JP2012231931A - 注射器 - Google Patents

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【課題】少量の内容物を定量で排出することができる注射器を提案する。
【解決手段】本発明の注射器は、注射針6を装着するシリンジ1内のピストン2をプランジャー3でスライドさせて内容物を排出するに当たり、プランジャー3の内側空間3aに、ピストン2に設けた中央開孔2dに摺動可能に保持されてプランジャー3と同心二重配置となるロッド4を設け、プランジャー3の係止端3aを、シリンジ1の窓孔端1fに連係させて所定の引き戻し量で停止させ、注射針6内の残留空気を一部の内容物とともに排出するプランジャー3の押し込みを、プランジャーストッパー3cとシリンジ1の指掛け部1eとの当接により停止させ、ロッドストッパー4hで、ロッド4の押し込みにて充填空間M内に突き出される先端部4aを所定の突き出し量で停止させて内容物の排出を所定量で停止させることを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、注射器に関するものであり、特には、少量の内容物を定量で排出させようとするものである。
医療分野で使用される注射器は、例えば特許文献1に記載の注射器のように、シリンジ(シリンダ)の表面に目盛が設けられているのが一般的であり、例えば人差し指と中指でシリンジを挟持して支えた状態で、目盛りを見ながら親指でプランジャーを押し込むことで、所定量の内容物(薬液)が患者に投与される。
特開2002−306594号公報
ところで、上述した特許文献1に記載されるような従来の注射器は、目盛が付されているとはいえ、指の押圧加減でプランジャーの押し込み量を調整することが必要であり、多少のばらつきが免れない。特に、必要とする量が少量となる場合は、内容物の排出に際して許容されるばらつきの量が一段と厳しくなるため、操作が非常に難しくなっていた。また、シリンジに予め所定量の内容物を充填しておき、この内容物を全て排出することも検討されたが、注射針をシリンジに装着する際に入り込む空気や元々注射針内に存在する空気等を確実に排出しておくためには、それらの空気とともに内容物の一部も併せて排出することが不可避であり、依然として所期した量での内容物の排出は困難であった。このため、少量の内容物であっても正確な量で、しかも簡単な操作で排出することができる新たな注射器の出現が、切に望まれていた。
本発明の課題は、少量の内容物を定量で排出させることができ、しかも簡易な構成で実現できる使い勝手の良い注射器を提案するところにある。
本発明は、注射針を装着する先端筒体を有するシリンジと、該シリンジ内に摺動可能に配置されて該シリンジの内側にて内容物の充填空間を形成するピストンと、該ピストンに連結するとともに、押し込み力の付加に伴うスライドにて該充填空間内の内容物を該注射針の先端から排出させるプランジャーとを備える注射器であって、
前記ピストンは、前記充填空間に向けて軸線方向に貫通する中央開孔を有し、
前記プランジャーは、該中央開孔につながる内側空間を備え、該内側空間に、該中央開孔に摺動可能に保持されて該プランジャーと同心二重配置となるロッドを設け、
前記プランジャーの外側部に、前記充填空間内に内容物を導入する該プランジャーの引き戻しを、シリンジに設けた窓孔端に連係させて所定の引き戻し量で停止させる係止端を形成し、
該プランジャーの後端部に、充填空間内の残留空気を一部の内容物とともに排出する該プランジャーの押し込みに際して該シリンジの後端に設けた指掛け部との当接によって該押し込みを停止させるプランジャーストッパーを形成し、
前記ロッドは、該ロッドの押し込みにて該充填空間内に突き出される先端部を有し、該ロッドに、該プランジャーとの当接によって該先端部を所定の突き出し量で停止させて該先端部の突き出しに係る内容物の排出を所定量で停止させるロッドストッパーを設けることを特徴とする注射器である。
