JP2012234990A - p型拡散層形成組成物、p型拡散層の製造方法、及び太陽電池素子の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明のp型拡散層形成組成物は、アクセプタ元素を含むガラス粉末と、硬化性樹脂と、を含有する。このp型拡散層形成組成物を塗布し熱拡散処理を施すことで、p型拡散層、及びp型拡散層を有する太陽電池素子が製造される。
【選択図】なし
Description
まず、光閉じ込め効果を促して高効率化を図るよう、テクスチャー構造を形成したp型シリコン基板を準備し、続いてオキシ塩化リン(POCl3)、窒素、酸素の混合ガス雰囲気において800℃〜900℃で数十分の処理を行って一様にn型拡散層を形成する。この従来の方法では、混合ガスを用いてリンの拡散を行うため、表面のみならず、側面、裏面にもn型拡散層が形成される。そのため、側面のn型拡散層を除去するためのサイドエッチングを行う。また、裏面のn型拡散層はp+型拡散層へ変換する必要があり、裏面にアルミペーストを印刷し、これを焼成して、n型拡散層をp+型拡散層にするのと同時に、オーミックコンタクトを得ている。
本発明は、以上の従来の問題点に鑑みなされたものであり、シリコン基板を用いた太陽電池素子の製造工程において、シリコン基板中の内部応力、基板の反りを発生させることなくp型拡散層を形成することが可能なp型拡散層形成組成物、p型拡散層の製造方法、及び太陽電池素子の製造方法の提供を課題とする。
<1> アクセプタ元素を含むガラス粉末と、硬化性樹脂と、を含有するp型拡散層形成組成物。
<2> さらに、熱硬化剤又は光硬化剤を含有する<1>に記載のp型拡散層形成組成物。
<3> 前記アクセプタ元素が、B(ほう素)、Al(アルミニウム)及びGa(ガリウム)から選択される少なくとも1種である前記<1>に記載のp型拡散層形成組成物。
<4> 前記アクセプタ元素を含むガラス粉末が、B2O3、Al2O3及びGa2O3から選択される少なくとも1種のアクセプタ元素含有物質と、SiO2、K2O、Na2O、Li2O、BaO、SrO、CaO、MgO、BeO、ZnO、PbO、CdO、、V2O5、SnO、ZrO2及びMoO3から選択される少なくとも1種のガラス成分物質と、を含有する前記<1>または<3>に記載のp型拡散層形成組成物。
<6> 半導体基板上に、前記<1>〜<4>のいずれかに記載のp型拡散層形成組成物を塗布する工程と、前記硬化性樹脂を硬化する工程と、熱拡散処理を施して、p型拡散層を形成する工程と、形成された前記p型拡散層上に電極を形成する工程と、
を有する太陽電池素子の製造方法。
本明細書において「工程」との語は、独立した工程だけではなく、他の工程と明確に区別できない場合であってもその工程の所期の作用が達成されれば、本用語に含まれる。また本明細書において「〜」を用いて示された数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値をそれぞれ最小値および最大値として含む範囲を示す。
ここで、p型拡散層形成組成物とはアクセプタ元素を含むガラス粉末を含有し、シリコン基板に塗布した後にこのアクセプタ元素を熱拡散することでp型拡散層を形成することが可能な材料をいう。アクセプタ元素をガラス粉末中に含むp型拡散層形成組成物を用いることで、p+型拡散層形成工程とオーミックコンタクト形成工程とを分離でき、オーミックコンタクト形成のための電極材の選択肢が広がるとともに、電極の構造の選択肢も広がる。例えば銀等の低抵抗材を電極に用いれば薄い膜厚で低抵抗が達成できる。また、電極も全面に形成する必要はなく、櫛型等の形状のように部分的に形成してもよい。以上のように薄膜あるいは櫛型形状等の部分的形状にすることで、シリコン基板中の内部応力、基板の反りの発生を抑えながらp型拡散層を形成することが可能となる。
更に、ガラス粉末中のアクセプタ元素は焼成中でも揮散しにくいため、揮散ガスの発生によって所望の領域以外にまでp型拡散層が形成されるということが抑制される。
アクセプタ元素とは、シリコン基板中にドーピングさせることによってp型拡散層を形成することが可能な元素である。アクセプタ元素としては第13族の元素が使用でき、例えばB(ほう素)、Al(アルミニウム)、Ga(ガリウム)等が挙げられる。
ガラス成分物質としては、SiO2、K2O、Na2O、Li2O、BaO、SrO、CaO、MgO、BeO、ZnO、PbO、CdO、V2O5、SnO、ZrO2、WO3、MoO3、MnO、La2O3、Nb2O5、Ta2O5、Y2O3、TiO2、GeO2、TeO2及びLu2O3等が挙げられ、SiO2、K2O、Na2O、Li2O、BaO、SrO、CaO、MgO、BeO、ZnO、PbO、CdO、V2O5、SnO、ZrO2及びMoO3から選択される少なくとも1種を用いることが、好ましい。
