JP2012252970A - 電子放出素子の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】駆動電圧が低く、かつ電子放出特性を均一化できる電子放出素子を得ること。
【解決手段】真空中でスペーサーを介して配置されたカソード基板とアノード基板、前記カソード基板に形成された電子放出源とを備える電子放出素子において、UVオゾン法による電子放出源の表面処理工程を備える電子放出素子の製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、電子放出素子の製造方法に関するものである。
真空中に置かれた金属や半導体に、ある閾値以上の強さの電界を与えると、金属や半導体内の電子が量子トンネル効果によって表面近傍のエネルギー障壁を通過し、常温でも真空中に電子が放出するようになる。この原理に基づく電子放出は、冷陰極電界電子放出、あるいは単に電界放出(フィールド・エミッション)と呼ばれる。この原理を利用して放出された電子を蛍光体に衝突させて生じる発光を利用したフィールド・エミッション・ディスプレイ(以下、FEDと称す)やフィールド・エミッション・ランプ(以下、FELと称す)が注目されている。代表的な使用分野には、薄型ディスプレイ、液晶ディスプレイ用バックライト、照明光源やX線源等が挙げられる。FED等に利用される電子放出素子の一般的な構成は、電子放出源が形成されたカソード電極と、蛍光体が形成されたアノード電極とを真空中で対向させたダイオード型電子放出素子や、さらにカソード電極とアノード電極間に引き出し電極(ゲート電極)が形成されたトライオード型電子放出素子などがある。いずれの場合もカソード電極とアノード電極間、もしくはカソード電極とゲート電極間に生じる電位差によって、電子放出源からの電子放出を制御するものである。
一方、カーボンナノチューブ、カーボンナノファイバー、カーボンナノホーン、カーボンナノコイル、カーボンナノウォールなどに代表される炭素系材料は物理的・化学的耐久性に優れているだけでなく、電界放出に適した先鋭な先端形状と大きなアスペクト比を持っているため、電子放出材料として電子放出源に用いるための応用研究が行われている。炭素系材料を用いた電子放出源の作製方法の一つに、炭素系材料(例えばカーボンナノチューブ)をペースト化し、カソード電極上に塗布する方法がある。この方法は、カソード電極上にカーボンナノチューブ含有ペーストを塗膜形成し、熱処理した後、膜表面に対してテープ剥離法、レーザー照射法等の起毛処理を行うことで、カーボンナノチューブを基板に対して垂直に配向させて、電子放出特性を改善するものである。(例えば、特許文献1参照)。
ところで、前記起毛処理によって配向されたカーボンナノチューブには高さが異なるものがあるため、各カーボンナノチューブの先端に印加される実効電圧が異なり、結果として各カーボンナノチューブからの電子放出量にバラツキが生じてしまう。従って、配向長さが揃ったカーボンナノチューブを得ることができれば、均一な電子放出特性を得ることができる。
カーボンナノチューブの高さバラツキに起因する電子放出特性の不均一性を解決するための方法として、電極間に高い電圧を印加することでカーボンナノチューブの長さを均一化し、電子放出特性を改善する活性化方法が提案されている。(例えば、特許文献2参照)この方法では、カーボンナノチューブ先端に高い電圧を印加することにより生じるジュール熱を用いることで、長いカーボンナノチューブを焼き切り、短いカーボンナノチューブを活性化して均一な電子放出特性を得るものである。
特開2007−115675号公報 特開2006−12578号公報
しかしながら、従来のような活性化方法では、電子放出特性の均一性は向上するものの、高い電圧によってカーボンナノチューブが実質的にダメージを受けており、活性化後の駆動電圧が高くなってしまうといった課題を有していた。
本発明は、上記課題に着目し、活性化後にも駆動電圧が低く、かつ電子放出特性を均一化できる電子放出素子の製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、真空中で少なくとも互いに平行に配置されたカソード基板とアノード基板、前記カソード基板に形成された電子放出源とを備える電子放出素子において、UVオゾン法による電子放出源の表面処理工程を備える電子放出素子の製造方法である。
