JP2012224096A - 船舶推進装置および船舶 - Google Patents

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Abstract

【課題】緊急時でも安全に航行することができる船舶推進装置及び船舶を提供する。
【解決手段】船舶本体2に収容されるエンジン4と、エンジン4の回転動力をプロペラ6に伝達するために船舶本体2の外部に配置される動力伝達機構5と、エンジン4を冷却する水を吸水ライン7を介して外部から吸引するポンプ8と、エンジン4を冷却した後の水を外部へ排出する主排水ライン9と、船舶本体2の近傍に位置するように設置され、主排水ライン9の流量を調節可能な流量調節弁11と、を備え、主排水ライン9は、水中に浸漬するプロペラボス28に接続されており、プロペラボス28は、主排水ライン9からの水流により船舶本体2が進行するように開口している船舶推進装置3である。
【選択図】図2

Description

本発明は、船舶本体を推進するための船舶推進装置、および、船舶推進装置を備える船舶に関する。
一般的に、海や湖などを航行する船舶は、人や物を載せる船舶本体と、当該船舶本体を推進するためのプロペラと、当該プロペラを回転駆動するエンジンとを備えている。また、エンジンの回転動力は、クラッチやトランスミッションなどの動力伝達機構によりプロペラに伝達されている。このような船舶では、エンジンの回転動力が動力伝達機構を介してプロペラに伝達され、プロペラが回転することにより船舶本体を推進しているが、何らかの原因により動力伝達機構が故障すると、エンジンの回転がプロペラに伝達されなくなることがある。例えば、クラッチに油圧を供給する油圧ポンプの不具合によりクラッチに油圧が供給されなくなり、その結果エンジンの回転動力をプロペラに伝達できなくなることがある。
このような故障が生じた場合、従来は緊急の措置として、クラッチを押圧するための緊急ボルトを締め付けることにより、強制的にクラッチを接続し、これによって、エンジンの回転をプロペラに伝達していた(特許文献1及び2参照)。このような措置より、緊急時でもプロペラを回転させ、船舶を推進させることができた。
上記のような緊急ボルトの締め付けによる措置は、クラッチが船舶本体の内部に配置されている構成(船内機)では特に問題が無かった。すなわち、クラッチが船舶本体の内部に配置されている場合は、緊急ボルトの締め付け作業を船舶本体の内部で行うことができるので容易に作業を行うことができた。
しかしながら、上記のような緊急ボルトの締め付けによる措置は、クラッチが船舶本体の外部に配置されている構成(船内外機)の場合には問題が生じていた。このような構成として、従来から例えば特許文献3に記載の船舶が知られている。この特許文献3に記載の船舶では、特許文献3の図1に示すように、クラッチを備えるアウトドライブ装置が船舶本体(船体)の後方外部に配置されている。
実開平2−51195号公報 実開平3−130924号公報 特開2010−52661号公報
上記の引用文献3に記載のような船舶では、クラッチが船舶本体の内部に配置されておらず、外部に配置されており、船舶本体の後方に位置しているので、クラッチが船舶本体から離間している。したがって、このような船舶では、クラッチと船舶本体とが離れているので、上記のような緊急ボルトの締め付け作業を行うことが困難であった。また、作業者が船舶本体の外部に出て緊急ボルトの締め付け作業を行うと、海や湖に転落してしまう可能性もあった。したがって、このような船舶では、クラッチの故障などの緊急事態が生じると、それに対する措置をとることが困難であるという問題があった。そのため、緊急時にエンジンの回転動力をプロペラに伝達することができず、船舶を推進させることができないという問題があった。
本発明は、上記問題を解決するためになされたものであって、緊急時でも安全に航行することができる船舶推進装置およびそれを備える船舶の提供を目的とする。
本発明は、上記課題を解決するための船舶推進装置であって、船舶本体に収容されるエンジンと、前記エンジンの回転動力をプロペラに伝達するために前記船舶本体の外部に配置される動力伝達機構と、前記エンジンを冷却する水を吸水ラインを介して外部から吸引するポンプと、前記エンジンを冷却した後の水を外部へ排出する主排水ラインと、前記船舶本体の近傍に位置するように設置され、前記主排水ラインの流量を調節可能な流量調節弁と、を備え、前記主排水ラインは、水中に浸漬する流体排出部に接続されており、前記流体排出部は、前記主排水ラインからの水流により前記船舶本体が進行するように開口している船舶推進装置である。
