JP2012235929A - 歩行支援装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】着地タイミングを判定する荷重閾値を簡単に調整することのできる歩行支援装置を提供する。
【解決手段】歩行支援装置は、大腿リンク、下腿リンク、モータ、センサ、及び、コントローラを備える。モータは下腿リンクを揺動させる。荷重センサは、下腿リンクを装着した脚の足裏に加わる荷重を検知する。コントローラは、ユーザの歩行動作中に荷重センサによって計測された荷重が着地判定荷重閾値を超えたタイミングに基づいてモータを制御する。支援装置は、コントローラが次の処理を含む荷重の調整モードを実行するように構成されている。(1)下腿リンクの揺動角を予め定められた調整モード角度に維持する処理。(2)揺動角を調整モード角度に維持した状態で、荷重センサによって計測される1歩行周期中の荷重の最大値と最小値を特定する処理。(3)特定された荷重の最大値と最小値に基づいて荷重閾値を決定する処理。
【選択図】図4
【解決手段】歩行支援装置は、大腿リンク、下腿リンク、モータ、センサ、及び、コントローラを備える。モータは下腿リンクを揺動させる。荷重センサは、下腿リンクを装着した脚の足裏に加わる荷重を検知する。コントローラは、ユーザの歩行動作中に荷重センサによって計測された荷重が着地判定荷重閾値を超えたタイミングに基づいてモータを制御する。支援装置は、コントローラが次の処理を含む荷重の調整モードを実行するように構成されている。(1)下腿リンクの揺動角を予め定められた調整モード角度に維持する処理。(2)揺動角を調整モード角度に維持した状態で、荷重センサによって計測される1歩行周期中の荷重の最大値と最小値を特定する処理。(3)特定された荷重の最大値と最小値に基づいて荷重閾値を決定する処理。
【選択図】図4
Description
本発明は、ユーザの脚の動き、特に歩行動作を支援する装置に関する。
ユーザの脚の動きをサポートする装具として近年、これまでの長下肢装具に加えてアクチュエータによって積極的にユーザの脚の動きを補助する装置(歩行支援装置)が研究されている。そのような歩行支援装置は、ユーザの大腿と下腿の夫々に装着される大腿リンクと下腿リンクが揺動可能に連結されており、下腿リンクを揺動させるアクチュエータを備えている。歩行支援装置は、ユーザの歩行動作に応じて下腿リンクを揺動させ、歩行動作がスムーズとなるようにユーザの脚をガイドする。そのような装置の例が特許文献1や特許文献2に開示されている。なお以下では、「歩行支援装置」を単純に「支援装置」と称する場合がある。
歩行動作がスムーズとなるように下腿リンクを揺動させる場合、支援する脚が立脚状態にあるか遊脚状態にあるかによって制御ロジックを変更することが考えられる。これは、立脚と遊脚では役割が異なるからである。立脚では下腿の揺動は小さいが体重を支えることが重要であり、遊脚では体重を支える必要はないがスムーズに大きく揺動することが求められる。従って、支援装置では、脚期間と遊脚期間で制御ロジックを切り換えることが検討されている。それゆえ、支援装置には、立脚期間と遊脚期間の切り換わりタイミング、すなわち、遊脚の着地タイミング、及び/又は立脚の離地タイミングを特定することが必要とされる。特許文献1と特許文献2には、支援装置を装着した脚の足裏に加わる荷重(接地反力)が予め定められた閾値を超えたタイミングに基づいて着地タイミングを特定する技術が開示されている。
着地/離地タイミングを特定するのに接地センサ(ON−OFFセンサ)ではなく接地反力の大きさを計測する荷重センサを用いるのには次の理由がある。出力がON−OFFだけの接地センサを用いると、足裏が床面を擦った場合にも「接地」が検知されてしまうという不都合がある。また、接地センサは靴の裏側に取り付ける必要があるが、それでは専用の靴を用意しなければならなくなる。荷重センサの場合、所定の荷重閾値を超えた時点を「着地」と判断することができるし(あるいは、所定の荷重閾値を下回った時点を「離地」と判断することができる)、足裏と靴底の間、いわゆるインソールという形でセンサを装備することもできる。特に、インソールとして荷重センサを装備できる点では、ユーザが靴を自由に選べるという利点がある。
