JP2012234750A - 燃料電池および燃料電池システム - Google Patents

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Abstract

【課題】酸化剤ガスおよび燃料ガスのシールを容易かつ確実に行うことができる燃料電池および燃料電池システムを提供する
【解決手段】空気(酸化剤ガス)と水素(燃料ガス)との電気化学反応により電気エネルギを発生させる燃料電池構造体10を有する燃料電池において、燃料電池構造体10に、空気が流れるとともに、一端側に第1開口部21が形成され且つ他端側が閉塞された空気流路2と、水素が流れるとともに、一端側に第2開口部31が形成され且つ他端側が閉塞された水素流路3と、空気流路2の内壁面に設けられた空気極22と、水素流路3の内壁面に設けられた水素極32と、一面が空気極22と接触するとともに、他面が水素極32と接触するように設けられた固体電解質体12とを設ける。
【選択図】図3

Description

本発明は、酸化剤ガスと燃料ガスとの電気化学反応により電気エネルギを発生させる燃料電池および燃料電池システムに関するものである。
従来、固体酸化物型燃料電池(以下、SOFCともいう)は、電解質に薄膜化されたYドープZrO(YSZ)、燃料極にNi/ZrOサーメット、酸素極にLaSrMnO等の酸化物導電材料をそれぞれ用いた薄膜の単電池となっており、大出力化を図るために単電池を積層構造としたものが数多く提案されている(例えば、特許文献1参照)。
また、固体酸化物とインターコネクタとを一体化したハニカム構造体を備え、当該ハニカム構造体の各開口内の壁面に電極を設けたものも提案されている(例えば、特許文献2参照)。
特開平4−342439号公報 特開2000−123847号公報
ところで、上記特許文献1に記載のSOFCでは、燃料電池とガス(燃料ガスおよび酸化剤ガス)を供給、排出するためのマニホールドとの接続面において、シールを行う必要がある。
しかしながら、上記特許文献1に記載のSOFCでは、燃料ガスおよび酸化剤ガスのそれぞれで、供給マニホールドおよび排出マニホールドが必要となるため、SOFCとマニホールドの接続面が広くなり、シールを確実に行うことができない問題が生じる。また、SOFCでは、700〜1000℃程度の高温作動を必要とすることから熱膨張が大きく、上記特許文献1に記載のSOFCではマニホールド接続部が多く、拘束点が増えることでシール部の損傷が生じやすい。
さらに、上記特許文献2のようなハニカム構造体のSOFCにおいては、同じ面上に燃料ガスおよび酸化剤ガスの複数の貫通孔が必要となることから、シールが必要な部位の長さが上記特許文献1に記載のSOFC以上に長くなり、酸化剤ガスおよび燃料ガスのシールを確実に行うことが非常に困難である。
本発明は上記点に鑑みて、酸化剤ガスおよび燃料ガスのシールを容易かつ確実に行うことができる燃料電池および燃料電池システムを提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、酸化剤ガスと燃料ガスとの電気化学反応により電気エネルギを発生させる燃料電池構造体(10)を有する燃料電池において、燃料電池構造体(10)は、酸化剤ガスが流れるとともに、一端側に第1開口部(21)が形成され且つ他端側が閉塞された酸化剤ガス流路(2)と、燃料ガスが流れるとともに、一端側に第2開口部(31)が形成され且つ他端側が閉塞された燃料ガス流路(3)と、酸化剤ガス流路(2)の内壁面に設けられた酸化剤極(22)と、燃料ガス流路(3)の内壁面に設けられた燃料極(32)と、一面が酸化剤極(22)と接触するとともに、他面が燃料極(32)と接触するように設けられた固体電解質体(12)とを備えることを特徴とする。
このように、一端側に第1開口部(21)が形成され且つ他端側が閉塞された酸化剤ガス流路(2)を備えることで、酸化剤ガスは第1開口部(21)から酸化剤ガス流路(2)内に流入するとともに当該第1開口部(21)から酸化剤ガス流路(2)外へ流出する。すなわち、第1開口部(21)が、酸化剤ガス流路(2)に酸化剤ガスを流入させる酸化剤ガス流入口、および酸化剤ガス流路(2)から酸化剤ガスを流出させる酸化剤ガス流出口の双方として機能する。
このため、第1開口部(21)のシールを行うだけで、酸化剤ガス流入口および酸化剤ガス流出口の双方のシールを行うことができる。したがって、酸化剤ガス流入口および酸化剤ガス流出口の双方のシールを別々に行う場合と比較して、シールが必要な部位の長さを短くすることができる。これにより、酸化剤ガスのシールを容易かつ確実に行うことができる。
同様に、一端側に第2開口部(31)が形成され且つ他端側が閉塞された燃料ガス流路(3)を備えることで、燃料ガスは第2開口部(31)から燃料ガス流路(3)内に流入するとともに当該第2開口部(31)から燃料ガス流路(3)外へ流出する。すなわち、第2開口部(31)が、燃料ガス流路(3)に燃料ガスを流入させる燃料ガス流入口、および燃料ガス流路(3)から燃料ガスを流出させる燃料ガス流出口の双方として機能する。
このため、第2開口部(31)のシールを行うだけで、燃料ガス流入口および燃料ガス流出口の双方のシールを行うことができる。したがって、燃料ガス流入口および燃料ガス流出口の双方のシールを別々に行う場合と比較して、シールが必要な部位の長さを短くすることができる。これにより、燃料ガスのシールを容易かつ確実に行うことができる。
したがって、酸化剤ガスおよび燃料ガスのシールを容易かつ確実に行うことが可能となる。
また、請求項2に記載の発明では、請求項1に記載の燃料電池において、酸化剤ガス流路(2)の第1開口部(21)は、燃料電池構造体(10)の一側に設けられており、燃料ガス流路(3)の第2開口部(31)は、燃料電池構造体(10)の他側に設けられていることを特徴とする。
これによれば、燃料電池構造体(10)の一側には第1開口部(21)のみが存在し、第2開口部(31)は存在しないので、燃料電池構造体(10)の一側においては酸化剤ガスのみが流入出する。また、燃料電池構造体(10)の他側には第2開口部(31)のみが存在し、第1開口部(21)は存在しないので、燃料電池構造体(10)の他側においては燃料ガスのみが流入出する。
つまり、燃料電池構造体(10)の一側からは酸化剤ガスのみを流出入させ、燃料電池構造体(10)の他側からは燃料ガスのみを流出入させることができる。したがって、酸化剤ガスおよび燃料ガス間のシールを容易かつ確実に行うことが可能となる。
また、請求項3に記載の発明では、請求項2に記載の燃料電池において、燃料電池構造体(10)は、外周壁(11)と、外周壁(11)の内側においてハニカム状に設けられた隔壁(12)と、隔壁(12)で区画されるとともに一端から他端に向かって延伸する複数の貫通孔(13)とを有するハニカム構造体であり、隔壁(12)は、固体電解質により形成されており、複数の貫通孔(13)の一端または他端は、封止されており、一端が封止された貫通孔(13)により、酸化剤ガス流路(2)が構成されており、他端が封止された貫通孔(13)により、燃料ガス流路(3)が構成されていることを特徴とする。
このように、燃料電池構造体(10)をハニカム構造体とすることで、隔壁(12)が燃料電池セル同士を接合する接合部材であるインターコネクタおよび固体電解質体の双方の機能を果たす。つまり、インターコネクタと固体電解質体とを一体化することができる。したがって、酸化剤極、燃料極および固体電解質等で構成される燃料電池セルをインターコネクタを介して複数接合する燃料電池に対して、燃料電池の体格を小型化することが可能となる。
また、請求項4に記載の発明では、請求項1ないし3のいずれか1つに記載の燃料電池を備える燃料電池システムにおいて、燃料電池(1)の酸化剤ガス流路(2)に酸化剤ガスを供給する酸化剤ガス供給手段(51、52)と、酸化剤ガス供給手段(51、52)から燃料電池(1)に供給された酸化剤ガスのうち、電気化学反応に用いられなかった未反応の酸化剤ガスを含んだオフ酸化剤ガスを燃料電池(1)の酸化剤ガス流路(2)から排出させるオフ酸化剤ガス排出手段(71、72)と、燃料電池(1)の燃料ガス流路(3)に燃料ガスを供給する燃料ガス供給手段(61〜63)と、燃料ガス供給手段(61〜63)から燃料電池(1)に供給された燃料ガスのうち、電気化学反応に用いられなかった未反応の燃料ガスを含んだオフ燃料ガスを燃料電池(1)の燃料ガス流路(3)から排出させるオフ燃料ガス排出手段(81、82)とを備えることを特徴とする。
