JP2012230935A - Led光源パッケージ - Google Patents

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Abstract

【課題】LED光源モジュールと金属回路基板との間の熱膨張係数を有する応力緩和板を搭載することによって、熱膨張係数差によって発生する応力を緩和し、信頼性の優れたLED光源パッケージを提供する。
【解決手段】絶縁性のセラミックス基板表面にLEDチップが2個以上結線されたLED光源モジュールと金属回路基板との間に、ヤング率が70GPa以下、25℃〜150℃の熱膨張係数が5×10−6〜12×10−6/K、熱伝導率が150W/mK以上である平板状のアルミニウム−黒鉛質複合体からなる応力緩和板が実装されてなるLED光源パッケージ。

【選択図】なし

Description

本発明は、LED光源パッケージに関するものである。
LED発光素子(以下、「LEDチップ」という。)は、半導体のpn接合に順方向電流を流すと発光する素子であり、GaAs,GaN等のIII−V族半導体結晶を用いて製造される。近年、半導体のエピタキシャル成長技術と発光素子プロセス技術の進歩により、変換効率の優れるLEDチップが開発され、様々な分野において幅広く使用されている。
LEDチップは、成長基板上にIII−V族半導体結晶をエピタキシャル成長させたp型層とn型層及び両者に挟まれる光活性層から構成される。一般的には、単結晶サファイア等の成長基板上に、III−V族半導体結晶をエピタキシャル成長させた後、電極等を形成させてLEDチップにされる。
単結晶サファイアの熱伝導率が40W/mK程度であるので、III−V族半導体素子で発生する熱を十分に放熱することができない。とくに、大電流を流す高出力LEDでは素子の温度が上昇して、発光効率の低下や素子寿命の低下を起こした。これを解決するため、成長基板上にIII−V族半導体結晶をエピタキシャル成長させた後に、金属層を介してパッケージ基板(保持基板)を接合し、その後、成長基板を除去する方法が提案されているが(特許文献1)、十分に満足できるものではなかった。すなわち、金属系のパッケージ基板(保持基板)は導電性でもあるので実装に際しては非絶縁構造としなければならない。たとえば、回路基板等の実装基板に半田接合する際、接合部直下に樹脂等の熱伝導率の低い絶縁層を配置する必要があったが、この絶縁層が十分な放熱を阻害した。
一方、LEDチップの発熱による障害を少しでも軽減させるべくLEDが2個以上結線された高出力LED発光装置(以下「LED光源モジュール」という。)では、放熱板、例えば銅(Cu)板を介して、LED光源モジュールを回路基板等に実装する方法が提案されている(特許文献2)。しかし、Cuの熱膨張係数が17×10−6/K程度であり、LED光源モジュールの5×10−6/K程度と大きく相違しているので、LED光源モジュールに熱負荷がかかった場合、LED光源モジュールと金属回路基板の熱膨張係数差により熱応力が生じ、金属回路基板に反りが生じるおそれがあった。また、熱応力により接合層にクラックが発生し、その結果放熱が不十分となってLEDチップを誤作動させたり、破損させたりするという課題があった。
特開2006−128710号公報 特表2008−544488号公報
そこで、熱膨張係数を金属回路基板のそれに近づけた回路基板として、アルミニウム−炭化珪素質複合体が提案されている。この回路基板用のアルミニウム−炭化珪素質複合体の製法としては、炭化珪素の多孔体にアルミニウム合金の溶湯を加圧含浸する溶湯鍛造法、炭化珪素の多孔体にアルミニウム合金の溶湯を非加圧で浸透させる非加圧含浸法が実用化されている。一方、コスト面からは、アルミニウム粉末と炭化珪素粉末を混合して、加熱成形する粉末冶金法が有利であり、同製法によるアルミニウム−炭化珪素質複合体の検討も行われている。しかし、いずれの製法のアルミニウム−炭化珪素質複合体でもコスト面に問題があることから、低コスト化が要求される分野では安価な銅回路基板が使用される場合が多くなり、LEDチップと銅回路基板間の信頼性に課題があった。
