JP2012251619A - 車両用動力伝達装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】コンパクトで効率の高い車両用動力伝達装置を提供する。
【解決手段】車両用動力伝達装置は、偏心機構4、揺動リンク18、一方向クラッチ及びコネクティングロッド15を収容したミッションケース32と、ミッションケース32内で潤滑油38を吸入するための吸入口を有してミッションケース32の下部に設けられたオイルストレーナ33とを備える。オイルストレーナ33は、コネクティングロッド15と揺動リンク18とミッションケース32の底面とに囲まれて形成される空間に位置している。
【選択図】図7

Description

本発明は、四節リンク型の車両用動力伝達装置に関する。
従来、車両に設けられたエンジン等の駆動源からの駆動力が伝達される中空の入力軸と、入力軸と平行に配置された出力軸と、入力軸に設けられた複数の偏心機構と、出力軸に揺動自在に軸支される複数の揺動リンクと、一方の端部に偏心機構に回転自在に外嵌される大径環状部を有し、他方の端部が揺動リンクの揺動端部に連結されるコネクティングロッドとを備える四節リンク型の無段変速機が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1のものでは、各偏心機構は、入力軸に偏心して設けられた固定ディスクと、この固定ディスクに偏心して回転自在に設けられた揺動ディスクからなる。また、揺動リンクと出力軸との間には、一方向クラッチが設けられている。一方向クラッチは、揺動リンクが出力軸に対して一方側に相対回転しようとするときに、出力軸に揺動リンクを固定し、他方側に相対回転しようとするときに、出力軸に対して揺動リンクを空転させる。
入力軸には、ピニオンシャフトが挿入されるとともに、固定ディスクの偏心方向に対向する個所に切欠孔が形成され、この切欠孔からピニオンシャフトが露出している。揺動ディスクには入力軸及び固定ディスクを受け入れる受入孔が設けられている。この受入孔を形成する揺動ディスクの内周面には内歯が形成されている。
内歯は、入力軸の切欠孔から露出するピニオンシャフトと噛合する。入力軸とピニオンシャフトとを同一速度で回転させると、偏心機構の偏心量が維持される。入力軸とピニオンシャフトの回転速度を異ならせると、偏心機構の偏心量が変更されて、変速比が変化する。
入力軸を回転させることにより偏心機構を回転させると、コネクティングロッドの大径環状部が回転運動して、コネクティングロッドの他方の端部と連結される揺動リンクの揺動端部が揺動する。揺動リンクは、一方向クラッチを介して出力軸に設けられているため、一方側に回転するときのみ出力軸に回転駆動力(トルク)を伝達する。
各偏心機構の固定ディスクの偏心方向は、それぞれ位相を異ならせて入力軸周りを一周するように設定されている。したがって、各偏心機構に外嵌されたコネクティングロッドによって、揺動リンクが順にトルクを出力軸に伝達するため、出力軸をスムーズに回転させることができる。
特表2005−502543号公報
一般に、変速機においては、車両の急な加減速による潤滑油の流動を考慮すると、走行状態の変化に関わらず安定的に潤滑油を供給するためには、オイルストレーナの吸入孔がミッションケースの中央近傍に位置するようにオイルストレーナを配置するのが好ましい。
しかしながら、上述のような四節リンク型の無段変速機の場合、ミッションケースの中央近傍に吸入孔が位置するようにオイルストレーナを配置すると、変速比がオーバドライブ側に変化し、コネクティングロッド大端部の偏心運動が大きくなった場合には、オイルストレーナとコネクティングロッドとが接触してしまう可能性がある。
このため、最大偏心時におけるコネクティングロッドの可動範囲を回避できるように、オイルストレーナを、より下方に設置することが考えられる。しかしそうすると、ミッションケースの寸法を増大させる必要がある。また、オイルストレーナとオイルポンプとの間の距離が増大するので、オイルポンプの効率を低下させるおそれがある。
