報及び基板に対する転写位置に関する情報(初期転写位置からのX軸方向及びY軸方向への移動距離に関する情報)を補助記憶部53に記憶する(S155)。
一方、XleftがXrightよりも小さいと判断した場合(S154,Yes)、CPU51は、Ylow及びYupを対比し、YlowがYupよりも小さいか否かを判断する(S156)。YlowがYupよりも大きいと判断した場合(S156,No)、平坦度不良領域と転写領域とが重なっていないと判定し、平坦度不良領域と転写領域との重なり面積に関する情報(面積=0)、並びにインプリント処理条件情報としての基板の回転角度に関する情報及び基板に対する転写位置に関する情報を補助記憶部53に記憶する(S155)。
一方、YlowがYupよりも小さいと判断した場合(S156,Yes)、CPU51は、平坦度不良領域と転写領域とが重なっていると判定し、平坦度不良領域と、転写領域のうちの凹凸パターン形成領域及び裕度領域とのそれぞれが重なっている面積を算出するとともに、平坦度不良領域と裕度領域との重なっている面積の合計、平坦度不良領域と凹凸パターン形成領域との面積の合計及びすべての面積の合計を算出し、算出した面積、並びにインプリント処理条件情報としての基板の回転角度に関する情報及び基板に対する転写位置に関する情報を補助記憶部53に記憶する(S157)。
具体的には、平坦度不良領域と凹凸パターン形成領域とが重なっている面積は、以下のようにして算出することができる。
まず、補助記憶部53に記憶されている面積算出用凹凸パターン形成領域情報に基づいて、移動後の面積算出用凹凸パターン形成領域の座標データ(点α’及び点β’の座標値)を算出し、回転後の平坦度不良領域の点AのX座標値及び移動後の面積算出用凹凸パターン形成領域の点α’のX座標値、回転後の平坦度不良領域の点AのY座標値及び移動後の面積算出用凹凸パターン形成領域の点α’のY座標値、回転後の平坦度不良領域の点BのX座標値及び移動後の面積算出用凹凸パターン形成領域の点β’のX座標値、並びに回転後の平坦度不良領域の点BのY座標値及び移動後の面積算出用凹凸パターン形成領域の点β’のY座標値をそれぞれ対比し、点A及び点α’の各座標値のうちの大きい値をそれぞれXleft及びYlowと定義し、点B及び点βの各座標値のうちの小さい値をそれぞれXright及びYupと定義する。そして、当該定義されたXleft、Xright、Ylow及びYupの値から、次式により平坦度不良領域と凹凸パターン形成領域とが重なっている面積を算出する。
面積=(Xright−Xleft)×(Yup−Ylow)
一方、平坦度不良領域と裕度領域とが重なっている面積は、上記S153において定義されたXleft、Xright、Ylow及びYupの値を用いて平坦度不良領域と転写領域とが重なっている面積を次式より算出し、算出された当該面積値から、平坦度不良領域と凹凸パターン形成領域とが重なっている面積値を減算することにより算出することができる。
面積=(Xright−Xleft)×(Yup−Ylow)
次に、CPU51は、転写領域との重なりの有無を判定していない他の平坦度不良領域情報が補助記憶部53に記憶されているか否かを判断し(S158)、他の平坦度不良領域情報が記憶されていると判断した場合には(S158,Yes)、上記S153〜S157の処理を再度行い、他の平坦度不良領域情報が記憶されていないと判断した場合には(S158,No)、補助記憶部53に記憶されているすべての面積値(平坦度不良領域と凹凸パターン形成領域との重なり面積、平坦度不良領域と裕度領域との重なり面積、S150において記憶された面積(=0))の合計値を算出し、当該合計面積値が0であるか否かを判断する(S159)。
当該合計面積値が0であると判断した場合(S159,Yes)、CPU51は、基板の識別情報と、収納場所情報と、初期転写位置情報と、インプリント処理条件情報とを関連付けて被転写基板データベース57に格納する(S160)。
一方、当該合計面積値が0でないと判断した場合(S159,No)、CPU51は、補助記憶部53に他の合計面積値が記憶されているか否かを判断し(S161)、他の合計面積値が記憶されていないと判断した場合(S161,No)、上記S159にて算出した合計面積値、並びにインプリント処理条件情報としての基板の回転角度に関する情報及び基板に対する転写位置に関する情報を補助記憶部53に記憶する(S162)。
他の合計面積値が記憶されていると判断した場合(S161,Yes)、補助記憶部53に記憶されている他の合計面積値が、上記S159にて算出した合計面積値よりも大きいか否かを判断する(S163)。
他の合計面積値が大きいと判断した場合(S163,Yes)、上記S159にて算出した合計面積値、並びにインプリント処理条件情報としての基板の回転角度に関する情報及び基板に対する転写位置に関する情報に、補助記憶部53に記憶された情報を更新し(S164)、他の合計面積値が上記S159にて算出した合計面積値以下であると判断した場合(S163,No)、補助記憶部53に記憶された情報を更新することなく、後述するS165以降の処理に移行する。
その後、CPU51は、すべての交点における重なり判定処理を行ったか否かを判断し(S165)、すべての交点における重なり判定処理を行っていないと判断した場合(S165,No)、上記S152〜S164の処理を再度行う。
一方、すべての交点における重なり判定処理を行ったと判断した場合(S165,Yes)、基板の中心とインプリント用モールドの中心とが一致しているか否かを判断する(S166)。
基板の中心とインプリント用モールドの中心とが一致していないと判断した場合には(S166,No)、回転後の座標データの算出処理の回数に関する情報に基づいて、上記S150における座標データの算出処理を3回行ったか否かを判断する(S168)。一方、基板の中心とインプリント用モールドの中心とが一致していると判断した場合には(S166,Yes)、凹凸パターン形成領域の中心とインプリント用モールドの中心とが一致しているか否かを判断する(S167)。
凹凸パターン形成領域の中心とインプリント用モールドの中心とが一致していないと判断した場合(S167,No)、回転後の座標データの算出処理の回数に関する情報に基づいて、上記S150における座標データの算出処理を3回行ったか否かを判断する(S168)。
座標データ算出処理を3回行っていないと判断した場合(S168,No)、上記S150〜S167の処理を再度行う。一方、凹凸パターン形成領域の中心とインプリント用モールドの中心とが一致していると判断した場合(S167,Yes)、又は座標データ算出処理を3回行ったと判断した場合(S168,Yes)、CPU51は、基板の識別情報と、収納場所情報と、初期転写位置情報と、補助記憶部53に記憶されている各面積値と、インプリント処理条件情報とを関連付けて被転写候補基板データベース58に格納する(S169)。