このような構成によれば、通常時には、エンジンの回転動力を、動力伝達機構を介してプロペラに伝達し、プロペラを回転させることにより船舶本体を推進させることができる。また、ポンプの作動により、エンジンを冷却する水を吸水ラインを通じてエンジンに供給することができるので、エンジンを冷却しながら航行することができる。
一方、動力伝達機構の故障によりエンジンの回転をプロペラに伝達できなくなるような緊急時には、船舶本体の近傍に位置する流量調節弁を操作することにより、主排水ラインに流れる流量を多くする。これにより、主排水ラインを流れる水の圧力を高めることができ、主排水ラインから流体排出部を介して高圧の水を噴出することができる。その結果、噴出された水の圧力により船舶本体を推進させることができる。よって、緊急時には、船舶本体の近傍の流量調節弁を操作するだけで船舶を推進させることができる。
以上より、本発明によれば、通常時にはエンジンを冷却しながら航行することができ、一方、緊急時には、簡易な操作で船舶本体を推進させることができるので、安全な航行をすることができる。
また、上記船舶推進装置は、前記主排水ラインから分岐する副排水ラインを更に備えることが好ましい。
本発明は、上記課題を解決するための船舶であって、上記のいずれかの船舶推進装置を前記船舶本体に搭載した船舶である。
本発明の船舶推進装置およびそれを備える船舶によれば、緊急時でも安全に航行することができる。
本発明の一実施形態に係る船舶推進装置を備える船舶の概略構成図である。 船舶推進装置の一部を断面で示す概略構成図である。 船舶推進装置の斜視図である。 船舶推進装置の概略を示すブロック図である。 他の実施形態に係る船舶推進装置の油圧回路図である。 更に他の実施形態に係る船舶推進装置の一部を示す断面図である。 更に他の実施形態に係る船舶推進装置の一部を示す断面図である。 更に他の実施形態に係る船舶推進装置の概略構成図である。
以下、本発明の実施形態について添付図面を参照して説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る船舶推進装置を備える船舶の概略構成図である。また、図2は、船舶推進装置の一部を断面で示す概略構成図である。また、図3は、船舶推進装置の斜視図である。また、図4は、船舶推進装置の概略を示すブロック図である。
図1に示すように、船舶1は、水中で進行可能な船舶本体2と、船舶本体2に搭載された船舶推進装置3とを備えている。以下では、船舶推進装置3が船舶本体2に取り付けられ、船舶1が水中に浮かんだ状態について説明する。船舶1は、例えば人や物をのせて航行をするボートやクルーザーなどである。船舶本体2は、水中を航行するために流線形に形成された公知の船体であり、船首、船尾、右舷、左舷を備えている。船舶本体2の構成は特に限定されないが、例えば舵や甲板を備える小型クルーザーの船体などを例示できる。
船舶推進装置3は、船舶本体2の船尾に固定されている。また、船舶推進装置3は、船舶本体2に設置された状態で、船舶本体2の内部に収容されたエンジン4と、船舶本体2の外部に配置された動力伝達機構5及びプロペラ6とを備えている。このように、船舶推進装置3は、エンジン4が船舶本体2の内部に位置し、動力伝達機構5及びプロペラ6が船舶本体2の外部に位置する船内外機(インボードエンジン・アウトボードドライブ)である。
また、図2〜図4に示すように、船舶推進装置3は、エンジン4を冷却するための水を外部から吸引してエンジン4へ送る吸水ライン7と、エンジン4を冷却した後の水を外部に排出する主排水ライン9と、主排水ライン9から流量調節弁11を介して分岐する副排水ライン10とを備えている。また、船舶推進装置3は、エンジン4の排ガスを排出する排気ライン12を備えている。
エンジン4は、船舶本体2の船尾板20(トランサムボード)より前方において船底21に設置されている。このエンジン4としては、回転動力を発生させるものであれば特に限定されず、一般的な船舶に用いられる公知の発動機を用いることができ、作動すると排ガスを排出する。また、エンジン4は、動力伝達機構5を介してプロペラ6に接続されており、エンジン4の回転動力をプロペラ6に伝達してプロペラ6を回転させることができる。また、エンジン4は、エンジン冷却用の公知のウォータージャケット(図示せず)を内部に備えており、ウォータージャケットに冷却用の水を流すことによりエンジン4を冷却することができる。
