JP2012225493A - スライド弁 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】流路となる第1開口部12a及び第2開口部12bとを有する弁箱10と、第1開口部を閉塞可能な可動弁部40と、閉開状態を切り替えする位置切り替え手段と、これらを接続する中立弁部30とを有し、可動弁部が、シール部61が設けられ中立弁部に位置変更可能に接続される第1可動弁部60と、シール部に対して付勢する第1付勢部70と、第1可動弁部60と摺動可能とされる第2可動弁部50と、可動弁部の厚み寸法を収縮可能なように駆動する第2付勢部80と、第1可動弁部を前記中立弁部に対して位置変更可能に流路方向中央位置側に付勢する第3付勢部90と、回転軸の軸線方向に離間して該回転軸を保持する2以上の軸受と、流体経路リングと、を具備してなることを特徴とするスライド弁。
【選択図】図2
Description
更に、上記従来の弁においては、2枚の弁板を連結する構造が採用されている。この連結構造とアクチュエータとは個別の構造部品であるので、弁体の構造が複雑であるという課題があった。
また、大口径バルブにおいては、逆圧に耐え得るためには大きな力を発生するシリンダが必要であり、弁体が大型化してしまうという課題があった。
このため、実際に空間をシールする弁板の面は、アクチュエータの内側に位置しており、この面はアクチュエータの位置からずれており、更に、この面にはピストン,シリンダ,ボルトを介してスプリングによる押し付け力(スプリングによる復元力)が伝われる。このため、この押し付け力が不十分であると、確実に仕切りをすることができず、高い信頼性を得られないという課題があった。
また、大口径バルブにおいて逆圧に耐え得るためには、或いは、特殊な形状の弁板、シールリング板、フランジに適用するためには、シリンダを除いたアクチュエータ部品を多数配置する必要があり、スライド弁の構成が複雑になるという課題があった。
中空部と、前記中空部を挟み互いに対向するように設けられて連通する流路となる第1開口部及び第2開口部とを有する弁箱と、
前記弁箱の前記中空部内に配置され前記第1開口部を閉塞可能な中立弁体と、
前記中立弁体を、前記第1開口部に対して閉塞状態にする弁閉塞位置と前記第1開口部から退避した開放状態とする弁開放位置との間で動作する位置切り替え手段として前記流路方向に延在する軸線を有する回転軸と、
を具備するものとされ、
前記中立弁体が、前記切り替え手段に接続される中立弁部と、該中立弁部に対して流路方向位置変更可能に接続される可動弁部と、を有し、
前記可動弁部が、該可動弁部に周設され前記第1開口部周囲の弁箱内面に密着されるシール部が設けられるとともに前記中立弁部に対して流路方向位置変更可能に接続される第1可動弁部と、
前記第1可動弁部を前記流路方向前記第1開口部に向けて付勢して前記シール部を前記第1開口部周囲の弁箱内面に密着可能とする第1付勢部と、
前記第1可動弁部に対して前記流路方向に摺動可能とされる第2可動弁部と、
前記第1付勢部の付勢力に対抗して前記第1可動弁部と前記第2可動弁部との前記流路方向厚み寸法を収縮可能なように駆動する第2付勢部と、
前記第1可動弁部と前記第2可動弁部との流路方向厚み寸法変化に対応して、前記第1可動弁部を前記中立弁部に対して流路方向位置変更可能に接続するとともに、前記第1可動弁部を前記流路方向中央位置側に付勢する第3付勢部と、
前記回転軸の軸線方向に離間して該回転軸を保持する2以上の軸受と、
前記回転軸の軸線方向におけるこれら軸受間の位置で前記回転軸周面に摺動可能に接触する流体経路リングと、
を有し、
前記回転軸の一端面と前記流体経路リングの外周面とに設けられた開口どうしを連通する密閉した流体経路が設けられ、前記回転軸が回動位置に依らずに、かつ、前記弁箱中空部に露出することなく前記中立弁部内部に形成された流体経路と前記回転軸径方向外側位置となる前記弁箱外部とを連通することにより上記課題を解決した。
本発明の前記流体経路として、前記回転軸内部には軸内経路が設けられ、該軸内経路が、前記回転軸の軸線方向に延在して前記回転軸の一端側に開口する軸方向軸内経路と、該軸方向経路に接続されるとともに前記回転軸の周面に開口する径方向軸内経路とからなり、
前記流体経路として、前記流体経路リング内部には、該流体経路リングの径方向に延在しその外周面及び内周面に開口する径方向リング経路が設けられ、
前記流体経路リング内周面および回転軸周面の間に、周方向に設けられ前記径方向軸内経路と前記径方向リング経路とを連通する周方向経路が周設されることができる。
本発明において、前記経路は、前記第2周囲領域において前記第1可動弁部と前記第2可動弁部との間に前記第2付勢部として形成されたエアシリンダに駆動用気体を供給する供給路の一部とされる手段か、または、前記経路は、前記第2付勢部とされたエアシリンダの摺動部分に設けられた2重シール部において2重目のシールより気体供給側に設けられ、1重目のシールが破れた際に駆動用気体をスライド弁外部に向けて逃がす連絡路の一部とされる手段を選択することができる。
本発明の前記回転軸には、前記供給路と前記連絡路となる軸方向経路がそれぞれ平行に設けられてなるとともに、前記供給路と前記連絡路と対応する流体経路リングが前記回転軸の異なる軸方向位置に設けられてなることができる。
本発明における前記供給路と前記連絡路と対応する流体経路リングが、前記軸受の軸線方向中間位置に対して対称に配置されてなることができる。
本発明の前記軸受の軸線方向中間位置には、前記回転軸を駆動する駆動系ピニオンが接続されてなることが可能である。
本発明の前記第2付勢部は、前記第2周囲領域において前記第1可動弁部と前記第2可動弁部との間に形成されたエアシリンダであることが可能である。
また、本発明において、前記第2付勢部とされたエアシリンダには、摺動部分に2重シール部が設けられ、1重目のシールが破れた際に、2重目のシールより気体供給側に、駆動用気体をスライド弁外部に向けて逃がす連絡路が設けられる手段を採用することもできる。
