JP2012247337A - 放射性有機ヨウ素除去フィルタおよび放射性有機ヨウ素除去方法 - Google Patents

放射性有機ヨウ素除去フィルタおよび放射性有機ヨウ素除去方法 Download PDF

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Abstract

【課題】空気の流動が少ない建造物の密閉された内部空間の空気に含まれる放射性有機ヨウ素を確実に除去することができる放射性有機ヨウ素除去フィルタを提供する。
【解決手段】放射性有機ヨウ素除去フィルタ10Aは、放射性有機ヨウ素を捕集する活性炭素繊維から作られ、所定の建造物のうちの空気の流動が少ない密閉された内部空間に所定時間放置されるパッシブ法により、内部空間における空気の対流によって濃度が均一化する放射性有機ヨウ素を次第に除去する。
【選択図】図1

Description

本発明は、空気中に含まれる放射性有機ヨウ素の除去に使用される放射性有機ヨウ素除去フィルタおよびその放射性有機ヨウ素除去フィルタを利用した放射性有機ヨウ素除去方法に関する。
細孔直径3〜30nmの細孔容積が0.15cc/g以下であって、細孔直径3nm未満の細孔容積が0.50cc/g以上の繊維状活性炭から形成されたシートにアミンを添着した放射性物質モニタリング材がある(特許文献1参照)。この放射性物質モニタリング材は、原子力関連施設や放射線発生装置を利用する医療機関において空気中の放射性物質の除去、特に放射性ヨウ素やヨウ化メチルの除去に利用される。
特開2004−156963号公報
前記特許文献1に開示の放射性物質モニタリング材は、それに空気を強制的に通流させる場合に、その放射性物質除去機能を十分に発揮するが、空気の流動が少ない建造物の密閉された内部空間にそれを設置して所定時間放置するパッシブ法による利用において放射性物質除去機能を十分に発揮するかは明らかではなく、空気の流動が少ない密閉された内部空間における使用には不向きである。
本発明の目的は、空気の流動が少ない建造物の密閉された内部空間の空気に含まれる放射性有機ヨウ素を確実に除去することができる放射性有機ヨウ素除去フィルタおよびその放射性有機ヨウ素除去フィルタを利用した放射性有機ヨウ素除去方法を提供することにある。
前記課題を解決するための本発明の前提は、縦方向へ延びる両端縁部と横方向へ延びる両側縁部とを有する所定面積のシート状に成型され、空気に含まれる放射性有機ヨウ素を除去する放射性有機ヨウ素除去フィルタである。
前記前提における本発明の特徴は、放射性有機ヨウ素除去フィルタが放射性有機ヨウ素を捕集する活性炭素繊維から作られ、所定の建造物のうちの空気の流動が少ない密閉された内部空間に所定時間放置されるパッシブ法により、内部空間における空気の対流によって濃度が均一化する放射性有機ヨウ素を次第に除去することにある。
本発明の一例としては、放射性有機ヨウ素除去フィルタには、それにプリーツ加工を施すことにより、縦方向と横方向とのいずれか一方へ並ぶ複数のプリーツが形成されている。
本発明の他の一例としては、放射性有機ヨウ素除去フィルタが繊維不織布、織物、編み物のうちのいずれかの形態を有する。
本発明の他の一例としては、放射性有機ヨウ素除去フィルタの全体が撥水性繊維不織布または疎水性繊維不織布に包被されている。
本発明の他の一例として放射性有機ヨウ素除去フィルタでは、試験用ヨウ化メチルの初期濃度が約100ppmの気体に対し、体積/活性炭素繊維面積比が0.125m/0.25mの場合、約70分放置したパッシブ法による試験用ヨウ化メチルの濃度が0.3ppmに減少し、体積/活性炭素繊維面積比が0.125m/0.0625mの場合、約200分放置したパッシブ法による試験用ヨウ化メチルの濃度が4ppmに減少する。
本発明の他の一例としては、活性炭素繊維の平均繊維径が10〜18μmの範囲にあり、放射性有機ヨウ素除去フィルタの目付が100〜350g/mの範囲、放射性有機ヨウ素除去フィルタのみかけの嵩密度が0.03〜0.13g/cmの範囲にある。
本発明の他の一例としては、放射性有機ヨウ素除去フィルタの厚み寸法が2〜4mmの範囲にあり、放射性有機ヨウ素除去フィルタの面速が8〜20cm/secの範囲にある。
本発明の他の一例としては、放射性有機ヨウ素を吸着するアミン類が放射性有機ヨウ素除去フィルタを形成する活性炭素繊維に添着され、空気の湿度95%における放射性有機ヨウ素除去フィルタの放射性有機ヨウ素捕集効率が95%以上である。
本発明の他の一例としては、アミン類がトリエチレンジアミンC6H12N2であり、活性炭素繊維の単位重量に対するトリエチレンジアミンC6H12N2の添着量が10〜20重量%の範囲にある。
前記課題を解決するための本発明にかかる放射性有機ヨウ素除去方法は、放射性有機ヨウ素を捕集する活性炭素繊維から作られ、縦方向へ延びる両端縁部と横方向へ延びる両側縁部とを有する所定面積のシート状に成型されて空気に含まれる放射性有機ヨウ素を除去する放射性有機ヨウ素除去フィルタを利用し、所定の建造物のうちの空気の流動が少ない密閉された内部空間にフィルタを所定時間放置するパッシブ法により、内部空間における空気の対流によって濃度が均一化する放射性有機ヨウ素を次第に除去することを特徴とする。
本発明の放射性有機ヨウ素除去方法の一例として活性炭素繊維には、放射性有機ヨウ素を吸着するアミン類が添着されている。
本発明にかかる放射性有機ヨウ素除去フィルタによれば、それが高比表面積かつ微細な多数の細孔を有する活性炭素繊維から作られ、所定の建造物のうちの空気の流動が少ない密閉された内部空間に設置され、その内部空間に所定時間放置するパッシブ法によって空気に含まれる放射性有機ヨウ素を次第に除去するから、密閉された内部空間の空気に放射性有機ヨウ素が含まれていたとしても、その放射性有機ヨウ素を確実に除去することができ、放射性有機ヨウ素を除去した清浄な空気を作ることができる。この放射性有機ヨウ素除去フィルタは、内部の空気を外部に放出させることができない建造物の内部空間や送電が停止して空調設備を利用することができない建造物の内部空間、故障によって空調設備が停止した建造物の内部空間、災害時に予備発電機等が故障して空調設備を稼動させることができない建造物の内部空間において、そこの空気に含まれる放射性有機ヨウ素を取り除くことができ、そのような悪条件下の内部空間において放射性有機ヨウ素の除去に利用することができる。
プリーツ加工を施すことによって縦方向と横方向とのいずれか一方へ並ぶ複数のプリーツが形成された放射性有機ヨウ素除去フィルタは、プリーツが形成されていない場合と比較し、縦方向や横方向の単位長さ当たりのフィルタの面積を大きくすることができ、内部空間の体積に対するフィルタの面積比が大きくなり、内部空間に対するフィルタの放射性有機ヨウ素の捕集効率を向上させることができる。この放射性有機ヨウ素除去フィルタは、空気の流動が少ない建造物の密閉された内部空間に所定時間放置するパッシブ法によって空気に含まれる放射性有機ヨウ素を次第に除去するから、密閉された悪条件下の内部空間の空気に放射性有機ヨウ素が含まれていたとしても、その放射性有機ヨウ素を確実に除去することができ、放射性有機ヨウ素を除去した清浄な空気を作ることができる。