また、Al2O3−B2O3系、Ga2O3−B2O3系等のように、2種類以上のアクセプタ元素含有物質を含むガラス粉末でもよい。
上記では1成分ガラスあるいは2成分を含む複合ガラスを例示したが、B2O3−SiO2−Na2O等、3成分以上の物質を含むガラス粉末でもよい。
ここで、ガラスの粒径は、平均粒子径を表し、レーザー散乱回折法粒度分布測定装置等により測定することができる。
最初に原料を秤量し、るつぼに充填する。るつぼの材質としては白金、白金―ロジウム、イリジウム、アルミナ、石英、炭素等が挙げられるが、溶融温度、雰囲気、溶融物質との反応性等を考慮して適宜選ばれる。
次に、電気炉でガラス組成に応じた温度で加熱し融液とする。このとき融液が均一となるよう攪拌することが望ましい。
続いて得られた融液をジルコニア基板やカーボン基板等の上に流し出して融液をガラス化する。
最後にガラスを粉砕し粉末状とする。粉砕にはジェットミル、ビーズミル、ボールミル等公知の方法が適用できる。
p型拡散層形成組成物を塗布して塗膜を形成した後、硬化性樹脂を硬化させることで、例えばエタノールなどのアルコール系溶剤を塗膜に付与した場合であっても塗膜の形状を維持することができ、所望の形状にp型拡散層を形成することができる。
熱硬化性樹脂組成物は硬化性樹脂と熱硬化剤とを含んで構成され、光硬化性樹脂組成物は硬化性樹脂と光硬化剤とを含んで構成される。
このような硬化性樹脂としては、例えばアクリル系樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、アルキッド樹脂等を挙げることができる。
ポリオール(A)は、2以上のアルコール性水酸基を含む化合物であり、例えば、トリメチロールプロパン、プロパン−1,2,3−トリオール、1,4−ブタンジオール、1,3−プロパンジオール、ポリカプロラクトンジオール、ポリカプロラクトントリオール、ポリカーボネートジオール、ポリカーボネートトリオール、ポリエステルジオール、ポリエーテルジオールが挙げられる。これらのポリオールは、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
イソシアネート(B)としては、例えば、1,3−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、ノルボルネンジイソシアネート(2,5−(2,6)ビスイソシアネトメチル[2,2,1]ヘプタン)、イソホロンジイソシアネート、4,4’−メチレンビス(シルロヘキシルイソシアネート)、イソプロピリデンビス(4−シクロヘキシルイソシアネート)、シクロヘキシルジイソシアネート等が挙げられる。
これらのイソシアネートは、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることがで
きる。
硬化性樹脂の重量平均分子量は特に制限されず、組成物としての所望の粘度に鑑みて適宜調整することが望ましい。
重量平均分子量は溶剤への溶解性と溶解物のハンドリング性の観点から、5000〜500000が好ましく、10000〜200000がより好ましく、20000〜100000がもっとも好ましい。
重量平均分子量は、例えばGPC法によって測定することができる。
硬化性樹脂の含有量は、この範囲とすることでガラス粉を半導体基板上に固着させ、かつ十分な量のアクセプタ元素を拡散に寄与させることができ、好ましい。
熱硬化剤の含有量は、この範囲とすることで、p型拡散層形成組成物の塗膜強度を十分に保つことができるため、好ましい。
これらの不飽和結合を有する単量体は、いずれにしても、光照射によりラジカル重合するものであればよく、また、これらの不飽和結合を有する単量体は、単独で又は2種類以上を組み合わせて使用される。
光硬化剤を構成しうる(b)少なくとも一種類以上の重合可能なモノマ又はオリゴマーの含有量は、p型拡散層形成組成物の塗膜強度を得るために、p型拡散層形成組成物中の固形分総量の0.05質量%〜10重量%とすることが好ましく、0.1質量%〜1重量%であることがより好ましい。
これらの重合開始剤は単独で又は2種類以上を組み合わせて使用される。
光硬化剤を構成しうる(c)重合開始剤の含有量は、p型拡散層形成組成物の塗膜膜厚方向に十分な量の活性エネルギー線が届くようにする観点より、p型拡散層形成組成物中の固形分総量の0.0005質量%〜0.05重量%とすることが好ましく、0.001質量%〜0.01重量%であることがより好ましい。
