JP2012234035A - 光結合素子及びその固定方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】光導波路の先端による面型光素子の能動領域やフェルールの破壊を防止する光結合素子及びその固定方法を提供すること。
【解決手段】第1方向から第1角度(φ)だけ傾き、表面に光素子を備えた第1幅の光半導体基板301と、前記光素子302に対向し、前記第1方向(y軸)と直行する第2方向(x軸)に沿って配置され、端面が前記第1方向に対し前記第1角度よりも大きな第2角度(θ)を有し、且つ第2長さの半径Rを有した光ファイバ5とを備え、前記光ファイバは、コア部5aの周囲を覆い、前記光半導体基板と対向する前記端面の外縁が面取りされたクラッド部5bを含み、前記第1角度と前記第2角度|θ−φ|との差は、前記光素子が前記光ファイバの前記端面から保護される大きさ以上である。
【選択図】図1

Description

実施形態は、例えば高速LSIパッケージや光ファイバーケーブルなどに適用可能な光結合素子に関する。
近年、光ファイバ等の光導波路を用いた光配線システムが提案されている。光導波路は、直流から100[GHz]以上の周波数で損失の周波数依存性が殆ど無く、電磁障害は接地電位変動雑音も無いため、数十[Gbps]の配線が容易に実現することが可能である。
US2006/0039658号公報 特開平11−295534号公報 特開2002−228859号公報 特開2003−255141号公報
光導波路の先端による面型光素子の能動領域やフェルールの破壊を防止する光結合素子及びその固定方法を提供する。
実施形態によれば光結合素子は、第1方向から第1角度だけ傾き、面型光素子を備えた第1幅の光半導体基板と、前記光素子に対向し、前記第1方向と直行する第2方向に沿って配置され、端面が前記第1方向に対し前記第1角度よりも大きな第2角度を有し、且つ第2長さの半径を有した光ファイバとを備え、前記光ファイバは、前記光半導体基板と対向する前記端面の外縁が面取りされ、前記第1角度と前記第2角度との差は、前記面型光素子が前記光ファイバの前記端面から保護される大きさ以上である。
第1実施形態に係る光結合素子の断面図。 第1実施形態に係る半導体基板の断面図であって、図2(a)は、第2DBRによって円形メサが形成された半導体基板の断面図であり、図2(b)は、第1DBR、活性層、第2DBRによって形成された円形メサが形成された半導体基板の断面図である。 第1実施形態に係る能動領域を保護するための直線lと半導体基板との最小角度を示した概念図であって、図3(a)はl=250[μm]の場合の概念図であり、図3(b)はl=125[μm]の場合の概念図である。 第1実施形態に係る光結合素子の断面図であって、基板と光ファイバとの傾きについて示した断面図。 第1実施形態に係る基板の平面図。 第1実施形態に係るフェルールに光ファイバを固定・位置決めするための製造工程であって、図6(a)は第1工程、図6(b)は第2工程、図6(c)は第3工程を示した概念図。 第1実施形態の変形例1に係る光結合素子の断面図であって、基板と光ファイバとの傾きについて示した断面図。 第1実施形態の変形例1に係る基板の平面図。 第1実施形態の変形例2に係る受光素子を示し、図9(a)は受光素子の平面図であり、図9(b)は受光素子の断面図。 第1実施形態に係る光ファイバの角部の拡大図であって、図10(a)は面取りしない場合の角部であり、図10(b)は光ファイバの角部を面取りした様子を示した概念図。
以下、本実施形態につき図面を参照して説明する。この説明に際し、全図にわたり、共通する部分には共通する参照符号を付す。ただし、図面は模式的なものであり、厚みと平面寸法との関係、各層の厚みの比率等は現実のものとは異なることに留意すべきである。従って、具体的な厚みや寸法は以下の説明を参酌して判断すべきものである。又、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることは勿論である。
[第1の実施形態]
本実施形態に係る光結合素子は、光ファイバの先端部分を、光の伝搬方向に対し斜めに切断し、この光ファイバを固定・位置決めする際、対向する半導体基板上に設けられた能動領域(後述する円形メサ)に光ファイバの先端(以下、端面とも呼ぶ)が当たらないようするものである。また、光ファイバの周囲(外縁)、すなわちクラッド部分の角を削り、またはその角に丸みを持たせることで、光ファイバを保持するフェルールにこの光ファイバを差し込む際、光ファイバがフェルールに引っかからないようにするものである。なお、前述の通り半導体基板上には、光ファイバと光通信を行う能動領域(後述する円形メサ)が設けられ、以下、この構成について、発光(受光)素子と呼ぶ。本実施形態では、この発光(受光)素子に面型発光素子(例えば、VCSEL(Vertical Cavity Surface Emitting Laser))を用いる。VCSELの構成については後述する。また、本実施形態では、発光素子の場合について説明する。
図1は、第1の実施形態に係る光結合素子10の構成を概略的に示した平面図である。図1に示す光結合素子10は、フェルール1、電気配線2、発光素子3、発光素子搭載用バンプ4、光ファイバ5(5a:コア、5b:クラッド、区別しない場合には単に光ファイバ5)、及び透明樹脂6を備える。
<フェルール1について>
フェルール1は、光を導波する光ファイバ5を保持可能とし、この光ファイバ5を位置決めする。フェルール1は、例えば30[μm]程度のガラスフィラーを80%程度混入したエポキシ樹脂を金型による樹脂成型で形成する。また、フェルール1の材料は、上記エポキシ樹脂の他にPPS(ポリフェニレンサルファイド)、LCP(液晶ポリマー)、ポリアミド樹脂、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、及びポリカーボネート樹脂のいずれかにガラスフィラーを混合した樹脂であってもよい。
