JP2012230435A - 定着装置及び画像形成装置 - Google Patents

定着装置及び画像形成装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2012230435A
JP2012230435A JP2012188980A JP2012188980A JP2012230435A JP 2012230435 A JP2012230435 A JP 2012230435A JP 2012188980 A JP2012188980 A JP 2012188980A JP 2012188980 A JP2012188980 A JP 2012188980A JP 2012230435 A JP2012230435 A JP 2012230435A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fixing
printing operation
recording medium
fixing device
rotation
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2012188980A
Other languages
English (en)
Inventor
Ryota Yamashina
亮太 山科
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ricoh Co Ltd filed Critical Ricoh Co Ltd
Priority to JP2012188980A priority Critical patent/JP2012230435A/ja
Publication of JP2012230435A publication Critical patent/JP2012230435A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Fixing For Electrophotography (AREA)

Abstract

【課題】印刷動作終了後の定着部材の温度のオーバーシュートを防ぐために、実施する印刷動作後の定着部材の消灯回転の回転時間、又は回転速度を、印刷動作時の条件により可変にすることで定着部材の温度のオーバーシュートを適切に防ぐ定着装置及び画像形成装置を提供することにある。
【解決手段】内部に定着熱源を有する定着部材と、該定着部材を押圧する加圧部材との定着ニップに搬送された、記録媒体上の未定着のトナー像を前記記録媒体上に熱定着する定着装置において、印刷動作終了後に前記定着部材の前記定着熱源を消灯した後に前記定着部材を回転させる時間を変更する回転時間変更制御回路30を備え、該回転時間変更制御回路30は、印刷動作時の条件により、印刷動作後の消灯回転時間を変更する定着装置。
【選択図】図5