インソール形式で荷重センサを装備する場合、インソールは足裏と靴底の間に挟まれるので、遊脚の間も含めて荷重センサに常に所定の荷重がオフセットとして加わることになる。例えば靴ひもの縛り強さが異なればそれだけで荷重オフセットも大きく変化する。発明者らの検討によれば、靴ひもの縛り方によって、荷重オフセットの大きさが100[N](約10kgw)程度も異なる場合があった。従って、着地/離地を特定するための荷重閾値も、靴を履く毎に設定し直す必要がある。本明細書が開示する技術の一つの目的は、着地タイミングを特定する荷重閾値(着地判定荷重閾値)を簡単に調整することのできる歩行支援装置を提供することにある。
本明細書が着目する歩行支援装置は、大腿リンク、下腿リンク、アクチュエータ、センサ、及び、コントローラを備える。大腿リンクはユーザの大腿に装着され、下腿リンクはユーザの下腿に装着される。大腿リンクと下腿リンクは揺動可能に連結されている。アクチュエータは下腿リンクを揺動させるために備えられている。荷重センサは、下腿リンクを装着した脚の足裏に加わる荷重(接地反力)を検知する。コントローラは、ユーザの歩行動作中に荷重センサによって計測された荷重が着地判定荷重閾値を超えたタイミングに基づいてアクチュエータを制御する。
本明細書が開示する支援装置は、コントローラが次の処理を含む着地判定荷重閾値の調整モードを実行するように構成されている。
(1)下腿リンクの揺動角を予め定められた調整モード角度に維持する揺動角固定処理。(2)揺動角を調整モード角度に維持した状態でユーザが歩行している間に荷重センサによって計測される1歩行周期中の荷重の最大値と最小値を特定する最大最小荷重特定処理。
(3)特定された荷重の最大値と最小値に基づいて着地判定荷重閾値を決定する閾値決定処理。なお、調整モードは、ユーザの指示により実行される。
(1)下腿リンクの揺動角を予め定められた調整モード角度に維持する揺動角固定処理。(2)揺動角を調整モード角度に維持した状態でユーザが歩行している間に荷重センサによって計測される1歩行周期中の荷重の最大値と最小値を特定する最大最小荷重特定処理。
(3)特定された荷重の最大値と最小値に基づいて着地判定荷重閾値を決定する閾値決定処理。なお、調整モードは、ユーザの指示により実行される。
調整モード角度は、典型的には、膝を伸ばした状態に相当する角度でよい。別言すれば、調整モード角度は、大腿と下腿が一直線となる角度でよい。着地判定荷重閾値を調整するのに先立って下腿リンクの角度を固定するのは、毎回同じ状態で荷重を計測するためと、大腿と下腿が一直線になった状態はユーザにとって比較的に歩きやすいからである。
1歩行周期中の荷重の最小値は、前述した荷重オフセットに相当する。また、1歩行周期中の荷重の最大値は、ユーザの体重に相当する。従って上記の着地判定荷重閾値の決定アルゴリズムは、荷重オフセットとユーザの体重を計測し、それらの値から着地判定荷重閾値を決定する処置である。着地判定荷重閾値の求め方は、典型的には、荷重の最大値と最小値との差分に予め定められた係数を乗じた値に荷重の最小値を加えた値を着地判定荷重閾値として決定する。
また、1歩行周期における荷重の最大値と最小値を用いるよりも数歩分の歩行周期における荷重の最大値の平均と最小値の平均を用いる方がより精度が上がる。従ってコントローラは、最大最小荷重特定処理において、予め定められた歩数分について各歩行周期中の荷重の最大値と最小値を特定することが好ましい。この場合コントローラは、特定された複数歩行周期の荷重最大値の平均と荷重最小値の平均を算出する。さらにコントローラは、閾値決定処理において、特定された荷重の最大値の平均と最小値の平均に基づいて着地判定荷重閾値を決定する。この場合、コントローラは、閾値決定処理において、荷重の最大値の平均と最小値の平均との差分(最大値平均−最小値平均)に予め定められた係数(第1係数)を乗じた値に荷重の最小値の平均を加えた値を着地判定荷重閾値として決定することが好ましい。