<電気配線2について>
電気配線2は、フェルール1の上面から片側側面に沿って形成される。具体的には、フェルール1の上面から発光素子3と対向するフェルール1の側面に沿って形成される。この電気配線2はフェルール1にメタルマスクとスパッタ等によるパターンメタライズを行って形成される。これにより、1[μm]以下の非常に高い精度を持ちながら、従来よりも低コストで電気配線2を備えたフェルール1を量産することが出来る。
<発光素子3について>
上述したように本実施形態では半導体基板301の表面中央部に能動領域7を備え、また、前述の通り半導体基板301及び能動領域7からなる構成を発光素子3と呼ぶ。発光素子3として使用するVCSELは、垂直共振型面発光レーザ全般を指すが、通常は垂直DBR(Distributed Bragg Reflector)型面発光レーザを限定的に指すことが多い。比較的汎用性の高い発振波長850[nm]帯の発光素子3では、DBRミラーとしてAlxGa1-xAsが用いられており、発振条件から必要とされる99.9%以上の反射率を得るためには、例えばAl0.1Ga0.9As/Al0.9Ga0.1Asの各λ/4厚の層ペアを繰り返し積層して3.5μm程度の厚みが必要になる。また、後述する第1、第2DBR304、306で活性層を挟む必要があるため、全体では7〜8[μm]程度の厚さになる。
また、この半導体基板301とフェルール1との位置合わせは、光ファイバ5を保持するフェルール1の穴を用いて行われる。これにより半導体基板301がフェルール1に搭載される。具体的には、光ファイバ5の保持穴を画像認識させて位置合わせする。この位置合わせにより、±5[μm]以下の精度が確保できる。
能動領域7は、発光素子搭載用バンプ4を介して電気配線2から転送された電気信号を光信号に変換し、この光信号を光ファイバ5に導波させる。なお、半導体基板301は後述する受光素子として機能する能動領域7を備えていても良い。この場合、能動領域7は、光ファイバ5から導波された光信号を受光し、これを電気信号に変換した後、この電気信号を、発光素子搭載用バンプ4を介して電気配線2に伝送する。なお、受光素子(発光素子)の構造については変形例2において説明する。
<発光素子搭載用バンプ4について>
発光素子搭載用バンプ4a、4b(以下、バンプ4a、4b、また区別しない場合には単に、バンプ4)は、電気配線2と発光素子3とを電気的に接続する。これにより、電気配線2及びバンプ4を介して伝送された電気信号が、発光素子7に供給される。このバンプ4は、半田バンプ(加熱溶融)、Auバンプ(熱圧着)、Sn/Cuバンプ(固相接合)など、種々の材料及び接続方法を用いることができる。なお、バンプ4a、4bの半径は互いに同じ大きさとされる。すなわち、フェルール1及び発光素子3(半導体基板301)のy軸に対する傾きは同じである。ここで、両者のy軸に対する傾きをφとする。
<光ファイバ5について>
光ファイバ5は、フェルール1が備える光ファイバ5用の穴に保持され、その端面(図中、発光素子3と対向する側)は光ファイバ5の光導波方向(x軸)に対して非垂直な面を有する。この端面のy軸に対する傾きをθ(≠φ)とする。更に光ファイバ5の周囲(具体的には、図1中5c及び5d)は面取りされる。すなわち、発光素子3(半導体基板301)に対向し、非垂直方向に露出した導波路の面のうちクラッド5bの外縁が面取りされている。面取りは、石英光ファイバ等の場合、ファイバクリーバやレーザにより切断された端面を所望の形状になるように弗酸等の薬剤、或いは研磨により行われる。プラスチックファイバの場合の面取りは、ナイフやレーザにより切断された端面を所望の形状になるように研磨や熱板整形により行われる。これら面取りされた外縁部分に当たる5c、5dは、ある曲率半径を有した形状でも良いし、角を切り落とした平面形状であってもよい。この形状については後述する。
本実施形態において、光ファイバ5には例えば石英系のマルチモードGI(Graded Index)ファイバ(コア径50[μm]、クラッド径125[μm]、NA=0.21)を用いる。なお、光ファイバ5は、コア径180[μm]、クラッド径250[μm]であっても良い。また、光ファイバ5は、多成分ガラス系の光ファイバやプラスチック光ファイバを用いてもよく、発光素子3(半導体基板301)に対向する光ファイバ5の端面だけでなく、その反対側の端面もy軸に対して非垂直であって良い。
<透明材料6について>
透明材料6は、光ファイバ5に近い屈折率(光ファイバ5の屈折率は1.46)を有し、光ファイバ5と発光素子3との間隙に充填される。透明材料6は、光素子アンダーフィル材及び光ファイバ5とフェルール1とを接着するための接着剤として用いられる。
<発光素子3の詳細について>
次に、図2(a)及び図2(b)を用いて発光素子3、すなわち半導体基板301及びこの半導体基板301上に形成された能動領域7の構造の詳細について説明する。図2(a)に示すように、発光素子3は、下から例えばGaAsで形成された半導体基板301(以下、半導体基板301)、この半導体基板301上に形成された第1DBR層304、第1DBR層304上に形成された活性層305、及び活性層305上に形成された第2DBR層306が順次形成され、第2DBR層306内にこの両側壁から内部に向かって10[μm]の選択酸化層307が形成される。また、第2DBR層306の一部分により円形メサ303が形成される。この円形メサ303は、第2DBR層306内に形成された選択酸化層307より深く形成される。この構造は選択酸化層構造と呼ばれ、電流閉じ込め(発振領域制限)構造として、高速VCSELにおいて良く用いられている。選択酸化構造は、レーザ活性層の近傍に非常に酸化性の強い結晶(例えば、Al0.98Ga0.02As)を薄く設けておき、所望のレーザ能動領域を残して外側から選択的に水蒸気酸化を行わせる構造である。