Description

本発明は、定着熱源により定着部材を加熱し、その定着部材を記録媒体の画像面に接触してその画像面のトナー像を溶融することにより記録媒体に定着する定着装置、及びこの定着装置を搭載する複写機、プリンタ、ファクシミリ又はそれらの複合機等の電子写真式の画像形成装置に関するものである。
従来、プリンタ、複写機、ファクシミリ等の画像形成装置にあっては、転写紙、記録材、用紙等の記録媒体に形成されたトナー像を加熱溶融し、加圧することにより、トナー画像を定着させる定着装置を用いることが知られている。
一般的に、トナー像として形成された電子写真画像を記録媒体に定着する定着装置は、定着熱源であるヒータに電力を供給して、定着ローラ、定着ベルト等の定着部材を発熱させ、この熱でトナー像を加熱溶融して記録媒体に定着する処理を行なう。
このような定着装置では、電子写真画像を記録媒体に定着している間の定着温度を一定にするために、前記ヒータに電力を供給し、所定の温度(目標制御温度)に昇温させて定着可能状態とし、この所定定着温度を維持しつつ定着装置へ記録媒体を通過させるという構成になっている。
近年では、定着可能状態への昇温時間(ウォームアップ時間)の短縮化や、消費電力の低減化の観点から、定着部材には、薄肉ローラや定着ベルトといった熱容量の小さい媒体を使用することが多くなってきている。
このような熱容量の小さい構成の場合、熱し易く冷め易い特性から、温度が変動し易く、目標制御温度に対する定着部材の温度の異常昇温、すなわちオーバーシュート(以下、単にオーバーシュート)が発生し易いことが挙げられる。
かかるオーバーシュートが起こった場合、定着部材の温度が高温となるため、劣化あるいは破損する、あるいはまた、定着部材の温度が目標制御温度に対して安定しないことにより、定着後の画質が安定しないという懸念がある。
以上から何らかの手段によりオーバーシュートを発生させないようにする必要がある。次に、オーバーシュートが発生し易い条件について述べる。オーバーシュートが発生する状況は様々であるが、印刷動作時に回転していた定着部材が印刷動作終了後、回転を停止した際に起こり易いことが知られている。
この原因の1つとして挙げられるのは、印刷動作時はトナー像を記録媒体に溶融させるために、熱源へ大電力を供給し定着部材を加熱している。一方、印刷動作終了後は供給電力が少なくて済むが、印刷動作終了後に熱源への供給電力を減らすように温度コントローラが指令を出しても、熱源への供給電力と定着部材の温度変化には応答遅れがあり、直ぐには反映されないため、印刷動作終了後に温度が上昇する。
また、他の原因としては、印刷動作時は定着部材が回転しており、熱源からの熱量が定着部材や対向する加圧部材上に広く供給される。さらに、記録媒体が定着部材から奪う熱量と、定着部材上の温度を目標制御温度に保つために必要な熱量とのバランスにより、熱源へ電力が供給される。しかし、回転が停止したことにより熱源からの熱量が、熱源に近い局所的な部分に集中するため、熱源付近の定着部材の温度が急激に上昇する。
熱源への供給電力と定着部材の温度変化の応答遅れによる印刷動作終了後の温度上昇、熱源付近の定着部材の温度の急激な上昇を回避するために、従来から幾つかの技術が提案されている(例えば、特許文献1及び2参照)。
特許文献1では、一連のジョブにおける最終記録媒体の後端が定着位置を通過する時点よりも所定時間前に熱源をオフにすることにより、応答遅れの問題を回避している。
特許文献2では、印刷動作終了後、一定時間の間、熱源への電力供給をストップした状態のまま定着部材を回転させることにより、印刷動作終了後の温度上昇を回避している。
しかしながら、特許文献1のみの解決ではオーバーシュートを抑えるのに限界があった。また、特許文献2の技術では、印刷動作後の消灯回転を継続する時間や回転の速度は予め設定された単一の値であった。
しかし、印刷動作時の条件(通紙枚数や記録媒体の厚さなど)によって、印刷時に必要な定着熱源への供給電力は異なるため、印刷動作後のオーバーシュートの大きさは印刷動作時の条件によって異なる。
また、従来技術では、例えば、最もオーバーシュートが大きくなる条件(印刷動作時に必要な電力が大きい条件)の元で適切な印刷動作後の消灯回転時間あるいは印刷動作後の消灯回転速度を設定し、それを全ての条件で一律に適用している。
そのため、オーバーシュートが小さい条件(印刷動作時に必要な電力が小さい条件)では必要以上の時間や速度で印刷動作後の消灯回転を行うことになり、印刷動作後に温度が下がり過ぎてしまうことがあった。また、回転数増加に伴い定着部材の寿命を短くする要因にもなっていた。
そこで、本発明の目的は、上述した実情を考慮して、印刷動作終了後の定着部材の温度のオーバーシュートを防ぐために、実施する印刷動作後の定着部材の消灯回転の回転時間、又は回転速度を、印刷動作時の条件により可変にすることで定着部材の温度のオーバーシュートを適切に防ぐ定着装置及び画像形成装置を提供することにある。
上記の課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、内部に定着熱源を有する定着部材と、該定着部材を押圧する加圧部材と、を備え、前記定着部材と前記加圧部材との定着ニップに搬送された記録媒体上の未定着トナー像を前記記録媒体上に熱定着する定着装置において、印刷動作終了後に前記定着熱源への電力供給をオフして前記定着部材を回転させる電力供給オフ回転時間を変更する回転時間変更制御回路を備え、該回転時間変更制御回路は、印刷動作時の条件により、前記電力供給オフ回転時間を変更する定着装置を特徴とする。
また、請求項2に記載の発明は、前記回転時間変更制御回路が、前記定着部材の前記印刷動作後の前記電力供給オフ回転時間を、印刷枚数により変更する請求項1記載の定着装置を特徴とする。
また、請求項3に記載の発明は、前記回転時間変更制御回路が、前記印刷枚数により設定された前記印刷動作後の前記電力供給オフ回転時間を、印刷動作時の記録媒体の厚さにより、補正する請求項2記載の定着装置を特徴とする。
また、請求項4に記載の発明は、前記回転時間変更制御回路が、前記印刷枚数により決定された前記印刷動作後の前記電力供給オフ回転時間を、印刷動作時の環境の温度により、補正する請求項2記載の定着装置を特徴とする。
また、請求項5に記載の発明は、前記回転時間変更制御回路が、前記印刷枚数により決定された前記印刷動作後の前記電力供給オフ回転時間を、印刷動作時の前記定着部材の設定温度により、補正する請求項2記載の定着装置を特徴とする。
また、請求項6に記載の発明は、内部に定着熱源を有する定着部材と、該定着部材を押圧する加圧部材により、記録媒体に作像したトナー像を前記記録媒体上に熱定着する定着装置において、印刷動作終了後に前記定着熱源への電力供給をオフして前記定着部材を回転させる切断回転速度を変更する回転速度変更制御回路を備え、前記電力供給オフ回転速度を、印刷動作時の条件により変更する定着装置を特徴とする。
また、請求項7に記載の発明は、前記回転速度変更制御回路が、前記印刷動作後の電力供給オフ回転速度を、印刷枚数により変更する請求項6記載の定着装置を特徴とする。
また、請求項8に記載の発明は、前記回転速度変更制御回路が、前記印刷枚数によって決定された前記印刷動作後の前記電力供給オフ回転速度を、印刷動作時の記録媒体の厚さにより、補正する請求項6記載の定着装置を特徴とする。
また、請求項9に記載の発明は、前記回転速度変更制御回路が、前記印刷枚数によって決定された前記印刷動作後の前記電力供給オフ回転速度を、印刷動作時の環境の温度により、補正する請求項6記載の定着装置を特徴とする。
また、請求項10に記載の発明は、前記回転速度変更制御回路が、前記印刷枚数によって決定された前記印刷動作後の前記電力供給オフ回転速度を、印刷動作時の前記定着部材の設定温度により、補正する請求項6記載の定着装置を特徴とする。
また、請求項11に記載の発明は、前記記録媒体が定着ニップを通過するタイミングを検知し得る検知機構を具備し、前記タイミングを検知した時点から定着熱源より定着部材へ供給する熱量を増加させて供給し、前記記録媒体の後端が前記定着ニップを通過するより前に前記定着熱源から前記定着部材へ供給する熱量を減少させて供給するフィードフォワード制御を用いて、印刷動作中の前記定着部材の前記定着熱源を制御する請求項1乃至10の何れか1項記載の定着装置を特徴とする。
また、請求項12に記載の発明は、像担持体上に形成された静電潜像をトナーで現像して可視化し、トナー像を記録媒体上に転写し、該記録媒体上の前記トナー像を熱及び圧力により前記記録媒体上に定着させる画像形成装置において、前記記録媒体上に前記トナー像を定着させる定着装置として、請求項1乃至11の何れか1項記載の定着装置を搭載する画像形成装置を特徴とする。
本発明によれば、オーバーシュート抑制により、結果として定着部材の劣化、破損を防ぐことができ、また、温度が安定することにより、定着後の画質を安定化させることも可能となる。さらには、定着部材の消灯回転時間、又は速度を最適化し、無駄な回転動作をなくすことにより、定着部材の寿命を向上させることができる。
