JP2012230200A - 光学積層体及び干渉縞の抑制方法 - Google Patents

光学積層体及び干渉縞の抑制方法 Download PDF

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政憲 平石
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Abstract

【課題】干渉縞の発生を抑制できる光学積層体を提供する。
【解決手段】基材の上に透明中間層を介して透明機能層が積層された光学積層体において、前記透明機能層の厚み及び屈折率をそれぞれd(μm),n、前記透明中間層の厚み及び屈折率をそれぞれd(μm),n、前記基材の屈折率をnとするとき、下記(1)〜(4)の特性を充足するように、前記厚み及び屈折率を調整する。
(1)透明機能層の厚みが、1μm≦d≦20μmである
(2)透明中間層の光学厚みが、440nm≦4×n×d≦640nmである
(3)透過機能層側の反射率の波長分散を干渉の理論式で4n=540nmとして計算された波長540nmにおける反射率の振幅fが1%以下である
(4)透明機能層の最小厚みが、d1m≧(|n−n|/0.12)×{(1000−875f)×[(4n)−(540/1000)]+(3.6f+1)}を充足する
【選択図】なし

Description

本発明は、干渉縞の発生が抑制され、ハードコート層などの透明機能層を有する光学積層体及び干渉縞の抑制方法に関する。
液晶表示(LCD)装置、プラズマディスプレイパネル(PDP)、有機又は無機エレクトロルミネッセンス(EL)ディスプレイ、電子ペーパー、タッチパネル付き表示装置などの光学表示装置に用いられる光学シートや眼鏡レンズは、通常、ガラスやプラスチックの透明基板の上に、反射防止などの光学特性の改良や、耐擦傷性などの表面保護の目的から、ハードコート層などの機能層が形成されている。しかし、機能層を形成すると、厚みのバラツキや透明基板との屈折率差などにより、干渉縞が発生し、表示装置や眼鏡レンズの視認性が低下する。なお、基板フィルムとハードコート層との接着性を改良する目的などのために、易接着層などの中間層を形成する方法がある。しかし、単に接着改善のために極薄の易接着層を形成しても干渉縞の改善には影響しない。そこで、ハードコート層を形成した光学シートや眼鏡レンズにおいて、干渉縞を抑制する方法が検討されている。
特開2008−116597号公報(特許文献1)には、二軸延伸ポリエチレンテレフタレートからなる基材フィルム上に、易接着剤層を介してハードコート層を有し、さらに前記ハードコート層上に高屈折率層及び低屈折率層をこの順で有する反射防止フィルムであって、前記ハードコート層の厚みが0.5〜5μmであり、前記ハードコート層が、多官能(メタ)アクリレートを含む電離放射線硬化型樹脂100質量部と、末端に共重合可能な不飽和二重結合を有する重合体5〜20質量部との組成物の硬化物で形成されるとともに、前記ハードコート層の屈折率が1.47〜1.51であり、かつ前記易接着剤層の屈折率が1.56〜1.59である反射防止フィルムが開示されている。この文献には、基材フィルムの屈折率は1.64〜1.66であると記載されている。また、ハードコート層の厚みは5μmを超えると、干渉縞の防止効果がなく、1.2〜3.0μmがさらに好ましいと記載されている。さらに、実施例において、波長545nmの反射スペクトルにおいて、波長545nmにおける反射率を基準点として、短波長側又は長波長側の直近の極大値と極小値との差をうねり振幅幅として評価している。
しかし、この反射防止フィルムでも、うねり振幅幅を小さくする要件は明確に記載されておらず、干渉縞の抑制効果は不十分であり、特に、ハードコート層の厚みが大きい場合に抑制効果が低い。
特開2009−265590号公報(特許文献2)には、干渉縞がなく、鉛筆硬度2H以上にハードコートされたポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムとして、PETフィルムの易接着面の反射率に反射率を合わせた紫外線硬化型ハードコート剤がコーティングされたPETフィルムが提案されている。この文献では、ジルコニア、シリカ、酸化スズなどの無機酸化物粒子を高屈折剤としてハードコート剤に配合することによりハードコート剤の反射率を易接着面の反射率と合わせることが記載されている。
しかし、このPETフィルムでも、干渉縞の抑制効果は不十分である上に、無機粒子で構成された高屈折剤を含むため、光散乱性などの光学特性が変化したり、透明性が低下する。
特開2009−86138号公報(特許文献3)には、ポリエステルフィルムの少なくとも片面に塗布層が設けられた積層フィルムであり、前記塗布層が水性アクリル樹脂及び/又は水性ポリウレタン樹脂からなる水性樹脂(A)とカーボンナノチューブ(B)とを含有し、(A)/(B)の重量比が95/5〜70/30である樹脂組成物を含有する水系塗剤を塗布、乾燥後、少なくとも一方向に延伸して得られる厚み5〜100nmの塗布層が設けられている光学用易接着フィルムが開示されている。この文献には、易接着層に硬度に分散したカーボンナノチューブを有するため、高屈折率ハードコート層を設けたときの屈折率差を小さくでき、干渉縞を抑制できることが記載されている。
しかし、このフィルムでも、干渉縞の抑制効果は不十分である上に、カーボンナノチューブを含むため、光散乱性などの光学特性が変化したり、透明性が低下する。
特開2010−128420号公報(特許文献4)には、光学基材と、前記光学基材の表面に積層された機能層とを有し、前記機能層は屈折率が一定のハードコート層を含む光学物品において、前記機能層の厚みを9.1μm以上に厚くすることにより干渉縞の発生を抑制することが開示されている。この文献には、機能層は、ハードコート層と、基材とハードコート層との密着性を高めるためのプライマー層とで構成され、基材の屈折率n2とハードコート層の屈折率n1とプライマー層の屈折率n3とが、n2≦n3≦n1又はn2≧n3≧n1の関係を充足するのが望ましいと記載されている。
しかし、この光学物品でも、干渉縞の抑制効果は不十分である。
特開2008−116597号公報(請求項1、段落[0012][0013]、実施例) 特開2009−265590号公報(特許請求の範囲、実施例) 特開2009−86138号公報(特許請求の範囲、段落[0052][0021][0041]、実施例) 特開2010−128420号公報(特許請求の範囲、段落[0027][0077]〜[0079])
従って、本発明の目的は、干渉縞の発生を抑制できる光学積層体(積層シート又は積層フィルム)及び干渉縞の抑制方法を提供することにある。
本発明の他の目的は、無機粒子を実質的に含有することなく、透明性が高い光学積層体及び干渉縞の抑制方法を提供することにある。
本発明のさらに他の目的は、基材の上に透明中間層を介して透明機能層が積層された光学積層体において、屈折率及び厚みを調整するだけの簡便な方法で、干渉縞の発生を有効に抑制する方法を提供することにある。
本発明者らは、前記課題を達成するため鋭意検討した結果、基材の上に透明中間層を介して透明機能層が積層された光学積層体において、前記透明機能層の厚み、前記透明中間層の光学厚み、540nm波長近辺の反射率の振幅、及び前記透明機能層の最小厚みが特定の範囲に調整することにより、干渉縞の発生を抑制できることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明の光学積層体は、基材の上に透明中間層を介して透明機能層が積層された光学積層体において、前記透明機能層の厚み、最小厚み及び屈折率をそれぞれd(μm),d1m(μm),n、前記透明中間層の厚み及び屈折率をそれぞれd(μm),n、前記基材の屈折率をnとするとき、下記(1)〜(4)の特性を充足する。
(1)透明機能層の厚みが、1μm≦d≦20μmである
(2)透明中間層の光学厚みnが、440nm≦4n≦640nmである
(3)透過機能層側の反射率の波長分散を干渉の理論式で4n=540nmとして計算された波長540nmにおける反射率の振幅fが1%以下である
(4)透明機能層の最小厚みが、d1m≧(|n−n|/0.12)×{(1000−875f)×[4n−(540/1000)]+(3.6f+1)}を充足する。
本発明の光学積層体において、前記透明機能層の最小厚みは、d1m≧(|n−n|/0.12)×{(1000−875f)×[(4n)−(540/1000)]+(6f+1)}が好ましく、d1m≧(|n−n|/0.12)×{(1000−875f)×[(4n)−(540/1000)]+(9.5f+1)}がさらに好ましい。
本発明の光学積層体において、前記透明機能層と前記基材との屈折率差は、0.01≦|n−n|≦0.2が好ましく、0.01≦|n−n|≦0.1がさらに好ましい。
本発明の光学積層体において、2n/(n+n)が0.988〜1.012であってもよい。
本発明の光学積層体において、前記基材は、透明フィルム、透明シート又は板材(例えば、二軸延伸ポリエステルフィルム、セルロースエステルフィルム、ポリカーボネート板材又はポリメチルメタクリレート板材など)であってもよい。前記基材は、透明レンズであってもよい。前記透明機能層はハードコート層であってもよい。前記透明中間層は易接着層であってもよい。
本発明には、基材の上に透明中間層を介して透明機能層が積層された光学積層体の干渉縞を抑制する方法であって、前記透明機能層の厚み、最小厚み及び屈折率をそれぞれd(μm),d1m(μm),n、前記透明中間層の厚み及び屈折率をそれぞれd(μm),n、前記基材の屈折率をnとするとき、下記(1)〜(4)の特性を充足するように、前記厚み及び屈折率を調整して、干渉縞を抑制する方法も含まれる。
