JP2012229192A - (ポリ)イソシアヌレート化合物の製造方法 - Google Patents

(ポリ)イソシアヌレート化合物の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】金属の混入が低減された(ポリ)イソシアヌレート化合物の製造方法の提供。
【解決手段】下記式(1)で表される化合物及び下記式(2)で表される化合物から選ばれる1種以上の塩化合物の存在下でイソシアナート化合物を反応させることを特徴とする(ポリ)イソシアヌレート化合物の製造方法。
Figure 2012229192

Figure 2012229192

【選択図】なし

Description

本発明は、(ポリ)イソシアヌレート化合物の製造方法に関する。
(ポリ)イソシアヌレート化合物は、イソシアヌレート化合物とポリイソシアヌレート化合物とに大別され、これらはいずれも優れた化学安定性を有していることから、種々の分野で活用されている。例えば、(ポリ)イソシアヌレート化合物は、電気特性、断熱性、耐候性、耐摩耗性、耐熱性、耐薬品性等を向上させる目的で、電子材料、塗料、接着剤、エラストマー等の原料として利用されている。
そして、上記イソシアヌレート化合物は、単官能イソシアナート化合物を環化三量化させることによって製造できることが知られており、上記ポリイソシアヌレート化合物は、ジイソシアナート化合物等の多官能イソシアナート化合物を重合させることで、イソシアヌレート化合物を経てワンポットで製造できることが知られている。このように、(ポリ)イソシアヌレート化合物は、イソシアナート化合物を基質として用いることにより製造できるものである。
上述のような(ポリ)イソシアヌレート化合物の製造方法として、例えば、脂環式ジイソシアナート化合物をKF−ポリエチレングリコール触媒存在下で自己架橋させてポリイソシアヌレート化合物を得る方法(特許文献1)や、アリールイソシアナート化合物をp−トルエンスルフィン酸ナトリウムの存在下で反応させてイソシアヌレート化合物を得る方法(非特許文献1)が報告されている。
特開2001−98042号公報
Bull.Chem.Soc.Jpn.,75,851-852(2002)
しかしながら、従来の(ポリ)イソシアヌレート化合物の製造方法では金属系触媒を用いているため、得られた(ポリ)イソシアヌレート化合物が不純物として微量の金属を含むものとなる。斯様な金属の混入は、(ポリ)イソシアヌレート化合物の電気特性を阻害するため、金属系触媒を用いた方法により得られた(ポリ)イソシアヌレート化合物は電子材料として適用するのが困難である。
したがって、本発明の課題は、得られる(ポリ)イソシアヌレート化合物への金属の混入が低減された(ポリ)イソシアヌレート化合物の製造方法を提供することにある。
そこで、本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、特定の非金属系の塩化合物の存在下でイソシアナート化合物を反応させることにより、得られる(ポリ)イソシアヌレート化合物への金属の混入を低減できることを見出した。
すなわち、本発明は、下記式(1)で表される化合物(以下、化合物(1)とも称す)及び下記式(2)で表される化合物(以下、化合物(2)とも称す)から選ばれる1種以上の塩化合物の存在下でイソシアナート化合物を反応させることを特徴とする(ポリ)イソシアヌレート化合物の製造方法を提供するものである。
Figure 2012229192
〔式(1)中、R1は、−(S=O)−又は単結合を示し、R2は、それぞれ独立に、ハロゲン原子を有していてもよい炭化水素基、炭素数1〜12のアルコキシ基、ニトロ基、シアノ基又はハロゲン原子を示し、nは、0〜5の整数を示し、〔Z〕+は、アンモニウムカチオン又は有機アンモニウムカチオンを示す。〕
Figure 2012229192
〔式(2)中、R3は、それぞれ独立に、水素原子又は炭化水素基を示し、R2及びnは、前記と同義である。〕
また、本発明は、500℃下での残炭率が60質量%以上であり、ガラス転移温度が300℃以上であり、且つ、金属含有率が30ppm以下であるポリイソシアヌレート化合物を提供するものである。
本発明の製造方法によれば、得られる(ポリ)イソシアヌレート化合物への金属の混入を低減でき、また、簡便且つ効率よく(ポリ)イソシアヌレート化合物を製造できる。
実施例1で得たイソシアヌレート化合物の1H−NMRスペクトルを示す図である。 硬化物1〜3のIRスペクトルを示す図である。 硬化物1の熱重量分析の結果を示す図である。 硬化物2の熱重量分析の結果を示す図である。 硬化物3の熱重量分析の結果を示す図である。 硬化物1〜3の示差走査熱分析の結果を示す図である。 硬化物4のIRスペクトルを示す図である。 硬化物4の熱重量分析の結果を示す図である。 硬化物4の示差走査熱分析の結果を示す図である。
