JP2012245899A - ラック・アンド・ピニオン式ステアリング装置 - Google Patents

ラック・アンド・ピニオン式ステアリング装置 Download PDF

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Abstract

【課題】ピニオン軸に過大なスラスト力が発生した際、ピニオン軸を回転自在に支持する玉軸受が負担するピニオン軸のスラスト力を低減させて、玉軸受に生じる障害を防止し、耐久性の高いラック・アンド・ピニオン式ステアリング装置を提供する。
【解決手段】ピニオン軸21は、外周面から径方向外方に延設されるフランジ31を有する。スラスト力受け機構50は、フランジ31の表面31aおよび裏面31bの少なくとも一方の面に隙間を介して対向配置されて、ピニオン軸21に所定値以上のスラスト力が発生した際、フランジ31に接触してピニオン軸21のスラスト力を受ける。
【選択図】図1

Description

本発明は、例えば自動車等の車両に用いられるステアリング装置に関し、特に、ラック軸とピニオン軸とを備えたラック・アンド・ピニオン式ステアリング装置に関する。
従来、互いに噛合するピニオンギヤおよびラック歯が軸線に対して傾斜して形成されたピニオン軸およびラック軸を備えるラック・アンド・ピニオン式ステアリング装置が知られている。このラック・アンド・ピニオン式ステアリング装置は、ピニオンギヤおよびラック歯が傾斜して形成されているため、歯当たりが分散されて静音であり、且つトルク変動が少ないと言う利点を有する。しかし、操舵時などにピニオン軸に回転トルクが作用すると、ピニオンギヤとラック歯との噛合部の反力としてピニオン軸にスラスト力が発生する。一方、近年、電動パワーステアリング装置の出力トルクは増大傾向にあり、これに伴って、ピニオン軸に発生するスラスト力も増大している。
また、ピニオン軸の軸端に、一体回転するナットと押圧部材を設けると共に、ハウジングにスラスト力受け面を設け、ナットを回転させることにより押圧部材がスラスト力受け面を常時押圧するように押圧力を調整して、回転方向のフリクションをコントロールするようにしたステアリング装置が開示されている(例えば、特許文献1参照。)。
特許第2836342号公報
操舵時などにおいてピニオン軸に発生するスラスト力は、ピニオン軸を回転自在に支持する玉軸受で受けられるが、過大なスラスト力が玉軸受に作用すると、転動体である玉が軌道面の肩部に乗り上がる乗り上がり現象が生じる虞がある。特に、停車時のステアリング操作や、ステアリングの最大角度を越えてステアリング操作が行われるなどの際に、大きなスラスト力が発生する可能性がある。この乗り上がり現象を防止するためには、許容スラスト力(スラスト荷重負荷能力)が大きい玉軸受を使用することも考えられるが、限界があり、効果的にピニオン軸のスラスト力を受けることができる機構が望まれていた。
また、特許文献1のステアリング装置は、回転方向のフリクションをコントロールして所望の操舵フィーリングを得るものであり、ピニオン軸に所定値以上の大きなスラスト力が発生した際にスラスト力受け機構で受けて、玉軸受に作用するスラスト力を低減させることを目的とする本発明とは異なるものである。
本発明は、前述した課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、ピニオン軸に過大なスラスト力が発生した際、ピニオン軸を回転自在に支持する玉軸受が負担するピニオン軸のスラスト力を低減させて、玉軸受に生じる障害を防止し、耐久性の高いラック・アンド・ピニオン式ステアリング装置を提供することにある。
本発明の上記目的は、下記の構成により達成される。
(1)ステアリングシャフトに連結され、ピニオンギヤを有するピニオン軸と、
前記ピニオンギヤに噛合するラック歯を有するラック軸と、
を備えるラック・アンド・ピニオン式ステアリング装置であって、
前記ピニオン軸は、外周面から径方向外方に延設されるフランジ部を有し、
前記フランジ部の表面および裏面の少なくとも一方の面に隙間を介して対向配置されて、前記ピニオン軸に所定値以上のスラスト力が発生した際に前記フランジ部に接触して前記ピニオン軸のスラスト力を受けるスラスト力受け機構を備えることを特徴とするラック・アンド・ピニオン式ステアリング装置。