本発明によれば、活性化後にも駆動電圧が低く、かつ電子放出特性が均一な電子放出素子を得ることができる。
トライオード型電子放出素子の断面図 ダイオード型電子放出素子の断面図
本発明は、真空中でスペーサーを介して配置されたカソード基板とアノード基板、前記カソード基板に形成された電子放出源とを備える電子放出素子において、UVオゾン法による電子放出源の表面処理工程を備える電子放出素子の製造方法に関する。以下、具体的な実施形態に基づいて本発明を詳細に説明する。
<電子放出源>
本発明の電子放出素子の製造方法を用いることができる電子放出源としては、電子放出材料としてモリブデンに代表される金属材料や、炭素系材料を含んで構成されるなど公知の材料であれば特に制限はないが、電子放出材料として炭素系材料を含むことが好ましい。炭素系材料の電子放出材料としては、カーボンナノチューブ、カーボンナノファイバー、カーボンナノホーン、カーボンナノコイル、カーボンナノツイスト等の針状炭素系材料、ダイアモンド、ダイアモンドライクカーボン、グラファイト、カーボンブラック、フラーレン等のその他の炭素系材料なども挙げられる。針状炭素系材料は、低い仕事関数特性によって低電圧駆動が可能であることから好ましい。針状炭素系材料の中でも、カーボンナノチューブは高アスペクト比であるために良好な電子放出特性を持つことからより好ましい。以下の説明では、炭素材料としてカーボンナノチューブを用いた場合を例に詳細に説明するが、その内容は炭素材料をカーボンナノファイバー、カーボンナノウォール、カーボンナノホーン、カーボンナノコイルなどに置き換えても同様に当てはまる。
また、電子放出源の製造方法は特に制限はないが、電子放出材料を含む電子放出源用ペーストを用いて、カソード電極上に形成されることが好ましい。具体的な方法としては、スクリーン印刷法等を用いて電極基板上に電子放出源用ペーストを印刷し、必要に応じて熱風乾燥機等で乾燥した後、大気中または窒素等の不活性ガス雰囲気中で、500℃以下の温度で焼成する。焼成した電子放出源は、必要に応じて起毛処理を行い、表面から電子放出材料が突出した電子放出源とする。起毛処理を行う場合には、粘着性を有するテープまたはローラーを用いた剥離法やレーザー処理法などを使用できる。起毛処理を行わない場合には、前記熱処理によって電子放出源内に亀裂などが生じて、亀裂内部に電子放出材料を突出させることができるような電子放出源用ペーストを用いることが好ましい。
<第1の実施形態>
本発明の電子放出素子の製造方法について、第1の実施形態としてトライオード型電子放出素子を例に挙げて説明する。図1は本発明の電子放出素子の製造方法を用いて製造されるトライオード型電子放出素子の一例を示す断面図である。
まず、電子放出素子の組み立て工程を説明する。トライオード型電子放出素子3は、カソード基板1とアノード基板2とを対向させ、スペーサー26を介して貼り合わせることで得られる。カソード基板1の作製方法は、まず、ソーダガラス等の基板10上にITO、クロム、金、銀や銅などの導電性膜をスパッタ法や印刷法によって成膜し、カソード電極12を形成する。次いで、カソード電極12上にガラス等の絶縁材料を印刷法または真空蒸着法などにより成膜し、絶縁層30を形成する。次いで、絶縁層30上にクロムやモリブデンなどの導電性膜を真空蒸着法などにより形成し、ゲート電極32を形成する。次いで、ゲート電極32上にレジスト材料をスピンコーター法などで塗布、乾燥し、フォトマスクを通じて紫外線を照射してパターンを転写した後、アルカリ現像液などで現像する。現像によって開口した部分からゲート電極32および絶縁層30をエッチングすることで、絶縁層30内に溝を形成する。次いで、電子放出源用ペーストを用いて溝内部に電子放出源14を作製し、カソード基板1が得られる。
次に、アノード基板2の作製方法は、ソーダガラス等の基板20上にITO等の透明導電性膜をスパッタ法などによって成膜しアノード電極22を形成する。アノード電極22上に蛍光体層24を印刷法によって形成し、アノード基板2が得られる。
