JP2012225934A - 水中航走体および障害物探知装置 - Google Patents

水中航走体および障害物探知装置 Download PDF

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Abstract

【課題】海底の様子だけでなく、海面近くの状態も探知することの可能な障害物探知装置並びに該障害物探知装置を備えることにより、比較的浅い海域を円滑に航走することのできる水中航走体を提供することを目的とする。
【解決手段】水中航走体1に、送信ビームを送出機能を備えるとともに、送出した送波ビームが対象物によって反射された反射波を受信する受信機能を有する平面アレイ10を設ける。平面アレイ10の上方に設けられた素子11によって受信された反射波に基づいて上方受信信号が作成され、平面アレイ10の下方に設けられた素子11により受信された反射波に基づいて下方受信信号が作成される。処理部は、上方受信信号から上方受波ビームを算出するとともに、下方受信信号から下方受波ビームを算出し、算出した上方受波ビーム及び下方受波ビームから海底高度を算出する。
【選択図】図11

Description

本発明は、例えば、水中を自律航走する水中航走体に設けられ、航走方向前方にある障害物を探知する障害物探知装置に関するものである。
従来、水中航走体に搭載される音響センサから水中航走体の真下に向けて音波を送信し、送信から海底エコーを受信するまでの時間を測定することにより、海底までの距離(海底高度)を計測し、水中航走体が海底に衝突することを回避しながら自律航走を行う技術が提案されている。
しかしながら、前方の海底が急に隆起している場合、直下の海底高度を計測しても衝突を回避できない危険性がある。そこで、例えば、特許第3543794号公報には、前方障害物を探知するための前方探知ソーナーにより取得される水平方位、垂直方位、距離の3次元データに基づいて前方の海底面を検出する方法が開示されている。
特許第3543794号公報
しかしながら、上記特許文献1の発明では、初期値として想定高度を設定し、繰り返し計算により海底高度等を判定するため、十分な精度が得られない可能性があった。
また、近年では、比較的浅い海域を航走することも計画されており、前方の様子や海面近くの状態も把握して、海面に浮遊する障害物や海底の障害物等への衝突を回避しながら自律航走を円滑に行うことが要求される。
本発明は、上記問題を解決するためになされたもので、その目的の一つは、海底の様子だけでなく、海面近くの状態も探知することの可能な障害物探知装置並びに該障害物探知装置を備えることにより、比較的浅い海域を円滑に航走することのできる水中航走体を提供することである。
また、本発明の他の目的は、海底高度をより高い精度で得ることができるとともに、前方の障害物についても探知可能な障害物探知装置および該障害物探知装置を備えることにより、円滑な自律航走を行うことの可能な水中航走体を提供することである。
上記課題を解決するために、本発明は以下の手段を採用する。
本発明は、水中を航走する水中航走体に設けられ、該水中航走体の前方、且つ、ほぼ水平方向、又は、該水中航走体の前方、且つ、水平方向から所定角度範囲内で下方に向けて送波ビームを送出するビーム送信手段と、該送波ビームの反射波を受信し、上方受信信号を出力する上方受信手段と、該上方受信手段の下方に間隔をあけて配置されるとともに、該送波ビームの反射波を受信し、下方受信信号を出力する下方受信手段と、前記上方受信信号から上方受波ビームを算出するとともに前記下方受信信号から下方受波ビームを算出し、算出した上方受波ビーム及び下方受波ビームから海底高度を算出する処理部とを具備する障害物探知装置を提供する。
このような構成を備えることにより、上方受波ビーム及び下方受波ビームからなる2つの受波ビームを用いて海中高度を算出することが可能となる。ここで、送波ビームを水平方向より下方、好ましくは、やや下方、最大で水平方向に対して45°の範囲で送出させることで、海底へのビームの入射角を大きくすることが可能となることから、海底によって反射されて戻ってくる反射ビームの強度を高くすることができる。これにより、水平方向に向けてビームを送出する場合に比べて、更に正確なデータを取得することができ、海底高度の算出精度を高めることが可能となる。
上記障害物検知装置において、前記処理部は、前記上方受信信号及び前記下方受信信号の位相を調整することで、前記上方受波ビーム及び下方受波ビームの向きを変更する機能を備えていてもよい。
また、上記障害物検知装置において、前記処理部は、前記上方受波ビーム及び下方受波ビームを水平方向に対して所定角度範囲内で下方に向けさせることとしてもよい。
このように、上方受波ビーム及び下方受波ビームをやや下方に向けることにより、海底によって反射されて戻ってくる反射ビームの強度を擬似的に高くすることができる。これにより、水平方向に向けてビームを送出する場合に比べて、更に正確なデータを取得することができ、海底高度の算出精度を高めることが可能となる。
上記障害物検知装置において、前記上方受信手段及び下方受信手段は、それぞれ複数の受信素子で構成されており、前記処理部は、上方受信手段を構成する複数の受信素子からの受信信号を加算することで前記上方受波ビームを算出し、前記下方受信手段を構成する複数の受信素子からの受信信号を加算することで前記下方受波ビームを算出することとしてもよい。