(2)前記フランジ部と前記スラスト力受け機構とが摺接する接触面には、摺動摩擦抵抗が小さくなるように低摩擦材が配置されることを特徴とする上記(1)に記載のラック・アンド・ピニオン式ステアリング装置。
(3)前記スラスト力受け機構は、前記フランジ部の表面および裏面の両面に隙間を介して対向配置され、前記ピニオン軸に所定値以上のスラスト力が発生した際に前記フランジ部を挟み込むことで前記ピニオン軸のスラスト力を受けることを特徴とする上記(1)又は(2)に記載のラック・アンド・ピニオン式ステアリング装置。
(4)前記スラスト力受け機構は、前記フランジ部との接触部に配置された圧電素子または油圧ピストンを備え、
前記圧電素子または前記油圧ピストンが発生する力により、前記ピニオン軸のスラスト力を受けることを特徴とする上記(3)に記載のラック・アンド・ピニオン式ステアリング装置。
上記(1)に記載のラック・アンド・ピニオン式ステアリング装置によれば、ピニオン軸に設けられたフランジ部の表面および裏面の少なくとも一方の面に、ピニオン軸のスラスト力を受けるスラスト力受け機構が隙間を介して対向配置され、ピニオン軸に所定値以上のスラスト力が発生した際にフランジ部に接触してピニオン軸のスラスト力を受けるようにしたので、ピニオン軸を回動自在に支持する玉軸受に過大なスラスト力が作用することを防止することができ、過大なスラスト力に起因する玉軸受の障害を防止して、耐久性の高いラック・アンド・ピニオン式ステアリング装置が得られる。また、スラスト力受け機構がフランジ部に対し隙間を介して対向配置されるので、通常時のステアリング操作では、従来と変わらない操舵フィーリングでの操舵が可能となる。
また、上記(2)に記載のラック・アンド・ピニオン式ステアリング装置によれば、フランジ部とスラスト力受け機構とが摺接する接触面には、摺動摩擦抵抗係数が小さくなるように低摩擦材が配置されるので、フランジ部とスラスト力受け機構との摺動摩擦抵抗を小さくすることができ、操舵力を増大させることなく、スラスト力受け機構により効果的にスラスト力を受けることができる。
更に、上記(3)にラック・アンド・ピニオン式ステアリング装置によれば、スラスト力受け機構は、フランジ部の表面および裏面の両面に隙間を介して対向配置され、ピニオン軸に所定値以上のスラスト力が発生した際にフランジ部を挟み込んでピニオン軸のスラスト力を受けるようにしたので、より確実に玉軸受に作用するスラスト力を低減することができる。
また、上記(4)にラック・アンド・ピニオン式ステアリング装置によれば、スラスト力受け機構は、フランジ部との接触部に配置された圧電素子または油圧ピストンが発生する力によって、ピニオン軸のスラスト力を受けるようにしたので、圧電素子または油圧ピストンが発生する力の大きさや発生タイミングは制御可能であり、ピニオン軸に発生するスラスト力に合わせて圧電素子または油圧ピストンを作動させることで、効果的にスラスト力を受けることができる。
本発明に係る第1実施形態のラック・アンド・ピニオン式ステアリング装置の断面図である。 (a)は第2実施形態のラック・アンド・ピニオン式ステアリング装置の断面図、(b)は低摩擦材が配置されたスラスト力受け機構の要部正面図である。 (a)は第3実施形態のラック・アンド・ピニオン式ステアリング装置の断面図、(b)は圧電素子が配置されたスラスト力受け機構の要部正面図である。 (a)は第4実施形態のラック・アンド・ピニオン式ステアリング装置の断面図、(b)は油圧ピストンが配置されたスラスト力受け機構の要部正面図である。
以下、本発明に係るラック・アンド・ピニオン式ステアリング装置の各実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
(第1実施形態)
図1は本発明の第1実施形態であるラック・アンド・ピニオン式ステアリング装置の断面図であり、ラック・アンド・ピニオン式ステアリング装置10Aは、ステアリング操作により回転する不図示のステアリングシャフトに連結されたピニオン軸21と、ピニオン軸21のピニオンギヤ22に噛合するラック歯24を有するラック軸23とを備え、ハウジング25内に収納されている。