また、上述のような四節リンク型の無段変速機の場合、減速時に、潤滑油が、出力軸よりも車両の前方に位置する入力軸の方へ移動したとき、移動した潤滑油をコネクティングロッド大端部が撹拌することにより、フリクションロスを発生する。
本発明の目的は、かかる従来技術の問題点に鑑み、コンパクトで効率の高い車両用動力伝達装置を提供することにある。
本発明に係る車両用動力伝達装置は、車両の駆動源からの駆動力が伝達される中空の入力軸と、該入力軸と平行に配置された出力軸と、前記入力軸に偏心して設けられた固定ディスク、及び該固定ディスクに対して偏心して回転自在に設けられた揺動ディスクを有する複数の偏心機構と、前記出力軸に揺動自在に軸支される複数の揺動リンクと、該揺動リンクと前記出力軸との間に設けられ、前記出力軸に対して一方側に相対回転しようとするときに前記出力軸に該揺動リンクを固定し、他方側に相対回転しようとするときに前記出力軸に対して該揺動リンクを空転させる一方向回転阻止機構と、一方の端部に前記偏心機構に回転自在に外嵌される大径環状部を有し、他方の端部が前記揺動リンクの揺動端部に連結されるコネクティングロッドと、前記入力軸内に挿入されたピニオンシャフトとを備え、前記入力軸には、前記固定ディスクの偏心方向に対向する個所に切欠孔が形成され、該切欠孔から前記ピニオンシャフトが露出し、前記揺動ディスクには前記入力軸及び前記固定ディスクを受け入れる受入孔が設けられ、該受入孔を形成する前記揺動ディスクの内周面に内歯が形成され、該内歯は、前記入力軸の切欠孔から露出する前記ピニオンシャフトと噛合し、前記入力軸と前記ピニオンシャフトとを同一速度で回転させることにより、前記偏心機構の偏心量が維持され、前記入力軸と前記ピニオンシャフトの回転速度を異ならせることにより前記偏心機構の偏心量を変更させて、変速比を制御する車両用動力伝達装置であって、前記偏心機構、揺動リンク、一方向回転阻止機構及びコネクティングロッドを収容したミッションケースと、該ミッションケース内で潤滑油を吸入するための吸入口を有して、該ミッションケースの下部に設けられたオイルストレーナとを備え、前記オイルストレーナは、前記コネクティングロッドと前記揺動リンクと前記ミッションケースの底面とに囲まれて形成される空間に位置することを特徴とする。
本発明によれば、上記空間内にオイルストレーナを配置したことにより、ミッションケース下部で形成するオイルパンと揺動リンクやコネクティングロッド等との間の距離を短縮し、潤滑油の量を減らすことができる。これにより、コネクティングロッドの大径環状部によって撹拌される潤滑油が減少するので、フリクションロスが減少する。したがって、コンパクトで効率の高い車両用動力伝達装置を提供することができる。
本発明においては、前記ミッションケース内に、前記オイルストレーナ側から前記入力軸側へ潤滑油が流動するのを部分的に制限するバッフルプレートを備えてもよい。これによれば、車両の減速時等において、潤滑油を入力軸側に流動させる力が働いた場合でも、入力軸側への流動がある程度制限されるので、入力軸側に過剰に潤滑油が流動するのを防止することができる。
これにより、コネクティングロッドの大径環状部によって撹拌される潤滑油が減少するので、フリクションロスも減少する。また、オイルストレーナの吸入口付近に潤滑油が無くなるのを回避することができるので、吸入される潤滑油にエアレーションが生じるのを防止することができる。したがって、より効率の高い車両用動力伝達装置を提供することができる。
本発明の車両用動力伝達装置の実施形態を示す断面図。 本実施形態の偏心機構、コネクティングロッド及び揺動リンクを軸方向から示す説明図。 本実施形態の偏心機構の偏心量の変化を説明する説明図。 本実施形態の偏心機構の偏心量の変化と、揺動リンクの揺動運動の揺動角θ2の関係を示す説明図であり、(a)は偏心量が最大、(b)は偏心量が中、(c)は偏心量が小であるときの揺動リンクの揺動運動の揺動角をそれぞれ示している。 本実施形態の偏心機構の偏心量の変化に対する、揺動リンクの角速度ω2の変化を示すグラフ。 本実施形態の車両用動力伝達装置において、それぞれ60度ずつ位相を異ならせた6つの四節リンク機構により出力軸が回転される状態を示すグラフ。 本実施形態の車両用動力伝達装置を差動機構側から見た断面図。 図7におけるオイルストレーナの近傍部分を、ミッションケースを取り外して下方から見た様子を示す斜視図。
