JP2012242707A - 定着装置、及び、画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】定着ベルトや加圧ベルト等のベルト部材と、これに摺接する圧接部材と、の摺動抵抗が経時においても安定的に低減される、定着装置、及び、画像形成装置を提供する。
【解決手段】定着ベルト21を介して加圧回転体31に圧接してニップ部を形成する圧接部材22と、定着ベルト21と圧接部材22との間に挟まれて双方の部材21、22の摩擦抵抗を減ずる無端状の低摩擦部材23と、を備える。そして、低摩擦部材23は、定着ベルト21と圧接部材22との間に挟まれる部分が入れ替わるように移動手段26によって回転移動される。
【選択図】図2
【解決手段】定着ベルト21を介して加圧回転体31に圧接してニップ部を形成する圧接部材22と、定着ベルト21と圧接部材22との間に挟まれて双方の部材21、22の摩擦抵抗を減ずる無端状の低摩擦部材23と、を備える。そして、低摩擦部材23は、定着ベルト21と圧接部材22との間に挟まれる部分が入れ替わるように移動手段26によって回転移動される。
【選択図】図2
Description
この発明は、複写機、プリンタ、ファクシミリ、又は、それらの複合機等の画像形成装置とそこに設置される定着装置とに関し、特に、定着ベルトや加圧ベルト等のベルト部材が設置された定着装置、及び、画像形成装置に関するものである。
従来から、複写機、プリンタ等の画像形成装置において、定着ベルト等の無端状のベルト部材を用いた定着装置が広く知られている(例えば、特許文献1〜3参照。)。
特許文献1等の定着装置は、定着ベルト(定着フィルム)、加圧ローラ(加圧回転体)、圧接部材(押圧支持体)、ヒータ(ハロゲンランプ)、等で構成されている。圧接部材は、定着ベルトを介して加圧ローラに当接してニップ部を形成する。定着ベルトは、内周面側に設置されたヒータによって加熱される。そして、ニップ部に向けて搬送された記録媒体上のトナー像は、ニップ部にて熱と圧力とを受けて記録媒体上に定着される。
特許文献1等の定着装置は、定着ベルト(定着フィルム)、加圧ローラ(加圧回転体)、圧接部材(押圧支持体)、ヒータ(ハロゲンランプ)、等で構成されている。圧接部材は、定着ベルトを介して加圧ローラに当接してニップ部を形成する。定着ベルトは、内周面側に設置されたヒータによって加熱される。そして、ニップ部に向けて搬送された記録媒体上のトナー像は、ニップ部にて熱と圧力とを受けて記録媒体上に定着される。
上述した従来の定着装置は、定着ベルトと圧接部材との摺動抵抗を低減するために、双方の部材の間に潤滑剤を塗布したり、双方の部材の摺接面を低摩擦材料で形成したり、双方の部材の間に低摩擦材を挟設したりするのが一般化している。しかし、経時において、双方の部材の間に塗布した潤滑剤が枯渇又は流出したり、双方の部材において低摩擦材料で形成された摺接面が摩滅したり、双方の部材の間に挟設された低摩擦材が摩滅したりしてしまい、定着ベルトと圧接部材との摺動抵抗を低減する効果を長期間維持することができなかった。そして、定着ベルトと圧接部材との摺動抵抗が増加してしまうと、装置の駆動トルクが増加する不具合や、定着ベルトや圧接部材が磨耗劣化する不具合や、定着ベルトがスリップして定着画像上に画像ズレが生じる不具合等が2次的に生じてしまっていた。
また、このような問題は、圧接部材が加圧ベルトを介して定着回転体に圧接してニップ部を形成している定着装置においても、共通するものである。
また、このような問題は、圧接部材が加圧ベルトを介して定着回転体に圧接してニップ部を形成している定着装置においても、共通するものである。
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、定着ベルトや加圧ベルト等のベルト部材と、これに摺接する圧接部材と、の摺動抵抗が経時においても安定的に低減される、定着装置、及び、画像形成装置を提供することにある。
この発明の請求項1記載の発明にかかる定着装置は、所定方向に走行するとともに、トナー像を加熱・溶融して記録媒体上に定着する定着ベルトと、前記定着ベルトの内周面側に設置されるとともに、前記定着ベルトを介して加圧回転体に圧接して記録媒体が搬送されるニップ部を形成する圧接部材と、前記定着ベルトと前記圧接部材との間に挟まれて双方の部材の摩擦抵抗を減ずるとともに、無端状に形成された低摩擦部材と、を備え、前記低摩擦部材は、前記定着ベルトと前記圧接部材との間に挟まれる部分が入れ替わるように移動手段によって回転移動されるものである。
また、この発明の請求項2記載の発明にかかる定着装置は、トナー像を加熱・溶融して記録媒体上に定着する定着回転体と、所定方向に走行する加圧ベルトと、前記加圧ベルトの内周面側に設置されるとともに、前記加圧ベルトを介して定着回転体に圧接して記録媒体が搬送されるニップ部を形成する圧接部材と、前記加圧ベルトと前記圧接部材との間に挟まれて双方の部材の摩擦抵抗を減ずるとともに、無端状に形成された低摩擦部材と、を備え、前記低摩擦部材は、前記加圧ベルトと前記圧接部材との間に挟まれる部分が入れ替わるように移動手段によって回転移動されるものである。
また、請求項3記載の発明にかかる定着装置は、前記請求項1又は請求項2に記載の発明において、前記圧接部材は、回転可能に設置されたローラ部材であって、前記低摩擦部材は、前記ローラ部材の外周面に覆設されて、前記ローラ部材とともに回転可能に形成され、前記移動手段を、前記低摩擦部材を前記ローラ部材とともに回転させる駆動機構としたものである。
また、請求項4記載の発明にかかる定着装置は、前記請求項1又は請求項2に記載の発明において、前記圧接部材は、非回転で固設された固定部材であって、前記低摩擦部材は、少なくとも前記固定部材と駆動ローラとによって張架されたベルト状部材であって、前記移動手段を、前記駆動ローラを回転駆動して前記ベルト状部材を従動回転させる駆動機構としたものである。
また、請求項5記載の発明にかかる定着装置は、前記請求項1〜請求項4のいずれかに記載の発明において、前記移動手段は、装置の累積稼動時間の増加、又は、前記ニップ部を通過する記録媒体の累積枚数の増加、に合わせて前記低摩擦部材の回転移動をおこなうものである。
また、請求項6記載の発明にかかる定着装置は、前記請求項1〜請求項4のいずれかに記載の発明において、前記移動手段は、装置の累積稼動時間が所定値に達するごとに、又は、前記ニップ部を通過する記録媒体の累積枚数が所定値に達するごとに、前記低摩擦部材の回転移動をおこなうものである。
また、請求項7記載の発明にかかる定着装置は、前記請求項1〜請求項4のいずれかに記載の発明において、装置の駆動トルクを検知するトルク検知手段を備え、前記移動手段は、前記トルク検知手段の検知結果が所定値に達するごとに前記低摩擦部材の回転移動をおこなうものである。
また、請求項8記載の発明にかかる定着装置は、前記請求項1〜請求項7のいずれかに記載の発明において、前記移動手段は、装置が稼動停止しているときに、又は、前記ニップ部への記録媒体の通紙がおこなわれていないときに、前記低摩擦部材の回転移動をおこなうものである。
また、この発明の請求項9記載の発明にかかる画像形成装置は、請求項1〜請求項8のいずれかに記載の定着装置を備えたものである。
なお、本願において、圧接部材としての固定部材が「固設」された状態とは、固定部材が回転駆動されることなく非回転で保持されている状態であるものと定義する。したがって、例えば、固定部材がスプリング等の付勢部材によってニップ部に向けて付勢されている場合であっても固定部材が非回転で保持されていれば、固定部材が「固設」された状態となる。
本発明は、無端状に形成された低摩擦部材が、定着ベルト(又は、加圧ベルト)と圧接部材との間に挟まれる部分が入れ替わるように回転移動する。これにより、定着ベルトや加圧ベルト等のベルト部材と、これに摺接する圧接部材と、の摺動抵抗が経時においても安定的に低減される、定着装置及び画像形成装置を提供することができる。
以下、この発明を実施するための形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、各図中、同一又は相当する部分には同一の符号を付しており、その重複説明は適宜に簡略化ないし省略する。
実施の形態1.