ピニオンギヤ22およびラック歯24は、それぞれピニオン軸21およびラック軸23の軸線に対して傾斜して形成された、所謂、はすばギヤである。このため、ステアリング操作によってピニオン軸21にトルクが作用すると、ピニオンギヤ22とラック歯24との噛合部の反力によりピニオン軸21にスラスト力が発生する。
ピニオン軸21は、その中間部が玉軸受40によって支持されると共に、先端に形成された小径軸部26がニードル軸受45によって支持されて、ハウジング25に回転自在に支持されている。
ハウジング25には、一端側(図中上方)に開口する段付き孔27が形成されている。段付き孔27は、その開口側に雌ねじ28が形成されると共に、下部に軸受収容室29が設けられている。雌ねじ28には、カバースクリュー30の雄ねじ30aが螺合する。
玉軸受40は、外輪41と、内輪42と、外内輪41、42間に転動自在に配置された複数の玉43とを備える。外輪41は、軸受収容室29に内嵌し、軸受収容室29の段部と、雌ねじ28に螺合するカバースクリュー30と、によって狭持されてハウジング25に位置決め固定されている。
ラック軸23は、その軸方向がピニオン軸21の軸方向と交差する方向に配置され、軸方向の一側面(ピニオン軸21側)に形成されたラック歯24がピニオン軸21のピニオンギヤ22に噛合して、軸方向に往復直線運動可能にハウジング25に支持されている。ラック軸23の両端は、不図示のタイロッドに連結されて車輪を操舵する。
ラック軸23を挟んでピニオン軸21と反対側には、ローラ収容空間51が凹設された略円筒形のラックガイド52が、ハウジング25に設けられたラックガイド収容室53に摺動自在に嵌合している。ラックガイド52は、ラックガイド収容室53に案内されてラック軸23に接近および離間する方向に移動可能である。
ラックガイド52のローラ収容空間51には、ラック軸23の背面23aを転動しながら支持するローラ54、およびローラ54を回動自在に支持する支持軸56が収容されている。支持軸56の両端は、ラック軸23側からラックガイド52の軸方向中間部に亘ってローラ収容空間51に形成された一対のU字溝57の肩部に支持されている。支持軸56の軸方向は、ラック軸23の直線運動方向、即ち、ラック軸23の軸方向と直交して配置されている。
ラックガイド収容室53は、開口部に設けられた雌ねじに螺合する調整ねじ58により封止されている。調整ねじ58とラックガイド52との間には、皿ばね59が装着されて、ラックガイド52をラック軸23に向けて付勢している。皿ばね59の弾性力によりラック軸23に向けて付勢されたラックガイド52は、ローラ54を介してラック軸23をピニオン軸21に向けて付勢する。
皿ばね59の弾性力は、調整ねじ58のねじ込み量を調整することにより調整可能であり、調整ねじ58の外周面に螺合するロックナット60を締め付けることで、調整ねじ58の調整位置が固定される。これにより、ピニオン軸21のピニオンギヤ22と、ラック軸23のラック歯24との噛合状態が、噛合部のバックラッシュが少ない状態に調整されて維持される。また、ピニオンギヤ22とラック歯24との噛合部は、封入されたギヤ用潤滑剤によって潤滑されている。
ピニオン軸21の中間部(玉軸受40よりややステアリングシャフト側)には、径方向外方に延設されるフランジ31が、ピニオン軸21に設けられる。フランジ31は、内周面に形成された雌ねじ31cが、ピニオン軸21の中間部に形成された雄ねじ21aに螺合し、更に、ロックナット32によってピニオン軸21に固定されている。
ハウジング25の雌ねじ28に螺合して開口側に配設されたカバースクリュー30は、その内周面にリング状突起部33と雌ねじ34とを有する。リング状突起部33は、カバースクリュー30の内周面の軸方向中間から径方向内側に向かって突出してリング状に形成され、フランジ31の裏面31bに僅かな隙間を介して対向配置されている。
カバースクリュー30の雌ねじ34には、アッパーカバー35の雄ねじ35aが螺合している。アッパーカバー35の端面は、フランジ31の表面31aに僅かな隙間を介して対向配置されている。フランジ31の表面31aとアッパーカバー35との隙間、およびフランジ31の裏面31bとリング状突起部33との隙間は、アッパーカバー35およびカバースクリュー30を回転させることにより調節可能である。
