JP2012232542A - 印刷装置、印刷システムおよび印刷装置の制御方法 - Google Patents
印刷装置、印刷システムおよび印刷装置の制御方法 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】印刷データに応じた適切な吐出検査を実施することのできる印刷装置および印刷装置の制御方法を提供する。
【解決手段】本発明の印刷システムは、印刷印刷データを解析するデータ解析部52と、データ解析部52の解析結果に応じて、印刷データに基づいて印刷を行う複数の吐出ノズルNについて吐出の有無を検出する吐出検査の検出感度を設定する検出感度設定部53と、検出感度に基づいて、吐出検査を行う吐出検査部42と、を備えたことを特徴とする。
【選択図】図7
【解決手段】本発明の印刷システムは、印刷印刷データを解析するデータ解析部52と、データ解析部52の解析結果に応じて、印刷データに基づいて印刷を行う複数の吐出ノズルNについて吐出の有無を検出する吐出検査の検出感度を設定する検出感度設定部53と、検出感度に基づいて、吐出検査を行う吐出検査部42と、を備えたことを特徴とする。
【選択図】図7
Description
本発明は、複数の吐出ノズルについて吐出の有無を検出する機能を備えた印刷装置、印刷システムおよび印刷装置の制御方法に関するものである。
この種の技術として、印刷に先立って、吐出ノズルから正常に液滴が吐出されるか否かを検査して吐出検査を行う印刷装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載の印刷装置は、吐出検査において、印字ヘッドのノズル形成面に形成されているすべての吐出ノズルについて吐出の有無を検査し、一部の吐出ノズルが吐出不良であった場合、当該吐出ノズルが実行すべき吐出を、吐出が正常である他の吐出ノズルにより代行する。このようにして印刷を実行し、当該印刷が終了した後に、吐出ノズルからのインクの吸引やノズル形成面のワイピングによるクリーニングを行う。これにより、印刷実行前に吐出不良を発見しても、処理に時間を要するクリーニングを実行せずとも不具合なく印刷を行うことができるため、印刷終了を遅らせることがない。
ところで、上記のような吐出検査は、吐出ノズルの吐出不良から発生する印字抜けを防止するために行われる。この印字抜けの許容度は、印刷データによって異なる。例えば、印刷データにコード画像が含まれていた場合、1ドットの印字抜けであっても印刷結果が示す情報に影響を及ぼすため、印字抜けの許容度は低い。一方、印刷データにテキストデータが含まれていた場合、当該テキストデータが示す文字が確認可能に印刷できる程度にまで、印字抜けの許容度を高めてもよい。すなわち、印刷データに応じて、印刷抜けを発生させる吐出ノズル数の許容度が異なる。つまり、印字抜けによる印刷不良を防ぐための吐出検査の感度は、印刷データによって変化させることが好ましい。しかし、上記のような印刷装置は、印刷データの違いよらず同じ感度で吐出検査を行っているため、過度な検出感度の吐出検査によって、不要なノズル代替処理やクリーニングを行って処理時間や液滴を無駄に費やしている虞がある。また、低い検出感度の吐出検査によって、ノズル代替処理やクリーニングを行わずに印刷不良を発生させる虞もある。
本発明は、上記の点に鑑み、印刷データに応じた適切な吐出検査を実施することのできる印刷装置、印刷システムおよび印刷装置の制御方法を提供することを課題とする。
本発明の印刷装置は、印刷データを解析するデータ解析部と、データ解析部の解析結果に応じて、印刷データに基づいて印刷を行う複数の吐出ノズルについて吐出の有無を検出する吐出検査の検出感度を設定する検出感度設定部と、検出感度に基づいて、吐出検査を行う吐出検査部と、を備えたことを特徴とする。
本発明の印刷装置の制御方法は、印刷データを解析するデータ解析ステップと、印刷データの解析結果に応じて、印刷データに基づいて印刷を行う複数の吐出ノズルについて吐出の有無を検出する吐出検査の検出感度を決定する検出感度決定ステップと、検出感度に基づいて、吐出検査を行う吐出検査ステップと、を備えたことを特徴とする。
これらの構成によれば、印刷データの解析結果に基づいて吐出検査の検出感度を設定するため、印刷データに応じた吐出検査を行うことができる。このため、過度な検出感度の吐出検査によって不要なクリーニング処理を行ったり、逆に低い検出感度の吐出検査によって印刷不良を発生させたりすることなく、吐出ヘッドに対して適切な吐出検査を行うことができる。
