JP2012237918A - ヒンジ機構 - Google Patents

ヒンジ機構 Download PDF

Info

Publication number
JP2012237918A
JP2012237918A JP2011107870A JP2011107870A JP2012237918A JP 2012237918 A JP2012237918 A JP 2012237918A JP 2011107870 A JP2011107870 A JP 2011107870A JP 2011107870 A JP2011107870 A JP 2011107870A JP 2012237918 A JP2012237918 A JP 2012237918A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pin
brake
slider
cam surface
hinge mechanism
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2011107870A
Other languages
English (en)
Inventor
Tsutomu Kikushima
励 菊島
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
KIYOTA CO Ltd
TOK Bearing Co Ltd
Original Assignee
KIYOTA CO Ltd
TOK Bearing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by KIYOTA CO Ltd, TOK Bearing Co Ltd filed Critical KIYOTA CO Ltd
Priority to JP2011107870A priority Critical patent/JP2012237918A/ja
Publication of JP2012237918A publication Critical patent/JP2012237918A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Holders For Sensitive Materials And Originals (AREA)
  • Facsimiles In General (AREA)

Abstract

【課題】 部品点数を多くすることなく、安価でしかも組み付け工数を増やすことがないヒンジ機構を提供することである。
【解決手段】 押さえ板Yのモーメントと上記スライダー5の移動にともなってコイルスプリング7が撓むことによって発生するトルクとの大きさが逆転する押さえ板の回転角度位置をターニングポイントpとし、このターニングポイントpよりも押さえ板Yの回転角度が小さくなる範囲で、かつ、押さえ板Yが完全に閉じる角度よりも前の範囲で、押さえ板Yの落下加速度を減衰する減衰手段を設けるとともに、この減衰手段は、上記カム面9と、このカム面と相対移動する作動体3とが相まって構成する。
【選択図】 図4