前記係止端は、一端部を前記プランジャーに連結させた弾性片の他端部であることが望ましい。
前記プランジャーは、前記ロッドの後端部に当接して該プランジャーの押し込みに伴って該ロッドをスライドさせる着脱自在なカバーを備えることが望ましい。
前記カバーは、前記プランジャーストッパーにヒンジを介して連結されたものであることが望ましい。
前記シリンジは、注射針の未装着姿勢において前記先端筒体に装着される先端カバーを備えることが望ましい。
プランジャーに、充填空間内へ内容物を導入するに際してそのプランジャーの引き戻しを停止させる係止端を設けたので、プランジャーを引き上げすぎることがなくなり、内容物を余分に導入してしまうことがない。また、ピストンに設けた中央開孔に摺動可能に保持されて、プランジャーの内側にて、そのプランジャーと同心二重配置となるロッドを設け、さらに、プランジャーストッパーをシリンジの指掛け部に当接させることで、充填空間内の残留空気を一部の内容物とともに排出させつつ残りの内容物は充填空間内に残してその押し込みを停止させ、加えて、ロッドの押し込みに係るその先端部の充填空間内への突き出しによって注射針から内容物を排出する一方、ロッドストッパーがプランジャーに当接して、先端部は所定の突き出し量で停止されるので、少量の内容物でも所期した量を正確に排出させることができる。しかも排出に係る操作は、プランジャー及びロッドを、それぞれのストッパーが当接するまで押し込むだけで済むので使い勝手が良くなる。
一端部をプランジャーに連結させた弾性片の他端部をプランジャーの引き戻しを停止させる係止端とする場合は、係止端をプランジャーと一体化できるので、パーツ数を削減でき、しかも弾性片が撓むので、プランジャーをシリンジに取り付けるに当たり、組み立て作業性が損なわれることがない。
プランジャーに、ロッドの後端部に当接してプランジャーの押し込みに伴ってロッドをスライドさせる着脱自在なカバーを設ける場合は、ロッドに触れることがないので不用意にロッドの位置がずれてしまうことがなく、またプランジャーの押し込み中もロッドがずれることなくスライドするので、内容物の量が所期した量から変わってしまうことがない。
カバーとプランジャーストッパーとをヒンジを介して連結する場合は、パーツ数を削減できるだけでなく片手でカバーを開けることができるので、使い勝手を高めることができる。
シリンジの先端筒体に装着される先端カバーを設ける場合は、注射針を装着する直前までシリンジ内を密封することができるので、シリンジ内への異物等の侵入を有効に防止することができる。
本発明に従う注射器の実施の形態につき、(a)は注射針未装着姿勢の注射器の軸線に沿う断面図であり、(b)は(a)に示すA−Aに沿う断面図であり、(c)は(a)に示すB−Bに沿う断面図である。 図1に示す注射器の平面図である。 図1に示す注射器の下面図である。 図1に示す注射針未装着姿勢の注射器と、この注射器に装着する注射針の断面図である。 図4に示す注射針を装着した、注射針装着姿勢の注射器の断面図である。 図5に示す注射器に内容物を導入した、内容物導入完了姿勢の注射器の断面図である。 図6に示す注射器のプランジャーを、プランジャーストッパーがシリンジの指掛け部に当接するまで押し込んだ、プランジャー押し込み完了姿勢の注射器の断面図である。 図7に示す注射器のカバーを開いた、カバー取り外し姿勢の注射器の断面図である。 図8に示す注射器のロッドを、ロッドストッパーがプランジャーに当接するまで押し込んだ、ロッド押し込み完了姿勢の注射器の断面図である。 本発明に従う注射器の他の実施の形態を示す、注射針装着姿勢の注射器の断面図である。 本発明に従う注射器のさらに他の実施の形態を示す、注射針装着姿勢の注射器の断面図である。
以下、図面を参照して、本発明をより具体的に説明する。