上記障害物探知装置は、前記水中航走体の姿勢を検出する姿勢センサを更に備え、前記姿勢センサによる検出結果を用いて、前記処理部が前記海底高度を算出することとしてもよい。
このように、上方受波ビーム及び下方受波ビームに加えて、姿勢センサによる検出結果を用いて海底高度を算出するので、海底高度の算出精度を更に向上させることが可能となる。
上記障害物探知装置において、前記処理部は、前記上方受波ビームと前記下方受波ビームとの位相差のばらつきを評価する評価値を算出し、該評価値が予め設定されている所定の閾値以上の場合に、前記反射波が検知対象である前方の海底からの反射波ではないと判定し、前記反射波による検出結果を無効とすることとしてもよい。
これにより、信頼性の低いデータを無効とすることが可能となり、海底誤検出を防止することが可能となる。
上記障害物探知装置において、前記処理部は、前記上方受波ビームと前記下方受波ビームとの位相差のばらつきを評価する評価値を算出し、該評価値が予め設定されている所定の閾値以上の場合に、前記送信手段から送出される前記送波ビーム及び前記上方受波ビーム並びに前記下方受波ビームとを更に下方に向くように調整することとしてもよい。
このように、上方受信手段及び下方受信手段によって受信された反射波の信頼性が低かった場合には、送波ビーム及び前記上方受波ビーム並びに下方受波ビームを下方に修正することで、海底に対するビームの入射角度を大きくさせる。これにより、反射波の強度を高くすることが可能となり、より信頼性の高いデータを取得することが可能となる。この結果、海底高度の算出結果の信頼性を高めることが可能となる。
上記障害物探知装置において、前記処理部は、前記上方受波ビーム及び前記下方受波ビームを用いて前記水中航走体の前方に存在する障害物を探知することとしてもよい。
これにより、海中高度だけでなく、前方の障害物を効率的に探知することが可能となる。
上記障害物探知装置において、前記水中航走体の航走速度が遅いほど、前記送信手段から送出される前記送波ビームおよび前記上方受波ビーム及び前記下方受波ビームが下方に向くように調整することとしてもよい。
水中航走体の速度が遅い場合には、遠方に存在する障害物を探知する必要性は低下し、より近傍に存在する障害物や海底高度を算出する方が重要となる。このため、水中航走体の速度が遅い場合には、前記送波ビーム及び前記上方受波ビーム並びに下方受波ビームが下方に向くように調整し、より近くの障害物探知を行うとともに、精度よく海底高度を算出する。これに対し、水中航走体の速度が速い場合には、遠方に存在する障害物を探知する必要性が高くなる。従って、この場合には、前記送信手段から送出される前記送波ビーム及び前記上方受波ビーム並びに下方受波ビームが水平方向を向くように調整し、より遠方まで障害物探知を行う。このように、水中航走体の航走速度に応じてビームの向きを調整することにより、水中航走体の航走状態に応じて適切な範囲の障害物探知を実施することが可能となる。
上記障害物探知装置において、前記処理部によって前方正面に障害物が検出された場合に、水平面上において、前記送信手段から送出される前記送波ビーム及び前記上方受波ビーム並びに下方受波ビームを同じ角度だけ、右側または左側にシフトさせることとしてもよい。
このような構成によれば、前方正面に障害物が探知された場合には、前記送信手段から送出される前記送波ビーム及び前記上方受波ビーム並びに下方受波ビームの水平方向における角度を大きくすることとなる。例えば、前記送信手段から送出される前記送波ビーム及び前記上方受波ビーム並びに下方受波ビームを右側にシフトさせることにより、水中航走体の前方右側の障害物有無を観察することが可能となる。また、前記送波ビーム及び前記上方受波ビーム並びに下方受波ビームを左側にシフトさせることにより、水中航走体の前方左側の障害物有無を観察することが可能となる。
これにより、前方だけでなく、左右方向における障害物の探知を行うことにより、前方に存在する障害物を回避するための迂回路を見つけることができる。この結果、前方に障害物が存在していた場合でも、それを回避して航走を継続して行うことが可能となる。
上記障害物探知装置は、直下の海底高度を検出する他の検出手段を備え、前記処理部は、前記他の検出手段によって検出された現在位置での海底高度と、前記処理部によって過去に算出された現在位置の海底高度とを比較し、両者の差が所定の大きさ以上であった場合に、前記送波ビーム及び前記上方受波ビーム並びに下方受波ビームを更に下方に向くように調整することとしてもよい。
例えば、水中航走体が1m/sで航走している場合を想定すると、前記他の検出手段により検出された現在位置での海底高度と、上記処理部が100秒前に検出した100m前方の海底高度を比較する。これら2種類の検出値は海底の同じ場所を測定しているはずなので、計測が正しければ理想的には同じ値になる。よって、両者の測定値を比較することにより、処理部による海底高度の算出精度が十分であるか否かを判定することが可能となる。
上記他の検出手段の一例としては、シングルビーム測深機が挙げられる。
そして、他のセンサによって検出された海底高度との乖離が所定値以上であった場合には、前記送波ビーム及び前記上方受波ビーム並びに下方受波ビームを更に下方に向くように調整し、海底高度の検出精度を向上させる。これにより、海底高度の検出精度と最大探知範囲のトレードオフが図られる。
本発明は、上記障害物探知装置を備える水中航走体を提供する。