本発明の製造方法は、化合物(1)及び化合物(2)から選ばれる1種以上の塩化合物の存在下でイソシアナート化合物を反応させることを特徴とするものである。まず、本発明の製造方法で用いるイソシアナート化合物について説明する。斯かるイソシアナート化合物としては、単官能イソシアナート化合物、多官能イソシアナート化合物が挙げられ、これらを単独で又は2種以上使用できる。また、前述のイソシアナート化合物が単官能イソシアナート化合物のみであるときはイソシアヌレート化合物が得られ、一方、イソシアナート化合物が多官能イソシアナート化合物を含むときはポリイソシアヌレート化合物が得られる。
上記単官能イソシアナート化合物としては、例えば、フェニルイソシアナート、トリルイソシアナート、α,α−ジメチル−イソプロペニルベンジルイソシアナート等のアリールイソシアナート;プロピルイソシアナート、ブチルイソシアナート等のアルキルイソシアナート;(メタ)アクリロイルイソシアナート;(メタ)アクリロイルオキシエチルイソシアナート、1,1−ビス[(メタ)アクリロイルオキシメチル]エチルイソシアナート等の(メタ)アクリロイルオキシアルキルイソシアナート;ビニルイソシアナート、アリルイソシアナート等のアルケニルイソシアナート等が挙げられる。
また、上記アリールイソシアナートの炭素数としては、7〜20が好ましく、7〜16がより好ましく、7〜14が更に好ましく、7〜12が更に好ましく、7〜10が特に好ましい。また、上記アルキルイソシアナートの炭素数としては、2〜10が好ましく、4〜6がより好ましい。また、上記(メタ)アクリロイルオキシアルキルイソシアナートの炭素数としては、5〜20が好ましく、6〜14がより好ましい。また、上記アルケニルイソシアナートの炭素数としては、3〜10が好ましく、3〜6がより好ましい。
また、上述のような単官能イソシアナート化合物の中でも、アリールイソシアナートが好ましい。
また、上記多官能イソシアナート化合物としては、ジイソシアナート化合物、トリイソシアナート化合物、テトライソシアナート化合物等が挙げられるが、ネットワーク化したポリマーを構成させる点から、ジイソシアナート化合物が好ましい。斯かるジイソシアナート化合物としては、例えば、ヘキサメチレンジイソシアナート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアナート、ドデカメチレンジイソシアナート等のアルキレンジイソシアナート;1,3−シクロへキシルジイソシアナート、1,4−シクロへキシルジイソシアナート、メチル−2,4−シクロヘキサンジイソシアナート、メチル−2,6−シクロヘキサンジイソシアナート、4,4'−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアナート)等のシクロアルキレンジイソシアナート;m−キシリレンジイソシアナート、p−キシリレンジイソシアナート、1,3−テトラメチルキシリレンジイソシアナート、1,4−テトラメチルキシリレンジイソシアナート、2,4−トルエンジイソシアナート、2,6−トルエンジイソシアナート、メチレンジフェニル−2,4'―ジイソシアナート、メチレンジフェニル−4,4'―ジイソシアナート、1,5−ナフタレンジイソシアナート、1,8−ナフタレンジイソシアナート等のアリーレンジイソシアナート;1,3−ビス(イソシアナートメチル)シクロヘキサン等のビス(イソシアナートアルキル)シクロアルカン;2,6−ジイソシアナ−トメチルカプロエート等のジイソシアナートカルボン酸アルキルの他、1−イソシアナート−3,3,5−トリメチル−5−イソシアナ−トメチルシクロヘキサン等が挙げられる。
また、上記アルキレンジイソシアナートの炭素数としては、4〜20が好ましく、8〜14がより好ましい。また、シクロアルキレンジイソシアナートの炭素数としては、8〜20が好ましく、8〜16がより好ましい。また、上記アリーレンジイソシアナートの炭素数としては、8〜20が好ましく、9〜20がより好ましく、10〜18が更に好ましく、12〜16が特に好ましい。また、ビス(イソシアナートアルキル)シクロアルカンの炭素数としては、10〜20が好ましく、10〜16がより好ましい。また、ジイソシアナートカルボン酸アルキルの炭素数としては、5〜20が好ましく、5〜14がより好ましい。
上述のようなジイソシアナート化合物の中でも、反応効率及びポリイソシアヌレート化合物の熱安定性の点から、アルキレンジイソシアナート、アリーレンジイソシアナートが好ましく、アリーレンジイソシアナートがより好ましい。
次に、本発明の製造方法で用いる化合物(1)及び化合物(2)から選ばれる1種以上の塩化合物について詳細に説明する。斯かる塩化合物は、本発明の製造方法において触媒として作用する。まず、式(1)中の各記号について説明する。
式(1)中、R1は、−(S=O)−又は単結合を示すが、少ない触媒量であっても高収率で(ポリ)イソシアヌレート化合物が得られる点から、単結合が好ましい。