<インプリント用基板選択処理−裏面>
上記S127にて移動不可と判断された後、又は上記S169にて各種情報を関連付けて被転写候補基板データベース58に格納した後、図17に示すように、基板データベース55に格納された基板固有情報及び補助記憶部53に記憶されているインプリント条件データを取得し、基板の裏面側を用いたインプリント処理が可能であるか否かを判断する(S170)。
裏面使用不可と判断した場合(S170,No)、続いての処理に移行する(図21参照)。一方、裏面使用可能と判断した場合(S170,Yes)、補助記憶部53に記憶された平坦度情報に裏面側の平坦度不良領域に関する情報が含まれているか否かを判断する(S171)。平坦度情報に裏面側の平坦度不良領域に関する情報が含まれていないと判断した場合(S171,No)、後述するS179の処理に移行する。
一方、平坦度情報に裏面側の平坦度不良領域に関する情報が含まれていると判断した場合(S171,Yes)、CPU51は、補助記憶部53に記憶された平坦度情報及び重なり判定用転写領域情報に基づいて、裏面側の平坦度不良領域の点AのX座標値及び重なり判定用転写領域の点αのX座標値、裏面側の平坦度不良領域の点AのY座標値及び重なり判定用転写領域の点αのY座標値、裏面側の平坦度不良領域の点BのX座標値及び重なり判定用転写領域の点βのX座標値、並びに裏面側の平坦度不良領域の点BのY座標値及び重なり判定用転写領域の点βのY座標値をそれぞれ対比し、点A及び点αの各座標値のうちの大きい値をそれぞれXleft及びYlowと定義し、点B及び点βの各座標値のうちの小さい値をそれぞれXright及びYupと定義する(S172)。
CPU51は、Xleft及びXrightを対比し、XleftがXrightよりも小さいか否かを判断する(S173)。XleftがXrightよりも大きいと判断した場合(S173,No)、裏面側の平坦度不良領域と転写領域とが重なっていないと判定し、平坦度不良領域と転写領域との重なり面積に関する情報(面積=0)、初期転写位置情報及びインプリント処理条件情報としての裏面使用に関する情報を補助記憶部53に記憶する(S174)。
一方、XleftがXrightよりも小さいと判断した場合(S173,Yes)、CPU51は、Ylow及びYupを対比し、YlowがYupよりも小さいか否かを判断する(S175)。YlowがYupよりも大きいと判断した場合(S175,No)、裏面側の平坦度不良領域と転写領域とが重なっていないと判定し、平坦度不良領域と転写領域との重なり面積に関する情報(面積=0)、初期転写位置情報及びインプリント処理条件情報としての裏面使用に関する情報とを補助記憶部53に記憶する(S174)。
一方、YlowがYupよりも小さいと判断した場合(S175,Yes)、CPU51は、裏面側の平坦度不良領域と転写領域とが重なっていると判定し、裏面側の平坦度不良領域と、転写領域のうちの凹凸パターン形成領域及び裕度領域とのそれぞれが重なっている面積を算出するとともに、裏面側の平坦度不良領域と裕度領域との重なっている面積の合計、裏面側の平坦度不良領域と凹凸パターン形成領域との重なっている面積の合計及び算出した全面積の合計を算出し、算出した面積及びインプリント処理条件情報(裏面使用に関する情報)を補助記憶部53に記憶する(S176)。
具体的には、裏面側の平坦度不良領域と凹凸パターン形成領域とが重なっている面積は、以下のようにして算出することができる。
まず、補助記憶部53に記憶されている面積算出用凹凸パターン形成領域情報に基づいて、裏面側の平坦度不良領域の点AのX座標値及び面積算出用凹凸パターン形成領域の点α’のX座標値、裏面側の平坦度不良領域の点AのY座標値及び面積算出用凹凸パターン形成領域の点α’のY座標値、裏面側の平坦度不良領域の点BのX座標値及び面積算出用凹凸パターン形成領域の点β’のX座標値、並びに裏面側の平坦度不良領域の点BのY座標値及び面積算出用凹凸パターン形成領域の点β’のY座標値をそれぞれ対比し、点A及び点α’の各座標値のうちの大きい値をそれぞれXleft及びYlowと定義し、点B及び点βの各座標値のうちの小さい値をそれぞれXright及びYupと定義する。そして、当該定義されたXleft、Xright、Ylow及びYupの値から、次式により平坦度不良領域と凹凸パターン形成領域とが重なっている面積を算出する。
面積=(Xright−Xleft)×(Yup−Ylow)
一方、裏面側の平坦度不良領域と裕度領域とが重なっている面積は、上記S172において定義されたXleft、Xright、Ylow及びYupの値を用いて平坦度不良領域と転写領域とが重なっている面積を次式より算出し、算出された当該面積値から、平坦度不良領域と凹凸パターン形成領域とが重なっている面積値を減算することにより算出することができる。
面積=(Xright−Xleft)×(Yup−Ylow)
次に、CPU51は、転写領域との重なりの有無を判定していない裏面側の他の平坦度不良領域情報が補助記憶部53に記憶されているか否かを判断し(S177)、他の平坦度不良領域情報が記憶されていると判断した場合には(S177,Yes)、上記S172〜S176の処理を再度行い、他の平坦度不良領域情報が記憶されていないと判断した場合には(S177,No)、補助記憶部53に記憶されているすべての面積値(平坦度不良領域と凹凸パターン形成領域との重なり面積、平坦度不良領域と裕度領域との重なり面積、上記S174において記憶された面積(=0))の合計値を算出し、当該合計面積値が0であるか否かを判断する(S178)。
当該合計面積値が0であると判断した場合(S178,Yes)、CPU51は、基板の識別情報と、収納場所情報と、初期転写位置情報と、インプリント処理条件情報とを関連付けて被転写基板データベース57に格納する(S179)。
一方、当該合計面積値が0でないと判断した場合(S178,No)、CPU51は、基板の識別情報と、収納場所情報と、初期転写位置情報と、補助記憶部53に記憶されている各面積値と、インプリント処理条件情報とを関連付けて被転写候補基板データベース58に格納する(S180)。
<インプリント用基板選択処理−裏面・回転>
上記S180にて基板の識別情報と収納場所情報と補助記憶部53に記憶されている各面積値とインプリント処理条件情報とを関連付けて被転写候補基板データベース58に格納した後、図18に示すように、CPU51は、基板データベース55に格納された基板固有情報及び補助記憶部53に記憶されているインプリント条件データを取得し、基板と転写領域とを相対的に回転させた状態でのインプリント処理が可能であるか否かを判断する(S181)。