本発明の参考例としての他の態様は、水中を航走する水中航走体に設けられ、該水中航走体の前方に存在する障害物を探知する障害物探知装置であって、前記水中航走体に互いに間隔をあけて設けられ、該水中航走体の前方に向けてビームを送出するとともに、該ビームの反射波を受信可能な複数のセンサからなるセンサ群と、複数の前記センサの検出結果から前方の障害物を検出する処理部とを具備し、各前記センサは、各前記センサから送出されるビームが交差することなく、かつ、前方に設定されたそれぞれ異なる目標領域に対して送出されるように配置されている障害物探知装置である。
このような構成によれば、水中航走体に複数のセンサを設け、これら各センサから水中航走体の前方に向けてビームを送出する。この場合において、各ビームは交差することなく、かつ、前方に設定されたそれぞれ異なる目標領域に対して送出されるので、前方の所定の領域に存在する障害物を効率的に探知することが可能となる。また、このように複数のセンサから送出された複数のビームの束によって所定の範囲の障害物探知を行うので、各センサの設置位置や設置向きを調整することにより、探知範囲を適切な範囲に設定・変更することが可能となる。
上記センサは、狭いビーム幅のビームを送出するものが好ましい。狭いビーム幅とは、例えば、約0.1°以上約30°以下、より好ましくは、約1°以上25°以下、好ましくは、約1°以上約20°以下である。また、上記センサは、網などの小さい物体も探知できるような周波数、例えば、高周波(1から2MHz)のビームを送出するものが好ましい。このように、高周波のビームを送出するセンサを用いることにより、指向性が高く、至近距離でビームが減衰するために、乱反射や散乱等の影響を低減させることができる。
上記障害物探知装置において、複数の前記センサは、水平方向および垂直方向に所定の間隔をあけて配置されるとともに、一の前記センサから送出されるビームのビーム中心軸と前記水中航走体の軸線とがなすピッチ角が、他のセンサのピッチ角と異なるように配置されていてもよい。
このようにセンサを配置することで、ビームをより規則正しく前方に送出させることが可能となる。これにより、効率的に障害物探知を行うことが可能となる。
上記障害物探知装置において、前記ピッチ角は、前記センサ群の内方よりも外方の方が大きな値に設定されていることとしてもよい。
このように、センサ群の内方に配置されるセンサのピッチ角よりも、外方に配置されるセンサのピッチ角の方が大きく設定するので、より広い範囲を効率的に探索することが可能となる。
また、上記ピッチ角度を、センサ群の内方から外方にいくに従い、徐々に大きく設定することにより、きれいな放射状にビームを照射することが可能となる。これにより、更に効率的に前方の障害物を探知することが可能となる。
上記障害物探知装置において、所定の順番に従って各前記センサを順次作動させることとしてもよい。
このように、各センサを順番に作動させることにより、各センサを同時に作動させることによって生ずる乱反射や音響干渉による影響を低減あるいは解消することが可能となる。この結果、探知精度を向上させることができ、従来では探知できなかった種類の障害物、例えば、漁網等についても障害物として探知することができる。
上記障害物探知装置において、複数の前記センサを、隣り合う前記センサ同士が同じグループに属さないように、複数のグループに分割し、所定の順番に従って前記グループ毎に前記センサを順次作動させることとしてもよい。
このように、グループ毎に順番にセンサを作動させることで、乱反射や音響干渉による影響を低減あるいは解消することが可能となり、障害物の探知精度を向上させることができる。更に、同じグループに属する複数のセンサを同時に作動させるので、各センサを順番に作動させる場合に比べて、全てのセンサを作動させるために費やす時間を短くすることが可能となる。従って、高精度で、かつ、効率的に障害物探知を実施することができる。
上記障害物探知装置において、複数の前記センサは、近距離用センサと遠距離用センサとに分類され、遠距離用センサから送出されるビームの到達距離は、前記近距離用センサから送出されるビームの到達距離よりも長く設定されていることとしてもよい。
このように、近距離用センサと遠距離用センサとを備えることにより、目的に応じて、或いは、水中航走体の速度に応じて、探知範囲を切り替えることが可能となる。また、両方を同時期に用いることにより、近距離前方と遠距離前方における障害物を探知することが可能となる。
本発明によれば、比較的浅い海域を円滑に航走することのできるという効果を奏する。
また、本発明によれば、海底高度をより高い精度で得ることができるとともに、前方の障害物についても探知することができるという効果を奏する。
本発明の第1の実施形態に係る水中航走体の全体構成を示した模式図である。 水中航走体の前面に設けられたセンサ群を示した図である。 水中航走体を上方から見たときの近距離用センサ群の照射ビームの一部を示した図である。 水中航走体を側方から見たときの近距離用センサ群の照射ビームの一部を示した図である。 水中航走体を上方から見たときの遠距離用センサ群の照射ビームを示した図である。 水中航走体を側方から見たときの遠距離用センサ群の照射ビームを示した図である。 センサ群から送出されたビームが前方に設定された所定の領域に照射されることを説明するための図である。 処理部による分析結果の一例を示す図であり、水中航走体からみて前方左上に障害物が存在していることを示した図である。 センサ群を構成する各センサを順次作動させる場合について説明するための図である。 センサ群を複数のグループに分割し、グループ毎に順番にセンサを作動させるとともに、同じグループに属するセンサを同時に作動させる場合について説明するための図である。 本発明の第3の実施形態に係る障害物探知装置が備える平面アレイの一例を示した図である。 送波ビームの主軸の一例を示した図である。 本発明の第6の実施形態に係る障害物探知装置の作動について説明するための図である。 本発明の第8の実施形態に係る障害物探知装置の作動について説明するための図である。