そして、カソード基板1およびアノード基板2を、電子放出源14と蛍光体層24が対向するようにスペーサー26を挟んで貼り合わせ、容器とする。容器に接続した排気管(図示せず)から真空排気して、内部の真空度が1×10−3Pa以下の状態で、スペーサー26と基板20および、スペーサー26とゲート電極32もしくは絶縁層30を融着することによってトライオード型電子放出素子3が得られる。スペーサー26を構成する絶縁材料としては、セラミックス、ガラス等が挙げられる。
前記カソード基板1とアノード基板2の間は真空に保たれており、カソード電極12とゲート電極32、カソード電極12とアノード電極22との間にそれぞれ電位差が生じるように、カソード電圧Vc、ゲート電極Vgとアノード電圧Vaを印加する。通常はVa>Vg>Vcとなるように電圧を印加する。ここで、電子放出源14が閾値以上の電圧となるようなゲート電極Vgを印加すると、電子放出源14から電子が放出される。前記電子放出源から放出された電子は、カソード電極12とアノード電極22との間の電位差によってアノード電極22方面へ加速され、蛍光体層24へ衝突し、発光を得ることができる。具体的には、カソード電極とアノード電極間に5〜30kV、カソード電極とゲート電極間に10〜500Vの電圧を供給することで、電子放出材料から電子が放出されて蛍光体にぶつかり、蛍光体の発光を得ることができる。
上記の組み立て工程のうち、電子放出源14を作製した後に、必要に応じ起毛処理を行ってから、電子放出源14に対して紫外線(UV)オゾン処理を行う。ここで、UVオゾン処理の一例を説明する。酸素を含む雰囲気に、紫外線のうち200nm未満の波長を含む光と200nm以上の波長を含む光を照射することにより、オゾンを生成させるとともに、オゾンから一重項酸素を生成させることができる。また、紫外線のうち180nm未満の波長を含む光を照射することにより、オゾンを生成させるとともに、オゾンから一重項酸素を生成させることもできる。用いられる紫外線の波長範囲としては、150〜300nmが望ましい。波長が150nmよりも短くなると、大気中での有効照射距離が非常に短くなるため好ましくない。また、波長が300nmよりも長くなると、酸素がオゾンをほとんど生成しなくなるため好ましくない。
酸素を含む雰囲気に、200nm未満の波長を含む光および200nm以上の波長を含む光を照射することにより起きる反応例を示す。
+hν(λnm)→O(P)+O(P) ・・・ (1)
O(P)+O→O ・・・ (2)
+hν(λnm)→O(D)+O ・・・ (3)
上記反応式(1)において、酸素(O)を含む雰囲気に200nm未満の波長(λnm)を含む光(hν)を照射することにより基底状態の酸素原子(O(P))が生成する。次に、反応式(2)において、基底状態の酸素原子(O(P))と酸素(O)とが反応してオゾン(O)が生成する。そして、反応式(3)において、生成されたオゾン(O)を含む雰囲気に200nm以上の波長(λnm)を含む光を照射することにより、励起状態の一重項酸素O(D)が生成する。このように、酸素を含む雰囲気に、紫外線のうち200nm未満の波長を含む光を照射することによりオゾンを生成させるとともに、200nm以上の波長を含む光を照射することによりオゾンを分解して一重項酸素を生成させることができる。上記のようなUVオゾン処理は、例えば、酸素を含む雰囲気下での低圧水銀ランプの照射(λ=185nm、λ=254nm)により行うことができる。
また、酸素を含む雰囲気に、180nm未満の波長を含む光を照射することにより起きる反応例を示す。
+hν(λnm)→O(D)+O(P) ・・・ (4)
O(P)+O→O ・・・ (5)
+hν(λnm)→O(D)+O ・・・ (6)
上記反応式(4)において、酸素(O)を含む雰囲気に180nm未満の波長(λnm)を含む光を照射することにより、励起状態の一重項酸素O(D)と基底状態の酸素原子(O(P))が生成する。次に、反応式(5)において、基底状態の酸素原子(O(P))と酸素(O)とが反応してオゾン(O)が生成する。反応式(6)において、生成されたオゾン(O)を含む雰囲気に180nm未満の波長(λnm)を含む光を照射することにより、励起状態の一重項酸素と酸素が生成する。このように、酸素を含む雰囲気に、紫外線のうち180nm未満の波長を含む光を照射することにより、オゾンを生成させるとともにオゾンまたは酸素を分解して一重項酸素を生成させることができる。上記のようなUVオゾン処理は、例えば、酸素を含む雰囲気下でのXeエキシマUVランプの照射(λ=172nm)により行うことができる。