以下、本発明の車両用動力伝達装置の実施形態を説明する。本実施形態の車両用動力伝達装置は、変速比i(i=入力軸の回転速度/出力軸の回転速度)を無限大(∞)にして出力軸の回転速度を「0」にできる変速機、所謂インフィニティ・バリアブル・トランスミッション(Infinity Variable Transmission(IVT))の一種である。
図1及び図2を参照して、本実施形態の車両用動力伝達装置1は、図示省略した内燃機関であるエンジンや電動機等の車両用駆動源からの回転動力を受けることで入力中心軸線P1を中心に回転する中空の入力軸2と、入力軸2に平行に配置され、図外のデファレンシャルギアやプロペラシャフト等を介して車両の駆動輪(図示省略)に回転動力を伝達させる出力軸3と、入力軸2に設けられた6つの偏心機構4とを備える。
各偏心機構4は、固定ディスク5と、揺動ディスク6とで構成される。固定ディスク5は、円盤状であり、入力中心軸線P1から偏心して入力軸2と一体的に回転するように入力軸2に2個1組でそれぞれ設けられている。各1組の固定ディスク5は、それぞれ位相を60度異ならせて、6組の固定ディスク5で入力軸2の周方向を一回りするように配置されている。また、各1組の固定ディスク5には、固定ディスク5を受け入れる受入孔6aを備える円盤状の揺動ディスク6が偏心させて回転自在に外嵌されている。
揺動ディスク6は、固定ディスク5の中心点をP2、揺動ディスク6の中心点をP3として、入力中心軸線P1と中心点P2の距離Raと、中心点P2と中心点P3の距離Rbとが同一となるように、固定ディスク5に対して偏心している。
揺動ディスク6の受入孔6aには、1組の固定ディスク5の間に位置させて内歯6bが設けられている。入力軸2には、1組の固定ディスク5の間に位置させて、固定ディスク5の偏心方向に対向する個所に内周面と外周面とを連通させる切欠孔2aが形成されている。
中空の入力軸2内には、入力軸2と同心に配置され、揺動ディスク6と対応する個所に外歯7aを備えるピニオンシャフト7が入力軸2と相対回転自在となるように配置されている。ピニオンシャフト7の外歯7aは、入力軸2の切欠孔2aを介して、揺動ディスク6の内歯6bと噛合する。
ピニオンシャフト7には、差動機構8が接続されている。差動機構8は、遊星歯車機構で構成されており、サンギア9と、入力軸2に連結された第1リングギア10と、ピニオンシャフト7に連結された第2リングギア11と、サンギア9及び第1リングギア10と噛合する大径部12aと、第2リングギア11と噛合する小径部12bとから成る段付きピニオン12を自転及び公転自在に軸支するキャリア13とを備える。
サンギア9には、ピニオンシャフト7用の電動機から成る駆動源14の回転軸14aが連結されている。駆動源14の回転速度を入力軸2の回転速度と同一にすると、サンギア9と第1リングギア10とが同一速度で回転することとなり、サンギア9、第1リングギア10、第2リングギア11及びキャリア13の4つの要素が相対回転不能なロック状態となって、第2リングギア11と連結するピニオンシャフト7が入力軸2と同一速度で回転する。
駆動源14の回転速度を入力軸2の回転速度よりも遅くすると、サンギア9の回転数をNs、第1リングギア10の回転数をNr1、サンギア9と第1リングギア10のギア比(第1リングギア10の歯数/サンギア9の歯数)をjとして、キャリア13の回転数が(j・Nr1+Ns)/(j+1)となる。そして、サンギア9と第2リングギア11のギア比((第2リングギア11の歯数/サンギア9の歯数)×(段付きピニオン12の大径部12aの歯数/小径部12bの歯数))をkとすると、第2リングギア11の回転数が{j(k+1)Nr1+(k−j)Ns}/{k(j+1)}となる。