これによれば、酸化剤ガス供給手段(51、52)により酸化剤ガス流路(2)に酸化剤ガスを供給するとともに、燃料ガス供給手段(61〜63)により燃料ガス流路(3)に燃料ガスを供給した後、例えば所定時間経過後に、オフ酸化剤ガス排出手段(71、72)により酸化剤ガス流路(2)からオフ酸化剤ガスを排出させるとともに、オフ燃料ガス排出手段(81、82)により燃料ガス流路(3)からオフ燃料ガスを排出することができる。
すなわち、バッチ処理により、酸化剤ガス流路(2)への酸化剤ガスの供給と、酸化剤ガス流路(2)からのオフ酸化剤ガスの排出を行うことができる。同様に、バッチ処理により、燃料ガス流路(3)への燃料ガスの供給と、燃料ガス流路(3)からのオフ酸化剤ガスの排出を行うことができる。
また、請求項5に記載の発明では、請求項4に記載の燃料電池システムにおいて、さらに、酸化剤ガス流路(2)および燃料ガス流路(3)の少なくとも一方における電気化学反応で生じた反応ガスの濃度を検出する反応ガス濃度検出手段(33)を備え、オフ酸化剤ガス排出手段(71、72)は、反応ガス濃度検出手段(33)により検出された酸化剤ガス流路(2)および燃料ガス流路(3)の少なくとも一方における反応ガスの濃度が予め定めた基準濃度を上回った場合に、酸化剤ガス流路(2)からオフ酸化剤ガスを排出し、オフ燃料ガス排出手段(81、82)は、反応ガス濃度検出手段(33)により検出された酸化剤ガス流路(2)および燃料ガス流路(3)の少なくとも一方における反応ガスの濃度が基準濃度を上回った場合に、燃料ガス流路(3)からオフ燃料ガスを排出することを特徴とする。
これによれば、酸化剤ガス流路(2)および燃料ガス流路(3)の少なくとも一方における反応ガスの濃度が基準濃度を上回った場合、すなわち燃料電池内の酸化剤ガス濃度および燃料ガス濃度の少なくとも一方が低下して燃料電池の発電効率が低下した場合に、燃料電池からオフ酸化剤ガスおよびオフ燃料ガスを排出することができる。したがって、燃料電池の低効率発電の継続を抑制できる。
また、請求項6に記載の発明では、請求項1ないし3のいずれか1つに記載の燃料電池を備える燃料電池システムにおいて、燃料電池(1)の酸化剤ガス流路(2)と連通する酸化剤ガス導入室(20)と、酸化剤ガス導入室(20)の容積を可変とする酸化剤ガス側ピストン(25)と、酸化剤ガス導入室(20)に酸化剤ガスを供給する酸化剤ガス供給流路(5)を開閉する酸化剤ガス供給側開閉手段(55)と、酸化剤ガス導入室(20)から酸化剤ガスを排出する酸化剤ガス排出流路(7)を開閉する酸化剤ガス排出側開閉手段(75)と、燃料電池(1)の燃料ガス流路(3)と連通する燃料ガス導入室(30)と、燃料ガス導入室(30)の容積を可変とする燃料ガス側ピストン(35)と、燃料ガス導入室(30)に燃料ガスを供給する燃料ガス供給流路(6)を開閉する燃料ガス供給側開閉手段(65)と、燃料ガス導入室(30)から燃料ガスを排出する燃料ガス排出流路(8)を開閉する燃料ガス排出側開閉手段(85)とを備えることを特徴とする。
これによれば、酸化剤ガス供給流路(5)を開けて酸化剤ガス導入室(20)に酸化剤ガスを供給した後、酸化剤ガス供給流路(5)を閉じた状態で酸化剤ガス側ピストン(25)を酸化剤ガス導入室(20)の容積を縮小する側に移動させることで、酸化剤ガス流路(2)に酸化剤ガスを供給することができる。同様に、燃料ガス供給流路(6)を開けて燃料ガス導入室(30)に燃料ガスを供給した後、燃料ガス供給流路(6)を閉じた状態で燃料ガス側ピストン(35)を燃料ガス導入室(30)の容積を縮小する側に移動させることで、燃料ガス流路(3)に燃料ガスを供給することができる。
そして、酸化剤ガス側ピストン(25)を酸化剤ガス導入室(20)の容積を拡大する側に移動させることで、燃料電池の酸化剤ガス流路(2)から酸化剤ガス導入室(20)にオフ酸化剤ガスを吸引する。その後、酸化剤ガス排出流路(7)を開けた状態で酸化剤ガス側ピストン(25)を酸化剤ガス導入室(20)の容積を縮小する側に移動させることで、酸化剤ガス導入室(20)からオフ外部に酸化剤ガスを排出することができる。
同様に、燃料ガス側ピストン(35)を燃料ガス導入室(30)の容積を拡大する側に移動させることで、燃料電池の燃料ガス流路(3)から燃料ガス導入室(30)にオフ燃料ガスを吸引する。その後、燃料ガス排出流路(8)を開けた状態で燃料ガス側ピストン(25)を燃料ガス導入室(20)の容積を縮小する側に移動させることで、燃料ガス導入室(20)からオフ外部に燃料ガスを排出することができる。
すなわち、バッチ処理により、酸化剤ガス流路(2)への酸化剤ガスの供給と、酸化剤ガス流路(2)からのオフ酸化剤ガスの排出を行うことができる。同様に、バッチ処理により、燃料ガス流路(3)への燃料ガスの供給と、燃料ガス流路(3)からのオフ酸化剤ガスの排出を行うことができる。
また、請求項7に記載の発明では、請求項6に記載の燃料電池システムにおいて、オフ燃料ガスを燃焼させることにより生じる燃焼エネルギを利用して、酸化剤ガス側ピストン(25)および燃料ガス側ピストン(35)の少なくとも一方を駆動することを特徴とする。これによれば、酸化剤ガス側ピストン(25)および燃料ガス側ピストン(35)の少なくとも一方を駆動するための動力を低減できる。
また、請求項8に記載の発明では、請求項6または7に記載の燃料電池システムにおいて、さらに、燃料ガス導入室(30)における燃料ガスの濃度を検出する燃料ガス濃度検出手段(33)と、酸化剤ガス導入室(20)および燃料ガス導入室(30)の少なくとも一方における電気化学反応で生じた反応ガスの濃度を検出する反応ガス濃度検出手段(33)と、酸化剤ガス側ピストン(25)、酸化剤ガス供給側開閉手段(55)、酸化剤ガス排出側開閉手段(75)、燃料ガス側ピストン(35)、燃料ガス供給側開閉手段(65)および燃料ガス排出側開閉手段(85)の作動を制御する制御手段とを備え、制御手段は、燃料ガス濃度検出手段(33)により検出された燃料ガス導入室(30)における燃料ガスの濃度が予め定めた基準燃料ガス濃度を下回った場合に、酸化剤ガス排出側開閉手段(75)によって酸化剤ガス排出流路(7)閉じ、燃料ガス排出側開閉手段(85)によって燃料ガス排出流路(8)を閉じ、酸化剤ガス供給側開閉手段(55)によって酸化剤ガス供給流路(5)を開き、燃料ガス供給側開閉手段(65)によって燃料ガス供給流路(6)を開き、酸化剤ガス側ピストン(25)を酸化剤ガス導入室(20)の容積が拡大する側に変位させ、燃料ガス側ピストン(35)を燃料ガス導入室(30)の容積が拡大する側に変位させる供給ガス吸引処理を行い、ガス吸引処理を行った後、燃料ガス濃度検出手段(33)により検出された燃料ガス導入室(30)における燃料ガスの濃度が基準燃料ガス濃度以上になった場合に、酸化剤ガス供給側開閉手段(55)によって酸化剤ガス供給流路(5)を閉じ、燃料ガス供給側開閉手段(65)によって燃料ガス供給流路(6)を閉じ、酸化剤ガス側ピストン(25)を酸化剤ガス導入室(20)の容積が縮小する側に変位させ、燃料ガス側ピストン(35)を燃料ガス導入室(30)の容積が縮小する側に変位させるガス加圧供給処理を行い、ガス加圧処理を行った後、反応ガス濃度検出手段(33)により検出された酸化剤ガス導入室(20)および燃料ガス導入室(30)の少なくとも一方における反応ガスの濃度が予め定めた基準反応ガス濃度を上回った場合に、酸化剤ガス側ピストン(25)を酸化剤ガス導入室(20)の容積が拡大する側に変位させ、燃料ガス側ピストン(35)を燃料ガス導入室(30)の容積が拡大する側に変位させる反応ガス吸引処理を行うことを特徴とする。
これによれば、ガス吸引処理により、酸化剤ガス導入室(20)に酸化剤ガスを供給するととともに、燃料ガス導入室(30)に燃料ガスを供給することができる。
また、ガス吸引処理を行った後、ガス加圧供給処理においては、酸化剤ガス側ピストン(25)を酸化剤ガス導入室(20)の容積を縮小する側に変位させることで燃料電池の酸化剤ガス流路(2)に酸化剤ガスを供給するとともに、燃料ガス側ピストン(35)を燃料ガス導入室(30)の容積を縮小する側に変位させることで燃料電池の燃料ガス流路(3)に燃料ガスを供給することができる。
