JP2007109428A - 燃料電池システム - Google Patents

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Abstract

【課題】起動時に生じる劣化を抑制した燃料電池システムを提供する。
【解決手段】燃料電池システムの起動時に、燃料極12に供給するガス中の水素濃度が所定濃度よりも低い場合には、燃料電池スタック1と負荷53とを電気的に切断し、燃料極12に供給するガス中の水素濃度が所定濃度よりも高くなると燃料電池スタック1と負荷53とを電気的に接続する。
【選択図】図4

Description

本発明は燃料電池システムに関するものであり、特に燃料電池の劣化抑制に関するものである。
燃料電池システムにおいて、燃料電池の酸化剤極側に酸化剤ガスとしての空気が存在し、燃料極側に空気が存在する領域と燃料ガスとしての水素が存在する領域とが形成される場合がある。例えば、燃料極、酸化剤極共に空気が混入している状態からシステムを起動させると、燃料極側のガス流路への水素の供給を開始した初期には、燃料ガス流路内に水素が存在する領域と存在しない領域が形成される。このとき燃料極に水素が存在する領域においては、通常の動作状態と同様の反応が起こり、酸化剤極側には0.8V以上の電位が立つ。一方、燃料極に水素が存在しない領域と対峙する酸化剤極で、
C+2H2O→CO2+4H++4e- ・・・式(1)
の反応が生じる。
その結果、Pt等の触媒を担持しているカーボン担体の腐食が起こり、酸化剤極の電極触媒が大きく劣化し、その後の燃料電池の性能を低下させる要因となる。このとき燃料極側の空気が存在する領域においては、
2+4H++4e-→2H2O ・・・式(2)
の反応により水が生成される。
従来の燃料電池システムにおいては、この現象による酸化剤極の劣化を防止するために、短時間(1秒以下)で、燃料極内の水素が存在する領域と存在しない領域の境界(以後、水素/空気フロントとする)が、燃料ガス流路中を通過するように水素を供給することが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
米国特許出願公開第2002/0076582号明細書
しかしながら、短時間で水素/空気フロントを通過させるためには、燃料電池の流路の設計にもよるが、水素を燃料極ガス流路に供給する配管流路の途中にコンプレッサ等の追加装置を配置することや、燃料ガス流路の断面積を小さくして燃料ガス流路中の流速を速める方策等が必要となる。前者においては、追加の装置が必要となり、コストが高くなるとともに、燃料電池システムが大型化するという問題があり、後者では反応面が狭くなり、反応効率が著しく低下するという問題があった。
そこで本発明は、燃料極が低濃度水素である状態から起動する時においても、酸化剤極の劣化反応を、小型であり、かつ効率的に抑制できる燃料電池システムを提供することを目的とする。
本発明では、電解質膜を挟持する燃料極と酸化剤極とを有する単位セルを積層して構成する燃料電池スタックと、燃料極に水素を供給する水素供給手段と、燃料電池スタックの発電反応に使用されなかった排出水素を再び燃料極に環流させる循環コンプレッサと、燃料電池スタックと電気的に接続し、燃料電池スタックで発電した電力を消費する電力消費手段と、燃料電池スタックと電力消費手段との電気的な接続状態を選択的に切り換える切換手段と、燃料極のガス中の水素濃度を推定する第1の水素濃度推定手段と、を備える。また、燃料電池システムの起動時に、循環コンプレッサを起動した後に水素供給手段から水素を燃料極に供給し、水素濃度推定手段によって推定した水素濃度が所定濃度よりも低い場合には、切換手段によって燃料電池スタックと電力消費手段とを電気的に切断し、水素濃度推定手段によって推定した水素濃度が所定濃度よりも高い場合には、切換手段によって燃料電池スタックと電力消費手段とを電気的に接続する。
本発明によると、燃料極に例えば空気が混入している場合に燃料電池システムを起動する際に、燃料極の水素濃度が所定値よりも低い場合に燃料電池スタックから出力の取り出しを行わず、燃料極の水素濃度が所定値よりも高い場合に燃料電池スタックから出力の取り出しを行うので、酸化剤極のカーボン担体の腐食を抑制することができる。
本発明の実施形態で用いる燃料電池スタック1を構成する単位セルである燃料電池2について図1を用いて説明する。図1は、燃料電池2の概略構成図である。
燃料電池2はプロトン伝導性を有する高分子電解質膜(以下、電解質膜とする)10を、一対の電極である酸化剤極11と燃料極12とにより狭持して構成する。
酸化剤極11は、カーボン繊維等の多孔質体であるガス拡散層11bとPt等の触媒を担持したカーボン担体である触媒層11aとによって構成する。同様に、燃料極12は、ガス拡散層12aと触媒層12bとによって構成する。
また、燃料電池2は、酸化剤極11の外側に酸化剤ガスセパレータ15を備え、酸化剤ガスセパレータ15においては、酸化剤極11と当接する面に酸化剤ガスが流通する酸化剤ガス流路13を設ける。また、燃料極12の外側に燃料ガスセパレータ16を備え、燃料ガスセパレータ16においては、燃料極12と当接する面に燃料ガスが流通する燃料ガス流路14を設ける。この実施形態では、酸化剤ガス流路13と燃料ガス流路14とは電解質膜10を挟んで、酸化剤ガス流路13内を酸化剤ガスとしての空気が、燃料ガス流路14内を流れる燃料ガスとしての水素と、略同一方向に流通するように構成する。
燃料電池スタック1は、燃料電池2を複数積層して構成した積層体である。通常運転時には、酸化剤ガスが触媒層11aの触媒に接触し、燃料ガスが触媒層12bの触媒に接触することにより、
燃料極12側:H2→2H++2e- ・・・式(3)
酸化剤極11側:2H++1/2O2+2e-→H2O ・・・式(4)
