〔実施の形態1〕
以下、本発明の実施の形態について、図1〜図11を用いて詳細に説明する。
図2は、本実施の形態に係る複合機システム1の全体構成を示す模式図である。図中100a,100b,100cは、コピー機能とプリント機能とを少なくとも有する複合機であり、本実施の形態では、さらにFAX機能も有している。
コピー機能では、スキャナで原稿の画像を読み取って取得した画像データに基づき、用紙、OHPフィルム等のシート上に画像形成を行う。プリント機能では、外部から送信されたプリントジョブに基づいて、シート上に画像形成を行う。FAX機能では、スキャナで原稿の画像を読み取って取得した画像データを、電話回線網N3を介して指定された相手先に送信し、また、外部から送信されたFAX送信ジョブに基づいて、電話回線網N3を介して指定された相手先へと画像データを送信する。また、電話回線網N3を介して受信した画像データに基づき、用紙上に画像形成を行う。
以下、本明細書においては、スキャナで原稿の画像を読み取って取得した画像データに基づき、シート上に画像形成を行う処理をコピージョブと称し、コピージョブを受け付けて画像形成処理すると表現する。同様に、スキャナで原稿の画像を読み取って取得した画像データを、指定された相手先にFAX送信する処理も、FAX送信ジョブと称し、外部から送信されたFAX送信ジョブと区別なく、FAX送信ジョブを受け付けてFAX送信処理すると表現する。
そして、本実施の形態では、部門毎に計上して集計するジョブとしては、代行して実施することがあり、集計結果に基づいた課金を行う、コピージョブ、プリントジョブ、電話回線網N3を利用したFAX送信ジョブを例示して説明する。
複合機100a,100b,100cには、管理者用の管理者端末400および利用者用の利用者端末500,500,…,500が通信ネットワークN1を介して接続されている。また、複合機100a,100b,100cには、電話回線網N3を介して、図示しないFAX装置やFAX機能を有する複合機等が接続されている。
管理者端末400および利用者端末500は、具体的にはパーソナルコンピュータである。管理者端末400および利用者端末500には、通信ネットワークN1を介して複合機100a,100b,100cを利用するためのドライバプログラム(プリンタドライバ、FAXドライバ)が予めインストールされている。ドライバプログラムによりプリントジョブ、FAX送信ジョブを作成し、通信ネットワークN1経由で複合機100a(又は複合機100b)へ送信することにより、複合機100a,100b,100cにおいて、印刷処理、FAX送信処理を実行できる。
通信ネットワークN1には、認証サーバ(認証装置)200およびプリントサーバ600が接続されている。認証サーバ200は、当該通信ネットワークN1を共有するユーザの情報を管理するサーバであり、管理者端末400、利用者端末500、或いは複合機100a,100b,100cから送信されるユーザ情報の認証を行う。
プリントサーバ600は、認証プルプリントを実施するためのプリントサーバ600である。図3に示すように、利用者端末500(管理者端末400でもよい)は、プリントサーバ600に対してユーザIDを含むプリントジョブのデータを送信する(S50)。プリンタサーバ600は、送信されてきたプリントジョブのデータを受信して保存する(S51)。その後、ICカード等を利用してユーザが複合機にユーザIDを入力し、ユーザIDの認証が行われ、複合機100aからプリントジョブのデータ送信が依頼されると、複合機100aに対してプリントジョブのデータを送信する(後述する図9のS21,22参照)。なお、プリントサーバ600が諸条件に基づいて、プリントジョブを実施させる複合機100を決定する構成であってもよい。
さらに、通信ネットワークN1はより広域的な通信ネットワークN2へ接続されており、当該通信ネットワークN2を介して他の部門に敷設された通信ネットワーク上の端末(不図示)と情報のやり取りを行えるようになっている。通信ネットワークN2には、集計サーバ300が接続されており、複合機100a,100b,100c等について部門毎および利用者毎の印刷枚数の集計を行う。
以下、本画像形成システム内の各装置の詳細について説明する。まずは、複合機100aの内部構成について説明する。図1は、複合機100aの内部構成の一例を示すブロック図である。
図1に示すように、複合機100aは、処理制御部101、通信IF(通信部)102、ジョブ解析部103、画像データ処理部104、画像形成部105、スキャナ部106、ユーザID照会部(可否判定手段、グループ情報取得手段)107、情報読取部(ユーザ情報受付手段)108、操作表示部109、部門情報選択部(グループ情報取得部、グループ情報選択部)110、ジョブ管理部(ジョブ管理手段)111、ジョブ管理テーブル112、FAX送信部113、およびデータ返信部114を備えている。
複合機100aは、処理制御部101の制御により、通信IF102を通じて受信したプリントジョブに基づいて画像形成処理を実行し、スキャナ部106を通じて入力されたコピージョブの画像データに基づいて画像形成処理を実行する。また、複合機100aは、処理制御部101の制御により、通信IF102を通じて受信したFAX送信ジョブに基づいてFAX送信処理を実行し、スキャナ部106を通じて入力されたFAX送信ジョブの画像データに基づいてFAX送信処理を実行する。
処理制御部101は、CPUにより構成されて、前述した各種ハードウェアの動作を制御することによりプリント機能、FAX機能全般の制御を行う。処理制御部101が行うプリント機能の制御としては、通信IF102を通じて受信したプリントジョブから展開される画像データ、およびスキャナ部106が取得したコピージョブの画像データを画像データ処理部104経由で画像形成部105へ送出する制御、シート上に画像を形成するために行う画像形成部105の制御等が挙げられる。
処理制御部101が行うFAX送信機能の制御としては、通信IF102を通じて受信したFAX送信ジョブから展開される画像データ、およびスキャナ部106が取得したFAX送信ジョブの画像データを画像データ処理部104経由でFAX送信部113へ送出する制御、画像データを指定された電話番号へ電話回線網N3を介して送信するために行うFAX送信部113の制御等が挙げられる。
