JP2012237273A - 内燃機関のウオータジャケット用スペーサ - Google Patents

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Abstract

【課題】 ウオータジャケット内に挿入されるスペーサに設けた突起部で該スペーサの誤組みを防止しながら、突起部による冷却水の圧損を最小限に抑える。
【解決手段】 シリンダブロック11はウオータジャケット13の一部の径方向幅を増加させた冷却水出口通路11fを備えるとともに、スペーサ14は冷却水出口通路11f内に突出する突起部16bを備えるので、スペーサ14をウオータジャケット13に誤った姿勢で挿入しようとしても、スペーサ14の突起部16bが引っ掛かることで誤組みの発生を未然に防止することができ、しかも突起部16bがウオータジャケット13の冷却水出口通路11f内に突出するので、突起部16bがウオータジャケット13の冷却水入口通路内に突出する場合に比べて、突起部16bを設けたことによる冷却水の圧損を減少させることができる。
【選択図】 図10

Description

本発明は、内燃機関のシリンダブロックの直列に連なる複数のシリンダボアの周囲を囲むように形成されたウオータジャケットの内部に挿入され、前記ウオータジャケット内の冷却水の流れを規制して前記シリンダボアの冷却状態を調整する内燃機関のウオータジャケット用スペーサに関する。
内燃機関のウオータジャケットの内部に合成樹脂製のスペーサ10を配置することで、ウオータジャケット内の冷却水の流れを規制してシリンダボアが局部的に冷え過ぎるのを防止するものにおいて、ウオータジャケットの冷却水入口部8に対向するスペーサ10に突起部14を形成し、この突起部14で冷却水入口部8に流入する冷却水を二つの方向に振り分けるものが、下記特許文献1により公知である。
特許第4279758号公報
ところで上記従来のものは、スペーサ10をウオータジャケットに挿入する際に、スペーサ10のシリンダ列線方向の両端の位置を逆にして挿入しようとすると、本来はウオータジャケットの冷却水入口部8に嵌合するはずのスペーサ10の突起部14が嵌合しないため、スペーサ10の誤組みを防止できるという効果がある。
しかしながら、冷却水入口部8はウオータジャケットを流れる冷却水の全量が通過するため、誤組み防止のための突起部14を冷却水入口部8に嵌合させると、冷却水入口部8における圧損が増加して冷却性能に悪影響を及ぼす可能性がある。
本発明は前述の事情に鑑みてなされたもので、ウオータジャケット内に挿入されるスペーサに設けた突起部で該スペーサの誤組みを防止しながら、突起部による冷却水の圧損を最小限に抑えることを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1に記載された発明によれば、内燃機関のシリンダブロックの直列に連なる複数のシリンダボアの周囲を囲むように形成されたウオータジャケットの内部に挿入され、前記ウオータジャケット内の冷却水の流れを規制して前記シリンダボアの冷却状態を調整するスペーサであって、前記シリンダブロックは前記ウオータジャケットの一部の径方向幅を増加させた冷却水出口通路を備えるとともに、前記スペーサは前記冷却水出口通路内に突出する突起部を備えることを特徴とする内燃機関のウオータジャケット用スペーサが提案される。
また請求項2に記載された発明によれば、請求項1の構成に加えて、前記冷却水出口通路は前記ウオータジャケットの上部を径方向外側に膨出して構成され、前記突起部は上部側が径方向外側に湾曲することを特徴とする内燃機関のウオータジャケット用スペーサが提案される。
また請求項3に記載された発明によれば、請求項1または請求項2の構成に加えて、前記スペーサの前記突起部よりも冷却水の流れ方向上流側に、その径方向内外を連通させる連通孔を設けたことを特徴とする内燃機関のウオータジャケット用スペーサが提案される。
請求項1の構成によれば、シリンダブロックはウオータジャケットの一部の径方向幅を増加させた冷却水出口通路を備えるとともに、スペーサは冷却水出口通路内に突出する突起部を備えるので、スペーサをウオータジャケットに誤った姿勢で挿入しようとしても、スペーサの突起部が引っ掛かることで誤組みの発生を未然に防止することができ、しかも突起部が冷却水の流量が大きいウオータジャケットの冷却水出口通路内に突出するので、突起部が冷却水の流量が小さいウオータジャケットの冷却水入口通路内に突出する場合に比べて、突起部を設けたことによる冷却水の圧損を減少させることができる。