これらは1種類を単独で又は2種類以上を組み合わせて使用される。
重量平均分子量は溶剤への溶解性と溶解物のハンドリング性の観点から、5000〜500000が好ましく、10000〜200000がより好ましく、20000〜100000がもっとも好ましい。
溶剤としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチル−n−プロピルケトン、メチル−iso−プロピルケトン、メチル−n−ブチルケトン、メチル−iso−ブチルケトン、メチル−n−ペンチルケトン、メチル−n−ヘキシルケトン、ジエチルケトン、ジプロピルケトン、ジ−iso−ブチルケトン、トリメチルノナノン、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、メチルシクロヘキサノン、2,4−ペンタンジオン、アセトニルアセトン等のケトン系溶剤;ジエチルエーテル、メチルエチルエーテル、メチル−n−プロピルエーテル、ジ−iso−プロピルエーテル、テトラヒドロフラン、メチルテトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメチルジオキサン、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジ−n−プロピルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、ジエチレングリコールメチル−n−プロピルエーテル、ジエチレングリコールメチル−n−ブチルエーテル、ジエチレングリコールジ−n−プロピルエーテル、ジエチレングリコールジ−n−ブチルエーテル、ジエチレングリコールメチル−n−ヘキシルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジエチルエーテル、トリエチレングリコールメチルエチルエーテル、トリエチレングリコールメチル−n−ブチルエーテル、トリエチレングリコールジ−n−ブチルエーテル、トリエチレングリコールメチル−n−ヘキシルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、テトラエチレングリコールジエチルエーテル、テトラジエチレングリコールメチルエチルエーテル、テトラエチレングリコールメチル−n−ブチルエーテル、ジエチレングリコールジ−n−ブチルエーテル、テトラエチレングリコールメチル−n−ヘキシルエーテル、テトラエチレングリコールジ−n−ブチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールジ−n−プロピルエーテル、プロピレングリコールジブチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールジエチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエチルエーテル、ジプロピレングリコールメチル−n−ブチルエーテル、ジプロピレングリコールジ−n−プロピルエーテル、ジプロピレングリコールジ−n−ブチルエーテル、ジプロピレングリコールメチル−n−ヘキシルエーテル、トリプロピレングリコールジメチルエーテル、トリプロピレングリコールジエチルエーテル、トリプロピレングリコールメチルエチルエーテル、トリプロピレングリコールメチル−n−ブチルエーテル、トリプロピレングリコールジ−n−ブチルエーテル、トリプロピレングリコールメチル−n−ヘキシルエーテル、テトラプロピレングリコールジメチルエーテル、テトラプロピレングリコールジエチルエーテル、テトラジプロピレングリコールメチルエチルエーテル、テトラプロピレングリコールメチル−n−ブチルエーテル、ジプロピレングリコールジ−n−ブチルエーテル、テトラプロピレングリコールメチル−n−ヘキシルエーテル、テトラプロピレングリコールジ−n−ブチルエーテル等のエーテル系溶剤;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−プロピル、酢酸i−プロピル、酢酸n−ブチル、酢酸i−ブチル、酢酸sec−ブチル、酢酸n−ペンチル、酢酸sec−ペンチル、酢酸3−メトキシブチル、酢酸メチルペンチル、酢酸2−エチルブチル、酢酸2−エチルヘキシル、酢酸2−(2−ブトキシエトキシ)エチル、酢酸ベンジル、酢酸シクロヘキシル、酢酸メチルシクロヘキシル、酢酸ノニル