JP2012241576A - 風力発電装置群の制御システム及び制御方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】電力系統に対して送電線を介して接続された複数台の風力発電システム1と、少なくとも1台の蓄電システム2を備えて構成される風力発電装置群100の制御システムであって、前記複数台のそれぞれの風力発電システム1及び蓄電システム2に設けられて通信ネットワーク6を介し前記複数台の風力発電システム1のそれぞれの出力を含む運転情報を送受信する個別制御装置31、32と、前記通信ネットワーク6介して前記個別制御装置31、32からの情報を受信して、前記複数台の風力発電システム1のそれぞれの出力制限値を演算処理する集中制御装置40と、を備え、前記集中制御装置40から前記複数台の風力発電システム1にそれぞれ送信される出力制限値に応じて前記風力発電装置群100の運転を制御する。
【選択図】図1
Description
これまで、ウィンドファームに関して特許文献1などの提案がなされている。特許文献1では、ウィンドファームに蓄電システムを併設し、ウィンドファームの変動する発電電力を、蓄電システムの充放電と、風力発電システムに対する電力制限を組み合わせて、電力系統に流出する電力変動を緩和する手段が開示されている。
電力系統における周波数の維持について言えば、これまでも各地域の電力会社が、主として需要の変動に対して種々の電源を組み合わせて需要と供給をバランスさせてきた。風力発電が電力系統に大量に連系された場合、従来の需要にいわばマイナスの負荷が重畳されることになる。需要の変動と風力発電出力の組み合わせによっては、これまで以上に高い需給調整能力が必要になると予測される。
風力発電の発電出力においても同様に前述の3成分が含まれる。
前記の需要変動に対して、周期が数分程度までの微小変動は、発電所の調速機を利用したガバナーフリー運転により調整が可能である。
周期が数分から10数分程度までの短周期変動に対しては、周波数偏差等を検出して周波数調整発電所の発電機出力を変化させており、これを負荷周波数制御(LFC:load frequency control)と呼んでいる。
周期がそれ以上長い長周期変動に対しては、経済性を考慮して各発電所に発電指令を送ることにより調整を行っており、これを経済負荷配分制御(ELD:economic load dispatching control)と呼んでいる。
これまで、特許文献1に開示されているように、ウィンドファームに蓄電システムを併設し、風力発電装置群と蓄電システムの出力電力の和、つまりウィンドファームの合計出力の変動が所定の範囲内に収まるように、風力発電システムの電力制限指令と蓄電システムの充放電電力とを組み合わせて制御する手段がある。
しかしながら、蓄電システムを併設するための経済的負担は大きく、特許文献1で示されているように気象予報により未来の風力発電システム出力が急減することを予測し、出力急減の直前に蓄電システムの充電率SOC(state of charge)を100%とすることで、蓄電システムの容量を有効に使う制御を行うとしても、想定される出力急減に備えた容量の蓄電システムを設置する必要があるという問題がある。
すなわち、本発明の風力発電装置群の制御装置は、電力系統に対して送電線を介して接続された複数台の風力発電システムと、少なくとも1台の蓄電システムを備えて構成される風力発電装置群の制御システムであって、前記複数台のそれぞれの風力発電システム及び蓄電システムに設けられて通信ネットワークを介し前記複数台の風力発電システムのそれぞれの出力を含む運転情報を送受信する個別制御装置と、前記通信ネットワークを介して前記個別制御装置からの情報を受信して、前記複数台の風力発電システムのそれぞれの出力制限値を演算処理する集中制御装置と、を備え、前記集中制御装置から前記複数台の風力発電システムにそれぞれ送信される出力指令値に応じて前記風力発電装置群の運転を制御することを特徴とする。
