JP2012232507A - 接合構造体 - Google Patents
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Abstract
【課題】2つの成形体を振動溶着にて接合するにあたり、振動溶着後に接合部から外部にくみ出すバリ除去のための端末処理を必要としない接合構造体を提供する。
【解決手段】第1成形体と第2成形体の少なくとも一方に熱可塑性樹脂を含み、該第1成形体と第2成形体を振動溶着により溶着した接合構造体であって、接合構造体端部のバリが凸曲面状にされた接合構造体。
【選択図】図1
【解決手段】第1成形体と第2成形体の少なくとも一方に熱可塑性樹脂を含み、該第1成形体と第2成形体を振動溶着により溶着した接合構造体であって、接合構造体端部のバリが凸曲面状にされた接合構造体。
【選択図】図1
Description
本発明は、2つの成形品を振動溶着した際に発生するバリに角部がなく、製品形状としてそのまま使用する事ができるため、バリ除去といった後処理工程を不要とする各種機械部品、例えば電気・電子機器、医療機器、特に自動車用パネルなどに好適な接合構造体に関する。
近年、建築物、輸送機器や、電気・電子機器、情報機器、医療機器等のあらゆる構造体において、剛性や強度の他にも軽量であることが強く求められるようになってきた。特に輸送機器の中でも自動車分野においては、軽量化によって大幅なエネルギー消費量の低減が見込まれることから、剛性や強度と共に軽量性を達成することが、大きな技術開発の課題となっている。
軽量化を達成する方法として、炭素繊維強化樹脂(以下CFRPと略称する場合がある)製の部材を組み合わせて剛性を得る際に、一体化工法として、ビス、リベット、ボルトなどの機械的接合方法や接着剤を使用する接合方法が用いられるが、加工工程が増えるため量産適用に限界があり生産コストの低減がはかり難い、またその外観からも、適用用途が限定されるなどの問題があった。一方、熱可塑性樹脂をマトリックスとするCFRPを使用する際には、振動溶着が有効な手段の一つであるが、振動溶着初期に発生した髭状のバリが振動溶着中期から後期にかけて成長し、接合部から外部にはみ出してしまう。また、文献2のようにバリを内包させる構造も考えられるが、端末が揃わずにエッジ部が生じ、人の手に触れると負傷する。また、エッジ部を未処理にすると、CFRPにおいては炭素繊維の粉塵が生じ、これが制御機器内に入ると短絡したり、人体に付着すると痒みを生じたりすることがある。これらの症状を抑えるために、振動溶着終了後に、端末を処理する工程が必要であるが、現状は処理工程により生産効率が著しく低下する。
2つの成形体を振動溶着にて接合するにあたり、振動溶着後に接合部から外部にくみ出すバリ除去のための端末処理を必要としない接合構造体を提供する。
本発明者らは鋭意検討の結果、振動溶着により得られる特定の接合構造体が、上記課題の解決に有効であることを見出し、本発明を完成させた。本発明の構成を以下に示す。
1.第1成形体と第2成形体の少なくとも一方に熱可塑性樹脂を含み、該第1成形体と第2成形体を振動溶着により溶着した接合構造体であって、接合構造体端部のバリが凸曲面状にされた接合構造体。
2.前記第1成形体又は第2成形体の、少なくとも一方の成形体端部に、溶着リブ(A)を設け、接合キャップを用いて得られる前記1に記載の接合構造体。
3.前記第1成形体又は第2成形体の、少なくとも一方の成形体端部に、接合キャップ充填用溶着リブ(B)を設けて振動溶着して得られる前記2に記載の接合構造体。
4.前記接合キャップが、接合構造体に一体化された前記2〜3いずれかに記載の接合構造体。
5.前記成形体に含まれた熱可塑性樹脂が、繊維強化された熱可塑性樹脂である前記1〜4いずれかに記載の接合構造体。
6.前記第1成形体又は第2成形体のうち、少なくとも一方が、ランダムマットに熱可塑性樹脂を含浸させた成形体である前記5に記載の接合構造体。