本発明による定着装置を適用し得る画像形成装置の内部機構の全体構成を示す概略図である。 本発明による定着装置の構成を示す概略図である。 一般的な使用方法における、定着装置の動作の状態遷移の様子を、定着ローラの温度の遷移とともに示すタイミングチャートである。 印刷動作後の消灯回転の実施有無によるオーバーシュート量の違いを示すタイミングチャートである。 定着ローラの印刷動作後の消灯回転の回転時間を変更する回転時間変更制御回路の概略を示すブロック図である。 印刷動作後の消灯回転時間を一定値とした場合と、印刷枚数により可変にした場合の定着ローラの温度のオーバーシュートの比較結果を示すタイミングチャートである。 定着ローラの印刷動作後の消灯回転の回転速度を変更する回転速度変更制御回路の概略を示すブロック図である。 印刷動作後の消灯回転速度を一定値とした場合と、印刷枚数により可変にした場合のオーバーシュートの比較結果を示すタイミングチャートである。
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態を詳細に説明する。図1は本発明による定着装置を適用し得る画像形成装置の内部機構の全体構成を示す概略図である。
図1に示す画像形成装置Aは電子写真方式を採用しており、画像形成装置本体1の上方に画像読み取り装置2を設置し、右側面に両面ユニット3を取り付けて構成されている。
画像形成装置本体1内には中間転写装置4を備えている。この中間転写装置4は、複数のローラに掛け渡したエンドレスの中間転写ベルト5を含み、そして画像形成装置本体1内でこの中間転写ベルト5をほぼ水平に張り渡し、反時計回りに走行するように設けている。
中間転写装置4の下には、シアン、マゼンタ、イエロ、ブラックの作像装置12c、12m、12y、12kを、中間転写ベルト5の張り渡し方向に沿って四連タンデム式に並べて設けている。
各作像装置12c、12m、12y、12kは、図中時計回りに回転するドラム状の像担持体である感光体ドラム6c、6m、6y、6kの周りに帯電装置、現像装置、転写装置、クリーニング装置などを設置して構成する。作像装置12c、12m、12y、12kの下には、露光装置7を備えている。
露光装置7の下には、給紙装置8を設けている。給紙装置8には、記録媒体(用紙)Pを収納する給紙カセット9(この実施の形態では、2段)を備えてなる。そして、各給紙カセット9の右上には、各給紙カセット9内の記録材である記録媒体Pを1枚ずつ繰り出して記録媒体搬送路10に入れる給紙コロ11を設けてなる。
記録媒体搬送路10は、画像形成装置本体1内の右側に下方から上方に向けて形成し、画像形成装置本体1上方の画像読み取り装置2との間に形成する胴内排紙部14へと通ずるように設けている。
記録媒体搬送路10には、レジストローラ(搬送ローラ)15、中間転写ベルト5と対向して2次転写装置16、定着装置17、1対の排紙ローラよりなる排紙装置18などを画像形成装置本体1内の右側に下方から上方に向けて順に設けている。
レジストローラ15の上流には、両面ユニット3から再給紙し、又は両面ユニット3を横切って手差し給紙装置19から手差し給紙する記録媒体Pを記録媒体搬送路10に合流する給紙路20を設ける。また、定着装置17の下流には、両面ユニット3への再給紙搬送路22を分岐して設けている。
かかる構成において、コピーを採る時は、画像読み取り装置2で原稿画像を読み取って露光装置7で書き込みを行ない、各作像装置12c、12m、12y、12kのそれぞれの像担持体である感光体ドラム6c、6m、6y、6k上に各色トナー画像を形成し、そのトナー像を1次転写装置21c、21m、21y、21kで順次転写して中間転写ベルト5上にカラー画像を形成する。
一方、給紙コロ11の1つを選択的に回転して、対応する給紙カセット9から記録媒体Pを繰り出して記録媒体搬送路10に入れ、又は、手差し給紙装置19から手差しの記録媒体Pを給紙路20に入れる。
記録媒体Pを、記録媒体搬送路10を通してレジストローラ15で搬送してタイミングを取って2次転写位置へと送り込み、上述したごとく中間転写ベルト5上に形成したカラー画像を2次転写装置16で記録媒体Pに転写する。画像転写後の記録媒体Pは、定着装置17で画像定着後、排紙装置18で排出して胴内排紙部14上にスタックする。
記録媒体Pの裏面にも画像を形成する時には、再給紙搬送路22に入れて両面ユニット3で反転してから給紙路20を通して再給紙し、別途中間転写ベルト5上に形成したカラー画像を記録媒体Pに2次転写して後、再び、定着装置17で定着して排紙装置18で胴内排紙部14に排出する。
図2は本発明による定着装置の構成を示す概略図である。この発明による定着装置17は、ローラ状の定着部材である定着ローラ23と、ローラ状の加圧部材である加圧ローラ24とで構成されている。
これらのローラ23、24のうちの一方のローラ(例えば、定着ローラ23)の回転軸は固定され、他方のローラ(例えば、加圧ローラ24)の回転軸は移動自在としている。
他方のローラ(例えば、加圧ローラ24)が一方のローラ(例えば、定着ローラ23)に対して接離可能に支持され、かつ図示はしていないが他方のローラ(例えば、加圧ローラ24)が一方のローラ(例えば、定着ローラ23)に向けてばね、その他の弾性部材で付勢されている。
定着ローラ23と加圧ローラ24との間で定着ニップnが形成される。定着ローラ23には、内部に定着熱源25が内蔵されており、この定着熱源25で定着ローラ23が加熱されるようになっている。
なお、この実施の形態では、定着熱源25としては、ハロゲンヒータやカーボンヒータなどの加熱ヒータを使用するが、ヒータに限らず、例えば、電磁誘導を利用して発熱する熱源を用いるようにしてもよい。
また、本実施の形態では、温度検知手段として、定着ローラ23には、この定着ローラ23の温度を検知する温度検知手段26を近接して備え、この温度検知手段26は定着ローラ23の温度を測定する。
予め指定された目標制御温度と、温度検知手段26により検知された定着ローラ23の温度との間の温度偏差の情報を基に温度コントローラ27がPWM駆動回路28を通して、定着ローラ23の定着電源25への印加電力を制御する。
図示の定着装置17は、定着熱源25により定着ローラ23が加熱され、この定着ローラ23は、これと加圧ローラ24との間の定着ニップnを通過する記録媒体の画像面に接触する。その画像面のトナー像が定着ローラ23からの熱によって溶融されることにより記録媒体に定着される。
図3は一般的な使用方法における、定着装置の動作の状態遷移の様子を、定着ローラの温度の遷移とともに示すタイミングチャートである。図3には、一般的な使用方法において遷移する、定着装置17(図2)の動作の状態の様子を、定着ローラ23の温度の遷移とともに示している。
図2及び図3を参照して、立ち上げ状態では、定着ローラ23及び加圧ローラ24を回転させた状態で温度を上昇させ、印刷可能状態とする。この時点でユーザーからの印刷の要求が無い場合は、待機状態として定着ローラ23及び加圧ローラ24の回転を停止させる。
この待機状態は、印刷要求がきた場合に、即座に印刷動作へ移れるように、定着ローラ23の温度を一定温度に保っている。ユーザーから印刷要求がきた場合には、回転をスタートさせて印刷動作を行ない、印刷終了後に回転を停止し、再び待機状態へ移行する。
図4は印刷動作後の消灯回転の実施有無によるオーバーシュート量の違いを示すタイミングチャートである。図4に示すように、印刷動作後の定着ローラ23の消灯回転を実施すると、印刷状態から待機状態へ移行した際の定着ローラ23の温度のオーバーシュートを防ぐことができる。
図4では、通紙後定着ローラ23の消灯回転を実施した場合、及び実施しなかった場合の定着部材である定着ローラ23の温度のオーバーシュートの大きさの比較を示している。印刷動作後に消灯回転を実施することで、オーバーシュートを小さくすることができる。
図5は定着ローラの印刷動作後の消灯回転の回転時間を変更する回転時間変更制御回路の概略を示すブロック図である。図5において、回転時間変更制御回路30は、回転時間設定部31、補正部32、制御手段33、及び印刷動作条件入力部34を含んでいる。
以下、印刷動作後の定着ローラの消灯回転の回転時間を印刷動作時の条件により変更することで、オーバーシュート量を適切に調節する手段について述べる。例えば、図2に示す定着装置17において、印刷動作終了後に定着ローラ23の定着熱源25への電力供給をオフ(消灯)した後、定着ローラ23を回転させる時間(以下、印刷動作後の消灯(電力供給オフ)回転時間)を印刷動作時の条件により変更する。
その一例として、ユーザーからの印刷要求に対して、図5の印刷動作条件入力部34で印刷枚数をカウントし、カウントした印刷枚数により、制御手段33及び補正部32で補正して、回転時間設定部31で印刷動作後の消灯回転時間を決定する。
しかしながら、印刷動作後の消灯回転時間の決定方法は、本発明では、表1のように、予め関連付けておいた印刷枚数と印刷動作後の消灯(電力供給オフ)回転時間のテーブルを参照して回転時間変更制御回路30を動作することにより決定する。
