JP2012225441A - リターンガイド及びそれを備えた直動案内軸受装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】直動案内軸受装置は、案内レール10と、多数の円筒ころ30の転動を介して軸方向に沿って相対移動可能に案内レール10に跨架されたスライダ20と、エンドキャップ40とを有する。円筒ころ30には、周方向に沿って1以上の溝部が形成されている。エンドキャップ40には、円筒ころ30の循環路の一部として方向転換路70を形成するリターンガイド50が設置される。このリターンガイド50には、円筒ころ30の溝部に遊嵌する突条が形成される。
【選択図】図4
Description
案内レール110の幅方向の両側面にはそれぞれ軸方向に延びる転動体転動溝111が片側上下二条列ずつ、合計4条列形成されており、スライダ120のスライダ本体120Aには、その両袖部120Bの内側面にそれぞれ転動体転動溝111に対向する転動体転動溝121が片側上下二条列ずつ、合計4条列形成されている。
この移動につれて、案内レール110とスライダ120との間に介在する円筒ころ130は転動してスライダ120の軸方向の端部に移動するが、スライダ120を軸方向に継続移動させていくためには、これらの円筒ころ130を無限に循環させる必要がある。
ところで、無限循環する多数の円筒ころ130はころ軸を中心に同一方向に回転するため、互いに隣り合う円筒ころ130同士が接触した場合、その接触部分のころ速度の向きは互いに逆方向になり、それにより発生する力は円筒ころ130の円滑な転動を妨げることになる。
このような事情から、従来においては、互いに隣り合う円筒ころ130間にセパレータ150を介装することで、円筒ころ130同士の直接接触を防止すると共に、前記スキューを抑制し、これにより、スライダ120の走行を滑らかにすると共に、走行中の騒音低減を図るようにしたものも提案されている。
そして、両転動体転動溝111,121間、方向転換路及び転動体通路123aを円筒ころ130が循環する際には、セパレータ150の腕部152は、セパレータ案内部材153、転動体通路123a及び方向転換路にそれぞれ設けられた案内溝154によって円筒ころ130の循環方向に沿って案内されるようになっている。
そのため、エンドキャップとスライダ本体との位置合わせを正確に行うことで良好な作動性を確保するために、位置決め用の凸部と補助用の凸部とを有する直動案内軸受装置が特許文献1に提案されている。
そこで、本発明は上記の問題点に着目してなされたものであり、その目的は、転動体が方向転換路を通過する際の軸方向へのズレと傾きを小さくし、スキューを軽減することができるリターンガイド及びそれを備えた直動案内軸受装置を提供することにある。
前記転動体通路及び前記方向転換路内で転動する転動体の全周にわたって形成された溝部に遊嵌する突条が形成されたことを特徴としている。
請求項1に係る発明によれば、転動体に形成された溝部に遊嵌する突条を転動体の転走方向に沿うように設けたので、方向転換路内における転動体の転走方向がガイドされ、その結果、転動体の姿勢が維持される。従って、転走方向に対する転動体のズレと傾きを小さくすることができ、スキューを軽減するリターンガイドを提供することができる。
請求項2に係る発明によれば、転動体が方向転換路から転動体通路に移る際、方向転換路の構成部材としての外循環路の外周面が途中までしか形成されていないため、外循環路の内周面に形成された前記突条によって、転動体が方向転換路を出る際に転走方向に対する転動体のズレと傾きを確実に小さくすることができる。
請求項3に係る発明によれば、方向転換路内における転動体の転走方向をより確実にガイドし、転走方向に対する転動体のズレと傾きをさらに小さくすることができる。その結果として、スキューをさらに軽減するリターンガイドを提供することができる。
前記転動体には、その全周にわたって溝部が形成され、
前記方向転換路を形成するリターンガイドには、前記溝部に遊嵌する突条が形成されたことを特徴としている。
請求項5に係る発明によれば、転動体が方向転換路から転動体通路に移る際、方向転換路の構成部材としての外循環路の外周面が途中までしか形成されていないため、外循環路の内周面に形成された前記突条によって、転動体が方向転換路を出る際に転走方向に対する転動体のズレと傾きを確実に小さくすることができる。
請求項6に係る発明によれば、方向転換路内における転動体の転走方向をより確実にガイドし、転走方向に対する転動体のズレと傾きをさらに小さくすることができる。その結果として、スキューをさらに軽減する直動案内軸受装置を提供することができる。
図1は、本発明に係る直動案内軸受装置の一実施形態における構成を示す斜視図である。また、図2は、本発明に係る直動案内軸受装置の一実施形態におけるエンドキャップの構成を示す背面図である。また、図3は、本発明に係る直動案内軸受装置の一実施形態におけるリターンガイドを装着する前のエンドキャップの構成を示す背面図である。また、図4は、図2の4−4線を切断線としてスライダの軸方向に沿う断面図である。また、図5は、本発明に係るリターンガイドの一実施形態における構成を示す図であり、(a)は平面図、(b)は正面図、(c)は背面図、(d)は底面図、(e)は側面図である。また、図6は、本発明に係るリターンガイドの一実施形態における円筒ころの挙動を示す図であり、(a)は平面図、(b)は正面図である。
図1〜図4に示すように、直動案内軸受装置1は、軸方向に延びる案内レール10と、該案内レール10上に軸方向に相対移動可能に跨架されたスライダ20とを備える。
スライダ20は、スライダ本体20Aと、エンドキャップ40とを有する。スライダ本体20Aとエンドキャップ40との間には、スライダ20内に入ってきた異物の侵入を阻止するサイドシール(図示せず)が設けられてもよい。