動力伝達機構5は、エンジン4の回転動力をプロペラ6に伝達する公知の構成であり、例えば、クラッチやトランスミッションを備える構成を例示できる。クラッチは、一方の軸から他方の軸へ回転を断続して伝達する公知の回転伝達装置である。本実施形態では、クラッチとして、対向する摩擦板の離間距離を油圧の増減によって調節して回転を伝達する公知の摩擦クラッチを用いている。また、トランスミッションは、複数のギヤを介して一方の軸の回転をその回転数(回転速度)を変えて他方の軸へ伝達する公知の変速装置である。このトランスミッションは、減速比(または、ギヤ比)を調節することによりエンジン4の回転を変速してプロペラ6に伝達できるように構成されている。クラッチの接続/切断やトランスミッションの変速は、公知の油圧ポンプを用いて油圧制御をすることにより行うことができる。また、この動力伝達機構5は、船舶本体2の船尾板20より後方に配置され、船舶本体2から離間しており、アッパーケース30およびロアケース31により覆われている。このアッパーケース30は、船舶1の進行時に水上に浮上し、停船時に水中に浸漬している。また、ロアケース31は、船舶1の進行時および停船時共に水中に位置している。
プロペラ6は、船舶推進用の公知のプロペラであり、船舶1が水に浮かんだ状態で水中に浸漬しており、船舶本体2の船尾近傍から後方へ延びるプロペラ回転軸25と、プロペラ回転軸25を覆う筒状のプロペラボス28と、プロペラボス28に放射状に固定された複数の羽根26とを備えている。プロペラ回転軸25には、動力伝達機構5を介してエンジン4の回転動力が伝達される。また、プロペラボス28は、プロペラ回転軸25の後部を囲むように配置されており、図示しない固定部材によりプロペラ回転軸25に固定されている。そして、プロペラ回転軸25の回転によりプロペラボス28及びこれに固定された羽根26が回転し、この回転による推進力によって船舶本体2を前進または後進させることができる。また、このプロペラボス28は、内部が空洞の筒状に形成されており、流体(例えば、水およびガス)が内部を通過できるように構成されている。また、このプロペラボス28の前端部には主排水ライン9が接続されており、主排水ライン9からの排水・排ガスをプロペラボス28の内部に導入することができる。また、プロペラボス28の後端部には開口27が形成されており、プロペラボス28に導入された排ガス及び排水を開口27から外部(水中)に放出できるように構成されている。この開口27は、後方を向いており、船舶本体2の通常の推進方向(前進)とは逆向きに開口している。このようにして、プロペラボス28は、排水および排ガスを水中に排出する流体排出部を構成しており、船舶本体2の推進方向と逆方向(後方)に向かって流体(水およびガス)を放出することができる。
排気ライン12は、一端部がエンジン4に接続され、他端部が主排水ライン9に連通しており、エンジン4からの排ガスを案内して主排水ライン9に導入することができる。
吸水ライン7には、水を吸引・圧送するポンプ8が設置されている。また、吸水ライン7は、水が流通可能なダクトにより形成されており、一端側が船舶本体2の外部に配置され、他端側が船舶本体2の内部に配置されている。また、この吸水ライン7は、一端部が水中に浸漬した状態で開口しており、他端部がエンジン4に接続され、エンジン4のウォータージャケットに連通している。これにより、吸水ライン7は、一端側から吸引した水を他端側に案内してエンジン4のウォータージャケットに送ることができる。
ポンプ8は、吸水ライン7に介在しており、ポンプ8の圧力により水中から水を吸引して、エンジン4に送ることができる。このポンプ8としては、例えば、歯車の噛み合わせを利用して流体を吸引・圧送する公知のギヤポンプや回転するベーンを利用して流体を圧送するベーンポンプなどを用いることができる。このポンプ8の圧力は、船舶1の排水量などに応じて適宜変更可能である。
主排水ライン9は、水が流通可能なダクトにより形成されており、一端側が船舶本体2の内部に配置され、他端側が船舶本体2の外部に配置されている。また、主排水ライン9の一端部は、エンジン4に接続されており、エンジン4のウォータージャケットと連通している。これにより、主排水ライン9は、エンジン4のウォータージャケットを介して吸水ライン7と接続されており、吸水ライン7及びエンジン4のウォータージャケットを通過した水が主排水ライン9に流れるように構成されている。また、主排水ライン9の他端部は、プロペラボス28の前端部に接続されており、プロペラボス28の内部と連通している。これにより、主排水ライン9は、エンジン4を冷却した後の水をプロペラボス28の内部に導入できる。