のような反応が生じる。
式(3)に示すように、燃料極12では、燃料ガスである水素がプロトンと電子に分離され、プロトンは電解質膜10内部を拡散して酸化剤極11側に到達し、電子は外部回路を流れて、出力として取り出される。一方、酸化剤極11では、電解質膜10内を拡散してきたプロトン、外部回路を介して移動してきた電子、および空気中の酸素により形成される三相界面上で式(4)に示すような反応が生じる。
このような燃料電池2を積層して構成した燃料電池スタック1を移動体、例えば自動車用の動力源として活用した場合には、起動/停止が頻繁に繰り返される。燃料電池スタック1の停止中には、燃料極12に水素が、および酸化剤極11に空気が供給された状態で放置され、燃料電池スタック1が長時間放置された場合には、外部から空気が浸入して燃料ガス流路14内に空気が存在する可能性がある。または、停止時に空気により燃料ガス流路14をパージした場合には、燃料ガス流路14内には空気が残存する。
このように燃料ガス流路14内に空気が存在する状態からシステムを起動すると、起動初期に燃料電池2内は、図2に示すような状態となる。
酸化剤ガス流路13内には空気が充満し、燃料ガス流路14には、導入が開始された水素が存在する領域Aと、空気が存在する領域Cと、が形成され、水素と空気との界面である水素/空気フロントBが形成される。燃料ガス流路14に水素が存在する領域Aでは、通常の動作と同様の反応が起こり、酸化剤極11側には0.8V以上の電位が立つ。一方、水素/空気フロントBを境にして、燃料ガス流路14に空気が存在する領域Cにおいては、酸化剤極11側で、式(1)の反応が、燃料極12側で、式(2)の反応が生じる。つまり、領域Cにおいては酸化剤極11側で、Pt等の触媒を担持しているカーボン担体の腐食が起こる。これにより、酸化剤極11の触媒層11aが劣化し、燃料電池2の性能を劣化させる。また、燃料極12に水素が充満した状態で燃料電池システムを停止する場合にも停止中に燃料極12に空気が混入し、起動時と同様の状態が生じる。
この実施形態では、燃料極12の水素濃度が低い状態から燃料電池システムを起動する場合、または燃料電池システムの停止中に生じる酸化剤極11のカーボン担体の腐食を防止し、酸化剤極11、つまり燃料電池2の劣化を抑制する。
次にこの実施形態の燃料電池システムを、図3の概略構成図を用いて説明する。この実施形態の燃料電池システムは、燃料電池スタック1と、燃料電池スタック1の酸化剤極11に空気を供給する空気供給機構20と、燃料電池スタック1の燃料極12に水素を供給する水素供給機構30と、燃料電池スタック1から出力を取り出す電気回路50と、から構成する。
燃料電池スタック1の酸化剤極11に空気を供給する空気供給機構20は、燃料電池システムの外部から導入する空気中の埃などを捕集するフィルタ21と、燃料電池システムの外部からフィルタ21を介して空気を導入するコンプレッサ22と、酸化剤極11と外部との連通状態を切り換えるバルブ23と、を備える。
コンプレッサ22から導入される空気は、空気導入流路24を通って酸化剤極11に供給され、燃料電池スタック1の発電反応に使用されなかった排出空気は、空気排出流路25を通って、燃焼触媒装置39に供給される。
燃料電池スタック1の燃料極12に水素を供給する水素供給機構30は、燃料電池スタック1の燃料ガス流路14に水素を供給する水素ボンベ(水素供給手段)31と、水素ボンベ31から取り出した高圧水素を減圧する減圧弁32と、取り出す水素量を調整する流量コントローラ33を備える。また、燃料電池スタック1の燃料極12より上流側に設けた三方弁34と、下流側に設けた三方弁35と、三方弁34と三方弁35とを接続する循環流路40に燃料極12から排出された未反応の排出水素を再び燃料極12に還流する循環コンプレッサ(強制循環手段)36と、循環する排出水素中の酸素濃度を検出する酸素濃度センサ38と、を備える。また、燃料極12に供給されるガス中の水素濃度を測定するための水素センサ(水素濃度推定手段)37を備える。
水素ボンベ31から導入される水素は、水素供給流路41を通って燃料極12に供給され、燃料電池スタック1の発電反応に使用されなかった排出水素は、循環流路40を通って、燃料極12へ環流する。酸化剤極11側の空気中に含まれる窒素ガスの一部が、電解質膜10を透過して燃料極12側に移動し、燃料極12内の水素濃度が低くなった場合には、三方弁35を切り替え、水素排出流路42を介して窒素と水素を含む排出水素ガスを燃焼触媒装置39に供給する。そして、燃焼触媒装置39によって燃焼処理した後、燃料電池システムの外部に排出する。
次に、燃料電池スタック1から出力を取り出す電気回路50について説明する。
電気回路50は、燃料電池スタック1から出力を取り出す端子として、酸化剤極11側と接続する酸化剤極側電極板51と、燃料極12側と接続する燃料極側電極板52と、燃料電池スタック1から取り出した出力(電力)を消費する負荷(電力消費手段)53と、負荷53と燃料電池スタック1とを接続する配線に配設するスイッチ(切替手段)55と、負荷53と並列に接続するバッテリ(蓄電手段)54と、バッテリ54と燃料電池スタック1とを接続する配線に配設するスイッチ(切替手段)56と、を備える。
負荷53と燃料電池スタック1とはスイッチ55のON/OFF制御によって電気的な接続/切断を切り換えられる。またバッテリ54と燃料電池スタック1とはスイッチ56のON/OFF制御によって電気的な接続/切断を切り換えられる。スイッチ55、56の切替によって、運転時に負荷53で消費されない余剰電力をバッテリ54に蓄電することができ、またバッテリ54から負荷53に電力を供給し、さらにバッテリ54によって燃料電池スタック1に電圧を印加することができる。
さらに、コンプレッサ22、流量コントローラ33、スイッチ55、56などを制御するコントローラ60を備える。
