JP2012240523A - 配光制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】他車両の灯火か路側物からの反射光かを精度よく判別し、自車両のヘッドライトに対する好適な配光制御を行うための技術を提供する。
【解決手段】反射物判定部3は、ヘッドライトの照射状態を第1状態から第2状態に切替える直前において前方検出部1により検出した光体の配置状況と、切替えた直後において前方検出部1により検出した光体の配置状況とを比較し、切替前後で光の強度に所定の変化があった光体を反射物と特定する。反射物判定部3は、反射物と特定された光体を車両検出の対象から除外し、残った光体から自車両の前方に存在する他車両を検出する。配光制御部5は、反射物判定部3による他車両の検出結果に応じてヘッドライトの照射状態を調節する。
【選択図】図1
【解決手段】反射物判定部3は、ヘッドライトの照射状態を第1状態から第2状態に切替える直前において前方検出部1により検出した光体の配置状況と、切替えた直後において前方検出部1により検出した光体の配置状況とを比較し、切替前後で光の強度に所定の変化があった光体を反射物と特定する。反射物判定部3は、反射物と特定された光体を車両検出の対象から除外し、残った光体から自車両の前方に存在する他車両を検出する。配光制御部5は、反射物判定部3による他車両の検出結果に応じてヘッドライトの照射状態を調節する。
【選択図】図1
Description
本発明は、例えば他車両の灯火と路側のリフレクタ等からの反射光とを判別し、その判別結果に基づいて好適にヘッドライトの配光状態を制御する配光制御装置に関する。
従来、夜間に車両を走行させる場合には、前照灯(ヘッドライト)を常時ハイビームに設定し、先行車両や対向車両がある場合には、ロービームに変更する配光制御が知られている。
また、自車両の周辺環境に応じて、ヘッドライトの照射状態を精密に制御する配光制御が知られている。例えば、先行車両や対向車両の検出結果に基づいて、それらの他車両が自車両のヘッドライトの左右方向の照射範囲に存在するか否かを判定し、存在する場合、自車両のヘッドライトの左右方向の照射範囲が他車両の運転者を眩惑にグレアを与えない領域に位置するように照射範囲を変更制御する配光制御装置が知られている(特許文献1)参照。
この種の配光制御装置では、例えばカメラ等で撮像した画像から、対向車両や先行車両の灯火等の検出対象物(自発光物)と、例えば路側に設置された反射部材(リフレクタ)等の外乱物(反射物)とを切り分け、その切り分けた結果から対向車両や先行車両を認識して自車両のヘッドライトの照射範囲の調節を行っている。
しかしながら、他車両の灯火等の自発光物からなる検出対象物と、リフレクタ等の反射物とを完全に切り分けることは容易ではなく、自車両のヘッドライトから照射される光の反射による誤検出、すなわち、反射物を検出対象物と誤認識することがあった。
例えば、夜間、ヘッドライトをハイビームにして点灯した車両がカーブする道路を走行する際などには、カーブに沿って路側に設置されたリフレクタが自車両のヘッドライトからの光を反射して強く光るため、その反射光を他車両の灯火(自発光物)と誤認識することがある。その結果、対向車両や先行車両が存在しないにも関わらず、自車両のヘッドライトをハイビームからロービームに切替える配光制御をしてしまい、運転者の視野を不必要に狭めてしまうという問題がある。
また、リフレクタからの反射光を他車両の灯火と誤認識して配光制御をした場合、ヘッドライトをハイビームからロービームに切替えた途端に、リフレクタからの反射光が弱まり、その結果、対向車両や先行車両が存在しないと判断してハイビームに切替え、再び強く光るリフレクタを他車両の灯火と誤認識してロービームに切替えるといった動作の繰り返し(ハンチングと呼ぶ)を起こす可能性がある。
本発明は、上記問題点を解決するためになされており、他車両の灯火か路側物からの反射光かを精度よく判別し、自車両のヘッドライトに対する好適な配光制御を行うことができる技術を提供することを目的とする。
上記目的を達成するためになされた本発明は、自車両の前方に存在する他車両の検出結果に応じてヘッドライトの照射状態を調節する配光制御装置であって、切替手段と、検出手段と、特定手段と、制御手段とを備える。