副排水ライン10は、水が流通可能なダクトにより形成されており、一端側が船舶本体2の内部に配置され、他端側が船舶本体2の外部に配置されている。また、副排水ライン10の一端部は、主排水ライン9に接続されており、主排水ライン9を流れる水を分岐させて副排水ライン10に流すことができるように構成されている。この副排水ライン10は、船舶本体2の近傍において主排水ライン9から分岐しており、本実施形態では、船舶本体2の内部において分岐している。また、副排水ライン10の他端部は、外部に向かって開口しており、外部に水を放出することができる。
流量調節弁11は、主排水ライン9と副排水ライン10との分岐部分に配置されており、流量調節弁11の操作により主排水ライン9及び副排水ライン10の流量を調節することができる。この流量調節弁11は、船舶本体2の近傍に配置されており、本実施形態では、船舶本体2の内部に配置されている。流量調節弁11の配置位置は、船舶本体2に搭乗しているユーザーが船舶本体2に搭乗したまま流量調節弁11の操作をすることができる範囲であることが好ましい。また、流量調節弁11としては、公知の電磁弁や玉形弁を用いることができる。また、流量調節弁11は、スイッチのON/OFF切り替えにより開閉できる自動の弁であっても、手作業で開閉する手動の弁であってもよい。
次に、上記のような構成を備える船舶推進装置3を用いて船舶1を推進する方法について説明する。
まず、通常時に船舶1を推進する方法について説明する。通常時には、エンジン4の回転動力が動力伝達機構5を介してプロペラ6に伝達され、プロペラ6が回転することにより船舶本体2が前進又は後進する。また、ポンプ8の作動により、エンジン冷却用の水が水中から吸引され、吸水ライン7を通じてエンジン4のウォータージャケットに圧送される。そして、エンジン4に送られた水によりエンジン4が冷却される。このように、通常時には、エンジン4を冷却しつつ船舶本体2を推進させて航行することができる。エンジン4を冷却した後の水は、ウォータージャケットから主排水ライン9へ送られる。このとき、冷却用の水をポンプ8により圧送しているので、その圧力により、冷却後の水が主排水ライン9へ圧送される。
また、主排水ライン9へ送られた冷却後の水の一部は、流量調節弁11において副排水ライン10へ分岐し、副排水ライン10を流れて、副排水ライン10の他端部から外部へ放出される。また、冷却後の水の一部は、主排水ライン9をそのまま流れて、主排水ライン9の他端部からプロペラボス28内に送られ、プロペラボス28の開口27から水中へ放出される。
また、エンジン4から排出される排ガスは、排気ライン12を流れた後、排気ライン12に接続された主排水ライン9に流れて冷却後の水と合流し、その後、主排水ライン9を通じてプロペラボス28内に送られ、プロペラボス28の開口27から水中へ放出される。
次に、緊急時に船舶1を推進する方法について説明する。緊急時には、例えばクラッチの油圧ポンプの故障などにより動力伝達機構5が機能しなくなり、エンジン4の回転動力を、動力伝達機構5を介してプロペラ6に伝達することができなくなる。
この場合、まず、流量調節弁11を調節することにより、主排水ライン9及び副排水ライン10の流量を調節し、主排水ライン9の流量を多くし、一方、副排水ライン10の流量を少なくする。これにより、主排水ライン9へ送られた冷却後の水の多くは、そのまま主排水ライン9を流れてゆき、その他の少量の水が副排水ライン10へ分岐して流れてゆく。このときの流量は適宜調節可能であるが、主排水ライン9へ送られる水の圧力を高くするために、全ての排水が主排水ライン9に流れるように調節することが好ましい。
その後、主排水ライン9へ送られた水はプロペラボス28内に送られ、プロペラボス28から船舶本体2の後方へ向けて水中に放出される。このとき、冷却用の水をポンプ8により圧送しているので、その圧力により、冷却後の水が主排水ライン9へ圧送され、プロペラボス28の開口27から圧力の高い状態で水中に噴出される。そして、プロペラボス28から水中に噴出される水の圧力により船舶本体2を推進させることができる。このように、主排水ライン9からの水流により船舶本体2を推進させることができるようにプロペラボス28が開口しているので、水流の勢いにより船舶1を進行させることができる。本実施形態では、プロペラボス28から船舶本体2の後方に向けて水を噴出しているので、その水の圧力により船舶本体2を前進させることができる。