この場合、吐出検査部は、複数の吐出ノズルにおける吐出無ノズルの検出数に基づいて、当該複数の吐出ノズルの状態を「吐出良好」および「吐出不良」のいずれかであると判定し、検出感度は、複数の吐出ノズルの状態が「吐出不良」と判定される吐出無ノズルの検出数であることが好ましい。
この構成によれば、複数の吐出ノズルの状態が「吐出不良」と判定される吐出無ノズルの検出数を多くすることで検出感度を高く設定し、吐出無ノズルの検出数を少なくすることで検出感度を低く設定することができる。
この場合、データ解析部は、印刷データがコード画像、およびテキストのいずれかを含むか否かを解析することが好ましい。
この構成によれば、印刷データに含まれる印刷対象の種類によって吐出検査の感度を設定することができる。このため印刷対象の特性に応じた適切な吐出検査を行うことができる。
この場合、検査感度設定部は、印刷データにコード画像が含まれていた場合、コード画像が含まれていない場合に比べて、吐出検査の検出感度を高く設定することが好ましい。
この構成によれば、印字抜けにより印刷結果の示す情報が変化するコード画像の特性に合わせ、検出感度の高い吐出検査を行うことができる。なお、上記のコード画像は、1次元バーコードおよび2次元コードを含むものとする。
この場合、印刷データは、前記複数の吐出ノズルに実行させる印刷の印刷解像度を示す情報を含み、データ解析部は、印刷解像度を解析し、検出感度設定部は、解析された印刷解像度に応じて検出感度を設定することが好ましい。
この構成によれば、複数の吐出ノズルが実行する印刷の印刷解像度に応じた適切な感度で吐出検査を実施することができる。なお、印刷解像度とは、複数の吐出ノズルが吐出する液滴のドット密度を指す。また、印刷解像度が高い場合には、ドット密度が高いため、吐出検査の検出感度を低く設定し、一方、印刷解像度が低い場合には、ドット密度が低いため、吐出検査の検出感度を高く設定することが好ましい。
この場合、吐出検査部は、印刷部に吐出ノズルから帯電液滴を吐出させる吐出駆動部と、吐出された帯電液滴を着弾させる吐出対象と、帯電液滴の着弾により吐出対象に発生する電流の変化を検出する検出部と、を備え、電流の変化によって吐出ノズルの吐出の有無を検査することが好ましい。
この構成によれば、吐出検査において消費する液滴の量が微量であるため、印刷以外のメンテナンスに要する液滴の消費量を抑えることができる。
本発明の印刷システムは、上記の印刷装置におけるデータ解析部、および検出感度設定部を備えたコンピューターと、上記の印刷装置における複数の吐出ノズル、および吐出検査部を備えた印刷部と、で構成されることを特徴とする。
この構成によれば、印刷データに応じた適切な検出感度で吐出検査を実施する印刷システムを実現することができる。
以下、添付の図面を参照し、本発明の一実施形態にかかる印刷システムについて説明する。本実施形態の印刷装置は、印刷媒体であるロール紙に対し、吐出ヘッドからインク(液滴)を吐出して印刷を行い、所定量の印刷が終了するごとに、吐出ヘッドの吐出検査を行う。以下、印刷装置にセットされたロール紙の幅方向を主走査方向とし、ロール紙の長手方向を副走査方向として、説明を進める。
図1に示すように、本実施形態の印刷システムSYは、印刷装置1および制御装置50を備えている。印刷装置1は、ロール紙2を収容するロール紙収容部3と、複数種類のインクをロール紙2に吐出する吐出ヘッド4を搭載したキャリッジ5と、キャリッジ5を主走査方向に移動させるキャリッジ移動機構6と、ロール紙2の端を副走査方向に引き出すロール紙搬送機構7と、吐出ヘッド4に対してカラーインクを供給するインク供給機構8と、吐出ヘッド4のメンテナンスを行うメンテナンス機構9と、これらの各構成部を統括的に制御する制御部40を備え、全体が不図示のケースに覆われている。また、印刷装置1は、ロール紙2をロール紙収容部3から着脱するためのロール紙カバー(図示省略)や、インク供給機構8のインクカートリッジ10を着脱するためのカートリッジカバー11を備えている。一方、制御装置50は、いわゆるパーソナルコンピュータであり、印刷装置1に対して印刷データおよび吐出検査の検出感度を含んだコマンドを送信する。
キャリッジ移動機構6は、キャリッジ5を主走査方向に移動可能に支持するガイド軸12と、ガイド軸12に併設された環状ベルト13と、環状ベルト13を回転させるキャリッジモーター14と、を有している。キャリッジ移動機構6は、キャリッジモーター14の駆動によって環状ベルト13を回転させ、ガイド軸12にしたがってキャリッジ5を主走査方向に移動させる。