コントローラ60は、中央演算ユニット(CPU)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリーメモリ(ROM)、および入出力インターフェース(I/Oインターフェース)を有するマイクロコンピュータで構成される。コントローラ60を複数のマイクロコンピュータで構成することも可能である。また、コントローラ60によって、三方弁34、35、循環コンプレッサ36が制御され、燃料極側の水素ガスのパージが調整される。さらに、コントローラ60は、後述する制御に加えて他の複数の制御を実行する装置としてもよい。
次に、この実施形態の燃料電池システムの起動制御を図4のフローチャートを用いて説明する。
まず、燃料電池システムの起動指令を受けると、ステップS100において循環コンプレッサ36を始動させる。このとき三方弁35は燃料極12から排出される排出水素を燃焼触媒装置39へ供給せずに、循環流路40を介して排出水素を再び燃料極12へ供給するように切り換える。
ステップS101では、水素ボンベ31から燃料極12へ水素の供給を開始する。なお、このときの水素流量は、予め設定された水素流量となるように流量コントローラ33によって制御される。このときスイッチ55、56はOFFとなっており、燃料電池スタック1と負荷53とバッテリ54とは電気的に接続していない。このとき燃料極12では触媒層12bによって水素と酸素とが反応し、燃料極12に供給される水素の一部と燃料極12に存在する酸素とが消費されるが、燃料電池スタック1における通常の発電反応は生じず、燃料極12を流れる水素を含んだガスの水素濃度が徐々に上昇する。
ステップS102では、水素濃度センサ37で燃料極12へ供給する水素を含んだガス中の水素濃度dhを検出し、ガス中の水素濃度dhが所定水素濃度(所定濃度)dh1を超えるとステップS103へ進む。この実施形態では所定水素濃度dh1を10%とする。
以上の制御により、詳しくは後述するが、燃料極12へ供給する水素を含んだガス中の水素濃度dhが10%を超えるまで燃料電池スタック1から出力の取り出しを行なわず、酸化剤極11の触媒層11aの劣化を抑制する。
ステップS103では、スイッチ55をONにして燃料電池スタック1と負荷53とを電気的に接続し、燃料電池スタック1から出力の取り出しを行う。このときの負荷53の抵抗値を所定抵抗値R1とする。所定抵抗値R1は、予め実験などによって設定され、燃料電池システムに劣化を生じることなく、負荷53によって消費される電力消費量が最大となる抵抗値である。
ステップS104では、酸素濃度センサ38によって燃料極12から排出された排出水素中の酸素濃度doを検出し、排出水素中の酸素濃度doが所定酸素濃度do1よりも低くなるとステップS105へ進む。排出水素中の酸素濃度が0%となると水素/空気フロントBが形成されなくなるので、所定酸素濃度do1としては0%とすることが望ましいが、この実施形態では酸素濃度センサ38の誤差などを考慮し、所定酸素濃度do1を1%とする。
ステップS105では、スイッチ55をOFFにして燃料電池スタック1と負荷53との電気的な接続を切断し、燃料電池スタック1からの出力の取り出しを終了する。
燃料極12に供給するガス中の水素濃度dhが10%を超え、さらにガス中の酸素濃度doが1%よりも小さくなるまで、燃料電池スタック1から出力を取り出すことで、詳しくは後述するが、酸化剤極11の触媒層11aの劣化を抑制する。
ステップS106では、バブル23を開き、コンプレッサ22を始動させて酸化剤極11への空気の供給を開始する。
以上の制御によって、燃料電池システム起動時に、燃料極12に供給するガス中の水素濃度dhが10%となるまでは燃料電池スタック1から出力を取り出さず、燃料極12に供給するガス中の水素濃度dhが10%よりも高くなると燃料電池スタック1から出力を取り出すことによって、触媒層11aの劣化を抑制し、燃料電池スタック1の劣化を抑制することができる。
ここで、ステップS100からステップS102における制御を実施した場合の効果について図5を用いて説明する。つまり、燃料極12に供給する水素を含んだガス中の水素濃度が10%以下の場合に燃料電池スタック1から出力を取り出さずに起動制御を行った際の効果について説明する。
図5は、この実施形態を用いて燃料電池システムを起動した場合と、この実施形態を用いずに燃料電池システムを起動した場合と、の酸化剤極11での二酸化炭素発生量を比較したものである。この実施形態を用いずに燃料電池システムを起動する方法とは、燃料電池システム起動と同時に、つまり水素ボンベ31から燃料極12に水素を供給すると同時に、燃料電池スタック1から出力の取り出しを開始するものである。すなわち、燃料極12の水素濃度が0%のときから出力の取り出しを開始するものである。
その結果、この実施形態を用いて燃料電池システムを起動した場合には、この実施形態を用いない起動方法と比べて二酸化炭素発生が約1/2に抑制される。つまり、この実施形態を用いて燃料電池システムを起動した場合には、式(1)の反応が抑制され、酸化剤極11の触媒層11aの劣化が抑制されていることがわかる。
次に、上述した制御により酸化剤極11の触媒層11aの劣化が抑制されるメカニズムについて説明する。
燃料極12に供給されるガス中の水素濃度が0%から10%までの間に燃料電池スタック1から出力を取り出した場合、酸化剤極11の触媒層11aで式(4)により水が生成される。この生成された水が式(1)に示すカーボン腐食反応に用いられ、結果として触媒層11aのカーボン担体の腐食を引き起こす。一方で、燃料極12に供給されるガス中の水素濃度が10%となるまで燃料電池スタック1から出力を取り出さなかった場合、酸化剤極11の触媒層11aは、乾燥した状態であり、式(1)に示すカーボン担体の腐食が抑制される。