また、本発明の風力発電装置群の制御方法は、電力系統に対して送電線を介して接続された複数台の風力発電システムと、少なくとも1台の蓄電システムを備えて構成される風力発電装置群の制御方法であって、前記複数台のそれぞれの風力発電システム及び蓄電システムに設けられて通信ネットワークを介し前記複数台の風力発電システムのそれぞれの出力を含む運転情報を送受信する個別制御手段と、前記通信ネットワークを介して前記個別制御手段からの情報を受信して、前記複数台の風力発電システムのそれぞれの出力制限値を演算処理する集中制御手段と、を備え、前記集中制御手段から前記複数台の風力発電システムにそれぞれ送信される出力指令値に応じて前記風力発電装置群の運転を制御することを特徴とする。
なお、以下においては、ウィンドファームの制御装置のみならず制御方法の説明も兼ねる。
本発明の風力発電装置群の制御システムの第1実施形態について説明する。
図1は、本発明の風力発電装置群の制御システムの第1実施形態の装置構成を示すブロック図である。
図1において、ウィンドファーム(風力発電装置群)100は電力系統7に一箇所で接続されており、電力系統7とウィンドファーム100から需要家8に対して電力を供給している。
ウィンドファーム100は、複数の風力発電システム1と、蓄電システム2と、風車個別制御装置(個別制御装置、個別制御手段)31と、蓄電池個別制御装置(個別制御装置、個別制御手段)32と、集中制御装置(集中制御手段)40と、前記した個別制御装置31、32と集中制御装置40とを相互に接続する通信ネットワーク6と、を備えて構成されている。
なお、複数ある風力発電システム1は、稼動時の風力に応じて発電する通常風車グループ10と、風力が所定値よりある通常時は発電量を制限され、風力が弱くなったとき、通常風車グループ10の発電量の低下を補うように、制限を緩和される調整用風車グループ20とがある。
また、個別制御装置31、32と集中制御装置40とを含んで風力発電装置群の制御システムが構成される。
蓄電システム2は、例えばリチウムイオン蓄電池や鉛蓄電池等の二次電池で構成され、送電線9により電力系統7に接続されており、複数ある風力発電システム1の電力供給量が需要家8の電力需要量を上回るときは蓄電し、複数ある風力発電システム1の電力供給量が需要家8の電力需要量を下回るときは、需要家8に対して電力を供給する。
また、蓄電システム2は、複数ある風力発電システム1の電力供給量が、例えば前記電力供給量の移動平均値で表される電力目標値を上回るときは蓄電し、前記目標値を下回るときは、放電する。
なお、前記二次電池の種類は、ナトリウム硫黄電池や、その他の種類の二次電池であっても本発明の効果は変わらない。また、二次電池以外の例えばキャパシタ、フライホイール等の蓄電可能な装置あるいはそれらの組み合わせであっても同様である。
また、図1において、風力発電システム1と同じ図形による記号がウィンドファーム100に複数個が表記されているが、それらも風力発電システム1である。また、蓄電システム2についても同じ図形による記号がウィンドファーム100に複数個が表記されているが、それらも蓄電システム2である。
蓄電池個別制御装置32は、所定のタイミング毎に、対応する蓄電システム2の充電率SOCと、充放電出力を含むデータを、通信ネットワーク6を介して集中制御装置40に送信する。さらに、集中制御装置40からの充放電指令に従って、対応する蓄電システム2の充放電電出力を制御する。
図2は、集中制御装置40の内部の構成を示すブロック図である。
集中制御装置40は、送受信手段70と、風車出力制御部41と、蓄電池充放電制御部42と、を備えている。
送受信手段70は、通信ネットワーク6を介して、ウィンドファーム100(図1)内の複数台の風力発電システム1から送付される風速、発電出力等の運転情報を受信する。
なお、ウィンドファーム出力目標値決定手段(422)は図2において、「WF出力目標値決定手段」(422)と表記されている。
図3は、風車出力制御部41(図2)の動作を説明する図である。
図3(a)は、風車出力制御部41の動作例を示すフローチャートである。
図3(b)は、風況分析手段411で生成する各風車の風速計測値の過去1時間の平均から、風速順のテーブルT1を生成したサンプル例である。