切替手段は、自車両のヘッドライトの照射状態を、所定の第1状態から当該第1状態とは照射状態が異なる所定の第2状態に切替える。検出手段は、自車両の前方を撮像する撮像手段からの撮像情報における光の強弱に基づいて光体を検出する。なお、ここでいう光体とは、他車両の灯火等の自発光物、及びリフレクタ等の反射物を含む撮像画像上において光として認識可能なものを指す。
特定手段は、切替手段により第1状態から第2状態に切替える直前における検出手段による光体の検出結果と、切替えた直後における検出手段による光体の検出結果とを比較し、切替前後で光の強度に所定の変化があった光体を特定する。制御手段は、検出手段による光体の検出結果から、特定手段により特定された光体を車両検出の対象から除外し、残った光体から自車両の前方に存在する他車両を検出して、その検出結果に応じてヘッドライトの照射状態を調節する。
路側や路面上に設けられたリフレクタは、自車両のヘッドライトの光を反射することで運転者から光って見えるようになっている。つまり、自車両のヘッドライトから照射される光の状態(例えば、光の向きや強弱)が変われば、自車両側で観測される反射光の状態(例えば、光の強弱)も変化する。その一方で、他車両の灯火等の自発光物は、自車両のヘッドライトの照射状態が変化しても発光状態は変わらないため、ヘッドライトの照射状態の変化前と変化後とで、自車両側で観測される自発光物の様子は大きく変化しない。
そこで、本発明では、ヘッドライトの照射状態を切替える直前と直後とで観測された光体(自発光物や反射物)の状態を比較することで、切替後において光の強度が変化した光体を特定する。より具体的には、切替前後で光の強度に所定の変化があった光体を反射物と特定する(請求項2)。
このようにすることで、他車両の灯火等の自発光物からなる検出対象物と、リフレクタ等の反射物とを精度よく判別することができ、外乱を除外して自車両のヘッドライトに対する好適な配光制御を行うことができる。また、リフレクタからの反射光を他車両の灯火と誤認識することを抑制できるため、配光制御時にハイビームとロービームとの切替えを繰返すといったハンチング動作を防止できる。
つぎに、請求項3に係る発明は、反射物を精度よく判別するための具体的な手法として、ヘッドランプの点灯状態をハイビームからロービームに切替える直前における光体の検出結果と、切替えた直後における光体の検出結果とを比較し、切替前において検出されていた光体のうち切替後に光が消失又は暗くなったものを反射物と特定することを特徴とする。
遠方を照らすためのハイビーム(走行用前照灯、上向き)を点灯している状態から、近距離を照らすためのロービーム(すれ違い前照灯、下向き)に切替えると、ヘッドライトの照射範囲が狭まったり照射向きが変わる。それにより、それまでハイビームによって照らし出されていた反射物に光が当たらなくなれば、自車両側で観測されていた光体が消失したり暗くなったりすることになる。よって、ハイビームからロービームに切替えた直後に光が消失又は暗くなった光体を反射物と特定することで、車両の灯火等の自発光物とリフレクタ等の反射物とを精度よく切り分けることができる。このようにすることで、再びロービームからハイビームに戻したときに、既に反射物と特定した物体が再び強く光ったとしても、それらを外乱として配光制御の対象から除外することができるため、ハイビームとロービームとの切替えを繰返すといったハンチング動作を防止できる。
つぎに、請求項4に係る発明は、反射物を精度よく判別するための具体的な手法として、ヘッドランプの点灯状態をロービームからハイビームに切替える直前における光体の検出結果と、切替えた直後における光体の検出結果とを比較し、切替前において検出されてなかった光体が切替後に出現したものを反射物と特定することを特徴とする。
ロービームを点灯している状態から、ハイビームに切替えると、ヘッドライトの照射範囲が拡大したり照射向きが変わる。それにより、それまでロービームの照射範囲に入っていなかった反射物に光が当たるようになれば、自車両側でそれまで観測されてなかった光体が新たに現れることになる。よって、ロービームからハイビームに切替えた直後に出現した光体を反射物と特定することで、車両の灯火等の自発光物とリフレクタ等の反射物とを精度よく切り分けることができる。このようにすることで、ハイビームに切替えたことで新たに出現した光体(反射物)については外乱として配光制御の対象から除外することができるため、ハイビームとロービームとの切替えを繰返すといったハンチング動作を防止できる。