半導体基板301の幅は250[μm]である。これは、光通信用の石英系光ファイバ5においてリボンファイバは一般に250[μm]ピッチのアレイ配列が用いられているからである。このため、発光素子3もこのピッチに適合するよう、250[μm]ピッチで素子設計されることが多く、このサイズでの素子設計は一般に問題なく実施できる。
また円形メサ303は直径30[μm]とされる。上述した様に、この円形メサ303内には選択酸化層307が形成され、円形メサ303の側面から10[μm]の幅を有する。これによって、円形メサ303の中心から半径5[μm]の電流注入開口302(非選択酸化領域、図中、黒塗り部分)が活性層305内に形成される。電流注入開口302は、発光素子3の能動領域7に相当する。また、光が導波する領域も能動領域7に相当する。換言すれば、第2DBR層306において選択酸化層307が形成されず、光が導波する各々の第1DBR層304、活性層305、及び第2DBR層306の領域も能動領域7に相当する。以下、電流注入口302のみをさす場合であっても、第1DBR層304、活性層305、及び第2DBR層306において、光が透過する各々の領域を纏めて指す場合であっても、能動領域7と呼ぶ。
なお、半導体基板301は、図2(a)の構造に限らない。つまり、図2(b)に示すように、半導体基板301は、第1DRB層304の表面が露出するまでメサエッチング加工を施してもよい。この場合、選択酸化層307は、第1DBR層304内に形成される。
<半導体基板301及び能動領域7の製造方法>
次に、上記図2(a)を用いて半導体基板301及びこの半導体基板301上に形成される能動領域7の製造方法について説明する。図2(a)に示すように半導体基板301上に第1DBR層304、活性層305、及び第2DBR層306といった結晶層を順次積層し、その後、第2DBR層306に対し直径30[μm]のメサエッチング加工を施す。具体的には、中心から半径15[μm]の円の外側領域をエッチングすることでの第2DBR層306の一部領域に円形メサ303が形成される。このとき、メサエッチングの深さは選択酸化層307に達する深さであれば良く、DBR厚さの3.5[μm]以上、即ち約4[μm]の深さに形成する。次いで、第2DBR層306の両側面から選択酸化を10[μm]行うことで、電流注入開口302の口径が10[μm]の能動領域7を作成する。
<最小傾斜角について>
次に図3(a)及び図3(b)を用いて、光ファイバ5の直径に応じて、能動領域7が光ファイバ5の端面と接触しない傾斜角について説明する。以下では、光ファイバ5の端面を、仮想的な接線lとして説明する。
(1)光ファイバ5の直径(2×R)が250[μm]の場合
図3(a)に示すように、250[μm]×250[μm]の半導体基板301はチップ縁(図中、点Edge1(以下、e1点))から中心までの距離が125[μm]とされる。また、電流注入口302の中央が半導体基板301の中心に設定される場合、中心から15[μm]まで高さ4[μm]の円形メサ303が形成される。このため、チップ縁からメサエッジ(図中、e2点)に伸びる直線はチップ表面に対して約2.1°の傾きとなる(4[μm]/110[μm]〜tan2.1°、チップ辺からメサエッジまでの距離が110[μm])。
図3(a)に、半導体基板301左上部から円形メサ303左上部にかけて引いた直線lを示す。上述したようにこの直線lは、仮想的な平面接触物の表面を表しており(実際は垂直カットされた光ファイバ5の端面)、光ファイバ5の中心点C(光軸中央)が能動領域7の中心上に位置するものとする。また、半導体基板301と直線lとの接触角は約2.1°となる。
従って、図3(a)において平面接触物(直線l)と半導体基板301との角度が2.1°以上であれば、能動領域7を内包する円形メサ303に光ファイバ5等が接触することがなく、半導体基板301の表面(円形メサ303など)に多少の接触物があっても素子破壊を起こすことは少ない。従って、平面接触物(直線l)が先に半導体基板301に接触し、能動領域7は保護される。
このように一般的なリボンファイバのアレイピッチに相当する、250μm×250μmサイズの半導体基板301では、光ファイバ5の端面が半導体基板301に対し2.1°以上の傾きを有していれば、直径30[μm]の円形メサ303が内包する能動領域7には光ファイバ5の端面が接触することはない。すなわち能動領域7は保護される。このため、光ファイバ5の光が出力される端面はフェルール1の面型発光素子搭載面から2.1°以上傾いていることが望ましい。
(2)光ファイバ5の直径(2×R)が125[μm]の場合
次に、図3(b)を用いて光ファイバ5の直径が125[μm]とされた場合について説明する。図3(b)に示す半導体基板301の構造は、上記図3(a)と同一であるため、説明を省略する。本ケースであっても、直線lは平面接触物の表面を表しているが、実際には上記同様垂直カットされた光ファイバ5の端面である。また光ファイバ5の中心点C(光軸中央)は、半導体基板301上に設けられた能動領域7の中心上に位置するものとする。
直径が250[μm]より小さい光ファイバ5の端面を半導体基板301に対向させる場合、上記ケースより大きな角度で傾けることが必要になる。例えば、上述したように一般的な石英系光ファイバの径は125[μm]が多い。上記した半導体基板301と125[μm]径の光ファイバ5の中心とを位置合わせし、半導体基板301上に設けられ、能動領域7を内包する円形メサ303を保護するには、約5.0°の傾きが必要になる(4[μm]/47.5[μm]〜tan5°、光ファイバ5の端(点e3)からメサエッジ(点e2)の距離が47.5[μm])。従って、図3(b)において光ファイバの傾きが前述のように5°以上であれば光ファイバが先に半導体基板301に接触し、能動領域7を内包する円形メサ303は保護されるということが分かる。