本実施の形態では、処理制御部101は、部門情報が返信されてきたかどうかで、コピーやプリントの画像形成処理、およびFAX送信処理の許可の制御を行うようにしている。処理制御部101は、コピージョブやプリントジョブの画像形成処理が許可された場合には、実際に画像形成を行った際の処理枚数であるコピー枚数、プリント枚数を計数し、部門情報選択部110にてユーザが選択した部門情報とその処理枚数(コピー枚数、プリント枚数)の情報とをジョブ管理部111へ通知する。
また、処理制御部101は、FAX送信処理が許可された場合には、FAX送信に要した送信時間を計数し、部門情報選択部110にてユーザが選択した部門情報とその送信時間の情報とをジョブ管理部111へ通知する。
通信IF102は、通信ネットワークN1の通信規格に準拠したインタフェースを備えており、通信ネットワークN1に接続された端末、認証サーバ200、プリントサーバ600からの、プリントジョブやFAX送信ジョブ、各種データ、および通信ネットワークN2に接続された集計サーバ300からの各種データ等を受信すると共に、これらの端末又はサーバへ必要なデータを送信する。通信IF102では、このようなデータの送受信の制御を行う。
ジョブ解析部103は、通信IF102を通じて受信したプリントジョブ、FAX送信ジョブを解析し、ページ記述言語により記述された画像情報を画像データに展開する。抽出されたユーザIDはユーザID照会部107へ送出され、展開された画像データは画像データ処理部104へ送出される。
スキャナ部106は、読取用の原稿に光を照射する光源、CCD(Charge Coupled Device)のようなイメージセンサ、AD変換器等を備えており(不図示)、所定の読取位置にセットされた原稿の画像を当該イメージセンサに結像させてアナログ電気信号に変換し、得られたアナログ電気信号をAD変換器によりデジタル信号に変換する。そして、AD変換により得られたデジタル信号に対して、原稿読取時の光源の配光特性、イメージセンサの感度ムラ等の補正を施すことによりデジタル形式の画像データを生成する。スキャナ部106により生成された画像データは画像データ処理部104へ送出される。
画像データ処理部104は、ジョブ解析部103又はスキャナ部106から送出される画像データを一時的に保持する画像メモリを有しており、種々の画像処理を施すものである。画像データ処理部104は、プリントジョブ、コピージョブであれば、保持した画像データを処理制御部101が指示するタイミングにて画像形成部105へ送出する。また、FAX送信ジョブであれば、画像データ処理部104は、保持した画像データをFAX送信部113へ送出する。
画像形成部105は、例えば、感光体ドラムを所定の電位に帯電させる帯電器、画像データ処理部104を通じて入力された画像データに応じてレーザ光を発して感光体ドラム上に静電潜像を生成させるレーザ書込装置、感光体ドラム表面に形成された静電潜像にトナーを供給して顕像化する現像器、感光体ドラム表面に形成されたトナー像をシート上に転写する転写器(不図示)を備えており、電子写真方式にてプリントジョブ、コピージョブが指定する画像をシート上に形成する。
なお、本実施の形態では、画像形成部105はレーザ書込装置を用いた電子写真方式により画像形成を行う構成としたが、インクジェット方式、熱転写方式、昇華方式等のプリンタ部を備える構成であっても良いことは勿論のことである。
FAX送信部113は、電話回線網N3が接続された網制御部と、これに接続されたモデム(NCU:Network Control Unit)等から構成されており、所定の発呼動作および着信動作を行って相手先のFAX装置や複合機との間で通信を確立し、画像データ処理部104を通じて入力された画像データを圧縮して送信する。
操作表示部109は、コピー枚数や部数、画像形成濃度等の画像形成処理に係る設定値、および原稿の読取開始指示等の利用者からの操作指示を受付けるための操作表示部である。操作表示部109には、コピー開始キーやテンキー等のハードキーの他、表示部と入力部とが一体化したタッチパネルが備えられている。
情報読取部108は、ICカードから所定の情報を読み取る。本実施の形態では、利用者の夫々に対してユーザ情報(ユーザID)を予め付与しており、各人のユーザIDを記録したICカードからユーザIDを読み取ることにより、利用者の確認を行えるようにしている。
複合機100aにてコピージョブや、FAX送信ジョブ等の処理依頼を受け付ける際に、ICカードが必要である旨を、操作表示部109の表示部に表示させ、利用者に対しユーザIDの入力を促すようにしている。このようにして情報読取部108により読み取られたユーザIDはユーザID照会部107へ送出される。
なお、本実施の形態においては、ICカードからユーザIDを読み取る構成としたが、ユーザIDを担持するための記録媒体はICカードに限定する必要がないことは勿論のことである。例えば、ICカードの代わりに磁気カードを用いても良く、USBメモリのような可搬型メモリを用いる構成であっても良い。また、無線通信、赤外線通信、ブルートゥース等による通信によりユーザIDを取得する構成であっても良い。この場合、ユーザIDを担持する記録媒体として携帯電話機、PDA(Personal Digital Assistant)、無線タグ等の通信機器が挙げられ、複合機100a側に前記通信機器から送信されるデータを受信するための受信機を設けることより個々のユーザIDを取得することができる。さらに、複合機100aが備える操作表示部109を通じて利用者自身が直接的にユーザIDを入力する構成であっても良い。また、ユーザIDが指紋や静脈パターンであり、操作表示部109に、指紋や静脈パターンを読み取る装置を備えさせる構成としてもよい。
ユーザID照会部107は、情報読取部108から送出されたユーザIDを、通信IF102を通じて認証サーバ200へ送信して照合し、そのユーザIDに付与されている部門情報を取得するものである。部門情報は、照会結果として通信ネットワークN1経由で認証サーバ200より通知される。また、ユーザID照会部107は、部門情報選択部110に対してもユーザIDを送出する。
部門情報選択部110は、認証サーバ200から通知される照会結果を受けてジョブ処理の実行の可否を判定し、実行許可と判定すると、返信されてきた部門情報に基づいて、部門選択画面を表示して、ユーザに、ジョブ処理の依頼元である部門情報(負担部門)を選択させるものである。