つぎに、請求項5に係る発明は、反射物を精度よく判別するための具体的な手法として、自車両のヘッドライトの照射状態を、所定の第1状態から当該第1状態とは自車両の進行方向に対して左右方向に照射範囲が異なる所定の第2状態に切替えるように構成し、ヘッドライトの左右の照射方向を切替える直前における検出手段による光体の検出結果と、切替えた直後における検出手段による光体の検出結果とを比較し、切替前後で光の強度に所定の変化があった光体を反射物と特定することを特徴とする。
路側や路面上に設けられたリフレクタは、自車両のヘッドライトの光を反射することで運転者から光って見えるようになっており、自車両のヘッドライトから照射される光の方向が変われば、自車両側で観測される反射光の状態(例えば、光の強弱)も変化する。よって、ヘッドライトの照射範囲を左右方向に変化させた直後において光の強度に所定の変化があった光体を反射物と特定することで、車両の灯火等の自発光物とリフレクタ等の反射物とを精度よく切り分けることができる。このようにすることで、ヘッドライトの照射方向の切替によって光の強度が変わった光体(反射物)については、外乱として配光制御の対象から除外することができるため、反射光を車両の灯火と誤認識することによるハンチング動作を防止できる。
さらに、請求項6に係る発明のように、自車両のヘッドライトの照射状態を、所定の第1状態から当該第1状態とは自車両の進行方向に対して上下方向及び左右方向共に照射範囲が異なる所定の第2状態に切替えるように構成し、ヘッドライトの上下及び左右の照射方向を切替える直前における光体の検出結果と、切替えた直後における光体の検出結果とを比較し、切替前後で光の強度に所定の変化があった光体を反射物と特定するように構成してもよい。
例えば、LEDヘッドライトのような上下(遠近)方向に照射範囲を切替可能なランプユニットと左右方向に照射範囲を切替可能なランプユニットとの組合せで構成される、上下左右方向に多段の照射範囲を持つヘッドライトの場合、ヘッドライトの照射範囲を上下方向及び左右方向に同時に変化させることが可能である。よって、ヘッドライトの照射範囲を上下方向及び左右方向に併せて変化させた直後において光の強度に所定の変化があった光体を反射物と特定することでも、車両の灯火等の自発光物とリフレクタ等の反射物とを精度よく切り分けることができる。
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
[配光制御装置の構成の説明]
本発明が適用された配光制御装置のシステム構成について、図1に基づき説明する。
[配光制御装置の構成の説明]
本発明が適用された配光制御装置のシステム構成について、図1に基づき説明する。
図1に示すように、本実施形態の配光制御装置は、前方検出部1と、反射物判定部3と、配光制御部5とを備える。前方検出部1と反射物判定部3、並びに、反射物判定部3と配光制御部5とは、所定の車内通信プロトコル(CANやLIN)によって通信が実施される通信線7,9を介して接続されている。
前方検出部1は、自車両前方の道路状況を撮像する車載カメラと、車載カメラからの情報を処理する情報処理装置とからなるモジュールである。車載カメラは、CCDイメージセンサやCMOSイメージセンサ、及び被写体からの光をイメージセンサ上に集光するレンズ等を用いて構成された周知のものであり、自車両前方の道路が撮像範囲内に含まれるように、自車両前方に向けて配置されている。また、前方検出部1としては、車載カメラの他に、前方の光強度分布を検出する光センサ等を用いてもよい。これらの車載カメラ、光センサ等から得た情報を元に、CPU,ROM,RAM,I/O等を備える情報処理装置が対向車両や先行車両等の灯火からなる自発光物や、路側に設置されたリフレクタ等からなる反射物を含む光体(判定候補)の位置を検出する。
反射物判定部3は、CPU,ROM,RAM,I/O等を備えた周知の情報処理装置として構成されている。この反射物判定部3は、通信線7を介して前方検出部1からの検出情報(判定候補となる光体の位置情報)を受信し、この検出情報に基づき、後述するようにして判定候補の光体の中から反射物を特定する。