以下に、本発明に係る障害物探知装置および水中航走体の各実施形態について、図面を参照して説明する。
〔第1の実施形態〕
図1は、本発明の第1の実施形態に係る水中航走体の全体構成を示した模式図、図2は、水中航走体1の前面に設けられたセンサ群を示した図である。
図1に示されるように、水中航走体1は、水中を自律航走するものであり、前方に存在する障害物を探知するための障害物探知装置2を備えている。障害物探知装置2は、水中航走体1に互いに間隔をあけて設けられ、該水中航走体1の前方に向けてビームを送出するとともに、該ビームの反射波を受信可能な複数のセンサからなるセンサ群3(図2参照)と、複数のセンサの検出結果から前方の障害物を検出する処理部(図示略)とを備えている。
障害物探知装置2のセンサ群3は、図2に示されるように、水中航走体1の前面に設けられている。センサ群3は、例えば、水平方向および垂直方向に互いに間隔をあけて設けられ、水中航走体1の前方に向けてビームを送出するとともに、該ビームの反射波を受信可能な複数のセンサを備えて構成されている。
このようなセンサとして、高周波(例えば、0.5MHzから2MHz)のビームを送出する高周波トランデューサを使用することが可能である。
センサ群3を構成するセンサは、比較的近い距離圏内に存在する障害物を探知するための近距離用センサ群3aと、比較的遠い距離圏内に存在する障害物を探知するための遠距離用センサ群3bとに分類される。本実施形態では、近距離用センサを21個、遠距離用センサ群3bを5個備えた場合を想定している。
ここで、近距離用センサと遠距離センサとは相対的な関係にあればよく、近距離用センサの照射ビームの到達距離が、遠距離用センサの照射ビームの到達距離よりも短ければよい。近距離用センサおよび遠距離用センサによる探知範囲については、設計により任意に設定、変更できるものである。
図3は、水中航走体1を上方、換言すると、垂直方向に見たときの近距離用センサ群3aの照射ビームの一部を示した図、図4は水中航走体1を側方、換言すると、水平方向に見たときの近距離用センサ群3aの照射ビームの一部を示した図、図5は、水中航走体1を上方、換言すると、垂直方向に見たときの遠距離用センサ群3bの照射ビームを示した図、図6は水中航走体1を側方、換言すると、水平方向に見たときの遠距離用センサ群3bの照射ビームを示した図である。
図3から図6に示されるように、センサ群3を構成する各センサは、各センサから送出されるビームが交差することなく、かつ、前方に設定されたそれぞれ異なる目標領域に対して送出されるように配置されている(図7参照)。
また、例えば、各センサは、水平方向および垂直方向において、一のセンサから送出されるビームと水中航走体1の軸線Lとがなす角度(以下「ピッチ角」という。)が、他のセンサのピッチ角と異なるように配置されている。より好ましくは、水平方向および垂直方向において、センサ群3の外方に配置されているセンサのピッチ角が内方に配置されているセンサのピッチ角よりも大きく設定されているとよい。
このように配置することにより、水中航走体1の前方に、放射状にきれいにビームが広がることとなり、より効率的に前方の様子を捉えることが可能となる。
例えば、近距離用センサ群3aの場合、図4に示すように、内方に配置されたセンサから送出されるビームによるピッチ角θ1と、それよりも外方に配置されたセンサから送出されるビームによるピッチ角θ2とは異なる値に設定されているとともに、ピッチ角θ1よりもピッチ角θ2の方が大きく設定されている。
更に、本実施形態においては、センサ群3の中心を基準として対称に配置されているセンサから送出されるビームのピッチ角を同じ値に設定するとともに、各センサから送出されるビームのピッチ角が等間隔で変化するように、各センサの設置向きを調節する。これにより、更にきれいな放射状を描くビームを形成することが可能となる。
例えば、本実施形態においては、図3および図4に示すように、水中航走体1の軸線Lとセンサから送出されるビームのなす角であるピッチ角が水平方向および垂直方向において対称とされている。更に、ビームが中心軸から離れるにつれて、そのピッチ角が等倍で増加するように各センサが設置されている。例えば、図4において、ピッチ角θ2=θ1×2,θ3=θ1×2とされている。
次に、上記構成を備える水中航走体1における障害物探知装置2の作動について説明する。
まず、各センサは同時にビームを送出する。これにより、図3から図6に示したように、近距離用センサ群3aを構成する各センサおよび遠距離用センサ群3bを構成する各センサから放射状にビームが前方に向けて送出される。
各ビームの照射線上に障害物が存在しない場合には、ビームは反射されることはない。従って、反射ビームがセンサによって受信されることはないので、受信される信号の強度は非常に低いものとなる。