図1〜図4にて、この発明の実施の形態1について詳細に説明する。
まず、図1にて、画像形成装置全体の構成・動作について説明する。
図1において、1は画像形成装置としての複写機の装置本体、2は原稿Dの画像情報を光学的に読み込む原稿読込部、3は原稿読込部2で読み込んだ画像情報に基いた露光光Lを感光体ドラム5上に照射する露光部、4は感光体ドラム5上にトナー像(画像)を形成する作像部、7は感光体ドラム5上に形成されたトナー像を記録媒体Pに転写する転写部、10はセットされた原稿Dを原稿読込部2に搬送する原稿搬送部、12〜14は転写紙等の記録媒体Pが収納された給紙部、20は記録媒体P上の未定着画像を定着する定着装置、21は定着装置20に設置されたベルト部材としての定着ベルト(定着回転体)、31は定着装置20に設置された加圧回転体としての加圧ローラ、を示す。
図1〜図4にて、この発明の実施の形態1について詳細に説明する。
まず、図1にて、画像形成装置全体の構成・動作について説明する。
図1において、1は画像形成装置としての複写機の装置本体、2は原稿Dの画像情報を光学的に読み込む原稿読込部、3は原稿読込部2で読み込んだ画像情報に基いた露光光Lを感光体ドラム5上に照射する露光部、4は感光体ドラム5上にトナー像(画像)を形成する作像部、7は感光体ドラム5上に形成されたトナー像を記録媒体Pに転写する転写部、10はセットされた原稿Dを原稿読込部2に搬送する原稿搬送部、12〜14は転写紙等の記録媒体Pが収納された給紙部、20は記録媒体P上の未定着画像を定着する定着装置、21は定着装置20に設置されたベルト部材としての定着ベルト(定着回転体)、31は定着装置20に設置された加圧回転体としての加圧ローラ、を示す。
図1を参照して、画像形成装置における、通常の画像形成時の動作について説明する。
まず、原稿Dは、原稿搬送部10の搬送ローラによって、原稿台から図中の矢印方向に搬送されて、原稿読込部2上を通過する。このとき、原稿読込部2では、上方を通過する原稿Dの画像情報が光学的に読み取られる。
そして、原稿読込部2で読み取られた光学的な画像情報は、電気信号に変換された後に、露光部3(書込部)に送信される。そして、露光部3からは、その電気信号の画像情報に基づいたレーザ光等の露光光Lが、作像部4の感光体ドラム5上に向けて発せられる。
まず、原稿Dは、原稿搬送部10の搬送ローラによって、原稿台から図中の矢印方向に搬送されて、原稿読込部2上を通過する。このとき、原稿読込部2では、上方を通過する原稿Dの画像情報が光学的に読み取られる。
そして、原稿読込部2で読み取られた光学的な画像情報は、電気信号に変換された後に、露光部3(書込部)に送信される。そして、露光部3からは、その電気信号の画像情報に基づいたレーザ光等の露光光Lが、作像部4の感光体ドラム5上に向けて発せられる。
一方、作像部4において、感光体ドラム5は図中の時計方向に回転しており、所定の作像プロセス(帯電工程、露光工程、現像工程)を経て、感光体ドラム5上に画像情報に対応した画像(トナー像)が形成される。
その後、感光体ドラム5上に形成された画像は、転写部7で、レジストローラにより搬送された記録媒体P上に転写される。
その後、感光体ドラム5上に形成された画像は、転写部7で、レジストローラにより搬送された記録媒体P上に転写される。
一方、転写部7に搬送される記録媒体Pは、次のように動作する。
まず、画像形成装置本体1の複数の給紙部12、13、14のうち、1つの給紙部が自動又は手動で選択される(例えば、最上段の給紙部12が選択されたものとする。)。
そして、給紙部12に収納された記録媒体Pの最上方の1枚が、搬送経路Kの位置に向けて搬送される。
まず、画像形成装置本体1の複数の給紙部12、13、14のうち、1つの給紙部が自動又は手動で選択される(例えば、最上段の給紙部12が選択されたものとする。)。
そして、給紙部12に収納された記録媒体Pの最上方の1枚が、搬送経路Kの位置に向けて搬送される。
その後、記録媒体Pは、搬送経路Kを通過してレジストローラの位置に達する。そして、レジストローラの位置に達した記録媒体Pは、感光体ドラム5上に形成された画像と位置合わせをするためにタイミングを合わせて、転写部7に向けて搬送される。
そして、転写工程後の記録媒体Pは、転写部7の位置を通過した後に、搬送経路を経て定着装置20に達する。定着装置20に達した記録媒体Pは、定着ベルト21と加圧ローラ31との間に送入されて、定着ベルト21から受ける熱と双方の部材21、31から受ける圧力とによって画像が定着される。画像が定着された記録媒体Pは、定着ベルト21と加圧ローラ31との間(ニップ部である。)から送出された後に、画像形成装置本体1から排出される。
こうして、一連の画像形成プロセスが完了する。
こうして、一連の画像形成プロセスが完了する。
次に、図2及び図3にて、画像形成装置本体1に設置される定着装置20の構成・動作について詳述する。
図2に示すように、定着装置20は、ベルト部材としての定着ベルト21、圧接部材(押圧部材)としての圧接ローラ22、圧接ローラ22の外周に覆設された低摩擦部材23(低摩擦層)、加熱手段としてのヒータ25、加圧回転体としての加圧ローラ31、温度センサ40(サーモパイル)、ガイド板35、37、等で構成される。
図2に示すように、定着装置20は、ベルト部材としての定着ベルト21、圧接部材(押圧部材)としての圧接ローラ22、圧接ローラ22の外周に覆設された低摩擦部材23(低摩擦層)、加熱手段としてのヒータ25、加圧回転体としての加圧ローラ31、温度センサ40(サーモパイル)、ガイド板35、37、等で構成される。
ここで、定着ベルト21は、薄肉で可撓性を有する無端状ベルトであって、図2中の矢印方向(時計方向)に回転(走行)する。定着ベルト21は、内周面側から、ベース層、弾性層、離型層が順次積層されている。定着回転体として熱容量の低い定着ベルト21を用いることで、立ち上がり時間が極めて短いオンデマンドの定着装置を提供することができる。
定着ベルト21のベース層は、ニッケル、ステンレス等の金属材料やポリイミド、ポリアミド、ポリイミドアミド等の耐熱性樹脂材料で形成されている。
定着ベルト21の弾性層は、シリコーンゴム、発泡性シリコーンゴム、フッ素ゴム、等のゴム材料で形成されている。弾性層を設けることで、ニップ部における定着ベルト21表面の微小な凹凸が形成されなくなり、記録媒体P上のトナー像Tに均一に熱が伝わりユズ肌画像の発生が抑止される。
定着ベルト21の離型層は、PFA(テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体)、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)、ポリイミド、ポリエーテルイミド、PES(ポリエーテルサルファイド)、等の材料で形成されている。離型層を設けることで、トナーT(トナー像)に対する離型性(剥離性)が担保される。
定着ベルト21の内部(内周面側)には、ヒータ25(加熱手段)、低摩擦部材23が一体的に形成された圧接ローラ22(圧接部材)、等が設置されている。定着ベルト21は、低摩擦部材23が一体的に形成された圧接ローラ22に押圧されて、加圧ローラ31との間にニップ部を形成する。
定着ベルト21のベース層は、ニッケル、ステンレス等の金属材料やポリイミド、ポリアミド、ポリイミドアミド等の耐熱性樹脂材料で形成されている。
定着ベルト21の弾性層は、シリコーンゴム、発泡性シリコーンゴム、フッ素ゴム、等のゴム材料で形成されている。弾性層を設けることで、ニップ部における定着ベルト21表面の微小な凹凸が形成されなくなり、記録媒体P上のトナー像Tに均一に熱が伝わりユズ肌画像の発生が抑止される。
