JP2012228771A - 樹脂製保護層を有するワイヤソー、ワイヤソーを用いた切断方法 - Google Patents

樹脂製保護層を有するワイヤソー、ワイヤソーを用いた切断方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 ワイヤ径を必要以上に大きくすることなく、高い耐久性を有するワイヤソー等を提供する。
【解決手段】 ワイヤソー7は、主に芯線11、樹脂製保護層13、フィラー15、砥粒保持層17、砥粒19等から構成される。芯線11は、高純度石英ファイバである。高純度石英ファイバは、例えば気相合成したガラスファイバであり、不純物を含まず、高い抗張力を有する。芯線11としては、5000MPa以上の抗張力を有するものが望ましい。このような芯線11としては、例えば、従来光ファイバとして使用されるガラスファイバを用いることができる。芯線11の外周には、フィラー15を含有した樹脂製保護層13が設けられる。樹脂製保護層13は、芯線11を保護するためのものである。樹脂製保護層13は、後述する砥粒19と芯線11との接触を防止し、砥粒19との接触による芯線11の破断を防止することができる。
【選択図】図2

Description

本発明は、シリコンインゴットなどの難削材からウェハの切り出し等を行うことが可能なワイヤソーに関するものである。
従来、例えばシリコンインゴットをスライス加工してシリコンウェハを得るためには、ワイヤが用いられてきた。例えば、鋼線ワイヤを用いて、砥粒を含むスラリを供給しながら、加工対象をスライスする方法があった。
しかし、このような方法では、砥粒や被加工物の切断屑を多量に含んだ研削廃液が発生する。したがって、この処理が必要になるとともに、環境負荷も大きいという問題がある。
そこで、ピアノ線等の金属線の外周部に砥粒を樹脂で保持したワイヤソーを用いる方法がある(特許文献1〜3)。このような方法では多量の廃液が不要になる。
一方で、芯材に石英ガラスを用いたワイヤソーを用いる方法がある(特許文献4)。
特許3078020号公報 特許4266969号公報 特許4175728号公報 特開平10−151560
特許文献1〜3の方法で作製した、ピアノ線等の金属線を芯材にしたワイヤソーを用いた切断方法においては、通常、ワイヤに張力を付与した状態で、被加工物を切断する。このため、ワイヤの破断の問題がある。このため、耐久性を確保するためには、ワイヤ径を所定以上とする必要がある。しかしながら、ワイヤ径が大きくなると、切断代が多くなるため、歩留まりが低下するという問題がある。
特許文献4の方法は、芯材に抗張力の高い石英ガラスを用いているため、ワイヤ径が小さいワイヤソーを作ることができる。また、芯線外周にプリコートを形成しているため、マイクロクラックの成長を防止できる。しかしながら、砥粒を固定したワイヤソーを用いた切断においては、加工中に砥粒がプリコート層に食い込み、芯材のガラスに到達し破断するという問題がある。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたもので、ワイヤ径を必要以上に大きくすることなく、高い耐久性を有するワイヤソー等を提供することを目的とする。
前述した目的を達するために第1の発明は、石英ファイバからなる芯線と、前記芯線の外周に形成され、前記芯線を保護する樹脂製保護層と、前記樹脂製保護層の外周に形成され、砥粒を保持する砥粒保持層と、砥粒と、を具備し、前記芯線の芯径は60〜300μmであり、前記砥粒の平均粒径は5〜50μmであり、前記樹脂製保護層には、フィラーが添加されることを特徴とする樹脂製保護層を有するワイヤソーである。
前記樹脂製保護層の厚さは3〜20μmであり、前記フィラーの平均粒径が0.1〜5μmであり、前記樹脂製保護層の厚さの50%以下であり、前記フィラーの添加量は5〜30体積%であることが好ましい。
前記フィラーの最大粒径が、前記樹脂製保護層の厚さ以下であることが望ましい。
前記フィラーは、炭酸カルシウム、マイカ、シリカ、アルミナ、ルチル型酸化チタン、立方晶窒化ホウ素、ダイヤモンドの少なくともいずれか1種以上を含むものであることが望ましい。
前記樹脂製保護層は、ウレタンアクリレート系やエポキシアクリレート系といったラジカル硬化型紫外線硬化樹脂、エポキシ樹脂系のカチオン硬化型紫外線硬化樹脂、ポリイミド系の熱硬化樹脂のいずれかであることが望ましい。
前記芯線と前記樹脂製保護層の間には、フィラーが添加されない緩衝樹脂層が形成されるが望ましい。
前記緩衝樹脂層が前記樹脂製保護層と同種の樹脂で構成され、緩衝樹脂層の厚さが1〜5μmであることが望ましい。
前記砥粒保持層は、レジンボンド層であり、前記砥粒保持層の厚さは、前記砥粒の平均粒径に対し2/3〜3/2であることが望ましい。
前記フィラーは導電性を持つ金属粒子であり、前記砥粒保持層がめっき層であり、前記めっき層の厚さが前記砥粒の平均粒径に対し1/4〜1/1であることが望ましい。
第1の発明によれば、芯線が石英ファイバで構成されるため、従来使用されてきたピアノ線に比べ大きな抗張力を有する。したがって、ワイヤの破断を防止することができ、また、ワイヤ径を細くすることができる。したがって、ワイヤの耐久性に優れ、切断時の被削材の歩留まりが高いワイヤソーを得ることができる。
また、単に芯線を石英ファイバで構成しただけでは、芯線の曲げ変形や、切削時に砥粒が食い込むことによる芯線と砥粒の接触によって、芯線の折れが生じる恐れがある。しかし、本発明では、芯線の外周に3〜20μmの樹脂製保護層を形成することで、芯線の曲げ時の折損を防止することができる。
さらに、樹脂製保護層の樹脂に対して、添加量が5〜30体積%のフィラーを添加することで、切削時に砥粒が食い込むことによる、砥粒と芯線と接触折損を防止することができる。特に、このようなフィラーとして、平均粒径が0.1〜5μmであり、樹脂製保護層の厚さの50%以下であり、最大粒径が樹脂製保護層の厚さ以下のものを用いることで、砥粒が樹脂製保護層に食い込むことをより効果的に防止することができる。