以上のように、本実施形態に係る船舶推進装置3及び船舶1によれば、通常時には、エンジン4の回転を動力伝達機構5によりプロペラ6に伝達し、船舶本体2を推進させることができる。また、冷却水をポンプ8により吸引してエンジン4に送り、エンジン4を冷却することができる。一方、動力伝達機構5の故障による緊急時には、流量調節弁11の調節により主排水ライン9の流量を多くして主排水ライン9を流れる水の圧力を高め、プロペラボス28(流体排出部)を介して高圧の水を水中に噴出する。これにより、噴出される水流の圧力により船舶本体2が進行する。よって、本発明によれば、通常時にはエンジン4を冷却しながら航行することができ、一方、緊急時には、流量調節弁11の簡易な操作により船舶本体2を推進させることができるので、通常時及び緊急時共に安全な航行をすることができる。
また、主排水ライン9から副排水ライン10が分岐しているので、排水の一部を副排水ライン10に流すことにより、主排水ライン9の流量調節を確実に行うことができる。
また、排気ライン12と主排水ライン9とを接続しているので、エンジン4の排ガスと冷却後の排水とを混合して排出することができる。これにより、排ガスを水中に排出することができ、船舶本体2に搭乗しているユーザーに排ガスがかかることがない。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明の具体的な態様は、上記実施形態に限定されるものではない。
例えば、上記実施形態では、プロペラボス28により流体排出部を構成していたが、この構成に限定されるものではなく、プロペラボス28とは異なる位置に流体排出部を形成してもよい。例えば、プロペラボス28より上方の位置に、中空のダクトを配置することにより流体排出部を構成してもよい。このような構成によっても、流体排出部を介してエンジン4の冷却水を水中に噴出し、船舶本体2を推進することができる。
また、上記実施形態では、流量調節弁11が主排水ライン9と副排水ライン10との分岐部に設置されていたが、流量調節弁11の設置位置は特に限定されるものではない。例えば、主排水ライン9と副排水ライン10との分岐部より下流側に設置されていてもよい。このような構成によっても、主排水ライン9及び副排水ライン10の流量を調整することができる。
また、緊急時に船舶を推進するための船舶推進装置の他の実施形態について、以下に説明する。図5は、他の実施形態に係る船舶推進装置の油圧回路図である。図5に示すように、この船舶推進装置50は、クラッチ51と、クラッチ51を押圧するための作動油を供給する作動油供給ライン57と、作動油供給ライン57を通じて作動油を圧送する油圧ポンプ56とを備えている。また、船舶推進装置50は、作動油供給ライン57から分岐した前進用油圧ライン54および後進用油圧ライン55と、前進用油圧ライン54および後進用油圧ライン55をそれぞれ開閉する前進用電磁弁52及び後進用電磁弁53とを備えている。
クラッチ51は、エンジンの回転動力をプロペラに伝達する公知の回転伝達装置である。また、作動油供給ライン57は、油圧ポンプ56の圧力により作動油を吸引し、前進用油圧ライン54および後進用油圧ライン55に圧送することができる。また、前進用油圧ライン54および後進用油圧ライン55は、作動油供給ライン57から送られた作動油をクラッチ51に供給することができる。前進用油圧ライン54からクラッチ51に作動油が供給されると、その油圧によりクラッチ51が前進側に押圧される。一方、後進用油圧ライン55からクラッチ51に作動油が供給されると、その油圧によりクラッチ51が後進側に押圧される。また、前進用電磁弁52は、通常時は「開」であり、励磁(通電)により「閉」になるように構成されている。一方、後進用電磁弁53は、通常時は「閉」であり、励磁(通電)により「開」になるように構成されている。これにより、通常時は、前進用油圧ライン54が開通して、クラッチ51が前進側に押圧されており、励磁(通電)により、後進用油圧ライン55が開通して、クラッチ51が後進側に押圧される。
このような図5に示す船舶推進装置50によれば、通常時に船舶を前進させるときは、前進用電磁弁52及び後進用電磁弁53に通電せず、前進用油圧ライン54を開通させ、後進用油圧ライン55を閉塞する。また、後進させるときは、前進用電磁弁52及び後進用電磁弁53に通電し、前進用油圧ライン54を閉塞して、後進用油圧ライン55を開通させる。