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、酢酸ジエチレングリコールメチルエーテル、酢酸ジエチレングリコールモノエチルエーテル、酢酸ジプロピレングリコールメチルエーテル、酢酸ジプロピレングリコールエチルエーテル、ジ酢酸グリコール、酢酸メトキシトリグリコール、プロピオン酸エチル、プロピオン酸n−ブチル、プロピオン酸i−アミル、シュウ酸ジエチル、シュウ酸ジ−n−ブチル、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸n−ブチル、乳酸n−アミル、エチレングリコールメチルエーテルプロピオネート、エチレングリコールエチルエーテルプロピオネート、エチレングリコールメチルエーテルアセテート、エチレングリコールエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールプロピルエーテルアセテート、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン等のエステル系溶剤;アセトニトリル、N−メチルピロリジノン、N−エチルピロリジノン、N−プロピルピロリジノン、N−ブチルピロリジノン、N−ヘキシルピロリジノン、N−シクロヘキシルピロリジノン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド等の非プロトン性極性溶剤;メタノール、エタノール、n−プロパノール、i−プロパノール、n−ブタノール、i−ブタノール、sec−ブタノール、t−ブタノール、n−ペンタノール、i−ペンタノール、2−メチルブタノール、sec−ペンタノール、t−ペンタノール、3−メトキシブタノール、n−ヘキサノール、2−メチルペンタノール、sec−ヘキサノール、2−エチルブタノール、sec−ヘプタノール、n−オクタノール、2−エチルヘキサノール、sec−オクタノール、n−ノニルアルコール、n−デカノール、sec−ウンデシルアルコール、トリメチルノニルアルコール、sec−テトラデシルアルコール、sec−ヘプタデシルアルコール、フェノール、シクロヘキサノール、メチルシクロヘキサノール、ベンジルアルコール、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、トリプロピレングリコール等のアルコール系溶剤;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−ヘキシルエーテル、エトキシトリグリコール、テトラエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル等のグリコールモノエーテル系溶剤;α−テルピネン、α−テルピネオール、ミルセン、アロオシメン、リモネン、ジペンテン、α−ピネン、β−ピネン、ターピネオール、カルボン、オシメン、フェランドレン等のテルペン系溶剤;水が挙げられる。これらは1種類を単独で又は2種類以上を組み合わせて使用される。
p型拡散層形成組成物とした場合、基板への塗布性の観点から、ジプロピレングリコールメチルエーテルアセテート、α−テルピネオール、酢酸2−(2−ブトキシエトキシ)エチルが好ましい溶剤として挙げられる。
n型拡散層形成組成物の粘度は、塗布性を考慮して、10mPa・S以上1000000mPa・S以下であることが好ましく、50mPa・S以上500000mPa・S以下であることがより好ましい。
粘度は、例えばE型粘度計を用いて25℃、5rpmで測定することができる。
詳細には、インゴットからスライスした際に発生するシリコン表面のダメージ層を20質量%苛性ソーダで除去する。次いで1質量%苛性ソーダと10質量%イソプロピルアルコールの混合液によりエッチングを行い、テクスチャー構造を形成する。太陽電池素子は、受光面(表面)側にテクスチャー構造を形成することにより、光閉じ込め効果が促され、高効率化が図られる。
上記p型拡散層形成組成物の塗布量としては特に制限は無いが、例えば、ガラス粉末量として0.01g/m2〜100g/m2とすることができ、0.1g/m2〜10g/m2であることが好ましい。
熱拡散処理時間は、p型拡散層形成組成物に含まれるアクセプタ元素の含有率に応じて適宜選択することができる。例えば、1分間〜60分間とすることができ、2分間〜30分間であることがより好ましい。
硬化性樹脂に加えて、熱硬化剤を用いた場合には、予備加熱を施すことで硬化性樹脂を硬化することができる。
予備加熱をする場合の温度としては、好ましくは50℃〜300℃であり、より好ましくは100℃〜250℃である。