7.前記繊維には炭素繊維を含む前記5〜6のいずれかに記載の接合構造体。
8.第1成形体と第2成形体の少なくとも一方に熱可塑性樹脂を含み、該第1成形体と第2成形体を、接合キャップを用いて振動溶着により溶着した接合構造体であって、接合構造体端部のバリを接合キャップ溝と同形状にした接合構造体。
2.前記第1成形体又は第2成形体の、少なくとも一方の成形体端部に、溶着リブ(A)を設け、接合キャップを用いて得られる前記1に記載の接合構造体。
3.前記第1成形体又は第2成形体の、少なくとも一方の成形体端部に、接合キャップ充填用溶着リブ(B)を設けて振動溶着して得られる前記2に記載の接合構造体。
4.前記接合キャップが、接合構造体に一体化された前記2〜3いずれかに記載の接合構造体。
5.前記成形体に含まれた熱可塑性樹脂が、繊維強化された熱可塑性樹脂である前記1〜4いずれかに記載の接合構造体。
6.前記第1成形体又は第2成形体のうち、少なくとも一方が、ランダムマットに熱可塑性樹脂を含浸させた成形体である前記5に記載の接合構造体。
7.前記繊維には炭素繊維を含む前記5〜6のいずれかに記載の接合構造体。
8.第1成形体と第2成形体の少なくとも一方に熱可塑性樹脂を含み、該第1成形体と第2成形体を、接合キャップを用いて振動溶着により溶着した接合構造体であって、接合構造体端部のバリを接合キャップ溝と同形状にした接合構造体。
本発明の接合構造体によれば、振動溶着終了後に、溶着端部から食み出したバリは角部がなく、且つ製品形状に仕上がるため、バリ除去といった後処理工程が不要となる。また、本発明の一つの態様によると、端末の寸法精度が厳しく問われない部品であれば、振動溶着時に2つの成形体の少なくとも何れかの末端位置を揃えずとも、接合構造体端部の形状を安定させることが可能となる。更に、成形体が繊維強化樹脂材料である場合は、端末形状が安定することで樹脂中の繊維がフライや粉塵となって大気中に飛散するのを防ぎ、電気系統の短絡や粉塵が人体に触れて痒くなる症状を防止することが可能となる。
以下、本発明について、図面を参照しながら実施形態例を詳細に説明するが、本発明はこれらに制限されるものではない。
[接合構造体]
本発明における接合構造体は、第1成形体と第2成形体を振動溶着により溶着した接合構造体であって、端部のバリが凸曲面状にされたものである。
本発明における接合構造体は、第1成形体と第2成形体を振動溶着により溶着した接合構造体であって、端部のバリが凸曲面状にされたものである。
[バリ]
本発明におけるバリは、振動溶着時に第1成形体と第2成形体の隙間部分から広がる部分を意味し、接合部から外部にはみ出して形成される。後述するとおり、本発明の接合構造体の好ましい製法は、接合キャップを用いて接合部の端が凸曲面状のものを得るものである。従来のように接合キャップが無い状態で振動溶着を行うと、バリは角部を有する形状となる場合が多く、振動溶着終了後に、溶着端部から食み出したバリを除去するといった後処理工程が必要となる。
本発明におけるバリは、振動溶着時に第1成形体と第2成形体の隙間部分から広がる部分を意味し、接合部から外部にはみ出して形成される。後述するとおり、本発明の接合構造体の好ましい製法は、接合キャップを用いて接合部の端が凸曲面状のものを得るものである。従来のように接合キャップが無い状態で振動溶着を行うと、バリは角部を有する形状となる場合が多く、振動溶着終了後に、溶着端部から食み出したバリを除去するといった後処理工程が必要となる。
[凸曲面状]
本発明における、接合構造体端部のバリは凸曲面状に形成される。該凸曲面状部には、直線や直角以上の曲部分を含む形態であっても良く、鋭角部分を形成する事がなければ良い。本発明の接合構造体の好ましい製法では、凸曲面状部は接合キャップと呼ばれる、成形体接着面に対して垂直な溝を有する壁を用いて形成される。接合キャップは、振動溶着時に、2つの成形体の端部に嵌めて使用することが好ましい。接合構造体端部の凸曲面状部を角が無く、製品形状に仕上げるため、接合キャップの溝である内側形状は凸曲面状となる。
