JP2012237281A - 蒸発燃料処理装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、蒸発燃料の吸着、脱離性能の向上を目的としている。
【解決手段】このため、エンジンの蒸発燃料処理装置において、蒸発燃料を吸着する吸着材をケース内に備え、ケースには、燃料タンクとケース内の吸着材とを連通させるタンクポートと、エンジンの吸気マニホールドとケース内の吸着材とを連通させるパージポートと、大気とケース内の吸着材とを連通させる大気ポートとを備え、タンクポートとパージポートとの間にタンクポートに近い側から順に第1仕切り板とこの第1仕切り板よりも長さが長い第2仕切り板を設けている。
【選択図】図1

Description

この発明は蒸発燃料処理装置に係り、特に4輸自動車での排出ガス規制に対応するために、蒸発燃料を吸着するキャニスタの構造改良を図る蒸発燃料処理装置に関するものである。
車両に搭載されるエンジンには、蒸発燃料処理装置(「キャニスタ」ともいう。)が使用されている。
そして、この蒸発燃料処理装置には、機能として、蒸発燃料を内蔵の吸着材へ取り込む(「吸着現象」ともいう。)性能や、また取り込んだ蒸発燃料を放出する(「脱離現象」ともいう。)性能が求められる。
特開2007−327402号公報
ところで、従来の蒸発燃料処理装置において、この蒸発燃料処理装置であるキャニスタ101は、図6に示す如く、外部との接続口として、燃料タンクからの蒸発燃料を取り入れるタンクポート109と、パージ(「脱離」ともいう。)時にエンジン側へ連通するパージポート110と、パージ時に新気を取り入れる大気ポート111とを備えている。
そして、最近のキャニスタ101の多くは、図6に示す如く、タンクポート109とパージポート110とが並んで取り付けられ、同一の吸着材内蔵室131に連結し、大気ポート111は別室の吸着材内蔵室119に取り付けられるU字フロー構造を取る場合が多い。
このU字フロー構造とした場合には、大気ポート111からパージポート110に至る距離を長くすることができ、吸着材を有効に使う構造となるため、前記キャニスタ101の脱離性能が向上するものである。
このとき、このキャニスタ101は、パージ時に大気ポート111によって新気を導入し、吸着材より脱離を行って吸着材の吸着性能を回復させたい。
しかし、このパージ時には、図6に黒太矢印で示す如く、隣接するタンクポート109から高濃度な蒸発燃料を吸入した際に、タンクポート109とパージポート110とが接近しているため、タンクポート109からの高濃度な蒸発燃料が直接パージポート110へ流出するという短絡現象が発生する可能性があり、脱離が十分にできない場合もあるという不都合がある。
しかも、高濃度になったパージ流がエンジンの吸気管路に吸入されると、燃焼の不安定性をもたらし、結果、車両制御が困難になるという不都合もある。
また、上記の不都合を回避するために、キャニスタ201内のタンクポート209とパージポート210との間に仕切りを設ける構成としたものがある。
この仕切りを設ける構成においては、図7に示す如く、短絡現象を防止するために、キャニスタ201内のタンクポート209とパージポート210との間に、仕切り板213を設け、タンクポート209からパージポート210ヘ高濃度な蒸発燃料が流出することを防いでいる。
しかし、上述の仕切りを設ける構成を採用しても、短絡現象を効果的に防止するためには、前記仕切り板213の長さを大とする必要があり、改善が望まれていた。
更に、図8に示す如く、キャニスタ301に設ける仕切り板313の長さを大とすると、仕切り板313の側方部位(図8の斜線部分A参照。)に高濃度な蒸発燃料が滞留して新気の流れがなくなってしまい、「脱離され難い領域」となり、脱離効果が低下するという不都合がある。
なお、前記仕切り板313の長さを長く取れば取るほど、上述した脱離効果が低下するという傾向は強まるものである。
この発明は、蒸発燃料の吸着、脱離性能の向上を目的としている。