定着ベルト21の離型層は、PFA(テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体)、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)、ポリイミド、ポリエーテルイミド、PES(ポリエーテルサルファイド)、等の材料で形成されている。離型層を設けることで、トナーT(トナー像)に対する離型性(剥離性)が担保される。
定着ベルト21の内部(内周面側)には、ヒータ25(加熱手段)、低摩擦部材23が一体的に形成された圧接ローラ22(圧接部材)、等が設置されている。定着ベルト21は、低摩擦部材23が一体的に形成された圧接ローラ22に押圧されて、加圧ローラ31との間にニップ部を形成する。
図2及び図3を参照して、圧接部材としての圧接ローラ22は、定着ベルト21の内周面側において回転可能に設置されたローラ部材であって、定着ベルト21を介して加圧ローラ31に圧接して所望のニップ部を形成する。詳しくは、圧接ローラ22は、ステンレス鋼等の金属材料や耐熱性樹脂等からなる軸部22b上に、フッ素樹脂等の耐熱性樹脂やシリコーンゴム等の耐熱性弾性材料等からなるローラ部22aが形成されたものであって、その軸部22bの両端部が定着装置20の側板(不図示である。)に軸受を介して回転可能に支持されている。さらに、図示は省略するが、圧接ローラ22の軸部22bの一端側には、移動手段としての駆動部58(駆動機構)の駆動カップリングに嵌合する従動カップリングが設置されていて、駆動部58から駆動力を受けて図2の時計方向に回転することになる。
なお、駆動機構としての駆動部58は、駆動軸に駆動カップリングが設置された駆動モータであって、装置本体1の本体側板(不図示である。)に固設されている。
また、図示は省略するが、圧接ローラ22の軸部22bの両端には、それぞれ、軸受を介して圧縮スプリングが設置されている。これにより、圧接ローラ22が加圧ローラ31に向けて付勢されて、所望のニップ部を形成することになる。
なお、駆動機構としての駆動部58は、駆動軸に駆動カップリングが設置された駆動モータであって、装置本体1の本体側板(不図示である。)に固設されている。
また、図示は省略するが、圧接ローラ22の軸部22bの両端には、それぞれ、軸受を介して圧縮スプリングが設置されている。これにより、圧接ローラ22が加圧ローラ31に向けて付勢されて、所望のニップ部を形成することになる。
また、定着ベルト21と圧接ローラ22(圧接部材)との間には、双方の部材21、22の摩擦抵抗を減ずるための無端状の低摩擦部材23(低摩擦層)が、挟まれるように設置されている。
詳しくは、低摩擦部材23は、圧接ローラ22(ローラ部材)の外周面に覆設された低摩擦層(表面層)であって、圧接ローラ22とともに回転可能に形成されている。この低摩擦部材23(低摩擦層)の材料としては、耐熱樹脂不織布、耐熱樹脂フィルム、液晶ポリマーシート、液晶ポリマーフィルム、多孔質樹脂繊維織布、多孔質樹脂フィルム、ガラス繊維シート等を用いることができて、その中で用いる耐熱性樹脂としてはPTFE、PET、フッ素樹脂等を用いることができる。また、低摩擦部材23(低摩擦層)は、プライマ等を介して圧接ローラ22の外周面に接着することができる。
詳しくは、低摩擦部材23は、圧接ローラ22(ローラ部材)の外周面に覆設された低摩擦層(表面層)であって、圧接ローラ22とともに回転可能に形成されている。この低摩擦部材23(低摩擦層)の材料としては、耐熱樹脂不織布、耐熱樹脂フィルム、液晶ポリマーシート、液晶ポリマーフィルム、多孔質樹脂繊維織布、多孔質樹脂フィルム、ガラス繊維シート等を用いることができて、その中で用いる耐熱性樹脂としてはPTFE、PET、フッ素樹脂等を用いることができる。また、低摩擦部材23(低摩擦層)は、プライマ等を介して圧接ローラ22の外周面に接着することができる。
そして、このように形成された低摩擦部材23(低摩擦層)は、定着ベルト21と圧接ローラ22(圧接部材)との間に挟まれる部分が入れ替わるように移動手段としての駆動部58(駆動機構)によって回転移動されることになる。すなわち、低摩擦部材23(低摩擦層)は、駆動部58(移動手段)によって、圧接ローラ22とともに回転される。
このように、定着ベルト21と圧接ローラ22(圧接部材)との間に低摩擦部材23を挟むことで、双方の部材21、22の摺動抵抗が低下することになる。
なお、このような低摩擦部材23の機能をさらに高めるために、低摩擦部材23の内部にシリコーンオイル、フッ素グリス等の潤滑剤を含浸させてもよい。また、低摩擦部材23に摺接する定着ベルト21の摺接面(内周面)にフッ素樹脂等の低摩擦材料をコーティングしてもよい。
このように、定着ベルト21と圧接ローラ22(圧接部材)との間に低摩擦部材23を挟むことで、双方の部材21、22の摺動抵抗が低下することになる。
なお、このような低摩擦部材23の機能をさらに高めるために、低摩擦部材23の内部にシリコーンオイル、フッ素グリス等の潤滑剤を含浸させてもよい。また、低摩擦部材23に摺接する定着ベルト21の摺接面(内周面)にフッ素樹脂等の低摩擦材料をコーティングしてもよい。
ヒータ25は、カーボンヒータやハロゲンヒータであって、その両端部が定着装置20の側板(不図示である。)に固定されている。そして、装置本体1の電源部により出力制御されたヒータ25によって定着ベルト21が加熱されて、定着ベルト21の表面から記録媒体P上のトナー像Tに熱が加えられる。ヒータ25の出力制御は、定着ベルト21表面に対向する温度センサ40(サーモパイル)によるベルト表面温度の検知結果に基いておこなわれる。また、このようなヒータ25の出力制御によって、定着ベルト21の温度(定着温度)を所望の温度に設定することができる。
加圧回転体としての加圧ローラ31は、芯金32上に弾性層33を形成したものである。加圧ローラ31の弾性層33は、フッ素ゴム、シリコーンゴム、発泡性シリコーンゴム等の材料で形成されている。なお、弾性層33の表層にPFA等からなる薄肉の離型層(チューブ)を設けることもできる。加圧ローラ31は定着ベルト21に圧接して、双方の部材間に所望のニップ部を形成する。また、加圧ローラ31は、駆動モータ51によって、図2中の矢印方向(反時計方向)に回転駆動される。
なお、加圧ローラ31は、定着装置20の側板(固定位置)に軸受を介して回転可能に設置されている。そして、加圧ローラ31は駆動モータ51によって所定方向に回転駆動されて、定着ベルト21はニップ部における加圧ローラ31との摩擦力によって図2の矢印方向に駆動(従動)されることになる。
なお、加圧ローラ31は、定着装置20の側板(固定位置)に軸受を介して回転可能に設置されている。そして、加圧ローラ31は駆動モータ51によって所定方向に回転駆動されて、定着ベルト21はニップ部における加圧ローラ31との摩擦力によって図2の矢印方向に駆動(従動)されることになる。
定着ベルト21と加圧ローラ31との当接部(ニップ部である。)の入口側には、ニップ部に向けて搬送される記録媒体Pを案内するガイド板35(入口ガイド板)が配設されている。また、ニップ部の出口側には、ニップ部から送出される記録媒体Pを案内するガイド板37(出口ガイド板)が配設されている。双方のガイド板35、37は、いずれも、定着装置20のフレーム(筐体)に固設されている。
上述のように構成された定着装置20は、次のように動作する。
装置本体1の電源スイッチが投入されると、ヒータ25に電力が供給されるとともに、加圧ローラ31の図2中の矢印方向の回転駆動が開始される。これにより、加圧ローラ31との摩擦力によって、定着ベルト21も図2中の矢印方向に従動(回転)する。
その後、給紙部12〜14から記録媒体Pが給送されて、作像部4にて記録媒体P上に未定着画像が担持される。未定着画像T(トナー像)が担持された記録媒体Pは、ガイド板35に案内されながら図2の矢印Y10方向に搬送されて、圧接状態にある定着ベルト21及び加圧ローラ31のニップ部に送入される。