ロール紙搬送機構7は、ロール紙2上でキャリッジ5と対面するプラテン15と、上方を通過するロール紙2の端を副走査方向に繰り出す搬送ローラー16と、を有している。プラテン15は、キャリッジ5に搭載された吐出ヘッド4にロール紙2を押し当て、搬送ローラー16は、印刷済みのロール紙2をキャリッジ側に押し当てた状態で繰り出して排出する。
インク供給機構8は、インクカートリッジ装着部17に装着されたインクカートリッジ10と、インクカートリッジ10に収容された各カラーインクに対応したインクパックから吐出ヘッド4にカラーインクを供給するためのインク流路18およびインク供給チューブ19と、を有している。本実施形態では、シアン(C)、マゼンダ(M)、およびイエロー(Y)の3色のカラーインクに対応したインクパックおよびインク供給チューブ19を備えている。
メンテナンス機構9は、ロール紙2上から主走査方向に外れた位置でキャリッジ5と対面し、吐出ヘッド4のノズル面20を封止するヘッドキャップ21(図5参照)、インク吸引機構、およびワイピング機構(いずれも不図示)を有している。ヘッドキャップ21には、インク吸引機構のチューブの一端が接続され、インク吸引機構のポンプモーターが駆動されることによってヘッドキャップ21内が減圧され、ノズル面20に形成された吐出ノズルNからカラーインクを吸引する。ワイピング機構は、ノズル面20の汚れをゴム製のワイパによって払拭する。メンテナンス機構9は、このようなインク吸引機構によるインク吸引処理およびワイピング機構によるワイピング処理を行うことによって吐出ヘッド4のクリーニング処理を実施する。メンテナンス機構9は、吐出ヘッド4について吐出検査を行った後、当該吐出検査によって「吐出不良」と判定された場合において、クリーニング処理を行う。詳しくは、後述する。
なお、キャリッジ5がロール紙2に対面する位置を印刷位置P1とし、キャリッジ5がメンテナンス機構9に対面する位置をメンテナンス位置P2とする。印刷装置1は、キャリッジ5を印刷位置P1に移動させて印刷を行い、キャリッジ5をメンテナンス位置P2に移動させて吐出ヘッド4のメンテナンスを行う。
図2および図3に示すように、吐出ヘッド4は、いわゆる6連のインクジェットヘッドであり、6連の接続針22を有するインク導入部23と、インク導入部23に連なるヘッド基板24と、ヘッド基板24に連なりインクを吐出するヘッド本体25と、を備えている。インク導入部23は、6列のノズル列NLA,NLB,・・・,NLFに対応した6連の接続針22A,22B,・・・,22Fを有しており、インク供給機構8からインクが供給されるようになっている。なお、各接続針22とノズル列NLとの対応は、図3に示すとおりである。また、ヘッド本体25は、ピエゾ素子等で構成される6連のポンプ部26と、複数の吐出ノズルNが形成されたノズル面20を有するノズルプレート27と、を有している。印刷装置1は、制御部40から出力した駆動波形が各ポンプ部26に印加することで、各吐出ノズルNからカラーインクを吐出する。
図4(a)は、ノズルプレート27のノズル面20に形成された吐出ノズルNの配置を示した模式図である。なお、本図は、図3におけるノズルプレート27を上下に回転させた状態を示している。図示のように、ノズルプレート27のノズル面20に形成された多数の吐出ノズルNは、6列のノズル列NLA,NLB,・・・,NLFを有しており、各ノズル列NLは、副走査方向に等ピッチ(ノズルピッチ)で並べられた90個の吐出ノズルN1,・・・,N90で構成されている。各ノズル列NLは、ノズル列NLA,NLC,NLEの3列が基準位置1に配置され、ノズル列NLB,NLD,NLFの3列が基準位置1に対して半ノズルピッチ副走査方向に位置ズレした基準位置2に配置されて構成されている。すなわち、各ノズル列NLは、相互に平行且つ半ノズルピッチ位置ズレして列設されている。
図4(b)は、各ノズル列NLが吐出するカラーインクの種類を示している。図示のように、ノズル列NLA,NLFはシアン(C)、ノズル列NLB,NLEはマゼンダ(M)、ノズル列NLC,NLDはイエロー(Y)、を吐出する。すなわち、基準位置の異なる2列のノズル列NLによって、各種カラーインクが吐出される。
吐出ヘッド4は、主走査方向に移動しながら、例えば、基準位置1に配置されたノズル列NLA,NLC,NLEの各1番目の吐出ノズルN1A,N1C,N1E(ノズル群G1)が、同位置にシアン(C)マゼンダ(M)およびイエロー(Y)の各インクを吐出して印刷を行っている。すなわち、基準位置が同位置である各ノズル列NLにおいて、ロール紙搬送方向下流側から数えて同番目の吐出ノズルNが、同じ位置に異なるカラーインクを吐出してカラー印刷を実現している。以下、図4(a)のように、主走査方向において同じ位置に異なるインクを吐出するに3つの吐出ノズルNをノズル群Gとする。例えば、吐出ノズルN1A,N1C,N1Eが、ノズル群G1となる。言い換えれば、各ノズル群Gが、1つの印刷ドットを構成している。本実施形態では、交互に半ピッチずつ位置ズレして配置された各ノズル列NLが90個の吐出ノズルNで構成されているため、吐出ヘッド4は、180個のノズル群G(G1,G2,…,G180)を有している。
