JP2012225747A - 放射性廃棄物の処理方法及び処理装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】放射性物質の飛散を抑えて汚染範囲の拡大を防止できる放射性廃棄物の処理方法及び処理装置を提供する。
【解決手段】液体Lが貯留された液体槽2と、プラズマPの噴出口31が液体槽2の液体L中に臨むプラズマトーチ3と、プラズマトーチ3に粉末状又は粒子状の放射性廃棄物Mを供給する供給手段4と、を備え、供給手段4によりプラズマトーチ3に供給された放射性廃棄物Mを、噴出口31から液体槽2の液体L中に噴射されたプラズマPで酸化分解し、液体槽2の液体L中に放出する。
【選択図】図1

Description

本発明は、原子力発電所において発生する廃樹脂(イオン交換樹脂)等の放射性廃棄物の処理方法及び処理装置に関し、特に、放射性物質の飛散又は拡散及び汚染範囲の拡大を抑制するようにした放射性廃棄物の処理方法及び処理装置に関する。
原子力発電所の運転により発生する放射性廃棄物を処理する方法及び装置として、種々の発明が既に提案されている(例えば、特許文献1及び特許文献2参照)。
特許文献1に記載された処理方法は、原子力発電所で使用したゴム製又はプラスチック製の成形品を焼却処理する方法として、その成形品を超低温の雰囲気中で凍結脆化させて粉砕し、得られた粒子を可燃性の結合剤と混合して固体化し、焼却するようにしたものである。
特許文献2に記載された処理方法は、原子力発電所の運転において発生する廃樹脂を減容する方法として、廃樹脂が収容された処理容器の内部に酸素を供給した後にポンプにより排気して低圧酸素雰囲気とし、処理容器内に高温の酸素プラズマを供給して廃樹脂を酸化分解するようにしたものである。
また、前記廃樹脂を減容する手法としては、上述したプラズマを用いたものや焼却タイプの他、臨界水処理や水蒸気改質による有機物除去技術等も開発されている。
特開2008−107233号公報 特許第4374776号公報
ところで、従来の放射性廃棄物の処理は、放射性廃棄物を空気や酸素等の気体中にて、焼却処理やプラズマによる酸化分解処理を行っている。
このように放射性廃棄物の処理を気体中にて行うと、処理の際に放射性物質が飛散又は拡散してしまう。このため、放射性物質の飛散防止や拡散防止のための閉じ込め措置を行う必要が生じ、複雑な設備が必要となり、コストアップの要因となる。
また、放射性廃棄物の処理を気体中で行うと、処理後の放射性物質が、焼却灰と排気と排気処理後に発生する廃液とに分散されるため、後工程での処理が複雑となり、設備が大掛かりなものとなるとともに、設備の汚染範囲が広がってしまう。その結果、放射性物質で汚染された設備の保守や使用済みフィルタ等の二次廃棄物の処理が必要となる。
本発明は、上述した問題点に鑑み創案されたものであり、放射性物質の飛散又は拡散及び汚染範囲の拡大を抑制することができる放射性廃棄物の処理方法及び処理装置を提供することを目的とする。
本発明によれば、放射性廃棄物を酸化分解して処理する放射性廃棄物の処理方法であって、粉末状又は粒子状の放射性廃棄物を、液体槽に貯留された液体中でプラズマを発生させるプラズマトーチに供給し、前記プラズマによって酸化分解した後、前記液体槽の液体中に放出するようにした、ことを特徴とする放射性廃棄物の処理方法が提供される。
前記放射性廃棄物は、放射性の廃樹脂を極低温液体又は超低温液体で深冷して凍結した後に破砕したものであってもよい。また、前記放射性廃棄物を前記プラズマトーチに供給する際に、酸素及び水蒸気を加えて供給するようにしてもよい。また、前記プラズマトーチのプラズマアシストガスに水蒸気を用いてもよい。
また、本発明によれば、放射性廃棄物を酸化分解して処理する放射性廃棄物の処理装置であって、液体が貯留された液体槽と、プラズマの噴出口が前記液体槽の液体中に臨むプラズマトーチと、該プラズマトーチに粉末状又は粒子状の放射性廃棄物を供給する供給手段と、を備え、前記供給手段により前記プラズマトーチに供給された前記放射性廃棄物を、前記噴出口から前記液体槽の液体中に噴射されたプラズマで酸化分解し、前記液体槽の液体中に放出するようにした、ことを特徴とする放射性廃棄物の処理装置が提供される。前記放射性廃棄物は、例えば、放射性の廃樹脂である。