Description

この発明は、例えばコピー機などの読み取り装置と押さえ板とを連結するヒンジ機構に関する。
この種のヒンジ機構として特許文献1に記載されたものが従来から知られているが、従来のヒンジ機構を示したのがこの出願における図9である。
この従来のヒンジ機構は、コピー機の読み取り装置X側に固定する支持部材50と、支持軸51を介して上記支持部材50と回動自在に支持されたケース52とを備えている。なお、このケース52は押さえ板Yと一体回転するものである。
そして、ケース52には第1,2スライダー53,54を設けるとともに、これら第1,2スライダー53,54間に、圧縮時にばね力を発揮するコイルスプリング55を介在させている。
さらに、上記支持部材50には、その支持軸51よりも下方に軸部材56を設け、押さえ板Yとともにケース52を支持部材50に対して回動させたとき、軸部材56が支持軸51を中心にして回動するとともに、その回動力で軸部材56を第1スライダー53をコイルスプリング55に抗して移動させ、コイルスプリング55を撓ませてばね力を発揮する。
このように第1スライダー53がコイルスプリング55に抗して移動すれば、支持軸51と軸部材56とが第1スライダー53に対するトルクを発揮するが、ケース52が60度からさらにその角度を小さくする方向に回動すれば、その回動にともなって、第1スライダー53に対してトルクを発揮するためのアーム長さが短くなる。
したがって、コイルスプリング55のばね力と上記トルクを発揮するアーム長さとの相対的な関係の中で、ケース52すなわち押さえ板Yを開閉する方向のトルクが変化していくが、このときのトルクは、押さえ板Yの開度が例えば60度のときに最小で、押さえ板Yを閉じていくにしたがって、当該トルクが大きくなるとともに、上記開度が10〜15度前後でそのトルクが最大になるように設定されている。
なお、上記トルクは、押さえ板Yが自らの重さで、急激に閉まらないようにするための減衰力として作用する。
そして、上記10〜15度よりも開度が小さくなると、コイルスプリング55の撓み量が大きくなるが、上記したようにトルクを発揮するアーム長さが短くなることと、押さえ板Yの重さによって決まる閉じ方向のモーメントが総体的に作用して、押さえ板Yを開ける方向の力が急激に弱くなり、押さえ板Yが完全に閉まった状態である開度ゼロのときには、コイルスプリング7の撓み量が最大になるが、第1スライダー53にトルクを作用させるための支持軸51と軸部材56との上記アーム長さが最小になって、押さえ板Yを開けようとするトルクは最小になる。
このように蓋を開けようとするトルクが最小の状態では、押さえ板Yが閉じた状態を維持するとともに、押さえ板Yの自重で原稿を押さえつけることになる。
上記ばね力によるトルク及び押さえ板Yの自重によるモーメントと、押さえ板Yの回動角の関係を示したのが図10であるが、この図は本出願人が作ったもので、特許文献1に開示されているものではない。なお、図10において、線tがトルクの特性を示し、線mがモーメントの特性を示すものである。
図10からも明らかなように、トルク特性tは、押さえ板Yの開度が60度のときに最小になっているが、これはコイルスプリング55がほとんど撓んでいないからである。
上記の状態から押さえ板Yの開度を小さくしていくと、それにともなってコイルスプリング55が撓んでトルクtが大きくなっていくが、開度がほぼ10度の位置であるポイントpからはトルクtが急激に小さくなっていく。これは、上記したように第1スライダー53に対してトルクを発揮するための、支持軸51と軸部材56間のアーム長さが短くなるからである。
一方、押さえ板Yのモーメントmは、押さえ板Yの開度が小さくなればなるほど大きくなるが、これは押さえ板Yの自重が一定で、開度だけが小さくなるからである。
そして、上記トルクtとモーメントmとの大きさは、上記ポイントpで逆転するとともに、そのポイントpを境にしてトルクtが急激に小さくなる。
そのために、押さえ板Yが完全に閉じる瞬間は、トルクtによる支えがきかなくなって急激に閉じることになり、特に押さえ板Yから手を放したまま自由落下に任せてそれを閉じようとしたときには大きな衝撃力が発生する。このときにもし手や指を挟んでしまうと怪我をすることもある。
そこで、上記従来のヒンジ機構では、第1,2スライダー53,54間に流体ダンパー57を設置し、押さえ板Yの開度が10度を下回る上記ターニングポイントpを超えたとき、上記流体ダンパー57が第1,2スライダー53,54に押されて減衰力を発揮させ、この流体ダンパーの減衰力によって、押さえ板Yの急激な落下を防止するようにしている。
特開2006−133532号公報
上記のようにした従来のヒンジ機構では、押さえ板Yが閉じる瞬間の衝撃を緩和するために、第1,2スライダー53,54間に流体ダンパー57を設けているが、この流体ダンパー分だけ、部品点数が多くなるとともに、コストが上がってしまうという問題があった。