また、式(1)中、R2は、それぞれ独立に、ハロゲン原子を有していてもよい炭化水素基、炭素数1〜12のアルコキシ基、ニトロ基、シアノ基又はハロゲン原子を示す。ここで、上記炭化水素基は、脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素基及び芳香族炭化水素基を包含する概念である。また、脂肪族炭化水素基及び脂環式炭化水素基は、分子内に不飽和結合を有していてもよい。
上記脂肪族炭化水素基としては、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基が挙げられる。斯かる脂肪族炭化水素基の炭素数としては、1〜12が好ましく、1〜8がより好ましく、1〜6が更に好ましく、1〜4が特に好ましい。
上記アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、テトラメチルブチル基、n−オクチル基、2−エチルへキシル基、n−ノニル基、n−デシル基、n−ウンデシル基、n−ドデシル基等が挙げられる。
また、上記アルケニル基としては、例えば、ビニル基、プロペニル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基、ヘプテニル基、オクテニル基等が挙げられる。
また、上記アルキニル基としては、例えば、エチニル基、プロピニル基、1−ブチニル基、2−ブチニル基、1−ペンチニル基、2−ペンチニル基、4−ペンチニル基、3−メチル−1−ブチニル基、1−ヘキシニル基、2−ヘキシニル基、5−ヘキシニル基等が挙げられる。
また、脂環式炭化水素基としては、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロノニル基、シクロデシル基、ノルボルニル基、1−アダマンチル基、2−アダマンチル基等のシクロアルキル基;シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基、シクロヘプテニル基、シクロオクテニル基等のシクロアルケニル基等が挙げられる。
また、芳香族炭化水素基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基、ビフェニル基、アントリル基等のアリール基等が挙げられる。
上述のような炭化水素基の中でも、脂肪族炭化水素基が好ましく、アルキル基が特に好ましい。
また、上記炭化水素基が有していてもよいハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。また、R2で示されるハロゲン原子も同様のものが挙げられる。
また、R2で示されるアルコキシ基の炭素数は1〜12であるが、1〜8が好ましく、1〜6がより好ましく、1〜4が特に好ましい。
上記アルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、n−ペントキシ基、2−メチルブトキシ基、n−ヘキソキシ基、n−ヘプトキシ基、n−オクトキシ等が挙げられる。
また、上述のようなR2の中でも、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数1〜12のアルコキシ基、ニトロ基が好ましい。また、R2のベンゼン環に対する置換の位置は任意であるが、2位、4位、6位が好ましい。
また、nは、0〜5の整数を示すが、反応効率及びポリイソシアヌレート化合物の熱安定性の点から、0〜3の整数が好ましく、0又は1がより好ましい。
また、〔Z〕+は、アンモニウムカチオン又は有機アンモニウムカチオンを示す。この中でも、反応効率及びポリイソシアヌレート化合物の熱安定性の点から、有機アンモニウムカチオンが好ましく、下記式(3)で表されるカチオンがより好ましい。
Figure 2012229192
〔式(3)中、R3は、それぞれ独立に、水素原子又は炭化水素基を示す。〕
上記R3で示される炭化水素基としては、上記のR2における炭化水素基と同様のものが挙げられるが、アルキル基が好ましい。斯かるアルキル基の炭素数としては、反応効率の点から、1〜12が好ましく、2〜9が好ましく、3〜6がより好ましい。斯様なアルキル基としては、例えば、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基が挙げられ、n−ブチル基等が特に好ましい。
また、化合物(1)の好適な具体例としては、下記式(1−1)〜(1−5)で表される化合物が挙げられる(式中のn−Buは、n−ブチル基である)。この中でも、式(1−1)で表される化合物(テトラブチルアンモニウムp−トルエンスルフィナート)、式(1−2)で表される化合物(テトラブチルアンモニウムフェノキシド)が好ましく、反応効率の点から、式(1−2)で表される化合物が特に好ましい。
Figure 2012229192
また、式(2)中のR2、R3及びnは、前述のR2、R3及びnと同義である。また、化合物(2)の好適な具体例としては、下記式(2−1)で表される化合物(テトラブチルアンモニウムベンゾエート)が挙げられる。
Figure 2012229192
また、前記塩化合物の合計使用量は、イソシアナート化合物100質量部に対して、通常、0.1〜100質量部程度であり、0.1〜50質量部が好ましく、0.1〜10質量部がより好ましい。