上記(1)、及び(2)の場合において、光ファイバ5と半導体基板301との中心位置がずれると上記関係が成立しなくなる。しかし、図1から分かるようにこの問題は、半導体基板301をフェルール1に搭載する際の位置合わせの問題に帰着する。この位置合わせ精度を更に考慮し、光ファイバ5の傾き角、即ち、フェルール1の光素子搭載面傾斜角を5.5°とすれば、能動領域7に光ファイバが接触することは無い。
<光ファイバ5の最適値について>
上記記載を踏まえ図4を用いて、発光素子3と光ファイバ5の端面との角度差|θ−φ|、及び各パラメータを設定することで得られる光ファイバ5の最適値について説明する。
上述したように、発光素子3の表面(半導体基板301の表面)と光ファイバ5の光出力端面とは異なる角度とする。つまり、本実施形態では、発光素子3と光ファイバ5の端面との角度は、上述したようにθ≠φ(<θ)の関係が成立するものとし、且つθとφとの関係において、|θ−φ|≧2.1°となるように両者を設定する。これにより、円形メサが内包する能動領域7に光ファイバ5の端面が接触することはない。すなわち光ファイバ5の端面から能動領域7は保護される。
図4に示すように、半導体基板301の表面と円形メサ303の中心との交点を原点Oとし、紙面縦方向の軸をy軸、紙面横方向の軸をx軸とする。上述したように半導体基板301の傾き、即ちフェルール1のy軸に対する傾きを角度φ、光ファイバ5の光が入出力する端面のy軸に対する傾きを角度θとする。また、円形メサ303の高さをa、直径をbとし、クラッド5bの周囲は半径rにて面取りされている。また光ファイバ5の半径をRとする。なお、光ファイバ5の光信号が導波するコア部分5a(導波路)の中心点Cに当たるy座標は“ゼロ”であるものとする。すなわち、光ファイバ5の中心点C(光軸中央)が半導体基板301の能動領域7の中心上に位置する。
更に、光ファイバ5の端面において、光導波方向に対し最も長い位置をPosition1とする(以下、位置P1)。|θ−φ|≧2.1°を満たした状態で、光ファイバ5の端面を半導体基板301に向かって近づけると、この位置P1とは最初に半導体基板301の表面に接する点である。
この場合、光ファイバ5の先端である位置P1が半導体基板301と最も近接する際、この位置P1のy軸方向への大きさ、すなわち光ファイバ5の中心からの距離yは、下記(1)式によって表される。
Figure 2012234035
上記(1)式に示すように、位置P1が半導体基板301と接近した場合、光ファイバ5の中心点Cからの距離yは、光ファイバ5の半径R、光ファイバ5の光入出力端の周囲(クラッド5b)の面取り半径r、フェルール1のy軸に対する角度φによって決まる。
距離yが、半導体基板301上に設けられた円形メサ303より外側にあれば、すなわち円形メサ303の半径15μm以上の位置に距離yの座標を設定すれば、光ファイバ5の端面が半導体基板301に接触した場合でも光ファイバ5の光入出力端の周囲5c、5dの面取りされた部分が円形メサ303に接触することはない。つまり、光ファイバ5の光入出力端の周囲5c、5dの面取りされた部分により、半導体基板301上に設けられた能動領域7を破壊することはない。
また、光ファイバ5の端面が半導体基板301に接触した場合、その端面を示す直線は下記(2)式によって表される。
Figure 2012234035
一方、円形メサ303の先端座標P2(x、y)、P3(x、y)は下記(3)式及び下記(4)式によって表される。
Figure 2012234035
Figure 2012234035
上記(2)式、(3)式、及び(4)式より、(2)式で表される直線が、(3)式と(4)式とを繋ぐ線分よりx軸上で右側に位置すれば、光ファイバ5の光入出力端の端面が円形メサ303に接触することはなく、半導体基板301上に設けられ、能動領域7を内包する円形メサ303破壊することは無い。
<光ファイバ5の直径(2×R=250[μm])の場合>
以下、上記図3(a)で説明したように、光ファイバ5の直径が250[μm]である場合について説明する。例えば、角度φ=0°、角度θ=2.1°(∴|θ−φ|=2.1°)、半径R=125[μm]、5c、5dにおける曲率半径r=0[μm]とする。すると、上記(2)式で表される直線は、(3)式と(4)式とを繋ぐ線分よりx軸上で右側に位置する。すなわち、光ファイバ5の端面が半導体基板301上に設けられ、能動領域7を内包する円形メサ303bに接触・破壊することはない。
この場合の光ファイバ5の中心の光入出力端(中心点Cのx座標)から位置P1までのx方向の長さは約4.6μm(図中、x1と表記)である。つまり、x1を約4.6[μm]よりも大きくなるように光ファイバ5の端面の角度θ等を設定することで、この端面が能動領域7に接触することはない。すなわち、光ファイバ5の端面から能動領域7は保護される。
以上から、図4に示すような発光素子3(半導体基板301)と光ファイバ5との位置関係の場合、位置P1のy座標、すなわち距離yが15[μm]以上であり、且つ光ファイバ5の中心の光入出力端(中心点C)から光ファイバ5の光導波方向に対して最も長い前記端面先端位置P1までの光ファイバ5の光導波方向に対する長さx1が4.6[μm]以上であるなら、光ファイバ5が半導体基板301に接触したとしても、円形メサ303に接触することは無く、半導体基板301の能動領域7を破壊することは無い。なお、上記では角度φ=0°、角度θ=2.1としたが、|θ−φ|≧2.1°を満たせば、角度φ、角度θの値は任意の値でよい。
<光ファイバ5の直径(2×R=125[μm]の場合)>