本発明における、接合構造体端部のバリは凸曲面状に形成される。該凸曲面状部には、直線や直角以上の曲部分を含む形態であっても良く、鋭角部分を形成する事がなければ良い。本発明の接合構造体の好ましい製法では、凸曲面状部は接合キャップと呼ばれる、成形体接着面に対して垂直な溝を有する壁を用いて形成される。接合キャップは、振動溶着時に、2つの成形体の端部に嵌めて使用することが好ましい。接合構造体端部の凸曲面状部を角が無く、製品形状に仕上げるため、接合キャップの溝である内側形状は凸曲面状となる。
接合キャップの材質としては、振動溶着前に溶着リブの高さ分形状が大きくなっても接合キャップを嵌めこむことが可能であり、且つアンダーカットでも無理抜き可能である樹脂材やゴム材が好ましいが、金属でもよい。接合キャップの材質が金属である際には、形状を大きめに作ることが好ましく、そのままの形状で作る際には、振動溶着中に接合キャップを嵌めこむ方法とすることが好ましい。
振動溶着終了後に接合キャップを外すと、接合構造体端部のバリは、接合キャップの内側形状と同形状である凸曲面状に仕上がる。この接合キャップは振動溶着後に通常取り除くが、そのまま嵌めたまま、該接合キャップが、接合構造体に一体化されてもよい。振動溶着後に、接合キャップを一体化する事で、接合キャップを外す工程を省略できる。接合キャップを接合構造体に一体化して用いる場合には、接合キャップ外側の角部は全て丸みを有していることが望ましい。
[振動溶着]
本発明の接合構造体を得るために用いられる振動溶着とは、2つの成形体を加圧により接触させた状態で、周期的に振動させることにより2部材間に発生する摩擦熱により熱可塑性樹脂を溶融させて接合する方法であり、公知の振動溶着機を用いて行うことが出来る。振動溶着の際には、まず第1成形体と第2成形体のいずれか一方を固定側にし、反対側を加振側とし振動溶着治具にセットする。次に、成形体末端の直近に接着面に対して垂直な、仕上げたい製品形状の溝加工を行った接合キャップを端末面大して垂直に当接し、そのまま振動溶着を実施する。
本発明の接合構造体を得るために用いられる振動溶着とは、2つの成形体を加圧により接触させた状態で、周期的に振動させることにより2部材間に発生する摩擦熱により熱可塑性樹脂を溶融させて接合する方法であり、公知の振動溶着機を用いて行うことが出来る。振動溶着の際には、まず第1成形体と第2成形体のいずれか一方を固定側にし、反対側を加振側とし振動溶着治具にセットする。次に、成形体末端の直近に接着面に対して垂直な、仕上げたい製品形状の溝加工を行った接合キャップを端末面大して垂直に当接し、そのまま振動溶着を実施する。
図1に、振動溶着する第1成形体と第2成形体の端末構造例を示す。図2に、振動溶着後の状態を示す。図2において、接合キャップを取り除くと、接合部端部が凸曲面状の製品となる。接合部端部は、接合キャップ内側と同形状である。
図3に、接合キャップが成形体の端末だけではなく製品側まで巻き込んだ形状を示す。この形状で、接合キャップを取り除く製品で除去する際にアンダーカットとなる場合には、接合キャップにパーティングライン面を設けて分割しても良い。
図3に、接合キャップが成形体の端末だけではなく製品側まで巻き込んだ形状を示す。この形状で、接合キャップを取り除く製品で除去する際にアンダーカットとなる場合には、接合キャップにパーティングライン面を設けて分割しても良い。
本発明において、振動溶着時に両成形体の末端を完全に揃える必要はない。振動溶着後のバリは接合キャップ内側形状と同形状になり、後工程におけるバリ除去が不要になる。すなわち、第1成形体と第2成形体の末端が完全に一致していない状態で振動溶着を行っても、一方の成形体末端片側にのみバリをはみ出させることで、接合構造体の接合部を接合キャップの内側と同一形状に保つことが出来る。
図4に、端末位置が2成形体でずれていても片側のみにバリをはみ出させることにした接合構造体と接合キャップを示す。図3に示した例と同様に、パーティングライン面を設けて分割しても良い。
