JP2012252407A - 車両用通行支援装置及び車両用通行支援方法 - Google Patents

車両用通行支援装置及び車両用通行支援方法 Download PDF

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Abstract

【課題】自車両からドライバの意思に基づく適切なメッセージを、送信先として相応しい他車両へと自動で送信することを目的としている。
【解決手段】対象車両抽出部102は、自車両の周辺に存在する周辺車両の識別情報、位置情報及び運動状態に関する情報(周辺車両情報)と自車両の位置情報及び運動状態に関する情報(自車両情報)とに基づき、自車両の通行に影響のある対象車両を抽出する。交通シーン判定部103は、周辺車両情報及び自車両情報に基づき、自車両と対象車両との間で発生する交通シーンを判定する。送信メッセージ選択部107は、判定した交通シーンに対応し、かつドライバの発話内容から推定されるドライバの意思に応じた内容のメッセージに対応するコード情報を選択する。メッセージ情報送信部108は、選択したコード情報を通信装置36を介して対象車両に送信する。
【選択図】 図2

Description

本発明は、自車両の通行に影響を与える可能性のある他車両との間でメッセージの通信を行うことで自車両と他車両との間の通行を支援する技術に関する。
車車間でメッセージの通信を行って進路の譲歩等の通行支援を行う技術として、例えば特許文献1に記載の技術がある。この特許文献1の従来技術では、進路への進入可否打診のための譲歩依頼メッセージと、譲歩依頼メッセージ応諾に対するお礼メッセージと、を含む複数メッセージのうちの一のメッセージ信号を含む信号を他車両に送信する。加えて、他車両からメッセージ信号を受信するようにし、自車両から他車両へのお礼メッセージ信号の送信に関し、自車両が他車両の進路への進入を完了したことに相応する許容条件を充足している場合にその送信を許容する。
特開2007−48042号公報
しかしながら、上記従来技術では、自車両から他車両にメッセージを送信するにあたって、自車両側のドライバが、送信するメッセージの選択及び選択したメッセージの送信を手動操作で行う必要があった。
本発明は、上記のような点に着目したもので、自車両からドライバの意思に基づく適切なメッセージを、送信先として相応しい他車両へと自動で送信することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は、周辺車両の識別情報、位置情報及び車両運動状態に関する情報を含む周辺車両情報と、自車両の位置情報及び車両運動状態に関する情報を含む自車両情報とに基づき、周辺車両の中から自車両の通行に影響のある対象車両を抽出する対象車両抽出手段を備える。更に、前記周辺車両情報のうち対象車両の情報と、自車両情報とに基づき、自車両と対象車両との間で発生する交通シーンを判定する交通シーン判定手段と、自車両のドライバの行為に応じて発生する物理現象の情報であるドライバ情報を入力するドライバ情報入力手段とを備える。更に、前記判定した交通シーンと、前記入力した発話音声の情報とに基づき、各交通シーンの内容に応じた複数種類のメッセージ情報から、判定した交通シーンの内容に対応しかつ発話内容から推定されるドライバの意思に応じた内容のメッセージ情報を選択する送信メッセージ選択手段を備える。更に、前記選択したメッセージ情報を対象車両に送信するメッセージ情報送信手段を備える。更に、周辺車両からの送信要求に応じて、自車両の識別情報と自車両情報とを送信要求元の周辺車両に送信する自車両情報送信手段と、周辺車両から送信されたメッセージ情報を受信するメッセージ情報受信手段と、受信したメッセージ情報の示すメッセージをドライバに提示するメッセージ提示手段とを備える。
本発明によれば、周辺車両の情報と自車両の情報とから自車両の通行に影響のある対象車両を抽出すると共に、自車両と対象車両との間で発生する交通シーンを判定する。更に、判定した交通シーンの内容に応じたメッセージの候補リストを設定し、設定した候補リストからドライバの意思に応じた内容のメッセージ情報を選択する。そして、選択したメッセージ情報を対象車両に送信する。これにより、自車両からドライバの意思に基づく適切なメッセージを、送信先として相応しい他車両へと自動で送信することが可能となる。
実施形態に係る車両用通行支援装置を搭載した車両の概略構成である。 通行支援機能の機能構成の一例を示すブロック図である。 第1実施形態に係る通行支援処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。 出会い頭のシーンの一例を示す図である。 出会い頭のシーンにおいて、発話音声に応じた優先側のメッセージに対応するコード情報の送信態様の一例を示す図である。 右折のシーンの一例を示す図である。 第2実施形態に係る通行支援処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。 信号機のある交差点における、出会い頭のシーンの一例を示す図である。
〔第1実施形態〕
以下、本発明の第1実施形態を図面に基づき説明する。図1〜図6は、本発明に係る車両用通行支援装置及び車両用通行支援方法の第1実施形態を示す図である。
(構成)
図1は、本実施形態に係る車両用通行支援装置を搭載した車両の概略構成である。
図1に示すように、車両用通行支援装置を搭載した車両は、ブレーキペダル1と、ブレーキブースタ2と、マスターシリンダ3と、ホイールシリンダ4i(i=FL、FR、RL、RR)と、ブレーキアクチュエータ5と、コントローラ10と、を備える。
ブレーキペダル1は、ブレーキブースタ2を介してマスターシリンダ3に連結される。ブレーキブースタ2は、例えば負圧の供給量を変化させることで倍力比を調整できる制御型のブースタであり、コントローラ10によって駆動制御される。この倍力比の調整により、運転者のペダル操作に対する操作反力が制御される。
マスターシリンダ3と各ホイールシリンダ4i(i=FL、FR、RL、RR)との間には、スタビリティ制御(VDC:Vehicle Dynamics Control)等に用いられるブレーキアクチュエータ5が介装されている。このブレーキアクチュエータ5は、ソレノイドバルブやポンプ等の油圧機器を備え、これらをコントローラ10によって駆動制御することにより、運転者のブレーキ操作に関らず各ホイールシリンダ4iの液圧を個別に制御することができる。
かかる車両は、更に、駆動力制御装置20と、エンジン21と、自動変速機22と、電子制御スロットルバルブ23と、レーダ装置31と、ナビゲーション装置32と、モニタ33と、通信装置36と、オーディオ機器37と、を備える。
駆動力制御装置20は、エンジン21の燃料噴射量や点火時期、自動変速機22の変速比、及び電子制御スロットルバルブ23の開度を制御することにより、車両の駆動力を制御する。また、駆動力制御装置20は、コントローラ10からの駆動力指令を受けたときは、その駆動力指令に応じて車両の駆動力を制御する。
レーダ装置31は、車両前方の物体までの車間距離Dを検出し、それをコントローラ10へ入力する。
ナビゲーション装置32は、道路地図情報(地図データベース)を備え、GPSで計測した自車両の現在位置(緯度,経度)、及び道路地図情報に基づいて、自車両の進行方向、自車両周辺の道路形状情報、現在位置に応じた道路地図情報、交差点情報等を検出する。ナビゲーション装置32は、自車両の現在位置、自車両の進行方向、道路形状情報、道路地図情報等の検出情報を、コントローラ10に入力する。
モニタ33は、コントローラ10からの指令に応じて、運転者に通知すべき情報を表示する。
通信装置36は、コントローラ10からの指令に応じて、周辺車両の備える同装置との間において、無線通信によって車両情報やメッセージ情報等の送受信を行う。更に、通信装置36は、無線通信によって、DSSS(driving safety support system)等のインフラストラクチャとの間で交通情報等の送受信を行う。通信装置36は、周辺車両やインフラストラクチャから受信した各種情報をコントローラ10に入力する。
通信装置36は、例えば、使用周波数帯が5.8[GHz]の「ARIB STD T75/T88」、「ITS FORUM RC-005」に準拠した通信装置から構成される。また、例えば、使用周波数帯が0.7[GHz]の「ITS FORUM RC-006」に準拠した通信装置から構成される。
オーディオ機器37は、アンプ及びスピーカを含んで構成される。アンプは、コントローラ10からの指令に応じて音響信号を生成し、生成した音響信号をスピーカに入力する。スピーカは、入力した音響信号を物理振動に変換して音響信号の示す音声を出力する。
かかる車両は、更に、ステアリングホイール6と、マイク38と、ドライバカメラ39と、メモリ42と、を備える。
マイク38は、ステアリングホイール6に取り付けられる。マイク38は、ドライバの発話音声を入力し、入力した発話音声の信号をコントローラ10に入力する。
ドライバカメラ39は、運転席に着席したドライバの上半身を含む領域を撮影し、撮影した画像データをコントローラ10に送信する。この画像データは、ドライバの手の動作内容(手振り等)を検出するため、またドライバの表情を検出するために利用される。
メモリ42は、後述する通行支援機能を実現するための専用プログラムや、車両ID情報、メッセージセット等のプログラムの実行に必要な各種データが格納されている。メモリ42は、コントローラ10からの要求に応じて格納された各種データをコントローラ10に入力する。
ここで、上記メッセージセットは、各交通シーンの内容に対応する複数種類のメッセージの音声情報と各メッセージを識別可能なコード情報とを対応付けてなる複数種類のメッセージ情報から構成されるデータセットである。
かかる車両は、更に、車輪7iと、加速度センサ11と、ヨーレートセンサ12と、舵角センサ13と、圧力センサ14と、車輪速センサ15iと、シフトセンサ17と、方向指示スイッチ40と、ブレーキランプスイッチ41と、を備える。
加速度センサ11は、車両の前後加速度Xg及び横加速度Ygを検出し、ヨーレートセンサ12は、車両のヨーレートγを検出し、舵角センサ13は、ステアリングホイール6の回転角、つまりドライバのステアリング操作量を検出する。また、圧力センサ14は、マスターシリンダ3の圧力を検出し、車輪速センサ15iは、車輪7iの回転速度を検出する。また、シフトセンサ17は、シフトポジションを検出する。各検出信号は、コントローラ10へ入力される。また、方向指示スイッチ40の左折側及び右折側の各オン・オフの状態を示す信号、ブレーキランプスイッチ41のオン・オフの状態を示す信号もコントローラ10へ入力される。
かかる車両は、更に、アクセルセンサ16と、アクセルペダル34と、反力モータ35と、を備える。
アクセルペダル34には、反力モータ35が連結され、アクセルセンサ16は、反力モータ35の回転角に応じて運転者のアクセル操作量(アクセル開度)を検出しコントローラ10へ入力する。反力モータ35は、コントローラ10によって駆動制御され、この反力モータ35により、運転者のペダル操作に対する操作反力が制御される。
なお、上記の各種データに左右の方向性がある場合には、何れも左方向を負値とし、右方向を正値とする。すなわち、ヨー角φ及び操舵角δは、左旋回時を負値とし右旋回時を正値とする。
コントローラ10は、マイクロコンピュータを構成部品として有するユニットである。コントローラ10は、通行支援機能を実現するための専用のプログラム(通行支援処理プログラム)をマイクロコンピュータの動作周波数で決まる時間周期のタイマ割込みで実行する。
次に、コントローラ10において専用のプログラムを実行することによって実現される通行支援機能の機能構成を説明する。
図2は、通行支援機能の機能構成の一例を示すブロック図である。
図2に示すように、コントローラ10は、通行支援機能構成部として、周辺車両情報収集部100と、自車両情報収集部101と、対象車両抽出部102と、交通シーン判定部103と、優先関係判定部104と、候補リスト作成部105と、を備える。
コントローラ10は、更に、ドライバ情報入力部106と、送信メッセージ選択部107と、メッセージ情報送信部108と、自車両情報送信部109と、メッセージ情報受信部110と、メッセージ提示部111と、お礼メッセージ情報自動送信部112と、を備える。
周辺車両情報収集部100は、通信装置36を介して、予め設定されたサンプリング周期で、自車両の周辺に存在する周辺車両の車両情報を収集する。具体的に、周辺車両情報収集部100は、通信装置36を介して、同じ通信装置を備える周辺車両に対して、車両情報の送信要求を送信する。更に、周辺車両情報収集部100は、通信装置36を介して受信した周辺車両の車両情報(以下、周辺車両情報と称す)を取得する。周辺車両情報収集部100は、取得した周辺車両情報を対象車両抽出部102に出力する。
周辺車両情報は、例えば、車両ID、メッセージセットバージョン、タイムスタンプ等の車両の識別や通信制御に関する情報を含む。更に、周辺車両情報は、車両の位置(緯度、経度)、車速、進行方向等の車両の運動状態に関する情報と、方向指示スイッチ40、ブレーキランプスイッチ41、ハザードスイッチ、シフトポジション等の車両の装備品の状態に関する情報とを含む。