また、吐出ヘッド4は、主走査方向に移動しながら、各ノズル列NLにおいてロール紙搬送方向下流側から数えて同番目の吐出ノズルNで構成される6つの吐出ノズルNからのインクの吐出により、副走査方向における最小印字幅(最小印刷幅)を印刷する。すなわち、吐出ヘッド4は、半ノズルピッチの間隔を有する複数の吐出ノズルによって最小印字幅を印刷する構成となっている。最小印字幅とは、印刷装置1が印刷可能な最小の線幅である。例えば、図4(a)に示すように、6つの吐出ノズルN1A,N1B,N1C,N1D,N1E,N1Fによって、印刷領域における最も下流位置の最小印字幅を印刷する。つまり、例えば、ノズル群G1,G2により最小印字幅を印刷する。
図5は、メンテナンス機構9のヘッドキャップ21の断面図である。図示のように、ヘッドキャップ21は、ノズル面20に密着可能なゴム等の弾性材からなるリップ部28と、吐出ヘッド4のノズル面20を封止可能な大きさの開口を有する箱型のキャップ本体29と、キャップ本体29の凹部30に収納され廃インクを吸収する多層構造の吸収材31と、キャップ本体29の凹部30に立設され吸収材31と導通可能な金属軸32と、金属軸32の下端に接続されたリード線33とを有している。吸収材31は、リップ部28と離間するよう押さえて配置されている。
メンテナンス機構9は、所定量の印刷(単位印刷)が終了するごとに、吐出ヘッド4の吐出ノズルNのインクの吐出の有無を検査する。この吐出検査では、先ず、吐出ヘッド4のノズル面20に対してヘッドキャップ21が位置決めされた状態で対面し、この状態で複数の吐出ノズルNから帯電したインクを制御装置からの駆動波形によって選択的に吐出させる(吐出駆動部)。そして、吐出された帯電インクが吸収材31(吐出対象)に着弾して発生する電流の変化を金属軸32およびリード線33を介して取り出し(検出部)、制御部40により吐出の有無を判断する。
メンテナンス機構9は、上記の吐出検査において、1つの印刷ドットを構成する各ノズル群Gに吐出「無」の吐出ノズルNが存在するか否かを検査する。以下、ノズル群Gに吐出「無」の吐出ノズルNを有するノズル群Gを「吐出不良ノズル群G」、ノズル群Gに吐出「無」の吐出ノズルNを有さない「ノズル群Gを吐出良好ノズル群G」、として説明する。そして、吐出不良ノズル群Gが、制御装置50からのコマンドに示された所定数(判定基準ノズル群G数)以上であった場合、吐出ヘッド4を「吐出不良」と判定する。一方、吐出不良ノズル群Gが、所定数(判定基準ノズル群G数)よりも少ない場合、吐出ヘッド4を「吐出良好」と判定する。なお、請求項における「検出感度」とは、吐出ヘッド4が「吐出不良」と判定される基準となる、吐出不良ノズル群Gの数をさす。すなわち、請求項における「「吐出不良」と判定される吐出無ノズルの検出数」とは、本実施形態では、「吐出不良ノズル群Gの数」をさす。
ここで、図6を参照し、本実施形態における印刷データの分割について例示する。同図(a)に示す例では、一連の連続する印刷データを印刷するページごと(ロール紙を切断するごと)に分割した印刷データを単位印刷データとする。この場合、各単位印刷データは、それぞれ異なった内容となる。一方、同図(b)に示す例では、所定内容の印刷データを複数繰り返すことにより全印刷データが構成されている。この場合、各単位印刷データは、同内容となる。このように、単位印刷データに基づく印刷(単位印刷)が終了するごとに吐出検査を行うことにより、印字抜けが発生したと推定される印刷済みのロール紙を最小限に抑えることができる。
次に、図7を参照し、印刷システムSYの機能構成について説明する。上記したとおり、印刷システムSYは、印刷装置1および制御装置50を備えている。