(1)透明機能層の厚みが、1μm≦d≦20μmである
(2)透明中間層の光学厚みnが、440nm≦4n≦640nmである
(3)透過機能層側の反射率の波長分散を干渉の理論式で4n=540nmとして計算された波長540nmにおける反射率の振幅fが1%以下である
(4)透明機能層の最小厚みが、d1m≧(|n−n|/0.12)×{(1000−875f)×[(4n)−(540/1000)]+(3.6f+1)}を充足する
本発明では、基材の上に透明中間層を介して透明機能層が積層された光学積層体において、前記透明機能層の厚み、前記透明中間層の光学厚み、540nm波長近辺の反射率の振幅、及び前記透明機能層の最小厚みを特定の範囲になるように、前記透明中間層及び前記透明機能層の厚み及び屈折率を調整することにより、干渉縞の発生を有効に抑制できる。例えば、各層は、厚みを均一化するための精密な方法を用いることなく、慣用の方法で成膜することにより、蛍光灯やLEDなどの光源にしても干渉縞を有効に抑制できる。特に、厚みの均一化で干渉縞を抑制するためには、厚みのばらつきを±0.05μm以下の範囲にする必要があるが、本発明によれば、厚みの大きなばらつきがあっても干渉縞発生の強度因子を抑制しているので強い干渉縞が生成しない。そのため、容易に、干渉縞の発生が抑制された光学積層シートを設計できる。さらに、無機粒子を含有することなく、透明性も高い。そのため、光学積層体の光学特性や機械的特性、層間の密着性なども向上できる。
図1は比較例1の反射率の波長分散を例としてf値を算出する方法を示した図である。 図2は、F10光源の分光分布を示すグラフである。 図3は、中間層の厚みを変化させた場合のΔEの変化を示すグラフの一例である。 図4は、実施例1で得られた光学積層体の反射率の振幅を示すグラフである。 図5は、実施例1で得られた光学積層体の厚みに対するΔEを示すグラフである。 図6は、実施例1で得られた光学積層体の厚み8μm付近のΔEを示すグラフである。 図7は、比較例1で得られた光学積層体の反射率の振幅を示すグラフである。 図8は、比較例1で得られた光学積層体の厚みに対するΔEを示すグラフである。 図9は、比較例1で得られた光学積層体の厚み8μm付近のΔEを示すグラフである。
[干渉縞の抑制方法]
本発明では、基材の上に透明中間層を介して透明機能層が積層された光学積層体の干渉縞を抑制するために、前記透明機能層の厚み、最小厚み及び屈折率をそれぞれd,d1m,n、前記透明中間層の厚み及び屈折率をそれぞれd,n、前記基材の屈折率をnとするとき、前記特性(1)〜(4)、すなわち、前記透明機能層の厚み、前記透明中間層の光学厚み、540nm波長における反射率の振幅、及び前記透明機能層の最小厚みが特定の範囲となるように、前記厚み及び屈折率を調整することを特徴とする。特に、特性(2)〜(4)は理論値として求められ、各層の材料の屈折率に応じて厚みを調整することにより、干渉縞が抑制された光学積層体を設計できる。
(1)透明機能層の厚み
透明機能層の厚みdは2〜20μmに調整することが必要であり、好ましくは3〜20μm、さらに好ましくは4〜20μm(特に5〜15μm)程度に調整してもよい。透明機能層の厚みが大きすぎると、外観に優れた透明機能層を形成するのが困難となり、小さすぎると、油膜の干渉縞のように干渉縞が不可避的に強くなるため、干渉縞が発生する。
(2)透明中間層の光学厚み
透明中間層の厚みは、材質の屈折率に応じて採用する厚みが異なる。すなわち、4n(4×n×d)=540nmとすることにより反射率の波長分散の振幅が最も少ない波長を540nmに調整できる。この波長分散の位置は、特に透明機能層の微小な厚みの相異により変化する。このことは、干渉縞を評価するときに用いる3波長管の強い540nmのG線による視覚認識が、透明機能層の微小な厚みの相異により変化することを表す。
本発明者らは、これらの透明中間層や透明機能層の変化による波長分散、それにより生じる色差を詳細にシミュレーションし、また実験で確認することにより、干渉縞低減にはこの透明中間層の厚みを精密に設計することが重要であることを見出した。従って、透明中間層の厚みはその屈折率の変化に伴い、4n=540nmとなる近辺に定められる必要がある。
その範囲として、透明中間層の光学厚み4nは440〜640nmに調整することが必要であり、好ましくは470〜610nm、さらに好ましくは500〜580nm(特に520〜560nm)程度に調整してもよい。透明中間層の光学厚みが大きすぎると、540nmでの反射率の波長分散の振幅が大きくなり、小さすぎると、同様に540nmでの反射率の波長分散の振幅が大きくなるため、強い干渉縞が発生する。
すなわち、例えば、前述の透明機能層の厚みが幅数十mm隣り合う位置で透明中間層の光学厚みが大きすぎる(或いは小さすぎる)部分があると、540nm近辺の反射率が変化し、540nmのG線による視覚認識が異なり、干渉縞として観測されることになる。このような現象は、色彩表現的には、後述するように、隣り合う位置でY値の他、X、Z値も異なり、すなわちLが異なり、隣り合う位置でΔEが発生し、その大きさが大きいと干渉縞が観測されることを意味する。
(3)540nm波長における反射率の振幅
540nm波長における透明機能層側の反射率の振幅fは、波長540nmの前後における反射率の極大値と極小値との差である。なお、540nmの前後における極大値、極小値とは、反射率の波形の極大値及び極小値のうち、540nmの短波長側及び長波長側のいずれかにおいて、最も540nmに近接する極大値及び極小値を意味する。
本発明では、この反射率の振幅fは、透明機能層側の反射率の波長分散を下記に示す干渉の理論式で、4n=540nmとして計算したときの振幅である。
(干渉の理論式)
干渉光:I=I+I+I+2√Icosδ12+2√Icosδ13+2√Icosδ23
[式中、I:空気/機能層界面、I:機能層層/中間層界面、I:中間層/光学基材界面での反射光強度であり、
δ12、δ13、δ23は、それぞれ位相差を示し、δ12=2π(2n×d/λ)、δ13=2π(2n×d/λ)+(2n×d/λ)、δ23=2π(2n×d/λ)であり(λ:光の波長)、
≦n≦n又はn≧n≧nを想定しているので、位相差にπの反転項は加わらない。
ただし、各反射光強度は前記界面の反射率を各々、
=(n−n/(n+n、R=(n−n/(n+n、R=(n−n/(n+nとし、
ほとんど透明であるので、以下で近似する。
=R×I、I=R×I、I=R×I(n:空気の屈折率、I:光源の入射光強度)]。
本発明では、前記反射率の振幅を1%以下に調整することが必要であり、好ましくは0〜0.8%(例えば、0〜0.5%)、さらに好ましくは0〜0.4%(特に0〜0.3%)程度であり、例えば、0.01〜0.5%程度に調整してもよい。反射率の振幅が1%を超えると、L値及びΔEに影響を与えるXYZ値のうち、最も影響の大きいY値が透明機能層の微小な厚みの変化によりその変動が大きくなるため、強い干渉縞が発生する。
540nmでの反射率の波長分散の振幅が大きくなると、透明中間層の光学厚みが適切であっても、例えば、透明機能層の厚みが幅数十mm隣り合う位置で0.05μmほど異なることにより、それぞれの部分の540nm近辺の反射率が大きく変化し、540nmのG線による視覚認識が異なり、干渉縞として観測されることになる。このような現象は、透明中間層の厚みの不均一の場合と同様、色彩表現的には、後述するように、隣り合う位置でY値の他、X、Z値も異なり、すなわちLが異なり、隣り合う位置でΔEが発生し、その大きさが大きいと干渉縞が観測されることを意味する。
(f値を小さくするための設計)
なお、本発明では、反射率を理論値で設定することを特徴とし、反射率の実測値を用いると、測定領域の不均一(特に機能層の厚み、中間層の厚み)の影響を受け、振幅fが変動し、正確な設計値を設定できない。
さらに、振幅f(f値)を小さくするための設計方法としては、以下の方法を利用できる。
f値は、透明機能層と透明中間層との界面の反射率R=(n−n/(n+nと透明中間層と基材との界面の反射率R=(n−n/(n+nの値により定まり、R=Rの場合にほぼf値はゼロとなる。f値は小さいほど好ましいため、本発明では、R=Rとなるように、透明機能層、透明中間層及び基材の屈折率n、n、nを選択するのが好ましい。この場合、f値は前述のように1%以下に調整するのが好ましく、R/R又はR/Rは前記範囲に対応して6以下、好ましくは4以下、さらに好ましくは2以下である。このような関係を充足するように、屈折率n、n、nの値に相関があればよく、3つの屈折率は1.5〜2.0程度であるから、近似的に(n−n)≒(n−n)、すなわちn≒(n+n)/2に近い値であればよい。具体的には、(n+n)/2n又は2n/(n+n)が、例えば、1.012以下、好ましくは1.006以下、さらに好ましくは1.003以下程度であり、すなわち、2n/(n+n)が、例えば、0.988〜1.012、好ましくは0.994〜1.006、さらに好ましくは0.997〜1.003程度であってもよい。ただし、4nが540nmからずれればずれるほどf値は大きくなる。
(4)透明機能層の最小厚み
本発明者らはさらに、これらの透明中間層や透明機能層の変化による波長分散、この波長分散により生じる色差を詳細にシミュレーションし、また実験で確認することにより、干渉縞低減には透明中間層の厚みを精密に設計するとともに、さらに透明機能層の厚みを適切に設計することにより、できるだけ薄い透明機能層の厚みで干渉縞を弱くできること見出した。