他にも、道路形状情報、車両周辺の交差点情報、加速度、減速度等の情報も、車両の運動状態に関する情報として含むようにしてもよい。
自車両情報収集部101は、自車両の情報(以下、自車両情報と称す)を収集し、収集した自車両情報を、対象車両抽出部102と、自車両情報送信部109と、お礼メッセージ情報自動送信部112とにそれぞれ出力する。
具体的に、自車両情報収集部101は、メモリ42に格納された自車両の識別情報である自車両IDを読み出す。加えて、自車両情報収集部101は、ナビゲーション装置32から自車位置の情報、自車位置に応じた道路地図情報等を収集する。更に、自車両情報収集部101は、各種センサから入力されるセンサ検出信号に基づき車両の運動状態に関する情報を収集する。更に、自車両情報収集部101は、各種スイッチから入力されるスイッチ信号に基づき、各種装備品の状態に関する情報を収集する。このようにして収集した情報を自車両情報として、各構成部に出力する。
なお、自車両情報は、上記周辺車両情報と同様の情報となる。
対象車両抽出部102は、周辺車両情報を収集した周辺車両の中から、自車両の通行に影響のある対象車両を抽出する。具体的に、対象車両抽出部102は、上記収集した周辺車両情報と自車両情報とから、周辺車両と自車両との位置情報と、周辺車両と自車両の進行方向の情報とを抽出する。そして、抽出した位置情報から周辺車両と自車両との位置関係を演算する。更に、対象車両抽出部102は、演算した位置関係と、自車両及び周辺車両の進行方向の情報とに基づき、自車両の通行に影響を与える可能性のある車両(以下、対象車両と称す)を抽出する。ここで通行に影響を与える可能性のある車両とは、お互いの車両の進路(走行軌跡)が将来的に交差又は合流する可能性のある車両を指す。
交通シーン判定部103は、自車両情報と、周辺車両情報のうち対象車両の情報とに基づき、自車両と対象車両との間で発生する交通シーンを判定する。本実施形態において、交通シーン判定部103は、自車両と対象車両の位置関係と、自車両と対象車両の進行方向と、ウィンカーの状態とから、交通シーンを判定する。
具体的に、交通シーン判定部103は、自車両の進行方向と対象車両の進行方向とが交差(例えば直交)する位置関係にあると判定した場合に、出会い頭のシーンであると判定する。また、本実施形態において、交通シーン判定部103は、自車両と対象車両とが対向する位置関係にあると判定した場合に、右折のシーンであると判定する。この判定において、交通シーン判定部103は、方向指示スイッチ40の右折側又は左折側のオン・オフの状態を示す信号と、周辺の道路形状情報とに基づき、より正確に、出会い頭のシーン及び右折のシーンを判定する。
例えば、T字路において、対象車両が走行車線と交差する優先車線に左折で合流する場合に、対象車両は左折側の方向指示スイッチ40がオン状態になり、優先車線を走行する自車両側は方向指示スイッチ40がいずれの方向側もオフ状態になる状況が発生し得る。 また、例えば、T字路において、対象車両が自車両の進路と交差する進路方向に右折をする場合に、対象車両は右折側の方向指示スイッチ40がオン状態になり、自車両側は方向指示スイッチ40がいずれの方向側もオフ状態になる状況が発生し得る。
つまり、道路形状とウィンカーの状態とから、より正確に、出会い頭のシーン及び右折のシーンを判定することができる。
優先関係判定部104は、自車両情報と、周辺車両情報のうち対象車両の情報とに基づき、交通シーン判定部103で判定した交通シーンにおける優先/非優先の関係を判定する。本実施形態において、優先関係判定部104は、自車両と対象車両の位置関係と、自車両と対象車両の進行方向と、自車両と対象車両の走行速度と、ウィンカ(方向指示スイッチ40)の状態とから、優先/非優先の関係を判定する。
具体的に、優先関係判定部104は、出会い頭のシーン及び右折のシーンのいずれにおいても、自車両の速度と対象車両の速度とを比較する。そして、一方の速度が他方の速度よりも速く、かつ他方の速度が予め設定した速度閾値以下(停止状態を含む)の場合に、速度の速い側の車両を優先側と判定し、速度の遅い側(停止側を含む)の車両を非優先側と判定する。なお、速度閾値は、出会い頭のシーンと、右折のシーンとで異なる値としてもよい。
候補リスト作成部105は、交通シーン判定部103で判定した交通シーンと、優先関係判定部104で判定した優先/非優先の関係とに基づき、対象車両に対して送信するメッセージの候補リストを作成する。具体的に、候補リスト作成部105は、メモリ42に格納されたメッセージセットの中から、判定した交通シーンと優先/非優先との関係に対応するメッセージの候補を読み出す。候補リスト作成部105は、読み出したメッセージの候補から候補リストを作成し、作成した候補リストを送信メッセージ選択部107に出力する。
本実施形態において、候補リストは、候補となるメッセージに対応するコード情報から構成される。
例えば、出会い頭のシーンで、かつ自車両が優先側であれば、「お先にどうぞ」、「出てくるな」などのメッセージ情報から候補リストが作成される。
なお、本実施形態において、候補リスト作成部105は、自車両が非優先側の場合は、候補リストを作成しないようになっている。
ドライバ情報入力部106は、自車両のドライバの行為に応じて発生する物理現象の情報であるドライバ情報を受け付け、受け付けたドライバ情報を、送信メッセージ選択部107に出力する。
ドライバ情報は、例えば、ドライバの発話行為によって発生する発話音声を、マイク38を介して入力した音声情報(以下、発話音声情報と称す)が該当する。また、ドライバ情報は、例えば、ドライバの手を動かす行為によって発生する手振りを、ドライバカメラ39を介して入力した撮影画像情報(以下、手振り情報と称す)が該当する。また、ドライバ情報は、例えば、ドライバの顔の表情筋を動かす行為によって発生する表情の変化などをドライバカメラ39を介して入力した撮影画像情報(以下、表情情報と称す)が該当する。
送信メッセージ選択部107は、ドライバ情報入力部106から入力されたドライバ情報に基づき、メッセージ候補リストからドライバの意思に応じた内容のメッセージに対応するコード情報を選択する。送信メッセージ選択部107は、選択したメッセージに対応するコード情報をメッセージ情報送信部108に出力する。
具体的に、送信メッセージ選択部107は、ドライバ情報が、発話音声情報の場合、まず、発話音声情報を解析する。この音声解析処理は、ナビゲーションシステムで実用化されている音声解析エンジン等を利用することができる。送信メッセージ選択部107は、音声解析によって認識した発話内容から、ドライバの進路の譲歩に関する意思を推定する。例えば、ドライバが、「いいよ」、「どうぞ」、「早く」などと発話した場合は、譲歩の意思があると推定する。送信メッセージ選択部107は、譲歩の意思が有ると推定した場合に、メッセージ候補リストから、例えば、「お先にどうぞ」というメッセージに対応するコード情報を選択する。一方、ドライバが、「ダメ!」、「出てくるな」などと発話した場合は、非優先側の合流や右折を拒む意思があると推定する。送信メッセージ選択部107は、譲歩を拒む意思が有ると推定した場合に、メッセージ候補リストから、例えば、「出てくるな」というメッセージに対応するコード情報を選択する。
また、手振り情報については、送信メッセージ選択部107は、手振り情報の示す動作パターン(動画)を、予め設定した動作パターンとのマッチングによって、その内容を判定する。例えば、手のひらを上に向けて胸前から対象車両に向かって突き出すような手振りの場合や、手を右から左に向かって何度も大きく振るような手振りの場合は、合流や右折を促す手振りであると判定する。この場合は、ドライバに譲歩の意思があると推定する。一方、手のひらを対向車に向けて突き出すような手振りの場合は、ドライバに非優先側の合流や右折を拒む意思があると推定する。
また、表情情報については、送信メッセージ選択部107は、表情情報の示す表情の変化あるいは表情の静止画を、予め設定した表情パターンあるいは表情画像とマッチングして、その内容を判定する。この判定結果から、例えば、ドライバがにこやかな表情をしていると判定した場合は、ドライバに譲歩の意思があると推定する。一方、しかめっ面の表情であると判定した場合は、ドライバに非優先側の合流や右折を拒む意思があると推定する。
本実施形態において、送信メッセージ選択部107は、発話情報、手振り情報及び表情情報のうち、いずれか1以上を用いてドライバの意思を推定することが可能である。
メッセージ情報送信部108は、送信メッセージ選択部107から入力されたコード情報と対象車両の車両IDとを、送信指令と共に、通信装置36に出力する。
これにより、通信装置36を介して、選択されたコード情報が、車両IDで特定される対象車両に対して無線送信される。
自車両情報送信部109は、自車両の周辺に存在する周辺車両からの送信要求(車両IDを含む)に応じて、自車両情報収集部101で収集した自車両情報と送信要求元の車両IDとを、送信指令と共に、通信装置36に出力する。
これにより、通信装置36を介して、自車両情報が、周辺車両における車両IDで特定される車両に対して無線送信される。
メッセージ情報受信部110は、通信装置36を介して、周辺車両からコード情報を受信する。メッセージ情報受信部110は、受信したコード情報をメッセージ提示部111と、お礼メッセージ情報自動送信部112とにそれぞれ出力する。
メッセージ提示部111は、メッセージ情報受信部110から入力されたコード情報に対応するメッセージの音声情報(例えばmp3形式の音声ファイル)をメモリ42から読み出し、読み出した音声情報をオーディオ機器37に出力する。
これにより、オーディオ機器37において、メッセージの再生が行われ、スピーカから音声メッセージが出力される。
お礼メッセージ情報自動送信部112は、メッセージ情報受信部110から入力されたコード情報が、進路の譲歩に関するメッセージに対応するコード情報であるか否かを判定する。お礼メッセージ情報自動送信部112は、譲歩に関するメッセージに対応するコード情報であると判定すると、自車両情報に基づき、自車両が譲歩された進路の通行を完了したか否かを判定する。お礼メッセージ情報自動送信部112は、予め設定した時間内に自車両が譲歩された進路の通行を完了したと判定すると、お礼に関するメッセージに対応するコード情報と対象車両の車両IDとを、送信指令と共に、通信装置36に出力する。
これにより、通信装置36を介して、お礼に関するメッセージに対応するコード情報が、車両IDで特定される対象車両に対して無線送信される。
(通行支援処理)
次に、コントローラ10で行われる通行支援処理の処理手順について説明する。
図3は、通行支援処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。
電源がON(イグニッションON)され、コントローラ10において専用のプログラムが実行されると、図3に示すように、まずステップS100に移行する。
ステップS100では、周辺車両情報収集部100において、通信装置36を介して、周辺車両情報の送信要求を周辺車両に対して送信し、周辺車両から周辺車両情報を収集する。そして、収集した周辺車両情報を、対象車両抽出部102に出力して、ステップS102に移行する。
なお、本実施形態において、周辺車両情報の収集は、予め設定された通信周期で繰り返し実行される。
ステップS102では、自車両情報収集部101において、各種センサから入力されるセンサ検出信号、各種装備品のスイッチから入力されるスイッチ信号に基づき、自車両情報を収集する。更に、メモリ42から、自車両IDを読み出す。そして、収集した自車両情報と読み出した自車両IDとを、対象車両抽出部102と、自車両情報送信部109と、お礼メッセージ情報自動送信部112とにそれぞれ出力して、ステップS104に移行する。
なお、本実施形態において、自車両情報の収集は、予め設定された周期(例えば、周辺車両情報の収集と同じ周期)で繰り返し実行される。
ステップS104では、対象車両抽出部102において、周辺車両情報と、自車両情報とに基づき、周辺車両の中から自車両の通行に影響を与える可能性のある対象車両を抽出する処理を実行する。そして、対象車両抽出部102において、抽出処理の抽出結果と、該抽出処理に関連する自車両情報及び周辺車両情報とを、交通シーン判定部103と、優先関係判定部104とにそれぞれ出力して、ステップS106に移行する。
ステップS106では、交通シーン判定部103において、抽出結果に基づき対象車両が存在するか否かを判定し、存在すると判定した場合(Yes)は、ステップS108に移行し、そうでないと判定した場合(No)は、ステップS104に移行する。
ステップS108に移行した場合は、交通シーン判定部103において、自車両情報と、周辺車両情報のうち対象車両の情報とに基づき、自車両と対象車両との間で発生する交通シーンを判定する。その後、交通シーンの判定結果を、優先関係判定部104と、候補リスト作成部105とにそれぞれ出力して、ステップS110に移行する。
ステップS110では、優先関係判定部104において、自車両情報と、周辺車両情報のうち対象車両の情報と、交通シーンの判定結果とに基づき、自車両と対象車両との優先/非優先の関係を判定する。その後、優先/非優先の判定結果を、候補リスト作成部105に出力して、ステップS112に移行する。