図4に、端末位置が2成形体でずれていても片側のみにバリをはみ出させることにした接合構造体と接合キャップを示す。図3に示した例と同様に、パーティングライン面を設けて分割しても良い。
[溶着リブ]
一度に溶着する振動溶着面の面積は、振動溶着機の最大加圧力にもよるが、溶着加圧力1Mpa以上を確保できる面積が好ましい。面積が広くなりすぎると、溶着加圧力が足りなくなり、溶着が不十分になる。
一度に溶着する振動溶着面の面積は、振動溶着機の最大加圧力にもよるが、溶着加圧力1Mpa以上を確保できる面積が好ましい。面積が広くなりすぎると、溶着加圧力が足りなくなり、溶着が不十分になる。
本発明における、溶着リブ(A)とは、第1成形体又は第2成形体いずれか一方の成形体端部の対向面に備えた熱可塑性樹脂を含む部分であり、当該熱可塑性樹脂としては、後述の熱可塑性樹脂群から好適に選択される。
溶着リブ(A)の幅(図1 X軸方向の長さ)は成形体の大きさに応じて適宜設定できる。例えば自動車の場合、1〜50mmであり、幅が1mmより大きい場合には、接着力が十分となる。
溶着リブ(A)の幅(図1 X軸方向の長さ)は成形体の大きさに応じて適宜設定できる。例えば自動車の場合、1〜50mmであり、幅が1mmより大きい場合には、接着力が十分となる。
また、ここでいう成形体端部とは、成形体の末端である必要はなく、若干の寸法差がある場合も含めるものである。成形体端部の意味としては、バリ形成の観点から成形体の末端にあるのが好ましいが、溶着リブ(A)の幅に対し、幅の2〜10倍長の隙間が末端から溶着リブ(A)の間にあっても良い。
溶着リブ(A)は、第1成形体もしくは第2成形体のいずれか一方、又は両方の成形体に設けても良いが、熱可塑性樹脂を含む成形体の成形時に一体成形できる観点から、熱可塑性樹脂を含む成形体側に設けるのが好ましい。
本発明における、接合キャップ充填用溶着リブ(B)とは、接合キャップを効率的に充填するように、第1成形体又は第2成形体の、少なくとも一方の成形体端部に設けられた熱可塑性樹脂を含む部分である。
本発明における、接合キャップ充填用溶着リブ(B)とは、接合キャップを効率的に充填するように、第1成形体又は第2成形体の、少なくとも一方の成形体端部に設けられた熱可塑性樹脂を含む部分である。
バリ成形性の観点より、接合キャップ充填用溶着リブ(B)の幅(図1X軸方向の長さ)は、0.5〜10mmである事が好ましく、1〜5mmである事がさらに好ましい。また、ここでいう成形体端部とは、成形体の末端である必要はなく、若干の寸法差がある場合も含めるものである。成形体端部の意味としては、接合キャップ内を樹脂で充填する観点からいうと、末端に近い方が好ましいが、接合キャップ充填用溶着リブ(B)の幅に対し、幅の4〜100倍長の隙間が成形体末端からキャップ充填用溶着リブ(B)の間にあっても良い。
接合キャップ充填用溶着リブ(B)は、溶着リブ(A)とは別に、第1成形体又は第2成形体のいずれか一方、又は両方の成形体端部に設けられても良いし、溶着リブ(A)と一体化されていても良い。成形性の観点では、溶着リブ(A)と、接合キャップ充填用溶着リブ(B)は一体成形できるので、接合キャップ充填用溶着リブ(B)は、溶着リブ(A)に一体化して設けられているのが好ましい。
接合キャップ充填部が振動溶着されて溶融すると、接合キャップ内側の凸曲面状の空洞に熱可塑性樹脂が充填される。振動溶着が終了後に、接合キャップを外すと、接合構造体端部が凸曲面状である接合構造体が得られる。
振動溶着前後において、図1に示す接合キャップ充填用溶着リブ(B)の体積は、凸曲面状部の体積と等しくなるように設けると、成形性の観点から好ましい。ここで言う「体積が等しい」とは幾何学的に完全に同じ体積ということでは無く、誤差や、各成形体における材質の熱膨張性の違いなどを考慮してつけた若干の寸法差がある場合も含むものであり、ほぼ同程度の体積にしたという意味である。この“ほぼ同程度の体積”は、接合キャップ充填用溶着リブ(B)の体積が、凸曲面状部の体積に対して80〜120%である事を言い、90〜110%であるとより好ましい。