また、石英ファイバは、ピアノ線等と比較して、高い真円度を有するため、被加工物の切断時の振動等を抑制することができる。このため、切削速度を上げることができる。
砥粒保持層は樹脂、金属のどちらでも形成可能である。砥粒保持層が、樹脂製のレジンボンド層の場合には、レジンボンド層の厚さを砥粒の平均粒径の2/3〜3/2とすることで、必要以上にワイヤソーの外径を大きくすることなく、十分に砥粒を保持できる。
また、砥粒保持層が、導電性を持つ金属粒子のフィラーを用いて形成した金属のめっき層の場合には、めっき層の厚さを砥粒の平均粒径の1/4〜1/1とすることで、砥粒を強固に保持することができる。ここで、砥粒保持層をめっきで形成する場合のめっき厚さがレジンボンドの場合に較べて薄いのは、めっき層の方が砥粒保持層としての強度が高いからである。
第2の発明は、石英ファイバからなる芯線と、前記芯線の外周に形成され、前記芯線を保護する樹脂製保護層と、前記樹脂製保護層の外周に形成され、砥粒を保持する砥粒保持層と、砥粒と、を具備し、前記芯線の芯径は60〜300μmであり、前記砥粒の平均粒径は5〜50μmであり、前記樹脂製保護層には、フィラーが5〜30%体積%添加され、前記樹脂製保護層の厚さは3〜20μmであり、前記砥粒保持層がレジンボンド層の場合には、砥粒径の2/3〜3/2であり、さらに、砥粒保持層がめっき層の場合には、前記砥粒の平均粒径に対し1/4〜1であるワイヤソーを用い、切断対象物を切断することを特徴とするワイヤソーを用いた切断方法である。
前記切断対象物は硬脆材料であり、前記フィラーの平均径が0.1〜5μmであり、前記樹脂製保護層の厚さの50%以下であり、最大粒径が前記樹脂製保護層以下であることが好ましい。
第2の発明によれば、ワイヤソーの破断等を防止するとともに、高い効率で確実に切断対象物のスライス加工を行うことができる。
本発明によれば、ワイヤ径を必要以上に大きくすることなく、高い耐久性を有するワイヤソー等を提供することができる。
切断装置1を示す図。 ワイヤソー7の断面図。 ワイヤソー7aの断面図。 ファイバ製造装置20を示す概略図。 ワイヤソー製造装置40を示す概略図。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。図1は、切断装置1を示す概略図である。切断装置1は、切断対象物であるインゴット3を保持する保持部5と、ワイヤソー7を移動させるための多溝を有するローラ9と、保持部5およびローラ9を駆動するための図示を省略したモータ等から構成される。なお、切断対象物はシリコンもしくはサファイア、SiC、化合物半導体やガラス、セラミックスなどの硬脆材料である。
切断装置1では、ローラ9の外周に、所定の張力が付与された状態でワイヤソー7が多数回巻回される。ワイヤソー7は一方の側から送られ(図中矢印A方向)、他方の側から巻き取られる(図中矢印B方向)。駆動モータによってローラ9を可逆回転することにより、ワイヤソー7をローラ9間で往復動させることができる。
半導体用シリコン等のインゴット3を保持部5で保持させた状態で、ワイヤソー7の移動方向に対して垂直に移動させる(図中矢印C方向)。保持部5に所定の荷重を付与し、インゴット3をワイヤソー7に接触させることで、ワイヤソー7によりインゴット3が切断される。すなわち、インゴット3を一度に多数枚の加工物にスライス切断することができる。なお、本発明の切断方法は、図示した例に限られず、本発明によるワイヤソーを用いて行う切断加工にはすべて適用可能である。
次に、ワイヤソー7について説明する。図2は、ワイヤソー7の断面図である。ワイヤソー7は、主に芯線11、樹脂製保護層13、フィラー15、砥粒保持層17、砥粒19等から構成される。
(芯材)
芯線11は、外径が60〜300μmの石英ファイバである。芯線11の径を細くし過ぎると、使用時におけるワイヤソーの破断の恐れがある。また、芯線11の径を太くし過ぎると切断対象物の切断代が大きくなるため、歩留まりが低下し、多量の切粉が生じるためである。例えば、高純度石英ファイバを用いる場合は、例えば気相合成したガラスファイバであり、不純物を含まず、高い抗張力を有する。芯線11としては、5000MPa以上の抗張力を有するものが望ましい。このような芯線11としては、例えば、従来光ファイバとして使用されるガラスファイバを用いることができる。高純度石英ファイバの弾性係数は72000MPaである。
芯線11の外周には、樹脂製保護層13が設けられる。樹脂製保護層13の中にはフィラー15が添加される。樹脂製保護層13は、芯線11を保護するためのものである。
前述のように、石英ファイバは、極めて高い抗張力を有するが、曲げ変形に対して、折損の恐れがある。このため、芯線11の周囲を樹脂製保護層13で被覆することで、ワイヤソー7を曲げた際の応力が、ワイヤソー7の一か所に集中することを防ぎ、芯線11の折損を防止することができる。このため、ワイヤソー7をボビン等に巻き付け、また、前述した切断装置1において、ローラ9間に巻き付けても、ワイヤソー7の折損を防止することができる。
(樹脂製保護層)
また、樹脂製保護層13は、後述する砥粒19と芯線11との接触を防止する。すなわち、砥粒19との接触により芯線11が傷つくことを防止でき、これによる芯線11の破断を防止することができる。
ワイヤソー7に曲げ性を付与し、砥粒19の食い込みを防止するためには、樹脂製保護層13の厚さは3〜20μmが好ましく、5〜15μmがより好ましい。樹脂製保護層13が3μm以下であると、ワイヤソー7の曲げ性が悪化するとともに、砥粒19の食い込み防止性が不十分になる。また、樹脂製保護層13の厚みが20μmを超えると、ワイヤソー7の外径が大きくなり歩留りが悪くなるとともに、樹脂製保護層13を形成する際に、樹脂の硬化に時間を要する。なお、ワイヤソー7の外径と芯線11の径の比は2以下(ワイヤ径/芯線径≦2)であることが望ましい。2を超えると切断代が大きくなり、歩留りが悪くなる。高負荷で高速で切断したい場合は、上記比は2以下にしたまま芯線径を太くすればよい。