本発明の製造方法は、溶媒存在下及び非存在下のいずれでも行うことができるが、反応効率の点から、溶媒存在下で行うのが好ましい。該溶媒としては、例えば、1,3−ジアルキル−2−イミダゾリジノン等のイミダゾリジノン類;アルキルピロリドン等のピロリドン類;N,N−ジメチルホルムアミド等のアミド類;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類;ジメチルスルホキシド等のスルホキシド類;ジエチレングリコールジメチルエーテル(ジグライム)、トリエチレングリコールジメチルエーテル(トリグライム)等のエーテル類;これらの混合溶媒等が挙げられる。これらの中でも、極性溶媒が好ましく、非プロトン性極性溶媒がより好ましく、イミダゾリジノン類が更に好ましく、2−イミダゾリジノン類が更に好ましく、1,3−ジアルキル−2−イミダゾリジノンが特に好ましい。なお、斯かるアルキル基の炭素数としては、1〜6が好ましい。
また、上記溶媒の合計使用量は特に限定されないが、イソシアナート化合物100gに対して、通常、1〜1000mL程度であるが、30〜500mLが好ましく、60〜250mLがより好ましい。
本発明の製造方法の反応温度は特に限定されないが、20〜200℃が好ましい。また、本発明の製造方法は、反応効率の点から、不活性ガス雰囲気下で行うことが好ましい。不活性ガスは特に限定されないが、例えば、アルゴンガス、窒素ガス、ヘリウムガス等が挙げられる。
なお、本発明の製造方法においては、柔軟性の点から、上述のイソシアナート化合物以外の基質として、(i)ポリアルキレングリコール化合物、(ii)ポリビニル化合物、(iii)ポリアリル化合物、及び(iv)ポリ(メタ)アクリル化合物から選ばれる1以上の化合物等を併用してもよい。
(i)ポリアルキレングリコール化合物としては、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリプロピレングリコール等が挙げられる。中でも、ポリエチレングリコールが好ましい。
(ii)ポリビニル化合物としては、ジビニルベンゼン、N,N−メチレンビスアクリルアミド等が挙げられる。
(iii)ポリアリル化合物としては、N,N−ジアリルアクリルアミド、ジアリルアミ
ン、ジアリルメタクリルアミド、ジアリルフタレート、ジアリルマレート、ジアリルテレフタレート、トリアリルシアヌレート、トリアリルフォスフェート等が挙げられる。
(iv)ポリ(メタ)アクリル化合物としては、(a)エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、シクロヘキサンジメタノールジ(メタ)アクリレート、アルコキシ化ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、シクロヘキサンジメタノールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート等の2官能(メタ)アクリレート化合物;(b)グリセロールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エトキシ化トリ(メタ)アクリレートペンタエリトリトールトリ(メタ)アクリレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート、プロポキシ化トリ(メタ)アクリレート等の3官能(メタ)アクリレート化合物;(c)ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリトリトールペンタ(メタ)アクリレート、エトキシ化ペンタエリトリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリトリトールテトラ(メタ)アクリレート等の4官能以上の(メタ)アクリレート化合物が挙げられる。
上記化合物(i)〜(iv)の合計使用量は、特に限定されないが、熱安定性及び柔軟性の点から、例えば、イソシアナート化合物に対して20質量%以下が好ましく、10質量%以下がより好ましい。
得られた(ポリ)イソシアヌレート化合物は、必要に応じて、ろ過、洗浄(水、酸等)、乾燥、再結晶、遠心分離、各種溶媒による抽出、クロマトグラフィー等の通常の手段を適宜組み合わせて、反応系から、単離、精製することで分離することができる。
斯様にして、本発明の製造方法によれば、簡便且つ効率よく(ポリ)イソシアヌレート化合物を製造できる。すなわち、本発明によれば、斯かる製造方法によって得られる(ポリ)イソシアヌレート化合物を提供できる。
また、本発明の製造方法によれば、金属系触媒を用いることなく(ポリ)イソシアヌレート化合物を製造できるため、得られる(ポリ)イソシアヌレート化合物への金属の混入を低減できる。斯かる(ポリ)イソシアヌレート化合物に混入している金属(例えば、カリウム、ナトリウム等のアルカリ金属;カルシウム等のアルカリ土類金属;クロム、ニッケル、鉄、コバルト等の遷移金属:亜鉛等の他の金属)の含有量の上限としては、100ppmが好ましく、30ppmがより好ましく、10ppmが更に好ましく、5ppmが特に好ましい。一方、下限は特に限定されないが、例えば、0.001ppm程度である。