ステップS112では、候補リスト作成部105において、優先/非優先の判定結果に基づき、自車両が優先側の車両か否かを判定する。そして、自車両が優先側の車両であると判定した場合(Yes)は、ステップS114に移行し、そうでないと判定した場合(No)は、ステップS130に移行する。
ステップS114に移行した場合は、候補リスト作成部105において、交通シーンの判定結果と、優先側の車両である判定結果とに基づき、メモリ42に格納されたメッセージセットから、これらの判定結果に応じたメッセージに対応するコード情報を読み出す。そして、読み出したコード情報から候補リストを作成し、作成した候補リストを送信メッセージ選択部107に出力して、ステップS116に移行する。
ステップS116では、ドライバ情報入力部106において、ドライバ情報の入力があったか否かを判定する。そして、入力があったと判定した場合(Yes)は、入力されたドライバ情報を送信メッセージ選択部107に出力して、ステップS118に移行し、そうでないと判定した場合(No)は、ステップS104に移行する。
ステップS118に移行した場合は、送信メッセージ選択部107において、ドライバ情報に基づき、ドライバの進路の譲歩に関する意思を推定して、ステップS120に移行する。
ステップS120では、送信メッセージ選択部107において、ステップS118で判定したドライバの意思に応じた内容のメッセージに対応するコード情報を、候補リストから選択する。そして、選択したコード情報を、メッセージ情報送信部108に出力して、ステップS122に移行する。
ステップS122では、メッセージ情報送信部108において、選択したコード情報と、対象車両のIDとを、送信指令と共に、通信装置36に出力して、ステップS124に移行する。これにより、通信装置36は、対象車両のIDで特定される車両に対して、選択したコード情報を無線送信する。
ステップS124では、メッセージ情報受信部110において、送信したコード情報は、譲歩メッセージに対応するコード情報であるか否かを判定する。そして、譲歩メッセージに対応するコード情報であると判定した場合(Yes)は、ステップS126に移行し、そうでないと判定した場合(No)は、ステップS104に移行する。
ステップS126に移行した場合は、メッセージ情報受信部110において、通信装置36を介して、お礼のメッセージに対応するコード情報を受信したか否かを判定する。そして、お礼のメッセージに対応するコード情報を受信したと判定した場合(Yes)は、受信したコード情報を、メッセージ提示部111に出力する。その後、ステップS128に移行する。一方、お礼のメッセージに対応するコード情報を、譲歩メッセージに対応するコード情報を受信したと判定してから、予め設定した時間が経過するまで受信しなかったと判定した場合(No)は、ステップS104に移行する。
ステップS128に移行した場合は、メッセージ提示部111において、ステップS126で受信したコード情報に対応するお礼のメッセージの音声情報を、メモリ42から読み出す。そして、読み出した音声情報を、オーディオ機器37に出力して、ステップS104に移行する。
一方、ステップS112において、自車両が非優先車両であると判定されステップS130に移行した場合は、メッセージ情報受信部110において、通信装置36を介して、対象車両からの譲歩メッセージに対応するコード情報を受信したか否かを判定する。そして、受信したと判定した場合(Yes)は、受信したコード情報をメッセージ提示部111に出力して、ステップS132に移行する。一方、譲歩メッセージに対応するコード情報を受信しなかったと判定した場合(No)は、ステップS104に移行する。
ステップS132に移行した場合は、メッセージ提示部111において、ステップS130で受信したコード情報に対応する譲歩メッセージの音声情報を、メモリ42から読み出す。そして、読み出した音声情報を、オーディオ機器37に出力して、ステップS134に移行する。
ステップS134では、お礼メッセージ情報自動送信部112において、周期的に入力される自車両情報に基づき、自車両の譲歩進路への移動実施の挙動があったか否かを判定する。そして、移動実施の挙動があったと判定した場合(Yes)は、ステップS136に移行し、そうでないと判定した場合(No)は、ステップS142に移行する。
ステップS136に移行した場合は、お礼メッセージ情報自動送信部112において、移動を完了したと判定した時点のタイマ変数TCの値が、予め設定した閾値以下か否かを判定する。そして、閾値以下であると判定した場合(Yes)は、ステップS138に移行し、そうでないと判定した場合(No)は、ステップS104に移行する。
ステップS138に移行した場合は、お礼メッセージ情報自動送信部112において、お礼メッセージに対応するコード情報と対象車両のIDとを、送信指令と共に通信装置36に出力して、ステップS140に移行する。
ステップS140では、お礼メッセージ情報自動送信部112において、タイマ変数TCをクリアして、ステップS104に移行する。
一方、ステップS134において、自車両の譲歩進路への移動実施の挙動が無いと判定されステップS142に移行した場合は、お礼メッセージ情報自動送信部112において、タイマ変数TCをインクリメントして、ステップS134に移行する。
(動作)
次に、本実施形態の動作を説明する。
図4は、出会い頭のシーンの一例を示す図である。また、図5は、出会い頭のシーンにおいて、発話音声に応じた優先側のメッセージに対応するコード情報の送信態様の一例を示す図である。また、図6は、右折のシーンの一例を示す図である。
イグニッションスイッチがONされ、電源がONされると、コントローラ10において専用のプログラムが実行される。これにより、初期化処理が実行され、プログラムで用いる各種変数等が初期化される。初期化処理後は、各種センサ、各種装備品、ナビゲーション装置32、通信装置36等が作動して、これらによって取得される各種情報がコントローラ10に入力される。
コントローラ10は、まず、周辺車両情報収集部100において、メモリ42から自車両IDを読み出す。周辺車両情報収集部100は、読み出した自車両IDに基づき、周辺車両情報の送信要求を生成する。送信要求には、自車両IDが含まれている。そして、通信装置36を介して、自車両の周辺に存在する周辺車両の各車両に対して、周辺車両情報の送信要求を送信する(ブロードバンド送信)。これによって、自車両の周辺に他車両が存在する場合は、各他車両から周辺車両情報が、他車両の備える通信装置36を介して自車両へと送信される。自車両は、この周辺車両情報を、通信装置36を介して、周辺車両情報収集部100において受信する。これにより、周辺車両情報が収集される(S100)。ここでは、通信周期を100[ms]とし、100[ms]周期で繰り返し収集される。
また、周辺車両情報として、車両IDと、メッセージセットバージョンと、位置情報(緯度、経度)と、車速と、進行方向と、方向指示スイッチ40及びブレーキランプスイッチ41のオン・オフ状態を示す情報とを収集したとする。
次に、自車両情報収集部101において、ナビゲーション装置32から入力される自車位置の情報と、各種センサから入力されるセンサ検出信号と、各種装備品のスイッチから入力されるスイッチ信号とに基づき、自車両の動作状態(挙動)に関する情報と、装備品に関する情報とを収集する。加えて、メモリ42に格納された自車両IDを読み出す(読み出しは1回のみ)。これにより、自車両情報が収集される(S102)。自車両情報は、周辺車両情報に合わせて、100[ms]周期で繰り返し収集される。
このようにして、周辺車両情報と自車両情報とが収集されると、対象車両抽出部102において、周辺車両の中から自車両の通行に影響のある対象車両を抽出する(S104)。
[出会い頭のシーン]
以下、図4に例示する出会い頭のシーンを例に挙げて説明する。
なお、図4において、車両A〜Eの全てが、本実施形態に係る通行支援装置を搭載した車両と同様の構成を有するものとする。
まず、図4中Bが自車両である場合の動作を説明する。
対象車両抽出部102は、自車両Bの位置情報と、周辺車両である他車両A、C、D、Eの位置情報とに基づき、まず、自車両Bと、他車両A、C、D、Eとの位置関係を演算する。次に、対象車両抽出部102は、この位置関係と、自車両B、他車両A、C、D、Eの各車両の進行方向とに基づき、自車両Bの進路と将来的に交差又は合流する進路を走行する他車両を対象車両として抽出する。図4の例では、自車両Bの合流又は右折ポイントに向かって走行し、かつ自車両Bの進行方向と交差する進行方向の他車両AとDとが対象車両の候補として抽出される。次に、対象車両抽出部102は、自車両B、他車両A、Dの方向指示スイッチ40のオン・オフの情報に基づき対象車両を絞り込む。ここでは、自車両Bの左折側の方向指示スイッチがオン状態となっており、他車両A、Dの方向指示スイッチ40はいずれの方向もオフ状態になっていることとする。これにより、自車両Bは、他車両Aの進路に合流する挙動を行っていると判定することができる。従って、自車両Bの通行に影響を与える可能性のある対象車両として、他車両Aが抽出される。対象車両抽出部102は、この抽出結果を、交通シーン判定部103に出力する(S106)。
なお、図4の例において、自車両Bの左折指示が遅い場合など、いずれの車両も方向指示スイッチ40がオフ状態であると判定した場合は、他車両A、Eの双方が対象車両として抽出される。
交通シーン判定部103は、対象車両抽出部102の抽出結果と、各車両の上記挙動とから、自車両Bと他車両Aとの間で発生する交通シーンが、出会い頭のシーンであると判定する。交通シーン判定部103は、この判定結果を、優先関係判定部104と、候補リスト作成部105とにそれぞれ出力する(S108)。
優先関係判定部104は、自車両Bの走行速度V1及び他車両Aの走行速度V2と、予め設定された低速度閾値VL及び高速度閾値VHとをそれぞれ比較する。ここでは、自車両Bの走行速度V1が低速度閾値VLよりも遅い速度であり、他車両Aの走行速度V2が高速度閾値VHよりも速い速度であったとする。優先関係判定部104は、この比較結果から、自車両Bが低速度で移動または停止していると判定する。そして、優先関係判定部104は、この判定結果から、自車両Bが非優先側であり、他車両Aが優先側であると判定し、この判定結果を候補リスト作成部105に出力する(S110)。
候補リスト作成部105は、自車両Bが非優先側であるとの判定結果に基づき(S112のNo)、該判定結果をメッセージ情報受信部110に出力する。
メッセージ情報受信部110は、自車両Bが非優先側であるとの判定結果から、優先側の車両である車両Aから、進路の譲歩に関するメッセージに対応するコード情報を、通信装置36を介して受信したか否かを判定する(S130)。
ここでは、「お先にどうぞ」といった譲歩メッセージに対応するコード情報を受信したとする(S130のYes)。メッセージ情報受信部110は、受信したコード情報を、メッセージ提示部111に出力する。例えば、「01」というコード情報が、「お先にどうぞ」というメッセージに対応するコード情報であるとする。また、メッセージ情報受信部110は、譲歩メッセージに対応するコード情報を受信したことを、お礼メッセージ情報自動送信部112に通知する。
メッセージ提示部111は、コード情報が入力されると、メモリ42に格納されたメッセージセットから、コード情報「01」に対応する「お先にどうぞ」の音声情報を読み出す。そして、メッセージ提示部111は、読み出した音声情報を、オーディオ機器37に出力する(S132)。
これにより、オーディオ機器37は、アンプにおいて、音声情報から音響信号を生成し、生成した音響信号をスピーカに出力する。スピーカからは、「お先にどうぞ」という音声メッセージが出力される。
一方、お礼メッセージ情報自動送信部112は、自車両情報収集部101から周期的に入力される自車両情報に基づき、自車両Bの譲歩進路への移動実施の挙動があったか否かを判定する(S134)。図4の例では、自車両Bは、他車両Aの進路に左折で合流することになるので、位置情報や進行方向の変化などから、そのような移動が実施されたか否かを判定する。この判定において、移動が実施されていないと判定される(S134のNo)毎に、タイマ変数TCの値が予め設定された値だけインクリメントされる(S142)。やがて、自車両Bの譲歩進路への移動が実施されると(S134のYes)、お礼メッセージ情報自動送信部112は、タイマ変数TCの値が、予め設定されたタイマ閾値以下か否かを判定する(S136)。この判定により、タイマ閾値以下であると判定されると(S136のYes)、お礼メッセージ情報自動送信部112は、お礼メッセージに対応するコード情報を、メモリ42から読み出す。そして、読み出したコード情報を、通信装置36を介して、他車両Aに送信する(S138)。つまり、ドライバ間の意思伝達により円滑に合流が成功したと判断して、譲歩をしてくれた優先側車両Aに対して、お礼に関するメッセージ(例えば、「譲ってくれてありがとう」など)に対応するコード情報(例えば「03」)を送信する。
お礼メッセージ情報自動送信部112は、お礼メッセージに対応するコード情報を送信後に、タイマ変数TCの値をクリア(例えば初期値0にクリア)する。
また、お礼メッセージ情報自動送信部112は、自車両Bの譲歩進路への移動実施後におけるタイマ変数TCの値が、タイマ閾値より大きいと判定されると(S136のNo)、お礼メッセージに対応するコード情報を送信しないようになっている。つまり、意思伝達がうまくいかずに、円滑な合流ができなかったと判断する。