一方、図7に示すように、ビームの照射線上に障害物が存在した場合には、ビームはその障害物に衝突することにより反射され、その反射ビームが対応するセンサによって受信される。この場合において、各センサはビームを送出してから反射ビームを受信するまでの時間を計測しており、その時間とビームの速度に基づいて、障害物の位置を特定することが可能となる。
各センサによって受信された信号は、図示しない処理部に出力され、処理部において各センサによって反射ビームが受信されるまでに要した時間を分析することにより、水中航走体1の前方における障害物の様子が検出される。図8に、処理部による分析結果の一例を示す。図8では、水中航走体1からみて前方左上に障害物が存在していることを示している。このように、障害物が探知された場合には、水中航走体1の駆動制御装置(図示略)は、障害物が探知されなかった領域に向けて航走方向等を変更する。これにより、障害物との衝突を回避しながら自律航走を円滑に行うことができる。
以上、説明してきたように、本実施形態に係る水中航走体1および障害物探知装置2によれば、海底の様子だけでなく、前方に存在する障害物についても探知することが可能となる。これにより、比較的浅い海域を航走する場合であっても、航走方向に存在する障害物を避けながら円滑に航走することが可能となる。
なお、上記実施形態では、近距離用センサ群3aおよび遠距離用センサ群3bとを同時に作動させる場合について述べたが、状況に応じてこれらいずれか一方を用いて前方の障害物探知を行うこととしてもよい。例えば、水中航走体1の航走速度に応じて、いずれのセンサ群を用いるのかを決定することとしてもよい。
具体的には、水中航走体1が所定の速度以上で航走している場合には、より遠くに存在する障害物を探知することが重要となるため、遠距離用センサ群3bを作動させ、水中航走体1が所定の速度未満で航走している場合には、遠方に存在する障害物を探知する重要性が低下することから、近距離用センサ群3aを作動させる。このように、水中航走体1の航走速度に応じて使用するセンサを切り替えることにより、より用途に応じた適切な障害物探知を効果的に行うことが可能となる。
〔第2の実施形態〕
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。
上述した第1の実施形態においては、センサ群3を構成する複数のセンサを同時に作動させることにより、略同時に全てのセンサからビームが送出されるような制御を行っていた。これに対し、本実施形態に係る障害物探知装置では、各センサに対して作動させる順序を予め設定しておき、その順序に従って各センサを順次作動させる。例えば、図9に、その一部を示すように、1から10までの順番を決めておき、この順番でセンサを作動させる。これにより、各センサからは時系列で次々とビームが送出される。
このように、全てのセンサを同時に作動させるのではなく、順番に作動させることで、乱反射や音響干渉を低減あるいは解消することが可能となる。この結果、探知精度を向上させることができ、従来では探知できなかった種類の障害物、例えば、漁網等も障害物として探知することが可能となる。
また、上述のように、各センサを1つずつ順番に作動させる制御方法に代えて、干渉を起こしにくい位置に配置されているセンサについては、同時に作動させることとしてもよい。例えば、センサ群3を構成する複数のセンサを、隣り合うセンサ同士が同じグループに属さないように、複数のグループに分割し、所定の順番に従ってグループ毎にセンサを順次作動させる。例えば、図10にその一部を示すように、AからFまでのグループにセンサ群を分け、同じグループに属するセンサを同時に作動させる。
このように、グループ毎に順番にセンサを作動させることで、障害物の探知精度を向上させることが可能であるとともに、全てのセンサを作動させるまでに費やす時間を短くすることが可能となる。従って、高精度で、かつ、効率的に障害物探知を実施することができる。
〔第3の実施形態〕
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。
以下、本実施形態の障害物探知装置について、上記第1の実施形態と共通する点については説明を省略し、異なる点についてのみ説明する。
図11に示すように、本実施形態に係る障害物探知装置は、水中航走体1の前面に設けられた平面アレイ10を備えている。平面アレイ10は、多数の素子11が2次元的に配列されて構成されている。各素子11は、送波ビームを送出する機能(ビーム送信手段)を備えるとともに、送出した送波ビームが対象物によって反射された反射波を受信する受信機能を備えている。
平面アレイ10を構成する複数の素子11は、平面アレイ10の上半分と下半分の2グループに分割され、上半分の素子が上方受信手段として機能し、下半分の素子が下方受信手段として機能する。
平面アレイ10の各素子間隔は、送信ビームとして一般に使用する音波の波長λの1/2の間隔とされている。また、これら素子には、例えば、音響センサを採用することが可能である。
このような構成を備える平面アレイ10において、送波ビームの送出時においては、処理部(図示略)が各素子11に駆動電流を流すことにより、送波ビームを送出する。このとき、駆動電流が全素子同位相であれば、図12に示すように、送波ビームは平面アレイ10に垂直な方向に送出される。(なお、図12では、送波ビームの主軸を示している。)換言すると、平面アレイ10が水中航走体1の正面に配置されていれば水平方向に送波ビームが送出される。平面アレイ10の上下位置に応じて各素子11に対して適切な位相差の駆動電流を与えることにより、送波ビームの送出角度を上下方向に調整することができる。
