JP2012251718A - 安全弁制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】金属汚染の懸念を回避できると共に、排出蒸気の吹き始めの流量が少ない状態でも規定蒸気圧以上になると弁を全開にすることができる安全弁制御装置を提供する。
【解決手段】本発明は、蒸気発生装置30により発生した蒸気が導入される蒸気安全弁2と、空気式の蒸気安全弁2の空気を収納する空気室に空気を供給し、空気室の内部を加圧する空気供給装置4と、空気室に連通し、開状態において空気室を大気に開放すると共に閉状態において空気室を大気に開放しない開放弁5と、蒸気安全弁2から排出された蒸気の温度を測定する排出蒸気温度センサ3と、排出蒸気温度センサ3により測定される蒸気の温度に基づいて開放弁5を開放させる開放弁制御部6と、を備える安全弁制御装置1である。
【選択図】図1

Description

本発明は、ボイラ等の蒸気発生装置の蒸気圧を制御する安全弁制御装置に関する。
従来、ボイラ等の蒸気発生装置において、発生した蒸気の蒸気圧を所望の蒸気圧以下に制御する安全弁が提案されている。このような安全弁は、金属コイルばねの弾性力と蒸気圧との圧力差により弁を開閉する構成となっている。そして、蒸気発生装置の内部の蒸気圧が所定の範囲を超えて高圧になった場合、安全弁が開いて高圧の蒸気を貯水タンク又は大気に逃がすようになっている(例えば、特許文献1参照)。
特開平11−192289号公報
しかしながら、従来の安全弁においては、弁及び弁接触部にプラスティック素材を用いていても、金属コイルばねから発生する金属粉により、蒸気発生装置から排出された高純度の蒸気を汚染してしまうおそれがあった。
また、金属コイルばねを用いた上記の金属式安全弁ではなく、金属コイルばねを用いない空気式安全弁を用いた場合であっても、次のような問題が生じる。即ち、空気式安全弁は、空気ばねの空気圧と蒸気圧との圧力差により弁を開閉する構成となっており、蒸気圧の圧力上昇時に弁が開く構造であるため、排出蒸気の吹き始めの流量が少ない場合に、規定蒸気圧以上でも安全弁が全開にならないことがあった。
本発明は、金属汚染の懸念を回避できると共に、排出蒸気の吹き始めの流量が少ない状態でも規定蒸気圧以上になると弁を全開にすることができる安全弁制御装置を提供することを目的とする。
本発明は、蒸気発生装置により発生した蒸気が導入される蒸気導入部、蒸気が排出される蒸気排出部、及び前記蒸気導入部と前記蒸気排出部とを連通する蒸気通路を有するバルブ本体と、空気が収容される空気室、及び該空気室に収容される空気によって押圧されるダイヤフラムであって前記蒸気通路を開閉するダイヤフラムを有する空気弁と、前記空気室に空気を供給し、該空気室の内部を加圧する空気供給装置と、前記空気室に連通し、開状態において該空気室を大気に開放すると共に閉状態において該空気室を大気に開放しない開放弁と、前記蒸気排出部から排出された蒸気の温度を測定する排出蒸気温度センサと、前記排出蒸気温度センサにより測定される蒸気の温度に基づいて前記開放弁を開放させる開放弁制御部と、を備える安全弁制御装置に関する。
また、前記開放弁制御部は、前記排出蒸気温度センサにより測定される蒸気の温度の上昇速度が所定の速度閾値を上回る場合に、前記開放弁を開放させることが好ましい。
また、前記速度閾値は、2℃〜11℃/秒であることが好ましい。
また、前記開放弁制御部は、前記排出蒸気温度センサにより測定される蒸気の温度の絶対値が所定の開弁温度閾値を上回る場合に、前記開放弁を開放させることが好ましい。
また、開弁温度閾値は、80℃〜200℃であることが好ましい。