なお、自車両情報送信部109は、他車両A、C、D、Eのいずれかから、周辺車両情報(自車両情報)の送信要求を受信したと判定すると、自車両情報収集部101から入力された自車両情報を、通信装置36を介して、送信要求元の他車両に対して送信する。
次に、図4中Aが自車両である場合の動作を説明する。
対象車両抽出部102は、自車両Aの位置情報と、周辺車両である他車両B、C、D、Eの位置情報とに基づき、まず、自車両Aと、他車両B、C、D、Eとの位置関係を演算する。次に、対象車両抽出部102は、この位置関係と、自車両A、他車両B、C、D、Eの各車両の進行方向とに基づき、自車両Aの進路と将来的に交差又は合流する進路を走行する他車両を対象車両として抽出する。図4の例では、自車両Aの進行方向と交差する進行方向の他車両Bが対象車両として抽出される。対象車両抽出部102は、この抽出結果を、交通シーン判定部103に出力する(S106)。
交通シーン判定部103は、対象車両抽出部102の抽出結果と、各車両の挙動とから、自車両Aと他車両Bとの間で発生する交通シーンを判定する。交通シーン判定部103は、自車両A及び他車両Bの方向指示スイッチ40のオン・オフの情報にも基づき車両の挙動を検出する。ここでは、自車両Aの方向指示スイッチ40はいずれの方向もオフ状態となっており、他車両Bの左折側の方向指示スイッチがオン状態となっていることとする。これにより、自車両Aと他車両Bとは交差する進路を走行しており、かつ他車両Bは自車両Aの進路に左折で合流する挙動を行おうとしていると判定することができる。従って、交通シーン判定部103は、自車両Aと他車両Bとの間で発生する交通シーンを、出会い頭のシーンであると判定する。交通シーン判定部103は、この判定結果を、優先関係判定部104と、候補リスト作成部105とにそれぞれ出力する(S108)。
優先関係判定部104は、自車両Aの走行速度V1及び他車両Bの走行速度V2と、予め設定された低速度閾値VL及び高速度閾値VHとをそれぞれ比較する。ここでは、自車両Aの走行速度V1が高速度閾値VHよりも速い速度であり、他車両Bの走行速度V2が低速度閾値VLよりも遅い速度であったとする。優先関係判定部104は、この比較結果から、自車両Aが他車両Bと比較して速い速度で移動しており、かつ他車両Bが低速度で移動又は停止していると判定する。なお、停止の判定については、ブレーキランプスイッチ41のオン・オフの状態からも判定することが可能である。そして、優先関係判定部104は、この判定結果から、自車両Aが優先側であり、他車両Bが非優先側であると判定し、この判定結果を候補リスト作成部105に出力する(S110)。
候補リスト作成部105は、入力された判定結果に基づき自車両Aが優先側の車両であると判定すると(S112のYes)、メモリ42に格納されたメッセージセットから、出会い頭のシーンにおいて優先側に対応するメッセージに対応するコード情報の候補を読み出す。例えば、「お先にどうぞ」などといった譲歩メッセージと、「出てくるな」などといった拒否メッセージとにそれぞれ対応するコード情報を候補として読み出す。候補リスト作成部105は、読み出したコード情報から候補リストを作成し、作成した候補リストを送信メッセージ選択部107に出力する(S114)。
ドライバ情報入力部106は、ドライバ情報の入力があったか否かを判定する(S116)。ここでは、図5に示すように、ドライバの発話行為に応じた発話情報が、ドライバ情報として入力される場合を例に挙げて説明する。
例えば、図5の実線の吹き出しに示すように、ドライバがマイク38に向かって「いいよ」と発話したとする。これにより、マイク38を介して、ドライバの「いいよ」という発話音声の情報がドライバ情報入力部106に入力される(S116のYes)。本実施形態では、ドライバ情報入力部106は、入力されたアナログの音声情報をデジタルの音声情報に変換して、送信メッセージ選択部107に出力する。
送信メッセージ選択部107は、ドライバの「いいよ」という発話音声の音声情報が入力されると、該音声情報を公知の音声解析エンジンを用いて音声解析する。送信メッセージ選択部107は、音声解析結果から、ドライバに譲歩の意思があると判定する(S118)。そして、送信メッセージ選択部107は、ドライバの譲歩の意思に応じて、候補リストから、譲歩メッセージである「お先にどうぞ」に対応するコード情報を選択する(S120)。送信メッセージ選択部107は、選択したコード情報を、メッセージ情報送信部108に出力する。
メッセージ情報送信部108は、図5に示すように、「お先にどうぞ」のコード情報に基づき、そのコード情報「01」を、通信装置36を介して、他車両Bに送信する(S122)。また、メッセージ情報送信部108は、送信したコード情報を、メッセージ情報受信部110に出力する。
メッセージ情報受信部110は、コード情報「01」の入力に応じて、送信したコード情報が譲歩メッセージに対応するコード情報であると判定する(S124のYes)。これにより、メッセージ情報受信部110は、引き続き、他車両Bからのお礼メッセージに対応するコード情報を受信したか否かを判定する(S126)。ここで、他車両Bからのお礼メッセージに対応するコード情報(例えば「03」)を受信したと判定すると(S126のYes)、受信したコード情報「03」を、メッセージ提示部111に出力する。
メッセージ提示部111は、コード情報「03」が入力されると、メモリ42に格納されたメッセージセットからコード情報「03」に対応するお礼メッセージである「譲ってくれてありがとう」の音声情報を読み出す。メッセージ提示部111は、読み出した音声情報を、オーディオ機器37に出力する(S132)。
これにより、オーディオ機器37は、アンプにおいて、音声情報から音響信号を生成し、生成した音響信号をスピーカに出力する。スピーカからは、「譲ってくれてありがとう」という音声メッセージが出力される。
一方、例えば、図5の点線の吹き出しに示すように、ドライバがマイク38に向かって「ダメ!」と発話したとする。これにより、マイク38を介して、ドライバの「ダメ!」という発話音声の音声情報がドライバ情報入力部106に入力される(S116のYes)。ドライバ情報入力部106は、入力された「ダメ!」のアナログの音声情報をデジタルの音声情報に変換して、送信メッセージ選択部107に出力する。
送信メッセージ選択部107は、ドライバの「ダメ!」という発話音声の音声情報が入力されると、該音声情報を公知の音声解析エンジンを用いて音声解析する。送信メッセージ選択部107は、音声解析結果から、ドライバに右折や合流等の進路の譲歩を拒否する意思があると判定する(S118)。なお、「ダメ!」という発話内容の他に、例えば、「出てくるな」、「待て」などの発話内容の場合もドライバに譲渡拒否の意思があると推定する。そして、送信メッセージ選択部107は、ドライバの譲歩拒否の意思に応じて、候補リストから、譲歩拒否メッセージである「出てくるな」に対応するコード情報を選択する(S120)。送信メッセージ選択部107は、選択したコード情報を、メッセージ情報送信部108に出力する。
メッセージ情報送信部108は、「出てくるな」のコード情報に基づき、図5に示すように、そのコード情報「02」を、通信装置36を介して、他車両Bに送信する(S122)。また、メッセージ情報送信部108は、送信したコード情報を、メッセージ情報受信部110に出力する。
メッセージ情報受信部110は、コード情報「02」の入力に応じて、送信したコード情報が譲歩拒否メッセージに対応するコード情報であると判定し(S124のNo)、周期的に更新される自車両情報及び周辺車両情報に基づく対象車両の抽出処理に移行する。
なお、自車両情報送信部109は、他車両B、C、D、Eのいずれかから、周辺車両情報(自車両情報)の送信要求を受信したと判定すると、自車両情報収集部101から入力された自車両情報を、通信装置36を介して、送信要求元の他車両に対して送信する。
[右折のシーン]
次に、図6に例示する右折のシーンを例に挙げて説明する。
なお、図6において、車両A〜Eの全てが、本実施形態に係る通行支援装置を搭載した車両と同様の構成を有するものとする。
まず、図6中Aが自車両である場合の動作を説明する。
対象車両抽出部102は、自車両Aの位置情報と、周辺車両である他車両B、C、D、Eの位置情報とに基づき、まず、自車両Aと、他車両B、C、D、Eとの位置関係を演算する。次に、対象車両抽出部102は、この位置関係と、自車両A、他車両B、C、D、Eの各車両の進行方向とに基づき、自車両Aの進路と将来的に交差又は合流する進路を走行する他車両を対象車両として抽出する。対象車両抽出部102は、図6の例では、他車両C、Dは、自車両Aとの距離が、予め設定された距離よりも離れていると判定して対象から除外する。一方、他車両B、Eは、自車両Aとの距離が予め設定された距離以内であると判定される。更に、他車両B、Eは、自車両Aの進行方向と対向する進行方向であると判定される。これらの判定結果から、他車両B、Eを対象車両の候補として抽出する。
次に、対象車両抽出部102は、自車両A、他車両B、Eの方向指示スイッチ40のオン・オフの情報に基づき対象車両を絞り込む。ここでは、自車両A及び他車両Eの方向指示スイッチ40はいずれの方向もオフ状態になっており、他車両Bの方向指示スイッチ40は右折側のスイッチがオン状態となっていることとする。これにより、他車両Bは、自車両Aの進路に交差する挙動を行おうとしていると判定することができる。従って、自車両Aの通行に影響を与える可能性のある対象車両として、他車両Bが抽出される。対象車両抽出部102は、この抽出結果を、交通シーン判定部103に出力する(S106)。
なお、ナビゲーション装置32等から道路形状情報を取得する場合は、道路形状情報から、T字路であると判定することができる。そのため、T字路に対する自車両Aと、他車両B、D、Eとの位置関係を演算で求めることができる。このような場合は、方向指示スイッチ40の状態を判定せずとも(あるいは正確に判定できなくとも)、位置関係から、他車両D、Eを対象車両から除外することが可能である。但し、他車両Eに関しては、自車両との相対速度によって、対象車両となる可能性がある。
交通シーン判定部103は、対象車両抽出部102の抽出結果と、各車両の挙動とから、自車両Aと他車両Bとの間で発生する交通シーンを判定する。ここでは、自車両Aの方向指示スイッチ40はいずれの方向もオフ状態となっており、他車両Bの右折側の方向指示スイッチがオン状態となっている。これにより、交通シーン判定部103は、自車両Aと他車両Bとの間で発生する交通シーンを、右折のシーンであると判定する。交通シーン判定部103は、この判定結果を、優先関係判定部104と、候補リスト作成部105とにそれぞれ出力する(S108)。
優先関係判定部104は、自車両Bの方向指示スイッチ40の右折のオン情報と、他車両Aの方向指示スイッチ40のオフ情報とを取得できた場合は、この情報に基づき、自車両Aが優先側であり、他車両Bが非優先側であると判定する。
ここで、もし、自車両A、他車両Bの方向指示スイッチ40のオン・オフの情報を取得しない場合又は方向指示のタイミングが遅いなどの理由から他車両Bのオンの情報を取得できなかったとする。この場合、方向指示スイッチ40の状態からは、自車両Aと他車両Bとの優先/非優先の関係は判定できないことになる。
従って、自車両A、他車両Bの方向指示スイッチ40のオン・オフの情報を取得しない場合又は取得できなかった場合、優先関係判定部104は、自車両Aの走行速度V1及び他車両Bの走行速度V2と、予め設定された低速度閾値VL及び高速度閾値VHとをそれぞれ比較する。ここでは、自車両Aの走行速度V1が高速度閾値VHよりも速い速度であり、他車両Bの走行速度V2が低速度閾値VLよりも遅い速度であったとする。優先関係判定部104は、この比較結果から、自車両Aが他車両Bと比較して速い速度で移動しており、かつ他車両Bが低速度で移動又は停止していると判定する。そして、優先関係判定部104は、この判定結果から、自車両Aが優先側であり、他車両Bが非優先側であると判定する。
優先関係判定部104は、上記いずれかの方法で判定した判定結果を候補リスト作成部105に出力する(S110)。
候補リスト作成部105は、入力された判定結果に基づき自車両Aが優先側の車両であると判定すると(S112のYes)、メモリ42に格納されたメッセージセットから、右折のシーンにおいて優先側に対応するメッセージの候補に対応するコード情報を読み出す。例えば、「お先にどうぞ」などといった譲歩メッセージと、「出てくるな」などといった拒否メッセージとに対応するコード情報を候補として読み出す。候補リスト作成部105は、読み出したコード情報から候補リストを作成し、作成した候補リストを送信メッセージ選択部107に出力する(S114)。
ドライバ情報入力部106は、ドライバ情報の入力があったか否かを判定する(S116)。ここでは、ドライバの発話情報に加えて、ドライバの手を振る行為に応じた手振りの画像情報が、ドライバ情報として入力される場合を例に挙げて説明する。