また、ガス加圧供給処理を行った後、反応ガス吸引処理においては、酸化剤ガス側ピストン(25)を酸化剤ガス導入室(20)の容積を拡大する側に移動させることで燃料電池の酸化剤ガス流路(2)から酸化剤ガス導入室(20)にオフ酸化剤ガスを吸引排出させるとともに、燃料ガス側ピストン(35)を燃料ガス導入室(30)の容積を拡大する側に移動させることで燃料電池の燃料ガス流路(3)から燃料ガス導入室(30)にオフ燃料ガスを吸引排出させることができる。
したがって、バッチ処理により、燃料電池の酸化剤ガス流路(2)への酸化剤ガスの供給と、酸化剤ガス流路(2)からのオフ酸化剤ガスの排出を行うことができる。同様に、バッチ処理により、燃料電池の燃料ガス流路(3)への燃料ガスの供給と、燃料ガス流路(3)からのオフ酸化剤ガスの排出を行うことができる。
また、ガス加圧供給処理を行った後、酸化剤ガス流路(2)および燃料ガス流路(3)の少なくとも一方における反応ガスの濃度が基準反応ガス濃度を上回った場合に反応ガス吸引処理を行うことで、燃料電池内の酸化剤ガス濃度および燃料ガス濃度の少なくとも一方が低下して燃料電池の発電効率が低下した場合に、燃料電池からオフ酸化剤ガスおよびオフ燃料ガスを排出することができる。したがって、燃料電池の低効率発電の継続を抑制できる。
なお、この欄および特許請求の範囲で記載した各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
第1実施形態に係る燃料電池を示す斜視図である。 図1のA−A断面図である。 第1実施形態に係る燃料電池システムのガス加圧供給時のガス流れ等を示す模式図である。 第1実施形態に係る燃料電池システムの密閉時のガス流れ等を示す模式図である。 第1実施形態に係る燃料電池システムの反応ガス排出時のガス流れ等を示す模式図である。 第1実施形態の燃料電池システムの制御処理を示すフローチャートである。 第2実施形態に係る燃料電池システムのガス供給時のガス流れ等を示す模式図である。 第2実施形態に係る燃料電池システムのガス加圧時のガス流れ等を示す模式図である。 第2実施形態に係る燃料電池システムのガス減圧時のガス流れ等を示す模式図である。 第2実施形態に係る燃料電池システムの反応ガス排出時のガス流れ等を示す模式図である。 第2実施形態の燃料電池システムの制御処理を示すフローチャートである。 第3実施形態に係る燃料電池システムを示す模式図である。 第3実施形態の燃料電池システムの制御処理を示すフローチャートである。 他の実施形態に係る平板型燃料電池を示す断面図である。
以下、本発明の実施形態について図に基づいて説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、図中、同一符号を付してある。
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態について図1〜図6に基づいて説明する。本実施形態では、本発明に係る燃料電池システムを、燃料電池を走行用駆動源として走行する電気自動車(燃料電池自動車)に搭載したものである。本実施形態の燃料電池システムは、水素と酸素との電気化学反応を利用して電力を発生する固体酸化物型燃料電池(以下、単に燃料電池という)を備えている。
図1は本第1実施形態に係る燃料電池を示す斜視図、図2は図1のA−A断面図である。図1中、実線矢印が空気流れを示しており、破線矢印が水素流れを示している。
図1および図2に示すように、燃料電池1は、二次電池(図示略)、走行用モータ(図示略)、補機等の各種電気負荷に電力を供給するものである。本実施形態の燃料電池1は、固体酸化物型燃料電池(SOFC)を採用しており、燃料電池構造体としてのハニカム構造体10を備えている。
ハニカム構造体10は、外周壁11と、この外周壁11の内側においてハニカム状に設けられた隔壁12と、隔壁12で区画されるとともに一端から他端に向かって延伸する複数の貫通孔13とを有している。本実施形態の隔壁12は、固体酸化物により形成されている。
複数の貫通孔13の一端または他端は、固体酸化物により互い違いに封止されている。一端が封止された貫通孔13により、酸化剤ガスとしての空気が流れる空気流路2が構成されている。また、他方が封止された貫通孔13により、燃料ガスとしての水素が流れる水素流路3が構成されている。
このため、ハニカム構造体10は、当該ハニカム構造体10の一側に第1開口部21が形成され且つ他側が閉塞された空気流路2と、当該ハニカム構造体10の他側に第2開口部31(図3参照)が形成され且つ一側が閉塞された水素流路3を有している。また、図1に示すように、ハニカム構造体10の一端側から見た際に空気流路2が千鳥状に配置されているとともに、ハニカム構造体10の他端側から見た際に水素流路3が千鳥状に配置されている。
図2に示すように、空気流路2の内壁面には、空気極(正極)22が形成されている。水素流路3の内壁面には、水素極(負極)32が形成されている。このため、空気極22と水素極32とは、固体酸化物により形成された隔壁12を介して接続されている。
換言すると、空気極22と水素極32との間に配置された隔壁12は、一面が空気極22と接触するとともに、他面が水素極32と接触するように設けられている。したがって、空気極22と水素極32との間に配置された隔壁12が、本発明の固体電解質体に相当している。
空気極22は、還元触媒であれば特に限定されるものでないが、酸素の還元活性が高いという理由からランタンを含有するペロブスカイト型複合酸化物であることが好ましく、さらにはランタンマンガナイトまたはランタンコバルタイトが好ましい。また、空気極22としては、パラジウム、白金、ルテニウム、白金−ジルコニア混合粉末、パラジウム−ジルコニア混合粉末、ルテニウム−ジルコニア混合粉末、白金−酸化セリウム混合粉末、ルテニウム−酸化セリウム混合粉末などを使用することもできる。
水素極32は、酸化触媒であれば特に限定されないが、酸素イオンの酸化活性が高いという理由から、ニッケル、パラジウム、白金、ニッケル−ジルコニア混合粉末、白金−ジルコニア混合粉末、パラジウム−ジルコニア混合粉末、ニッケル−酸化セリウム混合粉末、白金−酸化セリウム混合粉末、パラジウム−酸化セリウム混合粉末、ルテニウム、ルテニウム−ジルコニア混合粉末などを使用することが好ましい。
隔壁12は、イオン導電性を有するものであれば特に限定されるものではないが、酸素イオン導電率が高いという理由からイットリア安定化ジルコニアまたはイットリア部分安定化ジルコニアを用いることが好ましい。
燃料電池1では、空気流路2を介して空気極22に酸素を含む空気が供給され、水素流路3を介して水素極32に水素が供給されることにより、以下の電気化学反応が起こり、電気エネルギが発生する。
(水素極)H+O2−→HO+2e
(空気極)1/2O+2e→O2−
なお、燃料電池1から出力される電気エネルギは、燃料電池1全体として出力される電圧を検出する電圧センサ17(図3参照)、および、燃料電池1全体として出力される電流を検出する電流センサ(図示せず)によって計測される。なお、電圧センサ17および電流センサの検出信号は、後述するシステム制御装置に入力される。
図3〜図5は本第1実施形態に係る燃料電池システムを示す模式図で、図3はガス加圧供給時を示し、図4は密閉時を示し、図5は反応ガス排出時を示している。また、図3〜図5中、実線矢印が空気流れを示しており、破線矢印が水素流れを示している。
図3〜図5に示すように、燃料電池システムには、燃料電池1の空気流路2に空気を供給するための空気供給流路5と、燃料電池1の水素流路3に水素を供給するための水素供給流路6が設けられている。空気供給流路5は、燃料電池1の全ての空気流路2と連通する空気導入室20に接続されている。水素供給流路6は、燃料電池1の全ての水素流路3と連通する水素導入室30に接続されている。
空気供給流路5の最上流部には、空気供給ポンプ51が設けられている。空気供給ポンプ51は、大気中から吸入した空気を燃料電池1に圧送する電動式のポンプであり、後述するシステム制御装置から出力される制御信号によって回転数(流量)が制御される。