予備加熱を施す時間は、量産時においても十分な硬化反応が得られる範囲であればよく、例えば、5分間〜30分間とすることができ、10分間〜20分間であることがより好ましい。
一方、硬化性樹脂に加えて、光硬化剤を用いた場合には、活性エネルギー線を用いて硬化することができる。活性エネルギー線は、公知の活性光源を用いて照射することができる。活性光源としては、例えば、カーボンアーク灯、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、及びキセノンランプが挙げられる。活性光線の照射量は、通常、0.005J/cm2〜1J/cm2で行う。また、光線照射後に、さらに予備加熱を施してもよい。予備加熱の条件は上記と同様である。
この内部応力は、結晶の結晶粒界に損傷を与え、電力損失が大きくなるという課題があった。また、反りは、モジュール工程における太陽電池素子の搬送や、タブ線と呼ばれる銅線との接続において、太陽電池素子を破損させ易くしていた。近年では、スライス加工技術の向上から、シリコン基板の厚みが薄型化されつつあり、更に太陽電池素子が割れ易い傾向にある。
より具体的には、上記混合ガス流量比NH3/SiH4が0.05〜1.0、反応室の圧力が0.1Torr〜2Torr、成膜時の温度が300℃〜550℃、プラズマの放電のための周波数が100kHz以上の条件下で形成される。
このような表面電極は、例えば、上述の金属ペーストのスクリーン印刷、又は電極材料のメッキ、高真空中における電子ビーム加熱による電極材料の蒸着などの手段により形成することができる。バスバー電極とフィンガー電極とからなる表面電極は受光面側の電極として一般的に用いられていて周知であり、受光面側のバスバー電極及びフィンガー電極の公知の形成手段を適用することができる。
n型拡散層の形成にn型拡散層形成組成物を用いる方法では、まず、p型半導体基板の表面である受光面にn型拡散層形成組成物を塗布し、裏面に本発明のp型拡散層形成組成物を塗布し、600℃〜1200℃で熱拡散処理する。この熱拡散処理により、表面ではp型半導体基板中へドナー元素が拡散してn型拡散層が形成され、裏面ではアクセプタ元素が拡散してp+型拡散層が形成される。この工程以外は上記方法と同様の工程により、太陽電池素子が作製される。
B2O3−SiO2−R2O(R:Na,K,Li)系ガラス粉末(商品名:TMX−
404、東罐マテリアル・テクノロジー(株)社製)20g、メチルメタクリレート(60質量部):N-シクロヘキシルマレイミド(10質量部):2−ヒドロキシエチルアクリレート(30質量部)からなるアクリル系共重合体(重量平均分子量50000)0.3g、N,N,N',N',N'',N''-ヘキサブトキシメチルメラミン0.1gおよび酢酸2−(2−ブトキシエトキシ)エチル10gを、自動乳鉢混練装置を用いて混合してペースト化し、p型拡散層形成組成物を調製した。
次に、調製したペーストをスクリーン印刷によって表面にn型層が形成されたp型シリコン基板表面に塗布して塗膜を形成し、150℃のホットプレート上で5分間乾燥させて塗膜を硬化させた。
続いて塗膜にエタノールをかけて表面を洗浄し、大気下にて乾燥した。塗膜の形状は維持されており、塗膜領域の拡大等の変化はなかった。
続いて、1000℃に設定した電気炉で30分間熱拡散処理を行い、その後ガラス層を除去するため基板をふっ酸に5分間浸漬し、流水洗浄、乾燥を行った。
メチルメタクリレート(60質量部):N-シクロヘキシルマレイミド(10質量部):2−ヒドロキシエチルアクリレート(30質量部)からなるアクリル系共重合体(重量平均分子量50000)の代わりに、硬化性樹脂としてエチルセルロース(エチル化度50%、重量平均分子量50,000)を用いた以外は実施例1と同様にしてp型拡散層形成組成物を調製した。
次に、調製したペーストをスクリーン印刷によって表面にn型層が形成されたp型シリコン基板表面に塗布して塗膜を形成し、150℃のホットプレート上で5分間乾燥さて塗膜を硬化させた。
続いて塗膜にエタノールをかけて表面を洗浄し、大気下にて乾燥した。塗膜の形状は維持されており、塗膜領域の拡大等の変化はなかった。
続いて、1000℃に設定した電気炉で30分間熱拡散処理を行い、その後ガラス層を除去するため基板をふっ酸に5分間浸漬し、流水洗浄、乾燥を行った。
p型拡散層形成組成物を塗布した側の表面のシート抵抗は190Ω/□であり、B(ほう素)が拡散しp型拡散層が形成されていた。
B2O3−SiO2−R2O(R:Na,K,Li)系ガラス粉末(商品名:TMX−