(保護樹脂層に分散されるフィラー)
なお、樹脂製保護層13に添加するフィラー15としては、砥粒保持層17をレジンボンド層とする場合には、例えば、炭酸カルシウム(密度2.7g/cm)、マイカ(密度2.9g/cm)、シリカ(密度2.2g/cm)、アルミナ(密度4.0g/cm)、ルチル型酸化チタン(密度4.3g/cm)、立方晶窒化ホウ素(密度3.5g/cm)、ダイヤモンド(密度3.5g/cm)などから選択することが望ましく、特にコスト、硬度の点からアルミナ、シリカが望ましい。
また、樹脂製保護層13に用いられるフィラー15の平均粒径は、0.1〜5μmであり、樹脂製保護層13の厚さの50%以下であることが好ましく、1〜3μmであることがより好ましい。また、最大粒径が樹脂製保護層13の厚さ以下であることが好ましい。フィラー15の平均粒径が小さすぎると砥粒19の食い込み防止性が不十分となるとともに紫外線の透過性が低下するとともに、樹脂の粘性が高くなり、樹脂の線引きしながらの塗布が困難になるためである。また、フィラー15の平均粒径が大きすぎると樹脂製保護層13の強度が低下するとともに、フィラー自身が芯線11を傷つける恐れがある。このため、フィラー15の最大粒径は、樹脂製保護層13の厚さ以下であることが望ましい。
フィラー15の添加量は、樹脂製保護層13の樹脂の密度を1g/cmとしたときに対し、5〜30体積%であることが好ましく、10〜20体積%であることがより好ましい。フィラー15の添加量が5体積%未満になると、砥粒19の、樹脂製保護層13に対する食い込み防止性が悪くなるためである。また、フィラーの添加量が30体積%を超えると、ワイヤソー7の曲げ性が悪くなるとともに、切削時に、樹脂製保護層13が剥離し、破断しやすくなる。さらに光透過性が悪くなるため、樹脂製保護層13を紫外線硬化樹脂で形成する場合には、硬化に時間を要し、生産性が悪くなる。
また、樹脂製保護層に加えるフィラーは、粒状で略球形のものが望ましく、必要に応じて樹脂層との親和性を高めるため、脂肪酸で表面修飾したものなどを用いても良い。
ここで、フィラーの添加量を、樹脂製保護層に対する体積%で規定したが、この理由は、本発明における主要な狙いが、樹脂製保護層への砥粒の食い込み防止と、樹脂製保護層の紫外線硬化であり、この両者に対しては、フィラーの配合重量よりも、フィラーの平均粒径と樹脂製保護層におけるフィラーの体積の効果が大きいためである。尚、体積%で記載したフィラーの配合量は、フィラーの密度を用いることにより、質量%に換算できる。例えば、樹脂の密度を簡単のため1g/cmと近似すると、密度が約2.2g/cmと小さいシリカと、密度が約4.3g/cmのルチル型酸化チタンでは、配合割合が5〜30体積%の場合を、質量%に換算すると、シリカの配合割合が約10〜49質量%であるのに対して、ルチル型の酸化チタンでは、約18〜65質量%となるが、実際には使用する樹脂の種類により密度が少し異なるため、上記範囲から多少ずれることになる。
(樹脂製保護層に用いる樹脂)
なお、このような樹脂製保護層13としては、いずれの樹脂も適用可能である。例えば、ウレタンアクリレート系やエポキシアクリレート系といったラジカル硬化型紫外線硬化樹脂、エポキシ樹脂系のカチオン硬化型紫外線硬化樹脂、ポリイミド系の熱硬化樹脂を適用することができる。なお、生産性の観点から紫外線硬化樹脂が好ましい。
また、ワイヤソー7の曲げ性と、砥粒19の食い込み防止性を考慮すると、樹脂製保護層13の弾性係数は、500〜5000MPaの範囲で、適宜設定することが好ましい。弾性率が500MPa未満であると、砥粒19の保持力が不十分になり、5000MPaを超えると、ワイヤソー7の曲げ性が悪くなるため、破断の原因になりうる。なお、樹脂製保護層13の弾性係数の調整は、原料ポリマーの分子量や重合度や架橋度、フィラー15の粒径や添加量を調整することにより調整すればよい。ここで、前述の高純度石英ファイバの弾性係数が72000MPaであることを、考慮すれば、樹脂製保護層13により、切断時の芯線11の中心方向に作用する応力が緩和されることが判る。
(砥粒保持層)
砥粒保持層17は、樹脂で砥粒19を固定するレジンボンド層であってもよく、またはめっき層であってもよい。砥粒保持層17が、レジンボンド層である場合には、例えば、熱硬化樹脂や紫外線硬化樹脂などを用いることができる。なお、樹脂の硬度等から熱硬化樹脂を用いることが好ましい。
また、レジンボンド層の厚さは砥粒19の平均粒径の2/3〜3/2であることが好ましい。レジンボンド層の厚さが平均粒径の2/3以上としたのは、レジンボンド層の厚さが薄すぎると、砥粒19の保持力が不十分になり、厚すぎると砥粒19の保持力は十分であるが、ワイヤソー7の外径が大きくなり、レジンボンド層に埋め込まれる砥粒が多くなることから、被削材の切断歩留りが悪くなるためである。
砥粒保持層17がめっき層である場合には、フィラー15を導電性の良い銀や銅の金属粒子で構成し、電気めっきを施すことで、めっき層を形成することが好ましい。めっき層の厚さとしては、砥粒19の平均粒径の1/4〜1/1であることが好ましい。めっき層の厚さが薄すぎると、レジンボンド層よりも保持力の強いめっき層であっても砥粒19の保持力が不十分になり、安定した切削ができなく、また、大きすぎるとワイヤソー7の外径が大きくなることから被削材の切断歩留まりが低下するとともに、めっきの形成に時間を要するためである。なお、めっき層は、砥粒19を保持できればいずれの金属でも良いが、例えばニッケルで構成される。