なお、斯かる金属の含有量は、誘導結合プラズマ質量分析装置ICP−MS、誘導結合プラズマ発光分光分析装置ICP−AES(例えば、CIROS−120(リガク/SPECTRO製))、蛍光X線分析装置XRF等で分析することが可能である。
したがって、本発明の製造方法により得られる(ポリ)イソシアヌレート化合物は、ポリイソシアヌレート成形体、ポリイソシアヌレート成形体の原料、ポリイソシアヌレートフォーム、硬質ポリウレタンフォーム、塗料、接着剤、エラストマー、触媒担持体、耐熱性フィルム・シート等に利用できるのみならず、レンズ材料、光通信用部品、光ディスク等の光学材料やコート剤、光学用フィルム・シート、固体電解質膜、難燃性低誘電率熱硬化性材料、半導体用レジスト材料等の電子材料周辺への使用に適する。
更に、斯様な(ポリ)イソシアヌレート化合物の中でも、ポリイソシアヌレート化合物は、イソシアナート基の残存率が低く、イソシアヌレート骨格により高密度にネットワーク化されているため、優れた熱安定性を有する。
また、上記ポリイソシアヌレート化合物の5%重量減少温度(Td5)としては、380℃以上が好ましく、400〜600℃がより好ましく、405〜500℃が更に好ましく、410〜475℃が特に好ましい。また、10%重量減少温度(Td10)としては、395℃以上が好ましく、400℃以上がより好ましく、420〜600℃が更に好ましく、425〜550℃が更に好ましく、430〜500℃が更に好ましく、435〜480℃が特に好ましい。
また、ガラス転移温度の下限としては、300℃が好ましい。一方、上限としては、450℃が好ましく、400℃がより好ましい。
なお、上記Td5、Td10及びガラス転移温度は、下記の実施例に記載の条件に従い測定できる。
また、500℃下での残炭率としては、60質量%以上が好ましく、65〜100質量%が特に好ましい。なお、上記残炭率とは、化合物を非酸化性雰囲気下で50℃から500℃まで10℃/minで昇温させて45分間加熱したときに残留する炭素分の質量比率をいう。
以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
〔試薬〕
実施例で使用した試薬は以下に示す通りである。
p−トリルイソシアナートは東京化成工業から、メチレンジフェニル−4,4'−ジイソシアナート(別名:4,4'−ジイソシアン酸メチレンジフェニル、以下MDIと称す)は和光純薬工業からそれぞれ購入し、どちらも減圧蒸留して使用した。
また、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン(以下DMIと称す)は和光純薬工業から購入し、水素化カルシウムで乾燥し、次いで減圧蒸留をした後に使用した。
また、テトラブチルアンモニウムp−トルエンスルフィナート、テトラブチルアンモニウムフェノキシド、テトラブチルアンモニウムベンゾエート及びテトラブチルアンモニウムp−トルエンスルホナートは、後述する合成例1〜4で得たものをそれぞれ使用した。
〔分析条件〕
実施例における各分析の条件は以下に示す通りである。
<NMRスペクトル>
1H−NMRスペクトルは、DMSO−d6を溶媒、テトラメチルシラン(TMS)を内部標準物質として用いて、Varian製Inova 400(400MHz)により測定した。
<IRスペクトル>
イソシアナート由来の吸収をIRスペクトルで確認し、イソシアナート基の転化率を求めた。IRスペクトルは、Thermo Scientific社製のSMARTiTRサンプリングユニット付NICOLET iS10を用いてATR法により測定した。
<熱重量分析>
熱重量分析(TG)は、セイコーインスツルメント社製TG−DTA6200により、アルミパンを用いて、50mL/minの窒素気流中10℃/minで昇温させて測定した。なお、熱重量分析において、Td5、Td10は、それぞれ化合物の5%重量減少温度、10%重量減少温度を意味する。
<示差走査熱分析>
示差走査熱分析(DSC)は、セイコーインスツルメント社製DSC6200を用いて、10mgの硬化物をアルミパン内に封入し、窒素気流中、50℃から300℃まで、5℃/minで昇温させて測定した。
<金属含有量測定>
まず、金属含有量測定サンプルを次の手順で作製した。
すなわち、硬化物100mg程度を石英ルツボ(15mL容量)に入れ、石英ルツボに蓋を施し、マッフル炉で灰化した(室温から550℃へ昇温)。次いで、これを冷却し、完全に灰化していることを確認した。灰分に超純水0.15mLと硝酸0.15mLを添加し、約150℃のホットプレート上で乾固した。更に、乾固物に硝酸0.15mLを添加し、150℃のホットプレート上で乾固する作業を2回繰り返した。この乾固物に硝酸0.15mLと超純水1mLを添加し、冷却した。そして、石英ルツボを超純水で洗いながら10mLにし、金属含有量測定用サンプルを作製した。