また、前記第2付勢部とされたエアシリンダに駆動用気体を供給する供給路が形成され、該供給路には、前記第1可動弁部と前記中立弁部との流路方向位置が変更した際にも、前記第1可動弁部と前記中立弁部との間で駆動用気体を供給可能に摺動接続する接続ピン部が設けられることができる。
本発明においては、前記接続ピン部には、摺動部分に2重シール部が設けられ、1重目のシールが破れた際に、2重目のシールより気体供給側に、駆動用気体をスライド弁外部に向けて逃がす連絡路が設けられることが望ましい。
さらに、前記切り替え手段が、前記流路方向に延在する軸線を有する回転軸を含むものとされてなることが可能である。
また、前記切り替え手段が、前記流路方向と交差する方向に延在し直線状に駆動される弁棒を含むものとされてなることがある。
中空部と、前記中空部を挟み互いに対向するように設けられて連通する流路となる第1開口部及び第2開口部とを有する弁箱と、
前記弁箱の前記中空部内に配置され前記第1開口部を閉塞可能な可動弁部と、
前記可動弁部を、前記第1開口部に対して閉塞状態にする弁閉塞位置と前記第1開口部から退避した開放状態とする弁開放位置との間で動作する位置切り替え手段として前記流路方向に延在する軸線を有する回転軸と、
前記切り替え手段と前記可動弁部とを接続する中立弁部と、
を具備するものとされ、
前記中立弁体が、前記切り替え手段に接続される中立弁部と、該中立弁部に対して流路方向位置変更可能に接続される可動弁部と、を有し、
前記可動弁部が、該可動弁部に周設され前記第1開口部周囲の弁箱内面に密着されるシール部が設けられるとともに前記中立弁部に対して流路方向位置変更可能に接続される第1可動弁部と、
前記第1可動弁部を前記流路方向前記第1開口部に向けて付勢して前記シール部を前記第1開口部周囲の弁箱内面に密着可能とされる第1付勢部と、
前記第1可動弁部に対して前記流路方向に摺動可能とされる第2可動弁部と、
前記第1付勢部の付勢力に対抗して前記第1可動弁部と前記第2可動弁部との前記流路方向厚み寸法を収縮可能なように駆動する第2付勢部と、
前記第1可動弁部と前記第2可動弁部との流路方向厚み寸法変化に対応して、前記第1可動弁部を前記中立弁部に対して流路方向位置変更可能に接続するとともに、前記第1可動弁部を前記流路方向中央位置側に付勢する第3付勢部と、
前記回転軸の軸線方向に離間して該回転軸を保持する2以上の軸受と、
前記回転軸の軸線方向におけるこれら軸受間の位置で前記回転軸周面に摺動可能に接触する流体経路リングと、
を有し、
前記回転軸の一端面と前記流体経路リングの外周面とに設けられた開口どうしを連通する密閉した流体経路が設けられ、前記回転軸が回動位置に依らずに、かつ、前記弁箱中空部に露出することなく前記中立弁部内部に形成された流体経路と前記回転軸径方向外側位置となる前記弁箱外部とを連通することにより、軸受と軸受との間の距離を長く確保でき、これにより、回転軸が傾く方向に回転軸へ作用するモーメントを2以上の軸受で保持する場合に、この軸受が受けるラジアル荷重を最小にすることができ、それにより軸受の耐久性を向上させることができる。あるいは、必要な回転軸の傾斜方向における変形防止能を維持した状態で回転軸の軸線方向長さを確保することができ、バルブとしての小型化を図ることができる。
また、上記の構成とすることにより、部品の構成を変えずに部品の組立方向を変えることのみによって、回転機構部の弁箱に対する取付面を、反転させることが可能である。
前記流体経路として、前記流体経路リング内部には、該流体経路リングの径方向に延在しその外周面及び内周面に開口する径方向リング経路が設けられ、
前記流体経路リング内周面および回転軸周面の間に、周方向に設けられ前記径方向軸内経路と前記径方向リング経路とを連通する周方向経路が周設されることによって、回転軸が回動しても、周設された周方向経路が前記径方向軸内経路と前記径方向リング経路とを連通した状態を維持することができる。また、周方向経路が周設されているため、経路内の流体からの作用力が軸受けにおける回転軸の支持状態に対して影響を及ぼすことを防止できる。
本発明における前記供給路と前記連絡路と対応する流体経路リングが、前記軸受の軸線方向中間位置に対して対称に配置されてなることにより、軸受に対する加重を均等に近いものとして軸受の耐久性を向上し、バルブのメンテナンス費用を低減することが可能となる。
本発明の前記軸受の軸線方向中間位置には、前記回転軸を駆動する駆動系ピニオンが接続されてなることにより、軸受に対する加重を均等に近いものとして軸受の耐久性を向上し、バルブのメンテナンス費用を低減することがる。
本発明によれば、前記切り替え手段の機構をより小さな出力に対応したものとして、弁の小型化を図ることができるという効果を奏することができる。
また、以下の説明に用いられる各図においては、各構成要素を図面上で認識し得る程度の大きさとするため、各構成要素の寸法及び比率を実際のものとは適宜に異ならせてある。
本発明の技術範囲は、以下に述べる実施形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
図1は、本実施形態におけるスライド弁の構成を示す平面図であり、図2は、本発明の第1実施形態におけるスライド弁の構成を示す縦断面図で、弁体が退避動作可能位置とされている場合を示す図であり、図3は、図2の中立弁部と第1可動弁部の接続部分および第1と第2との付勢部付近を示す要部拡大図であり、図4は、本発明の第1実施形態におけるスライド弁の構成を示す縦断面図で、弁体が密閉閉塞位置とされている場合を示す図であり、図5は、図4の中立弁部と第1可動弁部の接続部分および第1と第2との付勢部付近を示す要部拡大図であり、図3は、本発明の第1実施形態におけるスライド弁の構成を示す縦断面図で、弁体が退避位置とされている場合を示す図である。
図5は、図4の中立弁部と第1可動弁部の接続部分および第1と第2との付勢部付近を示す要部拡大図である。図6は、本発明の第1実施形態におけるスライド弁の構成を示す縦断面図で、弁体が退避位置とされている場合を示す図である。
第1実施形態のスライド弁100は、図1〜図6に示すように、振り子型スライド弁である。