砥粒19の種類・平均粒径は被切削物の種類や硬度によって適宜変更されるが、砥粒19の種類はダイヤモンドが好ましい。密着性・生産性の観点からニッケル、チタン、パラジウムなどの金属被覆ダイヤモンドを用いても良い。この場合、砥粒19の平均粒径は5〜50μmであることが望ましい。砥粒19の径が小さすぎると、切削能力が劣る。また、粒径が大きすぎると、これを保持するための砥粒保持層17の厚みを厚くする必要があることから、ワイヤソー7の外径が大きくなり歩留まりが低下する。
なお、樹脂製保護層13に添加するフィラー15としては、砥粒保持層17をレジンボンド層とする場合には、例えば、前記のような炭酸カルシウム、マイカ、シリカ、アルミナ、酸化チタン、立方晶窒化ホウ素、ダイヤモンドなどの無機粒子から選択することが望ましく、コスト、硬度の点から特にアルミナ、シリカが望ましい。
一方、砥粒保持層17がめっき層である場合には、樹脂製保護層13に添加するフィラー15としては、導電性の良い金属、例えば銀や銅などを選ぶことが望ましい。金属粒子であるフィラー15は、導電性付与、砥粒食い込み防止のために形成される。
次に、他の実施の形態について説明する。図3は、他の実施の形態にかかるワイヤソー7aを示す断面図である。なお、以下の説明において、ワイヤソー7と同一の構成については、図2と同一の符号を付し、重複する説明を省略する。ワイヤソー7aは、ワイヤソー7と略同一の構成であるが、緩衝樹脂層18が設けられる点で異なる。
(緩衝樹脂層)
緩衝樹脂層18は、芯線11と樹脂製保護層13の間に形成される。緩衝樹脂層18は、例えば紫外線硬化樹脂などにより構成される。緩衝樹脂層18には、フィラーが添加されない。一方、前述のように、樹脂製保護層13には、砥粒19が芯線11と接触することを防ぐために、フィラー15が添加されている。
しかし、芯線11との界面において、樹脂製保護層13内のフィラー15が、芯線11と接触する恐れがある。樹脂製保護層13内のフィラー15が芯線11と接触すると、芯線11を傷つける恐れがある。緩衝樹脂層18は、フィラー15が芯線11と接触することを防止するために機能する。したがって、緩衝樹脂層18を設けることが望ましい。緩衝樹脂層18の厚さは、1〜5μmであることが望ましい。
(ワイヤソーの製造方法)
次に、ワイヤソー7の製造方法について説明する。図4は、ワイヤソー7を製造するための芯線製造装置20を示す概略図である。なお、本発明では、前述した抗張力を有する石英ファイバを製造可能であれば、その製造方法を限定するものではない。
まず、ファイバ母材21を製造する。ファイバ母材21であるガラス微粒子堆積体は、例えばOVD法(Outside Vapor Deposition method)等により製造すればよい。OVD法は、珪素を含むガラス原料を可燃性ガス、助燃性ガス等の燃焼ガスとともにバーナに導入し、火炎中でガラス原料を加水分解反応又は酸化反応させることにより、ガラス微粒子体及び微粒子体の集合体を生成させ、これを回転する堆積ターゲットとなる心棒の外周に堆積させてガラス微粒子堆積体を形成する方法である。ガラス微粒子堆積体を炉で透明化することでファイバ母材21を得ることができる。
得られたファイバ母材21を芯線製造装置20で線引きする。芯線製造装置20は、ヒータ23、樹脂層被覆ダイス25、29、紫外線照射装置27、31、巻取り装置37等からなる。
まず、ファイバ母材21をヒータ23で加熱溶融して延伸し(図中矢印D方向)、所定の径を有するファイバ裸線33を得る。これにより、60〜300μmの芯線が得られる。次に、一定温度に加温された液状樹脂が供給された樹脂層被覆ダイス25にファイバ裸線33を通過させ、外周に液状樹脂を塗布する。ここで、樹脂層被覆ダイス25のクリアランスは、例えば、紫外線照射後の硬化収縮を考慮して、被覆厚さより大きめの被覆暑さの2倍程度に設定される。
液状樹脂の塗布は、次いで、紫外線照射装置27によって塗布した液状樹脂を硬化させ、緩衝樹脂層18を形成させる。その後、フィラーが添加された紫外線硬化樹脂を用いて、樹脂層被覆ダイス29および紫外線照射装置31により、樹脂製保護層13を形成させる。なお、緩衝樹脂層18が不要の場合は、樹脂層被覆ダイス25と紫外線照射装置27を省略すればよい。
得られた被覆ファイバ35は巻き取り装置37で巻き取られる(図中矢印E方向)。
(砥粒保持層の形成方法)
ダイヤモンド砥粒を担持する砥粒保持層は、樹脂製保護層の上に、樹脂層を形成して、その樹脂層により担持する場合と、樹脂製保護層を銀のような導電性樹脂で形成して、その導電性樹脂に通電して電解めっきを行った後、さらに電着により、砥粒を担時するように砥粒保持層を形成する場合がある。
(合成樹脂による砥粒保持層の形成)
次に、合成樹脂により砥粒保持層を形成するレジンボンド層形成工程について説明する。砥粒保持層17をレジンボンド層とする場合には、砥粒19が添加により、砥粒を分散させた熱硬化樹脂を用いて、被覆ファイバ35の製造工程と同様に樹脂層被覆ダイス、及び焼付炉により、レジンボンド層(砥粒保持層17)を形成する。ここで、レジンボンド層の形成工程において、保護層を被覆した芯線が再加熱されることで、保護層被覆時のガラス中の残留応力が除去される効果もあり、硬化性能の向上と残留応力の除去の観点では製造加工時の加工速度(線速)を遅くすることが望ましい。
ここで、樹脂製保護層13と砥粒保持層17は、相溶性を有することが望ましい。樹脂製保護層13と砥粒保持層17の樹脂の融点は、砥粒保持層17の樹脂の融点が高い方が望ましい。このような構成とすることで、砥粒保持層17の樹脂を、樹脂製保護層13に被覆する際に、樹脂製保護層13の表面が融解して、砥粒保持層17と樹脂製保護層13の密着性が向上する。
(電解めっき・電着による砥粒保持層の形成)
次に、砥粒の電着工程を説明する。図5は、ワイヤソー製造装置40を示す概略図である。まず、被覆ファイバ35を脱脂槽41に送る(図中矢印F方向)。脱脂槽41は、例えば水酸化ナトリウム水溶液が蓄えられた槽であり、被覆ファイバ35の外表面に付着している油分等の汚れが除去される。水洗槽43では、表面に付着している脱脂槽41の薬液等が洗浄される。