すなわち、本発明では、透明機能層の最小厚みを、d1m≧(|n−n|/0.12)×{(1000−875f)×[(4n)−(540/1000)]+(3.6f+1)}(最小厚み1)の範囲に調整することが必要であり、d1m≧(|n−n|/0.12)×{(1000−875f)×[(4n)−(540/1000)]+(6f+1)}(最小厚み2)の範囲に調整するのが好ましく、d1m≧(|n−n|/0.12)×{(1000−875f)×[(4n)−(540/1000)]+(9.5f+1)}(最小厚み3)の範囲に調整するのがさらに好ましい。透明機能層の最小厚みが前記範囲よりも小さくなると、振幅fが非常に小さくても透明機能層の微小な厚みの不均一によりY値の変動が大きくなり、さらにLに関係するX値及びZ値の変動も大きくなるため、強い干渉縞が発生する。
(5)透明機能層と基材との屈折率差
本発明では、前記特性(1)〜(4)に加えて、さらに透明機能層と基材との屈折率差を調整してもよい。詳しくは、前記屈折率差の絶対値|n−n|を0.2以下に調整するのが好ましく、例えば、0.01〜0.2、好ましくは0.01〜0.15、さらに好ましくは0.01〜0.12(特に0.01〜0.1)程度に調整してもよい。前記屈折率差が小さければ小さいほどよく、ゼロである場合には同じ屈折率の材質を積層することになり、当然干渉縞は生じない。大きすぎると、基材と透明中間層との界面及び透明中間層と透明機能層との界面の少なくとも1方で強い反射光を生じるため、透明機能層と表面空気層との界面で生じる反射光と干渉縞が発生する。
(6)透明機能層の厚みでの色差
本発明では、さらに透明機能層の厚みでの色差ΔEを、例えば、1.5以下、好ましくは0.8以下、さらに好ましくは0.5以下程度に調整してもよい。前記色差が大きすぎると、発生した干渉縞が肉眼で観察され易い。
この場合、ΔEを1.5以下に調整するためには
1m≧(|n−n|/0.12)×{(1000−875f)×[(4n)−(540/1000)]+(3.6f+1)}(最小厚み1)の範囲に調整することが必要であり、
ΔEを0.8以下に調整するためには
1m≧(|n−n|/0.12)×{(1000−875f)×[(4n)−(540/1000)]+(6f+1)}(最小厚み2)の範囲に調整することが必要であり、
ΔEを0.5以下に調整するためには
1m≧(|n−n|/0.12)×{(1000−875f)×[(4n)−(540/1000)]+(9.5f+1)}(最小厚み3)の範囲に調整することが必要である。
ΔEは以下に示す式で求められる。なお、ΔEはCIE1976,JIS Z8729のΔEabに等しい
ΔEab=[(ΔL+(Δa+(Δb1/2
[式中、L=116(Y/Y1/3−16
ただし、Y=100となるようS(λ)が規格化されている。
=500[(X/X1/3−(Y/Y1/3
=200[(Y/Y1/3−(Z/Z1/3
ただし、X=ΣS(λ)・x(λ)dλ
=ΣS(λ)・z(λ)dλ
Σはすべて380nmから780nmでの合計である。
の計算に必要なXYZは以下で求められる。
X=ΣS(λ)・x(λ)・R(λ)dλ
Y=ΣS(λ)・y(λ)・R(λ)dλ
Z=ΣS(λ)・z(λ)・R(λ)dλ
ただし、x(λ)、y(λ)、z(λ)は、XYZ表色系における等色関数である。Σは、すべて380nmから780nmでの合計である]。
[干渉縞を抑制するためのシミュレーション方法]
本発明では、前記特性(1)〜(6)を充足する光学積層体は、以下のシミュレーションでも確認できる。
(干渉縞を生じる光学系の設定)
基材上に直接透明機能層が積層される場合の反射干渉の光学系は以下の通りである。すなわち、透明機能層に入射する光の一部は、透明機能層の表面で反射して反射光Pとなり、一方、透明機能層を通過した光は、透明機能層と基材との界面で一部が反射して反射光Pとなるが、この反射光Pと前記反射光Pとが干渉する。
本発明では、基材上に透明中間層を形成し、さらにこの透明中間層上に透明機能層を積層した場合の反射干渉が検討される。その光学系は以下の通りである。すなわち、透明機能層に入射する光の一部は、透明機能層の表面で反射して反射光Pとなり、一方、透明機能層を通過した光は、透明機能層と透明中間層との界面で一部が反射して反射光Pとなり、さらに透明中間層を通過した光は、透明中間層と基材との界面で一部が反射して反射光Pとなるが、この反射光Pと前記反射光Pと前記反射光Pとが干渉する。
(反射干渉の理論式)
基材上に直接透明機能層が積層された単一層の場合の反射干渉は以下の式で表される。ただし入射角は0度とし簡略化する。
光1;Aexp{i(ω+φ)}
光2;Aexp{i(ω+φ)}
(式中、A及びAは振幅、φ及びφは位相差、ω=f/2π、f=c/λである)
光1と光2の干渉:AR={Aexp(iφ)+Aexp(iφ)}exp(iω
AR=A +A +2Acos(φ−φ
従って、干渉光I=ARであるため、
I=I+I+2√I×Icosδ
(式中、δ=(φ−φ)=(2π(2nd/λ))、nは透明機能層の屈折率、dは透明機能層の厚みを示す)
入射光Iの場合を想定した場合、I=R01×I、I≒R12×I(式中、R01=(n−n/(n+n、R12=(n−n/(n+nである)であるため、
反射率の波長分散R(λ)は、I=R(λ)Iから、
R(λ)=R01+R12+2√R01×R12cosδで与えられる。
これと同様にして、本発明のシミュレーションで使用する基材上に透明中間層を形成し、さらにこの透明中間層上に透明機能層を積層する場合の2層の反射干渉は以下の式で表される。ただし、入射角は0度とし、簡略化する。
AR={Aexp(iφ)+Aexp(iφ)}exp(iω)+Aexp(iφ)}exp(iωt)
I=I+I+I+2√Icosδ12+2√Icosδ13+2√Icosδ23
[式中、δ12=2π(2n×d/λ)、δ13=2π(2n×d/λ)+(2n×d/λ)、δ23=2π(2n×d/λ)、d:透明機能層の厚み、n:透明機能層の屈折率、d:透明中間層の厚み、n:透明中間層の屈折率、n:基材の屈折率であり、ただし、垂直入射・垂直反射である]
入射光Iの場合を想定した場合、I=R01×I、I≒R12×I、I≒R23×I[式中、R01=(n−n/(n+n、R12=(n−n/(n+n、R23=(n−n/(n+n]であるため、
反射率の波長分散R(λ)は、I=R(λ)Iから
R(λ)=R01+R12+R23+2√R01×R12cosδ12+2√R0123cosδ13+2√R1223cosδ23で与えられる。
(反射率の波長分散の計算)
理論式に基づいて反射率Rの波長分散R(λ)が、5つの変動因子n、n、n、d、dを設定して計算される。
ただし、n、n、nは波長λによって変化するため、それらの波長分散のデータを用いる。具体的には例えば、n、n、nの波長分散は3つの波長での屈折率を測定し、コーシーの式で近似して設定することができる。エリプソメトリにて波長分散を実測することができる。
計算する波長の間隔は、通常の色度の計算では10nm単位の値で十分であるが、5μm以上の厚みの透明機能層の干渉を取り扱うため、1nm単位で計算する必要がある。シュミュレーションでは主にn(λ)、n(λ)、n(λ)をコーシーの式で近似し、dを設定し、d(すなわち透明機能層の厚み)を変化させた場合の波長分散の変化からL*a*b*及びΔEab=ΔEの変化が計算される。dの変化は0.01μmピッチ程度で見る細かさが必要である。標準の値はPETフィルムを基材とする場合、それぞれn=1.53、n=1.60、n=1.66(at540nm)、d=0.085μm(4n≒540nm)及びd=8.00μmである。
(f値を求める方法)
f値を具体的に求める方法を図1に示す。図1は、後述する比較例1の反射率の波長分散を例としてf値を算出する方法を示した図であり、比較例1で測定した全波長域の波長分散に対して540nm近辺を拡大した図である。波長540nmより低い波長側の(約537nm)に540nmに最も近い極大値があり、高い側(約543nm)に540nmに最も近い極小値がある。この極大値と極小値の差(%)をf値として算出する。
(三刺激値(XYZ)の色差の計算)
前記2層の反射干渉による反射率R(λ)の値からJIS Z8701に基づき、以下の式により三刺激値であるXYZを計算する。使用する光源は3波長管であり、F10光源である3波長蛍光管が一般に干渉縞の評価に用いられている。図2は、F10光源の分光分布を示すグラフであるが、この光源は3波長(3原色)の波長の光が非常に鋭いピークを示す光源であり、太陽光に較べレーザーに近い分光分布を有する光源であるため、干渉による着色を生じ易い。すなわち、それぞれの色の波長に相当する部分の反射率の変化を鋭敏に反映するため着色(干渉縞)を生じ易い。
X=ΣS(λ)・x(λ)・R(λ)dλ
Y=ΣS(λ)・y(λ)・R(λ)dλ
Z=ΣS(λ)・z(λ)・R(λ)dλ
ただし、x(λ)、y(λ)、z(λ)はXYZ表色系における等色関数であり、Σはすべて380nmから780nmでの合計である。
(L及びΔEab=ΔEの計算)
さらに、CIE1976,JIS Z8729に基づき以下の式より、XYZからL表色系による色座標(L、a、b)を計算する。
=116(Y/Y1/3−16
ただし、Y=100となるように、S(λ)が規格化されている。
=500[(X/X1/3−(Y/Y1/3
=200[(Y/Y1/3−(Z/Z1/3
ただし、X=ΣS(λ)・x(λ)dλ
=ΣS(λ)・z(λ)dλ
Σはすべて380nmから780nmでの合計である。