金属回路基板に用いられる銅やアルミニウムなどの金属は熱膨張係数が17×10−6〜23×10−6/K程度と大きく、熱膨張係数が5×10−6/K程度のLED
チップとの熱膨張係数差が大きいため、熱応力が生じ、金属回路基板の反りおよび接合層にクラックが発生する。
本発明は、上記の状況に鑑みてなされたものであり、その目的は、LED光源モジュールと金属回路基板との間の熱膨張係数を有する応力緩和板を搭載することによって、熱膨張係数差によって発生する応力を緩和し信頼性の向上が達成できるLED光源パッケージを提供することである。
絶縁性のセラミックス基板表面にLEDチップが2個以上結線されたLED光源モジュールと金属回路基板との間に、ヤング率が70GPa以下、25℃〜150℃の熱膨張係数が5×10−6〜12×10−6/K、熱伝導率が150W/mK以上であり、厚みが0.5〜3.0mmである平板状のアルミニウム−黒鉛質複合体からなる応力緩和板が実装されていることを特徴とするLED光源パッケージである。
本発明のLED光源パッケージにあっては、(イ)応力緩和板が、黒鉛質多孔体又は黒鉛粉末成形体とアルミニウム又はアルミニウム合金を複合化した板状の金属含浸セラミックス基板であること、(ロ)アルミニウム−黒鉛質複合体に占める黒鉛の体積率が60〜85体積%であること、から選ばれた少なくとも1つの実施態様を有していることが好ましい。
また、本発明は(ハ)めっき層を形成したアルミニウム−黒鉛質複合体とLED光源モジュール及び金属回路基板間が半田付けされること、(ニ)LED光源モジュールとアルミニウム−黒鉛質複合体間及びアルミニウム−黒鉛質複合体と金属回路基板間がろう付けされていること、(二)に用いるろう材中に錫、銅、銀、亜鉛、ビスマスのうち少なくとも1種類以上含まれていること、から選ばれた少なくとも1つの実施態様を有していることが好ましい。
本発明によれば、応力緩和板に用いる黒鉛の粒度、種類、含有量を適正化することにより、また、金属成分の適正化により、得られる応力緩和板をLED光源モジュールと金属回路基板の間の熱膨張係数に制御することができるため、LED光源モジュール側及び金属回路基板側の両方に対して良好なマッチングがとれ、信頼性を著しく向上したLED光源パッケージを提供できる。
更に、熱伝導率が150W/mK以上なのでLED光源モジュールからの熱を金属
回路基板に良好に伝えることができ、LED光源パッケージとして好適に使用できる。
<LED光源モジュール>
本明細書におけるLED光源モジュールは、III−V族半導体結晶からなるLED発光素子と保持基板からなるLEDチップが2個以上が回路基板に搭載され、電気的接続部材で接続され、樹脂封止材で封止されていることを基本構造としている。
LED発光素子としては紫外〜青色の波長域の光を発するIII−V族半導体結晶が使用され、具体的にはInGaN、AlGaAs、AlGaInPなどである。保持基板とは、III−V族半導体結晶をエピキタル成長する際に用いた成長基板、又は成長基板上にIII−V族半導体結晶をエピタキシャル成長させた後に、金属層を介して高熱伝導性基板を接合し、その後、成長基板を除去された上記高熱伝導性基板のことである。それを例示すれば、サファイア、炭化珪素、シリコン、Cu/W、Cu/Moなどである。これらの中、0.5W以上の出力が要求されるLEDチップでは、熱伝導率の点から、上記の後者に属する保持基板が使用され、LEDチップは非絶縁構造となる。非絶縁構造LEDチップの利点は、狭い面積で高輝度が得られることである。