前記供給手段は、前記放射性廃棄物を極低温液体又は超低温液体で深冷して凍結させる凍結手段と、該凍結手段により凍結された前記放射性廃棄物を破砕する破砕手段と、該破砕手段により粉末状又は粒子状に破砕された前記放射性廃棄物を前記プラズマトーチに供給する供給配管と、を有していてもよい。
前記供給配管は、内部の前記放射性廃棄物に酸素及び水蒸気を加えて前記プラズマトーチに供給するように構成されていてもよい。
前記プラズマトーチは、プラズマアシストガスとして水蒸気が供給されるように構成されていてもよい。
前記液体槽は、前記液体中に放出された前記放射性廃棄物の分解生成ガスの溶解を促進するバッフルプレートを有していてもよい。また、前記液体槽は、内部の前記液体を冷却するための冷却手段を有していてもよい。
上述した本発明に係る放射性廃棄物の処理方法及び処理装置によれば、液体槽に貯留された液体中でプラズマを発生させるプラズマトーチを用い、このプラズマトーチに供給された放射性廃棄物を、液体中で発生されたプラズマによって酸化分解し、放射性廃棄物の分解生成ガスを液体中に放出するようにしたことにより、放射性廃棄物の分解生成ガスを気体中に放出することなく液体中に溶解させることができ、放射性物質の飛散又は拡散を抑制することができる。また、特別な閉じ込め措置を行う必要がなく、設備を簡素化することができる。
また、処理後の放射性物質のほとんどを廃液として処理することができるため、後工程での処理負担を軽減することができ、処理設備を簡略化することができ、汚染範囲の拡大を抑制することができる。
本発明の第一実施形態に係る放射性廃棄物の処理装置及びそれを用いた処理方法の概要を示す全体構成図である。 図1に表されたプラズマトーチの拡大断面図である。 本発明の第二実施形態に係る放射性廃棄物の処理装置及びそれを用いた処理方法の概要を示す全体構成図である。
以下、本発明の実施形態に係る放射性廃棄物の処理装置1及びそれを用いた処理方法について、図1〜図3を用いて説明する。ここで、図1は、本発明の第一実施形態に係る放射性廃棄物の処理装置及びそれを用いた処理方法の概要を示す全体構成図である。図2は、図1に表されたプラズマトーチの拡大断面図である。
本発明の第一実施形態に係る放射性廃棄物Mの処理装置1は、液体Lが貯留された液体槽2と、プラズマPの噴出口31が液体槽2の液体L中に臨むプラズマトーチ3と、プラズマトーチ3に粉末状又は粒子状の放射性廃棄物Mを供給する供給手段4と、を備え、供給手段4によりプラズマトーチ3に供給された放射性廃棄物Mを、噴出口31から液体槽2の液体L中に噴射されたプラズマPで酸化分解し、液体槽2の液体L中に放出するようにしたものである。
前記放射性廃棄物Mは、例えば、原子力発電所の運転において発生する放射性の廃樹脂(例えば、ビーズ状のイオン交換樹脂)であり、後述するように、極低温液体である液体窒素LNにより深冷して凍結した後に破砕され、粉末状又は粒子状に形成される。
前記供給手段4は、放射性廃棄物Mを極低温液体又は超低温液体で深冷して凍結させる凍結手段41と、凍結手段41により凍結された放射性廃棄物Mを破砕する破砕手段42と、破砕手段42により粉末状又は粒子状に破砕された放射性廃棄物Mをプラズマトーチ3に供給する供給配管43と、を有する。
凍結手段41は、内部に極低温液体である液体窒素LNが充填された深冷槽41aを有し、深冷槽41aの液体窒素LNには、予め脱水乾燥されたビーズ状の廃樹脂がバスケット41bに収容されて浸漬される。廃樹脂は、液体窒素LNで深冷されることで凍結し、脆化する。深冷槽41aには、液体窒素LNを補充する補充管41cが設けられている。
放射性廃棄物Mである廃樹脂の冷却温度は、例えば、−50℃以下とする。ここでは冷媒として液体窒素LNを使用しているが、放射性廃棄物Mを−50℃以下に冷却することができる冷媒であれば、他の極低温液体や超低温液体(例えば、液体酸素、液体水素、液体ヘリウム、液体アルゴン、液体ネオン、液化炭酸ガス等)を使用してもよい。なお、極低温液体とは、約4〜0.01Kの極低温で液体の状態を維持できる物質を意味し、超低温液体とは、極低温以下の温度で液体の状態を維持できる物質を意味する。
また、深冷により凍結脆化したビーズ状の廃樹脂は、クレーン等の移送手段41dによって破砕手段42に移送される。かかる移送手段41dは、クレーン等を使用してバッチ処理する回分式であってもよいし、ベルトコンベア等を使用した連続式であってもよい。