また請求項2の構成によれば、冷却水出口通路はウオータジャケットの上部を径方向外側に膨出して構成され、突起部は上部側が径方向外側に湾曲するので、ウオータジャケットの冷却水出口通路から流出する冷却水をスペーサの湾曲した突起部で案内して圧損を最小限に抑えることができる。
また請求項3の構成によれば、スペーサの突起部よりも冷却水の流れ方向上流側に、その径方向内外を連通させる連通孔を設けたので、スペーサの突起部によって冷却水出口路内の冷却水の流れが阻害されても、スペーサの径方向内外の高圧側から低圧側に連通孔を通して冷却水を移動させることで、冷却水出口路における圧損を最小限に抑えることができる。
直列3気筒内燃機関のシリンダブロックの平面図。 図1からガスケットを取り除いた状態の要部拡大図。 シリンダブロック、スペーサおよびガスケットの斜視図。 スペーサの斜視図。 スペーサの四面図。 図1の6−6線断面図。 図1の7−7線断面図。 図1の8−8線断面図。 図1の9−9線断面図。 図1の10−10線断面図。 図1の11−11線断面図。 図2の12部拡大図。
以下、図1〜図12に基づいて本発明の実施の形態を説明する。
図1〜図3には、直列3気筒内燃機関のシリンダブロック11が示される。シリンダブロック11にはシリンダ列線L1に沿って3個のシリンダスリーブ12…が埋設されており、それらのシリンダスリーブ12…の外周面を囲むようにウオータジャケット13が形成される。本実施の形態のシリンダブロック11はサイアミーズ型であって隣接するシリンダスリーブ12…間にはウオータジャケット13が形成されておらず、よってウオータジャケット13は3個のシリンダスリーブ12…の外周面を個々に囲むのではなく、3個のシリンダスリーブ12…の全体を囲んでおり、これにより内燃機関のシリンダ列線L1方向の寸法の短縮が図られる。シリンダブロック11のデッキ面11aに開口するウオータジャケット13は、そこからクランクケース側に向けて一定の深さで下向きに延びており、そのウオータジャケット13の内部にシリンダブロック11のデッキ面11aの開口側から挿入された合成樹脂製のスペーサ14が配置される。
尚、本明細書において「上下方向」とは、シリンダ軸線L2方向のシリンダヘッド側が「上」と定義され、シリンダ軸線L2方向のクランクケース側が「下」と定義される。また本明細書において「径方向」とは、シリンダ軸線L2を中心として定義される。
図3〜図5から明らかなように、スペーサ14は、シリンダブロック11の3個のシリンダスリーブ12…の外周を囲むスペーサ本体部14aを備えており、そのシリンダ軸線L2方向の高さHは全周に亙って基本的に一定である。スペーサ14はウオータジャケット13に沿う閉じた形状に形成されていて切断部を持たないため、そのスペーサ14の剛性は高いものとなる。
スペーサ14は、シリンダ列線L1方向のタイミングトレーン側における排気側に冷却水入口部15を備えるとともに、シリンダ列線L1方向のトランスミッション側の端部から吸気側に僅かに偏倚した位置に冷却水出口部16を備える。冷却水入口部15は、スペーサ本体部14aの下端を逆台形状に切り欠いたもので、その上部エッジ15aはスペーサ本体部14aの上端と平行に延び、その左右の側部エッジ15b,15bは下から上に向かって相互間の幅が増加するように傾斜している。冷却水出口部16は、スペーサ本体部14aの上端を下向きに切り欠いた一対の切欠き16a,16aと、一対の切欠き16a,16aの間からスペーサ本体部14aの上端を超えて上方に突出する突起部16bとを備える。突起部16bの上端は、径方向外側に向かって滑らかに湾曲している。切欠き16a,16aの底部の高さは、突起部16bの下端の高さ、つまり突起部16bが径方向外側に向かって湾曲を開始する位置の高さに一致している(図5(C)参照)。
スペーサ14のタイミングトレーン側の端部には、スペーサ本体部14aの下端から下向きに突出する一対の下部支持脚14b,14bと、スペーサ本体部14aの上端から上向きに突出する上部支持脚14cとが突設される。スペーサ14のトランスミッション側の端部には、スペーサ本体部14aの下端から下向きに突出する一対の下部支持脚14d,14dと、スペーサ本体部14aの上端から上向きに突出する上部支持脚14eとが突設される。2個の上部支持脚14c,14eの上端は同じ高さに整列し、4個の下部支持脚14b,14b,14d,14dの下端は同じ高さに整列する。