図3(c)は、過去に発生したことのある風力発電システムの出力急減と、その直前の合計出力との関係を記録した特性カーブT2の特性図である。
図3(d)は、ウィンドファーム内の平均風速と、調整用風車台数の関係を示したテーブルT3のサンプル例である。
まず、風況分析手段411で、各風車で計測している風速計測値の過去1時間の平均から、ウィンドファーム100内の風況分布のテーブルT1(図3(b))を生成する(ステップS301)。
なお、図3(a)のフローチャートにおいて、ステップS301は「風速順のテーブルT1の生成」と簡略化して表記している。
なお、図3(a)のフローチャートにおいて、ステップS302は「発生しうる最大の出力急減の推定」と簡略化して表記している。
出力急減検出手段415で、複数の風力発電システム1の合計出力を計測し、例えば1分前の合計出力からの偏差ΔPmaxが、複数の風力発電システム1の合計定格出力の10%以上の減少となったか否かを検出し、判定する(ステップS303)。
なお、図3(a)のフローチャートにおいて、ステップS303は「出力急減発生、ΔPmax<−10%?」と簡略化して表記している。
偏差ΔPmaxが、風力発電システム合計定格出力の10%以上の減少となった場合を出力急減発生(Yes)と判定し、10%以上の減少とならない場合を出力急減が発生せず(No)と判定する。
すなわち、調整用風車は時々刻々変化する風況に合わせて、位置と台数を動的に変化させる。
なお、図3(a)のフローチャートにおいて、ステップS304は「調整用風車の設定」と簡略化して表記している。
出力制限値決定手段413で、調整用風車グループ20に属するとして設定された1台以上の風力発電システム1に対して、ウィンドファーム100のユーザがあらかじめ設定した出力上限値Plimitを決定する(ステップS305)。
出力上限値Plimitの値は、通常の風況において、風力発電システム1の出力をほぼ一定値で出力可能な値、例えば定格出力の10%程度に設定する。常時強風が見込めるウィンドファーム100では、出力上限値Plimitをさらに高い値に設定することで、発電電力量の損失を抑えることも可能である。
なお、図3(a)のフローチャートにおいて、ステップS305は「調整用風車グループの出力上限値の設定」と簡略化して表記している。
なお、ステップS307については、後記する。
出力急減検出手段415によるステップS303で、出力急減発生と判定された場合(Yes)には、ステップS306に進む。
出力制限値緩和手段416で、調整用風車グループ20(図1)の風力発電システム1(図1)の出力上限値を、段階的に緩和する(ステップS306)。
具体的には出力上限値Plimitを、例えば、10%⇒30%と変化させる。変化させる速度は、出力急減の速度に依存し、出力急減に要する時間が短いほど、出力上限値Plimitを早く変化させるように制御する。
調整用風車グループ20の台数を適切に設定し、出力急減のタイミングに合わせて、出力上限値Plimitを変化させることにより、ウィンドファーム100(図1)の合計(通常風車グループ10と調整用風車グループ20の総和)出力変動を緩和することが可能となる。
なお、図3(a)のフローチャートにおいて、ステップS306は「調整用風車グループの出力上限値の緩和」と簡略化して表記している。
出力制限値指令手段414で、ステップS305もしくはステップS306で設定された出力上限値Plimitを、調整用風車グループ20(図1)の各風力発電システム1(図1)に対して指令する。
なお、図3のフローチャートにおいて、ステップS307は「調整用風車グループに出力上限値を指令」と簡略化して表記している。
また、所定の時間が経過後、風況分析手段411によるステップS301からフローチャートの手順が繰り返される。
図3(b)は、前記したように、風況分析手段411で生成する各風車の風速計測値の過去1時間の平均か風速順のテーブルT1のサンプル例である。
各風車(風力発電システム1)の番号(No)と、過去1時間の平均風速(m/s)と、この平均風速の順位と、このときの平均風速における発電出力可能量(%)とが、風況分析の項目として記録される。