繊維不織布、織物、編み物のうちのいずれかの形態を有する放射性有機ヨウ素除去フィルタは、それが繊維不織布の形態を有する場合、フィルタの通気性や加工性、柔軟性が向上し、それが織物または編み物の形態を有する場合、フィルタの通気性や加工性、柔軟性が向上するとともに、フィルタの強度を向上させることができる。この放射性有機ヨウ素除去フィルタは、空気の流動が少ない建造物の密閉された内部空間に所定時間放置するパッシブ法によって空気に含まれる放射性有機ヨウ素を次第に除去するから、密閉された悪条件下の内部空間の空気に放射性有機ヨウ素が含まれていたとしても、その放射性有機ヨウ素を確実に除去することができ、放射性有機ヨウ素を除去した清浄な空気を作ることができる。
全体が撥水性繊維不織布または疎水性繊維不織布に包被されている放射性有機ヨウ素除去フィルタは、撥水性繊維不織布または疎水性繊維不織布によって塵埃のフィルタへの付着や水分のフィルタへの滲入を防ぐことができ、塵埃がフィルタに付着することやフィルタが水に濡れることによるフィルタの放射性有機ヨウ素除去性能の低下を防ぐことができる。また、放射性有機ヨウ素除去フィルタが直接外部に露出することによるフィルタの破損を防ぐことができ、フィルタが破損することによるフィルタの放射性有機ヨウ素除去性能の低下を防ぐことができる。
試験用ヨウ化メチルの初期濃度が約100ppmの気体に対し、体積/活性炭素繊維面積比が0.125m/0.25mの場合、約70分放置したパッシブ法による試験用ヨウ化メチルの濃度が0.3ppmに減少し、体積/活性炭素繊維面積比が0.125m/0.0625mの場合、約200分放置したパッシブ法による試験用ヨウ化メチルの濃度が4ppmに減少する放射性有機ヨウ素除去フィルタは、内部空間の体積に対して所定面積を有するフィルタが前記時間において前記放射性有機ヨウ素除去性能を発揮するから、密閉された悪条件下の内部空間の空気に放射性有機ヨウ素が含まれていたとしても、その放射性有機ヨウ素を確実に除去することができ、放射性有機ヨウ素を除去した清浄な空気を作ることができる。
活性炭素繊維の平均繊維径が10〜18μmの範囲、放射性有機ヨウ素除去フィルタの目付が100〜350g/mの範囲、放射性有機ヨウ素除去フィルタのみかけの嵩密度が0.03〜0.13g/cmの範囲にある放射性有機ヨウ素除去フィルタは、単位体積当たりのフィルタの重量を少なくすることができ、フィルタが嵩張ることはなく、その持ち運びや設置、取り外しを容易に行うことができる。この放射性有機ヨウ素除去フィルタは、内部の空気を外部に放出させることができない建造物の内部空間や送電が停止して空調設備を利用することができない建造物の内部空間、故障によって空調設備が停止した建造物の内部空間、災害時に予備発電機等が故障して空調設備を稼動させることができない建造物の内部空間に容易に設置することができ、空気の流動が少ない密閉された内部空間に所定時間放置するパッシブ法によって空気に含まれる放射性有機ヨウ素を次第に除去するから、密閉された悪条件下の内部空間の空気に放射性有機ヨウ素が含まれていたとしても、その放射性有機ヨウ素を確実に除去することができ、放射性有機ヨウ素を除去した清浄な空気を作ることができる。
放射性有機ヨウ素除去フィルタの厚み寸法が2〜4mmの範囲、放射性有機ヨウ素除去フィルタの面速が8〜20cm/secの範囲にある放射性有機ヨウ素除去フィルタは、面速が前記範囲にあるから、優れた通気性を有し、対流によって流動する空気がフィルタを容易に通過し、フィルタを通過する空気の単位時間当たりの通過量が多くなり、空気に含まれる放射性有機ヨウ素を確実に除去することができるのみならず、単位時間当たりの放射性有機ヨウ素の除去量を多くすることができ、単位時間当たりに多量の空気を清浄処理することができる。放射性有機ヨウ素除去フィルタは、フィルタが嵩張ることはなく、その持ち運びや設置、取り外しを容易に行うことができる。この放射性有機ヨウ素除去フィルタは、空気の流動が少ない建造物の密閉された内部空間に所定時間放置するパッシブ法によって空気に含まれる放射性有機ヨウ素を次第に除去するから、密閉された悪条件下の内部空間の空気に放射性有機ヨウ素が含まれていたとしても、その放射性有機ヨウ素を確実に除去することができ、放射性有機ヨウ素を除去した清浄な空気を作ることができる。
放射性有機ヨウ素を吸着するアミン類が放射性有機ヨウ素除去フィルタを形成する活性炭素繊維に添着され、空気の湿度95%における放射性有機ヨウ素除去フィルタの放射性有機ヨウ素捕集効率が95%以上である放射性有機ヨウ素除去フィルタは、放射性有機ヨウ素を吸着するアミン類が活性炭素繊維に添着されており、空気の湿度95%におけるフィルタの放射性有機ヨウ素捕集効率が95%以上であるから、空気の流動が少ない内部空間の高湿度環境下において優れた放射性有機ヨウ素除去性能を発揮し、そのような環境下の空気に放射性有機ヨウ素が含まれていたとしても、その放射性有機ヨウ素を確実に捕集かつ除去することができ、放射性有機ヨウ素を除去した清浄な空気を作ることができる。この放射性有機ヨウ素除去フィルタは、一度吸着した放射性有機ヨウ素をアミン類が放出することはなく、捕集された放射性有機ヨウ素の放射性有機ヨウ素除去フィルタからの再飛散を確実に防ぐことができる。
アミン類がトリエチレンジアミンC6H12N2であり、活性炭素繊維の単位重量に対するトリエチレンジアミンC6H12N2の添着量が10〜20重量%の範囲にある放射性有機ヨウ素除去フィルタは、アミン類のうち、放射性有機ヨウ素の高い吸着機能を有するトリエチレンジアミンC6H12N2を利用することで、放射性有機ヨウ素がそのトリエチレンジアミンC6H12N2に瞬時に吸着されるから、空気に放射性有機ヨウ素が含まれていたとしても、その放射性有機ヨウ素を確実に捕集かつ除去することができ、放射性有機ヨウ素を除去した清浄な空気を作ることができる。この放射性有機ヨウ素除去フィルタは、一度吸着した放射性有機ヨウ素をトリエチレンジアミンC6H12N2が放出することはなく、捕集された放射性有機ヨウ素の放射性有機ヨウ素除去フィルタからの再飛散を確実に防ぐことができる。
本発明にかかる放射性有機ヨウ素除去方法によれば、高比表面積かつ微細な多数の細孔を有する活性炭素繊維から作られた放射性有機ヨウ素除去フィルタを、所定の建造物のうちの空気の流動が少ない建造物の密閉された内部空間に設置し、その内部空間に所定時間放置するパッシブ法によって空気に含まれる放射性有機ヨウ素を次第に除去するから、密閉された内部空間の空気に放射性有機ヨウ素が含まれていたとしても、その放射性有機ヨウ素を確実に除去することができ、放射性有機ヨウ素を除去した清浄な空気を作ることができる。この放射性有機ヨウ素除去方法は、内部の空気を外部に放出させることができない建造物の内部空間や送電が停止して空調設備を利用することができない建造物の内部空間、故障によって空調設備が停止した建造物の内部空間、災害時に予備発電機等が故障して空調設備を稼動させることができない建造物の内部空間において、放射性有機ヨウ素除去フィルタを所定時間放置することで、そこの空気に含まれる放射性有機ヨウ素を取り除くことができ、そのような悪条件下の内部空間において放射性有機ヨウ素を除去することができる。