次に、ステップS103からステップS105における制御を実施した場合について図6を用いて説明する。つまり、燃料極12に供給する水素を含んだガス中の水素濃度が10%を超えた場合の起動制御について、実験データに基づいて作成された図6を用いて説明する。
この実験は、燃料極12に種々の水素・空気混合比のガスを導入したとき、酸化剤極11のカーボン担体の腐食による二酸化炭素発生を測定した結果である。このときに発生する二酸化炭素は、(1)式により発生する二酸化炭素である。なお、この実験では燃料電池スタック1からの出力の取り出しは行っていない。
水素10%(空気90%)のガスを燃料極12に導入した場合、二酸化炭素の発生は見られなかった。それに対し、水素30%(空気70%)の混合ガスを燃料極12に導入すると、二酸化炭素は著しく増加する。また、水素40%(空気60%)の混合ガスを燃料極12に導入した場合においても、二酸化炭素は多く発生しており、水素80%(空気20%)の混合ガスをアノードに導入した場合と水素100%のガスをアノードに導入した場合では二酸化炭素の発生量は比較的少なく、ほぼ同程度の二酸化炭素発生量であった。このことから、水素濃度10%から80%の間で劣化が大きく生じるため、この間において劣化抑制が必要であるといえる。
そのためこの実施形態では、燃料極12に供給するガス中の水素濃度が10%を超えると、酸化剤極11に新たな空気を供給せずにスイッチ55をONとして燃料電池スタック1から出力を取り出し、酸化剤極11の酸素を素早く消費することで、酸化剤極11の触媒層11aにおいて式(4)によるカーボン担体の腐食を抑制し、燃料電池スタック1の劣化を抑制する。
この実施形態では、燃料極12と酸化剤極11との電力消費手段として負荷53を用いたが、電気的に接続される手段であれば、これに限定されるものではない。しかしながら、導電手段を外部に設けることは、システムの大型化、複雑化に繋がることから、負荷53を用いることが好ましい。また、負荷53の代わりとして、バッテリ54に電力を蓄えることも可能である。
次に、この実施形態の燃料電池システムの停止制御について図7のフローチャートを用いて説明する。なお、燃料電池システムは、停止制御に移行する前は、燃料極12に水素ボンベ31から水素が供給され、負荷53によって燃料電池スタック1から取り出す出力は、アイドル状態の出力である。そして、循環コンプレッサ36は燃料電池スタック1から取り出す出力に応じた回転数で稼働しているものとする。
まず、燃料電池システムの停止指令を受けると、ステップS200において、水素ボンベ31からの水素の供給を停止する。
ステップS201では、循環コンプレッサ36の回転数を予め設定された所定回転数αまで高くする。つまり、循環コンプレッサ36によって循環する循環水素の流量を所定の流量まで多くする。なお、循環コンプレッサ36の回転数を最大回転数としても良い。
予め設定された所定時間T1が経過すると、ステップS202において、バルブ23を閉じ、コンプレッサ22を停止して、酸化剤極11への空気の供給を停止する。水素ボンベ31からの水素の供給を停止し、負荷53によって燃料電池スタック1から所定の出力を取り出すので、燃料極12内の水素が消費され、燃料極12内の圧力は減少し、大気圧に対して負圧となる。所定時間T1は、燃料極12が負圧となるまでの時間であり、予め実験などによって設定される時間である。
ステップS203では、負荷53の抵抗値を所定抵抗値R1とする。これによって、燃料極12に残存する水素を素早く消費することができ、酸化剤極11のカーボン担体の腐食を抑制することができる。
所定時間T2経過後、ステップS204において、三方弁35を全ての方向で開とする。これによって、燃焼触媒装置39、水素排出路42を介して、外部より空気が燃料極12へ流入する。なお、所定時間T2は、燃料極12の圧力が燃料極12へ空気を十分に導入することのできる予め設定された負圧となるまでの時間、つまり燃料極12と外部との圧力差が十分に大きくなるまでの時間である。燃料極12を十分に負圧とした後に、三方弁35を開くことで、外部から燃料極12へ空気を素早く導入し、また燃料極12において水素と酸素とが存在する時間を短くすることができ、酸化剤極11の触媒層11aのカーボン担体の腐食を抑制することができる(ステップS200からステップS204が空気供給手段を構成する)。
ステップS205では、水素濃度センサ37によって燃料極12に供給されるガス中の水素濃度dhを検出し、水素濃度dhが所定水素濃度dh1よりも低いかどうか判定する。そして、水素濃度が所定水素濃度よりも低い場合にはステップS206へ進む。この実施形態では水素濃度センサ37によって水素濃度dhを検出したが、酸素濃度センサ38によって燃料極12に供給されるガス中の酸素濃度doを検出しても良い。この場合、水素が十分に消費された場合の酸素濃度(例えば15%)となった場合にステップS206へ進む。
ステップS206では、燃料極12の水素濃度dhが十分に低くなったので、スイッチ55をOFFとして、燃料電池スタック1と負荷53との電気的な接続を切断し、三方弁35を全方向において閉とし、循環コンプレッサ36を停止し、燃料電池システムの停止制御を終了する。
以上の制御によって、燃料電池システムを停止する場合に、水素ボンベ31から燃料極12への水素の供給を停止し、循環コンプレッサ36を稼働した状態で負荷53によって燃料電池スタック1から出力を取り出すので、燃料極12の水素を素早く消費することができ、燃料極12の水素濃度が十分に低くなった後に、循環コンプレッサ36を停止させるので、酸化剤極11のカーボン担体の腐食を抑制することができる。
本発明の第1実施形態の効果について説明する。