また、上記流体ダンパー57は、第1,2スライダー53,54間に設けているので、その組み付け作業が困難になるという問題もあった。
この発明の目的は、部品点数を多くすることなく、安価でしかも組み付け工数を増やすことがないヒンジ機構を提供することである。
この発明は、読み取り対象物を押さえる押さえ板側に固定するケースと、このケースの両側に設けた一対のガイド面間に移動可能に設けたスライダーと、このスライダーとそのスライダーに対向する面との間に介在させたコイルスプリングとを備える一方、ケースの上記ガイド面間に支持軸を設け、この支持軸に回動自在に支持されるとともに読み取り装置側に固定する支持部材を設け、この支持部材には作動体を設け、ケースと支持部材とが上記支持軸を中心に相対回動したとき、作動体が上記スライダーのカム面に圧接しながら相対移動して、支持部材の回動力をスライダーに伝達し、当該スライダーを上記コイルスプリングのばね力に抗して移動するヒンジ機構に関する。
そして、第1の発明は、押さえ板のモーメントと上記スライダーの移動にともなってコイルスプリングが撓むことによって発生するトルクとの大きさが逆転する押さえ板の回転角度位置をターニングポイントとし、このターニングポイントよりも押さえ板の回転角度が小さくなる範囲で、かつ、押さえ板が完全に閉じる角度よりも前の範囲で、押さえ板の落下加速度を減衰する減衰手段を設けるとともに、この減衰手段は、上記カム面と、このカム面と相対移動する作動体とが相まって構成した点に特徴を有する。
第2の発明は、上記カム面に、上記ターニングポイントよりも押さえ板の回転角度が小さくなる範囲で、かつ、押さえ板が完全に閉じる角度よりも前の範囲で上記作動体と相対移動する過程に段差を形成してそれをクリック部とし、このクリック部を上記減衰手段とした点に特徴を有する。
第3の発明は、上記スライダーであって上記カム面を形成した個所以外に、所定の位置における溝幅を狭くしたブレーキ溝を形成し、このブレーキ溝に上記ケースに設けたピンを挿入し、これらブレーキ溝とピンとが相まってピンブレーキを構成するとともに、上記カム面のクリック部と上記ピンブレーキとが相まって上記減衰手段を構成した点に特徴を有する。
第4の発明は、上記スライダーであって上記カム面を形成した個所以外にブレーキ溝を形成し、このブレーキ溝に上記ケースに設けたピンを挿入し、上記ブレーキ溝の底面に対してピンの押しつけ力を作用させてピンブレーキを構成するとともに、上記カム面のクリック部と上記ピンブレーキとが相まって上記減衰手段を構成した点に特徴を有する。
第5の発明は、上記スライダーであって上記カム面を形成した個所以外にブレーキ溝を形成し、このブレーキ溝に上記ケースに設けたピンを挿入し、上記ブレーキ溝の底面に対してピンの押しつけ力を調整可能にしてピンブレーキを構成するとともに、上記カム面のクリック部と上記ピンブレーキとが相まって上記減衰手段を構成した点に特徴を有する。
第6の発明は、上記スライダーであって上記カム面を形成した個所以外に、所定の位置における溝幅を狭くしたブレーキ溝を形成し、このブレーキ溝にその底面に対してピンの押しつけ力を作用させるピンを挿入し、これらブレーキ溝とピンとが相まってピンブレーキを構成するとともに、上記カム面のクリック部と上記ピンブレーキとが相まって上記減衰手段を構成した点に特徴を有する。
第7の発明は、上記スライダーであって上記カム面を形成した個所以外に、所定の位置における溝幅を狭くしたブレーキ溝を形成し、このブレーキ溝にその底面に対してピンの押しつけ力を調整可能にしたピンを挿入し、これらブレーキ溝とピンとが相まってピンブレーキを構成するとともに、上記カム面のクリック部と上記ピンブレーキとが相まって上記減衰手段を構成した点に特徴を有する。
第1の発明によれば、カム面とこのカム面と相対移動する作動体とによって減衰手段を構成したので、従来のヒンジ機構に特別な部材を付加することなく、ターニングポイントを超えた位置で適切に減衰力を発揮させることができる。
したがって、部品点数が少なく、しかも、その組み付け工数も少なくてすみ、その分、大幅なコストダウンを図ることができる。
第2の発明によれば、スライダーのカム面に形成したクリック部を減衰手段としたので、スライダーの強度を落とすことなく減衰手段を設けることができる。なぜなら、スライダーのカム面は作動体が強く圧接する箇所なので、もともとその強度が維持されているからである。
第3〜7の発明によれば、上記カム面のクリック部と上記ピンブレーキとが相まって減衰手段が構成されるようにしたので、それらの複合化によって減衰特性をいろいろと選択することができる。
