JP2012240327A - 生分解性透明紙による立体視印刷物の作製方法、生分解性透明紙による立体視印刷物 - Google Patents
生分解性透明紙による立体視印刷物の作製方法、生分解性透明紙による立体視印刷物 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】生分解性透明紙による立体視印刷物の作製方法と、この方法による生分解性透明紙による立体視印刷物を提供する。
【解決手段】ロール状の透明紙の一方の面に透明な生分解性樹脂融液を透明紙の厚さの30〜60%の厚さでコーティングして生分解性樹脂コート透明紙を作製する工程と、前記出来上がった生分解性樹脂コート透明紙の生分解性樹脂非コート面に万線状に分解された立体再生用図柄を印刷する図柄印刷工程と、前記図柄印刷と同一ラインで前記立体再生用図柄の万線ピッチと同一ピッチでかまぼこ状レンズを前記透明紙の生分解性樹脂コート面の少なくとも一部領域に形成するかまぼこ状レンズ形成工程と、を有する生分解性透明紙による立体視印刷物の作製方法と、この方法によって作製した生分解性透明紙による立体視印刷物を提供する。
【選択図】 図1
【解決手段】ロール状の透明紙の一方の面に透明な生分解性樹脂融液を透明紙の厚さの30〜60%の厚さでコーティングして生分解性樹脂コート透明紙を作製する工程と、前記出来上がった生分解性樹脂コート透明紙の生分解性樹脂非コート面に万線状に分解された立体再生用図柄を印刷する図柄印刷工程と、前記図柄印刷と同一ラインで前記立体再生用図柄の万線ピッチと同一ピッチでかまぼこ状レンズを前記透明紙の生分解性樹脂コート面の少なくとも一部領域に形成するかまぼこ状レンズ形成工程と、を有する生分解性透明紙による立体視印刷物の作製方法と、この方法によって作製した生分解性透明紙による立体視印刷物を提供する。
【選択図】 図1
Description
本発明は、生分解性透明紙による立体視印刷物の作製方法と、この方法によって作製された生分解性透明紙による立体視印刷物に関する。
立体視印刷物がディスプレイや、おまけなどに使用されている。
これらの立体視印刷物は、立体再生用図柄にかまぼこ状に形成された透明な樹脂レンズを貼り合わせて立体視印刷物としている。
従来、透明なかまぼこ状レンズには、塩化ビニルや、アクリル、ポリエステルなどの樹脂フィルムが使用されてきた。
また、従来の立体視印刷物は、図柄の一部だけ立体的に見せることができず、印刷物全体に前述のかまぼこ状レンズが貼り合わされて立体視印刷物として使用されている。
これら立体視印刷物には前述のように、樹脂フィルムが貼り合わされているために、環境にやさしい印刷物として取り扱われていなかった。
これらの立体視印刷物は、立体再生用図柄にかまぼこ状に形成された透明な樹脂レンズを貼り合わせて立体視印刷物としている。
従来、透明なかまぼこ状レンズには、塩化ビニルや、アクリル、ポリエステルなどの樹脂フィルムが使用されてきた。
また、従来の立体視印刷物は、図柄の一部だけ立体的に見せることができず、印刷物全体に前述のかまぼこ状レンズが貼り合わされて立体視印刷物として使用されている。
これら立体視印刷物には前述のように、樹脂フィルムが貼り合わされているために、環境にやさしい印刷物として取り扱われていなかった。
そこで、表面にレンチキュラーレンズを有するスクリーン裏面側にある立体画像をレンチキュラーレンズで合成して立体像にする立体視印刷物が提供されている。(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1で開示されている立体視印刷物は、レンズの材質に生分解性プラスチックを使用しているが、印刷物前面にレンズを貼り合わせる構造である。そこで、本発明は、生分解性透明紙による立体視印刷物の作製方法と、この方法による生分解性透明紙による立体視印刷物を提供することを目的とするものである。