図7に示すように、制御装置50は、印刷データ生成部51、データ解析部52、検出感度設定部53、および印刷I/F部54を有している。印刷データ生成部51は、制御装置50に搭載された画像作成アプリケーションや印刷ドライバにより構成され、ロール紙2に印刷を行うための印刷データを生成する。データ解析部52は、印刷データ生成部51により生成された印刷データを解析する。本実施形態では、データ解析部52は、印刷データにコード画像およびテキストデータが含まれているか否かを解析する。検出感度設定部53は、データ解析部52の解析結果に基づいて、印刷装置1の吐出検査部42が行う吐出検査の検出感度を設定する。本実施形態では、検出感度設定部53は、検出感度として、1回の吐出検査において吐出ヘッド4が「吐出不良」と判定される基準となる吐出不良ノズル群Gの数(判定基準ノズル群G数)を設定する。印刷I/F部54は、印刷装置1と接続および通信を行うためのインターフェイスであり、例えば、USB(Universal Serial Bus)インターフェイス等で構成されている。本実施形態では、印刷データ生成部51により生成された印刷データ、および検出感度設定部53により設定された検出感度を示すコマンドを印刷装置1に対して送信する。
図7に示すように、印刷装置1は、印刷部41、吐出検査部42、クリーニング部43、I/F部44、およびこれらを統括制御する制御部40を有している。印刷部41は、上記の吐出ヘッド4、キャリッジ5、キャリッジ移動機構6、ロール紙搬送機構7、およびインク供給機構8で構成されており、制御装置50から受信した印刷データに基づいてロール紙2に対し印刷処理を行う。吐出検査部42は、主に吐出ヘッド4およびヘッドキャップ21で構成されており、吐出ヘッド4の吐出の有無を検査する。本実施形態では、吐出検査部42は、制御装置50から受信したコマンドに示された検出感度で吐出検査を実施する。クリーニング部43は、インク吸引機構およびワイピング機構で構成されており、吐出検査部42により吐出ヘッド4が「吐出不良」と判定された場合に、吐出ヘッド4に対してクリーニング処理を行う。I/F部44は、制御装置50と接続および通信を行うためのインターフェイスであり、例えば、USBインターフェイス等で構成されている。本実施形態では、印刷データおよび検出感度を示すコマンドを受信する。制御部40は、制御装置50から受信した印刷データおよびコマンドに基づいて、印刷部41、吐出検査部42、およびクリーニング部43を統括的に制御する。
次に、図8および図9を参照し、吐出ヘッド4の吐出状態と印刷結果との関係ついて説明する。なお、両図において、説明のため、吐出ヘッド4を各ノズル群G1,G2,…,G180の集合として示している。また、吐出良好ノズル群Gを「●」、吐出「無」の吐出不良ノズル群Gを「○」、として示している。
図8(a)は、コード画像における吐出ヘッド4の吐出状態を、同図(b)は、コード画像における印刷結果を示している。図示のように、すべてのノズル群Gが吐出良好ノズル群Gである場合、コード画像は、印字抜けなく印刷される。一方、例えば、ノズル群G89が吐出不良ノズル群Gであった場合、すなわち、ノズル群G89が吐出「無」の吐出ノズルNを1つでも有していた場合、コード画像は、ノズル群G89の印刷位置において印字抜けが発生する。また、例えば、ノズル群G89およびノズル群G90が吐出不良ノズル群Gであった場合、コード画像は、ノズル群G89およびノズル群G90の印刷位置において印字抜けが発生する。このように、コード画像は、印字抜けが一部でも発生すると印刷結果の示す情報が変化する虞があるために、本実施形態では、コード画像は、吐出不良ノズル群Gが1つでも存在している場合に吐出ヘッド4を「吐出不良」と判定する。すなわち、吐出検査の「吐出不良」の判定基準ノズル群G数を「1以上」とする。
なお、実際には、ノズル群G89を構成するすべての吐出ノズルNが吐出「無」である場合に、ノズル群G89の印刷位置において印字抜けが発生し、ノズル群G89を構成する一部の吐出ノズルNが吐出「無」である場合に、ノズル群G89の印刷位置が所望とは異なるカラーで印刷される。本実施形態では、前者および後者を含めて「印字抜け」として説明する。
図9(a)は、テキストデータにおける吐出ヘッド4の吐出状態を、同図(b)は、テキストデータにおける印刷結果を示している。図示のように、すべてのノズル群Gが吐出良好ノズル群Gであった場合、テキストデータは、印字抜けなく印刷される。一方、例えば、ノズル群G89が吐出不良ノズル群Gであった場合、テキストデータは、ノズル群G89の印刷位置において印字抜けが発生する。しかし、副走査方向における最小印字幅を、ノズル群G89およびノズル群G90によって印刷するため、ノズル群G89の印刷位置において印字抜けが発生しても、ノズル群G90によって、正常に印刷される。図示のように、テキストデータ「A」の横棒部分が、ノズル群G90によって印刷されている。また、例えば、ノズル群G89およびノズル群G90が吐出不良ノズル群Gであった場合、ノズル群G89およびノズル群G90の印刷位置において印字抜けが発生する。