従来、燃料電池システムの起動、停止時に、酸化剤極のカーボン担体の腐食を抑制するために、燃料電池システムの起動時に燃料極を水素でパージし、短時間で燃料極内に混入した空気を水素で置換する方法、または停止時に燃料極を空気でパージし、短時間で燃料極内を空気で置換する方法があった。しかし、近年、外気への水素排気に対する規制が厳しくなっており、水素排気をなくすため、燃料電池システムの起動時、または停止時に燃料極中に残存する水素と空気中の酸素を反応させて起動する方法がとられることが多くなってきている。
しかし、水素と酸素とが混合する状態から燃料電池システムを起動し、また燃料極に水素が充満した状態から燃料電池システムを停止すると、燃料電池スタックの酸化剤極で式(2)の反応が起こり、式(2)の反応によって生成された水が、式(1)のカーボン担体の腐食を促進するなど、劣化を十分に抑制できないといった問題点がある。
この実施形態では、燃料電池システムを起動する場合に、燃料極12に供給するガス中の水素濃度dhが所定水素濃度よりも低いときには、燃料電池スタック1と負荷53との電気的な接続を行わない、つまり燃料電池スタック1から出力の取り出しを行わないので、酸化剤極11の触媒層11aのカーボン担体の腐食を抑制することができる。また、燃料極12へ供給するガス中の水素濃度dhが所定水素濃度よりも高くなると、燃料電池スタック1と負荷53とを電気的に接続し、酸化剤極11に新たな空気を供給せずに燃料電池スタック1から出力を取り出すことで、酸化剤極11の酸素を素早く消費し、式(2)の反応による水の生成を抑制し、酸化剤極11の触媒層11aのカーボン担体の腐食を抑制することができる。
また、燃料電池システムを停止する場合に、水素ボンベ31から燃料極12への新たな水素の供給を停止し、循環コンプレッサ36を稼働したまま燃料極12に空気を導入することで、燃料極12における水素と空気とによる混合ガスの循環を良くし、水素の消費を素早く行うことができ、酸化剤極11の触媒層11aのカーボン担体の腐食を抑制することができる。また、燃料電池システムの停止制御時間を短縮することができる。
燃料電池システムを停止する場合に、循環コンプレッサ36の回転数を通常の運転時よりも多くすることで、短時間で燃料極12の水素と酸素とを反応させ、燃料電池システムの停止制御時間を短縮することができる。
また、燃料電池システムを停止する場合に、燃料極12の水素が十分に減少し、負圧となった後に、三方弁35によって燃料極12と外部とを連通させ、外部から燃料極12に空気を導入することで、燃料極12において、水素と酸素とが混在する時間を短くし、酸化剤極11の触媒層11aのカーボン担体の腐食を抑制することができる。また、外部と燃料極12との圧力差を大きくなった後に外部と燃料極12とを連通させることで、燃料極12に空気を素早く導入することができる。
次に本発明の第2実施形態について図8を用いて説明する。図8はこの実施形態の燃料電池システムの概略構成図である。この実施形態では、第1実施形態の水素濃度センサ37、酸素濃度センサ38の代わりに燃料電池スタック1の電圧を検出する電圧センサ43と、負荷53へ流れる電流を検出する電流センサ44と、を備える。また、燃料極12の下流側と酸化剤極11の下流側を流路45によって連結し、流路45にバルブ46を備える。その他構成については第1実施形態と同じ構成なので、ここでの説明は省略する。
流路45によって、燃料極12と酸化剤極11との下流を連結し、流路45に設けたバルブ46の開閉によって、燃料極12と触媒燃焼装置39との連通状態を切り換える。燃料極12から排出される排出水素中の水素濃度が低くなった場合には、バルブ46を開き、排出水素の一部を流路45を介して、触媒燃焼装置39に供給する。
次に、この実施形態の燃料電池システムの起動制御を、図9のフローチャートを用いて説明する。
まず、燃料電池システムの起動指令を受けると、ステップS300において循環コンプレッサ36を始動させる。このときバルブ46は閉じており、排出水素は循環コンプレッサ36によって燃料極12を環流する。
ステップS301では、水素ボンベ31から燃料極12へ水素の供給を開始する。なお、このときの水素流量は、予め設定された水素流量となるように流量コントローラ33によって制御される。このときスイッチ55、56はOFFとなっており、燃料電池スタック1と負荷53とバッテリ54とは電気的に接続していない。このとき燃料極12では触媒層12bによって水素と酸素とが反応し、燃料極12に供給される水素の一部と燃料極12に存在する酸素とが消費されるが、燃料電池スタック1における通常の発電反応は生じず、燃料極12を流れる水素を含んだガスの水素濃度が徐々に上昇する。
ステップS302では、電圧センサ43によって燃料電池スタック1の電圧を検出し、燃料電池2あたりの電圧Vを算出する。そして、電圧Vが所定電圧V1よりも高くなるとステップS303へ進む。所定電圧V1は、予め実験などにより設定された電圧であり、例えば実験により得られた図6に示す燃料極12に供給するガス中の水素濃度と燃料電池スタック1における燃料電池2あたりの電圧との関係から算出する値である。この実施形態では所定電圧V1を燃料極12に供給するガス中の水素濃度が10%である場合の燃料電池2の電圧である0.2Vとする(ステップS302が電圧算出手段を構成する)。
ステップS303では、スイッチ55をONにして燃料電池スタック1と負荷53とを電気的に接続し、燃料電池スタック1から出力の取り出しを行う。このときの負荷53の抵抗値を所定抵抗値R1とする。
ステップS304では、この制御によって水素ボンベ31から燃料極12に供給した水素量mhを流量コントローラ33に基づいて算出し、その水素量mhが循環流路40と燃料極12に混入した空気中の酸素量の2倍の流量となる水素量と、燃料電池スタック1の発電反応によって消費された水素量と、の加算値である所定量mh1となるとステップS305へ進む。