めっき槽45は、被覆ファイバ35に電解めっきを行い、ダイヤモンド砥粒を電着するための槽である。めっき槽45は、たとえばニッケルを溶解した溶液に砥粒を分散させたニッケル浴である。めっき槽45を通過する被覆ファイバ35には、陰極49が接続される。また、めっき槽45にはニッケル陽極51が浸漬される。陰極49と陽極51は、図示を省略した電源に接続される。以上により、所望の厚さのめっき層が形成される。
(電着で担時する場合の砥粒)
なお、砥粒には、予めカチオン系界面活性剤溶液中で処理したものが用いられる。このようにすることで、砥粒にプラスの電荷をおびさせることができる。したがって、陰極49に接続された被覆ファイバ35にクーロン力により砥粒を吸着させることができる。
めっき層で砥粒が保持された状態で、水洗槽47で余分な薬剤等を洗浄し、巻き取り装置53で巻き取られて(図中矢印G方向)、ワイヤソーが製造される。
本発明によれば、芯線11が石英ファイバからなるため、例えば従来のピアノ線よりも高い抗張力を有する。このため、ワイヤソーの破断を抑制するとともに、ワイヤソーの外径を細くすることができる。
また、芯線11の折損を防止するため、芯線11の外周に樹脂製保護層13が設けられる。さらに樹脂製保護層13中にはフィラー15が添加される。このため、芯線11を曲げた際に、芯線11が折れることがない。さらに樹脂製保護層13の外周に形成される砥粒19が樹脂製保護層13に食い込み、芯線11と接触することがない。このため、砥粒19が芯線11と接触し、芯線11に傷をつけることがなく、これにより芯線11が破断することもない。さらに、芯線11と樹脂製保護層13の間に緩衝樹脂層18を設けることで、より破損しないワイヤソー7を製作できる。
また、砥粒19は砥粒保持層17であるレジンボンド層、もしくはめっき層で保持される。砥粒保持層17の厚さをレジンボンド層、めっき層により適宜選ぶことで、歩留りのよい、耐久性の高いワイヤソーを製作できる。
このようにして構成されるワイヤソーを用いることで、ワイヤソーの耐久性に優れ、切断代が少なく歩留まりの高い切断対象物の切断方法を得ることができる。
以上、添付図を参照しながら、本発明の実施の形態を説明したが、本発明の技術的範囲は、前述した実施の形態に左右されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
以下、各種のワイヤソーを用いて、曲げ強度、切削性等を評価した。評価対象のワイヤソーは、以下の通りである。なお、フィラーおよび砥粒の平均粒径は、レーザー回折式粒度分布測定装置(島津製SALD3100)を用いて行った。フィラーの保持用樹脂に対する配合割合は、所定の平均粒径を有するフィラーの配合割合を、配合重量とフィラー密度を用いて計算により求めることができるので、計算により、目標とする体積%になるように、配合割合(質量%)を計算により求めた。尚、各実施例、比較例におけるフィラーと樹脂の配合割合を計算するに当たり、使用する樹脂の密度として、紫外線硬化型アクリレート樹脂の密度として1.05を使用して計算を行ない、フィラーの配合割合を決定した。評価に供したワイヤソーは以下の通りである。
(実施例1)
外径0.08mmに線引きしたガラスファイバに、樹脂製保護層、レジンボンド層を順に形成した。平均粒径1μmのアルミナを20体積%添加した紫外線硬化型アクリレート系樹脂を、樹脂被覆ダイスを通すことで塗布した後、紫外線を照射し被覆層を硬化させ7μmの樹脂製保護層を形成した。その後、平均粒径13.4μmのダイヤモンド砥粒を0.6g/cm添加したポリイミド系樹脂を、次のダイスを通すことで塗布した後、焼き付け炉で硬化させることで、レジンボンド層を15μm形成し、ワイヤソーを作製した。
(実施例2)
実施例1に対し、フィラーの平均粒径を1μmの代わりに、0.5μmとした他は、実施例1と同様にして実施例2としてワイヤソーを作製した。
(実施例3)
実施例1に対し、フィラーの平均粒径を1μmの代わりに、2μmとし、フィラーの添加量を20体積%の代わりに、10体積%とした他は、実施例1と同様にして実施例3としてワイヤソーを作製した。
(実施例4)
実施例3に対し、フィラーの平均粒径を2μmの代わりに、3μmとした他は、実施例3と同様にして実施例4としてワイヤソーを作製した。
(実施例5)
外径0.08mmに線引きしたガラスファイバに、緩衝樹脂層、樹脂製保護層、レジンボンド層を順に形成した。緩衝樹脂層は、紫外線硬化型アクリレート樹脂により、3μmの厚さで形成した。次に、平均粒径1μmのアルミナを20体積%添加した紫外線硬化型アクリレート系樹脂を、樹脂被覆ダイスを通すことで塗布した後、紫外線を照射し被覆層を硬化させ7μmの樹脂製保護層を形成した。その後、平均粒径13.4μmのダイヤモンド砥粒を0.6g/cm添加したポリイミド系樹脂を、次のダイスを通すことで塗布した後、焼き付け炉で硬化させることで、レジンボンド層を15μm形成し、ワイヤソーを作製した。
(実施例6〜8)
実施例5に対し、フィラーの添加量を20体積%の代わりに、それぞれ10体積%、5体積%、30体積%とした他は、実施例5と同様にして、それぞれ実施例6〜8としてワイヤソーを作製した。
(実施例9〜10)
実施例5に対し、フィラーの平均粒径を1μmの代わりに、それぞれ、3μm、0.1μm、とした他は、実施例5と同様にして、それぞれ実施例9〜10としてワイヤソーを作製した。
(実施例11)
実施例5に対し、フィラーの平均粒径を1μmの代わりに5μmとし、樹脂性保護層の厚さを7μmから10μmとした他は、実施例5と同様にして実施例11としてワイヤソーを作製した。
(実施例12〜14)
実施例5に対し、樹脂製保護層の厚さ7μmの代わりに、それぞれ15μm、3μm、20μm、とした他は、実施例5と同様にして、それぞれ実施例12〜14としてワイヤソーを作製した。
(実施例15〜17)