これにより、それぞれの干渉縞の位置に対応したLが求まる。従って、干渉縞の強さの程度は、比較する複数の干渉縞を考慮して、以下のΔEabで与えられる。2以上の比較する干渉縞でのΔEabを算出するのは、基準のLとして2以上の干渉縞のLの平均値を用いるのが適切である。
ΔEab=[(ΔL+(Δa+(Δb1/2
本明細書ではΔEab=ΔEと簡略して表す。
(透明機能層の厚みdの変動によるΔEのシミュレーション)
シュミュレーションは以下のケースで主に行った。設定する透明機能層の厚みn、n、n、dをケースにより定めた後、dを厚みゼロから11μmまで0.01μm間隔でシミュレーションしてそれぞれのXYZ、Lを求め、Lの平均値を基準として
ΔEab=[(ΔL+(Δa+(Δb1/2
を求めてその大きさをそれぞれのn、n、n、d及びdで評価した。
(干渉縞の強さとΔE)
色差の平均値ΔEの評価には、表1に示すNBS単位の色差ΔEと人間の視感との相関表を第1の基準として採用した。なお、前述のように、本明細書では、ΔEはΔEabと同一である。
Figure 2012230200
NBS単位は、米国国家標準局(National Bureau of Standards)の提唱する基準である。表1に示すように、NBS単位の色差ΔEが1.5以下であれば色差はわずかに感じられる程度になる。従って、前記シミュレーションの平均のLを基準として求めたΔEが1.5以下であれば、光学物品の表面に干渉縞が現れたとしても、人間がわずかに感じられる程度に収まると予想でき、有意義な結果であると判断できる。
NBS単位の色差ΔEが0.5以下であれば色差はかすかに感じられる程度になる。従って、前記シミュレーションの平均のLを基準として求めたΔEが1.5以下であれば、光学物品の表面に干渉縞が現れたとしても、人間がわずかに感じられる程度に収まると予想でき、有意義な結果であると判断できる。
さらに、ΔE1.5と0.5の中間としてホームページhttp://www.nippondenshoku.co.jp/web/japanese/colorstory/08_allowance_by_color.htmや、齋藤進編著「食品色彩の科学」幸書房発行、1997年にAAA級許容差(当事者間の判定で最も厳格な規格:目視判定の再現性からみて厳格な許容差を設定できる限界)がΔE0.4〜0.8で規定されており、ΔEの値0.8以下を設定できる。
[光学積層体]
本発明では、前記特性(1)〜(4)を前記範囲に調整することにより干渉縞の発生を抑制でき、特に、各層の厚みを均一にするための精密な操作を用いることなく、慣用の方法で、蛍光灯やLEDなどの干渉縞の発生し易い光源に対しても有効に干渉縞の発生を抑制できる。さらに、無機粒子を含んでいなくても、干渉縞の発生を低減できるため、光学積層体の透明性や機械的特性、層間の密着性などを向上できる。
本発明の光学積層体は、透明性が高く、全光線透過率は、例えば、70〜100%、好ましくは80〜100%、さらに好ましくは85〜99%(特に、90〜95%)程度である。
本発明の光学積層体のヘイズは、例えば、0.01〜10%、好ましくは0.1〜5%(例えば、0.2〜3%)、さらに好ましくは0.3〜2%(特に0.5〜1.5%)程度である。本発明では、無機粒子を含まなくても、干渉縞の発生を抑制できるため、このような低いヘイズ値を実現できる。
本発明の光学積層体の透過像鮮明度は、0.5mm幅の光学櫛を使用した場合、例えば、50〜l00%、好ましくは60〜99%、さらに好ましくは70〜95%(特に80〜90%)程度である。
透過像鮮明度とは、膜を透過した光のボケや歪みを定量化する尺度である。透過像鮮明度は、膜からの透過光を移動する光学櫛を通して測定し、光学櫛の明暗部の光量により値を算出する。すなわち、膜が透過光をぼやかす場合、光学櫛上に結像されるスリットの像は太くなるため、透過部での光量は100%以下となり、一方、不透過部では光が漏れるため0%以上となる。透過像鮮明度の値Cは光学櫛の透明部の透過光最大値Mと不透明部の透過光最小値mから次式により定義される。
C(%)=[(M−m)/(M+m)]×100
すなわち、Cの値が100%に近づく程、透明導電性膜による像のボケが小さい[参考文献;須賀、三田村,塗装技術,1985年7月号]。
(基材)
基材としては、光透過性の低い材質や光散乱性を有する材質であってもよいが、透明な材質が好ましく、例えば、ガラス、セラミックス、プラスチックのいずれで構成されていてもよいが、成形性や密着性などの点からプラスチックが汎用される。
透明プラスチックとしては、例えば、セルロース誘導体[セルローストリアセテート(TAC)、セルロースジアセテートなどのセルロースアセテートなど]、ポリエステル系樹脂[ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリアリレート系樹脂など]、ポリスルホン系樹脂[ポリスルホン、ポリエーテルスルホンなど]、ポリエーテルケトン系樹脂[ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトンなど]、ポリカーボネート系樹脂(ビスフェノールA型ポリカーボネートなど)、ポリオレフィン系樹脂(ポリエチレン、ポリプロピレンなど)、環状ポリオレフィン系樹脂[トパス(TOPAS)(登録商標)、アートン(ARTON)(登録商標)、ゼオネックス(ZEONEX)(登録商標)など]、ハロゲン含有樹脂(ポリ塩化ビニリデンなど)、(メタ)アクリル系樹脂、スチレン系樹脂(ポリスチレンなど)、酢酸ビニル又はビニルアルコール系樹脂(ポリビニルアルコールなど)などが挙げられる。これらの透明プラスチックは、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
これらの透明プラスチックのうち、透明性が高い点などから、PETなどのポリエステル系樹脂、セルロースアセテートなどのセルロースエステル、ビスフェノールA型ポリカーボネートなどのポリカーボネート、ポリメチルメタクリレートなどの(メタ)アクリル系樹脂などが好ましい。
基材の形状は、特に限定されず、三次元形状であってもよいが、フィルム又はシート状、板状などが汎用される。フィルム状や板状などの二次元形状の場合、延伸されていてもよい。
基材としては、例えば、二軸延伸ポリエステルフィルム、セルロースエステルフィルム、ポリカーボネート板材、ポリメチルメタクリレート板材などが汎用される。
基材の屈折率は、特に限定されず、前記特性(3)及び(4)を充足するように、1.40〜1.70程度の範囲から選択でき、例えば、1.41〜1.69、好ましくは1.42〜1.68、さらに好ましくは1.45〜1.67(特に1.48〜1.67)程度である。
基材の厚みは、用途に応じて、5μm〜10mm程度の範囲から選択でき、例えば、10〜1000μm、好ましくは50〜800μm、さらに好ましくは100〜500μm(特に150〜400μm)程度である。レンズの場合、例えば、100μm〜10mm、好ましくは200〜8000μm、さらに好ましくは300〜5000μm程度である。
(透明中間層)
透明中間層は、透明であり、かつ前記基材と透明機能層との間に介在させる層であれば特に限定されないが、通常、前記基材と透明機能層との密着性を向上させるために形成され、透明基材の上に形成された易接着層であってもよい。易接着層は、通常、接着性樹脂で構成されている。
接着性樹脂としては、例えば、オレフィン系樹脂[例えば、ポリエチレン、エチレン−アクリル酸エステル共重合体、エチレン−メタクリル酸エステル共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、アイオノマー樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−ビニルアルコール共重合体、エチレン−アクリロニトリル−アクリル酸共重合体などのポリエチレン系樹脂、非晶性ポリプロピレン系樹脂など]、塩化ビニル系樹脂(塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体など)、塩化ビニリデン系樹脂(塩化ビニリデン−塩化ビニル共重合体、塩化ビニリデン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、塩化ビニリデン−アクリロニトリル共重合体など)、アクリル系樹脂[例えば、(メタ)アクリル系単量体(例えば、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステル)の単独又は共重合体、これらの(メタ)アクリル系単量体と共重合性単量体(スチレン系単量体、酢酸ビニルなどのビニルエステル系単量体、不飽和ジカルボン酸又はそのエステルなど)との共重合体など]、酢酸ビニル系樹脂[ポリ酢酸ビニル、酢酸ビニルと他の共重合性単量体(オレフィン系単量体、(メタ)アクリル酸エステル、不飽和ジカルボン酸又はそのエステルなど)との共重合体など]、スチレン系樹脂[例えば、スチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、スチレン−(メタ)アクリル酸エステル−(メタ)アクリル酸共重合体など]、ポリエステル系樹脂[低分子量のポリエステル系樹脂、脂肪族ポリエステル樹脂、非晶性ポリエステル樹脂(例えば、非晶性脂肪族又は芳香族ポリエステル)など]、ウレタン系樹脂(熱可塑性ウレタン系樹脂、イソシアネート基含有ポリマーなど)、ゴム状重合体(スチレン−ブタジエン共重合体など)、イミノ基含有ポリマー(ポリエチレンイミンなどのポリアルキレンイミンなど)などが挙げられる。