この場合、副走査方向における最小印字幅を印刷するノズル群G89およびノズル群G90の両ノズル群Gにおいて印字抜けが発生するため、テキストデータ「A」の横棒部分が、印刷されない。本実施形態では、上記のように、テキストデータが示す文字がユーザーに誤って認識されることを避けるため、吐出「無」の吐出ノズルNを有するノズル群Gが副走査方向に連続して2つ以上存在している場合に、吐出ノズルNを「吐出不良」と判定する。すなわち、吐出検査の「吐出不良」の判定基準ノズル群G数を「連続する2以上」とする。なお、吐出不良ノズル群Gが2つ以上存在する場合であっても、当該ノズル群G同士が副走査方向に隣り合っていない場合は、吐出ノズルNは「吐出良好」と判定される。
また、本実施形態では、印刷データにコード画像およびテキストデータが含まれていなかった場合は、吐出検査の「吐出不良」の判定基準ノズル群G数を副走査方向に「連続する3以上」とする。
次に、図10のフローチャートを参照して、本発明の第1実施形態に係る印刷処理について説明する。先ず、制御装置50は、印刷データを生成し(S01)、生成した印刷データを解析する(S02)。そして、印刷データにコード画像が含まれていた場合(S03:Yes)、判定基準ノズル群G数を「1以上」に設定する(S04)。一方、印刷データにコード画像が含まれていない場合であって(S03:No)、印刷データにテキストデータが含まれていた場合(S05:Yes)、判定基準ノズル群G数を「連続する2以上」に設定する(S06)。一方、印刷データにコード画像が含まれていない場合であって(S03:No)、印刷データにテキストデータが含まれていない場合(S05:No)、判定基準ノズル群G数を「連続する3以上」に設定する(S07)。そして、生成した印刷データおよび設定した判定基準ノズル群G数を示すコマンドを印刷装置1に送信する(S08)。
印刷データおよびコマンドを受信した印刷装置1は、先ず、最初の単位印刷を実行し(S09)、受信したコマンドが示す検出感度に基づいて吐出ヘッド4の吐出検査を実施する(S10)。検査結果が「吐出不良」であった場合(S11:「吐出不良」)、吐出ヘッド4に対してクリーング処理を行う(S12)。その後、直前に実行した単位印刷の再印刷を行う(S13)。そして、S10〜13の処理を実行する。一方、吐出検査の検査結果が「吐出良好」であった場合(S11:「吐出良好」)、全印刷データに基づく印刷がすべて終了していれば(S14:Yes)、処理を終了する。全印刷データに基づく印刷がすべて終了していなければ(S14:No)、次の単位印刷を実行する(S15)。そして、S11〜S14までの処理を繰り返す。
[第2実施形態]
次に、図11および図12を参照して、本発明の他の実施形態について説明する。なお、上記の実施形態と同様の構成については、同様の符号を付し、詳細な説明を省略する。
次に、図11および図12を参照して、本発明の他の実施形態について説明する。なお、上記の実施形態と同様の構成については、同様の符号を付し、詳細な説明を省略する。
上記の実施形態では、印刷データの種類(コード画像、テキストデータが含まれるか否か)を解析し、印刷データの種類によって、吐出検査の検出感度を設定する構成としたが、本実施形態では、印刷解像度を解析し、解析した解像度によって検出感度を設定する。
本実施形態では、ユーザーが、制御装置50の印刷設定画面等において、実行する印刷の印刷解像度を「粗」および「密」のいずれかに設定可能である。なお、本実施形態の印刷解像度とは、吐出ヘッド4が行う印刷の印刷ドット密度とする。そして、データ解析部52は、印刷データから、印刷解像度が「粗」および「密」のいずれに設定されているかを解析する。そして、検出感度設定部53は、印刷解像度によって、吐出検査の検査感度を設定する。
図11は、各解像度における吐出ヘッド4について示した図である。なお、吐出ヘッド4は、説明のため図8および図9と同様に、ノズル群G図示のように、吐出ヘッド4を各ノズル群G1,G2,…,G180の集合として示している。また、各吐出ノズルNの吐出状況(吐出の有無)にかかわらず、吐出実行の指示を受けたノズル群Gを「●」、吐出実行の指示を受けないノズル群Gを「○」、として示している。
図11(a)は、印刷解像度が「密」と設定されている場合を示している。この場合、すべてのノズル群Gは吐出実行の指示を受ける。よって、最小印刷幅を印刷するノズル群Gは、2つであるため、上記の実施形態における「印刷データにコード画像およびテキストデータが含まれていなかった場合」と同様に、「吐出不良」の判定基準となる吐出「無」の吐出ノズルNを有するノズル群Gの数(判定基準ノズル群G数)を副走査方向に「連続する2以上」と設定する。