空気供給流路5における空気供給ポンプ51と空気導入室20との間には、空気供給流路5を開閉する空気供給側開閉弁52が設けられている。空気供給側開閉弁52は、システム制御装置から出力される制御電圧によって、その開閉作動が制御される電磁弁である。
空気供給ポンプ51が作動するとともに空気供給側開閉弁52が開弁すると、空気供給ポンプ51から空気導入室20内へ空気が供給される。したがって、空気供給ポンプ51および空気供給側開閉弁52が、本発明の酸化剤ガス供給手段に相当している。
水素供給流路6の最上流部には、炭化水素化合物(例えばメタンガス)が充填されたガスボンベ61が設けられている。水素供給流路6におけるガスボンベの下流側には、炭化水素化合物を改質して水素リッチガスを生成する改質器62が設けられている。この改質器62は、高温での触媒反応(水蒸気改質反応)により炭化水素化合物を含む改質原料を改質して水素を発生させる。
水素供給流路6における改質器62と水素導入室30との間には、水素供給流路6を開閉する水素供給側開閉弁63が設けられている。水素供給側開閉弁63は、システム制御装置から出力される制御電圧によって、その開閉作動が制御される電磁弁である。
水素供給側開閉弁63が開弁すると、ガスボンベ61から改質器62を介して水素導入室30内へ水素が供給される。したがって、ガスボンベ61、改質器62および水素供給側開閉弁63が、本発明の燃料ガス供給手段に相当している。
空気導入室20には、燃料電池1から排出されたオフ空気が流れる空気排出流路7が接続されている。オフ空気には、電気化学反応に用いられなかった未反応の空気(酸素)が含まれている。
空気排出流路7には、空気排出流路7を開閉する空気排出側開閉弁71が設けられている。空気排出側開閉弁71は、システム制御装置から出力される制御電圧によって、その開閉作動が制御される電磁弁である。
空気排出流路7における空気排出側開閉弁71の下流側には、空気排出ポンプ72が設けられている。空気排出ポンプ72は、オフ空気を空気排出流路7に流す電動式のポンプであり、システム制御装置から出力される制御信号によって回転数(流量)が制御される。
空気排出ポンプ82が作動するとともに空気排出側開閉弁71が開弁すると、空気排出ポンプ72により空気導入室20からオフ空気が排出される。したがって、空気排出ポンプ72および空気排出側開閉弁71が、本発明の酸化剤ガス排出手段に相当している。
水素導入室30には、燃料電池1から排出されたオフ水素が流れる水素排出流路8が接続されている。オフ水素には、電気化学反応で生じた反応ガス(水蒸気)、および電気化学反応に用いられなかった未反応の水素が含まれている。
水素排出流路8には、水素排出流路8を開閉する水素排出側開閉弁81が設けられている。水素排出側開閉弁81は、システム制御装置から出力される制御電圧によって、その開閉作動が制御される電磁弁である。
水素排出流路8における水素排出側開閉弁81の下流側には、水素排出ポンプ82が設けられている。水素排出ポンプ82は、オフ水素を水素排出流路8に流す電動式のポンプであり、システム制御装置から出力される制御信号によって回転数(流量)が制御される。
水素排出ポンプ82が作動するとともに水素排出側開閉弁81が開弁すると、水素排出ポンプ82により水素導入室30からオフ水素が排出される。したがって、水素排出ポンプ82および水素排出側開閉弁81が、本発明の燃料ガス排出手段に相当している。
次に、本実施形態の電気制御部について説明する。システム制御装置(ECU)は、CPU、ROMおよびRAM等を含む周知のマイクロコンピュータとその周辺回路から構成され、そのROM内に記憶された燃料電池制御プログラムに基づいて各種演算、処理を行い、出力側に接続された各種システム制御機器51、52、63、71、72、81、82等の作動を制御する。
また、システム制御装置の入力側には、燃料電池1の出力電圧を検出する電圧センサ17、水素導入室30内の水素濃度Chを検出する水素濃度センサ33等の種々のシステム制御用のセンサ群が接続されている。
ところで、燃料電池1での発電時には上述した電気化学反応が起こるので、水素流路3内の水素濃度は低下し、水素流路3内の反応ガスとしての水蒸気(水)の濃度は上昇する。このため、水素流路3と連通する水路導入室30においても、燃料電池1での発電時には水素濃度は低下し、水蒸気濃度は上昇する。
このように、水素導入室30においては、水素濃度が低くなる程、水蒸気濃度は高くなるので、水素濃度センサ33によって水素導入室30内の水素濃度を検出することで、水素導入室30内の水蒸気濃度を推定することができる。したがって、水素濃度センサ33が、本発明の反応ガス濃度検出手段に相当している。
次に、図6により、上記構成における本実施形態の燃料電池システムの作動を説明する。図6は、本第1実施形態の燃料電池システムの制御処理を示すフローチャートである。なお、図6中の各制御ステップは、システム制御装置が有する各種の機能実現手段を構成している。
まず、ステップS1では、空気排出側開閉弁71を閉弁するとともに、空気排出ポンプ72の作動を停止する。これにより、空気排出流路7を閉じて、燃料電池1の空気流路2から空気が排出されないようにする。
続いて、ステップS2では、水素排出側開閉弁81を閉弁するとともに、水素排出ポンプ82の作動を停止する。これにより、水素排出流路8を閉じて、燃料電池1の水素流路3から水素が排出されないようにする。
続いて、ステップS3では、空気供給側開閉弁52を開弁するとともに、空気供給ポンプ51を作動させる。これにより、空気供給流路5から燃料電池1の空気流路2に空気が加圧供給される。
続いて、ステップS4では、水素供給側開閉弁63を開弁する。これにより、水素供給流路6から燃料電池1の水素流路3に水素が加圧供給される。
ここで、燃料電池1に空気および水素を加圧供給するステップS3およびステップS4を、ガス加圧供給処理という。ガス加圧供給処理では、図3に示すように、燃料電池1の空気流路2に空気が供給されるとともに、燃料電池1の水素流路3に水素が供給されるので、燃料電池1では発電が行われる。
続いて、ステップS5では、水素濃度センサ33により検出された水素導入室30内の水素濃度Chが、予め定めた第1基準濃度Cp以上になっているか否かを判定する。ここで、第1基準濃度Cpは、例えば、水素導入室30内の水素濃度の許容上限値に設定することができる。
ステップS5にて、水素濃度センサ33により検出された水素導入室30内の水素濃度Chが第1基準濃度Cp以上になっていないと判定された場合は、再度ステップS5に戻る。したがって、水素濃度センサ33により検出された水素導入室30内の水素濃度Chが第1基準濃度Cp以上になるまで、ガス加圧供給処理が継続される。
一方、ステップS5にて、水素濃度センサ33により検出された水素導入室30内の水素濃度Chが第1基準濃度Cp以上になったと判定された場合は、次のステップS6へ進む。
ステップS6では、空気供給側開閉弁52を閉弁するとともに、空気供給ポンプ51の作動を停止する。これにより、空気導入室20が密閉される。
続いて、ステップS7では、水素供給側開閉弁63を閉弁する。これにより、水素導入室30が密閉される。
ここで、空気導入室20および水素導入室30をそれぞれ密閉するステップS6およびステップS7を、密閉処理という。密閉処理では、図4に示すように、空気供給流路5から空気導入室20に新たな空気が供給されることはない。また、水素供給流路6から水素導入室30に新たな水素が供給されることはない。
しかしながら、空気導入室20には、密閉処理を行う以前に供給された空気が残存しており、水素導入室30には、密閉処理を行う以前に供給された水素が残存している。このため、燃料電池1の空気流路2に空気が供給されるとともに、燃料電池1の水素流路3に水素が供給されるので、燃料電池1では発電が継続される。
ただし、燃料電池1の発電時には空気(酸素)および水素が消費されるので、新たな空気および水素の供給がされない密閉処理では、徐々に空気(酸素)および水素の濃度が低下する。
続くステップS8では、水素濃度センサ33により検出された水素導入室30内の水素濃度Chが、予め定めた第2基準濃度Cq以下になっているか否かを判定する。ここで、第2基準濃度Cqは、第1基準濃度Cqより低い濃度に設定され、例えば、水素導入室30内の水素濃度の許容下限値に設定することができる。