部門情報とは、管理者等によりユーザIDに対応して付けられる部門(グループ)を表す情報である。そして、本実施の形態においては、1つのユーザIDに対して、当該ユーザIDを有するユーザの所属部門の部門情報だけでなく、所属部門とは異なる、当該ユーザが代行してジョブを実施する部門の部門情報も対応付けられている。つまり。1つのユーザIDに対して、複数の部門情報が対応付けられており、ユーザ本人が対応付けられている複数の部門情報より、任意に1つの部門情報を選択することが可能となっている。
図4は、部門情報選択部110が表示する、ユーザに部門情報の選択を行わせるための部門選択画面の一例を示す説明図である。ここでは、部門情報として、第一開発部、第二開発部、総務部の3つが返信されてきた場合の画面例を示している。該画面には、「第一開発部」,「第二開発部」,「総務部」の3つのタッチキーと共に、「負担部門を選択して下さい」等のジョブ処理を計上する部門の選択を促すメッセージが表示される。
この画面において、例えば、「第一開発部」をタッチすることで、「第一開発部」のタッチキーの色が変化して仮選択され、そのあと、OKキーをタッチすることで、ジョブ処理を計上する部門が「第一開発部」に確定される。なお、キャンセルキーをタッチすることで、仮選択した部門を非選択状態に戻し、負担させる部門を選択し直すことができる。
部門情報選択部110は、部門選択画面にて負担部門が選択(確定)されると、処理制御部101へジョブ処理を許可する信号を送信し、これにより制御部は、ジョブ処理を実行する。また、部門情報選択部110は、選択された負担部門の部門情報をジョブ管理部111に送出する。また、部門情報選択部110は、プリントジョブである場合、負担部門が確定すると、プリントサーバ600に対してユーザIDを送信して、ユーザIDに対応するプリントジョブのデータを送信するよう依頼する。
一方、部門情報選択部110は、ユーザ認証に失敗したことを示す情報が送信されてきた場合なども含め、認証サーバ200より部門情報が返信されてこなかった場合には、ジョブ処理が許可されなかったものと判定する。そして、不許可と判定すると、操作表示部109のタッチパネルにその旨を示す認証失敗画面(図示せず)を表示する。
ジョブ管理部111は、ジョブ管理テーブル112を作成して実行したジョブを管理するものである。ジョブ管理部111は、ジョブを識別するためのジョブIDに対応付けて、ジョブ毎の、ユーザID、部門情報、およびコピー枚数、プリント枚数、通信時間の情報を管理する。ジョブ管理部111は、カウント部111A、一時記憶部111B、テーブル作成部111Cを有している。
カウント部111Aは、処理制御部101が計数した、コピー枚数、プリント枚数、FAX送信にて要した通信時間の情報を記憶する。一時記憶部111Bは、部門情報選択部110より送出された、部門情報、ユーザID等を一時的記憶する。
テーブル作成部111Cは、ジョブ終了後に、必要な情報をジョブ管理テーブルに送出する。例えば、コピージョブであれば、カウント部111Aに記憶しているコピー枚数の情報と、一時記憶部111Bに記憶している部門情報およびユーザIDと、当該ジョブに付したジョブIDとを、ジョブ管理テーブル112(図5参照)へ送出する。また、プリントジョブであれば、コピー枚数に代えてプリント枚数の情報を、FAX送信ジョブであれば、コピー枚数に代えて通信時間の情報を送出する。
ジョブ管理テーブル112には、ジョブを識別するためのジョブIDに対応付けて、ジョブ毎の、ユーザID、部門情報、およびコピー枚数、プリント枚数、通信時間の情報が蓄積される。
図5は、複合機100aが備えるジョブ管理テーブル112の一例を示す説明図である。ジョブ管理テーブル112は、この例では、ジョブID、ユーザIDとして4桁の整数値が付与されており、ジョブID毎に、ユーザID、部門情報、コピー枚数、プリント枚数、通信時間を集計している。
ジョブIDは、複合機100aがジョブ毎に付けるIDである。ユーザIDは管理者等により予め定められた利用者に固有の番号である。部門情報は、管理者等によりユーザIDに対応して付けられる部門を表す情報であり、部門情報選択画面にてユーザに選択された部門情報である。
図5において、例えば、ジョブIDとして、“0001”が付されたジョブについては、ユーザIDとして“0001”を付されたユーザが、負担部門を“第一開発部”として、2枚のコピーを実施したことが記録されている。また、ジョブIDとして、“0004”が付されたジョブについては、ユーザIDとして上記と同じ“0001”を付されたユーザが、負担部門を“総務部”として、通信時間15秒のFAX送信を行ったことが記録されている。なお、図中、N/Aは該当なし(not applicable)を表している。
さらに、複合機100aは、ジョブ管理テーブル112において集計されているコピー枚数、プリント枚数、通信時間の情報を、集計サーバ300からの要求に従って送信できるようになっている。データ返信部114が、前記要求を受付けた場合、ジョブ管理テーブル112から該当する情報を抽出して集計サーバ300へ返信する。
なお、複合機100b、100cの内部構成は複合機100aと同様である。以下において、両者を区別する必要がない場合には単に複合機100と記載することとする。
次に、認証サーバ200の内部構成について説明する。図6は、認証サーバ200の内部構成を示すブロック図である。
図6に示すように、認証サーバ200は、ユーザ情報管理テーブル201、通信IF202、ユーザ情報認証部203、認証テーブル204、部門情報取得部205、および部門情報返信部206を備えている。
認証サーバ200は、複合機(100a,100b,100c)毎の使用可能なユーザIDの管理と、各ユーザが所属する部門情報の管理を行っている。
通信IF202は、通信ネットワークN1の通信規格に準拠したインタフェースを備えており、通信ネットワークN1に接続された複合機100、利用者端末500および管理者端末400、並びに通信ネットワークN2に接続された集計サーバ300からの要求を受信し、必要なデータを送信するように構成されている。
認証テーブル204には、各複合機の複合機IDに、装置名と、当該複合機を使用することができる使用可能ユーザID等が、互いに対応付けて登録されている。図7は、認証サーバ200が備える認証テーブル204の一例を示す説明図である。例えば、図7に示した例では、複合機ID“0001”,“0002”,“0003”の複合機の装置名がそれぞれ「MFP1」,「MFP2」,「MFP3」であることを示している。そして、「MFP1」を使用できるユーザは、ユーザID“0001”,“0002”,“0003”,“1002”,“1500” …を有するユーザであることを示している。