そこで、この発明は、上述不都合を除去するために、エンジンの蒸発燃料処理装置において、蒸発燃料を吸着する吸着材をケース内に備え、このケースには、燃料タンクとケース内の前記吸着材とを連通させるタンクポートと、前記エンジンの吸気マニホールドと前記ケース内の吸着材とを連通させるパージポートと、大気と前記ケース内の吸着材とを連通させる大気ポートとを備え、前記タンクポートと前記パージポートとの間に前記タンクポートに近い側から順に第1仕切り板とこの第1仕切り板よりも長さが長い第2仕切り板を設けたことを特徴とする。
以上詳細に説明した如くこの発明によれば、高濃度の蒸発燃料がすぐにパージポートに吸い出されることを防止することができる。
また、吸着材内部の空気の流れを良くし、蒸発燃料処理装置の脱離性を向上することができる。
図1は蒸発燃料処理装置の概略縦断面図である。(実施例) 図2は蒸発燃料処理装置のシステム構成図である。(実施例) 図3は蒸発燃料処理装置の離脱現象を示す概略縦断面図である。(実施例) 図4は第2仕切り板の要部拡大断面図である。(実施例) 図5は第1仕切り板の傾斜状態を示す蒸発燃料処理装置の要部拡大断面図である。(実施例) 図6はこの発明の従来技術(1)を示す蒸発燃料処理装置の要部拡大断面図である。 図7はこの発明の従来技術(2)を示す蒸発燃料処理装置の要部拡大断面図である。 図8はこの発明の従来技術(3)を示す蒸発燃料処理装置の概略縦断面図である。
以下図面に基づいてこの発明の実施例を詳細に説明する。
図1〜図5はこの発明の実施例を示すものである。
図2において、1は蒸発燃料処理装置、例えばキャニスタである。
このキャニスタ1のシステム構成においては、図2に示す如く、車両(図示せず)に搭載される燃料タンク2と、この燃料タンク2と前記キャニスタ1とを連絡するエバポ通路3と、車両に搭載されるエンジン4と、前記キャニスタ1とエンジン4の吸気マニホールド5とを連絡するパージ通路6とを備えている。
このとき、前記キャニスタ1は、図1に示す如く、蒸発燃料を吸着する吸着材7をケース8内に備え、このケース8には、前記燃料タンク2とケース8内の前記吸着材7とを連通させるタンクポート9と、前記エンジン4の吸気マニホールド5と前記ケース8内の吸着材7とを連通させるパージポート10と、大気と前記ケース8内の吸着材7とを連通させる大気ポート11とを備えている。
そして、前記タンクポート9と前記パージポート10との間に前記タンクポート9に近い側から順に第1仕切り板12とこの第1仕切り板12よりも長さが長い第2仕切り板13を設ける構成とする。
詳述すれば、前記キャニスタ1は、図1に示す如く、前記ケース8上部において、中央部位に前記タンクポート9を配置し、このタンクポート9部分に液溜め室14を形成している。
また、前記キャニスタ1は、前記ケース8上部の長手方向の一側に前記パージポート10を配置する一方、前記ケース8上部の長手方向の他側には前記大気ポート11を配置している。
そして、前記キャニスタ1は、前記タンクポート9と前記パージポート10との間に整流ガイドの役割を果たす第1仕切り板12及び第2仕切り板13を配置する際に、前記タンクポート9に近い側に前記第1仕切り板12を配置し、タンクポート9から離間する側には前記第1仕切り板12よりも長さの長い前記第2仕切り板13を配置している。
更に、前記キャニスタ1は、図1に示す如く、前記タンクポート9と前記パージポート10との間において、前記第1仕切り板12よりもさらに前記タンクポート9に近い側に第3仕切り板15を配置するとともに、前記タンクポート9と前記大気ポート11との間には第4仕切り板16を配置している。
このとき、前記第1〜第4仕切り板12、13、15、16の長さをL1〜L4とすると、夫々の長さ関係を、以下のように設定する。
L3≦L1<L2<L4
そして、前記キャニスタ1の前記ケース8内の上部空間は、図3に示す如く、2番目に長い前記第2仕切り板13によって区画される前記タンクポート9直下(または近傍)の第1室(「第1吸着材内蔵室」ともいう。)17及び前記パージポート10直下(または近傍)の第2室(「第2吸着材内蔵室」ともいう。)18と、最も長い前記第4仕切り板16によって前記タンクポート9直下(または近傍)の第1室17から区画される前記大気ポート11直下(または近傍)の第3室(「第3吸着材内蔵室」ともいう。)19を備えている。