以下、上記図3(b)で説明したように、光ファイバ5の直径が125[μm]である場合について説明する。各設定値は以下の通りである。すなわち、角度φ=0°、角度θ=5.5°(∴|θ−φ|=5.5°)、半径R=62.5[μm]、5c、5dの半径r=5[μm]とする。すると、x1=約5.5[μm]となる。つまり、上記ケースの250[μm]より小さい直径で、且つ光ファイバ5の端面周囲(5c、5d)を曲率半径rで面取りした場合には、より大きな角度で傾けることが必要になる。すなわち、この場合の光ファイバ5の中心の光入出力端(中心点C)から光ファイバ5の光導波方向に対して最も長い端面先端(位置P1)までの光ファイバ5の光導波方向に対する長さx1を更に長くすればよい。
なお、距離y、及びx1の値は、上述したように上記(1)式から(4)式を使用することで容易に算出することが可能である。また、上記では角度φ=0°、角度θ=5.5としたが、|θ−φ|≧5.5°を満たせば、角度φ、角度θの値は任意の値でよい。
<光ファイバ5端面の接触位置>
次に、図5を用いて上記条件を満たした光ファイバ5が半導体基板301表面に接した際の、接触位置について説明する。図5は、半導体基板301の平面図である。図示するように、半導体基板301上には、原点Oを中心にして電極308と3つの電極309が形成され、その内側に円形メサ303が形成される。上述の通り、円形メサ303の中心部分は能動領域7が設けられ、この部分が電極301の1つと電気配線にて電気的に接続されている。なお、円形メサ303と電極308、及び309との間に示す点線は光ファイバ5の直径である。
この半導体基板301表面に、上記(1)式〜(4)式を満たした光ファイバ5の端面が接触すると、その位置は図示するような黒色部分となる。この部分を接触位置Cp1(Contact Position)とする。この接触位置Cp1上に、半導体基板301上に設けられる電極308、及び309を配置しないことが望ましい。これは、光ファイバ5の接触による断線等を防止する。
<光ファイバ5の固定・位置決め方法>
次に、図6(a)〜図6(c)を用いて光ファイバ5の固定・位置決め方法について説明する。まず、図6(a)に示すように、フェルール1において、発光素子3に対向する側の反対側の穴から光ファイバ5を挿入する。この時、光ファイバ5自体に反りが発生していても、5c、5dが面取りされていることから、フェルール1内で光ファイバ5が引っかかることもなく、スムースに挿入することが可能となる。
次いで、図6(b)に示すように、発光素子3と上記(1)式〜(4)式の関係を満たした光ファイバ5の端面をこの半導体基板301表面に接触させる。この際、上記したように図5のような接触位置で、光ファイバ5の端面が半導体基板301表面に接触する。この際、(1)式〜(4)式を満たしていることから、光ファイバ5の端面が能動領域を内包する円形メサ303に接触することなどはない。
その後、図6(c)に示すように半導体基板301表面から光ファイバ5の端面を規定距離離す。これにより、光ファイバ5の固定・位置決めが完了する。なお、光ファイバ5をフェルール1に固定する場合、上記図6(c)の工程を省略しても良い。すなわち、光ファイバ5の端面を半導体基板301の表面に当てた状態であっても良い。
<本実施形態に係る効果>
本実施形態に係る光結合素子であると、以下(1)〜(3)の効果を得ることが出来る。
(1)光ファイバ5の引っかかりを抑制することが出来る。
本実施形態に係る光結合素子であると、上記したように光ファイバ5のクラッド部分5c、5dの角の面取りが施されている。このため、フェルール1の保持部に光ファイバ5を挿入する場合、この光ファイバ5に僅かな反りがあったとしても、光ファイバ5の先端がフェルール1の光ファイバを保持する部分にひっかかる頻度を抑制することが可能となる。また、引っかかりによる光ファイバ5の先端の破壊を抑制することが可能となる。光ファイバ5の端面の周囲5c、5dにおいて面取りを施す曲率半径rは、フェルール1の光ファイバ5を保持する部分の凹凸、及び光ファイバ5の反り形状に依るが、約5[μm]以上の面取り半径とすることにより、上記の引っかかりの大半は抑制可能である。
更に、光ファイバの引っかかりによるフェルール1の光ファイバ5を保持する部分の“削れ”を抑制することが可能となる。このため、発光素子3と光ファイバ5の間に“削りかす”が発生しないことから、発光素子3と光ファイバ5との間の光結合特性の劣化を抑制することが可能となる。
また、光ファイバ5の端面周囲5c、5dにおける面取りは、光ファイバ5が半導体基板301表面に接触した場合に発光素子3に対する破壊等を抑制する効果がある。
(2)雑音発生を抑制することが出来る。
本実施形態に係る光結合素子であると、光ファイバ5の光入出力端面と発光素子3とがそれぞれある角度だけ傾いて光結合されている。このため、戻り光による雑音発生を抑制できる効果を有する。
但し、本実施形態においては発光素子3の光出力面から光ファイバ5の光入力端面までの距離が2[μm]程度と極端に短いため、光ファイバ5と発光素子3とを角度|θ−φ|で傾斜させているにも拘わらず、光ファイバ5の端面からの反射光が発光素子3の光共振モードに結合して戻り光雑音を発生させる場合がある。
この問題を抑制するため、本実施形態であると光ファイバ5と発光素子3との間隙に透明樹脂6が充填されている。この透明樹脂6の屈折率は、光ファイバ5のそれに近い値である。これにより、光ファイバ5(屈折率約1.46)と周囲(空気の場合、屈折率=約1)の屈折率差を小さくすることが出来る。したがって、光ファイバ5の端面からの極近端反射光(反射距離数μm)を低く抑えることが出来る。これは、屈折率差低下による反射率の低下で等価的に光ファイバを発光素子から遠ざけた場合と同じような効果が得られるからである。以上から、透明樹脂6は、屈折率が光ファイバ5の等価屈折率に等しい、若しくはほぼ同等であることが望ましい。