これらの接着性樹脂は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。これらの接着性樹脂は、基材の種類に応じて適宜選択できるが、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ウレタン系樹脂などが汎用される。
易接着層は、透明機能層がハードコート層である場合、後述するハードコート層の項で例示される硬化性樹脂であってもよい。例えば、硬化性樹脂のうち、基材との接着力が高い硬化性樹脂で構成された層を薄膜として形成することにより、易接着層として用いてもよい。
透明中間層の屈折率は、及び厚みは、前述のように、2n/(n+n)又は(n+n)/2nが前記範囲を充足する範囲から選択でき、厚みも、光学厚みが前記範囲を充足する範囲から選択できる。
(透明機能層)
透明機能層(第1の透明機能層)としては、透明であり、かつ基材に対して各種の機能を付与するための層であれば特に限定されず、例えば、慣用の機能層、例えば、ハードコート層、アンチニュートンリング層、光散乱層、偏光層、反射防止層、低屈折率層などが挙げられる。これらの機能層のうち、ハードコート層が汎用される。
ハードコート層としては、透明で耐擦傷性の高い材質であれば特に限定されないが、硬化性樹脂が好ましい。硬化性樹脂は、例えば、熱や活性エネルギー線(紫外線や電子線など)などにより反応する官能基を有する化合物であり、熱や活性エネルギー線などにより硬化又は架橋して樹脂(特に硬化又は架橋樹脂)を形成可能な種々の硬化性化合物、例えば、熱硬化性化合物又は樹脂[エポキシ基、重合性基、イソシアネート基、アルコキシシリル基、シラノール基などを有する低分子量化合物(例えば、エポキシ系樹脂、不飽和ポリエステル系樹脂、ウレタン系樹脂、シリコーン系樹脂など)]、活性エネルギー線(紫外線など)により硬化可能な光硬化性化合物(光硬化性モノマー、オリゴマーなどの紫外線硬化性化合物など)などが例示でき、光硬化性化合物は、EB(電子線)硬化性化合物などであってもよい。
硬化性化合物には、例えば、単量体、オリゴマー(又は樹脂、特に低分子量樹脂)が含まれる。単量体は、例えば、1つの重合性基を有する単官能単量体と、少なくとも2つの重合性基を有する多官能単量体とに分類できる。
単官能単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸;メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレートなどのC1−24アルキル(メタ)アクリレート;シクロヘキシル(メタ)アクリレートなどのシクロアルキル(メタ)アクリレート;ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、ボルニル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、トリシクロデカニル(メタ)アクリレート、アダマンチル(メタ)アクリレートなどの橋架け環式(メタ)アクリレート;フェニル(メタ)アクリレート、ノニルフェニル(メタ)アクリレートなどのアリール(メタ)アクリレート;ベンジル(メタ)アクリレートなどのアラルキル(メタ)アクリレート;フェノキシエチル(メタ)アクリレートなどのアリールオキシアルキル(メタ)アクリレート;フェノキシ(ポリ)エチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシ(ポリ)プロピレングリコール(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシ(ポリ)エチレングリコール(メタ)アクリレート、フェニルフェノキシ(ポリ)エチレングリコール(メタ)アクリレートなどのアリールオキシ(ポリ)アルキレングリコール(メタ)アクリレート;フェニルカルビトール(メタ)アクリレート、ノニルフェニルカルビトール(メタ)アクリレートなどのアリールオキシ(ポリ)アルコキシアルキル(メタ)アクリレート;
フルオロアルキル(メタ)アクリレート[例えば、パーフルオロオクチルエチル(メタ)アクリレートやトリフルオロエチル(メタ)アクリレートなど]、フルオロ(ポリ)アルキレングリコールジ(メタ)アクリレート[例えば、フルオロエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、フルオロプロピレングリコールジ(メタ)アクリレートなど];ビニルピロリドンなどのビニル系単量体などが挙げられる。これらの単官能単量体は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
多官能単量体には、2〜8程度の重合性基を有する多官能単量体が含まれ、2官能単量体としては、例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレートなどのアルキレングリコールジ(メタ)アクリレート;ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリオキシテトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレートなどの(ポリ)オキシアルキレングリコールジ(メタ)アクリレート;トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート、アダマンタンジ(メタ)アクリレートなどの橋架け環式ジ(メタ)アクリレート;2,2−ビス(4−(メタ)アクリロキシエトキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−(メタ)アクリロキシジエトキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−(メタ)アクリロキシポリエトキシフェニル)プロパンなどのビスフェノール類(ビスフェノールA、Sなど)−C2−4アルキレンオキシド付加体[アルキレンオキシドの平均付加モル数0〜30モル(特に1〜10モル)程度]のジ(メタ)アクリレート;ビスフェノールA型エポキシ(メタ)アクリレート、ノボラック型エポキシ(メタ)アクリレートなどの芳香族エポキシ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。これらの2官能単量体は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
3〜8官能単量体としては、例えば、グリセリントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラエトキシ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。これらの3〜8官能単量体は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
オリゴマーとしては、ビスフェノールA−アルキレンオキサイド付加体の(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート(ビスフェノールA型エポキシ(メタ)アクリレート、ノボラック型エポキシ(メタ)アクリレートなど)、ポリエステル(メタ)アクリレート(例えば、脂肪族ポリエステル型(メタ)アクリレート、芳香族ポリエステル型(メタ)アクリレートなど)、(ポリ)ウレタン(メタ)アクリレート(ポリエステル型ウレタン(メタ)アクリレート、ポリエーテル型ウレタン(メタ)アクリレートなど)、シリコーン(メタ)アクリレートなどが例示できる。これらのオリゴマーは、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
これらの硬化性化合物は、基材や透明中間層の種類に応じて選択できるが、例えば、基材として、延伸ポリエステルフィルム、ポリカーボネートフィルム、酢酸セルロースフィルム、ポリメタクリル酸メチルフィルムなどの屈折率の高いフィルムを用いた場合、芳香族炭化水素基を有する単官能(メタ)アクリレート(例えば、アリールオキシ(ポリ)アルキレングリコール(メタ)アクリレートなどの芳香族など)、芳香族炭化水素基を有する2官能(メタ)アクリレート(例えば、ビスフェノール類−C2−4アルキレンオキシド付加体のジ(メタ)アクリレートなど)などの高屈折率の硬化性化合物であってもよい。
これらの硬化性化合物のうち、芳香族炭化水素基を有する単官能又は2官能(メタ)アクリレート、3〜6官能(メタ)アクリレートなどが汎用される。芳香族炭化水素基を有する単官能及び/又は2官能(メタ)アクリレートと、3〜6官能(メタ)アクリレートとは組み合わせてもよく、両者の割合(重量比)は、前者/後者=99/1〜10/90、好ましくは95/5〜30/70、さらに好ましくは90/10〜50/50程度であってもよい。
硬化性化合物に対して慣用の重合開始剤(例えば、熱重合開始剤、ケトン系重合開始剤などの光重合開始剤、光増感剤、熱重合開始剤など)を配合してもよく、重合開始剤の割合は、硬化性化合物100重量部に対して、例えば、0.1〜10重量部、好ましくは0.5〜8重量部、さらに好ましくは1〜5重量部程度である。
透明機能層の屈折率は、特に限定されず、前記特性(3)及び(4)を充足するように、1.40〜1.70程度の範囲から選択でき、例えば、1.45〜1.65、好ましくは1.50〜1.63、さらに好ましくは1.51〜1.62程度である。