図1は、本発明に従う注射器の実施の形態につき、(a)は注射針未装着姿勢の注射器の軸線に沿う断面図であり、(b)は(a)に示すA−Aに沿う断面図であり、(c)は(a)に示すB−Bに沿う断面図であって、図2は、図1に示す注射器の平面図であって、図3は、図1に示す注射器の下面図であって、図4は、図1に示す注射針未装着姿勢の注射器と、この注射器に装着する注射針の断面図であって、図5は、図4に示す注射針を装着した、注射針装着姿勢の注射器の断面図であって、図6は、図5に示す注射器に内容物を導入した、内容物導入完了姿勢の注射器の断面図であって、図7は、図6に示す注射器のプランジャーを、プランジャーストッパーがシリンジの指掛け部に当接するまで押し込んだ、プランジャー押し込み完了姿勢の注射器の断面図であって、図8は、図7に示す注射器のカバーを開いた、カバー取り外し姿勢の注射器の断面図であって、図9は、図8に示す注射器のロッドを、ロッドストッパーがプランジャーに当接するまで押し込んだ、ロッド押し込み完了姿勢の注射器の断面図であって、図10は、本発明に従う注射器の他の実施の形態を示す、注射針装着姿勢の注射器の断面図であって、図11は、本発明に従う注射器のさらに他の実施の形態を示す、注射針装着姿勢の注射器の断面図である。
図1(a)、図2、及び図3において、1はシリンジである。シリンジ1は、先端開口1aを有し根元に向けて外径が漸増する先端筒体1aと、先端筒体1aと傾斜部を介して一体連結し先端筒体1aよりも大径となる中間筒体1bと、中間筒体1bと段部1cを介して一体連結し中間筒体1bよりも大径となるシリンジ本体1dと、シリンジ本体1dの後端部から径方向外側に延在する円形状のフランジ(指掛け部)1eと、シリンジ本体1dの表裏を貫通するとともに軸線に沿う窓孔1fとからなる。なお以下、軸線方向に対して先端開口1a側を先端側といい、反対側を後端側という。図示の例で窓孔1fは、シリンジ1の軸線を挟んで対向して配置され、図1(b)、図3に示すように総計2個形成されている。また窓孔1fの後端側の開口端は、後述する窓孔端1fとなっている。また、シリンジ1の内側の窓孔1fを設けた部位には、窓孔1fの先端側の開口端周辺からシリンジ本体1dの後端に至るまで、溝1gが設けられている。中間筒体1bの内面は、シリンジ1の軸線に沿ってほぼ平行となっている。そして、段部1cの内面には、先端側から後端側に向けて傾く傾斜部1cが設けられていている。
2は、シリンジ1内に摺動可能に配置されるピストンである。ピストン2は軟質材(ゴム等)によって形成されていて、シリンジ1の内側に充填される内容物を後述するロッドとともに液密に封止して内容物が充填される充填空間Mを形成している。なおここでの充填空間Mとは、先端筒体1aの先端開口1aからピストン2の先端壁2aに至るシリンジ1の内側の領域をいう。
ピストン2は、先端壁2aを有し中間筒体1bの内径とほぼ同一、或いはわずかに大きな外径となる先端部2aと、先端側から後端側に向けて傾く傾斜部2bを介して先端部2aに一体連結する基部2cと、先端部2a及び基部2cを軸線に沿って貫通する中央開孔2dとを備えている。中央開孔2dは、先端側に位置する先端内面壁2dが軸線に沿ってほぼ平行となっており、先端側から後端側に向けて傾く傾斜壁2dを介して後端側に位置する後端内面壁2dとつながっている。また、基部2cには、後述するプランジャーと連結する凹状結合部2cが設けられている。
3は、ピストン2に連結するプランジャーである。プランジャー3は、軸線に沿って延在するプランジャー本体3aを備えている。プランジャー本体3aの先端側には、凹状結合部2cに一体連結する凸状係合部3aが形成されている。またプランジャー本体3aの内側は軸線に沿って貫通していて、これにより内側空間3aを形成している。内側空間3aは、先端側に位置する先端内面壁3aがピストン2の後端内面壁2dとほぼ同内径となっており、先端側から後端側に向けて傾く傾斜壁3aを介して後端側に位置する後端内面壁3aとつながっている。プランジャー本体3aの外側には、シリンジ1の窓孔1fに対応させて弾性片3aが設けられている。