平面アレイ10から送出された送波ビームは、前方に障害物が存在する場合にはその障害物によって反射され、その反射波が平面アレイ10の各素子11によって受信される。各素子11は受信した反射波を受信信号として出力する。
各素子から出力された受信信号は、処理部に入力される。処理部は、これら受信信号に基づいて上述した第1の実施形態と同様の方法で前方に存在する障害物を探知するとともに、以下の方法で海底からの高度を算出する。
まず、処理部は、平面アレイ10の上半分に配置されている各素子11からの受信信号(上方受信信号)を加算することにより上方受波ビームを算出し、平面アレイ10の下半分に配置されている各素子11からの受信信号(下方受信信号)を加算することにより下方受波ビームを算出する。
そして、処理部は、算出した上方受波ビーム及び下方受波ビームと以下に示す(1)式を用いることで、海底からの高度Hを算出する。
H=(cτ/2)×{φ/(2π)}×(λ/d) (1)
上記(1)式において、cは海中音速、τはビーム送出時から反射ビームを受信するまでに要した時間、φは上方受波ビームと下方受波ビームの位相差、λは音波波長、dは上方受波ビームと下方受波ビームとのビーム中心間の距離である。
処理部によって算出された海底からの高度、並びに検出された前方の障害物に関する情報は、水中航走体1の自律航走を制御する駆動制御装置に送信され、駆動制御装置において自律航走の制御に用いられることとなる。
以上説明してきたように、本実施形態に係る障害物探知装置によれば、上方受波ビーム及び下方受波ビームからなる2本の受波ビームを用いて、障害物探知と海底高度の算出とを行うことが可能となる。また、これらセンサによって得られた情報を演算式にそのまま代入することにより、海底高度を算出するので、推定や繰り返し演算等によって海底高度を算出する場合に比べて、容易に海底高度を得ることができるとともに、その算出精度も向上させることが可能となる。
また、障害物探知装置によって取得された情報に基づいて水中航走体1の航走制御が行われるので、前方の障害物との衝突を回避しながら、海底高度を常に考慮した海底或いは海中探査を行うことが可能となる。
〔第4の実施形態〕
次に、本発明の第4の実施形態について説明する。
本実施形態に係る障害物探知装置においては、処理部が海底高度Hを以下の(2)式を用いて算出する点で上述した第3の実施形態と異なる。
H=(cτ/2)×sin(θv−θp) (2)
ただし、θv=arcsin[{φ/(2π)}×(λ/d)]
上記(2)式において、θpは、ビーム送出時における水中航走体1のピッチ角(水平方向と水中航走体1の軸線Lとのなす角)であり、上方(海面)を正とした値である。
このように、(2)式は、上述の(1)式において、水中航走体1の姿勢に関するパラメータ、例えば、水中航走体1のピッチ角をパラメータとして更に追加したものである。通常、水中航走体1は自律航走のために、自己の姿勢を検出する姿勢センサを搭載している。ここでは、姿勢センサの検出結果であるピッチ角を更に用いて海底高度を算出する。
このように、水中航走体1の姿勢を加味して海底高度を算出することにより、海底高度の算出精度を更に向上させることが可能となる。
〔第5の実施形態〕
次に、本発明の第5の実施形態について説明する。
上述した第3の実施形態では、送波ビーム及び上方受波ビーム並びに下方受波ビームを下向きにシフトさせる。例えば、ビームを下方に向けて送出した場合、海底へのビームの入射角を大きくすることが可能となる。これにより、海底によって反射されて戻ってくる反射ビームの強度を高くすることが可能となり、更に正確なデータを取得することができる。この結果、海底高度の算出精度を更に高めることが可能となる。
上記送波ビームの上下シフトについては、処理部が各素子11に与える駆動電流の位相を平面アレイ10の上下方向における各素子11の位置に応じて適切に変えることで行われる。
また、上方受波ビームの上下シフトについては、処理部が平面アレイ10の上半分に配置されている各素子11からの受信信号を加算して上方受波ビームを算出する際に、各素子11からの受信信号の位相をその素子の上下方向における配置位置に応じてシフトさせることにより行われる。また、下方受波ビームの上下シフトについても、同様の手法により行われる。
〔第6の実施形態〕
次に、本発明の第6の実施形態について説明する。
本実施形態に係る障害物探知装置では、処理部が、上方受波ビームと下方受波ビームとの位相差のばらつきを評価する評価値を算出し、この評価値が予め設定されている所定の閾値以上の場合に、各センサによって取得されたデータを無効とする点で、上述した第3の実施形態に係る障害物探知装置と異なる。
例えば、平面アレイを構成する各素子によって受信される反射ビームには、ノイズが含まれている。特に、海底高度が高い場合、海底によって反射されて戻ってくる反射ビームの強度は弱くなることからノイズがのりやすく、S/N比が低くなる。本実施形態では、各素子によって受信された受信信号に基づいて算出される上方受波ビーム及び下方受波ビームの分散値を評価値として計算し、この分散値が予め設定されている所定値以上であった場合には、各センサによって取得されたデータの信頼性が低いと判断し、これらのデータを無効とする。このように、信頼性の低いデータを無効とすることで、海底高度の算出結果の信頼性を高めることが可能となる。