また、前記空気供給装置を制御する空気供給制御部を更に備え、前記開放弁が開放してからの時間が所定の時間閾値を上回る場合、又は、前記排出蒸気温度センサにより測定される蒸気の温度の絶対値が所定の閉弁温度閾値を下回る場合に、前記開放弁制御部は、前記開放弁を閉鎖すると共に、前記空気供給制御部は、前記空気室に空気を所定の供給圧で供給し、該空気室の内部を加圧するように前記空気供給装置を制御することが好ましい。
また、前記時間閾値は、20秒〜60秒であることが好ましい。
また、前記閉弁温度閾値は、60℃〜80℃であることが好ましい。
また、前記空気供給装置は、前記供給圧を測定する供給圧センサを更に有し、前記空気供給制御部は、前記供給圧センサにより測定される前記供給圧が所定の供給圧閾値を上回る場合に、前記蒸気発生装置に該蒸気発生装置を緊急停止させる緊急停止信号を出力することが好ましい。
また、前記供給圧閾値は、75kPa〜85kPaであることが好ましい。
本発明の安全弁制御装置によれば、金属汚染の懸念を回避できると共に、排出蒸気の吹き始めの流量が少ない状態でも規定蒸気圧以上になると弁を全開にすることができる。
本発明の本実施形態に係る安全弁制御装置を示すブロック図である。 本実施形態の蒸気安全弁における空気弁の閉鎖状態を示す縦断面図である。 本実施形態の蒸気安全弁における空気弁の開放状態を示す縦断面図である。 安全弁制御装置における蒸気安全弁及び開放弁の動作を示すフローである。 安全弁制御装置によりボイラを停止させる場合の制御フローである。
以下、本発明の安全弁制御装置の好ましい一実施形態について、図面を参照しながら説明する。
本実施形態の安全弁制御装置1について、図1〜図3を参照しながら説明する。図1は本発明の本実施形態に係る安全弁制御装置1を示すブロック図である。図2は本実施形態の蒸気安全弁2における空気弁9の閉鎖状態を示す縦断面図である。図3は本実施形態の蒸気安全弁2における空気弁9の開放状態を示す縦断面図である。
本実施形態の安全弁制御装置1は、図1に示すように、蒸気発生装置としてのボイラ30と組み合わされて使用される。この安全弁制御装置1は、蒸気安全弁2と、排出蒸気温度センサ3と、空気供給装置4と、開放弁5と、開放弁制御部6と、空気供給制御部7と、弁噴出口20と、を備える。
安全弁制御装置1においては、蒸気が流通する経路として、ボイラ30側から、蒸気安全弁2、排出蒸気温度センサ3及び弁噴出口20が順に直列に接続されて構成される。また、蒸気安全弁2に供給される空気が流通する経路として、空気供給装置4、開放弁5及び蒸気安全弁2が、順に直列に接続されて構成される。
蒸気安全弁2は、図1に示すように、ボイラ30に設けられた蒸気排出口(図示せず)に接続される。この蒸気安全弁2は、図2及び図3に示すように、バルブ本体8及び空気弁9により構成される。
バルブ本体8は、図2及び図3に示すように、蒸気導入部10と、蒸気排出部11と、蒸気通路12と、を備える。蒸気導入部10は、ボイラ30により発生した蒸気がバルブ本体8に導入される部分である。蒸気排出部11は、バルブ本体8から蒸気が排出される部分である。蒸気通路12は、蒸気導入部10と蒸気排出部11とを連通する通路であり、その中途部にバルブシート13を有している。
空気弁9は、図2及び図3に示すように、空気室14と、ダイヤフラム15と、を備える。空気室14は、ダイヤフラム15による閉弁の閉弁圧を供給する空気が収容される部屋である。ダイヤフラム15は、空気室14に収容される空気の圧力により、空気室14側から蒸気通路12のバルブシート13側に押されるように配置される。本実施形態では、ダイヤフラム15は、蒸気通路12のバルブシート13と接触することで、蒸気通路12を閉鎖する。また、ダイヤフラム15は、蒸気通路12のバルブシート13から離間することで蒸気通路12を開放する。
バルブ本体8及び空気弁9は、共に非金属材料により構成される。本実施形態では、バルブ本体8及び空気弁9は、それぞれ、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)素材により構成されている。