本発明の、LED光源パッケージに用いる応力緩和板は、板厚が0.5〜3.0mm、好ましくは0.5〜2.0mmである。該応力緩和板の表面に金属層を形成した後、LED光源モジュールと金属回路基板との間にはんだ付け又はロウ付けしたLED光源パッケージであるので、LED光源モジュールからの熱を金属回路基板に良好に伝えることができ、かつ高信頼性を有するLED光源パッケージが実現できる。
応力緩和板の板厚が0.5mm未満であると、応力緩和層が薄すぎて応力を緩和できずに信頼性が低下してしまう。一方、3.0mmを超えると応力緩和板の熱抵抗が大きくなる。
応力緩和板のヤング率は70GPa以下好ましくは50GPa以下であることが望ましい。応力緩和板のヤング率が70GPa以上であるとLEDパッケージの熱膨張差により生じる応力を応力緩和板で緩和できずに信頼性が低下してしまう。また、ヤング率の下限は、特に限定されないが10GPa以上であることが好ましい。ヤング率は、応力緩和板に用いる黒鉛の粒度、種類、含有量を適正化することによりすることができる。例えば、黒鉛の含量を増大させるとヤング率は低下し、黒鉛の含有量を減少させるとヤング率は増加する。また、金属成分の適正化により制御することができる。
応力緩和板の温度25℃の熱伝導率は150W/mK以上、好ましくは200W/mK以上であり、150W/mKより小さいと、LED光源モジュールからの熱を金属回路板に十分に伝えられずに、半導体が誤作動を起こしたり損傷したりする場合がある。
また、応力緩和板の熱膨張係数がLED光源モジュールと金属回路基板の間の熱膨張係数であることが好ましい。
応力緩和板の熱膨張係数が上記の範囲外の場合、LEDチップ作動時の熱負荷により、接合層(はんだ層等)やLED光源モジュールの破壊が起こり、放熱特性が低下する場合がある。また、複合化する金属の含有率を増減させることで、応力緩和板の熱膨張係数を増減させることができる。
アルミニウム−黒鉛質複合体からなる応力緩和板は、黒鉛質の体積率が50〜90体積%、好ましくは60〜85体積%であり、残部がアルミニウム又はアルミニウム合金からなり、好ましくはアルミニウム80〜100質量%、珪素0〜20質量%であるアルミニウム又はアルミニウム合金を複合化したものである。
黒鉛とアルミニウム又はアルミニウム合金の複合化の方法としては、例えば特許3468358号の実施例等の方法によって含浸される、溶湯鍛造法により製造されたものであることが好ましい。
また、上記溶湯鍛造法の代わりに、黒鉛粉末とアルミニウム又はアルミニウム合金粉末の混合粉末を離型処理した金型に充填し、アルミニウム又はアルミニウム合金の融点以上の温度に加熱後にプレスして複合化する方法によって製造されたものでも使用できる。
黒鉛粉末とアルミニウム又はアルミニウム合金の複合化に必要な圧力は、30MPa以上が好ましい。加熱プレス成形時の圧力が、30MPa未満では、黒鉛粉末とアルミニウム又はアルミニウム合金の密着性が不足して、熱伝導率、強度等の特性が低下するため好ましくない。また、プレス圧の上限については、特性面からの制約はないが、金型の強度、装置の力量より、200MPa以下が適当である。アルミニウム−黒鉛質複合体は、融点以下の温度で減圧した後、室温まで冷却する。なお、複合化時の歪み除去の目的で、アルミニウム−黒鉛質複合体のアニール処理を行うこともある。
黒鉛の体積率は50〜90体積%、特に60〜85体積%であることが好ましい。
黒鉛の体積率が50体積%未満であると、アルミニウム−黒鉛質複合体の熱膨張係数が大きくなりすぎる。一方、90体積%を超えると、金属を十分に含浸させることができずに、熱伝導率が小さくなりすぎる恐れがある。また、黒鉛の充填状態は特に制限はなく、黒鉛質多孔体、又は黒鉛粉末成形体を用いることができる。黒鉛の体積率の調整は黒鉛成分の粒度調整、整形圧力、焼結条件などによって行うことができる。