前記課題の目的を達成するために本発明の生分解性透明紙による立体視印刷物の作製方法の第一の発明は、ロール状の透明紙の一方の面に透明な生分解性樹脂融液を透明紙の厚さの30〜60%の厚さでコーティングして生分解性樹脂コート透明紙を作製する工程と、前記出来上がった生分解性樹脂コート透明紙の生分解性樹脂非コート面に万線状に分解された立体再生用図柄を印刷する図柄印刷工程と、前記図柄印刷と同一ラインで前記立体再生用図柄の万線ピッチと同一ピッチでかまぼこ状レンズを前記透明紙の生分解性樹脂コート面の少なくとも一部領域に形成するかまぼこ状レンズ形成工程と、を有することを特徴とするものである。
また、第二の発明の生分解性透明紙による立体視印刷物は、ロール状の透明紙に生分解性樹脂を透明紙基紙の質量に対し15〜50%含浸させて生分解性樹脂含浸透明紙を作製する工程と、前記出来上がった生分解性樹脂含浸透明紙の一方の面に万線状に分解された立体再生用図柄を印刷する図柄印刷工程と、前記図柄印刷と同一ラインで前記立体再生用図柄の万線ピッチと同一ピッチでかまぼこ状レンズを前記立体再生用図柄印刷面の逆面に形成するかまぼこ状レンズ形成工程と、を有することを特徴とするものである。
また、第三の発明は、第一又は第二の発明において、かまぼこ状のレンズは、ロール状の透明紙の幅方向に平行に形成されたことを特徴とするものである。
また、第四の発明は、第一から第三の何れかの発明において、透明紙は、トレーシングペーパー又はグラシン紙で、生分解性樹脂は、熱可塑性の樹脂族ポリエステル樹脂や微生物生産脂肪族ポリエステル樹脂、又はポリ乳酸の何れかであることを特徴とするものである。
また、第五の発明は、第四の発明において、かまぼこ状レンズ形成工程では、かまぼこ状レンズ形成面を70〜120℃で加熱し、15〜25℃に冷却されたかまぼこレンズ成形用冷却ロールで加圧して形成されることを特徴とするものである。
また、第六の発明は、生分解性透明紙による立体視印刷物であって、透明紙の一方の面に透明な生分解性樹脂融液が透明紙の厚さの30〜60%の厚さでコーティングされてなる生分解性樹脂コート透明紙の生分解性樹脂非コート面に万線状に分解された立体再生用図柄が印刷され、前記図柄印刷と同一ラインで前記立体再生用図柄の万線ピッチと同一ピッチで、かまぼこ状レンズを前記透明紙の生分解性樹脂コート面の少なくとも一部領域に形成されてなることを特徴とするものである。
また、第七の発明は、生分解性透明紙による立体視印刷物であって、透明紙に生分解性樹脂を透明紙基紙の質量に対し15〜50%含浸させてなる生分解性樹脂含浸透明紙の一方の面に万線状に分解された立体再生用図柄が印刷され、前記図柄印刷と同一ラインで前記立体再生用図柄の万線ピッチと同一ピッチでかまぼこ状レンズが前記立体再生用図柄印刷面の逆面に形成されてなることを特徴とするものである。
本発明の生分解性透明紙による立体視印刷物の作製方法、および、この方法によって作製された生分解性透明紙による立体視印刷物によって、環境にやさしい立体視印刷物を提供することができる。
また、従来のように透明な樹脂シートによるかまぼこ状レンズを立体再生用図柄の表面に貼り合わせたものではないために、印刷物を手にしたときに印刷物の一部に立体視印刷物が嵌め込んであるという感触を味わうことができる。
このように、全体の図柄の一部だけ立体表現できるために、広い分野で、安価な立体視印刷物として利用することができる。
また、従来のように透明な樹脂シートによるかまぼこ状レンズを立体再生用図柄の表面に貼り合わせたものではないために、印刷物を手にしたときに印刷物の一部に立体視印刷物が嵌め込んであるという感触を味わうことができる。
このように、全体の図柄の一部だけ立体表現できるために、広い分野で、安価な立体視印刷物として利用することができる。
以下、図面を参照して本発明の一実施形態である生分解性透明紙による立体視印刷物の作製方法及び生分解性透明紙による立体視印刷物について説明する。
図1は、生分解性透明紙による立体視印刷物1の概略図である。
本実施形態の生分解性透明紙には、生分解性樹脂コート透明紙の場合と、生分解性樹脂含浸透明紙の場合とがあるが、図1の説明では生分解性樹脂コート透明紙の例で説明する。