これにより、前記キャニスタ1内に前記タンクポート9から流入させた高濃度の蒸発燃料が、2番目に長い前記第2仕切り板13によって邪魔されて、すぐに前記パージポート10に吸い出されることを防止している。
また、前記吸着材7内部の空気の流れが良好となることにより、蒸発燃料処理装置である前記キャニスタ1の脱離性を向上させている。
前記第2仕切り板13は、前記第1仕切り板12の略倍以上の長さを持ち、前記第2仕切り板13本体には貫通孔20が複数設置されている。
つまり、前記第2仕切り板13の長さL2は、図1及び図3に示す如く、前記第1仕切り板12の長さL1よりも略倍以上の長さを有している。
また、前記第2仕切り板13は、図4に示す如く、前記タンクポート9直下(または近傍)の第1室17と前記パージポート10直下(または近傍)の第2室18とを区画する第2仕切り板13本体に複数個の前記貫通孔20を形成している。
そして、脱離時には、図3にまだら模様の太矢印で示す如く、前記大気ポート11に導入された新気が、この大気ポート11直下(または近傍)の第3室19に至り、最も長い前記第4仕切り板16の下方を通過してこの第4仕切り板16によって区画される前記タンクポート9直下(または近傍)の第1室17に流入する。
このとき、前記タンクポート9直下(または近傍)の第1室17に流入した新気は、図3にまだら模様の太矢印で示す如く、ある流れは前記キャニスタ1内の下方、つまり、2番目に長い前記第2仕切り板13の下方を通過して第2仕切り板13によって区画される前記パージポート10直下(または近傍)の第2室18へ流れ、上方に位置するパージポート10に向かう。
また、別の流れは、前記第4仕切り板16の下方を通過して前記タンクポート9直下(または近傍)の第1室17に流入した後には、この第1室17内を上方に向かい、前記第2仕切り板13の側方から複数個の前記貫通孔20を介して前記パージポート10直下(または近傍)の第2室18へ流れ、上方のパージポート10に向かう。
これにより、前記第2仕切り板13の長さL2を第1仕切り板12の長さL1よりも長くすることで、前記タンクポート9から来る高濃度の蒸発燃料がすぐに前記パージポート10に吸い出されることを防止している。
また、前記第2仕切り板13本体に複数個の前記貫通孔20を設置することで、前記吸着材7内部での偏流が無くなり、貫通孔20を介して第2仕切り板13側方部へ新気が流れ、脱離が促進している。
更に、前記第2仕切り板13による断熱効果で、前記吸着材7の吸着反応による発生した熱が隣接する吸着材7へ伝熱されるのを防ぎ、吸着材7の吸着効果を高めている。
更にまた、逆に脱離反応による冷却、つまり温度低下を隣接する吸着材7へ伝え難くすることができ、吸着材7の脱離効果を高めている。
更に、前記第1仕切り板12は、その端部を前記第2仕切り板13とは遠ざかる方向に傾斜して設置される。
つまり、前記キャニスタ1内において、図1及び図3、図5に示す如く、上部から垂下する前記第2仕切り板13に対して、下方に向かうのに従い第2仕切り板13から遠ざかる方向に前記第1仕切り板12を傾斜させて設けるものである。
このとき、この第1仕切り板12と前記第3仕切り板13との最短距離Sと前記タンクポート9の内径dとの寸法の大小関係を、
S > d
とする。
そして、吸着時には、図5の黒太矢印で示す如く、蒸発燃料を前記パージポート10から遠い位置に放出する一方、脱離時には、図5のまだら模様の太矢印で示す如く、新気を前記第1仕切り板12と前記第2仕切り板13との隅まで導入している。
また、前記第3仕切り板13との最短距離Sと前記タンクポート9の内径dとの大小関係によって、前記タンクポート9からの経路の通路圧損を低減している。
これにより、前記第1仕切り板12を前記タンクポート9側に傾斜させて設置することで、蒸発燃料がパージポート9から遠い位置へと放出されることとなり、高濃度の蒸発燃料がすぐにパージポート9ヘ吸い出されることを防止している。
更に、前記第1仕切り板12をタンクポート9側に傾斜させて設置することで、仕切り板が入口の広いテーパー状となり、第1仕切り板12と第2仕切り板13とに挟まれている狭い部分の吸着材7にも新気が導入され、脱離を促進している。
前記吸着材7は、吸着反応で発熱し、脱離反応で冷却する。
