JP2012232442A - 携帯用切断機 - Google Patents
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Abstract
【課題】 手動式の注水装置では注水に伴うタンク内の圧力低下のために頻繁に再加圧する必要があり、エンジンカッタによる切断等の作業の他に加圧操作が必要となり、作業が煩雑となりエンジンカッタによる作業の効率が低下する。また、ブレードへの注水が止まると冷却不足により、ブレードの磨耗が注水時に比べ早く進行し、ブレードの寿命が短くなると共に切断によって生じる粉塵で作業中の視界が悪化し作業効率が低下してしまう。
【解決手段】エンジンの回転によるポンプ作用により注水タンク内を連続して自動加圧する加圧装置を設けると共に、タンク内圧力を一定に保ち給水量を一定とする構成とする。
【選択図】 図3
【解決手段】エンジンの回転によるポンプ作用により注水タンク内を連続して自動加圧する加圧装置を設けると共に、タンク内圧力を一定に保ち給水量を一定とする構成とする。
【選択図】 図3
Description
本発明は、小型エンジンや電動モーター等の原動機を動力源とする携帯用の切断機に関し、特に切断部への注水機構を備えた携帯用切断機に関する。
従来、原動機を備えた本体部にブレード等の切断具及びブレードカバー等を取り付け、コンクリート等の切断作業を行うエンジンカッタ−が知られている(特許文献1)。エンジンカッターにおいては、ブレード部に冷却水等を供給しながら切断作業が行われる。また、ブレード部への冷却水への供給としては、例えば手動式の注水装置が用いられる。
図7乃至図9を用いてブレード部へ冷却水を供給するための手動式の注水装置について説明を行う。注水装置は冷却水を出力するホース16と冷却水を保持する注水タンク14を有し、注水タンク14はタンク部14aと蓋14bで構成され気密性を有している。蓋14bにはポンプ操作部15a、カップ15b、逆止弁15cからなるポンプ15とホース16が設けられポンプ15の操作により注水タンク14内部を加圧してホース16から水を吐き出しエンジンカッターのブレードまで供給される構成になっている。
注水タンク14内部の加圧はポンプ15の操作部15aを作業者が手動で上下に動かすことで行われる。図8に示すように操作部15aを下方に動かすとポンプ内の圧力が上昇し逆止弁15cが開きタンク内を加圧する。また、図9に示すように上方に動かすとでは逆止弁15cは閉じカップ15bが開きポンプ内に外部から空気が流入する。この繰り返しにより、注水タンク内は徐々に加圧されホース16から水を吐き出す。しかしながら、注水タンク14内の圧力は水を吐き出すに従い除々に低下し、低下の都度再加圧する必要がある。
尚、注水のためのポンプとしては手動のほかに電動モータにより加圧するタイプのものやタンク自体を高い位置に置き重力により注水するもの。水道の蛇口に接続し水圧により注水するものなど(図示せず)がある。
前述のように、従来の手動式の注水装置では注水タンク内を加圧して使用するが、注水に伴うタンク内の圧力低下のために頻繁に再加圧する必要があり、エンジンカッタによる切断等の作業の他に加圧操作が必要となり、作業が煩雑となりエンジンカッタによる作業の効率が低下する。
また、タンク内圧力は注水と共に低下し、圧力の低下に伴いノズルからの注水量も減少する。さらにホースの長さなどによって決まる圧力以下になると、注水そのものが停止してしまう。ブレードへの注水が止まると冷却不足により、ブレードの磨耗が注水時に比べ早く進行し、ブレードの寿命が短くなると共に切断によって生じる粉塵で作業中の視界が悪化し作業効率の低下や、周辺への飛散で迷惑が及ぶ恐れがある。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、冷却水の供給に係る作業者の疲労を低減すると共に、安定した注水を行うことのできる携帯用切断機を提供することを目的とする。
上記問題の解決には、エンジン回転によるポンプ作用により注水タンク内を連続して自動加圧すると共に、タンク内圧力を一定に保ち給水量を一定とする構成とすることで達成できる。
本発明によれば、作業中に手動による煩雑な加圧作業が不要となると共に、ブレードの冷却や粉塵の低減に必要な注水量を常に一定に保つことが可能となる。
以下、本発明の実施形態を添付図面に沿って説明する。図1に示すように、エンジンカッター(携帯用切断機)30は、2サイクルエンジン(駆動源)1を支持する本体部を備える。本体部31は、エンジン1を停止する図示しないストップスイッチと、エンジン1の出力を調整するスロットルトリガ33が配置されたリアハンドル32と、フロントハンドル34を備える。また、本体部31は、リアハンドル32の延出方向(図の左方向)と逆方向(図の右方向)に延び、本体部31と離れた側の端部に円板状のブレード8が回転可能に取付けられたアーム35を備える。アーム35の両端部には、ブレード8の回転軸に取付けられたブレード側プーリ(従動プーリ)5と、エンジン1の出力軸2に遠心クラッチを介して接続されるエンジン側プーリ(駆動プーリ)7とがそれぞれ回転可能に支持される。ブレード側プーリ5とエンジン側プーリ7とにはベルト6が巻き掛けられ、エンジン1の出力はエンジン側プーリ5からベルト6、カッター側プーリ7を経由してブレード8に伝達される。