着地判定荷重閾値と同様に離地判定荷重閾値も定めることが可能である。すなわちコントローラは、閾値決定処理において、荷重の最大値の平均と最小値の平均との差分に予め定められた別の係数(第2係数)を乗じた値に荷重の最小値の平均を加えた値を離地判定荷重閾値として決定することが好ましい。離地判定荷重閾値を定めた場合、コントローラは、歩行中に荷重が離地判定閾値を下回ったタイミングに基づいてアクチュエータを制御する。なお、第2係数は、第1係数よりも大きな値が選定される。すなわち、離地判定荷重閾値は着地判定荷重閾値よりも大きくなる。離地判定は、荷重センサの値が減少し始めたらできるだけ早く判定が下せることが好ましく、着地判定は、荷重センサの値が増加し始めたらできるだけ早く判定が下せることが好ましいからである。
歩行動作支援においては、荷重閾値に加えて、足の位置も、着地判定の条件に加えるとよい。具体的にはコントローラは、次の2つの条件が共に成立したタイミングに基づいてアクチュエータを制御することが好ましい。
第1条件:ユーザの腰位置に対する下腿リンクを装着した脚の足位置が着地判定距離閾値よりも前方にあること。
第2条件:荷重センサによって計測された荷重が着地判定荷重閾値を超えたこと。
なお、第1条件は、足が確かに前方に出ていることをチェックする条件である。
第1条件:ユーザの腰位置に対する下腿リンクを装着した脚の足位置が着地判定距離閾値よりも前方にあること。
第2条件:荷重センサによって計測された荷重が着地判定荷重閾値を超えたこと。
なお、第1条件は、足が確かに前方に出ていることをチェックする条件である。
図1に、支援装置100(歩行支援装置)の外観図を示す。この実施例では、左脚を自由に動かすことができないユーザが支援装置100を用いる場合を想定する。すなわち、支援装置100は、ユーザの左脚に装着される。支援装置100は、モータ2(アクチュエータ)を備えており、歩行動作に合わせて左脚の下腿を揺動させ、歩行動作を支援する。
図面で用いる座標系について説明する。X軸はユーザの前後方向を示しており、X軸の正方向が「前方」に相当し、負方向が「後方」に相当する。Y軸はユーザの左右方向(側方)を示している。Z軸は鉛直方向を示している。X軸、Y軸、及び、Z軸はそれぞれ、ロール軸、ピッチ軸、及び、ヨー軸と呼ばれることもある。これらの座標系のとり方は、ロボットの技術分野において一般的に使われている手法である。
支援装置100の構造を説明する。支援装置100は、大腿リンク12、下腿リンク22、及び、足リンク32が連結されたいわゆる多関節多リンク構造を有している。大腿リンク12、下腿リンク22、及び、足リンク32は夫々ユーザの大腿、下腿、及び、足に固定される。大腿リンク12と下腿リンク22は一対のジョイント4で連結されている。一対のジョイント4のそれぞれはユーザの膝関節の両側に位置する。ジョイント4の回転軸線は、支援装置100をユーザが装着したときにユーザの膝関節回転軸線とほぼ同軸となる。ユーザの膝外側のジョイント4にはモータ2が備えられている。モータ2は、大腿リンク12に対して下腿リンク22を膝ピッチ軸周りに揺動させる。モータ2のケースには、モータ2を制御するコントローラ3が内蔵されている。また、ジョイント4には、大腿リンク12に対する下腿リンク22のピッチ軸周りの揺動角を計測する角度センサ(不図示)が組み込まれている。さらに、図示を省略しているが、大腿リンク12には、ユーザの大腿のピッチ軸周りの傾斜角(鉛直に対する傾斜角)を計測する傾斜センサが備えられている。