ユーザ情報認証部203は、複合機100からの照会を受けたときに、受信したユーザIDをキーとして、認証テーブル204を参照して、照会元の複合機の使用可能ユーザIDの検索を行う。そして、使用可能ユーザID内より受信したユーザIDを検出できた場合は、部門情報取得部205に対して、受信したユーザIDと共に部門情報を取得するように指示を送出する。一方、検出できなかった場合は、通信IF202を介して、許可できない旨を、照会元の複合機100に返信する(不許可返信)。
ユーザ情報管理テーブル201には、各ユーザのユーザIDに、ユーザの氏名と、当該ユーザIDの部門情報とが、互いに対応付けて登録されている。図8は、認証サーバ200が備えるユーザ情報管理テーブル201の一例を示す説明図である。例えば、図8に示した例では、ユーザIDとして、“0001”,“0002”,“0003”が付与されたユーザの氏名がそれぞれ「○○太郎」,「△△太郎」,「○△花子」であることを示している。
そして、ここで、注目すべきは、ひとつのユーザIDに複数の部門情報が対応付けられている点である。例えば、図8に示した例では、ユーザID“0001”のユーザには、「第一開発部」,「第二開発部」,「総務部」の3つの部門情報が付され、ユーザID“0002”のユーザには、「商品企画部」,「総務部」の2つの部門情報が付されていることを示している。
なお、ユーザ情報管理テーブル201および認証テーブル204の登録内容は、通信ネットワークN1を介して接続されている管理者端末400を用いて、書き換えることができる。
部門情報取得部205は、ユーザ情報認証部203より部門情報の取得を指示されると、受信したユーザIDをキーとしてユーザ情報管理テーブル201を参照し、受信したユーザIDに付与されている部門情報を検索して部門情報を取得する。例えば、図8に示した例では、受信したユーザIDが“0001”であれば、部門情報として、「第一開発部」、「第二開発部」、「総務部」の3つを取得する。
部門情報取得部205は、取得した部門情報を部門情報返信部206に送出し、部門情報返信部206が、通信IF202を介して、上記部門情報を照会元の複合機100に返信する。
なお、本実施形態では、認証テーブル204に含まれる全てのユーザIDには、少なくとも当該ユーザIDのユーザの所属する部門情報が登録されていることを前提としているため、部門情報取得部205が部門情報を取得できなかった場合のことについては特に記載していない。しかしながら、部門情報が取得できなかった場合は、部門情報返信部206にて空データを送信するようにしてもよい。空データを受信した複合機100は、部門情報が含まれていないので、認証失敗画面を表示する。
以下、本複合機システム1の動作を、フローチャートを用いて説明する。図9は、複合機100が利用者端末500から指示されたプリントジョブを実行する際の手順を説明するフローチャートである。
複合機100は、ユーザ情報を取得できるよう待機しており(S1)、情報読取部108を通じてユーザからのユーザIDを取得すると(S2)、ユーザID照会部107が、ユーザIDを認証サーバ200へ送信し(S3)、ユーザIDの照会を行う。
認証サーバ200は、起動された後は常にユーザIDの受信待機状態にあり(S4)、複合機100から送信されたユーザIDを受信すると(S5)、ユーザ情報認証部203が、認証テーブル204を参照して、ユーザIDを送信してきた複合機100の使用許可ユーザIDに受信したユーザIDが含まれているかどうかを判別する(S6)。次いで、ユーザ情報認証部203は受信したユーザIDが含まれているか否かで、認証OK?かどうかを判断する(S7)。
受信したユーザIDが含まれており、ユーザ情報認証部203が認証OKであると判断すると(S7:YES)、部門情報取得部205が、ユーザ情報管理テーブル201を参照して、受信したユーザIDに対応付けられている部門情報を取得し(S8)、部門情報返信部206が、取得した部門情報を複合機100に送信する(S9)。一方、受信したユーザIDが含まれず、ユーザ情報認証部203が認証不可であると判断すると(S7:NO)、ユーザ情報認証部203が、不許可を複合機100に送信する(S10)。
複合機100は、ユーザIDの照会を行った後、認証サーバ200からの応答を受信すると(S11)、部門情報が返信されてきたか否かを判断する(S12)。部門情報が返信されてきたと判断すると(S12:YES)、部門情報選択部110は、操作表示部109に、図3に示した部門選択画面を表示して(S13)、ユーザに負担部門の選択を促す。
部門選択画面にて、ユーザが負担部門を選択すると、部門情報選択部110は選択された部門情報をジョブ管理部111にて一時的に保持した後(S14)、プリンタサーバ600にユーザIDを送信して、ユーザIDに対応するプリントジョブのデータの送信を依頼する(S15)。
プリントサーバ600は、起動された後は常にプリントジョブの受信待機状態にあり、利用者端末500から送信されたプリントジョブを受信すると、これを保存し、プリントジョブのデータ送信が要求されるまで待機している。そして、複合機100からユーザIDを受信すると(S21)、プリントサーバ600は、ユーザIDに対応するプリントジョブのデータの複合機100に送信する(S22)。
複合機100は、プリントサーバ600からプリントジョブのデータを受信すると(S16)、ジョブ解析部103がこれを解析し、処理制御部101が、画像形成部105の動作を制御して、プリントジョブを実行し(S17)、プリント枚数をカウントする(S18)。処理制御部101は、ジョブの処理の終了後に、カウントしたプリント枚数をジョブ管理部111へ受け渡し、ジョブ管理部111は、カウント値を部門情報と共に、ジョブ管理テーブル112に記録する(S19)。
また、S12において、不許可返信を受取り、部門情報が返信されていないと判断すると(S12:NO)、認証に失敗し、ジョブ処理が許可されていない旨を示す認証失敗画面を操作表示部109に表示する(S20)。
図10は、複合機100がコピージョブを実行する際の手順を説明するフローチャートである。