排出蒸気温度センサ3は、図1に示すように、蒸気が流通する経路における蒸気安全弁2と弁噴出口20との間に配置される。より具体的には、排出蒸気温度センサ3は、蒸気安全弁2の下流側における蒸気排出部11の近傍に配置される。排出蒸気温度センサ3は、蒸気安全弁2の蒸気排出部11から排出された蒸気の温度を測定する。この排出蒸気温度センサ3は、測定した温度を、所定の時間間隔で(例えば、一秒毎に)開放弁制御部6に出力する。
空気供給装置4は、図1に示すように、蒸気安全弁2の空気室14を加圧する空気を供給する装置である。この空気供給装置4は、空気圧縮機16と、エアフィルタ17と、精密レギュレータ18と、供給圧センサ19と、を備える。
空気圧縮機16は、高圧空気を発生する機器である。空気圧縮機16としては、スクロール圧縮機やロータリー圧縮機等の小型空気圧縮機が好ましい。
エアフィルタ17は、図1に示すように、空気供給装置4から供給された空気に含まれる異物や水分を吸着して除去し、精密レギュレータ18に対して清浄な空気を通過させる部材である。エアフィルタ17としては、例えば、濾過度5μm程度のフィルタが用いられる。
精密レギュレータ18は、図1に示すように、エアフィルタ17を通過した圧縮空気圧を所望の空気圧に規制する部材である。精密レギュレータ18としては、例えば、設定圧力範囲が0.01〜0.2MPaであって、繰返し性能がフルスパンの±0.5%以内のものが用いられる。
供給圧センサ19は、精密レギュレータ18の下流側に配置される。本実施形態では、供給圧センサ19は、開放弁5の下流側に配置される。この供給圧センサ19は、精密レギュレータ18を通過した空気の圧力を測定する。
開放弁5は、図1に示すように、蒸気安全弁2の空気室14に連通しており、その開状態において空気室14を大気開放し、その閉状態において空気室14を大気開放しない弁である。開放弁5としては、入口、出口及び大気開放口を有する三方弁が好ましい。また、開放弁5が電磁式三方弁の場合、安全上、その非励磁時には大気開放口が開放されるように構成されていることが好ましい。
開放弁制御部6は、排出蒸気温度センサ3により測定される蒸気の温度に基づき、開放弁5を開放させる。この開放弁制御部6は、排出蒸気温度センサ3により測定される蒸気温度上昇速度が所望の速度閾値を上回るとき、又は、排出蒸気温度センサ3により測定される蒸気温度の絶対値が開弁温度閾値を上回るとき、開放弁5を開放させる。
開放弁制御部6が開放弁5を開放させる速度閾値は、2℃〜11℃/秒であることが好ましい。また、開放弁制御部6が開放弁5を開放させる開弁温度閾値は、80℃〜200℃であることが好ましい。本実施形態では、速度閾値が2℃/秒、開弁温度閾値が80℃に設定されている。
また、開放弁制御部6は、タイマ(図示せず)を備えている。そして、開放弁制御部6は、開放弁5の弁開放時間が所定の時間閾値を上回るとき、又は、排出蒸気温度センサ3により測定される蒸気温度の絶対値が所定の閉弁温度閾値を下回るとき、開放弁5を閉鎖させる。
開放弁制御部6が開放弁5を閉鎖させる時間閾値は、20秒〜60秒であることが好ましい。また、開放弁制御部6が開放弁5を閉鎖させる閉弁温度閾値は、60℃〜80℃であることが好ましい。
空気供給制御部7は、空気供給装置4の動作を制御する。具体的には、空気供給制御部7は、ボイラ30が動作することに応じて、空気室14に空気を所定の供給圧で供給し、空気室14の内部を加圧するように空気供給装置4を制御する。これにより、蒸気安全弁2の蒸気通路12が閉鎖される。
また、空気供給制御部7は、開放弁制御部6により開放弁5が開放された場合に、空気供給装置4による蒸気安全弁2への空気の供給を停止させる。そして、空気供給制御部7は、開放弁制御部6により開放された開放弁5が閉鎖された場合に、空気室14に空気を所定の供給圧で再び供給し、空気室14の内部を加圧するように空気供給装置4を制御する。