足リンク32と下腿リンク22は一対のジョイント6で連結されている。一対のジョイント6のそれぞれはユーザの足首関節の両側に位置する。ジョイント6の回転軸線は、支援装置100をユーザが装着したときに足首関節のピッチ軸周りの回転軸線とほぼ同軸となる。
足リンク32は、ユーザが装着したままその上から一般の靴を履けるようにできている。足リンク32は、インソール33を備えており、ユーザが靴を履くとインソール33が靴の中敷きとなる。インソール33には荷重センサ34が埋め込まれており、足裏に加わる荷重(厳密には足裏と靴底の間に加わる荷重)を計測する。荷重センサ34は具体的にはロードセルである。
コントローラ3は、傾斜センサ、角度センサ、及び、荷重センサ34のセンサデータに基づいてモータ2を制御する。具体的には、コントローラ3には、遊脚のときの下腿リンクの揺動パターン(揺動角の経時的変化)を記した遊脚パターンと、立脚のときの下腿リンクの揺動パターンを記した立脚パターンを記憶しており、脚の着地を判定すると立脚パターンに沿って下腿リンクを揺動させ、脚の離地を判定すると遊脚パターンに沿って下腿リンクを揺動させる。脚制御(下腿リンク制御)のアルゴリズムについては説明を省略する。
次に、コントローラ3が着地を判定するための着地判定荷重閾値と、その閾値の決定アルゴリズムを説明する。まず、図2に、荷重センサ34の計測値(センサデータ)の時間変化を示す。以下、荷重センサ34が計測した値を「荷重データW」と称する。荷重データWは、脚が遊脚のとき、小さい値を示し、脚が立脚のときに大きい値を示す。脚が遊脚のときは、接地反力は理論上はゼロであるが、荷重センサ34はインソール33に装備されているため、遊脚期間中であってもゼロとはならない。また、遊脚期間中の荷重データWは一定ではなく、ある範囲で微小に振れる。これは、脚の揺動中に加わる慣性力と、足と靴との関係の微妙な変化に起因する。今、1歩行期間中の荷重データの最小値をWminで表し、最大値をWmaxで表す。最小値Wminは、遊脚中であっても荷重センサが出力する荷重データ、すなわち、足裏と靴底の間に作用する圧力であり、荷重オフセットに相当する。前述したように、荷重オフセット(最小値Wmin)は、靴ひもの縛り方によっても大きく変化する可能性がある。最大値Wmaxは、ユーザの体重に相当する。
なお、「1歩行周期」は次のようにして定められる。コントローラ3内には、予め定められた周期切り出し閾値Wthが記憶されている。周期切り出し閾値Wthは、例えば350[N](約35kgw)に設定されている。コントローラ3は、荷重データWが周期切り出し閾値Wthを超えている状態から下回るタイミング(図2のT1、T2)を特定する。タイミングT1とT2の間の期間が1歩行周期に相当する。コントローラ3は、荷重データWが周期切り出し閾値Wthを下回るタイミングを特定し、隣接する2つのタイミング間のデータを1歩行周期分の荷重データとして切り出す。なお、1歩行周期は、荷重データWが周期切り出し閾値Wthを下回っている状態から上回るタイミングによって特定してもよい。
詳しくは後述するが、コントローラ3は、複数歩に亘る最大値Wmaxの平均値と最小値Wminの平均値から、着地を判定するための着地判定荷重閾値Wonと、離地を判定するための離地判定荷重閾値Woffを定める。図3に、着地判定荷重閾値Wonと離地判定荷重閾値Woffの関係を示す。概略すると、着地判定荷重閾値Wonは荷重の最大値Wmaxと最小値Wminの中間値(平均)よりも小さい値に設定され、離地判定荷重閾値Woffは荷重の最大値Wmaxと最小値Wminの中間値(平均)よりも大きい値に設定される。着地は荷重データWができるだけ小さいうちに判定できることが好ましく、離地は荷重データWができるだけ大きいうちに判定できることが好ましいからである。