回転不可と判断した場合には(S181,No)、次の重なり判定処理(図19参照)に移行する。一方、回転可と判断した場合には(S181,Yes)、CPU51は、補助記憶部53に記憶された平坦度情報に基づいて、基板の中心を軸としてその軸周りに90度回転させたときの裏面側の平坦度不良領域の点A及び点Bの座標データを算出し、補助記憶部53に記憶するとともに、回転後の座標データの算出処理の回数に関する情報をあわせて記憶する(S182)。
次に、CPU51は、補助記憶部53に記憶された重なり判定用転写領域情報及び基板回転後の裏面側の平坦度不良領域の座標データに基づいて、裏面側の平坦度不良領域の点AのX座標値及び重なり判定用転写領域の点αのX座標値、裏面側の平坦度不良領域の点AのY座標値及び重なり判定用転写領域の点αのY座標値、裏面側の平坦度不良領域の点BのX座標値及び重なり判定用転写領域の点βのX座標値、並びに裏面側の平坦度不良領域の点BのY座標値及び重なり判定用転写領域の点βのY座標値をそれぞれ対比し、点A及び点αの各座標値のうちの大きい値をそれぞれXleft及びYlowと定義し、点B及び点βの各座標値のうちの小さい値をそれぞれXright及びYupと定義する(S183)。
CPU51は、Xleft及びXrightを対比し、XleftがXrightよりも小さいか否かを判断する(S184)。XleftがXrightよりも大きいと判断した場合(S184,No)、裏面側の平坦度不良領域と転写領域とが重なっていないと判定し、平坦度不良領域と転写領域との重なり面積に関する情報(面積=0)、並びにインプリント処理条件情報としての裏面使用に関する情報及び基板の回転角度に関する情報を補助記憶部53に記憶する(S185)。
一方、XleftがXrightよりも小さいと判断した場合(S184,Yes)、CPU51は、Ylow及びYupを対比し、YlowがYupよりも小さいか否かを判断する(S186)。YlowがYupよりも大きいと判断した場合(S186,No)、裏面側の平坦度不良領域と転写領域とが重なっていないと判定し、平坦度不良領域と転写領域との重なり面積に関する情報(面積=0)、並びにインプリント処理条件情報としての裏面使用に関する情報及び基板の回転角度に関する情報を補助記憶部53に記憶する(S185)。
一方、YlowがYupよりも小さいと判断した場合(S186,Yes)、CPU51は、裏面側の平坦度不良領域と転写領域とが重なっていると判定し、裏面側の平坦度不良領域と、転写領域のうちの凹凸パターン形成領域及び裕度領域とのそれぞれが重なっている面積を算出するとともに、裏面側の平坦度不良領域と裕度領域との重なっている面積の合計、裏面側の平坦度不良領域と凹凸パターン形成領域との重なっている面積の合計及び算出した全面積の合計を算出し、各面積値、並びに裏面使用に関する情報及び回転角度に関する情報を補助記憶部53に記憶する(S187)。
具体的には、平坦度不良領域と凹凸パターン形成領域とが重なっている面積は、以下のようにして算出することができる。
まず、補助記憶部53に記憶されている面積算出用凹凸パターン形成領域情報に基づいて、平坦度不良領域の点AのX座標値及び面積算出用凹凸パターン形成領域の点α’のX座標値、平坦度不良領域の点AのY座標値及び面積算出用凹凸パターン形成領域の点α’のY座標値、平坦度不良領域の点BのX座標値及び面積算出用凹凸パターン形成領域の点β’のX座標値、並びに平坦度不良領域の点BのY座標値及び面積算出用凹凸パターン形成領域の点β’のY座標値をそれぞれ対比し、点A及び点α’の各座標値のうちの大きい値をそれぞれXleft及びYlowと定義し、点B及び点βの各座標値のうちの小さい値をそれぞれXright及びYupと定義する。そして、当該定義されたXleft、Xright、Ylow及びYupの値から、次式により平坦度不良領域と凹凸パターン形成領域とが重なっている面積を算出する。
面積=(Xright−Xleft)×(Yup−Ylow)
一方、平坦度不良領域と裕度領域とが重なっている面積は、上記S183において定義されたXleft、Xright、Ylow及びYupの値を用いて平坦度不良領域と転写領域とが重なっている面積を次式より算出し、算出された当該面積値から、平坦度不良領域と凹凸パターン形成領域とが重なっている面積値を減算することにより算出することができる。
面積=(Xright−Xleft)×(Yup−Ylow)
次に、CPU51は、転写領域との重なりの有無を判定していない他の平坦度不良領域情報が補助記憶部53に記憶されているか否かを判断し(S188)、他の平坦度不良領域情報が記憶されていると判断した場合には(S188,Yes)、上記S183〜S187の処理を再度行い、他の平坦度不良領域情報が記憶されていないと判断した場合には(S188,No)、基板の中心とインプリント用モールドの中心とが一致しているか否かを判断する(S189)。
基板の中心とインプリント用モールドの中心とが一致していないと判断した場合には(S189,No)、回転後の座標データの算出処理の回数に関する情報に基づいて、上記S182における座標データの算出処理を3回行ったか否かを判断する(S191)。一方、基板の中心とインプリント用モールドの中心とが一致していると判断した場合には(S189,Yes)、凹凸パターン形成領域の中心とインプリント用モールドの中心とが一致しているか否かを判断する(S190)。
凹凸パターン形成領域の中心とインプリント用モールドの中心とが一致していないと判断した場合(S190,No)、回転後の座標データの算出処理の回数に関する情報に基づいて、上記S182における座標データの算出処理を3回行ったか否かを判断する(S191)。
座標データ算出処理を3回行っていないと判断した場合(S191,No)、上記S182〜S188の処理を再度行う。一方、凹凸パターン形成領域の中心とインプリント用モールドの中心とが一致していると判断した場合(S190,Yes)、又は座標データ算出処理を3回行ったと判断した場合(S191,Yes)、補助記憶部53に記憶されているすべての面積値(平坦度不良領域と凹凸パターン形成領域との重なり面積、平坦度不良領域と裕度領域との重なり面積、S188において記憶された面積(=0))の合計値を算出し、当該合計面積値が0であるか否かを判断する(S192)。
当該合計面積値が0であると判断した場合(S192,Yes)、CPU51は、基板の識別情報と、収納場所情報と、初期転写位置情報と、インプリント処理条件情報とを関連付けて被転写基板データベース57に格納する(S193)。
一方、当該合計面積値が0でないと判断した場合(S192,No)、CPU51は、基板の識別情報と、収納場所情報と、初期転写位置情報と、補助記憶部53に記憶されている各面積値と、インプリント処理条件情報とを関連付けて被転写候補基板データベース58に格納する(S194)。