このスライド弁100は、互いに対向した第1開口部12aと第2開口部12bとが設けられた弁箱10と、弁箱10を貫通した切り替え手段としての回転軸20と、回転軸20に固着された接続部材91と、この接続部材91を介して回転軸20に接続された中立弁部30と、回転軸20の軸線方向に移動可能として中立弁部30に接続された可動弁部40と、可動弁部40の厚さ方向寸法を拡大する方向に付勢されるメインバネ(第1付勢部)70と、メインバネ70の付勢方向と反対方向に伸張可能な駆動用のエアシリンダ(第2付勢部)80と、可動弁部40を弁箱10の中央位置側にしようとする位置規制用の補助バネ(第3付勢部)90と、を備えている。中立弁部30及び可動弁部40は、中立弁体5を構成している。また、可動弁部40は、第2可動弁部(可動弁板部)50と第1可動弁部(可動弁枠部)60とによって構成されている。第1開口部12aから第2開口部12bに向かって流路Hが設定されている。なお、以下の説明において、この流路Hに沿った方向を流路方向Hと称することがある。
このように中立弁部30を回転することにより、流路Hが設けられていない中空部11とされる退避位置から第1開口部12aに対応する位置とされる流路Hの弁閉位置に可動弁部40が振り子運動で移動する。
この解除動作と退避動作とにより、可動弁部40は上記弁開閉位置から上記退避位置に退避して弁開状態とする弁開動作がおこなわれる。
弁箱10は、中空部11を有するフレームによって構成されている。フレームの図示上面には第1開口部12aが設けられており、フレームの図示下面には第2開口部12bが設けられている。
スライド弁100は、第1開口部12aが露出されている空間(第1空間)と第2開口部12bが露出されている空間(第2空間)の間に挿入される。スライド弁100は、第1開口部12aと第2開口部12bとをつなげている流路H、即ち、第1空間と第2空間とをつなげている流路Hを仕切り(閉鎖し)、この仕切り状態を開放する(第1空間と第2空間をつなぐ)。
弁箱10の中空部11には、回転軸20、中立弁部30、可動弁部40、メインバネ(第1付勢部)70、エアシリンダ(第2付勢部)80、及び補助バネ(第3付勢部)90が設けられている。
回転軸20は、流路Hとほぼ平行状態に延在して弁箱10を貫通するとともに回転可能に設けられている。
この回転軸20には、接続部材91が固着されている。この接続部材91は、例えば略平板状の部材であり、図7に示すように、回転軸20の一端20aに対してネジ92によって固着される。図7(b)に示すように、接続部材91は、流路方向Hに沿った一端側が広がった略T字状の断面形状を成す突起部93が形成されている。
ケーシング14は、弁箱10に対して密閉状態として貫通するように固定されるとともに、回転軸20が密閉状態で回動自在に貫通するシールケーシング14Aと、このシールケーシング14Aに接続され、その内周側に設けられた軸受16A,16Bを介して回転軸20を回動自在に支持する円筒ケーシング14Bと、円筒ケーシング14Bの一端を閉塞する蓋体ケーシング14Cとからなり、これらは互いに固定接続されている。蓋体ケーシング14Cには回転軸20を挿抜可能な開孔を閉塞する蓋体14Dが設けられる。
円筒ケーシング14Bの内周面側には、軸線LL方向における軸受16A,16Bの間の位置に、流体経路リング17,18が、回転軸20の外周面20bに摺動可能に接触するように固定されている。
回転軸20外周面20bの流体経路リング17,18の間の中心位置には、この回転軸20を駆動する駆動系ピニオン21が固着される。ピニオン21は外部から密閉可能なケーシング14Bの内部空間22hに収納され、このピニオン21には、図10において紙面垂直方向に往復動作することで回転軸20を回動する丸棒状のラック22が接続される。
縮シリンダ22dには回転駆動エアシリンダ外部から収縮用の圧縮空気を供給源から供給する供給源が接続されているが、その経路は、縮シリンダ22d、ラック22の収納された空間22g、縮径した軸受22Bに対応する位置の連通溝22fおよび歯22eに対応する空間22g、軸受22Bと軸受け22Cとの間で拡径した空間22g、ピニオン21の収納されるケーシング14Bの内部空間22h、この内部空間22hとケーシング14B外部とに接続された供給路22j、とされている。
流体経路リング18には、第2周囲領域40aにおいて可動弁板部50と可動弁枠部60との間に形成されたエアシリンダ80に設けられた2重シール部において2重目のシールs1a,52aより気体供給側に設けられた中間大気室55に接続され、1重目のシール51b,52bが破れた際に駆動用気体をスライド弁1外部に向けて逃がす連絡路42の一部とされる流体経路として、径方向に延在しその外周面18a及び内周面18bに開口する径方向リング経路18cが設けられる。この径方向リング経路18cの外周面18a側は円筒ケーシング14Bの径方向に貫通する経路14Ccに連通している。
溝17dに対向する位置とされる回転軸20外周面20bには、径方向軸内経路27が開口し、径方向軸内経路27は、回転軸20の軸線LL方向に延在して回転軸20の一端面20aに開口する軸方向軸内経路25に連通している。
溝18dに対向する位置とされる回転軸20外周面20bには、径方向軸内経路28が開口し、径方向軸内経路28は、回転軸20の軸線LL方向に延在して回転軸20の一端面20aに開口する軸方向軸内経路26に連通している。
これら軸方向軸内経路25と軸方向軸内経路26とは、互いに平行状態でかつ軸線LLに平行とされ、回転軸20の蓋体14D側の他端20c側は閉塞されている。
軸方向軸内経路25と軸方向軸内経路26とは、いずれも、中立弁部30内部の供給路41及び、連絡路42に接続されている。
流体経路リング17には、外周面17aと円筒ケーシング14B内面との間において径方向リング経路17cの開口部分および経路14BcをシールするOリング等のシール部材17e,17f,17gが周設されている。
流体経路リング18には、外周面18aと円筒ケーシング14B内面との間において径方向リング経路18cの開口部分および経路14CcをシールするOリング等のシール部材18e,18f,18gが周設されている。