図3(c)は、前記したように、過去に発生したことのある風力発電システムの出力急減と、その直前の合計出力との関係を記録した特性カーブT2の特性図である。
図の横軸はウィンドファーム100の出力の百分率である「WF出力(%)」であり、縦軸は過去に発生したことのある風力発電システム1の出力急減である「最大出力急減(%)」である。
図3(d)は、前記したようにウィンドファーム100内の平均風速と、調整用風車グループ20の風力発電システム1の台数との関係を示したテーブルT3のサンプル例である。
ウィンドファーム100内の平均風速(m/s)と、調整用風車グループ20の風力発電システム1の台数が項目としてあり、各平均風速に対して、用いる調整用風車グループ20の風力発電システム1の台数との関係が記録されている。
次に、第1実施形態の効果を示すために、比較例として、第1実施形態の調整用風車グループ制御技術を用いない場合の特性を参考に示す
図4は、比較例として、調整用風車グループ制御がない場合に、風車出力の急減が発生したときの、風力発電システム及び蓄電システムの動作を模式的に表した図である。
図4(a)は風力発電システムの合計出力、(b)は蓄電システムの合計充放電出力、(c)は風力発電システムと蓄電システムを合わせたウィンドファームの合計出力を示している。
図4(a)、(b)、(c)において、横軸はすべて時間であり、縦軸はそれぞれ「風車出力合計(%)」、「蓄電池出力合計(%)」、「WF出力合計(%)」である。なお、「WF」とはウィンドファームの略である。縦軸は(%)で表記しているので、(a)と(b)の縦軸の値を単純に足しても(c)にはならない。
時刻Tdで風力発電システム1(図1)の出力急減(443)が発生すると、蓄電システム2(図1)は出力変動を緩和するために、蓄電池の放電出力を最大放電出力(蓄電池最大放電出力445)まで増大させる。
その後は、出力変動の許容幅の範囲で、ウィンドファーム100(図1)合計出力が変化するように、時間をかけて蓄電池の放電出力を減少させ、出力急減を緩和(448)する。
すなわち、出力急変に備えるためには、最大放電出力(蓄電池最大放電出力445)(kW)と、図4(b)の三角形の面積(446)で表される蓄電池必要容量446(Ah:アンペアアワー)との両方の条件を満たす蓄電池を設置する必要がある。
図5は、第1実施形態の調整用風車グループ制御を適用した場合の効果を模式的に表した図である。(a)は通常風車グループ10に属する風力発電システム1の合計出力、(a’)は調整用風車グループ20に属する風力発電システムの合計出力、(b)は蓄電システム2の合計充放電出力、(c)はウィンドファーム100の合計出力を示している。
図5(a)、(a’)、(b)、(c)において、横軸はすべて時間であり、縦軸はそれぞれ「通常風車出力合計(%)」、「調整用風車出力合計(%)」、「蓄電池出力合計(%)」、「WF出力合計(%)」である。なお、「WF」とはウィンドファームの略である。縦軸は(%)で表記しているので、(a)と(b)の縦軸の値を単純に足しても(c)にはならない。
調整用風車グループ20(図1)の風力発電システム1(図1)の出力が増加したことで、通常風車グループ10(図1)と調整用風車グループ20(図1)による複数の風力発電システム1の合計出力変動は抑制され、残った変動を蓄電システム2(図1)の放電出力で抑制する。この調整用風車の出力を利用する手法により、蓄電池(蓄電システム2、図1)の最大放電出力(蓄電池最大放電出力545)及び必要容量(蓄電池必要容量546)が、前記した<比較例>に対して、低下(必要容量低減547相当)し、蓄電池の導入コストを低減することが可能となる。
本発明の風力発電装置群のシステムの第2実施形態について説明する。
図6は本発明の風力発電装置群の制御システムの第2実施形態の装置構成を示すブロック図である。
図6において、ウィンドファーム100は電力系統7に一箇所で接続されており、電力系統7とウィンドファーム100から需要家8に対して電力を供給している。