本実施形態の生分解性透明紙には、生分解性樹脂コート透明紙の場合と、生分解性樹脂含浸透明紙の場合とがあるが、図1の説明では生分解性樹脂コート透明紙の例で説明する。
まず、ロール状の透明紙の一方の面に熱可塑性を有する透明な生分解性樹脂融液(図示せず)をコーティングして生分解性樹脂コート透明紙(以下、単に生分解性透明紙という)を作製する。
透明紙に熱可塑性の生分解性樹脂をコーティング(以下、コートともいう)する目的は、後述するかまぼこ状レンズを熱と圧力で成型するために熱可塑性とする必要があるからである。また、生分解性樹脂とする目的は、環境に優しい印刷物とするためである。
透明紙に熱可塑性の生分解性樹脂をコーティング(以下、コートともいう)する目的は、後述するかまぼこ状レンズを熱と圧力で成型するために熱可塑性とする必要があるからである。また、生分解性樹脂とする目的は、環境に優しい印刷物とするためである。
次に、熱可塑性の生分解性樹脂(以下、単に生分解性樹脂という)をコートした生分解性透明紙の生分解性樹脂非コート面(生分解性樹脂がコーティングされていない面)に文字印刷部11や図柄印刷部12を形成する。
図柄印刷部12には、目視で認識する通常図柄122と立体的に認識させる立体再生用図柄121が印刷される。立体再生用図柄121は、図柄を立体的に再生するために、図柄を右目で認識させるための図柄と、左目で認識させるための図柄に分解して万線状に印刷する。立体視印刷物の立体再生用図柄については、図5で詳しく説明する。
図柄印刷部12には、目視で認識する通常図柄122と立体的に認識させる立体再生用図柄121が印刷される。立体再生用図柄121は、図柄を立体的に再生するために、図柄を右目で認識させるための図柄と、左目で認識させるための図柄に分解して万線状に印刷する。立体視印刷物の立体再生用図柄については、図5で詳しく説明する。
文字印刷や、図柄印刷と同一ラインで、かまぼこ状レンズを前記透明紙の生分解性樹脂コート面に立体再生用図柄の万線ピッチと同一ピッチで形成する。
その際に、前述のように図柄印刷部12の一部を立体再生用図柄121とすることもできるし、全領域を立体再生用図柄121とすることもできる。立体再生用図柄121の上にかまぼこ状レンズを形成して立体視印刷物とする。
その際に、前述のように図柄印刷部12の一部を立体再生用図柄121とすることもできるし、全領域を立体再生用図柄121とすることもできる。立体再生用図柄121の上にかまぼこ状レンズを形成して立体視印刷物とする。
かまぼこ状レンズ3は細長いかまぼこ状のレンズが生分解性透明紙10の幅方向に平行(図1の生分解性透明紙10の左右方向に平行)になるように形成される。
生分解性透明紙10の紙の繊維は、透明紙の原紙を漉く際に、繊維の長手方向がロール紙の流れ方向(図1の上下方向)に平行になるように配列される。
紙は一般に、繊維の流れ方向に対しては空気中の水分の影響を受け難い(空気中の水分が多くなると伸び、少なくなると縮む)ため、前述のようにかまぼこ状レンズを生分解性透明紙10の幅方向に平行になるように、言い換えれば、ロール状生分解性透明紙10の流れ方向に直交するように形成する。
生分解性透明紙10の紙の繊維は、透明紙の原紙を漉く際に、繊維の長手方向がロール紙の流れ方向(図1の上下方向)に平行になるように配列される。
紙は一般に、繊維の流れ方向に対しては空気中の水分の影響を受け難い(空気中の水分が多くなると伸び、少なくなると縮む)ため、前述のようにかまぼこ状レンズを生分解性透明紙10の幅方向に平行になるように、言い換えれば、ロール状生分解性透明紙10の流れ方向に直交するように形成する。
立体再生用図柄121は、図1の幅方向(左右方向)が図柄の上下方向となるように印刷する。生分解性透明紙10の印刷面の裏側に形成されたかまぼこ状レンズが、左右の目を結ぶ線とかまぼこ状レンズが直交するように観察すると、立体再生用図柄121が立体的に視認される。