支持部材とケースとの角度を60度に保った状態の断面図である。 支持部材とケースとの角度を60度に保った状態の正面図である。 支持部材とケースとの角度を90度に保った状態の断面図である。 ケースを60度の角度に保つとともに、リフト部材を回動させた状態の断面図である。 第1スライダーの斜視図である。 第1スライダーのカム面の部分拡大図である。 スライダーのカム面のクリック、ピンブレーキ及びピンクリックを用いた場合の押さえ板の角度とトルク・モーメントとの関係を示したグラフである。 トルク発生時のアーム長さを説明する部分図である。 トルク発生時のアーム長さを説明する部分図である。 トルク発生時のアーム長さを説明する部分図である。 従来のヒンジ機構を示す断面図である。 ダンパー機構を備えていない場合の押さえ板の角度とトルク・モーメントとの関係を示したグラフである。
図1〜図8に示した実施形態はコピー機に用いるヒンジ機構で、このヒンジ機構は、コピー機の読み取り装置Xに固定する支持部材aと、第1支持軸1を介して上記支持部材aと回動自在に支持されたケースbと、第2支持軸2を介して上記ケースbと回動自在に支持されたリフト部材cとからなる。
上記支持部材aは、コピー機の読み取り装置X側に固定する平板部a1の両側に両側起立片a2,a2を設けるとともに、これら両側起立片a2,a2間に背側起立片a3を設けている。
そして、上記両側起立片a2,a2には第1支持軸1をかけ渡し、この第1支持軸1に上記ケースbが回動自在に連結される。
また、第1支持軸1よりもやや前方下側には、一対の軸部材からなる第1作動体3を設けるとともに、図2からも明らかなように、第1作動体3は互いの軸中心線を一致させるとともに、それら第1作動体3の先端は間隔を保持して互いに対向させている。
さらに、上記第1支持軸1に回動自在に支持されたケースbはその上板b1の両側に両側片b2、b2を形成するとともに、これら両側片b2,b2の内側対向面をこの発明のガイド面としている。
また、両側片b2,b2であって、第1支持軸1で支持された側とは反対側に第2支持軸2を掛け渡しているが、この第2支持軸2の両端を両側片b2,b2から突出させるとともに、その突出端にリフト部材cを回動自在に連結している。つまり、リフト部材cは上記ケースbを覆う形状にし、上板c1の両側から垂下させた両側片c2を、ケースbの両側片b2の外側に沿わせるとともに、この両側片b2に第2支持軸2の先端を貫通させて、このリフト部材cを回動自在に支持している。
そして、ケースbとリフト部材cとは、図4に示すように、第1,2支持軸1,2を中心にして互いに反対方向に回動するものである。
上記のようにして第2支持軸2に支持されたリフト部材cであって、その両側片c2,c2間には第2作動体4を設けている。つまり、この第2作動体4は、リフト部材cの上板c1の端部からの延長部分を垂直に折り曲げてなるとともに、この第2作動体4の先端に円弧部4aを形成し、この円弧部4aを第2スライダー6に接触させている。
このようにした第2作動体4には、コイルスプリング7のばね力が作用している第2スライダー6が常時圧接しているが、図4に示すようにリフト部材cが回動すると、第2作動体4の円弧部4aが第2スライダー6を押して、コイルスプリング7のばね力に抗して第2スライダー6を移動させる。
なお、図2において符号c3,c3は、上記両側片c2,c2の下側に設けた取付片で、コピー機の蓋である押さえ板Yに固定するものである。
一方、ケースbの両側片b2,b2の内側対向面であるガイド面間には、第1,2スライダー5,6を摺動自在に組み込んでいるが、これら第1,2スライダー5,6間には、圧縮時にばね力を発揮するコイルスプリング7を介在させている。
そして、上記コイルスプリング7のばね力の作用で、上記第1スライダー5は第1支持軸1に圧接し、第2スライダー6は第2作動体4に圧接して、これら第1,2スライダー5,6は、第1支持軸1と第2作動体4との間に組み込まれている。
上記第1作動体3は、ケースbが支持部材aに対して回動する過程で、第1支持軸1を中心に円弧運動をするとともに、0度〜60度の範囲で回動する過程で上記カム面9,9を押して、コイルスプリング7を撓ませながら第1スライダー5を押し、第1スライダー5を第1支持軸1から離間させる。
上記のように第1スライダー5がコイルスプリング7に抗して移動することによってコイルスプリング7を撓ませるが、そのときのコイルスプリング7のばね力が、押さえ板Yを押し上げる力、すなわち押さえ板Yを開く方向のトルクとして作用する。したがって、例えばコピー機において、押さえ板Yが閉まった状態からそれを開けるときには、コイルスプリング7のばね力が押さえ板Yを開ける力に対してアシスト力となる。
反対に、開けた状態の押さえ板Yを閉めるときには、コイルスプリング7のばね力が、押さえ板Yの急激な落下を防止するための減衰力として作用する。