破砕手段42は、凍結した放射性廃棄物Mを受けるホッパ42aと、一対の破砕ローラ42bとを有し、凍結脆化したビーズ状の廃樹脂を破砕ローラ42bにより数十μm程度の粒度を有する粉末状又は粒子状に破砕又は粉砕する。このように、放射性廃棄物Mを粉末状又は粒子状にすることにより、放射性廃棄物Mをプラズマトーチ3に移送しやすくするとともに、プラズマトーチ3において放射性廃棄物Mをプラズマ分解(酸化分解)しやすくすることができる。なお、破砕手段42は、破砕ローラ42bを用いたローラ式の破砕機に限られず、ハンマーミルを用いた衝撃破砕式のものであってもよいし、その他の形式のものであってもよい。
また、破砕手段42の下方には、粉末状又は粒子状に形成された放射性廃棄物Mを一時的に貯留する貯留容器42cが配置されている。貯留容器42cは、下部が漏斗状に形成されており、その底部がシャッター42dによって投入量を調節可能なノズル42eを有する。なお、かかる貯留容器42cは、供給配管43への放射性廃棄物Mの投入手段の一例であり、投入量を調節できないものであってもよいし、単なるホッパにより構成してもよいし、破砕手段42から直接的に供給配管43に放射性廃棄物Mを投入できる場合には省略するようにしてもよい。
前記供給配管43は、一端側が破砕手段42に接続され、他端側がプラズマトーチ3に接続されている。具体的には、供給配管43の一端側の上側部に、貯留容器42cのノズル42eが接続されており、供給配管43の延伸方向に対して交差する方向から粉末状又は粒子状の放射性廃棄物Mを投入できるように構成されている。
また、供給配管43の一端には、水蒸気と酸素との混合気体を所定圧力で供給配管43に供給する第一供給手段43aが接続されている。貯留容器42cから供給配管43の内部に投入された放射性廃棄物Mは、第一供給手段43aから供給配管43に供給された水蒸気と酸素との混合気体と混合され、供給配管43内をプラズマトーチ3に向けて圧送される。第一供給手段43aは、例えば、酸素タンク、水蒸気タンク、ポンプ等を有し、酸素タンク及び水蒸気タンクから調整弁を介して所定量の酸素及び水蒸気をポンプに供給し、供給配管43に圧送する。ここで、所定圧力とは、供給配管43内に投入された放射性廃棄物Mをプラズマトーチ3まで圧送できる圧力であり、配管の形状や長さによって適宜変更される。
このように、放射性廃棄物Mをプラズマトーチ3に供給する際に、酸素及び水蒸気を添加して供給するようにしたことにより、酸素の添加によって放射性廃棄物MをプラズマP内で燃焼(酸化)しやすくすることができ、水蒸気の添加によって放射性廃棄物Mを供給配管43内で粉体爆発する可能性を低減することができる。また、酸化剤として空気ではなく酸素を用いることにより、NOxの発生量を抑制することができる。なお、水蒸気と酸素との混合気体は、例えば、温度150℃、圧力100〜300kPaの条件により、第一供給手段43aにより供給配管43に供給される。
また、供給配管43は、内部を加熱又は保温する加熱手段43bを有する。加熱手段43bは、例えば、高周波加熱コイルや電熱線等により構成されるヒータと、ヒータを覆う断熱材と、により構成され、供給配管43の外周に巻き付けられる。かかる加熱手段43bにより、供給配管43は、内部が加熱され、例えば、100℃以上の所定温度に保温される。ここで、所定温度とは、供給配管43内を流れる混合気体が結露する温度よりも高い温度を意味する。
このように、放射性廃棄物Mをプラズマトーチ3に供給する通路を加熱又は保温するようにしたことにより、放射性廃棄物Mを圧送する混合気体中の水蒸気が供給配管43の内面に結露しないようにすることができるとともに、プラズマトーチ3での安定したプラズマPの発生を確保することができる。貯留容器42cから投入される放射性廃棄物Mは凍結しているため温度が低く、第一供給手段43aから供給される水蒸気は温度が高いため、これらが供給配管43内で混合されると、供給配管43の内面に結露が発生する可能性がある。また、一旦、結露が発生すると、そこに放射性廃棄物Mが次々と付着積層して結露が成長し、供給配管43が閉塞してしまう可能性もある。そこで、加熱手段43bにより供給配管43を加熱し、結露の発生を抑制する。また、供給配管43を加熱することにより、混合気体中の水蒸気の湿り度を低くすることができ、プラズマPの消失を抑制することができる。