また、空気供給制御部7は、供給圧センサ19により測定される供給圧が所定の供給圧閾値を上回る場合に、ボイラ30に対してボイラ30を緊急停止させる緊急停止信号を出力する。この供給圧閾値は、精密レギュレータ18の設定圧力の100〜120%程度に設定されていることが好ましい。本実施形態の供給圧閾値は、75kPa〜85kPaである。
次に、本実施形態の安全弁制御装置1の動作について、主に図4及び図5を参照しながら説明する。図4は、安全弁制御装置1における蒸気安全弁2及び開放弁5の動作を示すフローである。図5は、安全弁制御装置1によりボイラ30を停止させる場合の制御フローである。
まず、安全弁制御装置1における蒸気安全弁2及び開放弁5の動作について説明する。図4に示すように、ステップST11において、ボイラ30が駆動されると、空気供給制御部7は、空気供給装置4の運転を開始させる。
空気供給装置4の運転が開始されると、ステップST12において、規定圧に設定された空気が、空気圧縮機16、エアフィルタ17、精密レギュレータ18及び開放弁5を通過して、蒸気安全弁2の空気室14に供給され、空気弁9が閉鎖される。
次いで、ステップST13において、ボイラ30から蒸気が発生すると、蒸気が蒸気安全弁2の蒸気導入部10から蒸気通路12に流入する。このとき、空気弁9のダイヤフラム15には、蒸気通路12側から空気室14側への蒸気圧が印加される。そして、この蒸気圧が所定圧を超えると、ダイヤフラム15が図2の上側に押されて、蒸気が蒸気安全弁2の蒸気排出部11から徐々に漏れ始める。本実施形態において、ダイヤフラム15に対する所定圧は、空気室14の空気圧が75kPa〜80kPaのときに、100kPa〜110kPa程度である。
次いで、ステップST14において、開放弁制御部6は、空気弁9の開弁条件を満たすか否かを判定する。具体的には、開放弁制御部6は、排出蒸気温度センサ3により測定される蒸気温度上昇速度が所望の速度閾値を上回った場合、又は、排出蒸気温度センサ3により測定される蒸気温度の絶対値が開弁温度閾値を上回った場合に、開弁条件を満たした(YES)と判定し、処理は、ステップST15へ進む。一方、その他の空気弁9の開弁条件を満たさない場合(NO)には、処理は、ステップST14を繰り返す。
ステップST15において、開放弁制御部6は、開放弁5を開放させる。これにより、空気室14に供給された空気が大気開放されて、空気室14の空気圧が急激に減少する。
その結果、ステップST16において、蒸気圧によってダイヤフラム15が上方に押され、空気弁9は開放され、全開状態になる。
また、開放弁制御部6により開放弁5が開放されると、ステップST17において、空気供給制御部7は、空気供給装置4による蒸気安全弁2への空気の供給を停止させる。また、開放弁制御部6は、開放弁5を開放させると、タイマによりカウントを開始する。
次いで、ステップST18において、開放弁制御部6は、空気弁9の閉弁条件を満たすか否かを判定する。具体的には、開放弁制御部6は、排出蒸気温度センサ3により測定される蒸気温度の絶対値が所定の閉弁温度閾値を下回った場合、又は、タイマによりカウントされる開放弁5の弁開放時間が所定の時間閾値を上回った場合に、閉弁条件を満たした(YES)と判定し、処理は、ステップST19へ進む。一方、その他の空気弁9の閉弁条件を満たさない場合(NO)には、処理は、ステップST15に戻る。
ステップST19において、開放弁制御部6は、開放弁5を閉鎖させる。また、空気供給制御部7は、開放弁制御部6により開放弁5が閉鎖されると、ステップST20において、空気供給装置4による蒸気安全弁2への空気の供給を再開させる。これにより、空気室14に空気が再び供給され、空気室14の空気圧が回復する。