なお、上記第1スライダー5には、図2に示すように、その前面に形成した凸部からなる挟み込み防止部材8を一体成形しているが、この挟み込み防止部材8は、第1作動体3とカム面9,9との間に紙や指などが挟み込まれないようにするためのものである。
第2支持軸2に回動自在に支持されたリフト部材cは、例えば厚い本の所定のページをコピーするときに、図4に示すように、ケースbとは反対方向に回動させるものである。
つまり、厚い本をコピーするために、その本を読み取り装置Xに置くとともに、この状態で押さえ板Yを閉じる方向に回動すると、押さえ板Yが上記本に当たるまでは、ケースbとリフト部材cとが一体になって、第1支持軸1を中心に回動する。さらに、押さえ板Yを回動すると、今度は、リフト部材cのみが回動し、図4に示すように本と平行に保たれる。
そして、ケースbとリフト部材cとが、第1支持軸1を中心に一体的に回動しているときには、第1作動体3が第1スライダー5を押すが、このときには第2スライダー6が第2作動体4に当たってその移動が阻止された状態にある。そのために、第1作動体3で第1スライダー5を押せば、第1スライダー5のみが移動してコイルスプリング7を撓ませることになる。
なお、リフト部材cが回動するときには、その前に第1スライダー5が移動してコイルスプリング7を撓ませた状態にしている。
そして、ケースbの回動が停止した状態、すなわちコイルスプリング7が撓んだ状態で、リフト部材cが第2支持軸2を中心に回動すると、第2作動体4が、第2支持軸2を中心に円弧運動をするとともに、その過程で第2スライダー6を押して、コイルスプリング7をさらに撓ませる。
一方、上記第1スライダー5にはばね受け10を設けるとともに、このばね受け10には押圧ピン11の先端を回転自在にはめ合わせている。このようにした押圧ボルト11は、第1スライダー5及び挟み込み防止部材8に形成したねじ孔12を介して、挟み込み防止部材8の外方に突出させている。
この押圧ボルト11をねじ孔12に対して回転すれば、押圧ボルト11がねじ孔12に対して軸方向に移動するとともに、上記ばね受け10を移動してコイルスプリング7を撓ませ、コイルスプリング7の荷重を調整できる。
上記のようにした第1スライダー5のカム面9,9には、図5,6に示すように、クリック部13を形成しているが、このクリック部13は、図10で説明したターニングポイントpよりも押さえ板Yの回動角度が小さくなる範囲で、かつ、押さえ板Yが完全に閉じる角度よりも前の範囲に形成した段差からなる。そして、図6に示すカム面9の頂部を落下ポイント14としているが、この落下ポイント14は、上記ターニングポイントpに対応する。
また、クリック部13を挟んで、上記落下ポイント14側を第1落下領域15とし、反対側を第2落下領域16としている。
さらに、上記第1スライダー5には、図5に示すように、ケースbの上板b1に対向する上面5aに、第1スライダー5の移動方向に延びるブレーキ溝17を形成するとともに、このブレーキ溝17の両側面にその溝の幅方向に突出する凸部17aを形成している。
なお、上記第1スライダー5の上面5a中央における弾性力は、第1スライダー5の側面の弾性力よりも大きくしている。
一方、第1スライダー5の上面5aに対向する上記ケースbの上板b1には、ピン18を貫通させているが、このピン18の先端に設けた拡大頭部18aが上記ブレーキ溝17に挿入される構成にしている。したがって、上記上面5aの弾性力はピン18にも作用するので、ピン18と上記底面17bとの圧接力を長期間安定させることができる。
また、上記ピン18が上板b1に螺合し、かつ、ピン18には上板b1の上面側にナット19が螺合している。そして、上記ピン18を回すことによってブレーキ溝17の底面17bに対する拡大頭部18aの押しつけ力を調整できるようにしている。上記ナット19はピン18の上板b1に対する緩み止めである。ただし、上記拡大頭部18aの押しつけ力は、必ずしも調整しなくてもよく、それを固定的に設定してもよい。
また、図中符号20は、リフト部材cの上板c1に形成した通し穴で、この通し穴20にピン18を貫通させ、リフト部材cが回動したときには、図4に示すようにピン18が通し穴20から抜けるようにしている。
次にこの実施形態の作用を説明する。
ケースbと一体的に回動する上記押さえ板Yが60度の位置にあるとき、第1,2スライダー5,6が初期位置を保持して、コイルスプリング7は最伸張状態を維持し、そのばね力が最小になる(図10参照)。
押さえ板Yを60度の開度に保った図1の状態から、それを閉じる方向に回動すると、第1作動体3が第1スライダー5を押して、この第1スライダー5をコイルスプリング7に抗して移動する。なお、このときには、第2スライダー6は第2作動体4に押し付けられてそれ以上後退しないので、上記のように第1スライダー5が移動すれば、コイルスプリング7が撓んでばね力を発揮する。