<インプリント用基板選択処理−裏面・移動>
上記S194にて各種情報を関連付けて被転写候補基板データベース58に格納した後、図19に示すように、CPU51は、補助記憶部53に記憶されているインプリント条件データを取得し、基板に対する転写位置をずらした状態でのインプリント処理が可能であるか否かを判断する(S195)。
移動不可と判断した場合には(S195,No)、続いての処理に移行する(図21参照)。一方、移動可と判断した場合には(S195,Yes)、CPU51は、基板の識別情報に基づいて基板データベース55から当該基板の裏面側の転写許可領域に関する情報を取得するとともに、インプリントシステムデータベース59から移動許容領域に関するデータを取得し(S196)、当該転写許可領域と移動許容領域との重なる領域を移動可能領域として設定する(S197)。
CPU51は、移動可能領域の最外周上のすべての位置にインプリント用モールドの転写領域の中心をあわせたときに、インプリント用モールドの転写領域が転写許可領域内に位置するか否かを判断する(S198)。具体的には、インプリント用モールドの転写領域の中心を移動可能領域の最外周に沿って一周移動させたときの当該転写領域の軌跡の最外周により構成される領域が、転写許可領域よりも大きければ、転写領域の少なくとも一部が転写許可領域外に位置すると判断することができ、当該転写領域の軌跡の最外周により構成される領域が、転写許可領域よりも小さければ、転写領域が転写許可領域内に位置すると判断することができる。
インプリント用モールドの転写領域の少なくとも一部が転写許可領域外に位置すると判断した場合(S198,No)、上記S197にて設定された移動可能領域を、インプリント用モールドの転写領域の対角長さの半分の長さ分狭めた領域を移動領域として設定し(S199)、インプリント用モールドの転写領域が転写許可領域内に位置すると判断した場合(S198,Yes)、上記S197にて設定された移動可能領域を移動領域として設定する(S200)。
続いて、CPU51は、補助記憶部53に記憶されている初期転写位置情報に基づいて、当該初期転写位置に基板とインプリント用モールドとを対向配置させたときにおける、当該インプリント用モールドの転写領域の中心を通るX軸及びY軸のそれぞれに平行な補助線を移動領域内に引き、補助記憶部53に記憶されている移動距離に関する情報(Xpitch,Ypitch)に基づいて、各補助線に平行、かつ当該移動距離ごとに離間した補助線を引き、それらの補助線の各交点及び各補助線と移動領域の最外周との交点の座標を算出して、補助記憶部53に記憶する(S201)。
次に、インプリント用モールドの転写領域の中心を任意の一の交点に移動させたときにおける重なり判定用転写領域の座標データ(点α及び点βの座標値)を算出し、補助記憶部53に記憶する(S202)。
続いて、CPU51は、補助記憶部53に記憶された平坦度情報及び移動後の重なり判定用転写領域の座標データに基づいて、平坦度不良領域の点AのX座標値及び重なり判定用転写領域の点αのX座標値、平坦度不良領域の点AのY座標値及び重なり判定用転写領域の点αのY座標値、平坦度不良領域の点BのX座標値及び重なり判定用転写領域の点βのX座標値、並びに平坦度不良領域の点BのY座標値及び重なり判定用転写領域の点βのY座標値をそれぞれ対比し、点A及び点αの各座標値のうちの大きい値をそれぞれXleft及びYlowと定義し、点B及び点βの各座標値のうちの小さい値をそれぞれXright及びYupと定義する(S203)。
CPU51は、Xleft及びXrightを対比し、XleftがXrightよりも小さいか否かを判断する(S204)。XleftがXrightよりも大きいと判断した場合(S204,No)、平坦度不良領域と転写領域とが重なっていないと判定し、平坦度不良領域と転写領域との重なり面積に関する情報(面積=0)、並びにインプリント処理条件情報としての裏面使用に関する情報及び基板に対する転写位置に関する情報(初期転写位置からのX軸方向及びY軸方向への移動距離に関する情報)を補助記憶部53に記憶する(S205)。
一方、XleftがXrightよりも小さいと判断した場合(S204,Yes)、CPU51は、Ylow及びYupを対比し、YlowがYupよりも小さいか否かを判断する(S206)。YlowがYupよりも大きいと判断した場合(S206,No)、平坦度不良領域と転写領域とが重なっていないと判定し、平坦度不良領域と転写領域との重なり面積に関する情報(面積=0)、並びにインプリント処理条件情報としての裏面使用に関する情報及び基板に対する転写位置に関する情報を補助記憶部53に記憶する(S205)。
一方、YlowがYupよりも小さいと判断した場合(S206,Yes)、CPU51は、平坦度不良領域と転写領域とが重なっていると判定し、平坦度不良領域と、転写領域のうちの凹凸パターン形成領域及び裕度領域とのそれぞれが重なっている面積を算出するとともに、平坦度不良領域と裕度領域との重なっている面積の合計、平坦度不良領域と凹凸パターン形成領域との面積の合計及びすべての面積の合計を算出し、算出した面積及び転写位置に関する情報を補助記憶部53に記憶する(S207)。
具体的には、平坦度不良領域と凹凸パターン形成領域とが重なっている面積は、以下のようにして算出することができる。
まず、補助記憶部53に記憶されている面積算出用凹凸パターン形成領域情報に基づいて、平坦度不良領域の点AのX座標値及び移動後の面積算出用凹凸パターン形成領域の点α’のX座標値、平坦度不良領域の点AのY座標値及び移動後の面積算出用凹凸パターン形成領域の点α’のY座標値、平坦度不良領域の点BのX座標値及び移動後の面積算出用凹凸パターン形成領域の点β’のX座標値、並びに平坦度不良領域の点BのY座標値及び移動後の面積算出用凹凸パターン形成領域の点β’のY座標値をそれぞれ対比し、点A及び点α’の各座標値のうちの大きい値をそれぞれXleft及びYlowと定義し、点B及び点βの各座標値のうちの小さい値をそれぞれXright及びYupと定義する。そして、当該定義されたXleft、Xright、Ylow及びYupの値から、次式により平坦度不良領域と凹凸パターン形成領域とが重なっている面積を算出する。
面積=(Xright−Xleft)×(Yup−Ylow)
一方、平坦度不良領域と裕度領域とが重なっている面積は、上記S203において定義されたXleft、Xright、Ylow及びYupの値を用いて平坦度不良領域と転写領域とが重なっている面積を次式より算出し、算出された当該面積値から、平坦度不良領域と凹凸パターン形成領域とが重なっている面積値を減算することにより算出することができる。
面積=(Xright−Xleft)×(Yup−Ylow)