このようにして得られたサンプルについて、ICP質量分析装置を用いて金属含有量を測定した。測定条件を以下に示す。
ICP質量分析装置:Perkin Elmer社製,ELAN DRC−puls
測定元素と測定モード:Cr,Ni,Fe,K,Ca,CoについてはDRCモード(NH3ガス使用)、その他の元素(Na,Znなど)については通常モードで測定
プラズマパワー:1600W
〔合成例1〕
合成は、既報の合成方法(Tetrahedron Letters,31,3173−3176(1972))に従って行った。
テトラブチルアンモニウム硫酸水素塩(0.34g、1mmol)をイオン交換水(0.2mL)に溶解させ、この溶液に、5mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液(0.25mL)を加えた。次いで、この溶液と、p−トルエンスルフィン酸ナトリウム(0.20g、1.1mmol)をイオン交換水(1.0mL)に溶解させた溶液とを混合し、撹拌後、50mLのジクロロメタンで抽出し、溶媒をエバポレーターで除去することで、目的とするテトラブチルアンモニウムp−トルエンスルフィナート(0.39g、0.99mmol)を99%の収率で得た。得られた化合物の構造式を以下に示す。
Figure 2012229192
〔合成例2〕
合成は、既報の合成方法(Bull.Chem.Soc.Jpn.,76,2191−2195,(2003))に従って行った。
フェノール(0.47g、5.0mmol)をイオン交換水(50mL)に溶解させ、この溶液と、テトラブチルアンモニウムハイドライド39%メタノール溶液(4.2mL、5.0mmol)とを混合し、エバポレーターで濃縮した。その後、凍結乾燥器で一晩乾燥させて、目的とするテトラブチルアンモニウムフェノキシド(1.6g、4.9mmol)を収率98%で得た。得られた化合物の構造式を以下に示す。
Figure 2012229192
〔合成例3〕
合成は、既報の合成方法(Bull.Chem.Soc.Jpn.,76,2191−2195,(2003))に従って行った。
安息香酸(0.61g、5.0mmol)をイオン交換水(50mL)に溶解させ、この溶液と、テトラブチルアンモニウムハイドライド37%メタノール溶液(4.2mL、5.0mmol)とを混合し、エバポレーターで濃縮した。その後、凍結乾燥器で一晩乾燥させて、目的とするテトラブチルアンモニウムベンゾエート(1.8g、5.0mmol)を収率100%で得た。得られた化合物の構造式を以下に示す。
Figure 2012229192
〔合成例4〕
合成は、既報の合成方法(Tetrahedron Letters,31,3173−3176(1972))に従って行った。
テトラブチルアンモニウム硫酸水素塩(0.34g、1mmol)をイオン交換水(0.2mL)に溶解させ、この溶液に、5mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液(0.25mL)を加えた。次いで、この溶液と、p−トルエンスルホン酸ナトリウム(0.21g、1.1mmol)をイオン交換水(1.0mL)に溶解させた溶液とを混合し、撹拌後、50mLのジクロロメタンで抽出し、溶媒をエバポレーターで除去することで、目的とするテトラブチルアンモニウムp−トルエンスルホナート(0.39g、2mmol)を99%の収率で得た。得られた化合物の構造式を以下に示す。
Figure 2012229192
〔実施例1 イソシアヌレート化合物の製造(1)〕
三方コックとゴム風船を付けた10mLナスフラスコに磁気回転子を入れ、更にテトラブチルアンモニウムp−トルエンスルフィナート(29mg、0.073mmol)とDMI(0.73mL)を加えてテトラブチルアンモニウムp−トルエンスルフィナートを溶解させ、この溶液に、p−トリルイソシアナート(0.92ml、7.3mmol)を加え、窒素雰囲気下、室温で15分間撹拌した。
次いで、得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィ(溶媒:ジクロロメタン)で精製し、目的とするイソシアヌレート化合物である1,3,5−トリス(p−トリル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)−トリオン(0.93g、2.3mmol)を収率96%で得た。得られた1,3,5−トリス(p−トリル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)−トリオンの構造式及び1H−NMRスペクトルを図1に示す。
〔実施例2 イソシアヌレート化合物の製造(2)〕
三方コックとゴム風船を付けた10mLナスフラスコに磁気回転子を入れ、更にテトラブチルアンモニウムフェノキシド(29mg、0.086mmol)とDMI(0.86mL)を加えてテトラブチルアンモニウムフェノキシドを溶解させ、この溶液に、p−トリルイソシアナート(1.1mL、8.7mmol)を加え、窒素雰囲気下、室温で15分間撹拌した。