そして、ニップ部の上流側の位置でヒータ25によって加熱された定着ベルト21による加熱と、圧接部材22(定着ベルト21)及び加圧ローラ31の押圧力とによって、記録媒体Pの表面にトナー像Tが定着される。その後、ニップ部から送出された記録媒体Pは、矢印Y11方向に搬送される。
装置本体1の電源スイッチが投入されると、ヒータ25に電力が供給されるとともに、加圧ローラ31の図2中の矢印方向の回転駆動が開始される。これにより、加圧ローラ31との摩擦力によって、定着ベルト21も図2中の矢印方向に従動(回転)する。
その後、給紙部12〜14から記録媒体Pが給送されて、作像部4にて記録媒体P上に未定着画像が担持される。未定着画像T(トナー像)が担持された記録媒体Pは、ガイド板35に案内されながら図2の矢印Y10方向に搬送されて、圧接状態にある定着ベルト21及び加圧ローラ31のニップ部に送入される。
そして、ニップ部の上流側の位置でヒータ25によって加熱された定着ベルト21による加熱と、圧接部材22(定着ベルト21)及び加圧ローラ31の押圧力とによって、記録媒体Pの表面にトナー像Tが定着される。その後、ニップ部から送出された記録媒体Pは、矢印Y11方向に搬送される。
以下、図2及び図3を参照して、本実施の形態1における定着装置20において、特徴的な構成・動作について詳述する。
先に説明したように、本実施の形態1における定着装置20には、定着ベルト21と圧接ローラ22との間に挟まれて双方の部材21、22の摩擦抵抗を減ずる低摩擦部材23(低摩擦層)が、圧接ローラ22の外周面に覆設されている。そして、低摩擦部材23は、駆動部58(駆動機構)によって、圧接ローラ22とともに所定のタイミングで回転駆動される。なお、このように無端状(周状)に形成された低摩擦部材23は、駆動部58(駆動機構)によって、装置の寿命(又は、メンテナンスサイクル)に対してほぼ1周だけ回転駆動される。
先に説明したように、本実施の形態1における定着装置20には、定着ベルト21と圧接ローラ22との間に挟まれて双方の部材21、22の摩擦抵抗を減ずる低摩擦部材23(低摩擦層)が、圧接ローラ22の外周面に覆設されている。そして、低摩擦部材23は、駆動部58(駆動機構)によって、圧接ローラ22とともに所定のタイミングで回転駆動される。なお、このように無端状(周状)に形成された低摩擦部材23は、駆動部58(駆動機構)によって、装置の寿命(又は、メンテナンスサイクル)に対してほぼ1周だけ回転駆動される。
このような構成・動作により、定着ベルト21と、これに間接的に摺接する圧接ローラ22(圧接部材)と、の摺動抵抗が経時においても安定的に低減されることになる。したがって、経時において、定着装置20(又は、加圧ローラ31)の駆動トルクが増加する不具合や、定着ベルト21や圧接ローラ22や低摩擦部材23が磨耗劣化する不具合や、定着ベルト21がスリップして定着画像上に画像ズレが生じる不具合等も抑止されることになる。
また、本実施の形態1では、低摩擦部材23が定着ベルト21の走行方向に対して同方向に回転移動するように構成されているため、低摩擦部材23が定着ベルト21の走行方向に対して反対方向に移動するように構成される場合に比べて、定着ベルト21との摺接によって低摩擦部材23に捩れが生じにくくなる。
また、本実施の形態1では、低摩擦部材23が定着ベルト21の走行方向に対して同方向に回転移動するように構成されているため、低摩擦部材23が定着ベルト21の走行方向に対して反対方向に移動するように構成される場合に比べて、定着ベルト21との摺接によって低摩擦部材23に捩れが生じにくくなる。
ここで、本実施の形態1において、駆動部58(移動手段)は、定着装置20(又は、画像形成装置1)の累積稼動時間の増加に合わせて低摩擦部材23の回転移動をおこなうように制御される。
定着ベルト21と圧接ローラ22との間の部分に低摩擦部材23を固定した場合、定着装置20の累積稼動時間(又は、定着ベルト21の累積回転時間)の増加にともない低摩擦部材23の磨耗が比例的に進むことになる。したがって、駆動部58(移動手段)によって、定着装置20の累積稼動時間(又は、定着ベルト21の累積回転時間)の増加に合わせて、低摩擦部材23の回転移動をおこなっている。具体的には、定着装置20の稼動に連動して、駆動部58によって駆動部58が稼動されて、圧接ローラ22(低摩擦部材23)の回転動作(走行動作)がおこなわれる。このときの圧接ローラ22(低摩擦部材23)の回転速度は、定着ベルト21の回転速度よりもはるかに遅く設定されている。これは、定着ベルト21と圧接ローラ22との間に挟まれた低摩擦部材23の磨耗は、それほど急速には進行しないためである。
定着ベルト21と圧接ローラ22との間の部分に低摩擦部材23を固定した場合、定着装置20の累積稼動時間(又は、定着ベルト21の累積回転時間)の増加にともない低摩擦部材23の磨耗が比例的に進むことになる。したがって、駆動部58(移動手段)によって、定着装置20の累積稼動時間(又は、定着ベルト21の累積回転時間)の増加に合わせて、低摩擦部材23の回転移動をおこなっている。具体的には、定着装置20の稼動に連動して、駆動部58によって駆動部58が稼動されて、圧接ローラ22(低摩擦部材23)の回転動作(走行動作)がおこなわれる。このときの圧接ローラ22(低摩擦部材23)の回転速度は、定着ベルト21の回転速度よりもはるかに遅く設定されている。これは、定着ベルト21と圧接ローラ22との間に挟まれた低摩擦部材23の磨耗は、それほど急速には進行しないためである。
なお、圧接ローラ22(低摩擦部材23)の回転動作(走行動作)の制御は、上述したものに限定されることはない。
具体的に、例えば、駆動部58(移動手段)を、定着装置20の累積稼動時間(又は、定着ベルト21の累積回転時間)が所定値に達するごとに圧接ローラ22(低摩擦部材23)の回転移動をおこなうように制御することもできる。
詳しくは、図2に示すように、定着装置20の累積稼動時間(又は、定着ベルト21の累積回転時間)を検知する駆動時間検知部53を設置する。そして、駆動時間検知部53で検知された累積時間が所定値に達するたびに、制御部50によって駆動部58を所定時間(低摩擦部材23が移動方向に少なくともニップ幅分だけ移動する時間である。)だけ動作させる。このような制御をおこなう場合には、駆動部58を稼動するための総電力を少なくすることができるとともに、低摩擦部材23の移動方向の長さも比較的短くすることができる。
具体的に、例えば、駆動部58(移動手段)を、定着装置20の累積稼動時間(又は、定着ベルト21の累積回転時間)が所定値に達するごとに圧接ローラ22(低摩擦部材23)の回転移動をおこなうように制御することもできる。
詳しくは、図2に示すように、定着装置20の累積稼動時間(又は、定着ベルト21の累積回転時間)を検知する駆動時間検知部53を設置する。そして、駆動時間検知部53で検知された累積時間が所定値に達するたびに、制御部50によって駆動部58を所定時間(低摩擦部材23が移動方向に少なくともニップ幅分だけ移動する時間である。)だけ動作させる。このような制御をおこなう場合には、駆動部58を稼動するための総電力を少なくすることができるとともに、低摩擦部材23の移動方向の長さも比較的短くすることができる。
さらに、図2に示すように、定着装置20の駆動トルクを検知するトルク検知手段としてのトルク検知部52を設置して、トルク検知部52の検知結果が所定値に達するごとに低摩擦部材23の回転移動をおこなうように駆動部58(移動手段)を制御することもできる。
詳しくは、トルク検知部52で検知された駆動トルクが所定値以上になったときに、低摩擦部材23の摺接部(挟設部)の磨耗が進んだものとして、制御部50によって駆動部58を所定時間(低摩擦部材23が移動方向に少なくともニップ幅分だけ移動する時間である。)だけ動作させる。このような制御をおこなう場合にも、駆動部58を稼動するための総電力を少なくすることができるとともに、低摩擦部材23の移動方向の長さも比較的短くすることができる。また、このような制御をおこなう場合には、定着ベルト21と圧接ローラ22とに挟まれた低摩擦部材23(挟設部)の磨耗が進んでおらず、双方の部材21、22の摺動抵抗を充分に低下させている状態では、低摩擦部材23の移動制御はおこなわないことになるため、制御の効率が向上する。