次に、CPU51は、転写領域との重なりの有無を判定していない他の平坦度不良領域情報が補助記憶部53に記憶されているか否かを判断し(S208)、他の平坦度不良領域情報が記憶されていると判断した場合には(S208,Yes)、上記S203〜S207の処理を再度行い、他の平坦度不良領域情報が記憶されていないと判断した場合には(S208,No)、補助記憶部53に記憶されているすべての面積値(平坦度不良領域と凹凸パターン形成領域との重なり面積、平坦度不良領域と裕度領域との重なり面積、S205において記憶された面積(=0))の合計値を算出し、当該合計面積値が0であるか否かを判断する(S209)。
当該合計面積値が0であると判断した場合(S209,Yes)、CPU51は、基板の識別情報と、収納場所情報と、初期転写位置情報と、インプリント処理条件情報とを関連付けて被転写基板データベース57に格納する(S210)。
一方、当該合計面積値が0でないと判断した場合(S209,No)、CPU51は、補助記憶部53に他の合計面積値が記憶されているか否かを判断し(S211)、他の合計面積値が記憶されていないと判断した場合(S211,No)、上記S209にて算出した合計面積値、並びにインプリント処理条件情報としての裏面使用に関する情報及び基板に対する転写位置に関する情報を補助記憶部53に記憶する(S212)。
他の合計面積値が記憶されていると判断した場合(S211,Yes)、補助記憶部53に記憶されている他の合計面積値が、上記S209にて算出した合計面積値よりも大きいか否かを判断する(S213)。
他の合計面積値が大きいと判断した場合(S213,Yes)、上記S209にて算出した合計面積値、並びにインプリント処理条件情報としての裏面使用に関する情報及び基板に対する転写位置に関する情報に、補助記憶部53に記憶された情報を更新し(S214)、他の合計面積値が、上記S209にて算出した合計面積値以下であると判断した場合(S213,No)、補助記憶部53に記憶された情報を更新することなく、後述するS215以降の処理に移行する。
その後、CPU51は、すべての交点における重なり判定処理を行ったか否かを判断し(S215)、すべての交点における重なり判定処理を行っていないと判断した場合(S215,No)、上記S202〜S214の処理を再度行う。
一方、すべての交点における重なり判定処理を行ったと判断した場合(S215,Yes)、基板の識別情報と、収納場所情報と、初期転写位置情報と、補助記憶部53に記憶されている各面積値と、インプリント処理条件情報とを関連付けて被転写候補基板データベース58に格納する(S216)。
<インプリント用基板選択処理−裏面・回転・移動>
上記S216にて各種情報を関連付けて被転写候補基板データベース58に格納した後、図20に示すように、CPU51は、補助記憶部53に記憶されているインプリント条件データを取得し、当該インプリント条件データに基づいて基板と転写領域とを相対的に回転させた状態でのインプリント処理が可能であるか否かを判断する(S217)。
回転不可と判断した場合(S217,No)、続いての処理(図21参照)に移行する。一方、回転可能と判断した場合(S217,Yes)、CPU51は、補助記憶部53に記憶されている平坦度情報に基づいて、基板の中心を軸としてその軸周りに90度回転させたときの平坦度不良領域の点A及び点Bの座標データを算出し、当該基板の回転後の座標データの算出処理の回数に関する情報とともに補助記憶部53に記憶する(S218)。
次に、CPU51は、補助記憶部53に記憶されている初期転写位置情報に基づいて、当該初期転写位置に基板とインプリント用モールドとを対向配置させたときにおける、当該インプリント用モールドの転写領域の中心を通るX軸及びY軸のそれぞれに平行な補助線を引き、補助記憶部53に記憶されている移動距離に関する情報(Xpitch,Ypitch)に基づいて、各補助線に平行、かつ当該移動距離ごとに離間した補助線を、基板上の移動領域(上記S199又はS200にて設定された移動領域(図19参照)を、基板の中心を軸としてその軸周りに90度回転させた領域)内に引き、それらの補助線の各交点及び各補助線と移動領域の最外周との交点の座標を算出して、補助記憶部53に記憶する(S219)。
そして、インプリント用モールドの転写領域の中心を任意の一の交点に移動させたときにおける重なり判定用転写領域の座標データ(点α及び点βの座標値)を算出し、補助記憶部53に記憶する(S220)。
続いて、CPU51は、補助記憶部53に記憶された回転後の平坦度不良領域の座標データ及び移動後の重なり判定用転写領域の座標データに基づいて、平坦度不良領域の点AのX座標値及び重なり判定用転写領域の点αのX座標値、平坦度不良領域の点AのY座標値及び重なり判定用転写領域の点αのY座標値、平坦度不良領域の点BのX座標値及び重なり判定用転写領域の点βのX座標値、並びに平坦度不良領域の点BのY座標値及び重なり判定用転写領域の点βのY座標値をそれぞれ対比し、点A及び点αの各座標値のうちの大きい値をそれぞれXleft及びYlowと定義し、点B及び点βの各座標値のうちの小さい値をそれぞれXright及びYupと定義する(S221)。
CPU51は、Xleft及びXrightを対比し、XleftがXrightよりも小さいか否かを判断する(S222)。XleftがXrightよりも大きいと判断した場合(S222,No)、平坦度不良領域と転写領域とが重なっていないと判定し、平坦度不良領域と転写領域との重なり面積に関する情報(面積=0)、並びにインプリント処理条件情報としての裏面使用に関する情報、基板の回転角度に関する情報及び基板に対する転写位置に関する情報(初期転写位置からのX軸方向及びY軸方向への移動距離に関する情報)を補助記憶部53に記憶する(S223)。
一方、XleftがXrightよりも小さいと判断した場合(S222,Yes)、CPU51は、Ylow及びYupを対比し、YlowがYupよりも小さいか否かを判断する(S224)。YlowがYupよりも大きいと判断した場合(S224,No)、平坦度不良領域と転写領域とが重なっていないと判定し、平坦度不良領域と転写領域との重なり面積に関する情報(面積=0)、並びにインプリント処理条件情報としての裏面使用に関する情報、基板の回転角度に関する情報及び基板に対する転写位置に関する情報を補助記憶部53に記憶する(S223)。
一方、YlowがYupよりも小さいと判断した場合(S224,Yes)、CPU51は、平坦度不良領域と転写領域とが重なっていると判定し、平坦度不良領域と、転写領域のうちの凹凸パターン形成領域及び裕度領域とのそれぞれが重なっている面積を算出するとともに、平坦度不良領域と裕度領域との重なっている面積の合計、平坦度不良領域と凹凸パターン形成領域との面積の合計及びすべての面積の合計を算出し、算出した面積、並びにインプリント処理条件情報としての裏面使用に関する情報、基板の回転角度に関する情報及び基板に対する転写位置に関する情報を補助記憶部53に記憶する(S225)。