同時に、周方向経路となる溝17d,18dが周設されているため、溝17d、18d内の流体からの圧力が回転軸20の外周面20bに一周するように作用するため、径方向に作用する圧力を全周で均等にすることができるため、これらの流路における圧力状態にかかわらず、軸受16Aと軸受16Bにおける回転軸20の支持状態に対して影響を及ぼすことを防止できる。
また、軸受16Aと軸受16B、流体経路リング17、ピニオン21および流体経路リング18の外径寸法を上記の構成とすることにより、部品の構成を変えずに部品の組立方向を変えることのみによって、回転機構部の弁箱に対する取付面を反転させて、これらをケーシング14に対して組み付けることが可能である。
この溝17pと対向する回転軸20の外周面20bとは、大気圧の空間(空隙)である第2中間大気室を形成するとともに第2連通路42Aによって、ケーシング外部に接続されている。
つまり、シール部材17k、シール部材17j、溝17pおよび第2連通路42Aにより、スライド弁1がシール破れによって破損する等を防止することができる。
この溝18pと対向する回転軸20の外周面20bとは、大気圧の空間(空隙)である第2中間大気室を形成するとともに第2連通路42Aによって、ケーシング外部に接続されている。
つまり、シール部材18h、シール部材18j、溝18pおよび第2連通路42Aにより、スライド弁1がシール破れによって破損する等を防止することができる。
このテーパ面17m,18mは、流体経路リング17,18の径方向に奥行き寸法Tt1を有し、この奥行き寸法Tt1は、シール部材17h,17j,17k,18h,18j,18kがOリングとされた場合に、シール時における潰し代ではなく、回転軸20が流体経路リング17,18と接触しない状態で、このO−リングが回転軸20の外周面20bかた突出した高さ寸法Tt2よりも大きくなるように設定される。
これにより、回転軸20のケーシング14への組み付け時に、O−リングが溝17d,18dの開口部分に引っかかって破損するなどの不具合を防止することができる。
なお、テーパ面17m,18mは、O−リングの破損が可能であれば、この形状に限定されるものではない。
この曲面17n,18nの奥行き寸法Tt1は、同様に、O−リングが回転軸20の外周面20bかた突出した高さ寸法Tt2よりも大きくなるように設定されることができる。
後述するように雄ネジ21は、図12に示すように、締結されている雌ネジ31のある空間31Heまでネジ溝のない開口98を貫通している。この空間31Heは溝95B側が、図示しない閉塞部材によって閉塞されている。
このように、軸方向リーク流路27Heおよびリーク流路14Heを設けることで、空気溜まり空間31He、開口98、貫通穴21Aに対するヘリウムリークテストが可能となる。
中立弁部30は、回転軸20の軸線に対して直行する方向に延在し、この方向に平行な面を有している。図1に示すように、中立弁部30は、可動弁部40に重なる円形部30aと、回転軸20の回転に伴って円形部を回転させる回転部30bとを有する。回転部30bは、回転軸20と円形部30aとの間に位置しており、回転部30bの幅は回転軸20から円形部30aに向けて徐々に増加している。これら回転軸20、中立弁部30は、弁箱10に対して回動はするが、流路H方向には位置変動しないように設けられている。
次に、中立弁部30の凹部95を突起部93に差し込むと、凹部95の第三接触面95a,95bが、それぞれ突起部93の第一接触面93a,93bに接触する。また、凹部95の第四接触面95c,95dが、それぞれ突起部93の第二接触面93c,93dに接触する。
可動弁部40は略円板状とされ、円形部30aと略同心円状に形成された可動弁板部50と、この可動弁板部50の周囲を囲むように配置された略円環状の第2可動弁部60とを有する。第2可動弁部60は、中立弁部30に流路H方向に摺動可能として接続されている。また、可動弁板部50は、第2可動弁部60に摺動可能として嵌合されている。可動弁板部50と第2可動弁部60とは、メインバネ70及びエアシリンダ80によって符号B1,B2で示された方向(往復方向)に摺動しながら移動可能である。ここで、符号B1,B2で示された方向とは、可動弁板部50および第2可動弁部60の面に垂直な方向であり、回転軸20の軸方向に平行な流路H方向である。
第1実施形態においては、外周クランク部60cと内周クランク部50cとが、流路H方向と平行な摺動面50b、60bどうしで摺動可能に嵌合している。
この第1シール部61は、閉弁時に可動弁部40が第1開口部12aを覆っている状態で、第1開口部12aの周縁となる弁箱10の内面15aに接触し、可動弁枠部60及び弁箱10の内面によって押圧される。これによって、第1空間は第2空間から確実に隔離される(仕切り状態が確保される)。
メインバネ(第1付勢部)70は、可動弁部40の最外周となる第1周囲領域40aに隣接した第1周囲領域40bに配置されている。メインバネ70においては、可動弁枠部60を第1開口部12aに向けて(B1方向)に押圧するように、同時に、可動弁板部50を第2開口部12bに向けて(B2方向)に押圧するように復元力が生じている。これにより可動弁部40による弁閉状態において、メインバネ70は、可動弁板部50に力を加え(付勢し)、第2開口部12bの周囲に位置する弁箱10の内面15bに向けて可動弁板部50を押圧して内面15bと可動弁板部50の反力伝達部59とを当接させているとともに、同時に、可動弁枠部60に力を加え(付勢し)、第1開口部12aの周囲に位置する弁箱10の内面15aに向けて可動弁枠部60を押圧して内面15aと可動弁枠部60の第1シール部61とを当接させている。
また、メインバネ70は、第1シール部61を直接押圧できるようにするために、第1シール部61の直下付近とされる第2周囲領域40bに配置されることもできる。この場合、スライド弁においては、第1付勢部70を可動弁枠部60に設けられているので、第1付勢部70を第1シール部61の直下に位置させることが可能である。