透明機能層の厚みは、前述のように、1〜20μmであり、前記特性(2)〜(4)を充足するように、前記範囲から選択される。
(他の層)
本発明の光学積層体は、透明機能層が形成された側と反対の面に、さらに第2の透明中間層を介して第2の透明機能層が積層されていてもよい。第2の透明中間層及び透明機能層は、第1の透明中間層及び透明機能層と異なる層であってもよく、同一の層であってもよい。
本発明の光学積層体は、透明機能層(例えば、ハードコート層)が形成された側と反対の面に、さらにアンチニュートンリング層が積層されていてもよい。アンチニュートンリング層(ニュートンリング防止層)は、透明でアンチニュートンリング性を有している限り、特に限定されないが、表面に凹凸構造を有する層が好ましい。表面に凹凸構造を有するアンチニュートンリング層としては、例えば、複数のポリマー成分(又はその前駆体)の相分離により凹凸構造を形成した層(相分離を利用したアンチニュートンリング層)、ポリマー成分(又はその前駆体)中に粒子を配合することにより凹凸構造を形成した層(粒子を配合したアンチニュートンリング層)、鋳型を用いて凹凸構造を形成した層などが挙げられる。これらのうち、簡便に高い防眩性を発現できる点から、相分離を利用した層、粒子を配合した層が好ましい。
本発明の光学積層体は、透明機能層が低屈折率層以外の機能層である場合、透明機能層に、さらに低屈折率層が積層されていてもよい。
(他の添加剤)
各層は、慣用の添加剤、例えば、例えば、安定化剤(酸化防止剤、紫外線吸収剤、耐光安定剤、熱安定化剤など)、結晶核剤、難燃剤、難燃助剤、充填剤、可塑剤、耐衝撃改良剤、補強剤、分散剤、帯電防止剤、発泡剤、抗菌剤などを含んでいてもよい。これらの添加剤は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。各層は、無機又は有機粒子を含有していてもよく、例えば、機能層に散乱性を付与するために、無機又は有機粒子を含有させてもよいが、無機又は有機粒子(特に無機粒子)を実質的に含有していなくてもよい。本発明では、無機又は有機粒子を含有していなくても、各層の厚み及び屈折率を調整することにより干渉縞の発生を抑制できる。
[光学積層体の製造方法]
光学積層体の製造方法は、特に限定されず、慣用の成形方法を利用できるが、例えば、透明機能層としてハードコート層を形成する場合、基材に対して、透明中間層及び透明機能層を順次キャスト法によりコーティングしてもよい。なお、透明中間層が易接着層である場合、市販の易接着層を有する基材を用いてもよい。
コーティング方法としては、慣用の方法、例えば、ロールコーター、エアナイフコーター、ブレードコーター、ロッドコーター、リバースコーター、バーコーター、コンマコーター、ディップ・スクイズコーター、ダイコーター、グラビアコーター、マイクログラビアコーター、シルクスクリーンコーター法、ディップ法、スプレー法、スピナー法などが挙げられる。これらの方法のうち、バーコーター法やグラビアコーター法などが汎用される。本発明では、シミュレーションにより透明中間層及び透明機能層の厚み及び屈折率を調整するため、透明機能層の厚みを均一にするための高度な方法を用いることなく、慣用のコーティング方法を利用できる。
シミュレーションによる透明中間層及び透明機能層の厚み及び屈折率を調整については、以下のように説明できる。
すなわち、透明機能層の最小厚みは、前述のように、特定の範囲に調整され、さらに最小厚み1は干渉縞のΔEが1.5となる透明機能層の厚みのシミュレーションによる計算値であり、最小厚み2及び3はそれぞれΔE=0.8、ΔE=0.5となる透明機能層の厚みのシミュレーションによる計算値である。
振幅fが大きいほど最小厚みは厚くなり、その影響は正比例的である。従って、透明機能層の厚みを厚くする必要がある。
また、透明中間層の光学厚みの4nが540nmからずれればずれるほど最小厚みは厚くなり、その影響は2次関数的にずれの影響が増大する。従って、透明機能層の厚みを厚くする必要がある。
さらに、透明機能層と基材の屈折率差の絶対値|n−n|が小さければ小さいほど、ほぼその差に比例して最小厚みは小さくなる。従って、屈折率差が小さい場合は、透明機能層の厚みを薄くできる。
本発明では、このような傾向を見出したが、透明機能層の厚みのバラツキに関して、後述する図6や図9によれば、ほぼ厚み0.1μm間隔でΔEがゼロから極大値間を移動している。そのため、バラツキが0.1μm以下であれば、ΔEの変化を図6や図9の最大値からゼロの値の範囲をとることがなく、所定の範囲に干渉縞の範囲を抑制でき、好ましくはバラツキが0.05μm以下である必要がある。しかし、一般に透明機能層の厚みは、硬さなどの他の要求特性から5μm程度の厚みが要求される。0.05μmのバラツキは5μmの厚みに対して1%レベルの大きさに相当するが、一般に厚みをこのようなバラツキ範囲に抑制するのは困難である。
これに対して、本発明によれば、透明機能層の厚みのバラツキが0.1μm以上の値であっても、図6や図9に示されるΔEの変動の範囲内に収まるため、干渉縞の強さの制限が可能となる。なお、本発明の光学積層体が良好な外観及び光学特性を示すには、一般的にバラツキはおおむね±10%以下であり、好ましくは±5%以下、さらに好ましくは±2.5%以下であることは必要である。
透明中間層の厚みに関しては、前述の如く、透明中間層の光学厚み4nが440〜640nmに調整することが必要であり、好ましくは470〜610nm、さらに好ましくは500〜580nm(特に520〜560nm)程度に調整してもよい。
透明中間層の厚みのバラツキに関しては、図3に中間層の厚みを変化させた場合のΔEの変化の一例を示すが、この例からも明らかなように、中心値に対し好ましくは±10%以内、さらに好ましくは±5%以内に均一にする必要がある。
コーティングにおいては、コーティング用組成物は溶媒に希釈されていてもよく、例えば、有機溶媒としては、例えば、ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなど)、エーテル類(ジオキサン、テトラヒドロフランなど)、脂肪族炭化水素類(ヘキサンなど)、脂環式炭化水素類(シクロヘキサンなど)、芳香族炭化水素類(トルエン、キシレンなど)、ハロゲン化炭素類(ジクロロメタン、ジクロロエタンなど)、エステル類(酢酸メチル、酢酸エチルなど)、水、アルコール類(エタノール、イソプロパノールなど)、セロソルブ類(メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、プロピレングリコールモノメチルエーテルなど)、セロソルブアセテート類、アミド類(ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドなど)などが挙げられる。これらの有機溶媒は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。これらの有機溶媒のうち、例えば、ハードコート用組成物の場合、ケトン類及び/又はセロソルブ類などが汎用される。
溶媒の割合は、樹脂成分(例えば、硬化性組成物)100重量部に対して10〜10000重量部程度の範囲から選択でき、透明機能層では、例えば、50〜1000重量部、好ましくは80〜500重量部、さらに好ましくは100〜300重量部程度であり、透明中間層では、例えば、100〜10000重量部、好ましくは500〜5000重量部、さらに好ましくは1000〜4000重量部程度である。
コーティング後は、必要に応じて乾燥を行ってもよい。乾燥は、例えば、30〜150℃、好ましくは40〜100℃、さらに好ましくは50〜70℃程度の温度で行ってもよい。
コーティング用組成物が硬化性組成物である場合、慣用の方法により、熱や活性エネルギー線(紫外線や電子線など)により、塗膜を硬化又は架橋する。硬化方法は、硬化性樹脂前駆体の種類に応じて選択できるが、通常、紫外線や電子線などの光照射により硬化する方法が用いられる。
本発明では、各層の厚み分布を均一にするための精密な方法を用いることなく、このような慣用の方法で製造しても、干渉縞の発生を抑制できる。
以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。実施例及び比較例で用いた配合成分、実施例及び比較例で得られた積層体の評価は、以下の方法で測定し、シミュレーションは前述の方法で行った。
[透明機能層及び基材の屈折率]
JIS K 7142に準拠して、屈折率計(メトリコン社製「Metriconモデル2010プリズムカプラー」を用いて、403nm、633nm(He−Neレーザー)、827nmの条件で透明機能層の屈折率を測定した。
[透明機能層の厚み]
サンプルを黒バック(黒色の紙)に貼り付けて、非接触表面・層断面形状計測システム(菱化システム(株)製「Vertscan(登録商標)2.0」)を用いて測定した。
[基材の厚み]
打点式厚み計((株)ミツトヨ製)を用いて測定した。
[透明中間層の屈折率及び厚み]
可視分光エリプソメーター((株)堀場製作所製)を用いて測定した。
[干渉縞の評価方法]
3波長型蛍光灯(パナソニック(株)製「パルック、タイプ EX−D」、20W、昼白色)で暗室下、黒バックにサンプルを貼り付けて、入射角30度で光を入射し、正反射画像で干渉縞を目視観察し、以下の基準で判定した。
◎:干渉縞が目立たない
○:干渉縞がわずかに目立つ
△:干渉縞が目立つ
×:干渉縞がかなり目立つ。
[反射率の振幅(実測値)]
可視紫外分光光度計((株)日立ハイテクフィールディング製「U3300」)を用いて、可視光領域におけるサンプルの反射率を測定し、反射スペクトルを得た。実測値におけるf値も測定された反射スペクトルから図1と同じ方法で計算した。