また、透明樹脂6を充填することは、光ファイバ5が外力によって微少振動することを抑制する効果も持っている。光ファイバ5は、光結合素子の外部で種々の物体に接しており、それらからの外力を内部に伝達する媒体にもなり得るが、光ファイバ5が外部の周期性振動を受け、しかもその振動が機械的共鳴振動数近傍である場合、光ファイバ5端面またはそれに接する発光素子3が微少振動する内部共鳴振動を起こす場合がある。上述した透明樹脂6の充填は、このような内部振動の防止及び減衰にも有効である。
さらに、透明樹脂6は半導体基板301とフェルール1との熱膨張特性の差を緩衝する効果も有しており、相互の熱膨張係数差により発生する応力や歪を発光素子3とフェルール1の接続部(発光素子搭載用バンプ4の周囲)に集中させず、半導体基板301に能動領域7を備えた発光素子3の表面全体に分散させる効果を持つ。このため、透明樹脂6の充填は熱サイクルの劣化等を防止するためにも有効である。
更に上記効果を高めるため、透明樹脂5に透明な微粒子フィラー(例えば平均粒径数[μm]〜数10[μm]のシリカや粉砕石英など)を混合させることも有効である。すなわち、透明な微粒子フィラーの混合率を調整して樹脂の平均的、或いは等価的熱膨張特性を光ファイバや発光素子3に整合、或いはそれらの中間値とすることで、熱応力(熱歪)緩和効果を高めることができる。
なお、発光素子3の角度は光ファイバ5の光導波方向に対して垂直な方向、即ちφ=0°に設定することも可能である。しかし、この場合、透明樹脂6を充填しているため、光ファイバ5が発光素子3と対向する端面とは反対側、すなわち光ファイバ5の他端にある光結合素子(例えば、PD)からの反射光が発光素子3に入射され、戻り光による雑音発生する可能性がある。これを抑制するためには、発光素子3の角度φは光ファイバ5の光導波方向に対して垂直な方向から傾けることが望ましい。すなわち、θ>0°よりも大きくした方が良い。
(3)発光素子3(半導体基板301)と光ファイバ5との距離を一定とすることが出来る。
本実施形態に係る光結合素子であると、フェルール1に光ファイバ5を固定し、位置決めする際、一度半導体基板301の表面に光ファイバ5の端面、すなわち位置P1を当てた後、一定距離だけ引き戻す。つまり、光ファイバ5の端面が半導体基板301の表面に接触した位置を基準とし、その接触点から規定距離離すことで、発光素子3と光ファイバ5との距離を一定とすることが出来る。換言すれば、接触した位置(基準点)からどの程度光ファイバ5を半導体基板301から引き戻すのかを設定することで、光結合素子毎の個体差が生じることを防止することが出来る。
<変形例1>
次に図7、及び図8を用いて上記実施形態1の変形例1に係る光結合素子ついて説明する。変形例1に係る光結合素子は上記実施形態1において光ファイバ5を、x軸を中心に反転させたものである。すなわち位置P1のy座標が正側に位置する。これを以下、位置P4とする。なお、上記第1実施例と同様に、光ファイバ5の端面と発光素子3との角度差を|θ−φ|≧2.1°とし、また上記第1の実施形態と同一の構成については説明を省略する。
以下、変形例1に係る光結合素子において、光ファイバ5がフェルール1に保持された際、能動領域7を内包する円形メサ303が、光ファイバ5の端面から保護されるための条件を説明する。変形例1において、位置P4のy座標の大きさ、すなわち距離yは下記(5)式によって表される。
Figure 2012234035
上記(1)式と同様、上記(5)式は、位置P4が半導体基板301に近づく場合、光ファイバ5の中心点Cからの距離yは、ファイバ5の半径R、光ファイバ5の光入出力端の周囲5c、5dが面取りされる曲率半径r、フェルール1の角度φによって決まる。
この位置yが円形メサ303より外側にあれば、即ち円形メサ303の半径15μm以上の位置に距離yを設定すれば、光ファイバ5が半導体基板301表面に接触した場合でも面取りされたクラッド5bにおける5c、5dが円形メサ303に接触することは無い。すなわち、半導体基板301上に設けられ、能動領域7を内包する円形メサ303を破壊することはない。
また変形例1において、光ファイバ5の端面が半導体基板301表面に接触した場合、この端面を示す直線は下記(6)式によって表される。
Figure 2012234035
一方、円形メサ303の先端座標P2(x、y)、P3(x、y)は上述した(3)式及び(4)式で表される。
(3)式、(4)式、及び(6)式から、(6)式で表される直線が、(3)式と(4)式とを繋ぐ線分よりx軸上で右側に位置すれば、光ファイバ5の端面が円形メサ303に接触することはない。つまり、光ファイバ5の端面が半導体基板301表面に接触しても、この光ファイバ5の端面から能動領域7を内包する円形メサ303は保護され、破壊を防ぐことが出来る。
<光ファイバ5の直径(2×R)=250[μm]の場合>
以下、上記第1の実施形態における図3(a)で説明したように、光ファイバ5の直径が250[μm]である場合について説明する。例えば、角度φ=2.1°、角度θ=0°、半径R=125[μm]、r=0[μm]とする。
この場合、(6)式で表される直線は、(3)式と(4)式とを繋ぐ線分よりx軸上で右側に位置する。すなわち、上述したように、光ファイバ5の先端が、半導体基板301上に設けられ、能動領域7を内包する円形メサ303に接触・破壊することはない。
この場合、光ファイバ5の中心の光入出力端(中心点Cのx座標)から位置P4のx座標までの長さは0.0μm(図中、x1と表記)である。つまり、x1を0.0[μm]よりも大きくなるように光ファイバ5の光入出力端面の角度θ等を設定することで、この端面が能動領域302に接触することがない。すなわち、光ファイバ5の光入出力端面から能動領域7を内包する円形メサ303は保護される。