詳しくは、トルク検知部52で検知された駆動トルクが所定値以上になったときに、低摩擦部材23の摺接部(挟設部)の磨耗が進んだものとして、制御部50によって駆動部58を所定時間(低摩擦部材23が移動方向に少なくともニップ幅分だけ移動する時間である。)だけ動作させる。このような制御をおこなう場合にも、駆動部58を稼動するための総電力を少なくすることができるとともに、低摩擦部材23の移動方向の長さも比較的短くすることができる。また、このような制御をおこなう場合には、定着ベルト21と圧接ローラ22とに挟まれた低摩擦部材23(挟設部)の磨耗が進んでおらず、双方の部材21、22の摺動抵抗を充分に低下させている状態では、低摩擦部材23の移動制御はおこなわないことになるため、制御の効率が向上する。
また、図2に示すように、ニップ部を通過する記録媒体Pの累積枚数(プリント枚数)をカウントするカウンタ55を設置して、カウンタ55でカウントされた記録媒体Pの累積枚数(プリント枚数)の増加に合わせて低摩擦部材23の回転移動をおこなうように駆動部58(移動手段)を制御することもできる。
このような制御をおこなう場合にも、定着装置20(又は、画像形成装置1)の累積稼動時間の増加に合わせて低摩擦部材23の回転移動をおこなうように駆動部58(移動手段)を制御する場合と、ほぼ同等の効果を得ることができる。
なお、カウンタ55は、定着装置20のニップ部上流側の近傍に設置された紙検知センサ56によって検知される記録媒体Pの検知回数(通過回数)に基づくものとすることもできるが、その他の搬送経路の位置(例えば、給紙部12〜14の近傍や、排出部の近傍である。)に設置された紙検知センサによって検知される記録媒体Pの検知回数(通過回数)に基づくものとすることもできる。
このような制御をおこなう場合にも、定着装置20(又は、画像形成装置1)の累積稼動時間の増加に合わせて低摩擦部材23の回転移動をおこなうように駆動部58(移動手段)を制御する場合と、ほぼ同等の効果を得ることができる。
なお、カウンタ55は、定着装置20のニップ部上流側の近傍に設置された紙検知センサ56によって検知される記録媒体Pの検知回数(通過回数)に基づくものとすることもできるが、その他の搬送経路の位置(例えば、給紙部12〜14の近傍や、排出部の近傍である。)に設置された紙検知センサによって検知される記録媒体Pの検知回数(通過回数)に基づくものとすることもできる。
さらに、図2に示すように、ニップ部を通過する記録媒体Pの累積枚数(プリント枚数)をカウントするカウンタ55を設置して、カウンタ55でカウントされた記録媒体Pの累積枚数(プリント枚数)が所定値に達するごとに低摩擦部材23の回転移動をおこなうように駆動部58(移動手段)を制御することもできる。
詳しくは、カウンタ55でカウントされたプリント枚数が所定値以上になったときに、低摩擦部材23の挟設部の磨耗が進んだものとして、制御部50によって駆動部58を所定時間(低摩擦部材23が移動方向に少なくともニップ幅分だけ移動する時間である。)だけ動作させる。このような制御をおこなう場合にも、駆動部58を稼動するための総電力を少なくすることができるとともに、低摩擦部材23の移動方向の長さも比較的短くすることができる。また、このような制御をおこなう場合には、定着ベルト21と圧接ローラ22とに挟まれた低摩擦部材23(挟設部)の磨耗が進んでおらず、双方の部材21、22の摺動抵抗を充分に低下させている状態では、低摩擦部材23の移動制御はおこなわないことになるため、制御の効率が向上する。
詳しくは、カウンタ55でカウントされたプリント枚数が所定値以上になったときに、低摩擦部材23の挟設部の磨耗が進んだものとして、制御部50によって駆動部58を所定時間(低摩擦部材23が移動方向に少なくともニップ幅分だけ移動する時間である。)だけ動作させる。このような制御をおこなう場合にも、駆動部58を稼動するための総電力を少なくすることができるとともに、低摩擦部材23の移動方向の長さも比較的短くすることができる。また、このような制御をおこなう場合には、定着ベルト21と圧接ローラ22とに挟まれた低摩擦部材23(挟設部)の磨耗が進んでおらず、双方の部材21、22の摺動抵抗を充分に低下させている状態では、低摩擦部材23の移動制御はおこなわないことになるため、制御の効率が向上する。
また、定着装置20が稼動停止しているとき(又は、定着ベルト21が走行停止しているとき)に、低摩擦部材23の回転移動をおこなうように、駆動部58(移動手段)を制御することもできる。
詳しくは、図2に示すように、定着装置20が稼動停止した状態を検知するオン・オフ検知部54を設置する。そして、オン・オフ検知部54で定着装置20の稼動停止が検知された後に、制御部50によって駆動部58を所定時間(低摩擦部材23が移動方向に少なくともニップ幅分だけ移動する時間である。)だけ動作させる。このような制御をおこなう場合にも、駆動部58を稼動するための総電力を少なくすることができるとともに、低摩擦部材23の移動方向の長さも比較的短くすることができる。また、このような制御をおこなう場合には、定着装置20が稼動しているとき(又は、定着ベルト21が走行しているとき)に低摩擦部材23が移動しないことになるため、圧接ローラ22(低摩擦部材23)の回転移動によって定着ベルト21の走行状態が影響を受ける不具合がなくなる。具体的には、定着ベルト21に走行ムラ(回転ムラ)や振動が生じにくくなって、記録媒体Pにシワが発生したり定着画像が乱れたりする不具合が抑止されることになる。
特に、このような制御をおこなう場合において、低摩擦部材23の回転状態から回転停止状態への切り替えを確実におこなうために、圧接ローラ22(低摩擦部材23)の回転を制限するブレーキ機構を設置することができる。
詳しくは、図2に示すように、定着装置20が稼動停止した状態を検知するオン・オフ検知部54を設置する。そして、オン・オフ検知部54で定着装置20の稼動停止が検知された後に、制御部50によって駆動部58を所定時間(低摩擦部材23が移動方向に少なくともニップ幅分だけ移動する時間である。)だけ動作させる。このような制御をおこなう場合にも、駆動部58を稼動するための総電力を少なくすることができるとともに、低摩擦部材23の移動方向の長さも比較的短くすることができる。また、このような制御をおこなう場合には、定着装置20が稼動しているとき(又は、定着ベルト21が走行しているとき)に低摩擦部材23が移動しないことになるため、圧接ローラ22(低摩擦部材23)の回転移動によって定着ベルト21の走行状態が影響を受ける不具合がなくなる。具体的には、定着ベルト21に走行ムラ(回転ムラ)や振動が生じにくくなって、記録媒体Pにシワが発生したり定着画像が乱れたりする不具合が抑止されることになる。
特に、このような制御をおこなう場合において、低摩擦部材23の回転状態から回転停止状態への切り替えを確実におこなうために、圧接ローラ22(低摩擦部材23)の回転を制限するブレーキ機構を設置することができる。
さらに、定着装置20の累積稼動時間(又は、プリント枚数)が所定値に達した後であって、定着装置20が稼動停止しているときに、低摩擦部材23の回転移動をおこなうように、駆動部58(移動手段)を制御することもできる。
詳しくは、駆動時間検知部53で検知された累積時間(又は、カウンタ55でカウントされたプリント枚数)が所定値に達したことが検知されたとき、そのジョブが終了してオン・オフ検知部54で定着装置20の稼動停止が検知された後に、制御部50によって駆動部58を所定時間だけ動作させる。このような場合にも、駆動部58を稼動するための総電力を少なくすることができるとともに、低摩擦部材23の移動方向の長さも比較的短くすることができる。また、低摩擦部材23の移動によって定着ベルト21の走行状態が影響を受ける不具合がなくなる。