配光制御部5は、CPU,ROM,RAM,I/O等を備えた周知の情報処理装置として構成されており、ヘッドライトの点灯状態を制御する。この配光制御部5は、通信線9を介して反射物判定部3による判定結果を受信し、その判定結果に基づいて、自車両の前方における他車両の存否状況に応じた配光制御を行う。配光制御の一例としては、夜間の走行時において、ヘッドライトを常時ハイビームに設定し、対向車両や先行車両がある場合にはロービームに変更する。また、配光制御部5は、現在のヘッドライトの設定状態(ハイビームかロービームか)を示す配光制御情報を、通信線9を通じて反射物判定部3に入力する。
[反射物判定処理の説明]
つぎに、配光制御装置の反射物判定部3が実行する反射物判定処理の手順について、図2のフローチャートを参照しながら説明する。この処理は、ヘッドライトの点灯中において所定時間毎に繰り返し実行される。
つぎに、配光制御装置の反射物判定部3が実行する反射物判定処理の手順について、図2のフローチャートを参照しながら説明する。この処理は、ヘッドライトの点灯中において所定時間毎に繰り返し実行される。
反射物判定部3は、まず、点灯中のヘッドライトの照射状態の切替を実施する設定が有効になっているか否かを判定する(S101)。照射状態の切替が有効になっている場合(S101:YES)、S102の処理へ進み、無効になっている場合(S101:NO)、本処理を終了する。
照射状態の切替が有効になっている場合に進むS102では、配光制御部5から入力される配光制御情報に基づいて、現在の照射状態がハイビームであるかロービームであるかを判定する。現在の照射状態がハイビームである場合(S102:Hi)、S103の処理へ進み、ロービームである場合(S102:Lo)、S106の処理へ進む。
現在の照射状態がハイビームである場合に進むS103では、配光制御部5を介してヘッドライトの照射状態をハイビームからロービームに一旦切替える。つぎに、ヘッドライトの照射状態をロービームからハイビームに切替える過程で前方検出部1により検出された判定候補の光体の位置情報に基づき、ロービームへの切替タイミングと同時期に消失、あるいは明るさが顕著に低下した光体を検出する(S104)。消失した光体の検出は、ロービームに切替える直前に検出していた光体の配置状況と、ロービームに切替えた直後に検出した光体の配置状況とを比較することにより行う。S107でロービームへの切替タイミングと同時期に消失、あるいは明るさが顕著に低下した光体を検出した場合、その光体を反射物と特定する(S105)。
ここで、上述のS103からS105で行う処理の具体例について、図3を参照しながら説明する。
図3(a)は、ハイビームを点灯している状態でロービームに切替える直前に自車両前方から検出した光体の配置状況を示すものある。この事例では、自車両の前方から接近してくる対向車両の灯火(自発光物)や、自車両のヘッドライトの照射範囲内(図中の明るい部分)にあるリフレクタ(反射物)が判定候補の光体として検出されている。
図3(a)は、ハイビームを点灯している状態でロービームに切替える直前に自車両前方から検出した光体の配置状況を示すものある。この事例では、自車両の前方から接近してくる対向車両の灯火(自発光物)や、自車両のヘッドライトの照射範囲内(図中の明るい部分)にあるリフレクタ(反射物)が判定候補の光体として検出されている。
図3(b)は、図3(a)に示す状態からヘッドライトをロービームに切替えた直後に自車両前方から検出した光体の配置状況を示すものである。このとき、ハイビームを点灯している状態で検出されていた光体(リフレクタ)のうち遠方にあるものが、切替によってロービームの照射範囲から外れたことにより消失、あるいは明るさが顕著に低下している。その一方で、対向車両の灯火は、ロービームの照射範囲から外れても依然として光体として検出されている。
そして、図3(a),(b)に示す検出光体の配置状況を比較し、ロービームへの切替タイミングと同時期に消失、あるいは明るさが顕著に低下した光体を反射物と特定する。図3(c)は、特定された反射物とそれ以外の検出光体とを切り分けた状態を模式的に示すものである。これ以降、ここで反射物と特定された対象物については、再び光体として検出されることがあっても他車両として識別するための判定候補からは除外され、それ以外の光体の中から配光制御の対象となる他車両が検出される。