ステップS8にて、水素濃度センサ33により検出された水素導入室30内の水素濃度Chが第2基準濃度Cq以下になっていないと判定された場合は、水素導入室30内の反応ガス濃度である水蒸気濃度が予め定めた基準水蒸気濃度(基準反応ガス濃度)を下回っていると判断される。この場合、再度ステップS8に戻る。したがって、水素濃度センサ33により検出された水素導入室30内の水素濃度Chが第2基準濃度Cq以下になるまで、密閉処理が継続される。
一方、ステップS8にて、水素濃度センサ33により検出された水素導入室30内の水素濃度Chが第2基準濃度Cq以下になったと判定された場合は、水素導入室30内の水蒸気濃度が基準水蒸気濃度以上であると判断される。この場合、次のステップS9へ進む。
ステップS9では、空気排出側開閉弁71を開弁するとともに、空気排出ポンプ72を作動させる。これにより、燃料電池1の空気流路2から空気排出流路7を介してオフ空気が排出される。
続いて、ステップS10では、水素排出側開閉弁81を開弁するとともに、水素排出ポンプ82を作動させる。これにより、燃料電池1の水素流路3から水素排出流路8を介してオフ水素が排出される。
ここで、燃料電池1からオフ空気およびオフ水素を排出するステップS9およびステップS10を、反応ガス排出処理という。反応ガス排出処理では、図5に示すように、燃料電池1の空気流路2からオフ空気が排出されるとともに、燃料電池1の水素流路3からオフ水素が排出される。
次のステップS11では、所定時間τの間待機し、所定時間τの経過を判定するとステップS1に戻るようになっている。
本実施形態の燃料電池システムは、以上の如く作動するので、バッチ処理により、空気流路2への空気の供給および水素流路3への水素の供給と、空気流路2からのオフ空気の排出および水素流路3からのオフ水素の排出を行うことができる。
また、本実施形態の燃料電池システムでは、ステップ8にて、水素流路3と連通する水素導入室30の水素濃度Chが第2基準濃度Cq以下になったと判定された場合に、燃料電池1からオフ空気およびオフ水素を排出している。つまり、燃料電池1の水素流路3内の水素濃度Chが低下して燃料電池1の発電効率が低下した場合に、燃料電池1からオフ空気およびオフ水素を排出することができる。したがって、燃料電池1の低効率発電の継続を抑制できる。
また、本実施形態では、ハニカム構造体10に、一端側に第1開口部21が形成され且つ他端側が閉塞された空気流路2を設けたので、空気は第1開口部21から空気流路2内に流入するとともに当該第1開口部21から空気流路2外へ流出する。すなわち、第1開口部21が、空気流路2に空気を流入させる空気流入口、および空気流路2から空気を流出させる空気流出口の双方として機能する。
このため、第1開口部21のシールを行うだけで、空気流入口および空気流出口の双方のシールを行うことができる。したがって、空気流入口および空気流出口の双方のシールを別々に行う場合と比較して、シールが必要な部位の長さを短くすることができる。これにより、空気のシールを容易かつ確実に行うことができる。
同様に、本実施形態では、ハニカム構造体10に、一端側に第2開口部31が形成され且つ他端側が閉塞された水素流路3を設けたので、水素は第2開口部31から水素流路3内に流入するとともに当該第2開口部31から水素流路3外へ流出する。すなわち、第2開口部31が、水素流路3に水素を流入させる水素流入口、および水素流路3から水素を流出させる水素流出口の双方として機能する。
このため、第2開口部31のシールを行うだけで、水素流入口および水素流出口の双方のシールを行うことができる。したがって、水素流入口および水素流出口の双方のシールを別々に行う場合と比較して、シールが必要な部位の長さを短くすることができる。これにより、水素のシールを容易かつ確実に行うことができる。
したがって、空気および水素のシールを容易かつ確実に行うことが可能となる。
さらに、本実施形態では、空気流路2の第1開口部21をハニカム構造体10の一側に設けるとともに、水素流路3の第2開口部31をハニカム構造体10の他側に設けている。このため、ハニカム構造体10の一側には第1開口部21のみが存在し、第2開口部31は存在しないので、ハニカム構造体10の一側においては空気のみが流入出する。また、ハニカム構造体10の他側には第2開口部31のみが存在し、第1開口部21は存在しないので、ハニカム構造体10の他側においては水素のみが流入出する。
つまり、ハニカム構造体10の一側からは空気のみを流出入させ、ハニカム構造体10の他側からは水素のみを流出入させることができる。したがって、空気および水素間のシールを容易かつ確実に行うことが可能となる。
さらに、本実施形態では、ハニカム構造体10の一側に第1開口部21を複数設けるとともに、ハニカム構造体10の他側に第2開口部31を複数設けている。
このため、ハニカム構造体10の一側に設けられた複数の第1開口部21には空気のみが流通する、すなわち水素は流通しないので、各第1開口部21を個々にシールしなくても、ハニカム構造体10の一側の外周部をシールすれば、ハニカム構造体10全体として空気のシールを行うことができる。したがって、空気のシールをより容易かつ確実に行うことができる。
同様に、ハニカム構造体10の他側に設けられた複数の第2開口部31には水素のみが流通する、すなわち空気は流通しないので、各第2開口部31を個々にシールしなくても、ハニカム構造体10の他側の外周部をシールすれば、ハニカム構造体10全体として水素のシールを行うことができる。したがって、水素のシールをより容易かつ確実に行うことができる。
また、本実施形態では、燃料電池構造体としてハニカム構造体10を採用しているので、隔壁12がインターコネクタおよび固体電解質体の双方の機能を果たす。つまり、インターコネクタと固体電解質体とを一体化することができる。したがって、空気極、水素極および固体電解質体で構成される燃料電池セルをインターコネクタを介して複数接合する燃料電池(例えば、平板型燃料電池等)に対して、燃料電池の体格を小型化することが可能となる。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について図7〜図11に基づいて説明する。本第2実施形態は、上記第1実施形態と比較して、燃料電池システムの構成が異なるものである。
図7〜図10は本第2実施形態に係る燃料電池システムを示す模式図で、図7はガス供給時を示し、図8はガス加圧時を示し、図9はガス減圧時を示し、図10は反応ガス排出時を示している。また、図7〜図10中、実線矢印が空気流れを示しており、破線矢印が水素流れを示しており、一点鎖線矢印が後述する空気側ピストン25および水素側ピストン35の動きを示している。
図7〜図10に示すように、空気導入室20と空気供給流路5との接続部には、空気供給流路5を開閉する空気供給側開閉手段としての空気供給バルブ55が設けられている。また、空気導入室20と空気排出流路7との接続部には、空気排出流路7を開閉する空気排出側開閉手段としての空気排出バルブ75が設けられている。空気供給バルブ55および空気排出バルブ75は、それぞれ、システム制御装置から出力される制御電圧によって、その開閉作動が制御される電磁弁である。
水素導入室30と水素供給流路6との接続部には、水素供給流路6を開閉する水素供給側開閉手段としての水素供給バルブ65が設けられている。水素導入室30と水素排出流路8との接続部には、水素排出流路8を開閉する水素排出側開閉手段としての水素排出バルブ85が設けられている。水素供給バルブ65および水素排出バルブ85は、それぞれ、システム制御装置から出力される制御電圧によって、その開閉作動が制御される電磁弁である。
本実施形態の燃料電池システムは、空気導入室20の容積を可変にする空気側ピストン25を備えている。空気側ピストン25は、空気側ピストン本体25aを電動モータ(図示せず)にて駆動する電動式のピストンであり、後述するシステム制御装置から出力される制御信号によって作動が制御される。
空気側ピストン本体25aの外径は、空気導入室20を形成する空気導入室形成部材20aの内径より僅かに小さい径になっている。この空気側ピストン本体25aが空気導入室形成部材20aの内部をピストン運動することによって、空気導入室20の容積が変化する。