前記プラズマトーチ3は、供給配管43の先端に接続されている。プラズマトーチ3は、液体槽2の下部に配置されており、プラズマP(プラズマ炎)を形成する噴出口31が、液体槽2の液体L中に臨むように構成されており、液体L中でプラズマPを発生させる。プラズマトーチ3は、液体槽2の側面部に配置してもよいし、底部に配置してもよい。
また、プラズマトーチ3は、図2に示すように、内部に放射性廃棄物Mが圧送される内側電極ノズル32と、内側電極ノズル32の周面に絶縁部材33を介して一定の隙間Cを隔てて同軸上に外嵌される外側電極ノズル34と、内側電極ノズル32及び外側電極ノズル34に接続されたプラズマ発生用電源35と、を備えている。そして、プラズマトーチ3の噴出口31は、内側電極ノズル32の先端部と隙間Cとの合流部により構成される。なお、プラズマ発生用電源35には、例えば、電源容量10kW程度の直流式のものが使用される。
内側電極ノズル32は、供給配管43に接続されており、噴出口31に放射性廃棄物M及び混合気体を供給する。また、外側電極ノズル34は、隙間Cにプラズマアシストガスを供給する供給口34aを有する。供給口34aには、プラズマアシストガスである水蒸気を供給する第二供給手段34bが接続されている。第二供給手段34bは、例えば、水蒸気タンク、ポンプ等を有し、水蒸気タンクから調整弁を介して所定量の水蒸気をポンプに供給し、プラズマトーチ3の隙間Cに圧送する。
プラズマアシストガスとして、水蒸気(より具体的には、加熱水蒸気)を用いたことにより、水蒸気プラズマ(スチームプラズマ)を得ることができ、アルゴン等の不活性ガスをプラズマアシストガスに用いた場合と比べて、液体槽2内の液体Lに溶けない気体の発生を抑制することができる。また、プラズマアシストガスとしてプラズマトーチ3に供給された水蒸気は、プラズマPを安定化させるとともに、プラズマトーチ3を高温のプラズマPから保護する機能も発揮する。また、プラズマPの着火時において、プラズマアシストガスを隙間Cに供給することにより、隙間C内を満たしている液体Lを液体槽2に排出することもできる。なお、プラズマPが着火した後には、放射性廃棄物Mを圧送する混合気体に含まれる水蒸気もプラズマ化に寄与する。
かかるプラズマトーチ3によれば、第二供給手段34bによって内側電極ノズル32と外側電極ノズル34との隙間Cにプラズマアシストガスを供給し、プラズマ発生用電源35によって内側電極ノズル32と外側電極ノズル34との間にアーク放電可能な電圧を印加することにより、プラズマアシストガスをプラズマ化し、噴出口31から液体槽2の液体L中にプラズマPを噴出することができ、液中でプラズマ炎を形成することができる。そして、供給配管43から内側電極ノズル32を通過して噴出口31に供給された放射性廃棄物Mは、プラズマP内で酸化分解され、そのまま液体槽2の液体L中に放出される。
上述した放射性廃棄物の処理装置1によれば、粉末状又は粒子状の放射性廃棄物Mを、液体槽2に貯留された液体L中でプラズマPを発生させるプラズマトーチ3に供給し、プラズマPによって酸化分解した後、液体槽2の液体L中に放出することができる。したがって、放射性廃棄物Mの分解生成ガスを気体中に放出することなく液体L中に溶解させることができ、放射性物質の飛散又は拡散を抑制することができる。また、特別な閉じ込め措置を行う必要がなく、容易にコストダウンすることができる。
前記液体槽2は、密閉されたタンクからなり、廃ガス洗浄液である液体Lを貯留する。プラズマPによって酸化分解されて液体槽2の液体L中に放出された放射性廃棄物Mの分解生成物のうち、放射性物質を含んだ灰分やガス(SOx等の酸性ガス等)は液体Lに移行する。
放射性物質が移行した液体Lは、処理装置1の運転中又は運転後、液体槽2の下部に接続された洗浄廃液取出管21から排出され、液体廃棄物として処理(濃縮後セメント固化等)される。なお、廃ガス洗浄液である液体Lには基本的には純水が用いられるが、各種アルカリ溶液(NaOH水溶液等)を用いてもよい。また、液体槽2には洗浄液補充管22が接続されており、洗浄廃液取出管21から排出された液体Lの量に応じて液体Lが補充される。