一方、船舶の故障により、前進用電磁弁52及び後進用電磁弁53に通電することができなくなる場合がある。しかしながら、このような緊急の場合でも、前進用電磁弁52は、通電しない状態で「開」であるので、前進用油圧ライン54は開通したままである。したがって、前進用油圧ライン54を介してクラッチ51に作動油を供給することができ、クラッチ51を前進側に押圧することができる。よって、故障による緊急の場合でも、クラッチ51を前進側に押圧することができるので、クラッチ51を介してエンジンの回転動力をプロペラに伝達することができ、船舶を前進させることができる。
また、図6は、他の実施形態に係る船舶推進装置の一部を示す断面図である。図6の(a)は、通常時の船舶推進装置の一部を示しており、(b)は、緊急時の船舶推進装置の一部を示している。図6に示すように、この船舶推進装置60は、クラッチ61と、クラッチ61に係合する係合ピン62と、係合ピン62を押圧する押圧カム63と、押圧カム63に固定されたワイヤ64とを備えている。クラッチ61は、エンジンの回転動力をプロペラに伝達する公知の回転伝達装置であり、エンジンに接続された駆動回転軸65と、駆動回転軸65の回転が伝達される従動回転軸66とを備えている。このクラッチ61は、通常時は、駆動回転軸65の回転を、摩擦板を介して従動回転軸66に伝達している。係合ピン62は、通常時には駆動回転軸65のみに係合し、緊急時には従動回転軸66及び駆動回転軸65の両者に係合するように構成されている。押圧カム63は、駆動回転軸65の軸方向にスライド可能に構成されており、スライドしたときに係合ピン62を押圧できるように構成されている。また、ワイヤ64は、一端が押圧カム63に固定され、他端が船舶本体の内部に配置されている。
このような図6に示す船舶推進装置60によれば、通常時に船舶を前進させるときは、クラッチ61の駆動回転軸65の回転を、摩擦板を介して従動回転軸66に伝達している。
一方、船舶の故障により、駆動回転軸65の回転を従動回転軸66に伝達できなくなる場合がある。例えば、クラッチ61に作動油を供給している油圧ポンプが故障することにより回転を伝達できなくなる場合がある。そこで、このような緊急の場合は、図6(b)に示すように、船舶に搭乗しているユーザーが船舶本体の内部に配置されたワイヤ64を引っ張ることにより、押圧カム63を駆動回転軸65の軸方向に沿ってスライドさせる。押圧カム63がスライドすると、押圧カム63により係合ピン62が押圧され、従動回転軸66及び駆動回転軸65の両者に係合する。そうすると、駆動回転軸65と従動回転軸66とが係合ピン62を介して直接連結される。これにより、駆動回転軸65の回転を従動回転軸66に直接伝達することができる。したがって、故障による緊急の場合でも、駆動回転軸65の回転を従動回転軸66に伝達できるので、エンジンの回転動力をプロペラに伝達することができ、船舶を前進させることができる。
また、図7は、他の実施形態に係る船舶推進装置の一部を示す断面図である。図7に示すように、この船舶推進装置70は、クラッチ71と、クラッチ71に係合する係合ピン72と、係合ピン72を押圧する押圧バネ73と、押圧バネ73と反対側から係合ピン72を押圧する押圧ロッド74とを備えている。クラッチ71は、エンジンの回転動力をプロペラに伝達する公知の回転伝達装置であり、エンジンに接続された駆動回転軸75と、駆動回転軸75の回転が伝達される従動回転軸76とを備えている。このクラッチ71は、通常時は、駆動回転軸75の回転を、摩擦板を介して従動回転軸76に伝達している。係合ピン72は、通常時には駆動回転軸75のみに係合し、緊急時には従動回転軸76及び駆動回転軸75の両者に係合するように構成されている。押圧バネ73は、駆動回転軸75の軸方向に係合ピン72を押圧できるように構成されている。また、押圧ロッド74は、一端が係合ピン72を押圧しており、他端には図示しないワイヤにて引き抜き可能な引抜ピン77が取り付けられている。このワイヤの一端部は船舶本体の内部に配置されている。
このような図7に示す船舶推進装置70によれば、通常時に船舶を前進させるときは、クラッチ71の駆動回転軸75の回転を、摩擦板を介して従動回転軸76に伝達している。