コントローラ3は、荷重データWが着地判定荷重閾値Wonを下回っている状態から上回ったタイミングTonを着地タイミングとして特定する。また、コントローラ3は、荷重データWが離地判定荷重閾値Woffを上回っている状態から下回ったタイミングToffを離地タイミングとして特定する。離地タイミングToffから着地タイミングTonまでの期間が遊脚期間に相当する。コントローラ3は、着地タイミングTonを特定した時点から立脚パターンに沿ってモータ2を制御し、離地タイミングToffを特定した時点から遊脚パターンに沿ってモータ2を制御する。以下、簡単化のため、着地判定荷重閾値Wonを着地閾値Wonと称し、離地判定荷重閾値Woffを離地閾値Woffと称する。
着地閾値Wonと離地閾値Woffは、次の式で求められる。
Won=Wmin_av + (Wmax_av − Wmin_av) × C1 (1)
Woff=Wmin_av + (Wmax_av − Wmin_av) × C2 (2)
ここで、Wmin_avは、荷重データWの最小値Wminの数歩分の平均値であり、Wmax_avは、荷重データWの最大値Wmaxの数歩分の平均値である。また、第1係数C1、第2係数C2は予め定められた係数であり、一例として、C1=0.15、C2=0.60である。なお、第1係数C1には0.5より小さい値が選定され、第2係数C2には0.5より大きい値が選定される。そのような選定により、必ず、Won<Woffとなるように着地閾値Wonと離地閾値Woffが定められる。
Won=Wmin_av + (Wmax_av − Wmin_av) × C1 (1)
Woff=Wmin_av + (Wmax_av − Wmin_av) × C2 (2)
ここで、Wmin_avは、荷重データWの最小値Wminの数歩分の平均値であり、Wmax_avは、荷重データWの最大値Wmaxの数歩分の平均値である。また、第1係数C1、第2係数C2は予め定められた係数であり、一例として、C1=0.15、C2=0.60である。なお、第1係数C1には0.5より小さい値が選定され、第2係数C2には0.5より大きい値が選定される。そのような選定により、必ず、Won<Woffとなるように着地閾値Wonと離地閾値Woffが定められる。
上記の(1)式と(2)式が示しているように、着地閾値Wonと離地閾値Woffは、係数C1とC2が夫々決定的な要因となっている。第1係数C1が0.5より小さいことが、着地閾値Wonが荷重データの最大値Wmaxと最小値Wminの中間値(平均)よりも小さい値に設定されることを示している。同様に、第2係数C2が0.5よりも大きいことが、離地閾値Woffが荷重データの最大値Wmaxと最小値Wminの中間値(平均)よりも大きい値に設定されることを示している。
図4のフローチャート図を参照して、着地閾値Wonと離地閾値Woffを決定する処理、すなわち、調整モードの処理を説明する。調整モードは、支援装置100に備えられた操作盤(不図示)のスイッチをユーザが入れると開始される。
調整モードに入るとコントローラ3はまず、下腿リンク22が大腿リンク12と一直線となるように下腿リンク22を制御する(S2)。コントローラ3は、調整モードが終了するまで下腿リンク22をその角度(調整モード角度)に維持する(ロックする)。別言すれば、コントローラ3は、下腿リンク22の揺動角を予め定められた調整モード角度に維持する。ステップS2の処理が揺動角固定処理に相当する。ユーザは、下腿リンク22が調整モード角度に固定されたことを確認した後、歩行を開始する。なお、このときの歩行は、支援装置100を装着した脚の膝関節を伸ばしたままの歩行となる。
コントローラ3は、歩行中の荷重データWを記録する(S4)。また、コントローラ3は、荷重データWを記録しつつ、6歩行周期分の記録を切り出す(S6)。図2を参照して説明したように、コントローラ3は、1歩行周期分の荷重データWを切り出すための閾値(周期切り出し閾値Wth)を記憶している。コントローラ3は、計測している荷重データWの値が閾値Wthを上回っている状態から下回る状態に変化したタイミングを検知し、そのタイミングと次のタイミングの間の荷重データWを1歩行周期分のデータとして切り出す。コントローラ3は、6歩行周期分の荷重データWを切り出したら計測を停止する(S8:YES)。なお、コントローラ3は、予め定められた時間を経過しても6歩行周期分の荷重データWを切り出せなかった場合は、ユーザに調整モード不成功を通知して処理を終了する(S8:NO、S18)。「6歩行周期」は、一例であり、切り出す歩行周期の数はいくつでもよい。