放射性有機ヨウ素を吸着するアミン類が活性炭素繊維に添着されている放射性有機ヨウ素除去方法は、活性炭素繊維に捕集された放射性有機ヨウ素をアミン類が吸着し、一度吸着した放射性有機ヨウ素をアミン類が放出することはなく、捕集された放射性有機ヨウ素の再飛散を確実に防ぐことができ、密閉された内部空間の空気に放射性有機ヨウ素が含まれていたとしても、その放射性有機ヨウ素を確実に除去することができ、放射性有機ヨウ素を除去した清浄な空気を作ることができる。
一例として示す放射性有機ヨウ素除去フィルタの斜視図。 他の一例として示す放射性有機ヨウ素除去フィルタの斜視図。 パッシブ法による試験用ヨウ化メチルの濃度測定装置を示す図。 経過時間と試験用ヨウ化メチルの測定濃度との関係を示す図。 フィルタにおける放射性有機ヨウ素捕集効率の試験装置を示す図。 他の一例として示す放射性有機ヨウ素除去フィルタの斜視図。 図6のA−A線端面図。 他の一例として示す放射性有機ヨウ素除去フィルタの斜視図。 図8のB−B線端面図。 フィルタの使用の一例を示す図。 フィルタの使用の他の一例を示す図。 フィルタの使用の他の一例を示す図。 フィルタの使用の他の一例を示す図。 フィルタの使用の他の一例を示す図。 フィルタの使用の他の一例を示す図。
一例として示す放射性有機ヨウ素除去フィルタ10Aの斜視図である図1等の添付の図面を参照し、本発明にかかる放射性有機ヨウ素除去フィルタおよび放射性有機ヨウ素除去方法の詳細を説明すると、以下のとおりである。なお、図2は、他の一例として示す放射性有機ヨウ素除去フィルタ10Bの斜視図である。図1,2では、縦方向を矢印Lで示し、横方向を矢印Mで示す。
放射性有機ヨウ素除去フィルタ10A,10Bは、放射性有機ヨウ素(ヨウ素ガス)が発生するおそれがある原子力関連施設(建造物)や医療施設(建造物)の所定の箇所のうちの空気の流動が少ない密閉された内部空間に設置され、その内部空間に充満する空気に放射性有機ヨウ素が含まれている場合、その放射性有機ヨウ素を除去する。また、その他の建造物のうちの空気の流動が少ない密閉された内部空間に設置され、その内部空間に充満する空気に放射性有機ヨウ素が含まれている場合、その放射性有機ヨウ素を除去する。
空気の流動が少ない密閉された内部空間の一例としては、内部の空気を外部に放出させることができない建造物の内部空間や送電が停止して空調設備を利用することができない建造物の内部空間、故障によって空調設備が停止した建造物の内部空間、災害時に予備発電機等が故障して空調設備を稼動させることができない建造物の内部空間等がある。原子力関連施設には、原子力発電所、中間貯蔵施設、再処理工場、MOX燃料工場、高速増殖炉、高速増殖炉用燃料工場、高速増殖炉用再処理工場、高レベル放射性廃棄物最終処分施設等がある。
図1,2に示す放射性有機ヨウ素除去フィルタ10A,10Bは、縦方向へ延びる両端縁部11と横方向へ延びる両側縁部12とを有する。それらフィルタ10A,10Bは、高比表面積かつ微細な多数の細孔を有して放射性有機ヨウ素を捕集する活性炭素繊維から作られ、所定の面積を有する矩形のシート状に成型されている。図2に示す放射性有機ヨウ素除去フィルタ10Bは、それにプリーツ加工が施され、横方向へ起伏を繰り返して並ぶ複数のプリーツ13(襞)が形成されている。なお、フィルタ10A,10Bの面積(大きさ)や形状について限定はなく、その面積を自由に設定することができ、その形状を自由に設計することができる。
放射性有機ヨウ素除去フィルタ10A,10Bは、繊維不織布、織物、編み物のうちのいずれかの形態を有する。繊維不織布としては、ケミカルボンド不織布、サーマルボンド不織布、エアレイド不織布、スパンボンド不織布、メルトブロー不織布、スパンレース不織布、ニードルパンチ不織布、ステッチボンド不織布を例示することができる。フィルタ10A,10Bが繊維不織布の形態を有する場合、フィルタ10A,10Bの通気性や加工性、柔軟性が向上する。また、フィルタ10A,10Bが織物または編み物の形態を有する場合、フィルタ10A,10Bの通気性や加工性、柔軟性が向上するとともに、フィルタ10A,10Bの強度を向上させることができる。
活性炭素繊維は、有機繊維を焼成して炭化し、さらに高温で熱処理をして作られる。活性炭素繊維には、セルロース系やアクリル系、フェノール系、ピッチ系を使用することができる。活性炭素繊維には、その表面から厚み方向へ延びる複数のミクロポアが形成されている。活性炭素繊維には、放射性有機ヨウ素を吸着するトリエチレンジアミンC6H12N2(アミン類)が添着されている。活性炭素繊維の単位重量に対するトリエチレンジアミンC6H12N2の添着量は、10〜20重量%の範囲、好ましくは、12〜18重量%の範囲、より好ましくは、13〜16重量%の範囲にある。放射性有機ヨウ素除去フィルタ10A,10Bでは、放射性有機ヨウ素が活性炭素繊維のミクロポアに捕集されるとともに、活性炭素繊維に添着されたトリエチレンジアミンC6H12N2が放射性有機ヨウ素を吸着する。
トリエチレンジアミンC6H12N2の添着量が10重量%未満では、トリエチレンジアミンC6H12N2を活性炭素繊維の全域に添着させることができない場合があり、トリエチレンジアミンC6H12N2を介して放射性有機ヨウ素を活性炭素繊維に十分に吸着させることができず、放射性有機ヨウ素除去フィルタ10A,10Bにおける放射性有機ヨウ素の吸着性能が不十分になる場合がある。トリエチレンジアミンC6H12N2の添着量が20重量%を超過すると、トリエチレンジアミンC6H12N2が活性炭素繊維のミクロポアを塞いでしまう場合があり、放射性有機ヨウ素をミクロポアにおいて捕集することができない場合がある。
アミン類として、トリエチレンジアミンC6H12N2が使用されているが、トリエチレンジアミンC6H12N2の他に、1,4−ジアザ−2,2,2−ピシクロオクタン、N,N‘−ビス−(3−アミノプロピル)−ピペラジン、N,N−ジメチル−アミノエチルメタクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピルアミン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、1,5−ジアザビシクロウンデセン、ポリ−3級−ブチルアミノエチルメタクリレート、ポリエチレンイミン、1,5−ジアザピシクロ〔4,3,0〕ノン−5−エン、1,5−ジアザピシクロ〔5,4,0〕ウンデ7−5−エン、2−メチル−1,4−ジアザピシクロ〔2,2,2〕オクタン、フェニルヒドラジン、2−シアノピリジン、ジイソプロピルアミン、トリメチルアミノエチルピペラジン、ヘキサメチレンテトラミン、メチルピロエチレンイミン、ポリアルキルポリアミンのうちの1種類のアミン類またはそれらの数種類を混合したアミン類を使用することもできる。なお、活性炭素繊維にアミン類が添着されておらず、放射性有機ヨウ素除去フィルタ10A,10Bがアミン類を添着していない活性炭素繊維から作られていてもよい。