一方、船舶の故障により、駆動回転軸75の回転を従動回転軸76に伝達できなくなる場合がある。例えば、クラッチ71に作動油を供給している油圧ポンプが故障することにより回転を伝達できなくなる場合がある。そこで、このような緊急の場合は、船舶に搭乗しているユーザーが船舶本体の内部に配置されたワイヤを引っ張り、引抜ピン77を引き抜くことにより、押圧ロッド74が押圧バネ73によってスライドし、押圧ロッド74よって押圧されていた係合ピン72が解放される。その結果、この係合ピン72が、従動回転軸76及び駆動回転軸75の両者に係合する。そうすると、駆動回転軸75と従動回転軸76とが係合ピン72を介して直接連結される。これにより、駆動回転軸75の回転を従動回転軸76に直接伝達することができる。したがって、故障による緊急の場合でも、駆動回転軸75の回転を従動回転軸76に伝達できるので、エンジンの回転動力をプロペラに伝達することができ、船舶を前進させることができる。
また、図8は、他の実施形態に係る船舶推進装置の概略構成図である。図8に示すように、この船舶推進装置80は、クラッチ81と、クラッチ81を押圧するための作動油を供給する作動油供給ライン82と、作動油供給ライン82を通じて作動油を圧送するプライミングポンプ83と、作動油供給ライン82に設置されたチェックバルブ84とを備えている。クラッチ81は、エンジンの回転動力をプロペラに伝達する公知の回転伝達装置である。また、作動油供給ライン82は、プライミングポンプ83の圧力により作動油を吸引し、クラッチ81に供給することができる。プライミングポンプ83は、手動でレバー85を往復動させることにより、液体を加圧して送ることができる公知のポンプである。また、このプライミングポンプ83は、船舶本体の内部に配置されており、ユーザーが船舶本体の内部で操作することができる。チェックバルブ84は、一方方向にのみ液体を流し、逆流を防ぐことができる公知のバルブであり、クラッチ81に向けて作動油を流すことができる。
このような図8に示す船舶推進装置80によれば、通常時には、図示しない油圧ポンプにより作動油をクラッチ81に供給しているが、例えば油圧ポンプの故障により、クラッチ81に作動油を供給することができなくなる場合がある。そこで、このような緊急の場合は、船舶本体の内部でユーザーがプライミングポンプ83を手動で操作することにより、作動油供給ライン82を介してクラッチ81に作動油を供給する。これにより、故障による緊急の場合でも、クラッチ81に作動油を供給することができるので、クラッチ81を介してエンジンの回転動力をプロペラに伝達することができ、船舶を前進させることができる。
1 船舶
2 船舶本体
3 船舶推進装置
4 エンジン
5 動力伝達機構
6 プロペラ
7 吸水ライン
8 ポンプ
9 主排水ライン
10 副排水ライン
11 流量調整弁
12 排気ライン
20 船尾板
21 船底
25 プロペラ回転軸
26 羽根
27 開口
28 プロペラボス
30 アッパーケース
31 ロアケース

Claims (3)

  1. 船舶本体に収容されるエンジンと、
    前記エンジンの回転動力をプロペラに伝達するために前記船舶本体の外部に配置される動力伝達機構と、
    前記エンジンを冷却する水を吸水ラインを介して外部から吸引するポンプと、
    前記エンジンを冷却した後の水を外部へ排出する主排水ラインと、
    前記船舶本体の近傍に位置するように設置され、前記主排水ラインの流量を調節可能な流量調節弁と、を備え、
    前記主排水ラインは、水中に浸漬する流体排出部に接続されており、
    前記流体排出部は、前記主排水ラインからの水流により前記船舶本体が進行するように開口している船舶推進装置。
  2. 前記主排水ラインから分岐する副排水ラインを更に備える請求項1に記載の船舶推進装置。
  3. 請求項1又は2に記載の船舶推進装置を前記船舶本体に搭載した船舶。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN104340350A (zh) * 2013-08-07 2015-02-11 陈辉 一种无人驾驶可改变航行方式的军用舰艇
CN110539871A (zh) * 2019-09-25 2019-12-06 中国船舶重工集团公司第七一九研究所 自流式冷却系统进水装置
WO2024036641A1 (zh) * 2022-08-19 2024-02-22 广东逸动科技有限公司 推进器及水域可移动设备

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