アッパーカバー35、およびカバースクリュー30のリング状突起部33は、ピニオン軸21に所定値以上のスラスト力が加わると、フランジ31の表裏面31a、31bに接触してピニオン軸21のスラスト力を受ける。即ち、アッパーカバー35、およびカバースクリュー30は、ピニオン軸21のスラスト力を受けるスラスト力受け機構50を構成する。
本実施形態の作用を説明する。本発明の第1実施形態であるラック・アンド・ピニオン式ステアリング装置10Aは、図1において、ステアリング操作によりピニオン軸21が回転し、ピニオンギヤ22にラック歯24が噛合するラック軸23を直線移動させる際、ピニオンギヤ22とラック歯24との噛合の反力としてピニオン軸21にスラスト力が発生し、組み付け隙間の範囲内でピニオン軸21が軸方向に移動する。スラスト力が小さい場合には、スラスト力は玉軸受40で受けられるので、フランジ31の表裏面31a、31bと、アッパーカバー35およびリング状突起部33(スラスト力受け機構50)との間には隙間があり、従来とおなじ通常のステアリング操作が行われる。
一方、ステアリングの最大角度を越えてステアリング操作が行われなど、ピニオン軸21に大きな回転力が作用してピニオン軸21に所定値以上のスラスト力が発生すると、ピニオン軸21の軸方向への移動により、アッパーカバー35またはリング状突起部33(スラスト力受け機構50)と、フランジ31の表裏面31a、31bと、が接触する。これにより、ピニオン軸21のスラスト力は、スラスト力受け機構50で受けられて、玉軸受40に作用するスラスト力が低減する。
以上説明したように、本実施形態のラック・アンド・ピニオン式ステアリング装置10Aによれば、ピニオン軸21に設けられたフランジ31の表面31aおよび裏面31bに、ピニオン軸21のスラスト力を受けるためのアッパーカバー35およびリング状突起部33(スラスト力受け機構50)が隙間を介して対向配置されており、ピニオン軸21に所定値以上のスラスト力が加わると、フランジ31の表面31aまたは裏面31bがスラスト力受け機構50に接触してピニオン軸21のスラスト力を受けるようにしたので、ピニオン軸21を回動自在に支持する玉軸受40に過大なスラスト力が作用することを防止することができ、ピニオン軸21のスラスト荷重負荷能力が向上する。これにより、過大なスラスト力に起因する玉軸受40の障害を防止して、耐久性の高いラック・アンド・ピニオン式ステアリング装置10Aが得られる。
また、ピニオン軸21に設けられたフランジ31の表面31aおよび裏面31bに、ピニオン軸21のスラスト力を受けるためのアッパーカバー35およびリング状突起部33(スラスト力受け機構50)が隙間を介して対向配置されるので、通常時のステアリング操作では、従来と変わらない操舵フィーリングでの操舵が可能となる。
(第2実施形態)
次に、ラック・アンド・ピニオン式ステアリング装置の第2実施形態について図2を参照して説明する。図2は本発明の第2実施形態であるラック・アンド・ピニオン式ステアリング装置の断面図である。
本実施形態のラック・アンド・ピニオン式ステアリング装置は、フランジ部と接触するスラスト力受け機構の接触面に低摩擦材が配置されている以外は、第1実施形態のラック・アンド・ピニオン式ステアリング装置と同様であるので、同一部分には同一符号又は相当符号を付して説明を簡略化又は省略する。
図2に示すように、本実施形態のラック・アンド・ピニオン式ステアリング装置10Bは、フランジ31の表面31aに接触するアッパーカバー35の接触面、およびフランジ31の裏面31bに接触するリング状突起部33の接触面に、摺動摩擦抵抗係数が小さな低摩擦材36が、リング状に配設されている。低摩擦材36の摺動摩擦抵抗係数は、0.02〜0.25の範囲内にあることが好ましく、0.05〜0.25がより好ましく、0.02〜0.15がさらに好ましい。低摩擦材36としては、二硫化モリブデン、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)等が好ましい。これにより、ピニオン軸21に大きなスラスト力が作用して、フランジ31がスラスト力受け機構50に接触する際、ステアリング操作時の摺動摩擦抵抗が低減されて良好な操舵フィーリングが維持される。