弾性片3aは先端側から後端側に向けて外側に広がる向きに傾斜している。弾性片3aの自由端は、後述する係止端3aとなっている。また、弾性片3aを設けた部位には、基部2cとほぼ同外径となるリブ3aを、弾性片3aの撓み変位分を除くようにして設けている。さらにプランジャー3は、プランジャー本体3aの後端部に一体連結する環状体3bと、環状体3bの後端部から径方向外側に延在するフランジ(プランジャーストッパー)3cとを備えている。またフランジ3cは、後端側に向けて突出してフランジ3cよりも小径となる環状壁3cを備えている。環状壁3cの後端側の外側端縁には傾斜部3cが形成されている。
また、プランジャーストッパー3cの後方には、カバー3dを配置することが好ましい。カバー3dはプランジャーストッパー3cに着脱可能に(例えばねじ結合や弾性変位する爪による結合等)取り付けられる。図示の例では、プランジャーストッパー3cとカバー3dとをヒンジhを介して連結している。カバー3dは、中央壁部(プランジャー操作部)3dの縁部に環状の周壁3dを一体連結するとともに、周壁3dの内側に、この周壁3dよりも高さが低くなるリブ3dを周方向に間隔をおいて複数設けている。また周壁3dの外側には、ヒンジhと対向する位置に凸部3dを一体連結している。そして周壁3dの内径は、環状壁3cの外径とほぼ同一、或いはわずかに小さくなっているので、図1に示すカバー3dが閉められた姿勢(カバー取り付け姿勢)においては、カバー3dは環状壁3cに嵌合によって保持される。
4は、プランジャー3の内側空間3aに配されてプランジャー3と同心二重配置となるロッドである。ロッド4は、ピストン2の中央開孔2d、特には先端内面壁2dの内径とほぼ同一、或いはわずかに大きくなる外径を有し、先端内面壁2dに摺動可能に保持される先端部4aと、先端側から後端側に向けて傾く傾斜部4bを介して先端部4aに一体連結する中間部4cと、先端側から後端側に向けて傾く傾斜部4dを介して中間部4cに一体連結するロッド本体部4eとを備えている。また、先端部4aの前方壁4aとピストン2の先端壁2aとはほぼ同一面上にある。また、中間部4cからロッド本体部4eに至る内側には、肉盗みとしての穴部4fが形成されていて、それらの部位の肉厚はほぼ同一となっている。さらにロッド本体部4eの後端部には、径方向外側に延在するフランジ(ロッド操作部)4gを設け、ロッド操作部4gの縁部には、先端側に向かう環状部4hが形成されている。ここでロッド操作部4gは、カバー3dを設ける場合には、図1に示すようにカバー3dの中央壁部3dの内面と当接させることが好ましい。また環状部4hの先端側の端部は、ロッドストッパー4hとなっている。なおロッドストッパー4hとは、後述するように、ロッド4を押し込んだ際にプランジャー3に当接してその押し込みを停止させるものであり、その形状は環状部4hの先端側の端部だけに限られず、例えば環状部4hを設けずに、ロッド操作部4gの面を直接プランジャーストッパー3cに当接させるようにしても良い。
5は、後述する注射針の未装着姿勢においてシリンジ1の先端筒体1aに装着される先端カバーである。先端カバー5は、円状壁5aと、円状壁5aの縁部と一体連結する環状の周壁5bとからなり、周壁5bを先端筒体1aに嵌め込んで充填空間M内を液密に封止することができる。なお先端カバー5は、螺合によって先端筒体1aに取り付けるようにしても良い。
また図4において、6は、先端カバー5を取り外した後、シリンジ1の先端筒体1aに装着される注射針である。注射針6は、例えば未使用時においては保護ケースC等に収納されている。また注射針6は、種々のタイプのものを使用することができるが、図示の例では基部6aに針部6bが取り付けられていて、基部6aを先端筒体1aに押し込むことでシリンジ1への装着が完了するようになっている。なお、基部6a及び先端筒体1aにねじ部を設けて螺合によって装着するようにしても良い。