実施例5に対し、緩衝樹脂層の厚さ3μmの代わりに、それぞれ1μm、5μm、10μm、とした他は、実施例5と同様にして、それぞれ実施例15〜17としてワイヤソーを作製した。
(実施例18)
実施例5に対し、アルミナの代わりに、シリカとした他は、実施例5と同様にしてワイヤソーを実施例18として、作製した。
(実施例19、20)
実施例7、8に対し、アルミナの代わりにシリカとした他は、実施例7、8と同様にして、それぞれ実施例19、20として、ワイヤソーを作製した。
(実施例21、22)
実施例13、14に対し、アルミナの代わりにシリカとした他は、実施例13、14と同様にして、それぞれ実施例21、22として、ワイヤソーを作製した。
(実施例23〜27)
実施例5に対し、アルミナの代わりにそれぞれ、酸化チタン、炭酸カルシウム、マイカ、立方晶窒化ホウ素、ダイヤモンドとし、それぞれ実施例23〜27として、ワイヤソーを作製した。なお、実施例23〜27のフィラー平均径、添加量、緩衝樹脂層厚、樹脂製保護層厚を本発明の規定の範囲内で変化させた。
(実施例28、29)
実施例5に対し、アルミナの代わりにアルミナとシリカの混合、アルミナと炭酸カルシウムの混合とした他は、実施例5と同様にして、それぞれ実施例28、29として、ワイヤソーを作製した。なお、添加量はそれぞれ10体積%ずつとした。
(実施例30)
外径0.08mmに線引きしたガラスファイバに、緩衝樹脂層、樹脂製保護層、めっき層を順に形成した。緩衝樹脂層は、紫外線硬化型アクリレート樹脂により、3μmの厚さで形成した。次に、平均粒径1μmの銀粒子を30体積%添加したアクリレート系樹脂を、樹脂被覆ダイスを通すことで塗布した後、紫外線を照射し被覆層を硬化させ7μmの樹脂製保護層(導電層)を形成し、被覆ファイバを一度巻きとった。その後、めっき層形成の前処理を行い、平均粒径径13.4μmのダイヤモンド砥粒を3g/L添加したスルファミン酸ニッケル浴を通過させ、10μmのニッケルめっき層を形成し実施例30としてワイヤソーを作製した。
(実施例31)
実施例30に対し、フィラー平均砥粒径を1μmの代わりに3μmにし、添加量を30体積%の代わりに20体積%とした他は、実施例30と同様にしてワイヤソーを実施例31として、作製した。
(実施例32)
実施例30に対し、樹脂性保護層厚を7μmの代わりに15μmにした他は、実施例30と同様にしてワイヤソーを実施例32として、作製した。
(実施例33)
実施例5に対し、外径0.08mmのガラスファイバの代わりに0.15mmのガラスファイバ、平均粒径13.4μmのダイヤモンド砥粒の代わりに平均粒径34.4μmのダイヤモンド砥粒、砥粒保持層15μmの代わりに30μmとした他は、実施例5と同様にして、実施例33としてワイヤソーを作製した。
(比較例1、2)
実施例1に対し、フィラーの添加量を20体積%の代わりに、それぞれ3体積%、40体積%とした他は、実施例1と同様にして、それぞれ比較例1、2として、ワイヤソーを作製した。
(比較例3)
実施例1に対し、フィラーの平均粒径を1μmの代わりに、0.05μmとした他は、実施例1と同様にして、比較例3としてワイヤソーを作製した。
(比較例4)
実施例1に対し、フィラーの平均粒径を1μmの代わりに7μmとし、樹脂製保護層の厚さを7μmの代わりに10μmとした他は、実施例1と同様にして、比較例4としてワイヤソーを作製した。
(比較例5、6)
実施例5に対し、フィラーの添加量を20体積%の代わりに、それぞれ3体積%、40体積%とした他は、実施例5と同様にして、それぞれ比較例5、6としてワイヤソーを作製した。
(比較例7)
実施例5に対し、フィラーの平均粒径を1μmの代わりに0.05μmとした他は、実施例5と同様にして、比較例7としてワイヤソーを作製した。
(比較例8)
実施例5に対し、フィラーの平均粒径を1μmの代わりに7μmとし、樹脂製保護層の厚さを7μmから10μmとした他は、実施例5と同様にして、比較例8としてワイヤソーを作製した。
(比較例9、10)
実施例5に対し、樹脂製保護層厚さ5μmの代わりに、それぞれ2μm、25μm、とした他は、実施例1と同様にして、それぞれ比較例9、10としてワイヤソーを作製した。
(比較例11、12)
比較例5、6に対し、アルミナの代わりに酸化チタンとした他は、比較例5,6と同様にして、それぞれ比較例11、12としてワイヤソーを作製した。
(比較例13、14)
比較例7、8に対し、アルミナの代わりにシリカとした他は、比較例7、8と同様にして、それぞれ比較例13、14としてワイヤソーを作製した。
(比較例15、16)
比較例9、10に対し、アルミナの代わりに炭酸カルシウムとした他は、比較例9、10と同様にして、それぞれ比較例15、16としてワイヤソーを作製した。
(比較例17、18)
実施例30に対し、樹脂製保護層厚さ7μmの代わりに、それぞれ2μm、25μm、とした他は、実施例30と同様にしてそれぞれ比較例17、18としてワイヤソーを作製した。
(比較例19)
実施例1に対し、フィラーを添加しないで樹脂層を形成した他は、実施例5と同様にして、比較例19としてワイヤソーを作製した。
(比較例20)
外径0.225mmに線引きしたガラスファイバに、平均粒径2.6μmのダイヤモンドフィラーを50体積%と、平均粒径30.0μmのダイヤモンド砥粒を0.6g/cmずつ添加したポリイミド系樹脂を、樹脂被覆ダイスを通すことで塗布した後、焼き付け炉で硬化させることで、レジンボンド層を20μm形成し、ワイヤソーを作製した。本比較例は、本発明に対し、樹脂緩衝層と樹脂製保護層がないものである。
(比較例21)
外径0.25mmに線引きしたガラスファイバに、平均粒径10μmのシリカを20体積%添加した紫外線硬化型アクリレート系樹脂を、樹脂被覆ダイスを通すことで塗布した後、紫外線を照射し被覆層を硬化させ、緩衝樹脂層を4μm形成した。その後、平均粒径45μmのダイヤモンド砥粒を0.6g/cm添加したポリイミド系樹脂を、次のダイスを通すことで塗布した後、焼き付け炉で硬化させることで、レジンボンド層を30μm形成し、ワイヤソーを作製した。