活性炭素繊維の平均繊維径は、10〜18μmの範囲、好ましくは、12〜16μmの範囲にある。平均繊維径が18μmを超過すると、活性炭素繊維の幾何学的な表面積が相対的に少なくなるため、放射性有機ヨウ素除去フィルタ10A,10Bにおける放射性有機ヨウ素の捕集性能が低下する場合がある。平均繊維径が10μm未満では、放射性有機ヨウ素除去フィルタ10A,10Bの圧力損失が増加してフィルタ10A,10Bの面速が低下し、それによってフィルタ10A,10Bの通気性が低下するから、空気がフィルタ10A,10Bを形成する活性炭素繊維の間隙を通り難くなり、フィルタ10A,10Bの放射性有機ヨウ素捕集性能が低下する。
放射性有機ヨウ素除去フィルタ10A,10Bは、その目付が100〜350g/mの範囲、好ましくは、150〜300g/mの範囲、より好ましくは、180〜270g/mの範囲にある。また、そのみかけの嵩密度が0.03〜0.13g/cmの範囲、好ましくは、0.05〜0.011g/cmの範囲にある。放射性有機ヨウ素除去フィルタ10A,10Bの目付が100g/m未満であって、フィルタ10A,10Bのみかけの嵩密度が0.03g/cm未満では、フィルタ10A,10Bの強度が弱く、フィルタ10A,10Bがその形態を維持することができない場合がある。フィルタ10A,10Bの目付が350g/mを超過するとともに、フィルタ10A,10Bのみかけの嵩密度が0.13g/cmを超過すると、放射性有機ヨウ素除去フィルタ10A,10Bの圧力損失が増加してフィルタ10A,10Bの面速が低下し、それによってフィルタ10A,10Bの通気性が低下するから、空気がフィルタ10A,10Bを形成する活性炭素繊維の間隙を通り難くなり、フィルタ10A,10Bの放射性有機ヨウ素捕集性能が低下する。
放射性有機ヨウ素除去フィルタ10A,10Bは、その厚みが2〜4mmの範囲、好ましくは3mmである。フィルタ10A,10Bの厚みが2mm未満では、フィルタ10A,10Bの強度が低下してフィルタ10A,10Bが破損し易くなるのみならず、フィルタ10A,10Bの放射性有機ヨウ素捕集性能が低下する。フィルタ10A,10Bの厚みが4mmを超過すると、放射性有機ヨウ素除去フィルタ10A,10Bの圧力損失が増加してフィルタ10A,10Bの面速が低下し、それによってフィルタ10A,10Bの通気性が低下するから、空気がフィルタ10A,10Bを形成する活性炭素繊維の間隙を通り難くなり、フィルタ10A,10Bの放射性有機ヨウ素捕集性能が低下する。
図3は、パッシブ法による試験用ヨウ化メチルの濃度測定装置50を示す図であり、図4は、経過時間と試験用ヨウ化メチルの測定濃度との関係を示す図である。図4では、縦軸に試験用ヨウ化メチルの測定濃度が表示され、横軸に経過時間が表示されている。図4のうちの実線は、フィルタ収納容器54に試験用フィルタ58A,58Bを載置していない場合(空容器)を示し、図4のうちの点線は、フィルタ収納容器54に試験用フィルタ58A,58Bを載置した場合であって、体積/活性炭素繊維面積比が0.125m/0.25mの場合を示す。図4のうちの一点鎖線は、フィルタ収納容器54に試験用フィルタ58A,58Bを載置した場合であって、体積/活性炭素繊維面積比が0.125m/0.0625mの場合を示す。
放射性有機ヨウ素除去フィルタ10A,10Bでは、試験用ヨウ化メチルの初期濃度が約100ppmの気体に対し、体積/活性炭素繊維面積比が0.125m/0.25mの場合、約70分放置したパッシブ法による試験用ヨウ化メチルの濃度が0.3ppmに減少し、体積/活性炭素繊維面積比が0.125m/0.0625mの場合、約200分放置したパッシブ法による試験用ヨウ化メチルの濃度が4ppmに減少する。体積/活性炭素繊維面積比は、内部空間(フィルタ収納容器54)の体積に対するフィルタ10A,10Bを形成する活性炭素繊維の面積の比である。
パッシブ法による試験用ヨウ化メチルの濃度の測定は、図3に示す試験装置50を利用した。試験装置50は、ボンベ51、ガス流量計52、光音響ガスモニタ53(ガス濃度測定装置)、フィルタ収納容器54(密閉アクリル容器、縦寸法:50cm、横寸法:50cm、高さ寸法:50cm)、空気流量計55、吸気ポンプ56から形成されている。ボンベ51やガス流量計52、光音響ガスモニタ53、フィルタ収納容器54、空気流量計55、吸気ポンプ56は、管路57を介して接続されている。なお、管路57には、フィルタ収納容器54への空気の流入を開閉する切替バルブ(図示せず)が設置されている。
ボンベ51には、フィルタ収納容器54に供給する試験用ヨウ化メチルガスが収容されている。フィルタ収納容器54には、フィルタ10Aから作られた第1試験用フィルタ58A(一辺の長さ:50cm、または、一辺の長さ:25cm)またはフィルタ10Bから作られた第2試験用フィルタ58B(一辺の長さ:50cm、または、一辺の長さ:25cm)が配置されている。それら試験用フィルタ58A,58Bは、フィルタ収納容器54の底面59に載置される。光音響ガスモニタ53は、フィルタ収納容器54に接続され、フィルタ収納容器54内の空気に含まれる試験用ヨウ化メチルの濃度を連続的または間欠的に測定する。それら試験用フィルタ58A,58Bの仕様は、トリエチレンジアミンC6H12N2の添着量が15.9重量%、目付が209g/m、厚み寸法が3m、比表面積が1400〜1450である。
なお、第1試験用フィルタ58Aは、フィルタ収納容器54(内部空間)の体積に対するフィルタ58Aの活性炭素繊維の面積の比(体積/活性炭素繊維面積比)が0.125m/0.25mになるように作られている。第2試験用フィルタ58Bは、フィルタ収納容器54(内部空間)の体積に対するフィルタ58Bの活性炭素繊維の面積の比(体積/活性炭素繊維面積比)が0.125m/0.0625mになるように作られている。
パッシブ法による試験用ヨウ化メチル濃度の測定手順は、以下のとおりである。第1試験用フィルタ58Aをフィルタ収納容器54の底面59に載置し(フィルタ58Aの一面を容器54の底面59に当接させた状態)、吸気ポンプ56および光音響ガスモニタ53を稼動させ、空気流量計55の測定値を確認しつつ、所定流量の空気を管路57に流した。次に、ガス流量計52の測定値を確認しつつ、ボンベ51から一定量の試験用ヨウ化メチルガスを管路57を介してフィルタ収納容器54に供給し、光音響ガスモニタ53を介してフィルタ収納容器54内の空気に含まれる試験用ヨウ化メチルガスの初期濃度が約100ppmになったことを確認した。