詳しくは、駆動時間検知部53で検知された累積時間(又は、カウンタ55でカウントされたプリント枚数)が所定値に達したことが検知されたとき、そのジョブが終了してオン・オフ検知部54で定着装置20の稼動停止が検知された後に、制御部50によって駆動部58を所定時間だけ動作させる。このような場合にも、駆動部58を稼動するための総電力を少なくすることができるとともに、低摩擦部材23の移動方向の長さも比較的短くすることができる。また、低摩擦部材23の移動によって定着ベルト21の走行状態が影響を受ける不具合がなくなる。
また、ニップ部への記録媒体Pの通紙がおこなわれていないとき(又は、プリント動作がおこなわれていないとき)に、低摩擦部材23の回転移動をおこなうように、駆動部58(移動手段)を制御することもできる。
詳しくは、図2に示すように、定着装置20(ニップ部)への記録媒体Pの通紙がおこなわれていない状態を検知する紙検知センサ56を設置する。そして、紙検知センサ56によって非通紙状態が検知された後に、制御部50によって駆動部58を所定時間(低摩擦部材23が移動方向に少なくともニップ幅分だけ移動する時間である。)だけ動作させる。このような制御をおこなう場合にも、駆動部58を稼動するための総電力を少なくすることができるとともに、低摩擦部材23の移動方向の長さも比較的短くすることができる。また、このような制御をおこなう場合には、定着工程がおこなわれているとき(又は、画像形成プロセスがおこなわれているとき)に低摩擦部材23が移動しないことになるため、圧接ローラ22(低摩擦部材23)の回転移動によって定着ベルト21の走行状態が影響を受ける不具合がなくなる。具体的には、定着工程時において定着ベルト21の走行ムラ(回転ムラ)や振動が生じにくくなって、記録媒体Pにシワが発生したり定着画像が乱れたりする不具合が抑止されることになる。
詳しくは、図2に示すように、定着装置20(ニップ部)への記録媒体Pの通紙がおこなわれていない状態を検知する紙検知センサ56を設置する。そして、紙検知センサ56によって非通紙状態が検知された後に、制御部50によって駆動部58を所定時間(低摩擦部材23が移動方向に少なくともニップ幅分だけ移動する時間である。)だけ動作させる。このような制御をおこなう場合にも、駆動部58を稼動するための総電力を少なくすることができるとともに、低摩擦部材23の移動方向の長さも比較的短くすることができる。また、このような制御をおこなう場合には、定着工程がおこなわれているとき(又は、画像形成プロセスがおこなわれているとき)に低摩擦部材23が移動しないことになるため、圧接ローラ22(低摩擦部材23)の回転移動によって定着ベルト21の走行状態が影響を受ける不具合がなくなる。具体的には、定着工程時において定着ベルト21の走行ムラ(回転ムラ)や振動が生じにくくなって、記録媒体Pにシワが発生したり定着画像が乱れたりする不具合が抑止されることになる。
さらに、定着装置20の累積稼動時間(又は、プリント枚数)が所定値に達した後であって、ニップ部への記録媒体Pの通紙がおこなわれていないとき(又は、プリント動作がおこなわれていないとき)に、低摩擦部材23の回転移動をおこなうように、駆動部58(移動手段)を制御することもできる。
詳しくは、駆動時間検知部53で検知された累積時間(又は、カウンタ55でカウントされたプリント枚数)が所定値に達したことが検知されたとき、その後に紙検知センサ56で非通紙状態が検知された後に、制御部50によって駆動部58を所定時間だけ動作させる。このような場合にも、駆動部58を稼動するための総電力を少なくすることができるとともに、低摩擦部材23の移動方向の長さも比較的短くすることができる。また、圧接ローラ22(低摩擦部材23)の回転移動によって定着ベルト21の走行状態が影響を受ける不具合がなくなる。
詳しくは、駆動時間検知部53で検知された累積時間(又は、カウンタ55でカウントされたプリント枚数)が所定値に達したことが検知されたとき、その後に紙検知センサ56で非通紙状態が検知された後に、制御部50によって駆動部58を所定時間だけ動作させる。このような場合にも、駆動部58を稼動するための総電力を少なくすることができるとともに、低摩擦部材23の移動方向の長さも比較的短くすることができる。また、圧接ローラ22(低摩擦部材23)の回転移動によって定着ベルト21の走行状態が影響を受ける不具合がなくなる。
なお、本実施の形態1では、低摩擦部材23(低摩擦層)が覆設された圧接ローラ22の断面形状を円形状としたが、図4に示すように、低摩擦部材23(低摩擦層)が覆設された圧接ローラ22の断面形状を多角形状(図4では、6角形状である。)とすることもできる。
その場合、多角形状の圧接ローラ22(低摩擦部材23)の一辺が所望のニップ部と同等の長さになるように設定するとともに、その多角形状の各辺が加圧ローラ31に対して順次に対向するように回転制御する。これにより、ニップ部の形状が記録媒体Pの画像面に対して略平行になって、定着ベルト21と記録媒体Pとの密着性が高まるために定着性が向上するとともに、ニップ部を通過する記録媒体Pにカールやシワが発生する不具合も低減する。さらに、ニップ部の出口側における定着ベルト21の曲率が大きくなるために、ニップ部から送出された記録媒体Pを定着ベルト21から容易に分離することができる。
また、このような多角形状の圧接ローラ22(低摩擦部材23)は、上述した複数の圧接ローラ22(低摩擦部材23)の回転制御のうち、トルク検知部52、動時間検知部53、カウンタ55、オン・オフ検知部54等の検知結果に基いて、駆動部58を所定時間だけ動作させる回転制御をおこなうのに適している。すなわち、多角形状の圧接ローラ22(低摩擦部材23)は、ニップ部を形成するための対向面が多角形の各辺として明確に区分されているため、所定角度の回転駆動によって使用済みの対向面と新たに使用される対向面との切り替えを確実におこなうことができる。
その場合、多角形状の圧接ローラ22(低摩擦部材23)の一辺が所望のニップ部と同等の長さになるように設定するとともに、その多角形状の各辺が加圧ローラ31に対して順次に対向するように回転制御する。これにより、ニップ部の形状が記録媒体Pの画像面に対して略平行になって、定着ベルト21と記録媒体Pとの密着性が高まるために定着性が向上するとともに、ニップ部を通過する記録媒体Pにカールやシワが発生する不具合も低減する。さらに、ニップ部の出口側における定着ベルト21の曲率が大きくなるために、ニップ部から送出された記録媒体Pを定着ベルト21から容易に分離することができる。
また、このような多角形状の圧接ローラ22(低摩擦部材23)は、上述した複数の圧接ローラ22(低摩擦部材23)の回転制御のうち、トルク検知部52、動時間検知部53、カウンタ55、オン・オフ検知部54等の検知結果に基いて、駆動部58を所定時間だけ動作させる回転制御をおこなうのに適している。すなわち、多角形状の圧接ローラ22(低摩擦部材23)は、ニップ部を形成するための対向面が多角形の各辺として明確に区分されているため、所定角度の回転駆動によって使用済みの対向面と新たに使用される対向面との切り替えを確実におこなうことができる。
以上説明したように、本実施の形態1においては、無端状に形成された低摩擦部材23が、定着ベルト21と圧接ローラ22(圧接部材)との間に挟まれる部分が入れ替わるように回転移動する。これにより、定着ベルト21(ベルト部材)と圧接ローラ22との摺動抵抗を経時においても安定的に低減することができる。
なお、本実施の形態1では、定着ベルトとして複層構造の定着ベルト21を用いたが、定着ベルトとしてポリイミド、ポリアミド、フッ素樹脂、金属等からなる無端状の定着フィルムを用いることもできる。そして、その場合にも、本実施の形態1と同様の効果を得ることができる。
実施の形態2.