[成形体の材料]
第1成形体と第2成形体は、少なくとも一方が熱可塑性樹脂を含んだ成形体であれば良く、両方が熱可塑性樹脂を含んでいても良い。振動溶着の性質上、第1成形体と第2成形体のいずれか一方は熱可塑性樹脂を含んでいる必要があるが、もう一方の成形体は金属、樹脂のいずれでも良い。
第1成形体と第2成形体は、少なくとも一方が熱可塑性樹脂を含んだ成形体であれば良く、両方が熱可塑性樹脂を含んでいても良い。振動溶着の性質上、第1成形体と第2成形体のいずれか一方は熱可塑性樹脂を含んでいる必要があるが、もう一方の成形体は金属、樹脂のいずれでも良い。
熱可塑性樹脂としては、例えば塩化ビニル樹脂、塩化ビニリデン樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリロニトリル−スチレン樹脂(AS樹脂)、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂(ABS樹脂)、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリアミド6樹脂、ポリアミド11樹脂、ポリアミド12樹脂、ポリアミド46樹脂、ポリアミド66樹脂、ポリアミド610樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンナフタレート樹脂、ボリブチレンテレフタレート樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、及びこれらの樹脂2種類以上の組成物などからなる群より選ばれる樹脂が好ましいものとして挙げられる。この中でも、塩化ビニル樹脂、ポリスチレン樹脂、ABS樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリアミド6樹脂、ポリアミド66樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンナフタレート樹脂、ボリブチレンテレフタレート樹脂、ポリアリレート樹脂及びこれらの樹脂2種類以上の組成物などからなる群より選ばれる1樹脂がより好ましく、ポリプロピレン樹脂、ポリアミド6樹脂、ポリアミド66樹脂及びこれらの樹脂2種類以上の組成物などからなる群より選ばれる樹脂が特に好ましいものとして挙げられる。
第1成形体又は第2成形体の一方のみに熱可塑性樹脂を含む場合、熱可塑性樹脂の含有量は、該成形体の重量合計を基準として、60〜100重量%であれば良く、60〜90重量%であるとより好ましい。
一方、第1成形体と第2成形体の両方に熱可塑性樹脂を含む場合、それぞれ成形体重量を基準として、熱可塑性樹脂の含有量は、それぞれ30〜100重量%であれば良く、30〜80重量%であると好ましく、30〜60重量%である事がより好ましい。一方の成形体に樹脂を含んだ場合よりも、両方に熱可塑性樹脂を含んだ場合には振動溶着しやすく、熱可塑性樹脂の含有量は少なくても溶着する。
一方、第1成形体と第2成形体の両方に熱可塑性樹脂を含む場合、それぞれ成形体重量を基準として、熱可塑性樹脂の含有量は、それぞれ30〜100重量%であれば良く、30〜80重量%であると好ましく、30〜60重量%である事がより好ましい。一方の成形体に樹脂を含んだ場合よりも、両方に熱可塑性樹脂を含んだ場合には振動溶着しやすく、熱可塑性樹脂の含有量は少なくても溶着する。
[強化繊維]
本発明の第1成形体もしくは第2成形体の一方、又は両方の成形体が樹脂部品である場合、成形体に含まれる熱可塑性樹脂は、繊維強化された熱可塑性樹脂である事が好ましく、成形体は繊維強化樹脂複合材料であると良い。用いられる繊維強化樹脂複合材料としては、強化繊維の部分と樹脂のみの部分とが積層体になったものや、サンドイッチ構造になっている繊維強化樹脂複合材料も好ましい。サンドイッチ構造の場合は、コア部材が繊維強化樹脂複合材料であって表皮部材が樹脂であっても良く、逆にコア部材が樹脂のみの部分であって、表皮部材が繊維強化樹脂複合材料であっても良い。