上記のようにしたピン18は、その拡大頭部18aの直径をブレーキ溝17の溝幅にほぼ一致させ、第1スライダー5がコイルスプリング7に抗して移動したとき、拡大頭部18aがブレーキ溝17の両側面に沿ってそれら両者が相対移動する。
そして、拡大頭部18aがブレーキ溝17の凸部17aに当たるタイミングは、第1作動体3がクリック部13に当たるタイミングと一致させている。
そして、押さえ板Yの開度を60度以下にすると、コイルスプリング7の撓み量が大きくなってトルクtが大きくなっていくが、開度がほぼ10度の位置であるターニングポイントpからはトルクtが急激に小さくなっていく。これは、上記したように第1スライダー5に対してトルクを発揮するための、支持軸1と第1作動体3間のアーム長さが短くなるからである。
一方、押さえ板Yのモーメントmは、押さえ板Yの開度が小さくなればなるほど大きくなるが、これは押さえ板Yの自重が一定で、開度だけが小さくなる結果である。
なお、上記アーム長さとは、図8(a)〜図8(c)に示すように、作動体3の中心を通るカム面9に直交する線L1に対して直交し、第1支持軸1の中心を通る線L2の部分であって、第1支持軸1の中心から上記線L1までの長さを言う。このアーム長さは、押さえ板Yが60度の角度位置である上記図8(a)から、0度の角度位置に至る過程で、徐々に小さくなる。このようにアーム長さが短くなれば、たとえコイルスプリング7のばね力が最大になったとしても、トルクは最小になる。
そして、上記トルクtとモーメントmとの大きさは、ターニングポイントpで逆転することは先に説明したとおりであるが、この押さえ板Yの開度が約10度の位置にあるとき、ターニングポイントpとなるとともに、このターニングポイントpにおいて第1作動体3はカム面9の落下ポイント14に位置する。
上記落下ポイント14から押さえ板Yがさらに閉じる方向に回動すると、第1作動体3は第1落下領域15との間で相対移動するとともに、この第1落下領域15を通過した時点でクリック部13を乗り越えて第2落下領域16に相対移動する。
上記のように第1作動体3がクリック部13を乗り越えるときに、図7に示すように、押さえ板Yの閉じ方向のトルクt13が瞬間的に大きくなるが、このトルクt13は押さえ板Yの閉じる方向の力に対して減衰力として作用する。
このように押さえ板Yはそれが完全に閉じる前に、閉じ方向の力が減衰されるので、閉じる瞬間の衝撃が緩和される。
また、この実施形態では、図7に示すように、ブレーキ溝17に形成した凸部17aによる制動力を発揮させるようにしたが、上記ブレーキ溝17の底面17bに凸部を形成したり傾斜面を形成したりするとともに、これら底面17bにピン18の押圧力を作用させるようにしてもよい。
上記のように複数の制動力を発揮させる場合には、凸部17aによる制動力t17aと、ブレーキ溝17の底面17bに対する拡大頭部18aの押圧力による制動力t17bとを加算することによって、上記位置における減衰力を大きくできる。
つまり、この実施形態では、クリック部13と、ブレーキ溝17及びピン18が相まって構成するピンブレーキとに基づく減衰力を総合して用いている。
また、この実施形態では、上記ブレーキ溝17にその溝幅方向に突出させた凸部17aを形成したが、この凸部17aに代えて溝幅を狭くする構成にしてもよい。また、ブレーキ溝17の底面17bに傾斜を形成する以外に、その底面17aに凸部を形成するようにしてもよい。
いずれにしても、第1作動体3とクリック部13、あるいはピンブレーキで、押さえ板Yのモーメントと上記第1スライダー5の移動にともなってコイルスプリング7が撓むことによって発生するトルクとの大きさが逆転する押さえ板Yの回転角度位置をターニングポイントpとし、このターニングポイントpよりも押さえ板Yの回転角度が小さくなる範囲で、かつ、押さえ板Yが完全に閉じる角度よりも前の範囲で、押さえ板Yの落下加速度を減衰できればよい。
なお、上記実施形態では、トルクt13、制動力t17a、制動力t17bのすべてを合成して減衰力を発揮させるようにしたが、クリック部13によるトルクt13を基本にして、上記ピンブレーキによる制動力t17aあるいは制動力t17bのいずれかを上記トルクt13に加算するようにしてもよい。
いずれにしても、複数の減衰手段を合成すれば、それら個々の減衰手段、例えば凸部等の高さを低くでき、その分、それら凸部の耐久性が向上する。
コピー機の読み取り装置と蓋とを連結するヒンジ機構として最適である。
a 支持部材
b ケース
X 読み取り装置
Y 押さえ板
1 第1支持軸
3 作動体
5 第1スライダー
7 コイルスプリング
9 カム面
13 クリック部
17 ブレーキ溝
17a 凸部
17b 底面
18 ピン