また、液体槽2の内部には、分解生成ガス(プラズマPで酸化分解された放射性物質を含んだ灰分やガス)の液体Lへの移行(溶解)を促進するバッフルプレート23が配置されている。バッフルプレート23は、例えば、多孔板や網状板により構成され、プラズマトーチ3の噴出口31よりも上方で液体Lの液面よりも下方の位置に配置される。バッフルプレート23は、通過する分解生成ガスの泡の流れの方向や流速等を変更することにより液体Lを攪拌し、分解生成ガスの液体Lへの溶解を促進する。バッフルプレート23は、上下に間隔を隔てて水平に複数配置して、溶解効率を高めるようにしてもよい。さらに、バッフルプレート23にセラミックボール等を設置して溶解効率を高めるようにしてもよい。
また、液体槽2の上部には、プラズマPによって発生した排気のうち液体Lに溶解しない気体(例えば、残存酸素、CO等)が集約される気室24が形成されている。気室24にはガス取出管25が接続されている。液体Lに不溶解の気体は、気室24に集約され、処理装置1の運転中にガス取出管25から排出される。ガス取出管25には、ミストフィルタ26や高性能粒子フィルタ27等が接続されており、水分や不純物等を除去できるように構成されている。ガス取出管25から排出された気体は、最終的に大気に放出される。液体Lに不溶解の気体に放射性物質が含まれる場合又は含まれる可能性がある場合には、ガス取出管25から排出された気体を原子力発電所に備えられている気体廃棄物処理設備に搬送するようにしてもよい。また、ミストフィルタ26で濾過された廃液を液体槽2に戻すようにしてもよい。
また、液体槽2中の液体Lは、プラズマトーチ3から噴出されるプラズマPによって加熱される。そのため、液体槽2には、内部の液体Lを冷却するための冷却手段28が配置されている。冷却手段28は、液体Lに浸漬されたコイル状の冷却熱交換管28aと、冷却熱交換管28aに冷却液(水等)を供給する冷却液導入管28bと、冷却熱交換管28aから熱交換後の冷却液を排出する冷却液排出管28cと、を有する。冷却熱交換管28aは、バッフルプレート23よりも上方で液面よりも下方の位置に配置される。
このように、冷却手段28で液体Lを冷却することにより、処理装置1を長時間運転してプラズマPによる液体Lの加熱が続いた場合であっても、液体Lの温度を一定(所定範囲)に保持することができ、液体Lの沸騰を抑制することができる。したがって、処理装置1の長時間運転に耐えることができるとともに、プラズマPで発生した放射性物質を含んだ灰分やガスが沸騰した泡にまぎれて気室24に集約されないようにすることができる。また、冷却手段28により液体槽2の内部を低温に保つことにより、コロージョンの発生や進展を抑制することもできる。
上述した放射性廃棄物の処理装置1によれば、放射性廃棄物Mを液体L中のプラズマPで酸化分解することにより、処理後の放射性物質のほとんどを廃液として処理することができるため、後工程での処理負担を軽減することができ、処理設備を簡略化することができ、汚染範囲の拡大を抑制することができる。
また、プラズマPにて発生した分解生成物の排気は液体Lで洗浄されて気室24に集約されるため、ミストフィルタ26及び高性能粒子フィルタ27等が放射性物質で高レベルに汚染されることがなく、廃ガス処理を単純化及び簡素化することができる。なお、気室24内の気体をポンプ等で積極的に吸い出すようにすれば液体槽2の気室24内を常に負圧に維持することができ、仮に地震等で気室24の一部にクラックが生じたとしても内部の気体が漏れ出ることを抑制することができる。
次に、本発明の他の実施形態に係る放射性廃棄物の処理装置及びそれを用いた処理方法について説明する。ここで、図3は、本発明の第二実施形態に係る放射性廃棄物の処理装置及びそれを用いた処理方法の概要を示す全体構成図である。なお、上述した第一実施形態の処理装置1と同じ構成部品については、同じ符号を付して重複した説明を省略する。
図3に示した第二実施形態に係る放射性廃棄物の処理装置11は、図1に示した第一実施形態に係る放射性廃棄物の処理装置1において、供給手段4における凍結手段41及び破砕手段42(貯留容器42cを除く)を省略したものである。