次いで、得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィ(溶媒:ジクロロメタン)で精製し、目的とするイソシアヌレート化合物である1,3,5−トリス(p−トリル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)−トリオン(1.1g、2.7mmol)を収率95%で得た。1H−NMRスペクトルにより、得られた化合物が実施例1で得られたものと同一であることを確認した。
〔実施例3 イソシアヌレート化合物の製造(3)〕
三方コックとゴム風船を付けた10mLナスフラスコに磁気回転子を入れ、更にテトラブチルアンモニウムベンゾエート(18mg、0.05mmol)とDMI(0.5mL)を加えてテトラブチルアンモニウムベンゾエートを溶解させ、この溶液に、p−トリルイソシアナート(0.63mL、5.0mmol)を加え、窒素雰囲気下、室温で15分間撹拌した。
次いで、得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィ(溶媒:ジクロロメタン)で精製し、目的とするイソシアヌレート化合物である1,3,5−トリス(p−トリル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)−トリオン(0.65g、1.6mmol)を収率95%で得た。1H−NMRスペクトルにより、得られた化合物が実施例1で得られたものと同一であることを確認した。
〔比較例1 イソシアヌレート化合物の製造(4)〕
三方コックとゴム風船を付けた10mLナスフラスコに磁気回転子を入れ、更にテトラブチルアンモニウムp−トルエンスルホナート(9.709mg、0.05mmol)とDMI(0.5mL)を加えてテトラブチルアンモニウムp−トルエンスルホナートを溶解させ、この溶液に、p−トリルイソシアナート(0.63mL、5.0mmol)を加え、窒素雰囲気下、室温で5時間撹拌したが、基質の転化はみられなかった。
〔実施例4 ポリイソシアヌレート化合物の製造(1)〕
MDI(0.75g、3mmol)をDMI(0.4mL)に溶解させ、この溶液と、テトラブチルアンモニウムp−トルエンスルフィナート(12mg、0.03mmol)をDMI(0.6mL)に溶解させた溶液とを、窒素雰囲気下で混合し、室温で2時間静置することで硬化物1(ポリイソシアヌレート化合物)を得た。硬化物1のIRスペクトルを図2(a)に示す。
硬化物1のIRスペクトル結果から、2200cm-1付近のイソシアナート基由来の吸収が減少し、新たにイソシアヌレート骨格のカルボニル基由来の1700cm-1付近の吸収が増加していることが確認された。また、このスペクトルから、イソシアナート基の転化率は97%であり、硬化物1がイソシアヌレート骨格で高密度にネットワーク化されていることがわかった。
また、硬化物1を、クロロホルムで24時間ソックスレー抽出し、150℃の真空乾燥機で一晩乾燥させた後、硬化物1の熱重量分析と示差走査熱分析を測定した。硬化物1の熱重量分析の結果を図3に、示差走査熱分析の結果を図6(a)に示す。
熱重量分析の結果から、Td5は460℃、Td10は476℃であり、更に、500℃に加熱しても硬化物1は79wt%以上の高い残炭率を示すことがわかった。また、示差走査熱分析の結果から、硬化物1のガラス転移温度(Tg)は少なくとも300℃以上であり、硬化物1が高い耐熱性を示すことがわかった。
また、硬化物1の金属含有量を測定した結果、2.7ppmであった。
〔実施例5 ポリイソシアヌレート化合物の製造(2)〕
MDI(0.75g、3mmol)をDMI(0.4mL)に溶解させ、この溶液と、テトラブチルアンモニウムフェノキシド(2mg、0.006mmol)をDMI(0.6mL)に溶解させた溶液とを、窒素雰囲気下で混合し、室温で2時間静置することで硬化物2(ポリイソシアヌレート化合物)を得た。硬化物2のIRスペクトルを図2(b)に示す。
硬化物2のIRスペクトルの結果から、2200cm-1付近のイソシアナート基由来の吸収が減少し、新たにイソシアヌレート骨格のカルボニル基由来の1700cm-1付近の吸収が増加していることが確認された。また、このスペクトルから、イソシアナート基の転化率は91%であり、硬化物2がイソシアヌレート骨格で高密度にネットワーク化されていることがわかった。
また、硬化物2を、クロロホルムで24時間ソックスレー抽出し、150℃の真空乾燥機で一晩乾燥させた後、硬化物2の熱重量分析と示差走査熱分析を測定した。硬化物2の熱重量分析の結果を図4に、示差走査熱分析の結果を図6(b)に示す。
熱重量分析の結果から、Td5は416℃、Td10は440℃であり、更に、500℃に加熱しても硬化物2は68wt%以上の高い残炭率を示すことがわかった。また、示差走査熱分析の結果から、硬化物2のガラス転移温度(Tg)は少なくとも300℃以上であり、硬化物2が高い耐熱性を示すことがわかった。