以上から、図7に示すような発光素子3と光ファイバ5との位置関係の場合、位置P4のy座標、すなわち距離yが15[μm]以上であり、且つ光ファイバ5の中心点Cから光ファイバ5の光導波方向に対して最も長い端面の先端位置P4までのx軸方向に対する長さが0.0[μm]以上であるなら、例え光ファイバ5が半導体基板301表面に接触したとしても、光ファイバ5の端面が円形メサ303に接触することは無い。すなわち、光ファイバ5の先端が、半導体基板301上に設けられ、能動領域7を内包する円形メサ303を破壊することは無い。
<光ファイバ5の直径(2×R)=125[μm]の場合>
以下、光ファイバ5の直径が125[μm]である場合について説明する。すなわち、角度φ=7.5°、角度θ=2.0°(∴|θ−φ|=5.5°)、半径R=62.5[μm]、5c、5dの半径r=5[μm]とする。すると、x1=約2.0[μm]となる。つまり、上記ケースの250[μm]より小さい直径で、且つ光ファイバ5の端面周囲(5c、5d)を半径rで面取りした場合には、より大きな角度で傾けることが必要になる。すなわち、光ファイバ5の中心の光入出力端(中心点C)から光ファイバ5の光導波方向に対して最も長い端面先端(位置P4)までのx軸方向の長さを更に長くすればよい。
以上から、図7に示すような発光素子3と光ファイバ5との位置関係の場合、位置P4のy座標、すなわち距離yが15[μm]以上であり、且つ光ファイバ5の中心点Cから位置P4までのx軸方向に対する長さが約2.0[μm]以上であるなら、光ファイバ5が半導体基板301表面に接触したとしても、光ファイバ5は円形メサ303に接触することは無く、半導体基板301上に設けられ、能動領域7を内包する円形メサ303を破壊することは無い。
以上のように、変形例1であっても、距離y、及びx1の値は、上記(3)式〜(6)式を使用することで容易に算出することが可能である。
<光ファイバ5端面の接触位置>
次に、図8を用いて上記条件を満たした光ファイバ5の端面が半導体基板301表面に接した際の、接触位置について説明する。図8は、発光素子3の平面図である。以下、図5と同一の構成については説明を省略する。
この半導体基板301表面に、上記(3)式〜(6)式を満たした光ファイバ5の端面が接触すると、その位置は図示するような黒色部分となる。この部分を接触位置Cp2(Contact Position)とする。この接触位置Cp2上に、半導体基板301上に設けられる電極401を配置しないことが望ましい。これは、光ファイバ5の接触による断線等を防止する。
<変形例1に係る効果>
変形例1に係る光結合素子であっても、上記第1の実施形態と同じ効果を得ることが出来る。すなわち、上記(1)〜(3)の効果を得ることが出来る。つまり、光ファイバ5をフェルール1に保持させる際、この光ファイバ5の反りに起因した引っかかりを抑制し、また削りかすがフェルール1内で生じることを抑制する事が出来、光結合特性の劣化を抑制することが出来る。
また、光ファイバ5と発光素子3との間に透明樹脂6を充填している。このため、戻り光雑音の発生を抑制することが出来る。
<変形例2>
次に、図9(a)、図9(b)を用いて上記第1の実施形態の変形例2に係る光結合素子について説明する。変形例2では、上記第1の実施形態、及び変形例1で用いた発光素子3に代え、面型光素子としてPIN−PD等の受光素子を設けた場合について説明する。変形例2の受光素子が搭載された半導体基板を基板8とする。
図9(a)、図9(b)は、受光素子3(以下、PIN−PDまたは受光素子3)の構造を示したものであり、図9(a)はPIN−PDの平面図を示し、図9(b)は、PIN−PDの断面図を示す。
図9(a)、図9(b)に示すように、半導体基板801表面内に反転不純物拡散領域(受光部pn接合)802、及び絶縁膜804が形成される。この反転不純物拡散領域802上の周囲には円形メサ803が形成される。また絶縁膜804上には、能動領域電極805、及び接地電極806が形成される。ここで、図9(a)、9(b)の構造を以下、受光素子3と呼ぶ。なお、図9(a)に示す破線は、光ファイバ5の対向位置を示す。
円形メサ803は、能動領域として機能する。この円形メサ803は、受光素子がアレイ化した場合などに少数キャリア(非拡散領域がn型の場合は正孔)がキャリア濃度勾配により拡散し、隣接素子に到達するのを防止する少数キャリアの拡散防止溝としての機能を有する。また、直接遷移型の半導体材料を用いたPIN構造の場合、不純物拡散領域深さが1[μm]程度、光吸収層厚さが2〜3[μm]となることが多く、少数キャリア拡散防止溝の深さは4[μm]程度の深さに形成すればよい。
絶縁膜804は、素子高速動作のために電極の寄生容量を低減する厚膜の絶縁体であり、例えば膜厚4[μm]のポリイミド膜を用いる。ここで、厚膜の絶縁膜804を用いて電極容量を低減する必要がある部分は能動部電極805であるが、本実施形態の主旨から全てのバンプ4が同等の構造、サイズを有することが望ましく、接地電極806も能動部電極と同じ構成としている。
従って、素子全体がほぼ平坦な表面を有し、配線パタンを円形メサ803(能動領域803)に接続するか、厚膜の絶縁膜804を通して受光素子3に接続(図示せず)するか、という違いで機能は異なるが、バンプ4の電極パッドとしての機械的構成は同一になるようにしている。
このため、受光素子3の場合は受光層に電界印加するための接合部から空乏層の延びる部分(受光部)及びその周囲を囲む領域が能動領域803となり、一般には受光部から周囲に10〜20[μm]拡大した領域、又は受光部を周囲と分離するよう加工したメサ領域803が能動領域を意味するものである。そのため、この能動領域に光ファイバ5が接触しないように、光ファイバ5の先端位置等を設定すれば良い。
<変形例2に係る効果>
変形例2に係る光結合素子であっても、上記効果(1)〜(3)を得ることが出来る。すなわち、受光素子3を用いた場合であっても、これに対向する光ファイバ5との配置位置や、これら受光素子3と光ファイバ5との角度等を最適化することで、円形メサ803(能動領域803)は、光ファイバ5の端面から保護される。