試験用ヨウ化メチルガスの初期濃度が約100ppmになった後、切替バルブを閉じてフィルタ収納容器54への空気の流入・流出を停止し、フィルタ収納容器54内の空気を5分間隔でサンプリングし、光音響ガスモニタ53を利用してサンプリングした空気に含まれるヨウ化メチルの濃度を測定(5分間隔で測定)した。70分が経過した後に測定したヨウ化メチルガスの濃度は、0.3ppmであった。体積/活性炭素繊維面積比が0.125m/0.0625mの第1試験用フィルタ58Aのパッシブ法(約70分放置)による試験用ヨウ化メチルの濃度は、図4に点線で示すように、100ppmから0.3ppmに減少した。
次に、第2試験用フィルタ58Bをフィルタ収納容器54の底面59に載置し(フィルタ58Bの一面を容器54の底面59に当接させた状態)、吸気ポンプ56および光音響ガスモニタ53を稼動させ、空気流量計55の測定値を確認しつつ、所定流量の空気を管路57に流した。次に、ガス流量計52の測定値を確認しつつ、ボンベ51から一定量の試験用ヨウ化メチルガスを管路57を介してフィルタ収納容器54に供給し、光音響ガスモニタ53を介してフィルタ収納容器54内の空気に含まれるヨウ化メチルガスの初期濃度が約100ppmになったことを確認した。
試験用ヨウ化メチルガスの初期濃度が約100ppmになった後、切替バルブを閉じてフィルタ収納容器54への空気の流入・流出を停止し、フィルタ収納容器54内の空気を5分間隔でサンプリングし、光音響ガスモニタ53を利用してサンプリングした空気に含まれるヨウ化メチルの濃度を測定(5分間隔で測定)した。200分が経過した後に測定したヨウ化メチルガスの濃度は、4ppmであった。体積/活性炭素繊維面積比が0.125m/0.0625mの第2試験用フィルタ58Bのパッシブ法(約200分放置)による試験用ヨウ化メチルの濃度は、図4に一点鎖線で示すように、100ppmから4ppmに減少した。なお、フィルタ収納容器54に試験用フィルタ58A,58Bを載置しない場合、図4に実線で示すように、長時間が経過しても、ヨウ化メチルの濃度がわずかしか減少していないことが分かる。
図5は、放射性有機ヨウ素除去フィルタ10A,10Bにおける放射性有機ヨウ素捕集効率の試験装置60を示す図である。放射性有機ヨウ素除去フィルタ10A,10Bは、その面速が8〜20cm/secの範囲、好ましくは、15〜20cm/secの範囲にあり、空気の湿度95%における放射性有機ヨウ素捕集効率が95%以上、好ましくは97%以上、より好ましくは99.999%以上である。フィルタ10A,10Bの面速が8cm/sec未満では、フィルタ10A,10Bに対する単位時間当たりの空気の通過量が少なくなり、空気がフィルタ10A,10Bの間隙を通り難く、フィルタ10A,10Bの放射性有機ヨウ素捕集性能が低下する。フィルタ10A,10Bの面速が20cm/secを超過すると、フィルタ10A,10Bの通気性が必要以上に高くなり、空気がフィルタ10A,10Bの間隙に止まり難くなるから、フィルタ10A,10Bの放射性有機ヨウ素捕集性能が低下する。空気の湿度95%における放射性有機ヨウ素除去効率が95%未満では、空気の高湿度環境下において放射性有機ヨウ素を確実に除去することができない場合がある。
放射性有機ヨウ素除去フィルタ10A,10Bにおける放射性有機ヨウ素捕集効率は、図5に示す試験装置60を利用し、その測定結果に基づいて割り出した。試験装置60は、ボンベ61、ガス流量計62、光音響ガスモニタ63(ガス濃度測定装置)、フィルタ収納容器64、空気流量計65、吸気ポンプ66から形成されている。ボンベ61やガス流量計62、光音響ガスモニタ63、フィルタ収納容器64、空気流量計65、吸気ポンプ66は、管路67を介して接続されている。カートリッジ64の上流側の管路67と下流側に管路67とには、バイパス管路68が接続されている。なお、管路67には、フィルタ収納容器64への空気の流入とバイパス管路68への空気の流入とを切り替える切替バルブ(図示せず)が設置されている。
ボンベ61には、管路67に供給する試験用ヨウ化メチルガスが収容されている。フィルタ収納容器64には、フィルタ10Aまたはフィルタ10Bから作られた試験用フィルタ69が固定される。光音響ガスモニタ63は、フィルタ収納容器64の上流側の管路67および下流側に管路67に接続されている。光音響ガスモニタ63は、管路67に流れる空気に含まれる試験用ヨウ化メチルの濃度を連続的に測定する。試験用フィルタ69の仕様は、トリエチレンジアミンC6H12N2の添着量が15.9重量%、目付が209g/m、厚み寸法が3m、比表面積が1400〜1450、重量が0.38gである。
試験手順は、以下のとおりである。試験用フィルタ69をフィルタ収納容器64に固定し、吸気ポンプ66および光音響ガスモニタ63を稼動させ、空気流量計65の測定値を確認しつつ、所定流量(面速(10〜25cm/sec)を流量に換算した場合の流量)の空気を管路67に流し、フィルタ収納容器64の下流側に延びる管路67の露点の変化を監視した。露点測定値が設定した値(空気湿度95%)の場合、切替バルブを介してフィルタ収納容器64への空気の流入を停止し、バイパス管路68に一定流量の空気を流した。次に、ガス流量計62の測定値を確認しつつ、ボンベ61から一定量のヨウ化メチルガスを管路67に供給し、光音響ガスモニタ63を介して空気に含まれるヨウ化メチルガスの濃度が一定の濃度であることを確認した。
試験用ヨウ化メチルガスの濃度が一定の濃度である場合、切替バルブを介してバイパス管路68への空気の流入を停止し、フィルタ収納容器64に一定流量の空気を流し、光音響ガスモニタ63を介してヨウ化メチルガスの濃度を連続して測定した。光音響ガスモニタ63を利用し、フィルタ収納容器64の上流側の管路67から空気をサンプリングしてその空気に含まれるヨウ化メチルの濃度を測定するとともに、フィルタ収納容器64の下流側の管路67から空気をサンプリングしてその空気に含まれるヨウ化メチルの濃度を測定した。
ヨウ化メチルガスの濃度測定は、フィルタ収納容器64の下流側の濃度測定値がフィルタ収納容器64の上流側の濃度測定値の1/3に達するまで継続した。ヨウ化メチル除去効率(放射性有機ヨウ素捕集効率)は、以下の式によって算出した。η=(C1−C2)/C1×100、ここで、ηはヨウ化メチル除去効率(放射性有機ヨウ素捕集効率)(%)、C1はフィルタ収納容器64の上流側の空気に含まれるヨウ化メチルの濃度(ppm)、C2はフィルタ収納容器64の下流側の空気に含まれるヨウ化メチルの濃度(ppm)である。試験結果として、ヨウ化メチル除去効率(放射性有機ヨウ素捕集効率)は、99%以上を示した。なお、試験用フィルタ69ではヨウ化メチル除去効率(放射性有機ヨウ素捕集効率)99%以上を示したが、それから割り出したフィルタ10A,10Bの放射性有機ヨウ素捕集効率として95%以上を最低効率とし、99.999%以上を最高効率とする。
図6は、他の一例として示す放射性有機ヨウ素除去フィルタ10Cの斜視図であり、図7は、図6のA−A線端面図である。図8は、他の一例として示す放射性有機ヨウ素除去フィルタ10Dの斜視図であり、図9は、図8のB−B線端面図である。図6,8では、縦方向を矢印Lで示し、横方向を矢印Mで示す。