文字印刷部11及び図柄印刷部12の印刷インキの上に、更に、白色のインクでべた印刷することによって文字印刷部11及び図柄印刷部12を一層鮮明に視認させることができる。また、立体再生用図柄121の裏側にカード形状の厚紙を貼り合わせることによって立体印刷部を有するカードとすることもできる。
図2を参照して、生分解性樹脂コート透明紙の図柄印刷部12aの断面について説明する。
熱可塑性の生分解性樹脂2の溶液をロールコーター、ナイフコーターによって透明紙基紙10aの片面にコーティングする。また、熱可塑性の生分解性樹脂2の融液をTダイスによって透明紙基紙10aの片面にコーティングする。
生分解性樹脂は、(何れも固化した状態で熱可塑性を有する)樹脂族ポリエステル樹脂や微生物生産脂肪族ポリエステル樹脂、または、ポリ乳酸の何れかから選択して使用する。
生分解性樹脂2の厚さは、透明紙基紙10aの厚さの30〜60%の厚さとなるように条件を設定する。
熱可塑性の生分解性樹脂2の溶液をロールコーター、ナイフコーターによって透明紙基紙10aの片面にコーティングする。また、熱可塑性の生分解性樹脂2の融液をTダイスによって透明紙基紙10aの片面にコーティングする。
生分解性樹脂は、(何れも固化した状態で熱可塑性を有する)樹脂族ポリエステル樹脂や微生物生産脂肪族ポリエステル樹脂、または、ポリ乳酸の何れかから選択して使用する。
生分解性樹脂2の厚さは、透明紙基紙10aの厚さの30〜60%の厚さとなるように条件を設定する。
この厚さは、後述するかまぼこ状レンズ3を熱と圧力によって形成する際に、レンズの湾曲を必要な曲面で固化させるための必要な厚さである。
生分解性樹脂2の厚さが厚くなれば透明性が高くなり、図柄がシャープに視認されるが印刷物の感触がプラスチックシートに近くなる。
逆に、生分解性樹脂2の厚さが薄くなれば透明性が低くなり、図柄のシャープネスが低下するが印刷物の感触が紙に近くなる。
生分解性樹脂2の厚さが厚くなれば透明性が高くなり、図柄がシャープに視認されるが印刷物の感触がプラスチックシートに近くなる。
逆に、生分解性樹脂2の厚さが薄くなれば透明性が低くなり、図柄のシャープネスが低下するが印刷物の感触が紙に近くなる。
図3を参照して、生分解性樹脂含浸透明紙の図柄印刷部12bの断面について説明する。
ロール状の透明紙に熱可塑性の生分解性樹脂を透明紙基紙の質量に対し15〜50%含浸させて生分解性樹脂含浸透明紙を作製する。
生分解性樹脂は、固化した状態で熱可塑性を有する樹脂族ポリエステル樹脂や微生物生産脂肪族ポリエステル樹脂、または、ポリ乳酸の何れかから選択して使用する。
ロール状の透明紙に熱可塑性の生分解性樹脂を透明紙基紙の質量に対し15〜50%含浸させて生分解性樹脂含浸透明紙を作製する。
生分解性樹脂は、固化した状態で熱可塑性を有する樹脂族ポリエステル樹脂や微生物生産脂肪族ポリエステル樹脂、または、ポリ乳酸の何れかから選択して使用する。
前述の含浸量は、後述するかまぼこ状レンズ3を熱と圧力によって成型する際に、レンズのR(曲率)を必要な曲面で固化させるための量である。
一方、生分解性樹脂の量が多くなれば透明性が高くなり、図柄がシャープに視認されるが、印刷物の感触がプラスチックシートに近くなる。逆に、生分解性樹脂2の量が少なくなれば透明性が低くなり、図柄のシャープネスが低下するが印刷物の感触が紙に近くなる。
一方、生分解性樹脂の量が多くなれば透明性が高くなり、図柄がシャープに視認されるが、印刷物の感触がプラスチックシートに近くなる。逆に、生分解性樹脂2の量が少なくなれば透明性が低くなり、図柄のシャープネスが低下するが印刷物の感触が紙に近くなる。
図4を参照して、本発明の一実施形態である生分解性透明紙による立体視印刷物の作製方法とこれに使用される立体視印刷物作製装置の一例について説明する。
まず、立体視印刷物作製装置4の給紙部に前述の生分解性透明紙10のロール紙を取り付ける。