<変形例3>
次に、図10を用いて第1の実施形態の変形例3に係る光結合素子について説明する。変形例3に係る光結合素子は、クラッド5bの角部5c、5dを、半径r(r:任意の値)の曲率半径を有した形状から、この形状において湾曲が始まる点同士を直線で結んだ形状にしたものである。
図10(a)、図10(b)は、クラッド5bの拡大図である。ここで、図10(a)は、クラッド5bの角部(5c、5d)を面取りしない場合を示し、図10(b)はクラッド5bの角部を面取りした場合を示す。なお、曲率半径rとされたクラッド5bの形状については点線で示す。
図10(b)に示すように、クラッド5bの面取りによって、図10(a)の角部を、湾曲が始まる両始点S1、S2を直線で結んだ形状にしてもよい。換言すれば、クラッド5bの面取りにより、角部におけるそれまでの1つの角から2つの角を発生させた形状であってもよい。なお、始点S1、S2の位置は、クラッド5bの角部が、湾曲であっても、S1とS2とを直線で結んだ形状であっても同じである。すなわち、この始点S1若しくは始点S2が、半導体基板301の表面に一番近い点である。
[第2の実施形態]
次に第2に実施形態に係る光結合素子について説明する。第2の実施形態に係る光結合素子は、上記第1の実施形態と上記変形例2との組み合わせである。すなわち、光ファイバ5の一端に第1の実施形態で説明した光結合素子(以下、第1光結合素子)が設けられており、他端には、変形例2で説明したPIN−PD等の受光素子3(以下、第2光結合素子)が設けられている。これにより、第1の光結合素子から第2の光結合素子へと電気信号が伝送可能となる。
なお、本願発明は上記実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。更に、上記実施形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適宜な組み合わせにより種々の発明が抽出されうる。例えば、実施形態に示される全構成要件からいくつかの構成要件が削除されても、発明が解決しようとする課題の欄で述べた課題が解決でき、発明の効果の欄で述べられている効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出されうる。
1…フェルール、2…金属配線、3…発光素子(受光素子)、301…半導体基板、4…バンプ、5…光ファイバ、5a…クラッド、5b…コア、5c、5d…クラッド5bの角、6…透明樹脂、302、802…能動領域、303、803…円形メサ、304…第1DBR、305…活性層、306…第2DBR、307…選択酸化層、308、309、805、806…電極、804…絶縁膜、

Claims (5)

  1. 第1方向から第1角度だけ傾き、面型光素子を備えた第1幅の光半導体基板と、
    前記光素子に対向し、前記第1方向と直行する第2方向に沿って配置され、端面が前記第1方向に対し前記第1角度よりも大きな第2角度を有し、且つ第2長さの半径を有した光ファイバと
    を備え、
    前記光ファイバは、前記光半導体基板と対向する前記端面の外縁が面取りされ、
    前記第1角度と前記第2角度との差は、前記面型光素子が前記光ファイバの前記端面から保護される大きさ以上である
    ことを特徴とする光結合素子。
  2. 前記光ファイバの直径が前記第1幅と同一の場合、前記第1角度と前記第2角度との差は、2.1°以上であり、
    前記光ファイバの前記直径が前記第1幅の半分の大きさである場合、前記第1角度と前記第2角度との差は、5.5°以上である
    ことを特徴とする請求項1記載の光結合素子。
  3. 前記光ファイバは、コア部とこのコア部の周囲を覆うクラッド部とを含み、
    前記光ファイバが前記光半導体基板の表面に接する際、この表面と接する前記クラッドの前記第2方向の座標と前記端面であって前記コア部の中心における前記第2方向の座標との距離は4.6[μm]以上であり、
    前記コア部の中心における前記第1方向の座標と、前記表面と接する前記クラッドの前記第1方向の座標との距離は、前記光素子が有する幅よりも大きい
    ことを特徴とする請求項1記載の光結合素子。
  4. 表面から高さhを有する面型光素子を備え、且つ端部から前記面型光素子の片側面まで長さlを有した光半導体基板と、
    端面が前記面型光素子に対向し、且つ直径が長さlを有した光ファイバと
    を備え、
    前記光ファイバは、前記端面の外縁が面取りされ、
    前記光ファイバが前記光半導体基板の表面に接する際、前記面型光素子を保護しつつ、前記光ファイバが前記表面の一部に接する際の前記光半導体基板に対する前記端面の傾き角度は、
    長さlが、前記光半導体基板の幅と同じ場合、
    tan−1(h/l)以上とされ、
    長さlが、前記光半導体基板の幅より小さい場合、前記光ファイバが前記表面に接した位置から前記片側面までの長さをlとすると、
    tan−1(h/l)以上とされる
    ことを特徴とする光結合素子。
  5. 表面が第1方向から第1角度だけ傾き、表面に面型光素子を備えた光半導体基板に向かってフェルールの保持部に、端面が前記第1方向から前記第1角度よりも大きな第2角度で削られた光ファイバを挿入するステップと、
    前記表面に前記光ファイバの前記端面が当たるまで、前記光ファイバを挿入するステップと、
    前記光ファイバの端面が前記表面に当たった後、前記光ファイバの前記端面を前記表面から一定距離だけ離すステップと
    を具備することを特徴とする光結合素子の固定方法。
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