その結果、空気圧によってダイヤフラム15を下方に押す力が復帰し、ステップST21において、ダイヤフラム15を印加する蒸気圧が所定圧を超えない場合、空気弁9は閉鎖され、全閉になる。
尚、空気供給装置4が運転状態の場合には、図4のステップST14からステップST21を繰り返す。空気供給装置4の運転が終了したときには、開放弁制御部6の制御は終了する。
次に、安全弁制御装置1によりボイラ30を停止させる場合の制御フローにつき、図5を参照しながら説明する。図5に示すように、ステップST31において、空気供給装置4の運転が開始されると、規定圧に設定された空気が蒸気安全弁2の空気室14に供給される。
そして、ステップST32において、供給圧センサ19によって、空気室14に供給される空気の圧力(供給圧)の測定が開始される。
次いで、ステップST33において、空気供給制御部7は、空気室14に供給される空気の供給圧が供給圧閾値を超えたか否かを判定する。空気供給制御部7が、空気室14に供給される空気の供給圧が供給圧閾値を超えたと判定した場合(YES)には、処理は、ステップST34へ進む。一方、空気供給制御部7が、供給圧が供給圧閾値を超えていないと判定した場合(NO)には、処理は、ステップST32に戻る。
ステップST34において、空気供給制御部7は、ボイラ30に対して緊急停止信号を出力し、ボイラ30を緊急停止させる。
以上説明した本実施形態の安全弁制御装置1によれば、以下のような効果を奏する。
(1)開放弁制御部6を、排出蒸気温度センサ3により測定される蒸気の温度に基づいて、開放弁5を開放し、空気室14を大気開放させる構成にした。空気弁9だけでは蒸気圧のみによって瞬時に全開にすることが困難である。一方、本実施形態では、空気室14を大気開放させることにより、蒸気圧のみによって空気弁9を瞬時に全開にすることができる。また、開放弁5が非励磁タイプであれば停電時等の電気が供給されない場合に空気室14を大気開放するので、ボイラ30から発生した残留蒸気圧のみによって空気弁9を安全に全開にすることができる。
(2)排出蒸気温度センサ3により測定される蒸気の温度の上昇速度が所定の速度閾値を上回る場合に、開放弁5を開放させるように開放弁制御部6を構成した。これにより、わずかな温度上昇を検出して開放弁5及び空気室14を開放することにより、空気弁9を素早く全開にすることができる。例えば、速度閾値が2℃/秒の場合、蒸気圧を約15秒で大気圧まで低下させることができる。
(3)排出蒸気温度センサ3により測定される蒸気の温度の絶対値が所定の開弁温度閾値を上回る場合に、開放弁5を開放させるように開放弁制御部6を構成した。これにより、空気弁9からの蒸気の漏れが少なく、蒸気の温度上昇速度が所定の速度閾値を下回る場合であっても、高温の蒸気を検出して開放弁5及び空気室14を開放することにより、空気弁9を素早く全開にすることができる。例えば、開弁温度閾値が80℃の場合、蒸気圧を15秒に近い時間で迅速に大気圧まで低下させることができる。
(4)開放弁5が開放してからの時間が所定の時間閾値を上回る場合、又は、排出蒸気温度センサ3により測定される蒸気の温度の絶対値が所定の閉弁温度閾値を下回る場合に、開放弁5を閉鎖すると共に、空気室14に空気を所定の供給圧で供給し、空気室14の内部を加圧するように空気供給装置4を制御するように開放弁制御部6を構成した。これにより、低下させた蒸気圧の過低下を防止することができる。例えば、時間閾値を45秒とし、閉弁温度閾値を70℃とした場合、蒸気圧を大気圧に近い状態にまで低下したときに空気弁9を閉鎖することができる。