ステップS305では、スイッチ55をOFFにして燃料電池スタック1と負荷53との電気的な接続を切断し、燃料電池スタック1からの出力の取り出しを終了する。
燃料極12などに存在する酸素量の2倍の流量となる水素量と、燃料電池スタック1で消費される水素量と、の加算値となる水素量mh1を燃料極12に供給するので、燃料極12などに存在する酸素を確実に消費することができ、酸化剤極11のカーボン担体の腐食を抑制することができる。
ステップS306では、バルブ23を開き、コンプレッサ22を起動して酸化剤極11への空気の供給を開始する。
次にこの実施形態の燃料電池システムの停止制御について図10のフローチャートを用いて説明する。なお、燃料電池システムは、停止制御に移行する前は、燃料極12に水素が供給され、負荷53によって燃料電池スタック1から取り出す出力は、アイドル状態の出力である。そして、循環コンプレッサ36は燃料電池スタック1から取り出す出力に応じた回転数で稼働しているものとする。
ステップS400からステップS403までは第1実施形態のステップS200からステップS203までと同じ制御なので、ここでの説明は省略する。
所定時間T2経過後、ステップS404において、バルブ46を開く。これによって、燃焼触媒装置39、流路45を介して、外部より空気が燃料極12へ流入する。なお、所定時間T2は、燃料極12の圧力が燃料極12へ空気を十分に導入することのできる予め設定された負圧となるまでの時間である。
燃料極12の水素と酸化剤極11の酸素とが減少するので、燃料電池スタック1の出力、つまり負荷53によって消費される電力も減少する。ステップS405では、電圧センサ43によって負荷53の電圧を検出し、また電流センサ44によって負荷53に流れる電流を検出し、負荷53における消費電力Pを算出する。また、タイマ(図示せず)によって消費電力Pが所定電力P2よりも小さくなった時間tを算出する。そして消費電力Pが所定電力P2よりも小さくなった時間tが所定時間t1をよりも長くなったかどうか判定する。消費電力Pが所定電力P2よりも小さくなった時間tが所定時間t1よりも長くなるとステップS406へ進む。所定電力P2は、燃料極12の水素濃度が10%となった場合に、負荷53(所定抵抗値R1)によって消費される電力である。所定時間t1は、予め実験などによって設定された時間である。なお、コンプレッサ22を停止すると、酸化剤極11の酸素が少なくなり、燃料極12から電解質膜10を透過した水素が酸化剤極11に存在する可能性がある。そのため、燃料極12に空気が流入すると負荷53に通常の発電時とは逆方向の電流が流れる恐れがあるので、この実施形態では、負荷53によって消費される電力量を算出し、所定電力P2と比較する(ステップS405が電力消費量算出手段を構成する)。
なお、ステップS405では、負荷53における消費電力を算出したが、負荷53を流れる電流の絶対値を検出しても良い。
ステップS406では、燃料極12の水素濃度が十分に低くなったので、スイッチ55をOFFとして、燃料電池スタック1と負荷53との電気的な接続を切断し、バルブ46を閉じ、循環コンプレッサ36を停止し、燃料電池システムの停止制御を終了する。
本発明の第2実施形態の効果について説明する。
燃料極12に供給されるガス中の水素濃度を、電圧センサ43によって検出した燃料電池スタック1の電圧値、または電流センサ44によって検出した電流値、または燃料極12に供給した水素流量に基づいて算出することで、水素濃度センサ、または酸素濃度センサなどを用いずに燃料極12に供給されるガス中の水素濃度を算出することができ、簡易な装置を用いて酸化剤極11の触媒層11aのカーボン担体の腐食を抑制することができる。
次に本発明の第3実施形態について図11を用いて説明する。図11はこの実施形態の燃料電池システムの概略構成図である。この実施形態では第2実施形態の燃料電池システムの燃料極12の下流側に配設する圧力センサ47と、バルブ23と触媒燃焼装置39との間に配設する圧力センサ48と、を備える。その他の構成については第2実施形態と同じ構成なので、ここでの説明は省略する。
また、燃料電池システムの起動制御は、第2実施形態と同じ制御なので、ここでの説明は省略する。
次に燃料電池システムの停止制御について、図12のフローチャートを用いて説明する。
まず、燃料電池システムの停止指令を受けると、ステップS500において、水素ボンベ31からの水素の供給を停止する。
ステップS501では、循環コンプレッサ36の回転数を予め設定された所定回転数αまで高くする。つまり、循環コンプレッサ36によって循環する循環水素の流量を所定の流量まで多くする。なお、循環コンプレッサ36の回転数を最大回転数としても良い。
ステップS502において、負荷53の抵抗値を所定抵抗値R1とする。これによって、燃料極12に残存する水素を素早く消費することができ、酸化剤極11のカーボン担体の腐食を抑制することができる。
所定時間T3経過後、ステップS503においてバルブ46を開く。これによってコンプレッサ(昇圧機)22によって空気を燃料極12に供給する。コンプレッサ22を用いて空気を燃料極12に供給するので、燃料極12へ素早く空気を供給し、燃料電池システムの停止制御を素早く終了することができる。なお所定時間T3は、燃料極12の水素が消費され、燃料極12が負圧となるまでの時間である。