従って、図9および図10に示すように、スペーサ14をウオータジャケット13の内部に装着すると、2本の上部支持脚14c,14eの上端がシリンダブロック11およびシリンダヘッド17間に挟持されたガスケット18の下面に接触あるいは僅かな隙間を介して対向し、かつ4本の下部支持脚14b,14b,14d,14dの下端がウオータジャケット13の底壁に接触あるいは僅かな隙間を介して対向することで、スペーサ14がウオータジャケット13の内部で上下方向に位置決めされる。
その結果、図8に示すように、ウオータジャケット13の内部には、スペーサ14の上端とガスケット18の下面との間に上部冷却水通路13aが区画され、スペーサ14の下端とウオータジャケット13の底部との間に下部冷却水通路13bが区画される。このとき、上部冷却水通路13aの高さは上部支持脚14c,14eの高さにより決められ、下部冷却水通路13bの高さは下部支持脚14b,14b,14d,14dの高さにより決められる。
またスペーサ本体部14aとウオータジャケット13の内周壁面13cとの間およびスペーサ本体部14aとウオータジャケット13の外周壁面13dとの間には、若干の隙間が形成される。スペーサ14にシリンダボア12a…のシリンダ軸線L2方向の中間位置を温める機能を持たせるために、スペーサ本体部14aとウオータジャケット13の内周壁面13cとの間の隙間は、スペーサ本体部14aとウオータジャケット13の外周壁面13dとの間の隙間よりも小さく設定される。
図7および図12に示すように、3個のシリンダボア12a…が相互に近接する部分の近傍(以下、軸間部分という)では、各シリンダボア12a…の周囲のウオータジャケット13が鋭角で屈曲しており、その部分にウオータジャケット13の上部のシリンダ列線L1に直交する方向の幅W′が、その他の部分のウオータジャケット13の幅W(図8参照)よりも広がった拡幅部13e…が形成される。3個のシリンダボア12a…の間に形成される二つの軸間部分の各々において、合計4個の切欠き14f…がスペーサ本体部14aの上端から下向きに切り欠かれており、これらの切欠き14f…によって上部冷却水通路13aの高さが局部的に増加している。スペーサ本体部14aの切欠き14f…の底部の高さは拡幅部13e…の下端の高さに一致しており、かつ切欠き14f…の周方向の幅は三角形状の拡幅部13e…の幅に一致している。つまり、切欠き14f…は拡幅部13e…に対向するように設けられる。
スペーサ14の前記4個の切欠き14f…の下方において、スペーサ本体部14aの径方向内面に内向きに突出する位置決め突起14g…(図4、図7および図12参照)が突設される。これらの位置決め突起14g…は、ウオータジャケット13の内周壁面13cに接触あるいは僅かな隙間を介して対向することで、スペーサ本体部14aを径方向に位置決めする。
図4および図9に示すように、スペーサ本体部14aのタイミングトレーン側の端部には、その下端から上端に向かってストッパ装着溝14hが設けられており、ストッパ装着溝14hの下端は一対の下部支持脚14b,14bの間に開口する。ストッパ装着溝14hに装着される断面「凸」字状に形成されたゴム製のストッパ19は、その径方向外面に係止突起19aを備えるとともに、その径方向内面に位置決め突起19bを備える。
ストッパ19をストッパ装着溝14hに装着した状態で、係止突起19aがストッパ装着溝14hからスペーサ本体部14aの径方向外面に延びる開口14iに嵌合してストッパ19の脱落を防止し、位置決め突起19bがストッパ装着溝14hからスペーサ本体部14aの径方向内面に延びるスリット14jから突出してウオータジャケット13の内周壁面13cに弾発的に当接する。これにより、ウオータジャケット13の内部に装着されたスペーサ14はタイミングトレーン側の端部で径方向に位置決めされる。
図4および図10に示すように、スペーサ14のタイミングトレーン側の端部に装着された前記ストッパ19と同一構造のストッパ19が、スペーサ14のトランスミッション側の端部に同一の構造で装着されており、スペーサ14をトランスミッション側の端部で径方向に位置決めする。