図11(b)は、印刷解像度が「粗」と設定されている場合を示している。この場合、ノズル群G1,G3,・・・G179の90個のノズル群Gが吐出の実行指示を受ける。すなわち、奇数番号のノズル群Gによって印刷が行われる。よって、最小印刷幅を印刷するノズル群Gが、1つであるため、判定基準ノズル群G数を「1以上」に設定する。なお、印刷解像度が「粗」と設定されている場合、吐出検査の検査対象となるノズル群Gは、吐出の実行指示を受けたノズル群G1,G3,・・・G179の90個のノズル群Gとする。このように、印刷解像度が「粗」と設定されている場合、印刷を実行する印刷ドット密度が低いため、検出感度を高く設定する。
図12のフローチャートを参照し、本実施形態の印刷処理について説明する。先ず、制御装置50は、印刷データを生成し(S21)、生成した印刷データを解析する(S22)。そして、印刷解像度が「粗」に設定されていた場合(S23:「粗」)、判定基準ノズル群G数を「1以上」に設定する(S24)。一方、印刷解像度が「密」に設定されていた場合(S23:「密」)、判定基準ノズル群G数を「連続する2以上」に設定する(S25)。そして、生成した印刷データおよび判定基準ノズル群G数を示すコマンドを印刷装置1に送信する(S26)。一方、印刷装置1は、第1実施形態と同様、S09〜S15の処理を実行する。
これまで説明した印刷システムSYによれば、印刷データの内容(種類や解像度)に応じて吐出検査の検出感度を設定するため、印刷データの印刷結果にあった適切な吐出検査を実施することができる。よって、過度な検出感度での吐出検査により、印刷結果に影響を及ぼすほどの吐出不良が発生していない場合に、不要なクリーニング処理を実施したり、反対に、印刷結果に影響を及ぼす吐出不良が発生しているにもかかわらず、印刷を続けて印刷不良を発生させたりすることを最小限に抑えることができる。これにより、印刷動作以外に消費するインクおよび時間を抑えることができ、全体としての作業を効率化することができる。
また、本実施形態の吐出検査方法によれば、吐出検査において「吐出不良」と判定された場合にのみ吐出ヘッド4のクリーニング処理を行うため、クリーニング処理の実施回数を減らすことができ、印刷以外に消費するインク量を減少させることができる。
なお、吐出検査の検査感度を設定する基準として、上記の印刷データの種類および印刷解像度の他に、印刷する文字のサイズや印刷する線の太さ等を採用しても良い。つまり、印刷する文字のサイズが大きい場合、印刷する線が太い場合は、検出感度を低くし、印刷する文字のサイズが小さい場合、印刷する線が細い場合は、検出感度を高く設定する。これによれば、より詳細に印刷データに即した検査感度を設定することができる。
また、本実施形態においては、判定基準ノズル群G数を連続する数として設定したが、隣り合っているか否かを考慮せず、純粋に吐出ヘッド4内における吐出不良ノズル群G数としてもよい。さらに、検出感度として、吐出ヘッド4における吐出「無」の吐出ノズルNの数を閾値にしても良い。
また、吐出するインクのカラーを考慮して吐出不良を判別しても良い。たとえば、黒をシアン、マゼンダ、イエローの3色のインクで印刷する場合に、イエローを吐出する吐出ノズルNが吐出「無」であっても、シアンおよびマゼンダを吐出する吐出ノズルNが吐出「有」であれば、上記の実施形態におけるノズル群Gを吐出良好ノズル群Gと判別しても良い。
また、本実施形態では、1回の吐出検査において「吐出不良」と判定されるとクリーニング処理を実施する構成としたが、複数回の吐出検査において所定回数「吐出不良」と判定された場合に、クリーニング処理を実施する構成としてもよい。これによれば、印刷不良が発生していないにもかかわらず、不要にクリーニング処理を実施して印刷処理を遅らせることを防ぐことができる。また、不要な再印刷も減らすことができる。
上記した印刷装置1における吐出ヘッド4の数、吐出ノズルNの数、ノズル列NLの数、インクの種類の数は任意である。また、印刷媒体は上記した連続紙に限られるものでなく、単紙にも適用可能である。この場合、単位印刷の実行回数を印刷枚数としてもよい。
また、上記し制御装置50における印刷データ生成部51、データ解析部52、検出感度設定部53を、印刷装置1に備えた構成としてもよい。
また、上記した、印刷システムSYの各構成要素をプログラムとして提供することも可能である。また、そのプログラムを記憶媒体(図示省略)に格納して提供することも可能である。記録媒体としては、CD−ROM、フラッシュROM、メモリカード(コンパクトフラッシュ(登録商標)、スマートメディア、メモリースティック等)、コンパクトディスク、光磁気ディスク、デジタルバーサタイルディスクおよびフレキシブルディスク等を利用することができる。