UVはオゾンを発生させるだけでなく被処理体表面に付着する有機物などの化学結合を切断することができる。また、オゾンまたはオゾンから生成された一重項酸素は被処理体表面に付着する有機物、または化学結合を切断した有機物などを酸化分解して除去することができる。これらの作用により、電子放出源が活性化され、しかも活性化前後で駆動電圧変化がほぼ無く、かつ電子放出特性が均一な電子放出素子を得ることができると考えられる。
上記の通り、本発明におけるUVオゾン処理とは、酸素雰囲気においてUVを照射し、そのUV自体と、UV照射により発生するオゾンを利用して電子放出源を活性化する処理のことをいう。ところで、オゾン及び一重項酸素は、活性状態にある酸素の例であり、総称して活性酸素とも言われる。上記反応式等で説明したとおり、一重項酸素を生成する際にオゾンが生じる、またはオゾンから一重項酸素を生成する反応もあるため、ここでは一重項酸素が寄与する反応も含めて、便宜的にUVオゾン処理と称する。
UVオゾン処理の際の紫外線照度は、用いる光源により異なるが、一般的に数十〜数百mW/cmである。また、集光や拡散することで照度を調整することができる。照射時間は、ランプの照度および被処理層の種類により異なるが、通常、1分〜24時間である。処理温度は、通常、被処理物が10〜200℃となるように調整することが好ましい。また、UVの照射量(即ち、紫外線量)(J/cm)は、好ましくは100J/cm〜100000J/cmである。
<第2の実施形態>
次に、本発明の電子放出素子の製造方法について、第2の実施形態としてダイオード型電子放出素子を例に挙げて説明する。図2は本発明の電子放出素子の製造方法を用いて製造されるダイオード型電子放出素子の一例を示す断面図である。
ダイオード型電子放出素子4は、カソード基板1とアノード基板2とを対向させ、スペーサー26を介して貼り合わせることで得られる。カソード基板1の作製方法は、まず、ソーダガラス等の基板10上にITO、クロム、金、銀や銅などの導電性膜をスパッタ法や印刷法によって成膜し、カソード電極12を形成する。次いで、カソード電極12上に電子放出源用ペーストを用いて電子放出源14を作製し、カソード基板1が得られる。次に、アノード基板2の作製方法は、ソーダガラス等の基板20上にITO等の透明導電性膜をスパッタ法などによって成膜しアノード電極22を形成する。アノード電極22上に蛍光体層24を印刷法によって形成し、アノード基板2が得られる。そして、カソード基板1およびアノード基板2を、電子放出源14と蛍光体層24が対向するようにスペーサー26を挟んで貼り合わせ、容器とする。容器に接続した排気管から真空排気して、内部の真空度が1×10−3Pa以下の状態で、スペーサー26と基板10および、スペーサー26と基板20を融着することによってダイオード型電子放出素子3が得られる。スペーサー26を構成する絶縁材料としては、セラミックス、ガラス等が挙げられる。
前記カソード基板1とアノード基板2の間は真空に保たれており、カソード電極12とアノード電極22との間に電位差が生じるように、それぞれカソード電圧Vcとアノード電圧Vaを印加する。通常はVa>Vcとなるように電圧を印加する。ここで、電子放出源14が閾値以上の電圧となるようなアノード電圧Vaを印加すると、電子放出源14から電子が放出される。前記電子放出源から放出された電子は、カソード電極12とアノード電極22との間の電位差によってアノード電極22方面へ加速され、蛍光体層24へ衝突し、発光を得ることができる。具体的には、カソード電極とアノード電極間に5〜30kVの電圧を供給することで、電子放出材料から電子が放出されて蛍光体にぶつかり、蛍光体の発光を得ることができる。
上記の組み立て工程のうち、電子放出源14を作製した後に、必要に応じ起毛処理を行ってから、電子放出源14に対して紫外線(UV)オゾン処理を行う。その方法は、前記トライオード型電子放出素子3に対して行った方法と同様にすることができる。