図2および図6に示すように、シリンダブロック11には、スペーサ14の冷却水入口部15に臨む位置でウオータジャケット13に連通する冷却水入口通路11bが形成される。冷却水入口通路11bは、図示せぬウォータポンプからシリンダ列線L1に対して直交する方向に冷却水が供給される冷却水導入口11cと、シリンダヘッド17のウオータジャケット17aに向けてシリンダ軸線L2方向に冷却水を配分する冷却水排出口11dとを備えており、冷却水排出口11dはガスケット18の連通孔18a(図3参照)を介してシリンダヘッド17のウオータジャケット17aに連通する。
シリンダブロック11の冷却水導入口11cはシリンダ列線L1に対して直交する方向に延びており、その上下方向位置はウオータジャケット13の深さの上下方向中間位置Cよりも下側である。冷却水入口通路11bは、冷却水導入口11cから流入する冷却水の流れを上向きに偏向する傾斜面よりなる偏向部11eを備える。偏向部11eの延長線L3は、スペーサ14の冷却水入口部15の上部エッジ15aを指向する方向に延びている。偏向部11eの上端はウオータジャケット13の下部冷却水通路13bの下端よりも上方に突出している。つまり、登り傾斜となった偏向部11eの頂点から下部冷却水通路13bが下向きに窪んでいる。
図10に示すように、シリンダブロック11には、スペーサ14の冷却水出口部16に臨む位置でウオータジャケット13に連通する冷却水出口通路11fが形成される。冷却水出口通路11fは、ウオータジャケット13の上部を径方向外側に膨出させたもので、ガスケット18に形成した連通孔18b(図3参照)を介してシリンダヘッド17のウオータジャケット17aに連通する。スペーサ14の冷却水出口部16の突起部16bは、径方向外側に膨出する冷却水出口通路11fの形状に沿うように径方向外側に湾曲している。
図4および図11に示すように、スペーサ本体部14aのトランスミッション側の端部において、前記冷却水出口部16を挟む位置に2個の連通孔14k,14kが形成される。連通孔14k,14kにより、ウオータジャケット13の内周壁面13c側および外周壁面13d側が相互に連通する。
図1および図3に示すように、ガスケット18には冷却水入口通路11bに臨む連通孔18aおよび冷却水出口通路11fに臨む連通孔18bに加えて、最もタイミングチェーン側のシリンダボア12aを囲む6個の連通孔18c…と、軸間部分に配置された4個の連通孔18d…とが形成されており、ウオータジャケット13はこれらの連通孔18a,18b,18c…,18d…によってシリンダヘッド17のウオータジャケット17aに連通する。軸間部分に配置された4個の連通孔18d…は、軸間部分でウオータジャケット13が径方向内側に膨出する位置に配置される。
次に、上記構成を備えた本発明の実施の形態の作用を説明する。
シリンダブロック11のデッキ面11aにシリンダヘッド17を組み付ける前の状態では、デッキ面11aに露出する3個のシリンダスリーブ12…のシリンダボア12a…の外周を囲むようにウオータジャケット13が開口しており、その開口からウオータジャケット13の内部にスペーサ14が挿入される。その後に、シリンダブロック11のデッキ面11aにガスケット18を重ね合わせた状態でシリンダヘッド17が締結される。
このスペーサ14の組付状態において、スペーサ14の下部支持脚14b,14b,14d,14dの下端がウオータジャケット13の底面に対向し、上部支持脚14c,14eの上端がガスケット18の下面に対向することで、スペーサ14がシリンダ軸線L2方向に位置決めされる。またスペーサ14のシリンダ列線L1方向両端部に設けた一対のストッパ19,19がウオータジャケット13の内周壁面13cに当接し、かつスペーサ14の軸間部分に設けた4個の位置決め突起14g…がウオータジャケット13の内周壁面13cに当接することで、スペーサ14が径方向に位置決めされる。
内燃機関の運転時には、シリンダブロック11に設けられた図示せぬウォータポンプから供給された冷却水が、シリンダブロック11のタイミングトレーン側の排気側側面に設けられた冷却水導入口11cから冷却水入口通路11bに流入し、その一部がウオータジャケット13内に流入するとともに、残部がガスケット18の連通孔18aからシリンダヘッド17のウオータジャケット17a内に流入する。このとき、冷却水導入口11cからシリンダ軸線L1に直交する方向に供給された冷却水は、冷却水入口通路11bの偏向部11eに案内され、ウオータジャケット13の上部冷却水通路13aに向かって上向きに偏向するが、上向きに偏向した冷却水の一部が偏向部11eの延長線L3に位置するスペーサ14の冷却水入口部15の上部エッジ15aに衝突し、下向きに偏向してウオータジャケット13の下部冷却水通路13bに流入する。