Figure 2012230435
表1には、印刷枚数と印刷動作後の消灯回転時間を予め関連付けて纏めて示している。
図6は印刷動作後の消灯回転時間を一定値とした場合と、印刷枚数により可変にした場合の定着ローラの温度のオーバーシュートの比較結果を示すタイミングチャートである。
図6の(a)では、印刷動作後の消灯回転時間を一定値とした場合の、定着ローラ23の温度のオーバーシュートを、図6の(b)では、印刷枚数により可変にした場合の、定着ローラ23の温度のオーバーシュートを比較結果として示している。
図2及び図6を参照して、図6の(a)において、実線で示すように、従来の方法では、例えば、印刷枚数が多い時(図では300枚とする)でかつ予め最適化された印刷動作後の消灯回転時間t1を一律で使用する。このため、印刷枚数が少ない時(図では10枚とする)には印刷動作後の定着ローラ23の消灯回転時間t1では長過ぎる。
このために、回転終了後、定着ローラ23(図2)の温度が下がり過ぎ、その後待機目標温度に到達するまでの時間を多く要することになる。従って、続けてユーザーから印刷指令がきた場合に、即座に印刷ができないため、待ち時間を発生させてしまっている。
一方、本発明のように、印刷動作後の定着ローラ23の消灯回転時間を、印刷枚数により可変とした場合では、印刷枚数が300枚の時には消灯回転時間t1にて回転するが、印刷枚数が10枚の時にはt2にて回転するため、図6の(b)に破線で示すように、印刷枚数に応じて適切にオーバーシュートを防ぐことができる。
なお、本実施の形態では、テーブルによる印刷枚数と印刷動作後の消灯回転時間の関連付けの例を示したが、両者の関係を実験的に求めた数式により記述するなどして使用しても差し支えない。
また、本発明による定着装置では、前述した印刷枚数により決定された印刷動作後の消灯回転時間を、印刷動作時の記録媒体の厚さに応じて、補正するように設定することもできる。
以下、補正の手順を説明する。初めに、図5の印刷動作条件入力部34で記録媒体の厚さを判断する。厚さの判断方法としては、微小変位センサなどにより物理的に測定しても良いし、使用する記録媒体(紙)の種類が予め解っている場合にはユーザーが記録媒体の厚さを入力しておいてもよい。
次に記録媒体の厚さにより、印刷動作後の消灯回転時間を補正する手順を述べる。記録媒体が厚いほど、印刷動作時に定着熱源25(図2)へ投入する電力が多く必要となることから、前述のように、印刷動作後の定着ローラ23の温度のオーバーシュートが大きくなる。
記録媒体の厚さはそれを示す単位として、坪量や連量がよく用いられる。そこで、本実施の形態では印刷時の記録媒体の厚さを坪量(g/m)で表し、記録媒体の厚さに対して表2のように重み付けを行ない、表1の印刷枚数から決定される印刷動作後の定着ローラ23の消灯回転時間へ、重みを掛け合わせることにより、印刷動作後の消灯回転時間を決定する。
Figure 2012230435
印刷動作後の消灯回転時間を補正するために用いる、記録媒体の厚さ(坪量)に対する重み係数を示している。
例えば、印刷枚数が60枚、記録媒体の坪量が90g/mの場合は、印刷動作後消灯回転時間tは、
t=2.0×1.2=2.4[s]
となる。
このように、図5の回転時間変更制御回路30の印刷動作条件入力部34に表2の重み計数を含む記録媒体の厚さを入力し、記録媒体の厚さを測定し、厚さに応じて、制御手段33及び補正部32で印刷動作後の消灯回転時間を補正することにより、印刷動作後のオーバーシュート量を最適化することが可能となる。
また、本発明による定着装置では、前述した印刷枚数により決定された印刷動作後の消灯回転時間を、回転時間変更制御回路30の印刷動作条件入力部34に環境温度を入力して、印刷動作時の環境温度に応じて補正する。以下、補正の手順を説明する。
初めに、環境の温度を測定する。一般には画像形成装置には温湿度センサなどが取り付けられていることが多い。従って、それらを使用しても良いし、本発明のために別途温度センサを取り付けてもよい。それらを回転時間変更制御回路30の印刷動作条件入力部34に入力してもよい。
次に測定した環境の温度により、印刷動作後の消灯回転時間を補正する手順を述べる。環境の温度が低い場合、記録媒体の温度も低くなり、印刷動作時に定着熱源25(図2)へ投入する電力は、大きな電力が多く必要となる。このため、前述のように印刷動作後の定着ローラ23(図2)の温度のオーバーシュートが大きくなる。
そこで、印刷時の環境温度に対して、表3のように重み付けを行い、表1の印刷枚数から決定される印刷動作後消灯回転時間に対して、重み係数を掛け合わせることにより、印刷動作後の消灯回転時間を決定する。
Figure 2012230435
表3には、印刷動作後消灯回転時間を補正するために用いる、環境温度に対する重み係数を示している。
例えば、印刷枚数が120枚、環境温度が20℃であった場合は、印刷動作後の消灯回転時間tは、
t= 4.0×2.5=10.0[s]
となる。
以上のように、印刷動作時の環境温度を考慮し、印刷動作後のオーバーシュート量を最適化することができる。
また、本発明による定着装置では、前述した印刷枚数により決定された印刷動作後の消灯回転時間を、印刷動作時の定着ローラ23(図2)の設定温度(目標制御温度)に応じて補正する。印刷動作時の定着ローラ23の設定温度が高い場合には、印刷動作時に温度が高いために、印刷動作後の最大オーバーシュート到達点も高くなる。
そこで、印刷動作時の定着ローラ23の設定温度に対して、表4のように重み付けを行い、表1の印刷枚数から決定される印刷動作後の消灯回転時間に対して、重みを掛け合わせることにより、回転時間変更制御回路30において印刷動作後の消灯回転時間を決定する。
Figure 2012230435
表4には、印刷動作後の消灯回転時間を補正するために用いる、定着ローラ23の設定温度に対する重み係数を示している。
例えば、印刷枚数が30枚、定着ローラ23の目標制御温度が160℃であった場合は、印刷動作後の消灯回転時間tは、
t=1.0×3.0=3.0[s]
となる。
以上のように、印刷時の定着ローラ23の設定温度を考慮することで、印刷動作後のオーバーシュート量をさらに最適化することができる。
一般には、定着ローラ23の設定温度は、記録媒体の厚さ、環境の温度などを考慮して予め決定されているため、表4の重み係数には、表2、表3に示した、記録媒体の厚さ及び、環境の温度の重み情報が含まれていると考えられる。
しかし、必要に応じて、記録媒体の厚さ、環境の温度、定着ローラ23の印刷動作時の設定温度の情報を併用して(つまり、表2、表3、表4の重み係数を併用して、)印刷動作後の消灯回転時間を補正してもよい。
図7は定着ローラの印刷動作後の消灯回転の回転速度を変更する回転速度変更制御回路の概略を示すブロック図である。図7において、回転速度変更制御回路35は、回転速度設定部36、補正部37、制御手段38、及び印刷動作条件入力部39を含んでいる。
本発明による定着装置では、また、印刷動作後の消灯(切断)回転の回転速度を印刷動作時の条件により変更する。その一例として、本発明による定着装置17(図2)では、図7の回転速度変更制御回路35を利用してユーザーからの印刷要求に対して、印刷枚数をカウントし、印刷枚数により、印刷動作後の消灯回転速度を決定する。
以下、印刷動作後の消灯回転の回転速度を印刷動作時の条件により変更することで、オーバーシュート量を適切に調節する手段について述べる。まずは、図7の回転速度変更制御回路35の印刷動作条件入力部39に印刷枚数を入力して回転速度を変更する場合を説明する。
図8は印刷動作後の消灯回転速度を一定値とした場合と、印刷枚数により可変にした場合のオーバーシュートの比較結果を示すタイミングチャートである。図8の(a)では、印刷動作後の消灯回転速度を一定値とした場合の定着ローラ23(図2)の温度のオーバーシュートを、図8の(b)では、印刷枚数により可変にした場合の、定着ローラ23(図2)の温度のオーバーシュートを比較結果として示している。
図8では、印刷動作後の消灯回転速度を一定速度のv1とした場合と、印刷枚数により可変にした場合(v1及びv2)のオーバーシュートの比較の結果を示している。
回転速度が速いほど、定着ローラ23の熱が対向する加圧ローラ24(図2)へ早く伝達するため、同時間だけ消灯回転を行なうとした場合、定着ローラ23の温度のオーバーシュート量は回転速度が速いほど小さくすることができる。
Figure 2012230435
表5には、印刷枚数と印刷動作後消灯回転速度の関連付けを示している。本発明では、表5のように、予め関連付けておいた印刷枚数と印刷動作後の消灯回転速度のテーブル情報を基に回転速度を決定する。
本実施の形態では、定着ローラ23の回転速度は50[mm/s]、100[mm/s]、150[mm/s]の3つの回転速度から選択して駆動できるようになっており、表5を用いて3つの回転速度のうち、どの回転速度を用いるかを決定する。