上記のように構成される注射器は、シリンジ1にピストン2及びプランジャー3を取り付けるに当たり、ピストン2における先端部2aの外径は、シリンジ1における中間筒体1bの内径とほぼ同一、或いはわずかに大きくなっているが、先端部2aは、シリンジ1の傾斜部1cによって誘導されて中間筒体1bに挿入されるので、組み立て作業性が損なわれることがない。またプランジャー3は、弾性片3aをシリンジ1の溝1gに沿わせて押圧し、弾性片3aが撓みつつプランジャー3が先端側に押し込まれ、係止端3aが窓孔端1fを超えたところで撓んでいた弾性片3aが復元する。これによりプランジャー3を後端側に引き戻しても、係止端3aが窓孔端1fに当接して、シリンジ1の引き戻し量が特定される。そして、ロッド4における先端部4aの外径は、ピストン2における先端内面壁2dの内径とほぼ同一、或いはわずかに大きくなっているが、先端部4aは、ピストン2の傾斜壁2dによって誘導されて先端内面壁2dに挿入されるので、上述したシリンジ1及びピストン2と同様に組み立て作業性が損なわれることがない。
そして上記の注射器にて内容物の排出を行うに当たっては、図4に示す注射針未装着姿勢の注射器から先端カバー5を取り外し、図5に示すように注射針6を装着する。
そして、図6に示すように、例えば瓶等に収容された内容物内に注射針6の先端が隠れるようにした状態で、プランジャー3を、係止端3aが窓孔端1fに当接するまで矢印の方向に引き戻す。この時、ロッド4における先端部4aの外径は、ピストン2における先端内面壁2dの内径とほぼ同一、或いはわずかに大きくなっているので、プランジャー3の引き戻しに伴い、図示のようにロッド4も併せて引き戻される。これにより、充填空間M内が負圧となるため充填空間M内に内容物が吸い上げられ、また所定の引き戻し量でプランジャー3が停止されるので、内容物を余分に吸い上げてしまうことがない。なお内容物を吸い上げる前は、元々充填空間Mに空気が入っていたので、内容物の吸い上げ完了時には、充填空間M内に内容物とともに空気も入った状態となっている。
次いで、図7に示すように注射針6を上方に向けた姿勢で、矢印の向きにプランジャー操作部3dを押圧し、ロッド4を伴ってプランジャー3を軸線に沿ってスライドさせ、プランジャーストッパー3cがシリンジ1の指掛け部1eに当接するまで押圧を継続する。これにより、ピストン2がシリンジ1の先端筒体1aに向けて押し込まれるので、内容物とともに充填空間M内及び注射針6内の空気が注射針6の先端から排出される。ここで、排出される内容物は一部のみであって、充填空間M内には内容物が残った状態となっている。なお、ロッド4とピストン2のしめしろ(先端部4aと先端内面壁2dとのしめしろ)の方が、ピストン2とシリンジ1のしめしろ(先端部2aと中間筒体1bとのしめしろ)よりも大きい場合は、カバー3dを開いた状態でプランジャー3のプランジャーストッパー3c付近を押圧しても、ロッド4を伴ってスライドさせることが可能であるが、図示のようにカバー3dを閉じてプランジャー3を押圧すればロッド4を不用意に押し込んでしまうことがない。
その後、図8に示すようにカバー3dを開くことでロッド4が押圧可能な状態となる。図示の例ではカバー3dがヒンジhにてプランジャーストッパー3cに連結しているので、凸部3dに指を掛けて押し上げてワンタッチでカバー3dを開けることができる。
そして、図9に示すようにロッド操作部4gを押圧し、ロッド4の先端部4aを充填空間M内に突き出す。そしてロッド操作部4gの押圧を続けると、ロッドストッパー4hがプランジャーストッパー3cに当接し、先端部4aの突き出しが停止する。ここで、ロッド4の押し込み前においては、充填空間M及び注射針6の内側は内容物で満たされているので、ロッド4を押し始めてから停止するまでに先端部4aが充填空間M内にスライドする体積分に相当する内容物が、注射針6の先端から排出されることになる。これにより少量の内容物であっても、所定の量が正確に排出できる。