Claims (7)

  1. 読み取り対象物を押さえる押さえ板側に固定するケースと、このケースの両側に設けた一対のガイド面間に移動可能に設けたスライダーと、このスライダーとそのスライダーに対向する面との間に介在させたコイルスプリングとを備える一方、ケースの上記ガイド面間に支持軸を設け、この支持軸に回動自在に支持されるとともに読み取り装置側に固定する支持部材を設け、この支持部材には作動体を設け、ケースと支持部材とが上記支持軸を中心に相対回動したとき、作動体が上記スライダーのカム面に圧接しながら相対移動して、支持部材の回動力をスライダーに伝達し、当該スライダーを上記コイルスプリングのばね力に抗して移動するヒンジ機構において、押さえ板のモーメントと上記スライダーの移動にともなってコイルスプリングが撓むことによって発生するトルクとの大きさが逆転する押さえ板の回転角度位置をターニングポイントとし、このターニングポイントよりも押さえ板の回転角度が小さくなる範囲で、かつ、押さえ板が完全に閉じる角度よりも前の範囲で、押さえ板の落下加速度を減衰する減衰手段を設けるとともに、この減衰手段は、上記カム面と、このカム面と相対移動する作動体とが相まって構成するヒンジ機構。
  2. 上記カム面には、上記ターニングポイントよりも押さえ板の回転角度が小さくなる範囲で、かつ、押さえ板が完全に閉じる角度よりも前の範囲で上記作動体と相対移動する過程に段差を形成してそれをクリック部とし、このクリック部を上記減衰手段とした請求項1記載のヒンジ機構。
  3. 上記スライダーであって上記カム面を形成した個所以外に、所定の位置における溝幅を狭くしたブレーキ溝を形成し、このブレーキ溝に上記ケースに設けたピンを挿入し、これらブレーキ溝とピンとが相まってピンブレーキを構成するとともに、上記カム面のクリック部と上記ピンブレーキとが相まって上記減衰手段を構成する請求項1又は2記載のヒンジ機構。
  4. 上記スライダーであって上記カム面を形成した個所以外にブレーキ溝を形成し、このブレーキ溝に上記ケースに設けたピンを挿入し、上記ブレーキ溝の底面に対してピンの押しつけ力を作用させてピンブレーキを構成するとともに、上記カム面のクリック部と上記ピンブレーキとが相まって上記減衰手段を構成する請求項1〜3のいずれかに記載のヒンジ機構。
  5. 上記スライダーであって上記カム面を形成した個所以外にブレーキ溝を形成し、このブレーキ溝に上記ケースに設けたピンを挿入し、上記ブレーキ溝の底面に対してピンの押しつけ力を調整可能にしてピンブレーキを構成するとともに、上記カム面のクリック部と上記ピンブレーキとが相まって上記減衰手段を構成する請求項1〜4のいずれかに記載のヒンジ機構。
  6. 上記スライダーであって上記カム面を形成した個所以外に、所定の位置における溝幅を狭くしたブレーキ溝を形成し、このブレーキ溝にその底面に対してピンの押しつけ力を作用させるピンを挿入し、これらブレーキ溝とピンとが相まってピンブレーキを構成するとともに、上記カム面のクリック部と上記ピンブレーキとが相まって上記減衰手段を構成する請求項1〜5のいずれかに記載のヒンジ機構。
  7. 上記スライダーであって上記カム面を形成した個所以外に、所定の位置における溝幅を狭くしたブレーキ溝を形成し、このブレーキ溝にその底面に対してピンの押しつけ力を調整可能にしたピンを挿入し、これらブレーキ溝とピンとが相まってピンブレーキを構成するとともに、上記カム面のクリック部と上記ピンブレーキとが相まって上記減衰手段を構成する請求項1〜6のいずれかに記載のヒンジ機構。
JP2011107870A 2011-05-13 2011-05-13 ヒンジ機構 Withdrawn JP2012237918A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011107870A JP2012237918A (ja) 2011-05-13 2011-05-13 ヒンジ機構