一方、スライド弁40の厚さを減じる付勢がおこなわれているもの、あるいは、ユーティリティ設備から供給される電力等のエネルギーによって閉弁動作が行われている構造を有するスライド弁においては、ユーティリティ設備から装置へのエネルギー供給が停止した場合に閉弁動作を行うことができない場合がある。このため、このような構造においては、フェイルセーフなスライド弁を実現できない。
エアシリンダ80は、可動弁部40の最外周となる第1周囲領域40aに配置されている。エアシリンダ80においては、エアシリンダ80に駆動流体として圧縮空気が供給された際に、可動弁枠部60を第2開口部12bに向けて(B2方向)移動させる力(付勢力、圧縮空気に起因する力)が生じる。同時に、可動弁板部50を第1開口部12aに向けて(B1方向)に移動させる力(付勢力、圧縮空気に起因する力)が生じる。これによって、メインバネ70の付勢力に打ち勝って、第1開口部12aの周囲に位置する弁箱10の内面15aから可動弁枠部60を離間させるのと同時に、第2開口部12bの周囲に位置する弁箱10の内面15bから可動弁板部50を離間させる。
これにより、後述する補助バネ(第3付勢部)90の付勢力により体40は流路H方向において弁箱10の厚さ中央位置となりの弁箱10内で回動可能な状態となる。
具体的に、このエアシリンダ80は、可動弁枠部60の第1開口部12aに向けて開口した凹部60dと可動弁板部50の第2開口部12bに向けて突出した凸部50dとが勘合した状態で形成され、これら環状の凹部60dと環状の凸部50dとが摺動するように形成されている。また、このエアシリンダ80は、可動弁枠部60の周縁部に形成された円環状の空間、および、可動弁板部50の最外周に形成された突条(環状凸部)からなり、1つの円環シリンダ(円環空隙)として機能する。また、言い換えると、円環シリンダは、流路Hを囲むように形成されている。
補助バネ90は、中立弁部30と可動弁枠部60との間に設けられ、弁箱10の流路方向ほぼ中央に位置する中立弁部30に対して、弁体40の厚さ寸法が縮小した際に、弁体40を弁箱10の中央よりに付勢するものである。
補助バネ90は、中立弁部30の外周位置(図2,図4では右側位置)に設けられた開口30aを貫通して可動弁枠部60に接続された棒状の位置規制部65に設けられている。補助バネ90もメインバネ70と同様に弾性部材(例えば、スプリング、ゴム、密閉されたエアダンパーなど)である。
補助バネ90は、中立弁部30開口30aの第1開口部12a側に設けられたフランジ部30bと、位置規制部65の先端65aとに係止されて、可動弁枠部60を第2開口部12b側に移動するB2に向かう向きに付勢されている。
これにより、エアシリンダ80に圧縮空気が供給された際に、弁体40が弁箱10の流路方向ほぼ中央に向かって移動し、最終的に、弁体40が弁箱10の流路方向ほぼ中央に位置するように姿勢制御される。また、補助バネ90の付勢力は、メインバネ70の付勢力とエアシリンダ80の付勢力の差よりも遙かに小さいものとされる。つまり、弁閉状態を実現するための能動的バネあるいは、アクチュエータとしてのメインバネ70やエアシリンダ80に比べて、弁体の厚さ寸法を変化させるものであるから極めて小さなものでよい。
この構成において、メインバネ70及びエアシリンダ80は、第1シール部61に近い可動弁部40の周囲領域において、互いに近接するように並列に配置されている。エアシリンダ80は、可動弁板部50と可動弁枠部60との間に設けられた1つの円環シリンダを構成している。この構成によれば、一方向に圧縮空気第2付勢部80に供給する供給路41が1つ設けられていれば、圧縮空気を円環状のエアシリンダ80に沿ってこの円環シリンダの内部に供給することができ、弁体40の厚さ寸法の伸縮(開弁動作及び閉弁動作)を行うことができるとともに、この動作中において補助バネ90により弁体40の伸縮に伴う弁体40の流路方向位置を弁箱10中央付近に容易に維持することができる。このため、簡易かつコンパクトな構成を有するアクチュエータを実現することができる。
また、中立弁部30にはアクチュエータの力、特に弁閉状態を維持するように弁体40を密閉する際にかかる力が作用しない。このため、中立弁部30には振り子弁として弁体を揺動するに足る強度があれば充分である。また、回転軸20にもアクチュエータの力、特に弁閉状態を維持するように弁体40を密閉する際にかかる力が作用しない。このため、回転軸20振り子弁として弁体を揺動するに足る強度があれば充分である。同時に、回転軸20に弁密閉するためのモーメントが必要なものに比べて、弁体40の揺動機構の出力を抑えることができるので、この回転軸20の回動機構を小型化することができる。
この構造においては、剛性として、上記中立弁部30の強度に加えて、退避位置と弁開閉位置の間で可動弁部40を回動させる際にその自重を支える強度があれば十分である。
可動弁板部50の環状凸部(突条)50dの外周面には、可動弁枠部60の環状凹部60dの内周面に当接し、可動弁板部50と可動弁枠部60との間をシールする2重シール部として、Oリング等の円環状の第2シール部51a,51b及び第3シール部52a,52bが設けられている。
第2シール部51a,51bは、圧力が高い空間であるエアシリンダ80と、圧力が低い空間等であって第1開口部12aに近い中空部11とを仕切り、仕切り状態を確保する。同様に、第3シール部52a,52bは、圧力が高い空間であるエアシリンダ80と、圧力が低い空間等であって第2開口部12bに中空部11とを仕切り、仕切り状態を確保する。
ガイドピン62は、可動弁枠部60に固設されて流路方向に立設された太さ寸法均一の棒状体とされ、エアシリンダ80内を貫通し、可動弁板部50の環状凸部(突条)50dに形成された孔部50hに嵌合している。
このガイドピン62は、可動弁板部50と可動弁枠部60とが摺動する方向が符号B1,B2に示された方向からずれないように、かつ、可動弁板部50と可動弁枠部60とが摺動した際にもその姿勢が変化せずに平行移動をおこなうように、これらの位置規制を確実に誘導する。