なお、一般に注射器を操作するに当たっては、シリンジ1の指掛け部1eに人差し指と中指を添えた状態で、プランジャー操作部3dを親指で押し込むが、プランジャーストッパー3cからプランジャー操作部3dに至る長さが短すぎると注射器の保持性が損なわれるおそれがある。このため、上掲図5に対応する図10に示すように、ロッド本体部4e及びカバー3dを後端部側に伸延させた形状(図10に示すプランジャーストッパー3cからプランジャー操作部3dに至る長さLを長くする)とすることで、より持ちやすくすることができる。
また、上掲図5に対応する図11に示すように、ピストン2とプランジャー3とを一体連結して例えば合成樹脂製の新たなプランジャー30とし(図中、プランジャー30の各部の符号はプランジャー3に対応させて付している)、シリンジ1との間で摺動する部位に溝Sを設けて環状の弾性部材G(Oリング等)を配置するとともに、プランジャー30の内側で摺動するロッド4に溝S及び弾性部材Gを設けても良い。
本発明によれば、少量の内容物を定量で排出させることができ、しかも簡易な構成で実現できる使い勝手の良い注射器を提供できる。
1 シリンジ
1a 先端筒体
1b 中間筒体
1c 段部
1d シリンジ本体
1e フランジ(指掛け部)
1f 窓孔
1f 窓孔端
1g 溝
2 ピストン
2a 先端部
2b 傾斜部
2c 基部
2d 中央開孔
3 プランジャー
3a プランジャー本体
3a 内側空間
3a 弾性片
3a 係止端
3b 環状体
3c フランジ(プランジャーストッパー)
3d カバー
3d 中央壁部(プランジャー操作部)
3d 周壁
3d リブ
3d 凸部
4 ロッド
4a 先端部
4b 傾斜部
4c 中間部
4d 傾斜部
4e ロッド本体部
4f 穴部
4g フランジ(ロッド操作部)
4h 環状部
4h ロッドストッパー
5 先端カバー
5a 円状壁
5b 周壁
6 注射針
6a 基部
6b 針部
M 充填空間

Claims (5)

  1. 注射針を装着する先端筒体を有するシリンジと、該シリンジ内に摺動可能に配置されて該シリンジの内側にて内容物の充填空間を形成するピストンと、該ピストンに連結するとともに、押し込み力の付加に伴うスライドにて該充填空間内の内容物を該注射針の先端から排出させるプランジャーとを備える注射器であって、
    前記ピストンは、前記充填空間に向けて軸線方向に貫通する中央開孔を有し、
    前記プランジャーは、該中央開孔につながる内側空間を備え、該内側空間に、該中央開孔に摺動可能に保持されて該プランジャーと同心二重配置となるロッドを設け、
    前記プランジャーの外側部に、前記充填空間内に内容物を導入する該プランジャーの引き戻しを、シリンジに設けた窓孔端に連係させて所定の引き戻し量で停止させる係止端を形成し、
    該プランジャーの後端部に、充填空間内の残留空気を一部の内容物とともに排出する該プランジャーの押し込みに際して該シリンジの後端に設けた指掛け部との当接によって該押し込みを停止させるプランジャーストッパーを形成し、
    前記ロッドは、該ロッドの押し込みにて該充填空間内に突き出される先端部を有し、該ロッドに、該プランジャーとの当接によって該先端部を所定の突き出し量で停止させて該先端部の突き出しに係る内容物の排出を所定量で停止させるロッドストッパーを設けることを特徴とする注射器。
  2. 前記係止端は、一端部を前記プランジャーに連結させた弾性片の他端部である請求項1に記載の注射器。
  3. 前記プランジャーは、前記ロッドの後端部に当接して該プランジャーの押し込みに伴って該ロッドをスライドさせる着脱自在なカバーを備える請求項1又は2に記載の注射器。
  4. 前記カバーは、前記プランジャーストッパーにヒンジを介して連結されたものである請求項3に記載の注射器。
  5. 前記シリンジは、注射針の未装着姿勢において前記先端筒体に装着される先端カバーを備える請求項1〜4の何れかに記載の注射器。
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