複合機100は、ユーザ情報を取得できるよう待機しており(S1)、複合機100の操作表示部109に、コピージョブを実行する際にユーザIDの入力が必要である旨が表示される。図9のフローチャートとの違いは、S22、S23にあり、S2〜S14、S19、S20の処理は、図9のS2〜S14、S19、S20と同じである。S22では、処理制御部101が、画像形成部105の動作を制御して、スキャナ部106により生成された画像データに基づいてコピージョブを実行する。S23では、コピー枚数がカウントされ、S19では、カウントされたコピー枚数がジョブ管理テーブル112に記録される。
図11は、複合機100がコピージョブを実行する際の手順を説明するフローチャートである。
複合機100は、ユーザ情報を取得できるよう待機しており(S1)、複合機100の操作表示部109に、FAX送信ジョブを実行する際にユーザIDの入力が必要である旨が表示される。図9のフローチャートとの違いは、S24、S25にあり、S2〜S14、S19、S20の処理は、図9のS2〜S14、S19、S20と同じである。S24では、処理制御部101が、FAX送信部113の動作を制御して、スキャナ部106により生成された画像データに基づいてFAX送信ジョブを実行する。S25では、FAX送信に要した通信時間がカウントされ、S19では、カウントされた通信時間がジョブ管理テーブル112に記録される。
以上のように、本複合機システム1では、ジョブを実行する際に、部門選択画面を表示して、ユーザに当該ユーザに対応付けられている複数の部門情報の中からジョブを負担させる部門を選択させるようになっている。
これにより、ユーザは、処理を負担させる部門名や、部門名に割り当てられている部門ID等を、ジョブを実施する際に一々操作入力部等より入力したりすることなく、選択するだけの簡単な操作で負担部門を指定して、代行したジョブを、依頼元の部門のジョブとして依頼元の部門に負担させることができる。
また、ジョブを代行する部門数に応じて、複数のICカードを保持しておく必要もないので、ユーザに煩雑な作業を強いることも、複数毎のICカードの管理といった負担を感じさせることもなく、セキュリティ上も好ましい構成とできる。
なお、上記の例では、認証テーブル204と、ユーザ情報管理テーブル201とを、別構成としたが、認証テーブル204とユーザ情報管理テーブル201とを、1つで構成してもよい。
また、上記の例では、認証テーブルにおいては、複合機IDに対応付けて使用可能ユーザIDを登録する例を示したが、複合機の機能(コピー、プリンタ。FAX送信等)に対応付けて使用可能ユーザIDを登録する構成としてもよい。
また、上記の例では、認証サーバ200において部門情報を直接管理していたが、部門IDで管理し、部門IDを複合機100に送り、複合機100で部門IDを部門情報に代代えて部門選択画面を表示する構成としてもよい。
また、複合機システム1を構成するには、認証サーバ200は必須であるが、認証サーバ200の機能を複合機100自身が備える構成であってもよい。つまり、当該複合機100を使用可能なユーザIDとユーザIDに対応付けられた部門情報とを、複合機100自身で管理する構成であってもよい。
〔実施の形態2〕
以下、本発明の他の実施の形態について、図12〜図14を用いて説明する。なお、説明の便宜上、実施の形態1で用いた部材と同じ機能を有する部材には同じ符号を付して説明を省略する。
実施の形態1の複合機システム1においては、認証サーバ200のユーザ情報管理テーブル201において、1つのユーザIDに対して付与された複数の部門情報が管理されていた。これに対し、本実施の形態の複合機システムでは、ICカード等の、ユーザIDを担持するための記録媒体に、ユーザIDと共に、ユーザIDに対応付けられた複数の部門情報が記録されている。
したがって、本実施の形態の複合機システムにおいては、認証サーバ200−1は、図13に示すように、通信IF202、ユーザ情報認証部203−1、認証テーブル201を有するものの、ユーザ情報管理テーブル201、部門情報取得部205、部門情報返信部206を備えてはいない。
ユーザ情報認証部203−1における、実施の形態1のユーザ情報認証部203との違いは、認証テーブルを参照して、受信したユーザIDが使用可能ユーザIDに含まれていることを検出できた場合に、通信IF202を介して、許可できた旨を照会元の複合機100に返信する点である(許可返信)。
また、複合機100−1においては、図12に示すように、実施の形態1の複合機100と異なる点は、以下の点である。つまり、情報読取部108−1は、ICカードよりユーザIDと共に部門情報も取得し、部門情報については部門情報選択部110−1へと送出する。そして、部門情報選択部110−1は、認証サーバ200−1より許可返信を受信した場合に、情報読取部108−1より送られてきた部門情報に基づいて部門選択画面を表示する。
図14に、本複合機システムにおける、複合機100−1が利用者端末500から指示されたプリントジョブを実行する際の手順を説明するフローチャートである。実施の形態1の複合機システム1との違いは、以下の点である。つまり、図9のS2における、ユーザIDの取得に代えてS31を実施し、ユーザIDと部門情報とを取得する。また、図9のS8,S9における、ユーザの部門情報の取得・返信に代えて、S7でYESの場合にはS32を実施し、許可返信を行う。また、図9のS12に代えてS33を実施し、認証失敗結果画面を表示するか、部門情報選択画面を表示するかの判断を、許可返信を受信したかどうかで行う。
なお、コピージョブ、FAX送信ジョブについても、図9と図14の相違点と同様である。つまり、図10、図11において、S2のユーザIDの取得に代えて図14のS31を実施し、ユーザIDと部門情報とを取得する。また、図10、図11のS8,S9における、ユーザの部門情報の取得・返信に代えて、S7でYESの場合にはS32を実施し、許可返信を行う。また、図10、図11のS12に代えてS33を実施し、認証失敗結果画面を表示するか、部門情報選択画面を表示するかの判断を、許可返信を受信したかどうかで行う。
〔実施の形態3〕
以下、本発明の他の実施の形態について、図15〜図18を用いて説明する。なお、説明の便宜上、実施の形態1、2で用いた部材と同じ機能を有する部材には同じ符号を付して説明を省略する。