ステップS504では、圧力センサ47によって燃料極12の圧力P1を検出し、圧力センサ48によってバルブ23と触媒燃焼装置39との間の圧力P2を検出する。そして、圧力P2と圧力P1との圧力差ΔP(=P2−P1)を検出し、圧力差ΔPが所定圧力差βよりも小さくなるとステップS505へ進む。燃料極12では、ステップS500において新たな水素の供給が停止され、水素が消費されるので燃料極12の圧力が減少して負圧となる。ステップS504において、バルブ46を開くと、流路45を介して燃料極12に空気が流入し、燃料極12に水素が残存する場合には、燃料極12に残存する水素と、燃料極12に流入する空気中の酸素と、が反応し、水素と酸素とが消費されるのでバルブ46を開いた直後は圧力差ΔPが比較的大きくなるが、燃料極12の水素が少なくなると、空気中の酸素が消費されないので燃料極12の圧力が次第に高くなり、圧力差ΔPが小さくなる。この実施形態では、酸化剤極11と、バルブ23と触媒燃焼装置39と間と、の圧力差ΔPを算出し、圧力差ΔPが所定圧力差βよりも小さくなると、燃料極12に残った水素が少ないと判定する。なお、所定圧力差βは、予め実験などによって設定された圧力差であり、燃料極12の水素濃度が10%となる場合の圧力差である。なお、圧力センサ48を用いずに大気圧を用いて圧力差ΔPを算出しても良い。
ステップS505では、燃料極12の水素濃度が十分に低くなったので、コンプレッサ22を停止し、スイッチ55をOFFとして、燃料電池スタック1と負荷53との電気的な接続を切断し、バルブ46を閉じ、循環コンプレッサ36を停止し、燃料電池システムの停止制御を終了する。
なお、この実施形態では圧力センサ47、48を用いたが、この代わりに差圧センサを用いてもよい。
本発明の第3実施形態の効果について説明する。
燃料電池システムを停止する場合に、燃料極12を負圧とした後に、燃料極12の圧力を検出する圧力センサ47と、バルブ23と触媒燃焼装置39との間の圧力を検出する圧力センサ48と、の圧力差ΔPに基づいて燃料極12の水素濃度を推定する。これによって、燃料極12の水素濃度を正確に推定することができる。
また、燃料電池システムを停止する場合に、燃料極12にコンプレッサ22によって空気を供給するので、燃料電池システムの停止制御を素早く終了することができる。
次に本発明の第4実施形態について図13を用いて説明する。図13はこの実施形態の燃料電池システムの概略構成図である。この実施形態では、第1実施形態の燃料電池システムに加えて、水素供給流路24と空気供給流路41とを連結する流路70と、流路70に配設するバルブ71と、を備える。その他の構成については第1実施形態と同じ構成なので、ここでの説明は省略する。
この実施形態の燃料電池システム起動時の制御については第1実施形態と同じ制御なので、ここでの説明は省略する。なお、燃料電池システムの起動時には、バルブ71は閉じている。
次に燃料電池システムの停止制御について図14のフローチャートを用いて説明する。なお、燃料電池システムは、停止制御に移行する前は、燃料極12に水素が供給され、負荷53によって燃料電池スタック1から取り出す出力は、アイドル状態の出力である。そして、循環コンプレッサ36は燃料電池スタック1から取り出す出力に応じた回転数で稼働しているものとする。
まず、燃料電池システムの停止指令を受けると、ステップS600において、水素ボンベ31からの水素の供給を停止する。
ステップS601では、循環コンプレッサ36の回転数を予め設定された所定回転数αまで高くする。つまり、循環コンプレッサ36によって循環する循環水素の流量を所定の流量まで多くする。なお、循環コンプレッサ36の回転数を最大回転数としても良い。
ステップS602において、負荷53の抵抗値を所定抵抗値R1とする。これによって、燃料極12に残存する水素を素早く消費することができ、酸化剤極11のカーボン担体の腐食を抑制することができる。
所定時間T3経過後、ステップS603においてバルブ71を開く。これによってコンプレッサ22によって流路70を介して燃料極12の直上流より空気を燃料極12に供給する。そのため燃料極12における水素の消費を素早く行うことができる。なお所定時間T3は、燃料極12の水素が消費され、燃料極12が負圧となるまでの時間である。
ステップS604では、水素濃度センサ37によって燃料極12に供給されるガス中の水素濃度dhを検出し、水素濃度dhが所定水素濃度dh1よりも低いかどうか判定する。そして、水素濃度dhが所定水素濃度dh1よりも低い場合にはステップS605へ進む。
ステップS605では、燃料極12の水素濃度dhが十分に低くなったので、コンプレッサ22を停止し、バルブ71を閉じ、スイッチ55をOFFとして、燃料電池スタック1と負荷53との電気的な接続を切断し、循環コンプレッサ36を停止し、燃料電池システムの停止制御を終了する。
本発明の第4実施形態の効果について説明する。
燃料電池システムを停止する場合に、流路70によって燃料極12の直上流から空気を燃料極12に供給するので、燃料極12における水素の消費を素早く行うことができ、燃料電池システムの停止制御を素早く終了することができる。
本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、その技術的思想の範囲内でなしうるさまざまな変更、改良が含まれることは言うまでもない。
燃料電池システムの起動、停止回数が多い、燃料電池車両に利用することができる。
本発明の第1実施形態の燃料電池の概略構成図である。 燃料電池システムを起動した場合に燃料電池内を説明する図である。 本発明の第1実施形態の燃料電池システムの概略構成図である。 本発明の第1実施形態の燃料電池システムの起動制御を示すフローチャートである。 本発明の第1実施形態の燃料電池システムと本発明を用いない場合の燃料電池システムとにおける二酸化炭素の発生量を比較する図である。 燃料電池の燃料極に供給するガス中の水素濃度と、酸化剤極で発生する二酸化炭素と、燃料電池の電圧と、の関係を示す図である。 本発明の第1実施形態の燃料電池システムの停止制御を示すフローチャートである。 本発明の第2実施形態の燃料電池システムの概略構成図である。 本発明の第2実施形態の燃料電池システムの起動制御を示すフローチャートである。 本発明の第2実施形態の燃料電池システムの停止制御を示すフローチャートである。 本発明の第3実施形態の燃料電池システムの概略構成図である。 本発明の第3実施形態の燃料電池システムの停止制御を示すフローチャートである。 本発明の第4実施形態の燃料電池システムの概略構成図である。 本発明の第4実施形態の燃料電池システムの停止制御を示すフローチャートである。