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011107870A JP2012237918A (ja) 2011-05-13 2011-05-13 ヒンジ機構

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2012237918A true JP2012237918A (ja) 2012-12-06

Family

ID=47460852

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2011107870A Withdrawn JP2012237918A (ja) 2011-05-13 2011-05-13 ヒンジ機構

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2012237918A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016024440A (ja) * 2014-07-24 2016-02-08 ニスカ株式会社 ヒンジ装置
CN105611097A (zh) * 2014-11-14 2016-05-25 下西技研工业株式会社 铰链
JP2018112632A (ja) * 2017-01-10 2018-07-19 株式会社ナチュラレーザ・ワン 原稿圧着板開閉装置並びに事務機器

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016024440A (ja) * 2014-07-24 2016-02-08 ニスカ株式会社 ヒンジ装置
CN105611097A (zh) * 2014-11-14 2016-05-25 下西技研工业株式会社 铰链
JP2016095430A (ja) * 2014-11-14 2016-05-26 下西技研工業株式会社 ヒンジ
JP2018112632A (ja) * 2017-01-10 2018-07-19 株式会社ナチュラレーザ・ワン 原稿圧着板開閉装置並びに事務機器

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6412885B2 (ja) 緩衝機能を有するマルチリンクヒンジ
JP5661817B2 (ja) ヒンジ装置
JP2010522862A (ja) マルチリンクヒンジ
WO2005068760A1 (ja) 緩衝装置
JP7307752B2 (ja) 家具用減速ヒンジ
JP2012237918A (ja) ヒンジ機構
JP2020505535A (ja) ダンパ・アセンブリの改良
JP2013507549A (ja) 家具用ヒンジ
WO2014091860A1 (ja) ステー
JP2007145055A5 (ja)
JP2007145055A (ja) 自動車のドアヒンジ装置
JP6498456B2 (ja) ドアハンドルユニット
JP2012234042A (ja) ヒンジ機構
JP2022070476A5 (ja)
JP2012237323A (ja) ヒンジ機構
JP5123995B2 (ja) 戸体閉鎖装置
JP6328474B2 (ja) 連結戸の緩衝装置
JPWO2017221716A1 (ja) ステー
JP2013137555A (ja) 原稿圧着板開閉装置及び原稿圧着板を備えた事務機器
JP2012234046A (ja) ヒンジ機構
JP2012234045A (ja) ヒンジ機構
JP2005299312A (ja) ダンパー付スプリングユニット及び開閉装置
JP6891573B2 (ja) 引戸障子用ブレーキ装置
JP2012234044A (ja) ヒンジ機構
JP2015017689A5 (ja) ヒンジ機構およびそれを備えたモニタ装置

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20140805