具体的には、平坦度不良領域と凹凸パターン形成領域とが重なっている面積は、以下のようにして算出することができる。
まず、補助記憶部53に記憶されている面積算出用凹凸パターン形成領域情報に基づいて、回転後の平坦度不良領域の点AのX座標値及び移動後の面積算出用凹凸パターン形成領域の点α’のX座標値、回転後の平坦度不良領域の点AのY座標値及び移動後の面積算出用凹凸パターン形成領域の点α’のY座標値、回転後の平坦度不良領域の点BのX座標値及び移動後の面積算出用凹凸パターン形成領域の点β’のX座標値、並びに回転後の平坦度不良領域の点BのY座標値及び移動後の面積算出用凹凸パターン形成領域の点β’のY座標値をそれぞれ対比し、点A及び点α’の各座標値のうちの大きい値をそれぞれXleft及びYlowと定義し、点B及び点βの各座標値のうちの小さい値をそれぞれXright及びYupと定義する。そして、当該定義されたXleft、Xright、Ylow及びYupの値から、次式により平坦度不良領域と凹凸パターン形成領域とが重なっている面積を算出する。
面積=(Xright−Xleft)×(Yup−Ylow)
一方、平坦度不良領域と裕度領域とが重なっている面積は、上記S221において定義されたXleft、Xright、Ylow及びYupの値を用いて平坦度不良領域と転写領域とが重なっている面積を次式より算出し、算出された当該面積値から、平坦度不良領域と凹凸パターン形成領域とが重なっている面積値を減算することにより算出することができる。
面積=(Xright−Xleft)×(Yup−Ylow)
次に、CPU51は、転写領域との重なりの有無を判定していない他の平坦度不良領域情報が補助記憶部53に記憶されているか否かを判断し(S226)、他の平坦度不良領域情報が記憶されていると判断した場合には(S226,Yes)、上記S221〜S225の処理を再度行い、他の平坦度不良領域情報が記憶されていないと判断した場合には(S226,No)、補助記憶部53に記憶されているすべての面積値(平坦度不良領域と凹凸パターン形成領域との重なり面積、平坦度不良領域と裕度領域との重なり面積、上記S223において記憶された面積(=0))の合計値を算出し、当該合計面積値が0であるか否かを判断する(S227)。
当該合計面積値が0であると判断した場合(S227,Yes)、CPU51は、基板の識別情報と、収納場所情報と、初期転写位置情報と、インプリント処理条件情報とを関連付けて被転写基板データベース57に格納する(S228)。
一方、当該合計面積値が0でないと判断した場合(S227,No)、CPU51は、補助記憶部53に他の合計面積値が記憶されているか否かを判断し(S229)、他の合計面積値が記憶されていないと判断した場合(S229,No)、上記S227にて算出した合計面積値、並びにインプリント処理条件情報としての基板の回転角度に関する情報及び基板に対する転写位置に関する情報を補助記憶部53に記憶する(S230)。
他の合計面積値が記憶されていると判断した場合(S229,Yes)、補助記憶部53に記憶されている他の合計面積値が、上記S227にて算出した合計面積値よりも大きいか否かを判断する(S231)。
他の合計面積値が大きいと判断した場合(S231,Yes)、上記S227にて算出した合計面積値、並びにインプリント処理条件情報としての裏面使用に関する情報、基板の回転角度に関する情報及び基板に対する転写位置に関する情報に、補助記憶部53に記憶された情報を更新し(S232)、他の合計面積値が、上記S227にて算出した合計面積値以下であると判断した場合(S231,No)、補助記憶部53に記憶された情報を更新することなく、後述するS233以降の処理に移行する。
その後、CPU51は、すべての交点における重なり判定処理を行ったか否かを判断し(S233)、すべての交点における重なり判定処理を行っていないと判断した場合(S233,No)、上記S220〜S232の処理を再度行う。
一方、すべての交点における重なり判定処理を行ったと判断した場合(S233,Yes)、基板の中心とインプリント用モールドの中心とが一致しているか否かを判断する(S234)。
基板の中心とインプリント用モールドの中心とが一致していないと判断した場合には(S234,No)、回転後の座標データの算出処理回数に関する情報に基づいて、上記S218における座標データの算出処理を3回行ったか否かを判断する(S236)。一方、基板の中心とインプリント用モールドの中心とが一致していると判断した場合には(S234,Yes)、凹凸パターン形成領域の中心とインプリント用モールドの中心とが一致しているか否かを判断する(S235)。
凹凸パターン形成領域の中心とインプリント用モールドの中心とが一致していないと判断した場合(S235,No)、回転後の座標データの算出処理の回数に関する情報に基づいて、上記S218における座標データの算出処理を3回行ったか否かを判断する(S236)。
座標データ算出処理を3回行っていないと判断した場合(S236,No)、上記S218〜S235の処理を再度行う。一方、凹凸パターン形成領域の中心とインプリント用モールドの中心とが一致していると判断した場合(S235,Yes)、又は座標データ算出処理を3回行ったと判断した場合(S236,Yes)、CPU51は、基板の識別情報と、収納場所情報と、補助記憶部53に記憶されている各面積値と、初期転写位置情報と、インプリント処理条件情報とを関連付けて被転写候補基板データベース58に格納する(S237)。
<インプリント用基板選択処理−基板選択・優先順位付与>
上述した重なり判定処理(図13〜20)において各種情報が被転写基板データベース57に格納された場合(S111,S125,S142,S160,S179,S193,S210,S228)、図21に示すように、CPU51は、被転写基板データベース57に格納された基板に関する情報を基板データベース55から削除し(S238)、補助記憶部53に記憶されている基板枚数情報に基づいて、基板枚数から1を減算する処理を行い、当該基板枚数情報を更新する(S239)。そして、補助記憶部53に記憶されているインプリント予定枚数情報(N枚)に基づいて、当該インプリント予定枚数から1を減算する処理を行い、インプリント予定枚数情報(N−1枚)を更新する(S240)。
続いて、補助記憶部53に記憶されているインプリント予定枚数情報に基づいて、インプリント予定枚数が0枚になったか否かを判断し(S241)、インプリント予定枚数が0枚になった場合(S241,Yes)、インプリント用基板選択処理を終了する。