立体視印刷物作製装置4には、図示しないが、文字及び図柄4色を印刷するための印刷部、図1に示す切り離し予定部13を形成するための横ミシン部、ロール紙の左右の不要部を除去するためのスリッター部、等が同一ライン上に設けられている。
まず、立体視印刷物作製装置4の給紙部に前述の生分解性透明紙10のロール紙を取り付ける。
立体視印刷物作製装置4には、図示しないが、文字及び図柄4色を印刷するための印刷部、図1に示す切り離し予定部13を形成するための横ミシン部、ロール紙の左右の不要部を除去するためのスリッター部、等が同一ライン上に設けられている。
立体視印刷物作製装置4内で、文字や図柄が印刷された生分解性透明紙10は、印刷面を下側にして図の右側に移動する。
生分解性透明紙10は搬送ローラ41を経て、加熱部42に到達する。
加熱部42は、ヒーターや熱風の熱源を備え、生分解性透明紙10の表面の熱可塑性生分解性樹脂部を70〜120℃で軟化させる。生分解性透明紙10の透明紙基紙の繊維により生分解性透明紙10の熱による伸びを抑制する。
生分解性透明紙10の表面が軟らかくなった状態で、15〜25℃に冷却された成型ローラ43と冷却ローラ44の間を通過する。成型ローラ43のかまぼこ状レンズ成型部431で形成されたかまぼこ状レンズは、更に冷却ローラ44で冷却され、完全に固化する。
生分解性透明紙10は搬送ローラ41を経て、加熱部42に到達する。
加熱部42は、ヒーターや熱風の熱源を備え、生分解性透明紙10の表面の熱可塑性生分解性樹脂部を70〜120℃で軟化させる。生分解性透明紙10の透明紙基紙の繊維により生分解性透明紙10の熱による伸びを抑制する。
生分解性透明紙10の表面が軟らかくなった状態で、15〜25℃に冷却された成型ローラ43と冷却ローラ44の間を通過する。成型ローラ43のかまぼこ状レンズ成型部431で形成されたかまぼこ状レンズは、更に冷却ローラ44で冷却され、完全に固化する。
成型ローラ43のかまぼこ状レンズ成型部431は、かまぼこ状レンズが冷却中に平面に戻ろうとする力が働くために、レンズのRを小さめに設定し成型する。立体視印刷物作製装置4の搬送スピードにもよるが、30%程度戻ることを想定して、Rを小さめに設定する。
図5を参照して立体視印刷物の一例について説明する。
図柄印刷部12bには、目視で認識可能な通常図柄122と立体的に認識させるための立体再生用図柄121が印刷されている。
立体再生用図柄121は、図柄を立体的に再生するために、図柄を右目5Rで認識させるための図柄と、左目5Lで認識させるための図柄に分解して万線状に印刷される。
かまぼこ状レンズ3は、細長いかまぼこ状の単位レンズが、ロール状の生分解性透明紙の幅方向に平行になるように形成される。
立体再生用図柄121を左右の目を結ぶ線とかまぼこ状レンズが直交するように観察すると、立体再生用図柄121がかまぼこ状レンズを介して立体的に視認される。
図柄印刷部12bには、目視で認識可能な通常図柄122と立体的に認識させるための立体再生用図柄121が印刷されている。
立体再生用図柄121は、図柄を立体的に再生するために、図柄を右目5Rで認識させるための図柄と、左目5Lで認識させるための図柄に分解して万線状に印刷される。
かまぼこ状レンズ3は、細長いかまぼこ状の単位レンズが、ロール状の生分解性透明紙の幅方向に平行になるように形成される。
立体再生用図柄121を左右の目を結ぶ線とかまぼこ状レンズが直交するように観察すると、立体再生用図柄121がかまぼこ状レンズを介して立体的に視認される。
(実施例)
乳酸を加熱脱水重合して得られた分子量約3、000のポリ乳酸を、さらに、減圧下で加熱分解して乳酸の環状二量体であるラクチドを生成し、金属塩の触媒存在下で重合し、分子量約50、000のポリ乳酸を得た。このポリ乳酸を150℃に溶融して、市販されているグラシン紙(厚さ、0.04mm)に、ナイフコート(厚さ、0.02mm)し、生分解性透明紙(厚さ、0.06mm)を作製した。
生分解性透明紙のポリ乳酸形成面にかまぼこ状レンズの型を平らな型で成型し、かまぼこ状レンズ付き生分解性透明紙を得た。
前記かまぼこ状レンズは、単位かまぼこ状レンズが60本/インチとなるように設定した。