(5)供給圧センサ19により測定される供給圧が所定の供給圧閾値を上回る場合、ボイラ30に該ボイラ30を緊急停止させる緊急停止信号を出力するように空気供給制御部7を構成した。これにより、空気供給装置4の精密レギュレータ18が故障して、空気室14に供給される空気の圧力が高くなった場合に、ボイラ30の動作を停止させられる。よって、蒸気安全弁2の動作不良に起因するボイラ30の蒸気圧の過上昇を防げる。例えば、供給圧閾値が75kPa〜85kPaとした場合、空気弁9の初期開弁圧力が100kPa〜110kPa程度となるので、空気弁9の初期開弁圧力と供給圧閾値とのバランスを好適に保つことができる。
以上、本発明の好ましい各実施形態について説明したが、本発明は、上述した各実施形態に制限されるものではなく、適宜変更が可能である。
1 安全弁制御装置
2 蒸気安全弁
3 排出蒸気温度センサ
4 空気供給装置
5 開放弁
6 開放弁制御部
7 空気供給制御部
8 バルブ本体
9 空気弁
10 蒸気導入部
11 蒸気排出部
12 蒸気通路
13 バルブシート
14 空気室
15 ダイヤフラム
16 空気圧縮機
17 エアフィルタ
18 精密レギュレータ
19 供給圧センサ
20 弁噴出口
30 ボイラ(蒸気発生装置)

Claims (10)

  1. 蒸気発生装置により発生した蒸気が導入される蒸気導入部、蒸気が排出される蒸気排出部、及び前記蒸気導入部と前記蒸気排出部とを連通する蒸気通路を有するバルブ本体と、
    空気が収容される空気室、及び該空気室に収容される空気によって押圧されるダイヤフラムであって前記蒸気通路を開閉するダイヤフラムを有する空気弁と、
    前記空気室に空気を供給し、該空気室の内部を加圧する空気供給装置と、
    前記空気室に連通し、開状態において該空気室を大気に開放すると共に閉状態において該空気室を大気に開放しない開放弁と、
    前記蒸気排出部から排出された蒸気の温度を測定する排出蒸気温度センサと、
    前記排出蒸気温度センサにより測定される蒸気の温度に基づいて前記開放弁を開放させる開放弁制御部と、を備える安全弁制御装置。
  2. 前記開放弁制御部は、前記排出蒸気温度センサにより測定される蒸気の温度の上昇速度が所定の速度閾値を上回る場合に、前記開放弁を開放させる請求項1に記載の安全弁制御装置。
  3. 前記速度閾値は、2℃〜11℃/秒である請求項2に記載の安全弁制御装置。
  4. 前記開放弁制御部は、前記排出蒸気温度センサにより測定される蒸気の温度の絶対値が所定の開弁温度閾値を上回る場合に、前記開放弁を開放させる請求項1〜3のいずれかに記載の安全弁制御装置。
  5. 前記開弁温度閾値は、80℃〜200℃である請求項4に記載の安全弁制御装置。
  6. 前記空気供給装置を制御する空気供給制御部を更に備え、
    前記開放弁が開放してからの時間が所定の時間閾値を上回る場合、又は、前記排出蒸気温度センサにより測定される蒸気の温度の絶対値が所定の閉弁温度閾値を下回る場合に、前記開放弁制御部は、前記開放弁を閉鎖すると共に、前記空気供給制御部は、前記空気室に空気を所定の供給圧で供給し、該空気室の内部を加圧するように前記空気供給装置を制御する請求項1〜5のいずれかに記載の安全弁制御装置。
  7. 前記時間閾値は、20秒〜60秒である請求項6に記載の安全弁制御装置。
  8. 前記閉弁温度閾値は、60℃〜80℃である請求項6又は7に記載の安全弁制御装置。
  9. 前記空気供給装置は、前記供給圧を測定する供給圧センサを更に有し、
    前記空気供給制御部は、前記供給圧センサにより測定される前記供給圧が所定の供給圧閾値を上回る場合に、前記蒸気発生装置に該蒸気発生装置を緊急停止させる緊急停止信号を出力する請求項6〜8のいずれかに記載の安全弁制御装置。
  10. 前記供給圧閾値は、75kPa〜85kPaである請求項9に記載の安全弁制御装置。
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