上述した重なり判定処理(図13〜20)において各種情報が被転写候補基板データベース58に格納された場合(S112,S126,S148,S169,S180,S194,S216,S237)、補助記憶部53に記憶されている基板枚数情報に基づいて、基板枚数から1を減算する処理を行い、当該基板枚数情報を更新する(S242)。
上記S241においてインプリント予定枚数が0枚になっていないと判断した場合(S241,No)、又は上記S242において基板枚数情報を更新した後、補助記憶部53に記憶されている基板枚数情報に基づいて、基板枚数が0枚になったか否かを判断する(S243)。
基板枚数が0枚になっていない(すなわち、基板データベース55に上記重なり判定処理(図13〜20)を行っていない基板が存在する)と判断した場合(S243,No)、基板データベース55に格納されている一の基板の平坦度情報を取得し、インプリント用基板選択処理における基板の平坦度不良領域とインプリント用モールドの転写領域との重なりを判定する処理を再度行う(図13〜20参照)。
一方、基板枚数が0枚になった(すなわち、基板データベース55に上記重なり判定処理(図13〜20)を行っていない基板が存在しない)と判断した場合(S243,Yes)、被転写候補基板データベース58に基板に関する情報が格納されているか否かを判断する(S244)。
被転写候補基板データベース58に基板に関する情報が格納されていないと判断した場合(S244,No)、インプリント用基板選択処理を終了する。一方、被転写候補基板データベース58に基板に関する情報が格納されていると判断した場合(S244,Yes)、被転写候補基板データベース58に格納された各面積値のうちの平坦度不良領域と裕度領域とが重なる面積の合計値を基準として、被転写候補基板データベース58に格納されている基板に関する情報をソートする(S245)。次に、当該合計値の小さい順に整列した基板に対し、その順に優先順位情報を付与し、当該優先順位情報を基板の識別情報と関連付けて格納する(S246)。
続いて、CPU51は、被転写候補基板データベース58に格納されている基板に関するデータの中から、優先順位が最小の基板の平坦度不良領域と裕度領域との重なり面積の合計値に関する情報を取得する(S247)。そして、CPU51は、取得した面積合計値に関する情報に基づいて、面積合計値がインプリント処理可能な許容範囲に含まれるか否かを判断する(S248)。
面積合計値が許容範囲に含まれないと判断した場合(S248,No)、被転写候補基板データベース58に格納されているすべての基板に関するデータを削除し(S249)、インプリント用基板選択処理を終了する。
一方、面積合計値が許容範囲に含まれると判断した場合(S248,Yes)、CPU51は、被転写候補基板データベース58に格納されている当該基板に関する情報(基板の識別情報、収容場所情報及びインプリント処理条件情報)を被転写基板データベース57に移動するとともに(S250)、被転写候補基板データベース58から当該基板に関する情報を削除し(S251)、基板データベースから当該基板に関する情報を削除する(S252)。
続いて、CPU51は、補助記憶部53に記憶されているインプリント予定枚数情報に基づいて、当該インプリント予定枚数から1を減算する処理を行い、インプリント予定枚数情報を更新する(S253)。そして、CPU51は、補助記憶部53に記憶されているインプリント予定枚数情報に基づいて、インプリント予定枚数が0枚になったか否かを判断し(S254)、インプリント予定枚数が0枚になった場合(S254,Yes)、インプリント用基板選択処理を終了する。
一方、インプリント予定枚数が0枚になっていない場合(S254,No)、被転写候補基板データベース58に基板に関する情報が格納されているか否かを判断し(S255)、かかる基板に関する情報が格納されている場合には(S255,Yes)、上記S247〜S254の処理を再度行い、かかる基板に関する情報が格納されていない場合には(S255,No)、インプリント用基板選択処理を終了する。
<インプリント処理>
続いて、インプリント用基板選択処理により選択された基板の搬送処理及び当該基板に対するインプリント処理を行う。
図22に示すように、制御装置5(CPU51)は、被転写基板データベース57に格納された基板に関する情報の中から当該被転写基板データベース57に最初に格納された情報を取得し(SC101)、当該基板に関する情報を、通信部54を介して基板搬送装置4に送信する(SC102)。基板搬送装置4は、制御装置5から送信された当該基板に関する情報を受信し(ST101)、当該基板の収納場所情報に基づいて、選択された基板を基板収納部2から取り出し(ST102)、当該基板をインプリント装置3に搬送し、インプリント装置3の基板ステージに載置する(ST103)。基板搬送装置4は、基板の搬送・載置処理が完了したら、搬送・載置処理が完了した旨の信号を制御装置5に送信する(ST104)。
制御装置5は、基板搬送装置4から送信された当該信号を受信し(SC103)、上記SC102において基板搬送装置4に送信した基板に関する情報をインプリント装置3に送信する(SC104)。
基板搬送装置4により基板が搬送・載置されたインプリント装置3は、制御装置5から送信された当該基板に関する情報を受信し(SI101)、当該基板のインプリント処理条件情報に基づいて、インプリント処理を行う(SI102)。例えば、インプリント処理条件情報に、基板を180度回転させた状態で表面に転写するという内容の情報が含まれている場合、インプリント装置3は、基板搬送装置4により基板が載置された基板ステージを180度回転させた後、又はインプリント用モールドを保持する保持部を180度回転させた後、基板上に樹脂(例えば、エネルギー線硬化性樹脂、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂等のインプリント処理に用いられ得る樹脂)を塗布し、インプリント用モールドを押し付けることにより当該樹脂を押し広げ、インプリント用モールドの凹凸パターンを当該樹脂に転写する。そして、当該樹脂を硬化させた後に、インプリント用モールドを剥がし、インプリント処理を終了させる。インプリント処理が終了した後、インプリント装置3は、制御装置5にインプリント処理が終了した旨の信号を送信し(SI103)、制御装置5は、当該信号を受信する(SC105)。当該信号を受信した制御装置5は、被転写基板データベース57に格納されている次の基板に関する情報を取得し、基板搬送装置4に送信する。このようにして、被転写基板データベース57にデータが格納されている全基板に対するインプリント処理を繰り返し行う。