図2のフローチャートの説明に戻る。一方、現在の照射状態がロービームである場合に進むS106では、配光制御部5を介してヘッドライトの照射状態をロービームからハイビームに一旦切替える。つぎに、ヘッドライトの照射状態をロービームからハイビームに切替える過程で前方検出部1により検出された判定候補の光体の位置情報に基づき、ハイビームへの切替タイミングと同時期に新たに出現した光体を検出する(S107)。新たに出現した光体の検出は、ハイビームに切替える直前に検出していた光体の配置状況と、ハイビームに切替えた直後に検出した光体の配置状況とを比較することにより行う。S107でハイビームへの切替タイミングと同時期に出現した光体を検出した場合、その光体を反射物と特定する(S108)。
ここで、上述のS106からS108で行う処理の具体例について、図4を参照しながら説明する。
図4(a)は、ロービームを点灯している状態でハイビームに切替える直前に自車両前方から検出した光体の配置状況を示すものある。この事例では、自車両の前方から接近してくる対向車両の灯火(自発光物)や、自車両のヘッドライトの照射範囲内(図中の明るい部分)にあるリフレクタ(反射物)が判定候補の光体として検出されている。なお、この状況では、遠方のリフレクタがヘッドライトの照射範囲外に存在するが、ヘッドライトの光を反射していないため、現時点ではまだ光体として検出されていない。
図4(a)は、ロービームを点灯している状態でハイビームに切替える直前に自車両前方から検出した光体の配置状況を示すものある。この事例では、自車両の前方から接近してくる対向車両の灯火(自発光物)や、自車両のヘッドライトの照射範囲内(図中の明るい部分)にあるリフレクタ(反射物)が判定候補の光体として検出されている。なお、この状況では、遠方のリフレクタがヘッドライトの照射範囲外に存在するが、ヘッドライトの光を反射していないため、現時点ではまだ光体として検出されていない。
図4(b)は、図4(a)に示す状態からヘッドライトをハイビームに切替えた直後に自車両前方から検出した光体の配置状況を示すものである。このとき、ロービームを点灯している状態では光体として検出されていなかった遠方のリフレクタが、切替によってハイビームの照射範囲内に入ったことにより光体として出現している。
そして、図4(a),(b)に示す検出光体の配置状況を比較し、ハイビームへの切替タイミングと同時期に出現した光体を反射物と特定する。図4(c)は、特定された反射物とそれ以外の検出光体とを切り分けた状態を模式的に示すものである。これ以降、ここで反射物と特定された対象物については、他車両として識別するための判定候補からは除外され、それ以外の光体の中から配光制御の対象となる他車両が検出される。
[車両判定処理の説明]
つぎに、配光制御装置の反射物判定部3が実行する車両判定処理の手順について、図5のフローチャートを参照しながら説明する。この処理は、上述の反射物判定処理(図2参照)の実行後に開始される。
つぎに、配光制御装置の反射物判定部3が実行する車両判定処理の手順について、図5のフローチャートを参照しながら説明する。この処理は、上述の反射物判定処理(図2参照)の実行後に開始される。
反射物判定部3は、まず、反射物判定処理の結果、前方検出部1により検出された判定候補の光体の中から反射物が特定されたか否かを判定する(S201)。判定候補の光体の中から反射物が特定された場合(S201:YES)、S202の処理へ進み、反射物が特定されなかった場合(S201:NO)、S202をスキップしてS203の処理へ進む。反射物が特定された場合に進むS202では、その特定された反射物を判定候補から除外する。
つぎに、S203では、反射物を除外した残りの判定候補の光体の中から、対向車両や先行車両に相当する対象物を検出する。なお、対向車両や先行車両の検出方法としては、周知の運動解析法による移動物体の検出・追跡方法や、自車両との相対速度の検出方法等を利用することができる。
そして、S203で検出した対向車両や先行車の位置情報を配光制御部5へ送信し、その位置情報に基づいて配光制御部5においてヘッドライトの配光制御を実施する(S204)。配光制御部5は、反射物判定部3から受信した対向車両や先行車の位置情報に基づき、前方の他車両の存否状況に応じた配光制御を行う。具体的には、ヘッドライトをハイビームにしているときに前方に対向車両や先行車両を検出した場合には、ハイビームからロービームに切替え、ロービームにしているときに前方に対向車両や先行車両を検出していない場合には、ロービームからハイビームに切替える。
ここで、上述の車両判定処理の具体例について、図6を参照しながら説明する。
図6(a)は、前方検出部1により検出された判定候補の光体の配置状況を示すものである。この時点では、他車両の灯火や路側のリフレクタの反射光を含む多数の光体が判定候補として検出されている。