[全光線透過率(TT)]
JIS K 7361−1に準拠して、ヘイズメーター(日本電色工業(株)製、NDH−500)を用いて、光学積層体の全光線透過率を測定した。
[ヘイズ(HZ)]
JIS K 7136に準拠して、ヘイズメーター(日本電色工業(株)製、NDH−500)を用いて、光学積層体のヘイズを測定した。
[透過像(写像)鮮明度]
光学積層体の写像鮮明度を、写像測定器(スガ試験機(株)製、商品名「ICM−1T」)を用いて、JIS K7105に準拠して、透明基材の製膜方向(ワイヤーバーを動かした方向)と光学櫛の櫛歯の方向とが平行になるように光学積層体を設置して測定を行った。写像測定器の光学櫛のうち、0.5mm幅の光学櫛における写像鮮明度を測定した。
[塗膜密着性]
塗膜密着性は、透明機能層の上からカッターにより2mm間隔で縦方向及び横方向にそれぞれ6本の切れ目を入れて2mm角四方の碁盤目25個を作製し、セロハン粘着テープ(ニチバン(株)製)を密着させ、手で急速に引っ張り、剥離しなかった碁盤目の数で評価した。
[鉛筆硬度]
JIS K5400 8.4.2に準拠して、鉛筆(三菱鉛筆(株)製「ユニシリーズ」)を用いて、荷重500gで評価した。
[耐スチールウール性]
スチールウール(日本スチールウール(株)製「#0000」)を丸めて400gの荷重を負荷して10往復させて擦り、傷の状態を以下の基準で評価した。
○:傷が全くつかない
△:傷が1〜9本認められる
×:傷が10本以上認められる。
[カール性]
10cm×10cmのサイズにサンプルを切断加工し、得られたサンプルを水平面に載置した際の4隅のカール高さを測定し、その平均値を以下の基準により評価した。
○:カール高さが20mm未満
△:カール高さが20mm以上50mm未満
×:カール高さが50mm以上。
[配合成分]
単官能アクリレート:エトキシ化−o−フェニルフェノールアクリレート、新中村化学工業(株)製「A−LEN−10」、液の屈折率1.577
2官能アクリレート:エトキシ化ビスフェノールAジアクリレート、新中村化学工業(株)製「A−BPE−20」、液の屈折率1.516
3官能アクリレート:ペンタエリスリトールトリアクリレート、新中村化学工業(株)製「A−TMM−3」、液の屈折率1.485
4官能アクリレート:エトキシ化ペンタエリスリトールテトラアクリレート、新中村化学工業(株)製「ATM−35E」、液の屈折率1.465
開始剤:ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、BASFジャパン(株)製「Irgacure184」
溶剤:メチルエチルケトン(MEK)とプロピレングリコールモノメチルエーテル(MMPG)とを、MEK/MMPG=7/3(体積比)で混合した溶媒
OPET1:2軸延伸PETフィルム、東レ(株)製「U46」、厚み188μm
OPET2:2軸延伸PETフィルム、東洋紡績(株)製「A4100」、厚み188μm
PC:ポリカーボネートシート[ポリカーボネート系樹脂(三菱エンジニアリングプラスチック(株)製「ユーロピンS−2000」)を押出製膜したシート]、厚み300μm
TAC:セルローストリアセテートフィルム、富士フィルム(株)製「FUJITACTD80UL」、厚み80μm
ガラス:、日本板硝子(株)製、厚み800μm
PMMA:ポリメタクリル酸メチル板、住友化学(株)製「スミペックス、厚み1000μm。
実施例1
2軸延伸PETフィルム(OPET1)の易接着層の上に、透明機能層として、2官能アクリレート70重量部、3官能アクリレート30重量部及び開始剤3重量部を、溶剤200重量部に溶解した溶液をワイヤーバー♯28により乾燥厚みが8μmとなるように塗工し、70℃で60秒間乾燥した。乾燥後の組成物に、紫外線照射装置(ウシオ電機(株)製、高圧水銀ランプ)を用いて、照射量800mJ/cm、5m/分の速度で3回照射し、塗膜を硬化し、積層体を作製した。得られた積層体の各層のそれぞれの屈折率と厚みを測定して、反射率の波長分散をシミュレーションにより計算したグラフを図4に示す。図4では540nm近辺で反射率の振幅が小さい。さらに、シミュレーションで得られる透明機能層の微小な厚みの変化に伴うΔEの変化を図5に示す。特に、塗布厚み8μm近辺の微小な厚みの変化によるΔEの変化を図6に示す。透明機能層の厚み0.1μmレベルの変化でΔEはほぼ周期的に変化しているが、その変化は約0.4と小さいことがわかる。
また、実施例1では、反射率に関する(n+n)/2nが1.0009と非常に小さく、透明機能層と透明中間層との界面の反射率R=(n−n/(n+nと透明中間層と基材との界面の反射率R=(n−n/(n+nとがほとんど等しい大きさになる。また中間層の厚みが74.9nmと適切な厚みであるため、反射干渉の極小波長位置に相当する4n=506nmであり、540nmからはあまりずれていない。このため、反射率の波長分散の540nm近辺での振幅が0.4%と小さい値となっている。
比較例1
2軸延伸PETフィルム(OPET1)の代わりに、2軸延伸PETフィルム(OPET2)を用いる以外は実施例1と同様にして積層体を作製した。得られた積層体の各層のそれぞれの屈折率と厚みを測定して、反射率の波長分散をシミュレーションにより計算したグラフを図7に示す。図7では、全ての波長において反射率の振幅が大きい。実施例1と同様に、透明機能層の微小な厚みの変化に伴うΔEの変化を図8に示す。特に、塗布厚み8μm近辺の微小な厚みの変化によるΔEの変化を図9に示す。透明機能層の厚み0.1μmレベルの変化でΔEはほぼ周期的に変化しているが、その変化は約1.6と大きいことがわかる
比較例1では、反射率に関する(n+n)/2nが1.017と大きく、透明機能層と透明中間層との界面の反射率R=(n−n/(n+nと透明中間層と基材との界面の反射率R=(n−n/(n+nが大きく異なることになる。また中間層厚みが67.9nmと薄く反射干渉の極小波長位置に相当する4n=427nmであり、540nmからは大きくずれている。このため、反射率の波長分散の540nm近辺での振幅が1.7%と非常に大きな値となっている。
比較例2
2軸延伸PETフィルム(OPET1)の代わりに、2軸延伸PETフィルム(OPET2)を用い、かつ2軸延伸PETフィルム(OPET2)の易接着層が形成されていない面に、透明機能層を形成する以外は実施例1と同様にして積層体を作製した。
実施例2
透明機能層として、3官能アクリレート30重量部、4官能アクリレート70重量部及び開始剤3重量部を、溶剤200重量部に溶解した溶液を用いる以外は実施例1と同様にして、透明機能層の屈折率が実施例1よりも少し小さい積層体を作製した。
比較例3
透明機能層として、4官能アクリレート100重量部及び開始剤3重量部を、溶剤200重量部に溶解した溶液を用いる以外は実施例1と同様にして、透明機能層の屈折率が実施例1よりもかなり小さい積層体を作製した。
実施例3
2軸延伸PETフィルム(OPET2)の易接着層が形成されていない面に、透明中間層として、単官能アクリレート100重量部及び開始剤3重量部を、溶剤3000重量部に溶解した溶液をワイヤーバー♯200により乾燥厚みが83.7nmとなるように塗工し、70℃で60秒間乾燥した。乾燥後の組成物に、紫外線照射装置を用いて、照射量800mJ/cm、5m/分の速度で1回照射し、塗膜を硬化した。得られた硬化塗膜の上に、透明機能層として、単官能アクリレート50重量部及び2官能アクリレート50重量部及び開始剤3重量部を、溶剤67重量部に溶解した溶液をワイヤーバー♯28により乾燥厚みが5μmとなるように塗工し、70℃で60秒間乾燥した。乾燥後の組成物に、紫外線照射装置を用いて、照射量800mJ/cm、5m/分の速度で3回照射し、塗膜を硬化し、積層体を作製した。
比較例4
透明機能層として、2官能アクリレート50重量部、3官能アクリレート50重量部及び開始剤3重量部を、溶剤200重量部に溶解した溶液を用いる以外は実施例3と同様にして積層体を作製した。
実施例1〜3及び比較例1〜4で得られた積層体の評価結果を表2に示す。
Figure 2012230200
透明機能層の最小厚み1は干渉縞のΔEが1.5となる透明機能層の厚みのシミュレーションによる計算値であり、最小厚み2及び最小厚み3はそれぞれΔE=0.8、ΔE=0.5となる透明機能層の厚みのシミュレーションによる計算値である。
表2の結果から明らかなように、実施例の積層体が試作したサンプルの干渉縞の目視評価が良好で、シミュレーションで得られるΔEも小さい(≦1.5)のに対して、比較例の積層体では、干渉縞が発生し干渉縞の目視評価が×で、シミュレーションで得られるΔEも大きい(>1.5)ことがわかる。
実施例4
ポリカーボネートシートに、透明中間層として、単官能アクリレート50重量部、2官能アクリレート50重量部及び開始剤3重量部を、溶剤3000重量部に溶解した溶液をワイヤーバー♯200により乾燥厚みが85nmとなるように塗工し、70℃で60秒間乾燥した。乾燥後の組成物に、紫外線照射装置を用いて、照射量800mJ/cm、5m/分の速度で1回照射し、塗膜を硬化した。得られた硬化塗膜の上に、透明機能層として、2官能アクリレート60重量部及び3官能アクリレート40重量部及び開始剤3重量部を、溶剤200重量部に溶解した溶液をワイヤーバー♯28により乾燥厚みが5μmとなるように塗工し、70℃で60秒間乾燥した。乾燥後の組成物に、紫外線照射装置を用いて、照射量800mJ/cm、5m/分の速度で3回照射し、塗膜を硬化し、積層体を作製した。