ウィンドファーム100は、複数の風力発電システム1と、風車個別制御装置(個別制御装置、個別制御手段)31と、集中制御装置(集中制御手段)40と、前記した個別制御装置31と集中制御装置40とを相互に接続する通信ネットワーク6と、を備えて構成されている。
なお、複数ある風力発電システム1は、稼動時の風力に応じて発電する通常風車グループ10と、通常は発電量を制限され、風力が弱くなったとき、通常風車グループ10の発電量の低下を補うように、制限を緩和される調整用風車グループ20とがある。
蓄電システムがないため、風力発電システム1が発生する出力変動を完全に抑制することは困難だが、調整用風車グループ制御を適用することによって、出力急減時には大きな出力変動を緩和することが可能となる。その理由については、次に説明する。
図7は、図6の第2実施形態の効果を示す模式図である。(a)は通常風車出力合計(%)、(a’)は調整用風車出力合計(%)、(b)はウィンドファーム出力合計(%)を示している。
図7(a)、(a’)、(b)において、横軸はすべて時間であり、縦軸はそれぞれ「通常風車出力合計(%)」、「調整用風車出力合計(%)」、「WF出力合計(%)」である。
時刻Tdで通常風車グループ10の通常風車の出力急減(743)が発生すると、調整用風車グループ20の調整用風車は出力制限を段階的に緩和(744)(出力を増加)して、ウィンドファーム100(図6)の合計出力の変動を緩和(出力急減を緩和748)することが可能となる。
この第2実施形態のように、蓄電池を設置しないウィンドファーム100(図6)においても、調整用風車グループ制御を用いることで、第1実施形態ほどではないが、出力変動を抑制することが可能となる。あるいは、調整用風車グループ20の調整用風車の台数や最大出力を増大すれば、第1実施形態と同等以上の効果もでる。特に出力急減時などの大きな出力変動を抑制することにおいては効果的である。
本発明の風力発電装置群の制御システムの第3実施形態について説明する。
図8は本発明の風力発電装置群の制御システムの第3実施形態の装置構成を示すブロック図である。
図8において、ウィンドファーム100は電力系統7に一箇所で接続されており、電力系統7とウィンドファーム100から需要家8に対して電力を供給している。
ウィンドファーム100は、複数の風力発電システム1と、蓄電システム2と、風車個別制御装置(個別制御装置、個別制御手段)31と、蓄電池個別制御装置(個別制御装置、個別制御手段)32と、集中制御装置(集中制御手段)40と、前記した個別制御装置31、32と集中制御装置40とを相互に接続する通信ネットワーク6と、を備えて構成されている。
また、図8において、ウィンドファーム100の外部の例えば中央給電指令所71から、集中制御装置40に対して、通信路65を介して、出力制限指令、変動抑制インセンティブ情報等が送信されてくる。
中央給電指令所71から、集中制御装置40に対して、出力制限指令、変動抑制インセンティブ情報等が送信され、それらの指令、情報に基づき調整用風車グループ20の制御を行えば、図8に示したウィンドファーム100のみを効率的に制御するのみならず、中央給電指令所71が管理する広域における風況や需要・供給の関連情報を反映したより大局的な制御が可能となる。
また、集中制御装置40は元々、ウィンドファーム100内の風力発電システム1に対して出力制限を指令することを前提としているため、中央給電指令所71からの出力制限指令に対し、調整用風車グループ20の台数を増やすなどの対応をすることが容易であり、追加の機器等が不要となるメリットがある。
本発明の目的は、ウィンドファームから電力系統へ出力される電力の変動を抑制することにある。特に、電力系統制御の観点から有効な、数分から数十分程度の短周期変動を抑制でき、その際に併設する蓄電システムの容量を低減することが可能な、風力発電装置群の制御システム及び制御方法を提供することである。
第1〜第3実施形態によって、前記目的が達成できる。
なお、第1〜第3実施形態の説明は、主として風力発電装置群の制御システムの説明であったが、制御方法の説明も兼ねている。
10 通常風車グループ