図5にて、この発明の実施の形態2について詳細に説明する。
図5は、実施の形態2における定着装置を示す構成図であって、前記実施の形態1における図2に相当する図である。本実施の形態2における定着装置は、主として、圧接部材として固定部材62が用いられている点が、圧接部材として圧接ローラ22(ローラ部材)が用いられている前記実施の形態1のものとは相違する。
図5にて、この発明の実施の形態2について詳細に説明する。
図5は、実施の形態2における定着装置を示す構成図であって、前記実施の形態1における図2に相当する図である。本実施の形態2における定着装置は、主として、圧接部材として固定部材62が用いられている点が、圧接部材として圧接ローラ22(ローラ部材)が用いられている前記実施の形態1のものとは相違する。
本実施の形態2における定着装置20も、前記実施の形態1のものと同様に、定着ベルト21、加圧ローラ31(加圧回転体)、温度センサ40、等で構成される。
ここで、本実施の形態2における定着装置20において、前記実施の形態1のものとは異なり、ニップ部を形成するための圧接部材は、定着ベルト21の内周面側において非回転で固設された固定部材62である。詳しくは、圧接部材としての固定部材62は、ステンレス鋼等の金属材料や耐熱性樹脂等からなる略直方体状の部材であって、その幅方向両端部が定着装置20の側板(不図示である。)に支持されている。また、図示は省略するが、固定部材62の両端には、それぞれ、圧縮スプリングが設置されている。これにより、固定部材62が加圧ローラ31に向けて付勢されて、所望のニップ部を形成することになる。
ここで、本実施の形態2における定着装置20において、前記実施の形態1のものとは異なり、ニップ部を形成するための圧接部材は、定着ベルト21の内周面側において非回転で固設された固定部材62である。詳しくは、圧接部材としての固定部材62は、ステンレス鋼等の金属材料や耐熱性樹脂等からなる略直方体状の部材であって、その幅方向両端部が定着装置20の側板(不図示である。)に支持されている。また、図示は省略するが、固定部材62の両端には、それぞれ、圧縮スプリングが設置されている。これにより、固定部材62が加圧ローラ31に向けて付勢されて、所望のニップ部を形成することになる。
また、定着ベルト21と固定部材62(圧接部材)との間には、双方の部材21、62の摩擦抵抗を減ずるための無端状の低摩擦部材としてのベルト状部材63が、挟まれるように設置されている。
詳しくは、ベルト状部材63(低摩擦部材)は、固定部材62と駆動ローラ64とによって張架・支持されていて、図5の矢印方向(時計方向)に回転可能に構成されている。このベルト状部材63(低摩擦部材)の材料としては、耐熱樹脂不織布、耐熱樹脂フィルム、液晶ポリマーシート、液晶ポリマーフィルム、多孔質樹脂繊維織布、多孔質樹脂フィルム、ガラス繊維シート等を用いることができて、その中で用いる耐熱性樹脂としてはPTFE、PET、フッ素樹脂等を用いることができる。
詳しくは、ベルト状部材63(低摩擦部材)は、固定部材62と駆動ローラ64とによって張架・支持されていて、図5の矢印方向(時計方向)に回転可能に構成されている。このベルト状部材63(低摩擦部材)の材料としては、耐熱樹脂不織布、耐熱樹脂フィルム、液晶ポリマーシート、液晶ポリマーフィルム、多孔質樹脂繊維織布、多孔質樹脂フィルム、ガラス繊維シート等を用いることができて、その中で用いる耐熱性樹脂としてはPTFE、PET、フッ素樹脂等を用いることができる。
なお、本実施の形態2では、ベルト状部材63を、低摩擦材料のみで形成された単層構造のベルトとしたが、ベース層上に上述した低摩擦材料が積層された多層構造のベルトとすることもできる。その場合のベース層は、ポリイミド、ポリアミド、ポリイミドアミド等の耐熱性樹脂材料や、ステンレス鋼、ニッケル等の金属材料や、シリコーンゴム等の耐熱性弾性材料、等で形成することができる。そして、ベース層と、低摩擦材料で形成された低摩擦層と、をプライマ等で接着することができる。
そして、このように形成されたベルと状部材63(低摩擦部材)は、定着ベルト21と固定部材62(圧接部材)との間に挟まれる部分が入れ替わるように移動手段としての駆動部58(駆動機構)によって回転移動されることになる。すなわち、ベルト状部材63(低摩擦部材)は、駆動部58(移動手段)によって図5の時計方向に回転駆動される駆動ローラ64との摩擦抵抗によって、図5の矢印方向に従動回転する。
このように、定着ベルト21と固定部材62(圧接部材)との間に低摩擦部材としてのベルト状部材63を挟むことで、双方の部材21、62の摺動抵抗が低下することになる。
なお、このようなベルト状部材63の機能をさらに高めるために、ベルト状部材63の内部にシリコーンオイル、フッ素グリス等の潤滑剤を含浸させてもよい。また、ベルト状部材63に摺接する固定部材62や定着ベルト21の摺接面にフッ素樹脂等の低摩擦材料をコーティングしてもよい。
このように、定着ベルト21と固定部材62(圧接部材)との間に低摩擦部材としてのベルト状部材63を挟むことで、双方の部材21、62の摺動抵抗が低下することになる。
なお、このようなベルト状部材63の機能をさらに高めるために、ベルト状部材63の内部にシリコーンオイル、フッ素グリス等の潤滑剤を含浸させてもよい。また、ベルト状部材63に摺接する固定部材62や定着ベルト21の摺接面にフッ素樹脂等の低摩擦材料をコーティングしてもよい。
なお、本実施の形態2では、ベルト状部材63(低摩擦部材)を固定部材62と駆動モータ64とによって張架・支持したが、ベルト状部材63を固定部材62と駆動モータ64とその以外の部材(例えば、テンションローラである。)とによって張架・支持することもできる。
以上説明したように、本実施の形態2においては、無端状に形成されたベルト状部材63(低摩擦部材)が、定着ベルト21と固定部材62(圧接部材)との間に挟まれる部分が入れ替わるように回転移動する。これにより、定着ベルト21と固定部材62(圧接部材)との摺動抵抗を経時においても安定的に低減することができる。
実施の形態3.