前記かまぼこ状レンズの裏側に、単位レンズ当り2本の分解図柄が対応する(内包される)ように、150線/インチの線数でオフセット印刷(1色刷り)した。さらに、図柄印刷の表面に白色のべた印刷を行なった。
乳酸を加熱脱水重合して得られた分子量約3、000のポリ乳酸を、さらに、減圧下で加熱分解して乳酸の環状二量体であるラクチドを生成し、金属塩の触媒存在下で重合し、分子量約50、000のポリ乳酸を得た。このポリ乳酸を150℃に溶融して、市販されているグラシン紙(厚さ、0.04mm)に、ナイフコート(厚さ、0.02mm)し、生分解性透明紙(厚さ、0.06mm)を作製した。
生分解性透明紙のポリ乳酸形成面にかまぼこ状レンズの型を平らな型で成型し、かまぼこ状レンズ付き生分解性透明紙を得た。
前記かまぼこ状レンズは、単位かまぼこ状レンズが60本/インチとなるように設定した。
前記かまぼこ状レンズの裏側に、単位レンズ当り2本の分解図柄が対応する(内包される)ように、150線/インチの線数でオフセット印刷(1色刷り)した。さらに、図柄印刷の表面に白色のべた印刷を行なった。
インキを乾燥した後レンズ側から印刷図柄を観察し、良好な立体視印刷物を得た。
なお、生分解性透明紙の不透明度は、32%(JISP−8138による)であった。
また、前述のポリ乳酸樹脂コート生分解性透明紙を屋外の土壌に2ヶ月埋設後、掘り起こして確認した結果、ほとんど原形を留めない状態に分解されていた。
なお、生分解性透明紙の不透明度は、32%(JISP−8138による)であった。
また、前述のポリ乳酸樹脂コート生分解性透明紙を屋外の土壌に2ヶ月埋設後、掘り起こして確認した結果、ほとんど原形を留めない状態に分解されていた。
本発明の生分解性透明紙による立体視印刷物の作製方法、生分解性透明紙による立体視印刷物は、ダイレクトメールで使用される印刷物や、入場券などに効果的に利用できる。
1 生分解性透明紙による立体視印刷物
2 生分解性樹脂
3 かまぼこ状レンズ
4 立体視印刷物作製装置
10 生分解性透明紙
10a 透明紙基紙
10b 生分解性樹脂含浸透明紙
11 文字印刷部
12、12a、12b 図柄印刷部
13 切離し予定部
41 搬送ローラ
42 加熱部
43 成型ローラ
44 冷却ローラ
121 立体再生用図柄
122 通常図柄
431 かまぼこ状レンズ成形部
2 生分解性樹脂
3 かまぼこ状レンズ
4 立体視印刷物作製装置
10 生分解性透明紙
10a 透明紙基紙
10b 生分解性樹脂含浸透明紙
11 文字印刷部
12、12a、12b 図柄印刷部
13 切離し予定部
41 搬送ローラ
42 加熱部
43 成型ローラ
44 冷却ローラ
121 立体再生用図柄
122 通常図柄
431 かまぼこ状レンズ成形部
Claims (7)
- ロール状の透明紙の一方の面に透明な生分解性樹脂融液を透明紙の厚さの30〜60%の厚さでコーティングして生分解性樹脂コート透明紙を作製する工程と、
前記出来上がった生分解性樹脂コート透明紙の生分解性樹脂非コート面に万線状に分解された立体再生用図柄を印刷する図柄印刷工程と、
前記図柄印刷と同一ラインで前記立体再生用図柄の万線ピッチと同一ピッチで、かまぼこ状レンズを前記透明紙の生分解性樹脂コート面の少なくとも一部領域に形成するかまぼこ状レンズ形成工程と、
を有することを特徴とする生分解性透明紙による立体視印刷物の作製方法。 - ロール状の透明紙に生分解性樹脂を透明紙基紙の質量に対し15〜50%含浸させて生分解性樹脂含浸透明紙を作製する工程と、
前記出来上がった生分解性樹脂含浸透明紙の一方の面に万線状に分解された立体再生用図柄を印刷する図柄印刷工程と、
前記図柄印刷と同一ラインで前記立体再生用図柄の万線ピッチと同一ピッチでかまぼこ状レンズを前記立体再生用図柄印刷面の逆面に形成するかまぼこ状レンズ形成工程と、
を有することを特徴とする生分解性透明紙による立体視印刷物の作製方法。 - 請求項1又は2に記載の生分解性透明紙による立体視印刷物の作製方法において、