実施の形態1の複合機システム1においては、複合機100a,100b,100c毎に使用を許可するユーザIDは設定されていたが、複合機100a,100b,100c毎に使用許可部門は設定されていなかった。これに対し、本実施の形態の複合機システムにおいては、複合機100a,100b,100c毎に使用許可部門が設定されている場合の好適例を示す。
例えば、図8に示すように、ユーザIDが“0001”のユーザには、部門情報として、「第一開発部」,「第二開発部」,「総務部」の3つが割り当てられている。このうち、「総務部」が本来の所属部門であり、「第一開発部」,「第二開発部」の2つは、上記したような代行によるジョブ処理を実施するために取得しているものである。
このようなユーザにおいて、本来の所属である「総務部」に占有付けられている複合機(総務部に所属するユーザしか使用できない複合機)でプリントやコピー等のジョブを実施する度に、部門選択画面が表示されて選択が促されると、煩わしさを感じる。
本実施の形態の複合機システムでは、このような煩わしさをなくするために、図15に示すように、複合機100−2において、部門情報選択部110−2に部門情報比較部116を設けると共に、自機使用許可部門管理テーブル(占有許可手段)118と、使用許可部門情報問合せ部(占有許可手段)117とを設けている。
部門情報選択部110−2は、認証サーバ200−2より部門情報が返信されると、この部門情報と自機使用許可部門管理テーブル118に格納されている自装置に設定されている使用許可部門の部門情報を読み出して部門情報比較部116にて比較する。そして、部門情報選択部110−2は、返信された部門情報の中に、使用許可部門の部門情報と合致するものがある場合には、部門情報選択画面を表示してユーザに負担部門を選択させる処理をスキップして、使用許可部門の部門を負担部門とする。
なお、処理制御部(占有許可手段)101は、ジョブを実行するにあたり、自機使用許可部門管理テーブル118を参照し、ユーザ情報の部門情報が、使用許可部門の部門情報と一致する場合にのみジョブを実行し、一致しない場合はジョブを実行しない。
図17は、自機使用許可部門管理テーブル118の一例を示す説明図である。自機使用許可部門管理テーブル118は、この例では、自装置の複合機ID“0003”に対応付けて、使用許可部門として「総務部」が指定されていることを示している。このような自機使用許可部門管理テーブル118の内容は、使用許可部門情報問合せ部117が、通信ネットワークN1を介して認証サーバ200−2にアクセスすることで、取得する。
認証サーバ200−2には、図16に示すように、実施の形態1で示した認証サーバ200の構成に加えて、複合機使用許可部門管理テーブル207と、使用許可部門情報取得部(グループ情報送信手段)208と、使用許可部門情報返信部(グループ情報送信手段)209とが備えられている。
複合機使用許可部門管理テーブル207には、各複合機の使用許可可能部門が、複合機IDに対応付けて、装置名と共に登録されている。図18は、複合機使用許可部門管理テーブル207の一例を示す説明図である。複合機使用許可部門管理テーブル207は、この例では、複合機ID“0001”,“0002”,“0003”“0004”の使用許可部門がそれぞれ、「第一開発部」、「第二開発部」、「商品企画部」、「総務部」であることを示している。このような複合機使用許可部門管理テーブル207の設定内容は、通信ネットワークN1を介して図2に示した管理者端末400にて管理される。
使用許可部門情報取得部208は、複合機100−1からの、使用許可部門情報の問い合わせを受信すると、複合機許可部門管理テーブル207を参照して、問い合わせてきた複合機100−2の当該複合機IDに対応付けられている使用許可部門情報を取得し、使用許可部門情報返信部209がこれを問い合わせてきた複合機100−2に対して送信する。
図19に、本複合機システムにおける、複合機100−2が利用者端末500から指示されたプリントジョブを実行する際の手順を説明するフローチャートである。実施の形態1の複合機システム1との違いは、以下の点である。つまり、図9のS12とS13との間に、S41とS42が追加されている。S41では、返信されてきた部門情報と使用許可部門の情報とを比較する。S42では、使用許可部門の情報と合致する部門情報があるかどうかを判断する。S42にて合致しない場合は(S42:NO)、S13に進み、部門選択画面を表示する。一方、合致する場合は(S42:YES)、合致した部門情報を一時的に記憶し(S43)、S15に進む。本複合機システムにおいては、合致した部門情報がある場合は、S13〜S14の部門情報選択画面の表示および選択受付の処理をスキップして、ジョブ処理を実行する。
なお、コピージョブ、FAX送信ジョブについても、図9と図19の相違点と同様である。つまり、図10、図11において、S12とS13との間に、S41とS42が追加されている。S41では、返信されてきた部門情報と使用許可部門の情報とを比較する。S42では、使用許可部門の情報と合致する部門情報があるかどうかを判断する。S42にて合致しない場合は(S42:NO)、S13に進み、部門選択画面を表示する。一方、合致する場合は(S42:YES)、合致した部門情報を一時的に記憶し(S43)、S15に進む。本複合機システムにおいては、合致した部門情報がある場合は、S13〜S14の部門情報選択画面の表示および選択受付の処理をスキップして、ジョブ処理を実行する。
このように、本複合機システムでは、庶務担当のユーザが、本来の所属である「総務部」に占有付けられている複合機100−2で、プリントやコピー等のジョブを実施する度に、部門選択画面が表示されて選択が促されるようなことがなく、煩わしさを感じずにすむ。
また、本複合機システムを構成するには、認証サーバ200−2は必須であるが、認証サーバ200−2の機能を複合機100自身が備える構成であってもよい。つまり、当該複合機100を使用可能なユーザIDと、ユーザIDに対応付けられた部門情報、さらに複合機使用許可部門管理テーブル207を、複合機100自身で管理する構成であってもよい。
〔実施の形態4〕
以下、本発明の他の実施の形態について、図20〜図26を用いて説明する。なお、説明の便宜上、実施の形態1,2,3で用いた部材と同じ機能を有する部材には同じ符号を付して説明を省略する。