なお、本実施の形態では、使用する回転速度を3つとしているが、目的に応じて、さらに細かく回転速度を分けて使用できるようにしても良いし、使用する定着駆動の構成により連続的に速度を変えられる場合には、印刷枚数と回転速度の関係を数式で記述し、印刷枚数に対して、連続的に回転速度を変化させてもよい。以上のように、印刷枚数に応じて印刷動作後の消灯回転速度を変化させることにより、印刷動作後のオーバーシュート量を最適化することができる。
また、本発明による定着装置では、前述した印刷枚数により決定された印刷動作後の消灯回転速度を、記録媒体の厚さに応じて補正する。補正の手順を以下に述べる。まず、記録媒体の厚さの判断方法は図5に関連して上述したのと同様の方法を用いることができるため、割愛する。
次に測定した記録媒体の厚さから印刷動作後の消灯回転速度を補正する手段について述べる。記録媒体が厚いほど、印刷動作時に大きな電力を必要とすることから、前述のように印刷動作後の定着ローラ23の温度のオーバーシュートが大きくなる。
そこで、印刷時の記録媒体の厚さに対して、表6のテーブルを用いて回転速度補正を行なう。この回転速度補正は、表6を考慮して、図7の回転時間変更制御回路35において実施される。
Figure 2012230435
表6に示す回転速度の補正の数値の意味は、「+1」が表5により印刷枚数に応じて決定された回転速度に対して、所有している回転速度の中で1段階速い回転速度へ補正することを意味し、「+2」であれば2段階速い回転速度へ補正することを意味する。
例えば、印刷枚数が60枚、記録媒体の厚さが95[g/m]であった場合には、表5から決定される印刷枚数60枚に対する回転速度100[mm/s]に対して、+1の補正であるから、1段階速い回転速度にシフトさせ、150[mm/s]で回転させる。
また、例えば、印刷枚数が60枚、転写紙の厚さが200[g/m]であった場合には、印刷枚数60枚に対する回転速度100[mm/s]に対して、+2の補正であるため、2段階速い回転速度へシフトを行なうことを意味する。しかし、本実施の形態では、所有している回転速度が150[mm/s]を上限としているため、150[mm/s]を選択することになる。
このように回転速度だけでの補正では頭打ちとなってしまう場合には、図5に示した回転時間偏向制御回路30により回転時間も同時に調節することによって、さらに、高精度にオーバーシュートを防ぐこともできる。
以上のように、記録媒体の厚さを考慮し、印刷動作後の消灯回転速度を決定することによって、印刷動作後のオーバーシュート量を最適化することが可能である。
また、本発明による定着装置では、前述した印刷枚数により決定された印刷動作後の消灯回転速度を、図7の回転時間変更制御回路35において印刷動作時の環境の温度により補正する。補正の手順において、環境の温度の判断方法などは、表3に関連して説明したのと同様であるため、割愛する。
次に、環境の温度により、印刷動作後の消灯回転速度を補正する手順について述べる。環境の温度が低い場合、記録媒体の温度が低くなり、印刷動作時に大きな電力を必要とすることから、前述のように印刷動作後のオーバーシュートが大きくなる。
Figure 2012230435
表7には、印刷時の環境温度に対して行なう回転速度補正を表6に示す回転速度の補正の数値の意味において示している。
そこで、印刷時の環境温度に対して、表7のテーブルを用いて回転速度補正を行なう。表5の印刷枚数から決定される印刷動作後の消灯回転速度に対して、図7の回転速度変更制御回路35で、表7のテーブルを考慮して、回転速度補正を行なうことにより、印刷動作後の消灯回転速度を決定する。
例えば、印刷枚数が35枚、環境の温度が18℃で合った場合には、表5から決定される印刷枚数に対する回転速度50[mm/s]に対して、表7のテーブルにより「+1」の回転速度補正がなされるので、100[mm/s]の回転速度にて印刷動作後の消灯回転を行なう。
以上のように、印刷動作時の環境温度を考慮し、図7の回転時間変更制御回路35において、印刷動作後の消灯回転速度を決定することにより、印刷動作後のオーバーシュート量を最適化することができる。
また、本発明による定着装置では、前述した印刷枚数により決定された印刷動作後の消灯回転速度を、印刷動作時の定着ローラ23(図2)の設定温度に対して補正する。印刷動作時の定着ローラ23の設定温度が高い場合には、印刷動作時に温度が高いために、印刷動作後の最大オーバーシュート到達点も高くなる。
Figure 2012230435
表8には、印刷動作時の定着ローラ23の設定温度に対して行なう回転速度補正を表6に示す回転速度の補正の数値の意味において示している。
そこで、印刷動作時の定着ローラ23の設定温度に対して、表8のテーブルを用いて回転速度補正を行なう。表5の印刷枚数から決定される印刷動作後の消灯回転速度に対して、回転速度補正を行なうことにより、印刷動作後の消灯回転速度を決定する。
一般には、定着ローラ23の設定温度は、記録媒体の厚さ、環境の温度などを考慮して決定されるため、表8の回転速度補正の値には、表6、表7に示した、記録媒体の厚さ及び、環境の温度による回転速度補正の情報が含まれていると考えられる。
しかし、必要に応じて、記録媒体の厚さ、環境の温度、定着ローラ23の印刷動作時の設定温度の情報を併用して、図7の回転時間変更制御回路35で印刷動作後の消灯回転速度を補正してもよい。
以上のように、印刷動作時の定着ローラ23の印刷動作時の設定温度を考慮し、印刷動作後の消灯回転速度を決定することにより、印刷動作後のオーバーシュート量を最適化することができる。
また、本発明による定着装置では、印刷動作中の定着熱源25(図2)の制御手段に以下に述べる、いわゆるフィードフォワードを用いて制御を行なう。定着熱源25からの熱入力が定着装置17(図2)へ供給されるまでにはタイムラグ(むだ時間)が存在する。
このことから、記録媒体が定着装置17を通過する時刻を予測し、記録媒体が定着装置17を通過するより前に、定着熱源25からの熱入力供給を前もって開始するか、あるいは増幅させる。そして、記録媒体の後端が定着装置17を抜けるより前に、定着熱源25からの熱入力供給を前もって遮断するか、あるいは減少させる。
記録媒体P(図1参照)が定着装置17へ通過するタイミングの検知方法としては、例えば、レジストローラ(搬送ローラ)19(図1参照)の回転がオフからオンになった時刻に対して、レジストローラ19と定着装置17の間の搬送距離と搬送速度から割り出される、通過に要する時間を考慮すれば、定着装置17に記録媒体が通過するタイミングを捉えることができる。
この定着装置17に記録媒体が通過するタイミングを捉えることを予兆と呼び、記録媒体Pが定着ニップを通過する予兆を検知するので、レジストローラ19と定着装置17の間の搬送距離と搬送速度から通過に要する時間を考慮してタイミングを割り出すことを、予兆を検知し得る検知機構として述べている。なお、タイミングの検知方法はこの限りではない。
上記のフィードフォワード制御を用いることで、印刷動作終了前に、前もって定着熱源25からの供給熱量を減少させることができるため、印刷動作後のオーバーシュート量は小さくなる。この状態で、上述した印刷消灯後の定着ローラの回転時間、及び回転速度を最適化すれば、さらにオーバーシュート量を緻密に制御することが可能となる。
A 画像形成装置
n 定着ニップ
P 記録媒体(用紙、転写紙、記録材)
4 転写装置
5 中間転写ベルト
6c 像担持体(感光体ドラム)
8 給紙装置
12c 作像装置
17 定着装置
23 定着部材(定着ローラ)
24 加圧ローラ
25 定着熱源
26 温度検知手段
27 温度コントローラ
28 PWM駆動回路
30 回転時間変更制御回路
31 回転時間設定部
32 補正部
33 制御手段
34 印刷動作条件入力部
35 回転速度変更制御回路
36 回転速度設定部
37 補正部
38 制御手段
39 印刷動作条件入力部
特開2003−76189公報 特開平6−149122号公報
上記の課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、内部に定着熱源を有する定着部材と、該定着部材を押圧する加圧部材と、を備え、前記定着部材と前記加圧部材との定着ニップに搬送された記録媒体上の未定着トナー像を前記記録媒体上に熱定着する定着装置において、前記記録媒体が前記定着ニップを通過するタイミングを予め検知し得る検知機構を具備し、該検知機構での前記タイミングの検知した時点から、前記記録媒体が前記定着ニップを通過するより前に前記定着熱源から前記定着部材への熱入力供給を開始、又は増加させ、前記記録媒体の後端が前記定着ニップを通過するより前に前記定着熱源から前記定着部材への熱入力供給を遮断、又は減少させて供給するフィードフォワード制御を用いて、印刷動作中の前記定着部材の前記定着熱源を制御する定着装置を特徴とする。
また、請求項2に記載の発明は、像担持体上に形成された静電潜像をトナーで現像して可視化し、トナー像を記録媒体上に転写し、該記録媒体上の前記トナー像を熱及び圧力により前記記録媒体上に定着させる画像形成装置において、前記記録媒体上に前記トナー像を定着させる定着装置として、請求項1記載の定着装置を搭載する画像形成装置を特徴とする