次にコントローラ3は、切り出した荷重データWから、各歩行周期における荷重データWの最大値Wmaxと最小値Wminを特定する(S10)。次いで、コントローラ3は、最大値Wmaxの6歩行周期の平均Wmax_avと、最小値Wminの6歩行周期の平均Wmin_avを算出する(S12)。コントローラ3はこのとき、さらに、最大値Wmaxの6歩行周期の分散、及び、最小値Wminの6歩行周期の分散も計算する。ステップS10、S12の処理が、最大最小荷重特定処理の一例に相当する。
次にコントローラ3は、ステップS12で算出された各分散の値が予め与えられている閾値CE1よりも小さいか否か、及び、ステップS12で算出された平均値の差分(Wmax_av−Wmin_av)が予め与えられている閾値CE2よりも大きいか否かをチェックする(S14)。ステップS14の処理は、算出された分散、あるいは、平均の差分が、正常値の範囲内であるか否かをチェックするための処理である。例えば、分散が閾値CE1よりも大きい場合は、6歩行周期の平均のばらつきが大きいことを意味する。そのような場合は算出値が正常でない可能性が高い。そのような場合には、ユーザに調整モード不成功を通知して処理を終了する(S14:NO、S18)。
ステップS14のチェックがOKの場合、コントローラ3は、ステップS12で算出した平均値を前述した数式(1)、(2)に代入し、着地閾値Wonと離地閾値Woffを決定する(S16)。ステップS16の処理が、閾値決定処理の一例に相当する。以上の処理が、着地/離地判定荷重閾値の調整モードにおける処理である。こうして決定された着地閾値Wonと離地閾値Woffはコントローラ3に記憶され、通常の歩行支援制御における着地/離地タイミングの特定に用いられる。
次に、支援装置100の変形例を説明する。この変形例では、荷重だけでなく、支援装置100を装着した足の位置も着地/離地判定に利用する。図5を参照して、実施例における「足位置」の定義を説明する。図5にて、「足位置」は符号xfで表される。足位置xfは、ピッチ軸方向から観測して、ユーザの腰位置HP(股関節のピッチ軸方向回転軸線)を原点とし、前方を正にとった座標系での足首の位置で表される。先に説明したように、大腿リンク12には、ユーザの大腿のピッチ軸周りの傾斜角を計測する傾斜センサが備えられており、膝に位置するジョイント4には、大腿リンク12と下腿リンク22の揺動角を計測する角度センサが備えられている。また、ユーザの大腿の長さ、及び、下腿の長さはコントローラ3に予めインプットされている。ユーザの大腿のピッチ軸周りの傾斜角、大腿に対する下腿の揺動角(大腿リンク12に対する下腿リンク22の揺動角)、及び、大腿と下腿の長さが既知であるので、それらの値から腰位置HPを基準とした足位置xfが算出できる。
コントローラ3は、図4のステップS4において、荷重データWとともに、足位置xfのデータも記録する。さらにコントローラ3は、ステップS10において、各歩行周期における荷重の最大値Wmaxと最小値Wminを特定するとともに、足位置xfの最大値Xmaxと最小値Xminも特定する。コントローラ3は、ステップS12の処理において、最大値Xmaxの6歩行周期の平均Xmax_avと、最小値Xminの6歩行周期の平均Xmin_avを算出する。さらにコントローラ3は、ステップS16において、次の(3)式と(4)式に基づいて着地判定距離閾値Xonと離地判定距離閾値Xoffを算出する。
Xon=Xmin_av + (Xmax_av − Xmin_av) × C2 (3)