かかる放射性廃棄物の処理装置11は、放射性廃棄物MがプラズマPで酸化分解しやすく、かつ、プラズマトーチ3への供給配管43内を圧送しやすいように、予め粉末状又は粒子状に形成されている場合に使用される。供給配管43には、貯留容器42cが接続されている。予め粉末状又は粒子状に形成された放射性廃棄物Mは、貯留容器42cに投入され、供給配管43によりプラズマトーチ3に供給される。この第二実施形態に係る放射性廃棄物の処理装置11によっても、実質的に第一実施形態に係る放射性廃棄物の処理装置1と同様の効果を奏する。
本発明は上述した実施形態に限定されず、液体槽2に複数のプラズマトーチ3を設置してもよい等、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変更が可能であることは勿論である。
1,11 処理装置
2 液体槽
3 プラズマトーチ
4 供給手段
23 バッフルプレート
28 冷却手段
31 噴出口
41 凍結手段
42 破砕手段
43 供給配管

Claims (11)

  1. 放射性廃棄物を酸化分解して処理する放射性廃棄物の処理方法であって、
    粉末状又は粒子状の放射性廃棄物を、液体槽に貯留された液体中でプラズマを発生させるプラズマトーチに供給し、前記プラズマによって酸化分解した後、前記液体槽の液体中に放出するようにした、ことを特徴とする放射性廃棄物の処理方法。
  2. 前記放射性廃棄物は、放射性の廃樹脂を極低温液体又は超低温液体で深冷して凍結した後に破砕したものである、ことを特徴とする請求項1に記載の放射性廃棄物の処理方法。
  3. 前記放射性廃棄物を前記プラズマトーチに供給する際に、酸素及び水蒸気を加えて供給するようにした、ことを特徴とする請求項1に記載の放射性廃棄物の処理方法。
  4. 前記プラズマトーチのプラズマアシストガスに水蒸気を用いた、ことを特徴とする請求項1に記載の放射性廃棄物の処理方法。
  5. 放射性廃棄物を酸化分解して処理する放射性廃棄物の処理装置であって、
    液体が貯留された液体槽と、
    プラズマの噴出口が前記液体槽の液体中に臨むプラズマトーチと、
    該プラズマトーチに粉末状又は粒子状の放射性廃棄物を供給する供給手段と、を備え、
    前記供給手段により前記プラズマトーチに供給された前記放射性廃棄物を、前記噴出口から前記液体槽の液体中に噴射されたプラズマで酸化分解し、前記液体槽の液体中に放出するようにした、
    ことを特徴とする放射性廃棄物の処理装置。
  6. 前記供給手段は、前記放射性廃棄物を極低温液体又は超低温液体で深冷して凍結させる凍結手段と、該凍結手段により凍結された前記放射性廃棄物を破砕する破砕手段と、該破砕手段により粉末状又は粒子状に破砕された前記放射性廃棄物を前記プラズマトーチに供給する供給配管と、を有する、ことを特徴とする請求項5に記載の放射性廃棄物の処理装置。
  7. 前記供給配管は、内部の前記放射性廃棄物に酸素及び水蒸気を加えて前記プラズマトーチに供給するように構成されている、ことを特徴とする請求項6に記載の放射性廃棄物の処理装置。
  8. 前記プラズマトーチは、プラズマアシストガスとして水蒸気が供給されるように構成されている、ことを特徴とする請求項5に記載の放射性廃棄物の処理装置。
  9. 前記液体槽は、前記液体中に放出された前記放射性廃棄物の分解生成ガスの溶解を促進するバッフルプレートを有する、ことを特徴とする請求項5に記載の放射性廃棄物の処理装置。
  10. 前記液体槽は、内部の前記液体を冷却するための冷却手段を有する、ことを特徴とする請求項5に記載の放射性廃棄物の処理装置。
  11. 前記放射性廃棄物は、放射性の廃樹脂である、ことを特徴とする請求項5に記載の放射性廃棄物の処理装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2018513972A (ja) * 2015-03-27 2018-05-31 コリア ハイドロ アンド ニュークリアー パワー シーオー,エルティーディー 逆極性/正極性動作が可能な構造のプラズマトーチ
CN114420336A (zh) * 2021-12-20 2022-04-29 核工业西南物理研究院 一种等离子体高温热解熔融处理放射性废物的系统及方法

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