比較例5
透明中間層を形成しないことを除いて実施例4と同様にして積層体を作製した。
実施例5
セルローストリアセテートフィルムに、透明中間層として、単官能アクリレート40重量部、2官能アクリレート60重量部及び開始剤3重量部を、溶剤3000重量部に溶解した溶液をワイヤーバー♯200により乾燥厚みが85nmとなるように塗工し、70℃で60秒間乾燥した。乾燥後の組成物に、紫外線照射装置を用いて、照射量800mJ/cm、5m/分の速度で1回照射し、塗膜を硬化した。得られた硬化塗膜の上に、透明機能層として、単官能アクリレート100重量部及び開始剤3重量部を、溶剤200重量部に溶解した溶液をワイヤーバー♯28により乾燥厚みが8μmとなるように塗工し、70℃で60秒間乾燥した。乾燥後の組成物に、紫外線照射装置を用いて、照射量800mJ/cm、5m/分の速度で3回照射し、塗膜を硬化し、積層体を作製した。
比較例6
透明中間層を形成しないことを除いて実施例5と同様にして積層体を作製した。
実施例6
ソーダガラス板に、透明中間層として、2官能アクリレート50重量部、3官能アクリレート50重量部及び開始剤3重量部を、溶剤3000重量部に溶解した溶液をワイヤーバー♯200により乾燥厚みが88nmとなるように塗工し、70℃で60秒間乾燥した。乾燥後の組成物に、紫外線照射装置を用いて、照射量800mJ/cm、5m/分の速度で1回照射し、塗膜を硬化した。得られた硬化塗膜の上に、透明機能層として、単官能アクリレート50重量部、2官能アクリレート50重量部及び開始剤3重量部を、溶剤200重量部に溶解した溶液をワイヤーバー♯28により乾燥厚みが5μmとなるように塗工し、70℃で60秒間乾燥した。乾燥後の組成物に、紫外線照射装置を用いて、照射量800mJ/cm、5m/分の速度で3回照射し、塗膜を硬化し、積層体を作製した。
比較例7
透明中間層を形成しないことを除いて実施例6と同様にして積層体を作製した。
実施例4〜6及び比較例5〜7で得られた積層体の評価結果を表3に示す。
Figure 2012230200
表3の結果から明らかなように、実施例の積層体が試作したサンプルの干渉縞の目視評価が良好で、シミュレーションで得られるΔEも小さい(≦1.5)のに対して、比較例の積層体では、干渉縞が発生し干渉縞の目視評価が×で、シミュレーションで得られるΔEも大きい(>1.5)ことがわかる。
実施例7
2軸延伸PETフィルム(OPET1)の易接着層の上に、透明機能層として、2官能アクリレート70重量部、3官能アクリレート30重量部及び開始剤3重量部を、溶剤300重量部に溶解した溶液をワイヤーバー♯28により乾燥厚みが6μmとなるように塗工し、70℃で60秒間乾燥した。乾燥後の組成物に、紫外線照射装置を用いて、照射量800mJ/cm、5m/分の速度で3回照射し、塗膜を硬化し、積層体を作製した。
比較例8
溶剤を3150重量部とする以外は、実施例8と同様にして、透明中間層の厚みが79.4nm、透明機能層の厚みが3μmの積層単量体を作製した。
実施例7及び比較例8で得られた積層体の評価結果を表4に示す。
Figure 2012230200
表4の結果から明らかなように、実施例の積層体が試作したサンプルの干渉縞の目視評価が良好で、シミュレーションで得られるΔEも小さい(≦1.5)のに対して、比較例の積層体では、干渉縞が発生し干渉縞の目視評価が×で、シミュレーションで得られるΔEも大きい(>1.5)ことがわかる。
実施例8
透明中間層の溶剤を3350重量部する以外は、実施例3と同様にして、透明中間層の厚みが74.4nm、透明機能層の厚みが5μmの積層単量体を作製した。
比較例9
透明中間層の溶剤を4050重量部する以外は、実施例3と同様にして、透明中間層の厚みが62nm、透明機能層の厚みが5μmの積層単量体を作製した。
実施例9
透明中間層の溶剤を2650重量部にする以外は、実施例3と同様にして、透明中間層の厚みが94.6nm、透明機能層の厚みが5μmの積層単量体を作製した。
比較例10
透明中間層の溶剤を2380重量部にする以外は、実施例3と同様にして、透明中間層の厚みが105.4nm、透明機能層の厚みが5μmの積層単量体を作製した。
実施例10
ポリメタクリル酸メチル板に、透明中間層として、2官能アクリレート70重量部、3官能アクリレート30重量部及び開始剤3重量部を、溶剤2800重量部に溶解した溶液をワイヤーバー♯200により乾燥厚みが89.2nmとなるように塗工し、70℃で60秒間乾燥した。乾燥後の組成物に、紫外線照射装置を用いて、照射量800mJ/cm、5m/分の速度で1回照射し、塗膜を硬化した。得られた硬化塗膜の上に、透明機能層として、2官能アクリレート80重量部、3官能アクリレート20重量部及び開始剤3重量部を、溶剤350重量部に溶解した溶液をワイヤーバー♯28により乾燥厚みが5μmとなるように塗工し、70℃で60秒間乾燥した。乾燥後の組成物に、紫外線照射装置を用いて、照射量800mJ/cm、5m/分の速度で3回照射し、塗膜を硬化し、積層体を作製した。
比較例11
透明中間層を形成しないことを除いて実施例11と同様にして積層体を作製した。
実施例8〜10及び比較例9〜11で得られた積層体の評価結果を表5に示す。
Figure 2012230200
表5の結果から明らかなように、実施例の積層体が試作したサンプルの干渉縞の目視評価が良好で、シミュレーションで得られるΔEも小さい(≦1.5)のに対して、比較例の積層体では、干渉縞が発生し干渉縞の目視評価が×で、シミュレーションで得られるΔEも大きい(>1.5)ことがわかる。
本発明の光学用積層体は、電気・電子又は精密機器、光学機器などの表示部やレンズなどに利用でき、カメラやメガネなどのレンズ、電気・電子又は精密機器(パーソナルコンピューター、テレビ、携帯電話、遊技機器、モバイル機器、時計、電卓など)の表示部、表示装置(LCD装置、陰極管表示装置、有機又は無機エレクトロルミネッセンス(EL)ディスプレイ、フィールドエミッションディスプレイ(FED)、表面電界ディスプレイ(SED)、リアプロジェクションテレビディスプレイ、PDP、タッチパネル付き表示装置など)に利用される光学フィルムやレンズとして利用できる。

Claims (13)

  1. 基材の上に透明中間層を介して透明機能層が積層された光学積層体において、前記透明機能層の厚み、最小厚み及び屈折率をそれぞれd(μm),d1m(μm),n、前記透明中間層の厚み及び屈折率をそれぞれd(μm),n、前記基材の屈折率をnとするとき、下記(1)〜(4)の特性を充足する光学積層体。
    (1)透明機能層の厚みが、1μm≦d≦20μmである
    (2)透明中間層の光学厚みが、440nm≦4n≦640nmである
    (3)透過機能層側の反射率の波長分散を干渉の理論式で4n=540nmとして計算された波長540nmにおける反射率の振幅fが1%以下である
    (4)透明機能層の最小厚みが、d1m≧(|n−n|/0.12)×{(1000−875f)×[(4n)−(540/1000)]+(3.6f+1)}である
  2. 透明機能層の最小厚みが、d1m≧(|n−n|/0.12)×{(1000−875f)×[(4n)−(540/1000)]+(6f+1)}である請求項1記載の光学積層体。
  3. 透明機能層の最小厚みが、d1m≧(|n−n|/0.12)×{(1000−875f)×[(4n)−(540/1000)]+(9.5f+1)}である請求項1又は2記載の光学積層体。
  4. 透明機能層と基材との屈折率差が、0.01≦|n−n|≦0.2である請求項1〜3のいずれかに記載の光学積層体。
  5. 透明機能層と基材との屈折率差が、0.01≦|n−n|≦0.1である請求項1〜4のいずれかに記載の光学積層体。
  6. 2n/(n+n)が0.988〜1.012である請求項1〜5のいずれかに記載の光学積層体。
  7. 基材が透明フィルム、透明シート又は透明板材である請求項1〜6のいずれかに記載の光学積層体。
  8. 基材が透明レンズである請求項1〜7のいずれかに記載の光学積層体。
  9. 基材が、二軸延伸ポリエステルフィルム、セルロースエステルフィルム、ポリカーボネート板材又はポリメチルメタクリレート板材である請求項1〜8のいずれかに記載の光学積層体。
  10. 透明機能層がハードコート層である請求項1〜9のいずれかに記載の光学積層体。
  11. 透明中間層が易接着層である請求項1〜10のいずれかに記載の光学積層体。
  12. 透明機能層が無機粒子を実質的に含有しない請求項1〜11のいずれかに記載の光学積層体。
  13. 基材の上に透明中間層を介して透明機能層が積層された光学積層体の干渉縞を抑制する方法であって、前記透明機能層の厚み、最小厚み及び屈折率をそれぞれd(μm),d1m(μm),n、前記透明中間層の厚み及び屈折率をそれぞれd(μm),n、前記基材の屈折率をnとするとき、下記(1)〜(4)の特性を充足するように、前記厚み及び屈折率を調整して、干渉縞を抑制する方法。
    (1)透明機能層の厚みが、1μm≦d≦20μmである
    (2)透明中間層の光学厚みが、440nm≦4n≦640nmである
    (3)透過機能層側の反射率の波長分散を干渉の理論式で4n=540nmとして計算された波長540nmにおける反射率の振幅fが1%以下である
    (4)透明機能層の最小厚みが、d1m≧(|n−n|/0.12)×{(1000−875f)×[(4n)−(540/1000)]+(3.6f+1)}である
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