例えば、ドライバが、「いいよ」と発話しながら、右から左へと大きく右手を振る行為を行ったとする。このドライバの手振りは、ドライバカメラ39によって撮影され、その撮影画像情報がドライバ情報入力部106に入力される(S116のYes)。ドライバ情報入力部106は、入力されたドライバの手振りの撮影画像情報に対して、例えば、グレースケール化処理、エッジ抽出処理等を施して手振りの動作内容を判定しやすい情報に変換する。そして、ドライバ情報入力部106は、これらの処理を施した後の手振りの撮影画像情報を、「いいよ」の発話情報と共に送信メッセージ選択部107に出力する。
送信メッセージ選択部107は、ドライバの「いいよ」という音声情報が入力されると、該音声情報を公知の音声解析エンジンを用いて音声解析する。また、送信メッセージ選択部107は、手振りの撮影画像情報が入力されると、この撮影画像情報を解析する。送信メッセージ選択部107は、この解析によって、ドライバが右手を右から左へと大きく振っていることを判定したとする。送信メッセージ選択部107は、「いいよ」と発話しながら、ドライバが右手を右から左へと大きく振っていることから、ドライバに譲歩の意思があると判定する(S118)。そして、送信メッセージ選択部107は、ドライバの譲歩の意思に応じて、候補リストから、譲歩メッセージである「お先にどうぞ」に対応するコード情報を選択する(S120)。送信メッセージ選択部107は、選択したコード情報を、メッセージ情報送信部108に出力する。
なお、発話情報、手振り情報に加えて、表情情報にも基づいて、ドライバの意思を推定するようにしてもよい。
メッセージ情報送信部108は、図5に示すように、「お先にどうぞ」のコード情報「01」を、通信装置36を介して、他車両Bに送信する(S122)。また、メッセージ情報送信部108は、送信したコード情報を、メッセージ情報受信部110に出力する。
メッセージ情報受信部110は、コード情報「01」の入力に応じて、送信したコード情報が譲歩メッセージに対応するコード情報であると判定する(S124のYes)。これにより、メッセージ情報受信部110は、引き続き、他車両Bからのお礼メッセージに対応するコード情報を受信したか否かを判定する(S126)。ここで、他車両Bからのお礼メッセージに対応するコード情報(例えば「03」)を受信したと判定すると(S126のYes)、受信したコード情報「03」を、メッセージ提示部111に出力する。
メッセージ提示部111は、コード情報「03」が入力されると、メモリ42に格納されたメッセージセットからコード情報「03」に対応するお礼メッセージである「譲ってくれてありがとう」の音声情報を読み出す。メッセージ提示部111は、読み出した音声情報を、オーディオ機器37に出力する(S132)。
これにより、オーディオ機器37は、アンプにおいて、音声情報から音響信号を生成し、生成した音響信号をスピーカに出力する。スピーカからは、「譲ってくれてありがとう」という音声メッセージが出力される。
一方、例えば、ドライバが、「ダメ!」と発話しながら、右手を胸前から前方へと手のひらが他車両B(前方)に向くように突き出す手振りを行ったとする。このドライバの手振りは、ドライバカメラ39によって撮影され、その撮影画像情報(手振り情報)がドライバ情報入力部106に入力される(S116のYes)。ドライバ情報入力部106は、入力されたドライバの手振り情報に対して、例えば、グレースケール化処理、エッジ抽出処理等を施して手振りの動作内容を判定しやすい情報に変換する。そして、ドライバ情報入力部106は、これらの処理を施した後の手振り情報を、「ダメ!」の発話情報と共に送信メッセージ選択部107に出力する。
送信メッセージ選択部107は、ドライバの「ダメ!」という発話内容の音声情報が入力されると、該音声情報を公知の音声解析エンジンを用いて音声解析する。また、送信メッセージ選択部107は、手振りの情報が入力されると、該手振り情報を解析する。送信メッセージ選択部107は、この解析によって、ドライバの胸前から前方へと手のひらが他車両Bに向くように突き出している手振りであることを判定したとする。送信メッセージ選択部107は、「ダメ!」と発話しながらドライバが他車両Bに向かって手のひらを向けた状態で手を突き出していることから、ドライバに右折進路の譲歩を拒否する意思があると判定する(S118)。そして、送信メッセージ選択部107は、ドライバの譲歩拒否の意思に応じて、候補リストから、譲歩拒否メッセージである「出てくるな」に対応するコード情報を選択する(S120)。送信メッセージ選択部107は、選択したコード情報を、メッセージ情報送信部108に出力する。
なお、発話情報、手振り情報に加えて、表情情報にも基づいて、ドライバの意思を推定するようにしてもよい。
メッセージ情報送信部108は、「出てくるな」のコード情報「02」を、通信装置36を介して、他車両Bに送信する(S122)。また、メッセージ情報送信部108は、送信したコード情報を、メッセージ情報受信部110に出力する。
メッセージ情報受信部110は、コード情報「02」の入力に応じて、送信したコード情報が譲歩拒否メッセージに対応するコード情報であると判定し(S124のNo)、周期的に更新される自車両情報及び周辺車両情報に基づく対象車両の抽出処理に移行する。
次に、図6中Bが自車両である場合の動作を説明する。
対象車両抽出部102は、自車両Bの位置情報と、周辺車両である他車両A、C、D、Eの位置情報とに基づき、まず、自車両Bと、他車両A、C、D、Eとの位置関係を演算する。次に、対象車両抽出部102は、この位置関係と、自車両B、他車両A、C、D、Eの各車両の進行方向とに基づき、自車両Bの進路と将来的に交差又は合流する進路を走行する他車両を対象車両として抽出する。図6の例では、対象車両抽出部102は、他車両Cと、自車両Bとの距離が予め設定された距離よりも遠いと判定して対象から除外する。一方、対象車両抽出部102は、他車両D、Eが、自車両Bと進行方向が同じであると判定して対象から除外する。従って、対象車両抽出部102は、自車両Bの進行方向と対向する進行方向であると判定される他車両Aを対象車両として抽出する。対象車両抽出部102は、この抽出結果を、交通シーン判定部103に出力する(S106)。
交通シーン判定部103は、対象車両抽出部102の抽出結果と、各車両の挙動とから、自車両Bと他車両Aとの間で発生する交通シーンを判定する(S108)。交通シーン判定部103は、上記位置関係や挙動に加えて、自車両B、他車両Aの方向指示スイッチ40のオン・オフの情報に基づき交通シーンを判定する。ここでは、自車両Bの方向指示スイッチ40の右折側のスイッチがオン状態となっており、他車両Aの方向指示スイッチ40はいずれの方向もオフ状態になっていることとする。これにより、交通シーン判定部103は、自車両Bと他車両Aとの間で発生する交通シーンを、右折のシーンであると判定する。交通シーン判定部103は、この判定結果を、優先関係判定部104と、候補リスト作成部105とにそれぞれ出力する。
優先関係判定部104は、自車両Bの方向指示スイッチ40の右折のオン情報と、他車両Aの方向指示スイッチ40のオフ情報とを取得できた場合は、この情報に基づき、自車両Bが非優先側であり、他車両Aが優先側であると判定する。
ここで、自車両B、他車両Aの方向指示スイッチ40のオン・オフの情報を取得しない場合又は方向指示のタイミングが遅いなどの理由から自車両Bのオンの情報を取得できなかったとする。この場合、方向指示スイッチ40の状態からは、自車両Bと他車両Aとの優先/非優先の関係は判定できないことになる。
従って、自車両B、他車両Aの方向指示スイッチ40のオン・オフの情報を取得しない場合又は取得できなかった場合、優先関係判定部104は、自車両Bの走行速度V1及び他車両Aの走行速度V2と、予め設定された低速度閾値VL及び高速度閾値VHとをそれぞれ比較する。ここでは、自車両Bの走行速度V1が低速度閾値VLよりも遅い速度であり、他車両Aの走行速度V2が高速度閾値VHよりも速い速度であったとする。優先関係判定部104は、この比較結果から、自車両Bが低速度で移動をしている、又は停止していると判定する。そして、優先関係判定部104は、この判定結果から、自車両Bが非優先側であり、他車両Aが優先側であると判定する。
優先関係判定部104は、上記いずれかの方法で判定された判定結果を候補リスト作成部105に出力する(S110)。
候補リスト作成部105は、自車両Bが非優先側であるとの判定結果に基づき(S112のNo)、該判定結果をメッセージ情報受信部110に出力する。
メッセージ情報受信部110は、自車両Bが非優先側であるとの判定結果から、優先側の車両である車両Aから、進路の譲歩に関するメッセージに対応するコード情報を、通信装置36を介して受信したか否かを判定する(130)。
ここでは、「お先にどうぞ」といった譲歩メッセージに対応するコード情報「01」を受信したとする(S130のYes)。メッセージ情報受信部110は、受信したコード情報「01」を、メッセージ提示部111に出力する。また、メッセージ情報受信部110は、コード情報「01」を受信したことを、お礼メッセージ情報自動送信部112に通知する。
メッセージ提示部111は、コード情報「01」が入力されると、メモリ42に格納されたメッセージセットから、コード情報「01」に対応する「お先にどうぞ」の音声情報を読み出す。そして、メッセージ提示部111は、読み出した音声情報を、オーディオ機器37に出力する(S132)。
これにより、オーディオ機器37は、アンプにおいて、音声情報から音響信号を生成し、生成した音響信号をスピーカに出力する。スピーカからは、「お先にどうぞ」という音声メッセージが出力される。
一方、お礼メッセージ情報自動送信部112は、周期的に入力される自車両情報に基づき、自車両Bの譲歩進路への移動実施の挙動があったか否かを判定する(S134)。図6の例では、自車両Bは、他車両Aの進路を右折で横切ることになるので、位置情報や進行方向の変化などから、そのような移動が実施されたか否かを判定する。この判定において、移動が実施されていないと判定される(S134のNo)毎に、タイマ変数TCの値が予め設定された値だけインクリメントされる(S142)。やがて、自車両Bの譲歩進路への移動が実施されると(S134のYes)、お礼メッセージ情報自動送信部112は、タイマ変数TCの値が、予め設定されたタイマ閾値以下か否かを判定する(S136)。この判定により、タイマ閾値以下であると判定されると(S136のYes)、お礼メッセージ情報自動送信部112は、お礼メッセージに対応するコード情報を、通信装置36を介して、他車両Aに送信する(S138)。つまり、ドライバ間の意思伝達により円滑に右折が成功したと判断する。そして、譲歩をしてくれた優先側車両Aに対して、お礼に関するメッセージ(例えば、「譲ってくれてありがとう」など)に対応するコード情報(「03」)を送信する。
お礼メッセージ情報自動送信部112は、お礼メッセージに対応するコード情報を送信後に、タイマ変数TCの値をクリア(例えば初期値0にクリア)する。
また、お礼メッセージ情報自動送信部112は、自車両Bの譲歩進路への移動実施後におけるタイマ変数TCの値が、タイマ閾値以下であると判定されると(S136のNo)、お礼メッセージに対応するコード情報を送信しないようになっている。つまり、意思伝達がうまくいかずに、円滑な右折ができなかったと判断する。
ここで、上記説明において、周辺車両情報収集部100は、周辺車両情報収集手段を構成する。自車両情報収集部101は、自車両情報収集手段を構成する。対象車両抽出部102は、対象車両抽出手段を構成する。交通シーン判定部103は、交通シーン判定手段を構成する。優先関係判定部104は、優先関係判定手段を構成する。候補リスト作成部105は、候補リスト作成手段を構成する。ドライバ情報入力部106は、ドライバ情報入力手段を構成する。送信メッセージ選択部107は、送信メッセージ選択手段を構成する。メッセージ情報送信部108は、メッセージ情報送信手段を構成する。自車両情報送信部109は、自車両情報送信手段を構成する。メッセージ情報受信部110は、メッセージ情報受信手段を構成する。メッセージ提示部111は、メッセージ提示手段を構成する。お礼メッセージ情報自動送信部112は、お礼メッセージ情報自動送信手段を構成する。メッセージセットは、各交通シーンの内容に対応した複数種類のメッセージ情報を構成する。
(本実施形態の効果)
本実施形態は、次のような効果を奏する。
(1)周辺車両情報収集部100が、自車両の周辺に存在する周辺車両と通信を行って周辺車両の識別情報、位置情報及び車両運動状態に関する情報を含む周辺車両情報を収集する。自車両情報収集部101が、自車両の位置情報及び車両運動状態に関する情報を含む自車両情報を収集する。対象車両抽出部102が、周辺車両情報収集部100で収集した周辺車両情報と、自車両情報収集部101で収集した自車両情報とに基づき、周辺車両の中から自車両の通行に影響のある対象車両を抽出する。交通シーン判定部103が、周辺車両情報収集部100で収集した周辺車両情報のうち対象車両の情報と、自車両情報収集部101で収集した自車両情報とに基づき、自車両と対象車両との間で発生する交通シーンを判定する。メモリ42が、各交通シーンの内容に対応する複数種類のメッセージ情報を記憶している。ドライバ情報入力部106が、ドライバの発話音声の情報を入力する。送信メッセージ選択部107が、交通シーン判定部103で判定した交通シーンと、ドライバ情報入力部106で入力した発話音声の情報とに基づき、メモリ42に記憶された複数種類のメッセージ情報から、前記判定した交通シーンの内容に対応しかつ発話内容から推定されるドライバの意思に応じた内容のメッセージ情報を選択する。メッセージ情報送信部108が、対象車両の識別情報に基づき、送信メッセージ選択部107で選択したメッセージ情報を対象車両に送信する。自車両情報送信部109が、周辺車両からの送信要求に応じて、自車両の識別情報と自車両情報収集部101で収集した自車両情報とを送信要求元の周辺車両に送信する。メッセージ情報受信部110が、周辺車両から送信されたメッセージ情報を受信する。メッセージ提示部111が、メッセージ情報受信部110で受信したメッセージ情報に基づき周辺車両からのメッセージをドライバに提示する。