以上説明したように、本実施形態のラック・アンド・ピニオン式ステアリング装置10Bによれば、フランジ31の表面31aと摺接するアッパーカバー35の接触面、およびフランジ31の裏面31bと摺接するリング状突起部33の接触面には、摺動摩擦抵抗係数が小さな低摩擦材36が配置されるので、ピニオン軸21に大きなスラスト力が作用して、フランジ31がスラスト力受け機構50に接触する際、フランジ31とスラスト力受け機構50との摺動摩擦抵抗が増大することはなく、操舵力が小さく維持されると共に、ピニオン軸21のスラスト力がスラスト力受け機構50により効果的に受けられて、玉軸受40にかかる負荷を低減することができる。
(第3実施形態)
次に、本発明のラック・アンド・ピニオン式ステアリング装置の第3実施形態について図3を参照して説明する。本実施形態のラック・アンド・ピニオン式ステアリング装置は、スラスト力受け機構が第1および第2実施形態のラック・アンド・ピニオン式ステアリング装置と異なり、その他の部分については、同様であるので、同一部分には同一符号又は相当符号を付して説明を簡略化又は省略する。
図3は本発明の第3実施形態であるラック・アンド・ピニオン式ステアリング装置の断面図である。本実施形態のラック・アンド・ピニオン式ステアリング装置10Cは、アッパーカバー35のフランジ31との接触面、およびリング状突起部33のフランジ31との接触面に、それぞれフランジ31の表裏面31a、31bとの間に隙間を介して複数(図に示す実施形態では6個)の圧電素子37が周方向に等間隔で離間して配設されている。それぞれの圧電素子37には、電力を供給するための電線38が配索されている。即ち、フランジ31の表裏面31a、31bと隙間を介して対向配置され、アッパーカバー35およびリング状突起部33に配設された複数の圧電素子37により、スラスト力受け機構50が構成される。
そして、ピニオン軸21に所定値以上のスラスト力が加わるとき、アッパーカバー35およびリング状突起部33の圧電素子37に通電してフランジ31を挟み込み、圧電素子37が発生する力により、ピニオン軸21のスラスト力を受ける。これにより、玉軸受40にかかる負荷が低減する。
なお、電動式パワーステアリング装置や油圧式パワーステアリング装置では、ピニオン軸21に与えるトルクやタイミングが制御装置で制御されるので、トルクの大きさ、即ち、ピニオン軸21に発生するスラスト力や、タイミングを予め知ることができる。従って、これに合わせて圧電素子37に与える電圧やタイミングを制御することで、効果的にピニオン軸21のスラスト力を受けることができる。また、圧電素子37の表面に、第2実施形態で説明した低摩擦材36を配置すれば、フランジ31とスラスト力受け機構50との接触時の摩擦を低減することができる。
以上説明したように、本実施形態のラック・アンド・ピニオン式ステアリング装置10Cによれば、スラスト力受け機構50は、フランジ31の表面31aおよび裏面31bに隙間を介して対向配置され、ピニオン軸21に所定値以上のスラスト力が加わるとき、フランジ31を挟み込んでピニオン軸21のスラスト力を受けるようにしたので、所定値以上のスラスト力が発生した際には、スラスト力受け機構50で受けて玉軸受40に作用するスラスト力を低減させる。また、スラスト力が小さい通常時のステアリング操作では、スラスト力受け機構50とフランジ31とは接触せず、従来と変わらない操舵フィーリングでの操舵が可能となる。
更に、ピニオン軸21に所定値以上のスラスト力が加わったとき、スラスト力受け機構50は、フランジ31との接触部に配置された圧電素子37が発生する力によって、ピニオン軸21のスラスト力を受けるようにしたので、効果的に玉軸受40に作用するスラスト力を低減することができる。また、圧電素子37が発生する力の大きさや発生タイミングは制御可能であり、ピニオン軸21に発生するスラスト力に合わせて圧電素子37を作動させることで、効果的にスラスト力を受けることができる。
(第4実施形態)
次に、本発明のラック・アンド・ピニオン式ステアリング装置の第4実施形態を図4に基づいて説明する。本実施形態のラック・アンド・ピニオン式ステアリング装置は、スラスト力受け機構が第3実施形態のラック・アンド・ピニオン式ステアリング装置と異なる。その他の部分については、同様であるので、同一部分には同一符号又は相当符号を付して説明を簡略化又は省略する。