Xoff=Xmin_av + (Xmax_av − Xmin_av) × C1 (4)
ここで、C1=0.15、C2=0.60である。また、(3)式と(4)式は、係数C1とC2を含め、先に示した(1)式と(2)式と同じパターンの式である点に留意されたい。
Xoff=Xmin_av + (Xmax_av − Xmin_av) × C1 (4)
ここで、C1=0.15、C2=0.60である。また、(3)式と(4)式は、係数C1とC2を含め、先に示した(1)式と(2)式と同じパターンの式である点に留意されたい。
着地判定距離閾値Xon、離地判定距離閾値Xoffは、歩行制御における着地判定と離地判定に用いられる。コントローラ3は、支援装置100を装着した脚の足位置xfが着地判定距離閾値Xonよりも前方であること(第1条件)、及び、荷重センサによって計測された荷重が着地判定荷重閾値を超えたこと(第2条件)、の2つの条件が共に成立したタイミングを着地タイミングとして特定する。同様にコントローラ3は、支援装置100を装着した脚の足位置xfが離地判定距離閾値Xoffよりも後方であること(第3条件)、及び、荷重センサによって計測された荷重が離地判定荷重閾値を下回ったこと(第4条件)、の2つの条件が共に成立したタイミングを離地タイミングとして特定する。そしてコントローラ3は、着地タイミングを特定した時点から立脚パターンに沿って下腿リンク22を制御し、離地タイミングを特定した時点から遊脚パターンに沿って下腿リンク22を制御する。
図6に、荷重データWの変化と足位置xfの変化の関係、及び、着地閾値Won、離地閾値Woffと、着地判定距離閾値Xonと離地判定距離閾値Xoffの関係を示す。図6のグラフは、概説すると、足が離地するタイミングToffでは荷重Wが急減するとともに、足位置が最後方位置に近づいており、着地するタイミングTonでは荷重Wが急増するとともに、足位置が最前方位置に到達する、という歩行動作の特性を表している。発明者らの検討によると、(数1)〜(数4)の式、及び係数C1、C2を上記のごとく選定すると、立脚から遊脚に切り替わる際、荷重データWが最大値Wmax付近から急激に減少し、離地閾値Woffを下回るタイミングで足位置は離地判定距離閾値Xoffよりも後方となることが判明した。同様に、遊脚から立脚に切り替わる際、荷重データWが最小値Wmin付近から急激に増加し、着地閾値Wonを上回るタイミングで足位置は着地判定距離閾値Xonよりも前方となることが判明した。
着地判定距離閾値Xon、離地判定距離閾値Xoffを採用する利点は二つある。一つは、荷重閾値と距離閾値の次元の異なる2つのパラメータで着地タイミング、離地タイミングを判定することによって、判定の確実性を高めることができるという点である。すなわち誤判定の可能性を低く抑えられる。他の一つは、荷重データWがWonよりも大きい値を示しているにも関わらず足位置xfが着地判定距離閾値Xonよりも後方である、あるいは、足位置xfが離地判定距離閾値Xoffよりも前方である場合に、ユーザが歩行の意思を有していないと推定できる点にある。別言すると、歩行支援中、荷重データWがWonよりも大きく、かつ、Xoff<xf<Xonとなった場合、ユーザは歩行停止を意図していると推定することができる。そのような場合には、歩行支援の制御を行っているコントローラ3は、下腿リンク22の揺動をゆっくり停止するようモータ2を制御する。すなわち、着地判定距離閾値Xon、離地判定距離閾値Xoffを採用することによって、支援装置100は、ユーザの停止意図を推定し、歩行支援の状態から歩行停止へ速やかに移行することができる。
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成し得るものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
2:モータ
3:コントローラ
4、6:ジョイント