このように、ウオータジャケット13に冷却水を供給する冷却水入口通路11bに臨むスペーサ14の一部を切り欠くことで冷却水入口部15を形成したので、冷却水入口通路11bにおける冷却水の圧損を最小限に抑えることができる。しかも冷却水入口通路11bに流入して偏向部11eで上向きに偏向した冷却水の一部を冷却水入口部15の上部エッジ15aに衝突させて下向きに偏向させるので、スペーサ14の上側の上部冷却水通路13aおよびスペーサ14の下側の下部冷却水通路13bに冷却水を適切に振り分けて冷却性能を確保することができる。
このとき、仮にウオータジャケット13の下部冷却水通路13bの底部が登り傾斜となった偏向部11eの頂点と同じ高さだとすると、偏向部11eを通過した冷却水が下向きに偏向しようとしても行き先がないため、冷却水を下部冷却水通路13bに適切に振り分けることが難しくなるが、本実施の形態では登り傾斜となった偏向部11eの頂点から下部冷却水通路13bが下向きに窪んでいるので、冷却水を下部冷却水通路13bに適切に振り分けることが可能となる。
また冷却水入口部15の側部エッジ15b,15bは上部エッジ15aに向けて相互の間隔が広がるように形成されるので、冷却水入口通路11bの偏向部11eにより偏向してスペーサ14の冷却水入口部15に上向きに流入した冷却水は、冷却水入口部15内をスムーズに上向きに流れてスペーサ14の上側の上部冷却水通路13aに流入することができる。
このようにしてウオータジャケット13に流入した冷却水は、ウオータジャケット13の周方向に二股に分岐し、その一方はシリンダブロック11の排気側のウオータジャケット13に沿って流れ、その他方はシリンダブロック11の吸気側のウオータジャケット13に沿って流れ、最終的に冷却水出口通路11fで合流してガスケット18の連通孔18bからシリンダヘッド17のウオータジャケット17aに供給される。また冷却水がウオータジャケット13を冷却水入口通路11bから冷却水出口通路11fに向かって流れる間に、最もタイミングトレーン側のシリンダボア12aの周囲に臨むガスケット18に形成した連通孔18c…と、軸間部分に臨むガスケット18に形成した連通孔18d…とを通過してシリンダヘッド17のウオータジャケット17aに供給される。
ウオータジャケット13のシリンダ軸線L2方向の中間部にはスペーサ本体部14aが位置しているため、その部分に冷却水が流れ難くなって冷却が抑制される。その結果、スペーサ本体部14aに対向するシリンダボア12a…のシリンダ軸線L2方向の中間部が他の部分よりも高温になり、熱膨張してピストンとの間のクリアランスが増加するため、特に圧縮行程や膨張行程でピストンに大きなサイドスラストが加わるときに、ピストンおよびシリンダボア12a…間のフリクションを低減して内燃機関の燃費向上に寄与することができる。またシリンダボア12a…のシリンダ軸線L2方向中間部が他の部分よりも高温になることで、その部分を潤滑するオイルが温度上昇して粘性が低下するため、フリクションの低減効果が更に高められる。
一方、シリンダボア12a…のシリンダ軸線L2方向上部および下部は、スペーサ本体部14aの上下の上部冷却水通路13aおよび下部冷却水通路13bを流れる冷却水によって充分に冷却されるため、シリンダボア12a…に摺動自在に嵌合するピストンの高温になり易い頂部およびスカート部の冷却性能を確保して過熱を防止することができる。
またシリンダブロック11の軸間部分は隣接する二つのシリンダボア12a…からの熱を受け、ウオータジャケット13が強く屈曲して冷却水の流れが滞り易いために高温になる傾向があるが、その軸間部分においてスペーサ本体部14aを切り欠いた切欠き14f…を形成することで、軸間部分に臨むシリンダボア12a…を効率的に冷却して温度を均一化することができる。
ウオータジャケット13にスペーサ14を組み付けるとき、スペーサ14のシリンダ列線L1方向の両端位置を逆にして誤組みする可能性がある。しかしながら、本実施の形態のスペーサ14の冷却水出口部16はシリンダブロック11の冷却水出口通路11fに嵌合する突起部16bを備えるため、スペーサ14のシリンダ列線L1方向の両端位置を逆にして組み付けようとしても突起部16bが干渉して組み付けることができず、よって誤組みを確実に防止することができる。