固定ディスク5が固定された入力軸2の回転速度とピニオンシャフト7の回転速度とが同一である場合には、揺動ディスク6は固定ディスク5と共に一体に回転する。入力軸2の回転速度とピニオンシャフト7の回転速度とに差がある場合には、揺動ディスク6は固定ディスク5の中心点P2を中心に固定ディスク5の周縁を回転する。
図2に示すように、揺動ディスク6は、固定ディスク5に対して距離Raと距離Rbとが同一となるように偏心されているため、揺動ディスク6の中心点P3を入力中心軸線P1と同一軸線上に位置するようにして、入力中心軸線P1と中心点P3との距離、すなわち偏心量R1を「0」とすることもできる。
揺動ディスク6の周縁には、一方の端部に大径の大径環状部15aを備え、他方の端部に大径環状部15aの径よりも小径の小径環状部15bを備えるコネクティングロッド15の大径環状部15aが、ローラベアリング16を介して回転自在に外嵌されている。出力軸3には、一方向回転阻止機構としての一方向クラッチ17を介して、揺動リンク18がコネクティングロッド15に対応させて6個設けられている。
揺動リンク18は、環状に形成されており、その上方には、コネクティングロッド15の小径環状部15bに連結される揺動端部18aが設けられている。揺動端部18aには、小径環状部15bを軸方向で挟み込むように突出した一対の突片18bが設けられている。一対の突片18bには、小径環状部15bの内径に対応する貫通孔18cが穿設されている。貫通孔18c及び小径環状部15bには、連結ピン19が挿入されている。これにより、コネクティングロッド15と揺動リンク18とが連結される。
図3は、偏心機構4の偏心量R1を変化させた状態のピニオンシャフト7と揺動ディスク6との位置関係を示す。図3(a)は偏心量R1を「最大」とした状態を示しており、入力中心軸線P1と、固定ディスク5の中心点P2と、揺動ディスク6の中心点P3とが一直線に並ぶように、ピニオンシャフト7と揺動ディスク6とが位置する。このときの変速比iは最小となる。
図3(b)は偏心量R1を図3(a)よりも小さい「中」とした状態を示しており、図3(c)は偏心量R1を図3(b)よりも更に小さい「小」とした状態を示している。変速比iは、図3(b)では図3(a)の変速比iよりも大きい「中」となり、図3(c)では図3(b)の変速比iよりも大きい「大」となる。図3(d)は偏心量R1を「0」とした状態を示しており、入力中心軸線P1と、揺動ディスク6の中心点P3とが同心に位置する。このときの変速比iは無限大(∞)となる。
図2に示すように、本実施形態の偏心機構4、コネクティングロッド15、揺動リンク18は四節リンク機構20を構成する。本実施形態の車両用動力伝達装置1は合計6個の四節リンク機構20を備えている。偏心量R1が「0」でないときに、入力軸2を回転させると共に、ピニオンシャフト7を入力軸2と同一速度で回転させると、各コネクティングロッド15が60度ずつ位相を変えながら、偏心量R1に基づき入力軸2と出力軸3との間で出力軸3側に押したり、入力軸2側に引いたりを交互に繰り返して揺動する。
コネクティングロッド15の小径環状部15bは、出力軸3に一方向クラッチ17を介して設けられた揺動リンク18に連結されているため、揺動リンク18がコネクティングロッド15によって押し引きされて揺動すると、揺動リンク18が押し方向側又は引張り方向側の何れか一方に揺動リンク18が回転するときだけ、出力軸3が回転し、揺動リンク18が他方に回転するときには、出力軸3に揺動リンク18の揺動運動の力が伝達されず、揺動リンク18が空回りする。各偏心機構4は、60度毎に位相を変えて配置されているため、出力軸3は各偏心機構4で順に回転させられる。