上述したような本実施形態に係るインプリントシステム1においては、インプリント用基板選択処理により選択された基板の表面又は裏面の平坦度が良好な部分にインプリント用モールドの凹凸パターンが転写されるため、当該基板上に塗布された樹脂を、インプリント用モールドの押し付けにより押し広げる際に、当該樹脂の広がりが停滞するのを防止することができ、インプリント用モールドにかかる圧力を略均一にすることができるため、樹脂の広がりにムラが生じるのを防止することができる。そのため、基板への高精度な転写が可能となり、転写された凹凸パターンの高さの基板内でのばらつきや、形状不良等の転写欠陥が生じるのを防止することができ、その結果として、インプリント処理のスループットを向上させることができる。
また、転写後の樹脂の残膜(基板表面と樹脂の凹凸パターンの凹部底面との間に存在する樹脂膜)の厚み(残膜厚)を考慮すると、本実施形態に係るインプリントシステム1における基板の選択処理は効果的である。例えば、インプリント処理における残膜厚のねらいを10nm程度に設定した場合において、インプリント処理に付される基板における転写位置の平坦度が10nm以上であれば、凹凸パターンが転写された領域に残膜厚のムラが生じる可能性を否定することができない。しかしながら、本実施形態に係るインプリントシステム1によれば、平坦度の良好な基板又は平坦度不良領域を有する基板であっても当該基板における平坦度の良好な部分にインプリント用モールドの凹凸パターンが転写されるため、このような残膜厚のバラつきが生じる可能性を低減することができる。
以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。したがって、上記実施形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。
上記実施形態においては、基板の平坦度情報として平坦度不良領域の座標データが基板データベース55に格納されているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、平坦度の良好な領域(所定の平坦度測定装置を用いて基板の被転写面(又は裏面)の平坦度を測定・解析したときにおける所定の平坦度(例えば、10nm未満)の領域)の座標データが基板データベース55に格納されていてもよいし、平坦度の最悪な領域(所定の平坦度測定装置を用いて基板の被転写面(又は裏面)の平坦度を測定・解析したときにおける所定の平坦度(例えば、10nm以上)の領域)の座標データと平坦度の好ましくない領域(所定の平坦度測定装置を用いて基板の被転写面(又は裏面)の平坦度を測定・解析したときにおける所定の平坦度(例えば、5nm以上10nm未満)の領域)の座標データとが基板データベース55に格納されていてもよい。前者の場合、転写領域が平坦度の良好な領域内に含まれているか否かを判断し、含まれていると判断された基板をインプリント処理に適した基板として選択すればよい。また、後者の場合、平坦度の最悪な領域と転写領域とが重なっているか否かを判断するとともに、平坦度の好ましくない領域と転写領域とが重なっているか否かを判断し、いずれも重なっていないと判断された基板をインプリント処理に適した基板として選択するようにしてもよいし、平坦度の最悪な領域と転写領域とが重なっていないと判断された基板(平坦度の好ましくない領域と転写領域とは重なっていると判断された基板)もインプリント処理に適した基板として選択するようにしてもよい。
上記実施形態においては、平坦度不良領域を矩形の枠で囲んだ領域として規定しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、平坦度不良領域を円形又は楕円形の枠で囲んだ領域として規定してもよいし、多角形の枠で囲んだ領域として規定してもよい。前者の場合、円形又は楕円形により表される平坦度不良領域を数式にて定義し、転写領域を表す点α及び点βの座標データを当該数式に代入して点α及び点βのいずれかが平坦度不良領域内に位置するか否かを判定することにより、平坦度不良領域と転写領域とが重なっているか否かを判断すればよい。また、後者の場合、多角形により表される平坦度不良領域を分割して複数の矩形により規定した上で、各矩形により表される平坦度不良領域と転写領域とが重なっているか否かを判断すればよい。
上記実施形態においては、インプリント用基板選択処理が終了した後にインプリント処理が行われるが、本発明はこれに限定されるものではなく、インプリント用基板選択処理と平行してインプリント処理が行われてもよい。この場合において、被転写基板データベース57に基板に関する情報が最初に格納されたときに、それを引き金としてインプリント処理を開始するようにすればよい。
上記実施形態においては、インプリント処理条件情報をインプリント装置3に送信し、当該インプリント処理条件情報に基づいてインプリント装置3の基板ステージに載置された基板を回転させているが、本発明はこれに限定されるものではなく、基板を予め回転させた上で、インプリント装置3の基板ステージに基板を載置してもよい。この場合において、制御装置5は、基板搬送装置4にインプリント処理条件情報を送信し、その情報に基づいて、基板搬送装置4は基板収納部2から取り出した基板を予め回転させてインプリント装置3の基板ステージに載置すればよく、インプリント装置3は、基板ステージやインプリント用モールドを保持する保持部を回転させることなくインプリント処理を行えばよい。
上記実施形態においては、転写領域には凹凸パターン形成領域と裕度領域とが含まれるが、本発明はこれに限定されるものではなく、転写領域に裕度領域を含めることなく、凹凸パターン形成領域を転写領域として、当該凹凸パターン形成領域と平坦度不良領域とが重なっているか否かを判断してもよい。この場合においては、凹凸パターン形成領域と平坦度不良領域とが重なっていない基板のみをインプリント処理に適した基板として選択し、それらの領域が重なる基板に対して優先順位情報を付与し、優先順位情報が付与された基板を対象としてインプリント処理に適した基板であるか否かを判定しなくてもよいし、それらの領域の重なる面積に応じて優先順位情報を付与し、インプリント処理に適した基板であるか否かを判定してもよい。
上記実施形態においては、転写領域の含まれる裕度領域と平坦度不良領域とが重なる面積の合計値を基準として優先順位情報を付与しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、凹凸パターン形成領域と平坦度不良領域とが重なる面積の合計値を基準として優先順位情報を付与してもよいし、凹凸パターン形成領域と平坦度不良領域とが重なる面積の合計値を第1の基準とし、裕度領域と平坦度不良領域とが重なる面積の合計値を第2の基準として優先順位情報を付与してもよい。このようにして優先順位情報を付与した上で、凹凸パターン形成領域と平坦度不良領域とが重なる面積の合計値が0である基板のみをインプリント用基板として選択するようにしてもよい。