尚、スペーサ14の突起部16bを冷却水出口通路11fではなく冷却水入口通路11bに嵌合させても、スペーサ14の誤組みを防止することができる。しかしながら、冷却水出口通路11fを流れる冷却水の流量は冷却水入口通路11bを流れる冷却水の流量に比べて、ウオータジャケット13からシリンダヘッド17のウオータジャケット17aに分岐する冷却水の流量分だけ減少するため、突起部16bを冷却水の流量が少ない冷却水出口通路11fに嵌合させた方が圧損を低減することができる。
冷却水出口部16の突起部16bは、冷却水出口通路11fの径方向外側に膨出する形状に倣って径方向外側に滑らかに湾曲しているため、突起部16bを設けたことによる冷却水出口部16における圧損を最小限に抑えることができる。
またスペーサ14の冷却水出口部16の近傍にはストッパ19が設けられており、このストッパ19によってスペーサ本体部14aとウオータジャケット13の内周壁面13cとの間の隙間が閉じられてしまい、冷却水の流れが滞る虞がある。しかしながら、本実施の形態によれば、スペーサ14の突起部16bの両側に一対の切欠き16a,16aを設けたことで、突起部16bが嵌合する冷却水出口通路11fに冷却水がスムーズに流入することが可能となり、冷却水出口通路11fにおける圧損を最小限に抑えることができる。
ところで、スペーサ本体部14aに沿って冷却水が流れるとき、スペーサ本体部14aとウオータジャケット13の内周壁面13cとの間の隙間は小さいため、スペーサ本体部14aとウオータジャケット13の内周壁面13cとの間の隙間よりも外周壁面13dとの間の隙間を多くの冷却水が流れるが、外周壁面13dとの間の隙間を流れる冷却水が冷却水出口部16の突起部16bによって若干の抵抗を受けるため、冷却水出口通路11fにおける冷却水の流れが阻害される虞がある。
しかしながら、本実施の形態によれば、冷却水出口通路11fの両側にスペーサ本体部14aを貫通する2個の連通孔14k,14kを設けたことで、ウオータジャケット13の外周壁面13d側の隙間を流れる冷却水の一部が連通孔14k,14kを通過してウオータジャケット13の内周壁面13c側の隙間に流入することで、冷却水出口通路11fを流れる冷却水が突起部16bの影響を受け難くし、スペーサ14の径方向内側および径方向外側の圧力の不均衡を緩和して圧損を最小限に抑えることができる。
以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明はその要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更を行うことが可能である。
例えば、実施の形態では直列3気筒内燃機関を例示したが、本発明は任意の気筒数の任意の形式の内燃機関に対して適用することができる。
また本発明は冷却水を冷却水入口部15で吸気側および排気側の二方向に分岐させて流すものに限定されず、冷却水を冷却水入口部15から一方向に流すものにも適用することができる。
11 シリンダブロック
11f 冷却水出口通路
12a シリンダボア
13 ウオータジャケット
14 スペーサ
14k 連通孔
16b 突起部

Claims (3)

  1. 内燃機関のシリンダブロック(11)の直列に連なる複数のシリンダボア(12a)の周囲を囲むように形成されたウオータジャケット(13)の内部に挿入され、前記ウオータジャケット(13)内の冷却水の流れを規制して前記シリンダボア(12a)の冷却状態を調整するスペーサ(14)であって、
    前記シリンダブロック(11)は前記ウオータジャケット(13)の一部の径方向幅を増加させた冷却水出口通路(11f)を備えるとともに、前記スペーサ(14)は前記冷却水出口通路(11f)内に突出する突起部(16b)を備えることを特徴とする内燃機関のウオータジャケット用スペーサ。
  2. 前記冷却水出口通路(11f)は前記ウオータジャケット(13)の上部を径方向外側に膨出して構成され、前記突起部(16b)は上部側が径方向外側に湾曲することを特徴とする、請求項1に記載の内燃機関のウオータジャケット用スペーサ。
  3. 前記スペーサ(14)の前記突起部(16b)よりも冷却水の流れ方向上流側に、その径方向内外を連通させる連通孔(14k)を設けたことを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の内燃機関のウオータジャケット用スペーサ。
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