12:大腿リンク
22:下腿リンク
32:足リンク
33:インソール
34:荷重センサ
100:歩行支援装置
3:コントローラ
4、6:ジョイント
12:大腿リンク
22:下腿リンク
32:足リンク
33:インソール
34:荷重センサ
100:歩行支援装置
Claims (5)
- ユーザの大腿に装着される大腿リンクと、
大腿リンクに揺動可能に連結されておりユーザの下腿に装着される下腿リンクと、
下腿リンクを揺動させるアクチュエータと、
下腿リンクを装着した脚の足裏に加わる荷重を検知する荷重センサと、
ユーザの歩行動作中に荷重センサによって計測された荷重が着地判定荷重閾値を超えたタイミングに基づいてアクチュエータを制御するコントローラと、
を備えており、
コントローラは、以下の処理を含む着地判定荷重閾値の調整モード、すなわち、
(1)下腿リンクの揺動角を予め定められた調整モード角度に維持する揺動角固定処理;
(2)揺動角を調整モード角度に維持した状態でユーザが歩行している間に荷重センサによって計測される1歩行周期中の荷重の最大値と最小値を特定する最大最小荷重特定処理;
(3)特定された荷重の最大値と最小値に基づいて着地判定荷重閾値を決定する閾値決定処理;
を実行することを特徴とする歩行支援装置。 - コントローラは、
最大最小荷重特定処理において、予め定められた歩数分について各歩行周期中の荷重の最大値と最小値を特定し、特定された複数歩行周期の荷重最大値の平均と荷重最小値の平均を算出し、
閾値決定処理において、特定された荷重の最大値の平均と最小値の平均に基づいて着地判定荷重閾値を決定する、
ことを特徴とする請求項1に記載の歩行支援装置。 - コントローラは、閾値決定処理において、荷重の最大値の平均と最小値の平均との差分に予め定められた係数(第1係数)を乗じた値に荷重の最小値の平均を加えた値を着地判定荷重閾値として決定することを特徴とする請求項2に記載の歩行支援装置。
- コントローラは、閾値決定処理において、荷重の最大値の平均と最小値の平均との差分に予め定められた係数であって第1係数よりも大きい第2係数を乗じた値に荷重の最小値の平均を加えた値を離地判定荷重閾値として決定し、
コントローラは、歩行中に荷重が離地判定閾値を下回ったタイミングに基づいてアクチュエータを制御することを特徴とする請求項3に記載の歩行支援装置。 - コントローラは、ユーザの腰位置に対する下腿リンクを装着した脚の足位置が着地判定距離閾値よりも前方にあるという第1条件、及び、荷重センサによって計測された荷重が着地判定荷重閾値を超えたという第2条件、の両条件が成立したタイミングに基づいてアクチュエータを制御する、ことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の歩行支援装置。
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---|---|---|---|
JP2011107487A JP2012235929A (ja) | 2011-05-12 | 2011-05-12 | 歩行支援装置 |
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JP2011107487A JP2012235929A (ja) | 2011-05-12 | 2011-05-12 | 歩行支援装置 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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-
2011
- 2011-05-12 JP JP2011107487A patent/JP2012235929A/ja not_active Withdrawn
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