本比較例は、本発明に対し、フィラーの平均径粒径が大きいものである。
(比較例22)
外径0.18mmに線引きしたガラスファイバに、紫外線硬化型アクリレート系樹脂を、樹脂被覆ダイスを通すことで塗布した後、紫外線を照射し被覆層を硬化させ、フィラーなしの緩衝樹脂層を2μm形成し、平均粒径2.6μmのフィラーとしてダイヤモンドを25体積%と、平均粒径25μmのダイヤモンド砥粒とを0.6g/cmずつ添加したポリイミド系樹脂を、次のダイスを通すことで塗布した後、焼き付け炉で硬化させることで、レジンボンド層を13μmを形成し、ワイヤソーを作製した。本比較例は、本発明に対し砥粒保持層(レジンボンド層)が薄いものである。
それぞれの実施例、比較例のワイヤソーに対し、ワイヤ径、曲げ強度(可撓性)、切削性の評価を行った。製作したそれぞれのワイヤソーに対し、外径を10か所測定し、その平均を取り、ワイヤ径を算出し、さらに「ワイヤ径/芯径」(芯線の径に対するワイヤソー全体の外径の比)を算出した。ワイヤ径/芯径は、2以下を合格とした。
また、φ10mmの丸棒にそれぞれのワイヤソーを巻き付け後、表面状態を観察した。観察により、剥離状態により「曲げ強度」を評価した。表内では破断したものや剥離したものは×、ヒビのみのものは○、剥離もヒビもないものを◎とした。
さらにそれぞれワイヤソーを、単線切断装置にかけ、芯線の持つ引張り強度の30%のワイヤ張力で、ワイヤ速度400m/分、押し付け圧2Nで、水道水をかけながらの切断を行い、長さ150mm単結晶シリコンの切断を行った。実施例1の開始10分間における切削量を1として換算し「切削性」を評価した。実施例1〜17、実施例18〜33、比較例1〜22に対する上記評価項目の結果をそれぞれ表1、表2、表3に示す。
Figure 2012228771
Figure 2012228771
Figure 2012228771
実施例1〜33は、「曲げ強度」、「切削速度」および「ワイヤ径/芯径」の全てを満足した。例えば、実施例1〜4は、緩衝層が存在しないが、フィラーの平均粒径、フィラー添加量等が適正であるため、曲げ試験によってひびは見られたものの剥離・破断はなく、切削性等に優れる。
次に実施例5〜8は、曲げ強度および切削性等に優れる。添加量が10〜20体積%であれば、砥粒の食込み性をより効果的にし、破断せず切削性を保つことができた。特に実施例5、6は曲げ強度も極めて良好で、切削性も優れる結果となった。なお、実施例7は、添加量が5体積%であり、砥粒の食込みが多少起こり、砥粒の固定が不安定になり切削性は落ち、実施例8は曲げ性が多少落ちたが、破断には至らなかった。
また、実施例9〜11は、フィラーの平均粒径が適正であるため、曲げ強度および切削性等に優れる。特に、フィラーの平均粒径が1〜3μmであれば、砥粒の食込み防止性をより効果的にし、破断せず切削性を保つことができた。なお、実施例10は、フィラー径が0.1μmであるため、砥粒の食い込みが多少起こり、切削性は落ちたが、破断は防止できた。実施例11に関しては、曲げ試験後の観察でひびが見られたが、切削性は良好であった。
また、実施例12〜14は、樹脂製保護層の厚みが適正であるため、曲げ強度および切削性等に優れる。特に、樹脂製保護層の厚みが3μm以上であれば、樹脂製保護層の剥離・破断がなく、樹脂製保護層の厚みは5μm以上であれば、ひびも見られなかった。
実施例15〜17は、緩衝樹脂層の厚さが適正であるため、曲げ強度および切削性等に優れる。特に、緩衝樹脂層の厚さが1〜5μmであれば、曲げ強度、切削性は極めて優れる。実施例17は樹脂緩衝層が10μmであり、曲げ強度は優れるものの切削性が多少落ちたが、破断には至らなかった。
実施例18〜22は、フィラーをアルミナからシリカに変更したものであり、アルミナとの差はほとんどなく、良好な曲げ強度、切削性を示した。
また、実施例23〜29は、フィラーをそれぞれ酸化チタン、炭酸カルシウム、マイカ、立方晶窒化ホウ素、ダイヤモンド、アルミナ+シリカ、アルミナ+炭酸カルシウムに変えたものである。これらも、曲げ強度、切削性共にアルミナの場合とほとんど差はなく、良好な曲げ強度、切削性を示した。また、硬度の高い、立方晶窒化ホウ素やダイヤモンドを用いた場合、砥粒食込み防止性をより増加でき、極めて良好な切削性が出た。
また、実施例30〜32は、電着による砥粒の固定であり、曲げ性を確保しつつ、砥粒の保持力が高く極めて高い切削性を得られた。
また、実施例33は曲げ強度も良く、切削性もよい結果が得られた。特に、実施例33は、太径の芯線を用いたため、より高負荷の必要な被切削物を加工する時、例えば、サファイアのスライスなどに使用することができる。本試験では他の実施例と同様の単結晶シリコンを切削したが、ワイヤテンションを強くかけることができたため、切削性が他の実施例に比べ高い結果が得られた。
これに対し、比較例1、5は、フィラーの添加量が少なすぎるため、樹脂緩衝層の有無に関係なく、切削時に砥粒が食い込みガラスが破断した。
また、比較例2、6は、添加量が多すぎるため、樹脂製保護層における樹脂の部分の割合が少なくなり、樹脂緩衝層の有無に関係なく、樹脂の強度が低下した。このため、曲げ強度が悪くなった。さらにフィラーの添加量が多い場合、光透過性が悪く、紫外線効果樹脂の未硬化部ができた結果、切削時に樹脂製保護層が剥離し、ガラスの破断に至った。
また、比較例3、7は、フィラーの平均粒径が小さ過ぎるため、樹脂緩衝層の有無に関係なく、切削時に砥粒の食い込みを防止できず破断した。
また、比較例4、8は、フィラーの平均粒径が大きすぎるため、樹脂の結合部分が少なくなる箇所ができ、樹脂緩衝層の有無に関係なく、樹脂製保護層の強度が低下し、曲げ強度が悪くなった。さらにフィラーの平均径が大きいため、切断時にフィラー自身が芯線に接触し破断に至った。