また、このように、エアシリンダ80内にガイドピン62を配置することにより、可動弁板部50と可動弁枠部60とを互いに滑らかに摺動させることができる。
なお、ガイドピンの強度が十分に得られていれば、大口径を有するスライド弁においても、可動弁部60が摺動する方向がずれることが防止される。また、ガイドピン62は、特殊な形状を有する可動弁部においても流路と直行する面内配置を設定して荷重を適宜分散することでより一層開閉動作の良好なスライド弁として適用可能である。
ガイドピン62には、図14に示すように、その先端と可動弁枠部60側に形成された内部空間62aに連通する開口を有し、ガイドピン62内部を貫通する軸方向経路62bが設けられその基部側が、連絡路42に接続されている。また、円筒状の内部空間62aは、中立弁部5の径方向内側および外側に向かう経路42aを介してガイドピン62中心側に位置する中間大気室55,56にそれぞれ連通されている。ガイドピン62の可動弁板部50側となる先端側には、Oリング等とされるシール部材62cが設けられて孔部50hとの摺動面をシールしている。
可動弁板部50の環状凸部(突条)50dの径方向外側に位置する第1外周面50fには、可動弁部60の内周面に当接する円環状のワイパー53が設けられている。同様に、可動弁板部50の環状凸部(突条)50dの径方向において第1外周面50fの内側である第2内周面50gには、可動弁部60の外周面に当接する円環状のワイパー54が設けられている。
ワイパー53,54、第2シール部51a,51b、第3シール部52a,52bは、いずれも、可動弁板部50の環状凸部(突条)50dに配置されている。第2シール部51aは、第1開口部12a(第1空間)に近い位置に配置されている。第3シール部52aは、第2開口部12b(第2空間)に近い位置に配置されている。
また、ワイパー53,54を構成する部材(材料)として、例えば、スポンジ状のポーラスな弾性体を選択すれば、その部材の内部に潤滑油を浸透(保持)させておくことができる。
これにより、第2シール部51a,51b及び第3シール部52a,52bによってシールされるシール面に一定の膜厚を有する薄い油膜が形成された状態を維持することが可能となる。つまり、ワイパー53,54は、余剰な油膜を拭き取り、油膜が枯渇した際には一定の膜厚を有する油膜を塗布する。
第2シール部51a,51bによって仕切られたエアシリンダ80の表面には、大気圧の空間(空隙)である中間大気室55が設けられている。同様に、第3シール部52a,52bによって仕切られたエアシリンダ80の表面には、大気圧の空間(空隙)である中間大気室56が設けられている。
具体的には、可動弁板部50の環状凸部(突条)50dの外周面50fで第2シール部51a,51bによって仕切られた部分に中間大気室55が設けられている。また、可動弁板部50の環状凸部(突条)50dの内周面50gで第3シール部52a,52bによって仕切られた部分に中間大気室56が設けられている。中間大気室55は、可動弁枠部60の第1内周面60fと可動弁板部50の外周面50fに設けられた溝とで形成された空間であり、中間大気室56は、可動弁枠部60の第1外周面60gと可動弁板部50の第2内周面50gに設けられた溝とで形成された空間である。
つまり、加圧状態にあるエアシリンダ80に対して、1重目のシールである第2シール部51bが破れた際に、2重目のシールである第2シール部51aより気体供給側に、駆動用気体をスライド弁外部に向けて逃がす中間大気室55および連絡路が設けられている。また、加圧状態にあるエアシリンダ80に対して、1重目のシールである第3シール部52bが破れた際に、2重目のシールである第3シール部52aより気体供給側に、駆動用気体をスライド弁外部に向けて逃がす中間大気室56および連絡路が設けられている。
これにより、圧縮空気が弁体10内部に噴出して、スライド弁100内部、および、第1空間、第2空間、に悪影響を及ぼすことを防止できる。
例えば、第1開口部12aに近い第1空間が減圧空間であり、第2シール部51aが破損している場合においては、中間大気室55の圧力は、大気圧よりも低くなる。
また、圧縮空気が供給されているエアシリンダ80内の圧力は大気圧よりも高くなるため、第2シール部51bが破損している場合には、中間大気室55の圧力は、大気圧よりも高くなる。
同様に、第2開口部12bに近い第2空間が減圧空間であり、第3シール部52aが破損している場合においては、中間大気室56の圧力は、大気圧よりも低くなる。
また、圧縮空気が供給されているエアシリンダ80内の圧力は大気圧よりも高くなるため、第3シール部52bが破損している場合には、中間大気室56の圧力は、大気圧よりも高くなる。
例えば、と中間大気室55,56中あるいは連絡路にアラーム装置が設けられた構造、或いは、スライド弁100に接続された制御装置にアラーム装置が設けられた構造が採用されていれば、第2シール部51a,51b及び第3シール部52a,52bの異常をアラームによって報知することができる。従って、第2シール部51a,51b及び第3シール部52a,52bが破損し、内部リークがスライド弁100に発生し、メンテナンスが必要であることをすぐに認識することができる。
これにより、真空装置等の外部から検知することができない、スライド弁において発生した内部リーク等の不具合を確実に判断することができる。
スライド弁100には、図に二点差線で示すように、エアシリンダ80に駆動用気体を供給する供給路41が形成され、この供給路41は、可動弁枠部60の躯体内部、および、中立弁部30の躯体内部、回転軸10内部を経由して、スライド弁100の外部に設けられた図示しない駆動用気体供給手段に連通するよう設けられている。
この供給路41には、可動弁枠部60と中立弁部30との流路方向位置が変化した際にも、可動弁枠部60と中立弁部30との間で駆動用気体を供給可能に摺動接続する接続ピン部69が設けられる。
駆動用気体供給手段から供給された圧縮空気は、中立弁部30内部の供給路41を介して空間69aに噴出し、接続ピン部69内部の供給路41および可動弁枠部60内部の供給路41を介してエアシリンダ80に供給される。