つまり、空気側ピストン本体25aは、ピストン運動によって、空気供給流路5から空気導入室20へ空気を吸引するとともに、空気導入室20から空気排出流路7へ空気の吐出を行うものである。また、空気側ピストン本体25aは、ピストン運動によって、空気を燃料電池1の空気流路2から空気導入室20へ吸引するとともに、空気導入室20から燃料電池1の空気流路2へ空気の吐出(押し込み)を行うこともできる。
また、本実施形態の燃料電池システムは、水素導入室30の容積を可変にする水素側ピストン35を備えている。水素側ピストン35は、水素側ピストン本体35aを電動モータ(図示せず)にて駆動する電動式のピストンであり、後述するシステム制御装置から出力される制御信号によって作動が制御される。
水素側ピストン本体35aの外径は、水素導入室30を形成する水素導入室形成部材30aの内径より僅かに小さい径になっている。この水素側ピストン本体35aが水素導入室形成部材30aの内部をピストン運動することによって、水素導入室30の容積が変化する。
つまり、水素側ピストン本体35aは、ピストン運動によって、水素を水素供給流路6から水素導入室30へ吸引するとともに、水素導入室30から水素排出流路8へ水素の吐出を行うものである。また、水素側ピストン本体35aは、ピストン運動によって、水素を燃料電池1の水素流路3から水素導入室30へ吸引するとともに、水素導入室30から燃料電池1の水素流路3へ水素の吐出(押し込み)を行うこともできる。
次に、図11により、上記構成における本実施形態の燃料電池システムの作動を説明する。図11は、本第2実施形態の燃料電池システムの制御処理を示すフローチャートである。なお、図11中の各制御ステップは、システム制御装置が有する各種の機能実現手段を構成している。
まず、ステップS21では、空気排出バルブ75を閉弁する。これにより、空気排出流路7を閉じて、燃料電池1の空気流路2から空気が排出されないようにする。
続いて、ステップS22では、水素排出バルブ85を閉弁する。これにより、水素排出流路8を閉じて、燃料電池1の水素流路3から水素が排出されないようにする。
続いて、ステップS23では、空気供給バルブ55を開弁するとともに、空気側ピストン25を空気導入室20の容積を拡大する側へ移動(変位)させる。これにより、空気導入室20が減圧され、空気供給流路5から空気導入室20へ空気が吸引される。
続いて、ステップS24では、水素供給バルブ65を開弁するとともに、水素側ピストン35を水素導入室30の容積を拡大する側へ移動させる。これにより、水素導入室30が減圧され、水素供給流路6から水素導入室30へ水素が吸引される。
ここで、空気導入室20および水素導入室30をそれぞれ密閉して、空気導入室20に空気を吸引するとともに、水素導入室30に水素を吸引するステップS21〜S24を、供給ガス吸引処理という。
供給ガス吸引処理では、図7に示すように、空気側ピストン25の移動により増加した空気導入室20の容積分だけ空気供給流路5から空気が吸引され、水素側ピストン35の移動により増加した水素導入室30の容積分だけ水素供給流路6から水素が吸引される。また、ガス吸引処理では、燃料電池1の空気流路2に空気が流入するとともに、燃料電池1の水素流路3に水素が流入するので、燃料電池1では発電が開始される。
続いて、ステップS25では、水素濃度センサ33により検出された水素導入室30内の水素濃度Chが、予め定めた第1基準濃度Cp以上になっているか否かを判定する。ここで、第1基準濃度Cpは、例えば、水素導入室30内の水素濃度の許容上限値に設定することができる。
ステップS25にて、水素濃度センサ33により検出された水素導入室30内の水素濃度Chが第1基準濃度Cp以上になっていないと判定された場合は、再度ステップS25に戻る。したがって、水素濃度センサ33により検出された水素導入室30内の水素濃度Chが第1基準濃度Cp以上になるまで、ガス吸引処理が継続される。
一方、ステップS25にて、水素濃度センサ33により検出された水素導入室30内の水素濃度Chが第1基準濃度Cp以上になったと判定された場合は、次のステップS26へ進む。
ステップS26では、空気供給バルブ55を閉弁する。これにより、空気導入室20が密閉される。次のステップS27では、空気側ピストン25を空気導入室20の容積を縮小する側へ移動させる。これにより、空気導入室20内の空気が加圧されて、燃料電池1の空気流路2へ押し込まれる。
続いて、ステップS28では、水素供給バルブ65を閉弁する。これにより、水素導入室30が密閉される。次のステップS29では、水素側ピストン35を水素導入室30の容積を縮小する側へ移動させる。これにより、水素導入室30の水素が加圧されて、燃料電池1の水素流路3へ押し込まれる。
ここで、空気導入室20および水素導入室30をそれぞれ密閉して、燃料電池1に空気および水素を押し込む、すなわち加圧供給するステップS26〜S29をガス加圧処理という。
ガス加圧供給処理では、図8に示すように、燃料電池1の空気流路2に空気が供給されるとともに、燃料電池1の水素流路3に水素が供給されるので、燃料電池1では発電が継続される。
また、ガス加圧供給処理では、空気導入室20が密閉されているので、空気供給流路5から空気導入室20に新たな空気が供給されることはない。同様に、ガス加圧供給処理では、水素導入室30が密閉されているので、水素供給流路6から水素導入室30に新たな水素が供給されることはない。
そして、燃料電池1の発電時には空気(酸素)および水素が消費されるので、新たな空気および水素の供給がされないガス加圧処理では、徐々に空気(酸素)および水素の濃度が低下する。
続くステップS30では、水素濃度センサ33により検出された水素導入室30内の水素濃度Chが、予め定めた第2基準濃度Cq以下になっているか否かを判定する。ここで、第2基準濃度Cqは、第1基準濃度Cqより低い濃度に設定され、例えば、水素導入室30内の水素濃度の許容下限値に設定することができる。
ステップS30にて、水素濃度センサ33により検出された水素導入室30内の水素濃度Chが第2基準濃度Cq以下になっていないと判定された場合は、水素導入室30内の反応ガス濃度である水蒸気濃度が予め定めた基準水蒸気濃度(基準反応ガス濃度)を下回っていると判断される。この場合、再度ステップS30に戻る。したがって、水素濃度センサ33により検出された水素導入室30内の水素濃度Chが第2基準濃度Cq以下になるまで、ガス加圧処理が継続される。
一方、ステップS30にて、水素濃度センサ33により検出された水素導入室30内の水素濃度Chが第2基準濃度Cq以下になったと判定された場合は、水素導入室30内の水蒸気濃度が基準水蒸気濃度以上であると判断される。この場合、次のステップS31へ進む。
ステップS31では、空気側ピストン25を空気導入室20の容積を拡大する側へ移動させる。これにより、空気導入室20が減圧され、燃料電池1の空気流路2から空気導入室20へオフ空気が吸引される。
続いて、ステップS32では、水素側ピストン35を水素導入室30の容積を拡大する側へ移動させる。これにより、水素導入室30が減圧され、燃料電池1の水素流路3から水素導入室30へオフ水素が吸引される。
ここで、空気導入室20を減圧して燃料電池1の空気流路2からオフ空気を吸引するステップS31、および水素導入室30を減圧して燃料電池1の水素流路3からオフ水素を吸引するステップS32を、反応ガス吸引処理という。反応ガス吸引処理では、図9に示すように、燃料電池1の空気流路2からオフ空気が排出されるとともに、燃料電池1の水素流路3からオフ水素が排出される。
次のステップS33では、第1所定時間τ1の間待機し、第1所定時間τ1の経過を判定するとステップS34へ進むようになっている。
ステップS34では、空気排出バルブ75を開弁するとともに、空気側ピストン25を空気導入室20の容積を縮小する側へ移動させる。これにより、空気導入室20内のオフ空気が加圧されて、空気排出流路7へ押し込まれる。
続いて、ステップS35では、水素排出バルブ85を開弁するとともに、水素側ピストン35を水素導入室30の容積を縮小する側へ移動させる。これにより、水素導入室30内のオフ水素が加圧されて、水素排出流路8へ押し込まれる。
ここで、空気導入室20内のオフ空気を加圧して空気排出流路7へ押し込むステップS34、および水素導入室30内のオフ水素を加圧して水素排出流路8へ押し込むステップS35を、反応ガス排出処理という。反応ガス排出処理では、図10に示すように、空気排出流路7からオフ空気が排出されるとともに、水素排出流路8からオフ水素が排出される。