符号の説明
1 燃料電池スタック
2 燃料電池(単位セル)
10 高分子電解質膜
11 酸化剤極
12 燃料極
11a、12a 触媒層
22 コンプレッサ
31 水素ボンベ(燃料ガス供給手段)
33 流量コントローラ
36 循環コンプレッサ(強制循環手段)
37 水素濃度センサ(水素濃度推定手段)
38 酸素濃度センサ
43 電圧センサ
44 電流センサ
47、48 圧力センサ
53 負荷(電力消費手段)
54 バッテリ(蓄電手段)
55、56 スイッチ(切替手段)

Claims (15)

  1. 電解質膜を挟持する燃料極と酸化剤極とを有する単位セルを積層して構成する燃料電池スタックと、
    前記燃料極に水素を供給する水素供給手段と、
    前記燃料電池スタックにおける発電反応に使用されなかった排出水素を再び前記燃料極に環流させる強制循環手段と、
    前記燃料電池スタックと電気的に接続し、前記燃料電池スタックで発電した電力を消費する電力消費手段と、
    前記燃料電池スタックと前記電力消費手段との電気的な接続状態を選択的に切り換える切換手段と、
    前記燃料極のガス中の水素濃度を推定する第1の水素濃度推定手段と、を備え、
    燃料電池システムの起動時に、前記強制循環手段を起動した後に前記水素供給手段から前記水素を前記燃料極に供給し、
    前記水素濃度推定手段によって推定した前記水素濃度が所定濃度よりも低い場合には、前記切換手段によって前記燃料電池スタックと前記電力消費手段とを電気的に切断し、
    前記水素濃度推定手段によって推定した前記水素濃度が前記所定濃度よりも高い場合には、前記切換手段によって前記燃料電池スタックと前記電力消費手段とを電気的に接続することを特徴とする燃料電池システム。
  2. 前記所定濃度は、10%であることを特徴とする請求項1に記載の燃料電池システム。
  3. 前記第1の水素濃度推定手段は、前記燃料極に供給するガス中の水素濃度を検出する水素濃度センサであることを特徴とする請求項1または2に記載の燃料電池システム。
  4. 前記単位セルの電圧を算出する電圧算出手段を備え、
    前記第1の水素濃度推定手段は、前記単位セルの電圧に基づいて前記水素濃度を推定することを特徴とする請求項1または2に記載の燃料電池システム。
  5. 前記電力消費手段は、前記燃料電池スタックで発電した電力を消費する負荷であることを特徴とする請求項1から4のいずれか一つに記載の燃料電池システム。
  6. 前記電力消費手段は、前記燃料電池スタックで発電した電力を蓄える蓄電手段であることを特徴とする請求項1から4のいずれか一つに記載の燃料電池システム。
  7. 前記燃料極に空気を供給する空気供給手段と、
    前記燃料極のガス中の水素濃度を推定する第2の水素濃度推定手段と、を備え、
    前記燃料電池システムを停止する場合に、前記水素供給手段による前記燃料極への前記水素の供給を停止し、前記切替手段によって前記燃料電池スタックと前記電力消費手段とを電気的に接続し、前記強制循環手段を稼働させた状態で前記燃料極に前記空気を供給し、
    前記燃料極のガス中の水素濃度が前記所定値となると、前記空気供給手段による前記燃料極への前記空気の供給を終了し、前記切替手段によって前記燃料電池スタックと前記電力消費手段との電気な接続を切断することを特徴とする請求項1から6のいずれか一つに記載の燃料電池システム。
  8. 前記強制循環手段は、循環コンプレッサであり、
    前記燃料電池システムの停止する場合に、前記循環コンプレッサの回転数を前記燃料電池システムの通常運転時の回転数よりも多くすることを特徴とする請求項7に記載の燃料電池システム。
  9. 前記燃料電池システムの停止する場合に、前記強制循環手段の回転数を最大回転数とすることを特徴とする請求項7に記載の燃料電池システム。
  10. 前記第2の水素濃度推定手段は、前記燃料極に供給するガス中の水素濃度を検出する水素濃度センサであることを特徴とする請求項7から9のいずれか一つに記載の燃料電池システム。
  11. 前記電力消費手段によって消費される電力消費量を算出する電力消費量算出手段を備え、
    前記水素濃度推定手段は、前記燃料極への前記水素の供給を停止した後の前記電力消費量に基づいて前記水素濃度を推定することを特徴とする請求項7から9のいずれか一つに記載の燃料電池システム。
  12. 前記燃料電池スタックの電流を検出する電流センサを備え、
    前記水素濃度推定手段は、前記電流センサによって検出する前記電流の絶対値に基づいて前記水素濃度を推定することを特徴とする請求項7から9のいずれか一つに記載の燃料電池システム。
  13. 前記燃料極の圧力を検出する圧力センサを備え、
    前記水素濃度推定手段は、前記燃料極の圧力に基づいて前記水素濃度を推定することを特徴とする請求項7から9のいずれか一つに記載の燃料電池システム。
  14. 前記空気供給手段によって前記燃料極に空気を供給する場合に、前記燃料極の圧力が大気圧に対して負圧であることを特徴とする請求項7から13のいずれか一つに記載の燃料電池システム。
  15. 前記空気供給手段は、前記燃料極に供給する空気の圧力を高くする昇圧機であることを特徴とする請求項7から14のいずれか一つに記載の燃料電池システム。
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