接続ピン68には、孔部38内で接続ピン68が軸線方向(流路方向)に移動した場合でも、加圧面となる先端面68dと底面38dとの間ではなく、摺動方向となる面に、駆動用の圧縮空気が供給されて圧力が高い空間である加圧空間69aと、例えば圧力が低い空間である第2開口部1bに連通する第2空間側とを遮断する2重シール部が設けられる。
シール部は、加圧空間69aと中空部11との仕切り状態を確保できるものとされる。
同時に、段差68cおよび段差38cで形成された円環状の中間大気室69cが、この2重シールの間にあり、図示しない連絡路42に連通されることで、圧縮空気が弁箱10内部に噴出して、スライド弁100内部、および、第1空間、第2空間、に悪影響を及ぼすことを防止できる。
このようなシール部68f、68gの構成によれば、上述したエアシリンダ80における第2シール部(2重シール部)51a,51b及び第3シール部(2重シール部)52a,52bおよびガイドピン62の構成と同様の作用効果を奏することが可能となる。
また、可動弁板部50と可動弁枠部60とを中空部11の流路方向中央位置側に向けて移動させることで、弁箱10に弁体40が接触しないようにして回動させ、回動以外の動作が必要な機構に比べて小型で出力の小さい駆動機構によって退避位置まで弁体40を移動することができる。
図7は、本発明の第2実施形態におけるスライド弁の構成を示す縦断面図であり、固定弁部と可動弁部とが嵌合されているシリンダ付近の要部拡大図である。
図7において、図1ないし図6に示した第1実施形態と同一の部材には同一符号を付して、その説明は省略または簡略化する。
一方、第2実施形態の可動弁部40の構造においては、図7に示すように可動弁板部50の外周に形成された外周クランク部と可動弁枠部60の内周に形成された内周クランク部とが嵌合されている。
本実施形態においては、メインバネ70が可動弁枠部60に設けられているので、メインバネ70を第1シール部61の直下に位置させることが可能である。
具体的には、可動弁部40の最外周である第1周囲領域40aにメインバネ70が設けられ、第1周囲領域40aに隣接した第2周囲領域40bにはエアシリンダ80が配置される。また、メインバネ70は、第1シール部61の直下に位置している。
つまり、スライド弁100の構造は、作用点及び支点が存在するモーメント荷重を加える構造ではない。このため、梃子に相当する部分の構造部材(強度)は必要なく、アクチュエータの構造を簡易化することができる。また、可動弁部60に要求される剛性として、可動弁部60の自重を支えることができる強度があれば十分である。
また、このように可動弁部40の周囲領域にアクチュエータが配置された構成が大口径を有するスライド弁に適用された場合であっても、上述した同様の構造によって確実に閉弁動作及び開弁動作を行うことができ、逆圧が作用した場合においても同様の動作ができる。
具体的に、第1実施形態においては、第1外周面50fとは反対の面である内側面50gに第3シール部52b,中間大気室56,第3シール部52a,及びワイパー54が設けられているが、第2実施形態においては、第2外周面50jに第3シール部52b,中間大気室56,第3シール部52a,及びワイパー54が設けられている。
また、ワイパー53,54の内部に潤滑油を浸透(保持)させておくことができる。
これにより、第2シール部51a,51b及び第3シール部52a,52bによってシールされるシール面に一定の膜厚を有する薄い油膜が形成された状態を維持することが可能となる。つまり、ワイパー53,54は、余剰な油膜を拭き取り、油膜が枯渇した際には一定の膜厚を有する油膜を塗布する。
図8は、本発明の第3実施形態におけるスライド弁の構成を示す縦断面図であり、中立弁部と可動弁部(可動弁枠部)とが接続されている接続ピン部付近の要部拡大図である。
図8において、図1ないし図6に示した第1実施形態と同一の部材には同一符号を付して、その説明は省略または簡略化する。
フローティングピン68Aは、図8に示すように、孔部38に回動可能かつ軸方向に摺動可能として勘合されている図示下部側が、上述した第1実施形態と略同等の構成とされている。
本実施形態の接続ピン部69は、供給路41として設けられたもので、図8に示すように、可動弁枠部60に流路方向と平行に穿孔された円形断面の貫通孔67を有し、この貫通孔67にフランジ部68Aaを有する棒状のフローティングピン68Aが回動可能かつ半径方向に微動可能で、かつ傾斜は最小限になる様に勘合されている。貫通孔67の内面67aは、フランジ部68Aaの径寸法に対応して可動弁枠部60に対向した孔部38よりも拡径したフランジ内面67aを有し、この開口側のフランジ内面67aに比べて図示上となる貫通側のガス接続位置内面38bが縮径され、このガス接続位置内面67bに比べて図示上となる貫通側の支持位置内面67cが縮径され、この支持位置内面67cに比べて図示上となる貫通側の外側内面67dが拡径されている。
固定端68Acには、固定溝68Adが周設されて、この固定溝68Adに勘合されたワッシャ等の固定部材68Aeが、貫通孔67の外側面67eに当接することでフローティングピン68Aの軸方向(流路方向)における内側方向(図示下方向)の移動を規制し位置を固定している。
フランジ部68Aaの上側となるシール面68Afと、ガス接続部68Abの上側となるシール面68Agは、対向する段差面67fおよび段差面67gとの間に、Oリング等とされるシール部材67h、67jが設けられている。
同時に、フローティングピン68Aは、シール部材67hがシール面68Afと段差面67fとに押圧されて変形するとともに、シール部材67jがシール面68Agと段差面67gとに押圧されて変形するようになっている。
このように、フローティングピン68AのOリング等とされるシール部材67h、67jが段差面67fおよび段差面67gに押圧されて変形することで、ガス接続部68Ab、および、接続位置内面67b部分がシールされる。