実施の形態1の複合機システム1においては、認証サーバ200が、ユーザ情報管理テーブル201を備え、1つのユーザIDに対して複数の部門情報を管理していた。これに対し、本実施の形態の複合機システムでは、図21に示すように、認証サーバ200−3が、ユーザ情報管理テーブル201に代えてユーザ情報管理テーブル201−3を備えており、部門情報に対応付けられた属性情報も管理する。ユーザIDに対応付けられた部門情報毎に属性情報が付与されている。
図22に、ユーザ情報管理テーブル201−3の一例を示す。図22に示した例では、属性情報として、属性1〜4が管理されている。「属性1」は、プリント(印刷)可能な原稿データのファイル形式の情報である。「属性2」は、プリント禁止の原稿データのファイル形式の情報である。「属性3」は、プリント及びコピーの各ジョブにおいて実行を許可するカラーの情報である。「属性4」は、プリント及びコピーの各ジョブにおいて、1ジョブあたりに実行を許可する枚数の情報である。
例えば、ユーザID“0001”のユーザには、「第一開発部」、「第二開発部」、「総務部」の3つの部門情報が付されているが、このうち、「第一開発部」には、「属性1」として「ALL」が付与されている。これは、つまり、「第一開発部」であれば、原稿データがどのようなファイル形式であってもプリント可能であることを示す。一方、「第二開発部」には、「属性1」として「ppt,pdf」が付与されている。これは、つまり、「第二開発部」に関しては、原稿データがファイル形式がppt(パワーポント(登録商標))或いはpdfの場合にプリント可能であることを示す。また、「総務部」には、「属性1」として「ezx」が付与されている。これは、つまり、「総務部」に関しては、ファイル形式が「ezx」の場合にプリント可能であることを示す。なお、「ezx」は、総務部のみに使用が許可されているファイル形式を示す架空のファイル形式である。
また、ユーザID“0001”のユーザにおいて、「第一開発部」「第二開発部」共に、「属性2」としてファイル形式「ezx」が付与されている。これは、つまり、「第一開発部」「第二開発部」共に、ファイル形式が「ezx」の場合、プリントできないことを示している。
このように、特定のファイル形式「ezx」については特定部門のみプリント可能、他の部門はプリント禁止の設定とすることで、特定ファイル「ezx」のプリントジョブは全て、特定部門のみに負担(枚数カウント)させることができる。
また、ユーザID“0001”のユーザにおいて、「第一開発部」「第二開発部」共に、「属性3」として「カラー・モノクロ」が付与されている。これは、つまり、「第一開発部」「第二開発部」共に、カラー、モノクロの何れでも、プリント、コピーが可能であることを示している。また、「総務部」には、「属性3」として「モノクロ」が付与されている。これは、つまり、「総務部」に関しては、プリント、コピーの何れにおいても、モノクロのみ可能であることを示している。
また、ユーザID“0001”のユーザにおいて、「第一開発部」には、「属性4」として「100000」が付与されている。これは、つまり、「第一開発部」は、1回のプリント、コピーの各ジョブにおいては、100000枚まで実施できることを示している。一方、「第二開発部」には、「属性4」として「100」が付与されている。これは、つまり、「第二開発部」は、1回のプリント、コピーの各ジョブにおいては、100枚まで実施できることを示している。
認証サーバ200−3は、このような属性情報を、部門情報と共に複合機100−3に送る。つまり、部門情報取得部205−1は、ユーザ情報認証部203より部門情報の取得を指示されると、受信したユーザIDをキーとしてユーザ情報管理テーブル201−1を参照し、受信したユーザIDに付与されている部門情報を検索して部門情報を取得するが、このとき、部門情報に対応付けられている属性情報も取得する。
部門情報取得部205−1は、取得した部門情報、および属性情報を部門情報返信部206−1に送出し、部門情報返信部206−1が、通信IF202を介して、上記部門情報および属性情報を照会元の複合機100−3に返信する。
図20に、本実施の形態の複合機システムの複合機100−3の構成を示す。複合機100−3においては、実施の形態1の複合機100aにおける、部門情報選択部110およびジョブ管理テーブル112に代えて、部門情報選択部110−3およびジョブ管理テーブル112−1を備えている。
部門情報選択部110−3は、コピージョブの場合に、操作表示部109にてユーザにて入力されたコピー条件を取得する。取得するコピー条件としては、認証サーバ200−3より送信される属性情報と照合するために、少なくと、カラーコピーであるかモノクロコピーであるかのカラー情報、処理枚数の情報が含まれる。
部門情報選択部110−3は、コピージョブの場合、取得したコピー条件と、認証サーバ200−3より送信された属性情報とを基に、部門情報の絞り込みを行う。そして、部門情報選択画面を表示して、絞り込みを行った後の部門情報の中から負担部門を選択させる。
また、部門情報選択部110−3は、プリントジョブの場合に、プリントサーバ600より、ジョブデータと共に、プリント条件を取得する。利用者端末500からは、プリントジョブのデータをプリントサーバ600に送信する際に、原稿データにファイル形式、カラー情報、および処理枚数の情報がデータに添付される。
部門情報選択部110−3は、プリントサーバ600よりジョブデータを受信すると、添付されている、ファイル形式、カラー情報、および処理枚数情報と、認証サーバ200−3より送信されてきた属性情報とを照合して、部門情報の絞り込みを行う。そして、部門情報選択画面を表示して、絞り込みを行った後の部門情報の中から負担部門を選択させる。
さらに、本実施の形態の複合機システムでは、コピー、プリントの各ジョブを、カラーとモノクロで分けて管理できる。したがって、ジョブ管理テーブル112−1としては、図23に示すように、コピー枚数、プリント枚数を、カラーとモノクロで分けて管理している。
図24に、本複合機システムにおける、複合機100−3が利用者端末500から指示されたプリントジョブを実行する際の手順を説明するフローチャートである。実施の形態1の複合機システム1との違いは、以下の点である。つまり、S8’・S9’において、ユーザの部門情報と共に属性情報を取得して複合機100−3に返信する。S12’では、認証サーバ200−3から部門情報と属性情報とを取得するとS15に進む。そして、S17に代えて図25に示すS30のプリントジョブを実行する。