また、黒鉛と複合化する金属成分は、アルミニウム80〜100質量%、珪素0〜20質量%を含有するアルミニウム又はアルミニウム合金が好ましい。珪素成分が20質量%を超えると合金の融点が高くなり、未含浸部分が発生する場合がある。一方、珪素成分が20質量%を超えると、得られる合金の熱伝導率が低下し、その結果、得られるアルミニウム−黒鉛質複合体の熱伝導率が低下し好ましくない。珪素成分以外の成分としては特性に影響を与えない範囲であれば、特に制限はないが、マグネシウムは、得られる合金と黒鉛の濡れ性を向上させる効果があり、3質量%以内であれば、強度や熱伝導特性に悪影響を与える炭化アルミニウム(Al)の生成を抑制できるため含有してもよい。
黒鉛粉末成形体は、黒鉛成分の粉末のみを成形して製造することもできるし、例えば、シリカゾル、アルミナゾル等の無機バインダーと共に用いて製造することもできる。黒鉛粉末成形体には、特性に影響しない範囲であれば、炭化珪素、窒化珪素、窒化アルミニウム、窒化硼素と言った他のセラミックス粉末を添加してもよい。成形には、プレス成形、鋳込み成形等の一般的な黒鉛粉末の成形方法が採用される。また、黒鉛質多孔体は、例えば、上記黒鉛粉末成形体を焼結処理することによって製造することができる。黒鉛質多孔体と黒鉛粉末成形体の形状には制約はなく、平板状、円柱状などで用いられる。
金属を含浸した黒鉛質多孔体又は黒鉛粉末成形体は、通常、切断加工と面加工が施した後にLEDパッケージに用いられる。金属を含浸した黒鉛質多孔体又は黒鉛粉末成形体の形状が直方体形状である場合、平面研削板によりダイヤモンド砥石を用いて所定寸法に外形加工した後、マルチワイヤソー、内周刃切断機等で最終形状より0.1〜0.5mm程度厚い板厚に切断加工するのがよい。切断方法には限定はないが、切断代が少なく量産性に適したマルチワイヤソーが好適である。マルチワイヤソーの切断では、遊離砥粒タイプ及びダイヤモンド等の研削材を付着したワイヤーが用いられる。面加工では、両面研削盤、ロータリー研削盤、平面研削盤、ラップ盤等の加工機を用い、板厚が0.3〜3mmに加工される。
金属を含浸した黒鉛質多孔体又は黒鉛粉末成形体の形状が板状である場合は、両面研削盤、ロータリー研削盤、平面研削盤、ラップ盤等の加工機を用い、板厚が0.3〜3mm、表面粗さ(Ra)が1.0μm以下に面加工をし、次いでウォータージェット加工機、放電加工機、レーザー加工機、ダイシングマシン、円筒研削盤等で所定形状に外周加工を行う。この場合、外周加工を先に行ってから面加工をしてもよい。
アルミニウム−黒鉛質複合体は、その表面に、Ni、Co、Pd、Cu、Ag、Au、Pt及びSnから選ばれた少なくとも1種の金属による、特に好ましくはNi又はAuによる、厚みが0.5〜20μmのめっき層を有していることが好ましい。特に好ましいめっき層の厚みは2〜10μmである。めっき層を形成することによって、LED光源モジュール、応力緩和板及び金属回路基板の接着状態が良好になる。金属層の厚みが0.5μm未満であると、接着状態が悪くなり、20μmをこえると、めっき層と応力緩和板との熱膨張差による剥離が生じる恐れがある。めっき層は、応力緩和板を洗浄後、上記金属種による無電解めっき又は電解めっきを施すことによって形成させることができる。
LED光源モジュール、応力緩和板及び金属回路基板との接合は、はんだ付けまたはろう付けを用いて行われる。はんだとしてはクリームはんだ、共晶はんだ、鉛フリーはんだなどを用いてもよい。ろう付けには錫、銅、銀、亜鉛、ビスマスのうち少なくとも1種類以上含まれているろう材を用いることが好ましい。
[実施例1]