次のステップS36では、第2所定時間τ2の間待機し、第2所定時間τ2の経過を判定するとステップS21に戻るようになっている。
本実施形態の燃料電池システムは、以上の如く作動するので、バッチ処理により、空気流路2への空気の供給および水素流路3への水素の供給と、空気流路2からのオフ空気の排出および水素流路3からのオフ水素の排出を行うことができる。
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態について図12に基づいて説明する。本第3実施形態は、上記第2実施形態と比較して、オフ水素を燃焼させることにより生じる燃焼エネルギを利用して水素側ピストン35の水素側ピストン本体35aを駆動する点が異なるものである。
図12は、本第3実施形態に係る燃料電池システムを示す模式図である。図12中、実線矢印は空気の流れを示しており、破線矢印は水素の流れを示している。
図12に示すように、空気排出流路7の空気出口側および水素排出流路8の水素出口側は、燃料電池1から排出されたオフ空気およびオフ水素を混合して混合ガスとする混合器91に接続されている。混合器91の混合ガス出口側は、混合ガス室92に接続されている。
混合ガス室92は、水素導入室形成部材30aにより形成されている。すなわち、水素導入室形成部材30aの内部における、水素導入室30と水素側ピストン35を挟んで反対側に、混合ガス室92が形成されている。
混合ガス室92には、水素側ピストン35に接続された混合ガスピストン部35bが設けられている。混合ガスピストン部35bの外径は、水素導入室形成部材30aの内径より僅かに小さい径になっている。
水素側ピストン本体35と混合ガスピストン部35bとは、互いに連結されている。このため、水素側ピストン本体35aおよび混合ガスピストン部35bは、互いに連動して移動する。
つまり、混合ガスピストン部35bが混合ガス室92の容積を拡大する側(図12中の右側)に移動した際には、水素側ピストン35は水素導入室30の容積を縮小する側(図12中の右側)に移動する。一方、混合ガスピストン部35bが混合ガス室92の容積を縮小する側(図12中の左側)に移動した際には、水素側ピストン35は水素導入室30の容積を拡大する側(図12中の左側)に移動する。
混合ガス室92には、混合ガス室92内の混合ガスを着火させる点火プラグ93が設けられている。点火プラグ93は、システム制御装置から出力される制御信号によって点火タイミングが制御される。
ここで、点火プラグ93を点火すると、混合ガス室92内の混合ガスに含まれる未反応空気および未反応水素が燃焼する。このとき、混合ガス室92内の燃焼ガスの圧力により、混合ガスピストン部35bが混合ガス室92の容積を拡大する側に移動させられる。これに伴い、水素側ピストン35の水素側ピストン本体35aが、水素導入室30の容積を縮小する側へ移動する。つまり、本実施形態では、未反応水素の燃焼エネルギにより水素側ピストン35を駆動することができる。
混合ガス室92の混合ガス出口側には、燃焼器94が接続されている。燃焼器94は、オフ水素に含まれる未反応水素およびオフ空気に含まれる未反応空気を燃焼させて高温の燃焼排ガスを生成するものである。燃焼器94には、燃焼器94にて生じた高温の燃焼排ガスを外部に排出するための燃焼排ガス経路95が接続されている。
次に、図13により、上記構成における本実施形態の燃料電池システムの作動を説明する。図13は、本第3実施形態の燃料電池システムの制御処理を示すフローチャートであり、S21〜S28、S30〜S34およびS36は第2実施形態と共通している。
本実施形態では、ステップS28で水素供給バルブ65を閉弁して水素導入室30を密閉した後、ステップS290にて点火プラグ93を点火する。
これにより、混合ガス室92内の混合ガスに含まれる未反応空気および未反応水素が燃焼する。このとき、混合ガス室92内の燃焼ガスの圧力により、混合ガスピストン部35bが混合ガス室92の容積を拡大する側に移動させられる。これに伴い、水素側ピストン35の水素側ピストン本体35aが、水素導入室30の容積を縮小する側へ移動する。これにより、水素導入室30の水素が加圧されて、燃料電池1の水素流路3へ押し込まれる。
また、本実施形態では、ステップS34でオフ空気を空気排出流路7へ押し込んだ後、ステップS35にて、水素排出バルブ85を開弁するとともに、点火プラグ93を点火する。
これにより、混合ガス室92内の混合ガスに含まれる未反応空気および未反応水素が燃焼する。このとき、混合ガス室92内の燃焼ガスの圧力により、混合ガスピストン部35bが混合ガス室92の容積を拡大する側に移動させられる。これに伴い、水素側ピストン35の水素側ピストン本体35aが、水素導入室30の容積を縮小する側へ移動する。これにより、水素導入室30内のオフ水素が加圧されて、水素排出流路8へ押し込まれる。
本実施形態では、オフ水素を燃焼させることにより生じる燃焼エネルギを利用して水素側ピストン35を駆動しているので、水素側ピストン35を駆動するための動力を低減できる。
(他の実施形態)
本発明は上述の実施形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で、以下のように種々変形可能である。
(1)上記実施形態では、空気流路2の第1開口部21をハニカム構造体10の一側に設け、水素流路3の第2開口部31をハニカム構造体10の他側に設けた例について説明したが、第1開口部21および第2開口部31をハニカム構造体10の同一側に設けてもよい。
(2)上記実施形態では、ハニカム構造体10において、空気流路2および水素流路3をそれぞれ千鳥状に配置した例について説明したが、空気流路2および水素流路3の配置はこれに限定されない。例えば、複数の空気流路2および複数の水素流路3をそれぞれ横方向に一列に配置するとともに、空気流路2の列と水素流路3の列とを縦方向に交互に配置してもよい。
(3)上記実施形態では、燃料電池1として、ハニカム型(モノリス型)の燃料電池を採用した例について説明したが、これに限定されない。例えば、燃料電池1として、図14に示すように、両側面に空気極22および水素極32が接合された固体電解質体12と、空気流路2または水素流路3を形成するセパレータ101とから構成されるセル100が複数個積層された平板型燃料電池等を採用してもよい。
(4)上記実施形態では、反応ガス濃度検出手段として、水素導入室30内の水素濃度Chを検出する水素濃度センサ33を採用し、水素濃度センサ33によって水素導入室30内の水素濃度を検出することで、水素導入室30内の水蒸気濃度を推定する例について説明したが、反応ガス濃度検出手段これに限定されない。例えば、反応ガス濃度検出手段として、水素導入室30内の反応ガス濃度(水蒸気濃度)を直接検出する反応ガス濃度センサを採用してもよい。
また、反応ガス検出手段としては、燃料電池1の出力電圧を検出する電圧センサ17を採用してもよい。この場合、システム制御装置は、電圧センサ17により検出された燃料電池1の電圧降下が予め定めた基準値以上になったときに、水素導入室30内の反応ガス濃度である水蒸気濃度が基準水蒸気濃度以上になったと判断してもよい。
(5)上記実施形態では、システム制御装置が、水素濃度センサ33によって検出された水素導入室30内の水素濃度Chによって各種システム制御機器の作動を制御した例について説明したが、これに限らず、時間によって各種システム制御機器の作動を制御してもよい。
(6)上記第2、第3実施形態では、システム制御装置が、水素濃度センサ33によって検出された水素導入室30内の水素濃度Chによって各種システム制御機器の作動を制御した例について説明したが、これに限らず、各種システム制御機器の制御方法はこれに限定されない。
例えば、水素導入室30内の水素濃度Chが第1基準濃度Cp以上第2基準濃度Cq以下となるように空気側ピストン25および水素側ピストン35のサイクルタイムを調整するとともに、時間によって各種システム制御機器の作動を制御してもよい。
(7)上記第3実施形態では、オフ水素を燃焼させることにより生じる燃焼エネルギを利用して水素側ピストン35を駆動した例について説明したが、これに限らず、オフ水素を燃焼させることにより生じる燃焼エネルギを利用して空気側ピストン25を駆動してもよい。