図4(a)は偏心量R1が図3(a)の「最大」である場合(変速比iが最小である場合)、図4(b)は偏心量R1が図3(b)の「中」である場合(変速比iが中である場合)、図4(c)は偏心量R1が図3(c)の「小」である場合(変速比iが大である場合)の、偏心機構4の回転運動に対する揺動リンク18の揺動範囲θ2を示している。図4から明らかなように、偏心量R1が小さくなるにつれ、揺動リンク18の揺動範囲θ2が狭くなる。なお、偏心量R1が「0」であるときは、揺動リンク18は揺動しなくなる。
図5は、車両用動力伝達装置1の偏心機構4の回転角度θを横軸、揺動リンク18の角速度ω2を縦軸として、偏心機構4の偏心量R1の変化に伴う角速度ω2の変化を示す。図5から明らかなように、偏心量R1が大きい(変速比iが小さい)ほど揺動リンク18の角速度ω2が大きくなることが分かる。
図6は、60度ずつ位相を異ならせた6つの偏心機構4を回転させたとき(入力軸2とピニオンシャフト7とを同一速度で回転させたとき)の偏心機構4の回転角度θに対する、各揺動リンク18の角速度ω2を示している。図6から、6つの四節リンク機構20により出力軸3がスムーズに回転されることが分かる。
図7は、図1の車両用動力伝達装置を差動機構8側から見た断面図である。車両用動力伝達装置は、まだ言及していない構成要素として、入力軸2及び出力軸3を支持するフレーム31と、その外側に設けられたミッションケース32と、ミッションケース32に設けられたオイルストレーナ33と、オイルストレーナ33の入力軸2側に設けられたバッフルプレート34とを備える。
ミッションケース32は、上部カバー35と下部カバー36とで構成される。下部カバー36の底部は、潤滑油38が滞留するオイルパンとして機能する。下部カバー36の底部にはオイル溜り37が設けられ、これにオイルストレーナ33が配置されている。したがって、オイルストレーナ33は、コネクティングロッド15と揺動リンク18とミッションケース32の底部とで囲まれた空間内で、吸入口側をオイル溜り37の底部に対向させて配置されている。
バッフルプレート34は、入力軸2に平行に、オイルストレーナ33の入力軸2側を覆うように延在する。これにより、バッフルプレート34は、オイルストレーナ33側から入力軸2側へ潤滑油38が流動するのを部分的に制限する機能を有する。
図8は、ミッションケース32を取り外してオイルストレーナ33の部分を下方から見た様子を示す斜視図である。図示のように、オイルストレーナ33の吸入口33aは、出力軸3側に位置している。バッフルプレート34には、入力軸2側で潤滑に用いられた潤滑油38をオイル溜り37に戻すための貫通孔34aが複数設けられている。これらの貫通孔34aには、リード弁を設けてもよい。
上記のように、コネクティングロッド15と揺動リンク18とミッションケース32の底部とで囲まれた空間内にオイルストレーナ33を配置すると、従来のようにミッションケース32底部の中央に配置する場合に比べて、コネクティングロッド15の大径環状部15aとオイルストレーナ33との間に余裕が生じるので、下部カバー36の底面の位置を下げる必要がなくなる。
これにより、下部カバー36の底面と大径環状部15aとの距離が小さくなるので、潤滑油38の量を減少させることができる。そして、コネクティングロッド15の大径環状部15aが撹拌する潤滑油38の量が減少し、潤滑油38の撹拌によるフリクションロスの低減を図ることができる。また、車両用動力伝達装置をコンパクトなものとすることができる。
一方、入力軸2側が車両の前方である場合、車両の急減速時や車両が下り坂を走行しているときには、図7に示すように下部カバー36内に滞留している潤滑油38に、入力軸2側へ移動させる力が働く。また、入力軸2側が車両の後方であるとすれば、登り坂をスロットル全開で発進するとき等にも、潤滑油38に対して入力軸2側へ移動させる力が働く。
上記のように潤滑油38に対して入力軸2側へ移動させる力が働くと、潤滑油38が入力軸2側に片寄せられ、コネクティングロッド15の大径環状部15aが撹拌する潤滑油38の量が増大してフリクションロスを増加させたり、オイルストレーナ33近傍の潤滑油38の量が減少して潤滑油38の吸引に支障を生じたりするおそれがある。