図6の放射性有機ヨウ素除去フィルタ10Cが図1のそれと異なるところは、フィルタ本体10Aの全体(フィルタ本体10Aの上下面)が撥水性繊維不織布14または疎水性繊維不織布14に包被され、フィルタ10Cがフィルタ本体10Aと繊維不織布14とから形成されている点にあり、その他の構成は図1のフィルタ10Aと同一であるから、図1と同一の符号を付すとともに、図1の説明を援用し、このフィルタ10Cにおけるその他の構成の説明は省略する。
図8の放射性有機ヨウ素除去フィルタ10Dが図2のそれと異なるところは、フィルタ本体10Bの全体(フィルタ本体10Bの上下面)が撥水性繊維不織布14または疎水性繊維不織布14に包被され、フィルタ10Dがフィルタ本体10Bと繊維不織布14とから形成されている点にあり、その他の構成は図2のフィルタ10Bと同一であるから、図2と同一の符号を付すとともに、図2の説明を援用し、このフィルタ10Dにおけるその他の構成の詳細な説明は省略する。
図6,8に示す放射性有機ヨウ素除去フィルタ10C,10Dは、縦方向へ延びる両端縁部11と横方向へ延びる両側縁部12とを有する。フィルタ本体10A,10Bは、放射性有機ヨウ素を捕集する活性炭素繊維から作られ、所定の面積を有する矩形のシート状に成型されている。図8に示すフィルタ本体10Bは、それにプリーツ加工が施され、横方向へ起伏を繰り返して並ぶ複数のプリーツ13が形成されている。フィルタ本体10A,10Bは、繊維不織布、織物、編み物のうちのいずれかの形態を有する。活性炭素繊維には、放射性有機ヨウ素を吸着するトリエチレンジアミンC6H12N2(アミン類)が添着されている。
撥水性繊維不織布14や疎水性繊維不織布14は、その厚みが0.2〜0.7mmの範囲、好ましくは0.4〜0.5mmである。不織布14の厚みが0.2mm未満では、不織布14の強度が低下し、不織布14が破損し易く、フィルタ本体10A,10Bを保護することができない。不織布14の厚みが0.7mmを超過すると、不織布14における通気性が低下し、その結果、フィルタ本体10A,10Bの通気性が低下し、空気がフィルタ本体10A,10Bを形成する活性炭素繊維の間隙を通り難くなり、フィルタ10A,10Bの放射性有機ヨウ素捕集性能が低下する。
なお、フィルタ本体10A,10Bを包被する撥水性繊維不織布14または疎水性繊維不織布14としては、ケミカルボンド不織布、サーマルボンド不織布、エアレイド不織布、スパンボンド不織布、メルトブロー不織布、スパンレース不織布、ニードルパンチ不織布、ステッチボンド不織布を使用することができる。
フィルタ本体10A,10Bを形成する活性炭素繊維の単位重量に対するトリエチレンジアミンC6H12N2の添着量は、図1,2のフィルタ10A,10Bを形成する活性炭素繊維のそれと同一であり、10〜20重量%の範囲、好ましくは、12〜18重量%の範囲、より好ましくは、13〜16重量%の範囲にある。フィルタ本体10A,10Bを形成する活性炭素繊維の平均繊維径は、図1,2のフィルタ10A,10Bを形成する活性炭素繊維のそれと同一であり、10〜18μmの範囲、好ましくは、12〜16μmの範囲にある。
フィルタ本体10A,10Bの目付は、図1,2のフィルタ10A,10Bのそれと同一であり、100〜350g/mの範囲、好ましくは、150〜300g/mの範囲、より好ましくは、180〜270g/mの範囲にある。フィルタ本体10A,10Bのみかけの嵩密度は、図1,2のフィルタ10A,10Bのそれらと同一であり、0.03〜0.13g/cmの範囲、好ましくは、0.05〜0.011g/cmの範囲にある。フィルタ本体10A,10Bの厚みは、図1,2のフィルタ10A,10Bのそれと同一であり、2〜4mmの範囲、好ましくは3mmである。放射性有機ヨウ素除去フィルタ10A〜10Dは、単位体積当たりのフィルタの重量を少なくすることができ、フィルタが嵩張ることはなく、その持ち運びや設置、取り外しを容易に行うことができる。
放射性有機ヨウ素除去フィルタ10C,10Dでは、試験用ヨウ化メチルの初期濃度が約100ppmの気体に対し、体積/活性炭素繊維面積比が0.125m/0.25mの場合、約70分放置したパッシブ法による試験用ヨウ化メチルの濃度が0.3ppmに減少し、体積/活性炭素繊維面積比が0.125m/0.0625mの場合、約200分放置したパッシブ法による試験用ヨウ化メチルの濃度が4ppmに減少する。なお、パッシブ法による試験用ヨウ化メチルの濃度の測定は、図3に示す試験装置50を利用し、図3において説明した手順で行った。
放射性有機ヨウ素除去フィルタ10A〜10Dは、内部空間の体積に対して所定面積を有するフィルタ10A〜10Dが前記時間(70分、200分)において前記放射性有機ヨウ素除去性能を発揮するから、密閉された悪条件下の内部空間の空気に放射性有機ヨウ素が含まれていたとしても、その放射性有機ヨウ素を確実に除去することができ、放射性有機ヨウ素を除去した清浄な空気を作ることができる。
放射性有機ヨウ素除去フィルタ10C,10Dは、その面速が8〜20cm/secの範囲、好ましくは、15〜20cm/secの範囲にあり、空気の湿度95%における放射性有機ヨウ素捕集効率が95%以上、好ましくは97%以上、より好ましくは99.999%以上である。フィルタ10C,10Dにおける放射性有機ヨウ素捕集効率は、図5に示す試験装置60を利用し、図5において説明した手順で行った。
放射性有機ヨウ素除去フィルタ10A〜10Dは、その面速が前記範囲にあるから、優れた通気性を有し、対流によって流動する空気がフィルタを容易に通過し、フィルタを通過する空気の単位時間当たりの通過量が多くなり、空気に含まれる放射性有機ヨウ素を確実に除去することができるのみならず、単位時間当たりの放射性有機ヨウ素の除去量を多くすることができ、単位時間当たりに多量の空気を清浄処理することができる。
放射性有機ヨウ素除去フィルタ10A〜10Dは、放射性有機ヨウ素を吸着するアミン類が活性炭素繊維に添着されており、空気の湿度95%におけるシート19の放射性有機ヨウ素除去効率が95%以上であるから、空気の高湿度環境下において優れた放射性有機ヨウ素捕集性能を発揮し、空気に放射性有機ヨウ素が含まれていたとしても、その放射性有機ヨウ素を確実に捕集かつ除去することができ、放射性有機ヨウ素を除去した清浄な空気を作ることができる。放射性有機ヨウ素除去フィルタ10A〜10Dは、一度吸着した放射性有機ヨウ素をアミン類が放出することはなく、捕集された放射性有機ヨウ素のフィルタ10A〜10Dからの再飛散を確実に防ぐことができる。
フィルタ10A〜10Dの使用の一例としては、それらフィルタ10A〜10Dを建造物の所定の箇所のうちの空気の流動が少ない密閉された内部空間の床に敷き(床に敷設)、所定期間放置する(パッシブ法)。または、それらフィルタ10A〜10Dを建造物の所定の箇所のうちの空気の流動が少ない密閉された内部空間の壁に掛け、所定期間放置する(パッシブ法)。