本発明の第1成形体もしくは第2成形体の一方、又は両方の成形体が樹脂部品である場合、成形体に含まれる熱可塑性樹脂は、繊維強化された熱可塑性樹脂である事が好ましく、成形体は繊維強化樹脂複合材料であると良い。用いられる繊維強化樹脂複合材料としては、強化繊維の部分と樹脂のみの部分とが積層体になったものや、サンドイッチ構造になっている繊維強化樹脂複合材料も好ましい。サンドイッチ構造の場合は、コア部材が繊維強化樹脂複合材料であって表皮部材が樹脂であっても良く、逆にコア部材が樹脂のみの部分であって、表皮部材が繊維強化樹脂複合材料であっても良い。
本発明において用いられる上記繊維強化樹脂複合材料に含まれる強化繊維としては、ガラス繊維、炭素繊維、アラミド繊維、ボロン繊維、アルミナ繊維、炭化ケイ素繊維、高密度ポリエチレン繊維、PBO(ポリベンゾオキサゾール)繊維、およびこれらの2種類以上の混合物等からなる群より選ばれる1種類以上を挙げることができ、なかでも炭素繊維が軽量で強度が優れていることから好ましい。
[その他の成分]
その他の成分としては、導電性付与剤、難燃剤、難燃助剤、顔料、染料、滑剤、離型剤、相溶化剤、分散剤、結晶核剤、可塑剤、熱安定剤、酸化防止剤、着色防止剤、紫外線吸収剤、流動性改質剤、発泡剤、抗菌剤、制振剤、防臭剤、摺動性改質剤、帯電防止剤、繊維状ではないフィラー等の任意の添加剤を、単独あるいは2種類以上含有することができる。
その他の成分としては、導電性付与剤、難燃剤、難燃助剤、顔料、染料、滑剤、離型剤、相溶化剤、分散剤、結晶核剤、可塑剤、熱安定剤、酸化防止剤、着色防止剤、紫外線吸収剤、流動性改質剤、発泡剤、抗菌剤、制振剤、防臭剤、摺動性改質剤、帯電防止剤、繊維状ではないフィラー等の任意の添加剤を、単独あるいは2種類以上含有することができる。
[ランダムマット]
本発明において用いられる前記第1成形体又は第2成形体のうち、少なくとも一方が、ランダムマットに熱可塑性樹脂を含浸させた成形体であると好ましい。
好ましいランダムマット態様は、繊維長10〜100mmの強化繊維を含み、ランダムマットの厚さにとくに制限はなく、好ましくは1〜100mm厚みのもの、より薄肉の成形体が得られるという効果を発揮する点では2〜50mm厚みとすることが好ましい。
本発明において用いられる前記第1成形体又は第2成形体のうち、少なくとも一方が、ランダムマットに熱可塑性樹脂を含浸させた成形体であると好ましい。
好ましいランダムマット態様は、繊維長10〜100mmの強化繊維を含み、ランダムマットの厚さにとくに制限はなく、好ましくは1〜100mm厚みのもの、より薄肉の成形体が得られるという効果を発揮する点では2〜50mm厚みとすることが好ましい。
ランダムマットを構成する強化繊維は不連続であり、平均繊維長10〜100mm以下である。本発明のランダムマットはある程度長い強化繊維を含んで強化機能が発現でき、好ましくは強化繊維の平均繊維長が15mm以上100mm以下であり、より好ましくは15mm以上80mm以下である。更には20mm以上60mm以下が好ましい。
ランダムマットを構成する強化繊維は、炭素繊維、アラミド繊維、およびガラス繊維からなる群から選ばれる少なくとも一種であることが好ましい。これらは併用することもでき、なかでも炭素繊維が、軽量でありながら強度に優れた複合材料が提供できる点で好ましい。炭素繊維の場合、平均繊維径は好ましくは3〜12μmであり、より好ましくは5〜7μmである。強化繊維はサイジング剤が付着されたものを用いることが好ましく、サイジング剤は強化繊維100重量部に対し、0〜10重量部であることが好ましい。