100 ウィンドファーム(風力発電装置群)
2 蓄電システム
20 調整用風車グループ
31 風車個別制御装置(個別制御装置、個別制御手段)
32 蓄電池個別制御装置(個別制御装置、個別制御手段)
40 集中制御装置、集中制御手段
41 風車出力制御部
42 蓄電池充放電制御部
411 風況分析手段
412 調整用風車グループ決定手段
413 出力制限値決定手段
414 出力制限値指令手段
415 出力急減検出手段
416 出力制限値緩和手段
421 風車出力変動分析手段
422 ウィンドファーム出力目標値決定手段
423 蓄電装置充放電量決定手段
441、541、741 通常の出力変動
443、543、743 出力急減
445、545 蓄電池最大放電出力
446、546 蓄電池必要容量
448、548、748 出力急減を緩和
542、742 出力制限
544、744 出力制限を緩和
547 必要容量低減分
6 通信ネットワーク
65 通信路
7 電力系統
70 送受信手段
71 中央給電指令所
8 需要家
9 送電線
Claims (10)
- 電力系統に対して送電線を介して接続された複数台の風力発電システムと、少なくとも1台の蓄電システムを備えて構成される風力発電装置群の制御システムであって、
前記複数台のそれぞれの風力発電システム及び蓄電システムに設けられて通信ネットワークを介し前記複数台の風力発電システムのそれぞれの出力を含む運転情報を送受信する個別制御装置と、
前記通信ネットワークを介して前記個別制御装置からの情報を受信して、前記複数台の風力発電システムのそれぞれの出力制限値を演算処理する集中制御装置と、
を備え、
前記集中制御装置から前記複数台の風力発電システムにそれぞれ送信される出力指令値に応じて前記風力発電装置群の運転を制御することを特徴とする風力発電装置群の制御システム。 - 電力系統に対して送電線を介して接続された複数台の風力発電システムを備えて構成される風力発電装置群の制御システムであって、
前記複数台のそれぞれの風力発電システムに設けられて通信ネットワークを介し前記複数台の風力発電システムのそれぞれの出力を含む運転情報を送受信する個別制御装置と、
前記通信ネットワークを介して前記個別制御装置からの情報を受信して、前記複数台の風力発電システムのそれぞれの出力制限値を演算処理する集中制御装置と、
を備え、
前記集中制御装置から前記複数台の風力発電システムにそれぞれ送信される出力指令値に応じて前記風力発電装置群の運転を制御することを特徴とする風力発電装置群の制御システム。 - 請求項1に記載の風力発電装置群の制御システムにおいて、
前記集中制御装置は、
前記通信ネットワークを介して前記複数台の風力発電システムから送付される風速、発電出力等の運転情報を受信する送受信手段と、
当該送受信手段を介して前記複数台の風力発電システムの各風車位置の風速分布を分析する風況分析手段と、
前記運転情報に含まれる風速を所定時間平均して、出力の大きい特定の風力発電装置を調整用風車グループとして設定する調整用風車グループ決定手段と、
前記調整用風車グループの発電出力の制限値を決定する出力制限値決定手段と、
前記出力制限値を前記調整用風車グループに指令する出力制限値指令手段と、
前記運転情報に含まれる発電出力から出力の急減を検出する出力急減検出手段と、
前記出力の急減を検出すると、前記調整用風車グループの出力制限値を緩和する出力制限値緩和手段と、
前記運転情報に含まれる発電出力の変動を記録し、所定期間の発電出力の最大値、最小値から発電出力の変動を分析する風車出力変動分析手段と、
前記発電出力の変動から、前記風力発電装置群のウィンドファーム出力目標値を決定するウィンドファーム出力目標値決定手段と、
前記ウィンドファーム出力目標値と前記発電出力の偏差に応じて蓄電システムの充放電量を決定する蓄電装置充放電量決定手段と、
を備え、
前記風力発電装置群の出力変動を抑制することを特徴とする風力発電装置群の制御システム。 - 請求項2または請求項3に記載の風力発電装置群の制御システムにおいて、