図2に示すように、エンジン1は、往復動するピストン43を収容するシリンダボアが形成されたシリンダブロック41を有する。ピストン43の往復動はピストンピン44、コンロッド45、クランクピン46を介してクランクケース42に回転可能に支持されるクランクシャフト2に伝達される。クランクケース19から突出するクランクシャフト2には、クランクシャフト2の回転数が所定以上になると遠心力で外方に広がるクラッチ入力部材3が取付けられる。クラッチ入力部材3の外周には円板状壁面と円板状壁面の周縁部に設けられる環状周面を有する鋼材等の磁性材料から成るクラッチドラム4が設けられる。クラッチ入力部材3とクラッチドラム4とは、クランクシャフト2の回転数が所定以上になるとクラッチ入力部材3がクラッチドラムの環状周面の内壁に接触してクランクシャフト2の回転をクラッチドラム4に伝達する遠心クラッチを構成する。クラッチドラム4の円板状壁面には孔部が設けられ、孔部にエンジン側プーリ5が圧入されることでクラッチドラム4にエンジン側プーリ5が固定される。エンジン1から延出されるクランクシャフト2の遠心クラッチが設けられる先には、エンジンカッター30に収容された注水タンク14に接続される加圧装置17が設けられる。加圧装置17は、クランクシャフト2の端部に着脱可能に構成される駆動軸18を有し、駆動軸18はネジやスプライン等によりクランクシャフト2と同軸上に取り付けられている。
図3に示すように、加圧装置17は、クランクシャフト2に取り付けられた駆動軸18と、駆動軸18から径方向に延びる2本のアーム28の両端に回転可能に取り付けられるローラ19と、ローラ19の軌道上に設けられる筒状のチューブ(空気通路)20と、チューブ20を外周側から支持する円弧状のチューブガイド21を備えて構成されている。チューブガイド21は、エンジンカッター30の本体部に固定されると共に、チューブ20が間に介在しても駆動軸18が回転可能なようローラ19の回転半径より若干大きく形成されている。チューブ20は空気を加圧するためにゴム等の柔軟性を有する材質によって形成されており、一端の吸気部20bが大気に開放された状態となり、他端の排気部20aが逆止弁25を介して冷却水(冷却液)23を保持する注水タンク14に接続されている。
図4に示すように、注水タンク14は蓋部14bが注水タンク14のタンク部14aに密閉に取り付けられ、蓋部14bには加圧装置17からの圧力が流入する逆止弁25と、安全弁22と、一端が注水タンク14aの水の水面下に位置するホース16が設けられている。チューブ20の排気部20aは上方から逆止弁25に接続され、逆止弁25は注水タンク14aの空気部分に開口するよう設けられている。チューブ20の排気部20aと注水タンク14aとの間に設けられた逆止弁25は、注水タンク14aの内部側に取り付けられ、加圧装置17から注水タンク14に流入する方向に圧力が加わった際に開口して空気を通過可能とすると共に、注水タンク14から加圧装置17側への圧力が生じた際には閉鎖して空気の通過を防止する。これにより、注水タンク14の圧力が上昇したときの空気の逆流を防止すると共に、エンジン1を停止させた場合の注水タンク14内の圧力の低下を防止することができる。安全弁22は、注水タンク14内の圧力が設定値以上になると開放し、注水タンク14内の圧力を一定に保持する役割を有している。ホース16の他端は、図1に示すよう本体部31のカバー部を貫通して設けられた継手13を介して外部の供給ホース11に接続されている。
ブレード8周辺の構造を図5及び図6に示す。図5は図6の要部拡大図である。ブレード8の外周及び側面には、アーム35に取り付けられたブレードカバー9が設けられている。ブレードカバー9の側面の一方または両側面には、供給ホース11が接続されたノズル(冷却液供給部)10が取り付けられている。ノズル10は、内部が筒状に形成され、先端部がブレードカバー9の内側に突出して設けられる。ノズル10は供給ホース11に接続され冷却液が流入すると共に、連結ホース12によりブレードカバー9の反対側の側面に設けられた別のノズル10に接続されている。
このように構成されたエンジンカッター30によれば、エンジン1が始動するとクランクシャフト2が回転する。そして、加圧装置17のクランクシャフト2の端部に取り付けられた駆動軸18が回転し、チューブ20内に溜まった空気を端部のローラ19により押し出すことで排気部20aから空気が流出する。ローラ19によりチューブ20から押し出された空気は、排気部20aを通って逆止弁25を圧力により開口させ、注水タンク14に流入する。チューブ20には、ローラ19により押し出された分の空気が吸気部20bから補充され、クランクシャフト2の回転に伴い、順次圧送される。注水タンク14では、圧送される空気により、空気部分の圧力が上昇し、これによりタンク内の冷却水23はホースにより押し出され、本体の外部に設けられた継手及び供給ホースを介してノズル10から噴射される。ブレード8の側面に向けられたノズル10は、先端部の孔10aから冷却水を噴出し、切断中のブレード8の冷却と切断時に発生する粉塵を抑えることができる。尚、注水タンク14の空気には加圧装置17により順次空気が押し出されるため、エンジン1の駆動中はブレード8に常時冷却水が送られる。また、注水タンク14内の圧力は安全弁22により常に一定に保たれ、これによりノズル10からの注水量は常に一定に保たれる。