建造物の内部空間の空気に放射性有機ヨウ素(ヨウ素ガス)が含まれていると、内部空間の熱による空気の対流によってその放射性有機ヨウ素の濃度が内部空間において次第に均一化する。放射性有機ヨウ素の濃度が均一化する過程において、放射性有機ヨウ素が床に敷かれたフィルタ10A〜10Dを形成する活性炭素繊維の間隙を通り、放射性有機ヨウ素が活性炭素繊維に捕集されるとともに、トリエチレンジアミンC6H12N2に吸着される。また、放射性有機ヨウ素が壁に掛けられたフィルタ10A〜10Dを形成する活性炭素繊維の間隙を通り、放射性有機ヨウ素が活性炭素繊維に捕集されるとともに、トリエチレンジアミンC6H12N2に吸着される。
放射性有機ヨウ素の捕集・吸収によって、内部空間の放射性有機ヨウ素の濃度が稀釈するが、稀釈した放射性有機ヨウ素の濃度が内部空間において再び均一化する。放射性有機ヨウ素の濃度が再び均一化する過程において放射性有機ヨウ素がフィルタを形成する活性炭素繊維の間隙を通り、放射性有機ヨウ素が活性炭素繊維に捕集されるとともに、トリエチレンジアミンC6H12N2に吸着される。このように、放射性有機ヨウ素の捕集・吸着と濃度の均一化とを繰り返すことで、内部空間の空気に含まれる放射性有機ヨウ素がフィルタ10A〜10Dによって次第に除去される。
フィルタ10A〜10Dを内部空間の床に敷き、所定期間が経過した後、古いフィルタ10A〜10Dを床から取り除き、新しいフィルタ10A〜10Dを床に敷き、フィルタ10A〜10Dを所定期間放置する(パッシブ法)。フィルタ10A〜10Dを内部空間の壁に掛け、所定期間が経過した後、古いフィルタ10A〜10Dを壁から取り除き、新しいフィルタ10A〜10Dを壁に掛け、フィルタ10A〜10Dを所定期間放置する(パッシブ法)。フィルタ10A〜10Dは、それらを空気の流動が少ない密閉された内部空間の床に敷き、または、それらを空気の流動が少ない密閉された内部空間の壁に掛け、フィルタ10A〜10Dを所定時間放置するパッシブ法によって放射性有機ヨウ素を次第に除去する放射性有機ヨウ素除去方法に利用することができる。
図10は、フィルタ10Aの使用の一例を示す図であり、図11は、フィルタ10Bの使用の他の一例を示す図である。図10,11では、横方向を矢印M、上下方向を矢印Nで示し、前後方向を矢印Oで示す。なお、図10では、図1に示すフィルタ10Aが使用されているが、図1のフィルタ10Aに替えて図3のフィルタ10Cを使用することもできる。また、図11では、図2に示すフィルタ10Bが使用されているが、図2のフィルタ10Bに替えて図5のフィルタ10Dを使用することもできる。
図10,11は、移動式ハンガー15を利用するフィルタ10A,10Bの使用例を示す。移動式ハンガー15は、横方向へ延びる2本の下端パイプ16と、それら下端パイプ16につながって上下方向へ延びる6本の接続パイプ17と、それら接続パイプ17につながって前後方向へ延びる3本のハンガーパイプ18とから形成されている。下端パイプ16には、ハンガー15を移動させることが可能なキャスター19が取り付けられている。
フィルタ10A,10Bは、各ハンガーパイプ18に掛けられ、ハンガーパイプ18と下端パイプ16との間において幅方向へ起伏を繰り返すように垂れ下げられている。フィルタ10A,10Bがそのような使用状態にある移動式ハンガー15を建造物の所定の箇所のうちの空気の流動が少ない密閉された内部空間に設置し、所定期間放置する(パッシブ法)。
移動式ハンガー15を設置した建造物の内部空間の空気に放射性有機ヨウ素(ヨウ素ガス)が含まれている場合、その内部空間の熱による空気の対流により放射性有機ヨウ素の濃度が均一化する過程において、放射性有機ヨウ素がハンガーパイプ18に掛けられたフィルタ10A,10Bを形成する活性炭素繊維の間隙を通り、放射性有機ヨウ素が活性炭素繊維に捕集されるとともに、トリエチレンジアミンC6H12N2に吸着される。さらに、放射性有機ヨウ素の濃度が再び均一化する過程において、放射性有機ヨウ素が活性炭素繊維の間隙を通り、放射性有機ヨウ素が活性炭素繊維に捕集されるとともに、トリエチレンジアミンC6H12N2に吸着される。
ハンガーパイプに掛けられたフィルタ10A,10Bを建造物の内部空間に放置し、所定期間が経過した後、移動式ハンガーを内部空間から他の箇所に移動させ、古いフィルタ10A,10Bをハンガーパイプから取り外し、新しいフィルタ10A,10Bをハンガーパイプに掛けて図10,11の使用状態とし、移動式ハンガーを再び内部空間に移動させ、所定期間放置する(パッシブ法)。
図12は、フィルタ10Aの使用の他の一例を示す図であり、図13は、フィルタ10Bの使用の他の一例を示す図である。図12,13では、横方向を矢印Mで示し、上下方向を矢印Nで示す。なお、図12では、図1に示すフィルタ10Aが使用されているが、図1のフィルタ10Aに替えて図3のフィルタ10Cを使用することもできる。また、図13では、図2に示すフィルタ10Bが使用されているが、図2のフィルタ10Bに替えて図5のフィルタ10Dを使用することもできる。
図12,13は、カーテン20として利用するフィルタ10A,10Bの使用例を示す。カーテン20(フィルタ10A,10B)は、カーテンレール21に吊り下げフック22を介して吊り下げられている。フィルタ10A,10Bを使用したカーテン20を建造物の所定の箇所のうちの空気の流動が少ない密閉された内部空間に設置し、所定期間放置する(パッシブ法)。
カーテン20を設置した建造物の内部空間の空気に放射性有機ヨウ素(ヨウ素ガス)が含まれている場合、その内部空間の熱による空気の対流により放射性有機ヨウ素の濃度が均一化する過程において、放射性有機ヨウ素がカーテン20(フィルタ10A,10B)を形成する活性炭素繊維の間隙を通り、放射性有機ヨウ素が活性炭素繊維に捕集されるとともに、トリエチレンジアミンC6H12N2に吸着される。さらに、放射性有機ヨウ素の濃度が再び均一化する過程において、放射性有機ヨウ素が活性炭素繊維の間隙を通り、放射性有機ヨウ素が活性炭素繊維に捕集されるとともに、トリエチレンジアミンC6H12N2に吸着される。カーテン20を建造物の内部空間に放置し、所定期間が経過した後、古いカーテン20をカーテンレール21から取り外し、新しいカーテン20をカーテンレール21に取り付けて図12,13の使用状態とし、カーテン20を再び内部空間において所定期間放置する(パッシブ法)。
図14は、フィルタ10Aの使用の他の一例を示す図であり、図15は、フィルタ10Bの使用の他の一例を示す図である。なお、図14では、図1に示すフィルタ10Aが使用されているが、図1のフィルタ10Aに替えて図3のフィルタ10Cを使用することもできる。また、図15では、図2に示すフィルタ10Bが使用されているが、図2のフィルタ10Bに替えて図5のフィルタ10Dを使用することもできる。図14,15は、カバー23として利用するフィルタ10A,10Bの使用例を示す。