図6(a)は、前方検出部1により検出された判定候補の光体の配置状況を示すものである。この時点では、他車両の灯火や路側のリフレクタの反射光を含む多数の光体が判定候補として検出されている。
図6(b)は、図6(a)に示す判定候補の光体から、反射物判定処理によって特定された反射物を除外した状態を示すものである。この時点で、初期に検出されていた判定候補から数多くの反射物が除外され、車両を検出する際に外乱となる情報が大幅に低減されている。
図6(c)は、特定された反射物を除外した残りの判定候補の光体の中から、車両に相当する対象物を検出した状態を示すものである。この図に示すとおり、判定候補の光体の中から外乱となる反射物を除外したことで、前方に存在する車両を容易に検出できるようになっている。
[効果]
上記実施形態の配光制御装置によれば、次のような効果を奏する。
ヘッドライトをハイビームからロービームへ、あるいはロービームからハイビームへ切替える直前と直後とで観測された光体の配置状況を比較し、検出光体における光の強度の変化に基づいて反射物を特定できる。これにより、他車両の灯火等の自発光物からなる検出対象物と、リフレクタ等の反射物からなる外乱とを精度よく判別することができる。その結果、自車両の前方に存在する他車両の検出精度が向上し、ヘッドライトに対する好適な配光制御を行うことができる。また、リフレクタからの反射光を他車両の灯火と誤認識することを抑制できるため、配光制御時にハイビームとロービームとの切替えを繰返すといったハンチング動作を防止できる。
上記実施形態の配光制御装置によれば、次のような効果を奏する。
ヘッドライトをハイビームからロービームへ、あるいはロービームからハイビームへ切替える直前と直後とで観測された光体の配置状況を比較し、検出光体における光の強度の変化に基づいて反射物を特定できる。これにより、他車両の灯火等の自発光物からなる検出対象物と、リフレクタ等の反射物からなる外乱とを精度よく判別することができる。その結果、自車両の前方に存在する他車両の検出精度が向上し、ヘッドライトに対する好適な配光制御を行うことができる。また、リフレクタからの反射光を他車両の灯火と誤認識することを抑制できるため、配光制御時にハイビームとロービームとの切替えを繰返すといったハンチング動作を防止できる。
[特許請求の範囲に記載の構成との対応]
実施形態の配光制御装置の構成と、特許請求の範囲に記載の構成との対応は次のとおりである。実施形態の配光制御装置における前方検出部1が、特許請求の範囲における検出手段に相当する。また、配光制御装置が実行する反射物判定処理が、特定手段に相当する。また、配光制御装置が実行する車両検出処理が、制御手段に相当する。
実施形態の配光制御装置の構成と、特許請求の範囲に記載の構成との対応は次のとおりである。実施形態の配光制御装置における前方検出部1が、特許請求の範囲における検出手段に相当する。また、配光制御装置が実行する反射物判定処理が、特定手段に相当する。また、配光制御装置が実行する車両検出処理が、制御手段に相当する。
[変形例]
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記の実施形態に何ら限定されるものではなく様々な態様にて実施することが可能である。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記の実施形態に何ら限定されるものではなく様々な態様にて実施することが可能である。
例えば、上述の実施形態では、ヘッドライトの照射状態をハイビームとロービームとで切替えることによって反射物を特定する構成となっているが、それ以外の方法で反射物を特定してもよい。具体的には、ヘッドライトの照射方向を自車両の進行方向に対して左右方向に変化させて、その切替の直前と直後における検出光体の状態を比較することで反射物を特定するような構成であってもよい。
路側や路面上に設けられたリフレクタは、自車両のヘッドライトの光を反射することで運転者から光って見えるようになっており、自車両のヘッドライトから照射される光の方向が変われば、自車両側で観測される反射光の状態(例えば、光の強弱)も変化する。よって、ヘッドライトの照射範囲を左右方向に変化させた直後において光の強度に所定の変化があった光体を反射物と特定することで、車両の灯火等の自発光物とリフレクタ等の反射物とを精度よく切り分けることができる。