以上のように構成することで、作業中に手動による煩雑な加圧作業が不要となると共に、ブレードの冷却や粉塵の低減に必要な注水量を常に一定に保つことが可能となる。
以上、実施形態を説明したが、種々の変形が可能である。例えば、ローラは駆動軸に2個配置される構成としたが、1個以上のローラがあればよい。また、本実施形態では、加圧装置の駆動軸をクランクシャフトの端部に直結された構成としたが、エンジンの使用回転数によっては減速機構を設けてもよい。このようにすることで、加圧装置のチューブ等の寿命の低下を抑制することが可能となる。また、加圧装置の駆動軸は、クランクシャフトの駆動に接続される構成としたが、クラッチハウジングや先端プーリなど回転部であれば接続場所は限定されず、特に、遠心クラッチのクラッチドラムより先に設けられる構成とすれば、エンジンがアイドリング中でカッターが切断作業を行っていないときには、冷却水の供給を自動で停止することができるため、冷却水の使用を節約することができ、作業者の冷却水の補充頻度を低減することができ、作業性が向上する。また、ブレードに供給する液体は水だけでなく工業用の冷却液等を用いることもできる。また、注水タンクを本体部に設けたが、外部に設けてもよい。また、駆動源としては、明細書内で説明したエンジンの他に電動モータを用いるものであっても良い。
1 エンジン、2 クランクシャフト、6 ベルト、8 ブレード、10 ノズル、11 供給ホース、14 注水タンク、16 ホース、17 加圧装置、18 駆動軸、19 ローラ、20 チューブ、21 チューブガイド、22 安全弁、25 逆止弁、 30 エンジンカッター
Claims (5)
- 駆動源と、
前記駆動源を有する本体部と、
前記駆動源により駆動されるカッターと、
前記カッターに冷却液を供給する冷却液供給部とを備え、
前記本体部に設けられたハンドルを把持して作業を行う携帯用切断機において、
前記駆動源の出力により、前記冷却液を保持するタンク部に空気を圧送可能な加圧装置を備えたことを特徴とする携帯用切断機。 - 前記加圧装置と前記タンク部とは、一方向のみに空気を圧送可能な逆止弁を介して接続されていることを特徴とする請求項1に記載の携帯用切断機。
- 前記タンク部は、前記タンク部内の圧力が所定の圧力以上となった際に圧力を外部に逃がす安全弁を有することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の携帯用切断機。
- 前記加圧装置は、一端が大気に開放され、他端が前記タンク部に接続される空気通路と、
前記駆動源により動作し、前記空気通路内に溜まった空気を前記一端側から前記他端側に向けて押し出すことで、前記タンク部に空気を圧送する圧縮部とを備えたことを特徴とする請求項1乃至請求項3のうち何れか一項に記載の携帯用切断機。 - 前記空気通路は円弧状に配置された弾性部材からなるチューブにより構成されると共に、
前記圧縮部は前記チューブに沿って移動可能であると共に、前記チューブを押圧する回転可能に支持されたローラを備えることを特徴とする請求項4に記載の携帯用切断機。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2011101232A JP2012232442A (ja) | 2011-04-28 | 2011-04-28 | 携帯用切断機 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2011101232A JP2012232442A (ja) | 2011-04-28 | 2011-04-28 | 携帯用切断機 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2012232442A true JP2012232442A (ja) | 2012-11-29 |
Family
ID=47433280
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2011101232A Withdrawn JP2012232442A (ja) | 2011-04-28 | 2011-04-28 | 携帯用切断機 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2012232442A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN104552638A (zh) * | 2015-01-15 | 2015-04-29 | 无锡隆基硅材料有限公司 | 一种冷却喷淋自动启停机构 |
-
2011
- 2011-04-28 JP JP2011101232A patent/JP2012232442A/ja not_active Withdrawn
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