前記ダイオード型電子放出素子ならびにトライオード型電子放出素子は、例えば、面状に配列することによって、面状の発光装置を形成できる。得られる発光装置は、低コストでかつ均一発光が可能であり、ディスプレイ用バックライト光源、あるいは照明ランプ等に好適に利用される。
以下に、本発明を実施例に具体的に説明する。ただし、本発明はこれに限定されるものではない。
(実施例)
“2層カーボンナノチューブ”(東レ(株)製)を電子放出材料に用いた電子放出源に、テープ起毛処理を施してから、UVオゾン照射装置(セン特殊光源(株)製PL30−200)を用いて、照射時間30分でUVオゾン処理した。
前記<第1の実施形態>に示したトライオード型電子放出素子の製造方法に基づいて、ソーダガラス基板上にITOを用いたカソード電極、前記方法で作製し、UVオゾン処理した電子放出源、ガラスを用いた厚み50μmの絶縁層、およびクロムを用いたゲート電極を備えたカソード基板と、ソーダガラス基板上にITOを用いたアノード電極および厚み5μmの蛍光体層(P22)を備えたアノード基板とを対向させ、100μmのガラススペーサーを介して真空度5×10−4Paで封着して貼り合わせることでトライオード型電子放出素子を得た。
前記活性化を行ったトライオード型電子放出素子について、電圧印加装置によってカソード電極とアノード電極間の電圧を5kVとし、電流値が1mA/cmに達するときのカソード電極とゲート電極間の電圧を求めたところ86Vであった。また、そのときの蛍光体面積全体における発光部分の割合を算出したところ94%であり、電子放出特性が均一で、発光均一性が良好だった。ここでいう発光面積は、CCDカメラによって蛍光体の発光画像を取り込み、1cm×1cm角の蛍光体面積全体における発光面積の割合を算出し、数値化したものである。
(比較例)
実施例のトライオード型電子放出素子を作製する各工程からUVオゾン処理を省略した他は、実施例と同様にトライオード型電子放出素子を作製した。
前記作製したトライオード型電子放出素子について、電圧印加装置(菊水電子工業(株)製耐電圧/絶縁抵抗試験器TOS9201)によってカソード電極とアノード電極間の電圧を5kVとし、電流値が1mA/cmに達するときのカソード電極とゲート電極間の電圧を求めたところ、80Vであった。また、そのときに蛍光体面積全体における発光面積の割合を算出したところ46%であった。
このトライオード型電子放出素子について、カソード電極とゲート電極間の電圧が160Vで一定とし、10分間活性化を行った。このときの初期電流値は13mA/cmであった。
前記活性化を行ったトライオード型電子放出素子について、電圧印加装置によってカソード電極とアノード電極間の電圧を5kVとし、電流値が1mA/cmに達するときのカソード電極とゲート電極間の電圧を求めたところ120Vであり、活性化の後では駆動電圧が高くなっていることがわかった。
本発明の利用分野は特に制限はなく、例えば電界放出源を備えたディスプレイ用バックライト光源、あるいは照明ランプ等、広範囲に利用することができる。
1 カソード基板
2 アノード基板
3 トライオード型電子放出素子
4 ダイオード型電子放出素子
10 カソード基板
12 カソード電極
14 電子放出源
20 アノード基板
22 アノード電極
24 蛍光体層
26 スペーサー
30 絶縁層
32 ゲート電極

Claims (4)

  1. 真空中でスペーサーを介して配置されたカソード基板とアノード基板、前記カソード基板に形成された電子放出源とを備える電子放出素子の製造方法であって、前記電子放出源をUVオゾン処理する工程を備える電子放出素子の製造方法。
  2. 前記UVオゾン処理が、酸素雰囲気下でUV照射するものである請求項1記載の電子放出素子の製造方法。
  3. 前記UV照射が、200nm未満の波長を含む光と200nm以上の波長を含む光を照射するものである請求項2記載の電子放出素子の製造方法。
  4. 前記UV照射が、180nm未満の波長を含む光を照射するものである請求項2記載の電子放出素子の製造方法。
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