また、本形態では、温度検知手段として、定着ローラ23には、この定着ローラ23の温度を検知する温度検知手段26を近接して備え、この温度検知手段26は定着ローラ23の温度を測定する。
予め指定された目標制御温度と、温度検知手段26により検知された定着ローラ23の温度との間の温度偏差の情報を基に温度コントローラ27がPWM駆動回路28を通して、定着ローラ23の定着電源25への印加電力を制御する。
図示の定着装置17は、定着熱源25により定着ローラ23が加熱され、この定着ローラ23は、これと加圧ローラ24との間の定着ニップnを通過する記録媒体の画像面に接触する。その画像面のトナー像が定着ローラ23からの熱によって溶融されることにより記録媒体に定着される。
図5は定着ローラの印刷動作後の消灯回転の回転時間を変更する回転時間変更制御回路の概略を示すブロック図である。図5において、回転時間変更制御回路30は、回転時間設定部31、補正部32、制御手段33、及び印刷動作条件入力部34を含んでいる。
以下、印刷動作後の定着ローラの消灯回転の回転時間を印刷動作時の条件により変更することで、オーバーシュート量を適切に調節する手段について述べる。例えば、図2に示す定着装置17において、印刷動作終了後に定着ローラ23の定着熱源25への電力供給をオフ(消灯)した後、定着ローラ23を回転させる時間(以下、印刷動作後の消灯(電力供給オフ)回転時間)を印刷動作時の条件により変更する。
その一例として、ユーザーからの印刷要求に対して、図5の印刷動作条件入力部34で印刷枚数をカウントし、カウントした印刷枚数により、制御手段33及び補正部32で補正して、回転時間設定部31で印刷動作後の消灯回転時間を決定する。
しかしながら、印刷動作後の消灯回転時間の決定方法は、表1のように、予め関連付けておいた印刷枚数と印刷動作後の消灯(電力供給オフ)回転時間のテーブルを参照して回転時間変更制御回路30を動作することにより決定する。
図2及び図6を参照して、図6の(a)において、実線で示すように、従来の方法では、例えば、印刷枚数が多い時(図では300枚とする)でかつ予め最適化された印刷動作後の消灯回転時間t1を一律で使用する。このため、印刷枚数が少ない時(図では10枚とする)には印刷動作後の定着ローラ23の消灯回転時間t1では長過ぎる。
このために、回転終了後、定着ローラ23(図2)の温度が下がり過ぎ、その後待機目標温度に到達するまでの時間を多く要することになる。従って、続けてユーザーから印刷指令がきた場合に、即座に印刷ができないため、待ち時間を発生させてしまっている。
一方、印刷動作後の定着ローラ23の消灯回転時間を、印刷枚数により可変とした場合では、印刷枚数が300枚の時には消灯回転時間t1にて回転するが、印刷枚数が10枚の時にはt2にて回転するため、図6の(b)に破線で示すように、印刷枚数に応じて適切にオーバーシュートを防ぐことができる。
なお、本形態では、テーブルによる印刷枚数と印刷動作後の消灯回転時間の関連付けの例を示したが、両者の関係を実験的に求めた数式により記述するなどして使用しても差し支えない。
また、前述した印刷枚数により決定された印刷動作後の消灯回転時間を、印刷動作時の記録媒体の厚さに応じて、補正するように設定することもできる。
また、定着装置では、前述した印刷枚数により決定された印刷動作後の消灯回転時間を、回転時間変更制御回路30の印刷動作条件入力部34に環境温度を入力して、印刷動作時の環境温度に応じて補正する。以下、補正の手順を説明する。
初めに、環境の温度を測定する。一般には画像形成装置には温湿度センサなどが取り付けられていることが多い。従って、それらを使用しても良いし、別途温度センサを取り付けてもよい。それらを回転時間変更制御回路30の印刷動作条件入力部34に入力してもよい。
次に測定した環境の温度により、印刷動作後の消灯回転時間を補正する手順を述べる。環境の温度が低い場合、記録媒体の温度も低くなり、印刷動作時に定着熱源25(図2)へ投入する電力は、大きな電力が多く必要となる。このため、前述のように印刷動作後の定着ローラ23(図2)の温度のオーバーシュートが大きくなる。
そこで、印刷時の環境温度に対して、表3のように重み付けを行い、表1の印刷枚数から決定される印刷動作後消灯回転時間に対して、重み係数を掛け合わせることにより、印刷動作後の消灯回転時間を決定する。
また、定着装置では、前述した印刷枚数により決定された印刷動作後の消灯回転時間を、印刷動作時の定着ローラ23(図2)の設定温度(目標制御温度)に応じて補正する。印刷動作時の定着ローラ23の設定温度が高い場合には、印刷動作時に温度が高いために、印刷動作後の最大オーバーシュート到達点も高くなる。
そこで、印刷動作時の定着ローラ23の設定温度に対して、表4のように重み付けを行い、表1の印刷枚数から決定される印刷動作後の消灯回転時間に対して、重みを掛け合わせることにより、回転時間変更制御回路30において印刷動作後の消灯回転時間を決定する。
図7は定着ローラの印刷動作後の消灯回転の回転速度を変更する回転速度変更制御回路の概略を示すブロック図である。図7において、回転速度変更制御回路35は、回転速度設定部36、補正部37、制御手段38、及び印刷動作条件入力部39を含んでいる。
着装置では、また、印刷動作後の消灯(切断)回転の回転速度を印刷動作時の条件により変更する。その一例として、定着装置17(図2)では、図7の回転速度変更制御回路35を利用してユーザーからの印刷要求に対して、印刷枚数をカウントし、印刷枚数により、印刷動作後の消灯回転速度を決定する。
以下、印刷動作後の消灯回転の回転速度を印刷動作時の条件により変更することで、オーバーシュート量を適切に調節する手段について述べる。まずは、図7の回転速度変更制御回路35の印刷動作条件入力部39に印刷枚数を入力して回転速度を変更する場合を説明する。
表5には、印刷枚数と印刷動作後消灯回転速度の関連付けを示している。表5のように、予め関連付けておいた印刷枚数と印刷動作後の消灯回転速度のテーブル情報を基に回転速度を決定する。
本形態では、定着ローラ23の回転速度は50[mm/s]、100[mm/s]、150[mm/s]の3つの回転速度から選択して駆動できるようになっており、表5を用いて3つの回転速度のうち、どの回転速度を用いるかを決定する。
なお、本形態では、使用する回転速度を3つとしているが、目的に応じて、さらに細かく回転速度を分けて使用できるようにしても良いし、使用する定着駆動の構成により連続的に速度を変えられる場合には、印刷枚数と回転速度の関係を数式で記述し、印刷枚数に対して、連続的に回転速度を変化させてもよい。以上のように、印刷枚数に応じて印刷動作後の消灯回転速度を変化させることにより、印刷動作後のオーバーシュート量を最適化することができる。
また、定着装置では、前述した印刷枚数により決定された印刷動作後の消灯回転速度を、記録媒体の厚さに応じて補正する。補正の手順を以下に述べる。まず、記録媒体の厚さの判断方法は図5に関連して上述したのと同様の方法を用いることができるため、割愛する。
表6に示す回転速度の補正の数値の意味は、「+1」が表5により印刷枚数に応じて決定された回転速度に対して、所有している回転速度の中で1段階速い回転速度へ補正することを意味し、「+2」であれば2段階速い回転速度へ補正することを意味する。
例えば、印刷枚数が60枚、記録媒体の厚さが95[g/m]であった場合には、表5から決定される印刷枚数60枚に対する回転速度100[mm/s]に対して、+1の補正であるから、1段階速い回転速度にシフトさせ、150[mm/s]で回転させる。
また、例えば、印刷枚数が60枚、転写紙の厚さが200[g/m]であった場合には、印刷枚数60枚に対する回転速度100[mm/s]に対して、+2の補正であるため、2段階速い回転速度へシフトを行なうことを意味する。しかし、本形態では、所有している回転速度が150[mm/s]を上限としているため、150[mm/s]を選択することになる。
このように回転速度だけでの補正では頭打ちとなってしまう場合には、図5に示した回転時間偏向制御回路30により回転時間も同時に調節することによって、さらに、高精度にオーバーシュートを防ぐこともできる。
以上のように、記録媒体の厚さを考慮し、印刷動作後の消灯回転速度を決定することによって、印刷動作後のオーバーシュート量を最適化することが可能である。
また、定着装置では、前述した印刷枚数により決定された印刷動作後の消灯回転速度を、図7の回転時間変更制御回路35において印刷動作時の環境の温度により補正する。補正の手順において、環境の温度の判断方法などは、表3に関連して説明したのと同様であるため、割愛する。
また、定着装置では、前述した印刷枚数により決定された印刷動作後の消灯回転速度を、印刷動作時の定着ローラ23(図2)の設定温度に対して補正する。印刷動作時の定着ローラ23の設定温度が高い場合には、印刷動作時に温度が高いために、印刷動作後の最大オーバーシュート到達点も高くなる。