また、硬化物2の金属含有量を測定した結果、4.1ppmであった。
〔実施例6 ポリイソシアヌレート化合物の製造(3)〕
MDI(0.75g、3mmol)をDMI(0.4mL)に溶解させ、この溶液と、テトラブチルアンモニウムベンゾエート(11mg、0.03mmol)をDMI(0.6mL)に溶解させた溶液とを、窒素雰囲気下で混合し、室温で2時間静置することで硬化物3(ポリイソシアヌレート化合物)を得た。硬化物3のIRスペクトルを図2(c)に示す。
硬化物3のIRスペクトルの結果から、2200cm-1付近のイソシアナート基由来の吸収が減少し、新たにイソシアヌレート骨格のカルボニル基由来の1700cm-1付近の吸収が増加していることが確認された。また、このスペクトルから、イソシアナート基の転化率は92%であり、硬化物3がイソシアヌレート骨格で高密度にネットワーク化されていることがわかった。
また、硬化物3を、クロロホルムで24時間ソックスレー抽出し、150℃の真空乾燥機で一晩乾燥させた後、硬化物3の熱重量分析と示差走査熱分析を測定した。硬化物3の熱重量分析の結果を図5に、示差走査熱分析の結果を図6(c)に示す。
熱重量分析の結果から、Td5は406℃、Td10は424℃であり、更に、500℃に加熱しても硬化物3は63wt%以上の高い残炭率を示すことがわかった。また、示差走査熱分析の結果から、硬化物3のガラス転移温度(Tg)は少なくとも300℃以上であり、硬化物3が高い耐熱性を示すことがわかった。
〔比較例2 ポリイソシアヌレート化合物の製造(4)〕
p−トルエンスルフィン酸ナトリウム(27mg,0.15mmol)と、テトラブチルアンモニウムヨージド(28mg,0.075mmol)を、DMI(1.0mL)に溶解させた。この溶液に1,6−ヘキサメチレンジイソシアナート(1.2mL,7.5mmol)を加え、窒素雰囲気下、150℃にて2時間撹拌させ、硬化物4を得た。硬化物4のIRスペクトルを図7に示す。
硬化物4のIRスペクトルの結果から、2200cm-1付近のイソシアナート基由来の吸収が減少し、新たにイソシアヌレート骨格のカルボニル基由来の1700cm-1付近の吸収が増加していることが確認された。また、このスペクトルから、イソシアナート基の転化率は99%であり、硬化物4がイソシアヌレート骨格で高密度にネットワーク化されていることがわかった。
また、硬化物4を、クロロホルムで24時間ソックスレー抽出し、120℃の真空乾燥機で一晩乾燥させた後、熱重量分析と示差走査熱分析を測定した。硬化物4の熱重量分析の結果を図8に、示差走査熱分析の結果を図9に示す。
熱重量分析の結果、Td5、Td10はそれぞれ431℃、449℃であったが、500℃に加熱したときの残炭率は、10wt%程度であった。
また、示差走査熱分析の結果、硬化物4のガラス転移温度(Tg)は114℃であることがわかった。
また、硬化物4の金属含有量を測定した結果、200ppmであった。更に、硬化物4を蒸留水で60分水洗する工程を2回行なって、蒸留水中に8時間浸漬させた後、金属含有量を測定した結果、57ppmであった。
この結果から、比較例2の方法でポリイソシアヌレートを製造した場合には、充分に水洗しても高濃度の金属が残存してしまうことがわかる。

Claims (5)

  1. 下記式(1)で表される化合物及び下記式(2)で表される化合物から選ばれる1種以上の塩化合物の存在下でイソシアナート化合物を反応させることを特徴とする(ポリ)イソシアヌレート化合物の製造方法。
    Figure 2012229192
    〔式(1)中、R1は、−(S=O)−又は単結合を示し、R2は、それぞれ独立に、ハロゲン原子を有していてもよい炭化水素基、炭素数1〜12のアルコキシ基、ニトロ基、シアノ基又はハロゲン原子を示し、nは、0〜5の整数を示し、〔Z〕+は、アンモニウムカチオン又は有機アンモニウムカチオンを示す。〕
    Figure 2012229192
    〔式(2)中、R3は、それぞれ独立に、水素原子又は炭化水素基を示し、R2及びnは、前記と同義である。〕
  2. イソシアナート化合物が、単官能イソシアナート化合物及び多官能イソシアナート化合物から選ばれる1種以上のイソシアナート化合物である請求項1記載の製造方法。
  3. 〔Z〕+が、下記式(3)で表されるカチオンである請求項1又は2記載の製造方法。
    Figure 2012229192
    〔式(3)中、R3は、前記と同義である。〕
  4. 塩化合物が、テトラブチルアンモニウムp−トルエンスルフィナート、テトラブチルアンモニウムフェノキシド及びテトラブチルアンモニウムベンゾエートから選ばれる1種以上である請求項1〜3のいずれか1項に記載の製造方法。
  5. 500℃下での残炭率が60質量%以上であり、ガラス転移温度が300℃以上であり、且つ、金属含有率が30ppm以下であるポリイソシアヌレート化合物。
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