1 燃料電池
10 燃料電池構造体
12 隔壁(固体電解質体)
2 空気流路(酸化剤ガス流路)
21 第1開口部
22 空気極(酸化剤極)
3 水素流路(燃料ガス流路)
31 第2開口部
32 水素極(燃料極)

Claims (8)

  1. 酸化剤ガスと燃料ガスとの電気化学反応により電気エネルギを発生させる燃料電池構造体(10)を有する燃料電池であって、
    前記燃料電池構造体(10)は、
    前記酸化剤ガスが流れるとともに、一端側に第1開口部(21)が形成され且つ他端側が閉塞された酸化剤ガス流路(2)と、
    前記燃料ガスが流れるとともに、一端側に第2開口部(31)が形成され且つ他端側が閉塞された燃料ガス流路(3)と、
    前記酸化剤ガス流路(2)の内壁面に設けられた酸化剤極(22)と、
    前記燃料ガス流路(3)の内壁面に設けられた燃料極(32)と、
    一面が前記酸化剤極(22)と接触するとともに、他面が前記燃料極(32)と接触するように設けられた固体電解質体(12)とを備えることを特徴とする燃料電池。
  2. 前記酸化剤ガス流路(2)の前記第1開口部(21)は、前記燃料電池構造体(10)の一側に設けられており、
    前記燃料ガス流路(3)の前記第2開口部(31)は、前記燃料電池構造体(10)の他側に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の燃料電池。
  3. 前記燃料電池構造体(10)は、外周壁(11)と、前記外周壁(11)の内側においてハニカム状に設けられた隔壁(12)と、前記隔壁(12)で区画されるとともに一端から他端に向かって延伸する複数の貫通孔(13)とを有するハニカム構造体であり、
    前記隔壁(12)は、固体電解質により形成されており、
    前記複数の貫通孔(13)の前記一端または前記他端は、封止されており、
    前記一端が封止された前記貫通孔(13)により、前記酸化剤ガス流路(2)が構成されており、
    前記他端が封止された前記貫通孔(13)により、前記燃料ガス流路(3)が構成されていることを特徴とする請求項2に記載の燃料電池。
  4. 請求項1ないし3のいずれか1つに記載の燃料電池を備える燃料電池システムであって、
    前記燃料電池(1)の前記酸化剤ガス流路(2)に前記酸化剤ガスを供給する酸化剤ガス供給手段(51、52)と、
    前記酸化剤ガス供給手段(51、52)から前記燃料電池(1)に供給された前記酸化剤ガスのうち、前記電気化学反応に用いられなかった未反応の酸化剤ガスを含んだオフ酸化剤ガスを前記燃料電池(1)の前記酸化剤ガス流路(2)から排出させるオフ酸化剤ガス排出手段(71、72)と、
    前記燃料電池(1)の前記燃料ガス流路(3)に前記燃料ガスを供給する燃料ガス供給手段(61〜63)と、
    前記燃料ガス供給手段(61〜63)から前記燃料電池(1)に供給された前記燃料ガスのうち、前記電気化学反応に用いられなかった未反応の燃料ガスを含んだオフ燃料ガスを前記燃料電池(1)の前記燃料ガス流路(3)から排出させるオフ燃料ガス排出手段(81、82)とを備えることを特徴とする燃料電池システム。
  5. さらに、前記酸化剤ガス流路(2)および前記燃料ガス流路(3)の少なくとも一方における前記電気化学反応で生じた反応ガスの濃度を検出する反応ガス濃度検出手段(33)を備え、
    前記オフ酸化剤ガス排出手段(71、72)は、前記反応ガス濃度検出手段(33)により検出された前記酸化剤ガス流路(2)および前記燃料ガス流路(3)の少なくとも一方における前記反応ガスの濃度が予め定めた基準濃度を上回った場合に、前記酸化剤ガス流路(2)から前記オフ酸化剤ガスを排出し、
    前記オフ燃料ガス排出手段(81、82)は、前記反応ガス濃度検出手段(33)により検出された前記酸化剤ガス流路(2)および前記燃料ガス流路(3)の少なくとも一方における前記反応ガスの濃度が前記基準濃度を上回った場合に、前記燃料ガス流路(3)から前記オフ燃料ガスを排出することを特徴とする請求項4に記載の燃料電池システム。
  6. 請求項1ないし3のいずれか1つに記載の燃料電池を備える燃料電池システムであって、
    前記燃料電池(1)の前記酸化剤ガス流路(2)と連通する酸化剤ガス導入室(20)と、
    前記酸化剤ガス導入室(20)の容積を可変とする酸化剤ガス側ピストン(25)と、
    前記酸化剤ガス導入室(20)に前記酸化剤ガスを供給する酸化剤ガス供給流路(5)を開閉する酸化剤ガス供給側開閉手段(55)と、
    前記酸化剤ガス導入室(20)から前記酸化剤ガスを排出する酸化剤ガス排出流路(7)を開閉する酸化剤ガス排出側開閉手段(75)と、
    前記燃料電池(1)の前記燃料ガス流路(3)と連通する燃料ガス導入室(30)と、
    前記燃料ガス導入室(30)の容積を可変とする燃料ガス側ピストン(35)と、
    前記燃料ガス導入室(30)に前記燃料ガスを供給する燃料ガス供給流路(6)を開閉する燃料ガス供給側開閉手段(65)と、
    前記燃料ガス導入室(30)から前記燃料ガスを排出する燃料ガス排出流路(8)を開閉する燃料ガス排出側開閉手段(85)とを備えることを特徴とする燃料電池システム。
  7. 前記オフ燃料ガスを燃焼させることにより生じる燃焼エネルギを利用して、前記酸化剤ガス側ピストン(25)および前記燃料ガス側ピストン(35)の少なくとも一方を駆動することを特徴とする請求項6に記載の燃料電池システム。
  8. さらに、前記燃料ガス導入室(30)における前記燃料ガスの濃度を検出する燃料ガス濃度検出手段(33)と、
    前記酸化剤ガス導入室(20)および前記燃料ガス導入室(30)の少なくとも一方における前記電気化学反応で生じた反応ガスの濃度を検出する反応ガス濃度検出手段(33)と、
    前記酸化剤ガス側ピストン(25)、前記酸化剤ガス供給側開閉手段(55)、前記酸化剤ガス排出側開閉手段(75)、前記燃料ガス側ピストン(35)、前記燃料ガス供給側開閉手段(65)および前記燃料ガス排出側開閉手段(85)の作動を制御する制御手段とを備え、
    前記制御手段は、
    前記燃料ガス濃度検出手段(33)により検出された前記燃料ガス導入室(30)における前記燃料ガスの濃度が予め定めた基準燃料ガス濃度を下回った場合に、前記酸化剤ガス排出側開閉手段(75)によって前記酸化剤ガス排出流路(7)閉じ、前記燃料ガス排出側開閉手段(85)によって前記燃料ガス排出流路(8)を閉じ、前記酸化剤ガス供給側開閉手段(55)によって前記酸化剤ガス供給流路(5)を開き、前記燃料ガス供給側開閉手段(65)によって燃料ガス供給流路(6)を開き、前記酸化剤ガス側ピストン(25)を前記酸化剤ガス導入室(20)の容積が拡大する側に変位させ、前記燃料ガス側ピストン(35)を前記燃料ガス導入室(30)の容積が拡大する側に変位させる供給ガス吸引処理を行い、
    前記ガス吸引処理を行った後、前記燃料ガス濃度検出手段(33)により検出された前記燃料ガス導入室(30)における前記燃料ガスの濃度が前記基準燃料ガス濃度以上になった場合に、前記酸化剤ガス供給側開閉手段(55)によって前記酸化剤ガス供給流路(5)を閉じ、前記燃料ガス供給側開閉手段(65)によって前記燃料ガス供給流路(6)を閉じ、前記酸化剤ガス側ピストン(25)を前記酸化剤ガス導入室(20)の容積が縮小する側に変位させ、前記燃料ガス側ピストン(35)を前記燃料ガス導入室(30)の容積が縮小する側に変位させるガス加圧供給処理を行い、
    前記ガス加圧処理を行った後、前記反応ガス濃度検出手段(33)により検出された前記酸化剤ガス導入室(20)および前記燃料ガス導入室(30)の少なくとも一方における前記反応ガスの濃度が予め定めた基準反応ガス濃度を上回った場合に、前記酸化剤ガス側ピストン(25)を前記酸化剤ガス導入室(20)の容積が拡大する側に変位させ、前記燃料ガス側ピストン(35)を前記燃料ガス導入室(30)の容積が拡大する側に変位させる反応ガス吸引処理を行うことを特徴とする請求項6または7に記載の燃料電池システム。
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