また、比較例9は、樹脂製保護層の厚さが薄すぎるため、曲げ強度が悪くなった。さらに砥粒の食い込みも防止できず切削時に破断した。
また、比較例10は、樹脂製保護層の厚さが厚すぎるため、ワイヤソーの径が大きくなり、切断代が増え歩留りが悪くなった。すなわち、芯線径に対して、ワイヤソーの径が2倍を超えるため、切断代が大きい。このように、樹脂製保護層の厚さが20μmを超えると、従来のワイヤソーの外径と変わらなくなり、芯線の材質をガラスとした特徴が出せなくなる。
比較例11〜16はフィラーを変えているが、それぞれ比較例5〜10と同様の理由で破断に至った。
比較例17、18は、めっき層で砥粒を固定したワイヤソーであるが、比較例17は比較例9と同様の理由で破断に至り、比較例18はワイヤソーの径が大きくなり、歩留りが悪くなった。
比較例19は樹脂製保護層内にフィラーが存在しないワイヤソーであり、曲げ強度はいいものの、砥粒の食い込みを防止できず切削時に破断に至った。
比較例20は、緩衝樹脂層や樹脂性保護層が存在しなく、砥粒とガラスが直接触れるため、切削時に砥粒が食い込んで破断に至った。
比較例21は、フィラー径が大きく、切削時にフィラー自身がガラスを傷つけ破断に至った。
比較例22は、曲げ性も良好で、切削時にも破断はなかったが、砥粒保持層としてのレジンボンド層が薄く、砥粒の保持力が不十分で切削性が極めて悪い結果となった。
1………切断装置
3………インゴット
5………保持部
7、7a………ワイヤソー
9………ローラ
11………芯線
13………樹脂製保護層
17………砥粒保持層
18………緩衝樹脂層
19………砥粒
20………ワイヤソー製造装置
21………ファイバ母材
23………ヒータ
25………樹脂層被覆ダイス
27………紫外線照射装置
29………樹脂層被覆ダイス
31………紫外線照射装置
33………ファイバ裸線
35………被覆ファイバ
37………巻き取り装置
40………ワイヤソー製造装置
41………脱脂槽
43………水洗槽
45………めっき槽
47………水洗槽
49………陰極
51………陽極
53………巻き取り装置

Claims (11)

  1. 石英ファイバからなる芯線と、
    前記芯線の外周に形成され、前記芯線を保護する樹脂製保護層と、
    前記樹脂製保護層の外周に形成され、砥粒を保持する砥粒保持層と、
    砥粒と、を具備し、
    前記芯線の芯径は60〜300μmであり、
    前記砥粒の平均粒径は5〜50μmであり、
    前記樹脂製保護層には、フィラーが添加されることを特徴とする樹脂製保護層を有するワイヤソー。
  2. 前記樹脂製保護層の厚さは3〜20μmであり、前記フィラーの平均粒径が0.1〜5μmであり、前記樹脂製保護層の厚さの50%以下であり、前記フィラーの添加量は5〜30体積%であることを特徴とする請求項1記載の樹脂製保護層を有するワイヤソー。
  3. 前記フィラーの最大粒径が、前記樹脂製保護層の厚さ以下であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の樹脂製保護層を有するワイヤソー。
  4. 前記フィラーは、炭酸カルシウム、マイカ、シリカ、アルミナ、ルチル型酸化チタン、立方晶窒化ホウ素、ダイヤモンドの少なくともいずれか1種以上を含むものであることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の樹脂製保護層を有するワイヤソー。
  5. 前記樹脂製保護層は、ラジカル硬化型紫外線硬化樹脂、エポキシ樹脂系のカチオン硬化型紫外線硬化樹脂、ポリイミド系の熱硬化樹脂のいずれかであることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の樹脂製保護層を有するワイヤソー。
  6. 前記芯線と前記樹脂製保護層の間には、フィラーが添加されない緩衝樹脂層が形成されることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記載の樹脂製保護層を有するワイヤソー。
  7. 前記緩衝樹脂層が前記樹脂製保護層と同種の樹脂で構成され、緩衝樹脂層の厚さが1〜5μmであることを特徴とする請求項6記載の樹脂製保護層を有するワイヤソー。
  8. 前記砥粒保持層は、レジンボンド層であり、前記砥粒保持層の厚さは、前記砥粒の平均粒径に対し2/3〜3/2であることを特徴とする請求項1から請求項7のいずれかに記載の樹脂製保護層を有するワイヤソー。
  9. 前記フィラーは導電性を持つ金属粒子であり、
    前記砥粒保持層がめっき層であり、前記めっき層の厚さが前記砥粒の平均粒径に対し1/4〜1/1であることを特徴とする請求項1から請求項7のいずれかに記載の樹脂製保護層を有するワイヤソー。
  10. 石英ファイバからなる芯線と、
    前記芯線の外周に形成され、前記芯線を保護する樹脂製保護層と、
    前記樹脂製保護層の外周に形成され、砥粒を保持する砥粒保持層と、
    砥粒と、を具備し、
    前記芯線の芯径は60〜300μmであり、
    前記砥粒の平均粒径は5〜50μmであり、
    前記樹脂製保護層には、フィラーが5〜30%体積%添加され、
    前記樹脂製保護層の厚さは3〜20μmであり、前記砥粒保持層がレジンボンド層の場合には、砥粒径の2/3〜3/2であり、さらに、砥粒保持層がめっき層の場合には、前記砥粒の平均粒径に対し1/4〜1であるワイヤソーを用い、切断対象物を切断することを特徴とするワイヤソーを用いた切断方法。
  11. 前記切断対象物は硬脆材料であり、
    前記フィラーの平均径が0.1〜5μmであり、前記樹脂製保護層の厚さの50%以下であり、最大粒径が前記樹脂製保護層以下であることを特徴とする請求項10記載のワイヤソーを用いた切断方法。
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