なお、本実施形態では、信頼性が低いデータを無効とすることとしたが、これに代えて、水平方向に対する送波ビーム及び上方受波ビーム並びに下方受波ビームのピッチ角θを評価値に応じて調整することとしてもよい。図13に、送波ビームの主軸のみを代表例として示す。
例えば、評価値が大きいほど、換言すると、データの信頼性が低いほど、送波ビーム及び上方受波ビーム並びに下方受波ビームをより下方に修正する。
このように、ビームを下方に向けることにより、海底に対するビームの入射角度を大きくすることが可能となる。これにより、反射ビームの強度を高くすることができ、より信頼性の高いデータを取得することが可能となる。
〔第7の実施形態〕
次に、本発明の第7の実施形態について説明する。
本実施形態に係る障害物探知装置では、水中航走体1の航走速度に応じて送波ビーム及び上方受波ビーム並びに下方受波ビームの方向を変更させる点で上述した第3の実施形態に係る障害物探知装置と異なる。
例えば、水中航走体1の速度が早い場合、近傍の障害物探知よりも遠方の障害物探知の方が重要となる。また、速度が遅い場合には、近傍の障害物探知の方が遠方の障害物探知よりも重要となる。従って、本実施形態に係る障害物探知装置は、水中航走体1の速度が低いほどビームが下方を向くように調整することで、より精度の高い海底高度の算出を行うこととし、速度が速いほどビームが水平に近づくように調整することで、より広い範囲の障害物探知を実現させる。これにより、水中航走体1の航走状態に応じて適切な障害物探知を実施することが可能となる。
〔第8の実施形態〕
次に、本発明の第8の実施形態について説明する。
本実施形態に係る障害物探知装置では、処理部によって前方に障害物が検出された場合に、水平面上において、送波ビーム及び上方受波ビーム並びに下方受波ビームの主軸が水中航走体の軸となす角度αを大きくする点において、上述の第3の実施形態と異なる。図14に、送波ビームの主軸のみを代表例として示す。
例えば、前方に障害物が探知された場合、この障害物を回避して航走する必要が生ずる。このような場合においては、例えば、送波ビーム及び上方受波ビーム並びに下方受波ビームを左右方向にシフトさせることにより、水中航走体1の左右方向の様子を観察する。
上記送波ビームの左右シフトについては、処理部が各素子11に与える駆動電流の位相を平面アレイ10の左右方向における各素子の位置に応じて適切に変えることで行われる。
また、上方受波ビームの左右シフトについては、処理部が平面アレイ10の上半分に配置されている各素子11からの受信信号を加算して上方受波ビームを算出する際に、各素子11からの受信信号の位相をその素子の左右方向における配置位置に応じてシフトさせることにより行われる。また、下方受波ビームの左右シフトについても、同様の手法により行われる。
以上説明したように、本実施形態に係る障害物探知装置によれば、いずれかの方向に障害物が検出されなかった場合には、障害物が検出されなかった方向に水中航走体1を移動させることで、前方に存在していた障害物を回避して航走を継続して行うことが可能となる。このように、前方に障害物が検出された場合には、その周囲の状況を観察するので、最適なルートを取って航走を継続させることが可能となる。
〔第9の実施形態〕
次に、本発明の第9の実施形態について説明する。
本実施形態に係る障害物探知装置では、水中航走体1が海底高度を検出する他のセンサを備えている場合に、その他のセンサによって検出された海底高度に応じて、送波ビーム及び上方受波ビーム並びに下方受波ビームの垂直方向におけるピッチ角を調整する点で上述した第3の実施形態とは異なる。
通常、水中航走体1は、海底のデータを収集するために、海底の状態を観察するためのセンサを搭載していることが多い。また、このようなセンサによって取得されたデータを用いて海底高度を算出することも行われている。このように、海底高度を算出することのできる他のセンサを有している場合には、処理部は、この他のセンサによって取得されたデータに基づいて算出された海底高度が、予め設定されている所定の海底高度以下であるか否かを判定し、該所定の海底高度以下であった場合に、送波ビーム及び上方受波ビーム並びに下方受波ビームの垂直方向におけるピッチ角θ(図13参照)を所定量大きくする。
これにより、海底への入射角を大きくすることができ、海底高度の算出精度を向上させることが可能となる。このように、他のセンサによって検出された海底高度に応じて送波ビーム及び上方受波ビーム並びに下方受波ビームの垂直方向におけるピッチ角を調整することにより、海底高度の算出精度と最大探知範囲のトレードオフが図られる。
上記他のセンサとしては、例えば、シングルビームエコーサウンダ、マルチビームエコーサウンダ、サイドスキャンソナー、ドップラー速度計等が挙げられる。
なお、上記実施形態において、他のセンサにより逐次算出される海底高度に応じて送波ビーム及び上方受波ビーム並びに下方受波ビームの主軸の角度を調整することとしてもよい。
具体的には、他のセンサによって検出された現在位置での海底高度と、処理部によって過去に算出された現在位置の海底高度とを比較し、両者の差が所定の大きさ以上であった場合に、送波ビーム及び上方受波ビーム並びに下方受波ビームが更に下方に向くように調整することとしてもよい。
これにより、海底高度の検出精度を向上させることが可能となり、海底高度の検出精度と最大探知範囲のトレードオフが図られる。