図4は本発明の第4実施形態であるラック・アンド・ピニオン式ステアリング装置の断面図である。本実施形態のラック・アンド・ピニオン式ステアリング装置10Dは、アッパーカバー35のフランジ31との接触面側、およびリング状突起部33のフランジ31との接触面側に、油圧ピストン63が配設されている。具体的には、アッパーカバー35およびリング状突起部33に穿設されたリング状のピストン室61に、それぞれリング状のピストン62がピストン室61から出没可能に嵌合する。各ピストン室61は、油圧ホース64を介して不図示の圧力油供給源に接続されている。
本実施形態のスラスト力受け機構50は、リング状のピストン室61およびピストン62を備える油圧ピストン63で構成され、フランジ31に対向配置されている。そして、ピニオン軸21に所定値以上のスラスト力が加わるとき、アッパーカバー35およびリング状突起部33のピストン室61に圧力油供給源から圧力油を供給して一対のリング状のピストン62でフランジ31を挟み込み、油圧ピストン63の発生する力により、ピニオン軸21のスラスト力を受けることで、玉軸受40にかかる負荷を低減させる。
以上説明したように、本実施形態のラック・アンド・ピニオン式ステアリング装置10Dによれば、フランジ31に対向配置された油圧ピストン63が発生する力によって、ピニオン軸21のスラスト力を受けるようにしたので、効果的に玉軸受40に作用するスラスト力を低減することができる。また、油圧ピストン63に発生させる力の大きさや発生タイミングは制御可能であり、ピニオン軸21にかかるスラスト力に合わせて、圧力油供給源からピストン室61に圧力油を供給することで、効果的にスラスト力を受けることができる。また、ピストン62の表面に、第2実施形態で説明した低摩擦材36を配置すれば、フランジ31とスラスト力受け機構50との接触時の摩擦を低減することができる。
尚、本発明は、前述した各実施形態に限定されるものではなく、適宜、変形、改良、等が可能である。
10A、10B、10C、10D ラック・アンド・ピニオン式ステアリング装置
21 ピニオン軸
22 ピニオンギヤ
23 ラック軸
24 ラック歯
31 フランジ(フランジ部)
31a 表面
31b 裏面
36 低摩擦材
37 圧電素子
50 スラスト力受け機構
63 油圧ピストン

Claims (4)

  1. ステアリングシャフトに連結され、ピニオンギヤを有するピニオン軸と、
    前記ピニオンギヤに噛合するラック歯を有するラック軸と、
    を備えるラック・アンド・ピニオン式ステアリング装置であって、
    前記ピニオン軸は、外周面から径方向外方に延設されるフランジ部を有し、
    前記フランジ部の表面および裏面の少なくとも一方の面に隙間を介して対向配置されて、前記ピニオン軸に所定値以上のスラスト力が発生した際に前記フランジ部に接触して前記ピニオン軸のスラスト力を受けるスラスト力受け機構を備えることを特徴とするラック・アンド・ピニオン式ステアリング装置。
  2. 前記フランジ部と前記スラスト力受け機構とが摺接する接触面には、摺動摩擦抵抗が小さくなるように低摩擦材が配置されることを特徴とする請求項1に記載のラック・アンド・ピニオン式ステアリング装置。
  3. 前記スラスト力受け機構は、前記フランジ部の表面および裏面の両面に隙間を介して対向配置され、前記ピニオン軸に所定値以上のスラスト力が発生した際に前記フランジ部を挟み込むことで前記ピニオン軸のスラスト力を受けることを特徴とする請求項1又は2に記載のラック・アンド・ピニオン式ステアリング装置。
  4. 前記スラスト力受け機構は、前記フランジ部との接触部に配置された圧電素子または油圧ピストンを備え、
    前記圧電素子または前記油圧ピストンが発生する力により、前記ピニオン軸のスラスト力を受けることを特徴とする請求項3に記載のラック・アンド・ピニオン式ステアリング装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR20160049279A (ko) * 2014-10-27 2016-05-09 현대모비스 주식회사 차량용 조향장치
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