Claims (12)

  1. 内部に定着熱源を有する定着部材と、該定着部材を押圧する加圧部材と、を備え、前記定着部材と前記加圧部材との定着ニップに搬送された記録媒体上の未定着トナー像を前記記録媒体上に熱定着する定着装置において、印刷動作終了後に前記定着熱源への電力供給をオフして前記定着部材を回転させる電力供給オフ回転時間を変更する回転時間変更制御回路を備え、該回転時間変更制御回路は、印刷動作時の条件により、前記電力供給オフ回転時間を変更することを特徴とする定着装置。
  2. 前記回転時間変更制御回路は、前記定着部材の前記切断回転時間を、印刷枚数により変更することを特徴とする請求項1記載の定着装置。
  3. 前記回転時間変更制御回路は、前記印刷枚数により設定された前記電力供給オフ回転時間を、印刷動作時の前記記録媒体の厚さにより補正することを特徴とする請求項2記載の定着装置。
  4. 前記回転時間変更制御回路は、前記印刷枚数により決定された前記電力供給オフ回転時間を、印刷動作時の環境の温度により補正することを特徴とする請求項2記載の定着装置。
  5. 前記回転時間変更制御回路は、前記印刷枚数により決定された前記電力供給オフ回転時間を、印刷動作時の前記定着部材の設定温度により補正することを特徴とする請求項2記載の定着装置。
  6. 内部に定着熱源を有する定着部材と、該定着部材を押圧する加圧部材により、記録媒体に作像したトナー像を前記記録媒体上に熱定着する定着装置において、印刷動作終了後に前記定着熱源への電力供給をオフして前記定着部材を回転させる前記電力供給オフ回転速度を変更する回転速度変更制御回路を備え、前記電力供給オフ回転速度を、印刷動作時の条件により変更することを特徴とする定着装置。
  7. 前記回転速度変更制御回路は、前記電力供給オフ回転速度を印刷枚数により変更することを特徴とする請求項6記載の定着装置。
  8. 前記回転速度変更制御回路は、前記印刷枚数によって決定された前記電力供給オフ回転速度を、印刷動作時の前記記録媒体の厚さにより補正することを特徴とする請求項6記載の定着装置。
  9. 前記回転速度変更制御回路は、前記印刷枚数によって決定された前記電力供給オフ回転速度を、印刷動作時の環境の温度により補正することを特徴とする請求項6記載の定着装置。
  10. 前記回転速度変更制御回路は、前記印刷枚数によって決定された前記電力供給オフ回転速度を、印刷動作時の前記定着部材の設定温度により、補正することを特徴とする請求項6記載の定着装置。
  11. 前記記録媒体が前記定着ニップを通過するタイミングを検知し得る検知機構を具備し、前記タイミングを検知した時点から定着熱源より定着部材へ供給する熱量を増加させて供給し、前記記録媒体の後端が前記定着ニップを通過するより前に前記定着熱源から前記定着部材へ供給する熱量を減少させて供給するフィードフォワード制御を用いて、印刷動作中の前記定着部材の前記定着熱源を制御することを特徴とする請求項1乃至10の何れか1項記載の定着装置。
  12. 像担持体上に形成された静電潜像をトナーで現像して可視化し、トナー像を記録媒体上に転写し、該記録媒体上の前記トナー像を熱及び圧力により前記記録媒体上に定着させる画像形成装置において、前記記録媒体上に前記トナー像を定着させる定着装置として、請求項1乃至11の何れか1項記載の定着装置を搭載することを特徴とする画像形成装置。
JP2012188980A 2012-08-29 2012-08-29 定着装置及び画像形成装置 Pending JP2012230435A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012188980A JP2012230435A (ja) 2012-08-29 2012-08-29 定着装置及び画像形成装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012188980A JP2012230435A (ja) 2012-08-29 2012-08-29 定着装置及び画像形成装置