カバー23(フィルタ10A,10B)は、建造物の所定の箇所のうちの空気の流動が少ない密閉された内部空間に設置された機械や器具等の物品24の上に掛けられた状態で所定期間放置される(パッシブ法)。物品24が設置された建造物の内部空間の空気に放射性有機ヨウ素(ヨウ素ガス)が含まれている場合、その内部空間の熱による空気の対流により放射性有機ヨウ素の濃度が均一化する過程において、放射性有機ヨウ素がカバー23(フィルタ10A,10B)を形成する活性炭素繊維の間隙を通り、放射性有機ヨウ素が活性炭素繊維に捕集されるとともに、トリエチレンジアミンC6H12N2に吸着される。さらに、放射性有機ヨウ素の濃度が再び均一化する過程において、放射性有機ヨウ素が活性炭素繊維の間隙を通り、放射性有機ヨウ素が活性炭素繊維に捕集されるとともに、トリエチレンジアミンC6H12N2に吸着される。カバー23を建造物の内部空間に放置し、所定期間が経過した後、古いカバー23を物品24から取り去り、物品24の上に新しいカバー23を掛けて図14,15の使用状態とし、カバー23を再び内部空間において所定期間放置する(パッシブ法)。
放射性有機ヨウ素除去フィルタ10A〜10Dは、それが高比表面積かつ微細な多数の細孔を有する活性炭素繊維から作られ、所定の建造物のうちの空気の流動が少ない密閉された内部空間に設置され、その内部空間に所定時間放置するパッシブ法によって空気に含まれる放射性有機ヨウ素を次第に除去するから、密閉された内部空間の空気に放射性有機ヨウ素が含まれていたとしても、その放射性有機ヨウ素を確実に除去することができ、放射性有機ヨウ素を除去した清浄な空気を作ることができる。
放射性有機ヨウ素除去フィルタ10A〜10Dは、内部の空気を外部に放出させることができない建造物の内部空間や送電が停止して空調設備を利用することができない建造物の内部空間、故障によって空調設備が停止した建造物の内部空間、災害時に予備発電機等が故障して空調設備を稼動させることができない建造物の内部空間において、そこの空気に含まれる放射性有機ヨウ素を取り除くことができ、そのような悪条件下の内部空間において放射性有機ヨウ素の除去に利用することができる。
複数のプリーツが形成された放射性有機ヨウ素除去フィルタ10B,10Dは、プリーツが形成されていない場合と比較し、縦方向や横方向の単位長さ当たりのフィルタ10B,10Dの面積を大きくすることができ、内部空間の体積に対するフィルタ10B,10Dの面積比が大きくなり、内部空間に対するフィルタ10B,10Dの放射性有機ヨウ素の捕集効率を向上させることができる。
全体が撥水性繊維不織布または疎水性繊維不織布に包被された放射性有機ヨウ素除去フィルタ10C,10Dは、撥水性繊維不織布または疎水性繊維不織布によって塵埃のフィルタ10C,10Dへの付着や水分のフィルタ10C,10Dへの滲入を防ぐことができ、塵埃がフィルタ10C,10Dに付着することやフィルタ10C,10Dが水に濡れることによるフィルタ10C,10Dの放射性有機ヨウ素除去性能の低下を防ぐことができる。また、放射性有機ヨウ素除去フィルタ10C,10Dが直接外部に露出することによるフィルタ10C,10Dの破損を防ぐことができ、フィルタ10C,10Dが破損することによるフィルタ10C,10Dの放射性有機ヨウ素除去性能の低下を防ぐことができる。
10A 放射性有機ヨウ素除去フィルタ(フィルタ本体)
10B 放射性有機ヨウ素除去フィルタ(フィルタ本体)
10C 放射性有機ヨウ素除去フィルタ
10D 放射性有機ヨウ素除去フィルタ
11 両端部
12 両側部
13 プリーツ
14 繊維不織布
15 移動式ハンガー
20 カーテン
23 カバー

Claims (11)

  1. 縦方向へ延びる両端縁部と横方向へ延びる両側縁部とを有する所定面積のシート状に成型され、空気に含まれる放射性有機ヨウ素を除去する放射性有機ヨウ素除去フィルタにおいて、
    前記フィルタが、前記放射性有機ヨウ素を捕集する活性炭素繊維から作られ、所定の建造物のうちの空気の流動が少ない密閉された内部空間に所定時間放置されるパッシブ法により、前記内部空間における空気の対流によって濃度が均一化する前記放射性有機ヨウ素を次第に除去することを特徴とする放射性有機ヨウ素除去フィルタ。
  2. 前記放射性有機ヨウ素除去フィルタには、それにプリーツ加工を施すことにより、前記縦方向と前記横方向とのいずれか一方へ並ぶ複数のプリーツが形成されている請求項1に記載の放射性有機ヨウ素除去フィルタ。
  3. 前記放射性有機ヨウ素除去フィルタが、繊維不織布、織物、編み物のうちのいずれかの形態を有する請求項1または請求項2に記載の放射性有機ヨウ素除去フィルタ。
  4. 前記放射性有機ヨウ素除去フィルタの全体が、撥水性繊維不織布または疎水性繊維不織布に包被されている請求項1ないし請求項3いずれかに記載の放射性有機ヨウ素除去フィルタ。
  5. 前記放射性有機ヨウ素除去フィルタでは、試験用ヨウ化メチルの初期濃度が約100ppmの気体に対し、体積/活性炭素繊維面積比が0.125m/0.25mの場合、約70分放置した前記パッシブ法による試験用ヨウ化メチルの濃度が0.3ppmに減少し、体積/活性炭素繊維面積比が0.125m/0.0625mの場合、約200分放置した前記パッシブ法による試験用ヨウ化メチルの濃度が4ppmに減少する請求項1ないし請求項4いずれかに記載の放射性有機ヨウ素除去フィルタ。
  6. 前記活性炭素繊維の平均繊維径が、10〜18μmの範囲にあり、前記放射性有機ヨウ素除去フィルタの目付が、100〜350g/mの範囲、前記放射性有機ヨウ素除去フィルタのみかけの嵩密度が、0.03〜0.13g/cmの範囲にある請求項1ないし請求項5いずれかに記載の放射性有機ヨウ素除去フィルタ。
  7. 前記放射性有機ヨウ素除去フィルタの厚み寸法が、2〜4mmの範囲にあり、前記放射性有機ヨウ素除去フィルタの面速が、8〜20cm/secの範囲にある請求項1ないし請求項6いずれかに記載の放射性有機ヨウ素除去フィルタ。
  8. 前記放射性有機ヨウ素を吸着するアミン類が、前記放射性有機ヨウ素除去フィルタを形成する活性炭素繊維に添着され、空気の湿度95%における前記放射性有機ヨウ素除去フィルタの放射性有機ヨウ素捕集効率が、95%以上である請求項1ないし請求項7いずれかに記載の放射性有機ヨウ素除去フィルタ。
  9. 前記アミン類が、トリエチレンジアミンC6H12N2であり、前記活性炭素繊維の単位重量に対する前記トリエチレンジアミンC6H12N2の添着量が、10〜20重量%の範囲にある請求項8に記載の放射性有機ヨウ素除去フィルタ。
  10. 放射性有機ヨウ素を捕集する活性炭素繊維から作られ、縦方向へ延びる両端縁部と横方向へ延びる両側縁部とを有する所定面積のシート状に成型されて空気に含まれる放射性有機ヨウ素を除去する放射性有機ヨウ素除去フィルタを利用し、所定の建造物のうちの空気の流動が少ない密閉された内部空間に前記フィルタを所定時間放置するパッシブ法により、前記内部空間における空気の対流によって濃度が均一化する前記放射性有機ヨウ素を次第に除去する放射性有機ヨウ素除去方法。
  11. 前記活性炭素繊維には、前記放射性有機ヨウ素を吸着するアミン類が添着されている請求項10に記載の放射性有機ヨウ素除去方法。
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