スライダ本体20Aは略コ字状の断面形状をなし、その開口部を案内レール10に向けて案内レール10上に跨架される。エンドキャップ40は、略コ字状の断面形状をなし、スライダ本体20Aの軸方向(移動方向)の両端部に設置される。サイドシールは、略コ字状の断面形状をなし、エンドキャップ40,40の軸方向(移動方向)のそれぞれの外側端部に設置される。
エンドキャップ40には、図4に示すように、両転動体転動溝11,21間と転動体通路60とに連通する半円弧状に湾曲した方向転換路70がスライダ20の軸方向の内側と外側とに形成されている。すなわち、転動体転動溝11,21間と、転動体通路60と、内側の方向転換路70(内循環路71)又は外側の方向転換路70(外循環路72)によって、転動体30の無限循環軌道が形成されている。
外循環路形成溝41と、内循環路形成溝42とは、端面40aからの深さを異ならせて直交するように形成されている。具体的には、外循環路形成溝41のほうが内循環路形成溝42よりも端面40aから離れて形成されている。
リターンガイド50は、図5(a)〜(e)に示すように、U字形状をなし、エンドキャップ40と同様に、樹脂材料(例えばポリアセタール、ポリアミド等)の射出成形で作製される。
リターンガイド50は、湾曲する外周面50aを外循環路72の内周面とし、内周面50bの底部50bbを内循環路71の外周面として方向転換路70を構成するように成形されている。そして、リターンガイド50は、外周面50aをエンドキャップ40の端面40aに対向させて外循環路形成溝41に嵌め込まれる。
ここで、図5(a)に示すように、本実施形態の直動案内装置で用いられる転動体30は、転動面である周面30aの全周にわたって溝部31が1条以上形成されている。
このように、内循環路71を形成するリターンガイド50の外周面50a、及び外循環路72を形成するリターンガイド50の内周面50bの少なくともいずれか一方に突条51が形成されることによって、図6(a),(b)に示すように、方向転換路70内における転動体30の転走方向がガイドされ、その結果、転動体30の姿勢が維持される。従って、転走方向に対する転動体30のズレと傾きを小さくすることができ、スキューを軽減するリターンガイド50及びそれを備えた直動案内軸受装置1を提供することができる。
図7は、本発明に係るリターンガイドの他の実施形態における構成を示す図であり、(a)は平面図、(b)は正面図、(c)は背面図、(d)は底面図、(e)は側面図である。図7(a)〜(d)に示すように、本実施形態では、転動体の全周にわたって複数の溝部31,31が形成され、これら溝部31,31に遊嵌する複数の突条51がリターンガイド50に形成されている。このようにリターンガイド50に複数の突条51が形成されることによって、方向転換路70内における転動体30の転走方向をより確実にガイドし、転走方向に対する転動体30のズレと傾きをさらに小さくすることができる。そして、その結果として、スキューをさらに軽減するリターンガイド50及び直動案内軸受装置1を提供することができる。なお、図7では、リターンガイド50に形成される突条51の数を2条としているが、該突条51の数は、転動体30に形成される溝の数以下であり、転動体30の転動を妨げなければ特に制限はなく、目的に応じて適宜設定される。
以上、本発明の実施の形態について説明してきたが、本発明はこれに限定されずに、種々の変更、改良を行うことができる。
10 案内レール
11 転動体転動溝
20 スライダ
20A スライダ本体
21 転動体転動溝
30 転動体(円筒ころ)
40 エンドキャップ
50 リターンガイド
51 突条
Claims (6)
- 軸方向に延びる案内レールと、該案内レールに跨設されたスライダ本体の両端部に設けられたエンドキャップに収納され、前記スライダ本体の軸方向に貫通して形成された転動体通路に連通する方向転換路を形成するリターンガイドであって、
前記転動体通路及び前記方向転換路内で転動する転動体の全周にわたって形成された溝部に遊嵌する突条が形成されたことを特徴とするリターンガイド。 - U字形状をなし、湾曲する外周面を外循環路の内周面とし、内周面の底部を内循環路の外周面として前記方向転換路を構成し、前記外循環路の内周面に前記突条が形成されたことを特徴とする請求項1に記載のリターンガイド。
- 前記突条が複数形成されたことを特徴とする請求項1又は2に記載のリターンガイド。
- 両側部に軸方向に延びる転動体転動溝を有して軸方向に延長された案内レールと、該案内レールの前記転動体転動溝に対向する転動体転動溝を有し、これらの両転動体転動溝間に挿入された転動体の転動を介して軸方向に沿って相対移動可能に前記案内レールに跨架されたスライダとを備え、前記スライダは、前記転動体転動溝及び軸方向に貫通する転動体通路が設けられたスライダ本体と、前記両転動体転動溝間と前記転動体通路とを連通する湾曲状の方向転換路を有して前記スライダ本体の軸方向の両端面に固定された一対のエンドキャップとを具備する直動案内軸受装置であって、
前記転動体には、その全周にわたって溝部が形成され、
前記方向転換路を形成するリターンガイドには、前記溝部に遊嵌する突条が形成されたことを特徴とする直動案内軸受装置。 - 前記リターンガイドがU字形状をなし、湾曲する外周面を外循環路の内周面とし、内周面の底部を内循環路の外周面として前記方向転換路を構成し、前記外循環路の内周面に前記突条が形成されたことを特徴とする請求項4に記載の直動案内軸受装置。
- 前記突条が複数形成されたことを特徴とする請求項4又は5に記載の直動案内軸受装置。
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