しかし、潤滑油38に対して入力軸2側へ移動させる力が働いたとしても、その移動がバッフルプレート34によりある程度阻止されるので、入力軸2側へ潤滑油38が流動して大径環状部15aの下方に潤滑油38が過大に滞留したり、オイルストレーナ33近傍の潤滑油38の量が減少したりすることはない。したがって、過大に滞留した潤滑油38を大径環状部15aが撹拌することによるフリクションロスの増大や、オイルストレーナ33による潤滑油38の吸引時におけるエアレーションを発生させるおそれがなくなる。
以上のように、本実施形態によれば、オイルストレーナ33を、コネクティングロッド15と揺動リンク18とミッションケース32底部とに囲まれた空間内に配置したので、ミッションケースをコンパクトなものとし、フリクションロスを減少させることができる。したがって、コンパクトで効率の高い車両用動力伝達装置を提供することができる。
また、オイルストレーナ33側から入力軸2側へ潤滑油38が流動するのを部分的に制限するバッフルプレート34を設けたので、潤滑油38を入力軸2側に流動させる力が働いた場合でも、フリクションロスが増大するのを回避し、吸引される潤滑油38にエアレーションが生じるのを防止することができる。
1…車両用動力伝達装置、2…入力軸、2a…切欠孔、3…出力軸、4…偏心機構、5…固定ディスク、6…揺動ディスク、6a…受入孔、6b…内歯、7…ピニオンシャフト、15…コネクティングロッド、15a…大径環状部、17…一方向クラッチ(一方向回転阻止機構)、18…揺動リンク、32…ミッションケース、33…オイルストレーナ、33a…吸入口、34…バッフルプレート、38…潤滑油、R1…偏心量。

Claims (2)

  1. 車両の駆動源からの駆動力が伝達される中空の入力軸と、
    該入力軸と平行に配置された出力軸と、
    前記入力軸に偏心して設けられた固定ディスク、及び該固定ディスクに対して偏心して回転自在に設けられた揺動ディスクを有する複数の偏心機構と、
    前記出力軸に揺動自在に軸支される複数の揺動リンクと、
    該揺動リンクと前記出力軸との間に設けられ、前記出力軸に対して一方側に相対回転しようとするときに前記出力軸に該揺動リンクを固定し、他方側に相対回転しようとするときに前記出力軸に対して該揺動リンクを空転させる一方向回転阻止機構と、
    一方の端部に前記偏心機構に回転自在に外嵌される大径環状部を有し、他方の端部が前記揺動リンクの揺動端部に連結されるコネクティングロッドと、
    前記入力軸内に挿入されたピニオンシャフトとを備え、
    前記入力軸には、前記固定ディスクの偏心方向に対向する個所に切欠孔が形成され、該切欠孔から前記ピニオンシャフトが露出し、
    前記揺動ディスクには、前記入力軸及び前記固定ディスクを受け入れる受入孔が設けられ、
    該受入孔を形成する前記揺動ディスクの内周面に内歯が形成され、
    該内歯は、前記入力軸の切欠孔から露出する前記ピニオンシャフトと噛合し、
    前記入力軸と前記ピニオンシャフトとを同一速度で回転させることにより、前記偏心機構の偏心量が維持され、前記入力軸と前記ピニオンシャフトの回転速度を異ならせることにより前記偏心機構の偏心量を変更させて、変速比を制御する車両用動力伝達装置であって、
    前記偏心機構、揺動リンク、一方向回転阻止機構及びコネクティングロッドを収容したミッションケースと、
    該ミッションケース内で潤滑油を吸入するための吸入口を有して、該ミッションケースの下部に設けられたオイルストレーナとを備え、
    前記オイルストレーナは、前記コネクティングロッドと前記揺動リンクと前記ミッションケースの底面とに囲まれて形成される空間に位置することを特徴とする車両用動力伝達装置。
  2. 前記ミッションケース内に、前記オイルストレーナ側から前記入力軸側へ潤滑油が流動するのを部分的に制限するバッフルプレートを備えたことを特徴とする請求項1に記載の車両用動力伝達装置。
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