黒鉛板(東海炭素株式会社製:G250、体積率:78%、寸法:185mm×135mm×5.0mm)を、黒鉛離型材の塗布されたステンレス板からなる離型板に挟んで両側に鉄板(厚み12mm)を配置し、ボルト8本で連結して一つの積層体とした。この積層体を電気炉で温度630℃に予備加熱した後、あらかじめ加熱しておいたプレス金型(内径400mm×高さ300mm)内に収め、シリコンを12質量%及びマグネシウムを1質量%含有するアルミニウム合金の溶湯(温度800℃)を注ぎ、100MPaの圧力で25分間加圧してアルミニウム合金を含浸させた。室温まで冷却した後、湿式バンドソーにて離型板の形状に沿って切断して離型板を剥がし、含浸時のひずみ除去の為に500℃で3時間アニール処理を行いアルミニウム合金−黒鉛質複合体を得た。
上記で得られた評価用の複合体から、研削加工により熱膨張係数測定用試験体(直径4mm長さ20mm)、熱伝導率測定用試験体(25mm×25mm×1mm)、ヤング率測定用試験体(40mm×4mm×3mm)を切り出し、温度25℃〜150℃の熱膨張係数を熱膨張計(セイコー電子工業社製;TMA300)で、温度25℃での熱伝導率をレーザーフラッシュ法(アルバック社製;TC3000)で、ヤング率を曲げ強度試験機(今田製作所製;SV301)で測定した。
また、上記で得られたアルミニウム合金−黒鉛質複合体をダイヤモンドカッターで、縦40mm、横40mm、厚み1mmの板状体を切り出した後、無電解Ni−Pめっきを行い、めっき層(5μm厚)を形成した。さらに、この板状のアルミニウム合金−黒鉛質複合体にLED光源モジュール及びAl回路基板を鉛フリーはんだで接合した後、ワイヤーボンディングで外部導出用導電パターンと接合して、LED光源パッケージを製作した。
<LED光源パッケージの信頼性の評価>
LED光源パッケージを−40℃と125℃の恒温槽に30分間保持しヒートサイクル処理(500回)を行った後に、外観及び接合状態を超音波探傷により確認したところ、接合層の剥離等の問題箇所は確認されなかった。
[実施例2]
実施例1で得られたアルミニウム合金−黒鉛質複合体をダイヤモンドカッターで、縦40mm、横40mm、厚み0.5mmの板状体を切り出したこと以外は、実施例1と同様にして、LED光源パッケージ化を行った。
[実施例3]
実施例1で得られたアルミニウム合金−黒鉛質複合体をダイヤモンドカッターで、縦40mm、横40mm、厚み3.0mmの板状体を切り出したこと以外は、実施例1と同様にして、LED光源パッケージ化を行った。
[実施例4]
黒鉛板を東洋炭素株式会社製(MIC25、体積率83%)としたこと以外は、実施例1と同様にしてアルミニウム合金-黒鉛質複合体を作製し、LED光源パッケージ化を行った。
[実施例5]
黒鉛板を東洋炭素株式会社製(IE252G、体積率60%)としたこと以外は、実施例1と同様にしてアルミニウム合金-黒鉛質複合体を作製し、LED光源パッケージ化を行った。
[実施例6]
人造黒鉛粉末(小林商事社製:DSC−A、固定炭素分:99.25%)1000gと、炭化珪素粉末(大平洋ランダム社製:NC2000、平均粒径:7μm)183g(10体積%)と混合し、その混合物を、円筒状(内径100mm、高さ150mm)の鉄製容器内に充填し、湯口用の穴があいた鉄板で上下を挟み込んだ状態で体積率が80体積%になるように、圧力80MPaでプレス成形することにより、円柱状(直径100mm、高さ90mm)成形体を得た。
なお、成形後に上記鉄製容器と、該容器の上下に配置していた鉄板とを溶接し密封した。得られた成形体を鉄製容器内に保持した状態で、電気炉で温度630℃に予備加熱した後、あらかじめ加熱しておいたプレス金型(内径400mm×高さ300mm)内に収め、シリコンを12質量%及びマグネシウムを1質量%含有するアルミニウム合金の溶湯(温度800℃)を注ぎ、100MPaの圧力で25分間加圧してアルミニウム合金を含浸させた。
得られた複合体を実施例1と同様にしてLED光源パッケージ化を行った。
[実施例7]