さらに、LEDヘッドライトのような上下(遠近)方向に照射範囲を切替可能なランプユニットと左右方向に照射範囲を切替可能なランプユニットとの組合せで構成される、上下左右方向に多段の照射範囲を持つヘッドライトの場合、ヘッドライトの照射範囲を上下方向及び左右方向に併せて変化させた直後において光の強度に所定の変化があった光体を反射物と特定するような構成であってもよい。
1…前方検出部、3…反射物判定部、5…配光制御部、7,9…通信線
Claims (6)
- 自車両の前方に存在する他車両の検出結果に応じてヘッドライトの照射状態を調節する配光制御装置であって、
自車両のヘッドライトの照射状態を、所定の第1状態から当該第1状態とは照射状態が異なる所定の第2状態に切替える切替手段と、
自車両の前方を撮像する撮像手段からの撮像情報における光の強弱に基づいて光体を検出する検出手段と、
前記切替手段により前記第1状態から前記第2状態に切替える直前における前記検出手段による光体の検出結果と、切替えた直後における前記検出手段による光体の検出結果とを比較し、切替前後で光の強度に所定の変化があった光体を特定する特定手段と、
前記検出手段による光体の検出結果から、前記特定手段により特定された光体を車両検出の対象から除外し、残った光体から自車両の前方に存在する他車両を検出して、その検出結果に応じてヘッドライトの照射状態を調節する制御手段とを備えること
を特徴とする配光制御装置。 - 請求項1に記載の配光制御装置において、
前記特定手段は、前記第1状態から前記第2状態への切替前後で光の強度に所定の変化があった光体を反射物と特定し、
前記制御手段は、前記特定手段により反射物と特定された光体を車両検出の対象から除外し、残った光体から自車両の前方に存在する他車両を検出して、その検出結果に応じてヘッドライトの照射状態を調節すること
を特徴とする配光制御装置。 - 請求項2に記載の配光制御装置において、
前記第1状態は、遠方を照らすためのハイビームを点灯している状態であり、前記第2状態は、前記ハイビームより近距離を照らすためのロービームを点灯している状態であり、
前記特定手段は、ヘッドランプの点灯状態を前記ハイビームから前記ロービームに切替える直前における光体の検出結果と、切替えた直後における光体の検出結果とを比較し、切替前において検出されていた光体のうち切替後に光が消失又は暗くなったものを反射物と特定すること
を特徴とする配光制御装置。 - 請求項2に記載の配光制御装置において、
前記第1状態は、近距離を照らすためのロービームを点灯している状態であり、前記第2状態は、前記ロービームよりも遠方を照らすためのハイビームを点灯している状態であり、
前記特定手段は、ヘッドランプの点灯状態を前記ロービームから前記ハイビームに切替える直前における光体の検出結果と、切替えた直後における光体の検出結果とを比較し、切替前において検出されてなかった光体が切替後に出現したものを反射物と特定すること
を特徴とする配光制御装置。 - 請求項2に記載の配光制御装置において、
前記切替手段は、自車両のヘッドライトの照射状態を、所定の第1状態から当該第1状態とは自車両の進行方向に対して左右方向に照射範囲が異なる所定の第2状態に切替えるように構成されており、
前記特定手段は、前記切替手段によりヘッドライトの左右の照射方向を切替える直前における前記検出手段による光体の検出結果と、切替えた直後における前記検出手段による光体の検出結果とを比較し、切替前後で光の強度に所定の変化があった光体を反射物と特定すること
を特徴とする配光制御装置。 - 請求項2に記載の配光制御装置において、
前記切替手段は、自車両のヘッドライトの照射状態を、所定の第1状態から当該第1状態とは自車両の進行方向に対して上下方向及び左右方向共に照射範囲が異なる所定の第2状態に切替えるように構成されており、
前記特定手段は、前記切替手段によりヘッドライトの上下及び左右の照射方向を切替える直前における前記検出手段による光体の検出結果と、切替えた直後における前記検出手段による光体の検出結果とを比較し、切替前後で光の強度に所定の変化があった光体を反射物と特定すること
を特徴とする配光制御装置。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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