前記集中制御装置は、前記風力発電装置群を少なくとも1台の調整用風車グループと、残りの通常風車グループとに分け、前記調整用風車グループの発電出力を通常時は定格出力に対して低い値に制限することを特徴とする風力発電装置群の制御システム。 - 請求項4に記載の風力発電装置群の制御システムにおいて、
前記集中制御装置は、前記通常風車グループの合計発電出力が、通常時の出力に対して所定の割合より減少した場合には、前記調整用風車グループの発電出力の制限を段階的に緩和することを特徴とする風力発電装置群の制御システム。 - 電力系統に対して送電線を介して接続された複数台の風力発電システムと、少なくとも1台の蓄電システムを備えて構成される風力発電装置群の制御方法であって、
前記複数台のそれぞれの風力発電システム及び蓄電システムに設けられて通信ネットワークを介し前記複数台の風力発電システムのそれぞれの出力を含む運転情報を送受信する個別制御手段と、
前記通信ネットワークを介して前記個別制御手段からの情報を受信して、前記複数台の風力発電システムのそれぞれの出力制限値を演算処理する集中制御手段と、
を備え、
前記集中制御手段から前記複数台の風力発電システムにそれぞれ送信される出力制限値に応じて前記風力発電装置群の運転を制御することを特徴とする風力発電装置群の制御方法。 - 電力系統に対して送電線を介して接続された複数台の風力発電システムを備えて構成される風力発電装置群の制御方法であって、
前記複数台のそれぞれの風力発電システムに設けられて通信ネットワークを介し前記複数台の風力発電システムのそれぞれの出力を含む運転情報を送受信する個別制御手段と、
前記通信ネットワークを介して前記個別制御手段からの情報を受信して、前記複数台の風力発電システムのそれぞれの出力制限値を演算処理する集中制御手段と、
を備え、
前記集中制御手段から前記複数台の風力発電システムにそれぞれ送信される出力指令値に応じて前記風力発電装置群の運転を制御することを特徴とする風力発電装置群の制御方法。 - 請求項6に記載の風力発電装置群の制御方法において、
前記集中制御手段は、
前記通信ネットワークを介して前記複数台の風力発電システムから送付される風速、発電出力等の運転情報を受信する送受信手段と、
当該送受信手段を介して前記複数台の風力発電システムの各風車位置の風速分布を分析する風況分析手段と、
前記運転情報に含まれる風速を所定時間平均して、発電出力の大きい特定の風力発電装置を調整用風車グループとして設定する調整用風車グループ決定手段と、
前記調整用風車グループの発電出力の制限値を決定する出力制限値決定手段と、
前記出力制限値を前記調整用風車グループに指令する出力制限値指令手段と、
前記運転情報に含まれる発電出力から前記風力発電システムの出力の急減を検出する出力急減検出手段と、
前記発電出力の急減を検出すると、前記調整用風車グループの出力制限値を緩和する出力制限値緩和手段と、
前記運転情報に含まれる発電出力の変動を記録し、所定期間の発電出力の最大値、最小値から発電出力の変動を分析する風車出力変動分析手段と、
前記発電出力の変動から、前記風力発電装置群のウィンドファーム出力目標値を決定するウィンドファーム出力目標値決定手段と、
前記ウィンドファーム出力目標値と前記発電出力の偏差に応じて蓄電システムの充放電量を決定する蓄電装置充放電量決定手段と、
を備え、
前記風力発電装置群の出力変動を抑制することを特徴とする風力発電装置群の制御方法。 - 請求項7または請求項8に記載の風力発電装置群の制御方法において、
前記集中制御手段は、前記風力発電装置群を少なくとも1台の調整用風車グループと、残りの通常風車グループとに分け、前記調整用風車グループの発電出力を通常時は定格出力に対して低い値に制限することを特徴とする風力発電装置群の制御方法。 - 請求項9に記載の風力発電装置群の制御方法において、
前記集中制御手段は、前記通常風車グループの合計発電出力が、通常時の出力に対して大きく減少した場合には、前記調整用風車グループの発電出力の制限を段階的に緩和することを特徴とする風力発電装置群の制御方法。
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