フローティングピン68Aの内部には、その先端面68dに開口し軸方向に沿って中心に開けられるとともに、接続位置内面67bに設けられた開口に対向する位置とされるガス接続部68Abの表面に開口する供給路41が設けられて、加圧空間69aとエアシリンダ80とを接続可能となっている。
本実施形態の接続ピン部69としては、連絡路42として設けられたフローティングピン68Bが、図13に示すように、可動弁枠部60側は図8に示すフローティングピン68Aと略同様の構成とされるため、対応する構成には同一の符号を付すか、68Aとの符号を68Bと読み替えてその説明を省略する。
フローティングピン68Bは、中立弁部30側が短くなっている。 このため、中間大気室となる空間69Baは加圧されておらず、開口した連絡路42は、段差68cに対応する位置で端面68Bdとなっている。また、加圧状態でないため、2重シールも採用されていない。連絡路42の一部であるフローティングピン68Bと、供給路41の一部であるフローティングピン68Aとは、図1に示すように、中立弁体5の面内で異なる位置にそれぞれ設けられている。このように、連絡路42と供給路41とは、回転軸20内部において平行位置とされたように、並行して中立弁部30内部、可動弁枠部60内部に設けられている。
同時に、フローティングピン68Aの位置変動時においても、太シール部68fおよび小シール部68gに変形が集中することがないので、変形・破損の可能性を低減することができ、密閉維持をより確実におこなうことができる。
また、第2付勢部80の構造として、円環状の1つのエアシリンダが採用された構造について説明したが、油圧シリンダ等とされる他の駆動流体を使用する構成を採用してもよい。この場合にも、1つの円環状のシリンダが駆動することによって弁箱10(10a,10b)の内面から可動弁板部50と可動弁枠部60との厚さ寸法を収縮させる駆動装置が第2付勢部として用いられる。
更には、楕円形に形成された開口部及び弁板、あるいは角部に丸みを有する略八角形に形成された開口部及び弁板等、あらゆる形状に形成された開口部及び弁板を本発明に適用可能である。
Claims (7)
- スライド弁であって、
中空部と、前記中空部を挟み互いに対向するように設けられて連通する流路となる第1開口部及び第2開口部とを有する弁箱と、
前記弁箱の前記中空部内に配置され前記第1開口部を閉塞可能な中立弁体と、
前記中立弁体を、前記第1開口部に対して閉塞状態にする弁閉塞位置と前記第1開口部から退避した開放状態とする弁開放位置との間で動作する位置切り替え手段として前記流路方向に延在する軸線を有する回転軸と、
を具備するものとされ、
前記中立弁体が、前記切り替え手段に接続される中立弁部と、該中立弁部に対して流路方向位置変更可能に接続される可動弁部と、を有し、
前記可動弁部が、該可動弁部に周設され前記第1開口部周囲の弁箱内面に密着されるシール部が設けられるとともに前記中立弁部に対して流路方向位置変更可能に接続される第1可動弁部と、
前記第1可動弁部を前記流路方向前記第1開口部に向けて付勢して前記シール部を前記第1開口部周囲の弁箱内面に密着可能とする第1付勢部と、
前記第1可動弁部に対して前記流路方向に摺動可能とされる第2可動弁部と、
前記第1付勢部の付勢力に対抗して前記第1可動弁部と前記第2可動弁部との前記流路方向厚み寸法を収縮可能なように駆動する第2付勢部と、
前記第1可動弁部と前記第2可動弁部との流路方向厚み寸法変化に対応して、前記第1可動弁部を前記中立弁部に対して流路方向位置変更可能に接続するとともに、前記第1可動弁部を前記流路方向中央位置側に付勢する第3付勢部と、
前記回転軸の軸線方向に離間して該回転軸を保持する2以上の軸受と、
前記回転軸の軸線方向におけるこれら軸受間の位置で前記回転軸周面に摺動可能に接触する流体経路リングと、
を有し、
前記回転軸の一端面と前記流体経路リングの外周面とに設けられた開口どうしを連通する密閉した流体経路が設けられ、前記回転軸が回動位置に依らずに、かつ、前記弁箱中空部に露出することなく前記中立弁部内部に形成された流体経路と前記回転軸径方向外側位置となる前記弁箱外部とを連通することを特徴とするスライド弁。 - 請求項1に記載のスライド弁であって、
前記流体経路として、前記回転軸内部には軸内経路が設けられ、該軸内経路が、前記回転軸の軸線方向に延在して前記回転軸の一端側に開口する軸方向軸内経路と、該軸方向経路に接続されるとともに前記回転軸の周面に開口する径方向軸内経路とからなり、
前記流体経路として、前記流体経路リング内部には、該流体経路リングの径方向に延在しその外周面及び内周面に開口する径方向リング経路が設けられ、
前記流体経路リング内周面および回転軸周面の間に、周方向に設けられ前記径方向軸内経路と前記径方向リング経路とを連通する周方向経路が周設されることを特徴とするスライド弁。 - 請求項2に記載のスライド弁であって、
前記経路は、前記第2周囲領域において前記第1可動弁部と前記第2可動弁部との間に前記第2付勢部として形成されたエアシリンダに駆動用気体を供給する供給路の一部とされることを特徴とするスライド弁。 - 請求項3に記載のスライド弁であって、
前記経路は、前記第2付勢部とされたエアシリンダの摺動部分に設けられた2重シール部において2重目のシールより気体供給側に設けられ、1重目のシールが破れた際に駆動用気体をスライド弁外部に向けて逃がす連絡路の一部とされることを特徴とするスライド弁。 - 請求項4に記載のスライド弁であって、
前記回転軸には、前記供給路と前記連絡路となる軸方向経路がそれぞれ平行に設けられてなるとともに、前記供給路と前記連絡路と対応する流体経路リングが前記回転軸の異なる軸方向位置に設けられてなることを特徴とするスライド弁。 - 請求項5に記載のスライド弁であって、
前記供給路と前記連絡路と対応する流体経路リングが、前記軸受の軸線方向中間位置に対して対称に配置されてなることを特徴とするスライド弁。 - 請求項6に記載のスライド弁であって、
前記軸受の軸線方向中間位置には、前記回転軸を駆動する駆動系ピニオンが接続されてなることを特徴とするスライド弁。
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