S30のプリントジョブでは、まず、図24のS16で受信したプリントジョブのデータからファイル形式、カラー情報、および処理枚数の情報を取得する(S30−1)。次に、取得した属性情報を基に、S30−2〜S30−3を実施して、属性1〜n、図22の例では、属性1〜4に基づいて、ジョブの負担させることのできる部門情報の絞り込みを行う。その後、絞り込み後の部門情報に基づいて部門選択画面を表示し(S30−4)、部門情報が選択されるとそれを保持し(S30−5)、プリント(画像形成)を実行する(S30−6)。
図26(a)〜図26(c)に、部門情報選択部110−3が表示する、ユーザに部門情報の選択を行わせるための部門選択画面の一例を示す説明図である。ユーザID“0001”のユーザには、「第一開発部」,「第二開発部」,「総務部」の3つの部門情報が付されているが、ジョブデータより取得した、ファイル形式、カラーの情報、および処理枚数の情報によって、部門選択画面が異なる。
図26(a)は、ファイル形式が「Tiff」であった場合の部門選択画面を示している。図22に示すように、「第二開発部」および「総務部」においては、「Tiff」は扱えない。そのため、「第二開発部」および「総務部」はグレイアウト表示となり、負担部門としては「第一開発部」の選択のみが可能となっている。なお、「第一開発部」は、カラー、および処理枚数の条件についてはクリアしていることが前提である。
図26(b)は、ファイル形式が「ppt」であった場合の部門選択画面を示している。図22に示すように、「総務部」は「ppt」を扱えないが、「第一開発部」と「第二開発部」は扱える。そのため、「総務部」がグレイアウト表示となり、「第一開発部」と「第一開発部」から選択可能となる。この場合も、「第一開発部」、「第一開発部」は、カラーおよび処理枚数の条件についてはクリアしていることが前提である。
図26(c)は、ファイル形式が「ezx」であった場合の部門選択画面を示している。図22に示すように、ファイル形式「ezx」は「総務部」しか扱えない。そのため、「第一開発部」と「第一開発部」とがグレイアウト表示となり、「総務部」のみ選択可能となる。この場合も、「総務部」は、カラーおよび処理枚数の条件についてはクリアしていることが前提である。
このように、本実施の形態の複合機システムでは、ジョブ条件で負担部門として選択可能な部門情報が絞り込まれる。したがって、複数の部門情報が割り当てられているユーザが、負担させるべきできはない部門に作為的にジョブを負担させるといった行為を制限することができる。より具体的には、ジョブ条件に応じて、選択可能な部門の範囲が変更するので、部門情報を複数有するユーザが、無制限に他部門の課金としてジョブを実行する行為を制限することができる。
なお、ここでは、ジョブ条件に係わる属性条件として、プリントジョブとコピージョブの条件を例示したが、Fax送信のジョブに属性条件をつけてもよい。
また、上記実施の形態1〜4において、複合機100,100−1,100−2,100−3における、ジョブ解析部103、部門情報選択部110,110−1,110−2,100−3、データ返信部114、画像データ処理部104、処理制御部101、ユーザID照会部107、使用許可部門問合せ部117、ジョブ管理部111、および認証サーバ200,200−1,200−2,200−3におけるユーザ情報認証部203,203−1、使用許可部門情報取得部208、使用許可部門情報返信部209は、ハードウェアロジックによって構成してもよいし、次のようにCPUを用いてソフトウェアによって実現してもよい。
すなわち、複合機100,100−1,100−2,100−3、および認証サーバ200,200−1,200−2,200−3における上記各部は、各機能を実現する制御プログラムの命令を実行するCPU(central processing unit)、上記プログラムを格納したROM(read only memory)、上記プログラムを展開するRAM(random access memory)、上記プログラムおよび各種データを格納するメモリ等の記憶装置(記録媒体)などを備えている。そして、本発明の目的は、上述した機能を実現するソフトウェアである複合機100,100−1,100−2,100−3、および認証サーバ200,200−1,200−2,200−3における制御プログラムのプログラムコード(実行形式プログラム、中間コードプログラム、ソースプログラム)をコンピュータで読み取り可能に記録した記録媒体を、上記複合機100,100−1,100−2,100−3、および認証サーバ200,200−1,200−2,200−3に供給し、上記各部を構成するコンピュータ(またはCPUやMPU)が記録媒体に記録されているプログラムコードを読み出し実行することによっても、達成可能である。
上記記録媒体としては、例えば、磁気テープやカセットテープ等のテープ系、フロッピー(登録商標)ディスク/ハードディスク等の磁気ディスクやCD−ROM/MO/MD/DVD/CD−R等の光ディスクを含むディスク系、ICカード(メモリカードを含む)/光カード等のカード系、あるいはマスクROM/EPROM/EEPROM/フラッシュROM等の半導体メモリ系などを用いることができる。
また、複合機100,100−1,100−2,100−3、および認証サーバ200,200−1,200−2,200−3を通信ネットワークと接続可能に構成し、上記プログラムコードを通信ネットワークを介して供給してもよい。この通信ネットワークとしては、特に限定されず、例えば、インターネット、イントラネット、エキストラネット、LAN、ISDN、VAN、CATV通信網、仮想専用網(virtual private network)、電話回線網、移動体通信網、衛星通信網等が利用可能である。また、通信ネットワークを構成する伝送媒体としては、特に限定されず、例えば、IEEE1394、USB、電力線搬送、ケーブルTV回線、電話線、ADSL回線等の有線でも、IrDAやリモコンのような赤外線、Bluetooth(登録商標)、802.11無線、HDR、携帯電話網、衛星回線、地上波デジタル網等の無線でも利用可能である。なお、本発明は、上記プログラムコードが電子的な伝送で具現化された、搬送波に埋め込まれたコンピュータデータ信号の形態でも実現され得る。
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。