周辺車両情報と自車両情報とに基づき、自車両の通行に影響のある対象車両を抽出すると共に、自車両と対象車両との間で発生する交通シーンを判定する。更に、ドライバの発話内容の情報を入力し、判定した交通シーンに対応しかつ発話内容から推定されるドライバの意思に応じた内容のメッセージを選択する。このようにして選択したメッセージ情報を対象車両に送信するようにした。
これによって、ドライバは、メッセージを手動で選択する操作を行うことなく、交通シーンに対応しかつ自分の意思に応じたメッセージを、送信先として相応しい対象車両に自動で送信することが可能となる。
(2)優先関係判定部104が、自車両及び対象車両の位置情報に基づき検出した自車両及び対象車両の位置関係と、自車両及び対象車両の車両運動状態に関する情報に基づき検出した自車両及び対象車両の各車両の挙動とに基づき、交通シーンにおける自車両と対象車両との間の各車両の進路に対する優先・非優先の関係を判定する。候補リスト作成部105が、優先関係判定部104で判定した前記優先・非優先の関係と、交通シーン判定部103で判定した交通シーンと、メモリ42に記憶された複数種類のメッセージ情報とに基づき、前記判定した交通シーンと、前記優先・非優先の関係とに応じたメッセージ情報の候補リストを作成する。送信メッセージ選択部107が、候補リスト作成部105で作成した候補リストから、ドライバの意思に応じた内容のメッセージ情報を選択する。
自車両及び対象車両の位置関係と、自車両及び対象車両の挙動とに基づき、自車両と対象車両との間の優先・非優先の関係を判定する。交通シーンと、優先・非優先の関係と、複数種類のメッセージ情報とに基づき、メッセージ情報の候補リストを作成する。そして、作成した候補リストから、ドライバの意思に応じた内容のメッセージ情報を選択する。このようにして選択したメッセージ情報を対象車両に送信するようにした。
これによって、判定した交通シーンと自車両と対象車両との間の優先・非優先の関係とに対応し、かつドライバの意思に応じた適切なメッセージを、ドライバの手を煩わせることなく、対象車両に自動で送信することが可能となる。
(3)送信メッセージ選択部107が、優先関係判定部104で判定した前記優先・非優先の関係と、ドライバ情報入力部106で入力した発話音声の情報とに基づき、自車両が優先側であると判定されると、ドライバの発話情報から認識されるメッセージと、予め設定された進路の譲歩に関するメッセージ及び進路の譲歩拒否に関するメッセージとをそれぞれ比較し、最も近い意味合いを有すると判定されたメッセージに対応するメッセージ情報を候補リストから選択する。
例えば、ドライバの発話音声から認識されるメッセージが、「いいよ」、「どうぞ」などといった内容であれば、ドライバに進路譲歩の意思があると判定する。一方、「ダメ!」、「まて」といった内容であれば、ドライバに進路譲歩を拒否する意思があると判定する。このような判定を行うことが可能なように、進路の譲歩に関するメッセージ及び進路の譲歩拒否に関するメッセージを設定する。
これによって、候補リストから、進路の譲歩又は譲歩拒否に関する適切なメッセージを選択することが可能となる。
(4)お礼メッセージ情報自動送信部112が、優先関係判定部104で判定した前記優先・非優先の関係に基づき、自車両が非優先でありかつ対象車両が優先であると判定した場合に、対象車両から進路の譲歩に関するメッセージ情報をメッセージ情報受信部110で受信したと判定し、かつ自車両情報に基づき自車両が予め設定された時間内に譲歩を受けた進路の通行を完了したと判定すると、対象車両に対して自動的にお礼に関するメッセージ情報を送信する。
優先側の対象車両から進路の譲歩に関するメッセージ情報を受信したと判定し、その後、自車両が譲歩された進路の通行を予め設定した時間内に完了したと判定すると、対象車両に対してお礼に関するメッセージを自動で送信するようにした。
これによって、予め設定した時間内に譲歩を受けた進路の通行を完了後において、ドライバの手を煩わせることなく、お礼に関するメッセージを、対象車両に自動で送信することが可能となる。
(5)交通シーン判定部103が、自車両及び対象車両の位置関係と、自車両及び対象車両の挙動とに基づき、対象車両が自車両の走行車線に対して交差する走行車線に位置し、かつ自車両と対象車両の進行方向が交差する方向であると判定すると、自車両と対象車両とが出会い頭に遭遇する出会い頭のシーンが発生すると判定する。優先関係判定部104が、交通シーン判定部103の判定結果に基づき、出会い頭のシーンが発生したと判定した場合に、自車両及び対象車両の位置関係と、自車両及び対象車両の挙動とに基づき、対象車両が自車両の走行車線に対して交差する向きで停止していると判定するか又は対象車両が自車両の走行車線に対して交差する向きに予め設定した速度閾値以下の速度で移動していると判定すると、対象車両を非優先側の車両と判定する。
対象車両が自車両の走行車線に対して交差する走行車線に位置し、かつ自車両と対象車両の進行方向が交差する方向である場合に、出会い頭のシーンが発生すると判定する。そして、出会い頭のシーンにおいて、対象車両が自車両の走行車線に対して交差する向きで停止しているか又は交差する向きに予め設定した速度閾値以下の速度で移動している場合に、対象車両を非優先側の車両と判定するようにした。
これによって、出会い頭のシーンと、自車両が優先側及び対象車両が非優先側である判定結果とに対応し、かつドライバの意思に応じた適切なメッセージを、ドライバの手を煩わせることなく、対象車両に自動で送信することが可能となる。
(6)交通シーン判定部103が、自車両及び対象車両の位置関係と、自車両及び対象車両の挙動とに基づき、対象車両が自車両の走行車線に対して対向する走行車線に位置していると判定すると、右折のシーンが発生すると判定する。優先関係判定部104は、交通シーン判定部103の判定結果に基づき、右折のシーンが発生すると判定した場合に、自車両及び対象車両の位置関係と、自車両及び対象車両の挙動とに基づき、対象車両が自車両と対向して停止していると判定するか又は対象車両が自車両と対向する方向に予め設定した速度閾値以下の速度で移動していると判定すると、対象車両を非優先側の車両と判定する。
対象車両が自車両の走行車線に対して対向する走行車線に位置していると判定すると、右折のシーンが発生すると判定する。そして、右折のシーンにおいて、対象車両が自車両と対向して停止しているか又は対象車両が自車両と対向する方向に予め設定した速度閾値以下の速度で移動している場合に、対象車両を非優先側の車両と判定するようにした。
これによって、右折のシーンと、自車両が優先側及び対象車両が非優先側である判定結果とに対応し、かつドライバの意思に応じた適切なメッセージを、ドライバの手を煩わせることなく、対象車両に自動で送信することが可能となる。
(7)ドライバ情報入力部106が、ドライバの手振りの撮影画像情報を入力する。送信メッセージ選択部107が、手振りの撮影画像情報に基づきドライバの意思を推定し、対象車両に送信するメッセージ情報として、前記推定したドライバの意思に応じた内容のメッセージ情報を選択する。
ドライバの手振りに基づきドライバの意思を推定するようにした。これによって、ドライバの意思に応じた、適切な内容のメッセージを対象車両に送信することが可能となる。
(8)ドライバ情報入力部106が、ドライバの表情の撮影画像情報を入力する。送信メッセージ選択部107が、ドライバの表情の撮影画像情報に基づきドライバの意思を推定し、対象車両に送信するメッセージ情報として、前記推定したドライバの意思に応じた内容のメッセージ情報を選択する。
ドライバの表情の撮影画像情報に基づきドライバの意思を推定するようにした。これによって、ドライバの意思に応じた、より適切な内容のメッセージを対象車両に送信することが可能となる。
(9)ナビゲーション装置32が、自車両の位置情報に応じた場所の道路地図情報を検索可能な道路地図データベースを備える。自車両情報収集部101が、自車両の位置情報に応じた道路地図情報を自車両情報として更に収集する。
これによって、対象車両の抽出、交通シーンの判定、優先・非優先の関係の判定において、道路地図情報から解る道路形状情報などを用いることが可能となる。これによって、より正確に、対象車両の抽出、交通シーンの判定、優先・非優先の関係の判定を行うことが可能となる。
(10)自車両情報収集部101が、自車両情報として、車両の運転を支援する情報を提供する外部装置と通信を行って自車両周辺の交通情報を更に収集する。
これによって、対象車両の抽出、交通シーンの判定、優先・非優先の関係の判定において、交通情報から解る道路形状情報などを用いることが可能となる。これによって、より正確に、対象車両の抽出、交通シーンの判定、優先・非優先の関係の判定を行うことが可能となる。
〔第2実施形態〕
次に、本発明の第2実施形態について図面に基づき説明する。図7〜図8は、本発明に係る通行支援装置及び通行支援方法の第2実施形態を示す図である。なお、上記第1実施形態と同様な構成について同一の符号を付して説明する。
(構成)
本実施形態の通行支援装置を搭載した車両は、上記第1実施形態と同様な構成となる。但し、本実施形態では、自車両情報収集部101が、ナビゲーション装置32から、又は通信装置36を介してDSSS等のインフラストラクチャ(路上などに設置された外部装置等)から、自車両周辺の交差点の情報を収集する。また、交通シーン判定部103は、交通シーンの判定において、自車両情報収集部101の収集した交差点の情報に基づき、交通シーンの対象となる交差点が、信号機を有するか否かを判定する。コントローラ10は、交通シーン判定部103の判定結果に基づき、交通シーンの対象となる交差点が信号機を有すると判定すると、通行支援に係る以降の処理を実行しないように動作を制限する。このような点が、上記第1実施形態と異なる。
(通行支援処理)
次に、本実施形態の通行支援処理の処理手順について説明する。
図7は、本実施形態の通行支援処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。
電源がON(イグニッションON)され、コントローラ10において専用のプログラムが実行されると、図7に示すように、まずステップS200に移行する。
ステップS200では、周辺車両情報収集部100において、通信装置36を介して、周辺車両情報の送信要求を周辺車両に対して送信し、周辺車両から周辺車両情報を収集する。そして、収集した周辺車両情報を、対象車両抽出部102に出力して、ステップS202に移行する。なお、本実施形態においても、周辺車両情報の収集は、予め設定された通信周期で繰り返し実行される。
ステップS202では、自車両情報収集部101において、各種センサから入力されるセンサ検出信号、各種装備品のスイッチから入力されるスイッチ信号に基づき、自車両情報を収集する。更に、メモリ42から、自車両IDを読み出す。そして、収集した自車両情報と読み出した自車両IDとを、対象車両抽出部102と、自車両情報送信部109と、お礼メッセージ情報自動送信部112とにそれぞれ出力して、ステップS204に移行する。なお、本実施形態においても、自車両情報の収集は、予め設定された周期(例えば、周辺車両情報の収集と同じ周期)で繰り返し実行される。
また、自車両情報としては、上記第1実施形態と同様に、車両ID、メッセージセットバージョン、タイムスタンプ等の車両の識別や通信制御に関する情報と、位置(緯度、経度)、車速、進行方向等の車両の運動状態に関する情報と、方向指示スイッチ40、ブレーキランプスイッチ41、ハザードスイッチ、シフトポジション等の車両の装備品の状態に関する情報とを含む。
更に、本実施形態では、自車両周辺の交差点情報も、自車両情報として収集する。なお、交差点情報は、ナビゲーション装置32から取得してもよいし、DSSS等のインフラストラクチャから取得してもよい。
ステップS204では、対象車両抽出部102において、周辺車両情報と、自車両情報とに基づき、周辺車両の中から自車両の通行に影響を与える可能性のある対象車両を抽出する処理を実行する。そして、対象車両抽出部102において、抽出処理の抽出結果と、該抽出処理に関連する自車両情報及び周辺車両情報とを、交通シーン判定部103と、優先関係判定部104とにそれぞれ出力して、ステップS206に移行する。
ステップS206では、交通シーン判定部103において、抽出結果に基づき対象車両が存在するか否かを判定し、存在すると判定した場合(Yes)は、ステップS208に移行し、そうでないと判定した場合(No)は、ステップS204に移行する。