炭化珪素粉末の添加量を20体積%としたこと以外は、実施例5と同様にしてアルミニウム合金-黒鉛質複合体を作製し、LED光源パッケージ化を行った。
[比較例1]
実施例1で得られたアルミニウム合金−黒鉛質複合体をダイヤモンドカッターで、縦40mm、横40mm、厚み0.3mmの板状体を切り出したこと以外は、実施例1と同様にして、LED光源パッケージ化を行い、ヒートサイクル処理(500回)を行った後に、応力緩和板の割れが確認された。
[比較例2]
実施例1で得られたアルミニウム合金−黒鉛質複合体をダイヤモンドカッターで、縦40mm、横40mm、厚み5.0mmの板状体を切り出したこと以外は、実施例1と同様にして、LED光源パッケージ化を行い、ヒートサイクル処理(500回)を行った後に、半田クラックが確認された。
[比較例3]
黒鉛板を東海炭素株式会社製G458(体積率:85%)としたこと以外は、実施例1と同様にしてアルミニウム合金-黒鉛質複合体を作製し、LED光源パッケージ化を行い、ヒートサイクル処理(500回)を行った後に、外観及び接合状態を超音波探傷により確認したところ、接合層に半田クラックが確認された。
[比較例4]
黒鉛板を東海炭素株式会社製G535(体積率:84%)としたこと以外は、実施例1と同様に
してアルミニウム合金-黒鉛質複合体を作製し、LED光源パッケージ化を行い、ヒートサイクル処理(500回)を行った後に、外観及び接合状態を超音波探傷により確認したところ、接合層に半田クラックが確認された。
[比較例5]
炭化珪素粉末の添加量を30体積%としたこと以外は、実施例5と同様にしてアルミニウム合金-黒鉛質複合体を作製し、LED光源パッケージ化を行い、ヒートサイクル処理(500回)を行った後に、外観及び接合状態を超音波探傷により確認したところ、接合層に半田クラックが確認された。
[比較例6、7]
黒鉛板のかわりにセラミック多孔体として炭化珪素からなる体積率が65および80%である炭化珪素多孔体を用いたこと以外は実施例1と同様にして応力緩和板を作製し、LED光源パッケージ化を行い、ヒートサイクル処理(500回)を行った後に、外観及び接合状態を超音波探傷により確認したところ、接合層に半田クラックが確認された。
実施例、比較例の主要条件と結果を表1に示す。
Figure 2012230935


Claims (5)

  1. 絶縁性のセラミックス基板表面にLEDチップが2個以上結線されたLED光源モジュールと金属回路基板との間に、ヤング率が70GPa以下、25℃〜150℃の熱膨張係数が5×10−6〜12×10−6/K、熱伝導率が150W/mK以上であり、厚みが0.5〜3.0mmである平板状のアルミニウム−黒鉛質複合体からなる応力緩和板が実装されていることを特徴とするLED光源パッケージ。
  2. 応力緩和板が、黒鉛質多孔体又は黒鉛粉末成形体とアルミニウム又はアルミニウム合金を複合化した板状の金属含浸セラミックス基板であることを特徴とする請求項1記載のLED光源パッケージ。
  3. アルミニウム−黒鉛質複合体に占める黒鉛の体積率が60〜85体積%であることを特徴とする請求項1又は2記載のLED光源パッケージ。
  4. アルミニウム−黒鉛質複合体の両主面に0.5〜20μmの厚みのNi、Co、Pd、Cu、Ag、Au、Pt、Snの中から選ばれる少なくとも1種以上のめっきを形成したアルミニウム−黒鉛質複合体とLED光源モジュール及び金属回路基板間が半田付け又はろう付けされることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項記載のLED光源パッケージ。
  5. ろう材中に錫、銅、銀、亜鉛、ビスマスのうち少なくとも1種類以上含まれていることを特徴とする請求項4記載のLED光源パッケージ。
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