Related Parent Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007215909A Division JP2009048074A (ja) 2007-08-22 2007-08-22 定着装置及び画像形成装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2012230435A true JP2012230435A (ja) 2012-11-22

Family

ID=47431954

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012188980A Pending JP2012230435A (ja) 2012-08-29 2012-08-29 定着装置及び画像形成装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2012230435A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016028262A (ja) * 2014-07-09 2016-02-25 株式会社リコー 定着装置及び画像形成装置

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH08171307A (ja) * 1994-12-16 1996-07-02 Canon Inc 画像形成装置
JPH10274899A (ja) * 1997-03-28 1998-10-13 Kyocera Corp 加熱定着装置の制御方法
JP2002023538A (ja) * 2000-07-07 2002-01-23 Konica Corp 定着装置
JP2005338161A (ja) * 2004-05-24 2005-12-08 Canon Inc 画像形成装置
JP2007003992A (ja) * 2005-06-27 2007-01-11 Oki Data Corp 画像形成装置

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH08171307A (ja) * 1994-12-16 1996-07-02 Canon Inc 画像形成装置
JPH10274899A (ja) * 1997-03-28 1998-10-13 Kyocera Corp 加熱定着装置の制御方法
JP2002023538A (ja) * 2000-07-07 2002-01-23 Konica Corp 定着装置
JP2005338161A (ja) * 2004-05-24 2005-12-08 Canon Inc 画像形成装置
JP2007003992A (ja) * 2005-06-27 2007-01-11 Oki Data Corp 画像形成装置

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016028262A (ja) * 2014-07-09 2016-02-25 株式会社リコー 定着装置及び画像形成装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5587087B2 (ja) 定着装置
JP6019779B2 (ja) 定着装置及び画像形成装置
JP6019785B2 (ja) 定着装置及び画像形成装置
US9405236B2 (en) Image forming device
US20190121267A1 (en) Fixing device and image forming apparatus
JP5979853B2 (ja) 画像形成装置
JP2011149982A (ja) 画像形成装置及びカール矯正方法
US10852676B2 (en) Image forming apparatus
JP2009048074A (ja) 定着装置及び画像形成装置
JP5611295B2 (ja) 画像形成装置
JP2014038241A (ja) 画像形成装置
JP2016009134A (ja) 画像形成装置
US11385584B2 (en) Image forming apparatus
JP5451523B2 (ja) 画像形成装置
JP2012230435A (ja) 定着装置及び画像形成装置
JP2011158809A (ja) 定着装置および画像形成装置
WO2017010576A1 (ja) 画像加熱装置
JP2011237743A (ja) 画像形成装置
JP7409862B2 (ja) 画像形成装置及び画像定着方法
US20230314988A1 (en) Fixing apparatus
JP2010019906A (ja) 定着装置および画像形成装置
JP6884551B2 (ja) 画像形成装置
JP2017167383A (ja) 定着装置及び画像形成装置
JP2016126050A (ja) 画像形成装置、制御方法およびプログラム
EP2672327B1 (en) Fixing device and image forming apparatus

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120921

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20120921

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20130507

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130708

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20140107