また、上述した実施例によらず、印刷システムSYの装置構成や処理工程等について、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、適宜変更も可能である。
1:印刷装置 4:吐出ヘッド 21:ヘッドキャップ 41:印刷部 42:吐出検査部 43:クリーニング部 50:制御装置 51:印刷データ生成部 52:データ解析部 53:検出感度設定部 G:ノズル群 N:吐出ノズル SY:印刷システム
Claims (8)
- 印刷データを解析するデータ解析部と、
前記データ解析部の解析結果に応じて、前記印刷データに基づいて印刷を行う複数の吐出ノズルについて吐出の有無を検出する吐出検査の検出感度を設定する検出感度設定部と、
前記検出感度に基づいて、前記吐出検査を行う吐出検査部と、を備えたことを特徴とする印刷装置。 - 前記吐出検査部は、前記複数の吐出ノズルにおける吐出無ノズルの検出数に基づいて、当該複数の吐出ノズルの状態を「吐出良好」および「吐出不良」のいずれかであると判定し、
前記検出感度は、前記複数の吐出ノズルの状態が「吐出不良」と判定される前記吐出無ノズルの検出数であることを特徴とする請求項1に記載の液滴吐出装置。 - 前記データ解析部は、前記印刷データがコード画像、およびテキストのいずれかを含むか否かを解析することを特徴とする請求項1または2に記載の印刷装置。
- 前記検査感度設定部は、前記印刷データに前記コード画像が含まれていた場合、前記コード画像が含まれていない場合に比べて、前記吐出検査の検出感度を高く設定することを特徴とする請求項3に記載の印刷装置。
- 前記印刷データは、前記複数の吐出ノズルに実行させる前記印刷の印刷解像度を示す情報を含み、
前記データ解析部は、前記印刷解像度を解析し、
前記検出感度設定部は、解析された前記印刷解像度に応じて前記検出感度を設定することを特徴とする請求項1または2に記載の印刷装置。 - 前記吐出検査部は、
前記印刷部に前記吐出ノズルから帯電液滴を吐出させる吐出駆動部と、
吐出された前記帯電液滴を着弾させる吐出対象と、
前記帯電液滴の着弾により前記吐出対象に発生する電流の変化を検出する検出部と、を備え、
前記電流の変化によって前記吐出ノズルの吐出の有無を検査することを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の印刷装置。 - 請求項1ないし6のいずれかに記載の印刷装置における前記データ解析部、および前記検出感度設定部を備えたコンピューターと、
請求項1ないし6のいずれかに記載の印刷装置における前記複数の吐出ノズル、および前記吐出検査部を備えた印刷部と、で構成されることを特徴とする印刷システム。 - 印刷データを解析するデータ解析ステップと、
印刷データの解析結果に応じて、前記印刷データに基づいて印刷を行う複数の吐出ノズルについて吐出の有無を検出する吐出検査の検出感度を決定する検出感度決定ステップと、
前記検出感度に基づいて、前記吐出検査を行う吐出検査ステップと、を備えたことを特徴とする印刷装置の制御方法。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2011104100A JP2012232542A (ja) | 2011-05-09 | 2011-05-09 | 印刷装置、印刷システムおよび印刷装置の制御方法 |
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JP (1) | JP2012232542A (ja) |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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US9573363B2 (en) | 2014-05-26 | 2017-02-21 | Fujifilm Corporation | Ink jet recording apparatus and abnormality detection method of ejector |
-
2011
- 2011-05-09 JP JP2011104100A patent/JP2012232542A/ja not_active Withdrawn
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