404、東罐マテリアル・テクノロジー(株)社製)20g、メチルメタクリレート(60質量部):N-シクロヘキシルマレイミド(10質量部):2−ヒドロキシエチルアクリレート(30質量部)からなるアクリル系共重合体(重量平均分子量50000)0.3g、ペンタエリスリトールトリアクリレート0.1g、重合開始剤としてN,N′−テトラエチル−4,4′−ジアミノベンゾフェノン0.001gおよび酢酸2−(2−ブトキシエトキシ)エチル7gを、自動乳鉢混練装置を用いて混合してペースト化し、p型拡散層形成組成物を調製した。
調製したペーストをスクリーン印刷によって表面にn型層が形成されたp型シリコン基板表面に塗布して塗膜を形成し、塗膜の上方から0.06J/cm2の紫外線を照射した後、200℃のホットプレート上で10分間加熱して塗膜を硬化させた。
続いて塗膜にエタノールをかけて表面を洗浄し、大気下にて乾燥した。塗膜の形状は維持されており、塗膜領域の拡大等の変化はなかった。
次に、1000℃に設定した電気炉で10分間熱拡散処理を行い、その後ガラス層を除
去するため基板をふっ酸に5分間浸漬し、流水洗浄、乾燥を行った。
B2O3−SiO2−R2O(R:Na,K,Li)系ガラス粉末20g、エチルセルロース(エチル化度50%、重量平均分子量50,000)0.3gおよび酢酸2−(2−ブトキシエトキシ)エチル7gを、自動乳鉢混練装置を用いて混合してペースト化し、p型拡散層形成組成物を調製した。
次に、調製したペーストをスクリーン印刷によって表面にn型層が形成されたp型シリコン基板表面に塗布して塗膜を形成し、200℃のホットプレート上で10分間加熱して塗膜を熱硬化させた。
続いて塗膜にエタノールをかけて、大気下にて乾燥したところ、塗膜の表面が白く荒れて、塗膜の領域が拡大していた。
続いて、1000℃に設定した電気炉で10分間熱拡散処理を行い、その後ガラス層を除去するため基板をふっ酸に5分間浸漬し、流水洗浄を行った。表面に若干の付着物があったが、ウエスで擦ることで容易に除去できた。流水洗浄の後は大気下で乾燥した。
その結果、拡大された領域全体にp型拡散層が形成されていた。
比較例1のエチルセルロースをポリビニルアルコール(分子量50000)とした以外は比較例1と同様にn型拡散層形成組成物を調製した。
次に、調製したペーストをスクリーン印刷によって表面にn型層が形成されたp型シリコン基板表面に塗布し、塗膜の上方から0.06J/cm2の紫外線を照射した後、200℃のホットプレート上で10分間乾燥させた。
続いて塗膜にエタノールをかけて、大気下にて乾燥したところ、塗膜の表面が白く荒れて、塗膜の領域が拡大していた。
続いて、1000℃に設定した電気炉で10分間熱拡散処理を行い、その後ガラス層を除去するため基板をふっ酸に5分間浸漬し、流水洗浄を行った。表面に若干の付着物があったが、ウエスで擦ることで容易に除去できた。流水洗浄の後は大気下で乾燥した。
その結果、拡大された領域全体にp型拡散層が形成されていた。
Claims (6)
- アクセプタ元素を含むガラス粉末と、硬化性樹脂と、を含有するp型拡散層形成組成物。
- さらに、熱硬化剤又は光硬化剤を含有する請求項1に記載のp型拡散層形成組成物。
- 前記アクセプタ元素が、B(ほう素)、Al(アルミニウム)及びGa(ガリウム)から選択される少なくとも1種である請求項1に記載のp型拡散層形成組成物。
- 前記アクセプタ元素を含むガラス粉末が、B2O3、Al2O3及びGa2O3から選択される少なくとも1種アクセプタ元素含有物質と、SiO2、K2O、Na2O、Li2O、BaO、SrO、CaO、MgO、BeO、ZnO、PbO、CdO、V2O5、SnO、ZrO2及びMoO3から選択される少なくとも1種のガラス成分物質と、を含有する請求項1又は請求項3に記載のp型拡散層形成組成物。
- 半導体基板上に、請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載のp型拡散層形成組成物を塗布する工程と、前記硬化性樹脂を硬化する工程と、熱拡散処理を施す工程と、を有するp型拡散層の製造方法。
- 半導体基板上に、請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載のp型拡散層形成組成物を塗布する工程と、前記硬化性樹脂を硬化する工程と、熱拡散処理を施して、p型拡散層を形成する工程と、
形成された前記p型拡散層上に電極を形成する工程と、
を有する太陽電池素子の製造方法。
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