なお、上述した各実施形態において、障害物探知装置2は、水中航走体1の前面に設けられているが、設置場所については限定されず、水中航走体1の前方に向けてビームを発せられる位置であればよい。例えば、水中航走体1の上面、或いは、下面に、ビームの送出方向が前方を向くように設けられていてもよい。
また、上記第3〜第9実施形態において、平面アレイ10を水中航走体1に取り付ける際には、ビームが多少下方を向くように、平面アレイ10を構成する各素子11を取り付けることが好ましい。一般的に、垂直方向におけるピッチ角度を大きくするほど、ビームの形状が歪むので、センサの運用上、垂直方向におけるピッチ角を変化させる必要がない場合には、予め機械的にビーム軸が下方を向くように取り付けるとよい。このようにすることで、より広い範囲に渡る海底高度の計測が可能となる。
〔応用例〕
上記各実施形態においては、水中航走体1に障害物探知装置を設置し、この障害物探知装置によって収集された情報に基づいて水中航走体1の自律航走を制御することとしたが、この例に限られず、例えば、船舶の下方に水中航走体1を配置し、この水中航走体1から船舶に対して水中の上方や海底高度、障害物の有無等を通知することにより、通知された情報に基づいて船舶の航行を制御することとしてもよい。このようにすることで、例えば、座礁等を未然に防ぐことが可能となる。
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
1 水中航走体
2 障害物探知装置
3 センサ群
3a 近距離用センサ群
3b 遠距離用センサ群
10 平面アレイ
11 素子

Claims (12)

  1. 水中を航走する水中航走体に設けられ、該水中航走体の前方、且つ、ほぼ水平方向、又は、該水中航走体の前方、且つ、水平方向から所定角度範囲内で下方に向けて送波ビームを送出するビーム送信手段と、
    該送波ビームの反射波を受信し、上方受信信号を出力する上方受信手段と、
    該上方受信手段の下方に間隔をあけて配置されるとともに、該送波ビームの反射波を受信し、下方受信信号を出力する下方受信手段と、
    前記上方受信信号から上方受波ビームを算出するとともに前記下方受信信号から下方受波ビームを算出し、算出した上方受波ビーム及び下方受波ビームから海底高度を算出する処理部と
    を具備する障害物探知装置。
  2. 前記処理部は、前記上方受信信号及び前記下方受信信号の位相を調整することで、前記上方受波ビーム及び下方受波ビームの向きを変更する請求項1に記載の障害物検知装置。
  3. 前記処理部は、前記上方受波ビーム及び下方受波ビームを水平方向に対して所定角度範囲内で下方に向けさせる請求項2に記載の障害物探知装置。
  4. 前記上方受信手段及び下方受信手段は、それぞれ複数の受信素子で構成されており、
    前記処理部は、上方受信手段を構成する複数の受信素子からの受信信号を加算することで前記上方受波ビームを算出し、前記下方受信手段を構成する複数の受信素子からの受信信号を加算することで前記下方受波ビームを算出する請求項1から請求項3のいずれかに記載の障害物探知装置。
  5. 前記水中航走体の姿勢を検出する姿勢センサを備え、
    前記姿勢センサによる検出結果を用いて、前記処理部が前記海底高度を算出する請求項1から請求項4のいずれかに記載の障害物探知装置。
  6. 前記処理部は、前記上方受波ビームと前記下方受波ビームとの位相差のばらつきを評価する評価値を算出し、該評価値が予め設定されている所定の閾値以上の場合に、前記反射波が検知対象である前方の海底からの反射波ではないと判定し、前記反射波による検出結果を無効とする請求項1から請求項5のいずれかに記載の障害物探知装置。
  7. 前記処理部は、前記上方受波ビームと前記下方受波ビームとの位相差のばらつきを評価する評価値を算出し、該評価値が予め設定されている所定の閾値以上の場合に、前記送信手段から送出される前記送波ビーム及び前記上方受波ビーム並びに前記下方受波ビームを更に下方に向くように調整する請求項1から請求項5のいずれかに記載の障害物探知装置。
  8. 前記処理部は、前記上方受波ビーム及び下方受波ビームを用いて、前記水中航走体の前方に存在する障害物を探知する請求項1から請求項7のいずれかに記載の障害物探知装置。
  9. 前記水中航走体の航走速度が遅いほど、前記送信手段から送出される前記送波ビーム及び前記上方受波ビーム並びに前記下方受波ビームが下方に向くように調整する請求項8に記載の障害物探知装置。
  10. 前記処理部によって前方正面に障害物が検出された場合に、水平面上において、前記前記送信手段から送出される前記送波ビーム及び前記上方受波ビーム並びに下方受波ビームを同じ角度だけ、右側または左側にシフトさせる請求項8または請求項9に記載の障害物探知装置。
  11. 直下の海底高度を検出する他の検出手段を備え、
    前記処理部は、前記他の検出手段によって検出された現在位置での海底高度と、前記処理部によって過去に算出された現在位置の海底高度とを比較し、両者の差が所定の大きさ以上であった場合に、前記送波ビーム及び前記上方受波ビーム並びに下方受波ビームを更に下方に向くように調整する請求項5から請求項10のいずれかに記載の障害物探知装置。
  12. 請求項1から請求項11のいずれかに記載の障害物探知装置を備える水中航走体。
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