図6にて、この発明の実施の形態3について詳細に説明する。
図6は、実施の形態3における定着装置を示す構成図であって、前記実施の形態1における図2に相当する図である。本実施の形態3における定着装置は、ベルト部材として加圧ベルト72が用いられている点が、ベルト部材として定着ベルト21が用いられている前記実施の形態1のものとは相違する。
図6にて、この発明の実施の形態3について詳細に説明する。
図6は、実施の形態3における定着装置を示す構成図であって、前記実施の形態1における図2に相当する図である。本実施の形態3における定着装置は、ベルト部材として加圧ベルト72が用いられている点が、ベルト部材として定着ベルト21が用いられている前記実施の形態1のものとは相違する。
図6に示すように、本実施の形態3における定着装置20は、定着回転体としての定着ローラ71、ヒータ25(加熱手段)、ベルト部材としての加圧ベルト72(加圧回転体)、圧接部材としての圧接ローラ22、圧接ローラ22の外周に覆設された低摩擦部材23(低摩擦層)、温度センサ40、等で構成される。
ここで、定着ローラ71(定着回転体)は、アルミニウム、鉄等からなる芯金上に、弾性層、離型層が順次積層された中空構造のローラ部材であって、駆動モータ51によって図6の時計方向に回転駆動される。また、定着ローラ71の内部にはヒータ25が固設されていて、ヒータ25によって加熱された定着ローラ71によってニップ部に送入される記録媒体P上のトナー像が加熱・溶融される。なお、定着ローラ71の弾性層や離型層は、それぞれ、前記実施の形態1における定着ベルト21の弾性層や離型層の材料と同じもので形成することができる。
また、加圧ベルト72は、可撓性を有する無端状ベルトであって、ニップ部の位置での定着ローラ71との摩擦によって図6中の矢印方向(反時計方向)に従動(走行)する。加圧ベルト72は、内周面側から、ベース層、弾性層、離型層が順次積層されている。
加圧ベルト72のベース層は、ニッケル、ステンレス等の金属材料やポリイミド、ポリアミド、ポリイミドアミド等の耐熱性樹脂材料で形成されている。加圧ベルト72の弾性層は、シリコーンゴム、発泡性シリコーンゴム、フッ素ゴム、等のゴム材料で形成されている。加圧ベルト72の離型層は、PFA、PTFE、ポリイミド、ポリエーテルイミド、PES、等の材料で形成されている。
加圧ベルト72のベース層は、ニッケル、ステンレス等の金属材料やポリイミド、ポリアミド、ポリイミドアミド等の耐熱性樹脂材料で形成されている。加圧ベルト72の弾性層は、シリコーンゴム、発泡性シリコーンゴム、フッ素ゴム、等のゴム材料で形成されている。加圧ベルト72の離型層は、PFA、PTFE、ポリイミド、ポリエーテルイミド、PES、等の材料で形成されている。
そして、この加圧ベルト72の内部(内周面側)には、低摩擦部材23(低摩擦層)が表面層として形成された圧接ローラ22(圧接部材)が設置されている。加圧ベルト72は、定着装置20の側板(不図示である。)に回転可能に保持された圧接ローラ22に押圧されて、定着ローラ71との間にニップ部を形成する。
なお、低摩擦部材23が覆設された圧接ローラ22や、それを回転駆動する駆動部58は、それぞれ、前記各実施の形態におけるものとほぼ同様に構成されているため、その説明を省略する。
なお、低摩擦部材23が覆設された圧接ローラ22や、それを回転駆動する駆動部58は、それぞれ、前記各実施の形態におけるものとほぼ同様に構成されているため、その説明を省略する。
そして、本実施の形態3においては、加圧ベルト72と圧接ローラ22との間に設置された低摩擦部材23が、駆動部58(移動手段)によって、圧接ローラ22とともに回転移動されることになる。なお、駆動部58の制御は、前記実施の形態1のものと同様におこなうことができるため、その説明を省略する。
以上説明したように、本実施の形態3においては、無端状に形成された低摩擦部材23が、加圧ベルト72と圧接ローラ22(圧接部材)との間に挟まれる部分が入れ替わるように回転移動する。これにより、加圧ベルト72(ベルト部材)と圧接ローラ22との摺動抵抗を経時においても安定的に低減することができる。
なお、前記各実施の形態では、モノクロの画像形成装置1に設置される定着装置20に対して本発明を適用したが、カラーの画像形成装置に設置される定着装置に対しても当然に本発明を適用することができる。
また、前記各実施の形態では、定着ベルト21や定着ローラ71を加熱する加熱手段としてヒータ25を用いたが、それ以外の加熱手段(例えば、電磁誘導を用いた加熱手段や、抵抗発熱体を用いた加熱手段である。)によって定着ベルト21や定着ローラ71を加熱することもできる。そして、そのような場合であっても、前記各実施の形態と同様の効果を得ることができる。
なお、本発明が前記各実施の形態に限定されず、本発明の技術思想の範囲内において、前記各実施の形態の中で示唆した以外にも、前記各実施の形態は適宜変更され得ることは明らかである。また、前記構成部材の数、位置、形状等は前記各実施の形態に限定されず、本発明を実施する上で好適な数、位置、形状等にすることができる。
1 画像形成装置本体(装置本体)、
20 定着装置、
21 定着ベルト(ベルト部材)、
22 圧接ローラ(圧接部材)、
23 低摩擦層(低摩擦部材)、
25 ヒータ(加熱手段)、
31 加圧ローラ(加圧回転体)、
58 駆動部(移動手段、駆動機構)、
62 固定部材(圧接部材)、
63 ベルト状部材(低摩擦部材)、
64 駆動ローラ、
71 定着ローラ(定着回転体)、
72 加圧ベルト(ベルト部材)、 P 記録媒体。
20 定着装置、
21 定着ベルト(ベルト部材)、
22 圧接ローラ(圧接部材)、
23 低摩擦層(低摩擦部材)、
25 ヒータ(加熱手段)、
31 加圧ローラ(加圧回転体)、
58 駆動部(移動手段、駆動機構)、
62 固定部材(圧接部材)、
63 ベルト状部材(低摩擦部材)、
64 駆動ローラ、
71 定着ローラ(定着回転体)、
72 加圧ベルト(ベルト部材)、 P 記録媒体。
Claims (9)
- 所定方向に走行するとともに、トナー像を加熱・溶融して記録媒体上に定着する定着ベルトと、
前記定着ベルトの内周面側に設置されるとともに、前記定着ベルトを介して加圧回転体に圧接して記録媒体が搬送されるニップ部を形成する圧接部材と、
前記定着ベルトと前記圧接部材との間に挟まれて双方の部材の摩擦抵抗を減ずるとともに、無端状に形成された低摩擦部材と、
を備え、
前記低摩擦部材は、前記定着ベルトと前記圧接部材との間に挟まれる部分が入れ替わるように移動手段によって回転移動されることを特徴とする定着装置。 - トナー像を加熱・溶融して記録媒体上に定着する定着回転体と、
所定方向に走行する加圧ベルトと、
前記加圧ベルトの内周面側に設置されるとともに、前記加圧ベルトを介して定着回転体に圧接して記録媒体が搬送されるニップ部を形成する圧接部材と、
前記加圧ベルトと前記圧接部材との間に挟まれて双方の部材の摩擦抵抗を減ずるとともに、無端状に形成された低摩擦部材と、
を備え、
前記低摩擦部材は、前記加圧ベルトと前記圧接部材との間に挟まれる部分が入れ替わるように移動手段によって回転移動されることを特徴とする定着装置。 - 前記圧接部材は、回転可能に設置されたローラ部材であって、
前記低摩擦部材は、前記ローラ部材の外周面に覆設されて、前記ローラ部材とともに回転可能に形成され、
前記移動手段は、前記低摩擦部材を前記ローラ部材とともに回転させる駆動機構であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の定着装置。 - 前記圧接部材は、非回転で固設された固定部材であって、
前記低摩擦部材は、少なくとも前記固定部材と駆動ローラとによって張架されたベルト状部材であって、
前記移動手段は、前記駆動ローラを回転駆動して前記ベルト状部材を従動回転させる駆動機構であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の定着装置。 - 前記移動手段は、装置の累積稼動時間の増加、又は、前記ニップ部を通過する記録媒体の累積枚数の増加、に合わせて前記低摩擦部材の回転移動をおこなうことを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載の定着装置。
- 前記移動手段は、装置の累積稼動時間が所定値に達するごとに、又は、前記ニップ部を通過する記録媒体の累積枚数が所定値に達するごとに、前記低摩擦部材の回転移動をおこなうことを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載の定着装置。
- 装置の駆動トルクを検知するトルク検知手段を備え、
前記移動手段は、前記トルク検知手段の検知結果が所定値に達するごとに前記低摩擦部材の回転移動をおこなうことを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載の定着装置。 - 前記移動手段は、装置が稼動停止しているときに、又は、前記ニップ部への記録媒体の通紙がおこなわれていないときに、前記低摩擦部材の回転移動をおこなうことを特徴とする請求項1〜請求項7のいずれかに記載の定着装置。
- 請求項1〜請求項8のいずれかに記載の定着装置を備えたことを特徴とする画像形成装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2011114312A JP2012242707A (ja) | 2011-05-23 | 2011-05-23 | 定着装置、及び、画像形成装置 |
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Publication Number | Publication Date |
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2014186109A (ja) * | 2013-03-22 | 2014-10-02 | Fuji Xerox Co Ltd | 定着装置および画像形成装置 |
JP2015041005A (ja) * | 2013-08-22 | 2015-03-02 | 株式会社リコー | 定着装置及び画像形成装置 |
JP2017003869A (ja) * | 2015-06-12 | 2017-01-05 | 京セラドキュメントソリューションズ株式会社 | 定着装置、及び画像形成装置 |
-
2011
- 2011-05-23 JP JP2011114312A patent/JP2012242707A/ja not_active Withdrawn
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