第1成形体と第2成形体の両方に熱可塑性樹脂を含む場合、該ランダムマットに含まれる熱可塑性樹脂の存在量は、強化繊維100重量部に対し、50〜1000重量部であると好ましく、50〜400重量部であるとより好ましく、50〜100重量部であると更に好ましい。強化繊維100重量部に対し熱可塑性樹脂が50重量部未満ではドライの強化繊維が増加してしまうことがあり、また、1000重量部を超えると強化繊維が少なすぎて構造材料として不適切となる恐れがある。
本発明において用いられる成形体は、熱可塑性樹脂と強化繊維以外のその他の成分も、本発明の目的に支障を与えるものでない限り含んでいてもよい。
本発明において用いられる成形体は、熱可塑性樹脂と強化繊維以外のその他の成分も、本発明の目的に支障を与えるものでない限り含んでいてもよい。
本発明の接合構造体は、航空宇宙、輸送機械、電気・電子機器、OA機器、AV機器、携帯電話、電話機、携帯情報端末、ファクシミリ、家電機器、医療機器、工作・産業・一般・精密機械、自動車用の部品、部材または筐体などに広範囲に利用でき、なかでも自動車用部品、特に自動車用フロアに好適である。
図5に、乗用自動車のテールゲートを挙げ、本発明の適用例としてテールゲート端末全周が、本発明の構造である製品例を示す。図5の8で示した部分が、バリが凸曲面状にされた部分である。図6は図5におけるA−A’断面図を示し、これはインナーパネルとアウターパネルの合わせ構造を表す。図7は図6のBの拡大図を示す。
1 第1成形体
2 第2成形体
3 溶着リブ(A)
4 接合キャップ充填用溶着リブ(B)
5 溶着部
6 端末
7 接合キャップ
8 バリ
9 自動車用テールゲート
10 インナーテールゲートパネル
11 アウターテールゲートパネル
12 パーティングライン面
2 第2成形体
3 溶着リブ(A)
4 接合キャップ充填用溶着リブ(B)
5 溶着部
6 端末
7 接合キャップ
8 バリ
9 自動車用テールゲート
10 インナーテールゲートパネル
11 アウターテールゲートパネル
12 パーティングライン面
Claims (7)
- 第1成形体と第2成形体の少なくとも一方に熱可塑性樹脂を含み、該第1成形体と第2成形体を振動溶着により溶着した接合構造体であって、接合構造体端部のバリが凸曲面状にされた接合構造体。
- 前記第1成形体又は第2成形体の、少なくとも一方の成形体端部に、溶着リブ(A)を設け、接合キャップを用いて得られる請求項1に記載の接合構造体。
- 前記第1成形体又は第2成形体の、少なくとも一方の成形体端部に、接合キャップ充填用溶着リブ(B)を設けて振動溶着して得られる請求項2に記載の接合構造体。
- 前記接合キャップが、接合構造体に一体化された請求項2〜3いずれかに記載の接合構造体。
- 前記成形体に含まれた熱可塑性樹脂が、繊維強化された熱可塑性樹脂である請求項1〜4いずれかに記載の接合構造体。
- 前記第1成形体又は第2成形体のうち、少なくとも一方が、ランダムマットに熱可塑性樹脂を含浸させた成形体である請求項5に記載の接合構造体。
- 前記繊維には炭素繊維を含む請求項5〜6いずれかに記載の接合構造体。
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DE102015013656A1 (de) | 2014-10-22 | 2016-04-28 | Suzuki Motor Corporation | Geschweißter Harzstrukturkörper und Verfahren zu dessen Herstellung |
DE102015013655A1 (de) | 2014-10-22 | 2016-04-28 | Suzuki Motor Corporation | Geschweißter Harzstrukturkörper und Verfahren zu dessen Herstellung |
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