ステップS208に移行した場合は、交通シーン判定部103において、自車両情報と、周辺車両情報のうち対象車両の情報とに基づき、自車両と対象車両との間で発生する交通シーンを判定する。このとき、自車両情報及び周辺車両情報のうち交差点情報に基づき、対象の交通シーンにおける交差点の有無、交差点がある場合にその交差点の信号機の有無等も交通シーンとして判定する。その後、交通シーンの判定結果を、優先関係判定部104と、候補リスト作成部105とにそれぞれ出力して、ステップS210に移行する。
ステップS210では、交通シーン判定部103において、交通シーンの判定結果に基づき、交通シーンに交差点があり、かつこの交差点が信号機を有する交差点か否かを判定する。そして、有すると判定した場合(Yes)は、ステップS204に移行し、そうでないと判定した場合(No)は、ステップS212に移行する。
つまり、交通シーンの舞台となる交差点に、信号機が設置されている場合は、信号機の指示に従った通行を行う必要があり、コントローラ10は、譲歩等の必要が無いと判定する。そのため、信号機を有すると判定した場合は、以降の処理を実施しないように制限する。
ステップS212に移行した場合は、優先関係判定部104において、自車両情報と、周辺車両情報のうち対象車両の情報と、交通シーンの判定結果とに基づき、自車両と対象車両との優先/非優先の関係を判定する。その後、優先/非優先の判定結果を、候補リスト作成部105に出力して、ステップS214に移行する。
ステップS214では、候補リスト作成部105において、優先/非優先の判定結果に基づき、自車両が優先側の車両か否かを判定する。そして、自車両が優先側の車両であると判定した場合(Yes)は、ステップS216に移行し、そうでないと判定した場合(No)は、ステップS232に移行する。
ステップS216に移行した場合は、候補リスト作成部105において、交通シーンの判定結果と、優先側の車両である判定結果とに基づき、メモリ42に格納された複数種類のメッセージ情報から、これら判定結果に応じたメッセージに対応するコード情報を読み出す。そして、読み出したコード情報から候補リストを作成し、作成した候補リストを送信メッセージ選択部107に出力して、ステップS218に移行する。
ステップS218では、ドライバ情報入力部106において、ドライバ情報の入力があったか否かを判定する。そして、入力があったと判定した場合(Yes)は、入力されたドライバ情報を送信メッセージ選択部107に出力して、ステップS220に移行し、そうでないと判定した場合(No)は、ステップS204に移行する。
ステップS220に移行した場合は、送信メッセージ選択部107において、ドライバ情報に基づき、ドライバの進路の譲歩に関する意思を推定して、ステップS222に移行する。
ステップS222では、送信メッセージ選択部107において、ステップS220で判定したドライバの意思に応じた内容のメッセージに対応するコード情報を、候補リストから選択する。そして、選択したコード情報を、メッセージ情報送信部108に出力して、ステップS224に移行する。
ステップS224では、メッセージ情報送信部108において、入力されたコード情報と、対象車両のIDとを、送信指令と共に、通信装置36に出力して、ステップS226に移行する。これにより、通信装置36は、対象車両のIDで特定される車両に対して、コード情報を無線送信する。
ステップS226では、メッセージ情報受信部110において、送信したコード情報は、譲歩メッセージに対応するコード情報であるか否かを判定する。そして、譲歩メッセージに対応するコード情報であると判定した場合(Yes)は、ステップS228に移行し、そうでないと判定した場合(No)は、ステップS204に移行する。
ステップS228に移行した場合は、メッセージ情報受信部110において、通信装置36を介して、お礼のメッセージに対応するコード情報を受信したか否かを判定する。そして、お礼のメッセージに対応するコード情報を受信したと判定した場合(Yes)は、受信したコード情報を、メッセージ提示部111に出力して、ステップS230に移行する。一方、お礼のメッセージに対応するコード情報を予め設定した時間期間において受信しなかったと判定した場合(No)は、ステップS204に移行する。
ステップS230に移行した場合は、メッセージ提示部111において、お礼メッセージに対応するコード情報に対応するメッセージの音声情報を、メモリ42から読み出す。そして、読み出した音声情報を、オーディオ機器37に出力して、ステップS204に移行する。
一方、ステップS214において、自車両が非優先車両であると判定されステップS232に移行した場合は、メッセージ情報受信部110において、通信装置36を介して、対象車両からの譲歩メッセージに対応するコード情報を受信したか否かを判定する。そして、受信したと判定した場合(Yes)は、受信したコード情報をメッセージ提示部111に出力して、ステップS234に移行する。一方、譲歩メッセージに対応するコード情報を受信しなかったと判定した場合(No)は、ステップS204に移行する。
ステップS234に移行した場合は、メッセージ提示部111において、コード情報に対応する譲歩メッセージの音声情報を、メモリ42から読み出す。そして、読み出した音声情報を、オーディオ機器37に出力して、ステップS236に移行する。
ステップS236では、お礼メッセージ情報自動送信部112において、周期的に入力される自車両情報に基づき、自車両の譲歩進路への移動実施の挙動があったか否かを判定する。そして、移動実施の挙動があったと判定した場合(Yes)は、ステップS238に移行し、そうでないと判定した場合(No)は、ステップS244に移行する。
ステップS238に移行した場合は、お礼メッセージ情報自動送信部112において、移動を完了したと判定した時点のタイマ変数TCの値が、予め設定した閾値以下か否かを判定する。そして、閾値以下であると判定した場合(Yes)は、ステップS240に移行し、そうでないと判定した場合(No)は、一連の処理を終了する。
ステップS240に移行した場合は、お礼メッセージ情報自動送信部112において、お礼メッセージに対応するコード情報と対象車両のIDとを、送信指令と共に通信装置36に出力して、ステップS242に移行する。
ステップS242では、お礼メッセージ情報自動送信部112において、タイマ変数TCをクリアして、ステップS204に移行する。
一方、ステップS236において、自車両の譲歩進路への移動実施の挙動が無いと判定されステップS244に移行した場合は、お礼メッセージ情報自動送信部112において、タイマ変数TCをインクリメントして、ステップS236に移行する。
上記説明した以外の他の構成については、上記第1実施形態と同様となる。
(動作)
次に、本実施形態の動作を説明する。
図8は、信号機のある交差点における、出会い頭のシーンの一例を示す図である。
イグニッションスイッチがONされ、電源がONされると、コントローラ10において専用のプログラムが実行される。これにより、初期化処理が実行され、プログラムで用いる各種変数等が初期化される。初期化処理後は、各種センサ、各種装備品、ナビゲーション装置32、通信装置36等が作動して、これらによって取得される各種情報がコントローラ10に入力される。
コントローラ10は、まず、周辺車両情報収集部100において、メモリ42から自車両IDを読み出す。周辺車両情報収集部100は、読み出した自車両IDに基づき、周辺車両情報の送信要求を生成する。送信要求には、自車両IDが含まれている。そして、通信装置36を介して、自車両の周辺に存在する周辺車両の各車両に対して、周辺車両情報の送信要求を送信する(ブロードバンド送信)。これによって、自車両の周辺に他車両が存在する場合は、各他車両から周辺車両情報が、他車両の備える通信装置36を介して自車両へと送信される。自車両は、この周辺車両情報を、通信装置36を介して、周辺車両情報収集部100において受信する。これにより、周辺車両情報が収集される(S200)。ここでは、通信周期を100[ms]とし、自車両情報を100[ms]周期で繰り返し収集する。
また、周辺車両情報として、車両IDと、メッセージセットバージョンと、位置情報(緯度、経度)と、車速と、進行方向と、方向指示スイッチ40及びブレーキランプスイッチ41のオン・オフ状態を示す情報とを収集したとする。加えて、ナビゲーション装置32から取得可能な周辺の道路情報と、周辺にDSSS等のインフラストラクチャが存在する場合は、インフラストラクチャから通信装置36を介して取得可能な交通情報とを収集する。
次に、自車両情報収集部101において、ナビゲーション装置32から入力される自車位置の情報と、各種センサから入力されるセンサ検出信号と、各種装備品のスイッチから入力されるスイッチ信号とに基づき、自車両の動作状態(挙動)に関する情報と、装備品に関する情報とを収集する。加えて、メモリ42に格納された自車両IDを読み出す(読み出しは1回のみ)。加えて、ナビゲーション装置32から取得可能な周辺の道路情報と、周辺にDSSS等のインフラストラクチャが存在する場合は、インフラストラクチャから通信装置36を介して取得可能な交通情報とを収集する。これにより、自車両情報が収集される(S202)。自車両情報は、周辺車両情報に合わせて、100[ms]周期で繰り返し収集される。
このようにして、周辺車両情報と自車両情報とが収集されると、対象車両抽出部102において、周辺車両の中から自車両の通行に影響のある対象車両を抽出する(S204)。
以下、図8に例示する出会い頭のシーンを例に挙げて説明する。
なお、図8において、車両A〜Eの全てが、本実施形態に係る通行支援装置を搭載した車両と同様の構成を有するものとする。
例えば、図8中Bが自車両である場合の動作を説明する。
対象車両抽出部102は、自車両Bの位置情報と、周辺車両である他車両A、C、D、Eの位置情報とに基づき、まず、自車両Bと、他車両A、C、D、Eとの位置関係を演算する。次に、対象車両抽出部102は、この位置関係と、自車両B、他車両A、C、D、Eの各車両の進行方向とに基づき、自車両Bの進路と将来的に交差又は合流する進路を走行する他車両を対象車両として抽出する。図8の例では、自車両Bの合流(左折)又は右折ポイントに向かって走行し、かつ自車両Bの進行方向と交差する進行方向の他車両AとDとが対象車両の候補として抽出される。次に、対象車両抽出部102は、自車両B、他車両A、Dの方向指示スイッチ40のオン・オフの情報に基づき対象車両を絞り込む。ここでは、自車両Bの左折側の方向指示スイッチがオン状態となっており、他車両A、Dの方向指示スイッチ40はいずれの方向もオフ状態になっていることとする。これにより、自車両Bは、他車両Aの進路に合流する挙動を行っていると判定することができる。従って、自車両Bの通行に影響を与える可能性のある対象車両として、他車両Aが抽出される。対象車両抽出部102は、この抽出結果を、交通シーン判定部103に出力する(S206)。
なお、図8の例において、自車両Bの左折指示が遅い場合など、いずれの車両も方向指示スイッチ40がオフ状態であると判定した場合は、他車両A、Eの双方が対象車両として抽出される。
交通シーン判定部103は、対象車両抽出部102の抽出結果と、各車両の上記挙動とから、自車両Bと他車両Aとの間で発生する交通シーンが、出会い頭のシーンであると判定する。加えて、交通シーン判定部103は、周辺にDSSS等のインフラストラクチャが無い場合は、収集した情報に含まれる、自車両B及び他車両Aの位置情報と、これら位置情報に対応した道路情報とに基づき、出会い頭のシーンの舞台となる交差点に、信号機が有るか否かを判定する(S210)。図8の例では、出会い頭のシーンの舞台となる交差点に、各車両の進路に専用の信号機が設置されている。従って、道路情報には、信号機を有する交差点の情報が含まれることになり、交通シーン判定部103は、交差点に信号機があると判定する(S210のYes)。
コントローラ10は、交通シーン判定部103の上記信号機があるという判定結果に応じて、処理をS204に移行させ、以降の処理(S212〜S244)を実施しないように制限する。
なお、周辺にDSSS等のインフラストラクチャがある場合は、インフラストラクチャから取得した交通情報に基づき、出会い頭のシーンの舞台となる交差点に信号機が有るか否かを判定することが可能である。
また、S212以降の動作については、上記第1実施形態のS110以降の動作と同様となるので説明を省略する。
ここで、上記説明において、周辺車両情報収集部100は、周辺車両情報収集手段を構成する。自車両情報収集部101は、自車両情報収集手段を構成する。対象車両抽出部102は、対象車両抽出手段を構成する。交通シーン判定部103は、交通シーン判定手段を構成する。優先関係判定部104は、優先関係判定手段を構成する。候補リスト作成部105は、候補リスト作成手段を構成する。ドライバ情報入力部106は、ドライバ情報入力手段を構成する。送信メッセージ選択部107は、送信メッセージ選択手段を構成する。メッセージ情報送信部108は、メッセージ情報送信手段を構成する。自車両情報送信部109は、自車両情報送信手段を構成する。メッセージ情報受信部110は、メッセージ情報受信手段を構成する。メッセージ提示部111は、メッセージ提示手段を構成する。お礼メッセージ情報自動送信部112は、お礼メッセージ情報自動送信手段を構成する。メッセージセットは、各交通シーンの内容に対応した複数種類のメッセージ情報を構成する。
(本実施形態の効果)