そして、吸着材7は、高温下で吸着反応が低下し、低温下では脱離反応が低下するものである。
追記すれば、前記キャニスタ1を上述した構造とすることにより、前記タンクポート9から前記パージポート10ヘの流入に対しては、図5のまだら模様の太矢印で示す如く、前記第1仕切り板12により流れ方向が規制でき、さらに前記第2仕切り板13のおかげで、パージポート10ヘの流入を防止することができる。
また、この第2仕切り板13付近の前記吸着材7についても、複数個の貫通孔20のおかげで、空気の流入が可能なため、図3のまだら模様の太矢印で示す如く、パージ時脱離が可能となり、吸着材7を有効に使用することができ、前記キャニスタ1の性能向上につながる。
更に、米国のエバポ規制で定められているORVR規制の給油時の排出ガス規制についても、前記第1仕切り板12と前記第3仕切り板13との最短距離Sとタンクポート内径dとの寸法の大小関係、
S > d
とすることにより(図5参照。)、ボトルネックにならず通路圧損が高まることにはならないため、給油吹き返し等の問題も発生せず、規制への対応が可能となるものである。
その上、前記吸着材7の吸着性能は雰囲気温度が低い方が高くなるものであるが、吸着材7は吸着反応により吸着材温度が上昇するため、吸着材7が前記キャニスタ1内へ密接して充填されていると、隣接する吸着材7の温度上昇の影響を受けてしまうが、仕切り構造を取ることにより、吸着材7の隣接による熱の影響を抑えることができ、吸着性能の向上につながる。
反対に、脱離時は、高温雰囲気の方が脱離性能は向上するが、脱離反応により吸着材7の温度は低下する。
この場合も、前記キャニスタ1の仕切り構造による断熱効果によって、性能の低下を防ぐことができるものである。
なお、この発明は上述実施例に限定されるものではなく、種々の応用改変が可能である。
例えば、この発明の実施例においては、前記第2仕切り板を、前記第1仕切り板の略倍以上の長さとした際に、前記第2仕切り板本体に貫通孔が複数設置するする構成としたが、貫通孔の形状、個数は特に限定されるものではない。
すなわち、前記第2仕切り板に貫通孔を形成する際には、脱離された蒸発燃料が第2仕を切り板を通過することを満足すればよく、最適形状はキャニスタの形状によっても変わるため、多様な形態が考えられるためである。
1 蒸発燃料処理装置
2 燃料タンク
3 エバポ通路
4 エンジン
5 吸気マニホールド
6 パージ通路
7 吸着材
8 ケース
9 タンクポート
10 パージポート
11 大気ポート
12 第1仕切り板
13 第2仕切り板
14 液溜め室
15 第3仕切り板
16 第4仕切り板
17 タンクポート直下(または近傍)の第1室
18 パージポート直下(または近傍)の第2室
19 大気ポート直下(または近傍)の第3室
20 貫通孔

Claims (3)

  1. エンジンの蒸発燃料処理装置において、蒸発燃料を吸着する吸着材をケース内に備え、このケースには、燃料タンクとケース内の前記吸着材とを連通させるタンクポートと、前記エンジンの吸気マニホールドと前記ケース内の吸着材とを連通させるパージポートと、大気と前記ケース内の吸着材とを連通させる大気ポートとを備え、前記タンクポートと前記パージポートとの間に前記タンクポートに近い側から順に第1仕切り板とこの第1仕切り板よりも長さが長い第2仕切り板を設けたことを特徴とする蒸発燃料処理装置。
  2. 前記第2仕切り板は、前記第1仕切り板の倍以上の長さを持ち、前記第2仕切り板本体には貫通孔が複数設置されていることを特徴とする請求項1に記載の蒸発燃料処理装置。
  3. 前記第1仕切り板は、その端部を前記第2仕切り板とは遠ざかる方向に傾斜して設置されることを特徴とする請求項2に記載の蒸発燃料処理装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2016070183A (ja) * 2014-09-30 2016-05-09 三菱自動車工業株式会社 キャニスタ
CN110273789A (zh) * 2018-03-16 2019-09-24 保时捷股份公司 用于车辆的燃料箱的通风装置的过滤装置

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