かまぼこ状のレンズは、ロール状の透明紙の幅方向に平行に形成されたことを特徴とする生分解性透明紙による立体視印刷物の作製方法。 - 請求項1〜3何れか一項に記載の生分解性透明紙による立体視印刷物の作製方法において、
透明紙は、トレーシングペーパー又はグラシン紙で、
生分解性樹脂は、熱可塑性の樹脂族ポリエステル樹脂や微生物生産脂肪族ポリエステル樹脂、又は熱可塑性のポリ乳酸の何れかであることを特徴とする生分解性透明紙による立体視印刷物の作製方法。 - 請求項4に記載の生分解性透明紙による立体視印刷物の作製方法において、
かまぼこ状レンズ形成工程では、かまぼこ状レンズ形成面を70〜120℃で加熱し、15〜25℃に冷却されたかまぼこレンズ成形用冷却ロールで加圧して形成することを特徴とする生分解性透明紙による立体視印刷物の作製方法。 - 生分解性透明紙による立体視印刷物であって、
透明紙の一方の面に透明な生分解性樹脂融液が透明紙の厚さの30〜60%の厚さでコーティングされてなる生分解性樹脂コート透明紙の生分解性樹脂非コート面に万線状に分解された立体再生用図柄が印刷され、
前記図柄印刷と同一ラインで前記立体再生用図柄の万線ピッチと同一ピッチで、かまぼこ状レンズを前記透明紙の生分解性樹脂コート面の少なくとも一部領域に形成されてなることを特徴とする生分解性透明紙による立体視印刷物。 - 生分解性透明紙による立体視印刷物であって、
透明紙に生分解性樹脂を透明紙基紙の質量に対し15〜50%含浸させてなる生分解性樹脂含浸透明紙の一方の面に万線状に分解された立体再生用図柄が印刷され、
前記図柄印刷と同一ラインで前記立体再生用図柄の万線ピッチと同一ピッチでかまぼこ状レンズが前記立体再生用図柄印刷面の逆面に形成されてなることを特徴とする生分解性透明紙による立体視印刷物。
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JP2011113553A Withdrawn JP2012240327A (ja) | 2011-05-20 | 2011-05-20 | 生分解性透明紙による立体視印刷物の作製方法、生分解性透明紙による立体視印刷物 |
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JP (1) | JP2012240327A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2014046135A1 (ja) * | 2012-09-21 | 2014-03-27 | 昌栄印刷株式会社 | レンチキュラーレンズシート |
WO2018168441A1 (ja) * | 2017-03-17 | 2018-09-20 | 日東電工株式会社 | 造型マット |
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2011
- 2011-05-20 JP JP2011113553A patent/JP2012240327A/ja not_active Withdrawn
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2014046135A1 (ja) * | 2012-09-21 | 2014-03-27 | 昌栄印刷株式会社 | レンチキュラーレンズシート |
WO2018168441A1 (ja) * | 2017-03-17 | 2018-09-20 | 日東電工株式会社 | 造型マット |
JP2018154052A (ja) * | 2017-03-17 | 2018-10-04 | 日東電工株式会社 | 造型マット |
CN110430992A (zh) * | 2017-03-17 | 2019-11-08 | 日东电工株式会社 | 造型垫 |
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