本実施形態は、上記第1実施形態の効果に加えて、次のような効果を奏する。
(1)コントローラ10が、交通シーン判定部103において、自車両の位置情報に応じた道路地図情報に基づき、自車両の位置する場所が、信号機を備えた交差点であると判定すると、当該交差点における通行支援に係る処理の実行を制限する。
信号機を備えた交差点で信号規制をされているのにも関わらず、自車両と対象車両との間で不要なメッセージのやり取りが発生するのを防ぐことが可能となる。
(2)コントローラ10が、交通シーン判定部103において、交通情報に基づき、自車両の位置する場所が、信号機を備えた交差点であると判定すると、当該交差点における通行支援に係る処理の実行を制限する。
信号機を備えた交差点で信号規制をされているのにも関わらず、自車両と対象車両との間で不要なメッセージのやり取りが発生するのを防ぐことが可能となる。
(変形例)
(1)上記実施形態において、メッセージ情報送信部108、メッセージ情報受信部110、お礼メッセージ情報自動送信部112は、いずれもメッセージの音声情報ではなく、音声情報に対応付けられたコード情報を送受信する構成とした。この構成に限らず、メッセージの音声情報を直接送受信する構成としてもよい。この構成によって、例えば、相手側とメッセージセットのバージョンが合わないような場合でも、ドライバの意思に応じた適切なメッセージを送信又は受信することが可能となる。
(2)上記実施形態において、メッセージ提示部111は、オーディオ機器37においてスピーカからの音声メッセージの出力によって、ドライバに対してメッセージを提示する構成とした。この構成に限らず、各メッセージに対応する文字情報をメモリ42に格納しておき、音声メッセージの出力と共に、モニタ33にメッセージの文字情報を表示する構成としてもよい。この構成によって、譲歩メッセージや拒否のメッセージをうまく聞き取れなかったときなどに、モニタ33に表示された文字メッセージを目視で見て確認をすることが可能となる。
また、上記実施形態は、本発明の好適な具体例であり、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、上記の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの形態に限られるものではない。また、上記の説明で用いる図面は、図示の便宜上、部材ないし部分の縦横の縮尺は実際のものとは異なる模式図である。
また、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良、均等物等は本発明に含まれるものである。
6 ステアリングホイール
10 コントローラ
11 加速度センサ
12 ヨーレートセンサ
13 舵角センサ
15i 車輪速センサ
17 シフトセンサ
32 ナビゲーション装置
33 モニタ
36 通信装置
37 オーディオ機器
38 マイク
40 方向指示スイッチ
41 ブレーキランプスイッチ
42 メモリ
100 周辺車両情報収集部
101 自車両情報収集部
102 対象車両抽出部
103 交通シーン判定部
104 優先関係判定部
105 候補リスト作成部
106 ドライバ情報入力部
107 送信メッセージ選択部
108 メッセージ情報送信部
109 自車両情報送信部
110 メッセージ情報受信部
111 メッセージ提示部
112 お礼メッセージ情報自動送信部

Claims (13)

  1. 自車両の通行に影響を与える可能性のある他車両と自車両との間でメッセージの通信を行って、自車両と他車両との間の通行を支援する車両用通行支援装置であって、
    自車両の周辺に存在する周辺車両と通信を行って前記周辺車両の識別情報、位置情報及び車両運動状態に関する情報を含む周辺車両情報を収集する周辺車両情報収集手段と、
    自車両の位置情報及び車両運動状態に関する情報を含む自車両情報を収集する自車両情報収集手段と、
    前記周辺車両情報収集手段で収集した周辺車両情報と、前記自車両情報収集手段で収集した自車両情報とに基づき、前記周辺車両の中から自車両の通行に影響のある対象車両を抽出する対象車両抽出手段と、
    前記周辺車両情報収集手段で収集した周辺車両情報のうち前記対象車両の情報と、前記自車両情報収集手段で収集した自車両情報とに基づき、自車両と対象車両との間で発生する交通シーンを判定する交通シーン判定手段と、
    各交通シーンの内容に対応する複数種類のメッセージ情報を記憶しているメッセージ情報記憶手段と、
    ドライバの発話音声の情報を入力するドライバ情報入力手段と、
    前記交通シーン判定手段で判定した交通シーンと、前記ドライバ情報入力手段で入力した発話音声の情報とに基づき、前記メッセージ情報記憶手段に記憶された複数種類のメッセージ情報から、前記判定した交通シーンの内容に対応しかつ発話内容から推定されるドライバの意思に応じた内容のメッセージ情報を選択する送信メッセージ選択手段と、
    前記対象車両の識別情報に基づき、前記送信メッセージ選択手段で選択したメッセージ情報を前記対象車両に送信するメッセージ情報送信手段と、
    前記周辺車両からの送信要求に応じて、自車両の識別情報と前記自車両情報収集手段で収集した自車両情報とを送信要求元の前記周辺車両に送信する自車両情報送信手段と、
    前記周辺車両から送信されたメッセージ情報を受信するメッセージ情報受信手段と、
    前記メッセージ情報受信手段で受信したメッセージ情報に基づき前記周辺車両からのメッセージを前記ドライバに提示するメッセージ提示手段と、を備えることを特徴とする車両用通行支援装置。
  2. 自車両及び対象車両の位置情報に基づき検出した自車両及び対象車両の位置関係と、自車両及び対象車両の車両運動状態に関する情報に基づき検出した自車両及び対象車両の各車両の挙動とに基づき、前記交通シーンにおける自車両と対象車両との間の各車両の進路に対する優先・非優先の関係を判定する優先関係判定手段を備え、
    前記優先関係判定手段で判定した前記優先・非優先の関係と、前記交通シーン判定手段で判定した交通シーンと、前記メッセージ情報記憶手段に記憶された複数種類のメッセージ情報とに基づき、前記判定した交通シーンと、前記優先・非優先の関係とに応じたメッセージ情報の候補リストを作成する候補リスト作成手段と、を備え、
    前記送信メッセージ選択手段は、前記候補リスト作成手段で作成した候補リストから、前記ドライバの意思に応じた内容のメッセージ情報を選択することを特徴とする請求項1に記載の車両用通行支援装置。
  3. 前記送信メッセージ選択手段は、前記優先関係判定手段で判定した前記優先・非優先の関係と、前記ドライバ情報入力手段で入力した発話音声の情報とに基づき、自車両が優先側であると判定されると、前記ドライバの発話情報から認識されるメッセージと、予め設定された進路の譲歩に関するメッセージ及び進路の譲歩拒否に関するメッセージとをそれぞれ比較し、最も近い意味合いを有すると判定されたメッセージに対応するメッセージ情報を前記候補リストから選択することを特徴とする請求項2に記載の車両用通行支援装置。
  4. 前記優先関係判定手段で判定した前記優先・非優先の関係に基づき、自車両が非優先でありかつ対象車両が優先であると判定した場合に、対象車両から進路の譲歩に関するメッセージ情報を前記メッセージ情報受信手段で受信したと判定し、かつ前記自車両情報に基づき自車両が予め設定された時間内に譲歩を受けた進路の通行を完了したと判定すると、対象車両に対して自動的にお礼に関するメッセージ情報を送信するお礼メッセージ情報自動送信手段を備えることを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の車両用通行支援装置。
  5. 前記交通シーン判定手段は、自車両及び対象車両の位置関係と、自車両及び対象車両の挙動とに基づき、対象車両が自車両の走行車線に対して交差する走行車線に位置し、かつ自車両と対象車両の進行方向が交差する方向であると判定すると、自車両と対象車両とが出会い頭に遭遇する出会い頭のシーンが発生すると判定し、
    前記優先関係判定手段は、交通シーン判定手段の判定結果に基づき、前記出会い頭のシーンが発生したと判定した場合に、自車両及び対象車両の位置関係と、自車両及び対象車両の挙動とに基づき、対象車両が自車両の走行車線に対して交差する向きで停止していると判定するか又は対象車両が自車両の走行車線に対して交差する向きに予め設定した速度閾値以下の速度で移動していると判定すると、対象車両を非優先側の車両と判定することを特徴とする請求項2乃至請求項4のいずれか1項に記載の車両用通行支援装置。
  6. 前記交通シーン判定手段は、自車両及び対象車両の位置関係と、自車両及び対象車両の挙動とに基づき、対象車両が自車両の走行車線に対して対向する走行車線に位置していると判定すると、右折のシーンが発生すると判定し、
    前記優先関係判定手段は、交通シーン判定手段の判定結果に基づき、前記右折のシーンが発生すると判定した場合に、自車両及び対象車両の位置関係と、自車両及び対象車両の挙動とに基づき、対象車両が自車両と対向して停止していると判定するか又は前記対象車両が自車両と対向する方向に予め設定した速度閾値以下の速度で移動していると判定すると、対象車両を非優先側の車両と判定することを特徴とする請求項2乃至請求項5のいずれか1項に記載の車両用通行支援装置。
  7. 前記ドライバ情報入力手段は、前記ドライバの手振りの撮影画像情報を入力し、
    前記送信メッセージ選択手段は、前記手振りの撮影画像情報に基づき前記ドライバの意思を推定し、前記対象車両に送信するメッセージとして、前記推定したドライバの意思に応じた内容のメッセージ情報を選択することを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の車両用通行支援装置。
  8. 前記ドライバ情報入力手段は、前記ドライバの表情の撮影画像情報を入力し、
    前記送信メッセージ選択手段は、前記ドライバの表情の撮影画像情報に基づき前記ドライバの意思を推定し、前記対象車両に送信するメッセージとして、前記推定したドライバの意思に応じた内容のメッセージ情報を選択することを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載の車両用通行支援装置。
  9. 自車両の位置情報に応じた場所の道路地図情報を検索可能な道路地図データベースを備え、
    前記自車両情報収集手段は、前記自車両の位置情報に応じた道路地図情報を自車両情報として更に収集することを特徴とする請求項1乃至請求項8のいずれか1項に記載の車両用通行支援装置。
  10. 前記自車両の位置情報に応じた道路地図情報に基づき、自車両の位置する場所が、信号機を備えた交差点であると判定すると、当該交差点における通行支援に係る処理の実行を制限する制限手段を備えることを特徴とする請求項9に記載の車両用通行支援装置。
  11. 前記自車両情報収集手段は、前記自車両情報として、車両の運転を支援する情報を提供する外部装置と通信を行って自車両周辺の交通情報を更に収集することを特徴とする請求項1乃至請求項8のいずれか1項に記載の車両用通行支援装置。
  12. 前記交通情報に基づき、自車両の位置する場所が、信号機を備えた交差点であると判定すると、当該交差点における通行支援に係る処理の実行を制限する制限手段を備えることを特徴とする請求項11に記載の車両用通行支援装置。
  13. 自車両の通行に影響を与える可能性のある他車両との間でメッセージの通信を行って、自車両と他車両との間の通行を支援する車両用通行支援方法であって、
    自車両の周辺に存在する周辺車両の識別情報、位置情報及び車両運動状態に関する情報を含む周辺車両情報と、自車両の位置情報及び車両運動状態に関する情報を含む自車両情報とに基づき、前記周辺車両の中から自車両の通行に影響のある対象車両を抽出する対象車両抽出ステップと、
    前記周辺車両情報のうち前記対象車両の情報と、前記自車両情報とに基づき、自車両と対象車両との間で発生する交通シーンを判定する交通シーン判定ステップと、
    ドライバの発話音声の情報を入力するドライバ情報入力ステップと、
    前記交通シーン判定ステップにおいて判定した交通シーンと、前記ドライバ情報入力ステップにおいて入力した発話音声の情報とに基づき、各交通シーンの内容に対応した複数種類のメッセージ情報から、前記判定した交通シーンの内容に対応しかつ発話内容から推定されるドライバの意思に応じた内容のメッセージ情報を選択する送信メッセージ選択ステップと、
    前記対象車両の識別情報に基づき、前記送信メッセージ選択ステップにおいて選択したメッセージ情報を前記対象車両に送信するメッセージ情報送信ステップと、
    前記周辺車両からの送信要求に応じて、自車両の識別情報と前記自車両情報とを送信要求元の前記周辺車両に送信する自車両情報送信ステップと、
    前記周辺車両から送信されたメッセージ情報を受信するメッセージ情報受信ステップと、
    前記メッセージ情報受信ステップにおいて受信したメッセージ情報に基づき前記周辺車両からのメッセージを前記ドライバに提示するメッセージ提示ステップと、を含むことを特徴とする車両用通行支援方法。
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